電話装置および通話中継方法
【課題】 あらかじめ登録された電話番号からの着信呼に対して自動的にコールバックを行い、かつ、外線への中継発信を行う。
【解決手段】 登録された電話番号を発信者とする着信呼が所定時間以内に呼放棄され、かつその呼放棄の後にその着信呼への応答操作が行われたことを条件として、自動的にコールバックを行う。続いて、コールバックに応答した発信者の電話機に音声ガイダンスを送ってから外線への中継発信を受け付け、その中継発信先が応答したときにはその中継発信先と発信者との通話を中継する。
【解決手段】 登録された電話番号を発信者とする着信呼が所定時間以内に呼放棄され、かつその呼放棄の後にその着信呼への応答操作が行われたことを条件として、自動的にコールバックを行う。続いて、コールバックに応答した発信者の電話機に音声ガイダンスを送ってから外線への中継発信を受け付け、その中継発信先が応答したときにはその中継発信先と発信者との通話を中継する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はコールバック機能を備えた電話装置に関する。特に、ボタン電話装置あるいは構内交換機のような事業所用の電話装置の改良に関する。
【背景技術】
【０００２】
外出時に個人所有の携帯電話で自社へ連絡する場合、通常は、通話料金が個人の携帯電話へ課金されてしまう。通話料金を会社負担とするためには、相手応答後自社から再度かけ直してもらうか、通信事業者の有料の按分サービスが必要であった。
【０００３】
通話料金を会社負担とするため、自動的に電話のかけ直し（コールバック）を行う技術も知られている。例えば特許文献１には、ＩＳＤＮ回線を介してデータ通信を行うため、登録された相手先からの着信に対して自動的にコールバックを行うことが開示されている。また、特許文献２には、あらかじめ登録された電話番号と一致する番号情報の発信者端末に対して、着信側でその呼を切断した後、着信側の端末でオフフックがあった場合に自動的にコールバックを行うことが開示されている。特許文献３には、あらかじめ設定された電話番号の発信者からの着信に対してその着信が切断されると自動的にコールバックを行い、そのコールバック先から他の外線への発信を行うことが開示されている。
【０００４】
【特許文献１】特許第３２６９７３９号
【特許文献２】特許第３５２２１７３号
【特許文献３】特開平１１−０８８５０４
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、特許文献１に開示の技術はデータ通信のためのもので、音声通話に利用できるものではない。特許文献２に開示の技術は音声通話が可能であるが、携帯電話機などの外部の電話機から事業所内の内線端末と通話を行うことしかできない。特許文献３に開示の技術では、コールバック呼び出し時にその旨の情報が信号音またはメッセージにより通知されるものの、そのコールバックに応答した後の操作に関しては何の補助もない。
【０００６】
本発明は、外部の電話機に対してコールバックを行うとともに、その外部の電話機から煩わしい操作なしに簡単に別の外線電話を呼び出して通話を中継することのできる電話装置および通話中継方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の第一の観点によると、コールバック対象となる電話番号が登録される記憶手段と、この記憶手段に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対して、その着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合にはその発信者に折り返し自動発信を行うコールバック手段と、この折り返し自動発信に応答した発信者からのダイヤルトーン信号を受信し、そのダイヤルトーン信号に従って前記発信者が接続された電話回線とは別の電話回線で中継発信を行い、中継発信先が応答したときには、その中継発信先と前記発信者との音声パスを接続する中継発信手段とを備えた電話装置において、前記中継発信手段は、前記折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に中継発信に関する音声ガイダンスを送る手段を含むことを特徴とする電話装置が提供される。
【０００８】
着信呼に対して着信表示を行う手段を備え、この着信表示を行う手段は、前記記憶手段に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対しては、前記所定時間が経過しても呼放棄が行われない場合に初めて着信表示を行うことが望ましい。また、折り返し自動発信に応答した発信者からその呼が内線宛であることが示された場合に初めて着信表示を行うことが望ましい。
