説明

2−アリールグリシンアミド誘導体

本開示が提供するのは、式Iの化合物であり、その医薬的に許容される塩、それらの医薬組成物、およびβ−アミロイドペプチド(β−AP)産生を阻害するそれらの方法である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本願は、2008年5月8日にされた米国仮特許出願第61/051,413号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示が提供するのは式Iの化合物であり、それには医薬的に許容される塩、それらの医薬組成物、およびβ−アミロイドペプチド(β−AP)産生を阻害するためのそれらの使用が含まれる。
【0003】
アルツハイマー病は、記憶障害および認知機能障害を特徴とする進行性の神経変性障害である。老人(神経突起)班の蓄積、神経原線維変化、神経組織および血管におけるアミロイド沈着、シナプス欠失、並びにニューロン死を病理学的な特徴とする。それは、痴呆の最も一般的な形態であり、そして今や、心血管障害および癌に次いで第3の主要な原因である。アルツハイマー病のコストは巨大であり(米国では年間一千億ドルより多い)、それには、患者の被害、家族の被害、並びに患者および介護者の失う生産性が含まれる。社会の長寿者が増大するにつれて、アルツハイマー病の発生数は顕著に増大する。予防および治療の方法が見いだされなければ、一千万人以上の米国人が、2020年までにアルツハイマー病を患うと予測されている。現在、アルツハイマー病は、65才以上の人口の10%を苦しめ、また85才以上の人口を最大で50%苦しめていると予測される。現在、効果的な治療がが存在しない。
【0004】
アルツハイマー病の病因および病理発生について、多くの理論が存在する。これらの理論は、他の疾患および病状とのアナロジー(例えば、遅発性ウイルスおよびアルミニウム理論)に基づくか、または病理学的観察(例えばコリン作動、アミロイド、またはもつれ理論)に基づくかのいずれかであった。遺伝学的分析は、競合する理論間を明確に区別できるかも知れない。アルツハイマー病および関連障害の初期の開始の形態にありがちな個々のβ−アミロイド前駆蛋白(β−APP)における変異の同定は、アミロイド病因論を強く支持する。
【0005】
哺乳類(ヒトを含む)の組織中にある、大きな膜にわたる糖タンパク質のβ−アミロイド前駆体タンパク質(β−APP)は、ヒト染色体21の長いアームの遺伝子によりエンコードされる。斑、もつれ、およびアミロイド沈着物の主な成分は、β−APPの約39〜43個のアミノ酸フラグメント(特に、40アミノ酸フラグメントは、Aβ1〜40として知られる)のβ−アミロイドペプチド(β−AP)であることが知られている。アルツハイマー病の病変の病因において、β−APの関与を支持する証拠が複数ある。β−APおよび関連するフラグメントは、PC−12細胞株およびニューロンの一次培養物に有毒であり、さらにげっ歯類では記憶喪失とともにニューロンの退化を生じさせることも示されてきた。アルツハイマー病におけるβ−APの役割に関する明確な証拠は、家族性アルツハイマー病(FAD)の特定の形態を有する個人における遺伝的β−APP変異の観察およびβ−APのフラグメントの放出変化と疾患の開始との相関関係からなる。
【0006】
アルツハイマー病患者の脳におけるアミロイド斑の成長は、β−APの過剰産生および/または減少したクリアランスもしくは除去の結果であると現在では考えられている。β−APの生成の基礎レベルは正常なプロセスであること、並びにβ−APP開裂のための経路は多数存在することが知られている。しかしながら、最近、アルツハイマー病を治療するのに有効なタンパク質分解酵素またその阻害剤の群(class)に関して一致する見解は存在しない。種々のペプチド化合物およびそれらの医薬組成物は、アルツハイマー病およびダウン症候群の患者の脳におけるアミロイドタンパク質沈着を阻害または予防するのに有用であると開示されてきた。
【0007】
したがって、β−アミロイド産生または蓄積に対して有効な化合物を開発するための、明確な必要性が存在する。本願が提供するのは技術的効果であり、例えば、本化合物は新規であり、また肝炎Cに対して有効である。また、本化合物は医薬用途に関しても優れており、例えば、化合物の活性、結合、阻害効果、標的選択性、溶解性、安全性プロフィール、またはバイオアベイラビリティといった化合物の機構の1またはそれ以上についても優れている。
【0008】
N−ベンゼンスルホンアミド−1−(置換)グリシンアミドは開示されている。以下を参照:Parker, M. F. et al., PCT出願第WO 03/053912号(2003年7月3日に発行)。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、式Iの化合物を包含し、それには医薬的に許容される塩および溶媒和物、それらの医薬組成物、並びにβ−アミロイドペプチド(β−AP)産生を阻害するためのそれらの使用が含まれる。
【0010】
ある態様において、本発明は、式 I:
【化1】

[式中、
Arは、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1〜6アルキル、およびC1〜6アルコキシからなる群より選択される、0〜5個の置換基で置換されたフェニルであり;
Arは、フェニルまたはピリジニルであって、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、CO、CON(R)(R)、CON(R)(R)、およびArからなる群より選択される、0〜5個の置換基で置換されるか;あるいは、Arは、
【化2】

であり;
Arは、
【化3】

であり;
Arは、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、およびトリアゾリルからなる群より選択されるヘテロアリール部位であって、0〜2個のC1〜6アルキルで置換され;
は独立して、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、または(C1〜4アルコキシ)C1〜4アルキルであり;
およびRは一緒になって、CHCHCH、CHCHCHCH、CHCHCHCHCH、CHCHCH(OH)CHCH、CHCHOCHCH、CHCHSCHCH、またはCHCHN(CH)CHCHであり;
は、ハロゲンであり;並びに
は、水素またはハロゲンである]
の化合物あるいはその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
【0011】
別の態様において、本発明は、
Arが、フェニル、ジハロフェニル、アルキルフェニル、ハロアルキルフェニル、またはアルコキシフェニルであり;
Arが、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、CO、CON(R)(R)、CON(R)(R)、およびArからなる群より選択される、1個の置換基で置換されたフェニルであるか;あるいはArが、ピリジニルまたは
【化4】

であり;
Arが、ハロフェニルであり;
Arが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、またはオキサジアゾリルであって、0〜1個のC1〜6アルキルで置換され;
が独立して、水素、C1〜6アルキル、またはC3〜7シクロアルキルであり;並びに
およびRが一緒になってCHCHCHである、
式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0012】
別の態様において、本発明は、
Arが、フェニル、ジフルオロフェニルメチルフェニル、トリフルオロメチルフェニル、またはメトキシフェニルであり;
Arが、フルオロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、シアノフェニル、(アルコキシカルボニル)フェニル、(カルボキシ)フェニル、(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、(N−エチルアミノカルボニル)フェニル、(N−t−ブチルアミノカルボニル)フェニル、(シクロブチルアミノカルボニル)フェニル、(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、(アゼチジニルカルボニル)フェニル、(ピラゾリル)フェニル、(イミダゾリル)フェニル、(トリアゾリル)フェニル、(オキサゾリル)フェニル、(オキサジアゾリル)フェニル、(メチルオキサジアゾリル)フェニル、ピリジニル、または(N−エチルオキソテトラヒドロイソキノリニルであり;並びに
Arが、クロロフェニルである、
式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0013】
別の態様において、本発明は、Arが、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1〜6アルキル、およびC1〜6アルコキシからなる群より選択される、0〜3個の置換基で置換されたフェニルである、式Iの化合物である。
【0014】
別の態様において、本発明は、Arが、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1〜6アルキル、およびC1〜6アルコキシからなる群より選択される、1〜2個の置換基で置換されたフェニルである、式Iの化合物である。
【0015】
別の態様において、本発明は、Arが、フェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、メチルフェニル、トリフルオロメチルフェニル、またはメトキシフェニルであって、ハロがクロロまたはフルオロである、式Iの化合物である。
【0016】
別の態様において、本発明は、Arが、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、CO、CON(R)(R)、CON(R)(R)、およびArからなる群より選択される、0〜3個の置換基で置換されたフェニルである、式Iの化合物である。
【0017】
別の態様において、本発明は、Arが、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、CO、CON(R)(R)、CON(R)(R)、およびArからなる群より選択される、1〜2個の置換基で置換されたフェニルである、式Iの化合物である。
【0018】
別の態様において、本発明は、Arが、シアノ、CO、CON(R)(R)、およびCON(R)(R)からなる群より選択される、1個の置換基で置換されたフェニルである、式Iの化合物である。
【0019】
別の態様において、本発明は、Arが1個のArで置換されたフェニルである、式Iの化合物である。
【0020】
別の態様において、本発明は、Arがパラ位における1個の置換基で置換されたフェニルである、式Iの化合物である。
【0021】
別の態様において、本発明は、Ar
【化5】

である、式Iの化合物である。
【0022】
別の態様において、本発明は、Ar
【化6】

である、式Iの化合物である。
【0023】
別の態様において、本発明は、Arが4−クロロフェニルである、式Iの化合物である。
【0024】
別の態様において、本発明は、Arが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、メチルイミダゾリル、メチルピラゾリル、メチルオキサジアゾリル、またはメチルトリアゾリルである、式Iの化合物である。
【0025】
別の態様において、本発明は、式Ia:
【化7】

の化合物である。
【0026】
式Iの化合物について、様々な置換基(R、R、R、R、R、Ar、Ar、Ar、およびArを含む)のいずれの場合における範囲も、様々な置換基の他のいずれの場合における範囲と独立に用いることができる。例えば、本発明には異なる態様の組合せが含まれる。
【0027】
特に断りがなければ、これらの用語は以下の意味を有する。「アルキル」は、1〜6個の炭素、好ましくは1〜3個の炭素からなる、直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味する。「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を有する、2〜6個の炭素、好ましくは2〜3個の炭素からなる、直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味する。「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を有する、2〜6個の炭素、好ましくは2〜4個の炭素からなる、直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味する。「シクロアルキル」は、3〜7個の炭素からなる単環式環系を意味する。「ハロアルキル」および「ハロアルコキシ」は、モノハロ置換アルキルからペルハロ置換アルキルまでの全てのハロゲン化異性体を含む。炭化水素部位(例えば、アルコキシ)を有する単語には、炭化水素部分に関して、直鎖および分岐鎖の異性体が含まれる。用語を括弧または複数の括弧でくくるのは、当業者に結合関係を明確にするためである。例えば((R)アルキル)の用語は、アルキル置換基がさらにRの置換基で置換されていることを意味する。
【0028】
本発明には、本化合物のあらゆる医薬的に許容される塩の形態が含まれる。医薬的に許容される塩は、対イオンが本化合物の生理学的活性または毒性に対して著しく寄与せず、そのような塩の機能が医薬的に同等である塩である。これらの塩は、市販品として入手可能な試薬を用いて、一般的な有機化学技術によって作ることができる。いくつかの陰イオン塩の形態には、酢酸塩、アシストラート、ベシル酸塩、臭化物塩、塩化物塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グロコウロネート(glucouronate)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヨウ化物塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシレート、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシレート、およびキシナホ酸塩が含まれる。いくつかの陽イオン塩の形態には、アンモニウム塩、アルミニウム塩、ベンザチン塩、ビスマス塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、リチウム塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、4−フェニルシクロヘキシルアミン塩、ピペラジン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩、および亜鉛塩が含まれる。
【0029】
本化合物のいくつかは立体異性体の形態で存在し、その1つの例を以下に示す。
【化8】

