説明

高電圧配電および高電圧送電の分野における電流変換のための装置および電力用半導体ユニットの負荷変動ストレスの低減のための方法

電力用半導体ユニットからなる直列接続回路を持った少なくとも1つの電力変換器弁(2a,2b)と、電力用半導体ユニットの冷却のための冷却手段(3,4,5,7)とを有する高電圧配電および高電圧送電の分野における電流変換のための装置(1)において、電力用半導体ユニットの温度行程を低コストにて減少させ得る装置(1)を提供するために、冷却手段(3,4,5,7)が電力用半導体ユニットを介する電流の流れに依存した冷却をもたらす制御手段を持つことを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力用半導体ユニットからなる直列接続回路を持った少なくとも1つの電力変換器弁と、電力用半導体ユニットの冷却のための冷却手段とを有する高電圧配電および高電圧送電の分野における電流変換のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
更に、本発明は、電流の変換のために装備された電力用半導体ユニットが冷却手段によって冷却される高電圧送電および高電圧配電の分野における電力用半導体ユニットの負荷変動ストレスを低減するための方法に関する。
【0003】
このような装置およびこのような方法は慣用従来技術から既に知られている。送電および配電の分野における電力用半導体ユニットは、例えば高電圧直流送電(HVDCT)の枠内において使用される。数百kV範囲の高電圧のゆえに、電力用半導体ユニットは電力変換器弁の構成のために直列に接続されていて、電力変換器弁は電力変換器の構成のためにブリッジ回路に配置されている。各電力変換器は、交流電圧側を交流電源系統に接続され、直流電圧側を他の電力変換器に接続されている。したがって、電力変換器間に直流回路が装備されていて、直流回路を介して交流電圧系統間での電力融通が可能にされている。
【0004】
更に、電力用半導体ユニットは、いわゆるフレキシブル交流送電システムにおいて、例えば高速電子スイッチとして使用される。電子スイッチは、例えば送電線インピーダンスの動的な調整のために用いられる。
【0005】
米国特許第6714421号明細書から、電力が3極式高電圧直流送電により2つの交流電圧系統間において伝送される方法が公知である。この場合に発生する直流電流は3つの送電線を通して流れ、送電線の1つにおける直流電流は短時間だけ熱的に許容される最大値を上回り、これに対して逆に流れる電流は他の2つの送電線に分配される。短い時間後に送電線の役割が周期的に交代させられるので、以前に少ない強さの負荷をかけられていた電線を通して今や許容限界値を上回る大きな直流電流が流れる。このやり方で、以前に3相交流線として使用された送電区間の送電容量を高めることができ、かつこのやり方で後から設置される高電圧直流送電システムのためのコストを正当化することができる。
【0006】
電流変調の周期が、米国特許第6714421号明細書の場合には、2〜3分程度である。しかしながら、これは、結果として送配電分野において通常の設計を遥かに上回る電力用半導体ユニットの負荷変動ストレスを有する。
【0007】
電力用半導体ユニットの負荷変動とは、電力用半導体ユニットを構成している電力用半導体における電流負荷によってひき起こされる温度サイクルである。この温度サイクルに基づいて、例えば異なる熱膨張による機械的負担が発生し、それによって使用されている電力用半導体の寿命が低下する。この理由から電力用半導体の製造者によって負荷変動耐力が指定され、すなわち温度行程に依存して所定の負荷変動回数を克服する電力用半導体の特性が指定される。配電および送電の分野において使用される電力用半導体の負荷変動ストレスはこれまで僅かであったので、電力用半導体の寿命は負荷変動ストレスに鑑み、それぞれの装置の指定された連続運転時間を上回っていた。
【0008】
しかしながら、米国特許第6714427号明細書に記載されている方法による送電は、配電および送電の分野におけるこれまで指定された装置寿命データを保証することができるようにするために付加的な措置が必要であるやり方で電力用半導体ユニットの負荷変動ストレスを高める。
【0009】
従来技術から公知の方法は、電力用半導体ユニットの電力用半導体を相応に過剰設計すること、すなわち大き目に設計することによって、温度行程、すなわち温度変動を小さく保つことを首尾よく切り抜けている。しかしながら、過剰設計によってそれぞれにおける装置のコストも上昇する。
【0010】
したがって、本発明の課題は、電力用半導体ユニットの温度行程を低コストにて減少させ得る冒頭に述べた如き装置および方法を提供することにある。
