説明

駐車場開閉システム

【課題】駐車場の出入口の開閉扉を作動させる操作を簡便にして、ユーザの手間軽減を図った駐車場開閉システムを提供する。
【解決手段】駐車場2の出入口8を開閉する開閉扉11と、開閉扉11を開閉駆動させる電動モータ12と、駐車場2内の車両のイグニッションスイッチ16aがオン操作された旨を車両信号として送信する車載送信機16と、車両信号を受信した時に開閉扉11を開作動させるように電動モータ12の駆動を制御するコントローラ13と、を備える。これによれば、ユーザが車両に搭乗し、車両を走行させるべくイグニッションスイッチ16aをオン操作すれば、そのオン操作が検知されて開閉扉11が自動で開作動することとなる。そのため、開閉扉11を開作動させるための専用の操作を不要にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の出入口を開閉する開閉扉と、その開閉扉を開閉駆動させる駆動手段と、を備えた駐車場開閉システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、駐車場の出入口を開閉する開閉扉をモータ(駆動手段)で作動させるシステムが知られている(特許文献1等参照)。そして、特許文献1記載のシステムでは、車室内からリモコン操作によりモータを駆動させることにより、ユーザが車両から降りて出入口に設けられたモータ駆動スイッチを操作する手間を無くし、車両に搭乗したまま開閉扉の開閉を操作できるように図っている。
【特許文献1】特開2004−357965号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述のシステムでは車両から降りることを不要にできるものの、モータを駆動させるための操作は依然として必要である。しかも、リモコンの操作手順等、リモコン操作のやり方を車両ユーザ全員が理解している必要があり、特に、高齢者のユーザにとってリモコン操作は煩わしく、手間に感じられてしまう。
【0004】
本発明は、駐車場の出入口の開閉扉を作動させる操作を簡便にして、ユーザの手間軽減を図った駐車場開閉システムを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0006】
すなわち、第1の発明では、駐車場の出入口を開閉する開閉扉と、前記開閉扉を開閉駆動させる駆動手段と、前記駐車場内の車両の走行許可スイッチがオン操作されたことを検知する検知手段と、前記検知手段にてオン操作が検知された時に、前記開閉扉を開作動させるように前記駆動手段の駆動を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
なお、上記「走行許可スイッチ」とは、内燃機関により走行するエンジン駆動車両においてはイグニッションスイッチのことを意味し、バッテリにより走行するモータ駆動車両においては、モータ駆動を制御する制御装置への電源をオンするスイッチのことを意味する。
【0008】
これによれば、ユーザが車両に搭乗し、車両を走行させるための操作である走行許可スイッチをオン操作すれば、そのオン操作が検知されて開閉扉が自動で開作動することとなる。そのため、開閉扉を開作動させるための専用の操作を不要にできる。よって、開閉扉を作動させる操作を簡便にできるとともに、特許文献1に記載のリモコン操作のやり方を理解することも不要にでき、ひいては、ユーザの手間を軽減できる。しかも、車両から荷物を出し入れするだけでは、走行許可スイッチがオン操作されない限り開閉扉が自動で開作動することはないので、防犯上の点でも好ましい。
【0009】
また、第2の発明では、車両に取り付けられ、車両を特定する車両識別情報が記憶され、前記車両識別情報を少なくとも含む車両信号を送信可能な車載送信機と、前記車載送信機から送信された前記車両信号を受信可能な第1受信機と、を備え、前記制御手段は、前記第1受信機により受信した前記車両信号に含まれている前記車両識別情報が予め登録されている車両識別情報と一致したことを条件として、前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする。
【0010】
これによれば、予め登録されていない車両が駐車場に駐車されていた場合において、その車両の走行許可スイッチがオン操作しても開閉扉が自動で開作動することはないので、不審車両の駐車場内への出入りを防止でき防犯性を向上できる。
【0011】