本発明は、本化合物のあらゆる立体異性体の形態を含み、それにはエナンチオマーおよびジアステレオマーが含まれる。立体異性体を製造し、分離する方法は当業者に知られている。
【0030】
本発明の化合物のいくつかは以下:
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−t−ブチルオキシカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−カルボキシフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−t−ブチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−アゼチジニルカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−メチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−ジメチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−シクロブチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(1−オキソ−2−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−イミダゾリルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−(1,2,4−トリアゾリル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−ピラゾリルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−ピリジルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−フルオロフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−トリフルオロメチルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−シアノフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(オキサゾール−2−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(4−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−t−ブチルオキシカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−t−ブチルオキシカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−4−メトキシベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−カルボキシフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−カルボキシフェニル)メチル)アミノ]−4−メトキシベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−t−ブチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−4−メトキシベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2−トリフルオロメチルベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−シアノフェニルメチル)アミノ]−2−トリフルオロメチル−ベンゼンアセトアミド;
(R)−α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ベンゼン−アセトアミド;
(R)−α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(1−オキソ−2−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメチル)アミノ]−ベンゼンアセトアミド;および
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2−メチルベンゼン−アセトアミド
である。
【0031】
(合成方法)
式Iの化合物は、当技術分野で周知の方法(以下のスキームで記載し、例示する方法を含む)によって作ることができる。合成方法の箇所で例示する式および記号(置換基)は、単に、式Iの化合物の合成の記載を補助するためのものであって、特許請求の範囲または本明細書の他の箇所における式Iの化合物を定義するために使用する記号(置換基)と混同されるべきではない。
【0032】
スキームで用いる略語は、概ね、当該技術分野の慣例に従う。本明細書および実施例で用いる化学的略語は、以下のように定義する:
「NaHMDS」は、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド;
「DMF」は、N,N−ジメチルホルムアミド;
「MeOH」は、メタノール;
「NBS」は、N−ブロモコハク酸イミド;
「Ar」は、アリール;
「TFA」は、トリフルオロ酢酸;
「LAH」は、水素化アルミニウムリチウム;
「BOC」および「DMSO」は、ジメチルスルホキシド;
「h」は、時間;
「rt」は、室温または保持時間(文脈で示す);
「min」は、分;
「EtOAc」は、酢酸エチル;
「THF」は、 テトラヒドロフラン;
「EDTA」は、エチレンジアミンテトラ酢酸;
「EtO」は、ジエチルエーテル;
「DMAP」は、4−ジメチルアミノピリジン;
「DCE」は、1,2−ジクロロエタン;
「ACN」は、アセトニトリル;
「DME」は、1,2−ジメトキシエタン;
「HOBt」は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;
「DIEA」は、ジイソプロピルエチルアミン;
「Nf」は、CF(CFSO−;並びに
「TMOF」は、オルトギ酸トリメチル。
【0033】
式I[ここでは、式(1)とも表記する]の化合物のいくつかは、スキーム1に図示した方法によって製造することができる。式(2)の化合物は、式ArSOClのスルホニル化剤と反応させて、式(3)の化合物を生成することができる。式(3)の化合物は、式X(CHAr(ここで、X=Br、Cl、I、OSCH、OS−C−CH、OS−CF)のアルキル化剤と反応させて、式(1)の化合物を生成することができる。式(3)の化合物は、ジアルキルアゾジカルボキシレートおよびトリアリールホスフィンの存在下で、式HO(CHArのアルコールと反応して、式(1)の化合物を提供することもできる。式(2)の化合物は、式OHC(CHm−1Arのアルデヒドで還元的にアルキル化して、式(4)の化合物を提供することもできる。式(4)の化合物は、スルホニル化して式(1)の化合物を生成することができる。
【化9】

【0034】
式Iの化合物のいくつかは、スキーム2に図示した方法によって製造することができる。式(6)の化合物は、スルホニル化して式(7)の化合物を生成することができる。式(7)の化合物は、式X(CHAr(ここで、X=Br、Cl、I、OSCH、OS−C−CH、OS−CF)の剤でアルキル化して、式(9)の化合物を生成することができる。式(7)の化合物は、ジアルキルアゾジカルボキシレートおよびトリアリールホスフィンの存在下で、式HO(CHArのアルコールと反応して、式(9)の化合物を提供することもできる。式(6)の化合物は、式OHC(CHm−1Arのアルデヒドで還元的にアルキル化して、式(8)の化合物を提供することができる。式(8)の化合物は、式ArSOClの剤でスルホニル化して、式(9)の化合物を生成することができる。式(9)のエステルは、式(10)のカルボン酸に加水分解することができる。式(10)の酸は、不活性溶媒中、カップリング試薬および塩基の存在下で、NHClまたはNHで処理することにより、式(1)のアミドに変換することができる。カップリング試薬には、例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、O−(7−アザベンゾトリアゾリル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、ベンゾトリアゾ−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、ベンゾトリアゾ−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、およびO−ベンゾトライゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)が含まれる。
【化10】

【0035】
式(2)または(3)の化合物のいくつかは、スキーム3に図示した方法によって製造することができる。式(11)のエステルをブロム化して、式(12)のブロモエステルを得ることができる。式(12)のブロモエステルは、式(13)のアジドに変換することができる。式(13)のアジドは、式(14)の保護アミンに変換することができる。式(14)のエステルは、式(15)の酸に加水分解することができる。式(15)の化合物は、カップリング試薬の存在下で、NHClまたはNHで処理することにより、式(16)の一級アミドに変換してもよい。式(16)の化合物を脱保護して、式(17)の化合物を得てもよい。あるいは、式(15)の中間体は、式(17)の化合物に加水分解することができる。式(17)の化合物をスルホニル化して、式(18)の化合物を得てもよい。式(3)のアミドは、カップリング試薬の存在下で、NHClまたはNHで処理することにより、式(18)の酸から製造してもよい。
【化11】

【0036】
式(2)の化合物のいくつかは、スキーム4に図示した方法によって製造することができる。ボロン酸RB(OH)、グリオキシル酸水和物、およびアミンRCHNHを反応させて、式(19)の中間体を提供することができる。式(20)のアミドは、カップリング試薬の存在下で、NHClまたはNHで処理することにより、式(19)の酸から製造することができる。式(2)の化合物は、式(20)のアミドから製造することができる。
【化12】

【0037】
(生物学的方法)
競合的インビトロ結合アッセイは、γ−セクレターゼ活性を阻害する化合物を同定するのに使用することができる。例えば、[H]−化合物Aは、THP−1細胞由来の膜との結合アッセイのために使用することができる(Seiffert, D. et al., J. Biol. Chem. 2000, 275, 34086)。化合物Aが記載されているのは、以下である:米国特許第6331408号;PCT公開番号第WO 00/28331号;PCT公開番号第WO 00/07995;および J. Biol. Chem. 2000, 275, 34086。
【化13】

【0038】
これらのアッセイを用いて化合物を評価するために、THP−1細胞を、L−グルタミンおよびβ−メルカプトエタノール(10μM)を含む、RPMI 1640中のスピナー培地中で密度が5×10細胞/mlまで増殖した。細胞を遠心分離によって収集し、該細胞ペレットをドライアイス/エタノール中で急速冷蔵し、そして使用前に−70℃で保存した。約2×10THP−1細胞のペレットを、10秒毎に、6に設定したブリンクマン・ポリトロン(Brinkman Polytron)を用いてホモジナイズした。該ホモジネートを48,000×gで12分間遠心分離して、そして得られたペレットを繰り返し、ホモジナイズおよび遠心分離して洗浄した。最終的な細胞ペレットを緩衝液中で再懸濁して、約0.5mg/mlのタンパク質濃縮物を得た。アッセイは、0.064μCiの放射性リガンドおよび様々な濃度の非標識化合物を含むアッセイ緩衝液(150μL)に、膜懸濁液(150μL)を加えることによって開始した。結合アッセイは、50mMヘルペス(Hepes)(pH7.0)および5%ジメチルスルホキシドを含有する0.3mLの最終的な容量で、ポリプロピレン96−ウェルプレート中で2回実施した。非特異的結合は、300nM化合物Aとのインキュベーションを用いて決めた(Seiffert, D. et al., J. Biol. Chem. 2000, 275, 34086)。23℃で1.3時間インキュベートした後に、結合リガンドを、0.3%エチレンイミンポリマー溶液中に予浸したGFFガラスファイバーフィルターでろ過して、遊離の放射リガンドを分離した。フィルターを、0.1%トリトン(Triton)X−100を含有する氷冷リン酸緩衝生理食塩水(pH7.0)(0.3mL)を用いて3回洗浄した。フィルター結合放射能は、シンチレーションカウントして測定した。次いで、IC50値を測定し、そしてこれを用いて、IC50値についてのチェング−プルソフト補正(Cheng-Prusoft correction)によって、K値を算出した。K値が10μMよりも低い場合に、化合物を活性なγ−セクレターゼ阻害剤としてスコアした。
【0039】
γ−セクレターゼ阻害剤は、培養細胞中でのAβ形成の阻害に基づくインビトロアッセイによっても評価した。APPおよびγ−セレクターゼ活性を発現する培養ヒト細胞株(例えば、HEK293およびH4細胞)、または野生型APP、変異型APP、もしくはAPP融合タンパク質を過剰発現すトランスフェクトされた誘導細胞株は、培地中にAβペプチドを分泌し、既にに概説されているように定量化することができる(Dovey, H. et al., J. Neurochem. 2001, 76, 173)。これらの培養細胞とγ−セクレターゼ阻害剤とのインキュベーションは、Aβペプチドの産生を減少する。例えば、上述したHPLAP−APP融合タンパク質を過剰発現するために安定にトランスフェクトされたH4細胞を上記の通り増殖させ、剥離し、そして2×10細胞/mlに調節した。次いで、得られた懸濁液(100μL)を96ウェルプレートの各ウェルに加えた。4時間後に培地を除去し、様々な希釈の試験化合物を含有する血清を含まない培地(100μL)に置き換えた。次いで、プレートを37℃で18時間インキュベートし、そして組織培養上澄み液の一定分量(100μL)を、上で概説する通り均一な標本の時間分解蛍光を用いてAβレベルを測定するために取り出した。Aβ阻害の大きさ(extent)を用いて、試験化合物についてのIC50値を算出した。上記アッセイの試験時に、試験化合物についてのIC50値が50μMより低い場合には、化合物は活性であるとみなす。
【0040】
代表的な化合物は上記アッセイによって評価し、Aβ形成阻害することを確認した。表1に、結果を要約する。
【表1】

