説明

露光装置、露光方法、及び表示用パネル基板の製造方法

【課題】光源から供給された光ビームを空間的光変調器により変調して基板にパターンを描画する際に、光源から供給された光ビームの強度の低下を容易に検出して、不良の発生を防止する。
【解決手段】光ビームの強度を検出する検出装置(レーザーパワーメータ51)をチャック10に取り付け、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを光ビーム照射装置20の駆動回路27へ供給し、チャック10と光ビーム照射装置20とを相対的に移動して、チャック10に取り付けた検出装置(レーザーパワーメータ51)により光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームを受光し、検出装置(レーザーパワーメータ51)により検出した光ビームの強度に応じて、光源の出力を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造において、フォトレジストが塗布された基板へ光ビームを照射し、光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置、露光方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に係り、特に光源から供給された光ビームを空間的光変調器により変調して基板へ照射する露光装置、露光方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(Thin Film Transistor)基板やカラーフィルタ基板、プラズマディスプレイパネル用基板、有機EL(Electroluminescence)表示パネル用基板等の製造は、露光装置を用いて、フォトリソグラフィー技術により基板上にパターンを形成して行われる。露光装置としては、従来、レンズ又は鏡を用いてマスクのパターンを基板上に投影するプロジェクション方式と、マスクと基板との間に微小な間隙(プロキシミティギャップ)を設けてマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ方式とがあった。
【0003】
近年、フォトレジストが塗布された基板へ光ビームを照射し、光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置が開発されている。光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを直接描画するため、高価なマスクが不要となる。また、描画データ及び走査のプログラムを変更することにより、様々な種類の表示用パネル基板に対応することができる。この様な露光装置として、例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−332221号公報
【特許文献2】特開2005−353927号公報
【特許文献3】特開2007−219011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光ビームによるパターンの描画は、光源から光ビーム照射装置へ供給された光ビームを、DMD(Digital Micromirror Device)等の空間的光変調器により変調して行われる。光ビームを供給する光源は、レーザーダイオード等の複数の半導体発光素子を用い、複数の半導体発光素子から発生した光ビームを光ファイバー等で集めて、光ビーム照射装置へ供給する光ビームを生成する。
【0006】
半導体発光素子は、水銀ランプ等の様な高圧ガスをバルブ内に封入したランプに比べると寿命が長いものの、長時間使用するとその出力が低下する。例えば、露光装置に用いられる紫外光の光ビームを発生するレーザーダイオードの場合、1万時間稼動した後には、出力が約20%低下する。この様に、光源から光ビーム照射装置へ供給される光ビームの強度が低下すると、パターンの描画が十分に行えなくなり、不良が発生する。また、液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造においては、露光領域が広いため、複数の光ビーム照射装置を用い、複数の光ビームにより基板の走査を並行して行うことが多い。その場合、各光ビーム照射装置へ供給される光ビームの強度が均一でなくなると、パターンの描画が均一に行えなくなり、描画品質が低下する。そのため、従来は、保守者が、検出装置を用いて人手により光ビームの強度を定期的に検査し、光源の出力を再調整していたが、この検査及び再調整には多くの時間と手間が掛かっていた。
【0007】
本発明の課題は、光源から供給された光ビームを空間的光変調器により変調して基板にパターンを描画する際に、光源から供給された光ビームの強度の低下を容易に検出して、不良の発生を防止することである。また、本発明の課題は、光源から供給された光ビームを空間的光変調器により変調して基板にパターンを描画する際に、光源から供給される光ビームの強度の変化を抑制して、描画品質を安定させることである。また、本発明の課題は、複数の光ビーム照射装置を用い、複数の光ビームにより基板の走査を並行して行う際に、各光ビーム照射装置から照射される光ビームの強度を均一にして、描画品質を安定させることである。さらに、本発明の課題は、高品質な表示用パネル基板を歩留まり良く製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の露光装置は、フォトレジストが塗布された基板を支持するチャックと、光ビームを発生する光源と、光源から供給された光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を含むヘッド部を有する光ビーム照射装置と、チャックと光ビーム照射装置とを相対的に移動する移動手段とを備え、移動手段によりチャックと光ビーム照射装置とを相対的に移動し、光ビーム照射装置からの光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置であって、光源の出力を調整する光源制御手段と、光ビーム照射装置の駆動回路へ描画データを供給する描画制御手段と、チャックに設けられ、光ビームの強度を検出する検出装置とを備え、描画制御手段が、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、移動手段が、チャックと光ビーム照射装置とを相対的に移動して、検出装置により光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームを受光させ、光源制御手段が、検出装置により検出した光ビームの強度に応じて、光源の出力を調整するものである。