また、第3の発明では、車両に搭乗しているユーザに携帯され、ユーザを特定する個人識別情報が記憶され、前記個人識別情報を少なくとも含むユーザ信号を送信可能な携帯型送信機と、前記携帯型送信機から送信された前記ユーザ信号を受信可能な第2受信機と、を備え、前記制御手段は、前記第2受信機により受信した前記ユーザ信号に含まれている前記個人識別情報が予め登録されている個人識別情報と一致したことを条件として、前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする。
【0012】
これによれば、予め登録されていないユーザが駐車場に駐車されている車両に搭乗して、その車両の走行許可スイッチをオン操作しても開閉扉が自動で開作動することはないので、防犯性を向上できる。
【0013】
なお、上記第1受信機と第2受信機とを兼用させて、1つの受信機により両受信機の機能を発揮させるように構成してもよい。
【0014】
また、第4の発明では、前記開閉扉は、スライド移動することにより前記出入口を開閉する引戸であり、前記制御手段は、前記出入口を車両が出入りする場合には前記開閉扉による開口幅を車両用開口幅となるように制御し、前記出入口を人が通行する場合には前記開閉扉による開口幅を前記車両用開口幅よりも狭い人用開口幅となるように制御することを特徴とする。
【0015】
これによれば、駐車場の出入口を車両の出入口として使用するのみならず、人の出入口としても使用できる。そして、人の出入口としても使用する場合には、開閉扉による開口幅が車両用開口幅よりも狭くなるように駆動手段を制御するので、人の出入口として使用する場合に開閉扉による開口幅を最小限にできる。よって、人の出入口として使用する場合にも車両用開口幅で開口させる場合に比べて省エネルギー化を図ることができるとともに、防犯性を向上できる。
【0016】
また、第5の発明では、前記開閉扉は、前記出入口を車両が出入りする場合にはスライド方向の一方側に移動して他方側にて開口し、前記出入口を人が通行する場合にはスライド方向の他方側に移動して一方側にて開口することを特徴とする。これによれば、人用開口幅が車両用開口幅よりも狭い開口幅となるように制御することを、容易に実現できる。
【0017】
また、第6の発明では、前記開閉扉に対してスライド方向の一方側に設けられ、車両が出入りする時に前記開閉扉の少なくとも一部を収容する車両出入時用引き込み部と、前記開閉扉に対してスライド方向の他方側に設けられ、人が出入りする時に前記開閉扉の少なくとも一部を収容する人出入時用引き込み部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、第7の発明では、前記車両出入時用引き込み部は、前記開閉扉の全体を収容可能な幅寸法に形成され、前記人出入時用引き込み部は、前記車両出入時用引き込み部の幅寸法よりも小さい幅寸法に形成されていることを特徴とする。
【0019】
また、第8の発明では、前記出入口は、住宅の敷地内に設置された外構体に形成されていることを特徴とする。なお、上記「外構体」の具体例としては、図2(c)(d)に例示するように、敷地内外の境界として設けられた塀3や、塀3のうち道路4に面した部分であるファサード壁5が挙げられる。
【0020】
これによれば、図2(c)(d)に例示するように駐車場2を囲うように外構体3を配置できるので、外構体3とは別体の支柱3J(図2(a)(b)参照)に駐車場2の出入口8Jを形成してその支柱3Jに開閉扉11Jを設けた場合に比べて、駐車場2への侵入を困難にできる。よって、車両及び住宅内物品の盗難防止を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0022】
[第1の実施形態]
図1は本実施形態に係る駐車場開閉システムを示す模式図であり、住宅1の敷地内に設けられた駐車場2を対象としている。住宅1の敷地には、敷地内外の境界として設けられた外構体としての塀3が設けられており、塀3は、住宅1の玄関1aと駐車場2とを取り囲む形状に形成されている(図2(c)参照)。
【0023】
図2(c)は図1を上方から見た平面図であり、上記塀3は図中の斜線を付した部分に相当する。塀3のうち道路4に面する部分をファサード壁5と呼び、このファサード壁5には配達物を入れるポスト6及び表札7が取り付けられている。また、ファサード壁5には、駐車場2から道路4に車両が出入りするための出入口8が形成されている。なお、図2(d)は図1の正面図であり、ファサード壁5は図中の斜線を付した部分に相当する。
【0024】
駐車場開閉システムは、出入口8を開閉する開閉扉11と、開閉扉11を開閉駆動させる電動モータ12(駆動手段)と、電動モータ12の駆動を制御するコントローラ13(制御手段)と、を備えている。
【0025】
