説明

駆動装置及びこれを備えた画像形成装置

【課題】潤滑剤貯留部材を大型化せずに、潤滑剤の温度上昇に起因した不具合を軽減することを課題とする。
【解決手段】ウォームギヤを用いて駆動モータ71からの駆動力を伝達する駆動ユニットと、潤滑剤85を貯留する貯留室を形成する駆動ユニットケース86とを有し、貯留室に貯留された潤滑剤がウォーム75とウォームホイール76との噛み合い箇所に供給され、その噛み合い箇所に供給された潤滑剤が貯留室に回収されるように構成された駆動装置において、駆動ユニットケースは、貯留室に貯留される潤滑剤の液面下で貯留室内壁から貯留室内へ突出する突出部86aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォームギヤを用いた駆動装置、及び、これを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置には、未定着トナーを担持した記録材を定着ローラや定着ベルトなどの定着部材と加圧ローラ等の加圧部材との間に挟持し、熱と圧力によってトナーを記録材へ定着させる定着装置を備えたものがある。このような画像形成装置の中には、定着装置の加圧部材を定着部材に対して加圧・脱圧動作させる加圧脱圧機構を備えたものがある。加圧部材の重量は比較的大きいので、加圧部材を加圧・脱圧させる加圧脱圧機構としては、大重量の加圧部材の位置を加圧位置や脱圧位置に保持できる構成が要求される。
【0003】
このような要求を満たす加圧脱圧機構としては、例えば、カムの回転位置によって加圧部材の位置を制御するものが知られている。この加圧脱圧機構では、カムを回転駆動させる駆動源としてステッピングモータを用い、カムの回転位置をステッピングモータの励磁保持力によって保持する。しかしながら、この加圧脱圧機構では、加圧部材の位置を保持するにあたって、ステッピングモータの励磁力を発生させておく必要があり、ステッピングモータへの通電が必要となる。そのため、電力消費量が大きいという不具合があった。
【0004】
一方で、ねじ歯車(ウォーム)とこれに噛み合うはす歯歯車(ウォームホイール)とを組み合わせたウォームギヤを利用した加圧脱圧機構も知られている。この加圧脱圧機構は、ウォームギヤによるセルフロック機能により、電力を消費することなく加圧部材の位置を保持することができる。ウォームギヤを利用した加圧脱圧機構では、ウォームとウォームホイールとの噛み合い箇所の摩擦を低減するとともに、その噛み合い箇所で発生する熱を取り除く目的で、その噛み合い箇所に潤滑剤を供給する。
【0005】
特許文献1に記載の駆動装置では、ギヤに対して常に確実に潤滑剤を供給することを目的に、上面が開口した直方体状のオイルパン(潤滑剤貯留部材)の内部(貯留室)に潤滑剤を貯留し、これに柔軟な多孔質材料からなる給油部材を浸すように配置し、その給油部材にウォームの外周面を当接させた構成が採用されている。この構成によれば、給油部材からウォームの外周面に供給された潤滑剤がウォームの回転によってウォームとウォームホイールとの噛み合い箇所へ搬送され、その噛み合い箇所に潤滑剤が安定供給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなウォームギヤを用いた駆動装置においては、ウォームホイールの歯面とウォームの歯面との間の摩擦力によって駆動力を伝達する。この摩擦力は、歯面に対する垂直抗力と摩擦係数とによって決定され、そのエネルギーは、駆動力として伝達されるエネルギー以外は主に熱エネルギー(摩擦熱)に変換される。潤滑剤は、噛み合い箇所の歯面で発生する摩擦熱を吸収し、ギヤの焼きつきを防止するという役目を果たしているが、摩擦熱の吸収により潤滑剤の温度が上昇すると、種々の不具合が引き起こされる。例えば、潤滑剤の温度上昇により、潤滑剤の酸化劣化が促進され、潤滑剤の動粘度が高まると、ウォームギヤの駆動負荷が増大し、場合によっては駆動停止に至るおそれがある。
【0007】
上記特許文献1に記載の駆動装置においては、噛み合い箇所の潤滑剤は適宜入れ替わり、その噛み合い箇所の摩擦熱を吸収した潤滑剤の少なくとも一部は給油部材を介してオイルパンに戻される。これにより、噛み合い箇所で発生した摩擦熱は、潤滑剤を介してオイルパンに伝達され、そのオイルパンを通じて放熱される。
しかしながら、上記特許文献1に記載の駆動装置を含む従来の駆動装置は、一般に、潤滑剤貯留部材の貯留室形状を、作製容易性(低コスト化)等の観点から単なる直方体状あるいは立方体状とし、潤滑剤から潤滑剤貯留部材への伝熱効率を考慮していなかった。そのため、噛み合い箇所から熱を奪った潤滑剤の放熱が不十分となる場合がある。このような場合、上述したウォームギヤの駆動負荷が増大するなどの不具合が発生するおそれがある。
【0008】
ここで、潤滑剤貯留部材を大型化して貯留室の容量を増やし、潤滑剤と潤滑剤貯留部材との接触面積を増やす方法を採れば、潤滑剤から潤滑剤貯留部材への伝熱効率を高めることができる。これによれば、潤滑剤の温度上昇を抑制できるので、潤滑剤の温度上昇に起因した不具合を軽減することができる。しかしながら、駆動装置は、画像形成装置内部などの限られた狭い空間に配置される場合が多く、そのような場合、潤滑剤貯留部材を大型化できないという制約を受ける。よって、潤滑剤貯留部材を大型化する方法により潤滑剤の温度上昇による不具合の軽減を図ることは困難な場合が多く、この不具合を軽減できる別の新たな方法が望まれる。
【0009】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、潤滑剤貯留部材を大型化せずに、潤滑剤の温度上昇に起因した不具合を軽減できる駆動装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、外周面に螺旋状溝が形成されたウォームと該ウォームの螺旋状溝と噛み合うはす歯歯車で構成されるウォームホイールとから構成されるウォームギヤを用いて駆動源からの駆動力を駆動対象へ伝達する駆動力伝達機構と、潤滑剤を貯留する貯留室を形成する潤滑剤貯留部材とを有し、上記貯留室に貯留された潤滑剤が上記ウォームと上記ウォームホイールとの噛み合い箇所に供給され、該噛み合い箇所に供給された潤滑剤が該貯留室に回収されるように構成された駆動装置において、上記潤滑剤貯留部材は、上記貯留室に貯留される潤滑剤の液面下で該貯留室の内壁から該貯留室内へ突出する突出部を有することを特徴とする。
【0011】
本発明においては、上記のような突出部を貯留室に貯留される潤滑剤の液面下に設けることにより、このような突出部が貯留室内壁に設けられていない場合と比較して、その貯留室に貯留されている潤滑剤と貯留室内壁との接触面積を増やすことができる。これにより、潤滑剤貯留部材を大型化せずとも、潤滑剤から潤滑剤貯留部材への伝熱効率を高めることができるので、潤滑剤の温度上昇を抑制でき、潤滑剤の温度上昇に起因した不具合を軽減することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、潤滑剤貯留部材を大型化せずに、潤滑剤の温度上昇に起因した不具合を軽減できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】実施形態における定着装置の加圧ローラを定着ベルトに対して加圧脱圧させる加圧脱圧機構である定着加圧機構を示す斜視図である。
【図3】同定着加圧機構と駆動部とを示す斜視図である。