【０００９】
コールバック対象となる電話番号は携帯電話機の電話番号とすることができる。
【００１０】
本発明の第二の観点によると、あらかじめ事業所の電話装置に携帯電話機の電話番号を登録しておき、外出先で前記携帯電話機から前記事業所の電話装置に電話をかけて所定時間以内に呼放棄し、前記事業所の電話装置では、あらかじめ登録された電話番号を発信者とする着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合にはその発信者に折り返し自動発信を行い、この折り返し自動発信に応答した発信者から外線への中継発信を受け付け、その中継発信先が応答したときにはその中継発信先と前記発信者との通話を中継する通話中継方法において、前記折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に音声ガイダンスを送り、その音声ガイダンスに応答して送られてきた前記発信者からのダイヤルトーン信号を受信し、受信したダイヤルトーン信号により、前記発信者が接続された電話回線とは別の電話回線で中継発信を行い、中継発信先が応答したときには、その中継発信先と前記発信者との音声パスを接続することを特徴とする通話中継方法が提供される。
【発明の効果】
【００１１】
本発明では、あらかじめ登録された電話番号を発信者とする着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合に、その電話番号の電話機に折り返し自動発信する。さらに、この折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に音声ガイダンスを送ってから外線への中継発信を受け付け、発信者と中継発信先との通話を中継する。これにより、外出先から事業所の電話装置を経由して外部の電話機に電話をかけることができ、しかもその課金対象は事業所の電話装置とすることができる。
【００１２】
特許文献３に開示の技術では、コールバック呼び出しであることが通知されるものの、中継発信が可能であることを示す情報は通知されていない。また、中継発信のためにはセキュリティコードを送出する必要がある。このため、中継発信機能を利用するには、操作者がその機能についてあらかじめ十分に理解している必要がある。
【００１３】
確かに、特定の人間だけに中継発信機能を利用できるようにするのであれば、セキュリティコードが必要であり、音声ガイダンスはむしろ余計かもしれない。しかし、中継発信機能が利用できるのは電話番号があらかじめ登録された電話機だけであり、それ以上に中継発信機能の利用を制限する必要はないと考える。
【００１４】
本発明によれば、例えば携帯電話機から事業所の電話装置を経由して中継発信を行う場合、事業所の電話装置に携帯電話機の電話番号を登録しておき、その携帯電話機から事業所の電話装置に電話をかけてから所定時間以内に呼放棄しさえすれば、音声ガイダンスに従って簡単に中継発信機能を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
図１は本発明の一実施例を示すブロック構成図であり、ボタン電話装置で本発明を実施した例を示す。
【００１６】
このボタン電話装置は、ボタン電話主装置１と、このボタン電話主装置１に収容される内線端末２−１〜２−ｎとを備える。ボタン電話主装置１には、外線インタフェース部１１、外線呼制御部１２、内線インタフェース部１３、音声ガイダンス送出回路インタフェース部１４、ＰＢ信号受信回路インタフェース部１５、タイマ部１６およびメモリ１７を備え、外線呼制御部１２には着信制御部１２１および発信制御部１２２を備える。メモリ１７にはコールバック対象となる電話番号が登録されるコールバック対象番号テーブル１７１が設けられ、外線呼制御部１２は、このコールバック対象番号テーブル１７１に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対して折り返し自動発信を行うことができる。
【００１７】
ここで本実施例の特徴とするところは、コールバック対象番号テーブル１７１に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対して、その着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合には発信制御部１２２からその発信者に折り返し自動発信を行い、この折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に音声ガイダンスを送ってから外線への中継発信を受け付け、その中継発信先が応答したときにはその中継発信先と発信者との通話を中継することにある。
