説明

1,4−ナフトキノン系化合物、該化合物を含んでなる組成物、およびこれらの化合物の抗がん剤としての使用

本発明は、医薬としての、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩のうちの1つ;1つ以上の式(I)の化合物を有効成分として含んでなる医薬組成物の式(I)、細胞の異常増殖を伴う少なくとも1つの病気を予防または治療することを目指した組成物の調製のための式(I)の化合物の使用、少なくとも1つの式(I)の化合物を含んでなる、アポトーシス促進性組成物または抗増殖性組成物のうち少なくともいずれか、ならびにアポトーシス促進剤または抗増殖剤のうち少なくともいずれか一方としての式(I)の化合物の使用、に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞の異常増殖を伴う疾患の予防および治療の分野に関する。
より正確には、本発明は、特に医薬としての1,4−ナフトキノン系化合物に関し、また医薬組成物の調製におけるそのような化合物の使用に関する。これらの医薬組成物は特に、細胞の異常増殖を伴う疾患、特にがんの予防または治療を意図したものであってよい。本発明はまた、この種の化合物を含んでなる、アポトーシス促進性もしくは抗増殖性のうち少なくともいずれかである組成物、または、アポトーシス促進剤もしくは抗増殖剤のうち少なくともいずれかとしてのこの種の化合物の使用に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
優先権
本発明は、2006年4月25日出願の仏国特許出願公開第06/51461号の優先権を主張する。上記出願は参照により全体が本願に組込まれる。
【0003】
先行技術
がんは、今日の世界において、最大の死亡原因の1つであり、従って公衆衛生上最も重大な問題の1つである。多数の医薬が存在しており、かつ開発中である。しかしながら、これらの医薬は、すべての症例の治療に成果を上げることを可能にするものではない。さらに、化学療法という状況において使用される薬剤は、望ましくない副作用を有する場合や、がん細胞に対する作用の有効性および特異性のうち少なくともいずれかが不十分である場合がある。
【0004】
抗がん治療において使用される作用薬の中では、アポトーシスを誘導する作用薬をいくつか挙げることができる。これは、がん細胞がアポトーシス抵抗性であってこのプログラム細胞死の現象が抑制されていることが多いからである。
【0005】
アポトーシス、すなわちプログラム細胞死は、組織のホメオスタシスの維持に不可欠な生理学的プロセスであり、生物がその健康と成長のために必要な細胞の量を調節する手段としている機構である。
【0006】
このプロセスは、ネクロ−シスとは違って細胞外環境への炎症性メディエ−タの放出が全くないので、非常に興味深い。したがって、抗がん治療における応用という意味では、該プロセスは、ネクロ−シスと比較して、腫瘍細胞に「クリーンな死」をもたらすことを可能にするかもしれない。
【0007】
アポトーシス促進性の化合物の中では、SMAC(second mitochondria activator of caspases)のペプチドを挙げることができる。しかしながら、SMACのペプチドフラグメントはin vivoでの使用時に多くの問題、例えば、低いバイオアベイラビリティ、過度に急速な分解、または著しく高い免疫原性のうち少なくともいずれかをもたらす可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
抗がん活性、特に悪性細胞に対する活性の特異性が非常に高いか、少なくともある種のがんにおける有効性が向上しているか、または副作用が低減されているかのうち少なくともいずれかの新規化合物が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らはすでに、以下に定義するような化合物が、特にアポトーシス促進活性または抗増殖活性のうち少なくともいずれか一方に関係すると同時に上述の問題を少なくとも部分的に解決する抗がん活性を有することを発見している。
【0010】
いかなる仮説にも拘束されることは望まないが、本発明の分子の作用様式は、同分子がSMACの少なくとも本質的な部分を模倣しているという事実に関係している可能性がある。
【0011】
したがって第1の態様によれば、本発明の対象は、医薬としての、下式(I)
【0012】
【化1】

の、単離化合物またはその薬学的に許容可能な塩のうちの1つであり、上記式中:
− R1は、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;1または2〜18個の炭素原子を含んでなる、アルキル、アルケン、またはアルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリールアルキルまたはアルキルアリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;ニトロ基;あるいは−X’−A’−Z’基であって、前記式中;
(i)X’は、二価の基、特にアルキル、アルケンもしくはアルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基、を表し、(ii)A’は、−O−、−S−、−NY’−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな(生物学的等価性の)結合によって連結されるような化学基であり、Y’は水素原子または保護基であって、特にTWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のものから選択されるものを表し、かつ(iii)Z’は、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Z’の末端の(すなわち、X’とは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Z’は、アミド結合、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZ’アミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZ’の末端のアルデヒド基もしくはアルコール基とX’とのカップリングから生じる結合によってX’基に連結され;
− R2、R3、R4およびR5は互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;1または2〜18個の炭素原子を含んでなる、アルキル、アルケン、またはアルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリールアルキルまたはアルキルアリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;または、ニトロ基を表すか;
あるいは、R2およびR3、R3およびR4、またはR4およびR5のうち少なくともいずれかが一緒になって、場合により置換された環式または複素環式化合物を形成し;
− Xは、二価の基、特にアルキル、アルケンもしくはアルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し;
− Aは、−O−、−S−、−NY’−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合によって連結されるような化学基であり、Yは水素原子または保護基であって、特にTWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のものから選択されるものを表し、かつ
− Zは、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、Xとは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Zは、アミド結合、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZアミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZの末端のアルデヒドもしくはアルコール基とXとのカップリングから生じる結合によってX基に連結され;
特にXおよびX’は、互いに独立に、場合により1以上の化学基で置換され、該化学基は例えば天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C2−6アルケン;C2−6アルキン;C3−8シクロアルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C5−20複素環;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であり、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはアルキル、ヘテロアルキル、アルケンもしくはアルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、場合により置換されているもの;またはアリール、ヘテロアリール、複素環式化合物、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基であって、該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基が場合により置換されているものであるか;あるいは、Gが−NRG2−を表す場合、窒素原子に結合し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2は、場合により置換された複素環式化合物またはヘテロアリールを形成し;
特に、前記アミド結合についてバイオアイソステリックな結合は、次の論文すなわち;
(1)Giannis,A.;Kolter,T.“Peptidomimetics for Receptor Ligands Discovery Development and Medicinal Perspectives”、Angew Chem,Int Ed Eng,1993,32,1244−1267;
(2)Roark,W.;Roth B.;Holmes,A.;Trivedi,B.;Kieft,K;Essenburg,A.;Krausse,B.;Stanfield,R.、“Inhibitors of Acyl−CoA:Cholesterol Acyltransferase (ACAT)−2. Modification of Fatty Acid Anilide ACAT Inhibitors:Bioisosteric Replacement of the Amide Bond”、J Med Chem,1993,36,1662−1668;
において引用された例に従う。
【0013】
これらの定義は限定的なものではなく、例えば、置換(第二級、第三級)アミンはアミド結合のアイソスタ−(等価体)と見なすことができる。
特定の実施形態では、例えば、Zはその末端カルボキシル基を介してX基と結合し、かつAは−O−、−S−または−NY−であって、Y基は水素原子または保護基であって特にTWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のものから選択されるものを表す。Zの末端アミン基またはZの任意の側鎖化学基のうち少なくともいずれかは、遊離しているかまたは場合により保護されている。
【0014】
特定の実施形態では、Zはその末端アミン基を介してX基と結合し、かつAは−SO−、−C(=S)−または−CO−である。Zの末端カルボキシル基またはZの任意の側鎖化学基のうち少なくともいずれかは、遊離しているかまたは場合により保護される。
【0015】
Zがその末端カルボキシル基を介してX基と結合する場合、Zの末端アミン基は、塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩(など)のような第四級アミン塩の形態であってよい。Zがその末端カルボキシル基を介してX基と結合する場合、Zの末端アミン基ならびにアミノ酸残基Zの側鎖に担持された任意の基(ヒドロキシル、アミン、グアニジンなど)を、TWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のもののような、前記の基の保護基によって保護することができる。Zの末端アミン基またはZの任意の側鎖化学基のうち少なくともいずれかは、遊離しているかまたは場合により保護される。
【0016】
Zがその末端アミン基を介してX基と結合する場合、Zの末端カルボキシル基は、ナトリウム塩もしくはカリウム塩のような塩の形態であってよい。Zがその末端アミン基を介してX基と結合する場合、Zの末端カルボキシル基ならびにアミノ酸残基Zの側鎖に担持された任意の基(ヒドロキシル、アミン、グアニジンなど)を、TWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のもののような、前記の基の保護基によって保護することができる。Zの末端カルボキシル基またはZの任意の側鎖化学基のうち少なくともいずれかは、遊離しているかまたは場合により保護される。
【0017】
より具体的には、X基は、−(CH−タイプの二価の基(式中、nは1〜10、特に2〜8の整数である)を表す。
より具体的には、X基は式−(CH−CHR−(CH−の分岐した二価の基を表し、前記式中、pおよびqは互いに独立に0〜12の整数であり、その和p+qは1〜12、特に1〜7の整数であり、かつRは、天然型アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であって、Gは、−O−、−S−、−NRG2、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であり、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、他のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはアルキル、ヘテロアルキル、アルケンもしくはアルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり場合により置換されているもの;またはアリール、ヘテロアリール、複素環式化合物、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基であって、該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基が場合により置換されているものであるか;あるいは、Gが−NRG2−を表す場合、窒素原子に結合し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2は、場合により置換された複素環式化合物またはヘテロアリールを形成する。
【0018】
特定の実施形態では、Xは式−(CH−CHR−(CH−に従う分岐した二価の基を表し、前記式中、pおよびqは互いに独立に0〜7の整数であり、その和p+qは1〜7の整数であり、かつRは、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状のC1−6アルキル;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルオキシ;天然のアミノ酸の側鎖、または−ORG1;−C(=O)ORG1;−NRG1G2もしくは−SOHであり;RG1およびRG2は互いに独立に、水素原子、もしくは場合により置換されたC1−6アルキル基であるか、または窒素原子に結合し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2が、場合により置換された複素環式化合物もしくはヘテロアリールを形成する。
【0019】
特定の実施形態によれば、Aは−NY−であり、アミノ酸残基Zはアミド結合を介して基Xに結合し、特に、式Z’CONYX(式中の基Z’CO−はアミノ酸残基Zを表す)に従い、XおよびZは上記に定義されたとおりである。
【0020】
特定の実施形態によれば、Aは−CO−であり、アミノ酸残基Zはレトロインベルソ型アミド結合を介して基Xに結合し、特に、式Z’NYCOX(式中の基Z’NY−はアミノ酸残基Zを表す)に従い、XおよびZは上記に定義されたとおりである。
【0021】
特定の実施形態によれば、Aは−O−であり、アミノ酸残基Zはエステル結合を介して基Xに結合し、特に、式Z’COOX(式中の基Z’CO−はアミノ酸残基Zを表す)に従い、XおよびZは上記に定義されたとおりである。
【0022】
特定の実施形態によれば、Aは−SO−であり、アミノ酸残基Zはスルホンアミド結合を介して基Xに結合し、特に、式Z’NYSOX(式中の基Z’NY−はアミノ酸残基Zを表す)に従い、XおよびZは上記に定義されたとおりである。
【0023】
特定の実施形態によれば、Aは−C(=S)−であり、アミノ酸残基Zはチオアミド結合を介して基Xに結合し、特に、式Z’NYC(S=O)X(式中の基Z’NY−はアミノ酸残基Zを表す)に従い、XおよびZは上記に定義されたとおりである。
【0024】
特定の実施形態によれば、Aは−S−であり、アミノ酸残基Zはチオエステル結合を介して基Xに結合し、特に、式Z’C(=O)SX(式中の基Z’C(=O)−はアミノ酸残基Zを表す)に従い、XおよびZは上記に定義されたとおりである。
【0025】
特定の実施形態によれば、前述の式Z’CONYX、Z’NYCOX、Z’NYC(S=O)XおよびZ’NYSOXの中のY基は、水素原子または保護基、特にTWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のものから選択されたものを表す。
【0026】
本明細書に記載の化合物は、該化合物の化学原子価が許容する限り多数かつ様々な置換基または化学基によって置換可能である。一般に、本明細書において、用語「場合により」をその前に伴う場合も伴わない場合もある用語「置換された」、ならびに式中の置換基は、所与の構造中の水素基の、特定の置換基による置き換えを示している。所与の構造中の2以上の部位を、特定の群から選択された2以上の置換基で置換することができる場合、該置換基は同じであってもよいし各部位で異なっていてもよい。用語「置換された」とは、有機化合物の考えられる置換基すべてを対象とするものであり、当業者であれば想定することができる。1つの態様によれば、想定される置換基には、環状であれ非環状であれ、直鎖状であれ分岐鎖状であれ、複素環式であれ炭素環式であれ、芳香族であれ非芳香族であれ、有機化合物の任意の炭素置換基またはヘテロ原子が含まれる。本発明に関しては、窒素原子のようなヘテロ原子は、水素原子、または本明細書に記載の有機化合物の任意の許容可能な置換基であって前記ヘテロ原子の化学原子価を満たすもののうち少なくともいずれかを担持することができる。さらに、本明細書に記載の発明はいかなる場合でも有機化合物の許容可能な置換基によって限定されるものと解釈すべきではない。本発明において想定される置換基と化学基との組み合わせは、本明細書に記載するもののような、疾患、障害および疾病の治療および予防に使用することができる安定な化合物の形成をもたらすものが好ましい。置換基には、限定するものではないが、アルキル;アルケン;アルキン;シクロアルキル;シクロアルケン;シクロアルキン;ヘテロアルキル;ハロアルキル;アリール;ヘテロアリール;複素環式化合物;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ;ヘテロアルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基があり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であり、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、他のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはアルキル、ヘテロアルキル、アルケンもしくはアルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されているもの;またはアリール、ヘテロアリール、複素環式化合物、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基であって、該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基は場合により置換されているものであり;あるいは、Gが−NRG2−を表す場合、窒素原子に結合し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2は、場合により置換された複素環式化合物またはヘテロアリールを形成する。
【0027】
本発明の実施のために一般に許容可能な置換基の他の例は、例示として示される以降の実施例を読めば当業者には明らかであろう。
用語「安定な」とは、好ましくは、調製が可能な程度に十分に安定で、検出が可能な程度に十分な期間、かつ好ましくは本明細書において詳述する目的について使用可能な程度に十分な期間にわたって完全性が維持される化合物を示している。
【0028】
ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を意味する。
アルキル基は、1〜18個の炭素原子、特に1〜12個の炭素原子、とりわけ1〜6個の炭素原子を含んでなるものでよい。
【0029】
アルケン基は、2〜18個の炭素原子、特に2〜12個の炭素原子、とりわけ2〜6個の炭素原子を含んでなるものでよい。アルケン基は1以上の二重結合も含みうる。
アルキン基は、2〜18個の炭素原子、特に2〜12個の炭素原子、とりわけ2〜6個の炭素原子を含んでなるものでよい。アルキン基は1以上の三重結合も含みうる。
【0030】
相反する記載がないかぎりは、アルキル、アルケンおよびアルキン基は、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でもよい。
用語「ヘテロアルキル」は、主鎖中の少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子に置き換えられているアルキル基を示す。したがって、ヘテロアルキルは、その主鎖中に、窒素、硫黄、リン、ケイ素、酸素またはセレン原子から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を炭素原子の代わりに含んでなるアルキル基を示す。したがって、C1−6ヘテロアルキル基は、1〜6個の炭素原子と、窒素、硫黄、リン、ケイ素、酸素またはセレン原子から選択された少なくとも1つのヘテロ原子とを含んでなる基を示す。
【0031】
用語「アリール」は、芳香族のヒュッケル則を満たす、1、2または3個の環を含んでなる単環式、二環式または三環式炭化水素系化合物を指す。例えば、アリール基は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルおよび同様の基であってよい。アリール基は、6〜14個の炭素原子、特に6〜10個の炭素原子を含みうる。
【0032】
用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの芳香環と、5〜14個の連結とを含んでなる不飽和の複素環系を指し、該環系の少なくとも1つの連結はS、OおよびNから選択され;環系の0、1または2個の連結は、互いに独立にS、OおよびNから選択された追加のヘテロ原子であり;環系の連結の残りは炭素原子であり;該ヘテロアリール基は、環系の中の任意の1つの連結(炭素原子でもヘテロ原子でもよい)を介して分子の残りの部分に結合している。例えば、ヘテロアリール基は、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、またはイソキノリニル基、および同様の基であってよい。
【0033】
アリールアルキル基およびアルキルアリール基は、7〜25個の炭素原子、特に7〜20個の炭素原子、とりわけ7〜15個の炭素原子を含みうる。具体的には、アリールアルキル基はベンジルを表してもよい。
【0034】
ヘテロアリールアルキル基およびアルキルヘテロアリール基は、7〜25個の炭素原子、特に7〜20個の炭素原子、とりわけ7〜15個の炭素原子を含みうる。
R2およびR3、R3およびR4、またはR4およびR5のうち少なくともいずれかが一緒になって環式化合物または複素環式化合物を形成する場合、該化合物は、4〜10個の連結、特に6〜8個の連結を有しうる。
【0035】
用語「複素環式化合物」は、5〜20個の連結と、場合により、S、O、N、P、SeおよびSiから互いに独立に選択された1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6個の連結を備えた1以上の環とを含んでなる、飽和または不飽和の非芳香族単環系または多環系であって、(i)5個の連結を備えた環はそれぞれ0〜2個の二重結合を有し、6個の連結を備えた環はそれぞれ0〜2個の二重結合を有し、(ii)硫黄原子または窒素原子のうち少なくともいずれかは場合により酸化されており、(iii)窒素原子は場合により第四級塩の形態であるものを指す。例えば、複素環基は、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、またはテトラヒドロフリル基であってよい。
【0036】
複素環式化合物はその環構造の中に、炭素原子とは別に、特に酸素、窒素、硫黄、リン、セレンおよびケイ素から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含んでなる。
用語「アミン」または「アミノ」は、式−N(R)に従う基であって、Rはそれぞれ互いに独立に、水素原子;場合により置換された、アルキル、ヘテロアルキル、アルケン、アルキン、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリールアルキルもしくはアルキルヘテロアリール基であるか;または、R基が、該R基と結合している窒素原子とともに、場合により置換された複素環式化合物もしくはヘテロアリールを形成するもの、を指す。アミン基は、場合により第四級アミン塩の形態であってもよい。
【0037】
用語「カルボン酸誘導体」は、式−C(=O)Rに従う基を指し、式中のRは、水素原子;ハロゲン;場合により置換された、アルキル、ヘテロアルキル、アルケン、アルキン、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アルキルアリール、ヘテロアリールアルキルもしくはアルキルヘテロアリール基;または、−GRG1であって、式中のGは−O−もしくは−NRG2−であり、RG2はRG1とは独立に、水素原子;または、場合により置換された、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル、ヘテロアルキル、アルケンもしくはアルキン基;または、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリール基であって該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基は場合により置換されているものであるか、あるいは、窒素原子と連結し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2が、場合により置換されている複素環式化合物またはヘテロアリールを形成する。
【0038】
アミノ酸残基は、天然アミノ酸または合成アミノ酸、特にβ、γまたはωアミノ酸の残基であってよい。アミノ酸残基はラセミ体であってもよいし、エナンチオマ−についてD型またはL型を富化した形態でも、純粋にした形態でもよい。アミノ酸残基の末端の(すなわち、XまたはX’に連結していない)アミンまたはカルボキシル基、および任意の側鎖化学基は保護されていても非保護であってもよい。
【0039】
一般論としては、天然(L型)または非天然(D型もしくは合成)の、すべてのα、βおよびγアミノ酸残基を使用することができる。例えば、オルニチンもしくはノルロイシンのようなαアミノ酸、βアラニンのようなβアミノ酸、スタチンのようなγアミノ酸、またはより特殊な構造であってペプチドミメティックスの合成に使用されるもの、例えばTIC(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸)など、を使用することができる。
【0040】
これは網羅的なリストを構成するものではない。
アミノ酸残基は、例えば、天然アミノ酸残基、特にグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、トレオニン、メチオニン、システイン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、プロリン;「まれな」アミノ酸残基、特にヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、アロヒドロキシリジン、6−N−メチルリジン、N−エチルグリシン、N−メチルグリシン、N−エチルアスパラギン、アロイソロイシン、N−メチルイソロイシン、N−メチルバリン、ピログルタミン、アミノ酪酸;合成アミノ酸残基、特にオルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、シクロヘキシルアラニン;スタチン;ならびにTIC(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸);を含んでなる群から選択することができる。
【0041】
これらの残基はラセミ体であってもよいし、D型またはL型であってもよい。
用語「単離(された)」は、本発明の化合物を特徴づけるために使用される場合、(i)該化合物が自然状態で関係している少なくとも1つの化合物から分離されているか、または(ii)人為的に生産、調製、もしくは製造されるか、のうち少なくともいずれかである化合物を指す。
【0042】
本発明の第1の定義によれば、化合物は上記に定義するような式(I)に従うが、次の化合物;
【0043】
【化2】

