説明

11−β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型インヒビターとしての4−ピペリジルベンズアミド

一般式 (I) の化合物の新規なクラス、治療における前記化合物を含んでなる医薬組成物の使用、ならびに薬剤を製造するためのそれらの使用を記載する。本発明の化合物は11β-ヒドロキシ-ステロイドデヒドロゲナーゼ1型 (11βHSD1) の活性をモジュレートし、したがってこのようなモジュレーションが有益である疾患、例えば、代謝症候群の治療において有効である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な置換アミド、療法におけるそれらの使用、前記化合物を含んでなる医薬組成物、薬剤の製造における前記化合物の使用、および前記化合物の投与を含んでなる治療法に関する。本発明の化合物は11β-ヒドロキシ-ステロイドデヒドロゲナーゼ1型 (11βHSD1) の活性をモジュレートし、したがってこのようなモジュレーションが有益である疾患、例えば、代謝症候群の治療において有効である。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
代謝症候群は主要な世界的な健康の問題である。米国において、成人の集団における罹患率は現在ほぼ25%であると推定され、そしてそれは米国および世界の両方において増加し続けている。代謝症候群は心臓血管系の疾患の病的状態および致死性に導くインスリン抵抗性、異脂肪血症、肥満症および高血圧症により特徴づけられる。代謝症候群を有する人々は進展する明白な2型糖尿病の危険が増加しており、その罹患率は等しく増大している。
【0003】
2型糖尿病において、肥満症および異脂肪血症もまた高度に優勢であり、そして2型糖尿病を有する人々の約70%はさらに高血圧症を有し、再び心臓血管系の疾患の致死性の増加に導く。
臨床的設定において、グルココルチコイドは代謝症候群および2型糖尿病の心臓の特徴のすべてを誘導できることが長い間知られている。
【0004】
11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型 (11βHSD1) はいくつかの組織および器官、例えば、主として肝臓および脂肪組織、しかしまた、例えば、骨格筋、骨、膵臓、内皮、眼の組織および中枢神経系のある部分における活性グルココルチコイドの局所的発生を触媒する。こうして、11βHSD1は、それが発現される組織および器官におけるグルココルチコイド作用の局所的レギュレーターとして働く (Tannin 他、J. Biol. Chem. 266、16653 (1991); Bujalska 他、Endocrinology 140、3188 (1999); Whorwood 他、J. Clin. Endocrinol. Metab. 86、2296 (2001); Cooper 他、Bone 27、375 (2000); Davani 他、J. Biol. Chem. 275、34841 (2000); Brem 他、Hypertension 31、459 (1998); Rauz 他、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 42、2037 (2001); Moisan 他、Endocrinology 127、1450 (1990)) 。
【0005】
代謝症候群および2型糖尿病における11βHSD1の役割は、いくつかの証拠により支持される。ヒトにおいて、非特異的11βHSD1インヒビターであるカルベノキソロンを使用する治療は、やせている健康なボランディアおよび2型糖尿病を有する人々におけるインスリンの感受性を改良する。同様に、11βHSD1ノックアウトマウスは、肥満症およびストレスにより誘発されるインスリン抵抗性に抵抗する。さらに、ノックアウトマウスはVLDLトリグリセリドの減少およびHDLコレステロールの増加の抗アテローム発生脂質プロファイルを提示する。
【0006】
逆に、脂肪細胞において11βHSD1を過剰発現するマウスはインスリン抵抗性、高脂血症および内臓肥満症、すなわち、ヒト代謝症候群に類似する表現型を発生する (Andrews 他、J. Clin. Endocrinol. Metab. 88、285 (2003); Walker 他、J. Clin. Endocrinol. Metab. 80、3155 (1955); Morton 他、J. Biol. Chem. 276、41293 (2001); Kotelevtsev 他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94、14924 (1997); Masuzaki 他、Science 294、2166 (2001)) 。
【0007】
11βHSD1のモジュレーション、これによる活性グルココルチコイドの細胞内レベルのモジュレーションのより機械的面は、いくつかの齧歯類モデルおよび異なる細胞系において研究されてきている。11βHSD1はグルコース新生における速度制限酵素、すなわち、ホスホエノールピウベートカルボキナーゼおよびグルコース-6-ホスファターゼの肝臓発現を増加し、前脂肪細胞の脂肪細胞への分化を促進し、こうして肥満症を促進し、肝臓VLDL分泌を直接的および間接的に刺激し、肝臓LDLの摂取を減少し、そして脈管収縮を増加させることによって代謝症候群の特徴を促進する (Kotelevtsev 他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94、14924 (1997); Morton 他、J. Biol. Chem. 276、41293 (2001); Bujalska 他、Endocrinology 140、3188 (1999); Souness 他、Steroids 67、195 (2002); Brindley & Salter、Prog. Lipid Res. 30、349 (1991)) 。
【0008】
WO 01/90090、WO 01/90091、WO 01/90092、WO 01/90093およびWO 01/90094には、ヒト11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型酵素のインヒビターとして種々のチアゾール-スルホアミドが開示されており、そしてさらに前記化合物は糖尿病、肥満症、緑内症、オステオポローシス、認識障害、免疫病および鬱病の治療において有効であることが述べられている。WO 04/089470には、ヒト11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型酵素のインヒビターとして種々の置換アミドが開示されており、そしてさらに前記化合物は活性グルココルチコイドの細胞内濃度の減少が望ましい医学的障害の治療において有効であることが述べられている。WO 2004/089415およびWO 2004/08946には、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型インヒビターおよびそれぞれグルココルチコイドレセプターアゴニストおよび抗高血圧症剤を使用する種々の組合わせ療法が開示されている。
【0009】
11βHSD1の活性をモジュレートして活性グルココルチコイドの細胞内濃度の変更に導く新規な置換アミドを我々は今回発見した。さらに詳しくは、本発明の化合物は11βHSD1の活性を阻害して活性グルココルチコイドの細胞内濃度の減少に導く。こうして、本発明の化合物は、活性グルココルチコイドのレベルの減少が望ましい障害、例えば、代謝症候群、2型糖尿病、障害されたグルコース耐性 (IGT)、障害された空腹時グルコース (IFG) 、異脂肪血症、肥満症、高血圧症、糖尿病性遅発合併症、心臓血管疾患、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、筋障害、筋肉消耗、オステオポローシス、神経変性および神経医学的障害、およびグルココルチコイドレセプターアゴニストを使用する治療または療法の副作用を治療するために使用できる。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、11βHSD1の活性をモジュレートする化合物、医薬組成物および前記化合物の使用を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
下記の構造式においておよび明細書を通じて、下記の用語は示した意味を有する:
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
用語「ヒドロキシ」は、基-OHを意味する。
用語「スルファニル」は、基-S-を意味する。
用語「スルホ」は、基HO3S-を意味する。
用語「スルホニル」は、基-S(=O)2-を意味する。
用語「オキソ」は、基=Oを意味する。
用語「アミノ」は、基-NH2を意味する。
用語「ニトロ」は、基-NO2を意味する。
用語「シアノ」は、基-CNを意味する。
用語「カルボキシ」は、基-(C=O)OHを意味する。
【0012】
用語「パーハロメチル」は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル、トリクロロメチルおよびその他を包含するが、これらに限定されない。
用語「トリハロメチル」は、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチルおよびトリヨードメチルを包含する。
用語「トリハロメトキシ」は、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリブロモメトキシおよびトリヨードメトキシを包含する。
【0013】
用語「アルキル」は、本明細書において使用するとき、示した数の炭素原子を有する飽和、分枝鎖状または直鎖状炭化水素基、例えば、C1-C2アルキル、C1-C3アルキル、C1-C4アルキル、C1-C5アルキル、C2-C6アルキル、C3-C6アルキル、C1-C8アルキル、C1-C10アルキルおよびその他を表す。代表例は次の通りである: メチル、エチル、プロピル (例えば、プロプ-1-イル、プロプ-2-イル (またはイソプロピル)) 、ブチル (例えば、2-メチルプロプ-2-イル (またはt-ブチル) 、ブト-1-イル、ブト-2-イル) 、ペンチル (例えば、ペント-1-イル、ペント-2-イル、ペント-3-イル) 、2-メチルブト-1-イル、3-メチルブト-1-イル、ヘキシル (例えば、ヘキシ-1-イル) 、ヘプチル (例えば、ヘプト-1-イル) 、オクチル (例えば、オクト-1-イル) 、ノニル (例えば、ノン-1-イル) およびその他。
【0014】
用語「C1-C6アルキル」は、本明細書において使用するとき、1〜6個の炭素原子を有する飽和、分枝鎖状または直鎖状炭化水素基、例えば、C1-C2アルキル、C1-C3アルキル、C1-C4アルキル、C1-C6アルキル、C2-C6アルキル、C3-C6アルキルおよびその他を表す。代表例は次の通りである: メチル、エチル、プロピル (例えば、プロプ-1-イル、プロプ-2-イル (またはイソプロピル)) 、ブチル (例えば、2-メチルプロプ-2-イル (またはt-ブチル) 、ブト-1-イル、ブト-2-イル) 、ペンチル (例えば、ペント-1-イル、ペント-2-イル、ペント-3-イル) 、2-メチルブト-1-イル、3-メチルブト-1-イル、ヘキシル (例えば、ヘキシ-1-イル) およびその他。用語「C1-C4アルキル」は、本明細書において使用するとき、1〜4個の炭素原子を有する飽和、分枝鎖状または直鎖状炭化水素基、例えば、C1-C2アルキル、C1-C3アルキル、C1-C4アルキルおよびその他を表す。代表例は次の通りである: メチル、エチル、プロピル (例えば、プロプ-1-イル、プロプ-2-イル (またはイソプロピル)) 、ブチル (例えば、2-メチルプロプ-2-イル (またはt-ブチル) 、ブト-1-イル、ブト-2-イル) およびその他。
【0015】
用語「アルケニル」は、特定した数の炭素原子を有するC2-C6直鎖状不飽和脂肪族炭化水素基および特定した数の炭素原子を有する分枝鎖状C3-C6不飽和脂肪族炭化水素基を包含する。例えば、この定義は下記を包含するが、これらに限定されない: エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、メチルプロペニル、メチルブテニルおよびその他。
【0016】
用語「アルキニル」は、特定した数の炭素原子を有するC2-C6直鎖状不飽和脂肪族炭化水素基および特定した数の炭素原子を有する分枝鎖状C4-C6不飽和脂肪族炭化水素基を包含する。例えば、この定義は下記を包含するが、これらに限定されない: エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルブチニルおよびその他。
【0017】
用語「飽和または部分的飽和環式、二環式環または三環式環系」は下記を表すが、これらに限定されない: アゼパニル、アゾカニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノキサリニル、インドリニル、6-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、2-アザ-ビシクロ[4.1.1]オクタン、2-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタニル、7-アザ-ビシクロ[4.1.1]オクタニル、9-アザ-ビシクロ[3.3.2]デカニル、4-アザ-トリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカニル、9-アザ-トリシクロ[4.3.1.13,7]デカニルおよび8-アザ-スピロ[4,5]デカン。
【0018】
用語「シクロアルキル」は、本明細書において使用するとき、特定した数の炭素原子を有する飽和一環式炭素環式環、例えば、C3-C6アルキル、C3-C8アルキル、C3-C10アルキルおよびその他を表す。代表例は次の通りである: シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびその他。また、シクロアルキルは4〜10個の炭素原子を有する飽和二環式炭素環式環系を表すことを意図する。代表例はデカヒドロナフタレニル、ビシクロ[3.3.0]オクタニルおよびその他である。また、シクロアルキルは3〜10個の炭素原子を有し、1つまたは2つの炭素架橋を含有する飽和炭素環式環を表すことを意図する。代表例はアダマンチル、ノルボルナニル、ノルトリシクリル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、トリシクロ[5.2.1.0/2,6]デカニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルおよびその他である。また、シクロアルキルは3〜10個の炭素原子を有しかつ1または2以上のスピロ原子を含有する飽和炭素環式環を表すことを意図する。代表例はスピロ[2.5]オクタニル、スピロ[4.5]デカニルおよびその他である。
【0019】
用語「シクロアルキルアルキル」(例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、アダマンチルメチルおよびその他) は、示した数の炭素原子を有するアルキル基または上において定義した置換アルキル基を通して結合したシクロアルキル基を表す。
【0020】
用語「シクロアルケニル」(例えば、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル、シクロデセニルおよびその他) は、特定した数の炭素原子を有する部分的飽和一炭素環式、二炭素環式、三炭素環式またはスピロ炭素環式基を表す。
【0021】
用語「シクロアルキルカルボニル」(例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル) は、カルボニル基を通して結合した示した数の炭素原子を有するシクロアルキル基を表す。
【0022】
用語「ヘトシクロアルキルカルボニル」(例えば、1-ピペリジン-4-イル-カルボニル、1-(1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル-6-イル)カルボニル) は、カルボニル基を通して結合した示した数の炭素原子を有する上に定義したヘトシクロアルキル基を表す。
【0023】
用語「ヘトシクロアルキル」(例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジン、ピリダジンおよびその他) は、特定した数の炭素原子を有しかつ窒素、酸素、硫黄、SOまたはSO2から選択される1つまたは2つの追加の異種原子または基を含有する飽和一炭素環式、二炭素環式、三炭素環式またはスピロ炭素環式基を表す。
【0024】
用語「ヘトシクロアルキルアルキル」(例えば、テトラヒドロフラニルメチル、テトラヒドロピラニルエチル、テトラヒドロチオピラニルメチルおよびその他) は、示した数の炭素原子を有するアルキル基または上に定義した置換アルキル基を通して結合した上に定義したヘトシクロアルキル基を表す。
【0025】
用語「アルキルオキシ」(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、アリルオキシ、シクロヘキシルオキシ) は、酸素架橋を通して結合した示した数の炭素原子を有する上に定義したアルキル基を表す。
用語「アルキルオキシアルキル」(例えば、メチルオキシメチルおよびその他) は、「アルキル」基を通して結合した上に定義したアルキルオキシ基を表す。
【0026】
用語「アリールオキシ」(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシおよびその他) は、酸素架橋を通して結合した下に定義するアリール基を表す。
用語「ヘトアリールオキシ」(例えば、2-ピリジルオキシおよびその他) は、酸素架橋を通して結合した下に定義するアリール基を表す。
【0027】
用語「アリールオキシアルキル」(例えば、フェノキシメチル、ナフチルオキシエチルおよびその他) は、示した数の炭素原子を有する「アルキル」基を通して結合した上に定義したアリールオキシ基を表す。
用語「アリールアルキルオキシ」(例えば、フェネチルオキシ、ナフチルメチルオキシおよびその他) は、酸素架橋を通して結合した下に定義するアリールアルキル基を表す。
【0028】
用語「ヘトアリールアルキルオキシ」(例えば、2-ピリジルメチルオキシおよびその他) は、酸素架橋を通して結合した下に定義するヘトアリールアルキル基を表す。
用語「ヘトアリールアルキルオキシアルキル」(例えば、4-メトキシメチル-ピリジン、4-メトキシメチル-キノリンおよびその他) は、示した数の炭素原子を有する「アルキル」基を通して結合した上に定義したヘトアリールアルキルオキシ基を表す。
【0029】
用語「アリールアルキルオキシアルキル」(例えば、エトキシメチル-ベンゼン、2-メトキシメチル-ナフタレンおよびその他) は、示した数の炭素原子を有する「アルキル」基を通して結合した上に定義したアリールアルキルオキシ基を表す。
用語「アルキルチオ」(例えば、メチルチオ、エチルチオおよびその他) は、硫黄架橋を通して結合した上に定義したアルキル基を表す。
【0030】
用語「アルキルオキシカルボニル」(例えば、メチルホルミアト、エチルホルミアトおよびその他) は、カルボニル基を通して結合した上に定義したアルキルオキシ基を表す。
用語「アリールオキシカルボニル」(例えば、フェニルホルミアト、2-チアゾリルホルミアトおよびその他) は、カルボニル基を通して結合した上に定義したアリールオキシ基を表す。
【0031】
用語「アリールアルキルオキシカルボニル」(例えば、ベンジルホルミアト、フェニルエチルホルミアトおよびその他) は、カルボニル基を通して結合した上に定義した「アリールアルキルオキシ」基を表す。
用語「アリールアルキル」(例えば、ベンジル、フェニルエチル、3-フェニルプロピル、1-ナフチルメチル、2-(1-ナフチル)エチルおよびその他) は、示した数の炭素原子を有するアルキル基または上に定義した置換アルキル基を通して結合した下に定義するアリール基を表す。
【0032】
用語「ヘトアリールアルキル」(例えば、(2-フリル)メチル、(3-フリル)メチル、(2-チエニル)メチル、(3-チエニル)メチル、(2-ピリジル)メチル、1-メチル-1-(2-ピリミジル)エチルおよびその他) は、示した数の炭素原子を有するアルキル基または上に定義した置換アルキル基を通して結合した下に定義するヘトリール基を表す。
【0033】
用語「アルキルカルボニル」は、本明細書において使用するとき、カルボニル基を通して結合した示した数の炭素原子を有するアルキル基を意味する。代表例は次の通りである: アセチル(メチルカルボニル) 、プロピオニル(エチルカルボニル) 、ブタノイル(プロプ-1-イルカルボニル、プロプ-2-イルカルボニル) 、ペンチルカルボニル、3-ヘキセニルカルボニル、オクチルカルボニルおよびその他。
【0034】
用語「アリールカルボニル」(例えば、ベンゾイル) は、カルボニル基を通して結合した下に定義するアリール基を表す。
用語「ヘトアリールカルボニル」(例えば、2-チオフェニルカルボニル、3-メトキシ-アントリルカルボニル、オキサゾリルカルボニルおよびその他) は、カルボニル基を通して結合した下に定義するヘトアリール基を表す。
【0035】
用語「アルキルカルボニルアルキル」(例えば、プロパン-2-オン、4,4-ジメチル-ペンタン-2-オンおよびその他) は、示した数の炭素原子を有する上に定義したアルキル基を通して結合した上に定義したアルキルカルボニル基を表す。
用語「ヘトアリールカルボニルアルキル」(例えば、1-ピリジン-2-イル-プロパン-1-オン、1-(1-H-イミダゾル-2-イル)-プロパン-1-オンおよびその他) は、示した数の炭素原子を有する上に定義したアルキル基を通して結合した上に定義したヘトアリールカルボニル基を表す。
【0036】
用語「アリールカルボニル」(例えば、フェニルプロピルカルボニル、フェニルエチルカルボニルおよびその他) は、カルボニル基を通して結合した示した数の炭素原子を有する上に定義したアリールアルキル基を表す。
用語「ヘトアリールカルボニル」(例えば、イミダゾリルペンチルカルボニルおよびその他) は上に定義したヘトアリールアルキル基を表し、ここでアルキル基は引き続いてカルボニルを通して結合している。
【0037】
用語「アルキルカルボキシ」(例えば、ヘプチルカルボキシ、シクロプロピルカルボキシ、3-ペンチルカルボキシ) は上に定義したアルキルカルボニル基を表し、ここでカルボニルは引き続いて酸素架橋を通して結合している。
用語「アリールカルボキシ」(例えば、安息香酸およびその他) は上に定義したアリールカルボニル基を表し、ここでカルボニルは引き続いて酸素架橋を通して結合している。
【0038】