【0009】
また、本発明の露光方法は、フォトレジストが塗布された基板をチャックで支持し、光源から光ビームを発生し、チャックと、光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を含むヘッド部を有する光ビーム照射装置とを、相対的に移動し、光ビーム照射装置からの光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光方法であって、光ビームの強度を検出する検出装置をチャックに取り付け、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、チャックと光ビーム照射装置とを相対的に移動して、チャックに取り付けた検出装置により光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームを受光し、検出装置により検出した光ビームの強度に応じて、光源の出力を調整するものである。
【0010】
光ビーム照射装置の空間的光変調器は、光ビームを反射する複数の微小なミラーを二方向に配列して構成され、駆動回路が描画データに基づいて各ミラーの角度を変更することにより、光源から供給された光ビームを変調する。空間的光変調器により変調された光ビームは、光ビーム照射装置の照射光学系を含むヘッド部から基板へ照射される。光ビームの強度を検出する検出装置をチャックに取り付け、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、チャックと光ビーム照射装置とを相対的に移動して、チャックに取り付けた検出装置により光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームを受光するので、光源から供給された光ビームの強度の低下が、検出装置により容易に検出される。そして、検出装置により検出した光ビームの強度に応じて、光源の出力を調整するので、光源から供給される光ビームの強度の変化が抑制されて、描画品質が安定化する。
【0011】
さらに、本発明の露光装置は、光源及び光ビーム照射装置を複数備え、複数の光ビーム照射装置からの複数の光ビームにより基板の走査を並行して行い、描画制御手段が、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを各光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、移動手段が、チャックと複数の光ビーム照射装置とを相対的に移動して、検出装置により各光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームをそれぞれ受光させ、光源制御手段が、検出装置により検出した各光ビームの強度に応じて、各光ビームの強度が同じになる様に、各光源の出力を調整するものである。
【0012】
また、本発明の露光方法は、光源及び光ビーム照射装置を複数設け、複数の光ビーム照射装置からの複数の光ビームにより基板の走査を並行して行い、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを各光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、チャックと複数の光ビーム照射装置とを相対的に移動して、チャックに取り付けた検出装置により各光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームをそれぞれ受光し、検出装置により検出した各光ビームの強度に応じて、各光ビームの強度が同じになる様に、各光源の出力を調整するものである。
【0013】
光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを各光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、チャックと複数の光ビーム照射装置とを相対的に移動して、チャックに取り付けた検出装置により各光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームをそれぞれ受光するので、各光源から供給された光ビームの強度の違いが、検出装置により容易に検出される。そして、検出装置により検出した各光ビームの強度に応じて、各光ビームの強度が同じになる様に、各光源の出力を調整するので、各光ビーム照射装置から照射される光ビームの強度が均一になる。
【0014】
