説明

高反射性オーム電極を有する半導体発光デバイス

半導体発光デバイスは、伝導性基板上に多層半導体構造を含む。多層半導体構造は、伝導性基板上方に位置する第1のドープ半導体層、第1のドープ半導体層上方に位置する第2のドープ半導体層、および/または第1と第2のドープ半導体層との間に位置するMQW活性層を含む。また、デバイスは、Ag、ならびにNi、Ru、Rh、Pd、Au、Os、Ir、およびPtのうちの少なくとも1つと、Zn、Mg、Be、およびCdのうちの少なくとも1つと、W、Cu、Fe、Ti、Ta、およびCrのうちのいくつかを含む、第1のドープ半導体層と伝導性基板との間の反射性オーム接触金属層を含む。さらに、デバイスは、反射性オーム接触金属層と伝導性基板との間の接合層、伝導性基板に連結される第1の電極、および第2のドープ半導体層に連結される第2の電極を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、半導体発光デバイスの設計に関する。より具体的には、本発明は、高反射性オーム電極を有する新規な半導体発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
固体状態照明は、照明技術に波及効果をもたらすことが期待される。高輝度発光ダイオード(HB−LED)は、表示デバイスのための光源としての役割から、従来の照明の電球に替わるものとしてまで、ますます多くの用途に出現しつつある。典型的には、コスト、効率性、および輝度の3つが、LEDの実用化を決定するための最も重要な評価指標である。
【0003】
LEDは、正ドープ層(p型ドープ層)と負ドープ層(n型ドープ層)との間に「挟入」される、活性領域から光を産生する。LEDが順方向にバイアスされると、p型ドープ層からの正孔と、n型ドープ層からの電子とを含む、キャリアは、活性領域内で再結合する。直接バンドギャップ材料では、本再結合プロセスは、光子、すなわち、光の形態でエネルギーを放出し、その波長は、活性領域内の材料のエネルギーバンドギャップに対応する。
【0004】
基板の選択および半導体積層の設計に応じて、LEDは、2つの構成、すなわち、横電極(電極は、基板の同一側に位置付けられる)構成および垂直電極(電極は、基板の両側に位置付けられる)構成を使用して、形成可能である。図1Aおよび1Bは、両構成を例証しており、図1Aは、典型的横電極LEDの断面を示し、図1Bは、典型的垂直電極LEDの断面を示す。図1Aおよび1Bに示されるLEDは両方とも、基板層102、n型ドープ層104、任意の多重量子井戸(MQW)活性層106、p型ドープ層108、p型ドープ層に連結されるp横電極110、およびn型ドープ層に連結されるn横電極112を含む。
【0005】
垂直電極構成は、デバイスのパッケージ化を容易にする。加えて、電極がデバイスの両側に設置されるため、デバイスは、静電放電に対してより耐性を有する。したがって、垂直電極LEDは、横電極LEDと比較して、より安定性が高い。これは、得に、高出力短波長LEDに当てはまる。
【0006】
高出力高輝度LEDから効果的に光を抽出するために、フリップチップパッケージ化技術が採用される場合が多く、p横電極は、高反射性表面として使用され、デバイスの反対側に光を反射する。光反射体の存在は、LEDの光抽出の効率性を向上させる。図2は、反射体としてのp電極を伴う、フリップチップパッケージ化垂直LEDの例示的構造を例証する。上から下へと、図2は、n横電極202、n型ドープ層204、活性層206、p型ドープ層208、および反射体としても作用する、p横電極210を示す。破線矢印は、電流の方向を示し、上方に指向する短い矢印は、光伝搬の方向を示す。放出される光が誘導され、特定の方向に伝搬するレーザデバイスと異なり、LED内で放出される光は、全方向性に伝搬することに留意されたい。故に、デバイスの裏面の反射体は、光抽出の効率性を向上させる際に不可欠である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の概要)
本発明の一実施形態は、伝導性基板上に多層半導体構造を含む、半導体発光デバイスを含む。多層半導体構造は、伝導性基板上方に位置する第1のドープ半導体層、第1のドープ半導体層上方に位置する第2のドープ半導体層、および/または第1と第2のドープ半導体層との間に位置する多重量子井戸(MQW)活性層を含む。また、デバイスは、第1のドープ半導体層と伝導性基板との間に位置する反射性オーム接触金属層を含む。反射性オーム接触金属層は、Agと、Ni、Ru、Rh、Pd、Au、Os、Ir、およびPtのうちの少なくとも1つの材料と、Zn、Mg、Be、およびCdのうちの少なくとも1つの材料と、W、Cu、Fe、Ti、Ta、およびCrのうちのいくつかの材料と、を含む。さらに、デバイスは、反射性オーム接触金属層と伝導性基板との間に位置する接合層と、伝導性基板に連結される第1の電極と、第2のドープ半導体層上の第2の電極と、を含む。
