説明

高血圧症の治療方法

本発明は、高血圧前症または高血圧症の治療を必要とする対象に、少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害化合物またはこの塩の治療的有効量を投与することによる高血圧前症または高血圧症に罹患している対象の治療方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高血圧前症または高血圧症に罹患している対象の治療方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、治療を必要とする対象に少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害化合物またはこの塩の治療的有効量を投与することに関する。
【背景技術】
【0002】
血圧(以下、「BP」と称する。)は、分離してまたは組み合わせて取られた多数の血行動態パラメータによって定義される。収縮期血圧(以下、「SBP」と称する。)は、心臓の心室の収縮期の間に動脈壁にかかるピーク圧力である。拡張期血圧(以下、「DBP」と称する。)は、心筋が拍動の間に弛緩し血液で充たされている時、血管壁にかかる最小の圧力である。平均動脈圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の積である。
【0003】
高血圧前症は、120mmHgから139mmHGの範囲のSBPおよび/または80mmHgから89mmHgの範囲のDBPとして定義されてきた。高血圧前症は、高血圧症の前兆であり、また非常に高い心血管の危険性を予期するものであると考えられる(Julius,S.,et al.,N.Engl.J.Med.354:1685−1697(2006))。
【0004】
高血圧または血圧上昇は、少なくとも140mmHgのSBPおよび/または少なくとも90mmHgのDBPとして定義されてきた。この定義によって、先進国の高血圧症の罹患率は成人人口の約20%であり、60歳以上の人々の約60から70%までに達するが、しかし非臨床現場で測定された場合にはこれらの高血圧対象のうちの有意の割合が正常なBPを有している。この高齢者高血圧症の人々の約60%は、孤立性収縮期高血圧、すなわち彼らは高いSBPおよび正常なDBPを有している。高血圧症は、卒中、心筋梗塞、心房細動、心不全、末梢血管疾患および腎損傷の危険性と大いに関係している(Fagard,RH;Am.J.Geriatric Cardiology,11(1),23−28(2002);Brown,M J and Haycock,S;Drugs,59(Suppl 2),1−12(2000))。
【0005】
高血圧症の病態生理学は、議論が継続されている主題である。高血圧症が心拍出量と末梢血管抵抗の間の不均衡の結果であり、ほとんどの高血圧症の対象が正常な心拍出量および増加した末梢血管抵抗を有することが一般に認められているが、どのパラメータが最初に変化するのか不確実性がある(Beevers,G et al;BMJ,322, 912−916(2001))。
【0006】
米国特許出願公開2002/0019360およびこの公開されたPCT対応特許であるWO02/00210は、高血圧症を治療および予防する方法について記載している。これらの公報に記載された方法は、尿酸レベルを減少させることができる薬剤の治療的有効量をこれの治療を必要とする患者に投与することを含む。尿酸レベルを下げることができるとして開示された薬剤は次のとおりである。遺伝子治療剤、キサンチン酸化酵素阻害剤、尿酸排泄促進剤、ウリカーゼタンパク質のサプリメント、尿酸塩チャネル抑制剤およびこれらの組み合わせ。開示された僅か2つのキサンチン酸化酵素阻害剤は、アロプリノールとカルプロフェンである。
【0007】
アロプリノールは、痛風を患っている対象の治療に使用されてきた。構造上、アロプリノールは、プリン環を含有している。この作用により、アロプリノールは、治療的有効量を対象に投与した後、プリンおよびピリミジン代謝に関わる1つ以上の酵素の活性に効果を有することが知られている。プリンおよびピリミジン代謝に関わる酵素は、プリンヌクレオチドホスホリラーゼおよびオロチジン−5−モノリン酸脱炭酸酵素を含む。これらの酵素に対するアロプリノールの効果から、アロプリノールは、これらの酵素に対して「非選択的」または「選択的でない」と考えられる。さらに、アロプリノールは、多くの安全性および副作用を有することが知られており、脈管炎、血管炎、血管浮腫、脳血管炎、動脈炎、ショック、中毒性膿疱皮膚病、環状肉芽腫、発疹、スケーリング湿疹、スティーブンス−ジョンソン(Stevens−Johnson)症候群、中毒性表皮壊死剥離症、発熱、急性痛風(痛風激発)、吐き気、嘔吐、下痢、腹部不快感、無顆粒球症、再生不良性貧血、血小板減少症、好酸球増加症、白血球減少症、赤芽球癆、肝炎、肉芽腫性肝炎、肝毒性、肝不全、過敏性反応(すなわち、発熱、白血球増多症、好酸球増加症、リンパ球減少症、皮膚発疹、肝腫大、気管支痙攣、鼻炎、息切れ、困難呼吸、胸苦しさおよび喘鳴ならびに血清クレアチニン上昇の1つ以上の治療経験のある患者)、無菌性髄膜炎、動揺、混乱、末梢神経障害、頭痛、感覚異常、緊張病、傾眠、運動失調、眩暈、足の潰瘍穿孔を伴う末梢性軸索神経障害、黄斑部眼病変、黄斑部網膜炎、白内障、膀胱炎、間質性腎炎、急性尿細管壊死、腎石病、腎結石症、膀胱炎、血管浮腫および尿路結石症を含む。
【0008】
対照的に、カルプロフェンは、周知の非ステロイド系抗炎症剤(以下、「NSAID」)である。NSAIDは、胃の潰瘍化(これは、苦痛であるだけではなく、生命の危険を及ぼしもする胃の穿孔および破裂に繋がり得る。)を引き起こすこと、血小板非活性化(血小板は血液を凝固させる能力を制御するために活性でなければならない。)を引き起こすこと、腎臓への血液供給を減少させること(これは、ボーダーライン患者に腎不全を生じさせる。)を含む、多くの安全性と副作用を有することが知られており(これらに限定されない。)、および重大な心血管血栓性事象の原因となることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
様々な薬理学の範疇で利用可能な多くの薬剤(利尿剤、α−アドレナリン拮抗剤、β−アドレナリン拮抗剤、カルシウムチャネル遮断剤、アンジオテンシン変換酵素(以下、「ACE」)阻害剤およびこの構造にプリン環を含むキサンチン酸化酵素阻害剤(例えばアロプリノールなど)ならびにアンジオテンシン受容体拮抗剤を含む。)にも拘らず、依然として当分野では高血圧前症および高血圧症の新規で効果的な治療に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の要旨
1実施形態において、本発明は、高血圧前症の治療を必要とする対象の高血圧前症を治療する方法に関する。この方法は、少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物はキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩である。上記方法で使用することができるキサンチン酸化還元酵素阻害剤の例として、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこれらの医薬的に許容される塩を含むが、これらに限定されない。上記方法に従って高血圧前症の治療を受ける対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量を、少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩と共にさらに投与することを含むことができる。
【0011】
別の実施形態において、本発明は高血圧症の治療を必要とする対象の高血圧症を治療する方法に関する。この方法は、少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物はキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩である。上記の方法で使用することができるキサンチン酸化還元酵素阻害剤の例として、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこれらの医薬的に許容される塩を含むが、これらに限定されない。上記方法に従って高血圧症の治療を受ける対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する。場合により、この方法は対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量を、少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩と共にさらに投与することを含むことができる。
【0012】
さらに別の実施形態において、本発明は治療を対象の血圧を低下させる方法に関する。この方法は、少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物はキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩である。上記の方法で使用することができるキサンチン酸化還元酵素阻害剤の例として、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこれらの医薬的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されない。この方法に従って、対象に投与される少なくとも1つの化合物は、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させることができる。上記方法に従って治療を受ける対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有することができる。または、上記方法に従って治療を受ける対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する。場合により、この方法は対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量を、少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩と共にさらに投与することを含むことができる。
【0013】
なおさらに別の実施形態において、本発明は対象の高血圧前症の血圧または血圧上昇を減少させる方法に関する。この方法は、少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物はキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩である。上記の方法で使用することができるキサンチン酸化還元酵素阻害剤の例として、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこれらの医薬的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されない。この方法に従って治療される対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを含む高血圧前症の血圧を有することができる。この方法に従って治療される対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを含む血圧上昇を有することができる。例えば、対象は少なくとも160mmHgの収縮期血圧または少なくとも95mmHgの拡張期血圧を含む血圧上昇を有してもよい。この方法に従って少なくとも1つの化合物を投与することにより、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させることができる。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩とをさらに投与することを含むことができる。
【0014】
なおさらに別の実施形態において、本発明は高血圧前症または高血圧症の病歴を有する対象の血圧を正常化する方法に関する。この方法は、少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物はキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩である。上記の方法で使用することができるキサンチン酸化還元酵素阻害剤の例として、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこれらの医薬的に許容される塩を含むが、これらに限定されない。上記した方法に従って少なくとも1つの化合物を投与することにより、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを正常化することができる。上記した方法に従って治療を受ける対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有することができる。または、上記した方法に従って治療を受ける対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有することができる。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩とを投与することをさらに含むことができる。
【0015】
さらに別の実施形態において、本発明は高血圧前症の治療を必要とする対象の高血圧前症の治療方法に関する。この方法は少なくとも1つの化合物の有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物は、式
【0016】
【化16】

(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、フェニルスルフィニル基またはシアノ(−CN)基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または以下に示されるA、B、CもしくはD
【0017】
【化17】

であり、TはA、B、CまたはDを、R、R、RまたはRにおいて、上記した芳香族環に結びつけており;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
は、置換されていないピリジル基または置換されたピリジル基であり;および
10は、水素または低級アルキル基でありまたはピバロイルオキシ基で置換された低級アルキル基であり、および各場合、R10は上記式で示された1,2,4−トリアゾール環の窒素原子の1つに結合している。)を含む。
【0018】
この方法で使用することができる上記式を有する化合物の例として、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこれらの医薬的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されない。上記した方法に従って高血圧前症の治療を受ける対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と上記した少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩とを投与することをさらに含むことができる。
【0019】
さらに別の実施形態において、本発明は高血圧症の治療を必要とする対象の高血圧症の治療方法に関する。この方法は少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物は、式
【0020】
【化18】

(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、フェニルスルフィニル基またはシアノ(−CN)基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または以下に示されるA、B、CもしくはD
【0021】
【化19】

であり、TはA、B、CまたはDを、R、R、RまたはRにおいて、上記した芳香族環に結びつけており;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
は、置換されていないピリジル基または置換されたピリジル基であり;および
10は、水素または低級アルキル基でありまたはピバロイルオキシ基で置換された低級アルキル基であり、および各場合、R10は上記式で示された1,2,4−トリアゾール環の窒素原子の1つに結合している。)を有する。
【0022】
この方法で使用することができる上記式を有する化合物の例として、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこれらの医薬的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されない。上記した方法に従って高血圧症の治療を受ける対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と上記した少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩とを投与することをさらに含むことができる。
【0023】
さらに別の実施形態において、本発明は対象の血圧を低下させる方法に関する。この方法は少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物は、式
【0024】
【化20】

(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、フェニルスルフィニル基またはシアノ(−CN)基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または以下に示されるA、B、CもしくはD
【0025】
【化21】

であり、TはA、B、CまたはDを、R、R、RまたはRにおいて、上記した芳香族環に結びつけており;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
は、置換されていないピリジル基または置換されたピリジル基であり;および
10は、水素または低級アルキル基でありまたはピバロイルオキシ基で置換された低級アルキル基であり、および各場合、R10は上記式で示された1,2,4−トリアゾール環の窒素原子の1つに結合している。)を有する。
【0026】
この方法で使用することができる上記式を有する化合物の例として、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこれらの医薬的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されない。この方法に従って対象に投与される少なくとも1つの化合物は、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させることができる。上記した方法に従って治療を受ける対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有することができる。または、上記した方法に従って治療を受ける対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有することができる。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と上記した少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩とを投与することをさらに含むことができる。
【0027】
さらに別の実施形態において、本発明は対象の高血圧前症の血圧または血圧上昇を減少させる方法に関する。この方法は少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物は、式
【0028】
【化22】

