説明

1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物

【課題】帯鋼の1槽式洗浄工程において、低温においても高い洗浄性耐久性、抑泡性を発現し、廃液時の洗浄液固化を抑制しうる洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】アルカリ剤(a)、非イオン界面活性剤(b)、キレート剤(c)、分岐鎖アルコール(d)及び水を含有する1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物であって、(a)/(b)/(c)/(d)重量比が25〜45/0.1〜10/0.1〜12/0.1〜10である1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鉄所等において鋼帯を連続洗浄する場合、特に洗浄槽が1槽の場合に用いる鋼板用アルカリ洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼製造ラインにおける洗浄工程は、一般的に洗浄槽を2つ用いる2槽式洗浄法(例えば、1槽目(粗洗浄)→2槽目(仕上げ洗浄)→ブラシ洗浄→リンス→乾燥)が標準的であるが、ラインのスペースやエネルギーコストの制約から、洗浄槽を1つで行う1槽式洗浄法(例えば、1槽目(粗洗浄兼仕上げ洗浄)→ブラシ洗浄→リンス→乾燥)が採用される場合がある。
【0003】
1槽式洗浄法では、2槽式洗浄法に比べて1槽で2槽並みの洗浄性を確保する必要があり、ここで用いられる洗浄剤には高い洗浄力が要求される。また、汚れが1槽に集中するため多くの鋼帯付着油由来の汚れ(圧延油)が蓄積しやすい。
【0004】
そのため、1槽式洗浄法に使用する洗浄剤は、2槽式洗浄法に比べて、汚れの混入によおる洗浄力の低下の抑制性(耐久性)が重要である。耐久性が弱い場合、洗浄性を維持するために頻繁に洗浄液を更新(入れ替え)することが必要となり、生産性の低下、洗浄剤の使用量増大が問題となる。
【0005】
また、汚れ(圧延油)が多く混入した場合、圧延油組成物の油脂、合成エステル、高級脂肪酸等がアルカリ洗浄液中で鹸化され、汚れ由来の脂肪酸石鹸が洗浄液中に多く存在し、洗浄ラインでの起泡量が増大する。
【0006】
更に、汚れの混入が多い場合、洗浄性、起泡量が増大のみならず、洗浄液を更新する為に洗浄液を廃棄する際、廃水処理設備までの配管中において、洗浄液が冷え、固化するという操業上無視できない課題も生じる。
【0007】
以上の課題は、近年要請の強い低温(常温〜60℃)洗浄において、更に顕著となる。
【0008】
特許文献1には、洗浄性と抑泡性に優れ、高濃度でも状態が安定した、懸濁状の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物が開示されており、圧延油が付着した鋼板の洗浄に使用できることが記載されている。
【特許文献1】特開平7−41974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1には、特に、鋼板(帯鋼)の洗浄に関して、汚れが高濃度で混入するような1槽式洗浄法において、低温(常温〜60℃)でも洗浄性耐久性、抑泡性に優れ、かつ廃液時の洗浄液固化を抑制できる洗浄剤組成物を得るための組成については言及されていない。実際、特許文献1に係る洗浄剤組成物を、そのまま1槽式洗浄法に適用しても、十分な効果を得ることができない。
【0010】
本発明の課題は、鋼板(帯鋼)の1槽式洗浄法において、低温(常温〜60℃)においても高い洗浄性耐久性、抑泡性を発現し、廃液時の洗浄液固化を抑制しうる洗浄剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、アルカリ剤(a)〔以下、成分(a)という〕、非イオン界面活性剤(b)〔以下、成分(b)という〕、キレート剤(c)〔以下、成分(c)という〕、分岐鎖アルコール(d)〔以下、成分(d)という〕及び水を含有する1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物であって、(a)、(b)、(c)及び(d)の重量比が(a)/(b)/(c)/(d)=25〜45/0.1〜10/0.1〜12/0.1〜10である1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物に関する。
【0012】
また、本発明は、上記本発明の1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物を用いて、1つの洗浄槽で鋼帯を洗浄する、鋼帯の1槽式洗浄方法に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、鋼板(帯鋼)の1槽式洗浄法において、低温(常温〜60℃)においても高い洗浄性耐久性、抑泡性を発現し、廃液時の洗浄液固化を抑制しうる洗浄剤組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[成分(a)]
