非平面太陽電池のモノリシック集積
第1の端部及び第2の端部を有する基板であって、該基板の少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板を有する太陽電池ユニットを提供する。太陽電池ユニットは、基板に直線的に配置され、第1の光電池及び第2の光電池を含む複数の光電池を有する。複数の光電池における各光電池は、基板に円周方向に配置された背面電極、背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を含む。複数の光電池における第1の光電池の透明導電層は、複数の光電池における第2の光電池の背面電極と直列電気接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「円筒状太陽電池のモノリシック集積(Monolithic Integration of Cylindrical Solar Cells)」という題名の米国特許出願第11/378,835号の優先権を主張するものである。
【0002】
(1.分野)
本出願は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池組立品に関し、特には改良型太陽電池組立品に関する。
(2.背景)
太陽電池は、典型的には、集光表面積が4〜6cm2以上の個別の物理エンティティとして作製される。このため、それらの集光面が単一の大きな集光面の近似を与えるように、電池を支持面又はパネル上に平坦アレイで搭載することは発電分野にとって標準的技法である。また、各電池自体は、少量しか発電しないが、直列及び/又は並列マトリックスのアレイの電池を相互接続することによって、必要な電圧及び/又は電量が達成される。
【0003】
従来技術の太陽電池構造を図1に示す。異なる層の厚さの範囲が大きいため、それらは概略的に描かれている。さらに、図1は、「厚膜」太陽電池及び「薄膜」太陽電池の両方の特徴を表すように極めて概略的である。吸収体層の厚膜は、十分な量の光を吸収することが求められるため、概して、間接的なバンドギャップ材料を使用して、光を吸収する太陽電池は、典型的には「厚膜」太陽電池として構成される。十分な量の光を吸収するのに間接的なバンドギャップ材料の薄層のみが必要とされるため、直接的なバンドギャップ材料を使用して、光を吸収する太陽電池は、典型的には「薄膜」として構成される。
【0004】
図1の上部の矢印は、電池上の直接的な太陽照明源を示す。層102は、基板である。ガラス又は金属は、共通の基板である。薄膜太陽電池において、基板102は、ポリマー系裏打、金属又はガラスであり得る。いくつかの場合において、基板102を被覆する封入層(不図示)が存在する。層104は、太陽電池に対するバック電気接点である。
【0005】
層106は、半導体吸収体層である。バック電気接点104は、吸収体層106とオーム接触する。すべてではないが多くの場合において、吸収体層106は、p型半導体である。吸収体層106は、光を吸収するのに十分に厚い。層108は、半導体吸収体層106と一緒になって、p-n接合の形成を完成する半導体接合パートナーである。p-n接合は、太陽電池において見られる一般的なタイプの接合である。p-n接合系太陽電池において、半導体吸収体層106がp型ドープ材料である場合は、接合パートナー108は、n型ドープ材料である。逆に、半導体吸収体層106がn型ドープ材料である場合は、接合パートナー108はp型ドープ材料である。一般に、接合パートナー108は、吸収体層106よりはるかに薄い。例えば、いくつかの例において、接合パートナー108は、約0.05ミクロンの厚さを有する。接合パートナー108は、太陽放射線に対して極めて透明である。接合パートナー108は、また、光を吸収体層106まで透過させるため、窓層としても知られる。
【0006】
典型的な厚膜太陽電池において、吸収体層106及び窓層108は、同一の半導体材料から製造され得るが、それらの2つの層にそれらの異なるp型及びn型特性を与えるために異なるキャリア種類(ドーパント)及び/又はキャリア濃度を有する。銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)が吸収体層106である薄膜電池において、CdSを使用して、接合パートナー108を形成すると、効率性の高い電池が得られた。接合パートナー108に使用できる他の材料としては、SnO2、ZnO、ZrO2及びドープZnOが挙げられるが、それらに限定されない。
【0007】
層110は、対向電極であり、それで機能電池が完成する。接合パートナー108は、一般には抵抗が大きすぎてこの機能を発揮できないため、接合から電流を遠ざけるのに対向電極110が使用される。そのように、対向電極110は、導電性及び光に対する透明性が高い。対向電極110は、実際、個別的な層を形成するのでなく、層108に印刷された金属の櫛状構造体であり得る。対向電極110は、典型的には、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、インジウム-錫酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)又はインジウム-亜鉛酸化物などの透明な導電性酸化物(TCO)である。しかし、TCO層が存在しても、TCOは、抵抗が大きすぎてより大きい太陽電池ではこの機能を効率的に発揮できないため、従来の太陽電池では電流を除去するために母線ネットワーク114が必要である。ネットワーク114は、電荷キャリアが金属接点に到達するためにTCO層内で移動しなければならない距離を短くすることによって、抵抗損失を低減する。格子線とも呼ばれる金属母線を例えば銀、鋼又はアルミニウムなどの任意の適度に導電性を有する金属で製造することができる。ネットワーク114の設計において、より高い導電性を有するが、より多くの光を遮断するより太い格子線と、より低い導電性を有するが、より少ない光を遮断する細い格子線との間に設計トレードオフが存在する。金属バーは、層110に光線を通すように櫛状構造で構成されるのが好ましい。母線ネットワーク層114と層110が組み合わさると、単一の金属ユニットとして作用し、第1のオーム接点と機能的に連結して、集電回路を形成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているSverdrupらの米国特許第6,548,751号には、銀の母線ネットワークとインジウム-錫酸化物層の組合せが単一の透明ITO/Ag層として機能する。
【0008】
層112は、有意な量の余剰光が電池に入射することを可能にする反射防止膜である。電池の使用目的に応じて、図1に示されるように、それを上部導体に直接堆積することができる。代替的又は追加的に、作製された反射防止膜112を、上部電極110を覆う個別のカバーガラスに堆積することができる。理想的には、反射防止膜は、光電吸収が生じるスペクトル領域で電池の反射をゼロの極めて近くまで低減すると同時に、他のスペクトル領域で反射を強化して、過熱を低減する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているAguileraらの米国特許第6,107,564号には、当該技術分野で知られている代表的な反射防止膜が記載されている。
【0009】
太陽電池は、典型的には、小さな電圧しか生成しない。例えば、シリコン系太陽電池は、約0.6ボルト(V)の電圧を生成する。したがって、太陽電池は、より大きい電圧を達成するために、直列又は並列で相互接続される。直列接続される場合は、個々の電池の電圧が合算されるが、電流は変化しない。したがって、直列配置された太陽電池は、並列配置された類似の太陽電池と比較して、当該電池を流れる電流の量を減少させることによって、効率を向上させる。図1に示されるように、直列の太陽電池の配列は、相互接続点116を使用して達成される。概して、相互接続点116は、1つの太陽電池の第1の電極を隣接する太陽電池の対向電極と電気接続させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、且つ図1に示されるように、従来の太陽電池は、典型的には板構造の形である。当該電池は、小さい場合は効率性が高いが、より大きい平面太陽電池は、当該太陽電池に接合を形成する半導体膜を均一にするのがより困難であるため、効率性が低い。また、より大きい平面太陽電池では、ピンホール及びより小さい欠陥の発生が増える。これらの特徴は、接合に短絡を生じ得る。よって、当該技術分野で必要なのは、改善された太陽電池の設計である。
【0011】
本明細書における参考文献の記載又は引用は、当該参考文献が本出願の先行技術であることを認めるものと見なされない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(3.出願の要旨)
本出願の一態様は、基板と、複数の光電池とを含む太陽電池ユニットを提供する。基板は、第1の端部及び第2の端部を有する。基板に直線的に配置された複数の光電池は、第1の光電池及び第2の光電池を含む。複数の光電池における各光電池は、(i)基板に円周方向に配置された背面電極、(ii)背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び(iii)半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を含む。複数の光電池における第1の光電池の透明導電層は、複数の光電池における第2の光電池の背面電極と直列電気接続する。いくつかの実施態様において、基板は、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状である。
【0013】
いくつかの実施態様において、複数の光電池は、(i)基板の第1の端部の第1の末端光電池、(ii)基板の第2の端部の第2の末端光電池及び(iii)第1の末端光電池と第2の光電池の間の少なくとも1つの中間光電池を含む。少なくとも1つの中間光電池における各中間光電池の透明導電層は、複数の光電池における隣接する光電池の背面電極と直列電気接続する。いくつかの実施態様において、隣接する光電池は、第1の末端光電池又は第2の末端光電池である。いくつかの実施態様において、隣接する光電池は、別の中間光電池である。いくつかの実施態様において、複数の光電池は、3個以上の光電池、10個以上の光電池、50個以上の光電池又は100個以上の光電池を含む。
【0014】
いくつかの実施態様において、プラスチック又はガラスで製造された透明管状ケースが、複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、透明管状ケースは、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス又はセリーテドガラス(cereated glass)を含む。いくつかの実施態様において、透明管状ケースは、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリアミド又はポリオレフィンを含む。いくつかの実施態様において、透明管状ケースは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニリデン(PVC)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む。
【0015】
いくつかの実施態様において、基板は、プラスチック、金属又はガラスを含む。いくつかの実施態様において、基板は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンを含む。いくつかの実施態様において、基板は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む。
いくつかの実施態様において、基板は、管状である。いくつかの実施態様において、空気、窒素、水又はヘリウムなどの流体を基板に流す。いくつかの実施態様において、基板は中実棒を含む。
【0016】
いくつかの実施態様において、複数の光電池における光電池の背面電極は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、又はそれらの合金若しくはそれらの任意の組合せで構成される。いくつかの実施態様において、複数の光電池における光電池の背面電極は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-酸化亜鉛、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックで構成される。
【0017】
いくつかの実施態様において、複数の光電池における光電池の半導体接合部は、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合を含む。いくつかの実施態様において、複数の光電池における光電池の透明導電層は、炭素ナノチューブ、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せ又はそれらの任意の組合せを含む。
【0018】
いくつかの実施態様において、複数の光電池における光電池の半導体接合部は、吸収体層及び接合パートナー層を含み、接合パートナー層は、吸収体層に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、吸収体層は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、接合パートナー層は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOである。いくつかの実施態様において、複数の光電池は、光電池の半導体接合部に円周方向に配置された真性層をさらに含み、光電池の透明導電層が真性層に配置される。いくつかの実施態様において、真性層は、非ドープ酸化亜鉛などの非ドープ透明酸化物を含む。
【0019】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、(i)複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された充填剤層、及び(ii)充填剤層に円周方向に配置された透明管状ケースを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー又はウレタンを含む。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された耐水層、並びに耐水層に円周方向に配置された透明管状ケースを含む。耐水層を例えば透明シリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3で構成することができ、x及びyは整数である。
【0020】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された耐水層、並びに耐水層に円周方向に配置された透明管状ケースを含む。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された透明管状ケース、並びに透明管状ケースに円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む。いくつかの実施態様において、反射防止膜は、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素を含む。
いくつかの実施態様において、反射防止膜は、複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、反射防止膜は、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素を含む。
【0021】
いくつかの実施態様において、太陽電池の長さは、2センチメートルから300センチメートル、2センチメートルから30センチメートル又は30センチメートルから300センチメートルである。
【0022】
本出願の別の態様は、複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが共平面列で配置されて、太陽電池組立品を形成するように、複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池が上記の太陽電池ユニットのいずれかの構造を有する複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品を提供する。
【0023】
本出願のさらに別の態様は、(A)複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが上記の太陽電池ユニットのいずれかの構造を有する複数の太陽電池ユニット及び(B)複数の内部反射器を含む太陽電池組立品を提供する。複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットを幾何学的に並列又はほぼ並列配置することによって、第1の面及び第2の面を有する平面アレイを形成する。複数の内部反射器における各内部反射器は、それぞれの内部反射器から反射した太陽光が対応する第1及び第2の長形太陽電池に反射するように、複数の長形太陽電池における対応する第1の太陽電池ユニットと第2の太陽電池ユニットとの間に構成される。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、(C)平面アレイの第1の面のすべて又は一部を被覆する透明電気絶縁性基板をさらに含む。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、(D)平面アレイの第2の面に配置されることによって、透明絶縁性カバーと透明電気絶縁性基板の間に複数の長形太陽電池を収容する透明絶縁性カバーをさらに含む。いくつかの実施態様において、透明絶縁性カバーと透明絶縁性基板をシール材によって貼り合わせる。いくつかの実施態様において、シール材は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー又はウレタンである。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池は、平面アレイの第1の面及び第2の面から直接光を受光するように構成される。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、太陽光を複数の太陽電池ユニットに反射するように配置されたアルベド面を含む。いくつかの実施態様において、アルベド面は、80%を超えるアルベドを有する。いくつかの実施態様において、複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットは、電気的に直列又は並列配置される。
【0024】
本出願のさらに別の態様は、複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが上記の太陽電池ユニットのいずれかの構造を有する複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品を提供する。複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットは、幾何学的に並列又はほぼ並列配置されることによって、第1の面及び第2の面を有する平面アレイを形成する。本出願の本態様において、太陽電池組立品は、(i)平面アレイの第1の面のすべて又は一部を被覆する透明電気絶縁性基板、及び(ii)平面アレイの第2の面に配置される透明絶縁性カバーであって、複数の長形太陽電池を透明絶縁性カバーと透明電気絶縁性基板の間に収容する透明絶縁性カバーをさらに含む。いくつかの実施態様において、透明絶縁性カバーと透明絶縁性基板を例えばエチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー又はウレタンなどのシール材によって貼り合わせる。
【0025】
本出願のさらに別の態様は、(A)基板、(B)第1の光電池及び(C)第2の光電池を含む太陽電池ユニットを提供する。いくつかの実施態様において、基板は、(i)管状又は(ii)硬質円筒状である。第1の光電池は、基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む。第2の光電池は、基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む。第1の光電池は、第2の光電池に隣接し、第1の透明導電層は、第2の背面電極と直列電気接続し、第1の透明導電層は、第2の透明導電層と電気的に絶縁し、第1の背面電極は、第2の背面電極と電気的に絶縁する。
【0026】
本出願のさらに別の態様は、(A)基板、(B)第1の光電池、(C)第2の光電池、(D)絶縁性支柱及び(E)導電性バイアを含む太陽電池ユニットを提供する。いくつかの実施態様において、基板は、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状である。第1の光電池は、基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む。第2の光電池は、基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む。絶縁性支柱は、(i)第1の背面電極と第2の背面電極を電気的に分離し、(ii)第1の半導体接合部と第2の半導体接合部を電気的に分離する。導電性バイアは、第1の透明導電層を第2の背面電極と電気的に直列接続させる。
【0027】
本出願のさらに別の態様は、(A)基板、(B)第1の光電池、(C)第2の光電池及び(D)絶縁性支柱を含む太陽電池ユニットを提供する。いくつかの実施態様において、基板は、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状である。第1の光電池は、基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む。第2の光電池は、基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む。絶縁性支柱は、(i)第1の背面電極と第2の背面電極を電気的に分離し、(ii)第1の半導体接合部と第2の半導体接合部を電気的に分離する。第1の透明導電層は、第2の背面電極と直列電気接続する。第1の透明導電層は、第2の透明導電層と電気的に絶縁する。
【0028】
本出願のさらに別の態様は、基板、第1の光電池、第2の光電池、絶縁性支柱及び導電性バイアを含む太陽電池ユニットを提供する。いくつかの実施態様において、基板は、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状である。第1の光電池は、基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層、及び第1の透明酸化物層の一部に配置された電線管を含む。第2の光電池は、基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む。絶縁性支柱は、(i)第1の背面電極と第2の背面電極を電気的に分離し、(ii)第1の半導体接合部と第2の半導体接合部を電気的に分離し、(iii)第1の透明導電層と第2の透明導電層を電気的に分離する。導電性バイアは、電線管を第2の背面電極と電気的に直列接続させる。
【0029】
いくつかの実施態様において、第1の端部及び第2の端部を有する基板を含み、基板の少なくとも一部が硬質且つ非平面である太陽電池ユニットを提供する。太陽電池ユニットは、基板に直線的に配置された複数の光電池をさらに含み、複数の光電池は、第1の光電池及び第2の光電池を含み、複数の光電池における各光電池は、(i)基板に円周方向に配置された背面電極、(ii)背面電極に円周方向に配置された半導体接合層及び(iii)半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を含む。複数の光電池における第1の光電池の透明導電層は、複数の光電池における第2の光電池の背面電極と直列電気接続する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(5.詳細な説明)
モノリシック集積方式で基板に直線的に配置された複数の光電池を含む非平面太陽電池ユニットを本明細書に開示する。
【0031】
(5.1基本構造)
図7は、光電池700の代表的な実施態様の断面図を示す。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、モノリシック集積方式で非平面基板に直線的に配置された複数の光電池700を含む。
基板102。基板102は、太陽電池ユニットの基板として機能する。いくつかの実施態様において、基板102のすべて又は一部は、非平面閉鎖形状である。例えば、いくつかの実施態様において、基板102のすべて又は一部は、硬質の管又は硬質の中実棒である。いくつかの実施態様において、基板102のすべて又は一部は、任意の中実円筒形又は中空円筒形である。いくつかの実施態様において、基板102は、プラスチック、金属又はガラスから構成された硬質の管である。いくつかの実施態様において、太陽電池270の外形全体が基板102と同じ形状である。いくつかの実施態様において、太陽電池270の外形全体が、基板102の形状と異なる。いくつかの実施態様において、基板102は、非繊維状である。
【0032】
いくつかの実施態様において、基板102は硬質である。ヤング率を含むが、それに限定されないいくつかの異なる計量を用いて材料の硬さを測定することができる。固体力学において、ヤング率(E)(ヤング率、弾性係数、弾性率又は引張弾性率としても知られる)は、所定の材料の剛性の測度である。それは、小さな歪については、歪による応力の変化率の比と定義される。これを、材料のサンプルに対して実施される引張試験を通じて作製される応力-歪曲線の傾きから求めることができる。様々な材料のヤング率を以下の表に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板102)は、それが20GPa以上、30GPa以上、40GPa以上、50GPa以上、60GPa以上又は70GPa以上のヤング率を有する材料で構成される場合に硬質であると考えられる。本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板102)は、該材料のヤング率がある範囲の歪に対して一定である場合に硬質である。当該材料は、線形材料と呼ばれ、フックの法則に従うと言われる。したがって、いくつかの実施態様において、基板102は、フックの法則に従う線形材料から構成される。線形材料の例としては、鋼、炭素繊維及びガラスが挙げられるが、それらに限定されない。ゴム及び土(非常に小さい歪みは除く)は、非線形材料である。
【0035】
本出願は、硬質円筒形を有する、又は中実棒である基板に限定されない。基板102のすべて又は一部は、図7に示される円形以外のいくつかの形状のいずれか1つによって境界が定められる断面を特徴とすることができる。境界形状は、円形、卵形、又は1つ以上の滑らかな曲面若しくは滑らかな曲面の任意の結線のいずれか1つによって特徴づけられる任意の形状であり得る。境界形状は、nが3、5又は5より大きいn角形であり得る。境界の形状も本質的に三角形、四角形、五角形、六角形を含む、或いは任意の数の直線分割面を有する直線形であり得る。或いは、断面を直線面、弓形面又は曲面の任意の組合せによって境界を定めることができる。本明細書に記載されているように、単に説明を容易にするために、光起電デバイスの非平面実施態様を表すために全円形断面を示す。しかし、任意の断面幾何構造を実質的に非平面の光起電デバイス10に使用できることに留意されたい。
【0036】
いくつかの実施態様において、基板102の第1の部分は、第1の断面形状を特徴とし、基板102の第2の部分は、第2の断面形状を特徴とし、第1及び第2の断面形状は、同一又は異なっている。いくつかの実施態様において、基板102の長さの少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント又はすべてが、第1の断面形状を特徴とする。いくつかの実施態様において、第1の断面形状は、平面であり(例えば弓形の面を有さない)、第2の断面形状は、少なくとも弓形の面を有する。
【0037】
いくつかの実施態様において、基板102は、硬質プラスチック、金属、金属合金又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスで構成される。
【0038】
いくつかの実施態様において、基板102は、ポリベンズアミダゾール(例えば、Boedeker Plastics,Inc.(Texas(テキサス)州Shiner)から入手可能なCelazole(登録商標))などの材料で構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、ポリイミド(例えば、DuPont(商標)Vespel(登録商標)又はDuPont(商標)Kapton(登録商標)(Delaware(デラウェア)州Wilmington))で構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、いずれもBoedeker Plastics,Inc.から入手可能なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon(登録商標)PAI、Solvay Advanced Polymers(Georgia(ジョージア)州Alpharetta))で構成される。
【0039】
いくつかの実施態様において、基板102は、ガラス系フェノールで構成される。フェノール積層体は、合成熱硬化性樹脂が含浸された紙、カンバス、リネン又はガラス布の層に熱又は圧力を加えることによって構成される。熱及び圧力を層に加えると、化学反応(重合)により、個別の層が、再び軟化できない「固定」形状の単一積層材料に変換される。したがって、これらの材料は、「熱硬化物」と呼ばれる。様々な樹脂タイプ及び布材料を使用して、一連の機械的、熱的及び電気的特性を有する熱硬化性積層体を製造することができる。いくつかの実施態様において、基板102は、G-3、G-5、G-7、G-9、G-10又はG-11のNEMAグレードを有するフェノール積層体である。代表的なフェノール積層体は、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能である。
【0040】
いくつかの実施態様において、基板102は、ポリスチレンで構成される。ポリスチレンの例としては、汎用ポリスチレン、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜174頁に詳述されている高耐衝撃性ポリスチレンが挙げられる。さらに他の実施態様において、基板102は、架橋ポリスチレンで構成される。架橋ポリスチレンの一例は、Rexolite(登録商標)(San Diego Plastics Inc.(California(カリフォルニア)州National City))である。Rexoliteは、ポリスチレンをジビニルベンゼンで架橋することによって製造される熱硬化性の、特に硬質且つ半透明のプラスチックである。
【0041】
さらに他の実施態様において、基板102は、ポリカーボネートで構成される。当該ポリカーボネートは、材料の引張強度、剛性、圧縮強度並びに熱膨張率を調節するために、異なる量(例えば、10%、20%、30%又は40%の)ガラス繊維を有することができる。代表的なポリカーボネートは、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能なZelux(登録商標)M及びZelux(登録商標)Wである。
【0042】
いくつかの実施態様において、基板102は、ポリエチレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)又は超高分子量ポリエチレン(UHMW PE)で構成される。HDPEの化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜173頁に記載されている。いくつかの実施態様において、基板102は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン(Teflon)、ポリメタクリレート(ルーサイト又はプレキシグラス)、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。これらの材料の化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6-172頁から6-175頁に記載されている。
【0043】
基板102を形成するのに使用できるさらなる代表的な材料は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている「現代プラスチック百科事典(Modern Plastics Encyclopedia)」、McGraw-Hill;Reinhold Plastics Applications Series、Reinhold Roffの「繊維、プラスチック、ゴム(Fibres,Plastics and Rubbers,Butterworth)」;Lee及びNevilleの「エポキシ樹脂(Epoxy Resins)」、McGraw-Hill; Bilmetyerの「ポリマー科学のテキスト(Textbook of Polymer Science)」、Interscience;Schmidt及びMarliesの「高ポリマーの原理、理論、実施(Principles of high polymer theory and practice)」、McGraw-Hill;Beadle(編)、「プラスチック(Plastics)」、Morgan-Grampiand,Ltd.、第2巻、1970;Tobolsky and Mark(編)、「ポリマー科学と材料(Polymer Science and Materials)」、Wiley、1971; Glanvilleの「プラスチック技術者のデータブック(The Plastic's Engineer's Data Book)」、Industrial Press、1971;Mohr(編集及び監修)、Oleesky、Shook及びMeyersの「強化プラスチックコンポジットの技術工学のSPIハンドブック(SPI Handbook of Technology and Engineering of Reinforced Plastics Composites)」、Van Nostrand Reinhold、1973に見いだされる。
【0044】
いくつかの実施態様において、基板102の断面は、円周であり、3mmから100mm、4mmから75mm、5mmから50mm、10mmから40mm又は14mmから17mmの外径を有する。いくつかの実施態様において、基板102の断面は、円周であり、1mmから1000mmの外径を有する。
いくつかの実施態様において、基板102は、中空の内部を有する管である。当該実施態様において、基板102の断面は、中空の内部を定める内側半径及び外側半径を特徴とする。内側半径と外側半径の差は、基板102の厚さである。いくつかの実施態様において、基板102の厚さは、0.1mmから20mm、0.3mmから10mm、0.5mmから5mm又は1mmから2mmである。いくつかの実施態様において、内側半径は、1mmから100mm、3mmから50mm又は5mmから10mmである。
【0045】
いくつかの実施態様において、基板102は、5mmから10000mm、50mmから5000mm、100mmから3000mm又は500mmから1500mmの(図7によって定められる平面に対して垂直な)長さである。一実施態様において、基板102は、15mmの外径及び1.2mmの厚さ並びに1040mmの長さを有する中空管である。基板102が図7に実線で示されているが、多くの実施態様において、基板102は、中空コアを有し、ガラス管によって形成された構造などの硬質環状構造を採用することが理解されるであろう。
【0046】
背面電極104。背面電極104は、基板102に円周方向に配置される。背面電極104は、組立品における第1の電極として機能する。概して、背面電極104は、無視できる抵抗損失で光電池700によって生成される光起電電流を維持できる任意の材料から構成される。いくつかの実施態様において、背面電極104は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、それらの合金又はそれらの任意の組合せなどの任意の導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、背面電極104は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックなどの任意の導電性材料で構成される。本明細書に定められるように、導電性プラスチックは、混合技術を介して、後にプラスチックに導電特性を付与する導電性充填剤を含むプラスチックである。いくつかの実施態様において、背面電極104を形成するのに本出願に使用される導電性プラスチックは、無視できる抵抗損失で光電池700によって生成される光起電電流を維持するために、プラスチックマトリックスを介して十分な導電性電流担持経路を形成する充填剤を含有する。導電性プラスチックのプラスチックマトリックスは、典型的には絶縁性であるが、生成される複合体は、充填剤の導電特性を示す。
【0047】
半導体接合部406。半導体接合部406は、背面電極104の周囲に形成される。半導体接合部406は、直接的なバンドギャップ吸収体(例えば結晶シリコン)又は間接的なバンドギャップ吸収体(例えば非晶質シリコン)である吸収体層106を有する任意の光起電ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合である。当該接合は、それぞれその全体が参照により組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第1章、並びにLugue及びHegedus、2003、「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、John Wiley & Sons、Ltd.、West Sussex、Englandに記載されている。本出願による代表的な種類の半導体接合部406の詳細を以下のセクション5.2に開示する。以下のセクション5.2に開示される代表的な接合に加えて、接合406は、好ましくは十分により小さいバンドギャップを有する多数の接合を介して光が接合406のコアに入るマルチ接合であり得る。
【0048】
いくつかの実施態様において、半導体接合部は、吸収体層106及び接合パートナー層108を含み、接合パートナー層108は、吸収体層106に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、吸収体層は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、接合パートナー層108は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOである。いくつかの実施態様において、吸収体層108は、厚さが0.5μmから2.0μmである。いくつかの実施態様において、吸収体層108におけるCu/(In+Ga)の組成比は、0.7から0.95である。いくつかの実施態様において、吸収体層108におけるCu/(In+Ga)の組成比は、0.2から0.4である。いくつかの実施態様において、吸収体層108は、<110>結晶配向、<112>結晶配向を有するCIGS、又は無作為に配向したCIGSを含む。いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、所謂薄膜半導体接合部である。いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、所謂厚膜(例えばシリコン)半導体接合部である。
【0049】
随意の真性層415。所望により、半導体接合部406を円周方向に被覆する薄い真性層(i-層)415が存在する。酸化亜鉛、金属酸化物又は極めて絶縁性の強い任意の透明材料を含むが、それらに限定されない任意の非ドープ透明酸化物を使用して、i-層415を形成することができる。いくつかの実施態様において、i-層415は、極めて純度の高い酸化亜鉛である。
【0050】
透明導電層110。透明導電層110を半導体接合層406に円周方向に配置することによって回路を完成させる。上記のように、いくつかの実施態様において、薄いi-層415は、半導体接合部406に円周方向に配置される。当該実施態様において、透明導電層110は、i-層415に円周方向に配置される。
【0051】
いくつかの実施態様において、透明導電層110は、炭素ナノチューブ、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、インジウム-亜鉛酸化物、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛又はそれらの任意の組合せで構成される。炭素ナノチューブは、例えば、Eikos(Massachusetts(マサチューセッツ)州Franklin)から商業的に入手可能であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,988,925号に記載されている。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、pドープ又はnドープされている。例えば、接合406の外側半導体層がpドープされた実施態様において、透明導電層110をpドープすることができる。同様に、接合406の外側半導体層がnドープされた実施態様において、透明導電層110をnドープすることができる。概して、透明導電層110は、好ましくは、非常に低い抵抗、好適な光透過特性(例えば90%を超える)及び半導体接合部406及び/又は随意のi-層415の基部層に損傷を与えない析出温度を有する材料で構成される。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体などの導電性ポリマー材料である。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム-亜鉛酸化物、ドープ亜鉛酸化物(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)又はそれらの組合せを含む第1の層と、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体を含む第2の層とを含む2つ以上の層を含む。透明導電層110を形成するのに使用できるさらなる好適な材料が、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPichlerの米国特許公報第2004/0187917A1号に開示されている。
【0052】
随意の電極帯420。本出願によるいくつかの実施態様において、電流の流れを容易にするために、対向電極帯又はリード420が透明導電層110に配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、長形太陽電池の長軸(円筒軸)に沿って長さ方向に延びる導電性材料の細い帯である。いくつかの実施態様において、随意の電極帯420は、透明導電層110の表面に間隔をあけて配置される。例えば、図7において、電極帯420は、互いに平行に延び、太陽電池の円筒軸に沿って90度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、透明導電層110の表面に5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、90度又は180度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、透明導電層110の表面に単一電極帯420が存在する。いくつかの実施態様において、透明導電層110の表面に電極帯420が存在しない。いくつかの実施態様において、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15以上又は30以上の電極帯が透明導電層110に存在し、いずれも太陽電池の長(円筒)軸に沿って互いに平行又はほとんど平行に延びている。いくつかの実施態様において、電極帯420は、例えば図7に示されるように、透明導電層110の周囲に沿って等間隔で配置される。代替的な実施態様において、電極帯420は、透明導電層110の周囲に沿って等間隔で配置されない。いくつかの実施態様において、電極帯420は、光電池700の一面にのみ存在する。図7の要素102、104、406、415(随意)及び110は、図7の太陽電池402を集合的に含む。いくつかの実施態様において、電極帯420は、導電性エポキシ、導電性インク、銅若しくはその合金、アルミニウム若しくはその合金、ニッケル若しくはその合金、銀若しくはその合金、金若しくはその合金、導電性接着剤又は導電性プラスチックで構成される。
【0053】
いくつかの実施態様において、太陽電池の長(円筒)軸に沿って延びる電極帯が存在し、これらの電極帯は、格子線によって互いに接続される。これらの格子線は、電極帯より厚い、薄い、又は同じ幅であり得る。これらの格子線を電極帯と同一又は異なる導電材料で構成することができる。
【0054】
随意の充填剤層330。本出願のいくつかの実施態様において、図7に示されるように、透明導電層110をエチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー及び/又はウレタンなどのシール材の充填剤層330で被覆して、空気の侵入を防ぐとともに、所望により透明管状ケース310への取付けを補完する。
【0055】
いくつかの実施態様において、充填剤層330は、Q型シリコーン、シリセキノキサン、D型シリコン及びM型シリコンである。しかし、いくつかの実施態様において、1つ以上の電極帯420が存在していても随意の充填剤層330を必要としない。随意の充填剤層のさらなる好適な材料は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「管状ケース入長形光太陽電池(Elongated Photovoltaic Solar Cells in Tubular Casings)」という題名の同時係属米国特許出願第11/378,847号(整理番号11653-008-999)に記載されている。
【0056】
いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330は、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、整理番号11653-032-888を有する「ラミネート層を有する光起電装置及びその製造方法(Photovoltaic Apparatus Having a Laminate Layer and Method for Making the Same)」という題名の2007年3月13日出願の出願番号未定の米国仮特許出願に開示されたもののいずれかなどのラミネート層である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、1×106cP未満の粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える又は1000×10-6/℃を超える熱膨張率を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、エポリジメチルシロキサンポリマーを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含み、透明シリコン油は、誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分の初期粘度の半分以下の初期粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える熱膨張率を有し、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、シリコン油と誘電ゲルの混合物から形成される。いくつかの実施態様において、シリコン油は、ポリジメチルシロキサンポリマー液であり、誘電ゲルは、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーとの混合物である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、X重量%のポリジメチルシロキサンポリマー液、Y重量%の第1のシリコーンエラストマー及びZ重量%の第2のシリコーンエラストマーから形成され、X、Y及びZの合計が100である。いくつかの実施態様において、ポリジメチルシロキサンポリマー液は、化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nは、ポリマー液が50センチストークから100000センチストークの範囲の平均バルク粘度を有するように選択される範囲の整数である。いくつかの実施態様において、第1のシリコーンエラストマーは、少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、3から7重量パーセントの珪酸塩とを含む。いくつかの実施態様において、第2のシリコーンエラストマーは、(i)少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、(ii)10から30重量パーセントの水素末端ジメチルシロキサンと、(iii)3から7重量パーセントのトリメチル化シリカとを含む。いくつかの実施態様において、Xは、30から90であり、Yは、2から20であり、Zは、2から20である。
【0057】
随意の透明管状ケース310。随意の充填剤層330を有さないいくつかの実施態様において、透明管状ケース310が透明導電層110に円周方向に配置される。充填剤層330を有するいくつかの実施態様において、透明管状ケース310が随意の充填剤層330に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、管状ケース310は、プラスチック又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、太陽電池402は、上記のように今後の梱包のために適性に改造された後、透明管状ケース310にシールされる。図7に示されるように、透明管状ケース310は、太陽電池402の最外層に嵌合する。熱収縮、射出成形又は真空装填などの方法を用いて、酸素及び水をシステムから除去するとともに、下部の太陽電池402に対する嵌合を補完するように透明管状ケース310を構成することができる。
透明管状ケースの潜在的な幾何学構造としては、円筒状、半径寸法が長さをはるかに下回る様々な長形構造、パネル状、弓形特徴を有する形状、箱形、又は起電発電に適した任意の潜在的幾何学構造を挙げることができる。
【0058】
いくつかの実施態様において、透明管状ケース310は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス又はセリーテドガラスで構成される。いくつかの実施態様において、透明管状ケース310は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリアミド又はポリオレフィンで構成される。
【0059】
いくつかの実施態様において、透明管状ケース310は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フルオロポリマー、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレン及びテトラフルオロエチレンの重合により誘導されるETFE(登録商標):TEFLON(登録商標)モノマー)、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル、Viton(登録商標)又はそれらの任意の組合せ又は変形物で構成される。透明管状ケース310のさらなる好適な材料は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「管状ケース入長形光太陽電池(Elongated Photovoltaic Solar Cells in Tubular Casings)」という題名の同時係属米国特許出願第11/378,847号(整理番号11653-008-999)に記載されている。
【0060】
いくつかの実施態様において、透明管状ケース310は、複数の透明管状ケース層を含む。いくつかの実施態様において、各透明管状ケースは、異なる材料で構成される。例えば、いくつかの実施態様において、透明管状ケース310は、第1の透明管状ケース層及び第2の透明管状ケース層を含む。太陽電池の正確な構成に応じて、第1の透明管状ケース層は、透明導電層110、随意の充填剤層330又は耐水層に配置される。第2の透明管状ケース層は、第1の透明管状ケース層に配置される。
【0061】