本発明の表示用パネル基板の製造方法は、上記のいずれかの露光装置又は露光方法を用いて基板の露光を行うものである。上記の露光装置又は露光方法を用いることにより、光源から供給された光ビームの強度の低下が検出装置により容易に検出され、また、光源から供給される光ビームの強度の変化が抑制されて、描画品質が安定化するので、高品質な表示用パネル基板が歩留まり良く製造される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の露光装置及び露光方法によれば、光ビームの強度を検出する検出装置をチャックに取り付け、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、チャックと光ビーム照射装置とを相対的に移動して、チャックに取り付けた検出装置により光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームを受光することによって、光源から供給された光ビームの強度の低下を、検出装置により容易に検出することができる。そして、検出装置により検出した光ビームの強度に応じて、光源の出力を調整することにより、光源から供給される光ビームの強度の変化を抑制して、描画品質を安定させることができる。
【0016】
さらに、本発明の露光装置及び露光方法によれば、光源及び光ビーム照射装置を複数設け、複数の光ビーム照射装置からの複数の光ビームにより基板の走査を並行して行い、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを各光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、チャックと複数の光ビーム照射装置とを相対的に移動して、チャックに取り付けた検出装置により各光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームをそれぞれ受光することによって、各光源から供給された光ビームの強度の違いを、検出装置により容易に検出することができる。そして、検出装置により検出した各光ビームの強度に応じて、各光ビームの強度が同じになる様に、各光源の出力を調整することにより、各光ビーム照射装置から照射される光ビームの強度を均一にして、描画品質を安定させることができる。
【0017】
本発明の表示用パネル基板の製造方法によれば、光源から供給された光ビームの強度の低下を検出装置により容易に検出することができ、また、光源から供給される光ビームの強度の変化を抑制して、描画品質を安定させることができるので、高品質な表示用パネル基板を歩留まり良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態による露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態による露光装置の側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態による露光装置の正面図である。
【図4】光ビーム照射装置の概略構成を示す図である。
【図5】レーザー測長系の動作を説明する図である。
【図6】描画制御部の概略構成を示す図である。
【図7】チャックの上面図である。
【図8】チャックの背面図である。
【図9】レーザーパワーメータの上面図である。
【図10】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図11】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図12】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図13】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図14】液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図15】液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態による露光装置の概略構成を示す図である。また、図2は本発明の一実施の形態による露光装置の側面図、図3は本発明の一実施の形態による露光装置の正面図である。露光装置は、ベース3、Xガイド4、Xステージ5、Yガイド6、Yステージ7、θステージ8、チャック10、ゲート11、光ビーム照射装置20、レーザー光源ユニット21、リニアスケール31,33、エンコーダ32,34、レーザー測長系、レーザー測長系制御装置40、光源制御装置50、レーザーパワーメータ51、増幅器52、ステージ駆動回路60、及び主制御装置70を含んで構成されている。なお、図2及び図3では、レーザー光源ユニット21、レーザー測長系のレーザー光源41、レーザー測長系制御装置40、光源制御装置50、増幅器52、ステージ駆動回路60、及び主制御装置70が省略されている。露光装置は、これらの他に、基板1をチャック10へ搬入し、また基板1をチャック10から搬出する基板搬送ロボット、装置内の温度管理を行う温度制御ユニット等を備えている。
【0020】
なお、以下に説明する実施の形態におけるXY方向は例示であって、X方向とY方向とを入れ替えてもよい。
【0021】
図1及び図2において、チャック10は、基板1の受け渡しを行う受け渡し位置にある。受け渡し位置において、図示しない基板搬送ロボットにより基板1がチャック10へ搬入され、また図示しない基板搬送ロボットにより基板1がチャック10から搬出される。チャック10は、基板1の裏面を真空吸着して支持する。基板1の表面には、フォトレジストが塗布されている。
【0022】
基板1の露光を行う露光位置の上空に、ベース3をまたいでゲート11が設けられている。ゲート11には、複数の光ビーム照射装置20が搭載されている。なお、本実施の形態は、8つの光ビーム照射装置20を用いた露光装置の例を示しているが、光ビーム照射装置の数はこれに限らず、本発明は1つ又は2つ以上の光ビーム照射装置を用いた露光装置に適用される。
【0023】
レーザー光源ユニット21は、各光ビーム照射装置20へ光ビームを供給する複数のレーザー光源を含んで構成されている。各レーザー光源は、紫外光の光ビームを発生するレーザーダイオード等の複数の半導体発光素子を有し、複数の半導体発光素子から発生した光ビームを光ファイバー等で集めて、各光ビーム照射装置20へ供給する光ビームを生成する。光源制御装置50は、主制御装置70の指示により、各レーザー光源の半導体発光素子を制御して、各光ビーム照射装置20へ供給される光ビームの強度を所定の大きさに調整する。