本発明の洗浄剤組成物に用いられるアルカリ剤は、水溶性のアルカリ剤であれば何れのものも使用できる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、一号珪酸ナトリウム、二号珪酸ナトリウム、三号珪酸ナトリウム等の珪酸塩、トリポリリン酸ナトリウム、オルソリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のリン酸塩等が挙げられる。これらのうち、好ましくは常温保管が容易という面からアルカリ金属の水酸化物である。
【0015】
[成分(b)]
本発明の洗浄剤組成物に用いられる界面活性剤は、鋼板表面の油成分、多量の汚れ又はその由来汚物を、剥離し再凝集を抑止する効果を強化する観点から、非イオン界面活性剤を使用する。
【0016】
成分(b)は、炭素数4〜24のアルコール、好ましくは炭素数4〜24の1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、及びアルキル(アルキル基の炭素数5〜12)フェノールのアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一種以上の非イオン界面活性剤であり、炭素数4〜24のアルコールのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。
【0017】
成分(b)としては、デイビス(Davies)法によるHLBが4.3〜8.2、更に5.0〜7.9のものが好ましい。
【0018】
なお、成分(b)のHLBは、デイビス(Davies)法によるHLBで、下記式により表される値であり、下記式中の親水基の基数、親油基の基数は、「新版 界面活性剤ハンドブック」、工学図書株式会社、平成8年5月1日、235頁の表5−1−3に記載されている値を採用する。
HLB=Σ〔成分(b)の親水基の基数〕+Σ〔成分(b)の親油基の基数〕+7
【0019】
成分(b)のうち、炭素数4〜24のアルコールのアルキレンオキサイド付加物としては、下記一般式(I)〜(V)で表される化合物から選ばれる非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0020】
1O-<EOn/POm>-H (I)
2O-(EO)x1-(PO)y1-(EO)x2-H (II)
3O-[EOx3/POy2]-(EO)x4-H (III)
4O-(EO)x5-[EOx6/POy3]-(PO)y4-[EOx7/POy5]-(EO)x8-H (IV)
5O-(EO)z-H (V)
〔式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。R1は炭素数4〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、nはオキシエチレン基の平均付加モル数、mはオキシプロピレン基の平均付加モル数を表し、nは0〜20、mは0超20以下の数である。R2、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、x1, x2, x3, x4, x5, x6, x7及びx8はエチレンオキサイドの平均付加モル数を示す数で、x1, x2, x3, x4, x5及びx8はそれぞれ1以上の数、x1+x2≧4、x3+x4≧4、x5+x6+x7+x8≧4、x6+x7≧1である。y1, y2, y3, y4及びy5はプロピレンオキサイドの平均付加モル数を示す数で、0<y1<x1+x2、0<y2<x3+x4、y3+y5≧0.1、y3≧0、y4≧0、y5≧0、y3+y4+y5<x5+x6+x7+x8である。また、< >で囲まれた部分はランダム付加でもブロック付加でもよいことを、[ ]で囲まれた部分はランダム付加、( )で囲まれた部分はブロック付加であることを示す。R5は炭素数5〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、zはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す1〜20の数である。〕
【0021】
一般式(I)において、R1は炭素数4〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、直鎖の場合より好ましくはR1は炭素数6〜10、分岐鎖の場合より好ましくはR1は炭素数8〜14である。nはオキシエチレン基の平均付加モル数、mはオキシプロピレン基の平均付加モル数を表し、0≦n≦20、0<m≦20である。かかる非イオン界面活性剤は、デイビス(Davies)法によるHLBが4.3〜8.2、更に5.0〜7.9のものが好ましい。HLBがこの範囲にあると浸透性と乳化性のバランスがよく、良好な脱脂性が得られる。