用語「アリールカルボキシアルキル」(例えば、ヘプチルカルボキシメチル、プロピルカルボキシt-ブチル、3-ペンチルカルボキシエチル) は上に定義したアルキルカルボキシ基を表し、ここでカルボキシ基は引き続いて示した数の炭素原子を有する上に定義したアルキル基を通して結合している。
【0039】
用語「アリールアルキルカルボキシ」(例えば、ベンジルカルボキシ、フェニルプロピルカルボキシおよびその他) は上に定義したアリールアルキルカルボニル基を表し、ここでカルボニルは引き続いて酸素架橋を通して結合している。
用語「ヘトアリールアルキルカルボキシ」(例えば、(1-H-イミダゾル-2-イル)-酢酸、3-ピリミジン-2-イルプロピオン酸およびその他) は上に定義したヘトアリールアルキルカルボニル基を表し、ここでカルボニルは引き続いて酸素架橋を通して結合している。
【0040】
用語「アルキルS(O)n」(例えば、エチルスルホニル、エチルスルフィニルおよびその他) は上に定義したアルキル基を表し、ここで硫黄は引き続いてn酸素原子で置換されている。
用語「アリールS(O)n」(例えば、フェニルスルフィニル、ナフチル-2-スルホニルおよびその他) は上に定義したアリール基を表し、ここでアリール基は引き続いて硫黄架橋を通して結合しており、ここで硫黄は引き続いてn酸素原子で置換されている。
【0041】
用語「アリールアルキルS(O)n」(例えば、ベンジルスルフィニル、フェネチル-2-スルホニルおよびその他) は上に定義したアリールアルキル基を表し、ここでアリールアルキル基は引き続いて硫黄架橋を通して結合しており、ここで硫黄は引き続いてn酸素原子で置換されている。
【0042】
用語「架橋」は、本明細書において使用するとき、炭素、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の原子の連鎖を通して隣接しない飽和または部分的飽和環の2つの原子間のこのような環中の接続を表す。このような接続連鎖の代表例は次の通りである: -CH2-、-CH2-CH2-、-CH2NHCH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2OCH2-およびその他。本発明の1つの態様において、接続連鎖は-CH2-、-CH2-CH2-または-CH2OCH2-から選択される。
【0043】
用語「スピロ原子」は、本明細書において使用するとき、炭素、窒素、酸素および硫黄から選択される3〜7個の原子の連鎖の両端を接続する飽和または部分的飽和環中の炭素原子を表す。代表例は次の通りである: -(CH2)5-、-(CH2)3-、-(CH2)4、-CH2NHCH2CH2-、-CH2CH2NHCH2CH2-、-CH2NHCH2CH2CH2-、-CH2CH2OCH2-、-OCH2CH2O-およびその他。
【0044】
用語「アリール」は、一環式、二環式または多環式炭素環式芳香族環を包含することを意図する。代表例は次の通りである: フェニル、ナフチル (例えば、ナフト-1-イル、ナフト-2-イル) 、アントリル (例えば、アントル-1-イル、アントル-9-イル) 、フェナントリル (例えば、フェナントル-1-イル、フェナントル-9-イル) およびその他。また、アリールは、炭素環式芳香族環で置換された一環式、二環式または多環式炭素環式芳香族環を包含することを意図する。
【0045】
代表例は次の通りである: ビフェニル (例えば、ビフェニル-2-イル、ビフェニル-3-イル、ビフェニル-4-イル) 、フェニルナフチル (例えば、1-フェニルナフト-2-イル、2-フェニルナフト-1-イル) およびその他。また、アリールは、少なくとも1つの不飽和部分 (例えば、ベンゾ部分) を有する部分的飽和二環式または多環式炭素環式環を包含することを意図する。
【0046】
代表例は次の通りである: インダニル (例えば、インダン-1-イル、インダン-5-イル) 、インデニル (例えば、インデン-1-イル、インデン-5-イル) 、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル (例えば、1,2,3,4-テトラヒドロナフト-1-イル、1,2,3,4-テトラヒドロナフト-2-イル、1,2,3,4-テトラヒドロナフト-6-イル) 、1,2-ジヒドロナフチル (例えば、1,2-ジヒドロナフト-1-イル、1,2-ジヒドロナフト-4イル、1,2-ジヒドロナフト-6-イル) 、フルオレニル (例えば、フルオレン-1-イル、フルオレン-4-イル、フルオレン-9-イル) およびその他。
【0047】
また、アリールは1つまたは2つの架橋を含有する部分的飽和二環式または多環式炭素環式芳香族環を包含することを意図する。代表例は次の通りである: ベンゾノルボルニル (例えば、ベンゾノルボルン-3-イル、ベンゾノルボルン-6-イル) 、1,4-エタノ-1,2,3,4-テトラヒドロナフチル (例えば、1,4-エタノ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-2-イル、1,4-エタノ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-10-イル) およびその他。また、アリールは1または2以上のスピロ原子を含有する部分的飽和二環式または多環式炭素環式芳香族環を包含することを意図する。
【0048】
代表例は次の通りである: スピロ[シクロペンタン-1,1’-インダン]-4-イル、スピロ[シクロペンタン-1,1’-インデン]-4-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-インダン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-3,2’-インダン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,2’-インダン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-インダン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-3,2’-インデン]-1-イル、スピロ[ピロリジン-3,1’-(3’,4’-ジヒドロナフタレン)]-1-イル、スピロ[ピペリジン-3,1’-(3’,4’-ジヒドロナフタレン)]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-(3’,4’-ジヒドロナフタレン)]-1-イル、スピロ[イミダゾリジン-4,2’-インダン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-インデン]-1-イルおよびその他。
【0049】
用語「ヘトアリール」または「ヘテロアリール」は、本明細書において使用するとき、窒素、酸素、硫黄、SOまたはS(=O)2から選択される1または2以上の異種原子を含有する一環式複素環式芳香族環を包含することを意図する。代表例は次の通りである: ピロリル (例えば、ピロル-1-イル、ピロル-2-イル、ピロル-3-イル) 、フラニル (例えば、フラン-2-イル、フラン-3-イル) 、チエニル (例えば、チエン-2-イル、チエン-3イル) 、オキサゾリル (例えば、オキサゾル-2-イル、オキサゾル-4-イル、オキサゾル-5-イル) 、チアゾリル (例えば、チアゾル-2-イル、チアゾル-4-イル、チアゾル-5-イル) 、イミダゾリル (例えば、イミダゾル-2-イル、イミダゾル-4-イル、イミダゾル-5-イル) 、ピラゾリル (例えば、ピラゾル-1-イル、ピラゾル-3-イル、ピラゾル-5-イル) 、イソオキサゾリル (例えば、イソオキサゾル-3-イル、イソオキサゾル-4-イル、イソオキサゾル-5-イル) 、イソチアゾリル (例えば、イソチアゾル-3-イル、イソチアゾル-4-イル、イソチアゾル-5-イル) 、1,2,3-トリアゾリル (例えば、1,2,3-トリアゾル-1-イル、1,2,3-トリアゾル-4-イル、1,2,3-トリアゾル-5-イル) 、
【0050】
1,2,4-トリアゾリル (例えば、1,2,4-トリアゾル-1-イル、1,2,4-トリアゾル-4-イル、1,2,4-トリアゾル-5-イル) 、1,2,3-オキサジアゾリル (例えば、1,2,3-オキサジアゾル-4-イル、1,2,3-オキサジアゾル-5-イル) 、1,2,4-オキサジアゾリル (例えば、1,2,4-オキサジアゾル-3-イル、1,2,4-オキサジアゾル-5-イル) 、1,2,5-オキサジアゾリル (例えば、1,2,5-オキサジアゾル-3-イル、1,2,5-オキサジアゾル-4-イル) 、1,3,4-オキサジアゾリル (例えば、1,3,4-オキサジアゾル-2-イル、1,3,4-オキサジアゾル-5-イル) 、1,2,3-チアジアゾリル (例えば、1,2,3-チアジアゾル-4-イル、1,2,3-チアジアゾル-5-イル) 、1,2,4-チアジアゾリル (例えば、1,2,4-チアジアゾル-3-イル、1,2,4-チアジアゾル-5-イル) 、1,2,5-チアジアゾリル (例えば、1,2,5-チアジアゾル-3-イル、1,2,5-チアジアゾル-4-イル) 、1,3,4-チアジアゾリル (例えば、1,3,4-チアジアゾル-2-イル、1,3,4-チアジアゾル-5-イル) 、テトラゾリル (例えば、テトラゾル-1-イル、テトラゾル-5-イル) 、ピラニル (例えば、ピラン-2-イル) 、ピリジニル (例えば、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル) 、ピリダジニル (例えば、ピリダジン-2-イル、ピリダジン-3-イル) 、ピリミジニル (例えば、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-3-イル) 、ピラジニル、1,2,3-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、チアジアニジニル、アゼピニル、アゼシニルおよびその他。また、ヘトアリールまたはヘテロアリールは窒素、酸素、硫黄、S(=O) またはS(=O)2から選択される1または2以上の異種原子を含有する二環式複素環式芳香族環を包含することを意図する。
【0051】
代表例は次の通りである: インドリル (例えば、インドル-1-イル、インドル-2-イル、インドル-3-イル、インドル-5-イル) 、イソインドリル、ベンゾフラニル (例えば、ベンゾ[b]フラン-2-イル、ベンゾ[b]フラン-3-イル、ベンゾ[b]フラン-5-イル、ベンゾ[c]フラン-2-イル、ベンゾ[c]フラン-3-イル、ベンゾ[c]フラン-5-イル) 、ベンゾチエニル (例えば、ベンゾ[b]チエン-2-イル、ベンゾ[b]チエン-3-イル、ベンゾ[b]チエン-5-イル、ベンゾ[c]チエン-2-イル、ベンゾ[c]チエン-3-イル、ベンゾ[c]チエン-5-イル) 、インダゾリル (例えば、インダゾル-1-イル、インダゾル-3-イル、インダゾル-5-イル) 、インドリジニル (例えば、インドリジン-1-イル、インドリジン-3-イル) 、ベンゾピラニル (例えば、ベンゾ[b]ピラン-3-イル、ベンゾ[b]ピラン-6-イル、ベンゾ[c]ピラン-1-イル、ベンゾ[c]ピラン-7-イル) 、ベンズイミダゾリル (例えば、ベンズイミダゾル-1-イル、ベンズイミダゾル-2-イル、ベンズイミダゾル-5-イル) 、ベンゾチアゾリル (例えば、ベンゾチアゾル-2-イル、ベンゾチアゾル-5-イル) 、ベンズイソチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサジニル、ベンゾトリアゾリル、ナフチリジニル (例えば、1,8-ナフチリジン-2-イル、1,7-ナフチリジン-2-イル、1,6-ナフチリジン-2-イル) 、フタラジニル (例えば、フタラジン-1-イル、フタラジン-5-イル)、プテリジニル、プリニル (例えば、プリン-2-イル、プリン-6-イル、プリン-7-イル、プリン-8-イル、プリン-9-イル) 、
【0052】
キナゾリニル (例えば、キナゾリン-2-イル、キナゾリン-4-イル、キナゾリン-6-イル) 、シンノリニル、キノリニル (例えば、キノリン-2-イル、キノリン-3-イル、キノリン-4-イル、キノリン-6-イル) 、イソキノリニル (例えば、イソキノリン-1-イル、イソキノリン-3-イル、イソキノリン-4-イル) 、キノキサリニル (例えば、キノキサリン-2-イル、キノキサリン-5-イル) 、ピロロピリジニル (例えば、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ピロロ[2,3-c]ピリジニル、ピロロ[3,2-c]ピリジニル) 、フロピリジニル (例えば、フロ[2,3-b]ピリジニル、フロ[2,3-c]ピリジニル、フロ[3,2-c]ピリジニル) 、チエノピリジニル (例えば、チエノ[2,3-b]ピリジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル、チエノ[3,2-c]ピリジニル) 、イミダゾピリジニル (例えば、イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、イミダゾ[4,5-c]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル 、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル) 、イミダゾピリミジニル (例えば、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、イミダゾ[3,4-a]ピリミジニル) 、ピラゾロピリジニル (例えば、ピラゾロ[3,4-b]ピリジニル、ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル) 、ピラゾロピリミジニル (例えば、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル) 、チアゾロピリジニル (例えば、チアゾロ[3,2-d]ピリジニル) 、チアゾロピリミジニル (例えば、チアゾロ[5,4-d]ピリミジニル) 、イミダゾチアゾリル (例えば、イミダゾ[2,1-b]チアゾリル) 、トリアゾロピリジニル (例えば、トリアゾロ[4,5-d]ピリジニル) 、トリアゾロピリミジニル (例えば、8-アザプリニル) およびその他。また、ヘトアリールまたはヘテロアリールは窒素、酸素、硫黄、S(=O) またはS(=O)2から選択される1または2以上の異種原子を含有する多環式複素環式芳香族環を包含することを意図する。
【0053】
代表例は次の通りである: カルバゾリル (例えば、カルバゾル-2-イル、カルバゾル-3-イル、カルバゾル-9-イル) 、フェノキサジニル (例えば、フェノキサジン-10-イル) 、フェナジニル (例えば、フェナジン-5-イル) 、アクリジニル (例えば、アクリジン-9-イル、アクリジン-10-イル) 、フェノチアジニル (例えば、フェノチアジン-10-イル) 、カルボリニル (例えば、ピリド[3,4-b]インドル-1-イル、ピリド[3,4-b]インドル-3-イル) 、フェナントロリニル (例えば、フェナントロリン-5-イル) およびその他。また、ヘトアリールまたはヘテロアリールは窒素、酸素、硫黄、S(=O) またはS(=O)2から選択される1または2以上の異種原子を含有する部分的飽和一環式、二環式または多環式複素環式環を包含することを意図する。
【0054】
代表例は次の通りである: ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル (例えば、4,5-ジヒドロイミダゾル-2-イル、4,5-ジヒドロイミダゾル-1-イル) 、インドリニル (例えば、2,3-ジヒドロインドル-1-イル、2,3-ジヒドロインドル-5-イル) 、ジヒドロベンゾフラニル (例えば、2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-4-イル) 、ジヒドロベンゾチエニル (例えば、2,3-ジヒドロベンゾ[b]チエン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[b]チエン-5-イル) 、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]フラン-5-イル、ジヒドロベンゾピラニル (例えば、3,4-ジヒドロベンゾ[b]ピラン-3-イル、3,4-ジヒドロベンゾ[b]ピラン-6-イル、3,4-ジヒドロベンゾ[c]ピラン-1-イル、3,4-ジヒドロベンゾ[c]ピラン-7-イル) 、オキサゾリニル (例えば、4,5-ジヒドロオキサゾル-2-イル、4,5-ジヒドロオキサゾル-4-イル、4,5-ジヒドロオキサゾル-5-イル) 、イソオキサゾリニル、オキサゼピニル、テトラヒドロインダゾリル (例えば、4,5,6,7-テトラヒドロインダゾル-1-イル、4,5,6,7-テトラヒドロインダゾル-3-イル、4,5,6,7-テトラヒドロインダゾル-4-イル、4,5,6,7-テトラヒドロインダゾル-6-イル) 、テトラヒドロベンズイミダゾリル (例えば、4,5,6,7-テトラヒドロベンズイミダゾル-1-イル、4,5,6,7-テトラヒドロベンズイミダゾル-5-イル) 、テトラヒドロイミダゾ[4,5-c]ピリジル (例えば、4,5,6,7-テトラヒドロイミダゾ[4,5-c]ピリド-1-イル、4,5,6,7-テトラヒドロイミダゾ[4,5-c]ピリド-5-イル、4,5,6,7-テトラヒドロイミダゾ[4,5-c]ピリド-6-イル) 、テトラヒドロキノリニル (例えば、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリニル) 、テトラヒドロイソキノリニル (例えば、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニル) 、テトラヒドロキノキサリニル (例えば、1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリニル、5.6.7.8-テトラヒドロキノキサリニル) およびその他。
【0055】
また、ヘトアリールまたはヘテロアリールは1または2以上のスピロ原子を含有する部分的飽和二環式または多環式複素環式環を包含することを意図する。代表例は次の通りである: スピロ[イソキノリン-3,1’-シクロヘキサン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-ベンゾ[c]チオフェン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-ベンゾ[c]フラン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,3’-ベンゾ[b]フラン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,3’-クマリン]-1-イルおよびその他。
【0056】
用語「一環式ヘトアリール」または「一環式ヘテロアリール」は、本明細書において使用するとき、上に定義した一環式複素環式芳香族環を包含することを意図する。
用語「二環式ヘトアリール」または「二環式ヘテロアリール」は、本明細書において使用するとき、上に定義した二環式複素環式芳香族環を包含することを意図する。
用語「R5オキシ」(例えば、MeC(O)O-、フェニルC (O)O-、ピリジンC (O)O-およびその他) は、酸素架橋を通して結合した上に定義したR5基を表す。
【0057】
用語「R14アルキルカルボニル」(例えば、2-シクロヘキシルオキシ-アセチル、3-(1-メチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-プロピオニルおよびその他) は、上に定義したアルキルカルボニル基を通して結合した上に定義したR14基を表す。
用語「R16カルボニル」(例えば、アセチル、3-フェニル-プロピオニル、フェニル-アセチル、2-(ピリジン-2-イルメトキシ)-アセチルおよびその他) は、カルボニル基を通して結合した上に定義したR16を表す。
【0058】
用語「R16カルボニルN(R12)」(例えば、3-フェニル-プロピオンアミド、フェニル-アセトアミド、2-(ピリジン-2-イルメトキシ)-アセトアミド、N-メチル-2-(ピリジン-2-イルメトキシ)-アセトアミド、ベンジル-2-(ピリジン-2-イルメトキシ)-アセトアミドおよびその他は、上に定義したR12で置換されたアミノ基を通して結合した上に定義したR16カルボニル基を表す。
【0059】
用語「NR12R13カルボニルアルキル」(例えば、N,N-ジメチル-プロピオンアミド、N-イソプロピル-N-メチル-プロピオンアミドおよびその他) は、上に定義したカルボニルアルキル基を通して結合したNR12R13基を表す。
用語「NR12R13アルキルカルボニル」(例えば、N,N-ジメチル-アセチル、(N-シクロヘキシル-N-メチル-アミノ)-アセチル、2-(4-アセチル-ピペラジン-1-イル)-アセチルおよびその他) は、上に定義したアルキルカルボニル基を通して結合したNR12R13基を表す。
【0060】
用語「置換されていてもよい」は、本明細書において使用するとき、問題の基が非置換であるか、あるいは1または2以上の特定した置換基で置換されていることを意味する。問題の基が2以上の置換基で置換されているとき、置換基はと同一であるか、あるいは異なることができる。
【0061】
前述の用語のあるものが構造式中に2回以上出てくることがあり、このようなとき、各用語は他と独立して定義される。
前述の用語のあるものが組合わせで出てくることがあり、最初に記載された基は引き続いて記載される基上の置換基であることを理解すべきであり、ここで置換点、すなわち、分子の他の部分への結合点は最後に記載する基上に存在する。
【0062】
用語「治療」は、疾患、症状または障害を防除または軽減する目的で実施される患者の管理またはケアーとして定義され、そしてこの用語は症候または合併症の発症を防止するための活性化合物の投与、または症候または合併症の軽減、または疾患、症状または障害の排除を包含する。
【0063】
用語「薬学上許容される」は、悪い事象を引き起こさないでヒトへの投与に適当であるとして定義される。
用語「プロドラッグ」は、活性薬剤の化学的に変性された形態として定義され、前記プロドラッグは患者に投与され、引き続いて 活性薬剤に転化される。プロドラッグを開発する技術はこの分野においてよく知られている。
【0064】
発明の詳細な説明
本発明は、下に開示する一般式 (I) の化合物が11βHSD1の活性をモジュレートまたは阻害できるという観察に基づく。したがって、本発明は一般式 (I) の化合物またはそのプロドラッグまたは薬学上許容される酸または塩基とのそれらの塩、または任意の光学的異性体または光学的異性体の混合物、例えば、ラセミ体混合物、または任意の互変異性体に関する:
【0065】
【化1】