開閉扉11は、ファサード壁5の壁面に沿って左右にスライド移動可能に取り付けられた引戸である。具体的には、ファサード壁5の壁面には左右方向に延びる上側レール11aが備えられ、開閉扉11の接地部分には下側レール11bが備えられている。そして、開閉扉11の下端には、下側レール11b上を転がる下側ローラ(図示せず)が備えられており、開閉扉11の上端には、上側レール11a上を係止されながら転がる上側ローラ(図示せず)が備えられている。上側レール11aと上側ローラとの係止により、開閉扉11の倒れ防止が図られている。
【0026】
因みに、開閉扉11は、複数のスリットを有する鎧戸(ルーバー)にて構成されているため、出入口8を閉めた状態であっても通風機能が発揮され、適度な視線の抜けを得ることができる。
【0027】
出入口8は、人が通行する出入口と車両が出入りする出入口とを兼用している。そして、開閉扉11は、出入口8を車両用として使用する場合には、図3(b)に示すようにスライド方向の一方側(図1では右側)に移動して他方側にて開口する。また、開閉扉11は、出入口8を人用として使用する場合には、図3(a)に示すようにスライド方向の他方側(図1の左側)に移動して一方側にて開口する。
【0028】
なお、上記「一方側」は玄関1aに近い側となるように設定されているため、人用出入口8は玄関1aに近い側となり、車両用出入口8は駐車場2に近い側となる。また、人用出入口8の場合の人用開口幅W1は、車両用出入口8の場合の車両用開口幅W2よりも狭く設定されている。例えば、出入口8の幅寸法が約3m、人用開口幅W1が約1m、車両用開口幅W2が約3m、出入口8の高さ寸法(上側レール11aの高さ位置)が約2.9m、となるように設定して好適である。
【0029】
ここで、上側レール11aと下側レール11bとの間の空間のうち、出入口8を人が出入りする時に開閉扉11を収容する空間を人出入時用引き込み部11cと呼び、出入口8を車両が出入りする時に開閉扉11を収容する空間を車両出入時用引き込み部11dと呼ぶ。そして、車両出入時用引き込み部11dは、開閉扉11の全体を収容可能な幅寸法に形成され、人出入時用引き込み部11cは、車両出入時用引き込み部11dの幅寸法よりも小さい幅寸法に形成されている。
【0030】
電動モータ12は、開閉扉11に取り付けられており、前述した下側ローラを回転駆動させることで、開閉扉11をスライド移動させる。コントローラ13は、出入口8を人が出入りする時には開閉扉11が図3(a)の位置となるように、車両が出入りする時には図3(b)の位置となるように電動モータ12を制御する。
【0031】
また、本実施形態に係る駐車場開閉システムは、駐車場2の車両に搭乗するユーザに携帯されるスマートキー14(携帯型送信機)と、スマートキー14と無線により送受信可能な定置式のホーム通信機15(第1受信機、第2受信機)と、車両に搭載されてホーム通信機15に車両信号を送信する車載送信機16(検知手段)と、駐車場2への車両の有無を検知する車両センサ17と、を備えて構成されている。
【0032】
スマートキー14が有するEEPROM等の書き換え可能メモリ14aには、ユーザを特定する個人識別情報が記憶されている。なお、スマートキー14は、携帯しても邪魔になりにくくかつ常備しやすいものとなっている。例えば、携帯機本体にリストバンドを取り付けた構成のブレスレット式携帯機や、同携帯機本体にネックチェーンを取り付けた構成のペンダント式携帯機、同携帯機本体にバネフックやバッジピンを取り付けた構成のバッジ式携帯機などとして具現化することが考えられる。
【0033】
ホーム通信機15は、駐車場2又は駐車場2の近傍に設置されており、リクエスト信号を常時出力している。そして、スマートキー14がホーム通信機15との通信可能エリアに進入してリクエスト信号を受信すると、スマートキー14は、個人識別情報を含むユーザ信号をホーム通信機15に送信する。そして、ホーム通信機15により受信されたユーザ信号はコントローラ13に出力される。
【0034】
車両のイグニッションスイッチ(走行許可スイッチ)16aがオン操作されると、イグニッションスイッチ16aからIGオン信号が車載送信機16に出力され、車載送信機16はそのIGオン信号をホーム通信機15に無線送信する。そして、ホーム通信機15により受信されたIGオン信号はコントローラ13に出力される。
【0035】
車両センサ17は、駐車場2又は駐車場2の近傍に設置された、赤外線センサ等の非接触式センサである。そして、車両センサ17が駐車場2に車両が存在する旨を感知すると、車両感知信号をコントローラ13に出力する。
【0036】
次に、コントローラ13が有するマイクロコンピュータにより電動モータ12の作動が自動制御される流れを、図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0037】