いくつかの実施態様において、各透明管状ケース層は、異なる特性を有する。一例において、外側透明管状ケース層は、優れたUV遮蔽特性を有し、内部透明管状ケース層は、良好な耐水特性を有する。さらに、多数の透明管状ケース層を使用して、コストを削減し、且つ/又は透明管状ケース310の全体特性を向上させることができる。例えば、所望の物理特性を有する高価な材料で1つの透明管状ケース層を構成することができる。1つ以上のさらなる透明管状ケース層を使用することによって、高価な透明管状ケース層の厚さを減少させることにより、材料コストの節約を達成することができる。別の例において、1つの透明管状ケース層は、優れた光学特性(例えば屈折率等)を有することができるが、非常に重くなる。1つ以上の追加的な透明管状ケース層を使用することによって、重い透明管状ケース層の厚さを減少させることにより、透明管状ケース310の全重量を減少させることができる。
【0062】
随意の耐水層。いくつかの実施態様において、水分子の損傷効果を防止するために、1つ以上の耐水層を太陽電池402に塗布する。いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330を堆積し、太陽電池402を透明管状ケース310に所望により収容する前に当該耐水層を透明導電層110に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、太陽電池402を透明管状ケース310に所望により収容する前に、1つ以上の耐水層を随意の充填剤層330に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、当該耐水層を透明管状ケース310そのものに円周方向に塗布する。水分子を太陽電池402から封止するために耐水層が設けられる実施態様において、耐水層の光学特性は、太陽電池402による入射太陽放射線の吸収を妨げるものであってはならないことを言及すべきである。いくつかの実施態様において、この耐水層は、透明シリコーンで構成される。例えば、いくつかの実施態様において、耐水層は、Q型シリコーン、シリセキオキサン、D型シリコン又はM型シリコンで構成される。いくつかの実施態様において、耐水層は、透明シリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3(x及びyは整数である)で構成される。
【0063】
随意の反射防止膜。いくつかの実施態様において、太陽電池の効率性を最大にするために、随意の反射防止膜も太陽電池402に円周方向に退けられる。いくつかの実施態様において、耐水層及び反射防止膜の両方が太陽電池402に退けられる。いくつかの実施態様において、単一の層が、耐水層及び反射防止膜の二重の目的を果たす。いくつかの実施態様において、反射防止膜は、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在する。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、各層は、同一の材料で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、各層は、異なる材料で構成される。
【0064】
随意の蛍光材料。いくつかの実施態様において、蛍光材料(例えば、発光材料、リン光材料)を光電池700の層の表面に被覆する。いくつかの実施態様において、光電池700は、透明管状ケース310を含み、蛍光材料は、透明管状ケース310の発光面及び/又は外面に被覆される。いくつかの実施態様において、蛍光材料は、透明導電性酸化物の外面に被覆される。いくつかの実施態様において、光電池700は、透明管状ケース310及び随意の充填剤層330を含み、蛍光材料は、随意の充填剤層に被覆される。いくつかの実施態様において、光電池700は、耐水層を含み、蛍光材料は、耐水層に被覆される。いくつかの実施態様において、光電池700の2つ以上の表面に随意の蛍光材料が被覆される。いくつかの実施態様において、蛍光材料は、本出願のいくつかの半導体接合部406が光を電気に変換するのに使用しない青色光及び/又は紫外光を吸収し、蛍光材料は、本出願のいくつかの光電池700における発電に有用な可視光及び/又は赤外光を放射する。
【0065】
蛍光、発光又はリン光材料は、青色又はUV領域の光を吸収し、可視光を放射することができる。リン光材料又はリン光体は、好適なホスト材料及び活性体材料を通常含む。ホスト材料は、典型的には、亜鉛、カドミウム、マンガン、アルミニウム、珪素又は様々な希土類金属の酸化物、硫化物、セレン化物、ハロゲン化物又は珪酸塩である。放射時間を長くするために活性体を添加する。
【0066】
いくつかの実施態様において、リン光材料を本出願のシステム及び方法に組み込んで、光電池700による光吸収を向上させる。いくつかの実施態様において、随意の透明管状ケース310を作製するのに使用される材料にリン光材料を直接添加する。いくつかの実施態様において、上記のように、光電池700の様々な外層又は内層を被覆する透明塗料としての使用のためにリン光材料を結着剤と混合する。
【0067】
代表的なリン光体としては、銅活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu)及び銀活性化硫化亜鉛(ZnS:Ag)が挙げられるが、それらに限定されない。他の代表的なリン光材料としては、硫化亜鉛及び硫化カドミウム(ZnS:CdS)、ユーロピウムによって活性化されたアルミン酸ストロンチウム(SrAlO3:Eu)、プラセオジム及びアルミニウムによって活性化されたストロンチウムチタン(SrTiO3:Pr、Al)、ビスマスを有する硫化ストロンチウムを有する硫化カルシウム((Ca、Sr)S:Bi)、銅及びマグネシウム活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu、Mg)又はそれらの任意の組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0068】
リン光体材料を作製するための方法は、当該技術分野で知られている。例えばZnS:Cu又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているButlerらの米国特許第2,807,587号;Morrisonらの同第3,031,415号;Morrisonらの同第3,031,416号;Strockらの同第3,152,995号;Payneらの同第3,154,712号;Lagosらの同第3,222,214号;Possらの同第3,657,142号;Reillyらの同第4,859,361号及びKaramらの同第5,269,966号に記載されている。ZnS:Ag又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているParkらの米国特許第6,200,497号、Iharaらの同第6,025,675号;Takaharaらの同第4,804,882号及びMatsudaらの同第4,512,912号に記載されている。一般に、波長が小さくなるに従ってリン光体の残存率が高くなる。いくつかの実施態様において、CdSe又は類似のリン光材料の量子点を使用して、同じ効果を得ることができる。それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているDabbousiら、1995、「CdSe量子点/ポリマー複合体の電気発光(Electroluminescence from CdSe quantum-dot/polymer composites)」、Applied Physics Letters 66(11):1316-1318;Dabbousiら、1997「(CdSe)ZnSコア-シェル量子点:一連のサイズの高発光ナノ結晶の合成及び特性決定((CdSe)ZnS Core-Shell Quantum Dots:Synthesis and Characterization of a Size Series of Highly Luminescent Nanocrystallites)」、J.Phys.Chem.B、101:9463-9475;Ebensteinら、2002、「相関原子間力及び単一粒子蛍光顕微鏡法によって調査されたCdSe:ZnSナノ結晶の蛍光量子収率(Fluorescence quantum yield of CdSe:ZnS nanocrystals investigated by correlated atomic-force and single-particle fluorescence microscopy)」、Applied Physics Letters 80:4033-4035;及びPengら、2000、「CdSeナノ粒子の形状制御(Shape control of CdSe nanocrystals)」、Nature 404:59-61を参照されたい。
【0069】
いくつかの実施態様において、増白剤を本出願の随意の蛍光層に使用する。増白剤(光学増白剤、蛍光増白剤又は蛍光白色剤としても知られる)は、電磁スペクトルの紫外及び紫色領域の光を吸収し、青色領域の光を再放射する染料である。当該化合物としては、スチルベン(例えば、トランス-1,2-ジフェニルエチレン又は(E)-1,2-ジフェニルエチレン)が挙げられる。本出願の随意の蛍光層に使用できる別の代表的な増白剤は、やはりスペクトルのUV部のエネルギーを吸収するウンベリフェロン(7-ヒドロキシクマリン)である。次いで、このエネルギーを可視スペクトルの青色部において再放射する。Dean、1963、「天然酸素環化合物(Naturally Occurring Oxygen Ring Compounds)」,Butterworths、London;Joule及びMills、2000、「複素環化学(Heterocyclic Chemistry)」、第4版、Blackwell Science、英国Oxford;及びBarton、1999、Comprehensive Natural Products Chemistry 2:677、Nakanishi及びMeth-Cohn編集、Elsevier、英国Oxford、1999に増白剤に関するさらなる情報が記載されている。
【0070】
円周方向に配置する。本出願において、太陽電池を形成するために、材料の層を管状基板に連続的に円周方向に配置する。本明細書に用いられているように、円周方向に配置するという用語は、各当該材料層が必ずしも基部層に配置されること又は光電池の形状が円筒状であることを示唆するものではない。実際、本出願には、当該層を成形できる、或いは基部層に形成できる方法が教示されている。さらに、基板102の説明とともに上述したように、基板及び基部層は、いくつかの異なる非平面形のいずれかを有することができる。しかしながら、円周方向に配置するという用語は、上部層と基部層の間に空間(例えば環状空間)が存在しないように上部層を基部層に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように、円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層の周囲の少なくとも50パーセントに配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように、円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層の長さの少なくとも半分に沿って配置することを意味する。
【0071】
円周方向にシールする。本出願において、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造が必ずしも基部層又は構造に配置されることを示唆するものではない。実際、本出願には、当該層又は構造(例えば透明管状ケース310)を成形し、或いは基部層又は構造に形成する方法が教示されている。しかしながら、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造体と基部層又は構造体の間に空間(例えば環状空間)が存在しないように、上部層又は構造体を基部層又は構造体に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように、円周方向にシールするという用語は、上部層を下部層の全周囲に配置することを意味する。典型的な実施態様において、層又は構造は、それを基部層又は構造の全周囲に配置し、且つ基部層又は構造の全長に沿って配置する場合に基部層又は構造をシールする。しかし、本出願は、円周方向にシールする層又は構造が基部層又は構造の全長に沿って延びない実施態様を意図している。
【0072】
(5.1.1カスケード技術を用いた基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図2A〜2Kは、カスケード技術を用いて太陽電池ユニット270を製造するための処理工程を示す。図2の各図は、様々な製造段階における太陽電池ユニット270の三次元管状プロファイルを示す。各三次元管状プロファイルの下には、太陽電池ユニット270の対応する一次元プロファイルが存在する。一次元プロファイルに示されているのは、対応する太陽電池ユニット270の半球体の断面図である。典型的な実施態様において、図2に示される太陽電池ユニット270は、導電基板102を有さない。或いは、基板102が導電性である実施態様において、基板は、個々の太陽電池700の背面電極104が互いに電気的に絶縁されるように、絶縁体層が円周方向に巻き付けられる。
【0073】
図2Kを参照すると、太陽電池ユニット270は、複数の光電池700に共通の基板102を含む。基板102は、第1の端部及び第2の端部を有する。複数の光電池700は、図2Kに示されるように基板102に直線的に配置される。複数の光電池700は、第1及び第2の光電池700を含む。複数の光電池700における各光電池700は、共通基板102に円周方向に配置された背面電極104、及び背面電極104に円周方向に配置された半導体接合部406を含む。図2Kの場合は、半導体接合部406は、吸収体層106及び窓層108を含む。複数の光電池700における各光電池700は、半導体接合部406に円周方向に配置された透明導電層110を含む。図2Kの場合は、第1の光電池700の透明導電層110は、バイア280を介して、複数の光電池における第2の光電池700の背面電極と直列電気接続する。いくつかの実施態様において、各バイア280は、太陽電池の全周にわたって延びる。いくつかの実施態様において、各バイア280は、太陽電池の全周にわたって延びない。実際、いくつかの実施態様において、各バイアは、太陽電池の周のうちのわずかな部分にわたって延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、光電池700の透明導電層110を隣接する光電池700の背面電極104と電気的に直列接続させる1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のバイア280を有することができる。
【0074】
次に、図2Aから2Kを参照しながら、太陽電池ユニット270を製造するための方法について説明する。この説明において、太陽電池ユニット270の各部品の代表的な材料について記載する。しかし、太陽電池ユニット270の各部品の好適な材料の説明は、上記のセクション5.1に示されている。図2Aを参照すると、該方法は、基板102から始まる。
【0075】
次に、図2Bにおいて、背面電極104が、基板102に円周方向に配置される。以下のセクション5.6に開示される技術のいくつかを含む様々な技術によって背面電極104を堆積することができる。いくつかの実施態様において、背面電極104は、スパッタリングによって基板102に円周方向に配置される。例えば、以下のセクション5.6.11を参照されたい。いくつかの実施態様において、背面電極104は、電子ビーム蒸着によって基板102に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、基板102は、導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、電気メッキを用いて背面電極104を基板102に円周方向に配置することが可能である。例えば、以下のセクション5.6.21を参照されたい。いくつかの実施態様において、基板102は、導電性でないが、鋼箔又はチタン箔などの金属箔が巻き付けられる。これらの実施態様において、例えば、以下のセクション5.6.21に記載される電気メッキ技術を用いて、背面電極104を金属箔に電気メッキすることが可能である。さらに他の実施態様において、背面電極は、高温浸漬によって基板102に円周方向に配置される。
【0076】
図2Cを参照すると、溝292を形成するために背面電極104をパターン化する。溝292は、背面電極104の全周にわたって延びることによって、背面電極104を個別の部分に分割する。各部分は、対応する光電池700の背面電極104として機能する。溝292の底部は、下部基板102を露出させる。いくつかの実施態様において、溝292は、背面電極104に吸収される波長を有するレーザ光線を使用して刻まれる。レーザスクライビングは、従来の機械掘削法に比べて多くの利点を示す。精密、高速及び経済的な太陽電池製造には、収束レーザ光線を使用して、切断、標記又は掘削を行うことが好ましい。レーザ切断は、切断部付近に小さい熱影響部を形成するだけである。また、機械的外乱又は機械的摩耗がほとんどない。レーザを使用して薄膜を処理する場合は、レーザスクライビング、エッチング及びアブレーションという用語が区別なく用いられる。金属材料のレーザ切断を主たる2つの方法、即ち蒸発切断及びメルトブロー切断に分類することができる。蒸発切断では、材料を蒸発温度まで迅速に加熱し、蒸気として自然に除去する。メルトブロー法は、材料を溶融温度まで加熱しながら、ガスジェットによって溶融物を表面から吹き払う。いくつかの実施態様において、不活性ガス(例えばアルゴン)を使用する。他の実施態様において、溶融物との発熱反応を介して材料の加熱を強化するために反応性ガスを使用する。レーザスクライビング技術によって処理される薄膜材料としては、半導体(例えば、テルル化カドミウム、銅インジウムガリウムジセレニド及びシリコン)、透明導電性酸化物(例えば、フッ素ドープ酸化錫及びアルミニウムドープ酸化亜鉛)及び金属(例えば、モリブデン及び金)が挙げられる。当該レーザシステムは、いずれも商業的に入手可能であり、パルス持続時間及び波長に基づいて選択される。レーザスクライビングに使用できるいくつかの代表的なレーザシステムとしては、Q切換Nd:YAGレーザシステム、Nd:YAGレーザシステム、銅-蒸気レーザシステム、XeClエキシマレーザシステム、KrFexcimerレーザシステム及びダイオードレーザポンプNd:YAGシステムが挙げられるが、それらに限定されない。レーザスクライビングシステム及び方法に関する詳細については、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているCompaanら、1998、「薄膜PVモジュールに対するレーザスクライビングの最適化(Optimization of laser scribing for thin film PV module)」、National Renewable Energy Laboratory final technical progress report 1995年4月〜1997年10月;Querciaら、1995、「CuInSe2サブモジュールを作製するためのCuInSe2/Mo/SLS構造のレーザパターン化(Laser patterning of CuInSe2/Mo/SLS structures for the fabrication of CuInSe2 sub modules)」、Semiconductor Processing and Characterization with Lasers:Application in Photovoltaics、First International Symposium、Issue 173/174、Number com 53〜58頁;及びCompaan、2000、「レーザスクライビングによるモノリシック薄膜アレイの形成(Laser scribing creates monolithic thin film arrays)」、Laser Focus World 36:147〜148、150及び152頁を参照されたい。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝292を刻み込む。例えば、カミソリ刃又は他の鋭利な器具で背面電極104を引っ掻くことによって、溝292を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝292を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0077】
図2D〜2Fは、半導体接合部406が単一吸収体層106及び単一窓層108である場合を示す。しかし、本出願は、それに限定されない。例えば、接合層406は、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合であり得る。
図2Dを参照すると、吸収体層106が背面電極104に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、熱蒸発によって背面電極104に円周方向に配置される。例えば、いくつかの実施態様において、吸収体層106は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBeck及びBrittの「最終技術報告(Final Technical Report)」、2006年1月、NREL/SR-520-391 19;及びDelahoy及びChen、2005年8月、「高度CIGS光電池技術(Advanced CIGS Photovoltaic Technology)」、subcontract report;Kapurら、January 2005 subcontract report、NREL/SR-520-37284、「非真空薄膜CIGS太陽電池の実験室スケールから大規模スケールへの移行(Lab to Large Scale Transition for Non-Vacuum Thin Film CIGS Solar Cells)」、Simpsonら、2005年10月、subcontract report、「軟質CIGS PVモジュール製造のための軌道配向及び疑似耐性ベースの知的処理制御(Trajectory-Oriented and Fault-Tolerant-Based Intelligent Process Control for Flexible CIGS PV Module Manufacturing)」、NREL/SR-520-38681;又はRamanathanら、31st IEEE Photovoltaics Specialists Conference and Exhibition、Lake Buena Vista、Florida、2005年1月3〜7日に開示された技術を用いて堆積されるCIGSである。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、元素源からの蒸発によって背面電極104に円周方向に堆積される。例えば、いくつかの実施態様において、吸収体層106は、元素源からの蒸発によってモリブデン背面電極104上にCIGS成長される。1つの当該蒸発法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanthanら、2003、「19.2%の効率のZnO/CdS/CuInGaSe2薄膜太陽電池(Properties of 19.2% Efficiency ZnO/CdS/CuInGaSe2 Thin-film Solar Cells)」、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 11、225に記載されているもののような三段階法、又は該三段階法の変形である。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、一段階蒸発法又は二段階蒸発法を用いて、背面電極104に円周方向に堆積される。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、スパッタリングによって背面電極104に円周方向に堆積される(例えば、以下のセクション5.6.11参照)。典型的には、当該スパッタリングには高温の基板102が必要である。
【0078】
いくつかの実施態様において、吸収体層106は、電気メッキを用いて、吸収体層106の構成金属又は金属合金の個々の層として背面電極104に円周方向に配置される。例えば、吸収体層106が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)である場合を考慮されたい。CIGSの個々の構成層(例えば、銅層、インジウム-ガリウム層、セレニウム)を1層ずつ背面電極104に電気メッキすることができる。電気メッキについては、以下のセクション5.6.21に記載されている。いくつかの実施態様において、吸収体層の個々の層は、スパッタリングを用いて、背面電極104に円周方向に堆積される。吸収体層106の個々の層がスパッタリング若しくは電気メッキ又はそれらの組合せのいずれによって円周方向に堆積されるかにかかわらず、(例えば、活性層106がCIGSである)典型的な実施態様において、構成層が円周方向に配置されると、それらの層は、互いに反応して吸収体層106を形成するように高速熱処理工程で迅速に加熱される。いくつかの実施態様において、セレニウムは、電気メッキ又はスパッタリングによって供給されない。当該実施態様において、セレニウムは、低圧加熱段階時に元素セレニウムガス又はセレン化水素の形で低圧加熱段階中の吸収体層106に供給される。いくつかの実施態様において、銅-インジウム-ガリウム酸化物が、背面電極104に円周方向に堆積され、次いで銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドに変換される。いくつかの実施態様において、真空法を用いて、吸収体層106を堆積する。いくつかの実施態様において、非真空法を用いて、吸収体層106を堆積する。いくつかの実施態様において、室温法を用いて、吸収体層106を堆積する。さらに他の実施態様において、高温法を用いて、吸収体層106を堆積する。これらの方法は例示にすぎず、吸収体層106を堆積するのに用いることができる広範な他の方法が存在することを当業者なら理解するであろう。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、化学蒸着を用いて堆積される。代表的な化学蒸着技術を以下に記載する。
【0079】
図2E及び2Fを参照すると、窓層108が吸収体層106に円周方向に堆積される。いくつかの実施態様において、薬浴堆積法を用いて、吸収体層106が吸収体層108に円周方向に堆積される。例えば、窓層108が硫化カドミウムなどの緩衝層である場合、反応すると、硫化カドミウムを溶液から析出させる溶液にカドミウム及び硫化物をそれぞれ個別に供給することができる。窓層として機能できる他の構成要素としては、硫化インジウム、酸化亜鉛、酸化亜鉛硫化水素又は他の種類の緩衝層が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、窓層108は、n型緩衝層である。いくつかの実施態様において、窓層108は、吸収体層106にスパッタリングされる。例えば、以下のセクション5.6.11を参照されたい。いくつかの実施態様において、窓層108は、吸収体層106に蒸着される。例えば、以下のセクション5.6.10を参照されたい。いくつかの実施態様において、窓層108は、化学蒸着を用いて吸収体層106に円周方向に堆積される。代表的な化学蒸着技術は、以下に記載されている。
【0080】
図2G及び2Hを参照すると、溝294を形成するために、半導体接合部406(例えば、層106及び108)をパターン化する。いくつかの実施態様において、溝294は、半導体接合部406の全周にわたって延びることによって、半導体接合部406を個別の部分に分割する。いくつかの実施態様において、溝294は、半導体接合部406の全周にわたって延びない。実際、いくつかの実施態様において、各溝は、半導体接合部406の周のうちのわずかな部分にわたって延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、所定の溝294の代わりに、半導体接合部406の周囲に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、半導体接合部406に吸収される波長を有するレーザ光線を用いて溝294を刻み込む。いくつかの実施態様において、機械的手段を用いて溝294を刻み込む。例えば、カミソリ刃又は他の鋭利な器具で半導体接合部406を引っ掻くことによって、溝294を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝294を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0081】
図2Iを参照すると、透明導電層110が半導体接合部406に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、スパッタリングによって透明導電層110が背面電極104に円周方向に堆積される。スパッタリングの説明については、以下のセクション5.6.11を参照されたい。いくつかの実施態様において、スパッタリングは、反応性スパッタリングである。例えば、いくつかの実施態様において、酸素ガスの存在下で亜鉛ターゲットを使用して、酸化亜鉛を含む透明導電層110を生成する。別の反応性スパッタリングの例では、酸素ガスの存在下でインジウム錫ターゲットを使用して、インジウム錫酸化物を含む透明導電層110を生成する。別の反応性スパッタリングの例では、酸素ガスの存在下で錫ターゲットを使用して、酸化錫を含む透明導電層110を生成する。概して、任意の広バンドギャップ導電性透明材料を透明導電層110として使用することができる。本明細書に用いられているように、「透明」という用語は、約300ナノメートルから約1500ナノメートルの波長範囲で透明と見なされる材料を意味する。しかし、全波長範囲にわたって透明でない構成要素も、特に当該材料の非常に薄い層を使用できるほど高い導電性などの他の特性を有する場合は、透明導電層110として機能することができる。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、導電性であり、反応により、又はセラミックターゲットを使用してスパッタリングで堆積され得る任意の透明導電性酸化物である。
【0082】
いくつかの実施態様において、透明導電層110は、以下のセクション5.6.11に記載するように、直流電流(DC)ダイオードスパッタリング、ラジオ周波数(RF)ダイオードスパッタリング、三極スパッタリング、DCマグネトロンスパッタリング又はRFマグネトロンスパッタリングを用いて堆積される。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、原子層蒸着技術を用いて堆積される。代表的な原子層蒸着技術が以下の5.6.17に記載されている。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、化学蒸着を用いて堆積される。代表的な化学蒸着技術は、以下に記載されている。
【0083】
図2Jを参照すると、溝296を形成するために、透明導電層110をパターン化する。溝296は、透明導電層110の全周にわたって延びることによって、透明導電層110を個別の部分に分割する。溝296の底部は、下部半導体接合部406を露出させる。いくつかの実施態様において、溝298によって露出された背面電極104を電極又は他の電子回路に接続するために、太陽電池ユニット270の端部で溝298をパターン化する。いくつかの実施態様において、透明導電層110に吸収される波長を有するレーザ光線を使用して、溝296を刻み込む。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝296を刻み込む。例えば、カミソリ刃又は他の鋭利な器具で背面電極104を引っ掻くことによって、溝296を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝296を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0084】
図2Kを参照すると、上記堆積技術のいずれか又は以下のセクション5.6から選択される堆積技術を用いて、随意の反射防止膜112を透明導電層110に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270は、透明管状ケース310に収容される。太陽電池ユニット270などの長形太陽電池を透明管状ケースに如何にして収容できるかについては、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「管状ケース入長形光電池(Elongated Photovoltaic Cells in Tubular Casings)」という題名の同時係属米国特許出願第11/378,847号(整理番号11653-008-999)に記載されている。いくつかの実施態様において、図7を参照しながら上述したように随意の充填剤層330を使用する。
【0085】
いくつかの実施態様において、インクジェット印刷を用いて、随意の電極帯420を透明導電層110に堆積する。代表的なインクジェット印刷技術は、以下のセクション5.6.9に記載されている。当該電極帯に使用できる導電性インクの例としては、銀充填又はニッケル充填導電性インクが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、エポキシ並びに異方性導電性接着剤を使用して、随意の電極帯420を構成することができる。典型的な実施態様において、電極帯420を形成するために当該インク又はエポキシを熱硬化させる。いくつかの実施態様において、当該電極帯は、太陽電池ユニット270に存在しない。実際、本出願のモノリシック集積設計を使用することの主たる利点は、太陽電池ユニット270の長さに沿う電圧が、独立した光電池700により増加することである。したがって、電流が減少することによって、個々の光電池700の電流必要量が低減される。その結果、多くの実施態様において、随意の電極帯420が必要でなくなる。
【0086】
いくつかの実施態様において、図2に示されるように、溝292、294及び296は同心形でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板102の管(長)軸に沿って螺旋下降する。図2のモノリシック集積手段は、面積が最小限であり、処理工程の数が最小限であるという利点を有する。図7を参照しながら述べたように、本発明は、円形断面を有する基板102に限定されない。図7に関して以上に参照した断面形状のいずれかを用いて、図2を参照しながら示したようにして太陽電池207を製造することができる。
【0087】
(5.1.2第1の支柱吸収体技術を用いた基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図3A〜3Hは、本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて、基板を有する太陽電池ユニット270を製造するための処理工程を示す。図3A及び3Bを参照すると、背面電極104、吸収体106及び窓層108は、第1のパターン化工程の前に基板102上に順次円周方向に堆積される。図3Aは、太陽電池ユニットの三次元管状プロファイルを示す。この製造段階において、この三次元プロファイルの下に、太陽電池ユニット270の対応する一次元プロファイルが存在する。図2の一次元プロファイル及び図3〜6の様々な構成要素パネルに示される一次元プロファイルのように、一次元プロファイルは、対応する太陽電池ユニット270の片側の断面図である。
【0088】
図3Cを参照すると、窓層108を円周方向に配置すると、溝302及び304を刻み込む。溝302の底部で基板102が露出される。溝304の底部で電極104が露出される。溝302は、基板102の全周に沿って延びることによって、図示されるように光電池700を定める。対照的に、溝304は、背面電極104の全周に沿って延びる必要がない。いくつかの実施態様において、溝304は、背面電極104の全周に沿って延びない。実際、いくつかの実施態様において、各溝304は、背面電極104の周のうちのわずかな部分に沿って延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、所定の溝304の代わりに背面電極104の周囲に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、レーザ光線を使用して溝302及び304を刻み込む。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝302及び304を刻み込む。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝302及び304を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0089】
図3Dを参照すると、溝302を形成すると、電気絶縁材料を充填することによって、電気絶縁支柱310を形成する。いくつかの実施態様において、溝302は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なスクリーン印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝302は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝302は、粉末を溝に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザでパワーを溶融させることによって充填される。絶縁支柱310は、任意の種類の電気絶縁材料である。
【0090】
図3Eを参照すると、溝302に絶縁性材料を充填した後に、透明導電層110を円周方向に堆積する。透明導電層110の材料を溝304に充填する。しかし、図3Fを参照すると、より導電性の高い材料を溝内に堆積することによって、図3Gに示されるように導電性バイア312を形成できるように、この材料に溝304が刻み込まれる。導電性が極めて高い材料をバイア312に使用すると、バイアが、非常に狭い線幅を有しながら効果を維持することが可能になる。これは、半導体接合部406の面積損失を抑えるのに役立つため有利である。いくつかの実施態様において、溝304は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝304は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝304は、粉末を溝304に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。図3Hを参照すると、溝314を透明導電性酸化物層に刻み込むことによって、下部の窓層108を露出させる。溝314は、基板102上の1つの光電池700の透明導電層110が隣接する光電池700の背面電極104に直列接続されるが、そうでなければ2つの光電池700が互いに電気的に絶縁されるように、モノリシック集積された光電池700を形成するのに必要である。
【0091】
いくつかの実施態様において、図3に示されるように、溝302、304及び314は同心形でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板102の円筒(長)軸に沿って螺旋下降する。図7を参照しながら説明したように、本発明は、円形断面を有する基板102に限定されない。図7を参照しながら以上に示した断面形状のいずれかを用いて、図3を参照しながら示したようにして太陽電池270を製造することができる。
【0092】
(5.1.3第2の支柱吸収体技術を用いた基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図4A〜4Fは、本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す。基板102は、中実円筒状又は中空円筒状である。図4A及び4Bを参照すると、第1のパターン化工程の前に、背面電極104、吸収体106及び窓層108が基板102に円周方向に順次配置される。図4Aは、太陽電池ユニットの三次元管状プロファイルを示す。この製造段階において、この三次元管状プロファイルの下に、太陽電池ユニット270の対応する一次元プロファイルが存在する。図2及び3の一次元プロファイル並びに図5〜6のそれぞれの図に示される一次元プロファイルのように、該一次元プロファイルは、対応する太陽電池ユニット270の片側の断面図である。
【0093】
図4Cを参照すると、窓層108を堆積して、溝402及び404を刻み込む。溝402の底部で基板102が露出される。溝404の底部で背面電極104が露出される。溝402は、基板102の全周にわたって延びることによって、図示されるように光電池700を定める。対照的に、溝404が背面電極104の全周に沿って延びる必要がない。いくつかの実施態様において、溝404は、背面電極104の全周に沿って延びない。実際、いくつかの実施態様において、各当該溝404は、背面電極104の周のうちのわずかな部分に沿って延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、所定の溝404の代わりに背面電極104の周囲に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、レーザ光線を使用して溝402及び404を刻み込む。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝402及び404を刻み込む。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝402及び404を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0094】
図4Dを参照すると、溝402を形成して、電気絶縁材料を充填することによって、電気絶縁支柱410を形成する。いくつかの実施態様において、溝402は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なスクリーン印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝402は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝402は、粉末を溝402に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。溝402には任意の種類の電気絶縁性材料が充填される。
【0095】
図4Eを参照すると、溝402に絶縁性材料を充填した後に、透明導電層110を円周方向に配置する。透明導電層の材料を溝404に充填する。図4Fを参照すると、溝414を透明導電層110に刻み込むことによって、下部の窓層108を露出させる。溝414は、基板102上の1つの光電池700の透明導電層110が隣接する光電池700の背面電極104に直列接続されるが、そうでなければ2つの光電池700が互いに電気的に絶縁されるように、モノリシック集積された光電池700を形成するのに必要である。
【0096】
いくつかの実施態様において、図4に示されるように、溝402、404及び414は同心形でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板102の円筒(長)軸に沿って螺旋下降する。図7を参照しながら説明したように、本発明は、円形断面を有する基板102に限定されない。図7を参照しながら以上に示した断面形状のいずれかを用いて、図4を参照しながら示したようにして太陽電池270を製造することができる。
【0097】
(5.1.4第1の支柱デバイス技術を用いた基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図5A〜5Dは、本出願による第1の支柱デバイス技術を用いて基板102を有する太陽電池を製造するための処理工程を示す。図5A及び5Bを参照すると、第1のパターン化工程の前に、背面電極104、吸収体層106、窓層108及び透明導電層110を基板102に円周方向に順次配置する。図5Aは、太陽電池ユニットの三次元管状プロファイルを示す。対応する製造段階において、この三次元管状プロファイルの下に、太陽電池ユニット270の対応する一次元プロファイルが存在する。一次元プロファイルは、対応する太陽電池ユニット270の片側の断面図である。
【0098】
図5Bを参照すると、透明導電層110を堆積して、溝502及び504を刻み込む。溝502の底部で基板102が露出される。溝504の底部で背面電極104が露出される。溝502は、基板102の全周に沿って延びることによって、図示されるように光電池700を定める。対照的に、溝504は、背面電極104の全周に沿って延びる必要がない。いくつかの実施態様において、溝504は、背面電極104の全周に沿って延びる。実際、いくつかの実施態様において、各溝504は、背面電極104の周のうちのわずかな部分に沿って延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、所定の溝504の代わりに背面電極104の周囲に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、レーザ光線を使用して溝502及び504を刻み込む。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝502及び504を刻み込む。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝502及び504を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0099】
図5Cを参照すると、溝502を形成して、それらに電気絶縁性材料を充填することによって、電気絶縁性支柱506を形成する。いくつかの実施態様において、溝502は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なスクリーン印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝502は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝502は、粉末を溝に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。溝502には任意の種類の電気絶縁性材料が充填される。さらに図5Cを参照すると、導電性材料を溝504に円周方向に配置することによって、導電性バイア508を形成する。導電性が極めて高い材料をバイア508に使用すると、バイアが、非常に狭い線幅を有しながら効果を維持することが可能になる。これは、半導体接合部406の面積損失を抑えるのに役立つため有利である。いくつかの実施態様において、溝504は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝504は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝504は、粉末を溝に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。
【0100】
図5Dを参照すると、溝514を透明導電層110に刻み込むことによって、下部の窓層108を露出させる。溝524は、基板102上の1つの光電池700の透明導電層110が隣接する光電池700の背面電極104に直列接続されるが、そうでなければ2つの光電池700が互いに電気的に絶縁されるように、モノリシック集積された光電池700を形成するのに必要である。また、図Dに示されるように、第1の透明導電層110の一部に電線管が配置される。いくつかの実施態様において、図5に示されるように、溝502、504及び524は同心形でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板102の円筒(長)軸に沿って螺旋下降する。
図7を参照しながら説明したように、本発明は、円形断面を有する基板102に限定されない。図7を参照しながら以上に示した断面形状のいずれかを用いて、図5を参照しながら示したようにして太陽電池270を製造することができる。
【0101】
(5.1.5第2の支柱デバイス技術を用いた基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図6A〜6Hは、本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池を製造するための処理工程を示す。図6A〜6Bを参照すると、第1のパターン化工程の前に、背面電極104、吸収体層106及び窓層108を基板102に円周方向に順次配置する。図6Aは、太陽電池ユニットの三次元管状プロファイルを示す。この製造段階において、この三次元プロファイルの下に、太陽電池ユニット270の対応する一次元プロファイルが存在する。一次元プロファイルは、対応する太陽電池ユニット270の片側の断面図である。
【0102】
図6Cを参照すると、窓層108を円周方向に配置して、溝602を刻み込む。溝602の底部で基板102が露出される。溝602は、基板102の全周に沿って延びることによって、図示されるように太陽電池700を定める。いくつかの実施態様において、溝602は、機械的手段によって刻み込まれる。いくつかの実施態様において、溝602は、リソグラフエッチング法を用いて形成される。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0103】
図6Dを参照すると、溝602を形成して、それらに電気絶縁性材料を充填することによって、電気絶縁支柱610を形成する。いくつかの実施態様において、溝602は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なスクリーン印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝602は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝602は、粉末を溝に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。溝602には任意の種類の電気絶縁性材料が充填される。
【0104】
図6Dを参照すると、溝604が刻み込まれる。溝604の底部で背面電極104が露出される。溝604が背面電極104の全周に沿って延びる必要はない。いくつかの実施態様において、溝604は、背面電極104の全周に沿って延びない。実際、いくつかの実施態様において、各当該溝604は、背面電極104の周のうちのわずかな部分に沿って延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、所定の溝604の代わりに背面電極104の周囲に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、溝604は、レーザ光線を使用して刻み込まれ、機械的手段を使用して刻み込まれ、或いはリソグラフエッチング法を用いて形成される。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0105】
図6Eを参照すると、溝602に絶縁性材料を充填した後に、透明導電層110を円周方向に堆積する。透明導電層の材料を溝604に充填する。しかし、図6Fを参照すると、より導電性の高い材料を溝内に堆積することによって、図6Gに示されるように導電性バイア612を形成できるように、この材料に溝604が刻み込まれる。導電性が極めて高い材料をバイア612に使用すると、バイアが、非常に狭い線幅を有しながら効果を維持することが可能になる。これは、半導体接合部406の面積損失を抑えるのに役立つため有利である。いくつかの実施態様において、溝604は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝604は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝604は、粉末を溝604に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。
【0106】
図6Hを参照すると、溝604を透明導電性層110に刻み込むことによって、下部の窓層108を露出させる。本実施態様において、溝614は、基板102上の1つの光電池700の透明導電層110が隣接する光電池700の背面電極104に直列接続されるが、そうでなければ2つの光電池700が互いに電気的に絶縁されるように、モノリシック集積された光電池700を形成するのに必要である。
【0107】
いくつかの実施態様において、図6に示されるように、溝602、604及び614は同心形でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板102の円筒(長)軸に沿って螺旋下降する。図7を参照しながら説明したように、本発明は、円形断面を有する基板102に限定されない。図7を参照しながら以上に示した断面形状のいずれかを用いて、図6を参照しながら示したようにして太陽電池270を製造することができる。
【0108】
(5.2代表的な半導体接合部)
