説明

高周波モジュール

【課題】 高周波モジュールの小型化を促進し、且つ、コストの低減を図る。
【解決手段】 高周波モジュール1の回路基板2の側面に水晶振動子6を装着して該回路基板2の縮小を図り、斯くして高周波モジュールを小型化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高周波モジュールに関するものであり、特に、小型化を実施した高周波モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の高周波モジュールは水晶振動子とIC、LCR等の受動部品で構成されている。而して、該受動部品は基板にセラミック材料を使用しているため内蔵化が進み、搭載部は減少傾向にある。又、ICについてもRFやBB、メモリ等が1個のチップに形成されてきているので、高周波モジュールのサイズを決定するのはICと水晶振動子の大きさであり、該二つの部品を並べたサイズより小型化するには限界があった。この従来の高周波モジュールを特許文献1により説明すれば、該高周波モジュールは回路基板の上面にICや水晶振動子の他、各種電子部品が搭載されている。そして、該高周波モジュールより所定の周波数の信号が発振されて各種電子機器の電子的タイミングを制御している。
【特許文献1】特開平06−275986号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の高周波モジュールは、回路基板の上面にIC及び水晶振動子を搭載している。しかし、該IC及び水晶振動子を搭載することにより該高周波モジュールの回路基板が拡大され、該高周波モジュールの小型化に支障を来している。そこで、該高周波モジュールの小型化を促進するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は回路基板にIC及び水晶振動子等を実装し、該IC及び水晶振動子により所定の周波数の信号を出力できるように構成した高周波モジュールに於いて、該回路基板の上面にICを搭載すると共に、該回路基板の側面に該水晶振動子を装着した高周波モジュールを提供する。
【0005】
この構成によれば、水晶振動子を回路基板の側面に装着したことから、該回路基板の長さが短縮される。
【0006】
請求項2記載の発明は、回路基板の側面下端部より該回路基板の底面の側縁部に電極を連続して一体的に形成し、且つ、該回路基板の側面に前記水晶振動子を装着して該水晶振動子を回路基板の側面に形成された電極に接続した請求項1記載の高周波モジュールを提供する。
【0007】
この構成によれば、該水晶振動子に通電する電極と該高周波モジュールの裏面に装着する端子とが一体に形成されているので、回路基板の側面に形成された電極と該水晶振動子を直接に接続できる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明は、水晶振動子を回路基板の側面に装着しているので、該回路基板の長さを縮小して高周波モジュールの小型化を促進することができるという利点がある。
【0009】
請求項2記載の発明は、回路基板の側面下端部から裏面側縁部へ電極を延設し、そして、回路基板の側面に形成される電極に該水晶振動子を直接に接続するので、請求項1記載
の発明の効果に加え、コストの削減にも寄与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
高周波モジュールの小型化を促進するという目的を達成するために、該高周波モジュールに搭載される水晶振動子を回路基板の側面に装着して該回路基板の長さを縮小したことにより実現した。
【実施例1】
【0011】
以下、本発明の一実施例を図1乃至図3に従って説明する。図1は本発明の高周波モジュール1を示し、該高周波モジュール1はセラミックにて形成した回路基板2の上面にIC3やその他の電子部品4を実装している。そして、該回路基板2の上面をシールドケース5にて被蔽してある。
【0012】
一方、該回路基板2の側面及び該側面側の前記シールドケース5の側面に水晶振動子6が装着される。該水晶振動子6は水晶振動子チップ7を含み、そして、該水晶振動子チップ7はケース8内に収容されて、その一端部を金等にて該ケース8の内側面に溶着され、所謂片持ちにて固定されている。更に又、該ケース8の開放部を蓋体9にて被蔽して前記水晶振動子6が構成されている。
【0013】
図2は、前記高周波モジュール1の裏面図を示し、前記回路基板2の底面及び側縁部には電極10,10…が一体的に連続して形成されている。該電極10,10…は、図2及び図3に示すように該回路基板2の側面下端部より該回路基板2の裏面側縁部へ延設され、該回路基板2の角部に沿って側面視L字状に形成されている。
【0014】
そこで、該高周波モジュール1に通電すれば、該水晶振動子6とIC3及びその他電子部品4が動作して所定の周波数の信号が発振される。該発振信号は、例えば携帯電話に装着される様々な電子部品の動作タイミングを制御して夫々の電子部品が正確に動作できるように形成されている。又、該高周波モジュール1は携帯電話だけでなく、PDAやパソコン、ヘッドフォン等多くの電子機器に採択される。
【0015】
斯くして、該高周波モジュール1は前記水晶振動子6を前記回路基板2の側面に装着しているので、該回路基板2を従来要していた該水晶振動子6の搭載面積を大巾に縮小することができ、高周波モジュール1の小型化の促進に寄与できる。
【0016】
又、該回路基板2の側面下端部から裏面側縁部に電極10,10…が略L字状に折曲されて一体的に連続して形成されているので、前記水晶振動子は回路基板2の側面に形成されている前記電極10,10…に直接接続して電気的導通が実行される。斯くして、該高周波モジュール1は小型化が促進されると同時にコストダウンにも寄与することができる。
【0017】
尚、本発明は、セラミックの回路基板に限定するものではなく、樹脂にて形成された回路基板にも適応できる。更に、本発明は本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】高周波モジュールの縦断面図。
【図2】高周波モジュールの裏面図。
【図3】高周波モジュールの要部拡大縦断面図。
【符号の説明】
【0019】
1 高周波モジュール
2 回路基板
3 IC
4 電子部品
5 シールドケース
6 水晶振動子
7 水晶振動子チップ
8 ケース
9 蓋体
10 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板にIC及び水晶振動子等を実装し、該IC及び水晶振動子により所定の周波数の信号を出力できるように構成した高周波モジュールに於いて、該回路基板の上面にICを搭載すると共に、該回路基板の側面に該水晶振動子を装着したことを特徴とする高周波モジュール。
【請求項2】
上記回路基板の側面下端部より該回路基板の底面の側縁部に電極を一体的に形成し、且つ、該回路基板の側面に上記水晶振動子を装着して該水晶振動子を回路基板の側面に形成された電極に接続したことを特徴とする請求項1記載の高周波モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−41931(P2006−41931A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−218953(P2004−218953)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】