は、除外される。
【0044】
本発明の第2の定義によれば、化合物は、下式(I)に従うか、またはその薬学的に許容可能な塩のうちの1つであり
【0045】
【化3】

上記式中;Aは、−O−、−S−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合で連結されるような化学基であり:
−R1は、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;1または2〜18個の炭素原子を含んでなる、アルキル、アルケン、またはアルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリールアルキルまたはアルキルアリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;ニトロ基;あるいは−X’−A’−Z’基であって、前記式中;
(i)X’は、二価の基、特にアルキル、アルケンもしくはアルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し;
(ii)A’は、−O−、−S−、−NY’−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合によって連結されるような化学基であり、Y’は水素原子または保護基であって、特にTWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のものから選択されるものを表し、かつ、
(iii)Z’は、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Z’の末端の(すなわち、X’とは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Z’は、アミド結合、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZ’アミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZ’の末端のアルデヒド基もしくはアルコール基とX’とのカップリングから生じる結合によってX’基に連結され:
−R2、R3、R4およびR5は互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;1または2〜18個の炭素原子を含んでなる、アルキル、アルケン、またはアルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリールアルキルまたはアルキルアリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;または、ニトロ基を表すか;
あるいは、R2およびR3、R3およびR4、またはR4およびR5のうち少なくともいずれかが一緒になって、場合により置換された環式または複素環式化合物を形成し:
−Xは、二価の基、特にアルキル、アルケンもしくはアルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し:
−Zは、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、Xとは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Zは、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZアミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZの末端のアルデヒド基もしくはアルコール基とXとのカップリングから生じる結合によってX基に連結され;
あるいは、Aは−NY−であり;かつ
(a)
−R1は、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;1または2〜18個の炭素原子を含んでなる、アルキル、アルケン、またはアルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリールアルキルまたはアルキルアリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;ニトロ基;あるいは−X’−A’−Z’基を表し、前記式中;
(i)X’は、二価の基、特にアルキル、アルケンもしくはアルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し;
(ii)A’は、−O−、−S−、−NY’−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合によって連結されるような化学基であり、Y’は水素原子または保護基であって、特にTWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のものから選択されるものを表し、かつ
(iii)Z’は、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Z’の末端の(すなわち、X’とは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Z’は、アミド結合、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZ’アミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZ’の末端のアルデヒド基もしくはアルコール基とX’とのカップリングから生じる結合によってX’基に連結され:
−R3、R4およびR5は互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;1または2〜18個の炭素原子を含んでなる、アルキル、アルケン、またはアルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリールアルキルまたはアルキルアリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;または、ニトロ基を表し;
−R2は、R1、R3、R4およびR5とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;1または2〜18個の炭素原子を含んでなる、アルキル、アルケン、またはアルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリールアルキルまたはアルキルアリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;または、ニトロ基を表すか;
あるいは、R2およびR3、R3およびR4、またはR4およびR5のうち少なくともいずれかが一緒になって、場合により置換された環式または複素環式化合物を形成し:
−Xは、二価の基、特にアルキル、アルケンもしくはアルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し:
−Yは、水素原子または保護基であって、特にTWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のものから選択されるものを表し:
−Zは、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、Xとは連結されていない)アミン基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Zはアミド結合によってX基に連結され;
(b)
−R1は、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;1または2〜18個の炭素原子を含んでなる、アルキル、アルケン、またはアルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリールアルキルまたはアルキルアリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;ニトロ基;あるいは−X’−A’−Z’基を表し、前記式中;
(i)X’は、二価の基、特にアルキル、アルケンもしくはアルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し;
(ii)A’は、−O−、−S−、−NY’−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合によって連結されるような化学基であり、Y’は水素原子または保護基であって、特にTWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のものから選択されるものを表し、かつ
(iii)Z’は、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、X’とは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Z’は、アミド結合、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZ’アミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZ’の末端のアルデヒド基もしくはアルコール基とX’とのカップリングから生じる結合によってX’基に連結され:
−R3、R4およびR5は互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;1または2〜18個の炭素原子を含んでなる、アルキル、アルケン、またはアルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリールアルキルまたはアルキルアリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;または、ニトロ基を表し:
−R2は水酸基を表し;
あるいは、R3およびR4、またはR4およびR5のうち少なくともいずれかが一緒になって、場合により置換された環式または複素環式化合物を形成し:
−Xは、二価の基、特にアルキル、アルケンもしくはアルキンから選択され、直鎖状もしくは環状であり、非置換であり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し:
−Yは、水素原子または保護基であって、特にTWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のものから選択されるものを表し;
−Zは、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、Xとは連結されていない)アミン基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Zはアミド結合によってX基に連結され;あるいは;
(c)
−R1は、ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;1または2〜18個の炭素原子を含んでなる、アルキル、アルケン、またはアルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリールアルキルまたはアルキルアリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;ニトロ基;あるいは−X’−A’−Z’基を表し;前記式中;
(i)X’は、二価の基、特にアルキル、アルケンもしくはアルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し;
(ii)A’は、−O−、−S−、−NY’−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合によって連結されるような化学基であり、Y’は水素原子または保護基であって、特にTWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のものから選択されるものを表し、かつ
(iii)Z’は、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、X’とは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Z’は、アミド結合、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZ’アミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZ’の末端のアルデヒド基もしくはアルコール基とX’とのカップリングから生じる結合によってX’基に連結され:
−R2は水酸基を表し:
−R3、R4およびR5は互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;1または2〜18個の炭素原子を含んでなる、アルキル、アルケン、またはアルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;アリールアルキルまたはアルキルアリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルコキシ、アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;または、ニトロ基を表すか;
あるいは、R3およびR4、またはR4およびR5のうち少なくともいずれかが一緒になって、場合により置換された環式または複素環式化合物を形成し:
−Xは、二価の基、特にアルキル、アルケンもしくはアルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し:
−Yは、水素原子または保護基を表し:
−Zは、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、Xとは連結されていない)アミンおよび任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Zはアミド結合によってX基に連結され:
特に、上記の(a)、(b)および(c)に記載の化合物について、また上記式(I)の化合物であってAが−O−、−S−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合で連結されるような化学基であるものについては、XおよびX’は互いに独立に、1以上の化学基によって置換される場合があり、該化学基は例えば、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C2−6アルケン;C2−6アルキン;C3−8シクロアルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C5−20複素環;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはアルキル、ヘテロアルキル、アルケンもしくはアルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されており;またはアリール、ヘテロアリール、複素環式化合物、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基であって、該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基は場合により置換されており;あるいは、Gが−NRG2−を表す場合、窒素原子に結合し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2は、場合により置換された複素環式化合物またはヘテロアリールを形成する。
【0046】
特定の実施形態によれば、化合物は次式
【0047】
【化4】