【図4】加圧ローラの軸方向外側から同駆動部を見たときの斜視図である。
【図5】加圧ローラの軸方向外側(図4中右側)から同駆動部を見た側面図である。
【図6】同駆動部の下面図である。
【図7】同駆動部の上面図である。
【図8】ウォームホイール軸を通るように鉛直面に沿って同駆動部を切断したときの断面図である。
【図9】ウォームホイール軸を通るように水平面に沿って同駆動部を切断したときの断面図である。
【図10】同駆動部の駆動ユニットケースの側面に形成されている開口部が開口した状態の説明図である。
【図11】駆動ユニットの構成を模式的に表した斜視図である。
【図12】図4中右側から同駆動ユニットを見たときの右側面図である。
【図13】同駆動ユニットの上面図である。
【図14】同駆動ユニットの正面図である。
【図15】実施形態における潤滑剤供給機構の構成を示す模式図である。
【図16】加圧ローラを定着ベルトに向けて加圧させる方向へ動作させる加圧動作時における潤滑剤の動きを説明するための説明図である。
【図17】加圧ローラを定着ベルトから脱圧させる方向へ動作させる脱圧動作時における潤滑剤の動きを説明するための説明図である。
【図18】加圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを上方から見て説明した説明図である。
【図19】加圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを図18中左側から見て説明した説明図である。
【図20】脱圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを上方から見て説明した説明図である。
【図21】脱圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを図20中左側から見て説明した説明図である。
【図22】加圧ローラが脱圧状態にあるときの脱圧機構カム及び加圧ローラの関係を示す説明図である。
【図23】(a)は、加圧ローラが脱圧状態にあるときのセンサーフィラー及び透過型フォトセンサの位置関係を示す説明図である。(b)は、加圧ローラが脱圧状態にあるときのウォームホイールの回転位置(回転角度)を示す説明図である。
【図24】加圧ローラが脱圧状態から加圧状態(又は加圧状態から脱圧状態)へ遷移する途中の状態(遷移状態)にあるときの脱圧機構カム及び加圧ローラの関係を示す説明図である。
【図25】(a)は、加圧ローラが遷移状態にあるときのセンサーフィラー及び透過型フォトセンサの位置関係を示す説明図である。(b)は、加圧ローラが遷移状態にあるときのウォームホイールの回転位置(回転角度)を示す説明図である。
【図26】加圧ローラが加圧状態にあるときの脱圧機構カム及び加圧ローラの関係を示す説明図である。
【図27】(a)は、加圧ローラが加圧状態にあるときのセンサーフィラー及び透過型フォトセンサの位置関係を示す説明図である。(b)は、加圧ローラが加圧状態にあるときのウォームホイールの回転位置(回転角度)を示す説明図である。
【図28】駆動モータの駆動タイミングを示すタイミングチャートである。
【図29】変形例1における加圧動作時の潤滑剤の動きを説明するための説明図である。
【図30】変形例1における加圧動作時の潤滑剤の流れを上方から見て説明した説明図である。
【図31】変形例1における加圧動作時の潤滑剤の流れを図30中左側から見て説明した説明図である。
【図32】変形例2において、加圧動作時における潤滑剤の動きを説明するための説明図である。
【図33】変形例2において、加圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを上方から見て説明した説明図である。
【図34】駆動ユニットケースの外壁に放熱用フィンを追加した例を示す説明図である。
【図35】変形例3において、駆動ユニットケースの開口部が開口した状態の説明図である。
【図36】変形例3における駆動ユニットケースをウォームホイール軸を通るように鉛直面に沿って切断した断面図である。
【図37】図36の断面図における駆動ユニットケースの開口部付近を拡大した拡大断面図である。
【図38】変形例4において、駆動ユニットケースの開口部が開口した状態の説明図である。
【図39】変形例4における駆動ユニットケースをウォームホイール軸を通るように鉛直面に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用可能な電子写真方式の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
同図において、タンデム型中間転写式の画像形成装置の本体100は、記録材である用紙を収容して供給する記録材供給手段としての給紙部(給紙テーブル)200上に載せられている。図中の符号の添え字Y、M、C、Kはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の各色をそれぞれ示す。
【0015】
画像形成装置の本体100の中央付近には、複数の支持ローラ14,15,15’,16,63に掛け回されて図中時計回りに回転搬送可能な無端ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト10が設けられている。図示の例では、支持ローラ16の左に中間転写ベルト用のクリーニング装置17が設けられている。クリーニング装置17は、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する。また、支持ローラ14と支持ローラ15間に張り渡した中間転写ベルト10上には、その搬送方向に沿って、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つのトナー像形成手段18Y,18M,18C,18Kを横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
【0016】
タンデム画像形成装置20の上には、図1に示すように、光書込手段としての光書込装置(露光装置)21が設けられている。タンデム画像形成装置20の各トナー像形成手段18Y,18M,18C,18Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の潜像が形成される潜像担持体としての感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kを有している。感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kそれぞれの表面は、帯電装置60Y,60M,60C,60Kで一様に帯電された後、画像データに基づいて光書込装置(露光装置)21で露光され、これにより、感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kそれぞれの表面に潜像が形成される。
【0017】