【0024】
図4は、光ビーム照射装置の概略構成を示す図である。光ビーム照射装置20は、光ファイバー22、レンズ23、ミラー24、DMD(Digital Micromirror Device)25、投影レンズ26、及びDMD駆動回路27を含んで構成されている。光ファイバー22は、レーザー光源ユニット21の各レーザー光源で生成された紫外光の光ビームを、光ビーム照射装置20内へ導入する。光ファイバー22から射出された光ビームは、レンズ23及びミラー24を介して、DMD25へ照射される。DMD25は、光ビームを反射する複数の微小なミラーを二方向に配列して構成された空間的光変調器であり、各ミラーの角度を変更して光ビームを変調する。DMD25により変調された光ビームは、投影レンズ26を含むヘッド部20aから照射される。DMD駆動回路27は、主制御装置70から供給された描画データに基づいて、DMD25の各ミラーの角度を変更する。
【0025】
図2及び図3において、チャック10は、θステージ8に搭載されており、θステージ8の下にはYステージ7及びXステージ5が設けられている。Xステージ5は、ベース3に設けられたXガイド4に搭載され、Xガイド4に沿ってX方向へ移動する。Yステージ7は、Xステージ5に設けられたYガイド6に搭載され、Yガイド6に沿ってY方向へ移動する。θステージ8は、Yステージ7に搭載され、θ方向へ回転する。Xステージ5、Yステージ7、及びθステージ8には、ボールねじ及びモータや、リニアモータ等の図示しない駆動機構が設けられており、各駆動機構は、図1のステージ駆動回路60により駆動される。
【0026】
θステージ8のθ方向への回転により、チャック10に搭載された基板1は、直交する二辺がX方向及びY方向へ向く様に回転される。Xステージ5のX方向への移動により、チャック10は、受け渡し位置と露光位置との間を移動される。露光位置において、Xステージ5のX方向への移動により、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームが、基板1をX方向へ走査する。また、Yステージ7のY方向への移動により、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームによる基板1の走査領域が、Y方向へ移動される。図1において、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、θステージ8のθ方向へ回転、Xステージ5のX方向への移動、及びYステージ7のY方向への移動を行う。
【0027】
なお、本実施の形態では、Xステージ5によりチャック10をX方向へ移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査を行っているが、光ビーム照射装置20を移動することにより、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査を行ってもよい。また、本実施の形態では、Yステージ7によりチャック10をY方向へ移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査領域を変更しているが、光ビーム照射装置20を移動することにより、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査領域を変更してもよい。
【0028】
図1及び図2において、ベース3には、X方向へ伸びるリニアスケール31が設置されている。リニアスケール31には、Xステージ5のX方向への移動量を検出するための目盛が付けられている。また、Xステージ5には、Y方向へ伸びるリニアスケール33が設置されている。リニアスケール33には、Yステージ7のY方向への移動量を検出するための目盛が付けられている。
【0029】
図1及び図3において、Xステージ5の一側面には、リニアスケール31に対向して、エンコーダ32が取り付けられている。エンコーダ32は、リニアスケール31の目盛を検出して、パルス信号を主制御装置70へ出力する。また、図1及び図2において、Yステージ7の一側面には、リニアスケール33に対向して、エンコーダ34が取り付けられている。エンコーダ34は、リニアスケール33の目盛を検出して、パルス信号を主制御装置70へ出力する。主制御装置70は、エンコーダ32のパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向への移動量を検出し、エンコーダ34のパルス信号をカウントして、Yステージ7のY方向への移動量を検出する。
【0030】
図5は、レーザー測長系の動作を説明する図である。なお、図5においては、図1に示したゲート11、光ビーム照射装置20、レーザー光源ユニット21、光源制御装置50、及び増幅器52が省略されている。レーザー測長系は、公知のレーザー干渉式の測長系であって、レーザー光源41、レーザー干渉計42,44、及びバーミラー43,45を含んで構成されている。バーミラー43は、チャック10のY方向へ伸びる一側面に取り付けられている。また、バーミラー45は、チャック10のX方向へ伸びる一側面に取り付けられている。
【0031】
レーザー干渉計42は、レーザー光源41からのレーザー光をバーミラー43へ照射し、バーミラー43により反射されたレーザー光を受光して、レーザー光源41からのレーザー光とバーミラー43により反射されたレーザー光との干渉を測定する。この測定は、Y方向の2箇所で行う。レーザー測長系制御装置40は、主制御装置70の制御により、レーザー干渉計42の測定結果から、チャック10のX方向の位置及び回転を検出する。
【0032】
