説明

音源・振動源の探査方法と音源・振動源探査システム

【課題】音と振動とが同時に観測されたときに、観測された音が観測された振動源の発生する音かどうかを判別することのできる方法とそのシステムを提供する。
【解決手段】マイクロフォンM1〜M5を備えた音圧レベル測定手段11と、振動センサG1〜G4を備えた振動レベル測定手段12とを用いて、音源から伝搬する音と振動源から伝搬する表面波の振動とを同時に測定して、上記音の音圧レベルのデータから得られた音源方向の水平角θと上記振動の振動レベルのデータから得られた振動源方向の水平角θ’の方向とを比較して、観測された音が、音の発生を伴う振動源からの音であるか、あるいは、振動を伴わない音源からの音であるかの判定や、振動源が音を伴わない振動源であるかどうかの判定を的確に行うができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の観測点に伝搬される音と振動とを採取して、音の音源が振動源から発生した音か否かを探査するための方法とそのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、音の到来方向を推定する方法として、4つのマイクロフォンから互いに交わる直線状に配置された複数のマイクロフォン対を構成し、対となる2つのマイクロフォン間の位相差に相当する到達時間差と、他の対となる2つのマイクロフォン間の到達時間差との比から音源の方向を推定する音源探査システムが提案されている。具体的には、図6(a)に示すように、4個のマイクロフォンM1〜M4を、互いに直交する2直線上にそれぞれ所定の間隔で配置された2組のマイクロフォン対(M1,M3)及びマイクロフォン対(M2,M4)を構成するように配置し、マイクロフォン対(M1,M3)を構成するマイクロフォンM1,M3に入力する音圧信号の到達時間差と、マイクロフォン対(M2,M4)を構成するマイクロフォンM2,M4に入力する音圧信号の到達時間差との比から、計測点と音源位置との水平角θを推定する。更に、マイクロフォンM1〜M4の作る平面上にない位置に第5のマイクロフォンM5を配置して4組のマイクロフォン対(M5, M1),(M5, M2),(M5, M3),(M5, M4)を構成し、各マイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の到達時間差から、計測点と音源位置との成す仰角φを推定する。このとき、CCDカメラ等の映像採取手段を設けて推定された音源方向の映像を撮影し、この映像中に推定した音源位置推定エリアと音圧レベルとを表示するようにすれば、騒音源を視覚的に把握することができる(例えば、特許文献1参照)。
また、地面もしくは床面に、4つの振動センサを互いに交わる直線状にそれぞれ配置して2組の振動センサ対を構成し、対となる2つの振動センサ間の位相差に相当する到達時間差と、他の対となる2つの振動センサ間の到達時間差との比から振動源の方向を推定する振動源探査システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−111183号公報
【特許文献2】特開2004−085201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、工場の床などに発電機が設置されている場合などのように、振動が発生する状況では同時に音が発生する場合がある。このとき、振動と音とを同時に計測できるシステムがあれば、相互の結果を比較して、音が振動源から発せられたものか、振動を伴わない音源から発せられたものかを判別することができる。また、振動源が音を発生しない振動源であるか否かも判別できる。
しかしながら、音源や振動源から発せられる音や振動は、複数の周波数を含む音や振動を発生するだけでなく、例えば、大形のモータの振動がうなりを伴った振動である場合のように、音源や振動源から発せられる音や振動は時間的に一定の周波数でかつ一定の大きさではないので、音源探査システムを用いて推定した音源方向と振動源探査システムを用いて推定した振動方向が近いからといって、音が振動源から発せられた音であるか否かは断定できないといった問題点がある。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、観測点において、音と振動とが同時に観測されたときに、観測された音が観測された振動源の発生する音か否かを判別することのできる方法とそのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1に記載の音源・振動源の探査方法は、音源から伝搬する音と振動源から伝搬する表面波の振動とを同時に測定して、上記音の音圧レベルのデータから得られた音源の方向と上記振動の振動レベルのデータから得られた振動源の方向とを比較し、上記音源からの音が音の発生を伴う振動源からの音か否かを判定することを特徴とする。