感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kの潜像はそれぞれ、現像装置61Y,61M,61C,61Kで現像され、これにより、感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kそれぞれの表面に可視像である各色のトナー像が担持される。また、感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kから中間転写ベルト10にトナー像を転写する一次転写位置には、中間転写ベルト10を間に挟んで各感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kに対向するように一次転写手段の構成要素としての一次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kが設けられている。また、支持ローラ14は中間転写ベルト10を回転駆動する駆動ローラである。ブラック単色画像を中間転写ベルト10上に形成する場合には、駆動ローラ14以外の支持ローラ15,15’を移動させて、イエロー、マゼンタ、シアンの感光体ドラム40Y,40M,40Cを中間転写ベルト10から離間させることも可能である。
【0018】
中間転写ベルト10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示の例では、2次転写対向ローラ16に2次転写ローラ16’を押し当て転写電界を印加することにより、中間転写ベルト10上の画像を用紙に転写する。
【0019】
2次転写装置22の横には、用紙上の転写画像を定着する定着手段としての定着装置25が設けられている。定着装置25は、定着部材としての無端ベルトである定着ベルト26に加圧部材としての加圧ローラ27を押し当てて構成する。また、支持ローラ23に掛け回されて回転駆動される搬送ベルト24により、画像転写後の用紙が定着装置25へ搬送される。
【0020】
なお、図示例では、2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、用紙の両面に画像を記録すべく用紙を反転する用紙反転装置28を備える。
【0021】
上記構成の画像形成装置において、画像形成装置の本体100に画像データが送られ、作像開始の信号を受けると、不図示の駆動モータで支持ローラ14を回転駆動して他の複数の支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々のトナー像形成手段18Y,18M,18C,18Kで各感光体40Y,40M,40C,40K上にそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を一次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kが対向する一次転写部で順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
【0022】
また、給紙部の給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つから用紙を繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して画像形成装置本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の用紙を繰り出し、分離ローラで1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と2次転写装置22の2次転写ローラ16’との間に用紙を送り込み、2次転写装置22で転写して用紙上にカラー画像を記録する。画像転写後の用紙は、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込まれ、熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、不図示の切換爪で切り換えて用紙反転装置28に入れ、そこで反転して再び2次転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0023】
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルト用のクリーニング装置17により、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーが除去され、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
【0024】
図2は、本実施形態における定着装置25の加圧ローラ27を定着ベルト26に対して加圧脱圧させる加圧脱圧機構である定着加圧機構を示す斜視図である。
定着加圧機構は、定着ベルト26との間で用紙を加圧するための加圧ローラ27を支持する支持レバー101と、加圧ローラ27を加圧脱圧動作(往復動作)させるための脱圧機構カム80と、回転する脱圧機構カム80を保持するカム軸84、脱圧機構カム80のホームポジション(基準回転角度)を検出するためのセンサーフィラー83及び透過型フォトセンサ82とを備えている。
【0025】
図3は、定着加圧機構と駆動部とを示す斜視図である。
図4は、加圧ローラ27の軸方向外側から駆動部を見たときの斜視図である。
図5は、加圧ローラ27の軸方向外側(図4中右側)から駆動部を見た側面図である。
図6は、駆動部の下面図である。
図7は、駆動部の上面図である。
図8は、ウォームホイール軸77を通るように鉛直面に沿って駆動部を切断したときの断面図である。
図9は、ウォームホイール軸77を通るように水平面に沿って駆動部を切断したときの断面図である。
【0026】
脱圧機構カム80は、駆動源である駆動モータ71で発生する駆動力を受け取って回転する。具体的には、図示しない電源から電流の入力を受ける駆動モータ71が入力信号に基づいて回転駆動すると、その回転駆動力が駆動ユニットケース86の上面から露出したウォーム回転軸の一端部(上端部分)に取り付けられたウォーム駆動ギヤ73に伝達される。これにより、ウォーム75が回転駆動する。ウォーム75は、その回転軸が略鉛直方向に沿うように配置されており、その本体部分(ウォーム駆動ギヤ73よりも下側部分)は駆動ユニットケース86内に収容されている。駆動ユニットケース86内には、ウォーム75の回転駆動力の回転軸方向を鉛直方向から水平方向へ変換するとともに、その回転数を落とす駆動力伝達機構である駆動ユニット70が配置されている。駆動ユニット70によって伝達された回転駆動力により駆動側継手78が回転し、この駆動側継手78に接続されている従動側継手79に回転駆動力が伝達される。従動側継手79は、脱圧機構カム80のカム軸84に固定されているので、従動側継手79の回転駆動により脱圧機構カム80が回転する。
【0027】
図10は、駆動ユニットケース86の側面(ウォームホイール軸77の軸方向外方側の側面)に形成されている開口部112が開口した状態の説明図である。
駆動ユニットケース86は、潤滑剤貯留部材として機能し、その内部が潤滑剤85を貯留する貯留室になっている。この開口部112は、図4〜図9に示したように、横蓋部材104によって閉塞されている。開口部112の下端位置よりも上側まで潤滑剤85が貯留されている場合、横蓋部材104を開けた際に開口部112から潤滑剤85が駆動ユニットケース86の外部へとこぼれ落ちる。このように潤滑剤85がこぼれ落ちてしまうことを防止するために、本実施形態では、図10に示すように、顎受部材113が設けている。また、このような顎受部材113を設けることで、開口部112から漏れ出した潤滑剤85がこぼれ落ちるにしても、そのこぼれ落ちる箇所を、開口部112の真下ではなく、別の場所にすることができる。よって、顎受部材113から潤滑剤85がこぼれ落ちる箇所として、潤滑剤85によって汚染されても害の無い箇所となるように構成すれば、潤滑剤85がこぼれ落ちても実質的な弊害をなくすことができる。