一方、レーザー干渉計44は、レーザー光源41からのレーザー光をバーミラー45へ照射し、バーミラー45により反射されたレーザー光を受光して、レーザー光源41からのレーザー光とバーミラー45により反射されたレーザー光との干渉を測定する。レーザー測長系制御装置40は、主制御装置70の制御により、レーザー干渉計44の測定結果から、チャック10のY方向の位置を検出する。
【0033】
図4において、主制御装置70は、光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ描画データを供給する描画制御部を有する。図6は、描画制御部の概略構成を示す図である。描画制御部71は、メモリ72、バンド幅設定部73、中心点座標決定部74、及び座標決定部75を含んで構成されている。メモリ72は、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する描画データを、そのXY座標をアドレスとして記憶している。また、メモリ72は、後述する光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを格納している。
【0034】
バンド幅設定部73は、メモリ72から読み出す描画データのY座標の範囲を決定することにより、光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射される光ビームのY方向のバンド幅を設定する。
【0035】
レーザー測長系制御装置40は、露光位置における基板1の露光を開始する前のチャック10のXY方向の位置を検出する。中心点座標決定部74は、レーザー測長系制御装置40が検出したチャック10のXY方向の位置から、基板1の露光を開始する前のチャック10の中心点のXY座標を決定する。図1において、光ビーム照射装置20からの光ビームにより基板1の走査を行う際、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5によりチャック10をX方向へ移動させる。基板1の走査領域を移動する際、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Yステージ7によりチャック10をY方向へ移動させる。図6において、中心点座標決定部74は、エンコーダ32,34からのパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向への移動量及びYステージ7のY方向への移動量を検出し、チャック10の中心点のXY座標を決定する。
【0036】
座標決定部75は、中心点座標決定部74が決定したチャック10の中心点のXY座標に基づき、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する描画データのXY座標を決定する。メモリ72は、座標決定部75が決定したXY座標をアドレスとして入力し、入力したXY座標のアドレスに記憶された描画データを、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ出力する。
【0037】
図7はチャックの上面図、図8はチャックの背面図である。図7及び図8に示す様に、チャック10の側面には、レーザーパワーメータ51が取り付けられている。レーザーパワーメータ51は、受光面にフォトダイオードやサーモパイル等からなる吸収体を備え、受光面で受光したレーザー光の光エネルギーを電気信号に変換して、レーザー光の強度(パワー又はエネルギー)に応じた検出信号を出力する。本実施の形態では、チャック10に取り付けられたレーザーパワーメータ51を用い、定期的に、各光ビーム照射装置20から照射される光ビームの強度を検査する。そして、検査結果に応じ、レーザー光源ユニット21から各光ビーム照射装置20へ供給される光ビームの強度を再調整する。
【0038】
図1において、主制御装置70は、各光ビーム照射装置20から照射される光ビームの強度を検査する際、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5をX方向へ移動させ、Yステージ7をY方向へ移動させて、チャック10に取り付けられたレーザーパワーメータ51を、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aの下へ移動する。このとき、主制御装置70は、レーザー測長系制御装置40が検出したチャック10のXY方向の位置、及びエンコーダ32,34からのパルス信号をカウントして検出したXステージ5のX方向への移動量及びYステージ7のY方向への移動量に基づき、ステージ駆動回路60を制御して、レーザーパワーメータ51を、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aの真下に位置させる。
【0039】
図7及び図8は、レーザーパワーメータ51を1つの光ビーム照射装置20のヘッド部20aの下へ移動した状態を示している。なお、図7においては、図1に示したゲート11及び光ビーム照射装置20が省略され、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aが破線で示されている。
【0040】
図6において、主制御装置70の描画制御部71は、ヘッド部20aがレーザーパワーメータ51の上空に位置する光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27に対して、メモリ72に格納された検査用の描画データを供給する。この検査用の描画データは、例えば、図4のDMD25の各ミラーを同じ角度に傾けて、各ミラーで反射された光ビームがすべて、ヘッド部20aの投影レンズ26へ入射される様にするものである。その場合、レーザー光源ユニット21から供給された光ビームは、DMD25により変調されることなく、そのまま光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射される。