また、請求項2に記載の音源・振動源探査システムは、所定の観測点に設置されて音源から伝搬する音の音圧レベルを測定する音圧レベル測定手段と、上記観測点に設置されて振動源から伝搬する表面波の振動の振動レベルを上記音圧レベルと同時刻に測定する振動レベル測定手段と、上記音圧レベル測定手段で測定した音圧レベルの信号を用いて上記音源の方向を推定する音源方向推定手段と、上記振動レベル測定手段で測定した振動レベルの信号を用いて上記振動源の方向を推定する振動源推定手段と、上記音源方向推定手段で推定された上記音源の方向と上記振動源推定手段で推定された振動源の方向とを比較して、上記音源からの音が音の発生を伴う振動源からの音か否かを判定する判定手段とを備え、上記音圧レベル測定手段は、互いに交差する2つの直線上にそれぞれ配置された、2個のマイクロフォンが所定の間隔だけ離れて配置されたマイクロフォン対を2組備えており、上記振動レベル測定手段は、互いに交差する2つの直線上にそれぞれ配置された、2個の振動センサが所定の間隔だけ離れて配置された振動センサ対を2組備えており、上記音源方向推定手段は、予め設定した複数の周波数のそれぞれについて、上記各マイクロフォン対における音の位相差もしくは到達時間差をそれぞれ求めて、上記位相差の比もしくは到達時間差の比から音を発生する音源の方向を上記周波数毎に推定し、上記振動方向推定手段は、予め設定した複数の周波数のそれぞれについて、上記各振動センサ対における振動の位相差もしくは到達時間差をそれぞれ求めて、上記位相差の比もしくは到達時間差の比から振動を発生する振動源の方向を上記周波数毎に推定することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の音源・振動源探査システムは、上記音圧レベル測定手段に、上記2組のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンを追加するとともに、音源方向推定手段では、上記2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差と、上記第5のマイクロフォンと上記2組のマイクロフォン対を構成する4個のマイクロフォンのそれぞれとで構成される4組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差とを用いて音源の方向を推定するようにしたものである。
請求項4に記載の音源・振動源探査システムは、上記推定された音源の方向と振動源の方向の映像とを採取する映像採取手段と、上記推定された音源及び振動源の位置を上記採取された映像上に表示する表示手段とを備えたものである。
請求項5に記載の音源・振動源探査システムは、上記映像採取手段が、上記観測点の周りの360°の映像を採取する映像採取手段であることを特徴とする。
【0008】
請求項6に記載の音源・振動源探査システムは、上記推定された音源の方向の角度のバラツキが予め設定した第1の閾値以内にある音源を同一の音源とみなし、上記同一の音源とみなした音源の重心位置を算出する音源重心位置算出手段と、上記推定された振動源の方向の角度のバラツキが上記第1の閾値以下の第2の閾値内にある振動源を同一の振動源としてその重心位置を算出する振動源重心位置算出手段とを更に設けるとともに、上記判定手段は、上記算出された音源の重心位置と上記振動源の重心位置とを比較して、上記音源または上記振動源が、音のみを発生する音源か、振動のみを発生する振動源か、音の発生を伴う振動源かを判別することを特徴とする。
請求項7に記載の音源・振動源探査システムは、上記判定手段は、上記音源の方向の角度のバラツキと上記振動源の方向の角度のバラツキがそれぞれ上記第1及び第2の閾値以内にあり、かつ、上記音源の重心位置と上記振動源の重心位置との角度差が予め設定した判定角度以下である場合には、上記振動源は音の発生を伴う振動源であると判定し、上記角度差が上記判定角度を超えた場合には、上記音源からの音は上記振動源から発生していないと判定することを特徴とする。
請求項8に記載の音源・振動源探査システムは、上記音圧レベル測定手段と上記振動レベル測定手段とは、所定の時間間隔で上記音圧レベルと振動レベルとを同時に測定するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、音源から伝搬する音と振動源から伝搬する表面波の振動とを同時に測定して、音の音圧レベルのデータから得られた音源の方向と振動の振動レベルのデータから得られた振動源の方向とを比較するようにしたので、音源からの音が音の発生を伴う振動源からの音か、あるいは、振動を伴わない音源からの音か否かを判定や、振動源が音を伴わない振動源であるか否かの判定を的確に行うができる。これにより、音源及び振動源の性状を的確に把握することができるので、騒音対策や振動対策を有効に行うことができる。
このとき、請求項2に記載された構成の音源・振動源探査システムを用いれば、音源及び振動源の性状を精度良く判定することができる。