【0066】
式中、
R1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、7〜10個の炭素原子、および窒素、酸素およびS(O)mから選択される0〜1個の追加の異種原子から成る8〜11員の飽和二環式環または三環式環を形成し、前記環はC1-C4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-NHR10、-NR10R10、C1-C4アルキルオキシ、C1-C4アルキルオキシC1-C4アルキルおよびC1-C4アルキルカルボニルから独立して選択される0〜3個の基で置換されており、ここで各アルキル基は0〜1個のR11で置換されており;あるいは
【0067】
R1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、フェニルまたはヘトアリールで置換されている5または6員の飽和一環式環を形成し、前記フェニルまたはヘトアリールの各々は1または2以上のC1-C4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソまたは-COOHで置換されていてもよく;あるいは
R1は水素、0〜3個のハロゲンで置換されたC1-C4アルキル、フェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルであり、ここでフェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルは0〜3個のハロゲンで置換されており、そしてR2は置換または非置換のアダマンチル、置換または非置換のシクロプロピル、置換または非置換のシクロブチル、置換または非置換のシクロペンチルおよび置換または非置換のシクロヘキシルから選択され;
【0068】
mは0、1または2であり;
R10は水素であるか、あるいはC1-C8アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘトアリールから選択され、それらの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
R11はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOHまたはC1-C3アルコキシであり;
R3は水素、C1-C4アルキル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-C4アルキルオキシ、C1-C4アルキルオキシC1-C4アルキルおよびC1-C4アルキルカルボニルから選択され、ここで各アルキル基は0〜1個のR11で置換されており;
【0069】
X1、X2およびX3は水素、ヒドロキシル、-COOH、-OR4、-SR4、-C(O)R4、-COOR4、-CH2OR4、-NH-C(=O)R4、-NR5-C(=O)R4、-NH-C(=O)NHR4、-NR5-C(=O)NR4R5、-NH-S(=O)2R4、-NR5-S(=O)2R4、-S(=O)2NHR4、-S(=O)2NR4R5、-C(=O)NHR4、-C(=O)NR4R5、-S(=O)2R4、-NR4R5、フェニル、ヘトアリール、C1-C12アルキル、ヘトアルキル、C1-C6アルケニルおよびC1-C6アルキニルから独立して選択され、フェニル、ヘトアリール、C1-C12アルキル、ヘトアルキル、C1-C6アルケニルおよびC1-C6アルキニルの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
【0070】
ただしX1およびX2の両方が水素である場合、X3はピペリジンではなく;
R4はC1-C8アルキル、C1-C8アルケニル、C1-C8アルキニル、シクロアルキル、ヘトシクロアルキル、アリールまたはヘトアリールであり、それらの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
【0071】
R5はC1-C8アルキル、C1-C8アルケニル、C1-C8アルキニル、シクロアルキル、ヘトシクロアルキル、アリールまたはヘトアリールであり、それらの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
R4およびR5は必要に応じて接続して環を形成し;
R12はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-S(O)nR13、-S(O)nR13R14、シクロプロピル、-OR13、C1-C6アルキル、C1-C8アルケニル、C1-C8アルキニル、アリール、ヘトアリール、-NR14CONR13R14、-NR14SO2NR13R14、-NCOR13、-CONR13または-NCONHSO2R13であり;
【0072】
nは0、1または2であり;
R13はC1-C6アルキル、シクロアルキルまたはC1-C6アルキルオキシであり、それらの各々はR20で置換されることができ;
R14はC1-C6アルキル、シクロアルキルまたはC1-C6アルキルオキシであり、それらの各々はR20で置換されることができ;
R13およびR14は必要に応じて接続して環を形成し;
R20はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-S(O)pR21、-S(O)p NR21R21、シクロプロピル、-O-R21、-S-R21またはC1-C6アルキルであり;
pは0、1または2であり;
R21はC1-C6アルキルまたはC1-C6アルキルオキシである。
【0073】
本発明の1つの態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、示す窒素、7〜10個の炭素原子、および窒素、酸素およびS(O)mから選択される0〜1個の追加の異種原子から成る8〜11員の飽和二環式環または三環式環を形成し、前記環はC1-C4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-NHR10、-NR10R10、C1-C4アルキルオキシ、C1-C4アルキルオキシC1-C4アルキルおよびC1-C4アルキルカルボニルから独立して選択される0〜3個の基で置換されており、ここで各アルキル基は0〜1個のR11で置換されている。
【0074】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、フェニルまたはヘトアリールで置換されている5または6員の飽和一環式環を形成し、前記フェニルまたはヘトアリールの各々は1または2以上のC1-C4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソまたは-COOHで置換されていてもよい。
【0075】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1は水素、0〜3個のハロゲンで置換されたC1-C4アルキル、フェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルであり、ここでフェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルは0〜3個のハロゲンで置換されており、そしてR2は置換または非置換のアダマンチル、置換または非置換のシクロプロピル、置換または非置換のシクロブチル、置換または非置換のシクロペンチルおよび置換または非置換のシクロヘキシルから選択される。
【0076】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1は水素、0〜3個のハロゲンで置換されたC1-C4アルキル、フェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルであり、ここでフェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルは0〜3個のハロゲンで置換されており、そしてR2はアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルであり、ここでアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルはR26で置換されており、そしてR26はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-S(O)nR13、-OR13、C1-C6アルキルまたはシクロプロピルである。
【0077】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1は水素である。
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、8〜11員の飽和二環式環または三環式環を形成し、前記二環式環または三環式環は2個の炭素原子が架橋により接続されている環を含んでなる。
本発明の他の態様において、式 (I) において前記二環式環または三環式環は2個の炭素原子が架橋により接続されているピペリジンを含んでなる。
【0078】
本発明の他の態様において、式 (I) において前記二環式環または三環式環は2個の炭素原子が架橋により接続されているアゼピンを含んでなる。
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素を形成している:
【0079】
【化2】