図8Aを参照すると、一実施態様において、半導体接合部406は、背面電極104に配置された吸収体層106と吸収体層106に配置された接合パートナー層108との間のヘテロ接合である。吸収体層106及び接合パートナー層108は、接合パートナー層106が吸収体層108より大きなバンドギャップを有するように異なるバンドギャップ及び電子親和性を有する異なる半導体からなる。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、pドープされ、接合パートナー層108は、nドープされる。当該実施態様において、透明導電層110(不図示)は、n+ドープされる。代替的な実施態様において、吸収体層106はnドープされ、透明導電層110はpドープされる。当該実施態様において、透明導電層110は、p+ドープされる。いくつかの実施態様において、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPandeyの「半導体電析のハンドブック(Handbook of Semiconductor Electrodeposition)」、Marcel Dekker Inc.、1996、Appendix 5にリストされている半導体を使用して、半導体接合部406を形成する。
【0109】
(5.2.1銅インジウムジセレニド及び他のI-III-VI型材料に基づく薄膜半導体接合部)
図8Aをさらに参照すると、いくつかの実施態様において、吸収体層106は、銅インジウムジセレニド(CuInSe2;CISとして知られる)などのI-III-VI2族の化合物である。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、当該化合物が存在することが知られていれば、p型又はn型のCdGeAs2、ZnSnAs2、CuInTe2、AgInTe2、CuInSe2、CuGaTe2、ZnGeAs2、CdSnP2、AgInSe2、AgGaTe2、CuInS2、CdSiAs2、ZnSnP2、CdGeP2、ZnSnAs2、CuGaSe2、AgGaSe2、AgInS2、ZnGeP2、ZnSiAs2、ZnSiP2、CdSiP2又はCuGaS2からなる群から選択されるI-III-VI2族の三元化合物である。
【0110】
いくつかの実施態様において、接合パートナー層108は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。一実施態様において、吸収体層106は、p型CISであり、接合パートナー層108は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合部406は、その全体が参照により組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第6章に記載されている。
【0111】
いくつかの実施態様において、吸収体層106、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)である。当該層は、Cu(InGa)Se2としても知られる。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)であり、接合パートナー層108は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、p型CIGSであり、接合パートナー層108は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合部406は、その全体が参照により組み込まれている「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、2003、Luque及びHegedus(編)、Wiley & Sons、West Sussex、Englandの第12章、第13章に記載されている。いくつかの実施態様において、層106は、厚さが0.5μmから2.0μmである。いくつかの実施態様において、層106におけるCu/(In+Ga)の組成比は、0.7から0.95である。いくつかの実施態様において、層106におけるGa/(In+Ga)の組成比は、0.2から0.4である。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<110>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<112>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、無作為に配向する。
【0112】
(5.2.2非晶質シリコン又は多結晶シリコンをベースとした半導体接合部)
いくつかの実施態様において、図8Bを参照すると、半導体接合部406は、非晶質シリコンを含む。いくつかの実施態様において、これは、n/n型ヘテロ結合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、SnO2(Sb)を含み、層512は、非ドープ非晶質シリコンを含み、層510は、n+ドープ非晶質シリコンを含む。
【0113】
いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、p-i-n型接合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、p+ドープ非晶質シリコンであり、層512は、非ドープ非晶質シリコンであり、層510は、n+ドープ非晶質シリコンである。当該半導体接合部406は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第3章に記載されている。
【0114】
本出願のいくつかの実施態様において、半導体接合部406は、薄膜多結晶をベースとする。図8Bを参照すると、当該実施態様による一実施例において、層510は、pドープ多結晶シリコンであり、層512は、空欠多結晶シリコンであり、層514は、nドープ多結晶シリコンである。当該半導体接合部は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGreenの「シリコン太陽電池-進歩した原理及び実施(Silicon Solar Cells:Advanced Principles & Practice)」、Centre for Photovoltaic Devices and Systems、University of New South Wales、Sydney、1995;及びBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、57〜66頁に記載されている。
【0115】
本出願のいくつかの実施態様において、非晶質Si:H太陽電池におけるp型微結晶Si:H及び微結晶Si:C:Hをベースとした半導体接合部406が使用される。当該半導体接合部は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、66〜67頁及び本明細書に引用された参考文献に記載されている。
【0116】
本出願のいくつかの実施態様において、半導体接合部406は、直列接合である。直列接合は、例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているKimら、1989、「航空宇宙用途の軽量(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(Lightweight(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Aerospace and Electronic Systems Magazine、IEEE第4巻、第11号、1989年11月、23〜32頁;Deng、2005、「SiGe系三重極直列及び単一接合太陽電池(Optimization of a-SiGe based triple,tandem and single-junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、2005 Conference Record of the Thirty-first IEEE 3〜7、2005年1月、1365〜1370頁;Aryaら、2000、「非晶質シリコン系直列接合薄膜技術(Amorphous silicon based tandem junction thin-film technology:a manufacturing perspective)」、Photovoltaic Specialists Conference、2000.Conference Record of the Twenty-Eighth IEEE 15〜22、2000年9月、1433〜1436頁;Hart、1988、「GaAs/Ge太陽電池の高高度電流-電圧測定(High altitude current-voltage measurement of GaAs/Ge solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、764〜765頁、第1巻;Kim、1988、「高効率GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High efficiency GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、457〜461頁、第1巻;Mitchell、1988、「単一及び直列接合CuInSe2電池及びモジュール技術(Single and tandem junction CuInSe2 cell and module technology)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988年、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、1384〜1389頁、第2巻;及びKim、1989、「航空宇宙用途の高比出力(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High specific power(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Energy Conversion Engineering Conference、1989、IECEC-89、Proceedings of the 24th Intersociety 6〜11、1989年8月、779〜784頁、第2巻に記載されている。
【0117】
(5.2.3ガリウム砒素及び他のIII-V型材料をベースとした半導体接合部)
いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、ガリウム砒素(GaAs)又はInP、AlSb及びCdTeなどの他のIII-V型材料をベースとする。GaAsは、1.43eVのバンドギャップを有する直接バンドギャップ材料であり、約2ミクロンの厚さでAM1放射線の97%を吸収することができる。本出願の半導体接合部410として機能できる好適なIII-V型接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
【0118】
また、いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGee及びVirshup、1988、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、754頁に記載されているGaAs/Si機械的積層多接合、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているStanberyら、19th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、280頁及びKimら、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、1487頁に記載されているGaAs薄膜上部電池及びZnCdS/CuInSe2薄膜下部電池からなるGaAs/CuInSe2 MSMJ四端末デバイスなどのハイブリッド多接合太陽電池である。他のハイブリッド多接合太陽電池は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、131〜132頁に記載されている。
【0119】
(5.2.4テルル化カドミウム及び他のII-VI型材料をベースとした半導体接合部)
いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、n型又はp型の形で調製できるII-VI型化合物をベースとする。よって、いくつかの実施態様において、図8Cを参照すると、半導体接合部406は、層520及び540が、以下の表に示される任意の組合せ又はそれらの合金であるp-nヘテロ接合である。
【0120】
【表2】
II-VI化合物をベースとする半導体接合部406を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
【0121】
(5.2.5結晶シリコンをベースとした半導体接合部)
薄膜半導体膜から構成される半導体接合部406が好ましいが、本出願は、それに限定されない。いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、結晶シリコンをベースとする。例えば、図8Dを参照すると、いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、p型結晶シリコン540の層及びn型結晶シリコン550の層をいくつかの実施態様において含む。結晶シリコン半導体接合部410を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第2章に記載されている。
【0122】
(5.3アルベド実施態様)
本出願の太陽電池ユニット270を太陽電池組立品に配置することができる。当該太陽電池組立品において、太陽電池ユニット270は、第1の面及び第2の面を有する平面を形成するように共平面列で配置される。これは、当該表面がそれら2つの面のいずれかを介して集光できるため有利である。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品における個々の太陽電池ユニット270の間に間隔が存在する。本出願のいくつかの実施態様において、これらの太陽電池組立品は、太陽電池組立品の周囲の表面がある量のアルベドを有する反射環境に配置される。アルベドは、表面又は本体の反射率の測度である。それは、反射した電磁放射線(EM放射線)のそれに入射した量に対する比である。この比は、通常は、0から100までの百分率で表される。いくつかの実施態様において、本出願の太陽電池組立品の近傍の表面は、当該表面を反射性白色に塗装することによって、それらが高いアルベドを有するように調製される。いくつかの実施態様において、高いアルベドを有する他の材料を使用することができる。例えば、当該太陽電池の周囲のいくつかの材料のアルベドは、ほぼ70%、80%、90%又はそれ以上である。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBoer、1977、Solar Energy 19、525を参照されたい。しかし、任意の量のアルベド(例えば50%以上、60%以上、70%以上)を有する表面が、本出願の範囲内である。一実施態様において、本出願の太陽電池組立品は、砂利の反射特性を向上させるために砂利が白色に塗装された砂利面上に列をなして配置される。概して、任意のランベルト又は拡散反射面を用いて、高アルベド面を提供することができる。本出願と併用できるアルベド表面のさらなる説明が、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/315,523号に開示されている。
【0123】
(5.4静的集光器)
封入太陽電池270を二面アレイに組み立てることができる。いくつかの実施態様において、本出願の太陽電池組立品の性能を向上させるために静的集光基を使用する。静的集光器を、例えば、適性に屈曲又は成形された単純なアルミニウムシート又はポリウレタン上の反射膜などの当該技術分野で知られている任意の静的集光器材料から形成することができる。本出願の太陽電池270に任意の(CPC)型集光器を使用することができる。(CPC)型集光器に関するさらなる情報については、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPereira及びGordon、1989、Journal of Solar Energy Engineering、111、111〜116頁を参照されたい。
【0124】
本出願に使用できるさらなる静的集光器は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているUematsuら、1999、Proceedings of the 11th International Photovoltaic Science and Engineering Conference、Sapporo、Japan、957〜958頁;Uematsuら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna、Austria,1570〜1573頁;Warabisakoら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna、Austria、1226〜1231頁;Eamesら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna Austria、2206〜2209頁;Bowdenら、1993、Proceedings of the 23rd IEEE Photovoltaic Specialists Conference、1068〜1072頁;及びParadaら、1991、Proceedings of the 10th EC Photovoltaic Solar Energy Conference、975〜978頁に開示されている。
【0125】
当該集光器のより詳細な説明は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているUematsuら、2001、Solar Energy Materials & Solar Cell 67、425〜434頁及びUematsuら、2001、Solar Energy Materials & Solar Cell 67、441〜448頁に見いだされる。本出願に使用できるさらなる静的集光器は、「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、2003、Luque and Hegedus(編)、Wiley & Sons、West Sussex、England、第12章に記載されている。
【0126】
(5.5内部反射器の実施態様)
例えば、図9に示される太陽電池ユニット270を配置して、太陽電池組立品を形成することができる。図9において、内部反射器1404を使用して、太陽電池組立品900への太陽光入力を向上させる。図9に示されるように、太陽電池ユニット270及び内部反射器1404を図示されるように交互アレイに組み立てる。太陽電池組立品900における太陽電池ユニット270は、対向電極420を有することができる。図9に示されるように、太陽電池組立品900は、複数の太陽電池ユニット270を含む。この複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニット270の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000個から100万個等の太陽電池402など)。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品900は、複数の内部反射器1404を含む。この複数の内部反射器における内部反射器1404の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000個から100万個等の内部反射器1404など)。
【0127】
太陽電池組立品900内において、内部反射器1404は、対応する太陽電池ユニット270に沿って長さ方向に延びる。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、中空基板コアを有する。当該基版は、当該デバイスを製造するのに必要な材料の量を減少させることによってコストを下げるため、多くの場合において有利である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、プラスチックケースに堆積された反射性の極めて高い材料(例えば、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、鋼等)の層を有するプラスチックケースである。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、鋼等で構成された単一の部品である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、金属箔テープに積層された金属又はプラスチックケースである。代表的な金属箔テープとしては、3Mアルミニウム箔テープ425、3Mアルミニウム箔テープ427、3Mアルミニウム箔テープ431及び3Mアルミニウム箔テープ439(3M(Minnesota(ミネソタ)州St.Paul))が挙げられるが、それらに限定されない。内部反射器1404は、広範囲な設計を採用することができ、そのうちの1つのみが図9に示されるものである。本出願のいくつかの実施態様に見いだされる反射器1404の設計の中心は、太陽電池組立品900の両側面(即ち側面920及び側面940)に入射する直接光を反射する必要性である。
【0128】
概して、本出願の反射器1404は、隣接する長形太陽電池402への光の反射を最適化するように設計される。太陽電池組立品900の1つの側面(例えば、図9に描かれた太陽電池組立品の平面の上方の側面920)に入射する直接光は、太陽から直接入射するのに対して、太陽電池の他方の側面(例えば、図9に描かれた太陽電池組立品の平面の下方の側面940)は、表面から反射されたものである。いくつかの実施態様において、この表面は、ランベルト、拡散又はインボリュート反射器である。したがって、太陽電池組立品の各側面は、異なる光環境に直面するため、側面920上の内部反射器1404の形状は、側面940上のそれと異なっていてもよい。
【0129】
図9では、内部反射器1404は、対称性四面断面形状を有するものとして示されているが、本出願の内部反射器1404の断面形状は、当該構成に限定されない。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、星状である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、線形である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、放物線状である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、凹面形である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、円形又は楕円形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、内部反射器上に拡散面を定める。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、太陽電池ユニット270の断面形状のインボリュートである。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、二面形、三面形、四面形、五面形又は六面形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器1404における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、小面である。
【0130】
いくつかの実施態様において、さらなるアダプタ部品によって、内部反射器1404と隣接する太陽電池ユニット270とが接続される。当該アダプタ部品は、当該部品間を密接に嵌合するために、内部反射器1404並びに太陽電池ユニット270の両方の形状と相補的な表面特徴を有する。いくつかの実施態様において、当該アダプタ部品は、内部反射器1404に固定される。他の実施態様において、アダプタ部品は、長形太陽電池ユニット270に固定される。さらなる実施態様において、太陽電池ユニット270と反射器1404の接続を導電性接着剤又はテープで強化することができる。
【0131】
拡散反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の側面は、拡散反射面である。拡散反射面は、観察者にとって方向依存性のない光を反射する。表面が微視的に粗いか滑らかであるかは、続く光線の反射に大きな影響を与える。拡散反射は、光の内部拡散、例えば光が吸収され、次いで再放射されること、及び物体の粗面からの外部散乱の組合せを起源とする。
【0132】
ランベルト反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の表面は、ランベルト反射面である。ランベルト光源は、ランベルトの余弦法則に従う光源、即ちそれを観察する角度の余弦に正比例する強度を有する光源として定義づけられる。よって、ランベルト面は、放射面の全表面積が、測定されている面積より大きいことを前提に、そのラジアンス(又はルミナンス)が、それを測定できるすべての方向で同じになる(例えば、ラジアンスは観察角度から独立する)ように入射放射線の拡散を均一にする表面として定義づけられる。
完全拡散面において、任意の小表面部品から所定の方向に発生する光の強度は、表面に対して直角の角度の余弦に比例する。ランベルト面の輝度(ルミナンス、ラジアンス)は、それが観察される角度にかかわらず一定である。
【0133】
入射光
【数1】
は、ランベルト面に衝突し、異なる方向に反射する。
【数2】
の強度をIinと定義すれば、反射光
【数3】
の強度(例えばIout)をランベルトの余弦法則に従って以下のように定義づけることができる。
【数4】
上式において、
【数5】
及びkdは、表面特性に関連する。入射角はθinと定義され、反射角はθoutと定義される。ベクトルドット積の式を用いて、反射光の強度を以下のように記すこともできる。
【数6】
上式において、
【数7】
は、ランベルト面に対して法線ベクトルを表す。
【0134】
当該ランベルト面は、入射光線を失わないが、表面の照明側で、2πラジアンの利用可能なすべての立体角でそれを再放射する。さらに、ランベルト面は、表面が任意の角度から均等な輝度で見えるように光を放射する。即ち、等しい投射面積が、等量の光束を放射する。これは理想的であるが、多くの実表面がそれに近い。例えば、ランベルト面を拡散白色塗料で生成することができる。当該典型的なランベルト面の反射率は、93%であってもよい。いくつかの実施態様において、ランベルト面の反射率は、93%より高くてもよい。いくつかの実施態様において、ランベルト面の反射率は、93%より低くてもよい。ランベルト面は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarshallの米国特許第6,257,737号;Sternの米国特許第6,661,521号;Parkynらの米国特許第6,603,243号において、照明を最適化するためにLED設計に広く使用されてきた。有利には、反射器1404上のランベルト面は、光をすべての方向に効果的に反射する。次いで、反射光を隣接する太陽電池ユニット270の方へ反射して、太陽電池の性能を向上させる。
【0135】
インボリュート面の反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の表面は、隣接する太陽電池ユニット270のインボリュート面である。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270は、円形又はほぼ円形である。内部反射器1404の反射器面は、好ましくは円のインボリュートである。円のインボリュートは、円の周りを回転する直線上の点によって追跡される経路と定義される。例えば、円のインボリュートを以下の工程で描くことができる。第1に、線を曲線上の点に接続する。第2に、線が接続点で曲線に接するように線を延長させる。第3に、線を巻き上げ、それを張りつめた状態にする。線の末端によって追跡された点の座位を本来の円のインボリュートと呼ぶ。本来の円を、そのインボリュート曲線のエボリュートと呼ぶ。
【0136】
概して、曲線は独自のエボリュートを有するが、開始点の異なる選択に対応する無制限に多くのインボリュートを有する。インボリュートを所定の曲線に対するすべての正接に直交する任意の曲線と考えることもできる。任意の時間tにおける半径rの円について、その式を以下のように記すことができる。
x=r cos t
y=r sin t
【0137】
よって、円のインボリュートのパラメータ式は、以下のようになる。
xi=r(cos t+t sin t)
yi=r(sin t-t cos t)
エボリュート及びインボリュートは、相互関数である。円のインボリュートのエボリュートは、円である。
【0138】
光反射を最適化するために、インボリュート面が多くの特許で具現化された。例えば、閃光ランプ反射器(その全体が参照により本明細書に組み込まれているDraggooの米国特許第4,641,315号)及び凹面形光反射器デバイス(その全体が参照により本明細書に組み込まれているRoseの米国特許第4,641,315号)は、ともに光反射効率を向上させるためにインボリュート面を利用している。
【0139】
太陽電池組立品。図9に示されるように、太陽電池ユニット270は、幾何学的に並列又はほぼ並列に配置される。いくつかの実施態様において、各内部反射器1404は、2つの太陽電池ユニット270に接続する。このため、当該実施態様における太陽電池ユニット270は、単一の複合デバイスに効果的に接合される。本出願に使用できる内部反射器についての詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第11/248,789号に開示されている。
【0140】
(5.6堆積法)
以下のサブセクションでは、太陽電池ユニット270における光電池700の個々の層を円周方向に堆積するのに使用できるそれぞれの製造技術を説明する。
(5.6.1化学蒸着)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層を化学蒸着によって堆積する。化学蒸着(chemical vapor deposition)(CVD)では、不活性なキャリアガスでしばしば希釈された蒸気相の構成要素が高温(典型的には300℃を超える温度)の表面で反応して、中実膜を堆積する。一般に、化学蒸着反応には、チャンバ又はウェハの加熱など、系に対するエネルギーの付加が必要である。化学蒸着、化学蒸着を実施するのに使用されるデバイス、及び窒化珪素の化学蒸着を実施するのに用いることができる処理条件に関するさらなる情報については、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、363〜393頁;及びMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、2002、144〜154頁、CRC Pressを参照されたい。
【0141】
(5.6.2減圧化学蒸着)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層を減圧化学蒸着(reduced pressure chemical vapor deposition)(RPCVD)によって堆積する。RPCVDは、典型的には、10Pa未満の圧力及び550℃〜600℃の範囲の温度で実施される。RPCVDに用いられる低圧により、拡散係数が大きくなり、基板への質量移動速度でなく、表面反応速度によって制限される層の成長をもたらす。RPCVDでは、典型的には、希釈せずに反応を利用することができる。RPCVDを例えば水平管高温壁反応器で実施することができる。
【0142】
(5.6.3低圧化学蒸着)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層を低圧化学蒸着(low pressure chemical vapor deposition)(LPCVD)又は極低圧CVDによって堆積する。LPCVDは、典型的には1Pa未満の圧力で実施される。
(5.6.4大気圧化学蒸着)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層を大気圧からわずかに減圧の化学蒸着によって堆積する。大気圧からわずかに減圧のCVD(APCVD)を用いて、例えば、を成長させる。APCVDは、大きな堆積速度及び低温(350℃〜400℃)で層を生成させるという利点を有する比較的単純な方法である。
【0143】
(5.6.5プラズマ励起化学蒸着)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層をプラズマ励起(プラズマ利用)化学蒸着(plasma enhanced chemical vapor deposition)(PECVD)によって堆積する。PECVDシステムは、低圧(例えば2〜5Torr)及び低温(300℃〜400℃)で動作する平行プレートチャンバを特徴とする。高周波誘導グロー放電又は他のプラズマ源を使用して、蒸着ガス中にプラズマ電界を誘発する。使用できるPECVDシステムとしては、水平垂直フローPECVD、円筒放射熱PECVD及び水平管PECVDが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、遠隔プラズマCVD(RPCVD)を使用する。遠隔プラズマCVDについては、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているSanoらの米国特許第6,458,715号に記載されている。
【0144】
(5.6.6陽極酸化)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層を陽極酸化によって堆積する。陽極酸化は、電解セルで実施される酸化処理である。陽極酸化される材料(例えば背面電極104)は、陽極(+)になり、貴金属は陰極(-)になる。陽極反応生成物の溶解性に応じて、不溶層(例えば酸化物)が生じる。一次酸化剤が水である場合は、得られる酸化物が一般的に多孔質であるのに対して、有機電解質は、優れた不活性化を与える非常に高密度な酸化物をもたらす。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouら、1982、J.Electrochem.Soc.129、2749〜2752頁を参照されたい。
【0145】
(5.6.7ゾルゲル堆積技術)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層をゾルゲル法によって堆積する。ゾルゲル法では、ガラス又はセラミック層104の加熱により溶媒が除去されると、液体(ゾル)中のコロイド懸濁物における化学前駆体である中実粒子がゼラチン網(ゲル)を形成する。ゾル形性及びゲル形性はともに低温プロセスである。ゾル形成では、適切な化学前駆体を液体に溶解させる。例えばテトラエチルシロキサン(TEOS)を水に溶解させる。次いで、ゾルをそのゲル点、即ちゾルが粘性液からゼラチン状重合網に急激に変化する相状態図の点に至らせる。ゲル状態において、材料を成形する(例えば繊維又はレンズ)、或いは紡糸、浸漬又は噴霧によって基板に塗布する。TEOSの場合は、塩酸を触媒として加水分解又は縮合によってシリカゲルを形成する。200℃から600℃の温度で乾燥及び焼結すると、ゲルがガラスに変化し、究極的に二酸化珪素になる。
【0146】
(5.6.8プラズマ溶射技術)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層をプラズマ溶射法によって堆積する。プラズマ溶射により、ほぼあらゆる材料を多くの種類の基板に塗布することができる。プラズマ溶射は、粒子堆積法である。直径数ミクロンから100ミクロンの粒子を供給源から基板に輸送する。プラズマ溶射において、棒形陰極とノズル状水冷陽極の間で高密度のプラズマアークを動作させる。陰極に沿って空気圧で供給されるプラズマガスをアークからプラズマ温度で加熱して、プラズマジェット又はプラズマフレームとして陽極ノズルを残す。アルゴン及びアルゴンと他の希ガス(He)又は分子ガス(H2、N2、O2等)との混合物がプラズマ溶射にしばしば使用される。キャリアガスに懸濁した微粉末をプラズマジェットに注入し、粒子を加速及び加熱させる。プラズマジェットは、20,000Kの温度及び1000ms-1までの速度に達することができる。粒子表面の温度は、プラズマ温度より低く、プラズマガスにおける滞留時間は非常に短い。表面温度が低く、持続時間が短いため、溶射粒子がガスプラズマで気化するのが防止される。プラズマ中の粒子は、電子及びイオンの熱速度が異なるため負電荷を帯びる。溶融粒子が高速で基板に当たると、拡散し、凍結し、多少高密度の被膜、典型的には基板との良好な接着層を形成する。プラズマ溶射装置は、Sulzer Metco(スイスWinterthur)から入手可能である。プラズマ溶射に関するさらなる情報については、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、2002、157〜159頁、CRC Pressを参照されたい。
【0147】
(5.6.9インクジェット印刷)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層をインクジェット印刷によって堆積する。インクジェット印刷は、市販のインクジェット印刷と同じ原理に基づく。インクジェットノズルを、化学溶液が充填された液溜めに接続し、コンピュータ制御されたx-yステージの上に配置する。目標物体をx-yステージに配置し、ノズルを通じて液滴(例えば、直径50ミクロン)を、物体上の明確に確定された場所に噴射する。異なるノズルによって、異なるスポットを平行に印刷することができる。本出願の一実施態様において、数ピコリットルの液滴のバブルジェットを使用して、光電池700の層を形成する。別の実施態様において、熱インクジェット(Hewlett Packard(California(カリフォルニア)州Palo Alto))を使用して、光電池700の層を形成する。熱インクジェットでは、抵抗器を使用して、液体インクの薄層を迅速に加熱する。過熱蒸気爆発は、インクのわずかな部分を気化させて、インクの液滴をインクカートリッジから基板に放出する膨張バブルを形成する。本出願のさらに別の実施態様において、圧電インクジェットヘッドをインクジェット印刷に使用する。圧電インクジェットヘッドは、導入口及び他端のノズルを有する液溜めを含む。液溜めの1つの壁は、圧電結晶が付着した薄隔膜からなる。結晶に電圧が印加されると、横方向に収縮するため、隔膜を屈折させ、流体の小滴をノズルから放出する。次いで、液溜めは、毛管作用により導入口を介して充填される。結晶に印加された電圧パルス毎に1つ及び唯一の液滴が放出されるため、液滴が放出された場合に完全制御が可能になる。本出願のさらに別の実施態様において、エポキシ供給システムを使用して、太陽電池の層を堆積する。エポキシ供給システムの例は、Ivek Digispense 2000(Ivek Corporation(Vermont(バーモント)州North Springfield))である。ジェット溶射に関するさらなる情報については、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、2002、164〜167頁、CRC Pressを参照されたい。
【0148】
(5.6.10真空蒸着)
本出願の一実施態様において、光電池700の1つ以上の層を真空蒸着によって堆積する。真空蒸着は、排気されたチャンバの内部で生じる。チャンバは、例えば、石英ベルジャー又はステンレス鋼筐体であり得る。チャンバ内には、金属源を蒸着させる機構、ウェハホルダ、シャッタ、厚さ及び速度モニタ及びヒータが存在する。チャンバは、真空ポンプに接続される。フィラメント蒸着、電子ビーム銃蒸着及びホットプレート蒸着を含む、チャンバ内で金属を蒸発させることができるいくつかの異なる方法が存在する。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、407〜411頁を参照されたい。
【0149】
(5.6.11スパッタリング蒸着/物理蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をスパッタリングによって堆積する。スパッタリングは、蒸着と同様に、真空中で生じる。しかし、それは、物理的方法であって、化学的方法(蒸着は化学的方法である)でないため、物理蒸着と呼ばれる。真空チャンバ内には、所望の膜材料のターゲットと呼ばれるスラブが存在する。ターゲットは、電気的に接地される。アルゴンなどの不活性ガスをチャンバに導入し、正電荷にイオン化させる。正に帯電したアルゴン原子を、接地されたターゲットに引きつけ、その方向へ加速させる。
【0150】
加速時に、それらは運動量を得て、ターゲットに衝突し、ターゲット原子を散乱させる。即ち、アルゴン原子は、ターゲットの原子及び分子をチャンバ内に「追いやる」。スパッタリングされた原子又は分子は、チャンバ内で散乱し、そのいくつかがウェハに付着する。スパッタリング法の主たる特徴は、ターゲット材料が化学変化又は組成変化を起こしながらウェハに堆積されることである。本出願のいくつかの実施態様において、直流電流(DC)ダイオードスパッタリング、高周波(RF)ダイオードスパッタリング、三極スパッタリング、DCマグネトロンスパッタリング又はRFマグネトロンスパッタリングが用いられる。例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、411〜415頁、米国特許第5,203,977号、米国特許第5,486,277号、米国特許第5,742,471号を参照されたい。
【0151】
RFダイオードスパッタリングは、電気的に絶縁された陰極が、排気し、不活性ガスを部分的に充填できるチャンバ内に装着される真空コーティング法である。陰極材料が電線管である場合は、直流高電圧電源を使用して、高電圧電位を印加する。陰極が電気絶縁体である場合は、電極の極性を非常に高い周波数で逆転させて、イオンボンバードプロセスを停止させる陰極上の正電荷の形成を防止する。電極の極性が高周波で逆転されるため、この方法は、I33スパッタリングと呼ばれる。マグネトロンスパッタリングは、異なる形のスパッタリングである。マグネトロンスパッタリングは、磁界を使用して、ターゲット表面付近の領域に電子を閉じ込めるため、気体原子をイオン化させる確率を高める。ターゲット表面付近で生じた高密度のイオンは、ダイオードスパッタリングよりも高速で何度も材料を除去させる。マグネトロン効果は、電解に直角な磁界を生成する陰極組立品の内部に含まれる永久磁石のアレイによって生じる。
【0152】
(5.6.12コリメートスパッタリング)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をコリメートスパッタリングによって堆積する。コリメートスパッタリングは、金属の到達がウェハ表面に直角になるスパッタリング法である。角度を有する金属原子を効果的に遮断する厚いハニカム格子によって金属をコリメートすることができる。或いは、金属原子をイオン化させ、それらをウェハの方へ引きつけることで、金属をコリメートすることができる。コリメートスパッタリングは、高アスペクト比の接触子の充填を向上させる。
【0153】
(5.6.13レーザ溶発蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をレーザ溶発蒸着によって堆積する。レーザ溶発蒸着の一形態では、レーザ溶発法のために、回転する円筒状ターゲット表面を設ける。ターゲットを、円筒表面ターゲットの縦軸の回りを回転させると同時に縦軸に沿って並進させることができるように、真空チャンバ内に装着する。縦軸に対してある角度の線に沿って、レーザ光線を円筒レンズによりターゲット表面に集中させて、溶発材料のプルームを放射状アークに拡散させる。凹面又は凸面の側方ターゲット表面を設けることによって、プルームを縦方向に拡散させる。集中レーザ光線の入射角をターゲット表面に対する直角以外の角度として、視射的な幾何学構造を与えることができる。縦軸の回りを回転させると同時にそれに沿って並進させることで、円筒状ターゲット表面全体の滑らかで均一な溶発及び安定した蒸発プルームがもたらされる。滑らかなターゲット表面を維持することは、レーザ溶発プロセス中の微粒子の望ましくないスプラッシュを抑えることによって、高品質の薄膜を堆積するのに有用である。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,049,405号を参照されたい。
【0154】
(5.6.14分子線蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層を分子線蒸着によって堆積する。分子線蒸着は、1つ以上の分子線を基板に誘導することによって、真空条件下で膜を成長させる方法である。いくつかの実施態様において、分子線蒸着は、典型的には、1つ以上の分子線と基板との反応又は線粒子の基板上への堆積を含む方法による単一結晶基板へのエピタキシャル膜成長を含む。「分子線」という用語は、単原子種並びに多原子種の線を指す。「分子線蒸着」という用語は、エピタキシャル成長法及び非エピタキシャル成長法の双方を含む。分子線蒸着は、単純な真空蒸着の変形である。しかし、分子線蒸着は、真空蒸着より、基板に入射する種に対する制御が良好である。入射種に対する良好な制御は、可能な低速成長速度と相俟って、厳密に確定される組成(ドーパント濃度を含む)を有する薄層の成長を可能にする。液相エピタキシ又は化学蒸着などの他の成長技術と比較して、成長が全体的に比較的低い基板温度で生じることによって組成制御が支援され、拡散法は、非常に遅い。
【0155】
実質的に任意の層組成及びドーピングプロファイルを、層厚の厳密な制御によって得ることができる。実際、MBEによって、単層と同程度の厚さの層を成長させる。また、比較的低い成長温度は、より高温の成長技術で使用できない材料の成長及び基板材料の使用を可能にする。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,681,773号を参照されたい。
【0156】
(5.6.15イオン化物理蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をイオン化金属プラズマ(ionized metal plasma)(IMP)としても知られるイオン化物理蒸着(ionized physical vapor deposition)(I-PVD)によって堆積する。I-PVDでは、金属原子を高密度プラズマ中でイオン化させる。金属をイオン化させると、ウェハ表面に垂直な電解によって金属を誘導する。ターゲットからのスパッタリングによって金属原子をプラズマに導入する。高密度プラズマを誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma)(ICP)源によって反応器の中央容量に生成させる。電子密度は、ウェハ表面に入射する金属原子の約80%をイオン化するのに十分なものとする。プラズマのイオンをプラズマシースによって加速させ、ウェハの表面でコリメートする。シースは、ウェハ表面に誘導される高密度電解の領域である。高周波バイアスを印加することによって電界強度を制御する。
【0157】
(5.6.16イオン線蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をイオン線蒸着(ion beam deposition)(IBD)によって堆積する。IBDは、接地された金属又は誘電スパッタリングターゲットに慎重に集中されたエネルギー性の広線イオン源を使用する。ターゲットからスパッタリングされた材料は、付近の基板に堆積して、膜を生成する。たいていの用途では、基板に誘導されて、成長膜の表面にエネルギー性貴イオン又は反応性イオンを供給するイオンアシスト源(ion assist source)(IAD)と称する第2のイオン源も使用される。イオン源は、「格子」イオン源であり、典型的には、独立した電子源で中和される。IBD処理は、膜厚及び特性の優れた制御及び再現性をもたらす。IBDシステムにおけるプロセス圧力は、約10-4Torrである。したがって、イオン源によって供給されたイオン又は表面のターゲットからスパッタリングされた材料の散乱が極めて小さい。マグネトロン又はダイオードシステムを使用するスパッタリング蒸着と比較して、IBDによるスパッタリング蒸着は、方向性が強く、エネルギー性が強い。回転し、角度を変える基板固定具と組み合わせると、IBDシステムは、側壁コーティング、溝充填及び離昇プロファイルに対する広範な制御をもたらす。
【0158】
(5.6.17原子層蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層を原子層蒸着によって堆積する。原子層蒸着は、原子層エピタキシ、連続層蒸着及びパルスガス化学蒸着としても知られる。原子層蒸着は、自己制限的表面反応に基づく前駆体の使用を含む。一般に、物体を、該物体に単層として堆積する第1の種に接触させる。次いで、単層を第2の種に接触させて、完全反応層+気体副産物を形成する。典型的には、所望の厚さが達成されるまでそのプロセスを繰り返す。原子層蒸着及びそれを実施するための様々な方法が、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている「複合薄膜の製造方法(Method for Producing Compound Thin Films)」という題名のSuntolaらの米国特許第4,058,430号、「複合薄膜を成長させる方法(Method for Performing Growth of Compound Thin Films)」という題名のSuntolaらの米国特許第4,413,022号(Ylilammi)及びGeorgeら、1996、J.Phys.Chem.100、13121〜13131頁に記載されている。原子層蒸着は、また、せいぜい単層の堆積をもたらすように堆積を自己制限させる制御条件下で実施される化学蒸着処理として記載されてきた。単層の堆積は、膜厚を厳密に制御し、複合材料層の均一性を向上させる。Endura Integrated Cu Barrier/Seedシステム(Applied Materials(California(カリフォルニア)州Santa Clara))などの装置を使用して、原子層蒸着を実施することができる。
【0159】
(5.6.18熱フィラメント化学蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層を熱フィラメント蒸着(hot filament chemical vapor deposition)(HFCVD)によって堆積する。HFCVDでは、反応性ガスを加熱フィラメントに流して、後に基板表面に衝突する前駆体種を形成することで、高品質膜を堆積する。HFCVDは、ダイアモンド、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化ホウ素並びに非晶質窒化珪素を含む広範な膜を成長させるのに用いられてきた。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているDeshpandeら、1995、J.Appl.Phys.77、6534〜6541頁を参照されたい。
【0160】
(5.6.19スクリーン印刷)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をスクリーン印刷(シルクスクリーンとしても知られる)法によって堆積する。スクリーン上のエマルジョンの開口部を介して、ペースト又はインクを下部構造の一部に押しつける。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているLambrechts及びSansenの「バイオセンサ:マイクロ電気化学デバイス(Biosensors:Microelectrochemical Devices)」、The Institute of Physics Publishing、Philadelphia、1992を参照されたい。ペーストは、対象の材料と有機結着剤と溶媒との混合物からなる。有機結着剤は、ペーストの流動特性を決定づける。接着剤は、粒子同士及び粒子と基板を接着させる。活性粒子は、インクを導体、抵抗体又は絶縁体にする。ペーストをスキージによってマスク開口に通すことによって、スクリーンエマルジョンにおけるリソグラフパターンを下部構造の一部に転写させる。第1の工程において、ペーストをスクリーンに塗りつける。次いで、スキージが下降し、スクリーンを基板に押しつけ、その水平移動時にスクリーンの開口にペーストを通す。最終工程を通じて、スクリーンが回復し、スクリーニングフレームと基板を接着する厚膜ペーストがずれて、印刷パターンが基板に形成される。該方法の分解能は、スクリーンの開口及びペーストの性質に依存する。325メッシュのスクリーン(即ち1インチ当たり325個のワイヤ又は40μMの穴)及び典型的なペーストによって、100μMの位置分解能を得ることができる。