(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、フェニルスルフィニル基またはシアノ(−CN)基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または以下に示されるA、B、CもしくはD
【0029】
【化23】

であり、TはA、B、CまたはDを、R、R、RまたはRにおいて、上記した芳香族環に結びつけており;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ基、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
は、置換されていないピリジル基または置換されたピリジル基であり;および
10は、水素または低級アルキル基でありまたはピバロイルオキシ基で置換された低級アルキル基であり、および各場合、R10は上記式で示された1,2,4−トリアゾール環の窒素原子の1つに結合している。)を有する。
【0030】
この方法で使用することができる上記式を有する化合物の例として、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこれらの医薬的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されない。この方法に従って治療される対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを含む高血圧前症の血圧を有することができる。この方法に従って治療される対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを含む血圧上昇を有することができる。例えば、対象は少なくとも160mmHgの収縮期血圧または少なくとも95mmHgの拡張期血圧を含む血圧上昇を有し得る。この方法に従って少なくとも1つの化合物を投与することにより、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させることができる。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と上記した少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩とを投与することをさらに含むことができる。
【0031】
さらになお別の実施形態において、本発明は高血圧前症または高血圧症の病歴を有する対象の血圧を正常化する方法に関する。この方法は少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物は、式
【0032】
【化24】

(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、フェニルスルフィニル基またはシアノ(−CN)基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または以下に示されるA、B、CもしくはD
【0033】
【化25】

であり、TはA、B、CまたはDを、R、R、RまたはRにおいて、上記した芳香族環に結びつけており;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
は、置換されていないピリジル基または置換されたピリジル基であり;および
10は、水素または低級アルキル基でありまたはピバロイルオキシ基で置換された低級アルキル基であり、および各場合、R10は上記式で示された1,2,4−トリアゾール環の窒素原子の1つに結合している。)を有する。
【0034】
この方法で使用することができる上記式を有する化合物の例として、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこれらの医薬的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されない。上記した方法に従って少なくとも1つの化合物を投与することにより、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを正常化することができる。上記した方法に従って治療を受ける対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有することができる。または、上記した方法に従って治療を受ける対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有することができる。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と上記した少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩とを投与することをさらに含むことができる。
【0035】
さらに別の実施形態において、本発明は高血圧前症の治療を必要とする対象の高血圧前症を治療する方法に関する。この方法は少なくとも1つの化合物の有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物は、以下の式
【0036】
【化26】

(式中、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニルまたはR11およびR12は、一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に4員から8員の炭素環を形成してもよく;
13は、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基であり;
14は、水素、ハロゲン、ニトロ基、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、−OR16および−SONR1717’(式中、R16は、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、フェニル置換低級アルキル、カルボキシメチルもしくはこのエステル、ヒドロキシエチルもしくはこのエーテルまたはアリルであり;R17およびR17’は、それぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルである。)からなる群から選択される1つまたは2つの基であり;
15は、水素または医薬的に活性なエステル形成基であり;
Aは、1個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり;
Bは、ハロゲン、酸素またはエチレンジチオであり;
Yは、酸素、硫黄、窒素または置換された窒素であり;
Zは、酸素、窒素または置換された窒素であり;および
点線は、単結合、二重結合または2つの単結合のいずれかを示す。)を有する。
【0037】
上記した方法に従って高血圧前症の治療を受ける対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と上記した少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩とを投与することをさらに含むことができる。
【0038】
さらに別の実施形態において、本発明は高血圧症の治療を必要とする対象の高血圧症を治療する方法に関する。この方法は少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物は、以下の式
【0039】
【化27】

(式中、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニルまたはR11およびR12は、一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に4員から8員の炭素環を形成してもよく;
13は、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基であり;
14は、水素、ハロゲン、ニトロ基、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、−OR16および−SONR1717’(式中、R16は、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、フェニル置換低級アルキル、カルボキシメチルもしくはこのエステル、ヒドロキシエチルもしくはこのエーテルまたはアリルであり;R17およびR17’は、それぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルである。)からなる群から選択される1つまたは2つの基であり;
15は、水素または医薬的に活性なエステル形成基であり;
Aは、1個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり;
Bは、ハロゲン、酸素またはエチレンジチオであり;
Yは、酸素、硫黄、窒素または置換された窒素であり;
Zは、酸素、窒素または置換された窒素であり;および
点線は、単結合、二重結合または2つの単結合のいずれかを示す。)を有する。
【0040】
上記した方法に従って高血圧症の治療を受ける対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と上記した少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩とを投与することをさらに含むことができる。
【0041】
さらに別の実施形態において、本発明は対象の血圧を低下させる方法に関する。この方法は少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物は、以下の式
【0042】
【化28】

(式中、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニルまたはR11およびR12は、一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に4員から8員の炭素環を形成してもよく;
13は、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基であり;
14は、水素、ハロゲン、ニトロ基、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、−OR16および−SONR1717’(式中、R16は、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、フェニル置換低級アルキル、カルボキシメチルもしくはこのエステル、ヒドロキシエチルもしくはこのエーテルまたはアリルであり;R17およびR17’は、それぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルである。)からなる群から選択される1つまたは2つの基であり;
15は、水素または医薬的に活性なエステル形成基であり;
Aは、1個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり;
Bは、ハロゲン、酸素またはエチレンジチオであり;
Yは、酸素、硫黄、窒素または置換された窒素であり;
Zは、酸素、窒素または置換された窒素であり;および
点線は、単結合、二重結合または2つの単結合のいずれかを示す。)を有する。
【0043】
この方法に従って対象に投与される少なくとも1つの化合物は、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させることができる。上記した方法に従って治療を受ける対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有することができる。または、上記した方法に従って治療を受ける対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有することができる。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と上記した少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩とを投与することをさらに含むことができる。
【0044】
さらになお別の実施形態において、本発明は対象の高血圧前症の血圧は血圧上昇を減少させる方法に関する。この方法は少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物は、以下の式
【0045】
【化29】

(式中、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニルまたはR11およびR12は、一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に4員から8員の炭素環を形成してもよく;
13は、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基であり;
14は、水素、ハロゲン、ニトロ基、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、−OR16および−SONR1717’(式中、R16は、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、フェニル置換低級アルキル、カルボキシメチルもしくはこのエステル、ヒドロキシエチルもしくはこのエーテルまたはアリルであり;R17およびR17’は、それぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルである。)からなる群から選択される1つまたは2つの基であり;
15は、水素または医薬的に活性なエステル形成基であり;
Aは、1個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり;
Bは、ハロゲン、酸素またはエチレンジチオであり;
Yは、酸素、硫黄、窒素または置換された窒素であり;
Zは、酸素、窒素または置換された窒素であり;および
点線は、単結合、二重結合または2つの単結合のいずれかを示す。)を有する。
【0046】
この方法に従って治療される対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを含む高血圧前症の血圧を有することができる。この方法に従って治療を受ける対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを含む血圧上昇を有することができる。例えば、対象は少なくとも160mmHgの収縮期血圧または少なくとも95mmHgの拡張期血圧を含む血圧上昇を有していてもよい。この方法に従って少なくとも1つの化合物を投与することにより、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させることができる。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と上記した少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩を投与することをさらに含むことができる。
【0047】
さらになお別の実施形態において、本発明は高血圧前症または高血圧症の病歴を有する対象の血圧を正常化する方法に関する。この方法は少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物は、以下の式
【0048】
【化30】

(式中、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニルまたはR11およびR12は、一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に4員から8員の炭素環を形成してもよく;
13は、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基であり;
14は、水素、ハロゲン、ニトロ基、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、−OR16および−SONR1717’(式中、R16は、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、フェニル置換低級アルキル、カルボキシメチルもしくはこのエステル、ヒドロキシエチルもしくはこのエーテルまたはアリルであり;R17およびR17’は、それぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルである)からなる群から選択される1つまたは2つの基であり;
15は、水素または医薬的に活性なエステル形成基であり;
Aは、1個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり;
Bは、ハロゲン、酸素またはエチレンジチオであり;
Yは、酸素、硫黄、窒素または置換された窒素であり;
Zは、酸素、窒素または置換された窒素であり;および
点線は、単結合、二重結合または2つの単結合のいずれかを示す。)を有する。
【0049】
上記した方法に従って少なくとも1つの化合物を投与することにより、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを正常化することができる。上記した方法に従って治療を受ける対象は、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有することができる。または、上記した方法に従って治療を受ける対象は、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有することができる。場合により、この方法は、対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量と上記した少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩とを投与することをさらに含むことができる。
【0050】
本発明の詳細な説明
序論
上に簡単に述べたように、本発明は高血圧前症または高血圧症の治療を必要とする対象の高血圧前症または高血圧症の治療方法に関する。さらにまた、本発明は対象の血圧を低下させる方法、対象の高血圧前症の血圧または血圧上昇を減少させる方法、および高血圧前症または高血圧症の病歴を有する対象の血圧を正常化する方法にも関する。上記の方法は、このような治療を必要とする対象において、治療的または予防的有効量の少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害化合物またはこの塩を前記対象に投与することを全般に含むものである。
【0051】
定義
用語「投与する」、「投与すること」、「投与された」または「投与」は、対象または患者に薬剤(キサンチン酸化還元酵素阻害剤など)を提供する任意の方法を指す。投与経路は、当業者に既知の任意の手段によって達成することができる。このような手段としては、経口投与、頬側投与、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、吸入投与などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
本明細書で使用されるように、用語「抗高血圧化合物または複数の抗高血圧化合物」は、対象の血圧を減少または低下させることができる1つ以上の化合物を指す。抗高血圧化合物の例としては、利尿剤、β−アドレナリン遮断剤、カルシウムチャネル遮断剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、血管拡張剤、交感神経遮断剤およびアンジオテンシンII受容拮抗剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書で使用されるように、句「拡張期血圧」は、心筋が拍動の間に弛緩し、血液で充たされている時、血管壁にかかる最小の圧力を指す。拡張期血圧は、通常、血圧の読みで2番目または1番下の数値である。拡張期血圧を測定する方法は、当業者に周知である。
【0054】
本明細書で使用されるように、用語または句の「高血圧症」または「血圧上昇」は、少なくとも140mmHgの対象の収縮期血圧、少なくとも90mmHgの対象の拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または対象の少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを指す。好ましくは、「高血圧症」または「血圧上昇」は、対象の少なくとも160mmHgの収縮期血圧、少なくとも95mmHgの拡張期血圧または少なくとも160mmHgの収縮期血圧および少なくとも95mmHgの拡張期血圧の組み合わせを指す。
【0055】
本明細書で使用されるように、句「血圧を低下させること」または「血圧を低下させる」は、本発明の方法に従って、キサンチン酸化還元酵素阻害剤の摂取による対象の減少した血圧を指す。これが統計的に有意な量で減少する限り、血圧低下のどんな量も許容される。本明細書で先に論述したように、血圧は、収縮期血圧および/または拡張期血圧によって典型的に表わされる。最も頻繁には、血圧は、拡張期血圧に対する収縮期血圧として表わされる。ヒト対象の正常血圧は、120mmHg以下の収縮期血圧および平均して70mmHgの拡張期血圧(120/70mmHg)であるが、ヒトなどの対象の正常血圧は、対象の身長、体重、フィットネスレベル、健康、情動状態、年齢などに応じて変動し得る。本発明のキサンチン酸化還元酵素阻害剤は、収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせなどの血圧を、対象の初期血圧または基準血圧に対して1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%または50%低下させるのに使用することができる。
【0056】
本明細書で使用されるように、句「平均動脈血圧」、「平均動脈圧」または「MAP」は、心拍出量と末梢血管抵抗の積を指す。MAPは患者の血行力学の状態を評価するために使用される。より具体的には、これは身体の器官に見られる灌流圧と考えられる。MAPを概算するための式は当業者に周知である。MAPを算出するために使用することができる式の一例は、以下の通りである。
MAP=2/3の拡張期血圧+1/3の収縮期血圧
【0057】
本明細書で使用されるように、用語「医薬的に許容される」は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、ヒトおよびそれより下等の動物の組織と接触して使用するのに適切であり、合理的な対危険便益比が釣り合っている部分または化合物を含む。
【0058】
本明細書で使用されるように、用語「高血圧前症」または「高血圧前症の血圧」は、120mmHgから139mmHgの範囲の対象の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の対象の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の対象の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の対象の拡張期血圧の組み合わせを指す。
【0059】
本明細書で使用されるように、用語「収縮期血圧」は、心臓の心室の収縮期の間に動脈壁にかかるピーク圧力である。収縮期血圧は、通常、血圧の読みで最初のまたは最高の数値である。収縮期血圧を測定する方法は、当業者に周知である。
【0060】
本明細書で使用されるように、用語「対象」は、動物、好ましくはヒトまたはヒト以外の哺乳動物を指す。患者および対象の用語は、本明細書では互換的に使用されてよい。
【0061】
薬剤(即ち、少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの塩)の「治療的有効量」または「予防的有効量」の用語は、所望の効果を提供するための非毒性であって十分な薬剤量を指す。「有効な」または「予防的な」薬剤の量は、年齢および個体の一般的な症状、特定の薬剤または複数の薬剤などに依存して対象によって変動する。したがって、正確な「治療的有効量」または「予防的有効量」を特定することは必ずしも可能とは限らない。しかしながら、適切な「治療的有効量」または「予防的有効量」は、個体のいずれの場合においても当業者によって決めることができる。
【0062】
用語「治療すること」および「治療」は、徴候の重症度および/または頻度の減少、徴候および/または潜在的病因の除去、徴候の発生および/またはこの潜在的病因の予防、および損傷の改善または修復を指す。したがって、例えば、患者を「治療すること」は、感受性の個体における特定の疾患または副作用の生理学的事象の予防のみならず、臨床的な徴候を示す個体の疾患または病気を阻害または退行をもたらすことによる治療を含む。
【0063】
本明細書で使用されるように、用語「キサンチン酸化還元酵素阻害剤」は、(1)キサンチン酸化酵素(これに限定されない)などのキサンチン酸化還元酵素の阻害剤、および(2)化学的には、この構造中にプリン環を含まない(即ち、「非プリン」である)任意の化合物を指す。キサンチン酸化還元酵素の例としては、以下のものに限定はされないが、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ))−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸および以下の式Iまたは式IIの化合物を含む。
式Iの化合物:
【0064】
【化31】