【0080】
ここで各構造的要素は0〜4個のR25で置換されており、各R25はC1-C8アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C4アルコキシ、-COOH、C1-C6アルキルオキシ、-CH2OHおよび-SO2CH3から独立して選択され、そしてR27は水素またはハロゲンであり、ただし3以下のR27はハロゲンであることができる。
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素を形成している:
【0081】
【化3】

【0082】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素を形成している:
【0083】
【化4】

【0084】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素を形成している:
【0085】
【化5】

【0086】
本発明の他の態様において、R25はC1-C4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C4アルコキシおよび-COOHから独立して選択される。
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素を形成している:
【0087】
【化6】

【0088】
【化7】

【0089】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素を形成している:
【0090】
【化8】

【0091】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素を形成している:
【0092】
【化9】

【0093】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素を形成している:
【0094】
【化10】

【0095】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素を形成している:
【0096】
【化11】

【0097】
本発明の他の態様において、式 (I) においてX1、X2およびX3は水素、ヒドロキシル、-COOH、-OR4、-SR4、-C(O)R4、-COOR4、-CH2OR4、-NH-C(=O)R4、-NR5-C(=O)R4、-NH-C(=O)NHR4、-NR5-C(=O)NR4R5、-NH-S(=O)2R4、-NR5-S(=O)2R4、-S(=O)2NHR4、-S(=O)2NR4R5、-C(=O)NHR4、-C(=O)NR4R5、-S(=O)2R4、フェニル、ヘトアリール、C1-C12アルキル、C1-C6アルケニルおよびC1-C8アルキニルから独立して選択され、フェニル、ヘトアリール、C1-C12アルキル、C1-C6アルケニルおよびC1-C6アルキニルの各々は0〜2個のR12で置換されることができる。
【0098】
本発明の他の態様において、式 (I) においてX1、X2およびX3は水素、ヒドロキシル、-COOH、-OR4、-C(O)R4、-COOR4、-CH2OR4、-NH-C(=O)R4、-NH-C(=O)NHR4、-NH-S(=O)2R4、-S(=O)2NHR5および-C(=O)NHR4から独立して選択される。
本発明の他の態様において、式 (I) においてX1、X2およびX3の少なくとも1つは水素である。
本発明の他の態様において、X1は水素である。
本発明の他の態様において、X2は水素である。
本発明のなお他の態様において、X1、X2およびX3のうちの2つは水素である。
本発明のなお他の態様において、X1およびX3は水素である。
【0099】
本発明のなお他の態様において、X1およびX2は水素であり、そしてX3はヒドロキシル、-COOH、-O-C1-C4アルキル、-C(=O)OCH2CH3、-C(=O)OCH2CH=CH2、-C(=O)ヘトアリールおよび-C(=O)ヘトシクロアルキルから選択される。
本発明のなお他の態様において、X1およびX3は水素であり、そしてX2はヒドロキシル、-COOH、-O-C1-C4アルキル、-C(=O)OCH2CH3、-C(=O)OCH2CH=CH2、-C(=O)ヘトアリールおよび-C(=O)ヘトシクロアルキルから選択される。
【0100】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR1は水素、0〜3個のハロゲンで置換されたC1-C4アルキルまたは0〜3個のハロゲンで置換されたシクロプロピルである。
本発明の他の態様において、式 (I) においてR2は1-アダマンチルまたは2-アダマンチルから選択される非置換アダマンチルである。
本発明の他の態様において、式 (I) においてR2は置換アダマンチルである。
【0101】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR2は置換1-アダマンチルまたは置換2-アダマンチルである。
本発明の他の態様において、式 (I) においてR2はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、C1-C6アルキルおよびC1-C6アルキルオキシから独立して選択される1、2またはそれ以上の置換基で置換されたアダマンチルである。
【0102】
本発明の他の態様において、式 (I) においてR2は置換または非置換のシクロプロピルである。
本発明の他の態様において、式 (I) においてR2は置換または非置換のシクロブチルである。
【0103】
本発明の他の態様において、式 (I) の化合物は下記から成る群から選択される:
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-4-カルボン酸、
4-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-3-カルボン酸、
4-[4-(ピラゾル-1-イルオキシ)-ピペリジン-1-イル]-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
4-{1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-安息香酸、
4-(4-シクロプロピルメトキシ-ピペリジン-1-イル)-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
【0104】
4-[3-(モルホリン-4-カルボニル-ピペリジン-1-イル)-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
(3-アザ-ビシクロ[3.2.2.]ノン-3-イル)-[ 4-(3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-フェニル]-メタノン、
1-[4-(3-アザ-ビシクロ[3.2.2.]ノナン-3-カルボニル)-フェニル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル、
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル、
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、
1-[4-(3-アザ-ビシクロ[3.2.2.]ノナン-3-カルボニル)-フェニル]-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、または
それらのプロドラッグ、薬学上許容される酸または塩基とのそれらの塩、または任意の光学的異性体または光学的異性体の混合物、例えば、ラセミ体混合物、または任意の互変異性体。
【0105】
本発明の他の態様において、式 (I) において前記化合物の極性表面積 (PSA) は40 A2〜130 A2、好ましくは50 A2〜130 A2、より好ましくは60 A2〜120 A2、より好ましくは70 A2〜120 A2、最も好ましくは70 A2〜110 A2の範囲である。
本発明の他の態様において、式 (I) において前記化合物の分子量は350 D〜650 D、好ましくは400 D〜600 Dの範囲である。
本発明の化合物は不斉中心を有し、そしてラセミ体、ラセミ混合物および個々の鏡像異性体またはジアスレオマーとして存在し、すべての異性体ならびにそれらの混合物は本発明に包含される。
【0106】
本発明は、また、本発明の化合物の薬学上許容される塩に関する。このような塩は薬学上許容される酸付加塩、薬学上許容される塩基付加塩、薬学上許容される金属塩、アンモニウム塩およびアルキル化アンモニウム塩を包含する。酸付加塩は無機酸ならびに有機酸の塩を包含する。適当な無機酸の代表例は次の通りである: 塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸およびその他。適当な有機酸代表例は次の通りである: ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモン酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸塩およびその他。
【0107】
薬学上許容される無機酸および有機酸の付加塩のそれ以上の例は、下記の文献に記載されている薬学上許容される塩である: J. Pharm. Sci. 66、2 (1977) 、これは引用することによって本明細書の一部とされる。金属塩の例は次の通りである: リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、バリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、カルシウム塩およびその他。アミンおよび有機アミンの例は次の通りである: アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、テトラメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、エチレンジアミン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、N-ベンジルフェニルエチルアミン、N-メチル-D-グルカミン、グアニジンおよびその他。カチオンアミノ酸の例は、リシン、アルギニン、ヒスチジンおよびその他である。
【0108】
さらに、本発明のいくつかの化合物は水または普通の有機溶媒と溶媒和物を形成することができる。
【0109】
薬学上許容される塩は、本発明の化合物を1〜4当量の塩基、例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムおよびその他と溶媒、例えば、THF、メタノール、t-ブタノール、ジオキサン、イソプロパノール、エタノールおよびその他中で反応させることによって製造される。溶媒混合物を使用できる。また、有機塩基、例えば、リシン、アルギニン、ジエタノールアミン、コリン、グアニジンおよびそれらの誘導体およびその他を使用であることができる。
【0110】
別法として、酸付加塩は、適用可能ならば、酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、コハク酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸およびその他で溶媒、例えば、酢酸エチル、エーテル、アルコール、アセトン、THF、ジオキサンおよびその他中で処理することによって製造される。また、溶媒混合物を使用できる。
【0111】
本発明の一部分を形成する化合物の立体異性体は、可能ならばプロセスにおいてそれらの単一の鏡像異性体の形態の反応物を使用するか、あるいはそれらの単一の鏡像異性体の形態で試薬または触媒の存在下に反応を実施するか、あるいは慣用法により混合物を分割することによって製造できる。好ましい方法のいくつかは、微生物分割、酵素分割、または適用可能ならばキラル酸、例えば、マンデル酸、ショウノウスルホン酸、酒石酸、乳酸およびその他またはキラル塩基、例えば、ブルシン、(R)-または (S)-フェニルエチルアミン、シンコナアルカロイドおよびそれらの誘導体およびその他を使用して形成されたジアスレオマー塩の分割の使用を包含する。普通に使用される方法は下記の文献に収集されている: Jaques 他、“Enantiomers, Racemates and Resolution” (Wiley Interscience、1981) 。
【0112】
さらに詳しくは、本発明の化合物は、キラルアミン、アミノ酸、アミノ酸から誘導されたアミノアルコールで処理することによってジアスレオマーアミドの1:1混合物に転化することができる; 慣用の反応条件を使用して酸をアミドに転化することができる; ジアステレオマーは分別結晶化またはクロマトグラフィーにより分離することができ、そして式 (I) の化合物の立体異性体は純粋なジアステレオマーアミドを加水分解することによって製造できる。
【0113】
本発明の一部分を形成する化合物の種々の多形体は、異なる条件下に前記化合物を結晶化することによって製造することができる; 例えば、再結晶化に普通に使用されている異なる溶媒またはそれらの混合物を使用する; 異なる温度における結晶化; または結晶化間の非常に速いないし非常に遅い範囲の種々の冷却モード。また、多形体は化合物を加熱または溶融し、次いで徐々にまたは高速に冷却することによって得ることができる。多形体の存在は、固体状プローブNMRスペクトロスコピー、IR分光法、示差走査熱量測定、粉末X線回折またはこのような他の技術により決定できる。
【0114】
本発明は、また、本発明の化合物のプロドラッグに関し、これらのプロドラッグは投与すると代謝的プロセスにより化学的転化を行い、次いで活性薬学的物質となる。一般に、このようなプロドラッグは本発明の化合物の機能的誘導体であり、これらの誘導体はin vivoで本発明の必要な化合物に容易に転化できる。適当なプロドラッグ誘導体を選択し、調製する慣用手順は、例えば、下記の文献に記載されている: “Design of Prodrugs”、H. Bundgaard編、Elsevier、1985。
【0115】
化合物、例えば、酵素インヒビターは生物学的アッセイにおいて非常に効力があり、選択的であることができ、しかもin vivoにおいて不活性であるということは、薬剤発見においてよく知られている問題である。いわゆる生物学的利用能のこの欠如は多数の異なる因子、例えば、消化管における吸収の欠如または低さ、肝臓における第1通過の代謝および/または細胞における摂取の低さに帰することができる。生物学的利用能を決定する因子は完全には理解されていないが、当業者に十分に知られている科学文献中には、生化学的アッセイにおいて効力がありかつ選択的であることができるが、in vivoにおいて低い活性を示すか、あるいは活性を示さない化合物を生物学的に活性である薬剤に変性する方法多数の例が記載されている。
【0116】
細胞または哺乳動物における摂取が促進されるような方法において、本発明の化合物、「原化合物」と命名する、の生物学的利用能を改良する化学的基を結合することによって、前記化合物を変性することは本発明の範囲内である。
【0117】
前記変性の例 (これらはいかなる方法においても本発明の範囲を限定することを意図しない) は、1または2以上のカルボキシ基をエステル (例えば、メチルエステル、エチルエステル、t-ブチルエステル、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチルエステルまたは他のアシロキシメチルエステル) に変化させることである。化学的基の結合によりこのように変性された、本発明の化合物、すなわち、原化合物を「変性された化合物」と命名する。
【0118】
本発明は、また、本発明の活性代謝物質に関する。
本発明による化合物は、活性細胞内グルココルチコイドのレベルを変更し、より詳しくは、減少し、したがってこのようなモジュレーションまたは減少が有益である障害および疾患の治療、防止および/または予防に有効である。
【0119】
したがって、本発明の化合物は、下記の治療、防止および/または予防に適用可能である: 代謝症候群、インスリン抵抗性、異脂肪血症、高血圧症、肥満症、2型糖尿病、障害されたグルコース耐性 (IGT) 、障害された空腹時グルコース (IFG) 、成人における潜在性自己免疫疾患 (LADA) 、1型糖尿病、糖尿病性遅発合併症、例えば、心臓血管疾患、心臓血管の障害、脂肪代謝の障害、神経変性および神経医学的障害、眼内圧調節不良、例えば、緑内症、免疫障害、不適切な免疫応答、筋骨格障害、胃腸管障害、多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS) 、毛髪減少または細胞内グルココルチコイドレベルにより影響を受ける他の疾患、障害または症状、活性内因的または外因的グルココルチコイドの血液レベルの増加の副作用、およびそれらの組合わせ、内因的活性グルココルチコイドの血漿レベルの増加の副作用、クッシング病、クッシング症候群、自己免疫疾患の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用、炎症性疾患の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用、炎症性成分を使用する疾患の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用、癌化学療法の一部分としての治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用、外科的/外科手術後または他の外傷の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用、器官または組織の関係における治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用またはグルココルチコイドレセプターアゴニストが臨床的に有益な効果を提供する他の疾患、障害または症状における治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用。また、本発明の化合物は、HAART (高度に活性な抗レトロウイルス治療) により治療された患者における内臓脂肪蓄積およびインスリン抵抗性を治療するために適用可能である。
【0120】
さらに詳しくは、本発明の化合物は下記の治療、防止および/または予防に適用可能である: 代謝症候群、2型糖尿病、肥満症の結果としての糖尿病、インスリン抵抗性、高血糖症、食事性高血糖症、高インスリン血症、不適切に低いインスリン分泌、障害されたグルコース耐性 (IGT) 、障害された空腹時グルコース (IFG) 、肝臓グルコース産生の増加、1型糖尿病、LADA、小児科学的糖尿病、異脂血症、糖尿病性異脂血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高リポタンパク質血症、高コレステロール血症、HDLコレステロール減少、障害されたLDL/HDL比、脂肪代謝の他の障害、肥満症、内臓肥満症、糖尿病の結果としての肥満症、食物摂取の増加、高血圧症、糖尿病性遅発合併症、ミクロ/マクロアルブミン尿症、ネフロパシー、網膜症、神経疾患、糖尿病性潰瘍、心臓血管疾患、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、心臓肥大、心筋虚血、心不全、鬱血性心不全、卒中、心筋梗塞、不整脈、血流の減少、勃起機能障害 (男性および女性) 、筋障害、筋肉組織喪失、筋肉消耗、筋肉異化、オステオポローシス、線形成長減少、神経変性および神経医学障害、アルツハイマー病、神経細胞死、認識障害、鬱病、不安、飲食障害、食欲調節、片頭痛、癲癇、化学物質に対する嗜癖、細胞内圧障害、緑内症、多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS) 、不適切なTヘルパー-1/ Tヘルパー-2分極、細菌感染、マイコバクテリア感染、真菌感染、ウイルス感染、寄生生物インフェステーション、免疫化に対する最適以下の反応、免疫不全、
【0121】