【0028】
また、このような顎受部材113を設けることで、潤滑剤の状態を視認確認する際の作業が容易になる。すなわち、顎受部材113がない場合、貯留室内の潤滑剤の状態を視認確認する際、潤滑剤がこぼれ落ちないように横蓋部材104を開けて、開口部112から駆動ユニットケース86内をのぞき込んで、潤滑剤を視認する必要がある。これに対し、本実施形態のように顎受部材113を設ければ、その顎受部材113上に流れ出た潤滑剤を視認するだけでよい。
【0029】
次に、駆動ユニット70について説明する。
図11は、駆動ユニット70の構成を模式的に表した斜視図である。
図12は、図11中右側から駆動ユニット70を見たときの右側面図である。
図13は、駆動ユニット70の上面図である。
図14は、駆動ユニット70の正面図である。
【0030】
駆動モータ71が回転すると、駆動モータ71のモータ軸に固定された駆動モータギヤ72が回転する。駆動モータギヤ72の回転駆動力はウォーム駆動ギヤ73に伝わり、これにより、ウォーム駆動ギヤ73とウォーム軸74とウォーム75とが一体回転する。ウォーム75の回転駆動力は、ウォーム75の歯面とウォームホイール76の歯面と間の摩擦力によってウォームホイール76に伝わり、これにより、ウォームホイール76、ウォームホイール軸77及び駆動側継手78が一体回転する。
【0031】
図15は、本実施形態における潤滑剤供給機構の構成を示す模式図である。
この潤滑剤供給機構は、ウォーム75とウォームホイール76との噛み合い箇所に流動性を有する潤滑剤85を供給するものである。本実施形態の潤滑剤供給機構では、潤滑剤貯留部材としての駆動ユニットケース86の内部(貯留室)に潤滑剤85が貯留されており、その貯留された潤滑剤85にウォーム75の下端部(ウォーム回転軸方向一端部)が浸るようにウォーム75が配置されている。本実施形態で使用する潤滑剤85としては、例えば、半固形状態のグリスや液体状のオイルなどが挙げられる。
【0032】
図16は、加圧ローラ27を定着ベルト26に向けて加圧させる方向へ動作させる加圧動作時における潤滑剤の動きを説明するための説明図である。
駆動モータ71が逆転方向71bへ回転駆動すると、ウォーム75も逆転方向75bに回転駆動する。本実施形態ではウォーム75の外周面に形成されている螺旋状溝(谷)が右ねじれであるので、ウォーム75が逆転方向75bへ回転すると、ウォーム75の螺旋状溝を形成する下側壁面(斜め上方を向いている壁面)がウォーム75の回転方向進行側を向くことになる。その結果、潤滑剤85に浸っているウォーム75の下端部では、潤滑剤85が螺旋状溝の下端開口部分から螺旋状溝に沿って順次汲み上げられる。その結果、ウォーム75が逆転方向75bへ回転駆動することにより、図中矢印74bに示すように、潤滑剤85はウォーム75の螺旋状溝に沿って上昇していき、ウォーム75とウォームホイール76との噛み合い箇所まで搬送される。
【0033】
加圧動作時は、ウォーム75とウォームホイール76との噛み合い箇所において歯面にかかる力が大きいので、潤滑剤85を安定かつ十分に供給することが望まれる。本実施形態によれば、ウォーム75が逆転方向75bへ回転駆動する加圧動作の度に、ウォーム75とウォームホイール76との噛み合い箇所へ潤滑剤85を供給できる。よって、加圧動作時に潤滑剤85を安定かつ十分に供給することができる。
【0034】
また、本実施形態では、駆動ユニットケース86の内部に貯留されている潤滑剤85に対し、ウォームホイール76の歯面も浸るように構成されている。これにより、潤滑剤85に浸っていたウォームホイール76の歯面部分がウォームホイール76の回転によってウォーム75との噛み合い箇所へ移動することで、その噛み合い箇所に潤滑剤85を供給することができる。
【0035】
このように、本実施形態では、ウォーム75の螺旋状溝に沿って潤滑剤85を噛み合い箇所まで汲み上げる供給方法と、ウォームホイール76の回転によって潤滑剤85を噛み合い箇所まで搬送する供給方法とを併用している。その結果、いずれか一方の供給方法だけで噛み合い箇所に潤滑剤を供給する場合と比較して、加圧動作時により安定かつ十分な潤滑剤を噛み合い箇所に供給できる。
【0036】
図17は、加圧ローラ27を定着ベルト26から脱圧させる方向へ動作させる脱圧動作時における潤滑剤の動きを説明するための説明図である。
駆動モータ71が正転方向71aに回転駆動すると、ウォーム75も正転方向75aに回転駆動する。本実施形態ではウォーム75の外周面に形成されている螺旋状溝(谷)が右ねじれであるので、ウォーム75が正転方向75aへ回転すると、ウォーム75の螺旋状溝を形成する下側壁面(斜め上方を向いている壁面)がウォーム75の回転方向進行側とは逆側を向くことになる。この場合、潤滑剤85に浸っているウォーム75の下端部で、潤滑剤85が螺旋状溝に沿って順次汲み上げられることがない。
【0037】
一方、駆動ユニットケース86の内部底部に貯留されている潤滑剤85の液面よりも上方でウォーム75の螺旋状溝に付着している潤滑剤85は、自重により螺旋状溝に沿って下方へ滑り落ちてくる。その結果、噛み合い箇所の摩擦熱を吸収して温度上昇した潤滑剤は、脱圧動作時に駆動ユニットケース86の内部底部に貯留されている潤滑剤85へ回収される。これにより、噛み合い箇所へ供給する潤滑剤85の入れ替えが促進されるので、同じ潤滑剤が継続的に使用されて噛み合い箇所の潤滑性が低下する事態を抑制できるとともに、噛み合い箇所の摩擦熱をその噛み合い箇所から除去できる。このようにして摩擦熱を吸収した潤滑剤が駆動ユニットケース86の内部へ回収されると、その潤滑剤の熱は、駆動ユニットケース86に伝達され、その駆動ユニットケース86を通じて放熱される。
【0038】
図18は、加圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを、駆動ユニットケース86の内部を上方から見て説明した説明図である。
図19は、加圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを、図18中左側から見て説明した説明図である。
図20は、脱圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを、駆動ユニットケース86の内部を上方から見て説明した説明図である。
図21は、脱圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを、図20中左側から見て説明した説明図である。
【0039】
本実施形態における駆動ユニットケース86の内部(貯留室)には、図示のように、ここに貯留される潤滑剤85の液面下で内壁から突出する突出部86aが設けられている。この突出部86aの上面は水平面に対してほぼ平行な平面である。本実施形態では、この突出部86aが底面に形成されている場合について説明するが、側面に形成してもよい。いずれにしても、このような突出部86aが潤滑剤85の液面下に形成されていることで、駆動ユニットケース86の外形寸法を大きくしなくても、潤滑剤85と駆動ユニットケース86の内壁との接触面積を増やすことができる。これにより、噛み合い箇所の摩擦熱を吸収した潤滑剤85の熱の駆動ユニットケース86への伝熱効率を高めることができる。よって、潤滑剤85の温度上昇を抑制でき、潤滑剤85の温度上昇により酸化劣化が促進して動粘度が高まり、ウォームギヤの駆動負荷が増大するといった不具合を軽減できる。