(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、フェニルスルフィニル基またはシアノ(−CN)基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または以下に示されるA、B、CもしくはD
【0065】
【化32】

であり、TはA、B、CまたはDを、R、R、RまたはRにおいて、上記した芳香族環に結びつけており;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
は、置換されていないピリジル基または置換されたピリジル基であり;および
10は、水素または低級アルキル基でありまたはピバロイルオキシ基で置換された低級アルキル基であり、および各場合、R10は式Iで上記した1,2,4−トリアゾール環の窒素原子の1つに結合している。)。
【0066】
式IIの化合物:
【0067】
【化33】

(式中、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニル(この式IIにおける置換フェニルは、ハロゲンまたは低級アルキルなどで置換されたフェニルを指す。例としてp−トリルおよびp−クロロフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。)またはR11およびR12は、一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に4員から8員の炭素環を形成してもよく;
13は、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基であり;
14は、水素、ハロゲン、ニトロ基、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニル(この式IIにおける置換フェニルは、ハロゲンまたは低級アルキル基などで置換されたフェニルを指す。例としてp−トリルおよびp−クロロフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。)、−OR16および−SONR1717’(式中、R16は、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、フェニル置換低級アルキル、カルボキシメチルもしくはこのエステル、ヒドロキシエチルもしくはこのエーテルまたはアリルであり;R17およびR17’は、それぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基である。)からなる群から選択される1つまたは2つの基であり;
15は、水素または医薬的に活性なエステル形成基であり;
Aは、1個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり;
Bは、ハロゲン、酸素またはエチレンジチオであり;
Yは、酸素、硫黄、窒素または置換された窒素であり;
Zは、酸素、窒素または置換された窒素であり;および
点線は、単結合、二重結合または2つの単結合のいずれかを示す。)(例えば、Bがエチレンジチオである時、環状構造に示される点線は2つの単結合になることができる。)。
【0068】
本明細書で使用されるように、用語「低級アルキル」基は、C−Cアルキル基を指し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプタルなどを含むが、これらに限定されない。
【0069】
本明細書で使用されるように、用語「低級アルコキシ」は、低級アルキル基の酸素原子への結合により形成される基を指し、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0070】
本明細書で使用されるように、用語「低級アルキルチオ基」は、低級アルキルの硫黄原子への結合により形成される基を指す。
【0071】
本明細書で使用されるように、用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
【0072】
本明細書で使用されるように、用語「置換されたピリジル」は、ハロゲン、シアノ基、低級アルキル、低級アルコキシまたは低級アルキルチオ基で置換されることができるピリジル基を指す。
【0073】
本明細書で使用されるように、用語「4員から8員の炭素環」は、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどを指す。
【0074】
本明細書で使用されるように、句「医薬的に活性なエステル形成基」は、エステル結合を介してカルボキシル基に結合している基を指す。このようなエステル形成基は、医薬的に活性な物質、特にプロドラッグの調製のために一般に使用されるカルボキシ保護基から選択することができる。本発明の目的のためには、前記の基は、式II(式IIにおいてR15はエステル結合を介する水素である。)を有する化合物に結合することができるものから選択されるべきである。得られたエステル類は、消化管において、式IIを有する前記化合物の対応する非エステル型の安定性、溶解度および吸収性を増大させる、およびこの有効血中濃度を延長させるのにも効果的である。さらに、エステル結合は、体液のpHによってまたはインビボでの酵素作用によって容易に開裂して、式IIを有する化合物の生物学的に活性な形態を提供する。好ましい医薬的に活性なエステル形成基としては、1−(置換された酸素)−CからC15アルキル基、例えば直鎖状、分枝状、環状または部分的に環状のアルカノイルオキシアルキル基(例えばアセトキシメチル、アセトキシエチル、プロピオニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、ピバロイルオキシエチル、シクロヘキサンアセトキシエチル、シクロヘキサンカルボニルオキシシクロヘキシルメチルなど)、CからC15のアルコキシカルボニルオキシアルキル基(例えばエトキシカルボニルオキシエチル、イソプロポキシカルボニルオキシエチル、イソプロポキシカルボニルオキシプロピル、t−ブトキシカルボニルオキシエチル、イソペンチルオキシカルボニルオキシプロピル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル、シクロヘキシルメトキシカルボニルオキシエチル、ボルニルオキシカルボニルオキシイソプロピルなど)、CからCのアルコキシアルキル(例えばメトキシメチル、メトキシエチルなど)、CからCの2−オキサシクロアルキル(例えばテトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルなど)、置換されたCからC12のアラルキル(例えばフェナシル、フタリジルなど)、CからC12のアリール(例えばフェニル、キシリル、インダニルなど)、CからC12のアルケニル(例えばアリルなど)、(2−オキソ−1,3−ジオキソリル)メチルなど、および[4,5−ジヒドロ−4−オキソ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]メチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
式IIのR16において、句「カルボキシメチルのエステル」で使用されている用語「エステル」は、メチルエステルまたはエチルエステルなどの低級アルキルエステルを指し、句「ヒドロキシエチルのエーテル」で使用されている用語「エーテル」は、ヒドロキシエチル基中のヒドロキシル基の水素原子が脂肪族アルキル基または芳香族アルキル基(例えばベンジルなど)で置換されて形成されるエーテルを意味する。
【0076】
カルボキシ保護基は、いろいろなように置換されていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基およびカルボキシ基が挙げられる。
【0077】
本明細書で使用されるように、上記式IIのAの定義中の「直鎖または分枝の炭化水素基」は、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルメチレンまたはイソプロピレンを指す。
【0078】
本明細書で使用されるように、上記式IIのYおよびZの定義における「置換された窒素」の置換基は、水素、低級アルキルまたはアシルである。
【0079】
本明細書で使用されるように、用語「フェニル置換低級アルキル」は、フェニルで置換された低級アルキル基、例えばベンジル、フェネチルまたはフェニルプロピルを指す。
【0080】
本明細書で定義される句「キサンチン酸化還元酵素阻害剤」はまた、上記式IおよびIIを有する化合物の代謝物、多形物質、溶媒和物およびプロドラッグを含む。本明細書で使用されるように、用語「プロドラッグ」は、化学的にまたは代謝的に切断可能な基を有し、加溶媒分解によりまたは生理的条件下インビボで、医薬的に活性な化合物となる上記式IおよびIIで示される化合物の誘導体を指す。カルボン酸のエステル類は、本発明の投与形態として使用することができるプロドラッグの1例である。メチルエステルのプロドラッグは、上記式を有する化合物をメタノールなどの媒体中、酸または塩基のエステル化触媒(例えば、NaOH、HSO)と反応させて調製することができる。エチルエステルのプロドラッグは、メタノールの代わりにエタノールを使用して同様に調製される。
【0081】
上記式Iを有する化合物の例は以下の通りである。2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4カルボン酸、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)または3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール。
【0082】
上記式Iを有する好ましい化合物は、以下の通りである。2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸。これらの好ましい化合物はまた、プリンおよびピリミジン代謝に関係する以下の酵素のいずれの活性に対しても、対象に治療的有効量において、効果を有しないことが知見された:グアニンデアミナーゼ、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、プリンヌクレオチドホスホリラーゼ、オロテートホスホリボシルトランスフェラーゼまたはオロチジン−5−モノリン酸脱炭酸酵素(すなわち、これはプリンとピリミジン代謝に関係しているこれらの酵素のいずれに対しても「選択的」でないことを意味している。)。上記の各酵素の活性を測定するアッセイは、Yasuhiro Takano,et al.,Life Sciences,76:1835−1847(2005)に記載されている。これらの好ましい化合物は、非プリン系の、キサンチン酸化酵素の選択的阻害剤(NP/SIXO)として、文献中で言及されている。
【0083】
上記式IIを有する化合物の例は、米国特許第5,268,386号および欧州特許EP0415566A1に記載されている。
【0084】
ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)を除いて、本発明の方法で使用される式IおよびIIのキサンチン酸化還元酵素阻害化合物を作製する方法は、当分野で既知であり、例えば、米国特許第5,268,386号、第5,614,520号、第6,225,474号、第7,074,816号および欧州特許EP0415566A1、並びにIshibuchi,S.et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,11:879−882(2001)の刊行物(これらの刊行物は参照することにより本明細書にそれぞれ組込まれる。)に記載されている。他のキサンチン酸化還元酵素阻害化合物は、このような候補化合物がキサンチンを尿酸に転換するかどうかを測定するアッセイにおいて、キサンチン酸化還元酵素およびキサンチンを使用して見つけることができる。このようなアッセイは、当分野で周知である。
【0085】
ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)は、大塚製薬株式会社(東京、日本)から入手可能であり、以下の出版物に記載されている。Uematsu T.,et al.,Pharmacokinetic and Pharmacodynamic Properties of a Novel Xanthine Oxidase Inhibitor,BOF−4272,in Healthy Volunteers,J.Pharmacology and Experimental Therapeutics,270:453−459(August 1994),Sato,S.,A Novel Xanthine Deydrogenase Inhibitor(BOF−4272).In Purine and Pyrimidine Metabolism in Man,Vol.VII,Part A,ed.By P.A.Harkness,pp.135−138,Plenum Press,New York。ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)は、当分野で既知の常套的な方法を使って製造することができる。
【0086】
本発明の説明
上に簡単に述べたように、本発明は、高血圧前症、高血圧症の治療を必要とする対象において、高血圧前症、高血圧症を治療する、血圧を低下させる、および血圧を正常化する方法に関する。本発明の発明者らは、キサンチン酸化還元酵素阻害剤として知られている種類の化合物が、前記対象の高血圧前症または高血圧症を治療する、血圧を低下させる、および血圧を正常化するために使用することができることを発見した。
【0087】
本発明の方法は、対象のための初期血圧または基準血圧(収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせなど)を確立することに関する。対象の血圧を測定する方法は、当分野で周知である。例えば、対象の収縮期血圧および/または拡張期血圧は、看護婦または医者などの医療プロにより血圧計(Hgのmm単位で)を使用して測定することができる。また、アネロイド血圧計または電子機器が、対象の血圧を測定するのに用いることもでき、こうした機器およびこの使用もまた、当業者には周知である。さらに、24時間の携帯式血圧モニタリング(以下、「ABPM」)装置が、収縮期血圧、拡張期血圧および心拍数を測定するのに用いることができる。ABPMは、24時間にわたるあらかじめ定められた間隔(通常、間隔は15または20分ごとに設置されるが、どんな間隔にもプログラム化できる)で収縮期血圧、拡張期血圧および心拍数を評価する。次いでデータがデータベースにアップロードされた後、以下のパラメータが、これらの読み取り値から算出される。例えば、ABPMは以下の事項を測定するのに使用することができる。(1)対象の平均24時間収縮期血圧;(2)対象の平均24時間拡張期血圧;(3)対象の平均昼間(「昼間」を構成する時間は、当業者により容易に決定できる。例えば、「昼間」は午前6時00分から正午12時までの時間または午前7時00分から午後10時までの時間とすることができる。)収縮期血圧;(4)対象の平均昼間拡張期血圧;(4)対象の平均夜間(「夜間」を構成する時間は、当業者により容易に決定できる。例えば、「夜間」は真夜中12時から午前6時00分までまたは午後10時から午前7時00分までの時間とすることができる。)収縮期血圧;(5)対象の平均夜間拡張期血圧;(6)対象の平均最少(用語「最少」は、服用期間の終了時の時間帯または薬剤レベルの最低時点を指し、当業者により容易に決定することができる。)収縮期血圧;(7)対象の平均最少拡張期血圧;(8)心拍数×収縮期血圧(これは、心拍数と収縮期血圧の積である。);および(9)対象の平均24時間心拍数×収縮期血圧。対象の平均動脈圧は、一旦、対象の収縮期血圧および拡張期血圧が決まれば、単純な数式、例えば先に本明細書に記載した式(別の式も当業者には既知ではあるが)などを用いて決めることができる。対象の血圧が測定される時間は、初期血圧または基準血圧の読みを確立するためには重要ではない。一旦、初期血圧または基準血圧の読み取り値が決まれば、対象が(a)高血圧前症または高血圧前症の血圧または(b)高血圧症または血圧上昇を患っているかどうかについて当業者によってさらに決定することができる。例えば、基準ABPMは、前記対象の初期ABPMまたは基準ABPMを確立するために、対象の治療を開始する24時間前に確立することができる。この初期ABPMまたは基準ABPMはまた、対象が高血圧前症または高血圧に罹患しているかどうかを決定するのに用いることができる。
【0088】
対象が、一旦、高血圧前症(または高血圧前症の血圧)または高血圧症(または血圧上昇)を患っていると測定されたらまたは、対象が高血圧前症(または高血圧前症の血圧)または高血圧症(または血圧上昇)に罹患している病歴を有する場合には、対象は少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤の治療的有効量を投与され、したがって治療される。好ましくは、対象は、毎日少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤を摂取する。対象が特定期間(例えば1日、1週間、2週間、3週間、4週間など)の間、少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤を摂取した後に、2番目の血圧の読み取りが行なわれる。この2番目の血圧の読み取りは、初期血圧または基準血圧の読み取り値と比較されて、対象が低い血圧(例えば、低い収縮期血圧、低い拡張期血圧、低い収縮期血圧と低い拡張期血圧の組合せの低い平均動脈圧など)を示しているか否かを決定する。統計学的に有意の低い血圧(低い収縮期血圧の統計学的に有意の量、低い拡張期血圧の統計学的に有意の量または低い収縮期血圧と低い拡張期血圧との統計学的に有意な量の組み合わせであるかどうかにかかわらず)の量はいずれも、本発明の方法に包含される。さらに、対象において血圧の減少(または低い血圧)の望ましいレベルが達成されるまで、対象は少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤を摂取して(例えば毎日)、指定された期間にその後の血圧を測り読み取り、この血圧の値を初期血圧または基準血圧の読みと比較するステップを繰り返す。血圧減少のこのような望ましいレベルは、当業者により決定することができる。血圧減少のこのような望ましいレベルは、対象の血圧を120mmHg以下の収縮期血圧、70mmHgの拡張期血圧または120mmHg以下の収縮期血圧と70mmHgの拡張期血圧の組合せに正規化することを含むが、これに限定されるものではない。さらに、一旦、対象が血圧減少の望ましいレベルを獲得したならば、前記血圧減少の所望のレベルを維持するために、対象は少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤を無期限に服用し続けることができる。
【0089】
本発明のキサンチン酸化還元酵素阻害剤は、血圧を下げることに効果的であるので、これらの化合物は高血圧前症(または高血圧前症の血圧)または高血圧症(または血圧上昇)に罹患している対象を治療するために使用することができる。例えば、発明者は、少なくともキサンチン酸化還元酵素阻害剤による治療を開始してわずか4週間で、高血圧症に罹患している患者が低い血圧(即ち、統計学的に有意の低い収縮期血圧、統計学的に有意の低い拡張期血圧、統計学的に有意の低い平均動脈圧または統計学的に有意の低い収縮期血圧と統計学的に有意の低い拡張期血圧との組合せ)を示したことを見い出した。さらに、本明細書に記載されたキサンチン酸化還元酵素阻害化合物は、1つ以上の抗高血圧化合物をすでに服用している対象の血圧をさらに下げるために使用することができると考えられる。この結果、キサンチン酸化還元酵素阻害化合物は、単独療法としてまたは併用療法の一部として血圧を低下または減少させることに使用することができる。
【0090】
少なくとも1つの他の医薬化合物と組み合わせて少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤を含有する組成物は、本発明の方法で使用することが意図される。以下に記す賦形剤と服用形態を使用する、このような組合せを含有する製剤は、当業者にとって選択の問題である。さらに、当業者は、化合物の組み合わせが配合禁忌であるような場合には、種々の被覆または他の分離技術が使用されてもよいことを認識する。
【0091】
本発明の方法に従って使用される化合物は、無機酸または有機酸に由来する医薬的に許容される塩の形態で提供されることができる。医薬的に許容される塩は、当分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、医薬的に許容される塩をJ.Pharmaceutical Sciences,et seq.(66):1(1977)で詳細に記載している。塩は化合物の最終的な分離と精製の過程においてその場でまたは遊離の塩基性官能基を適切な有機酸と反応させることによって別に調製することができる。代表的な酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イソチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩を含むが、これらに限定されない。また、塩基性の窒素含有基は、ハロゲン化低級アルキル(例えばメチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物ならびにヨウ化物など);硫酸ジアルキル(例えば硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミルなど);長鎖ハライド(例えばデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物ならびにヨウ化物など);アリールアルキルハライド(例えば臭化ベンジルおよび臭化フェネチルなど);および他の試薬で4級化することができる。これにより、水溶性もしくは油溶性または分散可能な生成物が得られる。医薬的に許容される酸付加塩を形成するために使用することができる酸の例としては、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸など)および有機酸(例えばシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸など)が挙げられる。
【0092】
塩基付加塩は、カルボン酸含有部分を適切な塩基、例えば医薬的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩またはアンモニアまたは有機の1級、2級もしくは3級アミンと反応させることにより、化合物の最終分離および精製過程においてその場で調製することができる。医薬的に許容される塩は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩(例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩およびアルミニウム塩など)に基づく陽イオンならびに中でも、非毒性の4級アンモニア陽イオンおよびアミン陽イオン(例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウムおよびエチルアンモニウムなど)を含むが、これらに限定されない。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンは、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどを含む。
【0093】