また、音圧レベル測定手段に、2組のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンを追加して、2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差と、第5のマイクロフォンと2組のマイクロフォン対を構成する4個のマイクロフォンのそれぞれとで構成される4組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差とを用いて音源の方向を推定すれば、音源方向の水平角方向の分布に加えて仰角方向の分布もわかるので、音源の方向を更に精度良く推定できる。
また、推定された音源の方向と振動源の方向の映像とを採取するとともに、推定された音源及び振動源の位置を採取された映像上に表示するようにすれば、表示された画像から、音源及び振動源の位置を推定することができる。このとき、観測点の周りの360°の映像を採取する映像採取手段を用いれば、観測点の周りの全ての方向の音源及び振動源が表示できるので、観測点の周りの音源の分布及び振動源の分布を確実に把握することができる。
【0010】
また、音源や振動源は複数の周波数の音もしくは振動を発生する場合が多いので、その場合には、推定された音源の方向及び振動源の方向の角度のバラツキが予め設定した閾値以内にある音源もしくは振動源を同一の音源もしくは振動源としてその重心位置を求め、上記算出された音源の重心位置と上記振動源の重心位置とを比較すれば、上記音源または上記振動源が、音のみを発生する音源か、振動のみを発生する振動源か、音の発生を伴う振動源かを判別することが可能となる。
また、上記音源の方向の角度のバラツキと上記振動源の方向の角度のバラツキがそれぞれ上記第1及び第2の閾値以内にあり、かつ、上記音源の重心位置と上記振動源の重心位置との角度差が予め設定した判定角度以下である場合には、上記振動源は音の発生を伴う振動源であると判定し、上記角度差が上記判定角度を超えた場合には、上記音源からの音は上記振動源から発生していないと判定するようにすれば、音源と振動源の性状を的確に探査できる。
また、所定の時間間隔で音圧レベルと振動レベルとを測定して、音源位置と振動源位置とを測定して比較すれば、音源もしくは振動源の時間的及び空間的な移動状況を精度よく把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の最良の形態に係る音源・振動源探査システムを示す図である。
【図2】映像採取手段で撮影した観測点の周りの360°撮影画像とその展開画像であるパノラマ画像の一例を示す図である。
【図3】観測点の平面図である。
【図4】音源情報が付加されたパノラマ画像と振動源情報とを表示した表示画面の一例を示す図である。
【図5】図4の時刻から所定時間経過した後の表示画面の一例を示す図である。
【図6】位相差の比を用いて音源もしくは振動源の方向を推定する際の、マイクロフォン及び振動センサの配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
図1は本発明の最良の形態に係る音源・振動源探査システムの概要を示す図で、11は音圧レベル測定手段、12は振動レベル検出手段、13は映像採取手段、14A,14Bはローパスフィルタ14m,14nを備えた増幅器、15はA/D変換器、16Aは音源方向推定手段、16Bは振動源方向推定手段、17は映像入出力手段、18はデータ合成手段、19は音源・振動源位置表示手段、20は音源・振動源判定手段である。
音圧レベル測定手段11は、図6(a)に示すように、5個のマイクロフォンM1〜M5を備えている。これらのマイクロフォンM1〜M5のうち、マイクロフォンM1,M3と、マイクロフォンM2,M4とは、互いに直交する2直線(同図のx軸とy軸)上にそれぞれ所定の間隔Lで配置されて、2組のマイクロフォン対(M1,M3)及びマイクロフォン対(M2,M4)を構成するように配置されている。マイクロフォンM5は、マイクロフォンM1〜M4の中心を通る、上記平面に垂直な直線(z軸)上に上記平面からの距離がL/2の位置に配置されている。
また、振動レベル測定手段12は、図6(b)に示すように、4個の振動ピックアップ、あるいは、加速度センサ等から成る振動センサG1〜G4を備えている。振動センサG1,G3と、振動センサG2,G4とは、互いに直交する2直線上にそれぞれ所定の間隔Lで配置されて、2組の振動センサ対(G1,G3)及び振動センサ対(G2,G4)を構成するように配置されている。
マイクロフォンM1〜M5は、三脚から成る支持部材31上に設けられたマイクロフォンフレーム32上に配置され、振動センサG1〜M4は支持部材31の下部の地面(もしくは、床面)に配置される。
映像採取手段13は、360°撮影用ミラー13aとCCDカメラ13bとを備え、マイクロフォンM1〜M5と振動センサG1〜G4とが設置された位置(以下、観測点という)の周りの360°の映像を採取するもので、一般に、360°カメラと呼ばれている。この映像採取手段13は、支持部材31上に設けられた基台33上で、マイクロフォンフレーム32の下側に配置される。