【0022】
なお、一般式(I)で表される非イオン界面活性剤において、オキシエチレン、オキシプロピレンの付加形態はブロックでもランダムでもよく、ブロックの場合はオキシエチレンとオキシプロピレンの位置が逆でも良い。しかしオキシプロピレン−オキシエチレンの順番でR1Oにブロック付加したものがより好ましい。
【0023】
一般式(I)で表される化合物において、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の好ましい平均付加モル数は、0≦n<8、且つ0<m<5であり、3<n<8であることがより好ましい。
【0024】
一般式(II)〜(IV)において、R2、R3及びR4は、洗浄性の観点から、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、更に好ましくは炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数10〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。
【0025】
一般式(II)で表される化合物において、エチレンオキサイドの平均付加モル数を示すx1及びx2はそれぞれ1以上の数であり、水との相溶性の観点から、x1とx2の和は4以上の数である。またx1とx2の和が20を越えても洗浄性能は変わらないが、排水処理や発泡抑制等の観点から、x1とx2の和は、好ましくは20以下の数であり、さらに好ましくは6〜15の数である。また、一般式(II)で表される化合物のプロピレンオキサイドの平均付加モル数y1は、洗浄性や生分解性等の観点から、0より大きく、エチレンオキサイドの平均付加モル数であるx1とx2の和より小さい数であり、好ましくは 0.5〜6、より好ましくは1〜5の数である。
【0026】
一般式(III)で表される化合物において、エチレンオキサイドの平均付加モル数を示すx3及びx4はそれぞれ1以上の数であり、水との相溶性の観点から、x3とx4の和は4以上の数である。またx3とx4の和が20を越えても洗浄性能は変わらないが、排水処理や発泡抑制等の観点から、x3とx4の和は、好ましくは20以下の数であり、さらに好ましくは6〜15の数である。また、一般式(III)で表される化合物のプロピレンオキサイドの平均付加モル数y2は、洗浄性や生分解性等の観点から、0より大きく、エチレンオキサイドの平均付加モル数であるx3とx4の和より小さい数であり、好ましくは0.5〜6、より好ましくは1〜5の数である。
【0027】
一般式(IV)で表される化合物において、エチレンオキサイドの平均付加モル数を示すx5及びx8はそれぞれ1以上の数であり、x6とx7の和は1以上の数で、水との相溶性の観点から、x5とx6とx7とx8の和は4以上の数である。またx5とx6とx7とx8の和が20を越えても洗浄性能は変わらないが、排水処理や発泡抑制等の観点から、x5とx6とx7とx8の和は、好ましくは20以下の数であり、さらに好ましくは6〜15の数である。また、一般式(IV)で表される化合物のプロピレンオキサイドの平均付加モル数y3, y4, y5はそれぞれ0以上であり、y3+y5≧0.1、好ましくはy3+y5≧1である。y3とy4とy5の和は、洗浄性や生分解性等の観点から、エチレンオキサイドの平均付加モル数であるx5とx6とx7とx8の和より小さい数であり、好ましくは 0.5〜6、より好ましくは1〜5の数である。
【0028】
一般式(V)において、R5は、好ましくは炭素数が6〜12、更に6〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R5が炭素数6〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基の場合にはオキシエチレン基の平均付加モル数zは1〜10、R5が炭素数9〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基の場合にはオキシエチレン基の平均付加モル数zは4〜10である。さらにより好ましくは、R5が炭素数6〜7の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基の場合にはzは2〜8、R5が炭素数が8〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基の場合にはzは4〜8である。
【0029】
また、成分(b)のうち、アルキル(アルキル基の炭素数5〜12)フェノールのアルキレンオキサイド付加物も上記範囲のHLBとなるようにアルキレンオキサイドを付加したものが好ましい。
【0030】
[成分(c)]