少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害化合物またはこの塩は、所望される送達経路に依存し、主として選択の問題である様々な方法で製剤化することができる。例えば、経口投与のための固形製剤としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が挙げられる。このような固形製剤では、キサンチン酸化還元酵素阻害化合物は、少なくとも1つの不活性な、医薬的に許容される賦形剤または担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸ジカルシウムおよび/またはa)充填剤または増量剤(例えば、これらに限定されないが、澱粉、ラクトース、スクロース、グルコース、マニトールおよびケイ酸など);b)結合剤(例えば、これらに限定されないが、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなど);c)湿潤剤(例えば、これに限定されないが、グリセロールなど);d)崩壊剤(例えば、これらに限定されないが、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカ澱粉、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなど);e)溶解遅延剤(例えば、これに限定されないがパラフィンなど);f)吸収促進剤(例えば、これに限定されないが、4級アンモニウム化合物など);g)湿潤剤(例えば、これらに限定されないが、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど);h)吸収剤(例えば、これらに限定されることはないが、カオリンおよびベントナイトクレイなど);ならびにi)滑沢剤(例えば、これらに限定されないが、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物など)と混合することができる。
【0094】
類似の型の固形組成物はまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、軟質ゼラチンカプセル剤および硬質ゼラチンカプセル剤中の充填剤として使用され得る。
【0095】
錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形製剤は、被覆およびシェル(例えば、腸溶性コーティングおよび医薬製剤分野で周知の他の被覆)と共に調製され得る。これらは、場合により、不透明化剤を含有していてもよく、また、腸管の特定の部分において、場合により遅延様式で活性成分これのみを、もしくは優先的に放出する組成物であってもよい。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックス類が挙げられる。
【0096】
経口投与のための液体製剤は、医薬的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。キサンチン酸化還元酵素阻害化合物に加えて、液体製剤は、当分野で一般に使用される不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤、および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドなどであるが、これらに限定されない。)、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有してもよい。
【0097】
組成物はまた、標的部位に局所送達するために、冠動脈ステント(細かい金網からなる管状装置)を経由してまたは生分解性ポリマーを経由してカテーテルによって送達することができる。
【0098】
非経口的注射に適切な組成物は、生理的に許容される水性もしくは非水性の無菌溶液、分散液、懸濁液または乳液および滅菌された注射溶液または分散液に再構成するための滅菌された粉末を含むことができる。適切な水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例としては、水、エタノール、多価アルコール類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなど)、植物油(例えばオリーブ油)、注射可能な有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)およびこれらの適切な混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
これらの組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などのアジュヴァントを含むことができる。微生物の作用の防止は、いろいろな抗菌剤と抗真菌薬(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸など)によって確実にすることができる。また、等張化剤(例えば、砂糖、塩化ナトリウムなど)を含ませることも望ましい。注射可能な製剤の延長された吸収は、吸収遅延剤(例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を使用することによりもたらすことが可能である。
【0100】
活性化合物(即ち、キサンチン酸化還元酵素阻害化合物またはこの塩)に加えて、懸濁製剤は、懸濁化剤、例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天ならびにトラガカントまたはこれら物質の混合物などを含有してもよい。
【0101】
適切な流動性は、例えば、レシチンなどの被覆物質を用いることによって、分散液の場合、要求される粒子サイズを維持することによって、および界面活性剤を用いることによって維持することができる。
【0102】
ある場合には、薬剤(即ち、キサンチン酸化還元酵素阻害化合物またはこの塩)の効果を延ばすために、皮下注射または筋肉内注射からの薬剤の吸収を遅延させることが望まれる。これは、難水溶性の結晶性または非晶質材料の液体懸濁液を使用することによって達成することができる。次に、薬剤の吸収速度は、この溶解速度に依存し、この溶解速度は、今度は結晶サイズおよび結晶形態に依存する。または、非経口的に投与された製剤の遅延した吸収は、薬剤を油性ビヒクル中に溶解または懸濁することによって達成される。注射可能なデポ製剤は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)中に薬剤のマイクロカプセルマトリクスを形成することによって作製される。薬剤のポリマーに対する割合および使用される特定のポリマーの性質に依存して、薬剤放出の速度は、制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポ型注射製剤はまた、身体組織と相容性であるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬剤を捕捉することによっても調製される。
【0103】
注射製剤は、例えば、細菌保持フィルタを通す濾過によりまたは使用直前に滅菌水または他の滅菌注射用媒体中に溶解または分散することができる滅菌固形組成物の形態で、殺菌剤を配合することにより滅菌することができる。
【0104】
本発明の化合物の局所投与用製剤は、粉末剤、噴霧剤、軟膏剤および吸入剤を含む。活性化合物(この複数を含む)は、無菌条件下、医薬的に許容される担体および要求され得る任意の必要な防腐剤、緩衝剤または推進剤と混合される。眼科用製剤、眼軟膏剤、粉末剤および溶液剤もまた、本発明の範囲内にあることが意図される。
【0105】
本発明に従って使われる製剤は、一般に1つまたはそれ以上のキサンチン酸化還元酵素阻害化合物の治療的有効量を含むことが理解される。本明細書で使用されるように、句「治療的有効量」または「予防的有効量」は、例えば、任意の医療処置に適用可能な合理的な対危険便益比でもって所望の疾患を治療するための組成物、キサンチン酸化還元酵素阻害化合物または製剤の、十分な量を意味する。他の医薬と同様に、本発明の医薬組成物の総1日使用量は、患者の主治医によって適切な医学判断の範囲内に決定されることが理解される。任意の特定患者のための特定の治療的に有効なまたは予防的に有効な服用量のレベルは、治療されている疾患および疾患の重症度;使われる特定化合物の活性;使われる特定組成物;年齢、体重、一般的な健康状態、性別および患者の食餌;使用される特定化合物の、投与時間、投与経路、および排泄率;処置の持続時間;使用される特定の化合物との併用または同時服用で使用される薬剤;医学分野で当業者に知られている他の要因を含む多数の要因に依存する。例えば、所望の治療効果を達成するのに必要な量より低いレベルで化合物の服用量を開始し、所望の効果が達成されるまで、徐々に服用量を増やすことは、当分野の技術範囲内でよくあることである。
【0106】
本発明の製剤は、適切な医療実務に従って、個々の患者の臨床状態、投与部位および投与方法、投与スケジュールならびに医師に既知の他の要因を考慮して投薬される。
【0107】
したがって、本明細書の目的のための治療的有効量または予防的有効量は、当業者に知られているように考慮して容易に決定することができる。単回用量または分割用量で患者に投与されるキサンチン酸化還元酵素阻害化合物の1日当たりの治療的有効量または予防的有効量は、1日、体重キログラム当たり約0.01ミリグラムから約750ミリグラム(mg/kg/day)の範囲である。より詳しくは、患者はキサンチン酸化還元酵素阻害化合物の約5.0mgから約300mgを、1日に1回、好ましくは約20mgから約240mgを、1日に1回、および最も好ましくは、約40mgから約120mgを、1日に1回、服用することができる。
【0108】
(実施例)
実施例として、制限するものではないが、次に本発明の実施例が示される。
【実施例1】
【0109】
収縮期のBP160mmHgまたは拡張期のBP95mmHgを有し、したがって「血圧上昇」を有すると考えられる、合計103人の対象(プラセボ群の9人、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸(以下、「フェブキソスタット」と称す)80mgおよび120mgを1日1回(以下、「QD」と称す)投与群のそれぞれ26人、フェブキソスタット240mg投与QD群10人および4−ヒドロキシ−3,4−ピラゾロピリミジン(以下、「アロプリノール」と称す)300/100mg投与QD群32人)を研究した。アロプリノールは、キサンチン酸化還元酵素阻害剤ではない。キサンチン酸化還元酵素阻害剤とは異なり、アロプリノールはプリン環を含有しており、対象のプリンヌクレオチドホスホリラーゼまたはオロチジン−5−モノリン酸脱炭酸酵素などのプリンおよびピリミジン代謝に関わるいくつかの酵素の活性に対して治療的有効量においてまた効果を有する。
【0110】
上記の対象のいずれもが、研究の基準時(開始時)でどんな抗高血薬も服用していなかった。これらの104人の対象は、2つ(2)の二重盲検(以下、「DB」と称す)研究の一部であった。1つの研究は28週継続した。この間、対象は、対象の腎臓機能により、フェブキソスタット80mg、120mgもしくは240mgQD、プラセボまたはアロプリノール300もしくは100mgQDを服用した。2番目の研究は、52週続けた。この間、対象はフェブキソスタット80mgもしくは120mgQDまたはアロプリノール300mgQDを服用した。
【0111】
これらの103人の対象のうち、全ての対象が4週間の治療を終了し、および70人の対象が28週間の治療を終了した。総計52週間の治療は、フェブキソスタット80mgQD群で7人、フェブキソスタット120mgQD群で4人およびアロプリノール 300/100mgQD群で14人が終了した。2つのDB研究の1つは短期間なので、プラセボ群またはフェブキソスタット240mgQD群の対象はいずれも52週間は治療されなかった。
【0112】
4週間の治療後の対象では、収縮期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−6.2mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−8.2mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−11.0mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−10.0mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−7.7mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群および120mgQD群ならびにアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。また、4週間の治療後、拡張期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−3.3mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−3.7mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−8.4mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−8.9mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−6.3mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット120mgQD群および240mgQD群ならびにアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。4週間の治療後、平均動脈BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−4.3mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−5.2mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−9.3mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−9.3mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−6.8mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群、120mgQD群、240mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。
【0113】
治療の28週間後の対象では、収縮期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−4.3mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−13.0mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−14.2mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−8.0mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−7.0mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群および120mgQD群ならびにアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。治療の28週間後では、拡張期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−1.7mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−10.2mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−6.4mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−5.0mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−8.2mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群および120mgQD群ならびにアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。治療の28週間後では、平均動脈BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−2.6mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−11.1mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−9.0mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−6.0mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−7.8mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群、120mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。
【0114】
治療52週間後の対象では、収縮期BPに関する平均変化は、フェブキソスタット80mgQD群では−13.4mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−25.8mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−9.4mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。治療52週間後では、拡張期BPに関する基準値からの平均変化は、フェブキソスタット80mgQD群では−12.3mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−10.0mmHg、アロプリノール300/100mgQD群では−10.9mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。治療52週間後では、平均動脈BPに関する基準値からの平均変化は、フェブキソスタット80mgQD群では−12.7mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−15.2mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−10.4mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。
【実施例2】
【0115】
収縮期のBP160mmHgまたは拡張期のBP95mmHgを有し、したがって「血圧上昇」を有すると考えられる、合計158人の対象(プラセボ群の11人、フェブキソスタット80mgQD群の46人、フェブキソスタット120mgQD群の39人、フェブキソスタット240mgQD群の15人、およびアロプリノール300/100mgQD群の47人)を研究した。これらの対象のいずれもが、試験の基準時(開始時)ではいかなるアンジオテンシン変換酵素阻害剤をも服用していなかったが、ある別のタイプの抗高血圧薬を服用していた。これらの158人の対象は、2つ(2)のDB研究の一部であった。1つの研究は、対象の腎臓機能に依存して、対象はフェブキソスタットまたはプラセボ80mg、120mgもしくは240mgQDまたはアロプリノール300もしくは100mgQDを28週間、服用した。第2の研究では、対象はフェブキソスタットの80mgもしくは120mgQDまたはアロプリノール300mgQDを服用する52週にわたるものであった。
【0116】
これらの158人の対象のうち、全ての対象が4週間の治療を終了し、および114人の対象が28週間の治療を終了した。総計52週間の治療は、フェブキソスタット80mgQD群で15人の対象、フェブキソスタット120mgQD群で9人およびアロプリノール300/100mgQD群で17人が終了した。2つのDB研究の1つは、短期間なので、プラセボ群またはフェブキソスタット240mgQD群の対象はいずれも52週間は治療されなかった。
【0117】
4週間の治療後の対象では、収縮期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−7.8mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−7.2mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−8.3mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−18.9mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−6.6mmHgであった。基準値からの変化は、全ての処置群間で統計的に有意であった。4週間の治療後、拡張期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−2.7mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−4.7mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−7.2mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−9.3mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−6.7mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群、120mgQD群および240mgQD群ならびにアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。4週間の治療後、平均動脈BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−4.4mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−5.5mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−7.6mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−12.5mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−6.7mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群、120mgQD群、240mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。
【0118】