【0013】
増幅器14Aは、マイクロフォンM1〜M5からの出力信号である音圧波形の信号を増幅した信号をローパスフィルタ14mで帯域制限してからA/D変換器15に送る音用増幅器で、増幅器14Bは、振動センサG1〜G4からの出力信号である振動波形の信号を増幅した信号をローパスフィルタ14nで帯域制限してからA/D変換器15に送る振動用増幅器である。
A/D変換器15は、音圧波形の信号と振動波形の信号とをデジタル信号に変換するもので、音響用5ch、振動用4chを備えている。
音源方向推定手段16Aは、予め設定した複数の周波数fk(k=1〜n)それぞれについて、2組のマイクロフォン対(M1,M3),(M2,M4)における音の到達時間差D13及びD24をそれぞれ求めて、到達時間差の比(D13/D24)から観測点と音源との成す水平角θを周波数fk毎に推定するとともに、到達時間差D13及びD24とマイクロフォンM1〜M4とマイクロフォンM5とのマイクロフォン間の到達時間差D5j(j=1〜4)とから仰角φを推定し、水平角θと仰角φとを音源方向の座標データ(θ,φ)としてデータ合成手段に18に送る。このとき、音源の音圧レベルのデータと周波数データも同時にデータ合成手段に18に送る。なお、音圧データとしては、マイクロフォンM1〜M5の出力電圧の平均値、もしくは、マイクロフォンM5の出力電圧を用いればよい。
水平角θと仰角φとは以下の式(1)及び式(2)で表わせる。
【数1】

ここで、時間遅れDijは、マイクロフォンMiに到達する音圧信号と、このマイクロフォンMiに対して対となるマイクロフォンMjに到達する音圧信号との時間差であり、この対となる2つのマイクロフォンMi及びMjに入力される信号のクロススペクトルPij(f)を求め、更に、対象とする周波数fの位相角情報Ψ(rad)を用いて、以下の式(3)により算出される。
【数2】

水平角θ及び仰角φは、予め設定した複数の周波数fk毎に算出する。
なお、本例では、位相差に代えて、位相差に比例する物理量である到達時間差を用いて水平角θ及び仰角φを求めているが、位相差そのものを用いてもよい。
振動源方向推定手段16Bは、複数の周波数fk(k=1〜n)のそれぞれについて、式(3)を用いて、2組の振動センサ対(G1,G3),(G2,G4)における表面波の振動の到達時間差D’13及びD’24をそれぞれ求め、式(1)を用いて、到達時間差の比(D’13/D’24)から観測点と振動源との成す水平角θ’を推定する。
水平角θ’は、予め設定した複数の周波数fk毎に算出し、水平角θ’を振動源方向の座標データθ’としてデータ合成手段に18に送る。このとき、振動源の振動レベルのデータと周波数データも同時にデータ合成手段に18に送る。振動レベルのデータとしては、振動センサG1〜M4の出力電圧の平均値、もしくは、振動センサG1の出力電圧を用いればよい。
【0014】
映像入出力手段17は、図2の模式図に示すように、映像採取手段(360°カメラ)13で撮影された観測点の周りの360°撮影画像17aを展開して、横軸が水平角θ(−180°〜+180°)縦軸が仰角φ(0°〜90°)のパノラマ画像17bに変換し、この変換されたパノラマ画像17bのデータをデータ合成手段に18に送る。
なお、本例では、映像入出力手段17をマイクロフォンフレーム32の下側に配置しているので、撮影される仰角φはその上限値が70°程度に制限されるが、音源や振動源の推定に支障をきたすことはない。
データ合成手段18は、映像入出力手段17から送られてきたパノラマ画像17bの画像データに推定された音源方向の座標(θ,φ)と音圧レベルと周波数とから成る音源情報を示す画像データを付加した画像データと、振動源方向の座標θ’と振動レベルと周波数とから成る振動源情報が表示された画像データとを生成し、音源・振動源位置表示手段19に送る。
音源・振動源位置表示手段19は、送られてきた画像データをディスプレイ(図示せず)に表示する。
音源・振動源判定手段20は、推定された音源のうち、水平角θがθ−θ1≦K1である2つの角度θ1,θの間にあり、かつ、仰角φがφ−φ1≦Sである2つの角度θ1,θの間にある複数の音源を同一の音源と見做して、その重心位置(θ12,φ12)を算出する音源重心位置算出部21と、推定された振動源のうち、水平角θ’がθ’−θ’1≦K2である2つの角度θ’1,θ’の間にある複数の振動源を同一の振動源と見做して、その重心位置θ’12を算出する振動源重心位置算出部22と、算出された音源の水平角θの重心位置θ12と振動源の重心位置θ’12との角度差Δ=θ12−θ’12を算出する角度差算出部23と、角度差Δに基づいて、音源または振動源が、音のみを発生する音源か、振動のみを発生する振動源か、音の発生を伴う振動源かを判別する判別部24とを備え、推定された音源方向の座標(θ,φ)と周波数、及び、振動源方向の座標θ’と周波数とから、音源からの音が音の発生を伴う振動源からの音か否かを判定する。以下、K1を第1の閾値、K2を第2の閾値という。