本発明の洗浄剤組成物に用いられるキレート剤は、例えば、グリシン、ニトリロ三酢酸、アスパラギン酸、ジヒドロキシエチレングリシン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン二酢酸、イミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、メタフェニレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ノルロイシンアミノ酢酸等のアルカリ金属塩もしくは低級アミン塩などのアミノカルボン酸類、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、粘液酸等のアルカリ金属塩もしくは低級アミン塩などのオキシカルボン酸型キレートビルダー等が挙げられる。これらのうち、好ましくはエチレンジアミン四酢酸、DL−アスパラギン酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、グリコール酸である。これらは、単一または2以上の組み合わせで用いられる。
【0031】
キレート剤は汚れ中の金属原子と結合してこれを除去することにより洗浄効果を高めると共に、本発明の洗浄剤組成物の分散安定性を、向上させる役割を担うと考えられる。
【0032】
[成分(d)]
本発明の洗浄剤組成物では、アルカリ剤により汚れ中の油脂が分解して発生する石鹸が発泡に基づく、洗浄剤の消失、排水処理負荷の増加等を抑止することと、汚れ混入時の固化を抑制するために、分岐鎖アルコールを含有する点に一つの特徴がある。
【0033】
本発明の洗浄剤組成物に使用し得る分岐鎖アルコールとしては、例えば、2−エチルヘキシルアルコール、3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、イソテトラデシルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール等のブチレンもしくはプロピレンの重合体をオキソ法によりヒドロキシル化した飽和の分岐鎖アルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール等の不飽和の分岐鎖アルコールが挙げられ、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、イソテトラデシルアルコール、イソステアリルアルコールがより好ましく、イソテトラデシルアルコールが特に好ましい。
【0034】
[安定化剤]
本発明の洗浄剤組成物において、成分(b)及び成分(c)が組成物中で水不溶性を呈する場合は、これらを組成物中に均一かつ安定に分散させる物質(以下、安定化剤ともいう)を用いて均一分散系を形成することが好ましい。安定化剤としては、一分子中に2〜50個の極性基を有する芳香族化合物、及び、水溶性高分子カルボン酸又はその塩類から選ばれる1又はそれ以上を用いることが好ましい。
【0035】
一分子中に2〜50個の極性基を有する芳香族化合物は、その他の置換基を有していてもよいベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体またはアントラセン誘導体等である。極性基の数が2個以上あると、洗浄液のゲル化が抑制され、より安定なものとなるため好ましい。また、極性基の数が50個以上では、安定な洗浄剤は得られるものの、抑泡効果が低下する傾向がある。洗浄効果および抑泡効果を総合すると、極性基数は2〜4個が特に好ましい。
【0036】
極性基としては、アルカリ水溶液中で分解しない、あるいは分解されにくいものであって、比較的強い親水性を示すものであれば特に限定されてないが、例えばCOOM、SO3M、OSO3M、NH2、NO2、N(R)H、N(R')(R'')及びOHからなる群より1種以上を選ぶことができる。ここで、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニア、またはアルカノールアミンを表し、R、R'およびR''は同一または異なる基であり、いずれも炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖の、飽和もしくは不飽和のカルボン酸基を表す。本発明においては、なかでもCOOM、SO3Mを含む芳香族化合物が好適に使用される。
【0037】
安定化剤としては、上記の極性基を有する芳香族化合物を2種以上併用することもできる。また、同種の極性基を有する脂肪族系化合物を併用してもよい。
【0038】