【0161】
印刷が困難なペーストについては、開口を有する薄い金属箔などの陰影マスクで該方法を補完することができる。しかし、この方法の分解能は劣る(500μM未満である)。印刷後、湿った膜を一定時間(例えば15分間)にわたって安定させて、乾燥させながら表面を平らにすることが可能である。これにより、ペーストから溶媒が除去される。続く着火によって有機結着剤を燃焼除去し、金属粒子を還元又は酸化させ、ガラス粒子を焼結させる。典型的な温度は、500℃から1000℃である。着火後、得られた層の厚さは、10μMから50μMである。1つのシルクスクリーニング装置は、DEK4265(Universal Instrument Corporation(New York(ニューヨーク)州Binghamton))である。スクリーン印刷に使用できる市販のインク(ペースト)としては、導電性材料(例えば、Au、Pt、Ag/Pd等)、抵抗性材料(例えば、RuO2、IrO2)、上絵材料及び誘電材料(例えば、Al2O3、ZrO2)が挙げられる。導電性ペーストは、Ag、Pd、Au又はPtなどの金属粒子或いはこれらとガラスを組み合わせた混合物をベースとする。抵抗性ペーストは、RuO2又はBi2Ru2O7とガラスの混合物(65% PBO、25%SiO2、10%Bi2O3)をベースとする。
【0162】
抵抗は、混合比によって決まる。上絵及び誘電ペーストは、ガラス混合物をベースとする。ペースト組成を調節することによって異なる溶融温度を達成することができる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、CRC Press、Boca Raton、Florida、2002、154〜156頁を参照されたい。
【0163】
(5.6.20無電解金属メッキ)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層(例えば背面電極104)を無電解金属メッキによって堆積する。無電解メッキでは、電圧を印加しない化学的手段によって層を設ける。無電解メッキ浴を使用して、Au、Co-P、Cu、Ni-Co、Ni-P、Pd又はPt層を形成することができる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、CRC Press、Boca Raton、Florida、2002、344〜345頁を参照されたい。
【0164】
(5.6.21電気メッキ)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層を電気メッキによって堆積する。電気メッキは、電解セルで行われる。電気メッキにおいて生じる反応は、強制バイアス下での電流の流れを必要とする。いくつかの実施態様において、食刻装飾法の一部として層を堆積する。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、CRC Press、Boca Raton、Florida、2002、346〜357頁を参照されたい。
【0165】
(5.7リソグラフエッチング法)
本出願のいくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層をパターン化することによって、溝及び/又はバイアダクトを形成する。いくつかの実施態様において、半導体フォトリソグラフフォトレジストコーティング及び光学マスクを介する光学撮像によって当該層をパターン化することによって、溝(例えば、図2の溝292、294、296及び/又は298)を形成する。
【0166】
本出願によるフォトリソグラフ処理の1つの形は、パターン化される光電池700の層に対するレジスト層のコーティングから始まる。このレジスト層を形成するのに使用するレジストは、典型的には、溶液から塗布される有機ポリマーで構成される。いくつかの実施態様において、このレジスト層は、0.1μmから2.0μmの範囲の厚さを有する。また、いくつかの実施態様において、レジスト層は、±0.01μmの均一性を有する。いくつかの実施態様において、レジスト層は、静的スピン法などのスピン技術又は動的分配法を用いて塗布される。いくつかの実施態様において、レジスト層は、手動スピンナ、移動アームレジストディスペンサ又は自動スピンナを使用して塗布される。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、217〜222頁を参照されたい。
【0167】
いくつかの実施態様において、レジスト層は、紫外線又はレーザ源と反応するように設計された光レジストである。いくつかの実施態様において、レジスト層は、レジストのポリマーが、露光されるとエッチ抵抗性を有する架橋材料を形成するネガティブレジストである。レジスト層を構成するのに使用できるネガティブレジストとしては、アジデリソプレンネガティブレジスト、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメチルイソプロピルケトン(PMIPK)、ポリ-ブテン-1-スルホン(PBS)、ポリ-(クロロアクリル酸トリフルオロエチル)TFECA、コポリマー-(V-シアノアクリル酸エチル-V-アミドアクリル酸エチル)(COP)及びポリ-(2-メチルペンテン-1-スルホン)(PMPS)等が挙げられるが、それらに限定されない。他の実施態様において、レジスト層は、ポジティブレジストである。ポジティブレジストは、比較的不溶性である。適正な光エネルギーに曝された後、レジストは、より可溶性の状態になる。この反応を光可溶化と呼ぶ。本出願による1つのポジティブフォトレジストは、フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂とも呼ばれるフェノールホルムアルデヒドポリマーである。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているDeForestの「フォトレジスト:材料及び方法(Photoresist:Materials and Processes)」、McGraw-Hill、New York、1975を参照されたい。いくつかの実施態様において、レジスト層は、LOR OSA、LOR 5 0.7A、LOR IA、LOR 3A又はLOR 5A(MICROCHEM(Massachusetts(マサチューセッツ)州Newton))である。LOR離昇レジストは、ポリジメチルグルタルイミドを使用する。
【0168】
レジスト層が塗布された後、後の処理を維持するのに密度がしばしば不十分になる。よって、本出願のいくつかの実施態様において、ベークを用いて、レジスト層の密度を高め、残留溶媒を除去する。このベークは、ソフトベーク、プレベーク又は塗布後ベークと呼ばれる。本出願では、熱対流加熱炉、赤外線加熱炉、マイクロ波加熱炉又はホットプレートを含むが、それらに限定されないレジスト層焼成方法が考えられる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているLevinsonの「リソグラフィの原理(Principles of Lithography)」、SPIE Press、Bellingham、Washington、2001、68〜70頁を参照されたい。
【0169】
スペーサにレジスト層を塗布した後、次の工程は、レジスト層の位置合せ及び露光である。位置合せ及び露光は、その名称が暗示するように、二目的フォトマスキング工程である。位置合せ及び露光工程の第1の部分は、太陽電池表面への必要な画像の配置又は位置合せである。画像はマスク上に現れる。第2の部分は、露光源又は放射線源からのレジスト層における画像のコード化である。本出願において、接点アライナ、近接アライナ、操作式投影アライナ、ステッパ、ステップスキャンアライナ、x線アライナ及び電子線アライナを含むが、それらに限定されない任意の従来の位置合せシステムを使用して、マスクをレジスト層と位置合わせすることができる。本出願において使用できるアライナの詳細については、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているSolid State Teclznology、1993年4月、26頁;及びVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、232〜241を参照されたい。マスクは、ネガティブ又はポジティブであり得る。
【0170】
ポジティブレジストを現像するのに使用されるポジティブマスク(不図示)は、ネガティブマスクの反対のパターンである。本出願の方法に使用されるネガティブマスク及びポジティブマスクの双方をウェハ処理に用いられる技術と同様の技術で作製する。ガラス基板に堆積された不透明膜(通常クロム)からなるフォトマスクブランクをレジストで被覆する。レジストを所望のパターンに従って露光し、次いで現像し、露光された不透明材料をエッチングする。好適にフォーマットされたバイオセンサ電極パターンに従ってマスクブランクを露光するツールであるビームライターを利用してマスクパターン化を遂行する。いくつかの実施態様において、電子又は光ビームライターを使用して、ネガティブマスク又はポジティブマスクをパターン化する。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているLevinsonの「リソグラフィの原理(Principles of Lithography)」、SPIE Press、Bellingham、Washington、2001、229〜256頁を参照されたい。
【0171】
本出願の一実施態様において、マスクのパターンを太陽電池ユニットに投射するのに使用するツールは、ウェハステッパである。ウェハステッパは、ステップリピート及びステップスキャンの2つの構成で存在する。ステップリピートシステムでは、シャッタが開かれると、露光すべきマスクの全領域が照明される。ステップスキャンシステムでは、シャッタが開かれると、マスクの一部のみが露光されるため、太陽電池ユニットにおける露光フィールドの一部のみが露光される。マスク及び太陽電池ユニット270を同時にスキャンすることによって全フィールドを露光する。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているLevinsonの「リソグラフィの原理(Principles of Lithography)」、SPIE Press、Bellingham、Washington、2001、133〜174頁を参照されたい。
【0172】
マスクを介して露光した後、溝及び/又はバイアを露光又は非露光レジストの領域としてのレジストにおける潜像としてコードする。パターンを非重合レジスト領域の化学溶解によってレジストに現像して、図2〜6に示される構造を形成する。いくつかの現像技術を用いて、レジストを現像することができる。現像技術は、マスク又はレチクル上に存在したパターンの正確なコピーをレジスト層に残すように設計される。レジストでコードされた画像の良好な現像は、レジストの露光機構の性質に依存する。
【0173】
ネガティブレジストは、露光されると、現像剤化学物質への溶解に対する抵抗性をレジストに付与する重合のプロセスを受ける。2つの領域間の溶解速度は、層が重合領域からほとんど失われないほど大きい。たいていのネガティブレジスト現像状況に好ましい化学物質は、キシレン又はストッダート溶媒である。現像工程は、化学現像剤、そして次にリンスによって行われる。ネガティブレジストでは、リンス化学物質は、通常酢酸n-ブチルである。
【0174】
ポジティブレジストは、異なる現像条件を示す。2つの領域、即ち重合領域及び非重合領域は、異なる溶解速度を有する。これは、現像工程中に、一部のレジストが常に重合領域から失われることを意味する。強すぎる現像剤又は現像時間が不必要に長い現像剤を使用すると、レジスト許容不可能な薄さになり得る。本出願によるポジティブレジストに使用される2種類の化学現像剤は、アルカリ性水溶液及び非イオン性溶液である。アルカリ性水溶液は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであり得る。典型的な非イオン性溶液としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)が挙げられるが、それらに限定されない。ポジティブレジスト現像剤のためのリンス化学物質は、水である。リンスは、ポジティブレジスト及びネガティブレジストの双方に使用される。このリンスを使用して、現像剤化学物質を迅速に希釈して、現像作用を停止する。
【0175】
潜像を現像するために現像剤をレジストに塗布することができるいくつかの方法が存在する。当該方法としては、浸漬、噴霧現像及びパドル現像が挙げられるが、それらに限定されない。本出願のいくつかの実施態様において、湿式現像法を用いない。その代わり、乾式(プラズマ)現像を用いる。当該乾式法において、プラズマエッチング装置は、活性化されたイオンを使用して、レジスト層の露光部又は非露光部を化学的に溶解除去する。本出願のいくつかの実施態様において、レジストを現像した後にハードベーキングする。ハードベーキングの目的は、パターン化される下部層に対するレジスト層の良好な接着を達成することである。熱対流加熱炉、インライン若しくはマニュアルホットプレート、赤外線トンネル加熱炉、移動ベルト熱対流加熱炉及び真空加熱炉等を使用して、ハードベーキングを遂行することができる。一般的なベーキング温度及びベーキング時間がレジスト製造によって提示される。したがって、具体的なベーキング温度及び時間は、用途に応じて決まる。公称ハードベーキング温度は、対流加熱炉で30分間にわたって130℃から200℃である。
【0176】
現像後、エッチング工程をパターン化に用いる。いくつかのエッチング法が利用可能である。
湿式エッチング。本出願の一実施態様において、パターン化される構造を特定の時間にわたってエッチング液の槽に浸す。次いで、構造を酸除去のリンスステーションに移し、最終リンス及びスピン乾燥工程のためのステーションに移す。
【0177】
湿式噴霧エッチング又は蒸気エッチング。本出願のいくつかの実施態様において、湿式噴霧エッチング又は蒸気エッチングをパターン化に使用する。湿式噴霧エッチングは、浸漬エッチングと比べて、噴霧の機械的圧力から獲得される鮮明度の付加を含むいくつかの利点を提供する。蒸気エッチングでは、ウェハをハイドロフロー(hydroflowic)酸蒸気などのエッチング液蒸気に接触させる。
【0178】
プラズマエッチング。本出願のいくつかの実施態様において、プラズマエッチングを用いる。プラズマエッチングは、気体及びプラズマエネルギーを使用して化学反応を生じさせる化学処理である。プラズマエッチングは、プラズマエッチング装置を使用して実施される。物理的には、プラズマエッチング装置は、チャンバ、真空系、ガス供給源及び電源を含む。エッチングされる構造をチャンバに充填し、真空系によって内部を減圧する。真空になったら、チャンバに反応ガスを充填する。二酸化珪素のエッチングでは、例えば、ガスは、通常、酸素と混合されるCF4である。電源は、チャンバ内の電極を通じて高周波(RF)電界を生成する。電界は、気体混合物を活性化してプラズマ状態にする。活性化状態において、フッ素が二酸化珪素を攻撃して、真空系によって系から除去される揮発性成分に変換する。
【0179】
本出願の様々な実施態様によれば、広範なプラズマエッチング装置を使用して、エッチングを実施することができる。当該エッチング装置としては、円筒型エッチング装置、プラズマ平面システム、電子サイクロトロン共鳴源、高密度反射電子源、ヘリコン波源、誘導結合プラズマ源及びトランス結合プラズマ源が挙げられるが、それらに限定されない。
【0180】
イオン線エッチング。本出願の様々な態様によるスペーサのエッチングを実施するのに使用できる別の種類のエッチング装置は、イオン線エッチングである。イオン線エッチングは、化学プラズマシステムと異なり、物理的方法である。エッチングすべき構造を真空チャンバ内のホルダに配置し、アルゴン流をチャンバに導入する。アルゴンは、チャンバに入ると、陰極(-)-陽極(+)電極の集合体からの高エネルギー電子流に曝される。電子は、アルゴン原子をイオン化して、正電荷を有する高エネルギー状態にする。ウェハは、イオン化されたアルゴン原子を引きつける負に接地されたホルダに保持される。アルゴン原子は、ウェハホルダに移動しながら加速され、エネルギーを得る。ウェハ表面において、それらは、露出したウェハ層に衝突し、ウェハ表面から少量を追い出す。アルゴン原子とウェハ材料との間に化学反応は生じない。材料の除去(エッチング)は、方向性(異方性)が強いため、小さい開口における鮮明度が良好になる。
【0181】
反応性イオンエッチング。エッチングを実施するのに使用できるさらに別の種類のエッチング装置は、反応性イオンエッチング装置である。反応性イオンエッチング装置システムは、プラズマエッチング原理とイオン線エッチング原理とを組み合わせたものである。それらのシステムは、プラズマシステムと構造が類似するが、イオンミリングの機能を有する。その組合せは、方向性イオンミリングの利点とともに、化学プラズマエッチングの利点をもたらす。本出願により使用できるエッチング技術及びエッチング装置に関するさらなる情報については、その全体が参照により本明細書に組み込まれているVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、256〜270頁を参照されたい。
【0182】
残留層の除去。上記エッチング方の結果は、溝(例えば、図2の溝292、294、296及び298)の形成である。次に、パターン化された構造を生成するために、レジストストリッピングとして知られる方法で残留層を除去する。いくつかの実施態様において、レジストをH2SO4などの強酸又はH2SO4-Cr2O3などの酸-酸化剤複合物で剥がし、溝を除くレジストを攻撃して、完全にパターン化された構造を生成する。他の液体ストリッパとしては、有機溶媒ストリッパ(例えば、フェノール有機ストリッパ及び溶媒ラミンストリッパ)並びにアルカリストリッパ(酸化剤を含む、又は含まない)が挙げられる。本出願のいくつかの実施態様において、乾式プラズマ法を用いて、レジストを除去する。当該実施態様において、パターン化された太陽電池ユニット280をチャンバ内に配置し、酸素を導入する。プラズマ電界は、酸素を活性化して、高エネルギー状態にし、それが次にレジスト成分を酸化して気体にし、それらが真空ポンプによってチャンバから除去される。乾式ストリッパでは、プラズマをマイクロ波、高周波又は紫外線-オゾン源によって生成する。光電池ユニット270をパターン化するのに使用できるフォトリソグラフ法に関するさらなる情報は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、CRC Press、Boca Raton、Florida、2002、2〜65頁;及びVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000に見いだされる。当該方法としては、ネガティブフォトレジストでなくポジティブフォトレジストを使用すること、並びに極紫外リソグラフ法、x線リソグラフ法、帯電粒子線リソグラフ法、走査プローブリソグラフ法、ソフトリソグラフ法及び三次元リソグラフ法が挙げられる。
【0183】
(5.8代表的な寸法)
図2Kに示されるように、太陽電池ユニット270は、その断面の幅に比べて大きい長さlを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270は、10ミリメートル(mm)から100000mmの長さl及び3mmから10000mmの幅dを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、10mmから5000mmの長さl及び10mmから1000mmの幅dを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270は、40mmから15000mmの長さl及び10mmから50mmの幅dを有する。
【0184】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270は、図2Kに示されるように長形であってもよい。図2Kに示されるように、長形太陽電池ユニット270は、縦寸法l及び幅寸法dを有することを特徴とするものである。長形太陽電池ユニット270のいくつかの実施態様において、縦寸法lは、幅寸法dの少なくとも4倍、少なくとも5倍又は少なくとも6倍である。いくつかの実施態様において、長形光電池デバイスの縦寸法lは、10センチメートル以上、20センチメートル以上又は100センチメートル以上である。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270の幅d(例えば直径)は、5ミリメートル以上、10ミリメートル以上、50ミリメートル以上、100ミリメートル以上、500ミリメートル以上、1000ミリメートル以上又は2000ミリメートル以上である。
太陽電池ユニット270の光電池700は、様々な方法で製造され、様々な厚さを有し得る。本明細書に記載されている光電池700は、所謂厚膜半導体構造又は所謂薄膜半導体構造であってもよい。
【0185】
(6.引用参考文献)
本明細書に引用されているすべての参考文献は、個々の文献又は特許若しくは特許出願が、あらゆる目的でその全体が参照により組み込まれていることが具体的且つ個別に示されるのと同じ範囲で、その全体が参照により、あらゆる目的で本明細書に組み込まれている。
当業者に理解されるように、本出願の主旨及び範囲を逸脱することなく多くの改質及び変更を加えることができる。本明細書に記載されている具体的な実施態様は、例示のみを目的とし、本出願は、添付の請求項に権利が与えられた全範囲の均等物とともに添付の請求項の用語によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0186】
(4.図面の簡単な説明)
同じ参照番号は、図面のいくつかの図の全体を通じて対応する部分を指す。寸法は、一定の縮尺で描かれていない。
【図1】先行技術による相互接続太陽電池を示す図である。
【図2A】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2B】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2C】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2D】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2E】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0187】
【図2F】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2G】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2H】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2I】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2J】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2K】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0188】
【図3A】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3B】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3C】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3D】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3E】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3F】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3G】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3H】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0189】
【図4A】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図4B】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図4C】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図4D】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図4E】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図4F】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0190】
【図5A】本出願による第1の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図5B】本出願による第1の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図5C】本出願による第1の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図5D】本出願による第1の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0191】
【図6A】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6B】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6C】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6D】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6E】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6F】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6G】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6H】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0192】
【図7】本出願の一実施態様による光電池の断面図である。
【図8A】本出願の様々な実施態様における様々な光電池に使用される半導体接合部を示す図である。
【図8B】本出願の様々な実施態様における様々な光電池に使用される半導体接合部を示す図である。
【図8C】本出願の様々な実施態様における様々な光電池に使用される半導体接合部を示す図である。
【図8D】本出願の様々な実施態様における様々な光電池に使用される半導体接合部を示す図である。
【図9】本出願の一実施態様による内部反射器を有する太陽電池組立品を示す図である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「円筒状太陽電池のモノリシック集積(Monolithic Integration of Cylindrical Solar Cells)」という題名の米国特許出願第11/378,835号の優先権を主張するものである。
【0002】
(1.分野)
本出願は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池組立品に関し、特には改良型太陽電池組立品に関する。
(2.背景)
太陽電池は、典型的には、集光表面積が4〜6cm2以上の個別の物理エンティティとして作製される。このため、それらの集光面が単一の大きな集光面の近似を与えるように、電池を支持面又はパネル上に平坦アレイで搭載することは発電分野にとって標準的技法である。また、各電池自体は、少量しか発電しないが、直列及び/又は並列マトリックスのアレイの電池を相互接続することによって、必要な電圧及び/又は電量が達成される。
【0003】
従来技術の太陽電池構造を図1に示す。異なる層の厚さの範囲が大きいため、それらは概略的に描かれている。さらに、図1は、「厚膜」太陽電池及び「薄膜」太陽電池の両方の特徴を表すように極めて概略的である。吸収体層の厚膜は、十分な量の光を吸収することが求められるため、概して、間接的なバンドギャップ材料を使用して、光を吸収する太陽電池は、典型的には「厚膜」太陽電池として構成される。十分な量の光を吸収するのに間接的なバンドギャップ材料の薄層のみが必要とされるため、直接的なバンドギャップ材料を使用して、光を吸収する太陽電池は、典型的には「薄膜」として構成される。
【0004】
図1の上部の矢印は、電池上の直接的な太陽照明源を示す。層102は、基板である。ガラス又は金属は、共通の基板である。薄膜太陽電池において、基板102は、ポリマー系裏打、金属又はガラスであり得る。いくつかの場合において、基板102を被覆する封入層(不図示)が存在する。層104は、太陽電池に対するバック電気接点である。
【0005】
層106は、半導体吸収体層である。バック電気接点104は、吸収体層106とオーム接触する。すべてではないが多くの場合において、吸収体層106は、p型半導体である。吸収体層106は、光を吸収するのに十分に厚い。層108は、半導体吸収体層106と一緒になって、p-n接合の形成を完成する半導体接合パートナーである。p-n接合は、太陽電池において見られる一般的なタイプの接合である。p-n接合系太陽電池において、半導体吸収体層106がp型ドープ材料である場合は、接合パートナー108は、n型ドープ材料である。逆に、半導体吸収体層106がn型ドープ材料である場合は、接合パートナー108はp型ドープ材料である。一般に、接合パートナー108は、吸収体層106よりはるかに薄い。例えば、いくつかの例において、接合パートナー108は、約0.05ミクロンの厚さを有する。接合パートナー108は、太陽放射線に対して極めて透明である。接合パートナー108は、また、光を吸収体層106まで透過させるため、窓層としても知られる。
【0006】
典型的な厚膜太陽電池において、吸収体層106及び窓層108は、同一の半導体材料から製造され得るが、それらの2つの層にそれらの異なるp型及びn型特性を与えるために異なるキャリア種類(ドーパント)及び/又はキャリア濃度を有する。銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)が吸収体層106である薄膜電池において、CdSを使用して、接合パートナー108を形成すると、効率性の高い電池が得られた。接合パートナー108に使用できる他の材料としては、SnO2、ZnO、ZrO2及びドープZnOが挙げられるが、それらに限定されない。
【0007】
層110は、対向電極であり、それで機能電池が完成する。接合パートナー108は、一般には抵抗が大きすぎてこの機能を発揮できないため、接合から電流を遠ざけるのに対向電極110が使用される。そのように、対向電極110は、導電性及び光に対する透明性が高い。対向電極110は、実際、個別的な層を形成するのでなく、層108に印刷された金属の櫛状構造体であり得る。対向電極110は、典型的には、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、インジウム-錫酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)又はインジウム-亜鉛酸化物などの透明な導電性酸化物(TCO)である。しかし、TCO層が存在しても、TCOは、抵抗が大きすぎてより大きい太陽電池ではこの機能を効率的に発揮できないため、従来の太陽電池では電流を除去するために母線ネットワーク114が必要である。ネットワーク114は、電荷キャリアが金属接点に到達するためにTCO層内で移動しなければならない距離を短くすることによって、抵抗損失を低減する。格子線とも呼ばれる金属母線を例えば銀、鋼又はアルミニウムなどの任意の適度に導電性を有する金属で製造することができる。ネットワーク114の設計において、より高い導電性を有するが、より多くの光を遮断するより太い格子線と、より低い導電性を有するが、より少ない光を遮断する細い格子線との間に設計トレードオフが存在する。金属バーは、層110に光線を通すように櫛状構造で構成されるのが好ましい。母線ネットワーク層114と層110が組み合わさると、単一の金属ユニットとして作用し、第1のオーム接点と機能的に連結して、集電回路を形成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているSverdrupらの米国特許第6,548,751号には、銀の母線ネットワークとインジウム-錫酸化物層の組合せが単一の透明ITO/Ag層として機能する。
【0008】
層112は、有意な量の余剰光が電池に入射することを可能にする反射防止膜である。電池の使用目的に応じて、図1に示されるように、それを上部導体に直接堆積することができる。代替的又は追加的に、作製された反射防止膜112を、上部電極110を覆う個別のカバーガラスに堆積することができる。理想的には、反射防止膜は、光電吸収が生じるスペクトル領域で電池の反射をゼロの極めて近くまで低減すると同時に、他のスペクトル領域で反射を強化して、過熱を低減する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているAguileraらの米国特許第6,107,564号には、当該技術分野で知られている代表的な反射防止膜が記載されている。
【0009】
太陽電池は、典型的には、小さな電圧しか生成しない。例えば、シリコン系太陽電池は、約0.6ボルト(V)の電圧を生成する。したがって、太陽電池は、より大きい電圧を達成するために、直列又は並列で相互接続される。直列接続される場合は、個々の電池の電圧が合算されるが、電流は変化しない。したがって、直列配置された太陽電池は、並列配置された類似の太陽電池と比較して、当該電池を流れる電流の量を減少させることによって、効率を向上させる。図1に示されるように、直列の太陽電池の配列は、相互接続点116を使用して達成される。概して、相互接続点116は、1つの太陽電池の第1の電極を隣接する太陽電池の対向電極と電気接続させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、且つ図1に示されるように、従来の太陽電池は、典型的には板構造の形である。当該電池は、小さい場合は効率性が高いが、より大きい平面太陽電池は、当該太陽電池に接合を形成する半導体膜を均一にするのがより困難であるため、効率性が低い。また、より大きい平面太陽電池では、ピンホール及びより小さい欠陥の発生が増える。これらの特徴は、接合に短絡を生じ得る。よって、当該技術分野で必要なのは、改善された太陽電池の設計である。
【0011】
本明細書における参考文献の記載又は引用は、当該参考文献が本出願の先行技術であることを認めるものと見なされない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(3.出願の要旨)
本出願の一態様は、基板と、複数の光電池とを含む太陽電池ユニットを提供する。基板は、第1の端部及び第2の端部を有する。基板に直線的に配置された複数の光電池は、第1の光電池及び第2の光電池を含む。複数の光電池における各光電池は、(i)基板に円周方向に配置された背面電極、(ii)背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び(iii)半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を含む。複数の光電池における第1の光電池の透明導電層は、複数の光電池における第2の光電池の背面電極と直列電気接続する。いくつかの実施態様において、基板は、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状である。
【0013】
いくつかの実施態様において、複数の光電池は、(i)基板の第1の端部の第1の末端光電池、(ii)基板の第2の端部の第2の末端光電池及び(iii)第1の末端光電池と第2の光電池の間の少なくとも1つの中間光電池を含む。少なくとも1つの中間光電池における各中間光電池の透明導電層は、複数の光電池における隣接する光電池の背面電極と直列電気接続する。いくつかの実施態様において、隣接する光電池は、第1の末端光電池又は第2の末端光電池である。いくつかの実施態様において、隣接する光電池は、別の中間光電池である。いくつかの実施態様において、複数の光電池は、3個以上の光電池、10個以上の光電池、50個以上の光電池又は100個以上の光電池を含む。
【0014】
いくつかの実施態様において、プラスチック又はガラスで製造された透明管状ケースが、複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、透明管状ケースは、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス又はセリーテドガラス(cereated glass)を含む。いくつかの実施態様において、透明管状ケースは、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリアミド又はポリオレフィンを含む。いくつかの実施態様において、透明管状ケースは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニリデン(PVC)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む。
【0015】
いくつかの実施態様において、基板は、プラスチック、金属又はガラスを含む。いくつかの実施態様において、基板は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンを含む。いくつかの実施態様において、基板は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む。
いくつかの実施態様において、基板は、管状である。いくつかの実施態様において、空気、窒素、水又はヘリウムなどの流体を基板に流す。いくつかの実施態様において、基板は中実棒を含む。
【0016】
いくつかの実施態様において、複数の光電池における光電池の背面電極は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、又はそれらの合金若しくはそれらの任意の組合せで構成される。いくつかの実施態様において、複数の光電池における光電池の背面電極は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-酸化亜鉛、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックで構成される。
【0017】
いくつかの実施態様において、複数の光電池における光電池の半導体接合部は、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合を含む。いくつかの実施態様において、複数の光電池における光電池の透明導電層は、炭素ナノチューブ、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せ又はそれらの任意の組合せを含む。
【0018】
いくつかの実施態様において、複数の光電池における光電池の半導体接合部は、吸収体層及び接合パートナー層を含み、接合パートナー層は、吸収体層に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、吸収体層は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、接合パートナー層は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOである。いくつかの実施態様において、複数の光電池は、光電池の半導体接合部に円周方向に配置された真性層をさらに含み、光電池の透明導電層が真性層に配置される。いくつかの実施態様において、真性層は、非ドープ酸化亜鉛などの非ドープ透明酸化物を含む。
【0019】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、(i)複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された充填剤層、及び(ii)充填剤層に円周方向に配置された透明管状ケースを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー又はウレタンを含む。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された耐水層、並びに耐水層に円周方向に配置された透明管状ケースを含む。耐水層を例えば透明シリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3で構成することができ、x及びyは整数である。
【0020】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された耐水層、並びに耐水層に円周方向に配置された透明管状ケースを含む。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された透明管状ケース、並びに透明管状ケースに円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む。いくつかの実施態様において、反射防止膜は、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素を含む。
いくつかの実施態様において、反射防止膜は、複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、反射防止膜は、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素を含む。
【0021】
いくつかの実施態様において、太陽電池の長さは、2センチメートルから300センチメートル、2センチメートルから30センチメートル又は30センチメートルから300センチメートルである。
【0022】
本出願の別の態様は、複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが共平面列で配置されて、太陽電池組立品を形成するように、複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池が上記の太陽電池ユニットのいずれかの構造を有する複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品を提供する。
【0023】
本出願のさらに別の態様は、(A)複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが上記の太陽電池ユニットのいずれかの構造を有する複数の太陽電池ユニット及び(B)複数の内部反射器を含む太陽電池組立品を提供する。複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットを幾何学的に並列又はほぼ並列配置することによって、第1の面及び第2の面を有する平面アレイを形成する。複数の内部反射器における各内部反射器は、それぞれの内部反射器から反射した太陽光が対応する第1及び第2の長形太陽電池に反射するように、複数の長形太陽電池における対応する第1の太陽電池ユニットと第2の太陽電池ユニットとの間に構成される。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、(C)平面アレイの第1の面のすべて又は一部を被覆する透明電気絶縁性基板をさらに含む。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、(D)平面アレイの第2の面に配置されることによって、透明絶縁性カバーと透明電気絶縁性基板の間に複数の長形太陽電池を収容する透明絶縁性カバーをさらに含む。いくつかの実施態様において、透明絶縁性カバーと透明絶縁性基板をシール材によって貼り合わせる。いくつかの実施態様において、シール材は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー又はウレタンである。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池は、平面アレイの第1の面及び第2の面から直接光を受光するように構成される。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、太陽光を複数の太陽電池ユニットに反射するように配置されたアルベド面を含む。いくつかの実施態様において、アルベド面は、80%を超えるアルベドを有する。いくつかの実施態様において、複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットは、電気的に直列又は並列配置される。
【0024】
本出願のさらに別の態様は、複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが上記の太陽電池ユニットのいずれかの構造を有する複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品を提供する。複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットは、幾何学的に並列又はほぼ並列配置されることによって、第1の面及び第2の面を有する平面アレイを形成する。本出願の本態様において、太陽電池組立品は、(i)平面アレイの第1の面のすべて又は一部を被覆する透明電気絶縁性基板、及び(ii)平面アレイの第2の面に配置される透明絶縁性カバーであって、複数の長形太陽電池を透明絶縁性カバーと透明電気絶縁性基板の間に収容する透明絶縁性カバーをさらに含む。いくつかの実施態様において、透明絶縁性カバーと透明絶縁性基板を例えばエチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー又はウレタンなどのシール材によって貼り合わせる。
【0025】
本出願のさらに別の態様は、(A)基板、(B)第1の光電池及び(C)第2の光電池を含む太陽電池ユニットを提供する。いくつかの実施態様において、基板は、(i)管状又は(ii)硬質円筒状である。第1の光電池は、基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む。第2の光電池は、基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む。第1の光電池は、第2の光電池に隣接し、第1の透明導電層は、第2の背面電極と直列電気接続し、第1の透明導電層は、第2の透明導電層と電気的に絶縁し、第1の背面電極は、第2の背面電極と電気的に絶縁する。
【0026】
本出願のさらに別の態様は、(A)基板、(B)第1の光電池、(C)第2の光電池、(D)絶縁性支柱及び(E)導電性バイアを含む太陽電池ユニットを提供する。いくつかの実施態様において、基板は、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状である。第1の光電池は、基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む。第2の光電池は、基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む。絶縁性支柱は、(i)第1の背面電極と第2の背面電極を電気的に分離し、(ii)第1の半導体接合部と第2の半導体接合部を電気的に分離する。導電性バイアは、第1の透明導電層を第2の背面電極と電気的に直列接続させる。
【0027】
本出願のさらに別の態様は、(A)基板、(B)第1の光電池、(C)第2の光電池及び(D)絶縁性支柱を含む太陽電池ユニットを提供する。いくつかの実施態様において、基板は、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状である。第1の光電池は、基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む。第2の光電池は、基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む。絶縁性支柱は、(i)第1の背面電極と第2の背面電極を電気的に分離し、(ii)第1の半導体接合部と第2の半導体接合部を電気的に分離する。第1の透明導電層は、第2の背面電極と直列電気接続する。第1の透明導電層は、第2の透明導電層と電気的に絶縁する。
【0028】
本出願のさらに別の態様は、基板、第1の光電池、第2の光電池、絶縁性支柱及び導電性バイアを含む太陽電池ユニットを提供する。いくつかの実施態様において、基板は、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状である。第1の光電池は、基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層、及び第1の透明酸化物層の一部に配置された電線管を含む。第2の光電池は、基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む。絶縁性支柱は、(i)第1の背面電極と第2の背面電極を電気的に分離し、(ii)第1の半導体接合部と第2の半導体接合部を電気的に分離し、(iii)第1の透明導電層と第2の透明導電層を電気的に分離する。導電性バイアは、電線管を第2の背面電極と電気的に直列接続させる。
【0029】
いくつかの実施態様において、第1の端部及び第2の端部を有する基板を含み、基板の少なくとも一部が硬質且つ非平面である太陽電池ユニットを提供する。太陽電池ユニットは、基板に直線的に配置された複数の光電池をさらに含み、複数の光電池は、第1の光電池及び第2の光電池を含み、複数の光電池における各光電池は、(i)基板に円周方向に配置された背面電極、(ii)背面電極に円周方向に配置された半導体接合層及び(iii)半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を含む。複数の光電池における第1の光電池の透明導電層は、複数の光電池における第2の光電池の背面電極と直列電気接続する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(5.詳細な説明)
モノリシック集積方式で基板に直線的に配置された複数の光電池を含む非平面太陽電池ユニットを本明細書に開示する。
【0031】
(5.1基本構造)
図7は、光電池700の代表的な実施態様の断面図を示す。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、モノリシック集積方式で非平面基板に直線的に配置された複数の光電池700を含む。
基板102。基板102は、太陽電池ユニットの基板として機能する。いくつかの実施態様において、基板102のすべて又は一部は、非平面閉鎖形状である。例えば、いくつかの実施態様において、基板102のすべて又は一部は、硬質の管又は硬質の中実棒である。いくつかの実施態様において、基板102のすべて又は一部は、任意の中実円筒形又は中空円筒形である。いくつかの実施態様において、基板102は、プラスチック、金属又はガラスから構成された硬質の管である。いくつかの実施態様において、太陽電池270の外形全体が基板102と同じ形状である。いくつかの実施態様において、太陽電池270の外形全体が、基板102の形状と異なる。いくつかの実施態様において、基板102は、非繊維状である。
【0032】
いくつかの実施態様において、基板102は硬質である。ヤング率を含むが、それに限定されないいくつかの異なる計量を用いて材料の硬さを測定することができる。固体力学において、ヤング率(E)(ヤング率、弾性係数、弾性率又は引張弾性率としても知られる)は、所定の材料の剛性の測度である。それは、小さな歪については、歪による応力の変化率の比と定義される。これを、材料のサンプルに対して実施される引張試験を通じて作製される応力-歪曲線の傾きから求めることができる。様々な材料のヤング率を以下の表に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板102)は、それが20GPa以上、30GPa以上、40GPa以上、50GPa以上、60GPa以上又は70GPa以上のヤング率を有する材料で構成される場合に硬質であると考えられる。本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板102)は、該材料のヤング率がある範囲の歪に対して一定である場合に硬質である。当該材料は、線形材料と呼ばれ、フックの法則に従うと言われる。したがって、いくつかの実施態様において、基板102は、フックの法則に従う線形材料から構成される。線形材料の例としては、鋼、炭素繊維及びガラスが挙げられるが、それらに限定されない。ゴム及び土(非常に小さい歪みは除く)は、非線形材料である。
【0035】