【0015】
次に、本例の音源・振動源探査システムを用いて音源及び振動源の位置を推定するとともに、音源及び振動源の性状を判定する方法について説明する。
まず、音圧レベル測定手段11のマイクロフォンM1〜M5と振動レベル測定手段12の振動センサG1〜G4により、観測点に伝搬される音の音圧レベルの信号と表面波の振動の振動レベルを同時に測定するとともに、映像採取手段13により、観測点周りの360°の映像を採取する。
マイクロフォンM1〜M5からの出力信号は、増幅器14Aで増幅され、更に、ローパスフィルタ14mで雑音となる高周波成分が取り除かれた後、A/D変換器15に送られてデジタル信号に変換される。
一方、振動センサG1〜G4からの出力信号は、増幅器14Bで増幅され、ローパスフィルタ14nで雑音となる高周波成分が取り除かれた後、A/D変換器15に送られてデジタル信号に変換される。
映像入出力手段17で撮影された撮影画像17は、パノラマ画像17bに変換されて、データ合成手段に18に送られる。
A/D変換器15でデジタル信号に変換された音圧レベルの信号は、音源方向推定手段16Aと振動源方向推定手段16Bとにそれぞれ送られる。
音源方向推定手段16Aでは、予め設定した複数の周波数fk(k=1〜n)それぞれについて、音源方向の水平角θと仰角φとを推定するとともに、音源の音圧レベルを検出し、音源方向の座標(θ,φ)と音圧レベルと周波数とから成る音源情報をデータ合成手段18に送る。
振動源方向推定手段16Bでは、複数の周波数fk(k=1〜n)それぞれについて、振動源方向の水平角θ’を推定するとともに、振動源の振動レベルを検出し、振動源の座標θ’と振動レベルと周波数とから成る振動源情報をデータ合成手段18に送る。
パノラマ画像17bと音源情報と振動源情報とは、データ合成手段18により合成され、推定された音源方向の座標(θ,φ)と音圧レベルと周波数とを示す画像データを付加した画像データと、振動源方向の座標θ’と振動レベルと周波数とが表示された画像データとが生成される。これらの画像データは、音源・振動源位置表示手段19のディスプレイ(図示せず)上に表示される。
【0016】
図3は観測点P近傍の平面図で、観測点Pの上方向を正面(水平角0°)、右側を水平角90°、左側を水平角−90°、下方向を後ろ(水平角±180°)とする。
観測点Pの正面には工場51があり、この工場51の室外には大型の空調室外機52が設置されている。また、工場51の右側には2階建ての住居53があり、そのベランダには小型の空調室外機54が設置されている。また、工場51の左側には倉庫55がある。一方、観測点Pの後方には、左右方向に沿った歩道56があり、この歩道の後方は広場57になっていている。この広場57には、観測点Pから見て右後方に間欠的に水を噴出する噴水58が設けられている。
図4は観測点Pに設置したマイクロフォンM1〜M5で測定した音圧レベルと振動センサG1〜G4で測定した振動レベルとに基づいて推定した音源と振動源の位置を示す表示画面の一例を示す図である。上側の画像がパノラマ画像Aで、下側が振動源画像Bである。パノラマ画像Aの横軸は水平角θで、縦軸は仰角φである。また、振動源画像Bの横軸は水平角θ’である。
本例では、音源データ及び振動源データをカラーの「円」で表示している。円の中心点が座標、半径が音圧レベル、色(図では円の模様)が周波数を示す。
パノラマ画像Aには、音源や振動源となる工場51の室外に設置された大型の空調室外機52、工場51の右側にある住居53の2階建のベランダに設置された小型の空調室外機54、倉庫55の壁55F、及び、広場57の噴水58の位置に音源位置を示す大小のカラーの円が表示されている。また、振動源画像Bには、振動源方向を示す大小のカラーの円が表示されている。
【0017】
一般に、1つの音源からの音が単一の周波数である場合は稀である。したがって、推定された周波数の異なる音源の数はN個(ここでは、11個)であるが、実際の音源の数はNよりも少ない、すなわち、いくつかの音源は同一の音源である可能性が高い。そこで、第1の閾値をK1=20°とし、第2の閾値をK2=10°とするとともに、パノラマ画像Aを参照して実際の音源の位置と振動源の位置とを推定する。
具体的には、大型の空調室外機52の近傍の3つの音源位置を示す円の中心は、水平角θの範囲が第1の閾値K1=20°以下である。したがって、3つの音源位置を示す円はいずれも実際には同一の音源、すなわち、大型の空調室外機52であると推定される。同様に、小型の空調室外機52の近傍の3つの音源位置を示す円は実際にはいずれも同一の音源(小型の空調室外機54)であり、広場57の噴水58の近傍の音源位置を示す2つの円は実際にはどちらも同一の音源(噴水58)であると推定される。また、倉庫55の壁55Fの近傍の3つの音源位置を示す円も実際にはいずれも同一の音源であると推定される。