【表2】

【0041】
APPを切断するのに加えて、γ−セレクターゼは他の基質を切断する。他の基質には、膜貫通受容体のノッチファミリー(Selkoe, D. Physiol. Rev. 2001, 81, 741; Wolfe, M. J. Med. Chem. 2001, 44, 2039 を参照);LDL受容体関連タンパク質(May, P. et al. J. Biol. Chem. 2002, 277, 18736);ErbB−4(Ni, C.Y. et al. Science 2001, 294, 2179);E−カドヘリン(Marambaud, P. et al., EMBO J. 2002, 21, 1948);およびCD44(Okamoto, I. et al., J. Cell Biol. 2001, 155, 755)が含まれる。非−APP基質の切断の阻害がヒトにおいて望ましくない影響を引き起こす場合には、望まれるγ−セレクターゼ阻害剤が不必要な基質に対してAPP切断を優先的に阻害する。ノッチ切断は、切断産物の量を測定することによって直接的に、または該切断産物が転写に及ぼす影響を測定することによって間接的に追跡することができる(Mizutani, T. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2001, 98, 9026)。
【0042】
(医薬組成物および使用方法)
「治療上有効な」は、アミロイドまたはアルツハイマー病の分野における熟練家が理解しているように、意味のある患者利益をを提供するのに必要な薬剤の量を意味する。
【0043】
「患者」は、アミロイドまたはアルツハイマー病の分野における熟練家が理解しているように、治療のために適したヒトである。
【0044】
「治療」、「療法」、「レジメン」、「HCV感染」、および関連する用語は、アミロイドまたはアルツハイマー病の分野における熟練家が理解しているように用いられる。
【0045】
別の態様において、本発明は、少なくとも1つの式Iの化合物に、少なくとも1つの医薬的補助剤、担体、または希釈剤を組み合わせてなる医薬組成物を含む。
【0046】
別の態様において、本発明は、アミロイドの異常な細胞外沈着によって特徴付けられる障害であって、治療が必要な患者においてβ−アミロイドペプチド阻害に反応する障害であって、また、治療上有効な量の、式Iの化合物またはその無毒の、医薬的に許容される塩を投与することを特徴とする障害の治療方法に関する。
【0047】
別の態様において、本発明は、治療が必要な患者において、細胞外アミロイド沈着によって特徴付けられる、全身性(血管性)アミロイドーシス、肺もしくは筋肉のアミロイドーシス、アルツハイマー病、ダウン症、または他の疾患の治療方法であって、治療上有効な量の、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを特徴とする治療方法に関する。
【0048】
化合物は一般的に、治療上有効な量の、式Iの化合物または医薬的に許容される塩並びに医薬的に許容される担体(および場合によっては、従来の賦形剤)を含む医薬組成物として提供される。治療上有効な量とは、当該分野で熟練家によって決定されるように、意味ある患者利益を提供するために必要な量である。医薬的に許容される担体は、許容される安全性プロフィールを有する、従来から知られた担体である。組成物はあらゆる、通常の固形および液体の形態を包含し、それには、カプセル剤、錠剤、トローチ剤、および散剤、並びに液体懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、および溶剤が含まれる。組成物は、通常の製剤技術並びに従来の賦形剤(例えば、結合剤および湿潤剤)およびベヒクル(例えば、水およびアルコール)を用いて作られる。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, PA, 17th edition, 1985 を参照。
【0049】
固体の組成物は通常、用量あたり約1〜約1000mgの活性成分を含む投与単位で製剤化される。いくつかの例として、固体の投与単位は、1mg、10mg、100mg、250mg、500mg、および1000mgである。液体の組成物は一般的に投与単位が1〜100mg/mLの範囲内にある。いくつかの例として、液体の投与単位は、1mg/mL、10mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、および100mg/mLである。
【0050】
本発明には、あらゆる、従来の投与形式が包含され、経口および非経口の方法が好ましい。典型的には、1日用量は、1日あたり0.01〜100mg/kg体重である。一般的に、経口投与を必要とする化合物は多く、非経口投与は少ない。しかしながら、具体的な投与計画は、医師の適切な医学的判断によって決定されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
略語は、一般的に、当該技術分野の慣例に従う。本明細書および実施例で用いる、化学用語の略語は、以下に定義する:
「NaHMDS」は、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド;
「DMF」は、N,N−ジメチルホルムアミド;
「MeOH」は、メタノール;
「NBS」は、N−ブロモコハク酸イミド;
「Ar」は、アリール;
「TFA」は、トリフルオロ酢酸;
「LAH」は、水素化アルミニウムリチウム;
「BOC」・「DMSO」は、ジメチルスルホキシド;
「h」は、時間;
「rt」は、室温または保持時間(文脈で示す);
「min」は、分;
「EtOAc」は、酢酸エチル;
「THF」は、テトラヒドロフラン;
「EDTA」は、エチレンジアミンテトラ酢酸;
「EtO」は、ジエチルエーテル;
「DMAP」は、4−ジメチルアミノピリジン;
「DCE」は、1,2−ジクロロエタン;
「ACN」は、アセトニトリル;
「DME」は、1,2−ジメトキシエタン;
「HOBt」は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;
「DIEA」は、ジイソプロピルエチルアミン、
「Nf」は、CF(CFSO−;および
「TMOF」は、オルトギ酸トリメチル。
【0052】
略語は一般的に慣例に従う:
「1×」は、1回、
「2×」は、2回、
「3×」は、3回、
「℃」は、摂氏温度、
「eq」は、当量、
「g」は、グラム、
「mg」は、ミリグラム、
「L」は、リットル、
「mL」は、ミリリットル、
「μL」は、マイクロリットル、
「N」は、規定濃度、
「M」は、モル、
「mmol」は、ミリモル、
「min」は、分、
「h」は、時間、
「rt」は、室温、
「RT」は、保持時間、
「atm」は、気圧、
「psi」は、ポンド毎平方インチ、
「conc.」は、濃縮された、
「sat」または「sat’d」は、飽和された、
「MW」は、分子量、
「mp」は、融点、
「ee」は、エナンチオマー過剰、
「MS」または「Mass Spec」は、質量分析、
「ESI」は、エレクトロスプレーイオン化質量分析、
「HR」は、高分解能、
「HRMS」は、高分解能質量分析 、
「LCMS」は、液体クロマトグラフィー質量分析、
「HPLC」は、高速液体クロマトグラフィー、
「RP HPLC」は、逆相HPLC、
「TLC」または「tlc」は、薄層クロマトグラフィー、
「NMR」は、核磁気共鳴分光法、
「1H」は、プロトン、
「δ」は、デルタ、
「s」は、一重項、
「d」は、ニ重項、
「t」は、三重項、
「q」は、四重項、
「m」は、多重項、
「br」は、ブロード、
「Hz」は、ヘルツ、並びに
「α」、「β」、「R」、「S」、「E」、および「Z」は、当業者によく知られた立体化学の命名。
【0053】
分析データは、以下の手順を用いて作成した。プロトンNMRスペクトルは、Varian FT−NMR(300MHzまたは500MHz)で記録し;化学シフトは、後述するように、ジュウテロクロロホルムまたはジュウテロジメチルスルホキシド中の、内部(internal)テトラメチルシラン標準(standard)からppm(δ)で記録した。質量スペクトル(MS)または高分解能質量スペクトル(HRMS)は、Finnegan MAT 8230分光計で記録した[エレクトロスプレーオン化(ES、+または−)または大気圧化学イオン化(APCI、+または−)を用い、NHを担体ガスとして用いた]。融点は、Buchi Model 510融点装置(melting point apparatus)で記録し、修正されていない。沸点は修正されていない。ワークアップの間のpH測定は全て、指示薬用紙(indicator paper)で行なった。燃焼分析は、Quantitative Technologies、Whitehouse、NJにより行なった。
【0054】
試薬は、商業的供給源から購入し、必要であれば、使用する前に精製した。クロマトグラフィー[薄層(TLC)、フラッシュ、またはプレパラティブ]は、後述する溶媒系を用いて、シリカゲル60で行なった。分析的精製は、ルーチン的に、逆相条件を用いて島津モデル8A HPLCで行なった(MeOH:H0:TFA=10:90:0.1から90:10:0.1)(流速=4mL/分、波長=220nm、グラジエント時間=3分)。プレパラティブ逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、各実施例で列挙した溶媒条件を用いて、Varian−RaininモデルSD−200装置で行なった。キラルクロマトグラフィーは、各実施例で記載するように、島津モデルLC−8A HPLCで行なった。混合溶媒系に関しては、体積比を記載する。そうでなければ、重量の部(parts)およびパーセンテージを記載する。
【0055】
(中間体1)
【化14】

3,5−ジフルオロベンゼン酢酸メチル
3,5−ジフルオロフェニル酢酸(75g、0.44mol)をメタノール(600mL)中に溶解し、得られた溶液を攪拌しながら、0℃に冷却した。塩化チオニル(95mL、1.31mol)を30分かけて滴下して加えた。次いで、反応混合液を還流温度で3時間、加温し、攪拌した。次いで、反応混合液を減圧中で濃縮した。残渣をトルエン中に取り込み、減圧中で再び濃縮した。この残渣をエーテル中に取り込み、得られた溶液を飽和NaHCO溶液で3回、洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧中で除去し、表題生成物を得た(80.9g、収率99%)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.81 (dt, 2H, J = 8, 1), 6.72 (td, 1H, J = 8, 1), 3.71 (s, 3H), 3.60 (s, 2H); HRMS (ES-): C9H7F2O2 (M+ - H)の計算値: 185.0414, 実測値: 185.0420.
【0056】
(中間体2)
【化15】

α−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン酢酸メチル
3,5−ジフルオロフェニル酢酸メチル(35g、188mmol)、N−ブロモコハク酸イミド(36.1g、207mmol)、AIBN(3.1g、18.8mmol)、および乾燥CCl(700mL)。混合液を還流温度に加熱し、窒素雰囲気下で18時間、攪拌した。次いで、反応混合液を周囲温度に冷却し、セライトで濾過した。濾液を減圧中で濃縮し、黄色の油状物を得た。減圧中で溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(CHCl)によって3つのフラクションを得た:(1)表題生成物(23g、収率46%、Rf=0.75):1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.06 (dt, 2H, J = 8, 2), 6.78 (td, 1H, J = 8, 2), 5.23 (s, 1H), 3.78 (s, 3H); MS (ES-): 263, 265 (C9H6BrF2O2, M+ - H)、(2)表題生成物および出発エステルの混合物、黄色の油状物(14.7g、Rf=0.75および0.6)、並びに(3)出発エステル(1.1g、Rf=0.6)。
【0057】
(中間体3)
【化16】