【0008】
本実施形態に関する変形例では、第1のドープ半導体層は、p型ドープ半導体層である。
【0009】
本実施形態に関するさらなる変形例では、p型ドープ半導体層は、MgでドープされたGaNを含む。
【0010】
本実施形態に関する変形例では、反射性オーム接触金属層は、Ag/Pt/Mg合金と、Ag/Pt/Zn合金の金属組成のうちの1つを含む。
【0011】
本実施形態に関する変形例では、反射性オーム接触層は、1重量%〜10重量%のPt、Ni、Ru、Rh、Pd、Au、Os、およびIrのうちの少なくとも1つの材料と、0.001〜5%のZn、Mg、Be、およびCdのうちの少なくとも1つの材料と、0〜5%のW、Cu、Ti、Ta、およびCrのうちのいくつかの材料と、を含む。
【0012】
本実施形態に関する変形例では、反射性オーム接触層は、97重量%のAgと、1.5重量%のPtと、1.5重量%のZnと、を含む。
【0013】
本実施形態に関する変形例では、活性層は、InGaNと、InGaAlNと、InGaAlPと、InGaAlAsのうちの少なくとも1つの材料を含む。
【0014】
本実施形態に関する変形例では、伝導性基板は、Siと、GaAsと、GaPと、Cuと、Crのうちの少なくとも1つの材料を含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1Aは、例示的横電極LEDの断面を例証する。図1Bは、例示的垂直電極LEDの断面を例証する。
【図2】図2は、反射体としてp横電極を使用する、例示的垂直電極LEDの断面を例証する。
【図3A】図3Aは、一実施形態による、予めパターン化された溝およびメサを伴う、基板の一部を例証する。
【図3B】図3Bは、一実施形態による、予めパターン化された基板の断面を例証する。
【図4】図4は、一実施形態による、高反射性オーム電極を伴う発光デバイスを加工するプロセスを例証する、略図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
以下の説明は、当業者が本発明を作製および使用可能なように提示され、特定の用途およびその要件を背景として提供される。開示される実施形態への種々の修正は、当業者には容易に明白となり、本明細書に定義される一般的原理は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の実施形態および用途に適用されてもよい。したがって、本発明は、示される実施形態に制限されず、請求項に一致するその最大の範囲が認められる。
【0017】
(概観)
LED加工技術における近年の開発は、短波長LEDのための材料として、AlGaN、InGaN、InGaAlN、およびGaNを含む、GaNを基材とするIII−V化合物半導体の使用を可能にする。これらのGaNを基材とするLEDは、LED発光スペクトルを緑色、青色、および紫外領域に拡張するだけではなく、また、高発光効率性を達成可能である。電流密集の課題を回避し、光抽出の効率性を向上させるために、p横オーム電極のための接触層として、高反射性材料を選択することが必要である。
【0018】
緑色から紫色の範囲のスペクトルの光に対して高反射性を提供可能な銀(Ag)およびアルミニウム(Al)等の金属材料は、わずか数種類しか存在しない。しかしながら、AgまたはAlが、p−GaN、p−AlGaN、p−InGaN、およびp−InGaAlN等のp型ドープGaNを基材とする化合物半導体と良好なオーム接触を形成することは、非常に困難である。一方、上述のpドープGaN半導体と低抵抗オーム接触を形成可能な白金(Pt)、パラジウム(Pd)、およびニッケル/金(Ni/Au)合金等の金属材料は、所望のスペクトル範囲において、光を強力に吸収する。金属接触が厚い程、光吸収が強力となることに留意されたい。したがって、オーム電極の厚さを縮小、光吸収を減少させることが望ましくなる。それでもなお、金属の薄層によって誘発される吸収は、光抽出の効率性を大幅に低下させ得る。加えて、吸収された光エネルギーは、熱に変換される場合が多く、LED温度を上昇させ得る。順に、温度上昇は、より強力な光吸収および漏洩電流の増加へとつながり、LED寿命を短縮させ、最悪の場合、LEDを焼損させる場合がある。LEDが高バイアス下で作動する場合、電極によって生成される熱は、LED寿命を短縮させる主要要因の1つであることが分かっている。
【0019】