一分子中に2〜50個の極性基を有する芳香族化合物の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、スルファニル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アミノ安息香酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、2−ナフトール−6−スルホン酸、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物等もしくはその塩等が挙げられる。好ましくは、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アミノ安息香酸である。
【0039】
水溶性高分子カルボン酸又はその塩類は、下記(VI)に示す水溶性高分子カルボン酸類の少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0040】
【化1】

【0041】
(式中、R11〜R16は、それぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシル基、COOX又はOH(X:水素原子、アルカリ金属、炭素数1〜4のアルキルアミン又は炭素数1〜6のアルカノールアミン)であり、Yは、水素原子、アルカリ金属、炭素数1〜4のアルキルアミン又は炭素数1〜6のアルカノールアミンであり、p、qは共重合モル比であり、0/10〜10/1となる数であり、重量平均分子量が1000〜100000となるように選択される。)
【0042】
水溶性高分子カルボン酸又はその塩類を含有する組成物は、高濃度において懸濁状で流動性があり、しかも分離を生ずることなく安定である。また高濃度の鋼帯用アルカリ洗浄剤組成物を希釈して鋼板の洗浄に用いた場合、工業用水等の硬度の高い水を用いた場合でも十分に軟水化する事が可能である。即ち本発明で用いられる水溶性高分子カルボン酸又はその類は、保管時には安定性に寄与し、洗浄時にはキレート剤として軟水化にも寄与する。
【0043】
(VI)のR11〜R16は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシル基、COOM、OHのいずれかであるとよく、すべて同じでもそれぞれ異なっていても良い。(VI)の両末端は特に限定されないが、水素原子、OH、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシル基又はSO3M等が挙げられ、やはり同じでも異なっていても良い。Yは水素原子、アルカリ金属、炭素数1〜4のアルキルアミン、炭素数1〜6のアルカノールアミンのいずれかである。p及びqは、それぞれかっこ内のモノマーのモル数を示し、pは0 でも構わない。pが0の場合は、モル数をqで表すモノマーのホモポリマーとなる。pとqの共重合モル比p/qは0/10〜10/1が好ましく、重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは3,000〜50,000、更に好ましくは5,000〜20,000である。重合形態はブロックでもランダムでもよい。具体例としては、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸−マレイン酸共重合体、α−ヒドロキシアクリル酸ホモポリマー、C5オレフィン−マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸共重合体等、及びこれらのアルカリ金属塩もしくはアミン塩等が挙げられる。好ましくはアクリル酸ホモポリマー、アクリル酸−マレイン酸共重合体である。
【0044】
安定化剤は、アルカリ水溶液に難溶性のアルコール、ノニオン界面活性剤、キレート剤、を高濃度アルカリ水溶液中で均一に分散させ、安定な流動性を有するアルカリ洗浄剤の調製を可能とする。
【0045】
均一分散型は均一透明型の洗浄剤に比べ、高濃度アルカリ水溶液中での上記難溶性薬剤の配合量を飛躍的に増大させることができるため、高濃度型の洗浄剤を調製することが容易となり、好ましい。
【0046】
さらに、本発明に用いられる上記の安定化剤は、優れた安定化作用を有するが、本発明の洗浄剤組成物の洗浄性能に対しても抑泡性能に対しても悪影響を与えないという特性も有する。
【0047】
[洗浄剤組成物]
本発明の洗浄剤組成物では、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(d)の重量比が(a)/(b)/(c)/(d)=25〜45/0.1〜10/0.1〜12/0.1〜10、好ましくは25〜40/0.5〜8/0.1〜10/0.3〜5、より好ましくは27〜37/2〜7/0.1〜10/0.3〜5である。このような範囲の重量比は、洗浄性とその持続性、抑泡性に優れ、廃液時の洗浄液固化を抑制できるという観点から好ましい。
【0048】