そこで、本例では、実際の音源の推定位置を、同一の音源と見做された複数の音源の重心位置とした。音源重心位置算出部21では、重心位置pm(θm,φm)は、同一の音源と見做された音源j(j=1〜k)の座標を(θj,φj)とし、音源jの音圧レベルをPjとして、以下の式(4),(5)を用いて算出する。
θm=(P1・θ1+P2・θ2+……+Pk・θk)/(P1+P2+……+Pk)……(4)
φm=(P1・φ1+P2・φ2+……+Pk・φp)/(P1+P2+……+Pk)……(5)
これにより、4個の重心位置p1,p2,p4が求まる。パノラマ画像Aを参照すると、算出された重心位置p1,p2,p4は、それぞれ、実際の音源が大型の空調室外機52、小型の空調室外機52、及び、噴水58が発生する音の中心位置であることがわかる。なお、重心位置p3については、後述する音源及び振動源の判定方法の中で説明する。
また、振動源画像Bでも、大型の空調室外機52の水平角θと同じ水平角θ’の近傍に3つの振動源位置を示す円がある。3つの振動源位置を示す円の中心は、水平角θ’の範囲が第2の閾値K2=10°以下である。したがって、3つの振動源位置を示す円はいずれも実際には同一の振動源、すなわち、大型の空調室外機52であると推定される。振動源重心位置算出部22では、振動源の重心位置q=θ’mを、同一の振動源と見做された振動源j(j=1〜k‘;ここでは、k’=3)の座標をθ’jとし、振動源jの音圧レベルをQjとし、以下の式(6)を用いて算出する。
θ’m=(Q1・θ’1+Q2・θ’2+……+Qk’・θ’k’)/(Q1+Q2+……+Qk’)……(6)
パノラマ画像Aを参照すると、大型の空調室外機52が発生する振動の中心位置が算出された重心位置qであることがわかる。
【0018】
次に、音源重心位置p1〜p4、及び、振動源重心位置qを用いて、推定された音源または振動源が、音のみを発生する音源か、振動のみを発生する振動源か、音の発生を伴う振動源かを判別する。
まず、図4に示すように、音源重心位置p1〜p4の水平角θmと振動源重心位置qとの角度差Δ=θm−qを算出する。そして、角度差Δが判定角度δ(例えば、δ=10°)以下である場合には、振動源は音の発生を伴う振動源であると判定し、角度差Δが判定角度δを超えた場合には、音源からの音は振動源から発生していないと判定する。
例えば、音源中心位置のうち、大型の空調室外機52が発生すると推定される音の音源重心位置p1の水平角θ1と、大型の空調室外機52が発生すると推定される振動の振動源重心位置qとの角度差Δ11は判定角度δよりも小さいので、大型の空調室外機52は音の発生を伴う振動源であると判定する。
これに対して、小型の空調室外機54が発生すると推定される音の音源重心位置p2の水平角θ2と振動源重心位置qとの角度差Δ21や、噴水58が発生すると推定される音源重心位置p4の水平角θ4と振動源重心位置qとの角度差Δ41は、いずれも判定角度δよりも大きいので、小型の空調室外機54や噴水58は、音のみを発生し、振動を発生しない音源であると判定する。
また、倉庫55の壁55に重心位置q3を有する音源の水平角θ3と振動源重心位置qとの角度差Δ31は判定角度δよりも大きい。したがって、倉庫55の壁55に重心位置q3を発生する音の中心位置とする音源は、音のみを発生し振動を発生しない音源であると判定する。パノラマ画像Aには、重心位置p3に位置する音源に相当する機器はないが、3つの音源位置を示す円の周波数と大きさとは、大型の空調室外機52近傍の3つの音源位置を示す円の周波数と大きさとが類似していること、及び、大型の空調室外機52と倉庫55の壁55Fとの位置関係、及び、この音源が音のみを発生し振動を発生しない音源であることから、重心位置p3は大型の空調室外機52の発生する音が倉庫55の壁55Fにより反射されて当該観測点に伝搬された反射音の重心位置であることが推定される。
【0019】
このように、本実施の形態では、マイクロフォンM1〜M5を備えた音圧レベル測定手段11と、振動センサG1〜G4を備えた振動レベル測定手段12とを用いて、音源から伝搬する音と振動源から伝搬する表面波の振動とを同時に測定して、上記音の音圧データから得られた音源方向の水平角θと上記振動の振動レベルのデータから得られた振動源方向の水平角θ’の方向とを比較して、観測された音が、音の発生を伴う振動源からの音であるか、あるいは、振動を伴わない音源からの音であるかの判定や、振動源が音を伴わない振動源であるか否かの判定を行うができるようにしたので、上記音源及び振動源の性状を的確に把握することができ、騒音対策や振動対策を有効に行うことができる。
このとき、上記水平角θ及び仰角φのバラつきがK1=20°以内である音源を同一の音源と見做して音源重心位置(θm,φm)を算出するとともに、上記水平角θ’のバラつきがK2=10°以内である振動源を同一の振動源と見做して、振動源重心位置qとを算出し、上記水平角θmと上記振動源重心位置qとの角度差Δ=θm−qを求め、この角度差Δが判定角度δ以下である場合には、上記振動源は音の発生を伴う振動源であると判定し、上記角度差Δが上記判定角度δを超えた場合には、上記音源からの音は上記振動源から発生していないと判定するようにすれば、観測された音もしくは振動の判定を更に精度良く行うことができる。