部分的または完全な視覚消失症、または細胞内グルココルチコイドレベルおよびそれらの組合わせにより影響を受ける疾患、障害または症状、アレルギー性-炎症性疾患、例えば、喘息およびアトピー性皮膚炎、呼吸器系障害、例えば、喘息、膵嚢胞性繊維症、気腫、気管支炎、過敏症、肺炎、好酸球性肺炎、肺繊維症の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用、炎症性腸疾患、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用; 免疫系、結合組織および関節の障害、例えば、反応性関節炎、慢性関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、ヘノッホ・シェーライン紫斑病、ウェーグナー肉芽腫症、側頭動脈炎、全身性硬化症、脈管炎、サルコイドーシス、皮膚筋炎・多発性筋炎、尋常性天疱瘡の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用; 内分泌学的疾患、例えば、甲状腺機能亢進症、低アルドステロン症、下垂体機能低下の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用; 血液学的疾患、例えば、溶血性貧血、血小板減少症、発作性寒冷ヘモグロビン尿症の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用; 癌、例えば、脊髄疾患、脊髄の新生物性圧縮、脳腫瘍、
【0122】
急性リンパ芽球性白血病、ホジキン病、化学療法誘導悪心の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用; 筋肉および筋神経接合部の疾患、例えば、重症筋無力症および遺伝性筋障害 (例えば、デュシューヌ筋ジストロフィー症) の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用; 外科手術および移植の関係おける、例えば、外傷、外科手術後のストレス、外科的ストレス、腎臓移植、肝臓移植、肺移植、膵島移植、血液幹細胞移植、骨髄移植、心臓移植、副腎移植、気管移植、腸管移植、角膜移植、皮膚移植、角膜移植、水晶体移植、およびグルココルチコイドレセプターアゴニストを使用する免疫抑制が有益である他の手順の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用; 脳膿瘍、悪心/嘔吐、感染症、過カルシウム血症、副腎過形成、自己免疫性肝炎、脊髄疾患、小嚢性動脈瘤の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用; またはグルココルチコイドレセプターアゴニストが臨床的に有益な作用を提供する他の疾患、障害および症状の治療に対するグルココルチコイドレセプターの副作用。
【0123】
したがって、それ以上の面において、本発明は、医薬組成物として使用するための化合物に関する。
本発明は、また、活性成分として、1種または2種以上の薬学上許容される担体または希釈剤と一緒に少なくとも1種の本発明による化合物を含んでなる医薬組成物に関する。
医薬組成物は、好ましくは単位投与形態であり、約0.5 mg/日〜約2000 mg/日、好ましくは約1 mg/日〜約500 mg/日の本発明による化合物を含んでなる。
【0124】
他の態様において、患者は本発明による化合物で少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約4週間、少なくとも約2月間または少なくとも約4月間治療する。
なお他の態様において、医薬組成物は経口、経鼻、経皮、経肺または非経口投与される。
さらに、本発明は、11βHSD1の活性のモジュレーションまたは阻害が有益である障害および疾患を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するための本発明による化合物の使用に関する。
【0125】
本発明は、また、有効量の本発明による化合物をそれを必要とする被検者に投与することを含んでなる、1βHSD1の活性のモジュレーションまたは阻害が有益である障害および疾患を治療、防止および/または予防する方法に関する。
本発明の好ましい態様において、本発明の化合物は、細胞内グルココルチコイドレベルにより影響を受ける疾患および症状を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するために使用される。
【0126】
こうして、本発明の好ましい態様において、本発明の化合物は、活性細胞内グルココルチコイドレベルの減少が望ましい症状および障害を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するために使用される。
本発明のなお他の好ましい態様において、本発明の化合物は、代謝症候群、例えば、インスリン抵抗性、異脂肪血症、高血圧症および肥満症を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するために使用される。
【0127】
本発明のなお他の好ましい態様において、本発明の化合物は、2型糖尿病、障害されたグルコース耐性 (IGT) 、障害された空腹時グルコース (IFG) を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するために使用される。
本発明のなお他の好ましい態様において、本発明の化合物は、IGTから2型糖尿病への進行を遅延または防止する医薬組成物を製造するために使用される。
【0128】
本発明のなお他の好ましい態様において、本発明の化合物は、代謝症候群から2型糖尿病への進行を遅延または防止する医薬組成物を製造するために使用される。
本発明のさらに他の好ましい態様において、本発明の化合物は、糖尿病性遅発合併症、例えば、心臓血管疾患、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症を遅延または防止する医薬組成物を製造するために使用される。
【0129】
本発明のそれ以上の好ましい態様において、本発明の化合物は、神経変性および神経医学的障害を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するために使用される。
本発明のなおそれ以上の特定の態様において、本発明の化合物は、グルココルチコイドレセプターアゴニストの治療または療法の副作用を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するために使用される。
【0130】
本発明の他の態様において、投与経路は本発明による化合物を適当なまたは望ましい作用部位に効率よく輸送する任意の経路、例えば、医薬組成物は経口、経鼻、経皮、経肺または非経口投与であることができる。
【0131】
本発明のさらにそれ以上の面において、本発明の化合物は1種または2種以上のそれ以上の活性物質と任意の適当な比で組合わせて投与される。このようなそれ以上の活性物質は、例えば、下記から選択することができる: 抗肥満症剤、抗糖尿病剤、脂質代謝変更剤、抗高血圧剤、グルココルチコイドレセプターアゴニスト、糖尿病から生ずるか、あるいはそれに関連する合併症を治療および/または防止する因子および肥満症から生ずるか、あるいはそれに関連する合併症を治療および/または防止する因子。
【0132】
こうして、本発明のそれ以上の面において、本発明の化合物は、1種または2種以上の抗肥満症剤または食欲調節剤と組合わせて投与できる。
【0133】
このような因子は下記から成る群から選択することができる: CART (コカインアンフェタミン調節転写) アゴニスト、NPY (ニューロペプチドY) アンタゴニスト、MC4 (メラノコルチン4) アゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、TNF (腫瘍壊死因子) アゴニスト、CRF (副腎皮質刺激ホルモン放出因子) アゴニスト、CRF BP (副腎皮質刺激ホルモン放出因子結合性タンパク質) アンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト、MSH (メラノサイト刺激ホルモン) アゴニスト、MCH (メラノサイト濃縮ホルモン) アンタゴニスト、CCK (コレサイトキン) アゴニスト、セロトニン再吸収インヒビター、セロトニンおよびノルアドレナリン再吸収インヒビター、混合セロトニンおよびノルアドレナリン化合物、5HT (セロトニン) アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRH (甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン) アゴニスト、UCP 2または3 (結合解離タンパク質 2または3) モジュレーター、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト (ブロモクリプチン、ドプレキシン) 、リパーゼ/アミラーゼインヒビター、PPAR (ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体) モジュレーター、RXR (レトノイドXレセプター) モジュレーター、TRβアゴニスト、AGRP (アゴウチ関連タンパク質) インヒビター、H3ヒスタミンアンタゴニスト、オピオイドアンタゴニスト (例えば、ナルトレキソン) 、エキセンジン-4、GLP-4および毛様体神経栄養因子。
【0134】
本発明の1つの態様において、抗肥満症剤はレプチン; デキシアンフェタミンまたはアンフェタミン; フェンフルラミンまたはデキシフェンフルラミン; シブトラミン; オルリスタト; マジンドールまたはフェンテルミン。
【0135】
適当な抗糖尿病剤は下記のものを包含する: インスリンアナローグおよび誘導体、例えば、EP 792 290 (Novo Nordisk A/S) に開示されているもの、例えば、Nε829-テトラデカノイルデス (B30) ヒトインスリン、EP 214 826およびEP 705 275 (Novo Nordisk A/S) 、例えば、AspB26ヒトインスリン、米国特許第5,504,188号 (Eli Lilly) 、例えば、LysB28 ProB29ヒトインスリン、EP 368 187 (Aventis) 、例えば、Lantus、これらのすべては引用することによって本明細書の一部とされる、GLP-1 (グルカゴン様ペプチド-1) およびGLP-1誘導体、例えば、WO 98/08871 (Novo Nordisk A/S) (これは引用することによって本明細書の一部とされる) に開示されているものならびに経口的に活性な低血糖剤。
【0136】
経口的に活性な低血糖剤は好ましくは下記のものを含んでなる: スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、グリカゴンアンタゴニスト、例えば、WO 99/01423 (Novo Nordisk A/SおよびAgouron Pharmaceutical, Inc.) に開示されているもの、GLP-1アゴニスト、カリウムチャンネルオープナー、例えば、WO 97/26265およびWO 99/03861 (Novo Nordisk A/S) (これらは引用することによって本明細書の一部とされる) に開示されているもの、DPP-IV (ジペプチジルペプチダーゼIV) インヒビター、グリコーゲン発生および/またはグリコーゲン溶解の刺激に関係づけられる肝臓酵素のインヒビター、グルコース摂取モジュレーター、脂質代謝を変更する化合物、例えば、抗高脂質血症剤および抗脂質血症剤、例えば、PPARαモジュレーター、コレステロール吸収インヒビター、HSL (ホルモン感受性リパーゼ) インヒビターおよびHMG CoAインヒビター (スタチン) 、ニコチン酸、フィブレイト、アニオン交換体、食物摂取を低下させる化合物、胆汁酸樹脂、RXRアゴニストおよびβ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する因子。
【0137】
1つの態様において、本発明の化合物は、インスリンまたはインスリンアナローグまたは誘導体、例えば、Nε829-テトラデカノイルデス (B30) ヒトインスリン、AspB26ヒトインスリン、LysB28 ProB29ヒトインスリン、Lantus(商標)またはこれらの1または2以上を含んでなる混合調製物と組合わせて投与される。
【0138】
それ以上の態様において、本発明の化合物は、スルホニル尿素、例えば、トルブトアミド、グリベンクルアミド、グリピジドまたはグリカジドと組合わせて投与される。
他の態様において、本発明の化合物は、ビグアニド、例えば、メトフォルミンと組合わせて投与される。
さらに他の態様において、本発明の化合物は、メガリチニド、例えば、レパグリニドまたはセナグリニドと組合わせて投与される。
【0139】
さらに他の態様において、本発明の化合物は、チアゾリジンジオン、例えば、トログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾンまたはWO 97/41097に開示されている化合物、例えば、5-[[4-[3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-2-キナゾリニル]メトキシ]フェニル-メチル]チアゾリジン-2,4-ジオンまたはその薬学上許容される塩、好ましくはカリウム塩と組合わせて投与される。
【0140】
なお他の態様において、本発明の化合物は、WO 99/19313に開示されているインスリンセンシタイザー、例えば、(-)3-[4-[2-(フェノキサジン-10-イル)エトキシ]フェニル]-2-エトキシプロパン酸またはその薬学上許容される塩、好ましくはカリウム塩と組合わせて投与される。
【0141】
それ以上の態様において、本発明の化合物は、α-グルコシダーゼインヒビター、例えば、ミグリトールまたはアカルボースと組合わせて投与される。
他の態様において、本発明の化合物は、β細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する因子、例えば、トルブトアミド、グリベンクルアミド、グリピジド、グリカジドまたはレパグリニドと組合わせて投与される。
【0142】
さらに、本発明の化合物は、ナテグリニドと組合わせて投与される。
さらに他の態様において、本発明の化合物は、抗高脂質血症剤または抗脂質血症剤、例えば、コレスチルアミン、コレスチルポル、クロフィブレート、ゲムフィブロジル、ベザフィブレート、テサグリタザール、EML-4156、LY-818、MK-767、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、シムバスタチン、アシミモックス、プロブコル、エデチミベまたはデキシトロチロキシンと組合わせて投与される。
【0143】
それ以上の態様において、本発明の化合物は、2以上の前述の化合物と組合わせて、例えば、スルホニル尿素およびメトフォルミン、スルホニル尿素およびアカルボース、レパグリニドおよびメトフォルミン、インスリンおよびスルホニル尿素、インスリンおよびメトフォルミン、インスリンおよびロバスタチン、およびその他と組合わせて投与される。
【0144】
さらに、本発明の化合物は、1種または2種以上の抗高血圧症剤と組合わせて投与される。抗高血圧症剤の例は次の通りである: β-遮断剤、例えば、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロパノロール、メトプロロール、ビスプロロフメラート、エスモロール、アセブテロール、メトプロロール、アセブトロール、ベタキソロール、セリプロロール、ネビボロール、テルタトロール、オキシプレノロール、アムソラルール、カルベジロール、ラベタロール、β2-レセプターブロッカー、例えば、S-アテノロール、OPC-1085、ACE (アンギオテンシン転化酵素) インヒビター、例えば、キナプリル、リシノプリル、エナラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、ペリンドプリル、トランドラプリル、フォシノプリル、ラミプリル、シラザプリル、デラプリル、イミダプリル、メキシプリル、スピラプリル、テモカプリル、ゾフェプリル、S-5590、ファシドトリル、ヘキスト-マリオン・ルッセル (Hoechst-Marion Roussel) : 100240 (EP 0048 1522) 、オマパトリラト、ゲモパトリアトおよびGW-660511、カルシウムチャンネル阻害剤、例えば、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジチアゼム、アムロジピン、ニトレンジピン、ベラパミル、ラシジピン、レルカニジピン、アラニジピン、シルニジピン、クレビジピン、アゼルニジピン、バミジピン、エフォノジピン、イアシジピン、イエミルジピン、イエルカニジピン、マニジピン、ニバジピン、プラニジピン、フルニジピン、α-遮断剤、例えば、ドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン、テラゾシン、ブナゾシンおよびOPC-28326、利尿剤、例えば、チアジド/スルホンアミド (例えば、ベンドロフルメタジド、クロロタリドン、ヒドロクロロチアジドおよびクロパミド) 、ループ利尿剤 (例えば、ブメタニド、フロセミドおよびトラセミド) およびカリウム節約利尿剤 (例えば、アミロリド、スピロノラクトン) 、エンドセリンET-Aアンタゴニスト、例えば、ABT-546、アンブリセタン、SB-234551、Cl-1034、S-0139およびYM-598、
【0145】
エンドセリンアンタゴニスト、例えば、ボセタンおよびJ-104133、レニンインヒビター、例えば、アリスケリン、バソプレシンVIアンタゴニスト、、例えば、OPC-21268、バソプレシンV2アンタゴニスト、例えば、トルバプタン、SR-121463およびOPC-31260、B型ナトリウム排泄増加ペプチドアゴニスト、例えば、ネシリチド (Nesiritide) 、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、例えば、イルベサルタン、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン、CL-329167、エプロサルタン、イオサルルタン、オルメサルタン、プラトサルタン、TA-606およびYM-358、5-HT2アゴニスト、例えば、フェノルドパムおよびケタンセリン、アデノシンA1アンタゴニスト、例えば、ナフトピジル、N-0861およびFK-352、トロンボキサンA2アンタゴニスト、例えば、KT2-962、エンドペプチダーゼインヒビター、例えば、エカドトリル、酸化窒素アゴニスト、例えば、LP-805、ドーパミンD1アゴニスト、例えば、MYD-37、ドーパミンD2アゴニスト、例えば、ノロミロール、n-3脂肪酸、例えば、オマコル、プロスタサイクリンアゴニスト、例えば、トレプロスチニル、ベラプロスト、PGE-1アゴニスト、例えば、エクラプロスト、Na+/K+ATPアーゼモジュレーター、例えば、PST-2238、カリウムチャンネルアクチベーター、例えば、KR-30450、ワクチン、例えば、PMD-3117、インダパミド、CGRP-ウニゲン、グアニレートシクラーゼ刺激因子、ヒドララジン、メチルドーパ、ドカルパミド、モキソニジン、CoAプロベル、モンド-バイオテク (Mondo-Biotech) -811。
【0146】
さらに、下記の文献を参照することができる: Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、Gennaro編、Mack Publishing Co.、ペンシルベニア州イーストン) 。
【0147】
さらに、本発明の化合物は、1種または2種以上のグルココルチコイドレセプターアゴニストと組合わせて投与される。このようなグルココルチコイドレセプターアゴニストの例は次の通りである: ベータメタゾン、デキサメタゾン、ハイドロコーチゾン、メチルプレドニソロン、プレドニソロン、プレドニソン、ベクロメタゾン、ブチキシコルト、クロベタゾル、フルニゾリド (およびアナローグ) 、モメタゾン、トリアンシノロアセトニド、トリアンシノロンヘキサセトニド、GW-685698、NXC-1015、NXC-1020、NXC-1021、NS-126、P-4112、P-4114、RU-24858およびT-25系列。
【0148】
本発明による化合物と1種または2種以上の前述の化合物および必要に応じて1種または2種以上のそれ以上の薬学上許容される物質との任意の適当な組合わせは、本発明の範囲内に入ると考えられることを理解すべきである。