【００１８】
図２は自動コールバック動作および通話中継動作を説明するタイムチャートである。ここでは、コールバック対象が携帯電話機であり、外出先から事業所の電話装置（図１のボタン電話装置、以下単に「事業所装置」という）に電話をかける場合を例に説明する。ここで「携帯電話機」とは、セルラ方式のものだけでなく、ＰＨＳ（Personal Handyphone System）電話機を含むものとする。
【００１９】
自動コールバックを行うには、あらかじめ、コールバック対象番号テーブル１７１に携帯電話機の電話番号を登録しておく。
【００２０】
登録済の携帯電話機で外出先から事業所に電話をかけると、事業所装置では、着信制御部１２１の制御により、着信を検出して内線端末を着信鳴動させる。このとき、通信事業者網から携帯電話機には、呼出音（リングバックトーンＲＢＴ）が送られる。携帯電話機では、この呼出音が聞こえたら、直ちに電話を切って呼放棄する。事業所装置側では、着信から呼放棄までの時間が所定時間以内のとき、音声ガイダンス送出回路インタフェース部１４およびＰＢ信号受信回路インタフェース部１５を予約し、発信制御部１２２の制御により、発信元の携帯電話機に折り返し自動発信する。
【００２１】
発信元の携帯電話機が応答すると、事業所装置では、音声送話パスと音声ガイダンス送出回路インタフェース部１４、音声受話パスとＰＢ信号受信回路インタフェース部１５をそれぞれ接続し、音声ガイダンスを発信元の携帯電話機に送出する。発信元の携帯電話機では、その音声ガイダンスにしたがって、外線発信番号と相手先の電話番号とをダイヤルする。
【００２２】
事業所装置では、ＰＢ信号受信回路インタフェース部１５により、携帯電話機からのＰＢ信号（Push Button信号、ダイヤルトーン信号ともいう）を受信し、その信号にしたがって、発信制御部１２２の制御より外線への中継発信を行う。中継発信先が応答すると、発信制御部１２２の制御より、発信元の携帯電話機と中継発信先との音声パスを接続する。
【００２３】
以上の動作において、携帯電話機からの着呼が所定時間を越えても呼放棄されない場合には、通常の着信として扱う。折り返し自動発信に対して携帯電話機が応答しない場合には、それ以降の動作は行わない。これらの時間はそれぞれ、タイマ部１６のコールバック検出タイマおよびコールバック起動タイマにより計時する。
【００２４】
通常の着信呼に対して着信制御部１２１は、収容している内線端末の少なくともひとつで着信鳴動あるいはＬＥＤの点滅等の着信表示行う。しかし、コールバック対象番号テーブル１７１に登録されている電話番号を発信者とする着信呼に対しては、内線端末で応答してしまうと、コールバックができなくなり、外線への中継発信もできなくなる。そこで、そのような電話機からの着呼が所定時間を越えても呼放棄されない場合、すなわちコールバック検出タイマがタイムアウトになった場合に初めて、着信鳴動等の着信表示を行うことがよい。また、自動コールバックを行った場合でも、発信者からその呼が内線宛であることが示された場合には、その時点で着信表示を行うことがよい。
【００２５】
以上の実施例では事業所装置としてボタン電話装置を例に説明したが、構内交換機やその他の電話装置でも本発明を同様に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明の一実施例を示すブロック構成図。
【図２】自動コールバック動作を説明するタイムチャート。
【符号の説明】
【００２７】
１ ボタン電話主装置
１１ 外線インタフェース部
１２ 外線呼制御部
１３ 内線インタフェース部
１４ 音声ガイダンス送出回路インタフェース部
１５ ＰＢ信号受信回路インタフェース部
１６ タイマ部
１７ メモリ
１２１ 着信制御部
１２２ 発信制御部
１７１ コールバック対象番号テーブル
２−１〜２−ｎ 内線端末
【技術分野】
【０００１】
本発明はコールバック機能を備えた電話装置に関する。特に、ボタン電話装置あるいは構内交換機のような事業所用の電話装置の改良に関する。
【背景技術】
【０００２】
外出時に個人所有の携帯電話で自社へ連絡する場合、通常は、通話料金が個人の携帯電話へ課金されてしまう。通話料金を会社負担とするためには、相手応答後自社から再度かけ直してもらうか、通信事業者の有料の按分サービスが必要であった。
【０００３】