【0020】
なお、上記最良の形態では、ある時刻の音圧レベルと振動レベルとを測定して、音源位置と振動源位置と推定し、観測された音が音の発生を伴う振動源からの音である否かを判定したが、所定の時間間隔で音圧レベルと振動レベルとを測定し、所定時間毎の音源位置と振動源位置とを推定して比較すれば、音源もしくは振動源の時間的及び空間的な移動状況を精度よく把握することができるとともに、反射音の同定も確実に行うことができる。
図5は、上記図4の時刻t=t1から所定時間Δtだけ経過した時刻t2=t1+Δtにおいて測定した音圧レベルと振動レベルから推定した音源位置と振動源位置とを表示した表示画面の一例を示す図である。パノラマ画像Aをみると、大型の空調室外機52の近傍には時刻t=t1の時と同じく、3つの音源位置を示す円がある。これらの3つの円の大きさは変化しているが周波数は同じで、かつ、その中心は水平角θの範囲が上記第1の閾値K1=20°以下である。また、振動源画像Bでも、上記大型の空調室外機52の水平角θと同じ水平角θ’の近傍にある3つの振動源位置を示す円は、大きさは変化しているが周波数は同じで、かつ、その中心は水平角θ’の範囲が上記第2の閾値K2=10°以下である。また、3つの円の大きさの変化の様子が同じであるので、これによっても、上記音源重心位置p1の音源もしくは振動源(大型の空調室外機52)は、音の発生を伴う振動源であることがわかる。更に、上記音源重心位置p1と上記振動源中心位置qとは移動していないので、上記音源重心位置p1の音源もしくは振動源(大型の空調室外機52)は、移動しない振動源であることがわる。
また、小型の空調室外機53と推定された重心位置q2を有する音源も、反射音と推定された重心位置q3を有する音源も、上記と同様にして、音のみを発生する移動しない音源であることわかる。
【0021】
一方、噴水58の近傍には音源位置を示す円がない。しかし、噴水58が移動することはないので、所定時間Δt毎に測定を継続すれば、音源位置を示す円が再び現れる。これにより、上記噴水58は、間欠的に音を発生する音源であることがわかる。
また、倉庫55の壁55Fによる反射音と推定された重心位置がq3である音源の3つの円は、周波数が時刻t=t1の時と同じで、かつ、その大きさの変化が上記音源重心位置p1の周りの3つの円の大きさの変化と上記振動源中心位置qの周りの3つの円大きさの変化と一致していることからも、上記重心位置がq3である音源は、大型の空調室外機52からの音の反射音であることがわかる。
このように、所定の時間間隔で音圧レベルと振動レベルとを測定し、所定時間毎の音源位置と振動源位置とを推定して比較すれば、音源が間欠的に音を発生する音源は否かや、音源が反射音であるか否かの同定も確実に行うことができる。
また、所定時間毎の音源位置と振動源位置とを推定して比較すれば、音源もしくは振動源の時間的な移動状況を精度よく把握することができる。
また、上記例では、表示画面をパノラマ画像Aと振動源画像Bとしたが、パノラマ画像Aに代えて、横軸を推定音源位置の水平角θとし、縦軸を仰角φとした音源画像Cを用いても、音源重心位置p1〜p4や振動源重心位置qは算出できるので、観測された音が観測された振動源の発生する音か否かを判別することが可能である。この場合には、映像採取手段13や映像入出力手段17が不要となり、データ合成手段18も大幅に簡素化できるので、装置を安価にできるが、パノラマ画像Aを用いた方が、音源位置や振動源位置を特定できるので、音源位置や振動源位置の推定精度や音源・振動源の判定精度を上げるためには、本例のように、パノラマ画像Aを用いる方が好ましい。
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、観測点において、音と振動とが同時に観測されたときに、観測された音が観測された振動源の発生する音か否かを判別することができるので、騒音対策や振動対策を有効に行うことができる。
【符号の説明】
【0023】
M1〜M5 マイクロフォン、G1〜G4 振動センサ、
11 音圧レベル測定手段、12 振動レベル検出手段、13 映像採取手段、
13a 撮影用ミラー、13b CCDカメラ、14A,14B 増幅器、
14m,14n ローパスフィルタ、15 A/D変換器、16A 音源方向推定手段、16B 振動源方向推定手段、17 映像入出力手段、18 データ合成手段、
19 音源・振動源位置表示手段、20 音源・振動源判定手段、
21 音源重心位置算出部、22 振動源重心位置算出部、23 角度差算出部、
24 判別部、31 支持部材、32 マイクロフォンフレーム、33 基台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音源から伝搬する音と振動源から伝搬する表面波の振動とを同時に測定して、上記音の音圧レベルのデータから得られた音源の方向と上記振動の振動レベルのデータから得られた振動源の方向とを比較し、上記音源からの音が音の発生を伴う振動源からの音かどうかを判定することを特徴とする音源・振動源の探査方法。