【0040】
また、本実施形態では、ウォームホイール76の外周面の一部が潤滑剤85に浸るように配置されている。そのため、ウォームホイール76の回転によって、駆動ユニットケース86の内部の潤滑剤85に流れが生じる。具体的には、加圧動作時には、図中符号85aで示すような潤滑剤の流れが発生し、脱圧動作時には、図中符号85bで示すような潤滑剤の流れが発生する。このとき、本実施形態では、潤滑剤に浸っているウォームホイール76の部分に向かって突出部86aが突出している。これにより、この突出部86aが無い構成と比較すると、ウォームホイール76の回転によって駆動ユニットケース86の内部を移動する潤滑剤85の流速が高まる。その結果、潤滑剤と駆動ユニットケース86の内壁との接触面の表面流速が上がるので、潤滑剤85から駆動ユニットケース86への伝熱効率が向上する。
【0041】
また、本実施形態において、加圧動作時に生じる潤滑剤85の流れによって、ウォームホイール76側に貯留されている潤滑剤85がウォーム75に向かって移動する。これによって、加圧動作時にウォーム75が回転してウォーム75の螺旋状溝に沿って潤滑剤を汲み上げる際の効率が高まり、噛み合い箇所に対するより安定した潤滑剤の供給が実現される。
【0042】
また、噛み合い箇所から駆動ユニットケース86内に回収される潤滑剤には、その噛み合い箇所で発生した摩耗粉が含まれる。この摩擦粉は、駆動ユニットケース86内で沈殿するが、このように沈殿した摩擦粉が潤滑剤85とともに噛み合い箇所へ供給されてしまうと、摩耗粉が噛み合い箇所の歯面間に挟まって駆動モータ71の負荷を増大させたり、歯面の破損につながったりといった不具合を引き起こす。特に、ウォームホイール76に近接している突出部86aの上面に摩擦粉が堆積すると、ウォームホイール76に汲み上げられて噛み合い箇所へ供給されやすいので、上記不具合が発生しやすい。
【0043】
しかしながら、本実施形態では、突出部86aと駆動ユニットケース86の側面内壁との間で凹部が形成される。そして、図19や図21に示すように、ウォームホイール76の回転によって突出部86aの上面から凹部に向かう潤滑剤の流れが発生する。これにより、ウォームホイール76に近接している突出部86aの上面には摩擦粉が堆積せず、ウォームホイール76から離れた凹部の底に摩擦粉が堆積することになる。その結果、本実施形態では、摩擦粉がウォームホイール76に汲み上げられにくく、回収した摩擦粉が噛み合い箇所へ供給されて上記不具合を引き起こしにくい。
【0044】
また、本実施形態のように、駆動ユニットケース86の底部内壁に設けた突出部86aがウォームホイール76の潤滑剤に浸っている部分に向けて突出していることで、ウォームホイール76に潤滑剤が汲み上げられる箇所が底上げされる。これにより、より少ない貯留量でウォームホイール76に対する安定した潤滑剤供給を実現できる。
【0045】
次に、駆動ユニット70によって回転する脱圧機構カム80の回転に応じた加圧ローラの加圧脱圧動作について説明する。
図22は、加圧ローラが脱圧状態にあるときの脱圧機構カム80及び加圧ローラ27の関係を示す説明図である。
図23(a)は、加圧ローラが脱圧状態にあるときのセンサーフィラー83及び透過型フォトセンサ82の位置関係を示す説明図であり、図23(b)は、加圧ローラが脱圧状態にあるときのウォームホイール76の回転位置(回転角度)を示す説明図である。
加圧ローラが脱圧状態にあるとき、脱圧機構カム80の回転位置(回転角度)がホームポジション(P=0)となるように設定されている。脱圧機構カム80がホームポジションにあるとき、センサーフィラー83が透過型フォトセンサ82によって検出される。よって、透過型フォトセンサ82の出力によって脱圧機構カム80の回転位置がホームポジション(P=0)であるか否かを把握することができる。
【0046】
図24は、加圧ローラが脱圧状態から加圧状態(又は加圧状態から脱圧状態)へ遷移する途中の状態(遷移状態)にあるときの脱圧機構カム80及び加圧ローラ27の関係を示す説明図である。
図25(a)は、加圧ローラが遷移状態にあるときのセンサーフィラー83及び透過型フォトセンサ82の位置関係を示す説明図であり、図25(b)は、加圧ローラが遷移状態にあるときのウォームホイール76の回転位置(回転角度)を示す説明図である。
脱圧状態と加圧状態とのちょうど中間にあるとき、脱圧機構カム80の回転位置(回転角度)はポジション1(P=1)となる。本実施形態において、ポジション1は、ホームポジションからウォームホイール76が90°回転した地点となるように構成されているが、任意に設定可能である。
【0047】
図26は、加圧ローラが加圧状態にあるときの脱圧機構カム80及び加圧ローラ27の関係を示す説明図である。
図27(a)は、加圧ローラが加圧状態にあるときのセンサーフィラー83及び透過型フォトセンサ82の位置関係を示す説明図であり、図27(b)は、加圧ローラが加圧状態にあるときのウォームホイール76の回転位置(回転角度)を示す説明図である。
加圧ローラが加圧状態にあるとき、脱圧機構カム80の回転位置(回転角度)はポジション2(P=2)となる。本実施形態において、ポジション2は、ホームポジションからウォームホイール76が180°回転した地点となるように構成されているが、任意に設定可能である。
【0048】
駆動モータ71の逆転駆動に伴ってウォームホイール76が逆転方向76bへ回転駆動すると、脱圧機構カム80が図22に示すホームポジション(脱圧状態)から図24に示すポジション1(遷移状態)を経て図26に示すポジション2(加圧状態)をとるように回転する。この脱圧機構カム80の回転により、脱圧機構カム80の外周面(カム面)に当接する支持レバー101の当接部材81が押し上げられる。加圧ローラ27を支持する支持レバー101は、その一端側がレバー回動軸103を中心に回動自在に構成されており、その他端側に当接部材81が設けられている。支持レバー101は、バネ等の付勢手段102によって当接部材81が常に脱圧機構カム80の外周面(カム面)に当接するように構成されている。脱圧機構カム80の回転により支持レバー101の当接部材81が押し上げられると、支持レバー101がレバー回動軸103を中心に回動し、その結果、加圧ローラ27が定着ベルト26に向けて移動し、加圧状態になる。
【0049】
図28は、駆動モータ71の駆動タイミングを示すタイミングチャートである。
駆動モータ71が正転駆動して加圧ローラを加圧状態から脱圧状態にしてから、駆動モータ71が逆転駆動して加圧ローラを脱圧状態から加圧状態にした後、次に駆動モータ71が正転駆動して加圧ローラを加圧状態から脱圧状態にするまでの間で、ウォーム75及びウォームホイール76が1往復移動する。駆動モータ71の逆転駆動時の駆動時間は適宜制御され、所定時間経過後あるいは所定の入力信号の受信後に、正転駆動へ切り替わる。同様に、駆動モータ71の正転駆動時の駆動時間は適宜制御され、所定時間経過後あるいは所定の入力信号の受信後に、逆転駆動へ切り替わる。
【0050】
〔変形例1〕