【0011】
本発明は、この課題を冒頭に述べた如き装置から出発して、次によって解決する。すなわち、冷却手段が、電力用半導体ユニットを介する電流の流れに依存した冷却をもたらす制御手段を持つことである。
【0012】
本発明は、この課題を冒頭に述べた如き方法から出発して、次によって解決する。すなわち、電力用半導体ユニットの冷却が電力用半導体ユニットを介して流れる電流に依存して行なわれることである。
【0013】
本発明によれば、電力用半導体ユニットを介して流れる電流に依存した電力用半導体ユニットの冷却を可能にする冷却手段および制御手段が提供される。例えば冷却手段の冷却出力が高い電流の際に高められるのに対して、より少ない電流負担の際における冷却は引き下げられる。このやり方で周期的な温度変動の振幅が低減され、それによって電力用半導体ユニットの寿命が著しく伸張される。
【0014】
電力用半導体ユニットとして、本発明の枠内において、例えば個別の電力用半導体、例えば平形電力用半導体が考慮に値する。これとは違って電力用半導体ユニットは本発明の枠内において多数の電力用半導体を有するモジュールであり、好ましくは各モジュールの電力用半導体ユニットは互いに接続されている。モジュールは直列接続回路に配置されている。各モジュールが個別のエネルギー蓄積器を有するとよい。
【0015】
電力用半導体ユニットの直列接続回路によって電力変換器弁が実現されているとよい。更に、装置は、例えばブリッジ回路に配置された多数の電力変換器弁から構成されている電力変換器を含む。本発明の他の形態では装置が、互いに直列接続された2つの6パルス回路(3相ブリッジ回路)からなるいわゆる12パルス電力変換器である。しかしながら、本発明の枠内において基本的にはあらゆる電力変換器トポロジーが考えられ得る。
【0016】
電力用半導体として、本発明の枠内において、基本的には従来技術のあらゆる電力用半導体、特にダイオード、サイリスタ、IGBTまたはGTOが考慮に値する。例えば、電力用半導体ユニットの電力用半導体は、特に全てターンオフ制御可能な電力用半導体である。
【0017】
冷却手段は、本発明の枠内において、例えば冷却ポンプおよび熱交換器を有する冷却回路を含み、冷却回路において液体冷媒が循環させられる。
【0018】
冷却手段が、熱交換器と冷媒ポンプとを備えた冷却回路を有し、冷媒ポンプのポンプ出力が制御手段によって調整可能であるとよい。この場合に、制御手段が、直列接続回路を介して流れる電流の検出のために装備されている電流測定装置を含むとよい。各電流測定装置は測定線を介して計算ユニットに接続されている。計算ユニットは、例えばソフトウェアにより予め与えられた内部ロジックに基づいて、電流測定装置から伝送される電流値から、冷媒流量ならびにこのために必要な冷媒ポンプのための電圧および電流供給が定められる。もちろん、これとは違って計算ユニットは、アナログの電流値の処理のために装備されているアナログ調節器を含んでいてもよい。冷媒ポンプは、例えば回転数制御される。制御手段は、算定された電流値および電圧値に対応する冷媒ポンプ駆動をもたらす。このようにして冷媒ポンプは電力用半導体ユニットを介して流れる電流に依存した電力用半導体ユニットの冷却をもたらす。温度変動または電力用半導体ユニットの温度行程がこのやり方で振幅を減らされる。
【0019】
冷却手段が、熱交換器と冷媒ポンプとを備えた冷却回路を有し、熱交換器の冷却出力が制御手段によって調整可能であるとよい。この形態の場合にも、制御手段は電流測定装置および計算ユニットまたは調節ユニットを有する。電流測定装置は、電力用半導体ユニットを介して流れる測定された電流から求められた電流測定値を計算ユニットに伝送する。計算ユニットは、アナログ的に、または例えば内部ロジックの助けにより、電力用半導体ユニットを介する電流の流れに依存した熱交換器の電流・電圧供給を求める。最後に、制御手段が、算定された電流・電圧値に対応する熱交換器の電流・電圧供給を引き起こさせる。このような調節によって、例えば電力用半導体ユニットを介する高い電流の流れの際には循環する冷媒の温度の引き下げにより高められた冷却出力が供給される。
【0020】
本発明の他の変形によれば、冷却手段が、熱交換器と冷媒ポンプと制御可能な絞り弁とを備えた冷却回路を有し、絞り弁の流動抵抗が制御手段によって調整可能である。本発明のこの形態によっても、まず電力用半導体ユニットを介して流れる電流を公知のやり方で求め、引き続いて測定された電流値を計算ユニットに自由に使用させることができる。引き続いて制御手段は、流速が電流の流れに応じて変化するように、測定電流に依存した絞り弁の調整を生じさせる。