α−アジド−3,5−ジフルオロベンゼン酢酸メチル
ブロモ−(3,5−ジフルオロフェニル)酢酸メチル(23g、87mmol)、アジ化ナトリウム(11.3g、174mmol)、および乾燥CHCN(240mL)を混合し、室温の窒素雰囲気下で20.5時間、攪拌した。反応混合液を黄色のスラリーに濃縮して、それをEtOAc(200mL)中に取り込んだ。水で3回、食塩水で1回、洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過して、黄色の溶液を得た。減圧中で溶媒を除去し、清澄な橙色の液状物を得て、それをさらなる精製をせずに用いた(19.2g):1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.92 (dt, 2H, J = 8, 1), 6.80 (td, 1H, J = 8, 1), 4.96 (s, 1H), 3.77 (s, 3H); IR (フィルム, NaCl, cm-1): 3092 (w), 2995 (w), 2959 (w), 2848 (w), 2114 (s), 1750 (s), 1700 (m), 1625 (s), 1601 (s), 1506 (w), 1464 (m), 1438 (m), 1325 (s), 1265 (m), 1218 (s), 1208 (m), 1177 (m), 1123 (s), 992 (m).
【0058】
(中間体4)
【化17】

α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン酢酸、メチルエステル
パール装置ボトル中で、窒素ガスをジ−tert−ブチルカルボナート(11.6g、53mmol)のEtOAc溶液(55mL)に通じてバブルした。パラジウム触媒(10%炭素、4.3g)を慎重に加えた。3回反復して排除した後、反応ボトルを窒素ガスで充填し、次いで1回排除した後に、それを水素ガスで充填した。ボトルを50psi以下の圧力下で1時間、振盪した。ボトルを再び排除して、水素ガスを窒素で置換した。アジド−(3,5−ジフルオロフェニル)酢酸メチル(10g、44mmol)のEtOAc溶液(55mL、予めNで飽和)を加えた。水素化を50psi以下の圧力で18時間、再開した。水素を窒素で置換した。黒い懸濁液をセライトで濾過した。濾液を飽和NaHSO溶液で2回、飽和NaHCO溶液で2回、および食塩水で1回、洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧中で除去し、表題生成物を得た(12.7g、収率96%)。それはさらなる精製をせずに用いた:1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 6.92 (d, 2H, J = 8), 6.75 (t, 1H, J = 8), 5.70 (s, 1H), 5.35 (m, 1H), 3.74 (s, 3H), 1.52 (s, 6H), 1.43 (s, 3H); HRMS (ES-): C14H16F2NO4 (M+ - H)の計算値: 300.1047, 実測値:300.1053.
【0059】
(中間体5)
【化18】

α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン酢酸
α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン酢酸、メチルエステル(12.7g、42.3mmol)を、THF(150mL)およびMeOH(25mL)の混合液に溶解した。生じた溶液を攪拌しながら、0℃に冷却した。LiOH(1.52g、63.4mmol)の水溶液(50mL)を攪拌しながら、滴下して加え、反応混合液を3時間かけて周囲温度に加温した。溶媒を減圧中で除去し、残渣をEtOAc(200mL)中に取り込んだ。有機混合液を5%NaHSO溶液(40mL)で2回、および食塩水(40mL)で2回、洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧中で除去し表題生成物を得た(8.03g、収率66%):1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.04 (m, 2H), 6.90 (m, 1H), 5.23 (s, 1H), 1.43 (m, 9H); HRMS (ES-): C13H14F2NO4 (M+ - H)の計算値: 286.0891, 実測値: 286.0901.
【0060】
(中間体6)
【化19】

α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド
α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン酢酸(8.0g、27.9mmol)をDMF(180mL)中に溶解し、溶液を攪拌しながら、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。N,N’−ジイソプロピル−N−エチルアミン(7.3mL、41.8mmol)を加え、続いてO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、15.9g、41.8mmol)を加えた。0℃での攪拌を30分間、継続した。アンモニアガスを、懸濁液が形成するまで(〜5分)、反応混合液にバブルした。反応混合液を攪拌しながら、18時間かけて周囲温度に加温した。EtOAc(500mL)で希釈して得た溶液を、水(25mL)で3回、5%NaHSO溶液(30mL)で3回、飽和NaHCO溶液で2回、5%LiCl溶液(50mL)で3回、および食塩水で1回、洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧中で除去し、表題生成物を得た(7.13g、収率89%)。それはさらなる精製をせずに用いた:1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.04 (m, 2H), 6.90 (m, 1H), 5.17 (s, 1H), 1.43 (m, 9H); HRMS (ES+): C13H17F2N2O3 (M+ + H)の計算値: 287.1207, 実測値: 287.1212.
【0061】
(中間体7)
【化20】

α−アミノ−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド
α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド(7.1g、24.8mmol)、TFA(20.1mL、260.4mmol)、およびCHCl(150mL)を周囲温度で、窒素雰囲気下、5時間、攪拌した。溶媒を減圧中で除去して得た。残渣をEtOAc(150mL)中に溶解し、得られた溶液を飽和KCO溶液(40mL)で3回、食塩水で1回、洗浄した。MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を減圧中で濃縮し、表題生成物を得た(固形物、4.36g、収率94%)。それはさらなる精製をせずに用いた:1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.04 (m, 2H), 6.86 (m, 1H), 4.66 (s, 1H), 1.43 (m, 3H, 濃度依存); HRMS (ES+): C8H9F2N2O (M+ + H)の計算値: 187.0683, 実測値: 187.0698.
【0062】
(中間体8)
【化21】

α−[4−クロロベンゼンスルホニルアミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド
α−アミノ−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド(4.33g、23.3mmol)をCHCN(125mL)中に溶解し、溶液を攪拌しながら0℃に冷却した。トリエチルアミン(11.4mL、81.4mmol)を加え、続いて4−クロロベンゼンスルホニルクロリド(4.91g、23.0mmol)を加えた。反応混合液を50時間かけて、周囲温度に加温した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をEtOAc(200mL)中に溶解した。溶液を連続的に、5%NaHSO溶液(30mL)で2回、飽和NaHCO溶液(30mL)で2回、および食塩水(25mL)で2回、洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧中で除去し、表題生成物を得た(白色の固形物、71.0g、収率85%)。それはさらなる精製をせずに用いた:1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.74 (d, 2H, J = 9), 7.46 (d, 2H, J = 9), 6.86 (m, 3H), 5.00 (s, 1H), 1.40 (m, 3H, 濃度依存); HRMS (ES+): C14H12ClF2N2O3S (M+ + H)の計算値: 361.0237, 実測値: 361.0225.
【0063】
α−(4−クロロベンゼンスルホニルアミノ)−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミドのエナンチオマー分離
減圧中で溶媒を除去した後で、キラルクロマトグラフィー(1.0g)[Chiralcel ADカラム、5×50cm、20μm、ヘプタン:iPrOH=7:3で70.0mL/分、島津モデルLC−8A高圧プレパラティブ液体クロマトグラフ(HPLC)]によってエナンチオマーを2つ得た。
【0064】
中間体8a:低保持時間エナンチオマー(保持時間=32分、250mg):1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.72 (d, 2H, J = 9), 7.44 (d, 2H, J=9), 6.82 (m, 3H), 4.97 (s, 1 H), 4.83 (m, 3H); HRMS (ES-): C14H10ClF2N2O3S (M+ - H)の計算値: 359.0069, 実測値: 359.0006.
【0065】
中間体8b:高保持時間エナンチオマー(保持時間=48分、157mg):1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.72 (d, 2H, J = 9), 7.44 (d, 2H, J=9), 6.82 (m, 3 H), 4.97 (s, 1 H), 4.83 (m, 3H); HRMS (ES-): C14H10ClF2N2O3S (M+- H)の計算値: 359.0069, 実測値: 359.0071.
【0066】
中間体5に記載した手順に従って、中間体9〜10を適当なアミノ酸から合成した。
【0067】
(中間体9)
【化22】

α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−4−メトキシベンゼン酢酸
3.25g(収率42%):1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.31 (d, 2H, J = 8), 6.90 (d, 2H, J = 8), 5.10 (s, 1H), 4.80 (m, 2H, 濃度依存), 3.78 (s, 3H), 1.42 (s, 9H); HRMS (ES-): C14H18NO5 (M+ - H)の計算値: 280.1185, 実測値: 287.1176.
【0068】
(中間体10)
【化23】

α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−2−トリフルオロメチルベンゼン酢酸
5.24g(収率72%):1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.73 (d, 1H, J = 9), 7.56 (m, 3H), 5.60 (s,1H), 4.80 (m, 2H, 濃度依存), 1.40 (s, 9H); HRMS (ES-): C14H15F3NO4 (M+ - H)の計算値: 318.0953, 実測値: 318.0961.
【0069】
中間体6に記載した手順に従って、中間体11〜13を適当なベンゼン酢酸誘導体から製造した。
【0070】
(中間体11)
【化24】

α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼン酢酸
α−アミノ−2,4−ジフルオロベンゼン酢酸(5g、26.7mmol)を攪拌しながら、水(50mL)およびジオキサン(50mL)の混合液に溶解した。反応混合液を0℃に冷却し、EtN(18.6mL、133.6mmol)を加え、続いてジ−t−ブチルジカルボナート(8.75g、40.0mmol)を加えた。反応混合液を室温で加温しながら、18時間かけて攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をEtOAc(100mL)中に取り込んだ。有機溶液を5%NaHSO溶液(20mL)で2回および食塩水(20mL)で2回、洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濾過した。減圧中で溶媒を除去し、表題生成物を得た(5.31g):1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.42 (m, 1H), 6.97 (m, 2H), 5.46 (s, 1H), 4.80 (m, 2H, 濃度依存), 1.43 (s, 9H); HRMS (ES-): C13H14F2NO4 (M+ - H)の計算値: 286.0891, 実測値: 286.0900.
【0071】
(中間体12)
【化25】

α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼンアセトアミド
4.07g(収率78%):1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.42 (m, 1H), 6.96 (m, 2H), 5.46 (s, 1H), 4.80 (m, 3H, 濃度依存), 1.41 (s, 9H); HRMS (ES+): C13H17F2N2O3 (M+ + H)の計算値: 286.1268, 実測値: 287.1221.
【0072】
(中間体13)
【化26】

α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−4−メトキシベンゼンアセトアミド
2.48g(収率78%):1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.32 (d, 2H, J = 8), 6.89 (d, 2H, J = 8), 5.07 (s, 1H), 4.80 (m, 3H, 濃度依存), 3.78 (s, 3H), 1.42 (s, 9H); HRMS (ES+): C14H21N2O4 (M+ + H)の計算値: 281.1501, 実測値: 281.1505.
【0073】
(中間体14)
【化27】