治療の28週間後の対象では、収縮期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−8.0mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−10.4mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−11.0mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−18.8mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−9.1mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群120mgQD群および240mgQD群ならびにアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。治療の28週間後では、拡張期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−3.8mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−8.7mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−7.5mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−10.0mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−10.1mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群、120mgQD群および240mgQD群ならびにアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。治療の28週間後では、平均動脈BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−5.2mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−9.2mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−8.7mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−12.9mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−9.8mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群、120mgQD群、240mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。
【0119】
治療52週間後の対象では、収縮期BPに関する基準値からの平均変化は、フェブキソスタット80mgQD群では−9.5mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−19.4mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−9.5mmHgであった。基準値からの変化は、全ての処置群間で統計的に有意であった。治療52週間後では、拡張期BPに関する基準値からの平均変化は、フェブキソスタット80mgQD群では−8.1mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−7.2mmHg、アロプリノール300/100mgQD群では−11.4mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。治療52週間後では、平均動脈BPに関する基準値からの平均変化は、フェブキソスタット80mgQD群では−8.5mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−11.3mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−10.8mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群、120mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。
【実施例3】
【0120】
収縮期のBP160mmHgまたは拡張期のBP95mmHgを有し、したがって「血圧上昇」を有すると考えられる、合計187人の対象(プラセボ群の13人、フェブキソスタット80mgQD群の52人、フェブキソスタット120mgQD群の48人、フェブキソスタット240mgQD群の15人およびアロプリノール300/100mgQD群の59人)を研究した。これらの対象のいずれもが、研究の基準時(開始時)ではいかなるアンジオテンシン拮抗剤も服用していなかったが、ある別のタイプの抗高血圧薬を服用していたかもしれなかった。これらの187人の対象は、2つ(2)のDB研究の一部であった。1つの研究は、対象の腎臓機能に依存して、対象はフェブキソスタットもしくはプラセボの80mg、120mgもしくは240mgQDまたはアロプリノール300もしくは100mgQDを28週間、服用した。第2の研究では、対象はフェブキソスタットの80mgもしくは120mgQDまたはアロプリノール300mgQDを服用する52週にわたるものであった。
【0121】
これらの187人の対象のうち、全ての対象が4週間の治療を終了し、および132人の対象が28週間の治療を終了した。総計52週間の治療は、フェブキソスタット80mgQD群で15人の対象、フェブキソスタット120mgQD群で11人およびアロプリノール300/100mgQD群で22人が終了した。2つのDB研究の1つは、短期間なので、プラセボ群またはフェブキソスタット240mgQD群の対象はいずれも52週間にわたる治療はされなかった。
【0122】
治療4週間後の対象では、収縮期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−9.1mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−6.7mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−8.5mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−11.3mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−7.0mmHgであった。基準値からの変化は、全ての処置群間で統計的に有意であった。治療4週間後、拡張期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−5.8mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−3.1mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−7.5mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−9.1mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−5.7mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群、120mgQD群および240mgQD群ならびにアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。治療4週間後、平均動脈BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−6.9mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−4.3mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−7.8mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−9.8mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−6.1mmHgであった。基準値からの変化は、プラセボ群、フェブキソスタット80mgQD群、120mgQD群、240mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。
【0123】
治療の28週間後の対象では、収縮期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−8.2mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−12.6mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−12.8mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−9.2mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−9.0mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群および120mgQD群ならびにアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。治療の28週間後では、拡張期BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−6.0mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−7.3mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−8.5mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−4.9mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−8.7mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群および120mgQD群ならびにアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。治療の28週間後では、平均動脈BPに関する基準値からの平均変化は、プラセボ群では−6.7mmHg、フェブキソスタット80mgQD群では−9.0mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−9.9mmHg、フェブキソスタット240mgQD群では−6.3mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−8.8mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群、120mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群の間で統計的に有意であった。
【0124】
治療52週間後の対象では、収縮期BPに関する基準値からの平均変化は、フェブキソスタット80mgQD群では−17.9mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−18.6mmHgおよびアロプリノール300/100mgQD群では−10.0mmHgであった。基準値からの変化は、全ての処置群間で統計的に有意であった。治療52週間後では、拡張期BPに関する基準値からの平均変化は、フェブキソスタット80mgQD群では−8.4mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−7.4mmHg、アロプリノール300/100mgQD群では−11.6mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群内で統計的に有意であった。治療52週間後では、平均動脈BPに関する基準値からの平均変化は、フェブキソスタット80mgQD群では−11.6mmHg、フェブキソスタット120mgQD群では−11.1mmHg、およびアロプリノール300/100mgQD群では−11.1mmHgであった。基準値からの変化は、フェブキソスタット80mgQD群、120mgQD群およびアロプリノール300/100mgQD群内で統計的に有意であった。
【0125】
実施例1から3は、フェブキソスタットなどのキサンチン酸化還元酵素阻害剤が、アロプリノールと比較して、すべての処置群内の収縮期血圧を低下させることに対するより明白な、有意の効果を示すことを示している。
【実施例4】
【0126】
この研究の目的は、オキソン酸(以下、「OA」)誘発の高尿酸血症モデルにおける高血圧に対するフェブキソスタットの効果をSprague−Dawleyラットで検討することにある。オキソン酸は、ウリカーゼ阻害剤であり、実験的高尿酸血症を誘発するために使用することができる。従来の研究では、このモデルが全身性高血圧症のみならず、糸球体前性血管障害を有する糸球体性高血圧症を生じることを示した(参照:Mazzali M,et al.,Hypertension 38:1101−1106(2001),Mazzali M,et al.,Am J Physiol Renal Physiol 282:F991−F997(2002),Sanchez−Lozada LG,et al.,Am J Physiol Renal Physiol 283:F1105−F1110(2002)およびSanchez−Lozada LG,et al.,Kidney Int 67:237−247(2005))。
【0127】
材料と方法。高尿酸血症を生じさせるために、ラットは胃への強制給餌によってOA(Sigma,St Louis MO,USA)を750mg/kg(体重)、毎日投与された。フェブキソスタット(本明細書では、「Fx」とも称す)の治療効果を調べるために、薬剤が、飲料水で50mg/L(約5から6mg/kg/日)をOA服用後4週間、投与され、一方、それぞれの対照は飲料水(フェブキソスタット含有水と等価な塩濃度を維持するため)中、5.84mg/LのNaClが投与された。以下の4つのグループ(n=10から11)がこの研究に含まれた。グループ1(8週間治療を受けなかった正常な対照ラット);グループ2(4週間治療を受けず、その後、第5週から第8週の4週間フェブキソスタットで治療された、正常+フェブキソスタットのラット);グループ3(OAを8週間投与されたOAラット);およびグループ4(OAを8週間およびフェブキソスタットを、第5週から第8週の4週間投与された、OA+フェブキソスタットのラット)。体重、食物および水の摂取量は毎日測定した。テイルカフ法血圧計により覚醒ラットで得た収縮期血圧、および血漿尿酸は、基準値の時点で、および4週および8週の終わりにすべての動物で測定された。ペントバルビタール麻酔下の全身的動脈血圧のモニタリングと並んで腎臓の微小穿刺操作は8週の終わりに行なわれ、続いて腎臓糸球体前性の微小血管系の形態の評価が行われた。
【0128】
糸球体血行力学を評価するための微小穿刺操作。動物は、ペントバルビタールナトリウム(30mg/kg、腹腔内投与)で麻酔され、体温を37℃に維持するために温度調節された台に固定した。気管、頚静脈、大腿動脈および左輪尿管は、ポリエチレン管(PE−240、PE−50およびPE−10)でカテーテル挿入留置した。左の腎臓を露出し、ルーサイトホルダー中に保持し、寒天で密閉し、リンゲル液で覆った。平均動脈圧(以下に「MAP」)は、大腿動脈中のカテーテルに接続された圧力変換器(モデルp23 db;Gould,San Juan,PR)を使用して監視し、ポリグラフ(Grass Instruments,Quincy,MA,USA)に記録した。血液サンプルは周期的に採取し、ドナーのラットからの血液と取り替えた。ラットは、手術中は等張のラット血漿10mL/kg体重の注入後、25%のポリフルクトサン(Inutest,Fresenius Kabi,Linz,Austria)を2.2mL/時間で注入することにより血液量が正常な条件の下に維持された。60分後、近位尿細管液の5から7つのサンプルを、流量とポリフルクトサン濃度を測定するために得た。フリーフロー(以下、「FF」)およびストップフロー(以下、「SFP」)の条件下の尿細管内圧力および尿細管周囲の毛細血管圧(以下、「Pc」)は、サーボ−ヌル(servo−null)装置(Servo Nulling Pressure System;Instrumentation for Physiology and Medicine,San Diego,CA,USA)を使用して他の近位尿細管内で測定した。糸球体のコロイド浸透圧は、大腿動脈(以下、「Ca」)および表面の糸球体輸出細動脈(以下、「Ce」)の血液から得られたタンパク質濃度から概算された。ポリフルクトサンは、DavidsonおよびSackner(Davidson WD et al.,J Lab Clin Med 62:351−356(1963)参照)のアンスロンに基づいた技術によって血漿および尿サンプルで測定された。血漿サンプルは、トリクロロ酢酸で最初に除蛋白された。遠心分離後、上澄みはポリフルクトサンの測定に使用された。血漿および尿サンプル中のポリフルクトサン濃度は、アンスロン試薬を加え、45℃で50分間温置し、620nmの波長にセットされた分光光度計で読み取ることにより評価した。濃度は、標準曲線(0.01−0.05mg/mL)を使用して、吸光度の値を内挿することにより算出された。糸球体濾過量(以下、「GFR」)の合計は、次式を使用して算出された。GFR=(U×V)/P(式中、Uは尿中のポリフルクトサン濃度であり、Vは尿の流量であり、Pは血漿中のポリフルクトサン濃度である。)。
【0129】
個々の近位尿細管から集められた流体の容量は、既知の内径を有する一定の径の毛細管中の流体カラムの長さから推定された。尿細管のポリフルクトサンの濃度は、VurekおよびPegramの顕微蛍光測光法(Vurek GG,et al.,Ann Biochem 16:409−419(1966))により測定された。簡単に述べると、尿細管の流体サンプルは、8−nLピペットを使用して、ジメドン試薬3μL(85%オルトリン酸10mL中、ジメドン100mg)を含有する一端が密封された毛細管キュベットに移された。各キュベットは、サンプルを加えた直後に密閉された。キュベットは、5分間にヘマトクリット遠心器中、最高速度で5回遠心分離され、沸騰水浴中で10分間加熱された。試薬ブランクの場合は0%および10mg/mLポリフルクトサンの場合は100%に対して、蛍光が355nmおよび400nmの励起波長および発光波長でそれぞれ測定された(ルミネセンス分光計,Aminco−Bowman Series 2,USA)。各キュベットについては、蛍光は4つの読みの平均として算出され、読み取り値間を任意にローテーションした。ポリフルクトサン濃度は、標準曲線(0.5から2.5mg/mL)を使用して、蛍光値を内挿することにより算出された。単一ネフロン糸球体濾過量(以下、「SNGFR」)は、式SNGFR=(TF/P)PF × V(式中、PFは細尿管液(以下、「TF」)および血漿(以下、「P」)中のポリフルクトサンの濃度であり、Vは細尿管液を時間を定めて集めることにより得られる細尿管流量である。)を使用して算出された(Baylis C, et al.,Am J Physiol 230:1148−1158(1976))。
【0130】
遠心性サンプルおよび遠心性サンプル中のタンパク質濃度は、Viets et al(Viets JW,et al.,Anal Biochem 88:513−521(1978)参照)の方法に準拠して測定された。簡単に述べると、血清5nLは、100μLガラス毛細管中、Brijとメルカプトエタノールとを含有しているホウ酸塩緩衝液5μLと混合された。さらに、5μLのo−フタルアルデヒド(以下、「OPT」)試薬を加えた。内容物は、ヘマトクリット遠心器中で毛細管を数回、遠心分離することにより混合された。蛍光は、遠心分離して30分から60分後に、ルミネセンス分光計(Aminco−Bowman Series 2,USA)で、それぞれ362および419nmの励起波長および発光波長で測定された。タンパク質濃度は、標準曲線(0.2から1.0mg/mL)に対する、サンプル中で得られた蛍光の値を内挿することにより算出された。MAP、GFR、糸球体毛細管の静水圧(以下、「PGC」)、単一ネフロン血漿流(以下、「QA」)、求心性・輸入管抵抗(以下、「AR」)、遠心性・輸出管抵抗(以下、「ER」)および全抵抗(以下、「TR」)、並びに限外濾過係数(以下、「Kf」)は、以前に報告された次の式を使用して算出された(Baylis C et al.,Am J Physiol 230:1148−1158(1976)参照)。
【0131】
PGC=SFP+πa(式中、πaは大腿動脈血液から得られた血漿のコロイド浸透圧である。);
QA=SNGFR/SNFF(式中、SNFFは単一ネフロン濾過率である。);
SNFF=1−(Ca/Ce);
AR=(MAP−PGC/GBF)×(7.962×1010)(式中、GBFは糸球体血流量である。);
GBF=QA/(1−Hct);
ER=(PGC−Pc/GBF−SNGFR)×(7.962×1010);
TR=AR+ER;
Kf=SNGFR/EFP(式中、EFPは有効濾過圧である。);および
EFP=[(PGC−πa−FF)+(PGC−πe−FF)]/2(式中、πeは表面の輸出細動脈中で得られた血液からの血漿コロイド浸透圧である。)。
【0132】
評価。食物と水分摂取量は毎日測定された。収縮期血圧(以下、「SBP」)は、自動システム(XBP−100,Kent Scientific Co,USA)を使用して、覚醒動物でテイルカフ血圧計によって測定された。動物はすべて、各実験の1週間前に血圧測定のためにあらかじめ条件を整えられた。血漿UA、インスリンおよびトリグリセリドは、商用キット(それぞれDiagnostic Chemicals Ltd,USA;Crystalchem,USAおよびSpinreact,Spain)を使用して定量された。
【0133】
腎臓の組織学および形態学の定量化。微小穿刺研究の後、腎臓はリン酸緩衝生理食塩水で灌流によって洗浄し、次に、4%のパラホルムアルデヒドで固定した。腎臓の生検はパラフィン中に包埋された。固定組織の4μm切片は、過ヨウ素酸シフ(以下、「PAS」)試薬で染色された。細動脈の形態学は、α平滑筋アクチン(DAKO Corp,Carpinteria,CA,USA)に関する間接的な免疫ペルオキシダーゼ染色によって評価された。正常な家兎血清でと共に温置された腎臓切片は、α平滑筋アクチンに対する免疫染色のための陰性対照として使用された。
【0134】
各細動脈について、血管およびこの内管腔(血管内皮を除く)のアウトラインは、1つの生検当たり10の細動脈における全中膜面積(アウトライン−インライン)を算出するためにコンピュータ解析を使用して生成された。中膜/内管腔比率は、アウトライン/インラインの関係によって算出された(Sanchez−Lozada LG,et al.,Am J Physiol Renal Physiol 283:F1105−F1110,(2002)およびSanchez−Lozada LG,et al.,Kidney Int 67:237−247(2005)参照)。定量化は盲検で行なわれた。
【0135】
統計分析。数値は、平均±平均標準誤差(以下、「SEM」)として表した。この研究では、それぞれ4つの処置群からの値は、一元配置分散分析(以下、「ANOVA」)によって解析された。ANOVAのp値が、<0.05の時、ボンフェローニ多重比較検定を使用して以下の比較がなされた。正常な対照対正常+Fx、正常な対照対OA、正常な対照対OA+FxおよびOA対OA+Fx。一対比較は、統計モデルのフレームワーク内の対比を用いて行なわれた。
【0136】
変数間の関係は、相関分析によって評価された。
【0137】
結果
体重、食物および水分摂取量。下記の表1に示されるように、体重は群間でどの時点でも違わなかったが、4週間から8週間の期間の正常な対照ラットでは、若干の%体重増があった。正常な対照ラットと比較して、OA+Fx群は最初の週に、わずかにより多くの水を飲んだが、食物と水分摂取量も群間では類似していた。全てのラットが正常に行動し、副作用は観察されなかった。
【0138】
【表1】