のうちの1つに従うものであり、式中、nは1〜12、特に2〜8の整数であり、Zは特にD型またはL型、天然または合成のアミノ酸残基、特にα、βまたはγアミノ酸残基であり、Zの末端の(すなわち、−NH−に連結されていない)アミン基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Zはアミド結合を介して−NH−に連結される。
【0048】
特定の実施形態によれば、化合物は次式
【0049】
【化5】

のうちの1つに従うものであり、式中、Zは上記に定義したとおりであり;pおよびqは互いに独立に、0〜12、特に0〜7の整数であり;R1は先に定義したとおりであり;Rは、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはアルキル、ヘテロアルキル、アルケンもしくはアルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されているもの;またはアリール、ヘテロアリール、複素環式化合物、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基であって、該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基は場合により置換されたものである。
【0050】
特定の実施形態によれば、化合物は次式
【0051】
【化6】

のうちの1つに従うものであり、上記式中、Zは上記に定義したとおりであり;pおよびqは互いに独立に、0〜12、特に0〜7の整数であり;ただしR1が水素原子である場合は、pおよびqは互いに独立に、1〜12、特に1〜7の整数であり;R1は先に定義したとおりであり;Rは、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはアルキル、ヘテロアルキル、アルケンもしくはアルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されているもの;またはアリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基であって、該アリールもしくはヘテロアリールは場合により置換されているものである。
【0052】
特定の実施形態によれば、化合物は次式
【0053】
【化7】

のうちの1つに従うものであり、上記式中、Zは上記に定義したとおりであり;pおよびqは互いに独立に、0〜12、特に0〜7の整数であり;Rは、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはアルキル、ヘテロアルキル、アルケンもしくはアルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されているもの;またはアリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基であって、該アリールもしくはヘテロアリール基は場合により置換されているものである。
【0054】
特定の実施形態によれば、化合物は次式
【0055】
【化8】

のうちの1つに従うものであり、式中、Zは上記に定義したとおりであり;pおよびqは互いに独立に、1〜12、特に1〜7の整数であり;Rは、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはアルキル、ヘテロアルキル、アルケンもしくはアルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されているもの;またはアリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基であって、該アリールもしくはヘテロアリール基が場合により置換されているものである。
【0056】
特定の実施形態によれば、化合物は次式
【0057】
【化9】

のうちの1つに従うものであり、上記式中、Zは上記に定義したとおりであり;pおよびqは互いに独立に、0〜12、特に0〜7の整数であり;Rは、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはアルキル、ヘテロアルキル、アルケンもしくはアルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されているもの;またはアリール、ヘテロアリール、アルキルアリールもしくはアルキルヘテロアリール基であって、該アリールもしくはヘテロアリール基が場合により置換されているものである。
【0058】
特定の実施形態によれば、化合物は次式
【0059】
【化10】

のうちの1つに従うものであり、上記式中、nおよびn1は互いに独立に、1〜12、特に1〜5の整数であり;かつZおよびZ’は互いに独立に、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、βもしくはγアミノ酸残基であり、Z/Z’の末端の(すなわち、−NH−に連結されていない)アミン基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、ZおよびZ’はアミド結合によって−NH−基に連結されている。
【0060】
より具体的には、本発明の化合物は下式(II)
【0061】
【化11】

に従うものまたはその薬学的に許容可能な塩のうちの1つであってよく、上記式中:
−R1は、水素原子、1〜6個の炭素原子を含んでなるアルキル基、または−(CHn1−NY’−Z’基を表し;
−n1は、1〜12、特に1〜6、さらには1〜5、とりわけ1〜2の整数を表し;
−YおよびY’は互いに独立に、水素原子または保護基を表し;かつ
ZおよびZ’は互いに独立に、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、βもしくはγアミノ酸残基を表し、ZおよびZ’の末端の(すなわち、−NY−または−NY’−に連結されていない)アミン基ならびに任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、ZおよびZ’はアミド結合によってそれぞれ−NY−または−NY’−に連結され;
−Xは−(CH−基を表し、nは、1〜12、特に1〜6、さらには1〜5、とりわけ1〜2の整数を表し;
−R5は、水素原子、ハロゲン原子または場合により置換された水酸基を表す。
【0062】
第1の実施形態によれば、本発明による化合物は式(II)に従うものであり、式中のR1は、1〜6個の炭素原子、特に1〜4個の炭素原子、とりわけ1〜2個の炭素原子を含んでなるアルキル基を表すか、またはメチル基である。
【0063】
第1の変形例によれば、上記化合物はプルンバゴン(Plumbagone)ファミリ−に属し、よってR1がメチル基を表しかつR5が水酸基を表す式(II)に従う。
第2の変形例によれば、上記化合物はメナジオンファミリ−に属し、よってR1がメチル基を表しかつR5が水素原子を表す式(II)に従う。
【0064】
第2の実施形態によれば、本発明による化合物は、R1が水素原子を表す式(II)に従う。
より具体的には、上記化合物は、R1が水素原子を表しかつR5が水酸基を表す式(II)に従う場合、置換を1つだけ備えたユグロンファミリ−に属する。
【0065】
第3の実施形態によれば、本発明による化合物は、R1が−(CHn1−NY’−COCHRNH基を表す式(II)に従い:
−COCHRNHは、D型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基を表し、Rは前記アミノ酸残基の側鎖を表し;
−n1は、1〜5、特に1〜2の整数を表し;
−Y’は水素原子または保護基であって、特にTWグリーン(TW Greene)およびPGMワッツ(PGM Wuts)著「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版、ニューヨーク所在のワイリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2007年、に記載のものから選択されるものを表す。
【0066】
特に、上記化合物は、R1が−(CHn1−NY’−COCHRNH基を表し、かつR5が水酸基を表す式(II)に従う場合、置換を2つ備えたユグロンファミリ−に属する。
【0067】
式(I)または(II)の化合物は、必要な場合には、溶媒和された形態でも、塩の形態でもよいし、またはその他の生理学的に許容可能な誘導体であってもよい。薬学的用途に関して許容可能な塩および溶媒は、一般に、対イオンまたは関連する溶媒が薬学的に許容可能であるものである。
【0068】
使用可能な塩は、酸または有機もしくは無機の塩基であってよい。許容可能な酸付加塩の中では、塩酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フェニル酢酸、またはトリフェニル酢酸から形成されたものが挙げられる。
【0069】
さらに、許容可能な塩基性塩の中では、ナトリウムもしくはカリウムのようなアルカリ金属の塩、カルシウムおよびマグネシウムのようなアルカリ土類金属の塩、ならびに第一級、第二級もしくは第三級アミンのような有機塩基から形成される塩が挙げられる。
【0070】
別の態様によれば、本発明の対象は、少なくとも1つの上記に定義した化合物を、活性成分として、薬学的に許容可能な担体中に含んでなる医薬組成物である。
特に、該組成物は、抗がん性、アポトーシス促進性、または抗増殖性のうち少なくともいずれかであってよい。
【0071】
該医薬組成物中では、化合物は有効な量で使用される。これは、様々なパラメ−タ、特に、使用される物質、患者の年齢、体重および身体状態、投与様式、ならびに必要とされる体制に従って、当業者によって決定されることになろう。当業者は、それぞれの患者の投与様式および用量を決定することができる立場にあるであろう。
【0072】
特に、本発明の化合物は、1日あたり、かつ患者1人あたり0.1〜5000mgの用量で投与することができる。
医薬組成物は、0.1mg〜5gの量の本発明の化合物を含みうる。
【0073】
医薬組成物は、局所用または全身用の任意の形態で、特に非経口用または腸内用の形態で投与可能である。
組成物または医薬が腸内経路で投与される場合は、錠剤、カプセル剤、丸剤、シロップ剤、懸濁剤、液剤、散剤、顆粒剤、乳剤またはミクロスフェアの形態であってよい。
【0074】
非経口経路での投与の場合は、組成物は、潅流用または注射用の液剤または懸濁剤の形態であってよい。
組成物はさらに、特に色素、香味料および保存料から選択される少なくとも1つの添加剤を含みうる。当然ながら、当業者であれば、この想定された添加によって、本発明に本質的に付随する有利な特性が損なわれないかまたはほとんど損なわれないように、添加剤を確実に選択することであろう。
【0075】
特定の実施形態によれば、本発明の組成物はがんの治療を意図した別の化合物も含むことができる。本発明に使用可能な化合物の中では、商品名がAdriamycine(登録商標)であるドキソルビシン、エポチロン、商品名がTaxol(登録商標)であるパクリタキセル、およびシスプラチンを挙げることができる。
【0076】
さらに別の態様によれば、本発明の対象は、上記に定義されるような少なくとも1つの化合物を、細胞の異常増殖の治療または予防のうち少なくともいずれか一方を意図した医薬組成物の調製のために使用することである。
【0077】
前記組成物は、ヒト用または動物用のうち少なくともいずれかの医薬品を対象とすることが可能であり、特に、膵臓がん、口腔咽頭がん、胃がん、食道がん、結腸直腸がん、脳腫瘍、特にグリオ−マ、卵巣がん、肝臓がん、腎臓がん、喉頭がん、甲状腺がん、肺がん、骨がん、多発性骨髄腫、中皮腫および黒色腫、皮膚がん、乳がん、前立腺がん、膀胱がん、子宮がん、精巣がん、非ホジキンリンパ腫、白血病、ホジキン病および軟部組織がん、ならびに前述のがんの転移性の二次部位から選択される少なくとも1つのがんの、治療または予防のうち少なくともいずれか一方を対象とすることができる。
【0078】
「異常増殖」とは、例えばアポトーシス(プログラム細胞死)の関与による細胞増殖の停止などの正常な調節メカニズムとは無関係の増殖を意味する。
別の態様によれば、本発明のさらなる対象は、上記に定義されるような化合物を少なくとも1つ含んでなる、アポトーシス促進性または抗増殖性のうち少なくともいずれかの組成物である。
【0079】
さらに別の態様によれば、本発明の対象は、上記に定義されるような少なくとも1つの化合物を、アポトーシス促進剤または抗増殖剤のうち少なくともいずれかとして使用することである。
【0080】
次の実施例は、本発明について示すためのものであり、本発明を限定するいかなる特徴も伴うものではない。
例示のために示した以下の実施例を読めば、当業者には本願に述べた以外の利点が理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0081】
実施例
実施例においては、以下の略語を使用する。
AcOEt=酢酸エチル
AgNO=硝酸銀
BocO=ジ−tert−ブチル−ジカルボナート
CHCl=ジクロロメタン
CHCN=アセトニトリル
DCHA=ジシクロヘキシルアミン
DIEA=ジイソプロピルエチルアミン
O=水
HBTU=o−ベンゾトリアゾリル−N,N,N,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスファート
HOBt=N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
MgSO=硫酸マグネシウム
ml=ミリリットル
mmol=ミリモル
NaCl=塩化ナトリウム
NaOH=水酸化ナトリウム
(NH=過硫酸アンモニウム
TFA=トリフルオロ酢酸
保護アミノ酸、特にBoc−L−Ala−OH、Boc−L−Ser(OtBu)−OH、Boc−L−Thr(OtBu)−OH、Boc−D−Val−OH、Boc−D−Trp−OH、Boc−L−Thr(OBn)−OHおよびBoc−D−Tyr(OBn)−OHはノババイオケム(Novabiochem)から入手する。
【0082】
使用される他の化合物はすべて、アルドリッチ(Aldrich)、フルカ(Fluka)またはアクロス(Acros)から入手する、標準品質のものである。
溶媒は使用前に蒸留する。
【実施例1】
【0083】
N−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノ酢酸(Boc−N−グリシン)の合成
【0084】
【化12】