本出願は、硬質円筒形を有する、又は中実棒である基板に限定されない。基板102のすべて又は一部は、図7に示される円形以外のいくつかの形状のいずれか1つによって境界が定められる断面を特徴とすることができる。境界形状は、円形、卵形、又は1つ以上の滑らかな曲面若しくは滑らかな曲面の任意の結線のいずれか1つによって特徴づけられる任意の形状であり得る。境界形状は、nが3、5又は5より大きいn角形であり得る。境界の形状も本質的に三角形、四角形、五角形、六角形を含む、或いは任意の数の直線分割面を有する直線形であり得る。或いは、断面を直線面、弓形面又は曲面の任意の組合せによって境界を定めることができる。本明細書に記載されているように、単に説明を容易にするために、光起電デバイスの非平面実施態様を表すために全円形断面を示す。しかし、任意の断面幾何構造を実質的に非平面の光起電デバイス10に使用できることに留意されたい。
【0036】
いくつかの実施態様において、基板102の第1の部分は、第1の断面形状を特徴とし、基板102の第2の部分は、第2の断面形状を特徴とし、第1及び第2の断面形状は、同一又は異なっている。いくつかの実施態様において、基板102の長さの少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント又はすべてが、第1の断面形状を特徴とする。いくつかの実施態様において、第1の断面形状は、平面であり(例えば弓形の面を有さない)、第2の断面形状は、少なくとも弓形の面を有する。
【0037】
いくつかの実施態様において、基板102は、硬質プラスチック、金属、金属合金又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスで構成される。
【0038】
いくつかの実施態様において、基板102は、ポリベンズアミダゾール(例えば、Boedeker Plastics,Inc.(Texas(テキサス)州Shiner)から入手可能なCelazole(登録商標))などの材料で構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、ポリイミド(例えば、DuPont(商標)Vespel(登録商標)又はDuPont(商標)Kapton(登録商標)(Delaware(デラウェア)州Wilmington))で構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、いずれもBoedeker Plastics,Inc.から入手可能なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon(登録商標)PAI、Solvay Advanced Polymers(Georgia(ジョージア)州Alpharetta))で構成される。
【0039】
いくつかの実施態様において、基板102は、ガラス系フェノールで構成される。フェノール積層体は、合成熱硬化性樹脂が含浸された紙、カンバス、リネン又はガラス布の層に熱又は圧力を加えることによって構成される。熱及び圧力を層に加えると、化学反応(重合)により、個別の層が、再び軟化できない「固定」形状の単一積層材料に変換される。したがって、これらの材料は、「熱硬化物」と呼ばれる。様々な樹脂タイプ及び布材料を使用して、一連の機械的、熱的及び電気的特性を有する熱硬化性積層体を製造することができる。いくつかの実施態様において、基板102は、G-3、G-5、G-7、G-9、G-10又はG-11のNEMAグレードを有するフェノール積層体である。代表的なフェノール積層体は、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能である。
【0040】
いくつかの実施態様において、基板102は、ポリスチレンで構成される。ポリスチレンの例としては、汎用ポリスチレン、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜174頁に詳述されている高耐衝撃性ポリスチレンが挙げられる。さらに他の実施態様において、基板102は、架橋ポリスチレンで構成される。架橋ポリスチレンの一例は、Rexolite(登録商標)(San Diego Plastics Inc.(California(カリフォルニア)州National City))である。Rexoliteは、ポリスチレンをジビニルベンゼンで架橋することによって製造される熱硬化性の、特に硬質且つ半透明のプラスチックである。
【0041】
さらに他の実施態様において、基板102は、ポリカーボネートで構成される。当該ポリカーボネートは、材料の引張強度、剛性、圧縮強度並びに熱膨張率を調節するために、異なる量(例えば、10%、20%、30%又は40%の)ガラス繊維を有することができる。代表的なポリカーボネートは、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能なZelux(登録商標)M及びZelux(登録商標)Wである。
【0042】
いくつかの実施態様において、基板102は、ポリエチレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板102は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)又は超高分子量ポリエチレン(UHMW PE)で構成される。HDPEの化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜173頁に記載されている。いくつかの実施態様において、基板102は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン(Teflon)、ポリメタクリレート(ルーサイト又はプレキシグラス)、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。これらの材料の化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6-172頁から6-175頁に記載されている。
【0043】
基板102を形成するのに使用できるさらなる代表的な材料は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている「現代プラスチック百科事典(Modern Plastics Encyclopedia)」、McGraw-Hill;Reinhold Plastics Applications Series、Reinhold Roffの「繊維、プラスチック、ゴム(Fibres,Plastics and Rubbers,Butterworth)」;Lee及びNevilleの「エポキシ樹脂(Epoxy Resins)」、McGraw-Hill; Bilmetyerの「ポリマー科学のテキスト(Textbook of Polymer Science)」、Interscience;Schmidt及びMarliesの「高ポリマーの原理、理論、実施(Principles of high polymer theory and practice)」、McGraw-Hill;Beadle(編)、「プラスチック(Plastics)」、Morgan-Grampiand,Ltd.、第2巻、1970;Tobolsky and Mark(編)、「ポリマー科学と材料(Polymer Science and Materials)」、Wiley、1971; Glanvilleの「プラスチック技術者のデータブック(The Plastic's Engineer's Data Book)」、Industrial Press、1971;Mohr(編集及び監修)、Oleesky、Shook及びMeyersの「強化プラスチックコンポジットの技術工学のSPIハンドブック(SPI Handbook of Technology and Engineering of Reinforced Plastics Composites)」、Van Nostrand Reinhold、1973に見いだされる。
【0044】
いくつかの実施態様において、基板102の断面は、円周であり、3mmから100mm、4mmから75mm、5mmから50mm、10mmから40mm又は14mmから17mmの外径を有する。いくつかの実施態様において、基板102の断面は、円周であり、1mmから1000mmの外径を有する。
いくつかの実施態様において、基板102は、中空の内部を有する管である。当該実施態様において、基板102の断面は、中空の内部を定める内側半径及び外側半径を特徴とする。内側半径と外側半径の差は、基板102の厚さである。いくつかの実施態様において、基板102の厚さは、0.1mmから20mm、0.3mmから10mm、0.5mmから5mm又は1mmから2mmである。いくつかの実施態様において、内側半径は、1mmから100mm、3mmから50mm又は5mmから10mmである。
【0045】
いくつかの実施態様において、基板102は、5mmから10000mm、50mmから5000mm、100mmから3000mm又は500mmから1500mmの(図7によって定められる平面に対して垂直な)長さである。一実施態様において、基板102は、15mmの外径及び1.2mmの厚さ並びに1040mmの長さを有する中空管である。基板102が図7に実線で示されているが、多くの実施態様において、基板102は、中空コアを有し、ガラス管によって形成された構造などの硬質環状構造を採用することが理解されるであろう。
【0046】
背面電極104。背面電極104は、基板102に円周方向に配置される。背面電極104は、組立品における第1の電極として機能する。概して、背面電極104は、無視できる抵抗損失で光電池700によって生成される光起電電流を維持できる任意の材料から構成される。いくつかの実施態様において、背面電極104は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、それらの合金又はそれらの任意の組合せなどの任意の導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、背面電極104は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックなどの任意の導電性材料で構成される。本明細書に定められるように、導電性プラスチックは、混合技術を介して、後にプラスチックに導電特性を付与する導電性充填剤を含むプラスチックである。いくつかの実施態様において、背面電極104を形成するのに本出願に使用される導電性プラスチックは、無視できる抵抗損失で光電池700によって生成される光起電電流を維持するために、プラスチックマトリックスを介して十分な導電性電流担持経路を形成する充填剤を含有する。導電性プラスチックのプラスチックマトリックスは、典型的には絶縁性であるが、生成される複合体は、充填剤の導電特性を示す。
【0047】
半導体接合部406。半導体接合部406は、背面電極104の周囲に形成される。半導体接合部406は、直接的なバンドギャップ吸収体(例えば結晶シリコン)又は間接的なバンドギャップ吸収体(例えば非晶質シリコン)である吸収体層106を有する任意の光起電ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合である。当該接合は、それぞれその全体が参照により組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第1章、並びにLugue及びHegedus、2003、「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、John Wiley & Sons、Ltd.、West Sussex、Englandに記載されている。本出願による代表的な種類の半導体接合部406の詳細を以下のセクション5.2に開示する。以下のセクション5.2に開示される代表的な接合に加えて、接合406は、好ましくは十分により小さいバンドギャップを有する多数の接合を介して光が接合406のコアに入るマルチ接合であり得る。
【0048】
いくつかの実施態様において、半導体接合部は、吸収体層106及び接合パートナー層108を含み、接合パートナー層108は、吸収体層106に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、吸収体層は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、接合パートナー層108は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOである。いくつかの実施態様において、吸収体層108は、厚さが0.5μmから2.0μmである。いくつかの実施態様において、吸収体層108におけるCu/(In+Ga)の組成比は、0.7から0.95である。いくつかの実施態様において、吸収体層108におけるCu/(In+Ga)の組成比は、0.2から0.4である。いくつかの実施態様において、吸収体層108は、<110>結晶配向、<112>結晶配向を有するCIGS、又は無作為に配向したCIGSを含む。いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、所謂薄膜半導体接合部である。いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、所謂厚膜(例えばシリコン)半導体接合部である。
【0049】
随意の真性層415。所望により、半導体接合部406を円周方向に被覆する薄い真性層(i-層)415が存在する。酸化亜鉛、金属酸化物又は極めて絶縁性の強い任意の透明材料を含むが、それらに限定されない任意の非ドープ透明酸化物を使用して、i-層415を形成することができる。いくつかの実施態様において、i-層415は、極めて純度の高い酸化亜鉛である。
【0050】
透明導電層110。透明導電層110を半導体接合層406に円周方向に配置することによって回路を完成させる。上記のように、いくつかの実施態様において、薄いi-層415は、半導体接合部406に円周方向に配置される。当該実施態様において、透明導電層110は、i-層415に円周方向に配置される。
【0051】
いくつかの実施態様において、透明導電層110は、炭素ナノチューブ、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、インジウム-亜鉛酸化物、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛又はそれらの任意の組合せで構成される。炭素ナノチューブは、例えば、Eikos(Massachusetts(マサチューセッツ)州Franklin)から商業的に入手可能であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,988,925号に記載されている。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、pドープ又はnドープされている。例えば、接合406の外側半導体層がpドープされた実施態様において、透明導電層110をpドープすることができる。同様に、接合406の外側半導体層がnドープされた実施態様において、透明導電層110をnドープすることができる。概して、透明導電層110は、好ましくは、非常に低い抵抗、好適な光透過特性(例えば90%を超える)及び半導体接合部406及び/又は随意のi-層415の基部層に損傷を与えない析出温度を有する材料で構成される。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体などの導電性ポリマー材料である。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム-亜鉛酸化物、ドープ亜鉛酸化物(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)又はそれらの組合せを含む第1の層と、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体を含む第2の層とを含む2つ以上の層を含む。透明導電層110を形成するのに使用できるさらなる好適な材料が、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPichlerの米国特許公報第2004/0187917A1号に開示されている。
【0052】
随意の電極帯420。本出願によるいくつかの実施態様において、電流の流れを容易にするために、対向電極帯又はリード420が透明導電層110に配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、長形太陽電池の長軸(円筒軸)に沿って長さ方向に延びる導電性材料の細い帯である。いくつかの実施態様において、随意の電極帯420は、透明導電層110の表面に間隔をあけて配置される。例えば、図7において、電極帯420は、互いに平行に延び、太陽電池の円筒軸に沿って90度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、透明導電層110の表面に5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、90度又は180度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、透明導電層110の表面に単一電極帯420が存在する。いくつかの実施態様において、透明導電層110の表面に電極帯420が存在しない。いくつかの実施態様において、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15以上又は30以上の電極帯が透明導電層110に存在し、いずれも太陽電池の長(円筒)軸に沿って互いに平行又はほとんど平行に延びている。いくつかの実施態様において、電極帯420は、例えば図7に示されるように、透明導電層110の周囲に沿って等間隔で配置される。代替的な実施態様において、電極帯420は、透明導電層110の周囲に沿って等間隔で配置されない。いくつかの実施態様において、電極帯420は、光電池700の一面にのみ存在する。図7の要素102、104、406、415(随意)及び110は、図7の太陽電池402を集合的に含む。いくつかの実施態様において、電極帯420は、導電性エポキシ、導電性インク、銅若しくはその合金、アルミニウム若しくはその合金、ニッケル若しくはその合金、銀若しくはその合金、金若しくはその合金、導電性接着剤又は導電性プラスチックで構成される。
【0053】
いくつかの実施態様において、太陽電池の長(円筒)軸に沿って延びる電極帯が存在し、これらの電極帯は、格子線によって互いに接続される。これらの格子線は、電極帯より厚い、薄い、又は同じ幅であり得る。これらの格子線を電極帯と同一又は異なる導電材料で構成することができる。
【0054】
随意の充填剤層330。本出願のいくつかの実施態様において、図7に示されるように、透明導電層110をエチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー及び/又はウレタンなどのシール材の充填剤層330で被覆して、空気の侵入を防ぐとともに、所望により透明管状ケース310への取付けを補完する。
【0055】
いくつかの実施態様において、充填剤層330は、Q型シリコーン、シリセキノキサン、D型シリコン及びM型シリコンである。しかし、いくつかの実施態様において、1つ以上の電極帯420が存在していても随意の充填剤層330を必要としない。随意の充填剤層のさらなる好適な材料は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「管状ケース入長形光太陽電池(Elongated Photovoltaic Solar Cells in Tubular Casings)」という題名の同時係属米国特許出願第11/378,847号(整理番号11653-008-999)に記載されている。
【0056】
いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330は、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、整理番号11653-032-888を有する「ラミネート層を有する光起電装置及びその製造方法(Photovoltaic Apparatus Having a Laminate Layer and Method for Making the Same)」という題名の2007年3月13日出願の出願番号未定の米国仮特許出願に開示されたもののいずれかなどのラミネート層である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、1×106cP未満の粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える又は1000×10-6/℃を超える熱膨張率を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、エポリジメチルシロキサンポリマーを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含み、透明シリコン油は、誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分の初期粘度の半分以下の初期粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える熱膨張率を有し、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、シリコン油と誘電ゲルの混合物から形成される。いくつかの実施態様において、シリコン油は、ポリジメチルシロキサンポリマー液であり、誘電ゲルは、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーとの混合物である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、X重量%のポリジメチルシロキサンポリマー液、Y重量%の第1のシリコーンエラストマー及びZ重量%の第2のシリコーンエラストマーから形成され、X、Y及びZの合計が100である。いくつかの実施態様において、ポリジメチルシロキサンポリマー液は、化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nは、ポリマー液が50センチストークから100000センチストークの範囲の平均バルク粘度を有するように選択される範囲の整数である。いくつかの実施態様において、第1のシリコーンエラストマーは、少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、3から7重量パーセントの珪酸塩とを含む。いくつかの実施態様において、第2のシリコーンエラストマーは、(i)少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、(ii)10から30重量パーセントの水素末端ジメチルシロキサンと、(iii)3から7重量パーセントのトリメチル化シリカとを含む。いくつかの実施態様において、Xは、30から90であり、Yは、2から20であり、Zは、2から20である。
【0057】
随意の透明管状ケース310。随意の充填剤層330を有さないいくつかの実施態様において、透明管状ケース310が透明導電層110に円周方向に配置される。充填剤層330を有するいくつかの実施態様において、透明管状ケース310が随意の充填剤層330に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、管状ケース310は、プラスチック又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、太陽電池402は、上記のように今後の梱包のために適性に改造された後、透明管状ケース310にシールされる。図7に示されるように、透明管状ケース310は、太陽電池402の最外層に嵌合する。熱収縮、射出成形又は真空装填などの方法を用いて、酸素及び水をシステムから除去するとともに、下部の太陽電池402に対する嵌合を補完するように透明管状ケース310を構成することができる。
透明管状ケースの潜在的な幾何学構造としては、円筒状、半径寸法が長さをはるかに下回る様々な長形構造、パネル状、弓形特徴を有する形状、箱形、又は起電発電に適した任意の潜在的幾何学構造を挙げることができる。
【0058】
いくつかの実施態様において、透明管状ケース310は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス又はセリーテドガラスで構成される。いくつかの実施態様において、透明管状ケース310は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリアミド又はポリオレフィンで構成される。
【0059】
いくつかの実施態様において、透明管状ケース310は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フルオロポリマー、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレン及びテトラフルオロエチレンの重合により誘導されるETFE(登録商標):TEFLON(登録商標)モノマー)、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル、Viton(登録商標)又はそれらの任意の組合せ又は変形物で構成される。透明管状ケース310のさらなる好適な材料は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「管状ケース入長形光太陽電池(Elongated Photovoltaic Solar Cells in Tubular Casings)」という題名の同時係属米国特許出願第11/378,847号(整理番号11653-008-999)に記載されている。
【0060】
いくつかの実施態様において、透明管状ケース310は、複数の透明管状ケース層を含む。いくつかの実施態様において、各透明管状ケースは、異なる材料で構成される。例えば、いくつかの実施態様において、透明管状ケース310は、第1の透明管状ケース層及び第2の透明管状ケース層を含む。太陽電池の正確な構成に応じて、第1の透明管状ケース層は、透明導電層110、随意の充填剤層330又は耐水層に配置される。第2の透明管状ケース層は、第1の透明管状ケース層に配置される。
【0061】
いくつかの実施態様において、各透明管状ケース層は、異なる特性を有する。一例において、外側透明管状ケース層は、優れたUV遮蔽特性を有し、内部透明管状ケース層は、良好な耐水特性を有する。さらに、多数の透明管状ケース層を使用して、コストを削減し、且つ/又は透明管状ケース310の全体特性を向上させることができる。例えば、所望の物理特性を有する高価な材料で1つの透明管状ケース層を構成することができる。1つ以上のさらなる透明管状ケース層を使用することによって、高価な透明管状ケース層の厚さを減少させることにより、材料コストの節約を達成することができる。別の例において、1つの透明管状ケース層は、優れた光学特性(例えば屈折率等)を有することができるが、非常に重くなる。1つ以上の追加的な透明管状ケース層を使用することによって、重い透明管状ケース層の厚さを減少させることにより、透明管状ケース310の全重量を減少させることができる。
【0062】
随意の耐水層。いくつかの実施態様において、水分子の損傷効果を防止するために、1つ以上の耐水層を太陽電池402に塗布する。いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330を堆積し、太陽電池402を透明管状ケース310に所望により収容する前に当該耐水層を透明導電層110に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、太陽電池402を透明管状ケース310に所望により収容する前に、1つ以上の耐水層を随意の充填剤層330に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、当該耐水層を透明管状ケース310そのものに円周方向に塗布する。水分子を太陽電池402から封止するために耐水層が設けられる実施態様において、耐水層の光学特性は、太陽電池402による入射太陽放射線の吸収を妨げるものであってはならないことを言及すべきである。いくつかの実施態様において、この耐水層は、透明シリコーンで構成される。例えば、いくつかの実施態様において、耐水層は、Q型シリコーン、シリセキオキサン、D型シリコン又はM型シリコンで構成される。いくつかの実施態様において、耐水層は、透明シリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3(x及びyは整数である)で構成される。
【0063】
随意の反射防止膜。いくつかの実施態様において、太陽電池の効率性を最大にするために、随意の反射防止膜も太陽電池402に円周方向に退けられる。いくつかの実施態様において、耐水層及び反射防止膜の両方が太陽電池402に退けられる。いくつかの実施態様において、単一の層が、耐水層及び反射防止膜の二重の目的を果たす。いくつかの実施態様において、反射防止膜は、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在する。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、各層は、同一の材料で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、各層は、異なる材料で構成される。
【0064】
随意の蛍光材料。いくつかの実施態様において、蛍光材料(例えば、発光材料、リン光材料)を光電池700の層の表面に被覆する。いくつかの実施態様において、光電池700は、透明管状ケース310を含み、蛍光材料は、透明管状ケース310の発光面及び/又は外面に被覆される。いくつかの実施態様において、蛍光材料は、透明導電性酸化物の外面に被覆される。いくつかの実施態様において、光電池700は、透明管状ケース310及び随意の充填剤層330を含み、蛍光材料は、随意の充填剤層に被覆される。いくつかの実施態様において、光電池700は、耐水層を含み、蛍光材料は、耐水層に被覆される。いくつかの実施態様において、光電池700の2つ以上の表面に随意の蛍光材料が被覆される。いくつかの実施態様において、蛍光材料は、本出願のいくつかの半導体接合部406が光を電気に変換するのに使用しない青色光及び/又は紫外光を吸収し、蛍光材料は、本出願のいくつかの光電池700における発電に有用な可視光及び/又は赤外光を放射する。
【0065】
蛍光、発光又はリン光材料は、青色又はUV領域の光を吸収し、可視光を放射することができる。リン光材料又はリン光体は、好適なホスト材料及び活性体材料を通常含む。ホスト材料は、典型的には、亜鉛、カドミウム、マンガン、アルミニウム、珪素又は様々な希土類金属の酸化物、硫化物、セレン化物、ハロゲン化物又は珪酸塩である。放射時間を長くするために活性体を添加する。
【0066】
いくつかの実施態様において、リン光材料を本出願のシステム及び方法に組み込んで、光電池700による光吸収を向上させる。いくつかの実施態様において、随意の透明管状ケース310を作製するのに使用される材料にリン光材料を直接添加する。いくつかの実施態様において、上記のように、光電池700の様々な外層又は内層を被覆する透明塗料としての使用のためにリン光材料を結着剤と混合する。
【0067】
代表的なリン光体としては、銅活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu)及び銀活性化硫化亜鉛(ZnS:Ag)が挙げられるが、それらに限定されない。他の代表的なリン光材料としては、硫化亜鉛及び硫化カドミウム(ZnS:CdS)、ユーロピウムによって活性化されたアルミン酸ストロンチウム(SrAlO3:Eu)、プラセオジム及びアルミニウムによって活性化されたストロンチウムチタン(SrTiO3:Pr、Al)、ビスマスを有する硫化ストロンチウムを有する硫化カルシウム((Ca、Sr)S:Bi)、銅及びマグネシウム活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu、Mg)又はそれらの任意の組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0068】
リン光体材料を作製するための方法は、当該技術分野で知られている。例えばZnS:Cu又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているButlerらの米国特許第2,807,587号;Morrisonらの同第3,031,415号;Morrisonらの同第3,031,416号;Strockらの同第3,152,995号;Payneらの同第3,154,712号;Lagosらの同第3,222,214号;Possらの同第3,657,142号;Reillyらの同第4,859,361号及びKaramらの同第5,269,966号に記載されている。ZnS:Ag又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているParkらの米国特許第6,200,497号、Iharaらの同第6,025,675号;Takaharaらの同第4,804,882号及びMatsudaらの同第4,512,912号に記載されている。一般に、波長が小さくなるに従ってリン光体の残存率が高くなる。いくつかの実施態様において、CdSe又は類似のリン光材料の量子点を使用して、同じ効果を得ることができる。それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているDabbousiら、1995、「CdSe量子点/ポリマー複合体の電気発光(Electroluminescence from CdSe quantum-dot/polymer composites)」、Applied Physics Letters 66(11):1316-1318;Dabbousiら、1997「(CdSe)ZnSコア-シェル量子点:一連のサイズの高発光ナノ結晶の合成及び特性決定((CdSe)ZnS Core-Shell Quantum Dots:Synthesis and Characterization of a Size Series of Highly Luminescent Nanocrystallites)」、J.Phys.Chem.B、101:9463-9475;Ebensteinら、2002、「相関原子間力及び単一粒子蛍光顕微鏡法によって調査されたCdSe:ZnSナノ結晶の蛍光量子収率(Fluorescence quantum yield of CdSe:ZnS nanocrystals investigated by correlated atomic-force and single-particle fluorescence microscopy)」、Applied Physics Letters 80:4033-4035;及びPengら、2000、「CdSeナノ粒子の形状制御(Shape control of CdSe nanocrystals)」、Nature 404:59-61を参照されたい。
【0069】
いくつかの実施態様において、増白剤を本出願の随意の蛍光層に使用する。増白剤(光学増白剤、蛍光増白剤又は蛍光白色剤としても知られる)は、電磁スペクトルの紫外及び紫色領域の光を吸収し、青色領域の光を再放射する染料である。当該化合物としては、スチルベン(例えば、トランス-1,2-ジフェニルエチレン又は(E)-1,2-ジフェニルエチレン)が挙げられる。本出願の随意の蛍光層に使用できる別の代表的な増白剤は、やはりスペクトルのUV部のエネルギーを吸収するウンベリフェロン(7-ヒドロキシクマリン)である。次いで、このエネルギーを可視スペクトルの青色部において再放射する。Dean、1963、「天然酸素環化合物(Naturally Occurring Oxygen Ring Compounds)」,Butterworths、London;Joule及びMills、2000、「複素環化学(Heterocyclic Chemistry)」、第4版、Blackwell Science、英国Oxford;及びBarton、1999、Comprehensive Natural Products Chemistry 2:677、Nakanishi及びMeth-Cohn編集、Elsevier、英国Oxford、1999に増白剤に関するさらなる情報が記載されている。
【0070】
円周方向に配置する。本出願において、太陽電池を形成するために、材料の層を管状基板に連続的に円周方向に配置する。本明細書に用いられているように、円周方向に配置するという用語は、各当該材料層が必ずしも基部層に配置されること又は光電池の形状が円筒状であることを示唆するものではない。実際、本出願には、当該層を成形できる、或いは基部層に形成できる方法が教示されている。さらに、基板102の説明とともに上述したように、基板及び基部層は、いくつかの異なる非平面形のいずれかを有することができる。しかしながら、円周方向に配置するという用語は、上部層と基部層の間に空間(例えば環状空間)が存在しないように上部層を基部層に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように、円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層の周囲の少なくとも50パーセントに配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように、円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層の長さの少なくとも半分に沿って配置することを意味する。
【0071】
円周方向にシールする。本出願において、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造が必ずしも基部層又は構造に配置されることを示唆するものではない。実際、本出願には、当該層又は構造(例えば透明管状ケース310)を成形し、或いは基部層又は構造に形成する方法が教示されている。しかしながら、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造体と基部層又は構造体の間に空間(例えば環状空間)が存在しないように、上部層又は構造体を基部層又は構造体に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように、円周方向にシールするという用語は、上部層を下部層の全周囲に配置することを意味する。典型的な実施態様において、層又は構造は、それを基部層又は構造の全周囲に配置し、且つ基部層又は構造の全長に沿って配置する場合に基部層又は構造をシールする。しかし、本出願は、円周方向にシールする層又は構造が基部層又は構造の全長に沿って延びない実施態様を意図している。
【0072】
(5.1.1カスケード技術を用いた基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図2A〜2Kは、カスケード技術を用いて太陽電池ユニット270を製造するための処理工程を示す。図2の各図は、様々な製造段階における太陽電池ユニット270の三次元管状プロファイルを示す。各三次元管状プロファイルの下には、太陽電池ユニット270の対応する一次元プロファイルが存在する。一次元プロファイルに示されているのは、対応する太陽電池ユニット270の半球体の断面図である。典型的な実施態様において、図2に示される太陽電池ユニット270は、導電基板102を有さない。或いは、基板102が導電性である実施態様において、基板は、個々の太陽電池700の背面電極104が互いに電気的に絶縁されるように、絶縁体層が円周方向に巻き付けられる。
【0073】
図2Kを参照すると、太陽電池ユニット270は、複数の光電池700に共通の基板102を含む。基板102は、第1の端部及び第2の端部を有する。複数の光電池700は、図2Kに示されるように基板102に直線的に配置される。複数の光電池700は、第1及び第2の光電池700を含む。複数の光電池700における各光電池700は、共通基板102に円周方向に配置された背面電極104、及び背面電極104に円周方向に配置された半導体接合部406を含む。図2Kの場合は、半導体接合部406は、吸収体層106及び窓層108を含む。複数の光電池700における各光電池700は、半導体接合部406に円周方向に配置された透明導電層110を含む。図2Kの場合は、第1の光電池700の透明導電層110は、バイア280を介して、複数の光電池における第2の光電池700の背面電極と直列電気接続する。いくつかの実施態様において、各バイア280は、太陽電池の全周にわたって延びる。いくつかの実施態様において、各バイア280は、太陽電池の全周にわたって延びない。実際、いくつかの実施態様において、各バイアは、太陽電池の周のうちのわずかな部分にわたって延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、光電池700の透明導電層110を隣接する光電池700の背面電極104と電気的に直列接続させる1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のバイア280を有することができる。
【0074】
次に、図2Aから2Kを参照しながら、太陽電池ユニット270を製造するための方法について説明する。この説明において、太陽電池ユニット270の各部品の代表的な材料について記載する。しかし、太陽電池ユニット270の各部品の好適な材料の説明は、上記のセクション5.1に示されている。図2Aを参照すると、該方法は、基板102から始まる。
【0075】
次に、図2Bにおいて、背面電極104が、基板102に円周方向に配置される。以下のセクション5.6に開示される技術のいくつかを含む様々な技術によって背面電極104を堆積することができる。いくつかの実施態様において、背面電極104は、スパッタリングによって基板102に円周方向に配置される。例えば、以下のセクション5.6.11を参照されたい。いくつかの実施態様において、背面電極104は、電子ビーム蒸着によって基板102に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、基板102は、導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、電気メッキを用いて背面電極104を基板102に円周方向に配置することが可能である。例えば、以下のセクション5.6.21を参照されたい。いくつかの実施態様において、基板102は、導電性でないが、鋼箔又はチタン箔などの金属箔が巻き付けられる。これらの実施態様において、例えば、以下のセクション5.6.21に記載される電気メッキ技術を用いて、背面電極104を金属箔に電気メッキすることが可能である。さらに他の実施態様において、背面電極は、高温浸漬によって基板102に円周方向に配置される。
【0076】
図2Cを参照すると、溝292を形成するために背面電極104をパターン化する。溝292は、背面電極104の全周にわたって延びることによって、背面電極104を個別の部分に分割する。各部分は、対応する光電池700の背面電極104として機能する。溝292の底部は、下部基板102を露出させる。いくつかの実施態様において、溝292は、背面電極104に吸収される波長を有するレーザ光線を使用して刻まれる。レーザスクライビングは、従来の機械掘削法に比べて多くの利点を示す。精密、高速及び経済的な太陽電池製造には、収束レーザ光線を使用して、切断、標記又は掘削を行うことが好ましい。レーザ切断は、切断部付近に小さい熱影響部を形成するだけである。また、機械的外乱又は機械的摩耗がほとんどない。レーザを使用して薄膜を処理する場合は、レーザスクライビング、エッチング及びアブレーションという用語が区別なく用いられる。金属材料のレーザ切断を主たる2つの方法、即ち蒸発切断及びメルトブロー切断に分類することができる。蒸発切断では、材料を蒸発温度まで迅速に加熱し、蒸気として自然に除去する。メルトブロー法は、材料を溶融温度まで加熱しながら、ガスジェットによって溶融物を表面から吹き払う。いくつかの実施態様において、不活性ガス(例えばアルゴン)を使用する。他の実施態様において、溶融物との発熱反応を介して材料の加熱を強化するために反応性ガスを使用する。レーザスクライビング技術によって処理される薄膜材料としては、半導体(例えば、テルル化カドミウム、銅インジウムガリウムジセレニド及びシリコン)、透明導電性酸化物(例えば、フッ素ドープ酸化錫及びアルミニウムドープ酸化亜鉛)及び金属(例えば、モリブデン及び金)が挙げられる。当該レーザシステムは、いずれも商業的に入手可能であり、パルス持続時間及び波長に基づいて選択される。レーザスクライビングに使用できるいくつかの代表的なレーザシステムとしては、Q切換Nd:YAGレーザシステム、Nd:YAGレーザシステム、銅-蒸気レーザシステム、XeClエキシマレーザシステム、KrFexcimerレーザシステム及びダイオードレーザポンプNd:YAGシステムが挙げられるが、それらに限定されない。レーザスクライビングシステム及び方法に関する詳細については、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているCompaanら、1998、「薄膜PVモジュールに対するレーザスクライビングの最適化(Optimization of laser scribing for thin film PV module)」、National Renewable Energy Laboratory final technical progress report 1995年4月〜1997年10月;Querciaら、1995、「CuInSe2サブモジュールを作製するためのCuInSe2/Mo/SLS構造のレーザパターン化(Laser patterning of CuInSe2/Mo/SLS structures for the fabrication of CuInSe2 sub modules)」、Semiconductor Processing and Characterization with Lasers:Application in Photovoltaics、First International Symposium、Issue 173/174、Number com 53〜58頁;及びCompaan、2000、「レーザスクライビングによるモノリシック薄膜アレイの形成(Laser scribing creates monolithic thin film arrays)」、Laser Focus World 36:147〜148、150及び152頁を参照されたい。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝292を刻み込む。例えば、カミソリ刃又は他の鋭利な器具で背面電極104を引っ掻くことによって、溝292を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝292を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0077】
図2D〜2Fは、半導体接合部406が単一吸収体層106及び単一窓層108である場合を示す。しかし、本出願は、それに限定されない。例えば、接合層406は、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合であり得る。
図2Dを参照すると、吸収体層106が背面電極104に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、熱蒸発によって背面電極104に円周方向に配置される。例えば、いくつかの実施態様において、吸収体層106は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBeck及びBrittの「最終技術報告(Final Technical Report)」、2006年1月、NREL/SR-520-391 19;及びDelahoy及びChen、2005年8月、「高度CIGS光電池技術(Advanced CIGS Photovoltaic Technology)」、subcontract report;Kapurら、January 2005 subcontract report、NREL/SR-520-37284、「非真空薄膜CIGS太陽電池の実験室スケールから大規模スケールへの移行(Lab to Large Scale Transition for Non-Vacuum Thin Film CIGS Solar Cells)」、Simpsonら、2005年10月、subcontract report、「軟質CIGS PVモジュール製造のための軌道配向及び疑似耐性ベースの知的処理制御(Trajectory-Oriented and Fault-Tolerant-Based Intelligent Process Control for Flexible CIGS PV Module Manufacturing)」、NREL/SR-520-38681;又はRamanathanら、31st IEEE Photovoltaics Specialists Conference and Exhibition、Lake Buena Vista、Florida、2005年1月3〜7日に開示された技術を用いて堆積されるCIGSである。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、元素源からの蒸発によって背面電極104に円周方向に堆積される。例えば、いくつかの実施態様において、吸収体層106は、元素源からの蒸発によってモリブデン背面電極104上にCIGS成長される。1つの当該蒸発法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanthanら、2003、「19.2%の効率のZnO/CdS/CuInGaSe2薄膜太陽電池(Properties of 19.2% Efficiency ZnO/CdS/CuInGaSe2 Thin-film Solar Cells)」、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 11、225に記載されているもののような三段階法、又は該三段階法の変形である。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、一段階蒸発法又は二段階蒸発法を用いて、背面電極104に円周方向に堆積される。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、スパッタリングによって背面電極104に円周方向に堆積される(例えば、以下のセクション5.6.11参照)。典型的には、当該スパッタリングには高温の基板102が必要である。
【0078】
いくつかの実施態様において、吸収体層106は、電気メッキを用いて、吸収体層106の構成金属又は金属合金の個々の層として背面電極104に円周方向に配置される。例えば、吸収体層106が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)である場合を考慮されたい。CIGSの個々の構成層(例えば、銅層、インジウム-ガリウム層、セレニウム)を1層ずつ背面電極104に電気メッキすることができる。電気メッキについては、以下のセクション5.6.21に記載されている。いくつかの実施態様において、吸収体層の個々の層は、スパッタリングを用いて、背面電極104に円周方向に堆積される。吸収体層106の個々の層がスパッタリング若しくは電気メッキ又はそれらの組合せのいずれによって円周方向に堆積されるかにかかわらず、(例えば、活性層106がCIGSである)典型的な実施態様において、構成層が円周方向に配置されると、それらの層は、互いに反応して吸収体層106を形成するように高速熱処理工程で迅速に加熱される。いくつかの実施態様において、セレニウムは、電気メッキ又はスパッタリングによって供給されない。当該実施態様において、セレニウムは、低圧加熱段階時に元素セレニウムガス又はセレン化水素の形で低圧加熱段階中の吸収体層106に供給される。いくつかの実施態様において、銅-インジウム-ガリウム酸化物が、背面電極104に円周方向に堆積され、次いで銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドに変換される。いくつかの実施態様において、真空法を用いて、吸収体層106を堆積する。いくつかの実施態様において、非真空法を用いて、吸収体層106を堆積する。いくつかの実施態様において、室温法を用いて、吸収体層106を堆積する。さらに他の実施態様において、高温法を用いて、吸収体層106を堆積する。これらの方法は例示にすぎず、吸収体層106を堆積するのに用いることができる広範な他の方法が存在することを当業者なら理解するであろう。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、化学蒸着を用いて堆積される。代表的な化学蒸着技術を以下に記載する。
【0079】