成分(a)の濃度は高い方が洗浄力の点で有利である。高濃度の成分(a)を含有する系において成分(b)、成分(c)、成分(d)等の均一性を保持し、安定な分散型洗浄剤組成物を得るためには、前記の安定化剤を用いることが好ましい。安定化剤を用いると、配合可能な各種成分の種類および量を増大させると共に、25〜45重量%の成分(a)濃度においても安定かつ流動性のある分散型のアルカリ洗浄剤組成物が得られる。即ち、本発明では、成分(a)の含有量は、上記重量比を満たした上で、洗浄剤組成物中、25〜45重量%、更に25〜40重量%、特に27〜37重量%が好ましい。25重量%以上では分散状態を形成、維持しやすく、45重量以下では洗浄剤自身がゲル化する傾向を抑制できるため好ましい。
【0049】
成分(b)の含有量は、上記重量比を満たした上で、洗浄剤組成物中、0.1〜10重量%、更に0.5〜8重量%、特に2〜7重量%が好ましい。上記の通り、成分(a)を高濃度に含有する系では、安定化剤の使用により、成分(b)を安定に分散することができる。
【0050】
成分(c)の含有量は、上記重量比を満たした上で、洗浄剤組成物中、0.1〜12重量%、更に0.5〜10重量%が好ましい。この範囲にすることで、キレート力による洗浄効果が発現するとともに、安定化剤と組み合わさることにより洗浄剤組成物の安定性を向上させる。
【0051】
成分(d)の含有量は、上記重量比を満たした上で、洗浄剤組成物中、0.1〜10重量%、更に1〜8重量%、特に3〜6重量%が好ましい。この範囲内では、抑泡性とその維持、洗浄性とその維持が良好となる。
【0052】
安定化剤の含有量は、洗浄剤組成物中、0.1〜20重量%、更に0.3〜5重量%が好ましい。この範囲内では、より安定な分散型洗浄剤組成物が得られ、組成物の粘度も適正となる。
【0053】
本発明の洗浄剤組成物は、常法、すなわちアルカリ剤以外の配合組成物を均一に撹拌混合しながら、最後にアルカリ剤を添加する方法でもよいが、次のような本発明の製造方法により、更に製品安定性の高いものを製造することができる。
【0054】
即ち、本発明の洗浄剤組成物の製造方法は、25重量%以上のアルカリ剤に対して、一分子中に2〜50個の極性基を有する芳香族化合物等の安定化剤を含む他の成分を、常にアルカリ剤過剰の状態で攪拌下に配合する点を1つの特徴とすることができる。具体的には、混合時のアルカリ剤濃度を調整しながら各種の攪拌・混合により行う方法が例示されるが、例えば次のような滴下法又は循環法により、本発明の分散型の状洗浄剤組成物を製造することができる。
【0055】
滴下法では、図1に示すような装置を用いて、所定濃度のアルカリ剤水溶液を攪拌しながら、安定化剤を含有する水溶液(溶解しない場合は金属塩等にして溶解する)をアルカリ剤中に少量ずつ滴下し、滴下終了後さらにキレート剤、非イオン界面活性剤、分岐鎖アルコール、および脂肪酸等のその他の成分を添加し、高剪断力により均一攪拌する。このとき、配合比率は常にアルカリ剤が過剰になるようにする。なお、キレート剤、界面活性剤等の水に溶解するものは、予め安定化剤の水溶液に添加しておいてもよい。上記の方法では滴下速度が遅い方が製品の安定性が優れる。
【0056】
循環法では、図2に示すような装置を用いて、ラインミキサー等の高剪断力を有するライン挿入型の攪拌機を経由する循環ラインにより、所定濃度のアルカリ剤(混合開始後は混合液)を循環させながら、安定化剤等の水溶液をアルカリ剤と一定比率で送液しながら混合する。また、必要に応じて他の成分を更に同様に混合する。なお、この場合にも配合比率は常にアルカリ剤が過剰になるようにする(最終組成も滴下法と同様)が、安定化剤等の成分のアルカリ剤に対する送液比が小さい方が製品の安定性が優れる。このときキレート剤、界面活性剤等の水に溶解するものは、予め安定化剤の水溶液に添加しておいてもよい。なお、スケールアップを考慮すると、工業的には循環法が有利となる。
【0057】
本発明の1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物は、以下のキットの態様も含む。すなわち、本発明の1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物を得るためのキットであって、
(a)、(b)、(c)及び(d)のうち、1つ〜3つを含む組成物(イ)、
(a)、(b)、(c)及び(d)のうち、組成物(イ)に含まれない残りの1つ〜3つを含む組成物(ロ)、
(a)、(b)、(c)及び(d)のうち、組成物(イ)及び(ロ)に含まれないものがある場合、その1つ〜2つを含む組成物(ハ)、並びに
(a)、(b)、(c)及び(d)のうち、組成物(イ)、(ロ)及び(ハ)に含まれないものがある場合、それを含む組成物(ニ)とを含んで構成され、使用時に(a)/(b)/(c)/(d)=25〜45/0.1〜10/0.1〜12/0.1〜10の重量比となるように混合されるキットである。
【0058】
[1槽式洗浄法]