先ず、ステップS11ではホーム通信機15がリクエスト信号を送信し、続くステップS12では、リクエスト信号に応答して個人識別情報を受信したか否かを判定する。応答が無い場合(S12:NO)、すなわち個人識別情報を受信していない場合、そのまま本処理を終了する。
【0038】
また、応答が有る場合(S12:YES)、すなわち個人識別情報を受信している場合、ステップS13に進み、受信した個人識別情報に基づいてユーザ認証を実施する。例えば、住宅1の住人の個人識別情報を予め登録しておき、その登録された個人識別情報とステップS12にて受信した個人識別情報とが一致した場合に、ホーム通信機15との通信可能エリアに進入している人が住人であると認証する。そして、本人であることを確認して認証OKであれば(S14:YES)後続のステップS15に進み、認証NGであれば(S14:NO)そのまま本処理を終了する。
【0039】
ステップS15では、車両感知信号の有無に基づき駐車場2に車両が在るか否かを判定する。車両感知信号の受信が無く車両無しと判定した場合(S15:NO)には、認証されたユーザ(住人)が徒歩で開閉扉11に近づいているとみなす。そしてステップS18において、開閉扉11による出入口8の開口幅が人用開口幅W1となるように、電動モータ12の駆動を制御する。
【0040】
一方、車両感知信号の受信が有り、車両有りと判定した場合(S15:YES)には、ステップS16に進み、IGオン信号の有無に基づき駐車場2の車両がエンジン始動許可状態(走行許可状態)になっているか否かを判定する。IGオン信号の受信が無くエンジン始動許可状態になっていないと判定した場合(S16:NO)には、認証されたユーザ(住人)が徒歩で開閉扉11に近づいているとみなし、ステップS18にて人用開口幅W1となるように制御する。
【0041】
IGオン信号の受信が有り、エンジン始動許可状態になっていると判定した場合(S16:YES)には、認証されたユーザ(住人)が車両に搭乗して出入口8から出ようとしているとみなす。そしてステップS17において、開閉扉11による出入口8の開口幅が車両用開口幅W2となるように、電動モータ12の駆動を制御する。
【0042】
なお、ステップS17,S18による開閉扉11の自動作動の開始後、ユーザが出入口8から離れてユーザ信号が受信されない状態になると(S12:NO)、開閉扉11の自動作動は自動的に停止されるようになっている。
【0043】
以上により、上記構成の本実施形態によれば以下の効果が発揮される。
【0044】
・認証されたユーザ(住人)が車両に搭乗し、車両を走行させるべくイグニッションスイッチ16aをオン操作すれば、車両用開口幅W2となるように開閉扉11が自動で開作動することとなる。そのため、開閉扉11を開作動させるための専用の操作を不要にできる。よって、開閉扉11を作動させる操作を簡便にできるとともに、特許文献1に記載のリモコン操作のやり方を理解することも不要にでき、ひいては、ユーザの手間を軽減できる。しかも、車両から荷物を出し入れするだけでは、イグニッションスイッチ16aがオン操作されない限り開閉扉11が自動で開作動することはないので、防犯上の点でも好ましい。
【0045】
・ユーザ認証がなされたことを条件として開閉扉11が自動で開作動させるので、住人以外の人が車両に乗ってイグニッションスイッチ16aをオン操作させたとしても、開閉扉11は開作動しない。よって、車両盗難に対する防犯性を向上できる。
【0046】
・開閉扉11により出入口8を自動開作動させるにあたり、車両用開口幅W2とその幅W2よりも狭い人用開口幅W1とに切り換えて開作動させる。そのため、駐車場2の出入口8を車両の出入口として使用するのみならず、人の出入口としても使用できる。
【0047】
・開閉扉11は、出入口8を車両が出入りする場合にはスライド方向の一方側に移動して他方側にて開口し、出入口8を人が通行する場合にはスライド方向の他方側に移動して一方側にて開口する。ここで、車両及び人のいずれが出入りする場合であっても、スライド方向の一方側に移動して他方側にて開口するようにしてもよいが、その場合には、スライド移動を途中で止めて人用開口幅W1にしなければならないため、スライド移動量を人用開口幅W1の位置と車両用開口幅W2の位置との2段階で検出する必要がある。これに対し、本実施形態によれば、一方側のへのスライドと他方側へのスライドの方向を切り換えるだけでよいので、人用開口幅W1が車両用開口幅W2よりも狭い開口幅となるように制御することを容易にできる。
【0048】