通話料金を会社負担とするため、自動的に電話のかけ直し（コールバック）を行う技術も知られている。例えば特許文献１には、ＩＳＤＮ回線を介してデータ通信を行うため、登録された相手先からの着信に対して自動的にコールバックを行うことが開示されている。また、特許文献２には、あらかじめ登録された電話番号と一致する番号情報の発信者端末に対して、着信側でその呼を切断した後、着信側の端末でオフフックがあった場合に自動的にコールバックを行うことが開示されている。特許文献３には、あらかじめ設定された電話番号の発信者からの着信に対してその着信が切断されると自動的にコールバックを行い、そのコールバック先から他の外線への発信を行うことが開示されている。
【０００４】
【特許文献１】特許第３２６９７３９号
【特許文献２】特許第３５２２１７３号
【特許文献３】特開平１１−０８８５０４
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、特許文献１に開示の技術はデータ通信のためのもので、音声通話に利用できるものではない。特許文献２に開示の技術は音声通話が可能であるが、携帯電話機などの外部の電話機から事業所内の内線端末と通話を行うことしかできない。特許文献３に開示の技術では、コールバック呼び出し時にその旨の情報が信号音またはメッセージにより通知されるものの、そのコールバックに応答した後の操作に関しては何の補助もない。
【０００６】
本発明は、外部の電話機に対してコールバックを行うとともに、その外部の電話機から煩わしい操作なしに簡単に別の外線電話を呼び出して通話を中継することのできる電話装置および通話中継方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の第一の観点によると、コールバック対象となる電話番号が登録される記憶手段と、この記憶手段に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対して、その着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合にはその発信者に折り返し自動発信を行うコールバック手段と、この折り返し自動発信に応答した発信者からのダイヤルトーン信号を受信し、そのダイヤルトーン信号に従って前記発信者が接続された電話回線とは別の電話回線で中継発信を行い、中継発信先が応答したときには、その中継発信先と前記発信者との音声パスを接続する中継発信手段とを備えた電話装置において、前記中継発信手段は、前記折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に中継発信に関する音声ガイダンスを送る手段を含むことを特徴とする電話装置が提供される。
【０００８】
着信呼に対して着信表示を行う手段を備え、この着信表示を行う手段は、前記記憶手段に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対しては、前記所定時間が経過しても呼放棄が行われない場合に初めて着信表示を行うことが望ましい。また、折り返し自動発信に応答した発信者からその呼が内線宛であることが示された場合に初めて着信表示を行うことが望ましい。
【０００９】
コールバック対象となる電話番号は携帯電話機の電話番号とすることができる。
【００１０】
本発明の第二の観点によると、あらかじめ事業所の電話装置に携帯電話機の電話番号を登録しておき、外出先で前記携帯電話機から前記事業所の電話装置に電話をかけて所定時間以内に呼放棄し、前記事業所の電話装置では、あらかじめ登録された電話番号を発信者とする着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合にはその発信者に折り返し自動発信を行い、この折り返し自動発信に応答した発信者から外線への中継発信を受け付け、その中継発信先が応答したときにはその中継発信先と前記発信者との通話を中継する通話中継方法において、前記折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に音声ガイダンスを送り、その音声ガイダンスに応答して送られてきた前記発信者からのダイヤルトーン信号を受信し、受信したダイヤルトーン信号により、前記発信者が接続された電話回線とは別の電話回線で中継発信を行い、中継発信先が応答したときには、その中継発信先と前記発信者との音声パスを接続することを特徴とする通話中継方法が提供される。
【発明の効果】
【００１１】