本発明の洗浄剤組成物は、1槽式の洗浄法でも2槽式の洗浄法でも使用可能であるが、汚れの混入が多い1槽式洗浄法で用いた場合に特に有効であるが、1槽式の洗浄法とは、鋼板が洗浄液に浸る洗浄槽が1槽しかない洗浄法である。すなわち、1槽式洗浄法では1つの洗浄槽中で一連の洗浄処理が行われる。(一般的な2槽式洗浄法は、2槽で浸漬槽(粗洗浄)と電解槽(仕上げ洗浄)を備えており、その後、ブラシセクション、すすぎセクション、等を経て洗浄終了し乾燥セクションに進む。)
【0059】
1槽式の洗浄法としては、浸漬のみ又は、電解式があるが、1槽で高洗浄性を得る場合、2槽式と比較して短時間で洗浄しなくてはならないこと、汚れの混入量も多いことから、洗浄時の物理力が大きい(電気を通すことによって鋼帯表面から発生するの気泡作用)電解式が好適に使用できる。
【0060】
本発明の洗浄剤組成物は、通常使用時に水道水、イオン交換水、工業用水等の水系溶媒により希釈される。その時の成分(a)の濃度は、被洗浄物の種類や汚れの種類により異なるが、使用時において希釈された洗浄剤組成物中の成分(a)の濃度は、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜4重量%となる。この範囲より小さいと洗浄性の低下が問題となる傾向があり、この範囲より大きいと洗浄性能が飽和するため、薬剤コストの無駄および設備腐食の促進となる傾向がある。
【0061】
洗浄される鋼帯は、普通コイル状に巻かれており、まず粗洗浄(浸漬洗浄)その後仕上げ洗浄(電解洗浄)そしてブラシセクション、すすぎセクション、等を経て洗浄終了し乾燥セクションに進むのが一般的な仕様である。一般的に洗浄工程(粗洗浄から乾燥まで)の長さはおおよそ20mで、鋼帯が通る速度(洗浄速度)は、100〜800m/min(mpm)である。そのため洗浄工程通過時間は、100mpmの場合12秒、800mpmの場合は、1.5秒程度となり短時間で洗浄することが求められる。また、2槽式の場合その内の洗浄槽(浸漬槽+電解槽)部分は、洗浄工程(20m)の約2/3(13m程度)を占める。このことから、1槽式洗浄工程は6m程度省スペース化が可能な洗浄システムであることが言える。しかし、洗浄時間は、2槽式と比較して、アルカリ洗浄液中に浸っている洗浄時間は約半分程度となることから、1槽式洗浄工程で用いられる洗浄剤には2槽式以上に短時間においても洗浄可能であることが要求される。更に、前述記載のような汚れが多く混入した際の洗浄性、抑泡性、廃液時の低温固化の課題を解決しなくてはならない。本発明の洗浄剤組成物は、このような1槽式洗浄法において要求される解決課題を解決できる。
【0062】
また、一般的に、鋼帯の洗浄では、洗浄温度は、通常全てのセクション共80℃程度で洗浄されており、温度を一定に保つために蒸気で加熱している。洗浄温度を下げると、汚れ(圧延油)中に含まれる油脂及びエステル等の加水分解反応速度が遅くなること、また、付着している汚れの粘性が高くなることから、洗浄効果が低下する。その為、近年は、蒸気コストの削減が可能な、低温(60℃以下)でも洗浄できる洗浄剤が求められている。本発明の洗浄剤組成物は、60℃以下の低温で高い洗浄性能を発現するため、こうした要求にも応えるものである。
【実施例】
【0063】
表1に示す洗浄剤組成物を調製し、以下の試験を行った。また、洗浄剤組成物は、表1の倍率で水道水を用いて希釈した洗浄液として用いた。
【0064】
(1)洗浄性(脱脂性)
市販エステル系圧延油で圧延したダル鋼板(付着油分量500mg/m2)を25mm×50mmの大きさに切断し、洗浄槽中の洗浄液に浸漬すると同時に電流密度6A/dm2で鋼板電位を負から正にそれぞれ0.5秒ずつ一度切り替えて電解洗浄し、水でリンスした後、乾燥した。洗浄温度は50℃で行った。尚、洗浄液には、汚れ成分として劣化させた市販エステル系圧延油を2.0重量%加えたもので行った。ここで、市販エステル系圧延油の劣化条件は、鉄粉10重量%存在下、160℃で48時間、大気雰囲気で攪拌したものを用いた。
【0065】
洗浄試験後の鋼板の付着油分量を、鋼板付着油分量測定装置EMIA−111(株式会社堀場製作所製)を用いて測定し、脱脂性を評価した。脱脂性の判断基準は、残存付着油分量が40mg/m2以上は不良(×)、30mg/m2以上40mg/m2未満は良(○)、30mg/m2未満は優(◎)とした。
【0066】
(2)汚れ混入時の耐低温固化性
洗浄液に最大量混入する汚れとして、劣化させた市販エステル系圧延油(上記(1)で用いたもの)を洗浄剤組成物3.0重量%(対洗浄剤組成物)加え50℃で均一に攪拌しながら24時間かけ一部分を石鹸化させた。その液をJIS K2269(原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法)記載のJIS K2839(石油類試験用ガラス器具)の容器(試験管)に45ml入れ、JIS K2269記載のコルク栓、温度計を取り付け、マイナス5℃の恒温槽内に3日間直立状態で静置し、その後、流動性試験を行い耐低温固化性の判定をした。流動性の判定は、マイナス5℃の恒温槽内で、コルク栓、温度計が取り付け直立状態で静置してある試験管を、マイナス5℃の環境下で水平まで倒し3秒間観察することで行った。判定基準は、液が動く場合は○(良)。液が動かない場合は×(不良)とした。