【0149】
医薬組成物
本発明の化合物は、単独でまたは生理学上許容される担体または賦形剤と組合わせて1回または多数回投与することができる。本発明による医薬組成物は、慣用技術、例えば、下記の文献に記載されている技術に従い、薬学上許容される担体または希釈剤ならびに任意の他の既知のアジュバントおよび賦形剤を使用して配合することができる: Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、Gennaro編、Mack Publishing Co.、ペンシルベニア州イーストン) 。
【0150】
医薬組成物は、任意の適当な経路、例えば、経口、経直腸、経鼻、経肺、局所 (経頬および舌下を含む) 、経皮、槽内、腹腔内、経膣および非経口 (皮下、筋肉内、気管内、静脈内および皮内を含む) 経路、好ましくは経口経路による投与のために特別に配合することができる。好ましい経路は治療すべき被検者の一般的状態および年齢、治療すべき症状の性質および選択した活性成分に依存することが理解されるであろう。
【0151】
経口投与のための医薬組成物は、固体状投与形態、例えば、硬質または軟質カプセル剤、錠剤、トローチ剤、糖剤、丸剤、ロゼンジ、粉剤および顆粒剤を包含する。適当ならば、それらは剤皮、例えば、腸溶剤皮を使用して製造できるか、あるいはこの分野においてよく知られている方法に従い活性成分の調節放出、例えば、持続または延長放出を提供するように配合することができる。
【0152】
経口投与のための液状投与形態は、溶液、乳濁液、懸濁液、シロップおよびエリキシルを包含する。
非経口投与のための医薬組成物は、無菌の水性および非水性注射可能な溶液、分散液、懸濁液および乳濁液ならびに使用前に注射可能な溶液または分散液中で再構成すべき無菌の粉末を包含する。また、注射可能なデポー配合剤は本発明の範囲内に入ると考えられる。
【0153】
他の適当な投与形態は、坐剤、噴霧剤、軟膏、クレーム、ゲル、吸入剤、皮膚パッチ、移植片およびその他を包含する。
典型的な経口投与量は約0.001〜約100 mg/kg体重/日、好ましくは約0.01〜約50 mg/kg体重/日、より好ましくは約0.05〜約10 mg/kg体重/日の範囲であり、1または2回以上、例えば、1〜3回投与される。正確な投与量は、投与の頻度およびモード、治療する被検者の性別、年齢、体重および一般的状態、治療する症状の性質および重症度、および治療すべき付随的疾患および当業者にとって明らかな他の因子に依存するであろう。
【0154】
配合物は、当業者に知られている方法により、単位投与形態で好都合に提供できる。1または2回/日以上、例えば、1〜3回/日の経口投与のための典型的な単位投与形態は、0.05〜2000 mg、例えば、約0.1〜約1000 mg、約0.5〜約500 mg、約1〜約200 mg、例えば、約100 mgを含有することができる。
非経口経路、例えば、静脈内、気管内、筋肉内および同様な投与のために、典型的には投与量は経口投与のために使用される投与量の約半分程度である。
【0155】
本発明の化合物は、一般に、遊離物質としてまたはその薬学上許容される塩として利用できる。例は遊離塩基の実用性を有する化合物の酸付加塩および遊離酸の実用性を有する化合物の塩基付加塩である。用語「薬学上許容される塩」は、本発明に従い使用するための化合物の無毒塩を意味し、これらは一般に遊離塩基を適当な有機酸または無機酸と反応させることによって、または酸を有機塩基または無機塩基と反応させることによって製造される。本発明に従い使用する化合物が遊離塩基を含有するとき、このような塩は化合物の溶液または懸濁液を化学的当量の薬学上許容される酸で処理することによって製造される。
【0156】
本発明に従い使用する化合物が遊離酸を含有するとき、このような塩は化合物の溶液または懸濁液を化学的当量の薬学上許容される塩基で処理することによって製造される。ヒドロキシ基をもつ化合物の生理学上許容される塩は、前記化合物のアニオンと適当なカチオン、例えば、ナトリウムまたはアンモニウムのイオンとの組合わせを包含する。薬学上許容されない他の塩は本発明に従い使用する化合物の製造において有効であることがあり、そしてこれらは本発明のそれ以上の面を形成する。
【0157】
非経口投与のために、無菌の水溶液、水性ポリプロピレングリコールまたはゴマ油または落花生油中の本発明の化合物の溶液を使用することができる。このような溶液は必要に応じて緩衝化することが適当であることがあり、そして液状希釈剤を最初に十分な塩類溶液またはグルコースで等張とする。水溶液は静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適当である。使用する無菌の水性媒質は、当業者に知られている標準的技術により容易に入手可能である。
【0158】
適当な薬学上の担体は、固体状希釈剤または充填剤、無菌の水溶液および種々の有機溶媒を包含する。適当な担体の例は次の通りである: 水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエトキシル化ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、シロップ、リン脂質、ゼラチン、ラクトース、白陶土、スクロース、シクロデキストリン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシアゴム、ステアリン酸またはセルロースの低級アルキルエーテル、ケイ酸、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロースおよびポリビニルピロリドン。同様に、担体または希釈剤はこの分野において知られている任意の持続放出性物質、例えば、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレート単独またはそれらと蝋との混合物であることができる。また、配合物は湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、甘味剤または香味剤を含むことができる。
【0159】
本発明の化合物および薬学上許容される担体を組合わせることによって形成された医薬組成物は、開示された投与経路に適当な種々の投与形態で容易に投与される。配合物は薬学分野において知られている方法により単位投与形態で提供できる。
【0160】
経口投与に適当な本発明の配合物は、個々の単位、例えば、カプセル剤または錠剤として提供することができ、各々は前もって決定した量の活性成分を含有し、そして適当な賦形剤を含むことができる。これらの配合物は粉剤または顆粒剤、水性または非水性液体中の溶液または懸濁液、または水中油型または油中水型液状エマルジョンの形態であることができる。
【0161】
経口的使用に意図される組成物は既知の方法に従い製造することができ、そしてこのような組成物は薬学的にエレガントな嗜好性調製物を提供するために甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤から成る群から選択される1種または2種以上の因子を含有することができる。錠剤はその製造に適当な無毒の薬学上許容される賦形剤と混合して活性成分を含有することができる。これらの賦形剤は、例えば、希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム; 粒状化剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチまたはアルギン酸; 結合剤、例えば、デンプンまたはアカシアゴム; および潤滑、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクであることができる。
【0162】
錠剤は非被覆であるか、あるいは胃腸管における崩壊および吸収を遅延し、これにより長期間にわたって持続作用を提供するように既知の技術により被覆することができる。例えば、時間遅延物質、例えば、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートを使用できる。また、錠剤は米国特許第4,356,108号、米国特許第4,166,452号および米国特許第4,265,874号 (引用することによって本明細書の一部とされる) に記載されている技術により被覆して、調節放出のための浸透治療錠剤を形成できる。
【0163】
また、経口的使用のための配合物は、活性成分が不活性固体状希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセル、または活性成分が水または油性媒質、例えば、落花生油、液状パラフィンまたはオリーブ油と混合されている軟質ゼラチンカプセル剤として提供できる。
【0164】
水性懸濁液はその調製に適当な賦形剤と混合して活性化合物を含有することができる。このような賦形剤は次の通りである: 懸濁剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴムである; 分散剤または湿潤剤は天然に存在するホスファチド、例えば、レクチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリエチレンオキシド、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシカタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分的エステルとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分的エステルとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート。水性懸濁液は、また、1種または2種以上の着色剤、1種または2種以上の香味剤、および1種または2種以上の甘味剤、例えば、スクロースまたはサッカリンを含有することができる。
【0165】
油状懸濁液は、また、活性成分を植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油中に懸濁させることによって配合することができる。油状懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。甘味剤、例えば、前述のもの、および香味剤を添加して嗜好性調製物を提供することができる。これらの組成物は、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸の添加により保存することができる。
【0166】
水の添加による水性懸濁液の調製に適当な分散性粉剤および顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および1種または2種以上の保存剤と混合して活性化合物を提供する。適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、既に前述したものにより例示される。また、追加の賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤および着色剤が存在することができる。
【0167】
本発明に従い使用する化合物を含んでなる医薬組成物は、また、水中油型エマルジョンの形態であることができる。油相は植物油、例えば、オリーブ油または落花生油、または鉱油、例えば、液状パラフィン、またはそれらの混合物であることができる。適当な乳化剤は次の通りであるであることができる: 天然に存在するゴム、例えば、アカシアゴム またはトラガカントゴム、天然に存在するホスファチド、例えば、ダイズ、レクチン、および脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されたエステルまたは部分的エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、および前記エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート。乳濁液は、また、甘味剤および香味剤を含有することができる。
【0168】
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、ポリエチレングリコール、ソルビトールまたはスクロースを使用して配合することができる。このような配合物は、また、粘滑剤、保存剤、香味剤および着色剤を含有することができる。医薬組成物は無菌の注射可能な水性または油性懸濁液の形態であることができる。この懸濁液は、既知の方法に従い前述の適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して配合することができる。無菌の注射可能な調製物は、また、無毒の薬学上許容される希釈剤または溶媒中の溶液または懸濁液、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液であることができる。使用できる許容可能な賦形剤および溶媒の例は、水、リンガー溶液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の固定油は溶媒または懸濁媒質として好都合に使用される。この目的のために、任意の固定油は合成モノ-またはジ-グリセリドを用いて使用できる。さらに、脂肪酸、例えば、オレイン酸は注射可能な製剤の製造において使用される。
【0169】
組成物は、また、本発明の化合物の経直腸投与のための坐剤の形態であることができる。これらの組成物は、薬剤を適当な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができ、このような賦形剤は常温において固体であるが、直腸温度において液体であり、こうして直腸中で溶融して薬剤を放出する。このような物質は、例えば、カカオバターおよびポリエチレングリコールを包含する。
【0170】
局所的使用のために、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液およびその他が考えられる。この適用の目的に対して、局所的適用物はうがい薬および咽頭洗浄剤を包含する。
【0171】
本発明に従い使用する化合物は、また、リポソーム放出系、例えば、小さい単層小胞、大きい単層小胞、および多層小胞の形態で投与できる。リポソームは種々のリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成することができる。
【0172】
さらに、本発明に従い使用する化合物のいくつかは水または普通の有機溶媒と溶媒和物を形成することができる。また、このような溶媒和物は本発明の範囲内に入る。
こうして、それ以上の態様において、本発明に従い使用する化合物、またはその薬学上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグ、および1種または2種以上の薬学上許容される担体、賦形剤または希釈剤を含んでなる医薬組成物が提供される。
【0173】
固体状担体を経口投与に使用する場合、調製物は錠剤化し、粉末またはペレットの形態で硬質ゼラチンカプセル中に入れるか、あるいはトローチ剤またはロゼンジの形態であることができる。固体状担体の量は広く変化するであろうが、通常約25 mg〜約1 gであろう。液状担体を使用する場合、調製物はシロップ剤、乳濁液、軟質ゼラチンカプセル剤または無菌の注射可能な液体、例えば、水性または非水性の液状懸濁液または溶液の形態であることができる。
【0174】
慣用の錠剤化技術により製造できる典型的な錠剤は下記を含有することができる:
コア:
活性化合物 (遊離化合物またはその塩として) 5.0 mg
ラクトサム (Lactosum) Ph. Eur. 67.8 mg
セルロース、微結晶質 (Avicel) 31.4 mg
Amberite(商標)IRP88* 1.0 mg
ステアリン酸マグネシウムPh. Eur. 適量
【0175】
剤皮:
ヒドロキシメチルセルロース ほぼ9 mg
Mywacett 9-40** ほぼ0.9 mg
*カリウムポラクリリンNF、錠剤崩壊剤 (Rohm and Haas) 。
**薄膜被覆のために可塑剤として使用するアシル化モノグリセリド。
【0176】
本発明の化合物は、それを必要とする哺乳動物、ことにヒトである患者に投与することができる。また、このような哺乳動物は、動物、すなわち、飼いならされた動物、例えば、家庭のペットおよび飼いならされていない動物、例えば、野生動物の両方を包含する。
本明細書に記載する新規な特徴または特徴の組合わせは本発明に対して必須であると考えられる。
【0177】
本発明は、また、本発明の化合物の製造する下記の方法に関する。
下記の代表的実施例において本発明をさらに例示する。しかしながら、これらの実施例はいかなる方法においても本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0178】
実施例
下記の一般的手順は、明細書および合成スキームにおいて同定する中間体化合物および一般式 (I) の最終生成物を言及する。下記を使用して、一般式 (I) の化合物の製造を詳細に説明する。時々、反応は本発明の開示された範囲内に入る各化合物に記載するように適用できないことがある。これが起こる化合物を当業者は容易に認識するであろう。これらの場合において、当業者に知られている慣用の変更により、すなわち、妨害する基の適当な保護により、他の慣用の試薬に変化させることによって、または反応条件の日常的変更により、反応は首尾よく実施可能である。選択的に、本明細書に開示するか、あるいはそうでなければ慣用である他の反応は、本発明の化合物の製造に適用可能であろう。
【0179】
すべての選択的方法において、すべての出発物質は既知であるか、あるいは既知の出発物質から容易に製造することができる。化合物の構造は、元素分析または核磁気共鳴 (NMR) (ここで標題化合物中の特徴あるプロトンに割り当てられるピークは適当ならば提示される) により確証される。1H NMRシフト (δH) は、内部参照標準としてテトラメチルシランからのダウンフィールドにおいて百万当たりの部 (ppm) で記載される。M. p. は融点であり、℃で記載され、補正されない。カラムクロマトグラフィーは、下記の文献に記載されている技術に従い、メルク (Merck) シリカゲル60 (Art. 9385) を使用して実施した: W. C. Still 他、J. Org. Chem. 43: 2923 (1978) 。
【0180】
HPLC系:
HPLC-MS: アジレント (Agilent) MS検出器システムVL型 (MW 0-1000) およびS. E. D. E. R. E. 型Sedex 55 ELS検出器システムを装備したアジレント (Agilent) HPLC系 (1100脱気装置、1100ポンプ、1100注入装置および1100 DAD) によりウォーターズ (Waters) X-terra MS C18カラム (5μm、3.0 mm×50 mm) を勾配溶離、溶媒A (水中の0.05%のTFA) 中の5%〜95%の溶媒B (アセトニトリル中の0.05%のTFA) とともに使用して3分以内に2.7 mL/分において、RP分析を実施した。
【0181】
この出願おいて使用する略号は下記の意味を有する:
TLC: 薄層クロマトグラフィー
CDCl3: 重水素化クロロホルム
DCM: ジクロロメタン
DIIC: N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド
DMAP: 4-ジメチルアミノピリジン
DMSO-d6: ヘキサ重水素化ジメチルスルホキシド
DMSO: ジメチルスルホキシド
DIPEA: ジイソプロピルエチルアミン
EDAC: 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc: 酢酸エチル
THF: テトラヒドロフラン
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
HOBT: 1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール
POL: ポリスチレン
Ptg: 保護基
MeCN: アセトニトリル
NMP: N-メチルピロリジノン
TEA: トリエチルアミン
TFA: トリフルオロ酢酸
EDAC: 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
min: 分
hrs: 時間
【0182】
【化12】