図2E及び2Fを参照すると、窓層108が吸収体層106に円周方向に堆積される。いくつかの実施態様において、薬浴堆積法を用いて、吸収体層106が吸収体層108に円周方向に堆積される。例えば、窓層108が硫化カドミウムなどの緩衝層である場合、反応すると、硫化カドミウムを溶液から析出させる溶液にカドミウム及び硫化物をそれぞれ個別に供給することができる。窓層として機能できる他の構成要素としては、硫化インジウム、酸化亜鉛、酸化亜鉛硫化水素又は他の種類の緩衝層が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、窓層108は、n型緩衝層である。いくつかの実施態様において、窓層108は、吸収体層106にスパッタリングされる。例えば、以下のセクション5.6.11を参照されたい。いくつかの実施態様において、窓層108は、吸収体層106に蒸着される。例えば、以下のセクション5.6.10を参照されたい。いくつかの実施態様において、窓層108は、化学蒸着を用いて吸収体層106に円周方向に堆積される。代表的な化学蒸着技術は、以下に記載されている。
【0080】
図2G及び2Hを参照すると、溝294を形成するために、半導体接合部406(例えば、層106及び108)をパターン化する。いくつかの実施態様において、溝294は、半導体接合部406の全周にわたって延びることによって、半導体接合部406を個別の部分に分割する。いくつかの実施態様において、溝294は、半導体接合部406の全周にわたって延びない。実際、いくつかの実施態様において、各溝は、半導体接合部406の周のうちのわずかな部分にわたって延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、所定の溝294の代わりに、半導体接合部406の周囲に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、半導体接合部406に吸収される波長を有するレーザ光線を用いて溝294を刻み込む。いくつかの実施態様において、機械的手段を用いて溝294を刻み込む。例えば、カミソリ刃又は他の鋭利な器具で半導体接合部406を引っ掻くことによって、溝294を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝294を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0081】
図2Iを参照すると、透明導電層110が半導体接合部406に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、スパッタリングによって透明導電層110が背面電極104に円周方向に堆積される。スパッタリングの説明については、以下のセクション5.6.11を参照されたい。いくつかの実施態様において、スパッタリングは、反応性スパッタリングである。例えば、いくつかの実施態様において、酸素ガスの存在下で亜鉛ターゲットを使用して、酸化亜鉛を含む透明導電層110を生成する。別の反応性スパッタリングの例では、酸素ガスの存在下でインジウム錫ターゲットを使用して、インジウム錫酸化物を含む透明導電層110を生成する。別の反応性スパッタリングの例では、酸素ガスの存在下で錫ターゲットを使用して、酸化錫を含む透明導電層110を生成する。概して、任意の広バンドギャップ導電性透明材料を透明導電層110として使用することができる。本明細書に用いられているように、「透明」という用語は、約300ナノメートルから約1500ナノメートルの波長範囲で透明と見なされる材料を意味する。しかし、全波長範囲にわたって透明でない構成要素も、特に当該材料の非常に薄い層を使用できるほど高い導電性などの他の特性を有する場合は、透明導電層110として機能することができる。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、導電性であり、反応により、又はセラミックターゲットを使用してスパッタリングで堆積され得る任意の透明導電性酸化物である。
【0082】
いくつかの実施態様において、透明導電層110は、以下のセクション5.6.11に記載するように、直流電流(DC)ダイオードスパッタリング、ラジオ周波数(RF)ダイオードスパッタリング、三極スパッタリング、DCマグネトロンスパッタリング又はRFマグネトロンスパッタリングを用いて堆積される。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、原子層蒸着技術を用いて堆積される。代表的な原子層蒸着技術が以下の5.6.17に記載されている。いくつかの実施態様において、透明導電層110は、化学蒸着を用いて堆積される。代表的な化学蒸着技術は、以下に記載されている。
【0083】
図2Jを参照すると、溝296を形成するために、透明導電層110をパターン化する。溝296は、透明導電層110の全周にわたって延びることによって、透明導電層110を個別の部分に分割する。溝296の底部は、下部半導体接合部406を露出させる。いくつかの実施態様において、溝298によって露出された背面電極104を電極又は他の電子回路に接続するために、太陽電池ユニット270の端部で溝298をパターン化する。いくつかの実施態様において、透明導電層110に吸収される波長を有するレーザ光線を使用して、溝296を刻み込む。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝296を刻み込む。例えば、カミソリ刃又は他の鋭利な器具で背面電極104を引っ掻くことによって、溝296を形成する。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝296を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0084】
図2Kを参照すると、上記堆積技術のいずれか又は以下のセクション5.6から選択される堆積技術を用いて、随意の反射防止膜112を透明導電層110に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270は、透明管状ケース310に収容される。太陽電池ユニット270などの長形太陽電池を透明管状ケースに如何にして収容できるかについては、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「管状ケース入長形光電池(Elongated Photovoltaic Cells in Tubular Casings)」という題名の同時係属米国特許出願第11/378,847号(整理番号11653-008-999)に記載されている。いくつかの実施態様において、図7を参照しながら上述したように随意の充填剤層330を使用する。
【0085】
いくつかの実施態様において、インクジェット印刷を用いて、随意の電極帯420を透明導電層110に堆積する。代表的なインクジェット印刷技術は、以下のセクション5.6.9に記載されている。当該電極帯に使用できる導電性インクの例としては、銀充填又はニッケル充填導電性インクが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、エポキシ並びに異方性導電性接着剤を使用して、随意の電極帯420を構成することができる。典型的な実施態様において、電極帯420を形成するために当該インク又はエポキシを熱硬化させる。いくつかの実施態様において、当該電極帯は、太陽電池ユニット270に存在しない。実際、本出願のモノリシック集積設計を使用することの主たる利点は、太陽電池ユニット270の長さに沿う電圧が、独立した光電池700により増加することである。したがって、電流が減少することによって、個々の光電池700の電流必要量が低減される。その結果、多くの実施態様において、随意の電極帯420が必要でなくなる。
【0086】
いくつかの実施態様において、図2に示されるように、溝292、294及び296は同心形でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板102の管(長)軸に沿って螺旋下降する。図2のモノリシック集積手段は、面積が最小限であり、処理工程の数が最小限であるという利点を有する。図7を参照しながら述べたように、本発明は、円形断面を有する基板102に限定されない。図7に関して以上に参照した断面形状のいずれかを用いて、図2を参照しながら示したようにして太陽電池207を製造することができる。
【0087】
(5.1.2第1の支柱吸収体技術を用いた基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図3A〜3Hは、本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて、基板を有する太陽電池ユニット270を製造するための処理工程を示す。図3A及び3Bを参照すると、背面電極104、吸収体106及び窓層108は、第1のパターン化工程の前に基板102上に順次円周方向に堆積される。図3Aは、太陽電池ユニットの三次元管状プロファイルを示す。この製造段階において、この三次元プロファイルの下に、太陽電池ユニット270の対応する一次元プロファイルが存在する。図2の一次元プロファイル及び図3〜6の様々な構成要素パネルに示される一次元プロファイルのように、一次元プロファイルは、対応する太陽電池ユニット270の片側の断面図である。
【0088】
図3Cを参照すると、窓層108を円周方向に配置すると、溝302及び304を刻み込む。溝302の底部で基板102が露出される。溝304の底部で電極104が露出される。溝302は、基板102の全周に沿って延びることによって、図示されるように光電池700を定める。対照的に、溝304は、背面電極104の全周に沿って延びる必要がない。いくつかの実施態様において、溝304は、背面電極104の全周に沿って延びない。実際、いくつかの実施態様において、各溝304は、背面電極104の周のうちのわずかな部分に沿って延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、所定の溝304の代わりに背面電極104の周囲に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、レーザ光線を使用して溝302及び304を刻み込む。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝302及び304を刻み込む。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝302及び304を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0089】
図3Dを参照すると、溝302を形成すると、電気絶縁材料を充填することによって、電気絶縁支柱310を形成する。いくつかの実施態様において、溝302は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なスクリーン印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝302は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝302は、粉末を溝に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザでパワーを溶融させることによって充填される。絶縁支柱310は、任意の種類の電気絶縁材料である。
【0090】
図3Eを参照すると、溝302に絶縁性材料を充填した後に、透明導電層110を円周方向に堆積する。透明導電層110の材料を溝304に充填する。しかし、図3Fを参照すると、より導電性の高い材料を溝内に堆積することによって、図3Gに示されるように導電性バイア312を形成できるように、この材料に溝304が刻み込まれる。導電性が極めて高い材料をバイア312に使用すると、バイアが、非常に狭い線幅を有しながら効果を維持することが可能になる。これは、半導体接合部406の面積損失を抑えるのに役立つため有利である。いくつかの実施態様において、溝304は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝304は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝304は、粉末を溝304に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。図3Hを参照すると、溝314を透明導電性酸化物層に刻み込むことによって、下部の窓層108を露出させる。溝314は、基板102上の1つの光電池700の透明導電層110が隣接する光電池700の背面電極104に直列接続されるが、そうでなければ2つの光電池700が互いに電気的に絶縁されるように、モノリシック集積された光電池700を形成するのに必要である。
【0091】
いくつかの実施態様において、図3に示されるように、溝302、304及び314は同心形でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板102の円筒(長)軸に沿って螺旋下降する。図7を参照しながら説明したように、本発明は、円形断面を有する基板102に限定されない。図7を参照しながら以上に示した断面形状のいずれかを用いて、図3を参照しながら示したようにして太陽電池270を製造することができる。
【0092】
(5.1.3第2の支柱吸収体技術を用いた基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図4A〜4Fは、本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す。基板102は、中実円筒状又は中空円筒状である。図4A及び4Bを参照すると、第1のパターン化工程の前に、背面電極104、吸収体106及び窓層108が基板102に円周方向に順次配置される。図4Aは、太陽電池ユニットの三次元管状プロファイルを示す。この製造段階において、この三次元管状プロファイルの下に、太陽電池ユニット270の対応する一次元プロファイルが存在する。図2及び3の一次元プロファイル並びに図5〜6のそれぞれの図に示される一次元プロファイルのように、該一次元プロファイルは、対応する太陽電池ユニット270の片側の断面図である。
【0093】
図4Cを参照すると、窓層108を堆積して、溝402及び404を刻み込む。溝402の底部で基板102が露出される。溝404の底部で背面電極104が露出される。溝402は、基板102の全周にわたって延びることによって、図示されるように光電池700を定める。対照的に、溝404が背面電極104の全周に沿って延びる必要がない。いくつかの実施態様において、溝404は、背面電極104の全周に沿って延びない。実際、いくつかの実施態様において、各当該溝404は、背面電極104の周のうちのわずかな部分に沿って延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、所定の溝404の代わりに背面電極104の周囲に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、レーザ光線を使用して溝402及び404を刻み込む。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝402及び404を刻み込む。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝402及び404を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0094】
図4Dを参照すると、溝402を形成して、電気絶縁材料を充填することによって、電気絶縁支柱410を形成する。いくつかの実施態様において、溝402は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なスクリーン印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝402は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝402は、粉末を溝402に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。溝402には任意の種類の電気絶縁性材料が充填される。
【0095】
図4Eを参照すると、溝402に絶縁性材料を充填した後に、透明導電層110を円周方向に配置する。透明導電層の材料を溝404に充填する。図4Fを参照すると、溝414を透明導電層110に刻み込むことによって、下部の窓層108を露出させる。溝414は、基板102上の1つの光電池700の透明導電層110が隣接する光電池700の背面電極104に直列接続されるが、そうでなければ2つの光電池700が互いに電気的に絶縁されるように、モノリシック集積された光電池700を形成するのに必要である。
【0096】
いくつかの実施態様において、図4に示されるように、溝402、404及び414は同心形でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板102の円筒(長)軸に沿って螺旋下降する。図7を参照しながら説明したように、本発明は、円形断面を有する基板102に限定されない。図7を参照しながら以上に示した断面形状のいずれかを用いて、図4を参照しながら示したようにして太陽電池270を製造することができる。
【0097】
(5.1.4第1の支柱デバイス技術を用いた基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図5A〜5Dは、本出願による第1の支柱デバイス技術を用いて基板102を有する太陽電池を製造するための処理工程を示す。図5A及び5Bを参照すると、第1のパターン化工程の前に、背面電極104、吸収体層106、窓層108及び透明導電層110を基板102に円周方向に順次配置する。図5Aは、太陽電池ユニットの三次元管状プロファイルを示す。対応する製造段階において、この三次元管状プロファイルの下に、太陽電池ユニット270の対応する一次元プロファイルが存在する。一次元プロファイルは、対応する太陽電池ユニット270の片側の断面図である。
【0098】
図5Bを参照すると、透明導電層110を堆積して、溝502及び504を刻み込む。溝502の底部で基板102が露出される。溝504の底部で背面電極104が露出される。溝502は、基板102の全周に沿って延びることによって、図示されるように光電池700を定める。対照的に、溝504は、背面電極104の全周に沿って延びる必要がない。いくつかの実施態様において、溝504は、背面電極104の全周に沿って延びる。実際、いくつかの実施態様において、各溝504は、背面電極104の周のうちのわずかな部分に沿って延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、所定の溝504の代わりに背面電極104の周囲に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、レーザ光線を使用して溝502及び504を刻み込む。いくつかの実施態様において、機械的手段を使用して溝502及び504を刻み込む。いくつかの実施態様において、リソグラフエッチング法を用いて、溝502及び504を形成する。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0099】
図5Cを参照すると、溝502を形成して、それらに電気絶縁性材料を充填することによって、電気絶縁性支柱506を形成する。いくつかの実施態様において、溝502は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なスクリーン印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝502は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝502は、粉末を溝に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。溝502には任意の種類の電気絶縁性材料が充填される。さらに図5Cを参照すると、導電性材料を溝504に円周方向に配置することによって、導電性バイア508を形成する。導電性が極めて高い材料をバイア508に使用すると、バイアが、非常に狭い線幅を有しながら効果を維持することが可能になる。これは、半導体接合部406の面積損失を抑えるのに役立つため有利である。いくつかの実施態様において、溝504は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝504は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝504は、粉末を溝に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。
【0100】
図5Dを参照すると、溝514を透明導電層110に刻み込むことによって、下部の窓層108を露出させる。溝524は、基板102上の1つの光電池700の透明導電層110が隣接する光電池700の背面電極104に直列接続されるが、そうでなければ2つの光電池700が互いに電気的に絶縁されるように、モノリシック集積された光電池700を形成するのに必要である。また、図Dに示されるように、第1の透明導電層110の一部に電線管が配置される。いくつかの実施態様において、図5に示されるように、溝502、504及び524は同心形でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板102の円筒(長)軸に沿って螺旋下降する。
図7を参照しながら説明したように、本発明は、円形断面を有する基板102に限定されない。図7を参照しながら以上に示した断面形状のいずれかを用いて、図5を参照しながら示したようにして太陽電池270を製造することができる。
【0101】
(5.1.5第2の支柱デバイス技術を用いた基板上のモノリシック太陽電池の製造)
図6A〜6Hは、本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池を製造するための処理工程を示す。図6A〜6Bを参照すると、第1のパターン化工程の前に、背面電極104、吸収体層106及び窓層108を基板102に円周方向に順次配置する。図6Aは、太陽電池ユニットの三次元管状プロファイルを示す。この製造段階において、この三次元プロファイルの下に、太陽電池ユニット270の対応する一次元プロファイルが存在する。一次元プロファイルは、対応する太陽電池ユニット270の片側の断面図である。
【0102】
図6Cを参照すると、窓層108を円周方向に配置して、溝602を刻み込む。溝602の底部で基板102が露出される。溝602は、基板102の全周に沿って延びることによって、図示されるように太陽電池700を定める。いくつかの実施態様において、溝602は、機械的手段によって刻み込まれる。いくつかの実施態様において、溝602は、リソグラフエッチング法を用いて形成される。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0103】
図6Dを参照すると、溝602を形成して、それらに電気絶縁性材料を充填することによって、電気絶縁支柱610を形成する。いくつかの実施態様において、溝602は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なスクリーン印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝602は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝602は、粉末を溝に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。溝602には任意の種類の電気絶縁性材料が充填される。
【0104】
図6Dを参照すると、溝604が刻み込まれる。溝604の底部で背面電極104が露出される。溝604が背面電極104の全周に沿って延びる必要はない。いくつかの実施態様において、溝604は、背面電極104の全周に沿って延びない。実際、いくつかの実施態様において、各当該溝604は、背面電極104の周のうちのわずかな部分に沿って延びるにすぎない。いくつかの実施態様において、各光電池700は、所定の溝604の代わりに背面電極104の周囲に配置された1個、2個、3個、4個以上、10個以上又は100個以上のポケットを有することができる。いくつかの実施態様において、溝604は、レーザ光線を使用して刻み込まれ、機械的手段を使用して刻み込まれ、或いはリソグラフエッチング法を用いて形成される。リソグラフエッチング法は、以下のセクション5.7に記載されている。
【0105】
図6Eを参照すると、溝602に絶縁性材料を充填した後に、透明導電層110を円周方向に堆積する。透明導電層の材料を溝604に充填する。しかし、図6Fを参照すると、より導電性の高い材料を溝内に堆積することによって、図6Gに示されるように導電性バイア612を形成できるように、この材料に溝604が刻み込まれる。導電性が極めて高い材料をバイア612に使用すると、バイアが、非常に狭い線幅を有しながら効果を維持することが可能になる。これは、半導体接合部406の面積損失を抑えるのに役立つため有利である。いくつかの実施態様において、溝604は、スクリーン印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.19に開示する。いくつかの実施態様において、溝604は、インクジェット印刷を用いて充填される。代表的なインクジェット印刷技術を以下のセクション5.6.9に開示する。いくつかの実施態様において、溝604は、粉末を溝604に挿入し、次いで好適な波長を有するレーザで粉末を溶融させることによって充填される。
【0106】
図6Hを参照すると、溝604を透明導電性層110に刻み込むことによって、下部の窓層108を露出させる。本実施態様において、溝614は、基板102上の1つの光電池700の透明導電層110が隣接する光電池700の背面電極104に直列接続されるが、そうでなければ2つの光電池700が互いに電気的に絶縁されるように、モノリシック集積された光電池700を形成するのに必要である。
【0107】
いくつかの実施態様において、図6に示されるように、溝602、604及び614は同心形でない。むしろ、いくつかの実施態様において、当該溝は、基板102の円筒(長)軸に沿って螺旋下降する。図7を参照しながら説明したように、本発明は、円形断面を有する基板102に限定されない。図7を参照しながら以上に示した断面形状のいずれかを用いて、図6を参照しながら示したようにして太陽電池270を製造することができる。
【0108】
(5.2代表的な半導体接合部)
図8Aを参照すると、一実施態様において、半導体接合部406は、背面電極104に配置された吸収体層106と吸収体層106に配置された接合パートナー層108との間のヘテロ接合である。吸収体層106及び接合パートナー層108は、接合パートナー層106が吸収体層108より大きなバンドギャップを有するように異なるバンドギャップ及び電子親和性を有する異なる半導体からなる。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、pドープされ、接合パートナー層108は、nドープされる。当該実施態様において、透明導電層110(不図示)は、n+ドープされる。代替的な実施態様において、吸収体層106はnドープされ、透明導電層110はpドープされる。当該実施態様において、透明導電層110は、p+ドープされる。いくつかの実施態様において、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPandeyの「半導体電析のハンドブック(Handbook of Semiconductor Electrodeposition)」、Marcel Dekker Inc.、1996、Appendix 5にリストされている半導体を使用して、半導体接合部406を形成する。
【0109】
(5.2.1銅インジウムジセレニド及び他のI-III-VI型材料に基づく薄膜半導体接合部)
図8Aをさらに参照すると、いくつかの実施態様において、吸収体層106は、銅インジウムジセレニド(CuInSe2;CISとして知られる)などのI-III-VI2族の化合物である。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、当該化合物が存在することが知られていれば、p型又はn型のCdGeAs2、ZnSnAs2、CuInTe2、AgInTe2、CuInSe2、CuGaTe2、ZnGeAs2、CdSnP2、AgInSe2、AgGaTe2、CuInS2、CdSiAs2、ZnSnP2、CdGeP2、ZnSnAs2、CuGaSe2、AgGaSe2、AgInS2、ZnGeP2、ZnSiAs2、ZnSiP2、CdSiP2又はCuGaS2からなる群から選択されるI-III-VI2族の三元化合物である。
【0110】
いくつかの実施態様において、接合パートナー層108は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。一実施態様において、吸収体層106は、p型CISであり、接合パートナー層108は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合部406は、その全体が参照により組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第6章に記載されている。
【0111】
いくつかの実施態様において、吸収体層106、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)である。当該層は、Cu(InGa)Se2としても知られる。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)であり、接合パートナー層108は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。いくつかの実施態様において、吸収体層106は、p型CIGSであり、接合パートナー層108は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合部406は、その全体が参照により組み込まれている「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、2003、Luque及びHegedus(編)、Wiley & Sons、West Sussex、Englandの第12章、第13章に記載されている。いくつかの実施態様において、層106は、厚さが0.5μmから2.0μmである。いくつかの実施態様において、層106におけるCu/(In+Ga)の組成比は、0.7から0.95である。いくつかの実施態様において、層106におけるGa/(In+Ga)の組成比は、0.2から0.4である。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<110>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<112>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、無作為に配向する。
【0112】
(5.2.2非晶質シリコン又は多結晶シリコンをベースとした半導体接合部)
いくつかの実施態様において、図8Bを参照すると、半導体接合部406は、非晶質シリコンを含む。いくつかの実施態様において、これは、n/n型ヘテロ結合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、SnO2(Sb)を含み、層512は、非ドープ非晶質シリコンを含み、層510は、n+ドープ非晶質シリコンを含む。
【0113】
いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、p-i-n型接合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、p+ドープ非晶質シリコンであり、層512は、非ドープ非晶質シリコンであり、層510は、n+ドープ非晶質シリコンである。当該半導体接合部406は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第3章に記載されている。
【0114】
本出願のいくつかの実施態様において、半導体接合部406は、薄膜多結晶をベースとする。図8Bを参照すると、当該実施態様による一実施例において、層510は、pドープ多結晶シリコンであり、層512は、空欠多結晶シリコンであり、層514は、nドープ多結晶シリコンである。当該半導体接合部は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGreenの「シリコン太陽電池-進歩した原理及び実施(Silicon Solar Cells:Advanced Principles & Practice)」、Centre for Photovoltaic Devices and Systems、University of New South Wales、Sydney、1995;及びBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、57〜66頁に記載されている。
【0115】
本出願のいくつかの実施態様において、非晶質Si:H太陽電池におけるp型微結晶Si:H及び微結晶Si:C:Hをベースとした半導体接合部406が使用される。当該半導体接合部は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、66〜67頁及び本明細書に引用された参考文献に記載されている。
【0116】
本出願のいくつかの実施態様において、半導体接合部406は、直列接合である。直列接合は、例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているKimら、1989、「航空宇宙用途の軽量(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(Lightweight(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Aerospace and Electronic Systems Magazine、IEEE第4巻、第11号、1989年11月、23〜32頁;Deng、2005、「SiGe系三重極直列及び単一接合太陽電池(Optimization of a-SiGe based triple,tandem and single-junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、2005 Conference Record of the Thirty-first IEEE 3〜7、2005年1月、1365〜1370頁;Aryaら、2000、「非晶質シリコン系直列接合薄膜技術(Amorphous silicon based tandem junction thin-film technology:a manufacturing perspective)」、Photovoltaic Specialists Conference、2000.Conference Record of the Twenty-Eighth IEEE 15〜22、2000年9月、1433〜1436頁;Hart、1988、「GaAs/Ge太陽電池の高高度電流-電圧測定(High altitude current-voltage measurement of GaAs/Ge solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、764〜765頁、第1巻;Kim、1988、「高効率GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High efficiency GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、457〜461頁、第1巻;Mitchell、1988、「単一及び直列接合CuInSe2電池及びモジュール技術(Single and tandem junction CuInSe2 cell and module technology)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988年、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、1384〜1389頁、第2巻;及びKim、1989、「航空宇宙用途の高比出力(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High specific power(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Energy Conversion Engineering Conference、1989、IECEC-89、Proceedings of the 24th Intersociety 6〜11、1989年8月、779〜784頁、第2巻に記載されている。
【0117】
(5.2.3ガリウム砒素及び他のIII-V型材料をベースとした半導体接合部)
いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、ガリウム砒素(GaAs)又はInP、AlSb及びCdTeなどの他のIII-V型材料をベースとする。GaAsは、1.43eVのバンドギャップを有する直接バンドギャップ材料であり、約2ミクロンの厚さでAM1放射線の97%を吸収することができる。本出願の半導体接合部410として機能できる好適なIII-V型接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
【0118】
また、いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGee及びVirshup、1988、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、754頁に記載されているGaAs/Si機械的積層多接合、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているStanberyら、19th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、280頁及びKimら、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、1487頁に記載されているGaAs薄膜上部電池及びZnCdS/CuInSe2薄膜下部電池からなるGaAs/CuInSe2 MSMJ四端末デバイスなどのハイブリッド多接合太陽電池である。他のハイブリッド多接合太陽電池は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、131〜132頁に記載されている。
【0119】
(5.2.4テルル化カドミウム及び他のII-VI型材料をベースとした半導体接合部)
いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、n型又はp型の形で調製できるII-VI型化合物をベースとする。よって、いくつかの実施態様において、図8Cを参照すると、半導体接合部406は、層520及び540が、以下の表に示される任意の組合せ又はそれらの合金であるp-nヘテロ接合である。
【0120】
【表2】
II-VI化合物をベースとする半導体接合部406を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
【0121】
(5.2.5結晶シリコンをベースとした半導体接合部)
薄膜半導体膜から構成される半導体接合部406が好ましいが、本出願は、それに限定されない。いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、結晶シリコンをベースとする。例えば、図8Dを参照すると、いくつかの実施態様において、半導体接合部406は、p型結晶シリコン540の層及びn型結晶シリコン550の層をいくつかの実施態様において含む。結晶シリコン半導体接合部410を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第2章に記載されている。
【0122】
(5.3アルベド実施態様)
本出願の太陽電池ユニット270を太陽電池組立品に配置することができる。当該太陽電池組立品において、太陽電池ユニット270は、第1の面及び第2の面を有する平面を形成するように共平面列で配置される。これは、当該表面がそれら2つの面のいずれかを介して集光できるため有利である。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品における個々の太陽電池ユニット270の間に間隔が存在する。本出願のいくつかの実施態様において、これらの太陽電池組立品は、太陽電池組立品の周囲の表面がある量のアルベドを有する反射環境に配置される。アルベドは、表面又は本体の反射率の測度である。それは、反射した電磁放射線(EM放射線)のそれに入射した量に対する比である。この比は、通常は、0から100までの百分率で表される。いくつかの実施態様において、本出願の太陽電池組立品の近傍の表面は、当該表面を反射性白色に塗装することによって、それらが高いアルベドを有するように調製される。いくつかの実施態様において、高いアルベドを有する他の材料を使用することができる。例えば、当該太陽電池の周囲のいくつかの材料のアルベドは、ほぼ70%、80%、90%又はそれ以上である。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBoer、1977、Solar Energy 19、525を参照されたい。しかし、任意の量のアルベド(例えば50%以上、60%以上、70%以上)を有する表面が、本出願の範囲内である。一実施態様において、本出願の太陽電池組立品は、砂利の反射特性を向上させるために砂利が白色に塗装された砂利面上に列をなして配置される。概して、任意のランベルト又は拡散反射面を用いて、高アルベド面を提供することができる。本出願と併用できるアルベド表面のさらなる説明が、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/315,523号に開示されている。
【0123】
(5.4静的集光器)
封入太陽電池270を二面アレイに組み立てることができる。いくつかの実施態様において、本出願の太陽電池組立品の性能を向上させるために静的集光基を使用する。静的集光器を、例えば、適性に屈曲又は成形された単純なアルミニウムシート又はポリウレタン上の反射膜などの当該技術分野で知られている任意の静的集光器材料から形成することができる。本出願の太陽電池270に任意の(CPC)型集光器を使用することができる。(CPC)型集光器に関するさらなる情報については、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPereira及びGordon、1989、Journal of Solar Energy Engineering、111、111〜116頁を参照されたい。
【0124】
本出願に使用できるさらなる静的集光器は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているUematsuら、1999、Proceedings of the 11th International Photovoltaic Science and Engineering Conference、Sapporo、Japan、957〜958頁;Uematsuら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna、Austria,1570〜1573頁;Warabisakoら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna、Austria、1226〜1231頁;Eamesら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna Austria、2206〜2209頁;Bowdenら、1993、Proceedings of the 23rd IEEE Photovoltaic Specialists Conference、1068〜1072頁;及びParadaら、1991、Proceedings of the 10th EC Photovoltaic Solar Energy Conference、975〜978頁に開示されている。
【0125】
当該集光器のより詳細な説明は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているUematsuら、2001、Solar Energy Materials & Solar Cell 67、425〜434頁及びUematsuら、2001、Solar Energy Materials & Solar Cell 67、441〜448頁に見いだされる。本出願に使用できるさらなる静的集光器は、「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、2003、Luque and Hegedus(編)、Wiley & Sons、West Sussex、England、第12章に記載されている。
【0126】
(5.5内部反射器の実施態様)
例えば、図9に示される太陽電池ユニット270を配置して、太陽電池組立品を形成することができる。図9において、内部反射器1404を使用して、太陽電池組立品900への太陽光入力を向上させる。図9に示されるように、太陽電池ユニット270及び内部反射器1404を図示されるように交互アレイに組み立てる。太陽電池組立品900における太陽電池ユニット270は、対向電極420を有することができる。図9に示されるように、太陽電池組立品900は、複数の太陽電池ユニット270を含む。この複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニット270の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000個から100万個等の太陽電池402など)。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品900は、複数の内部反射器1404を含む。この複数の内部反射器における内部反射器1404の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000個から100万個等の内部反射器1404など)。
【0127】
太陽電池組立品900内において、内部反射器1404は、対応する太陽電池ユニット270に沿って長さ方向に延びる。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、中空基板コアを有する。当該基版は、当該デバイスを製造するのに必要な材料の量を減少させることによってコストを下げるため、多くの場合において有利である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、プラスチックケースに堆積された反射性の極めて高い材料(例えば、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、鋼等)の層を有するプラスチックケースである。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、鋼等で構成された単一の部品である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、金属箔テープに積層された金属又はプラスチックケースである。代表的な金属箔テープとしては、3Mアルミニウム箔テープ425、3Mアルミニウム箔テープ427、3Mアルミニウム箔テープ431及び3Mアルミニウム箔テープ439(3M(Minnesota(ミネソタ)州St.Paul))が挙げられるが、それらに限定されない。内部反射器1404は、広範囲な設計を採用することができ、そのうちの1つのみが図9に示されるものである。本出願のいくつかの実施態様に見いだされる反射器1404の設計の中心は、太陽電池組立品900の両側面(即ち側面920及び側面940)に入射する直接光を反射する必要性である。
【0128】
概して、本出願の反射器1404は、隣接する長形太陽電池402への光の反射を最適化するように設計される。太陽電池組立品900の1つの側面(例えば、図9に描かれた太陽電池組立品の平面の上方の側面920)に入射する直接光は、太陽から直接入射するのに対して、太陽電池の他方の側面(例えば、図9に描かれた太陽電池組立品の平面の下方の側面940)は、表面から反射されたものである。いくつかの実施態様において、この表面は、ランベルト、拡散又はインボリュート反射器である。したがって、太陽電池組立品の各側面は、異なる光環境に直面するため、側面920上の内部反射器1404の形状は、側面940上のそれと異なっていてもよい。
【0129】
図9では、内部反射器1404は、対称性四面断面形状を有するものとして示されているが、本出願の内部反射器1404の断面形状は、当該構成に限定されない。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、星状である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、線形である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、放物線状である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、凹面形である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、円形又は楕円形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、内部反射器上に拡散面を定める。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、太陽電池ユニット270の断面形状のインボリュートである。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、二面形、三面形、四面形、五面形又は六面形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器1404における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、小面である。
【0130】
いくつかの実施態様において、さらなるアダプタ部品によって、内部反射器1404と隣接する太陽電池ユニット270とが接続される。当該アダプタ部品は、当該部品間を密接に嵌合するために、内部反射器1404並びに太陽電池ユニット270の両方の形状と相補的な表面特徴を有する。いくつかの実施態様において、当該アダプタ部品は、内部反射器1404に固定される。他の実施態様において、アダプタ部品は、長形太陽電池ユニット270に固定される。さらなる実施態様において、太陽電池ユニット270と反射器1404の接続を導電性接着剤又はテープで強化することができる。
【0131】
拡散反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の側面は、拡散反射面である。拡散反射面は、観察者にとって方向依存性のない光を反射する。表面が微視的に粗いか滑らかであるかは、続く光線の反射に大きな影響を与える。拡散反射は、光の内部拡散、例えば光が吸収され、次いで再放射されること、及び物体の粗面からの外部散乱の組合せを起源とする。
【0132】
ランベルト反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の表面は、ランベルト反射面である。ランベルト光源は、ランベルトの余弦法則に従う光源、即ちそれを観察する角度の余弦に正比例する強度を有する光源として定義づけられる。よって、ランベルト面は、放射面の全表面積が、測定されている面積より大きいことを前提に、そのラジアンス(又はルミナンス)が、それを測定できるすべての方向で同じになる(例えば、ラジアンスは観察角度から独立する)ように入射放射線の拡散を均一にする表面として定義づけられる。
完全拡散面において、任意の小表面部品から所定の方向に発生する光の強度は、表面に対して直角の角度の余弦に比例する。ランベルト面の輝度(ルミナンス、ラジアンス)は、それが観察される角度にかかわらず一定である。
【0133】
入射光
【数1】
は、ランベルト面に衝突し、異なる方向に反射する。
【数2】
の強度をIinと定義すれば、反射光
【数3】
の強度(例えばIout)をランベルトの余弦法則に従って以下のように定義づけることができる。
【数4】
上式において、
【数5】
及びkdは、表面特性に関連する。入射角はθinと定義され、反射角はθoutと定義される。ベクトルドット積の式を用いて、反射光の強度を以下のように記すこともできる。
【数6】
上式において、
【数7】
は、ランベルト面に対して法線ベクトルを表す。
【0134】