α−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]−2−トリフルオロメチルベンゼンアセトアミド
4.87g(収率98%):1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.90 (s,1H), 7.30 (s, 2H), 7.62 (m, 2H), 7.52 (s, 2H), 5.56 (s, 1H), 1.44 (s, 9H); HRMS (ES+): C14H18F3N2O3 (M+ + H)の計算値: 319.1268, 実測値: 319.1275.
【0074】
中間体7に記載した手順に従って、実施例15〜17を適当なベンゼンアセトアミド誘導体から製造した。
【0075】
(中間体15)
【化28】

α−アミノ−2,4−ジフルオロベンゼンアセトアミド
2.14g(収率82%):1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.59 (m, 1H), 6.94 (m, 2H), 4.80 (m, 4H, 濃度依存), 4.70 (s, 1H); HRMS (ES+): C8H9F2N2O (M+ + H)の計算値: 187.0678, 実測値: 187.0684.
【0076】
(中間体16)
【化29】

α−アミノ−4−メトキシベンゼンアセトアミド
1.05g(収率58%):1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.33 (d, 2H, J = 8), 6.90 (d, 2H, J = 8), 4.80 (m, 4H, 濃度依存), 4.40 (s, 1H), 3.78 (s, 3H); HRMS (ES+): C9H13N2O2 (M+ + H)の計算値: 181.0977, 実測値: 181.0983.
【0077】
(中間体17)
【化30】

α−アミノ−4−トリフルオロメチルベンゼンアセトアミド
2.87g(収率86%):1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.65 (m, 3H), 7.48 (t, 1H, J = 8), 4.80 (m, 5H); HRMS (ES+): C9H10F3N2O (M+ + H)の計算値: 219.0759, 実測値: 219.0741.
【0078】
中間体8に記載した手順に従って、中間体18〜21を適当なベンゼンアセトアミドおよび4−クロロベンゼンスルホニルクロリドから製造した。
【0079】
(中間体18)
【化31】

α−[4−クロロベンゼンスルホニルアミノ]−2,4−ジフルオロベンゼンアセトアミド
3.84g(収率94%):1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.72 (d, 2H, J = 9), 7.44 (d, 2H, J = 9), 7.27 (m, 1H), 6.81 (m, 2H), 5.17 (s, 1H), 4.85 (m, 3H), 濃度依存); HRMS (ES+): C14H15ClF2N3O3S (M+ + NH4)の計算値: 378.0508, 実測値: 378.0480.
【0080】
(中間体19)
【化32】

α−[4−クロロベンゼンスルホニルアミノ]−4−メトキシベンゼンアセトアミド
1.96g(収率97%):1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 8.49 (d, 1H, J = 9), 7.65 (d, 2H, J = 9), 7.50 (s,1H), 7.48 (d, 2H, J = 9), 7.17 (d, 2H, J = 9), 7.05 (s,1H), 6.74 (d, 2H, J = 9), 4.86 (d, 1H, J = 9), 3.69 (s, 3H); HRMS (ES+): C15H19ClN3O4S (M+ + NH4)の計算値: 372.0770, 実測値: 372.0794.
【0081】
(中間体20)
【化33】

α−[4−クロロベンゼンスルホニルアミノ]−2−トリフルオロメチルベンゼンアセトアミド
4.92g(収率98%):1H-NMR (アセトン-d6, 300 MHz): 7.64 (d, 2H, J = 9), 7.59 (d, 1H, J = 9), 7.54 (d, 1H, J = 9), 7.45 (m, 2H), 7.37 (d, 2H, J = 9), 5.33 (s,1H), 4.79 (m, 3H); HRMS (ES+): C15H13ClF3N2O3S (M+ + H)の計算値: 393.0269, 実測値: 393.0299.
【0082】
(中間体21)
【化34】

(R)−α−[4−クロロベンゼンスルホニルアミノ]−ベンゼンアセトアミド
5.84g(収率95%、96%ee)(Chiralcel OD、4.6×50mm、ヘキサン:EtOH=10:90、1ml/分):1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.72 (d, 2H, J = 9), 7.44 (d, 2H, J = 9), 7.26 (s, 5H), 6.81 (m, 2H), 4.93 (s, 1H), 4.85 (m, 3H), 濃度依存).
【0083】
(中間体22)
【化35】

α−[ジフェニルメチル)アミノ]−2−メチルベンゼン酢酸
2−メチルフェニルボロン酸(4.08g、30mmol)、グリオキシル酸一水和物(2.76g、30mmol)、アミノジフェニルメタン(5.49g、30mmol)を混合したDCM溶液(200mL)を周囲温度で攪拌した。窒素ガスを混合物に15分間通じてバブルし、反応フラスコをseptum capで密閉した。攪拌を150時間、続けた。溶媒を減圧下で除去した。残渣を水(200mL)中に取り込み、混合物を還流温度で30分間、勢いよく攪拌した。混合液を室温に冷却し、濾過した。回収した固形物を大量の水、次いでエーテルで洗浄した。オフホワイトの固形物を減圧中で乾燥した(8.0g、収率80%)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 7.9 (m, 2H), 7.25 (m, 14H), 4.71 (s, 1H), 1.98 (s, 3H); HRMS (ES+): 332 (M+ + H).
【0084】
(中間体23)
【化36】

α−[ジフェニルメチル)アミノ]−2−メチルベンゼンアセトアミド
α−[ジフェニルメチル)アミノ]−2−メチルベンゼン酢酸(8.0g、24.2mmol)、EDC(6.92g、36.1mmol)、HOBt(4.87g、36.1mmol)、iPrNEt(12.6g、17.0mL<97.4mmol)の混合DMF溶液(107mL)を、周囲温度、窒素雰囲気下で攪拌した。塩化アンモニウム(2.71g、50.5mmol)を加えた。攪拌を138時間、継続した。反応混合液を水(600mL)に注ぎ、混合した。EtOAcで3回、抽出をした(100mL)。有機層を合わせて、5%LiCl溶液(50mL)で3回洗浄し、次いで、食塩水で(50mL)2回洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧中で除去し、黄色の油状物を得た。カラムクロマトグラフィーをして(EtOAc:ヘキサン=1:1)、減圧中で溶媒を除去し、表題生成物を淡黄色のガラス状物として得た(3.6g、収率45%)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 7.24 (m, 14H), 6.70 (s, 1H), 5.4 (s, 1H), 4.78 (s, 1H), 4.40 (s, 1H), 2.10 (s, 3H), 2.40 (s, 1H); HRMS (ES+): C22H23N2O (M+ + H)の計算値: 331.1778, 実測値: 331.1826.
【0085】
(中間体24)
【化37】

α−アミノ−2−メチルベンゼンアセトアミド
α−[ジフェニルメチル)アミノ]−2−メチルベンゼンアセトアミド(3.6g、10.9mmol)、10%Pd/C(360mg)を混合した、HCl(1N、11mL、11mmol)およびMeOH溶液(50mL)を、水素雰囲気下(圧力<50psi)で5時間(17psiで取り込み)、パール装置で振盪させた。その系を窒素でパージし、反応混合液をセライトで濾過した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を大量のエーテルでトリチュレートし、濾過した。減圧中で乾燥して、白色の固形物を得た(1.05g、収率59%)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 7.39 (s, 1H), 7.23(m, 5H), 4.46 (s, 1H) 2.37 (s, 3H), 2.09 (s, 2H); HRMS (ES+): C19H13NO2 (M+ + H)の計算値: 165.1023, 実測値: 165.1029.
【0086】
(中間体25)
【化38】