【0021】
本発明の有利な形態によれば、冷却手段が、熱交換器と冷媒ポンプと制御手段によって調整可能な少なくとも1つの多方弁とを備えた冷却回路を有する。多方弁は低コストの、そして同時に高速の冷却調節を可能にする。
【0022】
これに関する適切な発展形態によれば、多方弁が、付設の電力変換器弁または付設の電力変換器弁グループと、電力変換器弁または電力変換器弁グループの橋絡のためのバイパス路とに接続されている。多方弁の調節によって、制御手段には次のことが可能である。すなわち、高い冷却出力を有する冷媒の全流を結果として電力変換器またはそれぞれの電力変換器グループを介して導くことが可能である。これは、例えば電力用半導体ユニットの直列接続回路を含む電力変換器弁が高い電流にさらされ、その電流が電力用半導体ユニットを介して導かれている場合である。電力変換器弁の軽負荷時には電力変換器弁はバイパス路によって部分的に橋絡されるので、電力変換器弁の電力用半導体ユニットの冷却が引き下げられる。
【0023】
熱交換器がバイパス路に配置されているとよい。
【0024】
他の適切な発展形態によれば、多方弁が、第1の電力変換器弁または第1の電力変換器弁グループならびに第2の電力変換器弁または第2の電力変換器弁グループに接続されている。このやり方で、多方弁への制御手段の介入によって、多方弁に接続されている電力変換器弁または電力変換器弁グループを通した冷媒通流比が電流負担に応じて調整される。
【0025】
これに関する好ましい発展形態によれば、各多方弁が、入口側を熱交換器と、少なくとも1つの電力変換器弁または少なくとも1つの電力変換器弁グループの出口とに接続されていて、かつ出口側を他の付設の電力変換器弁または他の付設の電力変換器弁グループの入口に接続されている。この場合に、電力変換器弁の出口における循環冷媒の温度が電力変換器弁の入口側における温度に比べて高まっているという事実が利用される。他の電力変換器弁の冷却のための高まった温度を有するこのような冷媒が使用される場合には、この電力変換器弁のための冷却出力はもちろん減少させられる。このやり方で本発明の特に低コストの形態が提供される。この発展形態の枠内において、各電力変換器弁に対して、このようなやり方で冷却回路に組み込まれた多方弁を設けることができる。ここで指摘しておくに、冷却回路内における冷却ポンプの配置は任意である。例えば、本発明のこの形態においても、冷媒ポンプを熱交換器と多方弁との間に流れ方向に配置することができ、それにもかかわらず選択された文言の意味において多方弁が入力側を熱交換器に接続されているものとする。「入力側を熱交換器に接続されている」なる文言により、本発明の枠内において、循環冷媒が多方弁の出口からそれぞれの多方弁の入口への経路において熱交換器によって冷却可能であることが意味される。
【0026】
方法の適切な発展形態によれば、制御手段により、電力用半導体ユニットを介して流れる電流に依存して冷却回路を通る冷媒の流速が調整される。この発展形態の構成可能性および利点に関して、先の実施形態を参照されたい。
【0027】
これに関する変形は、冷媒の供給温度が電力用半導体ユニットを介して流れる電流に依存させられる。
【0028】
本発明の他の適切な構成形態および利点は、図面の図を参照する以下の本発明実施例の説明の対象である。同じ符号は同じ働きをする構成部分を示している。図1は本発明による装置の第1の実施例を概略図で示し、図2は本発明による装置の他の実施例を概略図で示し、図3は本発明による装置の更に別の実施例を概略図で示す。
【0029】
図1は本発明による装置の第1の実施例を概略図で示す。装置は、時間的に周期的に変動する負荷をかけられる2つの電力変換器2aおよび2bを有する。電力変換器弁の構成のために直列接続回路にて互いに接続されている電力用半導体ユニットの冷却のために冷却回路3が設けられている。電力用半導体ユニットは図示の実施例では平形電力用半導体である。電力変換器2aおよび2bの電力変換器弁は図示の実施例ではブリッジ回路に配置されている。冷却回路3は冷媒を循環させる適切な配管を有する。循環のために冷媒ポンプ4が用いられ、冷媒ポンプは図示の実施例では回転数依存性である。しかしながら、これは本発明の枠内において絶対に必要というわけではない。
【0030】
書き込まれた矢印によって示された流れ方向において冷媒ポンプ4に熱交換器5が後続接続されていて、熱交換器5には流れ方向において分岐点6がつながっている。分岐点6によって冷媒の流れが電力変換器弁2aおよび2bに分配される。電力変換器弁2aおよび2bには再び流れ方向において多方弁7が後続接続されていて、多方弁7は入口側を電力変換器弁2aおよび2bの出口に接続され、出口側を直接的に冷却ポンプに接続されている。