当該ランベルト面は、入射光線を失わないが、表面の照明側で、2πラジアンの利用可能なすべての立体角でそれを再放射する。さらに、ランベルト面は、表面が任意の角度から均等な輝度で見えるように光を放射する。即ち、等しい投射面積が、等量の光束を放射する。これは理想的であるが、多くの実表面がそれに近い。例えば、ランベルト面を拡散白色塗料で生成することができる。当該典型的なランベルト面の反射率は、93%であってもよい。いくつかの実施態様において、ランベルト面の反射率は、93%より高くてもよい。いくつかの実施態様において、ランベルト面の反射率は、93%より低くてもよい。ランベルト面は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarshallの米国特許第6,257,737号;Sternの米国特許第6,661,521号;Parkynらの米国特許第6,603,243号において、照明を最適化するためにLED設計に広く使用されてきた。有利には、反射器1404上のランベルト面は、光をすべての方向に効果的に反射する。次いで、反射光を隣接する太陽電池ユニット270の方へ反射して、太陽電池の性能を向上させる。
【0135】
インボリュート面の反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の表面は、隣接する太陽電池ユニット270のインボリュート面である。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270は、円形又はほぼ円形である。内部反射器1404の反射器面は、好ましくは円のインボリュートである。円のインボリュートは、円の周りを回転する直線上の点によって追跡される経路と定義される。例えば、円のインボリュートを以下の工程で描くことができる。第1に、線を曲線上の点に接続する。第2に、線が接続点で曲線に接するように線を延長させる。第3に、線を巻き上げ、それを張りつめた状態にする。線の末端によって追跡された点の座位を本来の円のインボリュートと呼ぶ。本来の円を、そのインボリュート曲線のエボリュートと呼ぶ。
【0136】
概して、曲線は独自のエボリュートを有するが、開始点の異なる選択に対応する無制限に多くのインボリュートを有する。インボリュートを所定の曲線に対するすべての正接に直交する任意の曲線と考えることもできる。任意の時間tにおける半径rの円について、その式を以下のように記すことができる。
x=r cos t
y=r sin t
【0137】
よって、円のインボリュートのパラメータ式は、以下のようになる。
xi=r(cos t+t sin t)
yi=r(sin t-t cos t)
エボリュート及びインボリュートは、相互関数である。円のインボリュートのエボリュートは、円である。
【0138】
光反射を最適化するために、インボリュート面が多くの特許で具現化された。例えば、閃光ランプ反射器(その全体が参照により本明細書に組み込まれているDraggooの米国特許第4,641,315号)及び凹面形光反射器デバイス(その全体が参照により本明細書に組み込まれているRoseの米国特許第4,641,315号)は、ともに光反射効率を向上させるためにインボリュート面を利用している。
【0139】
太陽電池組立品。図9に示されるように、太陽電池ユニット270は、幾何学的に並列又はほぼ並列に配置される。いくつかの実施態様において、各内部反射器1404は、2つの太陽電池ユニット270に接続する。このため、当該実施態様における太陽電池ユニット270は、単一の複合デバイスに効果的に接合される。本出願に使用できる内部反射器についての詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第11/248,789号に開示されている。
【0140】
(5.6堆積法)
以下のサブセクションでは、太陽電池ユニット270における光電池700の個々の層を円周方向に堆積するのに使用できるそれぞれの製造技術を説明する。
(5.6.1化学蒸着)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層を化学蒸着によって堆積する。化学蒸着(chemical vapor deposition)(CVD)では、不活性なキャリアガスでしばしば希釈された蒸気相の構成要素が高温(典型的には300℃を超える温度)の表面で反応して、中実膜を堆積する。一般に、化学蒸着反応には、チャンバ又はウェハの加熱など、系に対するエネルギーの付加が必要である。化学蒸着、化学蒸着を実施するのに使用されるデバイス、及び窒化珪素の化学蒸着を実施するのに用いることができる処理条件に関するさらなる情報については、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、363〜393頁;及びMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、2002、144〜154頁、CRC Pressを参照されたい。
【0141】
(5.6.2減圧化学蒸着)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層を減圧化学蒸着(reduced pressure chemical vapor deposition)(RPCVD)によって堆積する。RPCVDは、典型的には、10Pa未満の圧力及び550℃〜600℃の範囲の温度で実施される。RPCVDに用いられる低圧により、拡散係数が大きくなり、基板への質量移動速度でなく、表面反応速度によって制限される層の成長をもたらす。RPCVDでは、典型的には、希釈せずに反応を利用することができる。RPCVDを例えば水平管高温壁反応器で実施することができる。
【0142】
(5.6.3低圧化学蒸着)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層を低圧化学蒸着(low pressure chemical vapor deposition)(LPCVD)又は極低圧CVDによって堆積する。LPCVDは、典型的には1Pa未満の圧力で実施される。
(5.6.4大気圧化学蒸着)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層を大気圧からわずかに減圧の化学蒸着によって堆積する。大気圧からわずかに減圧のCVD(APCVD)を用いて、例えば、を成長させる。APCVDは、大きな堆積速度及び低温(350℃〜400℃)で層を生成させるという利点を有する比較的単純な方法である。
【0143】
(5.6.5プラズマ励起化学蒸着)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層をプラズマ励起(プラズマ利用)化学蒸着(plasma enhanced chemical vapor deposition)(PECVD)によって堆積する。PECVDシステムは、低圧(例えば2〜5Torr)及び低温(300℃〜400℃)で動作する平行プレートチャンバを特徴とする。高周波誘導グロー放電又は他のプラズマ源を使用して、蒸着ガス中にプラズマ電界を誘発する。使用できるPECVDシステムとしては、水平垂直フローPECVD、円筒放射熱PECVD及び水平管PECVDが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、遠隔プラズマCVD(RPCVD)を使用する。遠隔プラズマCVDについては、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているSanoらの米国特許第6,458,715号に記載されている。
【0144】
(5.6.6陽極酸化)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層を陽極酸化によって堆積する。陽極酸化は、電解セルで実施される酸化処理である。陽極酸化される材料(例えば背面電極104)は、陽極(+)になり、貴金属は陰極(-)になる。陽極反応生成物の溶解性に応じて、不溶層(例えば酸化物)が生じる。一次酸化剤が水である場合は、得られる酸化物が一般的に多孔質であるのに対して、有機電解質は、優れた不活性化を与える非常に高密度な酸化物をもたらす。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouら、1982、J.Electrochem.Soc.129、2749〜2752頁を参照されたい。
【0145】
(5.6.7ゾルゲル堆積技術)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層をゾルゲル法によって堆積する。ゾルゲル法では、ガラス又はセラミック層104の加熱により溶媒が除去されると、液体(ゾル)中のコロイド懸濁物における化学前駆体である中実粒子がゼラチン網(ゲル)を形成する。ゾル形性及びゲル形性はともに低温プロセスである。ゾル形成では、適切な化学前駆体を液体に溶解させる。例えばテトラエチルシロキサン(TEOS)を水に溶解させる。次いで、ゾルをそのゲル点、即ちゾルが粘性液からゼラチン状重合網に急激に変化する相状態図の点に至らせる。ゲル状態において、材料を成形する(例えば繊維又はレンズ)、或いは紡糸、浸漬又は噴霧によって基板に塗布する。TEOSの場合は、塩酸を触媒として加水分解又は縮合によってシリカゲルを形成する。200℃から600℃の温度で乾燥及び焼結すると、ゲルがガラスに変化し、究極的に二酸化珪素になる。
【0146】
(5.6.8プラズマ溶射技術)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層をプラズマ溶射法によって堆積する。プラズマ溶射により、ほぼあらゆる材料を多くの種類の基板に塗布することができる。プラズマ溶射は、粒子堆積法である。直径数ミクロンから100ミクロンの粒子を供給源から基板に輸送する。プラズマ溶射において、棒形陰極とノズル状水冷陽極の間で高密度のプラズマアークを動作させる。陰極に沿って空気圧で供給されるプラズマガスをアークからプラズマ温度で加熱して、プラズマジェット又はプラズマフレームとして陽極ノズルを残す。アルゴン及びアルゴンと他の希ガス(He)又は分子ガス(H2、N2、O2等)との混合物がプラズマ溶射にしばしば使用される。キャリアガスに懸濁した微粉末をプラズマジェットに注入し、粒子を加速及び加熱させる。プラズマジェットは、20,000Kの温度及び1000ms-1までの速度に達することができる。粒子表面の温度は、プラズマ温度より低く、プラズマガスにおける滞留時間は非常に短い。表面温度が低く、持続時間が短いため、溶射粒子がガスプラズマで気化するのが防止される。プラズマ中の粒子は、電子及びイオンの熱速度が異なるため負電荷を帯びる。溶融粒子が高速で基板に当たると、拡散し、凍結し、多少高密度の被膜、典型的には基板との良好な接着層を形成する。プラズマ溶射装置は、Sulzer Metco(スイスWinterthur)から入手可能である。プラズマ溶射に関するさらなる情報については、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、2002、157〜159頁、CRC Pressを参照されたい。
【0147】
(5.6.9インクジェット印刷)
いくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層をインクジェット印刷によって堆積する。インクジェット印刷は、市販のインクジェット印刷と同じ原理に基づく。インクジェットノズルを、化学溶液が充填された液溜めに接続し、コンピュータ制御されたx-yステージの上に配置する。目標物体をx-yステージに配置し、ノズルを通じて液滴(例えば、直径50ミクロン)を、物体上の明確に確定された場所に噴射する。異なるノズルによって、異なるスポットを平行に印刷することができる。本出願の一実施態様において、数ピコリットルの液滴のバブルジェットを使用して、光電池700の層を形成する。別の実施態様において、熱インクジェット(Hewlett Packard(California(カリフォルニア)州Palo Alto))を使用して、光電池700の層を形成する。熱インクジェットでは、抵抗器を使用して、液体インクの薄層を迅速に加熱する。過熱蒸気爆発は、インクのわずかな部分を気化させて、インクの液滴をインクカートリッジから基板に放出する膨張バブルを形成する。本出願のさらに別の実施態様において、圧電インクジェットヘッドをインクジェット印刷に使用する。圧電インクジェットヘッドは、導入口及び他端のノズルを有する液溜めを含む。液溜めの1つの壁は、圧電結晶が付着した薄隔膜からなる。結晶に電圧が印加されると、横方向に収縮するため、隔膜を屈折させ、流体の小滴をノズルから放出する。次いで、液溜めは、毛管作用により導入口を介して充填される。結晶に印加された電圧パルス毎に1つ及び唯一の液滴が放出されるため、液滴が放出された場合に完全制御が可能になる。本出願のさらに別の実施態様において、エポキシ供給システムを使用して、太陽電池の層を堆積する。エポキシ供給システムの例は、Ivek Digispense 2000(Ivek Corporation(Vermont(バーモント)州North Springfield))である。ジェット溶射に関するさらなる情報については、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、2002、164〜167頁、CRC Pressを参照されたい。
【0148】
(5.6.10真空蒸着)
本出願の一実施態様において、光電池700の1つ以上の層を真空蒸着によって堆積する。真空蒸着は、排気されたチャンバの内部で生じる。チャンバは、例えば、石英ベルジャー又はステンレス鋼筐体であり得る。チャンバ内には、金属源を蒸着させる機構、ウェハホルダ、シャッタ、厚さ及び速度モニタ及びヒータが存在する。チャンバは、真空ポンプに接続される。フィラメント蒸着、電子ビーム銃蒸着及びホットプレート蒸着を含む、チャンバ内で金属を蒸発させることができるいくつかの異なる方法が存在する。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、407〜411頁を参照されたい。
【0149】
(5.6.11スパッタリング蒸着/物理蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をスパッタリングによって堆積する。スパッタリングは、蒸着と同様に、真空中で生じる。しかし、それは、物理的方法であって、化学的方法(蒸着は化学的方法である)でないため、物理蒸着と呼ばれる。真空チャンバ内には、所望の膜材料のターゲットと呼ばれるスラブが存在する。ターゲットは、電気的に接地される。アルゴンなどの不活性ガスをチャンバに導入し、正電荷にイオン化させる。正に帯電したアルゴン原子を、接地されたターゲットに引きつけ、その方向へ加速させる。
【0150】
加速時に、それらは運動量を得て、ターゲットに衝突し、ターゲット原子を散乱させる。即ち、アルゴン原子は、ターゲットの原子及び分子をチャンバ内に「追いやる」。スパッタリングされた原子又は分子は、チャンバ内で散乱し、そのいくつかがウェハに付着する。スパッタリング法の主たる特徴は、ターゲット材料が化学変化又は組成変化を起こしながらウェハに堆積されることである。本出願のいくつかの実施態様において、直流電流(DC)ダイオードスパッタリング、高周波(RF)ダイオードスパッタリング、三極スパッタリング、DCマグネトロンスパッタリング又はRFマグネトロンスパッタリングが用いられる。例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、411〜415頁、米国特許第5,203,977号、米国特許第5,486,277号、米国特許第5,742,471号を参照されたい。
【0151】
RFダイオードスパッタリングは、電気的に絶縁された陰極が、排気し、不活性ガスを部分的に充填できるチャンバ内に装着される真空コーティング法である。陰極材料が電線管である場合は、直流高電圧電源を使用して、高電圧電位を印加する。陰極が電気絶縁体である場合は、電極の極性を非常に高い周波数で逆転させて、イオンボンバードプロセスを停止させる陰極上の正電荷の形成を防止する。電極の極性が高周波で逆転されるため、この方法は、I33スパッタリングと呼ばれる。マグネトロンスパッタリングは、異なる形のスパッタリングである。マグネトロンスパッタリングは、磁界を使用して、ターゲット表面付近の領域に電子を閉じ込めるため、気体原子をイオン化させる確率を高める。ターゲット表面付近で生じた高密度のイオンは、ダイオードスパッタリングよりも高速で何度も材料を除去させる。マグネトロン効果は、電解に直角な磁界を生成する陰極組立品の内部に含まれる永久磁石のアレイによって生じる。
【0152】
(5.6.12コリメートスパッタリング)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をコリメートスパッタリングによって堆積する。コリメートスパッタリングは、金属の到達がウェハ表面に直角になるスパッタリング法である。角度を有する金属原子を効果的に遮断する厚いハニカム格子によって金属をコリメートすることができる。或いは、金属原子をイオン化させ、それらをウェハの方へ引きつけることで、金属をコリメートすることができる。コリメートスパッタリングは、高アスペクト比の接触子の充填を向上させる。
【0153】
(5.6.13レーザ溶発蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をレーザ溶発蒸着によって堆積する。レーザ溶発蒸着の一形態では、レーザ溶発法のために、回転する円筒状ターゲット表面を設ける。ターゲットを、円筒表面ターゲットの縦軸の回りを回転させると同時に縦軸に沿って並進させることができるように、真空チャンバ内に装着する。縦軸に対してある角度の線に沿って、レーザ光線を円筒レンズによりターゲット表面に集中させて、溶発材料のプルームを放射状アークに拡散させる。凹面又は凸面の側方ターゲット表面を設けることによって、プルームを縦方向に拡散させる。集中レーザ光線の入射角をターゲット表面に対する直角以外の角度として、視射的な幾何学構造を与えることができる。縦軸の回りを回転させると同時にそれに沿って並進させることで、円筒状ターゲット表面全体の滑らかで均一な溶発及び安定した蒸発プルームがもたらされる。滑らかなターゲット表面を維持することは、レーザ溶発プロセス中の微粒子の望ましくないスプラッシュを抑えることによって、高品質の薄膜を堆積するのに有用である。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,049,405号を参照されたい。
【0154】
(5.6.14分子線蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層を分子線蒸着によって堆積する。分子線蒸着は、1つ以上の分子線を基板に誘導することによって、真空条件下で膜を成長させる方法である。いくつかの実施態様において、分子線蒸着は、典型的には、1つ以上の分子線と基板との反応又は線粒子の基板上への堆積を含む方法による単一結晶基板へのエピタキシャル膜成長を含む。「分子線」という用語は、単原子種並びに多原子種の線を指す。「分子線蒸着」という用語は、エピタキシャル成長法及び非エピタキシャル成長法の双方を含む。分子線蒸着は、単純な真空蒸着の変形である。しかし、分子線蒸着は、真空蒸着より、基板に入射する種に対する制御が良好である。入射種に対する良好な制御は、可能な低速成長速度と相俟って、厳密に確定される組成(ドーパント濃度を含む)を有する薄層の成長を可能にする。液相エピタキシ又は化学蒸着などの他の成長技術と比較して、成長が全体的に比較的低い基板温度で生じることによって組成制御が支援され、拡散法は、非常に遅い。
【0155】
実質的に任意の層組成及びドーピングプロファイルを、層厚の厳密な制御によって得ることができる。実際、MBEによって、単層と同程度の厚さの層を成長させる。また、比較的低い成長温度は、より高温の成長技術で使用できない材料の成長及び基板材料の使用を可能にする。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,681,773号を参照されたい。
【0156】
(5.6.15イオン化物理蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をイオン化金属プラズマ(ionized metal plasma)(IMP)としても知られるイオン化物理蒸着(ionized physical vapor deposition)(I-PVD)によって堆積する。I-PVDでは、金属原子を高密度プラズマ中でイオン化させる。金属をイオン化させると、ウェハ表面に垂直な電解によって金属を誘導する。ターゲットからのスパッタリングによって金属原子をプラズマに導入する。高密度プラズマを誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma)(ICP)源によって反応器の中央容量に生成させる。電子密度は、ウェハ表面に入射する金属原子の約80%をイオン化するのに十分なものとする。プラズマのイオンをプラズマシースによって加速させ、ウェハの表面でコリメートする。シースは、ウェハ表面に誘導される高密度電解の領域である。高周波バイアスを印加することによって電界強度を制御する。
【0157】
(5.6.16イオン線蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をイオン線蒸着(ion beam deposition)(IBD)によって堆積する。IBDは、接地された金属又は誘電スパッタリングターゲットに慎重に集中されたエネルギー性の広線イオン源を使用する。ターゲットからスパッタリングされた材料は、付近の基板に堆積して、膜を生成する。たいていの用途では、基板に誘導されて、成長膜の表面にエネルギー性貴イオン又は反応性イオンを供給するイオンアシスト源(ion assist source)(IAD)と称する第2のイオン源も使用される。イオン源は、「格子」イオン源であり、典型的には、独立した電子源で中和される。IBD処理は、膜厚及び特性の優れた制御及び再現性をもたらす。IBDシステムにおけるプロセス圧力は、約10-4Torrである。したがって、イオン源によって供給されたイオン又は表面のターゲットからスパッタリングされた材料の散乱が極めて小さい。マグネトロン又はダイオードシステムを使用するスパッタリング蒸着と比較して、IBDによるスパッタリング蒸着は、方向性が強く、エネルギー性が強い。回転し、角度を変える基板固定具と組み合わせると、IBDシステムは、側壁コーティング、溝充填及び離昇プロファイルに対する広範な制御をもたらす。
【0158】
(5.6.17原子層蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層を原子層蒸着によって堆積する。原子層蒸着は、原子層エピタキシ、連続層蒸着及びパルスガス化学蒸着としても知られる。原子層蒸着は、自己制限的表面反応に基づく前駆体の使用を含む。一般に、物体を、該物体に単層として堆積する第1の種に接触させる。次いで、単層を第2の種に接触させて、完全反応層+気体副産物を形成する。典型的には、所望の厚さが達成されるまでそのプロセスを繰り返す。原子層蒸着及びそれを実施するための様々な方法が、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている「複合薄膜の製造方法(Method for Producing Compound Thin Films)」という題名のSuntolaらの米国特許第4,058,430号、「複合薄膜を成長させる方法(Method for Performing Growth of Compound Thin Films)」という題名のSuntolaらの米国特許第4,413,022号(Ylilammi)及びGeorgeら、1996、J.Phys.Chem.100、13121〜13131頁に記載されている。原子層蒸着は、また、せいぜい単層の堆積をもたらすように堆積を自己制限させる制御条件下で実施される化学蒸着処理として記載されてきた。単層の堆積は、膜厚を厳密に制御し、複合材料層の均一性を向上させる。Endura Integrated Cu Barrier/Seedシステム(Applied Materials(California(カリフォルニア)州Santa Clara))などの装置を使用して、原子層蒸着を実施することができる。
【0159】
(5.6.18熱フィラメント化学蒸着)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層を熱フィラメント蒸着(hot filament chemical vapor deposition)(HFCVD)によって堆積する。HFCVDでは、反応性ガスを加熱フィラメントに流して、後に基板表面に衝突する前駆体種を形成することで、高品質膜を堆積する。HFCVDは、ダイアモンド、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化ホウ素並びに非晶質窒化珪素を含む広範な膜を成長させるのに用いられてきた。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているDeshpandeら、1995、J.Appl.Phys.77、6534〜6541頁を参照されたい。
【0160】
(5.6.19スクリーン印刷)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層をスクリーン印刷(シルクスクリーンとしても知られる)法によって堆積する。スクリーン上のエマルジョンの開口部を介して、ペースト又はインクを下部構造の一部に押しつける。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているLambrechts及びSansenの「バイオセンサ:マイクロ電気化学デバイス(Biosensors:Microelectrochemical Devices)」、The Institute of Physics Publishing、Philadelphia、1992を参照されたい。ペーストは、対象の材料と有機結着剤と溶媒との混合物からなる。有機結着剤は、ペーストの流動特性を決定づける。接着剤は、粒子同士及び粒子と基板を接着させる。活性粒子は、インクを導体、抵抗体又は絶縁体にする。ペーストをスキージによってマスク開口に通すことによって、スクリーンエマルジョンにおけるリソグラフパターンを下部構造の一部に転写させる。第1の工程において、ペーストをスクリーンに塗りつける。次いで、スキージが下降し、スクリーンを基板に押しつけ、その水平移動時にスクリーンの開口にペーストを通す。最終工程を通じて、スクリーンが回復し、スクリーニングフレームと基板を接着する厚膜ペーストがずれて、印刷パターンが基板に形成される。該方法の分解能は、スクリーンの開口及びペーストの性質に依存する。325メッシュのスクリーン(即ち1インチ当たり325個のワイヤ又は40μMの穴)及び典型的なペーストによって、100μMの位置分解能を得ることができる。
【0161】
印刷が困難なペーストについては、開口を有する薄い金属箔などの陰影マスクで該方法を補完することができる。しかし、この方法の分解能は劣る(500μM未満である)。印刷後、湿った膜を一定時間(例えば15分間)にわたって安定させて、乾燥させながら表面を平らにすることが可能である。これにより、ペーストから溶媒が除去される。続く着火によって有機結着剤を燃焼除去し、金属粒子を還元又は酸化させ、ガラス粒子を焼結させる。典型的な温度は、500℃から1000℃である。着火後、得られた層の厚さは、10μMから50μMである。1つのシルクスクリーニング装置は、DEK4265(Universal Instrument Corporation(New York(ニューヨーク)州Binghamton))である。スクリーン印刷に使用できる市販のインク(ペースト)としては、導電性材料(例えば、Au、Pt、Ag/Pd等)、抵抗性材料(例えば、RuO2、IrO2)、上絵材料及び誘電材料(例えば、Al2O3、ZrO2)が挙げられる。導電性ペーストは、Ag、Pd、Au又はPtなどの金属粒子或いはこれらとガラスを組み合わせた混合物をベースとする。抵抗性ペーストは、RuO2又はBi2Ru2O7とガラスの混合物(65% PBO、25%SiO2、10%Bi2O3)をベースとする。
【0162】
抵抗は、混合比によって決まる。上絵及び誘電ペーストは、ガラス混合物をベースとする。ペースト組成を調節することによって異なる溶融温度を達成することができる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、CRC Press、Boca Raton、Florida、2002、154〜156頁を参照されたい。
【0163】
(5.6.20無電解金属メッキ)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層(例えば背面電極104)を無電解金属メッキによって堆積する。無電解メッキでは、電圧を印加しない化学的手段によって層を設ける。無電解メッキ浴を使用して、Au、Co-P、Cu、Ni-Co、Ni-P、Pd又はPt層を形成することができる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、CRC Press、Boca Raton、Florida、2002、344〜345頁を参照されたい。
【0164】
(5.6.21電気メッキ)
本出願の別の実施態様において、光電池700の1つ以上の層を電気メッキによって堆積する。電気メッキは、電解セルで行われる。電気メッキにおいて生じる反応は、強制バイアス下での電流の流れを必要とする。いくつかの実施態様において、食刻装飾法の一部として層を堆積する。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、CRC Press、Boca Raton、Florida、2002、346〜357頁を参照されたい。
【0165】
(5.7リソグラフエッチング法)
本出願のいくつかの実施態様において、光電池700の1つ以上の層をパターン化することによって、溝及び/又はバイアダクトを形成する。いくつかの実施態様において、半導体フォトリソグラフフォトレジストコーティング及び光学マスクを介する光学撮像によって当該層をパターン化することによって、溝(例えば、図2の溝292、294、296及び/又は298)を形成する。
【0166】
本出願によるフォトリソグラフ処理の1つの形は、パターン化される光電池700の層に対するレジスト層のコーティングから始まる。このレジスト層を形成するのに使用するレジストは、典型的には、溶液から塗布される有機ポリマーで構成される。いくつかの実施態様において、このレジスト層は、0.1μmから2.0μmの範囲の厚さを有する。また、いくつかの実施態様において、レジスト層は、±0.01μmの均一性を有する。いくつかの実施態様において、レジスト層は、静的スピン法などのスピン技術又は動的分配法を用いて塗布される。いくつかの実施態様において、レジスト層は、手動スピンナ、移動アームレジストディスペンサ又は自動スピンナを使用して塗布される。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、217〜222頁を参照されたい。
【0167】
いくつかの実施態様において、レジスト層は、紫外線又はレーザ源と反応するように設計された光レジストである。いくつかの実施態様において、レジスト層は、レジストのポリマーが、露光されるとエッチ抵抗性を有する架橋材料を形成するネガティブレジストである。レジスト層を構成するのに使用できるネガティブレジストとしては、アジデリソプレンネガティブレジスト、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメチルイソプロピルケトン(PMIPK)、ポリ-ブテン-1-スルホン(PBS)、ポリ-(クロロアクリル酸トリフルオロエチル)TFECA、コポリマー-(V-シアノアクリル酸エチル-V-アミドアクリル酸エチル)(COP)及びポリ-(2-メチルペンテン-1-スルホン)(PMPS)等が挙げられるが、それらに限定されない。他の実施態様において、レジスト層は、ポジティブレジストである。ポジティブレジストは、比較的不溶性である。適正な光エネルギーに曝された後、レジストは、より可溶性の状態になる。この反応を光可溶化と呼ぶ。本出願による1つのポジティブフォトレジストは、フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂とも呼ばれるフェノールホルムアルデヒドポリマーである。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているDeForestの「フォトレジスト:材料及び方法(Photoresist:Materials and Processes)」、McGraw-Hill、New York、1975を参照されたい。いくつかの実施態様において、レジスト層は、LOR OSA、LOR 5 0.7A、LOR IA、LOR 3A又はLOR 5A(MICROCHEM(Massachusetts(マサチューセッツ)州Newton))である。LOR離昇レジストは、ポリジメチルグルタルイミドを使用する。
【0168】
レジスト層が塗布された後、後の処理を維持するのに密度がしばしば不十分になる。よって、本出願のいくつかの実施態様において、ベークを用いて、レジスト層の密度を高め、残留溶媒を除去する。このベークは、ソフトベーク、プレベーク又は塗布後ベークと呼ばれる。本出願では、熱対流加熱炉、赤外線加熱炉、マイクロ波加熱炉又はホットプレートを含むが、それらに限定されないレジスト層焼成方法が考えられる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているLevinsonの「リソグラフィの原理(Principles of Lithography)」、SPIE Press、Bellingham、Washington、2001、68〜70頁を参照されたい。
【0169】
スペーサにレジスト層を塗布した後、次の工程は、レジスト層の位置合せ及び露光である。位置合せ及び露光は、その名称が暗示するように、二目的フォトマスキング工程である。位置合せ及び露光工程の第1の部分は、太陽電池表面への必要な画像の配置又は位置合せである。画像はマスク上に現れる。第2の部分は、露光源又は放射線源からのレジスト層における画像のコード化である。本出願において、接点アライナ、近接アライナ、操作式投影アライナ、ステッパ、ステップスキャンアライナ、x線アライナ及び電子線アライナを含むが、それらに限定されない任意の従来の位置合せシステムを使用して、マスクをレジスト層と位置合わせすることができる。本出願において使用できるアライナの詳細については、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているSolid State Teclznology、1993年4月、26頁;及びVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、232〜241を参照されたい。マスクは、ネガティブ又はポジティブであり得る。
【0170】
ポジティブレジストを現像するのに使用されるポジティブマスク(不図示)は、ネガティブマスクの反対のパターンである。本出願の方法に使用されるネガティブマスク及びポジティブマスクの双方をウェハ処理に用いられる技術と同様の技術で作製する。ガラス基板に堆積された不透明膜(通常クロム)からなるフォトマスクブランクをレジストで被覆する。レジストを所望のパターンに従って露光し、次いで現像し、露光された不透明材料をエッチングする。好適にフォーマットされたバイオセンサ電極パターンに従ってマスクブランクを露光するツールであるビームライターを利用してマスクパターン化を遂行する。いくつかの実施態様において、電子又は光ビームライターを使用して、ネガティブマスク又はポジティブマスクをパターン化する。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているLevinsonの「リソグラフィの原理(Principles of Lithography)」、SPIE Press、Bellingham、Washington、2001、229〜256頁を参照されたい。
【0171】
本出願の一実施態様において、マスクのパターンを太陽電池ユニットに投射するのに使用するツールは、ウェハステッパである。ウェハステッパは、ステップリピート及びステップスキャンの2つの構成で存在する。ステップリピートシステムでは、シャッタが開かれると、露光すべきマスクの全領域が照明される。ステップスキャンシステムでは、シャッタが開かれると、マスクの一部のみが露光されるため、太陽電池ユニットにおける露光フィールドの一部のみが露光される。マスク及び太陽電池ユニット270を同時にスキャンすることによって全フィールドを露光する。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているLevinsonの「リソグラフィの原理(Principles of Lithography)」、SPIE Press、Bellingham、Washington、2001、133〜174頁を参照されたい。
【0172】
マスクを介して露光した後、溝及び/又はバイアを露光又は非露光レジストの領域としてのレジストにおける潜像としてコードする。パターンを非重合レジスト領域の化学溶解によってレジストに現像して、図2〜6に示される構造を形成する。いくつかの現像技術を用いて、レジストを現像することができる。現像技術は、マスク又はレチクル上に存在したパターンの正確なコピーをレジスト層に残すように設計される。レジストでコードされた画像の良好な現像は、レジストの露光機構の性質に依存する。
【0173】
ネガティブレジストは、露光されると、現像剤化学物質への溶解に対する抵抗性をレジストに付与する重合のプロセスを受ける。2つの領域間の溶解速度は、層が重合領域からほとんど失われないほど大きい。たいていのネガティブレジスト現像状況に好ましい化学物質は、キシレン又はストッダート溶媒である。現像工程は、化学現像剤、そして次にリンスによって行われる。ネガティブレジストでは、リンス化学物質は、通常酢酸n-ブチルである。
【0174】
ポジティブレジストは、異なる現像条件を示す。2つの領域、即ち重合領域及び非重合領域は、異なる溶解速度を有する。これは、現像工程中に、一部のレジストが常に重合領域から失われることを意味する。強すぎる現像剤又は現像時間が不必要に長い現像剤を使用すると、レジスト許容不可能な薄さになり得る。本出願によるポジティブレジストに使用される2種類の化学現像剤は、アルカリ性水溶液及び非イオン性溶液である。アルカリ性水溶液は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであり得る。典型的な非イオン性溶液としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)が挙げられるが、それらに限定されない。ポジティブレジスト現像剤のためのリンス化学物質は、水である。リンスは、ポジティブレジスト及びネガティブレジストの双方に使用される。このリンスを使用して、現像剤化学物質を迅速に希釈して、現像作用を停止する。
【0175】
潜像を現像するために現像剤をレジストに塗布することができるいくつかの方法が存在する。当該方法としては、浸漬、噴霧現像及びパドル現像が挙げられるが、それらに限定されない。本出願のいくつかの実施態様において、湿式現像法を用いない。その代わり、乾式(プラズマ)現像を用いる。当該乾式法において、プラズマエッチング装置は、活性化されたイオンを使用して、レジスト層の露光部又は非露光部を化学的に溶解除去する。本出願のいくつかの実施態様において、レジストを現像した後にハードベーキングする。ハードベーキングの目的は、パターン化される下部層に対するレジスト層の良好な接着を達成することである。熱対流加熱炉、インライン若しくはマニュアルホットプレート、赤外線トンネル加熱炉、移動ベルト熱対流加熱炉及び真空加熱炉等を使用して、ハードベーキングを遂行することができる。一般的なベーキング温度及びベーキング時間がレジスト製造によって提示される。したがって、具体的なベーキング温度及び時間は、用途に応じて決まる。公称ハードベーキング温度は、対流加熱炉で30分間にわたって130℃から200℃である。
【0176】
現像後、エッチング工程をパターン化に用いる。いくつかのエッチング法が利用可能である。
湿式エッチング。本出願の一実施態様において、パターン化される構造を特定の時間にわたってエッチング液の槽に浸す。次いで、構造を酸除去のリンスステーションに移し、最終リンス及びスピン乾燥工程のためのステーションに移す。
【0177】
湿式噴霧エッチング又は蒸気エッチング。本出願のいくつかの実施態様において、湿式噴霧エッチング又は蒸気エッチングをパターン化に使用する。湿式噴霧エッチングは、浸漬エッチングと比べて、噴霧の機械的圧力から獲得される鮮明度の付加を含むいくつかの利点を提供する。蒸気エッチングでは、ウェハをハイドロフロー(hydroflowic)酸蒸気などのエッチング液蒸気に接触させる。
【0178】
プラズマエッチング。本出願のいくつかの実施態様において、プラズマエッチングを用いる。プラズマエッチングは、気体及びプラズマエネルギーを使用して化学反応を生じさせる化学処理である。プラズマエッチングは、プラズマエッチング装置を使用して実施される。物理的には、プラズマエッチング装置は、チャンバ、真空系、ガス供給源及び電源を含む。エッチングされる構造をチャンバに充填し、真空系によって内部を減圧する。真空になったら、チャンバに反応ガスを充填する。二酸化珪素のエッチングでは、例えば、ガスは、通常、酸素と混合されるCF4である。電源は、チャンバ内の電極を通じて高周波(RF)電界を生成する。電界は、気体混合物を活性化してプラズマ状態にする。活性化状態において、フッ素が二酸化珪素を攻撃して、真空系によって系から除去される揮発性成分に変換する。
【0179】
本出願の様々な実施態様によれば、広範なプラズマエッチング装置を使用して、エッチングを実施することができる。当該エッチング装置としては、円筒型エッチング装置、プラズマ平面システム、電子サイクロトロン共鳴源、高密度反射電子源、ヘリコン波源、誘導結合プラズマ源及びトランス結合プラズマ源が挙げられるが、それらに限定されない。
【0180】
イオン線エッチング。本出願の様々な態様によるスペーサのエッチングを実施するのに使用できる別の種類のエッチング装置は、イオン線エッチングである。イオン線エッチングは、化学プラズマシステムと異なり、物理的方法である。エッチングすべき構造を真空チャンバ内のホルダに配置し、アルゴン流をチャンバに導入する。アルゴンは、チャンバに入ると、陰極(-)-陽極(+)電極の集合体からの高エネルギー電子流に曝される。電子は、アルゴン原子をイオン化して、正電荷を有する高エネルギー状態にする。ウェハは、イオン化されたアルゴン原子を引きつける負に接地されたホルダに保持される。アルゴン原子は、ウェハホルダに移動しながら加速され、エネルギーを得る。ウェハ表面において、それらは、露出したウェハ層に衝突し、ウェハ表面から少量を追い出す。アルゴン原子とウェハ材料との間に化学反応は生じない。材料の除去(エッチング)は、方向性(異方性)が強いため、小さい開口における鮮明度が良好になる。
【0181】
反応性イオンエッチング。エッチングを実施するのに使用できるさらに別の種類のエッチング装置は、反応性イオンエッチング装置である。反応性イオンエッチング装置システムは、プラズマエッチング原理とイオン線エッチング原理とを組み合わせたものである。それらのシステムは、プラズマシステムと構造が類似するが、イオンミリングの機能を有する。その組合せは、方向性イオンミリングの利点とともに、化学プラズマエッチングの利点をもたらす。本出願により使用できるエッチング技術及びエッチング装置に関するさらなる情報については、その全体が参照により本明細書に組み込まれているVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000、256〜270頁を参照されたい。
【0182】
残留層の除去。上記エッチング方の結果は、溝(例えば、図2の溝292、294、296及び298)の形成である。次に、パターン化された構造を生成するために、レジストストリッピングとして知られる方法で残留層を除去する。いくつかの実施態様において、レジストをH2SO4などの強酸又はH2SO4-Cr2O3などの酸-酸化剤複合物で剥がし、溝を除くレジストを攻撃して、完全にパターン化された構造を生成する。他の液体ストリッパとしては、有機溶媒ストリッパ(例えば、フェノール有機ストリッパ及び溶媒ラミンストリッパ)並びにアルカリストリッパ(酸化剤を含む、又は含まない)が挙げられる。本出願のいくつかの実施態様において、乾式プラズマ法を用いて、レジストを除去する。当該実施態様において、パターン化された太陽電池ユニット280をチャンバ内に配置し、酸素を導入する。プラズマ電界は、酸素を活性化して、高エネルギー状態にし、それが次にレジスト成分を酸化して気体にし、それらが真空ポンプによってチャンバから除去される。乾式ストリッパでは、プラズマをマイクロ波、高周波又は紫外線-オゾン源によって生成する。光電池ユニット270をパターン化するのに使用できるフォトリソグラフ法に関するさらなる情報は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第2版、CRC Press、Boca Raton、Florida、2002、2〜65頁;及びVan Zantの「マイクロチップ製造(Microchip Fabrication)」、第4版、McGraw-Hill、New York、2000に見いだされる。当該方法としては、ネガティブフォトレジストでなくポジティブフォトレジストを使用すること、並びに極紫外リソグラフ法、x線リソグラフ法、帯電粒子線リソグラフ法、走査プローブリソグラフ法、ソフトリソグラフ法及び三次元リソグラフ法が挙げられる。
【0183】
(5.8代表的な寸法)
図2Kに示されるように、太陽電池ユニット270は、その断面の幅に比べて大きい長さlを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270は、10ミリメートル(mm)から100000mmの長さl及び3mmから10000mmの幅dを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、10mmから5000mmの長さl及び10mmから1000mmの幅dを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270は、40mmから15000mmの長さl及び10mmから50mmの幅dを有する。
【0184】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270は、図2Kに示されるように長形であってもよい。図2Kに示されるように、長形太陽電池ユニット270は、縦寸法l及び幅寸法dを有することを特徴とするものである。長形太陽電池ユニット270のいくつかの実施態様において、縦寸法lは、幅寸法dの少なくとも4倍、少なくとも5倍又は少なくとも6倍である。いくつかの実施態様において、長形光電池デバイスの縦寸法lは、10センチメートル以上、20センチメートル以上又は100センチメートル以上である。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット270の幅d(例えば直径)は、5ミリメートル以上、10ミリメートル以上、50ミリメートル以上、100ミリメートル以上、500ミリメートル以上、1000ミリメートル以上又は2000ミリメートル以上である。
太陽電池ユニット270の光電池700は、様々な方法で製造され、様々な厚さを有し得る。本明細書に記載されている光電池700は、所謂厚膜半導体構造又は所謂薄膜半導体構造であってもよい。
【0185】
(6.引用参考文献)
本明細書に引用されているすべての参考文献は、個々の文献又は特許若しくは特許出願が、あらゆる目的でその全体が参照により組み込まれていることが具体的且つ個別に示されるのと同じ範囲で、その全体が参照により、あらゆる目的で本明細書に組み込まれている。
当業者に理解されるように、本出願の主旨及び範囲を逸脱することなく多くの改質及び変更を加えることができる。本明細書に記載されている具体的な実施態様は、例示のみを目的とし、本出願は、添付の請求項に権利が与えられた全範囲の均等物とともに添付の請求項の用語によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0186】
(4.図面の簡単な説明)
同じ参照番号は、図面のいくつかの図の全体を通じて対応する部分を指す。寸法は、一定の縮尺で描かれていない。
【図1】先行技術による相互接続太陽電池を示す図である。
【図2A】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2B】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2C】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2D】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2E】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0187】
【図2F】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2G】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2H】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2I】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2J】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図2K】本出願によるカスケード技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0188】
【図3A】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3B】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3C】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3D】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3E】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3F】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3G】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図3H】本出願による第1の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0189】
【図4A】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図4B】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図4C】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図4D】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図4E】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図4F】本出願による第2の支柱吸収体技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0190】
【図5A】本出願による第1の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図5B】本出願による第1の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図5C】本出願による第1の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図5D】本出願による第1の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0191】
【図6A】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6B】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6C】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6D】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6E】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6F】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6G】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【図6H】本出願による第2の支柱デバイス技術を用いて基板を有する太陽電池ユニットを製造するための処理工程を示す図である。
【0192】
【図7】本出願の一実施態様による光電池の断面図である。
【図8A】本出願の様々な実施態様における様々な光電池に使用される半導体接合部を示す図である。
【図8B】本出願の様々な実施態様における様々な光電池に使用される半導体接合部を示す図である。