α−[4−クロロベンゼンスルホニルアミノ]−2−メチルベンゼンアセトアミド
中間体8に記載した手順に従って、本実施例をα−アミノ−2−メチルベンゼンアセトアミド(1.05g、6.4mmol)、4−クロロベンゼンスルホニルクロリド(1.49g、7.04mmol)、EtN(1.95mL、14mmol)から製造して、ジオキサン(10mL)中で反応させて、表題生成物を得た(クリーム状固形物、1.8g、収率83%)。8.41 (d, 1H, J = 8), 7.70 (dd, 2H, J = 8, 1), 7.53 (dd, 2H, J = 8, 1), 7.23 (s, 1H), 7.09 (m, 5H), 5.0 (d, 1H, J = 7), 2.28 (s, 3H); MS (ES-): 337, 339 (M+ - H).
【0087】
(実施例1)
【化39】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−t−ブチルオキシカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド
α−[4−クロロベンゼンスルホニルアミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド(300mg、0.83mmol)を乾燥THF(2.5mL)中に溶解し、得られた溶液を攪拌しながら、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(420mg、409μL、2.08mmol)を加え、反応混合液を15分間、攪拌した。t−ブチル 4−ヒドロキシメチルベンゾアート(433mg、2.08mmol)を乾燥THF(2.5mL)中に溶解し、得られた溶液を攪拌しながら、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。トリフェニルホスフィン(545mg、2.08mmol)を加え、反応混合液を15分間、攪拌した。アルコールを含む溶液を、もう1つの溶液に一度で加えた。反応混合液を18時間かけて周囲温度に加温し、次いでそれをEtOAcで希釈した(50mL)。有機溶液を水で4回洗浄し(15mL)、食塩水(20mL)で2回洗浄した。MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を減圧中で濃縮し、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィーを2回、行なった[EtOAc:ヘキサン=1:4、次いで1:3(2回)]。次いで粗生成物を6回、ヘキサン−エーテル−MeOH(8:1:1)の混合物とトリチュレートした。減圧中で乾燥して、表題生成物を得た(白色の固形物、207mg、収率45%)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.81 (d, 2H, J = 8), 7.65 (d, 2H, J = 8), 7.55 (d, 2H, J = 8), 7.10 (d, 2H, J = 8), 6.85 (d, 2H, J = 8), 6.76 (t, 1H, J = 8), 5.82 (s, 1H), 4.83 (m, 4H), 1.57(s, 9H); HRMS (ES+): C26H29ClF2N3O5S (M+ + NH4)の計算値: 568.1485, 実測値: 568.1475.
【0088】
(実施例2)
【化40】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−カルボキシフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−t−ブチルオキシカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド(225mg、0.41mmol)をDCM(7mL)中に溶解し、得られた溶液を攪拌しながら、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。TFA(1.35mL、17.5mmol)を加えた。反応混合液を攪拌しながら、5時間かけて室温に加温した。溶媒を減圧中で除去し、残渣をEtOAc(20mL)中に溶解した。有機溶液を5%NaHSO溶液(5mL)で3回、および食塩水(5mL)で2回、洗浄した。MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を減圧中で濃縮し、表題生成物を得た(オフホワイトの固形物、206mg、収率100%)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.9 (s, 1H, 濃度依存), 7.81 (d, 2H, J = 8), 7.65 (d, 2H, J = 8), 7.55 (d, 2H, J = 8), 7.10 (d, 2H, J = 8), 6.85 (d, 2H, J = 8), 6.76 (t, 1H, J = 8), 5.82 (s, 1H), 4.83 (m, 4H); HRMS (ES+): C22H18ClF2N2O5S (M+ + H)の計算値: 495.0593, 実測値: 495.0605.
【0089】
(実施例3)
【化41】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−カルボキシフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド(98mg、0.2mmol)を、DMF(300μL)およびCHCN(1mL)中に、室温で、攪拌しながら溶解した。N,N’−ジイソプロピル−N−エチルアミン(95μL、0.55mmol)を加え、続いてベンゾトリアゾ−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)(103mg、0.2mmol)を加えた。攪拌を5分間、続けた。エチルアミン(THFの2M溶液、149μL、0.3mmol)を加え、反応混合液を1.5時間、攪拌した。反応混合液をEtOAc(15mL)で希釈し、溶液を5%NaHSO溶液(5mL)で3回、食塩水(5mL)で2回洗浄した。MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を減圧中で濃縮し、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィーを行なった(EtOAc:ヘキサン=3:2)。次いで、粗生成物をヘキサン−エーテル−MeOH(8:1:1)の混合物でトリチュレートした。減圧中で乾燥して、表題生成物を得た(白色の固形物、86.3mg、収率83%)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 8.32 (t, 1H, J = 6), 7.82 (d, 2H, J = 8), 7.69 (s, 1H), 7.66 (d, 2H, J = 8), 7.55 (d, 2H, J = 8), 7.42 (s, 1H), 7.12 (td, 1H, J = 8, 1), 7.04 (d, 2H, J = 8), 6.76 (dt, 2H, J = 8, 1), 5.71 (s, 1H), 4.78 (s, 2H), 3.70 (q, 2H, J = 7), 1.10 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C24H23ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 522.1066, 実測値: 522.1049.
【0090】
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミドのエナンチオマー分離
キラルクロマトグラフィー[Chiralcel OD カラム(4.6×250mm、 10μM)、85%ヘキサン:15%EtOHで、1.0mL/分、島津モデルLC−8A高圧プレパラティブ液体クロマトグラフ(HPLC)]して、減圧中で溶媒を除去し、2つのエナンチオマーを得た。
【0091】
実施例3a:低保持時間エナンチオマー(保持時間=10.3分、27.6mg、98.8%ee)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.81 (d, 2H, J = 8), 7.53 (m, 4H), 7.12 (d, 2H, J = 8), 6.85 (dt, 2H, J = 8,1), 6.74 (td, 1H, J = 8, 1), 5.81 (s, 1H), 4.88 (m, 3H), 4.75 (d, 1H, J = 16), 3.38 (q, 2H, J = 7), 1.30 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C24H23ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 522.1066, 実測値: 522.1052.
【0092】
実施例3b:高保持時間エナンチオマー(保持時間=12.3分、28.8mg、99%ee)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.81 (d, 2H, J = 8), 7.53 (m, 4H), 7.12 (d, 2H, J = 8), 6.85 (dt, 2H, J = 8,1), 6.74 (td, 1H, J = 8, 1), 5.81 (s, 1H), 4.88 (m, 3H), 4.75 (d, 1H, J = 16), 3.38 (q, 2H, J = 7), 1.30 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C24H23ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 522.1066, 実測値: 522.1058.
【0093】
実施例4〜8を、上述した手順に従って製造した。
【0094】
(実施例4)
【化42】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−t−ブチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド
56.5mg[クロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=2:3)した後、収率69%]。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.79 (d, 2H, J = 8), 7.51 (m, 5H), 7.08 (d, 2H, J = 8), 6.87 (d, 2H, J = 8), 6.74 (t, 1H, J = 8), 5.80 (s, 1H), 4.78 (m, 4H), 1.44 (s, 9H); HRMS (ES+): C26H27ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 550.1379, 実測値: 550.1363.
【0095】
(実施例5)
【化43】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−アゼチジニルカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
88.8mg[クロマトグラフィーして(EtOAc:ヘキサン=65:35)、収率82%]。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 7.85 (d, 2H, J = 8), 7.68 (s, 1H), 7.67 (d, 2H, J = 8), 7.40 (s, 1H), 7.32 (d, 2H, J = 8), 7.08 (t, 1H, J = 8), 7.05 (d, 2H, J = 8), 6.81 (d, 2H, J = 8), 5.71 (s, 1H), 4.80 (dd, 2H, J = 16,16), 4.20 (t, 2H, J = 7), 4.01 (t, 2H, J = 7), 2.26 (五重項, 2H, J = 7); HRMS (ES+): C25H23ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 534.1066, 実測値: 534.1058.
【0096】
(実施例6)
【化44】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−メチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
34.3mg[逆相HPLCして(CHCN:HO:TFA=30:70:1〜70:30:1)、エーテルでトリチュレートして、減圧中で乾燥した後、収率33%]。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 7.83 (d, 2H, J = 8), 7.66 (d, 2H, J = 8), 7.66 (d, 2H, J = 8), 7.57 (d, 2H, J = 8), 7.39 (s, 1H), 7.08 (t, 1H, J = 8), 7.06 (d, 2H, J = 8), 6.82 (d, 2H, J = 8), 5.71 (s, 1H), 4.79 (s, 2H), 2.75 (d, 3H, J = 2); HRMS (ES+): C23H21ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 508.0909, 実測値: 508.0906.
【0097】
(実施例7)
【化45】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−ジメチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
82.3mg[クロマトグラフィーして(EtOAc:ヘキサン=2:3〜45:55)、収率78%]。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 7.84 (dd, 2H, J = 8, 1), 7.69 (m, 2H), 7.68 (dd, 2H, J = 8, 1), 7.41 (s, 1H), 7.11 (d, 2H, J = 8), 7.07 (d, 2H, J = 8), 6.82 (d, 2H, J = 8), 5.72 (s, 1H), 4.80 (dd, 2H, J = 16,16), 3.23 (s, 6H); HRMS (ES+): C24H23ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 522.1066, 実測値: 522.1066.
【0098】
(実施例8)
【化46】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−シクロブチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド
90.9mg[クロマトグラフィーして(EtOAc:ヘキサン=2:3)、収率82%]。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 8.42 (d, 1H, J = 8), 7.84 (d, 2H, J = 8), 7.67 (m, 1H), 7.65 (d, 2H, J = 8), 7.41 (s, 1H), 7.15 (t, 1H, J = 8), 7.03(d, 2H, J = 8), 7.07 (d, 2H, J = 8), 6.82 (d, 2H, J = 8), 5.71 (s, 1H), 4.78 (s, 2H), 4.39 (m, 1H), 2.24 (m, 2H), 2.12 (m, 2H), 1.65 (m, 2H); HRMS (ES+): C26H25ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 548.1222, 実測値: 548.1232.
【0099】
実施例9〜16は、上述した手順によって、α−[4−クロロベンゼンスルホニルアミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド、適当なアルコール(2.5当量)、トリフェニルホスフィン(2.5当量)、およびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(2.5当量)を製造した。
【0100】
(実施例9)
【化47】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(1−オキソ−2−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド
31.1mg[収率14%、2−エチル−6−ヒドロキシメチル−2H−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノロンを用いる、カラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=6:4次いで7:3)、次いで逆相HPLC(CHCN:H0:TFA=30:70:1〜70:30:1)、次いでカラムクロマトグラフィー(MeOH:CHCl=2:98)]。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.82 (d, 2H, J = 8), 7.64 (d, 1H, J = 8), 7.57 (m,1H), 7.55 (d, 2H, J = 8), 7.03 (d, 1H, J = 8), 6.86 (d, 2H, J = 8), 6.76 (t, 1H, J = 8), 5.83 (s, 1H), 4.87 (d, 1H, J = 16), 4.85 (m, 2H), 4.73 (d, 1H, J = 16), 3.57 (m, 4H), 2.82 (t, 2H, J = 7), 1.20 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C26H25ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 548.1222, 実測値: 548.1212.
【0101】
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(1−オキソ−2−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イル)メチルアミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミドのエナンチオマー分離
キラルクロマトグラフィー[Chiralcel OD カラム(5×50cm、20μm)、ヘプタン:EtOH=3:1、1.0mL/分、島津モデルLC−8A高圧プレパラティブ液体クロマトグラフ(HPLC)]によって、減圧中で溶媒を除去した後、2つのエナンチオマーを得た。
【0102】
実施例9a:低保持時間エナンチオマー(保持時間=7.3分、6.6mg、99.3%ee)。7.82 (d, 2H, J = 8), 7.64 (d, 1H, J = 8), 7.57 (m,1H), 7.55 (d, 2H, J = 8), 7.03 (d, 1H, J = 8), 6.86 (d, 2H, J = 8), 6.76 (t, 1H, J = 8), 5.83 (s, 1H), 4.87 (d, 1H, J = 16), 4.85 (m, 2H), 4.73 (d, 1H, J = 16), 3.57 (m, 4H), 2.82 (t, 2H, J = 7), 1.20 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C26H25ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 548.1222, 実測値: 548.1207.
【0103】
実施例9b:高保持時間エナンチオマー(保持時間=10.4分、6.4mg、99.0%ee)。7.82 (d, 2H, J = 8), 7.64 (d, 1H, J = 8), 7.57 (m,1H), 7.55 (d, 2H, J = 8), 7.03 (d, 1H, J = 8), 6.86 (d, 2H, J = 8), 6.76 (t, 1H, J = 8), 5.83 (s, 1H), 4.87 (d, 1H, J = 16), 4.85 (m, 2H), 4.73 (d, 1H, J = 16), 3.57 (m, 4H), 2.82 (t, 2H, J = 7), 1.20 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C26H25ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 548.1222, 実測値: 548.1247.
【0104】
(実施例10)
【化48】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−イミダゾリルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
49.6mg、収率28%。4−イミダゾリル−1−(ヒドロキシメチル)ベンゼンを用いて、続いてカラムクロマトグラフィーし(MeOH:CHCl=2:98)、次いでエーテル−ヘキサン(1:3)でトリチュレートし、次いで減圧中で乾燥した。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 8.03 (s,1H), 7.82 (d, 2H, J = 8), 7.55 (d, 2H, J = 8), 7.50 (m, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.28 (d, 2H, J = 8), 7.18 (s, 1H), 6.87 (d, 2H, J = 8), 6.75 (t, 1H, J = 8), 5.84 (s, 1H), 4.80 (d, 1H, J = 16), 4.77 (m, 2H), 4.73 (d, 2H, J = 16); HRMS (ES+): C24H20ClF2N4O3S (M+ + H)の計算値: 517.0913, 実測値: 517.0925.
【0105】
(実施例11)
【化49】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−(1,2,4−トリアゾリル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
107.9mg、収率60%。4−(1,2,4−トリアゾリル)−1−(ヒドロキシメチル)ベンゼンを用いて、続いてカラムクロマトグラフィーした(MeOH:CHCl=2:98)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 9.00 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.82 (d, 2H, J = 8), 7.53 (m, 4H), 7.21 (d, 2H, J = 8), 6.88 (d, 2H, J = 8), 6.80 (t, 1H, J = 8), 5.83 (s, 1H), 4.88 (d, 1H, J = 16), 4.70 (m, 2H), 4.76 (d, 1H, J = 16); HRMS (ES+): C23H19ClF2N5O3S (M+ + H)の計算値: 518.0865, 実測値: 518.0884.
【0106】
(実施例12)
【化50】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−ピラゾリルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
259mg、収率30%。4−ピラゾリル−1−(ヒドロキシメチル)ベンゼンを用いて、続いてカラムクロマトグラフィーし(EtOAc:ヘキサン=1:1)、次いでエーテル−ヘキサン(1:3)でトリチュレートし、次いで減圧中で乾燥した。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 8.12 (d, 1H, J = 1), 7.81 (d, 2H, J = 8), 7.68 (d, 1H, J = 1), 7.54 (d, 2H, J = 8), 7.44 (d, 2H, J = 8), 7.15 (d, 2H, J = 8), 6.88 (d, 2H, J = 8), 6.49 (t, 1H, J = 8), 6.50 (d, 1H, J = 1), 5.82 (s, 1H), 4.86 (d, 1H, J =16), 4.84 (m, 2H), 4.73 (d, 1H, J = 16); HRMS (ES+): C24H19ClF2N4O3SNa (M+ + Na)の計算値: 539.0732, 実測値: 539.0748.
【0107】
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−ピラゾリルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミドのエナンチオマー分離
減圧中で溶媒を除去した後、キラルクロマトグラフィー[Chiralcel ADカラム、5×50cm、20μm、1.0mL/分で、ヘプタン:EtOH=85:15、島津モデルLC−8A高圧プレパラティブ液体クロマトグラフ(HPLC)]によって、2つのエナンチオマーを得た。
【0108】
実施例12a:低保持時間エナンチオマー(106.4mg、保持時間=21.2分、99.2%ee)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 8.09 (d, 1H, J = 1), 7.79 (d, 2H, J = 8), 7.66 (d, 1H, J = 1), 7.53 (d, 2H, J = 8), 7.42 (d, 2H, J = 8), 7.12 (d, 2H, J = 8), 6.87 (d, 2H, J = 8), 6.72 (t, 1H, J = 8), 6.50 (d, 1H, J = 1), 5.80 (s, 1H), 4.86 (d, 1H, J =16), 4.84 (m, 2H), 4.73 (d, 1H, J = 16); HRMS (ES+): C24H20ClF2N4O3S (M+ + H)の計算値: 517.0913, 実測値: 517.0906.
【0109】
実施例12b:低保持時間エナンチオマー(106.4mg、保持時間=21.2分、99.2%ee)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 8.09 (d, 1H, J = 1), 7.79 (d, 2H, J = 8), 7.66 (d, 1H, J = 1), 7.53 (d, 2H, J = 8), 7.42 (d, 2H, J = 8), 7.12 (d, 2H, J = 8), 6.87 (d, 2H, J = 8), 6.72 (t, 1H, J = 8), 6.50 (d, 1H, J = 1), 5.80 (s, 1H), 4.86 (d, 1H, J =16), 4.84 (m, 2H), 4.73 (d, 1H, J = 16); HRMS (ES+): C24H20ClF2N4O3S (M+ + H)の計算値: 517.0913, 実測値: 517.0901.
【0110】
(実施例13)
【化51】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−ピリジルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
26.2mg、収率34%。4−(ヒドロキシメチル)ピリジンを用いて、続いてカラムクロマトグラフィーした(MeOH:CHCl=2:98、次いでEtOAc:ヘキサン:EtN=50:50:1)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 8.23 (d, 2H, J = 8), 7.87 (d, 2H, J = 8), 7.59 (d, 2H, J = 8), 7.12 (d 2H, J = 8), 6.89 (d, 2H, J = 8), 6.76 (t, 1H, J = 8), 5.83 (s, 1H), 4.84 (m, 4H); HRMS (ES+): C20H17ClF2N3O3S (M+ + H)の計算値: 452.0647, 実測値: 452.0643.
【0111】
(実施例14)
【化52】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−フルオロフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
26.2mg、収率11%。4−フルオロ−1−(ヒドロキシメチル)ベンゼンを用いて、続いてカラムクロマトグラフィーした(MeOH:CHCl=0.5:99.5、次いでEtOAc:ヘキサン=25:75)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.79 (d, 2H, J = 8), 7.55 (d, 2H, J = 8), 7.02 (m, 2H), 6.82 (m, 5H), 5.79 (s, 1H), 4.82 (m, 2H), 4.78 (d, 1H, J = 16), 4.67 (d, 1H, J = 16); HRMS (ES+): C21H17ClF3N2O3S (M+ + H)の計算値: 469.0601, 実測値: 469.0607.
【0112】
(実施例15)
【化53】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−トリフルオロメチルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
70.5mg、収率49%。4−トリフルオロメチル−1−(ヒドロキシメチル)ベンゼンを用いて、続いてカラムクロマトグラフィーした(EtOAc:ヘキサン=1:1、次いでEtOAc:ヘキサン:EtN=75:25:0.5、次いでEtOAc:ヘキサン:EtN=25:75:0.5)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz):7.83 (d, 2H, J = 8), 7.57 (d, 2H, J = 8), 7.35 (d, 2H, J = 8), 7.22 (d, 2H, J = 8), 6.84 (d, 2H, J = 8), 6.72 (t, 1H, J = 8), 5.83 (s, 1H), 4.83 (m, 4H); MS (ES+): 519, 521 (M+ + H).
【0113】
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−トリフルオロメチルフェニル)メチルアミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミドのエナンチオマー分離
減圧中で溶媒を除去した後、キラルクロマトグラフィー[Chiralcel ADカラム、5×50cm、20μm、1.0mL/分で、ヘプタン:iPrOH=9:1、島津モデルLC−8A高圧プレパラティブ液体クロマトグラフ(HPLC)]によって、2つのエナンチオマーを得た。
【0114】
実施例15a:低保持時間エナンチオマー(保持時間=12.4分、25.4mg、99.2%ee)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.82 (d, 2H, J = 8), 7.55 (d, 2H, J = 8), 7.35 (d, 2H, J = 8), 7.23 (d, 2H, J = 8), 6.84 (d, 2H, J = 8, 6.70 (t, 1H, J = 8), 5.83 (s, 1H), 4.84 (d, 1H, J = 16), 4.80 (m, 2H), 4.78 (d, 1H, J = 16); HRMS (ES+): C22H17ClF5N2O3S (M+ + H)の計算値: 519.0569, 実測値: 519.0579.
【0115】
実施例15b:高保持時間エナンチオマー(保持時間=17.2分、11.7mg、98.7%ee)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.82 (d, 2H, J = 8), 7.55 (d, 2H, J = 8), 7.35 (d, 2H, J = 8), 7.23 (d, 2H, J = 8), 6.84 (d, 2H, J = 8, 6.70 (t, 1H, J = 8), 5.83 (s, 1H), 4.84 (d, 1H, J = 16), 4.80 (m, 2H), 4.78 (d, 1H, J = 16); HRMS (ES+): C22H17ClF5N2O3S (M+ + H)の計算値: 519.0569, 実測値: 519.0561.
【0116】
(実施例16)
【化54】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−シアノフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
75.5mg、収率57%。4−シアノ−1−(ヒドロキシメチル)ベンゼンを用いて、続いてカラムクロマトグラフィーした(EtOAc:ヘキサン:EtN=25:75:0.5、次いでEtOAc:ヘキサン:EtN=40:60:0.5)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.84 (d, 2H, J = 8), 7.57 (d, 2H, J = 8), 7.45 (d, 2H, J = 8), 7.23 (d, 2H, J = 8), 6.85 (d, 2H, J = 8), 6.77 (t, 1H, J = 8), 5.82 (s, 1H), 4.90 (d, 1H, J = 16), 4.86 (m, 2H), 4.83 (d, 1H, J = 16).
【0117】
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−シアノフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミドのエナンチオマー分離
減圧中で溶媒を除去した後、キラルクロマトグラフィー(Chiralcel ADカラム、5×50cm、20μm、1.0mL/分で、ヘプタン:iPrOH=4:1、島津モデルLC−8A高圧プレパラティブ液体クロマトグラフ(HPLC)によって、2つのエナンチオマーを得た。
【0118】
実施例16a:低保持時間エナンチオマー(保持時間=10.4分、23.9mg、98.6%ee)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.84 (d, 2H, J = 8), 7.57 (d, 2H, J = 8), 7.45 (d, 2H, J = 8), 7.23 (d, 2H, J = 8), 6.85 (d, 2H, J = 8), 6.77 (t, 1H, J = 8), 5.82 (s, 1H), 4.87 (d, 1H, J = 16), 4.83 (m, 2H), 4.77 (d, 1H, J = 16); HRMS (ES+): C22H17ClF2N3O3S (M+ + H)の計算値: 476.0647, 実測値: 476.0661.
【0119】
実施例16b:高保持時間エナンチオマー(保持時間=16.2分、21.9mg、99.1%ee)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.84 (d, 2H, J = 8), 7.57 (d, 2H, J = 8), 7.45 (d, 2H, J = 8), 7.23 (d, 2H, J = 8), 6.85 (d, 2H, J = 8), 6.77 (t, 1H, J = 8), 5.82 (s, 1H), 4.87 (d, 1H, J = 16), 4.83 (m, 2H), 4.77 (d, 1H, J = 16); HRMS (ES+): C22H17ClF2N3O3S (M+ + H)の計算値: 476.0647, 実測値: 476.0651.
【0120】
実施例17a
【化55】