次に、上記実施形態における駆動ユニットケース86に設けられる突出部を変形した一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図29は、本変形例1において、加圧ローラを定着ベルトに向けて加圧させる方向へ動作させる加圧動作時における潤滑剤の動きを説明するための説明図である。
図30は、本変形例1において、加圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを上方から見て説明した説明図である。
図31は、本変形例1において、加圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを図30中左側から見て説明した説明図である。
【0051】
本変形例1においては、上記実施形態における突出部86aの代わりに、上面が水平面に対して傾斜した傾斜面である傾斜突出部86bを設けている。この傾斜突出部86bは、上記実施形態における突出部86aと同様の位置に配置されているが、図31に示すように、ウォームホイール76の軸方向外方に位置する駆動ユニットケース86の2つの側部内壁の一方から他方に向けて下方へ傾斜している。
【0052】
本変形例1においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
具体的には、例えば、このような傾斜突出部86bが潤滑剤85の液面下に形成されていることで、駆動ユニットケース86の外形寸法を大きくしなくても、潤滑剤85と駆動ユニットケース86の内壁との接触面積を増やすことができ、ウォームギヤの駆動負荷が増大するといった不具合を軽減できる。
【0053】
また、本変形例1によれば、例えば、噛み合い箇所で発生した摩耗粉が沈殿し、傾斜突出部86bの上面(傾斜面)に沿って移動してその傾斜面の下端部に堆積する。この堆積箇所は、ウォームホイール76から離れた箇所であるので、摩擦粉がウォームホイール76に汲み上げられにくく、回収した摩擦粉が噛み合い箇所へ供給されて上記不具合を引き起こしにくい。
特に、本変形例1では、摩耗粉が傾斜突出部86bの傾斜面の下端側に寄せられて堆積するので、上記実施形態の突出部86aの両側に位置する2つの凹部に分散して堆積する場合と比べて、メンテナンス時に摩耗粉を取り出す際の作業が容易になるといった効果が得られる。
【0054】
また、本変形例1によれば、例えば、傾斜突出部86bがウォームホイール76の潤滑剤に浸っている部分に向けて突出しているので、ウォームホイール76に潤滑剤が汲み上げられる箇所が底上げされる。これにより、より少ない貯留量でウォームホイール76に対する安定した潤滑剤供給を実現できる。
【0055】
〔変形例2〕
次に、上記実施形態における駆動ユニットケース86に設けられる突出部を変形した他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図32は、本変形例2において、加圧ローラを定着ベルトに向けて加圧させる方向へ動作させる加圧動作時における潤滑剤の動きを説明するための説明図である。
図33は、本変形例2において、加圧動作時における駆動ユニットケース内の潤滑剤の流れを上方から見て説明した説明図である。
【0056】
上記実施形態や上記変形例1では、突出部86a,86bを駆動ユニットケース86の底部内壁に設けていたが、本変形例2では、突出部を駆動ユニットケース86の側部内壁に設けている。具体的には、本変形例2の側面突出部86cは、ウォーム75を挟んでウォームホイール76の反対側に位置する側部内壁からウォーム75に向けて突出するように設けられている。この側面突出部86cは、ウォーム75の螺旋状溝の凹凸に沿った形状となるように、側面突出部86cの先端がのこぎり状に形成され、ウォーム75に対して接触状態又は近接状態で配置されている。
【0057】
本変形例2においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
具体的には、例えば、このような側面突出部86cが潤滑剤85の液面下に形成されていることで、駆動ユニットケース86の外形寸法を大きくしなくても、潤滑剤85と駆動ユニットケース86の内壁との接触面積を増やすことができ、ウォームギヤの駆動負荷が増大するといった不具合を軽減できる。
【0058】
また、一般に、ウォームホイール76とウォーム75とでは、ウォーム75の方の硬度を高くする傾向があり、そのため、ウォーム75を鉄系金属材料で作製することが推奨されている。鉄系金属材料は、熱伝導率が高いので、噛み合い箇所で発生した摩擦熱は噛み合い箇所からウォーム75全体に分散し、噛み合い箇所から効率よく除去される。本変形例2では、側面突出部86cをウォーム75に対して接触状態又は近接状態で配置しているので、摩擦熱によって昇温したウォーム75の熱を、側面突出部86cから駆動ユニットケース86へ効率よく逃がすことができる。よって、本変形例2によれば、潤滑剤85が駆動ユニットケース86に触れる接触面積が増大することによる潤滑剤昇温抑制効果だけでなく、ウォーム75から駆動ユニットケース86への伝熱効率の向上による潤滑剤昇温抑制効果も加わり、潤滑剤の温度上昇が更に抑制されて、ウォームギヤの駆動負荷が増大するといった不具合が更に軽減される。
【0059】
なお、上記実施形態や上記又は後述する変形例の駆動ユニットケース86の外壁に、図34に示すような放熱部としての放熱用フィン87を追加すると、駆動ユニットケース86が吸収した熱を駆動ユニットケース外へ効率的に放熱することができる。
【0060】
〔変形例3〕
次に、上記実施形態における駆動ユニットケース86の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図35は、本変形例3において、駆動ユニットケース86の開口部112が開口した状態の説明図である。
本変形例3は、顎受部材113上に潤滑剤吸収材114を追加したものである。このような潤滑剤吸収材114を設けることで、開口部112から漏れ出た潤滑剤85を顎受部材113上に保持できる量を増大させることができる。なお、本変形例3においては、開口部112からの潤滑剤吸収材114の突出量が、顎受部材113と同一となっているが、潤滑剤吸収材114の突出量は、顎受部材113上に保持させたい潤滑剤の量に応じて、顎受部材113よりも長くしたり短くしたりしてもよい。
【0061】
図36は、本変形例3における駆動ユニットケース86をウォームホイール軸77を通るように鉛直面に沿って切断した断面図である。
本変形例3において、開口部112の穴径をMとし、ウォームホイール76の外径をYとしたとき、M>Yの関係が成立するように構成されている。これにより、開口部112から駆動ユニットケース86内にウォームホイール76を入れて組み込む作業が容易となる。また、メンテナンス時や異常発生時に、あるいは、装置のリサイクルや廃棄のための分解分別作業時に、ウォームホイール76を駆動ユニットケース86内から取り出す作業も容易になる。
【0062】
図37は、図36の断面図における駆動ユニットケース86の開口部112付近を拡大した拡大断面図である。なお、図36の断面図では、開口部112が開いている状態を示しているが、図37は、開口部112が横蓋部材104によって閉じられている状態を示している。