【図8C】本出願の様々な実施態様における様々な光電池に使用される半導体接合部を示す図である。
【図8D】本出願の様々な実施態様における様々な光電池に使用される半導体接合部を示す図である。
【図9】本出願の一実施態様による内部反射器を有する太陽電池組立品を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)第1の端部及び第2の端部を有する基板であって、該基板の少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板と、
(B)前記基板に直線的に配置され、第1の光電池及び第2の光電池を含む複数の光電池であって、前記複数の光電池における各光電池が、
前記基板に円周方向に配置された背面電極、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を含み、
前記複数の光電池における前記第1の光電池の透明導電層が、前記複数の光電池における前記第2の光電池の背面電極と直列電気接続する、複数の光電池とを含む、太陽電池ユニット。
【請求項2】
前記基板が20GPa以上のヤング率を有する、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項3】
前記基板が40GPa以上のヤング率を有する、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項4】
前記基板が70GPa以上のヤング率を有する、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項5】
前記基板が線形材料で構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項6】
前記基板のすべて又は一部が硬質管又は硬質中実棒である、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項7】
前記基板のすべて又は一部が円形断面、卵形断面、三角形断面、五角形断面、六角形断面、少なくとも1つの弓形部を有する断面又は少なくとも1つの湾曲部を有する断面を特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項8】
前記基板の第1の部分が第1の断面形状を特徴とし、前記基板の第2の部分が第2の断面形状を特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項9】
前記第1の断面形状と前記第2の断面形状とが同一である、請求項8記載の太陽電池ユニット。
【請求項10】
前記第1の断面形状と前記第2の断面形状とが異なる、請求項8記載の太陽電池ユニット。
【請求項11】
前記基板の長さの少なくとも90パーセントが第1の断面形状を特徴とする、請求項8記載の太陽電池ユニット。
【請求項12】
前記第1の断面形状が平面であり、前記第2の断面形状が少なくとも1つの弓形側面を有する、請求項8記載の太陽電池ユニット。
【請求項13】
前記基板がガラスで構成される、請求項1〜12のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項14】
前記ガラスがアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスである、請求項13記載の太陽電池ユニット。
【請求項15】
前記基板の断面が円周であり、1mmから1000mmの外径を有する、請求項1〜14のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項16】
前記基板の断面が円周であり、14mmから17mmの外径を有する、請求項1〜14のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項17】
前記基板の断面が、
前記基板の中空内部を定める内径、及び
前記基板の境界線を定める外形を特徴とする、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項18】
前記基板の厚さが0.1mmから20mmである、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項19】
前記基板の厚さが1mmから2mmである、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項20】
前記太陽電池ユニットが5mmから10000mmの長さを有する、請求項1〜19のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項21】
前記複数の光電池が、
前記基板の前記第1の端部の第1の末端光電池と、
前記基板の前記第2の端部の第2の末端光電池と、
前記第1の末端光電池と前記第2の光電池との間の少なくとも1つの中間光電池とを含み、前記少なくとも1つの中間光電池における各中間光電池の透明導電層が、前記複数の光電池における隣接する光電池の背面電極と直列電気接続する、請求項1〜20のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項22】
前記隣接する光電池が、前記第1の末端光電池又は前記第2の末端光電池である、請求項21記載の太陽電池ユニット。
【請求項23】
前記隣接する光電池が別の中間光電池である、請求項21記載の太陽電池ユニット。
【請求項24】
前記複数の光電池が3つ以上の光電池を含む、請求項1〜23のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項25】
前記複数の光電池が10個以上の光電池を含む、請求項1〜23のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項26】
前記複数の光電池が50個以上の光電池を含む、請求項1〜23のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項27】
前記複数の光電池が100個以上の光電池を含む、請求項1〜23のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項28】
前記複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された透明管状ケースをさらに含む、請求項1〜27のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項29】
前記透明管状ケースがプラスチック又はガラスで構成される、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項30】
前記透明管状ケースがアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項31】
流体が前記基板を流れるように前記基板が構成される、請求項1〜30のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項32】
前記流体が空気、水、窒素又はヘリウムである、請求項31記載の太陽電池ユニット。
【請求項33】
前記基板が硬質中実棒を含む、請求項1〜32のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項34】
前記複数の光電池における光電池の背面電極がアルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、それらの合金又はそれらの組合せで構成される、請求項1〜33のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項35】
前記複数の光電池における光電池の背面電極が、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックで構成される、請求項1〜33のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項36】
前記複数の光電池における光電池の半導体接合部が、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合を含む、請求項1〜35のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項37】
前記複数の光電池における光電池の透明導電層が、炭素ナノチューブ、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せ又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1〜36のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項38】
前記複数の光電池における光電池の半導体接合部が、吸収体層及び接合パートナー層を含み、前記接合パートナー層が、前記吸収体層に円周方向に配置されている、請求項1〜35のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項39】
前記吸収体層が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドを含み、前記接合パートナー層がIn2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOを含む、請求項38記載の太陽電池ユニット。
【請求項40】
前記複数の光電池における光電池が、前記光電池の前記半導体接合部に円周方向に配置された真性層をさらに含み、前記光電池の前記透明導電層が前記真性層に配置される、請求項1〜39のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項41】
前記真性層が非ドープ透明酸化物を含む、請求項40記載の太陽電池ユニット。
【請求項42】
前記真性層が非ドープ酸化亜鉛を含む、請求項40記載の太陽電池ユニット。
【請求項43】
前記複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された充填剤層と、
前記充填剤層に円周方向に配置された透明管状ケースとをさらに含む、請求項1〜43のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項44】
前記充填剤層が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル酸、フルオロポリマー又はウレタンを含む、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項45】
前記充填剤層が1×106cP未満の粘度を有する、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項46】
前記充填剤層が500×10-6/℃を超える熱膨張率を有する、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項47】
前記充填剤層が、誘電ゲルと混合されたシリコン油から形成される、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項48】
前記シリコン油がポリジメチルシロキサンポリマー液であり、前記誘電ゲルが、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーとの混合物である、請求項47記載の太陽電池ユニット。
【請求項49】
前記充填剤層がX重量%のポリジメチルシロキサンポリマー液、Y重量%の第1のシリコーンエラストマー及びZ重量%の第2のシリコーンエラストマーから形成され、X、Y及びZの合計が100になる、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項50】
前記ポリジメチルシロキサンポリマー液が化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nが、ポリマー液が50センチストークから100000センチストークの範囲の平均バルク粘度を有するように選択される範囲の整数である、請求項49記載の太陽電池ユニット。
【請求項51】
前記第1のシリコーンエラストマーが少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサン及び3から7重量パーセントの珪酸塩を含む、請求項49記載の太陽電池ユニット。
【請求項52】
前記第2のシリコーンエラストマーが、(i)少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサン;(ii)10から30重量パーセントの水素末端ジメチルシロキサン;及び(iii)3から7重量パーセントのトリメチル化シリカを含む、請求項49記載の太陽電池ユニット。
【請求項53】
Xが30から90であり;Yが2から20であり;Zが2から20である、請求項52記載の太陽電池ユニット。
【請求項54】
前記複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された耐水層と、
前記耐水層に円周方向に配置された透明管状ケースとをさらに含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項55】
前記耐水層が、透明なシリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3を含み、x及びyが整数である、請求項54記載の太陽電池ユニット。
【請求項56】
蛍光材料が前記耐水層に被覆された、請求項54記載の太陽電池ユニット。
【請求項57】
前記複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された透明管状ケースと、
前記透明管状ケースに円周方向に配置された反射防止膜とをさらに含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項58】
前記反射防止膜がMgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素を含む、請求項57記載の太陽電池ユニット。
【請求項59】
前記複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項60】
前記反射防止膜が、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素を含む、請求項59記載の太陽電池ユニット。
【請求項61】
複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品であって、前記複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1記載の太陽電池ユニットの構造を有し、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが、前記太陽電池組立品を形成するように共平面列で配置される、前記太陽電池組立品。
【請求項62】
(A)複数の太陽電池ユニットであって、前記複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1記載の太陽電池ユニットの構造を有し、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが幾何学的に並列又はほぼ並列に配置されることによって、第1の面及び第2の面を有する平面アレイを形成する、複数の太陽電池ユニットと、
(B)複数の内部反射器であって、前記複数の内部反射器における各内部反射器が、前記各内部反射器から反射された太陽光の一部を対応する第1及び第2の長形太陽電池に反射するように、前記複数の長形太陽電池における対応する第1の太陽電池ユニットと第2の太陽電池ユニットとの間に構成される、複数の内部反射器とを含む、太陽電池組立品。
【請求項63】
(C)前記平面アレイの前記第1の面のすべて又は一部を被覆する透明電気絶縁性基板をさらに含む、請求項62記載の太陽電池組立品。
【請求項64】
(D)前記平面アレイの前記第2の面に配置される透明絶縁性カバーをさらに含み、それによって、透明絶縁性カバーと前記透明電気絶縁性基板との間に前記複数の長形太陽電池を収容する、請求項63記載の太陽電池組立品。
【請求項65】
前記透明絶縁性カバーと前記透明絶縁性基板がシール材によって貼り合わされた、請求項64記載の太陽電池組立品。
【請求項66】
前記シール材が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー又はウレタンである、請求項65記載の太陽電池組立品。
【請求項67】
前記複数の太陽電池ユニットが、前記平面アレイの前記第1の面の方向及び前記第2の面の方向から直接光を受光するように構成される、請求項62〜66のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項68】
太陽光線を前記複数の太陽電池ユニットに反射するように配置されたアルベド面をさらに含む、請求項62〜67のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項69】
前記アルベド面が80%を超えるアルベドを有する、請求項69記載の太陽電池組立品。
【請求項70】
前記アルベド面が、90%を超えるアルベドを有する、請求項69記載の太陽電池組立品。
【請求項71】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に直列配置される、請求項62〜70のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項72】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に並列配置される、請求項62〜70のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項73】
(A)複数の太陽電池ユニットであって、前記複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1記載の太陽電池ユニットの構造を有し、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが幾何学的に並列又はほぼ並列に配置されることによって、第1の面及び第2の面を有する平面アレイを形成する、複数の太陽電池ユニットと、
(B)前記平面アレイの前記第1の面のすべて又は一部を被覆する透明電気絶縁性基板と、
(C)前記平面アレイの前記第2の面に配置される透明絶縁性カバーであって、前記透明絶縁性カバーと前記透明電気絶縁性基板との間に前記複数の長形太陽電池を収容する透明絶縁性カバーとを含む、太陽電池組立品。
【請求項74】
前記透明絶縁性カバーと前記透明絶縁性基板がシール材によって貼り合わされた、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項75】
前記シール材が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー又はウレタンである、請求項74記載の太陽電池組立品。
【請求項76】
複数の光電池における光電池の透明導電層が蛍光材料で被覆された、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項77】
前記透明管状ケースの内面又は外面が蛍光材料で被覆された、請求項28記載の太陽電池組立品。
【請求項78】
前記充填剤層が蛍光材料で被覆された、請求項43記載の太陽電池組立品。
【請求項79】
(A)(i)中空円筒状又は(ii)中実棒状である硬質基板と、
(B)前記基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、
前記第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び
前記第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む第1の光電池と、
(C)前記基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、
前記第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び
前記第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む第2の光電池とを含む太陽電池ユニットであって、
(i)前記第1の光電池が前記第2の光電池に隣接し、
(ii)前記第1の透明導電層が前記第2の背面電極と直列電気接続し、
(iii)前記第1の透明導電層が前記第2の透明導電層と電気的に絶縁され、
(iv)前記第1の背面電極が前記第2の背面電極と電気的に絶縁される、前記太陽電池ユニット。
【請求項80】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板と、
(B)前記基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、
前記第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び
前記第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む第1の光電池と、
(C)前記基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、
前記第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び
前記第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む第2の光電池と、
(D)(i)前記第1の背面電極と前記第2の背面電極とを電気的に分離し、(ii)前記第1の半導体接合部と前記第2の半導体接合部とを電気的に分離する絶縁性支柱と、
(E)前記第1の透明導電層を前記第2の背面電極と電気的に直列接続させる導電性バイアとを含む、太陽電池ユニット。
【請求項81】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板と、
(B)前記基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、
前記第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び
前記第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む第1の光電池と、
(C)前記基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、
前記第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び
前記第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む第2の光電池と、
(D)(i)前記第1の背面電極と前記第2の背面電極とを電気的に分離し、(ii)前記第1の半導体接合部と前記第2の半導体接合部とを電気的に分離する絶縁性支柱と含む太陽電池ユニットであって、
前記第1の透明導電層が前記第2の背面電極と直列電気接続し、
前記第1の透明導電層が前記第2の透明導電層と電気的に絶縁される、前記太陽電池ユニット。
【請求項82】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板と、
(B)前記基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、
前記第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、
前記第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層、及び
第1の透明酸化物層の一部に配置された電線管を含む第1の光電池と、
(C)前記基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、
前記第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び
前記第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む第2の光電池と、
(D)(i)前記第1の背面電極と前記第2の背面電極とを電気的に分離し、(ii)前記第1の半導体接合部と前記第2の半導体接合部とを電気的に分離し、(iii)前記第1の透明導電層と前記第2の透明導電層とを電気的に分離する絶縁性支柱と、
(E)前記電線管を前記第2の背面電極と電気的に直列接続させる導電性バイアとを含む、太陽電池ユニット。
【請求項83】
前記蛍光材料が銅活性硫化亜鉛(ZnS:Cu)、銀活性硫化亜鉛(ZnS:Ag)、硫化亜鉛、硫化カドミウム(ZnS:CdS)、ユーロピウムによって活性化されたアルミン酸ストロンチウム(SrAlO3:Eu)、プラセオジム及びアルミニウムによって活性化されたストロンチウムチタン(SrTiO3:Pr、Al)、硫化カルシウム及び硫化ストロンチウム及びビスマス((Ca、Sr)S:Bi)、銅及びマグネシウム活性硫化亜鉛(ZnS:Cu、Mg)、CdSeの量子点、スチルベン、トランス-1,2-ジフェニルエチレン、(E)-1,2-ジフェニルエテン、ウンベリフェロン又はそれらの組合せである、請求項54記載の太陽電池ユニット。
【請求項84】
流体を基板に流すことを含む方法であって、
(A)前記基板が第1の端部及び第2の端部を有し、前記基板が中空円筒状及び硬質であり、
(B)複数の光電池が前記基板に直線的に配置され、前記複数の光電池が第1の光電池及び第2の光電池を含み、前記複数の光電池における各光電池が、
前記基板に円周方向に配置された背面電極、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を含み、
前記複数の光電池における前記第1の光電池の透明導電層が、前記複数の光電池における前記第2の光電池の背面電極と直列電気接続する、前記方法。
【請求項85】
前記流体が空気、水、窒素又はヘリウムである、請求項84記載の方法。
【請求項1】
(A)第1の端部及び第2の端部を有する基板であって、該基板の少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板と、
(B)前記基板に直線的に配置され、第1の光電池及び第2の光電池を含む複数の光電池であって、前記複数の光電池における各光電池が、
前記基板に円周方向に配置された背面電極、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を含み、
前記複数の光電池における前記第1の光電池の透明導電層が、前記複数の光電池における前記第2の光電池の背面電極と直列電気接続する、複数の光電池とを含む、太陽電池ユニット。
【請求項2】
前記基板が20GPa以上のヤング率を有する、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項3】
前記基板が40GPa以上のヤング率を有する、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項4】
前記基板が70GPa以上のヤング率を有する、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項5】
前記基板が線形材料で構成される、請求項1〜4のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項6】
前記基板のすべて又は一部が硬質管又は硬質中実棒である、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項7】
前記基板のすべて又は一部が円形断面、卵形断面、三角形断面、五角形断面、六角形断面、少なくとも1つの弓形部を有する断面又は少なくとも1つの湾曲部を有する断面を特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項8】
前記基板の第1の部分が第1の断面形状を特徴とし、前記基板の第2の部分が第2の断面形状を特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項9】
前記第1の断面形状と前記第2の断面形状とが同一である、請求項8記載の太陽電池ユニット。
【請求項10】
前記第1の断面形状と前記第2の断面形状とが異なる、請求項8記載の太陽電池ユニット。
【請求項11】
前記基板の長さの少なくとも90パーセントが第1の断面形状を特徴とする、請求項8記載の太陽電池ユニット。
【請求項12】
前記第1の断面形状が平面であり、前記第2の断面形状が少なくとも1つの弓形側面を有する、請求項8記載の太陽電池ユニット。
【請求項13】
前記基板がガラスで構成される、請求項1〜12のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項14】
前記ガラスがアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスである、請求項13記載の太陽電池ユニット。
【請求項15】
前記基板の断面が円周であり、1mmから1000mmの外径を有する、請求項1〜14のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項16】
前記基板の断面が円周であり、14mmから17mmの外径を有する、請求項1〜14のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項17】
前記基板の断面が、
前記基板の中空内部を定める内径、及び
前記基板の境界線を定める外形を特徴とする、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項18】
前記基板の厚さが0.1mmから20mmである、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項19】
前記基板の厚さが1mmから2mmである、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項20】
前記太陽電池ユニットが5mmから10000mmの長さを有する、請求項1〜19のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項21】
前記複数の光電池が、
前記基板の前記第1の端部の第1の末端光電池と、
前記基板の前記第2の端部の第2の末端光電池と、
前記第1の末端光電池と前記第2の光電池との間の少なくとも1つの中間光電池とを含み、前記少なくとも1つの中間光電池における各中間光電池の透明導電層が、前記複数の光電池における隣接する光電池の背面電極と直列電気接続する、請求項1〜20のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項22】
前記隣接する光電池が、前記第1の末端光電池又は前記第2の末端光電池である、請求項21記載の太陽電池ユニット。
【請求項23】
前記隣接する光電池が別の中間光電池である、請求項21記載の太陽電池ユニット。
【請求項24】
前記複数の光電池が3つ以上の光電池を含む、請求項1〜23のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項25】
前記複数の光電池が10個以上の光電池を含む、請求項1〜23のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項26】
前記複数の光電池が50個以上の光電池を含む、請求項1〜23のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項27】
前記複数の光電池が100個以上の光電池を含む、請求項1〜23のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項28】
前記複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された透明管状ケースをさらに含む、請求項1〜27のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項29】
前記透明管状ケースがプラスチック又はガラスで構成される、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項30】
前記透明管状ケースがアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項31】
流体が前記基板を流れるように前記基板が構成される、請求項1〜30のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項32】
前記流体が空気、水、窒素又はヘリウムである、請求項31記載の太陽電池ユニット。
【請求項33】
前記基板が硬質中実棒を含む、請求項1〜32のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項34】
前記複数の光電池における光電池の背面電極がアルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、それらの合金又はそれらの組合せで構成される、請求項1〜33のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項35】
前記複数の光電池における光電池の背面電極が、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックで構成される、請求項1〜33のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項36】
前記複数の光電池における光電池の半導体接合部が、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合を含む、請求項1〜35のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項37】
前記複数の光電池における光電池の透明導電層が、炭素ナノチューブ、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せ又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1〜36のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項38】
前記複数の光電池における光電池の半導体接合部が、吸収体層及び接合パートナー層を含み、前記接合パートナー層が、前記吸収体層に円周方向に配置されている、請求項1〜35のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項39】
前記吸収体層が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドを含み、前記接合パートナー層がIn2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOを含む、請求項38記載の太陽電池ユニット。
【請求項40】
前記複数の光電池における光電池が、前記光電池の前記半導体接合部に円周方向に配置された真性層をさらに含み、前記光電池の前記透明導電層が前記真性層に配置される、請求項1〜39のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項41】
前記真性層が非ドープ透明酸化物を含む、請求項40記載の太陽電池ユニット。
【請求項42】
前記真性層が非ドープ酸化亜鉛を含む、請求項40記載の太陽電池ユニット。
【請求項43】
前記複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された充填剤層と、
前記充填剤層に円周方向に配置された透明管状ケースとをさらに含む、請求項1〜43のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項44】
前記充填剤層が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル酸、フルオロポリマー又はウレタンを含む、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項45】
前記充填剤層が1×106cP未満の粘度を有する、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項46】
前記充填剤層が500×10-6/℃を超える熱膨張率を有する、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項47】
前記充填剤層が、誘電ゲルと混合されたシリコン油から形成される、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項48】
前記シリコン油がポリジメチルシロキサンポリマー液であり、前記誘電ゲルが、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーとの混合物である、請求項47記載の太陽電池ユニット。
【請求項49】
前記充填剤層がX重量%のポリジメチルシロキサンポリマー液、Y重量%の第1のシリコーンエラストマー及びZ重量%の第2のシリコーンエラストマーから形成され、X、Y及びZの合計が100になる、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項50】
前記ポリジメチルシロキサンポリマー液が化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nが、ポリマー液が50センチストークから100000センチストークの範囲の平均バルク粘度を有するように選択される範囲の整数である、請求項49記載の太陽電池ユニット。
【請求項51】
前記第1のシリコーンエラストマーが少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサン及び3から7重量パーセントの珪酸塩を含む、請求項49記載の太陽電池ユニット。
【請求項52】
前記第2のシリコーンエラストマーが、(i)少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサン;(ii)10から30重量パーセントの水素末端ジメチルシロキサン;及び(iii)3から7重量パーセントのトリメチル化シリカを含む、請求項49記載の太陽電池ユニット。
【請求項53】
Xが30から90であり;Yが2から20であり;Zが2から20である、請求項52記載の太陽電池ユニット。
【請求項54】
前記複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された耐水層と、
前記耐水層に円周方向に配置された透明管状ケースとをさらに含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項55】
前記耐水層が、透明なシリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3を含み、x及びyが整数である、請求項54記載の太陽電池ユニット。
【請求項56】
蛍光材料が前記耐水層に被覆された、請求項54記載の太陽電池ユニット。
【請求項57】
前記複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された透明管状ケースと、
前記透明管状ケースに円周方向に配置された反射防止膜とをさらに含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項58】
前記反射防止膜がMgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素を含む、請求項57記載の太陽電池ユニット。
【請求項59】
前記複数の光電池における光電池のすべて又は一部の透明導電層に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項60】
前記反射防止膜が、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は亜硝酸酸化珪素を含む、請求項59記載の太陽電池ユニット。
【請求項61】
複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品であって、前記複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1記載の太陽電池ユニットの構造を有し、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが、前記太陽電池組立品を形成するように共平面列で配置される、前記太陽電池組立品。
【請求項62】
(A)複数の太陽電池ユニットであって、前記複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1記載の太陽電池ユニットの構造を有し、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが幾何学的に並列又はほぼ並列に配置されることによって、第1の面及び第2の面を有する平面アレイを形成する、複数の太陽電池ユニットと、
(B)複数の内部反射器であって、前記複数の内部反射器における各内部反射器が、前記各内部反射器から反射された太陽光の一部を対応する第1及び第2の長形太陽電池に反射するように、前記複数の長形太陽電池における対応する第1の太陽電池ユニットと第2の太陽電池ユニットとの間に構成される、複数の内部反射器とを含む、太陽電池組立品。
【請求項63】
(C)前記平面アレイの前記第1の面のすべて又は一部を被覆する透明電気絶縁性基板をさらに含む、請求項62記載の太陽電池組立品。
【請求項64】
(D)前記平面アレイの前記第2の面に配置される透明絶縁性カバーをさらに含み、それによって、透明絶縁性カバーと前記透明電気絶縁性基板との間に前記複数の長形太陽電池を収容する、請求項63記載の太陽電池組立品。
【請求項65】
前記透明絶縁性カバーと前記透明絶縁性基板がシール材によって貼り合わされた、請求項64記載の太陽電池組立品。
【請求項66】
前記シール材が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー又はウレタンである、請求項65記載の太陽電池組立品。
【請求項67】
前記複数の太陽電池ユニットが、前記平面アレイの前記第1の面の方向及び前記第2の面の方向から直接光を受光するように構成される、請求項62〜66のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項68】
太陽光線を前記複数の太陽電池ユニットに反射するように配置されたアルベド面をさらに含む、請求項62〜67のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項69】
前記アルベド面が80%を超えるアルベドを有する、請求項69記載の太陽電池組立品。
【請求項70】
前記アルベド面が、90%を超えるアルベドを有する、請求項69記載の太陽電池組立品。
【請求項71】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に直列配置される、請求項62〜70のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項72】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に並列配置される、請求項62〜70のいずれか一項記載の太陽電池組立品。
【請求項73】
(A)複数の太陽電池ユニットであって、前記複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1記載の太陽電池ユニットの構造を有し、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが幾何学的に並列又はほぼ並列に配置されることによって、第1の面及び第2の面を有する平面アレイを形成する、複数の太陽電池ユニットと、
(B)前記平面アレイの前記第1の面のすべて又は一部を被覆する透明電気絶縁性基板と、
(C)前記平面アレイの前記第2の面に配置される透明絶縁性カバーであって、前記透明絶縁性カバーと前記透明電気絶縁性基板との間に前記複数の長形太陽電池を収容する透明絶縁性カバーとを含む、太陽電池組立品。
【請求項74】
前記透明絶縁性カバーと前記透明絶縁性基板がシール材によって貼り合わされた、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項75】
前記シール材が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー又はウレタンである、請求項74記載の太陽電池組立品。
【請求項76】
複数の光電池における光電池の透明導電層が蛍光材料で被覆された、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項77】
前記透明管状ケースの内面又は外面が蛍光材料で被覆された、請求項28記載の太陽電池組立品。
【請求項78】
前記充填剤層が蛍光材料で被覆された、請求項43記載の太陽電池組立品。
【請求項79】
(A)(i)中空円筒状又は(ii)中実棒状である硬質基板と、
(B)前記基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、
前記第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び
前記第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む第1の光電池と、
(C)前記基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、
前記第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び
前記第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む第2の光電池とを含む太陽電池ユニットであって、
(i)前記第1の光電池が前記第2の光電池に隣接し、
(ii)前記第1の透明導電層が前記第2の背面電極と直列電気接続し、
(iii)前記第1の透明導電層が前記第2の透明導電層と電気的に絶縁され、
(iv)前記第1の背面電極が前記第2の背面電極と電気的に絶縁される、前記太陽電池ユニット。
【請求項80】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板と、
(B)前記基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、
前記第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び
前記第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む第1の光電池と、
(C)前記基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、
前記第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び
前記第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む第2の光電池と、
(D)(i)前記第1の背面電極と前記第2の背面電極とを電気的に分離し、(ii)前記第1の半導体接合部と前記第2の半導体接合部とを電気的に分離する絶縁性支柱と、
(E)前記第1の透明導電層を前記第2の背面電極と電気的に直列接続させる導電性バイアとを含む、太陽電池ユニット。
【請求項81】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板と、
(B)前記基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、
前記第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、及び
前記第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層を含む第1の光電池と、
(C)前記基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、
前記第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び
前記第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む第2の光電池と、
(D)(i)前記第1の背面電極と前記第2の背面電極とを電気的に分離し、(ii)前記第1の半導体接合部と前記第2の半導体接合部とを電気的に分離する絶縁性支柱と含む太陽電池ユニットであって、
前記第1の透明導電層が前記第2の背面電極と直列電気接続し、
前記第1の透明導電層が前記第2の透明導電層と電気的に絶縁される、前記太陽電池ユニット。
【請求項82】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板と、
(B)前記基板の第1の部分に円周方向に配置された第1の背面電極、
前記第1の背面電極に円周方向に配置された第1の半導体接合層、
前記第1の半導体接合部に円周方向に配置された第1の透明導電層、及び
第1の透明酸化物層の一部に配置された電線管を含む第1の光電池と、
(C)前記基板の第2の部分に円周方向に配置された第2の背面電極、
前記第2の背面電極に円周方向に配置された第2の半導体接合層、及び
前記第2の半導体接合部に円周方向に配置された第2の透明導電層を含む第2の光電池と、
(D)(i)前記第1の背面電極と前記第2の背面電極とを電気的に分離し、(ii)前記第1の半導体接合部と前記第2の半導体接合部とを電気的に分離し、(iii)前記第1の透明導電層と前記第2の透明導電層とを電気的に分離する絶縁性支柱と、
(E)前記電線管を前記第2の背面電極と電気的に直列接続させる導電性バイアとを含む、太陽電池ユニット。
【請求項83】
前記蛍光材料が銅活性硫化亜鉛(ZnS:Cu)、銀活性硫化亜鉛(ZnS:Ag)、硫化亜鉛、硫化カドミウム(ZnS:CdS)、ユーロピウムによって活性化されたアルミン酸ストロンチウム(SrAlO3:Eu)、プラセオジム及びアルミニウムによって活性化されたストロンチウムチタン(SrTiO3:Pr、Al)、硫化カルシウム及び硫化ストロンチウム及びビスマス((Ca、Sr)S:Bi)、銅及びマグネシウム活性硫化亜鉛(ZnS:Cu、Mg)、CdSeの量子点、スチルベン、トランス-1,2-ジフェニルエチレン、(E)-1,2-ジフェニルエテン、ウンベリフェロン又はそれらの組合せである、請求項54記載の太陽電池ユニット。
【請求項84】
流体を基板に流すことを含む方法であって、
(A)前記基板が第1の端部及び第2の端部を有し、前記基板が中空円筒状及び硬質であり、
(B)複数の光電池が前記基板に直線的に配置され、前記複数の光電池が第1の光電池及び第2の光電池を含み、前記複数の光電池における各光電池が、
前記基板に円周方向に配置された背面電極、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を含み、
前記複数の光電池における前記第1の光電池の透明導電層が、前記複数の光電池における前記第2の光電池の背面電極と直列電気接続する、前記方法。
【請求項85】
前記流体が空気、水、窒素又はヘリウムである、請求項84記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図2K】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図2K】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【公表番号】特表2009−530858(P2009−530858A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501511(P2009−501511)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/006915
【国際公開番号】WO2008/051275
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(508280302)ソルインドラ,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/006915
【国際公開番号】WO2008/051275
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(508280302)ソルインドラ,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
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