α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(オキサゾール−2−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド、エナンチオマー1
α−(4−クロロフェニルスルホニルアミノ)−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド、低保持時間エナンチオマー(238mg、0.66mmol)をDMF(2mL)中に溶解し、得られた溶液を攪拌しながら、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。2−(4−(ブロモメチル)−フェニル)オキサゾール(236mg、0.99mmol)を次に加え、続いて炭酸セシウム(472mg、1.45mmol)を加えた。反応混合液を攪拌しながら、室温で1.5時間かけて、加温した。反応混合液をEtOAc(75mL)で希釈し、溶液を飽和NaHCO溶液(15mL)で3回、5%LiCl溶液(15mL)で3回、および食塩水(15mL)で2回、洗浄した。MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を減圧中で濃縮し、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィーを行ない(MeOH:CHCl=0.5:99.5)、続いて減圧中で溶媒を除去し、表題生成物を得た(白い粉末、29.2mg、収率8.5%)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.94 (s, 1H), 7.82 (d, 2H, J = 9), 7.72 (d, 2H, J = 9), 7.54 (d, 2H, J = 9), 7.25 (s, 1H), 7.16 (d, 2H, J = 9), 6.86 (m, 2H, J = 7), 6.71 (m, 1H), 5.81 (s, 1H), 4.81 (m, 4H); HRMS (ES+): C24H19ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 518.0753, 実測値: 518.0774.
【0121】
実施例17b
【化56】