近年、研究者らは、透明伝導性酸化物(TCO)材料を使用して、p側オーム接触を形成する方法を採用している。しかしながら、TCO材料の比較的に高接触抵抗および低熱伝導性が、LED内の蓄熱につながり、また、LED漏洩電流を増加させ得るため、TCO材料は、高出力LEDには好適ではない場合がある。
【0020】
現在、高反射性p電極は、典型的には、Ni/Au/Ag合金、AgメッキTCO、およびニッケル/銀/ルテニウム(Ni/Ag/Ru)合金を基材とする。これらの材料はすべて、ある課題と関連する。Ni/Au/Ag電極の接触抵抗は、比較的に低いが、金層は、放出される光を強力に吸収する。例えば、Ni/Au/Ag電極は、460nm領域内の波長の約20〜30%の光を吸収し得る。そのような高光吸収率は、LEDの光抽出の効率性を大幅に低減する。Ni/Au層の厚さを縮小することによって、光吸収を減少させることを所望する場合、弱体化した接着力とともに、非理想的オーム接触の課題に直面するであろう。一方、AgメッキTCO電極は、より高い光抽出の効率性を実証するが、その低熱伝導性は、蓄熱につながり、したがって、高バイアス電流下では、LEDを不安定にする。さらに、Niの薄層のみ、半導体とAg反射体との間に存在するため、Ni/Ag/Ru電極は、より低い光吸収を呈するが、Niは、pドープGaN材料との良好なオーム接触を形成するためには好適ではない。加えて、そのアニーリングプロセスは、Ag層の反射性を減少させる場合が多い。Ag単独では、青色光に対して高反射性を実証するが、pドープGaN材料との良好なオーム接触を形成することは困難である。加えて、Agオーム接触の接触特性、安定性、および接着性は、Pt、Pd、またはNi/Auで形成されるオーム接触のものよりも劣る。
【0021】
上述のように、低光吸収、低接触抵抗、高安定性、および強接着性を含む、あらゆる要求条件を同時に満たし、高輝度高出力LEDのための確実、高反射性、かつ低抵抗オーム電極を形成することは困難である。
【0022】
本発明の実施形態は、高反射性オーム電極を伴う、LEDデバイスを提供する。デバイスは、伝導性基板、多層半導体構造、反射性オーム接触金属層、多層構造を伝導性基板と接合する接合層、第1の電極、および第2の電極を含む。反射性オーム接触金属層は、Agと、MgおよびZnを含む、1つまたは2つの他の金属材料と、を含む。
【0023】
(基板の調製)
大面積成長基板(Siウエハ等)上に亀裂のないGaNを基材とするIII−V化合物多層構造を成長させるために、溝およびメサによって、基板を予めパターン化する成長方法が導入される。溝およびメサによって、基板を予めパターン化することによって、基板表面と多層構造との間の格子定数および熱膨張係数の不整合によって生じる、多層構造内の応力を効果的に放出可能である。
【0024】
図3Aは、一実施形態による、フォトリソグラフィおよびプラズマエッチング技術を使用して予めエッチングされたパターンを伴う、基板の一部の上面図を例証する。四角形のメサ300および溝302は、エッチングの結果である。図3Bは、一実施形態による、図3Aの水平線AA'に沿って予めパターン化された基板の断面を示すことによって、メサおよび溝の構造をより明確に例証する。図3Bに見られるように、交差溝304の側壁は、メサ306、ならびに部分的メサ308および310等の隔離されたメサ構造の側壁を効果的に形成する。各メサは、それぞれの半導体デバイスの成長のための独立した表面積を画定する。
【0025】
異なるリソグラフィおよびエッチング技術を適用し、半導体基板上に溝およびメサを形成可能であることに留意されたい。また、図3Aに示されるような四角形のメサ300を形成する以外に、溝302のパターンを変更することによって、代替幾何学形状を形成可能であることに留意されたい。これらの代替幾何学形状のいくつかは、三角形、矩形、平行四辺形、六角形、円形、または他の不規則形状を含むことが可能であるが、それらに限定されない。
【0026】
(高反射性オーム電極を伴う発光デバイスの加工)
図4は、一実施形態による、高反射性オーム電極を伴う発光デバイスを加工するプロセスを例証する略図を提示する。操作Aでは、溝およびメサによって予めパターン化された成長基板が調製された後、有機金属化学気相成長法(MOCVD)を含むことが可能であるが、それに限定されない、種々の成長技術を使用して、InGaN多層構造が形成される。LED構造は、Siウエハであり得る基板層402、SiドープGaN層であり得るn型ドープ半導体層404、多周期GaN/InGaN MQWであり得る活性層406、およびMgドープGaNを基材とし得るp型ドープ半導体層408を含むことが可能である。p型層とn型層との間の成長配列は、逆転可能であることに留意されたい。
【0027】