【0139】
血漿尿酸。血漿尿酸濃度の基準値はすべての群の間で類似していた。オキソン酸処置のラットでは、4週間目の尿酸値が2倍であることを示した。4週で始まるフェブキソスタットの添加は、尿酸レベルを正常範囲(図1参照)に下げた。フェブキソスタットを投与された正常なラットは、尿酸レベルを対照値の約53%に減少させたが、この差は統計的に有意ではなかった。
【0140】
血圧。覚醒動物でテイルカフ法によって測定された収縮期血圧データは、図2に示される。全ての群は、同様の基準値を有した。オキソン酸処置は、収縮期圧の増加をもたらし、これは4週および8週の両方で見られた。オキソン酸へのフェブキソスタットの添加は、収縮期BPに有意の、しかし部分的な減少をもたらした。対照的に、フェブキソスタットは、正常なラットの血圧を変えなかった。
【0141】
平均動脈血圧(以下、「MAP」)も麻酔下、動脈内にカニューレを直接挿入して研究の終わりに測定された(図3参照)。オキソン酸処置のラットは、高血圧を示し、これは、フェブキソスタット処置により正常な範囲に減少した(正常対照:118±4mmHg;OA:139±3mmHg;OA+Fx:122±5mmHg)(図3)。フェブキソスタットは、正常なラットにおいてMAPを変えなかった。
【0142】
OAおよびOA+Fxラットを一緒に分析した時、週8での尿酸濃度およびMAPの間に有意な正の相関があった(r=0.65、p=0.004)。また、この相関性は有意ではあったが、テイルカフ手法によって測定された収縮期血圧は弱かった(r=0.46、p=0.04)。
【0143】
糸球体の血行力学。8週の終わりに、微小穿刺技術による糸球体の血行力学がすべての動物で測定された。
【0144】
ストップフロー圧力(以下、「SFP」)の上昇によって注目されるように、OA処置ラットは、糸球体毛細血管圧(PGC)において有意の上昇を有した(以下の表2参照)。フェブキソスタット処置は、こうした変化を防止した。尿酸レベルがPGCと相関する場合、有意の相関性が見られた(r=0.74、p=0.0005、OAおよびOA+Fx群を使用)。高尿酸血症ラットにおける増加した糸球体圧は、全身的な高血圧に対する糸球体前性血管の変則的な自動制御応答により媒介されることが以前に報告された(Sanchez−Lozada LG,et al.,Am J Physiol Renal Physiol 283:F1105−F1110,(2002)およびSanchez−Lozada LG,et al.,Kidney Int 67:237−247(2005)参照)。このメカニズムと一致して、8週では、全身的動脈圧および糸球体圧との間に、正の相関が見られた[SBP(テイルカフ)対PGC:r=0.59、p=0.01;MAP対PGC:r=0.76、p=0.0003]。OA+Fxラットにおけるさらなる知見は、他群と比較して、数字的に、しかし有意ではないより高い限外濾過係数(以下、「Kf」)であった。OAおよびOA+Fx群の両群が解析された時(r=−0.53、p=0.02)、Kfはまた尿酸レベルと負の相関をした。最後に、フェブキソスタット処置は、正常ラットにおいて糸球体の血行力学を変更するものではなかった。
【0145】
【表2】