500mlのフラスコに、4.002gのグリシン(1等量;53mmol)を入れ、ジオキサンおよび水の混合物(比2:1)を150ml、すなわち100mlのジオキサンおよび50mlの水を注ぎ、次に水50mlに対し2gのNaOHで調製した水溶液を添加する。氷浴を用いて冷却し、12.72gのジ−tert−ブチル−ジカルボナートを添加する(1.1等量;58mmol)。この反応中間物を室温で一晩撹拌する。ジオキサンと水を蒸発させ、次に40mlの酢酸エチルを添加し、5%のクエン酸と、次いで飽和塩化ナトリウムとで洗浄し、ジクロロメタンで水相の抽出を行う。有機相を集め合わせ、MgSOで脱水し、蒸発させる。7.705gの白色固体(収率=83%)が得られる。得られた生成物については、使用前にさらに精製する必要はない。
【実施例2】
【0085】
N−tert−ブチルオキシカルボニル−4−アミノブタン酸の合成
【0086】
【化13】

3.004gの4−アミノブタン酸(1等量;29mmol)が入った250mlのフラスコに、ジオキサンおよび水の混合物(比2:1)を75ml、すなわち50mlのジオキサンおよび25mlの水を添加する。NaOH溶液(25mlの水に対し1gのNaOH)の希釈液を添加する。フラスコを氷浴中に置き、6.984gのBocO(ジーtert−ブチルージカルボナート、1.1等量;31mmol)を添加し、次に、この混合物を室温で一晩中撹拌しておく。反応が終了したら、ジオキサンと水を蒸発させ、この反応中間物を30mlのAcOEtに溶解し、5%クエン酸水溶液(10mlで2回)と、次いで飽和NaClとで洗浄する。有機相をCHClで再抽出し、集め合わせ、次にMgSOで脱水し、蒸発させる。5.182gの無色の粘性油状物(収率=88%)が得られる。得られた生成物については、使用前にさらに精製する必要はない。
【実施例3】
【0087】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0088】
【化14】

1.200gの市販のメナジオン(アルドリッチ社、1等量;6.9mmol)が入った25mlのフラスコに、3.660gの実施例1の化合物(3等量;20mmol)を入れ、0.355gの硝酸銀(0.3等量;2.07mmol)、アセトニトリルおよび水の混合物(比7:3)、すなわち12mlのCHCNおよび6mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。添加用の瓶には、0.822gの過硫酸アンモニウム(1.3等量;3.6mmol)を7mlのCHCN:HO混合物(比7:3)に溶解したものを調製する。添加は2時間かけて実施し、混合物を65℃でさらに1時間撹拌し続ける。次にCHClで3回の抽出を行い、有機相を水で一回洗浄し、次いでMgSOで脱水し、蒸発させた。次に生成物を、溶離剤として10%AcOEt:90%シクロヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィによって精製する。0.961gの橙色の固体(38%)が得られる。より詳細な情報については、アンダ−ソンJM(Anderson J M)およびコチJK(Kochi JK)、J Am.Chem.Soc.,1970,92(6),1651−1659を参考にすることができる。
【実施例4】
【0089】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノエチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0090】
【化15】

50mlのフラスコに、0.500gのメナジオン(1等量;2.9mmol)、1.638g(3等量;8.71mmol)のBocβAla(アルドリッチ社)および0.147gのAgNO(0.3等量;0.447mmol)を量りとる。アセトニトリルと水の混合物(比7:3)、すなわち5.0mlのCHCNおよび2.5mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。0.861gの(NH)S(1.3等量;1.93mmol)をCHCNとHOとの混合物3mlに溶解したものを、2時間かけて添加する。次いで、該反応中間物を65℃で1時間撹拌し続け、次にCHClで3回抽出し、エ−テル化相を、HOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。生成物を、溶離剤として10%AcOEt:90%シクロヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィによって精製すると、1.420gの橙色の油状物(収率=46%)が得られる。
【実施例5】
【0091】
2−メチル−3−メチルアンモニウム−1,4−ナフトキノントリフルオロアセタ−トの合成
【0092】
【化16】

氷浴に浸した25mlのフラスコ中で、実施例3の化合物1.277g(1等量;4.23mmol)を、トリフルオロ酢酸およびジクロロメタンの混合物(比1:1)すなわち各溶媒8.5mlに溶解する。この反応中間物を窒素下かつ室温で6時間撹拌する。その後、TFAおよびCHClを蒸発させ、過剰なTFAを除去するためにトルエン中に溶解する。フラスコを真空下に2日間置くと、1.300gの褐色の固体(収率=97%)が得られる。
【実施例6】
【0093】
2−メチル−3−エチルアンモニウム−1,4−ナフトキノントリフルオロアセタ−トの合成
【0094】
【化17】

実施例5の化合物に関して先述した操作手順に従って、25mlのフラスコ中に実施例4の化合物0.881g(1等量:2.79mmol)を入れ、5.5mlのCHClおよび5.5mlのTFAを添加する(氷浴中で)。蒸発中に、中間物をトルエン中に数回溶解し、0.916gの褐色の固体を回収する(収率=99%)。
【実施例7】
【0095】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−L−アラニニル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0096】
【化18】

10mlのフラスコ中に、0.037gのBocAlaOH(1.2等量;0.388mmol)、0.183gのHBTU(1.5等量;0.484mmol)および0.052gのHOBt(1.2等量;0.388mmol)を量りとる。3mlの蒸留CHCl、ならびに0.339mlのDIEA(5等量;1.94mmol)を添加する。この反応中間物を窒素下で2時間撹拌し、酸を活性化する。次いで、実施例5の化合物0.102g(1等量;0.323mmol)を添加し、次に2時間撹拌する。CHClを蒸発させ、中間物を30mlのAcOEt中に溶解し、水で3回洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。生成物をその後、溶離剤として40%AcOEt:60%シクロを用いたクロマトグラフィ・カラムで精製し、0.030gの黄色固体を得る(収率=25%)。
【実施例8】
【0097】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−L−セリニル(OtBu)−アミノメチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0098】
【化19】

最初に、カップリングを実行する前に、市販のセリンのカルボン酸基を脱保護することが必要である。この目的のために、小型の傾瀉瓶の中に0.170gのBocSer(tBu)OH.DCHA(0.38mmol)を入れ、ここに3mlのAcOEt、3mlの水および0.4mlのHSO(2M)を添加する。水相をAcOEtで1回抽出し、有機相を水で3回洗浄する。蒸発処理すると0.077gの無色の油状物が得られるが、これはカルボン酸の形態のセリン残基である。この油状物(1.2等量;0.294mmol)に、実施例7の化合物について先述したように、0.139gのHBTU(1.5等量;0.368mmol)、0.039gのHOBt(1.2等量;0.294mmol)、3mlのCHClおよび0.213mlのDIEAを添加した。2時間の活性化の後、次に0.102gの化合物(5)(1等量;0.323mmol)を添加して全体を2時間撹拌する。水で洗浄した後、生成物を、30%AcOEt;70%シクロを用いてクロマトグラフィ・カラムで精製し、0.080gの橙色の油状物を得る(収率=62%)。
【実施例9】
【0099】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−D−バリニル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0100】
【化20】

実施例7の化合物について述べたカップリング手順に従って、0.084gのBocDValOH(1.2等量;0.376mmol)、0.183gのHBTU(1.5等量;0.484mmol)、0.052gのHOBt(1.2等量;0.376mmol)、3mlのCHClおよび0.339mlのDIEAを使用する。活性化は、窒素下で2時間実施する。次に実施例5の化合物0.100gを添加し、生成物の洗浄および40%AcOEt;60%シクロを用いた精製の後に、0.080gの橙色の油状物を得る(収率=62%)。
【実施例10】
【0101】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トレオニニル(OtBu)−アミノメチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0102】
【化21】

実施例7の化合物について述べたカップリング手順に従って、0.106gのBocThr(tBu)OH(1.2等量;0.384mmol)、0.183gのHBTU(1.5等量;0.482mmol)、0.052gのHOBt(1.2等量;0.388mmol)、3mlのCHClおよび0.338mlのDIEAを使用する。窒素下で2時間撹拌し、次に実施例5の化合物0.100gを添加し、洗浄と、40%AcOEt;60%シクロを用いた精製の後に、0.127gの橙色の油状物を得る(収率=86%)。
【実施例11】
【0103】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−グリシニル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0104】
【化22】

実施例7の化合物について述べたカップリング手順に従って、0.066gのBocGlyOH(1.2等量;0.0308mmol)、0.183gのHBTU(1.5等量;0.485mmol)、0.052gのHOBt(1.2等量;0.388mmol)、3mlのCHClおよび0.338mlのDIEAを使用する。窒素下で2時間撹拌し、次に実施例5の化合物0.100gを添加し、50%AcOEt;50%シクロを用いた精製の後に、0.080gの橙色の油状物を得る(収率=71%)。
【実施例12】
【0105】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−L−アラニニル−アミノエチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0106】
【化23】

実施例7の化合物について述べたカップリング方法に従って、10mlのフラスコに、0.035gのBocAlaOH(1.2等量;0.18mmol)、0.090gのHBTU(1.5等量;0.22mmol)および0.025gのHOBt(1.2等量;0.18mmol)を量りとる。3mlの蒸留CHClを、0.135mlのDIEA(5等量;0.76mmol)とともに添加する。この反応中間物を窒素下で2時間撹拌して酸を活性化する。次に0.05g(1等量;0.15mmol)の実施例6の化合物を添加し、2時間撹拌する。CHClを蒸発させ、中間物を30mlのAcOEt中に入れ、水で3回洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。その後、生成物を、溶離剤として50%AcOEt:50%シクロを用いてクロマトグラフィ・カラムで精製し、0.030gの黄色油状物を得る(収率=52%)。
【実施例13】
【0107】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−L−セリニル(OtBu)−アミノエチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0108】
【化24】

実施例8の化合物と同様に、結晶化可能なセリン残基のDCHA塩を加水分解しなければならない:このために、小型の傾瀉瓶に0.075gのBocSer(tBu)OH.DCHAすなわち(0.17mmol)を入れ、ここに2mlのAcOEt、2mlの水および0.2mlのHSO(2M)を添加する。水相をAcOEtで1回抽出し、有機相を水で3回洗浄する。蒸発させると、カルボン酸の形態のセリン残基である0.045gの無色の油状物が得られる。この油状物(1.2等量;0.17mmol)に、実施例7の化合物について先述したように0.087gのHBTU(1.5等量;0.23mmol)、0.020gのHOBt(1.2等量;0.15mmol)、3mlのCHClおよび0.135mlのDIEAを添加する。2時間の活性化の後、次に実施例6の化合物0.050g(1等量;0.15mmol)を添加し、全体を2時間撹拌する。水で洗浄した後、生成物を、30%AcOEt;70%シクロを用いてクロマトグラフィ・カラムで精製し、0.040gの橙色の固体を得る(収率=58%)。
【実施例14】
【0109】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−D−バリニル−アミノエチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0110】
【化25】

実施例7の化合物について述べたカップリング手順に従って、0.037gのBoc−D−ValOH(1.2等量;0.17mmol)、0.087gのHBTU(1.5等量;0.23mmol)、0.020gのHOBt(1.2等量;0.15mmol)、3mlのCHClおよび0.135mlのDIEAを使用する。活性化は窒素下で2時間実施する。次に0.050gの実施例6の化合物を添加し、洗浄と、25%AcOEt;75%シクロを用いたクロマトグラフィ・カラムでの精製の後に、0.034gの黄色固体を得る(収率=55%)。
【実施例15】
【0111】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トレオニニル(OtBu)−1,4−ナフトキノンの合成
【0112】
【化26】