本変形例3では、開口部112の穴径Mと、その開口部112に嵌り込む横蓋部材104の挿入蓋部の外形Nとの関係がM>Nとなっている。このままでは、開口部112と横蓋部材104の挿入蓋部との間に隙間ができ、横蓋部材104で開口部112を閉じていても潤滑剤85が漏れ出てしまう。そこで、本変形例3では、横蓋部材104の挿入蓋部の外周に溝104aを設け、その溝にオーリング105を取り付けている。横蓋部材104の挿入蓋部に取り付けられたときのオーリング105の外形は、横蓋部材104で開口部112を閉じていない状態ではKであるが、横蓋部材104で開口部112を閉じた状態では、開口部112の穴径MにならってG(=M)となる。これにより、開口部112と横蓋部材104の挿入蓋部との隙間D(=M−N)は、オーリング105によって埋められる。
【0063】
なお、横蓋部材104の挿入蓋部の材質を駆動ユニットケース86に対して軟質な材料、例えばゴム材とし、N>Mの構成とすることで、オーリング105を設けずに隙間を埋めることも可能である。
【0064】
〔変形例4〕
次に、上記実施形態における駆動ユニットケース86の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
図38は、本変形例4において、駆動ユニットケース86の開口部112が開口した状態の説明図である。
本変形例4は、上記顎受部材113に代えて、開口部112から漏れだした潤滑剤を収容する潤滑剤収容部が形成された顎受部材115を設けたものである。具体的には、顎受部材115は、底部からその四方を囲むような壁部を起立させ、その上面が開口した構造となっている。これにより、開口部112から漏れだした潤滑剤が上面開口から壁部に囲まれた空間(潤滑剤収容部)に収容される。
【0065】
本変形例4によれば、上記変形例3のような潤滑剤吸収材114を設けなくても、上記実施形態の顎受部材113よりも、開口部112から漏れ出た潤滑剤85をより多く顎受部材113上に保持できる。
【0066】
図39は、本変形例4における駆動ユニットケース86をウォームホイール軸77を通るように鉛直面に沿って切断した断面図である。
本変形例4において、顎受部材115の潤滑剤収容部に収容可能なオイルの量をLとし、駆動ユニットケース86内に貯留される潤滑剤85の総量をQとしたとき、L>Qとなるように顎受部材115を構成することで、駆動ユニットケース86から排出されるすべての潤滑剤85を顎受部材115に一時的に保持することが可能となり、装置内及び装置外を潤滑剤85で汚染したり部品を汚染したりする可能性がより少なくなる。
【0067】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
外周面に螺旋状溝が形成されたウォーム75と該ウォームの螺旋状溝と噛み合うはす歯歯車で構成されるウォームホイール76とから構成されるウォームギヤを用いて駆動モータ71などの駆動源からの駆動力を駆動対象へ伝達する駆動ユニット70等の駆動力伝達機構と、潤滑剤85を貯留する貯留室を形成する駆動ユニットケース86等の潤滑剤貯留部材とを有し、上記貯留室に貯留された潤滑剤85が上記ウォーム75と上記ウォームホイール76との噛み合い箇所に供給され、該噛み合い箇所に供給された潤滑剤85が該貯留室に回収されるように構成された駆動装置において、上記潤滑剤貯留部材は、上記貯留室に貯留される潤滑剤の液面下で該貯留室の内壁から該貯留室内へ突出する突出部86a,86b,86cを有する。
これよれば、上述したように、貯留室に貯留されている潤滑剤85と貯留室内壁との接触面積を増やすことができるので、駆動ユニットケース86等の潤滑剤貯留部材を大型化せずとも、潤滑剤から潤滑剤貯留部材への伝熱効率を高めることができる。これにより、潤滑剤85の温度上昇を抑制でき、潤滑剤の温度上昇に起因した不具合を軽減することができる。
【0068】
(態様B)
上記態様Aにおいて、上記ウォームホイール76は、その外周面の一部が上記貯留室に貯留される潤滑剤85に浸るように配置されており、上記突出部86a,86bは、上記ウォームホイールの潤滑剤に浸っている部分に向けて突出している。
これよれば、上記実施形態及び上記変形例1で説明したように、ウォームホイール76の回転によって、貯留室内の潤滑剤85に流れが生じる。このとき、潤滑剤85に浸っているウォームホイール76の部分に向かって突出部86a,86bが突出していることで、このような突出部86a,86bが無い構成よりも、ウォームホイール76の回転によって貯留室内を移動する潤滑剤85の流速が高まる。その結果、潤滑剤と駆動ユニットケース86等の潤滑剤貯留部材の内壁との接触面の表面流速が上がるので、潤滑剤85から潤滑剤貯留部材への伝熱効率が向上する。
【0069】
(態様C)
上記態様Bにおいて、上記突出部86a,86bは、上記貯留室の底部内壁から突出している。
これよれば、ウォームホイール76に潤滑剤が汲み上げられる箇所が底上げされ、より少ない貯留量でウォームホイール76に対する安定した潤滑剤供給を実現できる。
【0070】
(態様D)
上記態様Cの駆動装置において、上記突出部86bは、その外面に傾斜面を備えている。
これよれば、上記変形例1で説明したように、噛み合い箇所で摩耗粉が発生して潤滑剤中に摩耗粉が沈殿する際、その摩耗粉は突出部86bの上面(傾斜面)に沿って移動してその傾斜面の下端部に寄せられて堆積する。これにより、潤滑剤中に摩耗粉が分散して沈殿している場合と比較して、メンテナンス時等に摩耗粉を取り出す際の作業が容易になる。
【0071】
(態様E)
上記態様Dにおいて、上記傾斜面は、上記噛み合い箇所に供給される潤滑剤85が上記貯留室から汲み上げられる箇所から離れる方向に向かって下方へ傾斜している。
これよれば、上記変形例1で説明したように、沈殿した摩耗粉の堆積箇所(傾斜面の下端部)が、ウォームホイール76から離れた箇所となるので、摩擦粉がウォームホイール76に汲み上げられにくく、回収した摩擦粉が噛み合い箇所へ供給されることに起因した不具合を引き起こしにくい。
【0072】
(態様F)
上記態様A〜Eのいずれか1つにおいて、上記ウォーム75は、その外周面の一部が上記貯留室に貯留される潤滑剤に浸るように配置されており、上記突出部86cは、上記ウォーム75の潤滑剤に浸っている部分の近傍に設けられている。
これよれば、上記変形例2で説明したように、潤滑剤85が駆動ユニットケース86等の潤滑剤貯留部材に触れる接触面積が増大することによる潤滑剤昇温抑制効果だけでなく、ウォーム75から潤滑剤貯留部材への伝熱効率の向上による潤滑剤昇温抑制効果も加わり、潤滑剤の温度上昇が更に抑制されて、ウォームギヤの駆動負荷が増大するといった不具合が更に軽減される。
【0073】
(態様G)
上記態様A〜Fのいずれか1つにおいて、上記潤滑剤貯留部材の外壁に外方へ突出する放熱部87が設けられている。
これよれば、駆動ユニットケース86等の潤滑剤貯留部材が吸収した熱を潤滑剤貯留部材外へ効率的に放熱することができる。
【0074】
(態様H)
外周面に螺旋状溝が形成されたウォーム75と該ウォームの螺旋状溝と噛み合うはす歯歯車で構成されるウォームホイール76とから構成されるウォームギヤを用いて駆動モータ71などの駆動源からの駆動力を駆動対象へ伝達する駆動ユニット70等の駆動力伝達機構と、潤滑剤85を貯留する貯留室を形成する駆動ユニットケース86等の潤滑剤貯留部材とを有し、上記貯留室に貯留された潤滑剤85が上記ウォーム75と上記ウォームホイール76との噛み合い箇所に供給されるように構成された駆動装置において、上記潤滑剤貯留部材の側壁には、上記貯留室を該潤滑剤貯留部材の外部と連通させる開口部112が形成されており、開口部112から漏れ出た潤滑剤を受ける顎受部材113等の潤滑剤受け部材が設けられている。