・ところで、従来では、図2(a)(b)に示すようにファサード壁5とは別体の支柱3Jに駐車場2の出入口8Jを形成し、その支柱3Jに開閉扉11Jを設けている。そのため、出入口8Jを形成する支柱3Jとファサード壁との一体感が得られず、意匠的な見栄えが損なわれている。これに対し本実施形態ではファサード壁5に駐車場2の出入口8を形成しているため、駐車場2の出入口8Jを構成する部分がファサード壁5により一体的に構成されるので、意匠的な見栄えを向上できる。
【0049】
・さらに、本実施形態によれば、ファサード壁5に駐車場2の出入口8を形成しているため、ファサード壁5を、住宅1の玄関1aと駐車場2とを取り囲む形状に形成することを容易に実現できる。そのため、支柱3Jに開閉扉11Jを設けた場合に比べて、駐車場2への侵入を困難にできる。よって、車両及び住宅内物品の盗難防止を図ることができる。したがって、ファサード壁5及び塀3の高さを、人が容易に入れない高さ(例えば1.8m以上)に設定して好適である。
【0050】
[第2の実施形態]
本実施形態は、ファサード壁5、出入口8及び開閉扉11の形状を各種変形させたものであり、図5(a)に示す形態では、ファサード壁5のうち出入口8を形成する部分が門型の形状になっており、出入口8の上方部分にもファサード壁5が存在する。図5(b)に示す形態では、ファサード壁5の上方部分がバルコニーの床面5bとして機能している。
【0051】
また、上記第1の実施形態に係る開閉扉11は左右にスライド移動する引戸型であったのに対し、図5(c)に示す形態の開閉扉111は、上下に移動するシャッタ型である。但し、このシャッタ型の場合には、出入口8を人用として使用する場合の開口高さを、引戸型の場合の人用開口幅W1に比べて大きく設定しなければならなくなり、この点、引戸型の開閉扉11の方がシャッタ型の開閉扉111よりも有利である。
【0052】
また、図5(d)に示す形態の開閉扉112は、折り畳んで開閉する折戸型である。但し、この折戸型の場合には、折り畳んだ状態の開閉扉112は大きなスペースを必要とする。よって、図5(d)を上方から見た平面図である図5(e)に示すように、出入口8の開口に対する開閉扉112の開口幅L1が小さく、有効幅が小さい。また、大きな奥行き寸法L2が必要となる。この点、引戸型の開閉扉11の方が折戸型の開閉扉112よりも有利である。
【0053】
[他の実施形態]
本発明は以上説明した実施の形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。そして、以下に説明する各実施形態の特徴的制御内容及び構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
【0054】
・車載送信機16等の車載機に、車両を特定する車両識別情報を予め記憶させておき、車載送信機16から送信される車両信号に車両識別情報を含ませ、この車両信号を受信したコントローラは、車両信号に含まれている車両識別情報とコントローラに予め登録されている車両識別情報とが一致しているか否かに基づき車両認証を実行し、車両が認証されたことを条件として、開閉扉11の自動開作動を行なうように制御してもよい。これによれば、登録されていない車両が駐車場2に駐車されていた場合において、その車両のイグニッションスイッチ16aをオン操作させたとしても開閉扉11が自動で開作動することはないので、不審車両の駐車場2内への出入りを防止でき、防犯性を向上できる。
【0055】
・上記実施形態ではユーザ信号に個人識別情報のみを含ませているが、ユーザの嗜好情報或いは身体情報等の付加情報を含ませるようにしてもよい。例えば、身体情報として車椅子を利用している旨をスマートキー14のメモリ14aに記憶させておき、コントローラ13が人用開口幅W1となるように電動モータ12の駆動を制御するにあたり、車椅子利用者の場合には他の利用者に比べて人用開口幅W1を大きくするように制御して好適である。また、ユーザの嗜好に応じて人用開口幅W1を可変に設定できるようにして好適である。
【0056】
・上記付加情報の内容を個人識別情報と対応付けて予めコントローラ13等に登録してもよい。換言すれば、ユーザの付加情報を、スマートキー14に記憶させてもよいし、スマートキー14の外部(例えばコントローラ13)に記憶させてもよい。
【0057】
・上記実施形態では、携帯型送信機としてスマートキーを採用しているが、携帯電話、ICタグ又はICカードを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る駐車場開閉システムを示す模式図。
【図2】(a)(b)は従来の駐車場開閉システムを示す平面図及び正面図、(c)(d)は第1の実施形態に係る駐車場開閉システムを示す平面図及び正面。