実施例7の化合物について述べたカップリング手順に従って、0.42gのBocThr(tBu)OH(1.2等量;0.17mmol)、0.087gのHBTU(1.5等量;0.23mmol)、0.020gのHOBt(1.2等量;0.15mmol)、3mlのCHClおよび0.135mlのDIEAを使用する。全体を窒素下で2時間撹拌し、次に実施例6の生成物0.050gを添加し、洗浄と、20%AcOEt;80%シクロを用いた精製の後に、0.043gの黄色油状物を得る(収率=61%)。
【実施例16】
【0113】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−グリシニル−アミノエチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0114】
【化27】

実施例7の化合物について述べたカップリング手順に従って、0.040gのBocGlyOH(1.5等量;0.23mmol)、0.098gのHBTU(1.5等量;0.23mmol)、0.021gのHOBt(1.2等量;0.15mmol)、3mlのCHClおよび0.135mlのDIEAを使用する。全体を窒素下で2時間撹拌し、次に実施例6の化合物0.050gを添加し、40%AcOEt;60%シクロを用いた精製の後に、0.035gの橙色の油状物を得る(収率=63%)。
【実施例17】
【0115】
2−メチル−3−(L−アラニニル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0116】
【化28】

実施例5の化合物について先述した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例7の化合物0.030g(1等量;0.080mmol)を入れ、2mlのCHClおよび2mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発中に、中間物をトルエン中に数回溶解し、得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中で30分間溶解する。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発乾固した後、0.022gの黄〜橙色の固体を回収する(収率=89%)。
【実施例18】
【0117】
2−メチル−3−(L−セリニル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0118】
【化29】

実施例5の化合物について先述した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例8の化合物0.030g(1等量;0.067mmol)を入れ、2mlのCHClおよび2mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.020gの橙色の固体を回収する(収率=91%)。
【実施例19】
【0119】
2−メチル−3−(D−バリニル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0120】
【化30】

実施例5の化合物について先述した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例9の化合物0.030g(1等量;0.075mmol)を入れ、2mlのCHClおよび2mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.023gの黄色の固体を回収する(収率=91%)。
【実施例20】
【0121】
2−メチル−3−(L−トレオニニル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0122】
【化31】

実施例5の化合物について先述した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例10の化合物0.030g(1等量;0.065mmol)を入れ、2mlのCHClおよび2mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.021gの橙〜褐色の固体を回収する(収率=95%)。
【実施例21】
【0123】
2−メチル−3−(グリシニル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0124】
【化32】

実施例5の化合物について記載した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例11の化合物0.030g(1等量;0.084mmol)を入れ、2mlのCHClおよび2mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.022gの橙〜褐色の固体を回収する(収率=89%)。
【実施例22】
【0125】
2−メチル−3−(L−アラニニル−アミノエチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0126】
【化33】

実施例5の化合物について記載した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例12の化合物0.030g(1等量;0.077mmol)を入れ、2mlのCHClおよび2mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.023gの橙〜褐色の固体を回収する(収率=92%)。
【実施例23】
【0127】
2−メチル−3−(L−セリニル−アミノエチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0128】
【化34】

実施例5の化合物について記載した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例13の化合物0.030g(1等量;0.077mmol)を入れ、2mlのCHClおよび2mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.023gの橙〜褐色の固体を回収する(収率=92%)。
【実施例24】
【0129】
2−メチル−3−(D−バリニル−アミノエチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0130】
【化35】

実施例5の化合物について記載した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例14の化合物0.030g(1等量;0.077mmol)を入れ、2mlのCHClおよび2mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥により、0.023gの褐色の固体を回収する(収率=91%)。
【実施例25】
【0131】
2−メチル−3−(L−トレオニニル−メチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0132】
【化36】

実施例5の化合物について記載した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例15の化合物0.030g(1等量;0.077mmol)を入れ、2mlのCHClおよび2mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.020gの褐色の固体を回収する(収率=89%)。
【実施例26】
【0133】
2−メチル−3−(グリシニル−アミノエチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0134】
【化37】

実施例5の化合物について記載した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例16の化合物0.030g(1等量;0.077mmol)を入れ、2mlのCHClおよび2mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.021gの橙色の固体を回収する(収率=84%)。
【実施例27】
【0135】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−D−トリプトファニル−アミノエチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0136】
【化38】

実施例7の化合物について記載したカップリング手順に従って、0.116gのBoc−D−TrpOH(1.2等量;0.38mmol)、0.189gのHBTU(1.5等量;0.50mmol)、0.054gのHOBt(1.2等量;0.40mmol)、3mlのCHClおよび0.30mlのDIEAを使用する。その後、実施例5の化合物0.100gを添加し、生成物の洗浄およびAcOEt:シクロヘキサン(20:80)を用いたクロマトグラフィ・カラムでの精製の後に、0.109gの橙色の固体を得る(収率=70%)。
【実施例28】
【0137】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トレオニニル(OBn)−アミノエチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0138】
【化39】

実施例7の化合物について記載したカップリング手順に従って、0.118gのBoc−L−Thr(Bn)OH(1.27等量;0.38mmol)、0.180gのHBTU(1.6等量;0.47mmol)、0.052gのHOBt(1.3等量;0.38mmol)、3mlのCHClおよび0.28mlのDIEAを使用する。活性化は窒素下で2時間実施する。その後、実施例6の化合物0.100gを添加し、生成物の洗浄およびAcOEt:シクロヘキサン(20:80)を用いたクロマトグラフィ・カラムでの精製の後に、0.070gの橙色の固体を得る(収率=45%)。
【実施例29】
【0139】
2−メチル−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−D−チロシニル(OBn)−アミノエチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0140】
【化40】

実施例7の化合物について記載したカップリング手順に従って、0.141gのBoc−D−Tyr(Bn)OH(1.20等量;0.38mmol)、0.189gのHBTU(1.57等量;0.50mmol)、0.054gのHOBt(1.26等量;0.40mmol)、3mlのCHClおよび0.30mlのDIEAを使用する。活性化は窒素下で2時間実施する。その後、実施例6の化合物0.100gを添加し、生成物の洗浄およびAcOEt:シクロヘキサン(20:80)を用いたクロマトグラフィ・カラムでの精製の後に、0.065gの橙色の固体を得る(収率=37%)。
【実施例30】
【0141】
2−メチル−3−(D−チロシニル(OBn)−アミノメチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0142】
【化41】

実施例5の化合物について先述した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例29の化合物0.060g(1等量;0.110mmol)を入れ、1mlのCHClおよび1mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.050gの橙色がかった固体を回収する(収率=92%)。
【実施例31】
【0143】
2−メチル−3−(D−トリプトファニル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0144】
【化42】

実施例5の化合物について先述した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例27の化合物0.104g(1等量;0.213mmol)を入れ、1mlのCHClおよび1mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.084gの橙色がかった固体を回収する(収率=93%)。
【実施例32】
【0145】
2−メチル−3−(トレオニニル−アミノエチル)−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0146】
【化43】

実施例5の化合物について先述した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例28の化合物0.065g(1等量;0.128mmol)を入れ、0.5mlのCHClおよび0.5mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.051gの橙色がかった固体を回収する(収率=90%)。
【実施例33】
【0147】
O−トリクロロエトキシカルボニル−プルンバゴンの合成
【0148】
【化44】

0.25mlのピリジン(3等量、3.100mmol)を、5mlのCHCl中0.200gのプルンバゴン(1等量;1.060mmol)の溶液に、アルゴン下0℃にて一滴ずつ添加する。当初は橙色の混合物を10分間撹拌すると褐色になる。0.18mlのクロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル(1.25等量、1.300mmol)を添加すると、暗橙色の混合物が急速に濁った黄色になる。2時間後、混合物をHOで希釈し、AcOEtで抽出し、MgSOで脱水し、セライトでろ過し、減圧下で濃縮する。0.338gの生成物を、浅黄色の結晶の形態で得る(収率=87%)。
【実施例34】
【0149】
3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノエチル)−O−トリクロロエトキシカルボニル−プルンバゴンの合成
【0150】
【化45】

実施例33の化合物1.100g(1等量;0.28mmol)が入った10mlのフラスコ中に、0.156gのBoc−βAla(アルドリッチ社)(3等量;0.84mmol)および0.014gのAgNO(0.3等量;0.082mmol)を入れる。CHCN:水(2:1)混合物、すなわち2.0mlのCHCNおよび1.0mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。1.5mlのCHCN:HO混合物中に溶解した0.082gの(NH(1.3等量;0.360mmol)の添加を2時間かけて行う。その後、反応中間物を65℃で1時間撹拌し続け、次にCHClで3回抽出を行い、有機相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、次いで蒸発させる。生成物を、溶離剤としてAcOEt:シクロヘキサン(10:90)を用いてクロマトグラフィ・カラムで精製し、0.044gの橙色の油状物を回収する(収率=31%)。
【実施例35】
【0151】
3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノエチル)−プルンバゴンの合成
【0152】
【化46】

0.200gのプルンバゴン(アルドリッチ社)(1等量;1.06mmol)が入った10mlのフラスコ中に、0.603gのBoc−βAla(アルドリッチ社)(3等量;3.19mmol)および0.054gのAgNO(0.3等量;0.32mmol)を入れる。CHCN:水(2:1)混合物、すなわち2.0mlのCHCNおよび1.0mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。1.5mlのCHCN:HO混合物中に溶解した0.315gの(NH(1.3等量;1.38mmol)の添加を2時間かけて行う。その後、反応中間物を65℃で1時間撹拌し続け、次にCHClで3回抽出を行い、有機相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、次いで蒸発させる。生成物を、溶離剤としてAcOEt:シクロヘキサン(0:100〜20:80)を用いてクロマトグラフィ・カラムで精製し、0.153gの橙色の油状物を回収する(収率=43%)。
【実施例36】
【0153】
3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノエチル)−O−アセチル−プルンバゴンの合成
【0154】
【化47】

10mlのフラスコ中で、実施例35の化合物0.183g(1等量;0.55mmol)を5.5mlのCHClにアルゴン下で溶解する。0.3mlのEtN(3.9等量、2.16mmol)を添加し、この混合物を室温で10分間撹拌する。0.2mlの塩化アセチル(5等量;2.80mmol)を0℃でゆっくり加え、この混合物を室温で3時間撹拌する。反応中間物を塩水で洗浄し、次いでCHClで抽出する。集め合わせた有機相をMgSOで脱水し、セライトでろ過し、低圧下で濃縮する。0.194gの生成物が、褐色の固体の形態として得られる(収率=94%)。
【実施例37】
【0155】
3−アミノエチル−O−アセチル−プルンバゴン塩酸塩の合成
【0156】
【化48】

実施例5の化合物について記載した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例36の化合物0.190g(1等量;0.509mmol)を入れ、2mlのCHClおよび2mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.113gの褐色の固体を回収する(収率=83%)。
【0157】
上記に実施例1〜26の一連の化合物について記載された合成的変換と同様であり、かつ本明細書を読めば当業者には明白となる適切な合成的変換の後に、この中間体は、適切なアミノ酸とのカップリングにより、Zがアミド結合を介してX基に連結されている式Iの化合物を生じることができる。得られる化合物は例えば、前述の中間体がαアミノ酸とカップリングされる場合、下式:
【0158】
【化49】

(Rはアミノ酸の側鎖を示す)に従うことになろう。
【実施例38】
【0159】
2−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−アミノエチル)−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンおよび3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−アミノエチル)−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの合成
【0160】
【化50】

0.348gのユグロン(アルドリッチ社)(1等量;2.00mmol)が入った25mlのフラスコ中に、1.135gのBoc−βAla(アルドリッチ社)(3等量;6.00mmol)および0.102gのAgNO(0.3等量;0.66mmol)を入れる。CHCN:水(2:1)混合物、すなわち5.0mlのCHCNおよび2.5mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。3.0mlのCHCN:HO混合物中に溶解した0.593gの(NH(1.3等量;2.60mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次にCHClで3回抽出し、有機相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、次いで蒸発させる。生成物を、CHCl溶離剤を用いてクロマトグラフィ・カラムによって精製し、2つの位置異性体の3:1の比の混合物0.123gを、橙色の油状物の形態で回収する(収率=19%)。上記実施例1〜26で一連の化合物について記載した合成的変換と同様であり、本明細書を読めば当業者には明白となる適切な合成的変換の後に、この中間体は、適切なアミノ酸とのカップリングにより、Zがアミド結合を介してX基に連結されている式Iの化合物を生じることができる。得られる化合物は例えば、前述の中間体がαアミノ酸とカップリングされる場合、下式:
【0161】
【化51】