【0067】
(3)耐発泡性
耐発泡性の試験は、図3の泡評価試験機を用いて評価した。洗浄液(50℃)には、混入する発泡成分として石鹸(牛脂脂肪酸ナトリウム)を1.0重量%加え、循環量は、10L/minとし、循環30分後の泡高さを測定した。判定基準は、泡高さが100mm以下は良(○)、100mm以上は不良(×)とした。
【0068】
【表1】

【0069】
(注)表中の成分は以下のものである。EOpはエチレンオキシド平均付加モル数、POpはプロピレンオキシド平均付加モル数である。
・a−1:水酸化ナトリウム
・a−2:水酸化カリウム
・b−1:ポリオキシエチレン(EOp10)ノニルフェニルエーテル
・b−2:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソデシルエーテル(BASF社製、LUTENSOL XL−80)
・b−3:ポリオキシエチレン(EOp10)ポリオキシプロピレン(POp2)ポリオキシエチレン(EOp7)ラウリルエーテル
・b−4:ポリオキシエチレン(EOp12)第二級アルキルエーテル((株)日本触媒製、ソフタノール90)
・d−1:イソデシルアルコール
・d−2:イソトリデシルアルコール
・d−3:イソステアリルアルコール
・d−4:イソテトラデシルアルコール
・d’−1:ポリオキシプロピレン(POp30)グリセリルエーテル
・d’−2:ラウリルアルコール
・安定化剤1:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量6000)
・安定化剤2:2,6−ナフタレンジスルホン酸
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の洗浄剤組成物の製造方法のうち、滴下法に用いられる装置の一例の構成模式図を示すものである。
【図2】本発明の洗浄剤組成物の製造方法のうち、循環法に用いられる装置の一例の構成模式図を示すものである。
【図3】実施例、比較例で耐発泡性の評価に用いた泡評価試験機の概略模式図を示すものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ剤(a)、非イオン界面活性剤(b)、キレート剤(c)、分岐鎖アルコール(d)及び水を含有する1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物であって、(a)、(b)、(c)及び(d)の重量比が(a)/(b)/(c)/(d)=25〜45/0.1〜10/0.1〜12/0.1〜10である1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物。
【請求項2】
非イオン界面活性剤(b)が、炭素数4〜24のアルコールのアルキレンオキサイド付加物、及びアルキル(アルキル基の炭素数5〜12)フェノールのアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一種以上である、請求項1記載の1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物。
【請求項3】
キレート剤(c)が、オキシカルボン酸系及び/又はアミノカルボン酸系である請求項1又は2記載の1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物。
【請求項4】
分岐鎖アルコール(d)が、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、イソテトラデシルアルコール、イソステアリルアルコールから成る群より選ばれる1又はそれ以上である請求項1〜3の何れか1項記載の1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物。
【請求項5】
一分子中に2〜50個の極性基を有する芳香族化合物、及び、水溶性高分子カルボン酸又はその塩類から選ばれる1又はそれ以上を含有する請求項1〜4の何れか1項記載の1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項記載の1槽式鋼帯洗浄用洗浄剤組成物を用いて、1つの洗浄槽で鋼帯を洗浄する、鋼帯の1槽式洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−177265(P2007−177265A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−374729(P2005−374729)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】