【0041】
図8において、レーザーパワーメータ51は、光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームを受光する。図9は、レーザーパワーメータの上面図である。レーザーパワーメータ51の受光面51aは、光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射される光ビームの照射領域26aより広く、レーザーパワーメータ51は、光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームを全て受光して、その強度(パワー又はエネルギー)に応じた検出信号を出力する。
【0042】
図1において、レーザーパワーメータ51の検出信号は、増幅器52で増幅されて、主制御装置70へ入力される。主制御装置70は、レーザーパワーメータ51により検出した光ビームの強度が、許容範囲内か否かを確認する。レーザーパワーメータ51により検出した光ビームの強度が許容範囲から外れている場合、主制御装置70は、光ビームの強度の再調整を光源制御装置50へ指令する。光源制御装置50は、主制御装置70の指示により、レーザー光源ユニット21の対応するレーザー光源の半導体発光素子を制御して、光ビーム照射装置20へ供給される光ビームの強度を所定の大きさに再調整する。
【0043】
光ビームの強度を検出するレーザーパワーメータ51をチャック10に取り付け、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給し、チャック10と光ビーム照射装置20とを相対的に移動して、チャック10に取り付けたレーザーパワーメータ51により光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームを受光するので、レーザー光源ユニット21のレーザー光源から供給された光ビームの強度の低下がレーザーパワーメータ51により容易に検出される。そして、レーザーパワーメータ51により検出した光ビームの強度に応じて、レーザー光源の出力を調整するので、レーザー光源から供給される光ビームの強度の変化が抑制されて、描画品質が安定化する。
【0044】
主制御装置70は、他の光ビーム照射装置20についても、同様にして、ステージ駆動回路60を制御して、Yステージ7をY方向へ移動させて、チャック10に取り付けられたレーザーパワーメータ51を、光ビーム照射装置20のヘッド部20aの下へ移動する。そして、主制御装置70は、ヘッド部20aがレーザーパワーメータ51の上空に位置する光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27に対して、メモリ72に格納された検査用の描画データを供給し、レーザーパワーメータ51により検出した光ビームの強度が、許容範囲内か否かを確認する。レーザーパワーメータ51により検出した光ビームの強度が許容範囲から外れている場合、主制御装置70は、光ビームの強度の再調整を光源制御装置50へ指令し、光源制御装置50は、主制御装置70の指示により、レーザー光源ユニット21の対応するレーザー光源の半導体発光素子を制御して、光ビーム照射装置20へ供給される光ビームの強度を所定の大きさに再調整する。
【0045】
光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給し、チャック10と複数の光ビーム照射装置20とを相対的に移動して、チャック10に取り付けたレーザーパワーメータ51により各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームをそれぞれ受光するので、レーザー光源ユニット21の各レーザー光源から供給された光ビームの強度の違いが、レーザーパワーメータ51により容易に検出される。そして、レーザーパワーメータ51により検出した各光ビームの強度に応じて、各光ビームの強度が同じになる様に、各レーザー光源の出力を調整するので、各光ビーム照射装置20から照射される光ビームの強度が均一になる。
【0046】
なお、以上説明した実施の形態では、レーザーパワーメータ51を用いて、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームの強度を検出していたが、光ビームの強度を検出する他の検出装置を用いてもよい。
【0047】
図10〜図13は、光ビームによる基板の走査を説明する図である。図10〜図13は、8つの光ビーム照射装置20からの8本の光ビームにより、基板1のX方向の走査を4回行って、基板1全体を走査する例を示している。図10〜図13においては、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aが破線で示されている。各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームは、Y方向にバンド幅Wを有し、Xステージ5のX方向への移動によって、基板1を矢印で示す方向へ走査する。
【0048】
図10は、1回目の走査を示し、X方向への1回目の走査により、図10に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。1回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図11は、2回目の走査を示し、X方向への2回目の走査により、図11に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。2回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図12は、3回目の走査を示し、X方向への3回目の走査により、図12に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。3回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図13は、4回目の走査を示し、X方向への4回目の走査により、図13に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われ、基板1全体の走査が終了する。