これによれば、上記実施形態や上記変形例3や上記変形例4で説明したように、開口部112から漏れ出た潤滑剤を潤滑剤受け部材で受け取ることができ、潤滑剤が駆動装置からこぼれ落ちることを抑制できる。
【0075】
(態様I)
上記態様Hにおいて、上記潤滑剤受け部材は、上記潤滑剤貯留部材と一体形成されたものである。
これによれば、追加部品コストの発生を防ぐことができる。
【0076】
(態様J)
上記態様H又はIにおいて、上記潤滑剤受け部材は、開口部112の下端部から潤滑剤貯留部材の外方へ延出するように設けられている。
これによれば、上記実施形態で説明したように、潤滑剤受け部材が受けた潤滑剤を、潤滑剤受け部材の延出先へ誘導することが可能となる。これにより、例えば、潤滑剤が付着しても害が無い場所へ潤滑剤を誘導することが可能となり、汚染領域を限定できるメリットがある。
【0077】
(態様K)
上記態様H〜Jのいずれか1つにおいて、上記潤滑剤受け部材には、潤滑剤を吸収保持する潤滑剤吸収材114等の潤滑剤吸収保持部材が設けられている。
これによれば、上記変形例3で説明したように、上記潤滑剤受け部材上に保持できる潤滑剤の量を増やすことができるので、潤滑剤が駆動装置から更にこぼれ落ちにくくなる。また、上記潤滑剤受け部材の上に潤滑剤を単に貯留するだけの構成では、その潤滑剤が液体(半粘性体も含む。)の状態であると揮発や振動による飛散の可能性がある。これに対し、本態様Kによれば、そのような飛散を抑制できる。なお、潤滑剤吸収保持部材は、例えば、シート状のものでも、粉状のものでもよい。
【0078】
(態様L)
上記態様H〜Kのいずれか1つにおいて、上記潤滑剤受け部材は、その底部から四方を囲むような壁部を起立させてその壁部に囲まれた空間内に開口部112から漏れ出た潤滑剤を収容する構成を備えている。
これによれば、上記変形例4で説明したように、潤滑剤受け部材で受けた潤滑剤が潤滑剤受け部材からこぼれ落ちにくくなり、潤滑剤が駆動装置から更にこぼれ落ちにくくなる。
【0079】
(態様M)
上記態様H〜Lのいずれか1つにおいて、上記潤滑剤貯留部材に形成されている上記開口部112の寸法は、ウォームホイール76の外形よりも大きい。
これにより、その開口部112を介してウォームホイール76を挿脱する作業が容易になる。
【0080】
(態様N)
態様A〜Mのいずれか1つにおいて、上記駆動力伝達機構は、駆動側と従動側とを連結する駆動力伝達経路上に脱着継手78,79を備えている。
(態様O)
未定着画像を担持した記録材を定着部材との間で挟持して加圧する加圧部材を加圧状態と脱圧状態とに切り替える駆動手段を備えた定着加圧機構において、上記駆動手段として、上記態様A〜Mのいずれか1つの駆動装置を用いる。
(態様P)
被加圧対象に対して加圧ローラ27等の加圧部材を加圧状態と脱圧状態とに切り替える駆動手段を備えた画像形成装置において、上記駆動手段として、上記態様A〜Mのいずれか1つの態様に係る駆動装置を用いる。
【符号の説明】
【0081】
10 中間転写ベルト
18Y,18M,18C,18K トナー像形成手段
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
70 駆動ユニット
71 駆動モータ
72 駆動モータギヤ
73 ウォーム駆動ギヤ
74 ウォーム軸
75 ウォーム
76 ウォームホイール
77 ウォームホイール軸
78 駆動側継手
79 従動側継手
80 脱圧機構カム
81 当接部材
82 透過型フォトセンサ
83 センサーフィラー
84 カム軸
85 潤滑剤
86 駆動ユニットケース
86a,86b,86c 突出部
87 放熱用フィン
101 支持レバー
104 横蓋部材
105 オーリング
112 開口部
113,115 顎受部材
114 潤滑剤吸収材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特開2005−331075号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に螺旋状溝が形成されたウォームと該ウォームの螺旋状溝と噛み合うはす歯歯車で構成されるウォームホイールとから構成されるウォームギヤを用いて駆動源からの駆動力を駆動対象へ伝達する駆動力伝達機構と、
潤滑剤を貯留する貯留室を形成する潤滑剤貯留部材とを有し、
上記貯留室に貯留された潤滑剤が上記ウォームと上記ウォームホイールとの噛み合い箇所に供給され、該噛み合い箇所に供給された潤滑剤が該貯留室に回収されるように構成された駆動装置において、
上記潤滑剤貯留部材は、上記貯留室に貯留される潤滑剤の液面下で該貯留室の内壁から該貯留室内へ突出する突出部を有することを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項1の駆動装置において、
上記ウォームホイールは、その外周面の一部が上記貯留室に貯留される潤滑剤に浸るように配置されており、
上記突出部は、上記ウォームホイールの潤滑剤に浸っている部分に向けて突出していることを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2の駆動装置において、
上記突出部は、上記貯留室の底部内壁から突出していることを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項3の駆動装置において、
上記突出部は、その外面に傾斜面を備えていることを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項4の駆動装置において、
上記傾斜面は、上記噛み合い箇所に供給される潤滑剤が上記貯留室から汲み上げられる箇所から離れる方向に向かって下方へ傾斜していることを特徴とする駆動装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の駆動装置において、
上記ウォームは、その外周面の一部が上記貯留室に貯留される潤滑剤に浸るように配置されており、
上記突出部は、上記ウォームの潤滑剤に浸っている部分の近傍に設けられていることを特徴とする駆動装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駆動装置において、
上記潤滑剤貯留部材の外壁に外方へ突出する放熱部が設けられていることを特徴とする駆動装置。
【請求項8】
被加圧対象に対して加圧部材を加圧状態と脱圧状態とに切り替える駆動手段を備えた画像形成装置において、
上記駆動手段として、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の駆動装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2013−2572(P2013−2572A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135426(P2011−135426)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】