操作Bでは、接触補助金属層410が、pドープ半導体層の上部に形成される。接触補助金属層410を形成するために使用可能な金属材料は、白金(Pt)および/またはNiを含む。また、接触補助金属層410は、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、ベリリウム(Be)、亜鉛(Zn)、およびマグネシウム(Mg)のうちの少なくとも1つの材料を含むことが可能である。接触補助金属層410は、例えば、電子ビーム(eビーム)蒸着等の堆積技術、またはスパッタリング技術を使用して、堆積され得る。また、他の堆積技術も可能である。接触補助金属層410の厚さは、少なくとも10オングストロームである。一実施形態では、接触補助金属層410の厚さは、約500オングストロームである。
【0028】
操作Cでは、接触補助金属層410が、最初に、熱アニーリング手順を受け、次いで、例えば、機械研磨技術または化学エッチング技術を使用して除去される。熱アニーリング手順は、p型層内のp型イオンを活性化する。熱アニーリング手順のための雰囲気は、窒素(N)、酸素(O)、空気、真空、および不活性ガスのうちの1つを含んでもよい。熱アニーリングの温度は、200℃〜1000℃であり得る。一実施形態では、熱アニーリング温度は、約550℃である。熱アニーリングのために使用される総時間は、10秒〜24時間であってもよい。一実施形態では、熱アニーリングは、約5分間継続される。接触補助金属層410の堆積、アニーリング、および除去プロセスは、選択される金属とp型層408との間に形成されるオーム接触のオーム接触特性、接着性、ならびに安定性を向上させる。
【0029】
操作Dでは、反射性オーム接触金属層412が、p型ドープ層408の上部に形成される。反射性オーム接触金属層412を形成するために使用される金属材料は、Agと、Ru、Rh、Pd、Au、Os、Ir、およびPtのうちの少なくとも1つの材料と、Zn、Mg、カドミウム(Cd)、およびベリリウム(Be)のうちの少なくとも1つと、タングステン(W)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、およびクロム(Cr)のうちのいくつかの材料と、を含む。より優れた性能のために、反射性オーム接触層は、1重量%〜10重量%のPt、Ru、Rh、Pd、Au、Os、Irのうちの少なくとも1つの材料と、0.001重量%〜5重量%のZn、Mg、Cd、およびBeのうちの少なくとも1つと、0重量%〜5重量%のW、Cu、Ti、Ta、およびCrのうちの1つ以上の材料と、を含有する、Ag合金であり得る。接触補助金属層410と同様に、反射性オーム接触金属層412は、電子ビーム(eビーム)蒸着等の堆積技術、またはスパッタリング技術を使用して堆積され得る。また、他の堆積技術も可能である。
【0030】
反射性オーム接触金属層412のための金属材料/組成のあらゆる利用可能な選択肢のうち、一実施形態は、Ag/Pt/Mgの金属組成を選択し、別の実施形態は、Ag/Pt/Znの金属組成を選択する。上述のように、Agは、緑色および青色光に対して良好な反射体である。加えて、Ptは、比較的高仕事関数を有する。p型ドープ半導体材料の場合、高伝導性領域を形成するために、半導体材料と同等以上の電極の仕事関数を有することが理想的である。したがって、Ptは、pドープ半導体層と低抵抗オーム接触を形成するために望ましい材料である。加えて、銀合金中のPtの存在は、p型層408内へのAgイオンの拡散を効果的に減少させる。さらに、MgおよびZnは両方とも、GaN等のIII−V半導体化合物に対するp型ドーパントであるため、オーム接触を形成する場合、これらの2つの金属は、半導体表面上またはその近傍のp型ドーピング濃度を上昇させるためのアクセプタ源として作用可能である。加えて、銀合金中のMgおよび/またはZnの存在は、Ag合金の熱安定性を効果的に増加させることが可能である。したがって、これらの2つの金属組成(Ag/Pt/Mg、Ag/Pt/Zn)の選択肢は、良好な熱安定性および強接着性とともに、低抵抗オーム接触をもたらし得る。加えて、また、本オーム接触は、短波長LEDによって必要とされる青色光に対して高反射性である。一実施形態では、反射性オーム接触金属層412は、97重量%のAgと、1.5重量%のPtと、1.5重量%のZnと、を含む。
【0031】
任意に、反射性オーム接触金属層412の形成後、熱アニーリング手順を行なう。熱アニーリングが行なわれる場合、アニーリング温度は、200℃〜1000℃であり得る。一実施形態では、アニーリング温度は、約550℃である。アニーリング時間のために使用される総時間は、5秒〜120分であり得る。一実施形態では、熱アニーリングは、約2分間継続される。アニーリング雰囲気は、N、O、空気、真空、および不活性ガスのうちの1つであり得る。