【図3】図1の開閉扉の作動状態を示す斜視図であり、(a)は出入口を人用として使用する場合の図、(b)は出入口を車両用として使用する場合の図。
【図4】図1のコントローラによる自動制御の流れを説明するフローチャート。
【図5】第2の実施形態に係る駐車場開閉システムを示す模式図。
【符号の説明】
【0059】
2…駐車場、8…出入口、11…開閉扉、12…電動モータ(駆動手段)、13…コントローラ(制御手段)、15…ホーム通信機、16…車載送信機(検知手段)、16a…イグニッションスイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の出入口を開閉する開閉扉と、
前記開閉扉を開閉駆動させる駆動手段と、
前記駐車場内の車両の走行許可スイッチがオン操作されたことを検知する検知手段と、
前記検知手段にてオン操作が検知された時に、前記開閉扉を開作動させるように前記駆動手段の駆動を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする駐車場開閉システム。
【請求項2】
車両に取り付けられ、車両を特定する車両識別情報が記憶され、前記車両識別情報を少なくとも含む車両信号を送信可能な車載送信機と、
前記車載送信機から送信された前記車両信号を受信可能な第1受信機と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1受信機により受信した前記車両信号に含まれている前記車両識別情報が予め登録されている車両識別情報と一致したことを条件として、前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする請求項1に記載の駐車場開閉システム。
【請求項3】
車両に搭乗しているユーザに携帯され、ユーザを特定する個人識別情報が記憶され、前記個人識別情報を少なくとも含むユーザ信号を送信可能な携帯型送信機と、
前記携帯型送信機から送信された前記ユーザ信号を受信可能な第2受信機と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2受信機により受信した前記ユーザ信号に含まれている前記個人識別情報が予め登録されている個人識別情報と一致したことを条件として、前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車場開閉システム。
【請求項4】
前記開閉扉は、スライド移動することにより前記出入口を開閉する引戸であり、
前記制御手段は、前記出入口を車両が出入りする場合には前記開閉扉による開口幅を車両用開口幅となるように制御し、前記出入口を人が通行する場合には前記開閉扉による開口幅を前記車両用開口幅よりも狭い人用開口幅となるように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の駐車場開閉システム。
【請求項5】
前記開閉扉は、前記出入口を車両が出入りする場合にはスライド方向の一方側に移動して他方側にて開口し、前記出入口を人が通行する場合にはスライド方向の他方側に移動して一方側にて開口することを特徴とする請求項4に記載の駐車場開閉システム。
【請求項6】
前記開閉扉に対してスライド方向の一方側に設けられ、車両が出入りする時に前記開閉扉の少なくとも一部を収容する車両出入時用引き込み部と、
前記開閉扉に対してスライド方向の他方側に設けられ、人が出入りする時に前記開閉扉の少なくとも一部を収容する人出入時用引き込み部と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の駐車場開閉システム。
【請求項7】
前記車両出入時用引き込み部は、前記開閉扉の全体を収容可能な幅寸法に形成され、
前記人出入時用引き込み部は、前記車両出入時用引き込み部の幅寸法よりも小さい幅寸法に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の駐車場開閉システム。
【請求項8】
前記出入口は、住宅の敷地内に設置された外構体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の駐車場開閉システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−285878(P2008−285878A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131350(P2007−131350)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】