【0031】
図1に示されていない制御手段によって多方弁7の入口側の位置が、流動抵抗およびそれにともなって電力変換器弁2aおよび2bを介する流速が所望の範囲に調整可能であるよう調節可能である。この場合に制御手段は、電力変換器弁2aおよび2bの電力用半導体ユニットの直列接続回路を介して流れる電流に依存して流速が調整されるように、多方弁7を調節する。特に、電力用半導体ユニットの電流負担が高まっているときに、冷媒の流速が高められる。
【0032】
この場合に調節手段とも呼ばれ得る制御手段は、電力用半導体ユニットを介して流れる電流に相当する4つのディジタル電流測定値を発生させるための適切な測定装置を含む。しかしながら、調節は本発明の枠内において類似の電流測定値に基づいて行なわれてもよい。このような測定装置は、例えば電力用半導体ユニットを介して流れる電流に比例する出力信号を発生するための変流器を含む。変流器の出力信号はサンプル値を得るためにサンプリングユニットによってサンプリングされる。これ続いて、サンプル値がアナログ/ディジタル変換器によってディジタル電流測定値に変換される。電流測定値は計算ユニットに伝送され、計算ユニットは電流測定値および例えば内部ロジックに基づいてステップモータの位置を算定する。各位置には冷却回路分岐3aもしくは冷却回路分岐3bの流動抵抗が固定的に割り当てられている。このやり方で流動抵抗および電力変換器2aもしくは2bの冷却が多方弁によって調整可能である。
【0033】
制御手段は模範的に説明したにすぎないことを指摘しておく。制御手段による多方弁を介する流動抵抗の調節は当業者にとってすぐに分かる任意に異なったやり方で行なうこともできる。例えば、ポンプ出力にも流動抵抗にも、その都度の必要条件を設定するために、つまり電力用半導体ユニットを介して流れる電流に依存した必要条件を設定するために、制御手段が冷媒ポンプにも多方弁にも介入することができる。
【0034】
もちろん、符号2aもしくは2bは、それぞれ、電力用半導体ユニットの個別の直列接続回路、すなわち個別の電力変換器弁を示していてもよく、電力変換器の構成のために公知のやり方で配線されている電力変換器弁グループを示していなくてもよい。
【0035】
図2は本発明の他の実施例を概略図で示す。この実施例は、電力変換器弁2または電力変換器弁のグループとしての電力変換器2がバイパス路8によって橋絡可能であることによって、図1に示された実施例と異なる。例えば、電力変換器弁2に接続されている多方弁7の入口の閉鎖によって、電力変換器弁2の冷却を完全に遮断することができる。その代わりに、冷媒はバイパス路8を介して図示の矢印方向に案内され、その際にバイパス路8に接続されている多方弁7の入口はもちろん開かれている。
【0036】
図3は本発明の他の実施例を概略図で示す。図示の実施例では2つの多方弁7aおよび7bが、流れ方向において、それぞれに付設された電力変換器弁または電力変換器2aもしくは2bの手前に配置されている。電力変換器弁または電力変換器2aもしくは2bは、冷却回路分岐3aもしくは3bを介して、付設の多方弁7aもしくは7bの出口側に接続されている。多方弁7a,7bの入口側は冷却回路分岐3aもしくは3bを介して分岐点6に接続されている。更に、多方弁7aは接続分岐9を介して分岐点10に接続されていて、したがって電力変換器弁2bの出口に接続されている。これに対して、多方弁7bは接続分岐11を介して分岐点12に接続されていて、したがって入口側を電力変換器または電力変換器弁2aの出口に接続されている。接続分岐9もしくは11を介して多方弁7aもしくは7bに供給される冷媒は、既に一度電力変換器2aもしくは2bの冷却のために使用されていて、この理由から加熱されている。したがって、それぞれの多方弁7aもしくは7bの出口側において、入力側で定められる混合範囲内で冷媒温度が選択可能である。例えば、多方弁7aが配管9に接続されている入口を開き、これに対して冷却回路分岐3aに接続されている入口が閉じられたままである場合には、多方弁7aの出口のおいて高い温度が調整可能であり、これは逆の場合においても同様に可能である。
【0037】
最後に指摘しておくに、冷媒の流れを、例えば図1に示された実施例において、多方弁7によって交互に投入および遮断することができる。換言するならば、定められた時間にわたって冷却回路分岐3aに接続されている多方弁7の入口が完全に開かれているのに対して、冷媒回路分岐3bに接続されている入口が完全に閉じられている。定められた時間経過後に逆の状態が始まる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による装置の第1の実施例を示す概略図