【0146】
腎臓の細動脈の形態論。中膜の面積の増加によって反映されるように、オキソン酸処置は輸入細動脈の肥厚化に関係していた(図4参照)。フェブキソスタット処置は、この肥厚化を緩和することができた(図4参照)。中膜/内膜比率において有意でない増加がまた、オキソン酸でも観察された;これは、フェブキソスタットによって有意に減少した(図5参照)。フェブキソスタットは、正常なラットでは細動脈の形態に影響を与えなかった。
【0147】
当業者であれば、記述した目的を実施するために、およびこの結果と利点のみならず、また同様にそこに内在するものを得るために、本発明がよく適合されていることを容易に理解するであろう。本明細書に記載されている分子錯体および方法、手順、処理、分子、特定化合物は、現在好ましい実施形態の代表であって、例示的なものであり、本発明の範囲を制限することを意図しているものではない。本発明の範囲および精神を逸脱することなく、本明細書に開示された発明に対して置換および修正の変更がなされ得ることは、当業者にとって容易に明白なことである。
【0148】
本明細中で記述された特許および刊行物はすべて、発明が属する当業者の水準を示す。すべての特許および刊行物は、あたかも個々の刊行物がそれぞれ具体的に、個別的に参照によって組込まれることが示されるのと同様に参照によって本明細書に組込まれる。
【0149】
本明細書に例示的に適切に記述された発明は、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素または複数の要素、制限または複数の制限の非存在下で実施されてよい。したがって、例えば、本明細書での各事例の場合、「含むこと」、「本質的になること」、および「なること」の用語のいずれもが、他の2つの用語のいずれかと置き換えられてもよい。使用された用語および表現は、説明するための用語として使用され、制限するためのものではなく、また、示され、記述された特徴のどんな均等物またはこの一部をも除外する用語および表現として使用する意図はなく、様々な修正が本発明の範囲内で可能であることが認識される。したがって、本発明は好ましい実施形態および任意の特徴によって具体的に開示されてきたが、本明細書に開示された思想の修正および変更は、当業者に依存することができ、またこのような修正および変更は、申請された特許請求の範囲で定義された本発明の範囲内にあると考えられることを理解すべきである。
【0150】
さらに、本発明の特徴または態様が、Markushグループによって記載されている場合は、当業者はMarkushグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーの下位グループを使用して、発明がこれにより記載されていることも認識するであろう。例えば、Xが臭素、塩素およびヨウ素からなる群から選択されるとの記載であれば、Xが臭素である特許請求の範囲、およびXが臭素および塩素である特許請求の範囲が、充分に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】正常ラットおよびオキソン酸(以下、「OA」)投与ラットにおける血漿尿酸に対するフェブキソスタットの効果を示す。
【図2】正常ラットおよびOA投与ラットにおける収縮期血圧(テイルカフ法による)に対するフェブキソスタットの効果を示す。
【図3】正常ラットおよびOA投与ラットにおける平均動脈圧(麻酔下)に対するフェブキソスタットの効果を示す。
【図4】正常ラットおよびOA投与ラットにおける腎臓細動脈面積(以下、「AA」)に対するフェブキソスタットの効果を示す。
【図5】正常ラットおよびOA投与ラットにおける腎臓細動脈中膜の内膜比(以下、「M/L」)に対するフェブキソスタットの効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物はキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩である、高血圧前症の治療を必要とする対象における高血圧前症の治療方法。
【請求項2】
キサンチン酸化還元酵素阻害剤が、
2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、
2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、
1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、
ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、
8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、
3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール
およびこの医薬的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物はキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩である、高血圧症の治療を必要とする対象における高血圧症の治療方法。
【請求項5】
キサンチン酸化還元酵素阻害剤が、
2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、
2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、
1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、
ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、
8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、
3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール
およびこの医薬的に許容される塩からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物はキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩である、対象における血圧を低下させる方法。
【請求項8】
キサンチン酸化還元酵素阻害剤が、
2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、
2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、
1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、
ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、
8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、
3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール
およびこの医薬的に許容される塩からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの化合物の投与が、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物はキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩である、対象における高血圧前症の血圧または血圧上昇を減少させる方法。
【請求項13】
キサンチン酸化還元酵素阻害剤が、
2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、
2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、
1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、
ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、
8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、
3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール
およびこの医薬的に許容される塩からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
対象が、160mmHgの収縮期血圧、少なくとも95mmHgの拡張期血圧または160mmHgの収縮期血圧および少なくとも95mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの化合物の投与が、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させる、請求項12または13に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの化合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記少なくとも1つの化合物はキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩である、高血圧前症または高血圧症の病歴を有する対象の血圧を正常化する方法。
【請求項19】
キサンチン酸化還元酵素阻害剤が、
2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸、
2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸、
1−(3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、
1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、
ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、
8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)、
3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール
およびこの医薬的に許容される塩からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの化合物の投与が、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを正常化する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記化合物は、式
【化1】