(Rはアミノ酸の側鎖を示す)に従うことになろう。
【実施例39】
【0162】
2,3−ビス−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−アミノエチル)−5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの合成
【0163】
【化52】

実施例38の化合物の混合物0.100g(1等量;0.315mmol)が入った5mlのフラスコ中に、0.179gのBoc−βAla(アルドリッチ社)(3等量;0.95mmol)および0.016gのAgNO(0.3等量;0.095mmol)を入れる。CHCN:水(2:1)混合物、すなわち1.0mlのCHCNおよび0.5mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。1.0mlのCHCN:HO混合物に溶解した0.094gの(NH(1.3等量;0.41mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次にCHClで3回抽出し、有機相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、次いで蒸発させる。生成物を、CHCl溶離剤を用いてクロマトグラフィ・カラムによって精製し、橙色の油状物0.067g(収率=46%)を回収する。
【実施例40】
【0164】
2−メチル−(N’−アセチル−1’−メチル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0165】
【化53】

0.200gのメナジオン(1等量:1.16mmol)が入った10mlのフラスコに、0.456gのN−Ac−D,L−A1a(アルドリッチ社)(3等量;3.48mmol)および0.059gのAgNO(0.3等量;0.035mmol)を入れる。CHCN:水(2:1)混合物、すなわち3.0mlのCHCNおよび1.5mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。1.0mlのCHCN:HO混合物に溶解した0.344gの(NH(1.3等量;0.51mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次にCHClで3回抽出し、有機相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、次いで蒸発させる。生成物を、溶離剤としてCHOH:CHCl(0:100〜5:95)を用いてクロマトグラフィ・カラムで精製し、0.048gの橙色の油状物を回収する(収率=17%)。
【0166】
上記実施例1〜26で一連の化合物について記載した合成的変換と同様の、本明細書を読めば当業者には明白となる適切な合成的変換の後に、この中間体は、適切なアミノ酸とのカップリングにより、Zがアミド結合を介してX基に連結されている式Iの化合物を生じることができる。得られる化合物は例えば、前述の中間体がαアミノ酸とカップリングされる場合、下式:
【0167】
【化54】

(Rはアミノ酸の側鎖を示す)に従うことになろう。
【実施例41】
【0168】
2−メチル−(N’−アセチル−1’−ベンジル−アミノメチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0169】
【化55】

0.200gのメナジオン(1等量:1.16mmol)が入った10mlのフラスコに、0.722gのN−Ac−L−Phe(アルドリッチ社)(3等量;3.48mmol)および0.065gのAgNO(0.3等量;0.038mmol)を入れる。CHCN:水(2:1)混合物、すなわち3.0mlのCHCNおよび1.5mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。3.0mlのCHCN:HO混合物に溶解した0.375gの(NH(1.3等量;1.64mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次にCHClで3回抽出し、有機相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、次いで蒸発させる。生成物を、溶離剤としてCHOH:CHCl(0:100〜5:95)を用いてクロマトグラフィ・カラムで精製し、橙色の油状物0.387gを回収する(収率=22%)。
【0170】
上記実施例1〜26で一連の化合物について記載した合成的変換と同様の、本明細書を読めば当業者には明白となる適切な合成的変換の後に、この中間体は、適切なアミノ酸とのカップリングにより、Zがアミド結合を介してX基に連結されている式Iの化合物を生じることができる。得られる化合物は例えば、前述の中間体がαアミノ酸とカップリングされる場合、下式:
【0171】
【化56】

(Rはアミノ酸の側鎖を示す)に従うことになろう。
【実施例42】
【0172】
2−メチル−1,4−ナフトキノン−3−プロパン酸メチルの合成
【0173】
【化57】

1.000gのメナジオン(アルドリッチ社)(1等量;5.81mmol)が入った100mlのフラスコに、コハク酸のメチルモノエステル2.300g(アルドリッチ社)(3等量;17.40mmol)および0.300gのAgNO(0.3等量;1.80mmol)を入れる。CHCN:水(2:1)混合物、すなわち30.0mlのCHCNおよび15.0mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。30.0mlのCHCN:HO混合物に溶解した1.730gの(NH(1.3等量;7.60mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次にCHClで3回抽出し、有機相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、次いで蒸発させる。生成物を、溶離剤のCHOH:CHCl(0:100〜5:95)を用いてクロマトグラフィ・カラムで精製し、橙色の油状物0.875gを回収する(収率=58%)。
【実施例43】
【0174】
3−プロパン酸メチル−1,4−ナフトキノンの合成
【0175】
【化58】

0.097gの1,4−ナフトキノン(アクロス社)(1等量;0.61mmol)が入った10mlのフラスコに、コハク酸のメチルモノエステル0.242g(アルドリッチ社)(3等量;1.83mmol)および0.031gのAgNO(0.3等量;0.18mmol)を入れる。CHCN:水(2:1)混合物、すなわち3.0mlのCHCNおよび1.5mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。3.0mlのCHCN:HO混合物に溶解した0.181gの(NH(1.3等量;0.79mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次にCHClで3回抽出し、有機相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、次いで蒸発させる。生成物を、溶離剤のCHOH:CHCl(0:100〜5:95の勾配)を用いてクロマトグラフィ・カラムで精製し、橙色の油状物0.042gを回収する(収率=28%)。
【実施例44】
【0176】
2−メチル−3−プロパノイル−1,4−ナフトキノンの合成
【0177】
【化59】

5mlのフラスコ中に、実施例42の化合物0.120g(1等量;0.46mmol)を量りとる。1M HCl水溶液0.5ml(1.1等量;0.5mmol)を添加する。この反応中間物を室温で一晩撹拌する。CHClを添加し、CHClにより水相を抽出した後、集め合わせた有機相をMgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮する。生成物を、溶離剤としてCHOH:CHCl(0:100〜10:90の勾配)を用いてクロマトグラフィ・カラムで精製し、黄色の油状物0.053gを回収する(収率=46%)。
【実施例45】
【0178】
3−プロパノイル−1,4−ナフトキノンの合成
【0179】
【化60】

5mlのフラスコ中に、実施例43の化合物0.120g(1等量;0.49mmol)を量りとる。1M HCl水溶液0.55ml(1.1等量;0.55mmol)を添加する。この反応中間物を室温で一晩撹拌する。CHClを添加し、CHClにより水相を抽出した後、集め合わせた有機相をMgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮する。生成物を、溶離剤としてCHOH:CHCl(0:100〜10:90の勾配)を用いてクロマトグラフィ・カラムで精製し、黄色の油状物0.048gを回収する(収率=42%)。
【0180】
本明細書を読めば当業者には明白となる適切な合成的変換の後に、実施例44および45の中間体は、適切なアミノ酸とのカップリングにより、Zがレトロインベルソ型アミド結合を介してX基に連結されている式Iの化合物を生じることができる。得られる化合物は例えば、前述の中間体がαアミノ酸とカップリングされる場合、下式:
【0181】
【化61】

(Rはアミノ酸の側鎖を示す)に従うことになろう。
【実施例46】
【0182】
2−メチル−3−プロパノール1,4−ナフトキノンの合成
【0183】
【化62】

10mlのフラスコ中に、実施例42の化合物0.100g(1等量;0.39mmol)を量りとり、5mlのエタノールに溶解する。0.100gの水素化ホウ素ナトリウム(6.7等量;2.6mmol)を0℃で添加し、混合物を撹拌して7時間還流する。反応中間物を室温に冷却してから10mlの氷冷水中に注ぎ、次いで1%硫酸水溶液で酸性化し、CHClで抽出する。集め合わせた有機相をNaSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮する。0.043gの生成物が、浅黄色の油状物の形態で得られる(収率=48%)。
【実施例47】
【0184】
3−プロパノール1,4−ナフトキノンの合成
【0185】
【化63】

10mlのフラスコ中に、実施例43の化合物0.100g(1等量;0.41mmol)を量りとり、5mlのエタノールに溶解する。0.100gの水素化ホウ素ナトリウム(6.7等量;2.6mmol)を0℃で添加し、混合物を撹拌して7時間還流する。反応中間物を室温に冷却してから10mlの氷冷水中に注ぎ、次いで1%硫酸水溶液で酸性化し、CHClで抽出する。集め合わせた有機相をNaSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮する。0.040gの生成物が、浅黄色の油状物の形態で得られる(収率=45%)。
【0186】
本明細書を読めば当業者には明白となるであろう適切な合成的変換の後に、実施例46および47の中間体は、適切なアミノ酸とのカップリングにより、Zがエステル結合を介してX基に連結されている式Iの化合物を生じることができる。得られる化合物は例えば、前述の中間体がαアミノ酸とカップリングされる場合、下式:
【0187】
【化64】

(Rはアミノ酸の側鎖を示す)に従うことになろう。
【実施例48】
【0188】
3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノメチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0189】
【化65】

100mlのフラスコ中に、0.950gの1,4−ナフトキノン(1等量、6.0mmol)、3.150g(3等量、18.0mmol)のBoc−Gly(アルドリッチ社)、および0.306gのAgNO(0.3等量;1.8mmol)を量りとる。アセトニトリル:水(比7:3)混合物、すなわち30.0mlのCHCNおよび15.0mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。15mlのCHCN:HO混合物に溶解した1.78gの(NH)S(1.3等量;7.8mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次いでCHClで3回抽出し、エ−テル化相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。生成物を、溶離剤としてCHOH:CHCl(0:100〜5:95)を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、0.812gの橙色の油状物を得る(収率=47%)。
【実施例49】
【0190】
3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノエチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0191】
【化66】

100mlのフラスコ中に、0.950gの1,4−ナフトキノン(1等量、6.0mmol)、3.410g(3等量、18.0mmol)のBoc−βAla(アルドリッチ社)、および0.306gのAgNO(0.3等量;1.8mmol)を量りとる。アセトニトリル:水(比7:3)混合物、すなわち30.0mlのCHCNおよび15.0mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。15mlのCHCN:HO混合物に溶解した1.78gの(NH)S(1.3等量;7.8mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次いでCHClで3回抽出し、エ−テル化相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。生成物を、溶離剤としてCHOH:CHCl(0:100〜5:95)を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、0.488gの橙色の油状物を得る(収率=27%)。
【実施例50】
【0192】
2,3−ビス−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノメチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0193】
【化67】

方法A:
100mlのフラスコに、0.475gの1,4−ナフトキノン(1等量、3.0mmol)、1.580gのBoc−Gly(3等量、9.0mmol)(アルドリッチ社)、および0.153gのAgNO(0.3等量;0.9mmol)を量りとる。アセトニトリル:水(比7:3)混合物、すなわち20.0mlのCHCNおよび10.0mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。15mlのCHCN:HO混合物に溶解した0.890gの(NH)S(1.3等量;3.9mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次いでCHClで3回抽出し、エ−テル化相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。生成物を、溶離剤としてAcOEt:シクロヘキサン(0:100〜30:70)を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、0.240gの橙色の油状物を得る(収率=19%)。
【0194】
方法B;
25mlのフラスコに、実施例48の化合物0.300g(1等量;1.04mmol)、0.549g(3等量;3.13mmol)のBoc−Gly(アルドリッチ社)、および0.053gのAgNO(0.3等量;0.31mmol)を量りとる。アセトニトリル:水(比7:3)混合物、すなわち7.0mlのCHCNおよび3.0mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。5mlのCHCN:HO混合物に溶解した0.310gの(NH)S(1.3等量;1.36mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次いでCHClで3回抽出し、エ−テル化相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。生成物を、溶離剤としてAcOEt:シクロヘキサン(0:100〜30:70)を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、0.292gの橙色の油状物を得る(収率=67%)。
【実施例51】
【0195】
2−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノメチル)−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノエチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0196】
【化68】

25mlのフラスコに、実施例48の化合物0.287g(1等量;1.0mmol)、0.568g(3等量;3.0mmol)のBoc−βAla(アルドリッチ社)、および0.051gのAgNO(0.3等量;0.30mmol)を量りとる。アセトニトリル:水(比7:3)混合物、すなわち5.0mlのCHCNおよび2.5mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。4.5mlのCHCN:HO混合物に溶解した0.297gの(NH)S(1.3等量;1.30mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次いでCHClで3回抽出し、エ−テル化相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。生成物を、溶離剤としてAcOEt:シクロヘキサン(10:90〜70:30)を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、0.330gの橙色の油状物を得る(収率=76%)。
【実施例52】
【0197】
2,3−ビス−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノエチル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0198】
【化69】