【0183】
【化13】

【0184】
化合物は合成スキーム1または2に従い当業者により容易に認識される標準的反応を使用することによって製造される。
【0185】
【表1】

【0186】
【表2】

【0187】
薬理学的方法
11βHSD1酵素アッセイ
材料
3H-コーチゾンおよび抗ウサギIg被覆近接アッセイ (SPA) ビーズをアマーシャム・ファーマシア・バイオテク (Amersham Pharmacia Biotech) から購入し、β-NADPHをシグマ (Sigma) から購入し、そしてウサギ抗コルチゾール抗体をフィツゲラルド (Fitzgerald) から購入した。h-11βHSD1で形質転換した酵母抽出液 (Hult 他、FEBS Lett. 441、25 (1988)) を酵素源として使用した。被験化合物をDMSO (10 mM) 中に溶解した。50 mMのTRIS-HCl (Sigma Chemical Co.) 、4 mMのEDTA (Sigma Chemical Co.) 、0.1%のBSA (Sigma Chemical Co.) 、0.01%のツイーン-20 (Sigma Chemical Co.) および0.005%のバシトラシン (Novo Nordisk A/S) を含有する緩衝液、pH=7.4中ですべての希釈を実行した。オプチプレート (Optiplate) 96ウェルのプレートはパッカード (Packard) から入手した。SPAに結合した3H-コルチゾールの量をTopCount NXT (Packard) で測定した。
【0188】
方法
h-11βHSD1、120 nMの3H-コーチゾン、4 mMのβ-NADPH、抗体 (1:200) 、被験化合物の連続希釈物およびSPA粒子 (2 mg/ウェル) をウェルに添加した。異なる化合物を混合することによって反応を開始し、30℃において震蘯下に60分間進行させた。500μMのカルベノキソロンおよび1μMのコーチゾンを含有する停止緩衝液を10倍過剰量で添加することによって、反応を停止させた。GraphPad Prisonソフトウェアを使用して、データを解析した。
【0189】
本発明のある種の好ましい態様を参照して本発明を記載しかつ例示したが、当業者は理解するように、本発明の趣旨および範囲から逸脱しないで種々の変更、修飾および置換を実施することができる。例えば、1または2以上の疾患について治療されるヒトの反応の変動の結果として、ここにおいて記載する好ましい投与量以外の有効投与量を適用できる。同様に、観測される特別の薬理学的応答は、選択された特定の活性化合物、あるいは薬学的担体が存在するかどうか、ならびに配合物の種類および使用する投与のモードに従いかつそれに依存して変化することがあり、そして結果の期待する変動および差は本発明の目的および実施に従い考えられる。
【0190】
したがって、本発明は添付された特許請求の範囲よる以外に限定されるべきでない。
前述の説明および/または特許請求の範囲に開示されている特徴は、本発明をその多様な形態で実現するための別々のかつ組合わせされた材料である。
本発明の好ましい特徴は次の通りである:
1.一般式 (I) の化合物または薬学上許容される酸または塩基とのそれらの塩、または任意の光学的異性体または光学的異性体の混合物、例えば、ラセミ体混合物、または任意の互変異性体:
【0191】
【化14】

【0192】
式中、
R1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、7〜10個の炭素原子、および窒素、酸素およびS(O)mから選択される0〜1個の追加の異種原子から成る8〜11員の飽和二環式環または三環式環を形成し、前記環はC1-C4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-NHR10、-NR10R10、C1-C4アルキルオキシ、C1-C4アルキルオキシC1-C4アルキルおよびC1-C4アルキルカルボニルから独立して選択される0〜3個の基で置換されており、ここで各アルキル基は0〜1個のR11で置換されており;あるいは
【0193】
R1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、フェニルまたはヘトアリールで置換されている5または6員の飽和一環式環を形成し、前記フェニルまたはヘトアリール各々は1または2以上のC1-C4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソまたは-COOHで置換されていてもよく;あるいは
【0194】
R1は水素、0〜3個のハロゲンで置換されたC1-C4アルキル、フェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルであり、ここでフェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルは0〜3個のハロゲンで置換されており、そしてR2は置換または非置換のアダマンチル、置換または非置換のシクロプロピル、置換または非置換のシクロブチル、置換または非置換のシクロペンチルおよび置換または非置換のシクロヘキシルから選択され;
【0195】
mは0、1または2であり;
R10は水素であるか、あるいはC1-C6アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘトアリールから選択され、それらの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
R11はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOHまたはC1-C3アルコキシであり;
R3は水素、C1-C4アルキル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-C4アルキルオキシ、C1-C4アルキルオキシC1-C4アルキルおよびC1-C4アルキルカルボニルから選択され、ここで各アルキル基は0〜1個のR11で置換されており;
【0196】
X1、X2およびX3は水素、ヒドロキシル、-COOH、-OR4、-SR4、-C(O)R4、-COOR4、-CH2OR4、-NH-C(=O)R4、-NR5-C(=O)R4、-NH-C(=O)NHR4、-NR5-C(=O)NR4R5、-NH-S (=O)2R4、-NR5-S(=O)2R4、-S(=O)2NHR4、-S(=O)2NR4R5、-C(=O)NHR4、-C(=O)NR4R5、-S(=O)2R4、-NR4R5、フェニル、ヘトアリール、C1-C12アルキル、ヘトアルキル、C1-C6アルケニルおよびC1-C6アルキニルから独立して選択され、フェニル、ヘトアリール、C1-C12アルキル、ヘトアルキル、C1-C6アルケニルおよびC1-C6アルキニルの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
【0197】
ただしX1およびX2の両方が水素である場合、X3はピペリジンではなく、
R4はC1-C8アルキル、C1-C8アルケニル、C1-C8アルキニル、シクロアルキル、ヘトシクロアルキル、アリールまたはヘトアリールであり、それらの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
R5はC1-C8アルキル、C1-C8アルケニル、C1-C8アルキニル、シクロアルキル、ヘトシクロアルキル、アリールまたはヘトアリールであり、それらの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
【0198】
R4およびR5は必要に応じて接続して環を形成し;
R12はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-S(O)nR13、-S(O)nR13R14、シクロプロピル、-OR13、C1-C6アルキル、C1-C8アルケニル、C1-C8アルキニル、アリール、ヘトアリール、-NR14CONR13R14、-NR14SO2NR13R14、-NCOR13、-CONR13または-NCONHSO2R13であり、
【0199】
nは0、1または2であり;
R13はC1-C6アルキル、シクロアルキルまたはC1-C6アルキルオキシであり、それらの各々はR20で置換されることができ;
R14はC1-C6アルキル、シクロアルキルまたはC1-C6アルキルオキシであり、それらの各々はR20で置換されることができ;
R13およびR14は必要に応じて接続して環を形成し、
R20はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-S(O)pR21、-S(O)p NR21R21、シクロプロピル、-O-R21、-S-R21またはC1-C6アルキルであり、
pは0、1または2であり;
R21はC1-C6アルキルまたはC1-C6アルキルオキシである。
【0200】
2.R1が水素、0〜3個のハロゲンで置換されたC1-C4アルキル、フェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルであり、ここでフェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルは0〜3個のハロゲンで置換されており、そしてR2がアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、ここでアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルはR26で置換されており、R26はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-S(O)nR13、-OR13、C1-C6アルキルまたはシクロプロピルである、節1の化合物。
【0201】
3.R3が水素である、先行する節のいずれかの化合物。
4.R1およびR2が、それらが結合する窒素と一緒になって、8〜11員の飽和二環式環または三環式環を形成し、前記二環式環または三環式環は、2個の炭素原子が架橋により接続されている環を含んでなる、先行する節のいずれかの化合物。
5.前記二環式環または三環式環は、2つの炭素が架橋により接続されているピペリジンを含んでなる、節4の化合物。
【0202】
6.前記二環式環または三環式環は、2つの炭素が架橋により接続されているアゼピンを含んでなる、節4の化合物。
7.R1およびR2が、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素を形成している、先行する節のいずれかの化合物:
【0203】
【化15】

【0204】
ここで各構造的要素は0〜4個のR25で置換されており、各R25はC1-C8アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C4アルコキシ、オキソ、-COOH、C1-C6アルキルオキシ、-CH2OHおよび-SO2CH3から独立して選択され、そしてR27は水素またはハロゲンであり、ただし3以下のR27はハロゲンであることができる。
【0205】
8.各R25がC1-C4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C4アルコキシおよび-COOHから独立して選択される、節7の化合物。
9.R1およびR2が、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素を形成している、先行する節のいずれかの化合物:
【0206】
【化16】