本発明では、あらかじめ登録された電話番号を発信者とする着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合に、その電話番号の電話機に折り返し自動発信する。さらに、この折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に音声ガイダンスを送ってから外線への中継発信を受け付け、発信者と中継発信先との通話を中継する。これにより、外出先から事業所の電話装置を経由して外部の電話機に電話をかけることができ、しかもその課金対象は事業所の電話装置とすることができる。
【００１２】
特許文献３に開示の技術では、コールバック呼び出しであることが通知されるものの、中継発信が可能であることを示す情報は通知されていない。また、中継発信のためにはセキュリティコードを送出する必要がある。このため、中継発信機能を利用するには、操作者がその機能についてあらかじめ十分に理解している必要がある。
【００１３】
確かに、特定の人間だけに中継発信機能を利用できるようにするのであれば、セキュリティコードが必要であり、音声ガイダンスはむしろ余計かもしれない。しかし、中継発信機能が利用できるのは電話番号があらかじめ登録された電話機だけであり、それ以上に中継発信機能の利用を制限する必要はないと考える。
【００１４】
本発明によれば、例えば携帯電話機から事業所の電話装置を経由して中継発信を行う場合、事業所の電話装置に携帯電話機の電話番号を登録しておき、その携帯電話機から事業所の電話装置に電話をかけてから所定時間以内に呼放棄しさえすれば、音声ガイダンスに従って簡単に中継発信機能を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
図１は本発明の一実施例を示すブロック構成図であり、ボタン電話装置で本発明を実施した例を示す。
【００１６】
このボタン電話装置は、ボタン電話主装置１と、このボタン電話主装置１に収容される内線端末２−１〜２−ｎとを備える。ボタン電話主装置１には、外線インタフェース部１１、外線呼制御部１２、内線インタフェース部１３、音声ガイダンス送出回路インタフェース部１４、ＰＢ信号受信回路インタフェース部１５、タイマ部１６およびメモリ１７を備え、外線呼制御部１２には着信制御部１２１および発信制御部１２２を備える。メモリ１７にはコールバック対象となる電話番号が登録されるコールバック対象番号テーブル１７１が設けられ、外線呼制御部１２は、このコールバック対象番号テーブル１７１に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対して折り返し自動発信を行うことができる。
【００１７】
ここで本実施例の特徴とするところは、コールバック対象番号テーブル１７１に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対して、その着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合には発信制御部１２２からその発信者に折り返し自動発信を行い、この折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に音声ガイダンスを送ってから外線への中継発信を受け付け、その中継発信先が応答したときにはその中継発信先と発信者との通話を中継することにある。
【００１８】
図２は自動コールバック動作および通話中継動作を説明するタイムチャートである。ここでは、コールバック対象が携帯電話機であり、外出先から事業所の電話装置（図１のボタン電話装置、以下単に「事業所装置」という）に電話をかける場合を例に説明する。ここで「携帯電話機」とは、セルラ方式のものだけでなく、ＰＨＳ（Personal Handyphone System）電話機を含むものとする。
【００１９】
自動コールバックを行うには、あらかじめ、コールバック対象番号テーブル１７１に携帯電話機の電話番号を登録しておく。
【００２０】
登録済の携帯電話機で外出先から事業所に電話をかけると、事業所装置では、着信制御部１２１の制御により、着信を検出して内線端末を着信鳴動させる。このとき、通信事業者網から携帯電話機には、呼出音（リングバックトーンＲＢＴ）が送られる。携帯電話機では、この呼出音が聞こえたら、直ちに電話を切って呼放棄する。事業所装置側では、着信から呼放棄までの時間が所定時間以内のとき、音声ガイダンス送出回路インタフェース部１４およびＰＢ信号受信回路インタフェース部１５を予約し、発信制御部１２２の制御により、発信元の携帯電話機に折り返し自動発信する。
【００２１】
発信元の携帯電話機が応答すると、事業所装置では、音声送話パスと音声ガイダンス送出回路インタフェース部１４、音声受話パスとＰＢ信号受信回路インタフェース部１５をそれぞれ接続し、音声ガイダンスを発信元の携帯電話機に送出する。発信元の携帯電話機では、その音声ガイダンスにしたがって、外線発信番号と相手先の電話番号とをダイヤルする。