【図2】本発明による装置の第2の実施例を示す概略図
【図3】本発明による装置の第3の実施例を示す概略図
【符号の説明】
【0039】
1 本発明による装置
2 電力変換器(電力変換器弁)
2a,2b 電力変換器(電力変換器弁)
3 冷却回路
3a,3b 冷却回路分岐
4 冷媒ポンプ
5 熱交換器
6 分岐点
7 多方弁
7a,7b 多方弁
8 バイパス路
9 接続分岐
10 分岐点
11 接続分岐
12 分岐点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力用半導体ユニットからなる直列接続回路を持った少なくとも1つの電力変換器弁(2a,2b)と、電力用半導体ユニットの冷却のための冷却手段(3,4,5,7)とを有する高電圧配電および高電圧送電の分野における電流変換のための装置(1)において、
冷却手段(3,4,5,7)が電力用半導体ユニットを介する電流の流れに依存した冷却をもたらす制御手段を持つことを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
冷却手段(3,4,5,7)が、熱交換器(5)と冷媒ポンプ(4)とを備えた冷却回路(3)を有し、冷媒ポンプ(4)のポンプ出力が制御手段によって調整可能であることを特徴とする請求項1記載の装置(1)。
【請求項3】
冷却手段(3,4,5,7)が、熱交換器(5)と冷媒ポンプ(4)とを備えた冷却回路(3)を有し、熱交換器(5)の冷却出力が制御手段によって調整可能であることを特徴とする請求項1記載の装置(1)。
【請求項4】
冷却手段(3,4,5,7)が、熱交換器(5)と冷媒ポンプ(4)と制御可能な絞り弁とを備えた冷却回路(3)を有し、絞り弁の流動抵抗が制御手段によって調整可能であることを特徴とする請求項1記載の装置(1)。
【請求項5】
冷却手段(3,4,5,7)が、熱交換器(5)と冷媒ポンプ(4)と制御手段によって調整可能な少なくとも1つの多方弁(7)とを備えた冷却回路(3)を有することを特徴とする請求項1記載の装置(1)。
【請求項6】
多方弁(7)が、付設の電力変換器弁(2)または付設の電力変換器弁グループ(2)と、電力変換器弁(2)または電力変換器弁グループ(2)の橋絡のためのバイパス路(8)とに接続されていることを特徴とする請求項5記載の装置(1)。
【請求項7】
多方弁(7a,7b)が、第1の電力変換器弁(2a)または第1の電力変換器弁グループ(2a)に接続されていて、かつ同様に入口側を少なくとも1つの第2の電力変換器弁(2b)または少なくとも1つの第2の電力変換器弁グループ(2b)に接続されていることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項8】
各多方弁(7a,7b)が、入口側を熱交換器(5)と、少なくとも1つの電力変換器弁(2a,2b)または少なくとも1つの電力変換器弁グループ(2a,2b)の出口とに接続されていて、かつ出口側を他の付設の電力変換器弁(2a,2b)または他の付設の電力変換器弁グループ(2a,2b)の入口に接続されていることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
電流変換のために装備された電力用半導体ユニットが冷却手段(3,4,5,6)によって冷却される高電圧送電および高電圧配電の分野における電力用半導体ユニットの負荷変動ストレスを低減するための方法において、
電力用半導体ユニットの冷却が電力用半導体ユニットを介して流れる電流に依存して行なわれることを特徴とする方法。
【請求項10】
冷媒流速が冷却回路(3)によって制御手段により電力用半導体ユニットを介して流れる電流に依存して調整されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
冷媒の供給温度が電力用半導体ユニットを介して流れる電流に依存して行なわれることを特徴とする請求項9記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−516492(P2009−516492A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540610(P2008−540610)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068473
【国際公開番号】WO2007/057408
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】