【0207】
【化17】

【0208】
10.X1、X2およびX3が水素、ヒドロキシル、-COOH、-OR4、-C(O)R4、-COOR4、-CH2OR4、-NH-C(=O)R4、-NH-C(=O)NHR4、-NH-S (=O)2R4、-S(=O)2NHR4および-C(=O)NHR4から独立して選択される、先行する節のいずれかの化合物。
11.X1、X2およびX3の少なくとも1つが水素である、先行する節のいずれかの化合物。
12.X1が水素である、先行する節のいずれかの化合物。
13.X2が水素である、先行する節のいずれかの化合物。
14.X1、X2およびX3のうちの2つが水素である、先行する節のいずれかの化合物。
15.X1およびX3が水素である、先行する節のいずれかの化合物。
【0209】
16.X1およびX2が水素であり、そしてX3がヒドロキシル、-COOH、-O-C1-C4アルキル、-C(=O)OCH2CH3、-C(=O)OCH2CH=CH2、-C(=O)ヘトアリールおよび-C(=O)ヘトシクロアルキルから選択される、節1〜14のいずれかの化合物。
17.X1およびX3が水素であり、そしてX2がヒドロキシル、-COOH、-O-C1-C4アルキル、-C(=O)OCH2CH3、-C(=O)OCH2CH=CH2、-C(=O)ヘトアリールおよび-C(=O)ヘトシクロアルキルから選択される、節1〜14のいずれかの化合物。
【0210】
18.R1が水素、0〜3個のハロゲンで置換されたC1-C4アルキルまたは0〜3個のハロゲンで置換されたシクロプロピルである、節1〜3のいずれかの化合物。
19.R2が1-アダマンチルおよび2-アダマンチルから選択される非置換アダマンチルである、節18の化合物。
20.R2が置換アダマンチルである、節18の化合物。
21.R2が置換1-アダマンチルまたは置換2-アダマンチルである、節20の化合物。
22.R2がハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、C1-C6アルキルおよびC1-C6アルキルオキシから独立して選択される1、2またはそれ以上の置換基で置換されたアダマンチルである、節20〜21のいずれかの化合物。
【0211】
23.R2が置換または非置換のシクロプロピルである、節18の化合物。
24.R2が置換または非置換のシクロブチルである、節18の化合物。
【0212】
25.下記からなる群から選択される、先行する節のいずれかの化合物:
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-4-カルボン酸、
4-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-3-カルボン酸、
4-[4-(ピラゾル-1-イルオキシ)-ピペリジン-1-イル]-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
4-{1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-安息香酸、
4-(4-シクロプロピルメトキシ-ピペリジン-1-イル)-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
【0213】
4-[3-(モルホリン-4-カルボニル-ピペリジン-1-イル)-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
(3-アザ-ビシクロ[3.2.2.]ノン-3-イル)-[ 4-(3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-フェニル]-メタノン、
1-[4-(3-アザ-ビシクロ[3.2.2.]ノナン-3-カルボニル)-フェニル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル、
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル、
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、
1-[4-(3-アザ-ビシクロ[3.2.2.]ノナン-3-カルボニル)-フェニル]-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、または
それらのプロドラッグ、薬学上許容される酸または塩基とのそれらの塩、または任意の光学的異性体または光学的異性体の混合物、例えば、ラセミ体混合物、または任意の互変異性体。
【0214】
26.11βHSD1の活性のモジュレーションまたは阻害が有益である、任意の症状、障害および疾患の治療、防止および/または予防に有効な因子である、先行する節のいずれかの化合物。
27.細胞内グルココルチコイドレベルにより影響を受ける任意の症状、障害および疾患の治療、防止および/または予防に有効な因子である、節1〜25のいずれかの化合物。
28.代謝症候群、インスリン抵抗性、異脂肪血症、高血圧症および肥満症から成る群から選択される症状、障害または疾患の治療、防止および/または予防に有効な因子である、節1〜25のいずれかの化合物。
【0215】
29.2型糖尿病、障害されたグルコース耐性 (IGT) 、障害された空腹時グルコース (IFG) の治療、防止および/または予防に有効な因子である、節1〜25のいずれかの化合物。
30.IGTから2型糖尿病への進行の遅延または防止に有効な因子である、節1〜25のいずれかの化合物。
31.代謝症候群から2型糖尿病への進行の遅延または防止に有効な因子である、節1〜25のいずれかの化合物。
32.治療または療法に対するグルココルチコイドレセプターの副作用の治療、防止および/または予防に有効な因子である、節1〜25のいずれかの化合物。
【0216】
33.活性成分として、少なくとも1種の節1〜25のいずれかの化合物と1種または2種以上の薬学上許容される担体または賦形剤とを含んでなる医薬組成物。
34.経口、経鼻、経頬、経皮、経肺または非経口投与に使用される、節33の医薬組成物。
35.0.05 〜2000 mg/日、0.1 〜1000 mg/日または0.5 〜500 mg/日の節1〜22のいずれかの化合物を含んでなる単位投与形態の節33または34の医薬組成物。
36.1βHSD1の活性のモジュレーションまたは阻害が有益である、任意の症状、障害および疾患を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するための、節1〜25のいずれかの化合物の使用。
37.細胞内グルココルチコイドレベルにより影響を受ける任意の症状、障害および疾患を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するための、節1〜25のいずれかの化合物の使用。
38.代謝症候群、インスリン抵抗性、異脂肪血症、高血圧症および肥満症から成る群から選択される症状、障害または疾患の治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するための、節1〜25のいずれかの化合物の使用。
39.2型糖尿病、障害されたグルコース耐性 (IGT) 、障害された空腹時グルコース (IFG) の治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するための、節1〜25のいずれかの化合物の使用。
40.IGTから2型糖尿病への進行の遅延または防止する医薬組成物を製造するための、節1〜25のいずれかの化合物の使用。
41.代謝症候群から2型糖尿病への進行を遅延または防止する医薬組成物を製造するための、節1〜25のいずれかの化合物。
42.治療または療法に対するグルココルチコイドレセプターの副作用を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するための、節1〜25のいずれかの化合物の使用。
43.有効量の本発明による化合物をそれを必要とする患者に投与することを含んでなる、1βHSD1の活性のモジュレーションまたは阻害が有益である、任意の症状、障害および疾患を治療、防止および/または予防する方法。
44.症状、障害または疾患が代謝症候群、インスリン抵抗性、異脂肪血症、高血圧症および肥満症からなる群から選択される、節43の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式 (I) :
【化1】

〔式中、
R1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、7〜10個の炭素原子、および窒素、酸素およびS(O)mから選択される0〜1個の追加の異種原子から成る8〜11員の飽和二環式環または三環式環を形成し、前記環はC1-C4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-NHR10、-NR10R10、C1-C4アルキルオキシ、C1-C4アルキルオキシC1-C4アルキルおよびC1-C4アルキルカルボニルから独立して選択される0〜3個の基で置換されており、ここで各アルキル基は0〜1個のR11で置換されており;あるいは
R1およびR2は、それらが結合する窒素と一緒になって、フェニルまたはヘトアリールで置換されている5または6員の飽和一環式環を形成し、前記フェニルまたはヘトアリール各々は1または2以上のC1-C4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソまたは-COOHで置換されていてもよく;あるいは
R1は水素、0〜3個のハロゲンで置換されたC1-C4アルキル、フェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルであり、ここでフェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルは0〜3個のハロゲンで置換されており、そしてR2は置換または非置換のアダマンチル、置換または非置換のシクロプロピル、置換または非置換のシクロブチル、置換または非置換のシクロペンチルおよび置換または非置換のシクロヘキシルから選択され;
mは0、1または2であり;
R10は水素であるか、あるいはC1-C6アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘトアリールから選択され、それらの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
R11はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOHまたはC1-C3アルコキシであり;
R3は水素、C1-C4アルキル、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-C4アルキルオキシ、C1-C4アルキルオキシC1-C4アルキルおよびC1-C4アルキルカルボニルから選択され、ここで各アルキル基は0〜1個のR11で置換されており;
X1、X2およびX3は水素、ヒドロキシル、-COOH、-OR4、-SR4、-C(O)R4、-COOR4、-CH2OR4、-NH-C(=O)R4、-NR5-C(=O)R4、-NH-C(=O)NHR4、-NR5-C(=O)NR4R5、-NH-S (=O)2R4、-NR5-S(=O)2R4、-S(=O)2NHR4、-S(=O)2NR4R5、-C(=O)NHR4、-C(=O)NR4R5、-S(=O)2R4、-NR4R5、フェニル、ヘトアリール、C1-C12アルキル、ヘトアルキル、C1-C6アルケニルおよびC1-C6アルキニルから独立して選択され、フェニル、ヘトアリール、C1-C12アルキル、ヘトアルキル、C1-C6アルケニルおよびC1-C6アルキニルの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
ただしX1およびX2の両方が水素である場合、X3はピペリジンではなく、
R4はC1-C8アルキル、C1-C8アルケニル、C1-C8アルキニル、シクロアルキル、ヘトシクロアルキル、アリールまたはヘトアリールであり、それらの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
R5はC1-C8アルキル、C1-C8アルケニル、C1-C8アルキニル、シクロアルキル、ヘトシクロアルキル、アリールまたはヘトアリールであり、それらの各々は0〜2個のR12で置換されることができ;
R4およびR5は必要に応じて接続して環を形成し;
R12はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-S(O)nR13、-S(O)nR13R14、シクロプロピル、-OR13、C1-C6アルキル、C1-C8アルケニル、C1-C8アルキニル、アリール、ヘトアリール、-NR14CONR13R14、-NR14SO2NR13R14、-NCOR13、-CONR13または-NCONHSO2R13であり、
nは0、1または2であり;
R13はC1-C6アルキル、シクロアルキルまたはC1-C6アルキルオキシであり、それらの各々はR20で置換されることができ;
R14はC1-C6アルキル、シクロアルキルまたはC1-C6アルキルオキシであり、それらの各々はR20で置換されることができ;
R13およびR14は必要に応じて接続して環を形成し、
R20はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-S(O)pR21、-S(O)p NR21R21、シクロプロピル、-O-R21、-S-R21またはC1-C6アルキルであり;
pは0、1または2であり;
R21はC1-C6アルキルまたはC1-C6アルキルオキシである〕
で表わされる化合物または薬学上許容される酸または塩基とのそれらの塩、または任意の光学的異性体または光学的異性体の混合物、例えば、ラセミ体混合物、または任意の互変異性体。
【請求項2】
R1が水素、0〜3個のハロゲンで置換されたC1-C4アルキル、フェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルであり、ここでフェニル、ヘトアリールまたはシクロプロピルは0〜3個のハロゲンで置換されており、そしてR2がアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、ここでアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルはR26で置換されており、R26はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、-COOH、-S(O)nR13、-OR13、C1-C6アルキルまたはシクロプロピルである、請求項1の化合物。
【請求項3】
X1、X2およびX3が水素、ヒドロキシル、-COOH、-OR4、-SR4、-C(O)R4、-COOR4、-CH2OR4、-NH-C(=O)R4、-NR5-C(=O)R4、-NH-C(=O)NHR4、-NR5-C(=O)NR4R5、-NH-S(=O)2R4、-NR5-S(=O)2R4、-S(=O)2NHR4、-S(=O)2NR4R5、-C(=O)NHR4、-C(=O)NR4R5、-S(=O)2R4、フェニル、ヘトアリール、C1-C12アルキル、C1-C6アルケニルおよびC1-C6アルキニルから独立して選択され、フェニル、ヘトアリール、C1-C12アルキル、C1-C6アルケニルおよびC1-C6アルキニルの各々は0〜2個のR12で置換されることができる、請求項1〜2のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項4】
R1およびR2が、それらが結合する窒素と一緒になって、8〜11員の飽和二環式環または三環式環を形成し、前記二環式環または三環式環は、2個の炭素原子が架橋により接続されている環を含んでなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
R1およびR2が、それらが結合する窒素と一緒になって、下記の構造的要素:
【化2】

【化3】

を形成している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
X1、X2およびX3が水素、ヒドロキシル、-COOH、-OR4、-C(O)R4、-COOR4、-CH2OR4、-NH-C(=O)R4、-NH-C(=O)NHR4、-NH-S (=O)2R4、-S(=O)2NHR4および-C(=O)NHR4から独立して選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
R1が水素、0〜3個のハロゲンで置換されたC1-C4アルキルまたは0〜3個のハロゲンで置換されたシクロプロピルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
R2が1-アダマンチルまたは2-アダマンチルから選択される非置換アダマンチルである、請求項7の化合物。
【請求項9】
下記からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物:
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-4-カルボン酸、
4-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-3-カルボン酸、
4-[4-(ピラゾル-1-イルオキシ)-ピペリジン-1-イル)-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
4-{1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-安息香酸、
4-(4-シクロプロピルメトキシ-ピペリジン-1-イル)-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
4-[3-(モルホリン-4-カルボニル-ピペリジン-1-イル)-N-トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イル-ベンズアミド、
(3-アザ-ビシクロ[3.2.2.]ノン-3-イル)-[ 4-(3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-フェニル]-メタノン、
1-[4-(3-アザ-ビシクロ[3.2.2.]ノナン-3-カルボニル)-フェニル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル、
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル、
1-[4-(トリシクロ[3.3.1.1.3.7]デカン-2-イルカルバモイル)-フェニル]-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、
1-[4-(3-アザ-ビシクロ[3.2.2.]ノナン-3-カルボニル)-フェニル]-ピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル、または
それらのプロドラッグ、薬学上許容される酸または塩基とのそれらの塩、または任意の光学的異性体または光学的異性体の混合物、例えば、ラセミ体混合物、または任意の互変異性体。
【請求項10】
11βHSD1の活性のモジュレーションまたは阻害が有益である、任意の症状、障害および疾患の治療、防止および/または予防に有効な因子である、請求項1〜9のいずれかの化合物。
【請求項11】
細胞内グルココルチコイドレベルにより影響を受ける任意の症状、障害および疾患の治療、防止および/または予防に有効な因子である、請求項1〜9のいずれかの化合物。
【請求項12】
治療または療法に対するグルココルチコイドレセプターの副作用の治療、防止および/または予防に有効な因子である、請求項1〜9のいずれかの化合物。
【請求項13】
1βHSD1の活性のモジュレーションまたは阻害が有益である、任意の症状、障害および疾患を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するための、請求項1〜9のいずれかの化合物の使用。
【請求項14】
細胞内グルココルチコイドレベルにより影響を受ける任意の症状、障害および疾患を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するための、請求項1〜9のいずれかの化合物の使用。
【請求項15】
治療または療法に対するグルココルチコイドレセプターの副作用を治療、防止および/または予防する医薬組成物を製造するための、請求項1〜9のいずれかの化合物の使用。
【請求項16】
有効量の本発明による化合物をそれを必要とする患者に投与することを含んでなる、1βHSD1の活性のモジュレーションまたは阻害が有益である、任意の症状、障害および疾患を治療、防止および/または予防する方法。

【公表番号】特表2009−542759(P2009−542759A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518827(P2009−518827)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056470
【国際公開番号】WO2008/006703
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(508269525)ハイ ポイント ファーマシューティカルズ,リミティド ライアビリティ カンパニー (26)
【Fターム(参考)】