【請求項2】
所定の観測点に設置されて音源から伝搬する音の音圧レベルを測定する音圧レベル測定手段と、上記観測点に設置されて振動源から伝搬する表面波の振動の振動レベルを上記音圧レベルと同時刻に測定する振動レベル測定手段と、上記音圧レベル測定手段で測定した音圧レベルの信号を用いて上記音源の方向を推定する音源方向推定手段と、上記振動レベル測定手段で測定した振動レベルの信号を用いて上記振動源の方向を推定する振動源推定手段と、上記音源方向推定手段で推定された上記音源の方向と上記振動源推定手段で推定された振動源の方向とを比較して、上記音源からの音が音の発生を伴う振動源からの音かどうかを判定する判定手段とを備え、上記音圧レベル測定手段は、互いに交差する2つの直線上にそれぞれ配置された、2個のマイクロフォンが所定の間隔だけ離れて配置されたマイクロフォン対を2組備えており、上記振動レベル測定手段は、互いに交差する2つの直線上にそれぞれ配置された、2個の振動センサが所定の間隔だけ離れて配置された振動センサ対を2組備えており、上記音源方向推定手段は、予め設定した複数の周波数のそれぞれについて、上記各マイクロフォン対における音の位相差もしくは到達時間差をそれぞれ求めて、上記位相差の比もしくは到達時間差の比から音を発生する音源の方向を上記周波数毎に推定し、上記振動源推定手段は、予め設定した複数の周波数のそれぞれについて、上記各振動センサ対における振動の位相差もしくは到達時間差をそれぞれ求めて、上記位相差の比もしくは到達時間差の比から振動を発生する振動源の方向を上記周波数毎に推定することを特徴とする音源・振動源探査システム。
【請求項3】
上記音圧レベル測定手段に、上記2組のマイクロフォン対の作る平面上にない第5のマイクロフォンを追加するとともに、音源方向推定手段では、上記2組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差と、上記第5のマイクロフォンと上記2組のマイクロフォン対を構成する4個のマイクロフォンのそれぞれとで構成される4組のマイクロフォン対を構成するマイクロフォン間の位相差とを用いて音源の方向を推定することを特徴とする請求項2に記載の音源・振動源探査システム。
【請求項4】
上記推定された音源の方向と振動源の方向の映像とを採取する映像採取手段と、上記推定された音源及び振動源の位置を上記採取された映像上に表示する表示手段とを備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の音源・振動源探査システム。
【請求項5】
上記映像採取手段は、上記観測点の周りの360°の映像を採取することを特徴とする請求項4に記載の音源・振動源探査システム。
【請求項6】
上記推定された音源の方向の角度のバラツキが予め設定した第1の閾値以内にある音源を同一の音源とみなし、上記同一の音源とみなした音源の重心位置を算出する音源重心位置算出手段と、上記推定された振動源の方向の角度のバラツキが上記第1の閾値以下の第2の閾値内にある振動源を同一の振動源としてその重心位置を算出する振動源重心位置算出手段とを設けるとともに、上記判定手段は、上記算出された音源の重心位置と上記振動源の重心位置とを比較して、上記音源または上記振動源が、音のみを発生する音源か、振動のみを発生する振動源か、音の発生を伴う振動源かを判別することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の音源・振動源探査システム。
【請求項7】
上記判定手段は、上記音源の方向の角度のバラツキと上記振動源の方向の角度のバラツキがそれぞれ上記第1及び第2の閾値以内にあり、かつ、上記音源の重心位置と上記振動源の重心位置との角度差が予め設定した判定角度以下である場合には、上記振動源は音の発生を伴う振動源であると判定し、上記角度差が上記判定角度を超えた場合には、上記音源からの音は上記振動源から発生していないと判定することを特徴とする請求項6に記載の音源・振動源探査システム。
【請求項8】
上記音圧レベル測定手段と上記振動レベル測定手段とは、所定の時間間隔で上記音圧レベルと振動レベルとを同時に測定することを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれかに記載の音源・振動源探査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−236944(P2010−236944A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83429(P2009−83429)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【出願人】(595122615)
【Fターム(参考)】