(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、フェニルスルフィニル基またはシアノ(−CN)基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または以下に示すA、B、CもしくはD
【化2】

であり、TはA、B、CまたはDを、R、R、RまたはRにおいて、上記した芳香族環に結びつけており;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
は、置換されていないピリジル基または置換されたピリジル基であり;および
10は、水素または低級アルキル基でありまたはピバロイルオキシ基で置換された低級アルキル基であり、および各場合、R10は上記した1,2,4−トリアゾール環の窒素原子の1つに結合している。)を含む、高血圧前症の治療を必要とする対象における高血圧前症の治療方法。
【請求項24】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
化合物が、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
化合物が、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
化合物が、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
化合物が、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)である、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
化合物が、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこの医薬的に許容される塩である、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記化合物は、式
【化3】

(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、フェニルスルフィニル基またはシアノ(−CN)基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または以下に示すA、B、CもしくはD
【化4】

であり、TはA、B、CまたはDを、R、R、RまたはRにおいて、上記した芳香族環に結びつけており;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
は、置換されていないピリジル基または置換されたピリジル基であり;および
10は、水素または低級アルキル基でありまたはピバロイルオキシ基で置換された低級アルキル基であり、および各場合、R10は上記した1,2,4−トリアゾール環の窒素原子の1つに結合している。)を含む、高血圧症の治療を必要とする対象における高血圧症の治療方法。
【請求項34】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
化合物が、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
化合物が、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
化合物が、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
化合物が、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)である、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
化合物が、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこの医薬的に許容される塩である、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記化合物は、式
【化5】

(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、フェニルスルフィニル基またはシアノ(−CN)基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または以下に示すA、B、CもしくはD
【化6】

であり、TはA、B、CまたはDを、R、R、RまたはRにおいて、上記した芳香族環に結びつけており;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
は、置換されていないピリジル基または置換されたピリジル基であり;および
10は、水素または低級アルキル基でありまたはピバロイルオキシ基で置換された低級アルキル基であり、および各場合、R10は上記した1,2,4−トリアゾール環の窒素原子の1つに結合している。)を含む、対象の血圧を低下させる方法。
【請求項44】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
化合物が、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
化合物が、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
化合物が、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
化合物が、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)である、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
化合物が、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこの医薬的に許容される塩である、請求項43に記載の方法。
【請求項52】
少なくとも1つの化合物の投与が、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させる、請求項43に記載の方法。
【請求項53】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項43に記載の方法。
【請求項54】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項43に記載の方法。
【請求項55】
化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記化合物は、式
【化7】

(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、フェニルスルフィニル基またはシアノ(−CN)基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または以下に示すA、B、CもしくはD
【化8】

であり、TはA、B、CまたはDを、R、R、RまたはRにおいて、上記した芳香族環に結びつけており;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
は、置換されていないピリジル基または置換されたピリジル基であり;および
10は、水素または低級アルキル基でありまたはピバロイルオキシ基で置換された低級アルキル基であり、および各場合、R10は上記した1,2,4−トリアゾール環の窒素原子の1つに結合している。)を含む、対象の血圧上昇を減少させる方法。
【請求項56】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
化合物が、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
化合物が、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項55に記載の方法。
【請求項61】
化合物が、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項55に記載の方法。
【請求項62】
化合物が、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)である、請求項55に記載の方法。
【請求項63】
化合物が、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこの医薬的に許容される塩である、請求項55記載の方法。
【請求項64】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項55に記載の方法。
【請求項65】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項55に記載の方法。
【請求項66】
少なくとも1つの化合物の投与が、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させる、請求項55に記載の方法。
【請求項67】
化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記化合物は、式
【化9】

(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、フェニルスルフィニル基またはシアノ(−CN)基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または以下に示すA、B、CもしくはD
【化10】

であり、TはA、B、CまたはDを、R、R、RまたはRにおいて、上記した芳香族環に結びつけており;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、COOH基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルキル基、置換されていないもしくは置換されたC−C10アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたヒドロキシアルコキシ、COO−グルクロニドまたはCOO−スルファートであり;
は、置換されていないピリジル基または置換されたピリジル基であり;および
10は、水素または低級アルキル基でありまたはピバロイルオキシ基で置換された低級アルキル基であり、および各場合、R10は上記した1,2,4−トリアゾール環の窒素原子の1つに結合している。)を含む、高血圧症の病歴を有する対象の血圧を正常化する方法。
【請求項68】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
化合物が、2−[3−シアノ−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
化合物が、2−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
化合物が、2−[4−(2−カルボキシプロポキシ)−3−シアノフェニル]−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
化合物が、1−3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸またはこの医薬的に許容される塩である、請求項67に記載の方法。
【請求項74】
化合物が、ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン、8−[3−メトキシ−4−(フェニルスルフィニル)フェニル]−ナトリウム塩(±)である、請求項67に記載の方法。
【請求項75】
化合物が、3−(2−メチル−4−ピリジル)−5−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾールまたはこの医薬的に許容される塩である、請求項67に記載の方法。
【請求項76】
少なくとも1つの化合物の投与が、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを正常化する、請求項67に記載の方法。
【請求項77】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項67に記載の方法。
【請求項78】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項67に記載の方法。
【請求項79】
化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記化合物は、式
【化11】

(式中、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニルまたはR11およびR12は、一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に4員から8員の炭素環を形成してもよく;
13は、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基であり;
14は、水素、ハロゲン、ニトロ基、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、−OR16および−SONR1717’(式中、R16は、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、フェニル置換低級アルキル、カルボキシメチルもしくはこのエステル、ヒドロキシエチルもしくはこのエーテルまたはアリルであり;R17およびR17’は、それぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルである。)からなる群から選択される1つまたは2つの基であり;
15は、水素または医薬的に活性なエステル形成基であり;
Aは、1個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり;
Bは、ハロゲン、酸素またはエチレンジチオであり;
Yは、酸素、硫黄、窒素または置換された窒素であり;
Zは、酸素、窒素または置換された窒素であり;および
点線は、単結合、二重結合または2つの単結合のいずれかを示す。)を含む、高血圧前症の治療を必要とする対象の高血圧前症の治療方法。
【請求項80】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記化合物は、式
【化12】

(式中、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニルまたはR11およびR12は、一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に4員から8員の炭素環を形成してもよく;
13は、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基であり;
14は、水素、ハロゲン、ニトロ基、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、−OR16および−SONR1717’(式中、R16は、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、フェニル置換低級アルキル、カルボキシメチルもしくはこのエステル、ヒドロキシエチルもしくはこのエーテルまたはアリルであり;R17およびR17’は、それぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルである。)からなる群から選択される1つまたは2つの基であり;
15は、水素または医薬的に活性なエステル形成基であり;
Aは、1個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり;
Bは、ハロゲン、酸素またはエチレンジチオであり;
Yは、酸素、硫黄、窒素または置換された窒素であり;
Zは、酸素、窒素または置換された窒素であり;および
点線は、単結合、二重結合または2つの単結合のいずれかを示す。)を含む、高血圧症の治療を必要とする対象の高血圧症の治療方法。
【請求項82】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記化合物は、式
【化13】

(式中、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニルまたはR11およびR12は、一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に4員から8員の炭素環を形成してもよく;
13は、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基であり;
14は、水素、ハロゲン、ニトロ基、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、−OR16および−SONR1717’(式中、R16は、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、フェニル置換低級アルキル、カルボキシメチルもしくはこのエステル、ヒドロキシエチルもしくはこのエーテルまたはアリルであり;R17およびR17’は、それぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルである。)からなる群から選択される1つまたは2つの基であり;
15は、水素または医薬的に活性なエステル形成基であり;
Aは、1個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり;
Bは、ハロゲン、酸素またはエチレンジチオであり;
Yは、酸素、硫黄、窒素または置換された窒素であり;
Zは、酸素、窒素または置換された窒素であり;および
点線は、単結合、二重結合または2つの単結合のいずれかを示す。)を含む、対象の血圧を低下させる方法。
【請求項84】
少なくとも1つの化合物の投与が、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させる、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記化合物は、式
【化14】

(式中、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニルまたはR11およびR12は、一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に4員から8員の炭素環を形成してもよく;
13は、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基であり;
14は、水素、ハロゲン、ニトロ基、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、−OR16および−SONR1717’(式中、R16は、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、フェニル置換低級アルキル、カルボキシメチルもしくはこのエステル、ヒドロキシエチルもしくはこのエーテルまたはアリルであり;R17およびR17’は、それぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルである。)からなる群から選択される1つまたは2つの基であり;
15は、水素または医薬的に活性なエステル形成基であり;
Aは、1個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり;
Bは、ハロゲン、酸素またはエチレンジチオであり;
Yは、酸素、硫黄、窒素または置換された窒素であり;
Zは、酸素、窒素または置換された窒素であり;および
点線は、単結合、二重結合または2つの単結合のいずれかを示す。)を含む、対象の血圧上昇を減少させる方法。
【請求項88】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
少なくとも1つの化合物の投与が、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを低下させる、請求項87に記載の方法。
【請求項91】
化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与する段階を含み、前記化合物は、式
【化15】

(式中、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル基、置換もしくは非置換のフェニルまたはR11およびR12は、一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に4員から8員の炭素環を形成してもよく;
13は、水素または置換もしくは非置換の低級アルキル基であり;
14は、水素、ハロゲン、ニトロ基、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、−OR16および−SONR1717’(式中、R16は、水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、フェニル置換低級アルキル、カルボキシメチルもしくはこのエステル、ヒドロキシエチルもしくはこのエーテルまたはアリルであり;R17およびR17’は、それぞれ独立して、水素または置換もしくは非置換の低級アルキルである。)からなる群から選択される1つまたは2つの基であり;
15は、水素または医薬的に活性なエステル形成基であり;
Aは、1個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり;
Bは、ハロゲン、酸素またはエチレンジチオであり;
Yは、酸素、硫黄、窒素または置換された窒素であり;
Zは、酸素、窒素または置換された窒素であり;および
点線は、単結合、二重結合または2つの単結合のいずれかを示す。)を含む、高血圧症の病歴を有する対象の血圧を正常化する方法。
【請求項92】
少なくとも1つの化合物の投与が、対象の収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧または収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを正常化する、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
対象が、120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧、80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧または120mmHgから139mmHgの範囲の収縮期血圧および80mmHgから89mmHgの範囲の拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
対象が、少なくとも140mmHgの収縮期血圧、少なくとも90mmHgの拡張期血圧、少なくとも106mmHgの平均動脈圧または少なくとも140mmHgの収縮期血圧および少なくとも90mmHgの拡張期血圧の組み合わせを有する、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量を少なくとも1つのキサンチン酸化還元酵素阻害剤またはこの医薬的に許容される塩と共に投与することをさらに含む、請求項1、4、7、12または18に記載の方法。
【請求項96】
対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量を少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩と共に投与することをさらに含む、請求項23、33、43、55または67に記載の方法。
【請求項97】
対象に少なくとも1つの抗高血圧化合物の治療的有効量を少なくとも1つの化合物またはこの医薬的に許容される塩と共に投与することをさらに含む、請求項79、81、83、87または91に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−503094(P2009−503094A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525134(P2008−525134)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/030023
【国際公開番号】WO2007/019153
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(502137754)タツプ・フアーマシユーテイカル・プロダクツ・インコーポレイテツド (10)
【Fターム(参考)】