【0032】
操作Eでは、接合層414が、反射性オーム接触金属層412の上部に形成される。接合層414を形成するために使用される材料として、金を含んでもよい。
【0033】
操作Fでは、多層構造416が、逆さまに反転され、支持構造418と接合する。一実施形態では、支持構造418は、伝導性基板層420と、接合層422と、を含む。接合層422は、Auを含んでもよい。伝導性基板層420は、Si、GaAs、GaP、Cu、およびCrのうちの少なくとも1つの材料を含む。
【0034】
操作Gでは、成長基板402が、例えば、機械研磨技術、または化学エッチング技術によって除去される。成長基板402の除去によって、n型層404を露出させる。
【0035】
操作Hでは、電極424(n横電極)が、n型層404の上部に形成される。一実施形態では、n横電極424は、Ni、Au、Au/Ge/Ni合金、Ti、Al、Cr、および/またはTi/Al合金を含む。N横電極424は、例えば、eビーム蒸着等の堆積技術、またはスパッタリング技術を使用して形成可能である。また、他の堆積技術も可能である。
【0036】
操作Iでは、別のオーム接触426が、伝導性基板420の裏面に形成される。オーム接触426の材料組成および形成プロセスは、n横電極424のものと類似し得る。オーム接触426、伝導性基板420、接合層414、および反射性オーム接触金属層412はともに、高反射性p横電極を形成することに留意されたい。
【0037】
本発明の実施形態の上述の説明は、例証および説明目的のためだけに提示されたものである。排他的または本発明を開示される形態に制限することを意図するものではない。故に、多くの修正例および変形例が、当業者には明白であろう。加えて、上述の開示は、本発明を制限することを意図するものではない。本発明の範囲は、添付の請求項によって定義される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝導性基板上の多層半導体構造であって、該多層半導体構造は、該伝導性基板の上方に位置する第1のドープ半導体層、該第1のドープ半導体層の上方に位置する第2のドープ半導体層、および/または該第1ドープ半導体層と該第2のドープ半導体層との間に位置する多重量子井戸(MQW)活性層を含む、多層半導体構造と、
該第1のドープ半導体層と該伝導性基板との間に位置する反射性オーム接触金属層であって、該反射性オーム接触金属層は、
Ag、ならびにPt、Ni、Ru、Rh、Pd、Au、OsおよびIrのうちの少なくとも1つの材料と、
Zn、Mg、Be、およびCdのうちの少なくとも1つの材料と、
W、Cu、Fe、Ti、Ta、およびCrのうちのいくつかの材料と
を含む、反射性オーム接触金属層と、
該反射性オーム接触金属層と該伝導性基板との間に位置する接合層と、
該伝導性基板に連結される第1の電極と、
該第2のドープ半導体層上の第2の電極と
を含む、半導体発光デバイス。
【請求項2】
前記第1のドープ半導体層は、p型ドープ半導体層である、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項3】
前記p型ドープ半導体層は、MgでドープされたGaNを含む、請求項2に記載の半導体発光デバイス。
【請求項4】
前記反射性オーム接触金属層は、
Ag/Pt/Mgと、
Ag/Pt/Znと
の金属組成物のうちの1つを含む、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項5】
前記反射性オーム接触層は、
1重量%〜10重量%のPt、Ni、Ru、Rh、Pd、Au、Os、およびIrのうちの1つ以上の材料と、
0.001重量%〜5重量%のZn、Mg、Be、およびCdのうちの1つ以上の材料と、
0重量%〜5重量%のW、Cu、Ti、Ta、およびCrのうちの1つ以上の材料と
を含む、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項6】
前記反射性オーム接触層は、
97重量%のAgと、
1.5重量%のPtと、
1.5重量%のZnと
を含む、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項7】
前記MQW活性層は、
InGaNと、
InGaAlNと、
InGaAlPと、
IaGaAlAsと
のうちの少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項8】
前記伝導性基板は、
Siと、
GaAsと、
GaPと、
Cuと、
Cr
のうちの少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項9】