【００２２】
事業所装置では、ＰＢ信号受信回路インタフェース部１５により、携帯電話機からのＰＢ信号（Push Button信号、ダイヤルトーン信号ともいう）を受信し、その信号にしたがって、発信制御部１２２の制御より外線への中継発信を行う。中継発信先が応答すると、発信制御部１２２の制御より、発信元の携帯電話機と中継発信先との音声パスを接続する。
【００２３】
以上の動作において、携帯電話機からの着呼が所定時間を越えても呼放棄されない場合には、通常の着信として扱う。折り返し自動発信に対して携帯電話機が応答しない場合には、それ以降の動作は行わない。これらの時間はそれぞれ、タイマ部１６のコールバック検出タイマおよびコールバック起動タイマにより計時する。
【００２４】
通常の着信呼に対して着信制御部１２１は、収容している内線端末の少なくともひとつで着信鳴動あるいはＬＥＤの点滅等の着信表示行う。しかし、コールバック対象番号テーブル１７１に登録されている電話番号を発信者とする着信呼に対しては、内線端末で応答してしまうと、コールバックができなくなり、外線への中継発信もできなくなる。そこで、そのような電話機からの着呼が所定時間を越えても呼放棄されない場合、すなわちコールバック検出タイマがタイムアウトになった場合に初めて、着信鳴動等の着信表示を行うことがよい。また、自動コールバックを行った場合でも、発信者からその呼が内線宛であることが示された場合には、その時点で着信表示を行うことがよい。
【００２５】
以上の実施例では事業所装置としてボタン電話装置を例に説明したが、構内交換機やその他の電話装置でも本発明を同様に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】本発明の一実施例を示すブロック構成図。
【図２】自動コールバック動作を説明するタイムチャート。
【符号の説明】
【００２７】
１ ボタン電話主装置
１１ 外線インタフェース部
１２ 外線呼制御部
１３ 内線インタフェース部
１４ 音声ガイダンス送出回路インタフェース部
１５ ＰＢ信号受信回路インタフェース部
１６ タイマ部
１７ メモリ
１２１ 着信制御部
１２２ 発信制御部
１７１ コールバック対象番号テーブル
２−１〜２−ｎ 内線端末
【特許請求の範囲】
【請求項１】
コールバック対象となる電話番号が登録される記憶手段と、
この記憶手段に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対して、その着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合にはその発信者に折り返し自動発信を行うコールバック手段と、
この折り返し自動発信に応答した発信者からのダイヤルトーン信号を受信し、そのダイヤルトーン信号に従って前記発信者が接続された電話回線とは別の電話回線で中継発信を行い、中継発信先が応答したときには、その中継発信先と前記発信者との音声パスを接続する中継発信手段と
を備えた電話装置において、
前記中継発信手段は、前記折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に中継発信に関する音声ガイダンスを送る手段を含む
ことを特徴とする電話装置。
【請求項２】
着信呼に対して着信表示を行う手段を備え、この着信表示を行う手段は、前記記憶手段に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対しては、前記所定時間が経過しても呼放棄が行われない場合に初めて着信表示を行う請求項１記載の電話装置。
【請求項３】
着信呼に対して着信表示を行う手段を備え、この着信表示を行う手段は、折り返し自動発信に応答した発信者からその呼が内線宛であることが示された場合に初めて着信表示を行う請求項１記載の電話装置。
【請求項４】
コールバック対象となる電話番号は携帯電話機の電話番号である請求項１記載の電話装置。
【請求項５】
あらかじめ事業所の電話装置に携帯電話機の電話番号を登録しておき、
外出先で前記携帯電話機から前記事業所の電話装置に電話をかけて所定時間以内に呼放棄し、
前記事業所の電話装置では、あらかじめ登録された電話番号を発信者とする着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合にはその発信者に折り返し自動発信を行い、この折り返し自動発信に応答した発信者から外線への中継発信を受け付け、その中継発信先が応答したときにはその中継発信先と前記発信者との通話を中継する