【0049】
複数の光ビーム照射装置20からの複数の光ビームにより基板1の走査を並行して行うことにより、基板1全体の走査に掛かる時間を短くすることができ、タクトタイムを短縮することができる。そして、各光ビーム照射装置20から照射される光ビームの強度を均一にして、描画品質を安定させることができる。
【0050】
なお、図10〜図13では、基板1のX方向の走査を4回行って、基板1全体を走査する例を示したが、走査の回数はこれに限らず、基板1のX方向の走査を3回以下又は5回以上行って、基板1全体を走査してもよい。
【0051】
以上説明した実施の形態によれば、光ビームの強度を検出する検出装置をチャック10に取り付け、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給し、チャック10と光ビーム照射装置20とを相対的に移動して、チャック10に取り付けた検出装置により光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームを受光することによって、レーザー光源から供給された光ビームの強度の低下を、検出装置により容易に検出することができる。そして、検出装置により検出した光ビームの強度に応じて、レーザー光源の出力を調整することにより、レーザー光源から供給される光ビームの強度の変化を抑制して、描画品質を安定させることができる。
【0052】
さらに、レーザー光源及び光ビーム照射装置20を複数設け、複数の光ビーム照射装置20からの複数の光ビームにより基板1の走査を並行して行い、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給し、チャック10と複数の光ビーム照射装置20とを相対的に移動して、チャック10に取り付けた検出装置により各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームをそれぞれ受光することによって、各レーザー光源から供給された光ビームの強度の違いを、検出装置により容易に検出することができる。そして、検出装置により検出した各光ビームの強度に応じて、各光ビームの強度が同じになる様に、各レーザー光源の出力を調整することにより、各光ビーム照射装置20から照射される光ビームの強度を均一にして、描画品質を安定させることができる。
【0053】
本発明の露光装置又は露光方法を用いて基板の露光を行うことにより、光源から供給された光ビームの強度の低下を検出装置により容易に検出することができ、また、光源から供給される光ビームの強度の変化を抑制して、描画品質を安定させることができるので、高品質な表示用パネル基板を歩留まり良く製造することができる。
【0054】
例えば、図14は、液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。薄膜形成工程(ステップ101)では、スパッタ法やプラズマ化学気相成長(CVD)法等により、基板上に液晶駆動用の透明電極となる導電体膜や絶縁体膜等の薄膜を形成する。レジスト塗布工程(ステップ102)では、ロール塗布法等によりフォトレジストを塗布して、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜上にフォトレジスト膜を形成する。露光工程(ステップ103)では、露光装置を用いて、フォトレジスト膜にパターンを形成する。現像工程(ステップ104)では、シャワー現像法等により現像液をフォトレジスト膜上に供給して、フォトレジスト膜の不要部分を除去する。エッチング工程(ステップ105)では、ウエットエッチングにより、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜の内、フォトレジスト膜でマスクされていない部分を除去する。剥離工程(ステップ106)では、エッチング工程(ステップ105)でのマスクの役目を終えたフォトレジスト膜を、剥離液によって剥離する。これらの各工程の前又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。これらの工程を数回繰り返して、基板上にTFTアレイが形成される。
【0055】
また、図15は、液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)では、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離等の処理により、基板上にブラックマトリクスを形成する。着色パターン形成工程(ステップ202)では、染色法や顔料分散法等により、基板上に着色パターンを形成する。この工程を、R、G、Bの着色パターンについて繰り返す。保護膜形成工程(ステップ203)では、着色パターンの上に保護膜を形成し、透明電極膜形成工程(ステップ204)では、保護膜の上に透明電極膜を形成する。これらの各工程の前、途中又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。
【0056】
図14に示したTFT基板の製造工程では、露光工程(ステップ103)において、図15に示したカラーフィルタ基板の製造工程では、ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)及び着色パターン形成工程(ステップ202)の露光処理において、本発明の露光装置又は露光方法を適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 基板