方法A:
100mlのフラスコ中に、0.475gの1,4−ナフトキノン(1等量、3.0mmol)、1.703g(3等量、9.0mmol)のBoc−βAla(アルドリッチ社)、および0.153gのAgNO(0.3等量;0.9mmol)を量りとる。アセトニトリル:水(比7:3)混合物、すなわち20.0mlのCHCNおよび10.0mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。15mlのCHCN:HO混合物に溶解した0.890gの(NH)S(1.3等量;3.9mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次いでCHClで3回抽出し、エ−テル化相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。生成物を、溶離剤としてAcOEt:シクロヘキサン(0:100〜30:70)を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、0.160gの橙色の油状物を得る(収率=12%)。
【0199】
方法B:
25mlのフラスコに、実施例49の化合物0.300g(1等量;0.99mmol)、0.565g(3等量;2.99mmol)のBoc−βAla(アルドリッチ社)、および0.051gのAgNO(0.3等量;0.30mmol)を量りとる。アセトニトリル:水(比7:3)混合物、すなわち7.0mlのCHCNおよび3.0mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。5mlのCHCN:HO混合物に溶解した0.295gの(NH)S(1.3等量;1.29mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次いでCHClで3回抽出し、エ−テル化相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。生成物を、溶離剤としてAcOEt:シクロヘキサン(0:100〜30:70)を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、0.208gの橙色の油状物を得る(収率=47%)。
【実施例53】
【0200】
2−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−3−アミノプロピル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0201】
【化70】

50mlのフラスコ中に、0.545gの1,4−ナフトキノン(1等量、3.45mmol)、2.10gのN−Boc−4−アミノ酪酸(3等量、10.3mmol)、および0.176gのAgNO(0.3等量;1.04mmol)を量りとる。アセトニトリル:水(比7:3)混合物、すなわち16.0mlのCHCNおよび8.0mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。12.0mlのCHCN:HO混合物に溶解した1.020gの(NH)S(1.3等量;4.47mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次いでCHClで3回抽出し、エ−テル化相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。生成物を、溶離剤としてAcOEt:シクロヘキサン(10:90〜70:30)を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、0.142gの橙色の油状物を得る(収率=13%)。
【実施例54】
【0202】
2−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−2−アミノメチル)−3−(N’−tert−ブチルオキシカルボニル−3−アミノプロピル)−1,4−ナフトキノンの合成
【0203】
【化71】

10mlのフラスコに、実施例53の化合物0.071g(1等量;0.23mmol)、0.128g(3等量;0.68mmol)のBoc−βAla(アルドリッチ社)、および0.012gのAgNO(0.3等量;0.071mmol)を量りとる。アセトニトリル:水(比7:3)混合物、すなわち2.0mlのCHCNおよび1.0mlのHOを添加し、混合物の温度を65℃に上昇させる。1.5mlのCHCN:HO混合物に溶解した0.067gの(NH)S(1.3等量;0.29mmol)を、2時間かけて添加する。その後、反応中間物を65℃で1時間持続的に撹拌し、次いでCHClで3回抽出し、エ−テル化相をHOで1回だけ洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、蒸発させる。生成物を、溶離剤としてAcOEt:シクロヘキサン(10:90〜70:30)を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、0.045gの橙色の油状物を得る(収率=43%)。
【実施例55】
【0204】
2−アミノメチル−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0205】
【化72】

実施例5の化合物について先述した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例48の化合物0.100g(1等量;0.348mmol)を入れ、1mlのCHClおよび1mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.074gの橙色がかった固体を回収する(収率=94%)。
【実施例56】
【0206】
2−アミノエチル−1,4−ナフトキノン塩酸塩の合成
【0207】
【化73】

実施例5の化合物について先述した操作手順に従って、10mlのフラスコ中に実施例49の化合物0.100g(1等量;0.332mmol)を入れ、1mlのCHClおよび1mlのTFAを(氷浴中で)添加する。蒸発させる間に、中間物をトルエン中に数回溶解し、次いで得られた褐色の固体をEtO中の1M HCl溶液中に30分間置く。溶媒を蒸発させ、このエ−テル中塩酸溶液を用いた操作を2回繰り返す。蒸発および乾燥の後、0.073gの橙色がかった固体を回収する(収率=92%)。
【実施例57】
【0208】
スルホンアミドの合成
【0209】
【化74】

スルホンアミド結合は、アミドとアイソステリックであるため興味深い。
【0210】
上記に例証するように、スルホンアミド結合の形成は、塩化スルホニルと反応してスルホンアミドをもたらすことが可能な、実施例5−6または55−56の化合物のような末端アミンの形態(またはアンモニウム塩の形態)に官能化されたナフトキノンを使用して達成することができる。
【0211】
さらに、ナフトキノンが実施例46−47のように、またはアミン基により官能化されることになる、逆向きの結合を想定することも可能である。このチオールを酸化してスルホン酸をもたらし、次いでこのスルホン酸を活性化して塩化スルファニドの形態にしてから適切な官能化アミンと反応させることができる。
【実施例58】
【0212】
レトロインベルソ型アミド結合およびエステルの合成
【0213】
【化75】

アミド結合のアイソスタ−の中では、レトロインベルソ型結合は同じ官能基を含んでおり、したがって依然として従来のアミドに非常に類似している。
【0214】
ナフトキノン化合物を(実施例44または45のように)カルボン酸の形態に官能化し、このカルボン酸を実施例7に記載の手順に従って活性化し、次いで適切に官能化されたアミン、またはカルボン酸基が保護されたアミノ酸と結合させて、レトロインベルソ型アミドをもたらすことができる。例えば、このアミノ酸がアラニンである場合、上記反応式においてRはCH−COGP(GPはカルボン酸基の保護基)であり、アミド結合は実施例7の化合物に対して逆向きである。
【0215】
実施例44または45の化合物から、上述の同じ手順に従って、活性化したカルボン酸を、アルコール基を含んでなる化合物と反応させることにより、エステルを作製することが可能である。ROHは、SerまたはThrのようなアミノ酸(アミン基およびカルボン酸基は保護されることになる)の側鎖でもよいし、あるいはRがCH−NHGPタイプ、したがって予め還元されたアミノ酸誘導体であってもよい。
【0216】
さらに、実施例46または47のような化合物から、先述のようなROHアルコール(Rはアミノ酸誘導体(あるいは他のもの)でよい)を使用して、式:ナフトキノン−スペ−サ−O−(CO)−O−Rに従う炭酸エステルを作製することも可能である。
【0217】
上述の方法に従ってチオエステル結合およびチオアミド結合を作製することも考えられる。
【実施例59】
【0218】
チオアミドおよびチオエステルの合成
【0219】
【化76】

上記に例証するように、チオアミド結合の形成は、五硫化硫黄の存在下でアミド結合(またはレトロインベルソ型アミド)を変換することによって達成することができる。さらに、他の方法に従って、例えば適切に置換したアミン(例えば、カルボン酸基および側鎖が保護されたアミノ酸)の存在下でチオアルデヒドを生成することにより、上記と同じタイプの結合を得ることも可能である。
【0220】
【化77】

同じ方法に従って、またはチオ尿素の存在下でエステル結合の変換を想定することも可能である。しかしながらこの場合にも多数の異なる手順が存在し、例えば適切に置換したアルコール(例えばアミノ酸誘導体でよい)と、アミン基(例えばニトロ化された芳香族)が前記アルコールによって置き換えられることになる最初の基の代わりとなるチオアミドとの反応がある。
【0221】
上記実施例において例証した化合物の調製を可能にする様々な化学的変換は、本願の文章を読めば、また一般的な有機化学、より具体的には合成変換の分野において当業者が利用可能なすべての知見に照らせば、当業者には明らかになるものであり、前記知見は、多数の参考資料、例えば
1.“Advanced Organic Chemistry−Reactions,Mechanisms and Structure”,Jerry March,John Wiley and Sons,5th edition,2001;
2.“Comprehensive Organic Transformations,A Guide to Functional Group Preparations”,Richard C Larock,VCH Publishers,2nd edition,1999;
3.“Benzotriazole−Assisted Thioacylation”,Katritzky,A R;Witek,R M;Rodriguez−Garcia,V;Mohapatra,P P;Rogers,J W;Cusido,J;Abdel−Fattah,A A A;Steel,P J.,J Org.Chem.,2005 20(70):7866−7881.、である。
【実施例60】
【0222】
生物学的試験
活性(sub−G1)についての生物学的試験はアポトーシスの測定に関係するものである。この目的については、蛍光トレ−サであるDNAインターカレータによりDNAの断片化を示すことが可能である。このDNAの断片化は、細胞におけるアポトーシス現象の誘導に起因する。細胞を、様々な濃度の上記化合物の存在下でインキュベートする。細胞におけるアポトーシスの測定を蛍光の測定によりモニタすることで、化合物の活性をマイクロモル濃度(μM)で決定することが可能となる。特定の化合物に関する活性試験(sub−G1)を以下に示す。
【0223】
【表1】

この生物学的試験は、式(I)に従う化合物(表中の1、2、3、4)がアポトーシス促進活性を有することを示している。
【実施例61】
【0224】
生物学的試験
活性は、アポトーシスの測定と細胞の増殖の測定とを組み合わせることにより、多重フローサイトメトリー試験によって測定される。細胞の増殖は、細胞分裂時に特定の蛍光トレ−サが希釈されることをモニタすることにより測定される:
− 細胞を、数種類の濃度の化合物の存在下でインキュベートし、次に;
− アポトーシスおよび細胞の増殖の測定を、フローサイトメトリー技術によって同時に行い;アポトーシスおよび細胞増殖に対する化合物の作用に関する、試料用量/応答曲線を得る。このように、アポトーシス現象および細胞増殖に対する化合物の作用を実証すること、ならびに化合物の活性をマイクロモル濃度(μM)で決定することが可能となる。
【0225】
特定の化合物の活性の測定値を以下に示す。
【0226】
【表2】

これらの生物学的試験は、式(I)に従う化合物(表中の5、6、7、8)がアポトーシス促進活性および抗増殖活性を有することを明白に示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬としての下式(I)
【化1】