通話中継方法において、
前記折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に音声ガイダンスを送り、
その音声ガイダンスに応答して送られてきた前記発信者からのダイヤルトーン信号を受信し、
受信したダイヤルトーン信号により、前記発信者が接続された電話回線とは別の電話回線で中継発信を行い、
中継発信先が応答したときには、その中継発信先と前記発信者との音声パスを接続する
ことを特徴とする通話中継方法。
【請求項１】
コールバック対象となる電話番号が登録される記憶手段と、
この記憶手段に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対して、その着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合にはその発信者に折り返し自動発信を行うコールバック手段と、
この折り返し自動発信に応答した発信者からのダイヤルトーン信号を受信し、そのダイヤルトーン信号に従って前記発信者が接続された電話回線とは別の電話回線で中継発信を行い、中継発信先が応答したときには、その中継発信先と前記発信者との音声パスを接続する中継発信手段と
を備えた電話装置において、
前記中継発信手段は、前記折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に中継発信に関する音声ガイダンスを送る手段を含む
ことを特徴とする電話装置。
【請求項２】
着信呼に対して着信表示を行う手段を備え、この着信表示を行う手段は、前記記憶手段に登録された電話番号を発信者とする着信呼に対しては、前記所定時間が経過しても呼放棄が行われない場合に初めて着信表示を行う請求項１記載の電話装置。
【請求項３】
着信呼に対して着信表示を行う手段を備え、この着信表示を行う手段は、折り返し自動発信に応答した発信者からその呼が内線宛であることが示された場合に初めて着信表示を行う請求項１記載の電話装置。
【請求項４】
コールバック対象となる電話番号は携帯電話機の電話番号である請求項１記載の電話装置。
【請求項５】
あらかじめ事業所の電話装置に携帯電話機の電話番号を登録しておき、
外出先で前記携帯電話機から前記事業所の電話装置に電話をかけて所定時間以内に呼放棄し、
前記事業所の電話装置では、あらかじめ登録された電話番号を発信者とする着信呼が所定時間以内に呼放棄された場合にはその発信者に折り返し自動発信を行い、この折り返し自動発信に応答した発信者から外線への中継発信を受け付け、その中継発信先が応答したときにはその中継発信先と前記発信者との通話を中継する
通話中継方法において、
前記折り返し自動発信に応答した発信者の電話機に音声ガイダンスを送り、
その音声ガイダンスに応答して送られてきた前記発信者からのダイヤルトーン信号を受信し、
受信したダイヤルトーン信号により、前記発信者が接続された電話回線とは別の電話回線で中継発信を行い、
中継発信先が応答したときには、その中継発信先と前記発信者との音声パスを接続する
ことを特徴とする通話中継方法。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００８−８５８１７（Ｐ２００８−８５８１７Ａ）
【公開日】平成２０年４月１０日（２００８．４．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２６５０２１（Ｐ２００６−２６５０２１）
【出願日】平成１８年９月２８日（２００６．９．２８）
【出願人】（０００２２７２０５）ＮＥＣインフロンティア株式会社 (1,047)
【出願人】（３９９０４０４０５）東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】（３９９０４１１５８）西日本電信電話株式会社 (215)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年４月１０日（２００８．４．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年９月２８日（２００６．９．２８）
【出願人】（０００２２７２０５）ＮＥＣインフロンティア株式会社 (1,047)
【出願人】（３９９０４０４０５）東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】（３９９０４１１５８）西日本電信電話株式会社 (215)
【Ｆターム（参考）】
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