3 ベース
4 Xガイド
5 Xステージ
6 Yガイド
7 Yステージ
8 θステージ
10 チャック
11 ゲート
20 光ビーム照射装置
20a ヘッド部
21 レーザー光源ユニット
22 光ファイバー
23 レンズ
24 ミラー
25 DMD(Digital Micromirror Device)
26 投影レンズ
26a 光ビームの照射領域
27 DMD駆動回路
31,33 リニアスケール
32,34 エンコーダ
40 レーザー測長系制御装置
41 レーザー光源
42,44 レーザー干渉計
43,45 バーミラー
50 光源制御装置
51 レーザーパワーメータ
51a 受光面
52 増幅器
60 ステージ駆動回路
70 主制御装置
71 描画制御部
72 メモリ
73 バンド幅設定部
74 中心点座標決定部
75 座標決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトレジストが塗布された基板を支持するチャックと、
光ビームを発生する光源と、
前記光源から供給された光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を含むヘッド部を有する光ビーム照射装置と、
前記チャックと前記光ビーム照射装置とを相対的に移動する移動手段とを備え、
前記移動手段により前記チャックと前記光ビーム照射装置とを相対的に移動し、前記光ビーム照射装置からの光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置であって、
前記光源の出力を調整する光源制御手段と、
前記光ビーム照射装置の駆動回路へ描画データを供給する描画制御手段と、
前記チャックに設けられ、光ビームの強度を検出する検出装置とを備え、
前記描画制御手段は、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを前記光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、
前記移動手段は、前記チャックと前記光ビーム照射装置とを相対的に移動して、前記検出装置により前記光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームを受光させ、
前記光源制御手段は、前記検出装置により検出した光ビームの強度に応じて、前記光源の出力を調整することを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記光源及び前記光ビーム照射装置を複数備え、複数の光ビーム照射装置からの複数の光ビームにより基板の走査を並行して行い、
前記描画制御手段は、光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを各光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、
前記移動手段は、前記チャックと前記複数の光ビーム照射装置とを相対的に移動して、前記検出装置により各光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームをそれぞれ受光させ、
前記光源制御手段は、前記検出装置により検出した各光ビームの強度に応じて、各光ビームの強度が同じになる様に、各光源の出力を調整することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
フォトレジストが塗布された基板をチャックで支持し、
光源から光ビームを発生し、
チャックと、光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を含むヘッド部を有する光ビーム照射装置とを、相対的に移動し、
光ビーム照射装置からの光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光方法であって、
光ビームの強度を検出する検出装置をチャックに取り付け、
光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、
チャックと光ビーム照射装置とを相対的に移動して、チャックに取り付けた検出装置により光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームを受光し、
検出装置により検出した光ビームの強度に応じて、光源の出力を調整することを特徴とする露光方法。
【請求項4】
光源及び光ビーム照射装置を複数設け、複数の光ビーム照射装置からの複数の光ビームにより基板の走査を並行して行い、
光ビームの強度を検査するための検査用の描画データを各光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、
チャックと複数の光ビーム照射装置とを相対的に移動して、チャックに取り付けた検出装置により各光ビーム照射装置のヘッド部から照射された光ビームをそれぞれ受光し、
検出装置により検出した各光ビームの強度に応じて、各光ビームの強度が同じになる様に、各光源の出力を調整することを特徴とする請求項3に記載の露光方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の露光装置を用いて基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載の露光方法を用いて基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−138058(P2011−138058A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298991(P2009−298991)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】