の、単離化合物またはその薬学的に許容可能な塩のうちの1つであって、上記式中、
Aは、−O−、−S−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合で連結されるような化学基であり、
− R1は、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;C1−18アルキル、C2−18アルケン、または2−18アルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;ニトロ基;あるいは−X’−A’−Z’基であって、前記式中;
(i)X’は、二価の基、特にC1−18アルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し、
(ii)A’は、−O−、−S−、−NY’−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合によって連結されるような化学基であり、Y’は水素原子または保護基を表し、かつ
(iii)Z’は、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Z’の末端の(すなわち、X’とは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Z’は、アミド結合、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZ’アミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZ’の末端アルデヒド基もしくはアルコール基とX’とのカップリングから生じる結合によってX’基に連結され;
− R2、R3、R4およびR5は互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;または、ニトロ基を表すか;
あるいは、R2およびR3、R3およびR4、またはR4およびR5のうち少なくともいずれかが一緒になって、場合により置換された環式または複素環式化合物を形成し、
− Xは、二価の基、特にC1−18アルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し、
− Zは、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、Xとは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Zは、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZアミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZの末端アルデヒド基もしくはアルコール基とXとのカップリングから生じる結合によってX基に連結され;
あるいは、Aは−NY−であり;かつ
(a)
− R1は、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;C1−18アルキル、C2−18アルケンまたはC2−18アルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;ニトロ基;あるいは−X’−A’−Z’基を表し、前記式中;
(i)X’は、二価の基、特にC1−18アルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し、
(ii)A’は、−O−、−S−、−NY’−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合によって連結されるような化学基であり、Y’は水素原子または保護基を表し、かつ
(iii)Z’は、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Z’の末端の(すなわち、X’とは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Z’は、アミド結合、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZ’アミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZ’の末端のアルデヒド基もしくはアルコール基とX’とのカップリングから生じる結合によってX’基に連結され;
− R3、R4およびR5は互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;またはニトロ基を表し;
− R2は、R1、R3、R4およびR5とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;置換された水酸基;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;またはニトロ基を表すか;
あるいは、R2およびR3、R3およびR4、またはR4およびR5のうち少なくともいずれかが一緒になって、場合により置換された環式または複素環式化合物を形成し、
− Xは、二価の基、特にC1−18アルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し、
− Yは、水素原子または保護基を表し、かつ
− Zは、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、Xとは連結されていない)アミン基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Zはアミド結合によってX基に連結され;
(b)
− R1は、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;C1−18アルキル、C2−18アルケン、またはC2−18アルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;ニトロ基;あるいは−X’−A’−Z’基を表し、前記式中;
(i)X’は、二価の基、特にC1−18アルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し、
(ii)A’は、−O−、−S−、−NY’−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合によって連結されるような化学基であり、Y’は水素原子または保護基を表し、かつ
(iii)Z’は、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、X’とは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Z’は、アミド結合、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZ’アミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZ’の末端のアルデヒド基もしくはアルコール基とX’とのカップリングから生じる結合によってX’基に連結され;
− R3、R4およびR5は互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;またはニトロ基を表し;
− R2は水酸基を表し;
あるいは、R3およびR4、またはR4およびR5のうち少なくともいずれかが一緒になって、場合により置換された環式または複素環式化合物を形成し、
− Xは、二価の基、特にC1−18アルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキンから選択され、直鎖状もしくは環状であり、非置換であり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し、
− Yは、水素原子または保護基を表し、かつ
− Zは、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、Xとは連結されていない)アミン基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Zはアミド結合によってX基に連結され;
あるいは:
(c)
− R1は、ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;C1−18アルキル、C2−18アルケン、またはC2−18アルキン基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;ニトロ基;あるいは−X’−A’−Z’基を表し、前記式中;
(i)X’は、二価の基、特にC1−18アルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、キラルもしくは非キラルであり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し、
(ii)A’は、−O−、−S−、−NY’−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合によって連結されるような化学基であり、Y’は水素原子または保護基を表し、かつ
(iii)Z’は、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、X’とは連結されていない)アミンもしくはカルボキシル基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Z’は、アミド結合、レトロインベルソ型アミド結合、エステル結合、またはスルホンアミド結合、チオエステル結合もしくはチオアミド結合、またはアミド結合についてバイオアイソステリックな結合であってZ’アミノ酸残基の末端カルボキシル基の還元から生じるZ’の末端のアルデヒド基もしくはアルコール基とX’とのカップリングから生じる結合によってX’基に連結され;
− R2は水酸基を表し;
− R3、R4およびR5は互いに独立に、水素原子;ハロゲン原子;場合により置換された水酸基;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;C6−10アリールC1−6アルキルまたはC1−6アルキルC6−10アリール基であって、場合により、特に1以上のアミノ、カルボン酸、カルボン酸誘導体、C1−18アルコキシ、C6−10アリールもしくは水酸基によって置換されたもの;または、ニトロ基を表すか;
あるいは、R3およびR4、またはR4およびR5のうち少なくともいずれかが一緒になって、場合により置換された環式または複素環式化合物を形成し、
− Xは、二価の基、特にC1−18アルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキンから選択され、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状であり、置換されているかもしくは非置換であり、場合によりヘテロ原子が挿入された基を表し、
− Yは、水素原子または保護基を表し、かつ
− Zは、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、β、もしくはγアミノ酸残基を表し、Zの末端の(すなわち、Xとは連結されていない)アミン基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Zはアミド結合によってX基に連結され;
特に、上記の(a)、(b)および(c)に記載の化合物について、また式(I)の化合物であってAが−O−、−S−、−SO−、−C(=S)−、−CO−、またはZ’およびX’がアミド基についてバイオアイソステリックな結合で連結されるような化学基であるものについては、XおよびX’は互いに独立に1以上の化学基によって置換される場合があり、該化学基は例えば、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C2−6アルケン;C2−6アルキン;C3−8シクロアルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C5−20複素環;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはC1−18アルキル、C1−18ヘテロアルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されているもの;またはC6−10アリール、C6−10ヘテロアリール、C5−10複素環式化合物、C1−6アルキルC6−10アリールもしくはC1−6アルキルC6−10ヘテロアリール基であって、該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基は場合により置換されているものであり;あるいは、Gが−NRG2−を表す場合、窒素原子に結合し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2は、場合により置換された複素環式化合物またはヘテロアリールを形成する、化合物。
【請求項2】
下式(II):
【化2】

に従う化合物であるかまたはその薬学的に許容可能な塩のうちの1つであって、上記式中、
− R1は、水素原子、1〜6個の炭素原子を含んでなるアルキル基、または−(CHn1−NY’−Z’基を表し、
− n1は、1〜12、特に1〜6、さらには1〜5、とりわけ1〜2の整数を表し、
− YおよびY’は互いに独立に、水素原子または保護基を表し、かつ
ZおよびZ’は互いに独立に、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、βもしくはγアミノ酸残基を表し、ZおよびZ’の末端の(すなわち、−NY−または−NY’−に連結されていない)アミン基ならびに任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、ZおよびZ’はアミド結合によってそれぞれ−NY−または−NY’−に連結され;
− Xは−(CH−基を表し、nは、1〜12、特に1〜6、さらには1〜5、とりわけ1〜2の整数を表し、
− R5は、水素原子、ハロゲン原子または場合により置換された水酸基を表す、
ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(II)に従い、式中のR1は、1〜6個の炭素原子、特に1〜4個の炭素原子、とりわけ1〜2個の炭素原子を含んでなるアルキル基を表すか、またはメチル基であることを特徴とする、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式(II)に従い、式中のR1はメチル基を表し、R5は水素原子または水酸基を表すことを特徴とする、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
式(II)に従い、式中のR1は水素原子を表すことを特徴とする、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
式(II)に従い、式中のR1は水素原子を表し、R5は水酸基を表すことを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
式(II)に従い、式中のR1は−(CHn1−NY’−COCHRNH基を表し、
− −COCHRNHは、D型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基を表し、Rは前記アミノ酸残基の側鎖を表し、
− n1は、1〜5、特に1〜2の整数を表し、
− Y’は水素原子または保護基である、
ことを特徴とする請求項2に記載の化合物。
【請求項8】
式(II)に従い、式中のR1は−(CHn1−NY’−COCHRNH基を表し、R5は水酸基を表すことを特徴とする、請求項2に記載の化合物。
【請求項9】
下式
(i)
【化3】

(式中、nは1〜12、特に2〜8の整数であり、Zは特にD型またはL型、天然または合成のアミノ酸残基、特にα、βまたはγアミノ酸残基であり、Zの末端の(すなわち、−NH−に連結されていない)アミン基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、Zはアミド結合を介して−NH−に連結される);
(ii)
【化4】

(式中、Zは上記に定義したとおりであり;pおよびqは互いに独立に、0〜12、特に0〜7の整数であり;R1は請求項2において定義したとおりであり;Rは、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはC1−18アルキル、C1−18ヘテロアルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されたもの;またはC6−10アリール、C6−10ヘテロアリール、C5−10複素環式化合物、C1−6アルキルC6−10アリールもしくはC1−6アルキルC6−10ヘテロアリール基であって、該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基は場合により置換されたものであるか、あるいはGが−NRG2−を表す場合、窒素原子に結合し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2は、場合により置換された複素環式化合物またはヘテロアリールを形成する);
(iii)
【化5】

(式中、Zは上記に定義したとおりであり;pおよびqは互いに独立に、0〜12、特に0〜7の整数であり;ただしR1が水素原子である場合は、pおよびqは互いに独立に、1〜12、特に1〜7の整数であり;R1は請求項2において定義したとおりであり;Rは、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはC1−18アルキル、C1−18ヘテロアルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されたもの;またはC6−10アリール、C6−10ヘテロアリール、C5−10複素環式化合物、C1−6アルキルC6−10アリールもしくはC1−6アルキルC6−10ヘテロアリール基であって、該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基は場合により置換されたものであるか、あるいはGが−NRG2−を表す場合、窒素原子に結合し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2は、場合により置換された複素環式化合物またはヘテロアリールを形成する);
(iv)
【化6】

(式中、Zは上記に定義したとおりであり;pおよびqは互いに独立に、0〜12、特に0〜7の整数であり;Rは、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはC1−18アルキル、C1−18ヘテロアルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されたもの;またはC6−10アリール、C6−10ヘテロアリール、C5−10複素環式化合物、C1−6アルキルC6−10アリールもしくはC1−6アルキルC6−10ヘテロアリール基であって、該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基は場合により置換されたものであるか、あるいはGが−NRG2−を表す場合、窒素原子に結合し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2は、場合により置換された複素環式化合物またはヘテロアリールを形成する);
(v)
【化7】

(式中、Zは上記に定義したとおりであり;pおよびqは互いに独立に、1〜12、特に1〜7の整数であり;Rは、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはC1−18アルキル、C1−18ヘテロアルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されたもの;またはC6−10アリール、C6−10ヘテロアリール、C5−10複素環式化合物、C1−6アルキルC6−10アリールもしくはC1−6アルキルC6−10ヘテロアリール基であって、該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基は場合により置換されたものであるか、あるいはGが−NRG2−を表す場合、窒素原子に結合し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2は、場合により置換された複素環式化合物またはヘテロアリールを形成する);
(vi)
【化8】

(式中、Zは上記に定義したとおりであり;pおよびqは互いに独立に、0〜12、特に0〜7の整数であり;Rは、天然アミノ酸の側鎖;C1−6アルキル;C1−6ヘテロアルキル;C1−6ハロアルキル;C6−10アリール;C3−10ヘテロアリール;C1−6アルキルC6−10アリール;C1−6アルキルC3−10ヘテロアリール;C1−6アルコキシ;C6−10アリールオキシ;C3−10ヘテロアルコキシ;C3−10ヘテロアリールオキシ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C6−10アリールチオ;C1−6ヘテロアルキルチオ;C3−10ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl、−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCHまたは−GRG1基であり、Gは、−O−、−S−、−NRG2−、−C(=O)−、−S(=O)−、−SO−、−C(=O)O−、−C(=O)NRG2−、−OC(=O)−、−NRG2C(=O)−、−OC(=O)O−、−OC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)O−、−NRG2C(=O)NRG2−、−C(=S)−、−C(=S)S−、−SC(=S)−、−SC(=S)S−、−C(=NRG2)−、−C(=NRG2)O−、−C(=NRG2)NRG3−、−OC(=NRG2)−、−NRG2C(=NRG3)−、−NRG2SO−、−NRG2SONRG3−、−NRG2C(=S)−、−SC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)S−、−NRG2C(=S)NRG2−、−SC(=NRG2)−、−C(=S)NRG2−、−OC(=S)NRG2−、−NRG2C(=S)O−、−SC(=O)NRG2−、−NRG2C(=O)S−、−C(=O)S−、−SC(=O)−、−SC(=O)S−、−C(=S)O−、−OC(=S)−、−OC(=S)O−または−SONRG2−であって、ここでRG1、RG2およびRG3はそれぞれ、別のRG1の存在とは独立に、水素原子;ハロゲン原子;またはC1−18アルキル、C1−18ヘテロアルキル、C2−18アルケンもしくはC2−18アルキン基であって直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状で、場合により置換されたもの;またはC6−10アリール、C6−10ヘテロアリール、C5−10複素環式化合物、C1−6アルキルC6−10アリールもしくはC1−6アルキルC6−10ヘテロアリール基であって、該アリール、ヘテロアリールもしくは複素環基は場合により置換されたものであるか、あるいはGが−NRG2−を表す場合、窒素原子に結合し該窒素原子を共有しているRG1およびRG2は、場合により置換された複素環式化合物またはヘテロアリールを形成する);
(vii)
【化9】

(式中、nおよびn1は互いに独立に、1〜12、特に1〜5の整数であり;かつZおよびZ’は互いに独立に、特にD型もしくはL型の、天然もしくは合成のアミノ酸残基、特にα、βもしくはγアミノ酸残基であり、Z/Z’の末端の(すなわち、−NH−に連結されていない)アミン基および任意の側鎖化学基は保護されているかまたは非保護であり、ZおよびZ’はアミド結合によって−NH−基に連結されている)
のうちの1つに従う、請求項2に記載の化合物。
【請求項10】
医薬として許容可能な担体中に、活性成分として、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも1つ含んでなることを特徴とする医薬組成物。
【請求項11】
細胞の異常増殖を伴う少なくとも1つの疾患、特にがん、特に、膵臓がん、口腔咽頭がん、胃がん、食道がん、結腸直腸がん、脳腫瘍、特にグリオ−マ、卵巣がん、肝臓がん、腎臓がん、喉頭がん、甲状腺がん、肺がん、骨がん、多発性骨髄腫、中皮腫および黒色腫、皮膚がん、乳がん、前立腺がん、膀胱がん、子宮がん、精巣がん、非ホジキンリンパ腫、白血病、ホジキン病および軟部組織がん、ならびに前述のがんの転移性の二次部位から選択されるがんの予防または治療を意図した医薬組成物の調製における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも1つ含んでなることを特徴とする、アポトーシス促進性または抗増殖性のうち少なくともいずれかである組成物。
【請求項13】
アポトーシス促進剤または抗増殖剤のうち少なくともいずれかとしての、請求項1〜9のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物の使用。

【公表番号】特表2009−534449(P2009−534449A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507113(P2009−507113)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【国際出願番号】PCT/FR2007/000703
【国際公開番号】WO2007/125196
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(508315280)
【氏名又は名称原語表記】FLUOFARMA
【出願人】(506424209)ユニベルシテ ドゥ ボルドー アン (3)
【出願人】(505045610)サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ スィヤンティフィック(セーエヌエルエス) (41)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE(CNRS)
【Fターム(参考)】