半導体発光デバイスを加工するための方法であって、
成長基板上に多層半導体構造を成長させることであって、該多層半導体構造は、第1のドープ半導体層、第2のドープ半導体層、および/または多重量子井戸(MQW)活性層を含む、ことと、
該第1のドープ半導体層上に反射性オーム接触金属層を形成することであって、該反射性オーム接触金属層は、
Ag、ならびにPt、Ni、Ru、Rh、Pd、Au、Os、およびIrのうちの少なくとも1つの材料と、
Zn、Mg、Cd、およびBeのうちの少なくとも1つの材料と、
W、Cu、Fe、Ti、Ta、およびCrのうちのいくつかの材料と
を含む、ことと、
該反射性オーム接触金属層に連結される接合層を形成することと、
該多層構造を伝導性基板に接合することと、
該成長基板を除去することと、
該伝導性基板に連結される第1の電極を形成することと、
該第2のドープ半導体層上に第2の電極を形成することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記成長基板は、所定のパターンの溝およびメサを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のドープ半導体層上に接触補助金属層を形成することであって、該接触補助金属層は、PtまたはPt合金を含み、該Pt合金は、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ni、Zn、およびMgのうちの少なくとも1つの材料を含む、ことと、
前記多層構造をアニーリングし、該第1のドープ半導体層を活性化することと、
該接触補助金属層を除去することと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のドープ半導体層は、p型ドープ半導体層である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記p型ドープ半導体層は、MgでドープされたGaNを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記接触補助金属層の厚さは、少なくとも10オングストロームである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記アニーリングプロセスの温度は、200℃〜1000℃であり、
該アニーリングプロセスの継続時間は、約5分であり、
前記アニーリングの雰囲気は、
と、
と、
空気と、
真空と、
不活性ガスと
のうちの1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記接触補助金属層の除去は、化学エッチングおよび/または機械研磨を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記反射性オーム接触金属層は、
Ag/Pt/Mgと、
Ag/Pt/Znと
の金属組成物のうちの1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
前記反射性オーム接触層は、
1重量%〜10重量%のPt、Ni、Ru、Rh、Pd、Au、Os、およびIrのうちの1つ以上の材料と、
0.001重量%〜5重量%のZn、Mg、Be、およびCdのうちの1つ以上の材料と、
0重量%〜5重量%のW、Cu、Ti、Ta、およびCrのうちの1つ以上の材料と
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
前記反射性オーム接触層は、
97重量%のAgと、
1.5重量%のPtと、
1.5重量%のZnと
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項20】
前記伝導性基板は、
Siと、
GaAsと、
GaPと、
Cuと、
Crと
のうちの少なくとも1つの材料を含む、請求項9に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【公表番号】特表2011−515859(P2011−515859A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501080(P2011−501080)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【国際出願番号】PCT/CN2008/000597
【国際公開番号】WO2009/117849
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(507340027)ラティス パワー (チアンシ) コーポレイション (14)
【Fターム(参考)】