α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(オキサゾール−2−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド、エナンチオマー2
α−(4−クロロフェニルスルホニルアミノ)−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド、高保持時間エナンチオマー(145mg、0.40mmol)をDMF(2mL)中に溶解し、得られた溶液を攪拌しながら、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。2−(4−(ブロモメチル)フェニル)オキサゾール(144mg、0.60mmol)を次に加え、続いて炭酸セシウム(288mg、0.88mmol)を加えた。反応混合液を攪拌しながら1.5時間かけて、室温に加温した。反応混合液をEtOAc(50mL)で希釈し、溶液を飽和NaHCO溶液(10mL)で3回、5%LiCl溶液(10mL)で3回、および食塩水(10mL)で2回、洗浄した。MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を減圧中で濃縮し、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィーを行ない(MeOH/CHCl=0.5:99.5)、続いて減圧中で溶媒を除去し、表題生成物を得た(白いフィルム、53.5mg、収率26%)。1H NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.94 (s, 1H), 7.82 (d, 2H, J = 9), 7.72 (d, 2H, J = 9), 7.54 (d, 2H, J = 9), 7.25 (s, 1H), 7.16 (d, 2H, J = 9), 6.86 (m, 2H, J = 7), 6.71 (m, 1H), 5.81 (s, 1H), 4.81 (m, 4H); HRMS (ES+): C24H19ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 518.0753, 実測値: 518.0754.
【0122】
(実施例18)
【化57】

α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド
α−(4−クロロフェニルスルホニルアミノ)−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド(300mg、0.83mmol)をDMF(5mL)中に溶解した。この混合溶液に、3−(4−(ブロモメチル)フェニル)−5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール(340mg、1.08mmol)およびCsCO(810mg、2.5mmol)を加えた。反応混合液を室温で6時間、攪拌した。次いで、反応混合液を酢酸エチル(30mL)に注いだ。有機混合液を飽和NaCO(10mL)で2回、次いで食塩水(10mL)で2回、洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濾過し、濾液を減圧中で濃縮した。粗残渣を、Biotage Horizon 2.0システム(EtOAc:ヘキサン=1:4から4:1、全溶媒量=2L)を用いて、中圧(medium pressure)液体クロマトグラフィーで精製して、表題生成物を白色の固形物として得た(117mg、収率26%)。MS (ES+): 333 (M+ + H).
【0123】
α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミドのエナンチオマー分離
減圧中で溶媒を除去した後、キラルクロマトグラフィー(117mg)[Chiralcel ODカラム(5×50cm、20μm)、70.0mL/分で、ヘプタン:EtOH=9:1、島津モデルLC−8A高圧プレパラティブ液体クロマトグラフ(HPLC)]によって、2つのエナンチオマーを得た。
【0124】
実施例18a:低保持時間エナンチオマー(保持時間=18.5分、28mg、98.4%ee)。1H-NMR (DMSO-d6, 500 MHz): 7.85(d, 2H, J=9), 7.75-7.60 (m, 5H), 7.38 (s, 1H), 7.16 (d, 2H, J = 8), 7.03 (t, 1H, J = 6), 6.83 (d, 2H, J=6), 5.73(s, 1H), 4.83(s, 2H), 2.65 (s, 3H); MS (ES+): 533, 535 (M+ + H).
【0125】
実施例18b:高保持時間エナンチオマー(保持時間=23.6分、37mg、98.8%ee)。1H-NMR (DMSO-d6, 500 MHz): 7.85(d, 2H, J=9), 7.75-7.60 (m, 5H), 7.38 (s, 1H), 7.16 (d, 2H, J = 8), 7.03 (t, 1H, J = 6), 6.83 (d, 2H, J=6), 5.73(s, 1H), 4.83(s, 2H), 2.65 (s, 3H); HRMS (ES+): C24H20ClF2N4O4S (M+ + H)の計算値: 533.0862, 実測値: 533.0836.
【0126】
(実施例19)
【化58】

α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(4−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド
α−(4−クロロフェニルスルホニルアミノ)−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド(200mg、0.56mmol)をDMF(2mL)中に溶解した。この混合溶液に、3−(4−(ブロモメチル)フェニル)−1,2,4−オキサジアゾール(200mg、0.84mmol)およびCsCO(275mg、0.84mmol)を加えた。反応混合液を室温で3時間、攪拌した。次いで、反応混合液を酢酸エチル(10mL)に注いだ。有機混合液を飽和NaCO(1mL)で2回、次いで食塩水(1mL)で2回、洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濾過し、濾液を減圧中で濃縮した。粗残渣を、Biotage Horizon 2.0システム(DCM:アセトン:ヘキサン=3:1:6)を用いて、中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)によって精製した。表題生成物を、白色の固形物として得た(181mg、収率26%)。MS (ES+): 519, 521 (M+ + H).
【0127】
α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(4−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミドのエナンチオマーの分離
減圧中で溶媒を除去した後、キラルクロマトグラフィー(181mg)[Chiralcel ODカラム(5×50cm、20μm)、70.0mL/分で、ヘプタン:EtOH=9:1、島津モデルLC−8A高圧プレパラティブ液体クロマトグラフ(HPLC)]によって、2つのエナンチオマーを得た。
【0128】
実施例19a:低保持時間エナンチオマー(保持時間=22分、27mg、98.8%ee)。1H-NMR (DMSO-d6, 500 MHz): 9.66(s, 1H), 7.84 (d, 2H, J = 9), 7.76 (d, 2H, J =8), 7.6-7.7(m, 3H), 7.38(s, 1H), 7.2(d, 2H, J= 9) 7.10-7.00 (m, 1 H), 6.84 (d, 2H, J = 8), 5.73 (s, 1H), 4.84 (s, 2H); MS (ES+): 519, 521 (M+ + H).
【0129】
実施例19b:高保持時間エナンチオマー(保持時間=30分、25mg、99.0%ee)。1H-NMR (DMSO-d6, 500 MHz): 9.66(s, 1H), 7.84 (d, 2H, J = 9), 7.76 (d, 2H, J =8), 7.6~7.7(m, 3H), 7.38(s, 1H), 7.2(d, 2H, J= 9) 7.10~7.00 (m, 1 H), 6.84 (d, 2H, J = 8), 5.73 (s, 1H), 4.84 (s, 2H); MS (ES+): 519, 521 (M+ + H).
【0130】
実施例20〜26を、上述した手順に従って製造した。
【0131】
(実施例20)
【化59】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−t−ブチルオキシカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼンアセトアミド
701mg[フラッシュクロマトグラフィーした後(EtOAc:ヘキサン=1:4から2:3)、収率61%]。1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 7.79 (d, 2H, J = 9), 7.62 (d, 2H, J = 9), 7.53 (d, 2H, J = 9), 7.30 (m, 1H), 7.02 (d, 2H, J = 9), 6.82 (t, 1H, J = 9), 6.67 (t, 1H, J = 9), 6.02 (s,1H), 4.86 (d, 1H, J = 16), 4.85 (m, 2H, 濃度依存), 4.81 (d, 1H, J = 16), 1.57 (s, 9H); HRMS (ES+): C26H26ClF2N2O5S (M+ + H)の計算値: 551.1219, 実測値: 551.1232.
【0132】
(実施例21)
【化60】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−t−ブチルオキシカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−4−メトキシベンゼンアセトアミド
377mg[フラッシュクロマトグラフィーし(EtOAc:ヘキサン=3:7から1:1)、次いでエーテル:ヘキサン=5:95でトリチュレートし、収率32%]。1H-NMR (MeOH-d4, 300 MHz): 7.80 (d, 2H, J = 9), 7.62 (d, 2H, J = 9), 7.58 (s, 1H), 7.55 (d, 2H, J = 9), 7.20 (s, 1H), 7.13 (d, 2H, J = 9), 6.97 (d, 2H, J = 9), 6.78 (d, 2H, J = 9), 5.65 (s,1H), 4.68 (s, 2H), 3.65 (s, 3H), 1.51 (s, 9H); HRMS (ES+): C27H30ClN2O6S (M+ + H)の計算値: 545.1513, 実測値: 545.1501.
【0133】
(実施例22)
【化61】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−カルボキシフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼンアセトアミド
616mg(エーテル:ヘキサン=5:95でトリチュレートした後、収率98%)。1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 7.85 (d, 2H, J = 9), 7.60 (m, 4H), 7.45 (s, 1H), 7.33 (m, 1H), 7.05 (d, 2H, J = 9), 6.89 (m, 2H), 5.89 (s, 1H), 4.80 (d, 1H, J = 16), 4.66 (d, 1H, J = 16), 4.85 (m, 2H, 濃度依存); HRMS (ES+): C22H18ClF2N2O5S (M+ + H)の計算値: 495.0593, 実測値: 495.0585.
【0134】
(実施例23)
【化62】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−カルボキシフェニル)メチル)アミノ]−4−メトキシベンゼンアセトアミド
41.5mg(エーテル:ヘキサン=5:95でトリチュレートした後、収率93%)。1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 12.75 (s, 1H), 7.81 (d, 2H, J = 9), 7.61 (m, 5H), 7.20 (s, 1H), 7.14 (d, 2H, J = 9), 6.98 (d, 2H, J = 9), 6.78 (d, 2H, J = 9), 5.65 (s,1H), 4.69 (s, 2H), 3.65 (s, 3H); HRMS (ES-): C23H20ClN2O6S (M+ - H)の計算値: 487.0731, 実測値: 487.0747.
【0135】
(実施例24)
【化63】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
88.3mg[クロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:1から35:65)した後、収率84%]。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 8.32 (t, 1H, J = 6), 7.82 (d, 2H, J = 8), 7.69 (s, 1H), 7.66 (d, 2H, J = 8), 7.55 (d, 2H, J = 8), 7.37 (s, 1H), 7.25 (m, 1H), 6.93 (m, 4H), 5.88 (s, 1H), 4.75 (d, 1H, J = 16), 4.65 (d, 1H, J = 16), 3.25 (q, 2H, J = 7), 1.10 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C24H23ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 522.1066, 実測値: 522.1085.
【0136】
(実施例25)
【化64】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−t−ブチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼン−アセトアミド
87mg[クロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=45:55)した後、収率78%]。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 7.80 (d, 2H, J = 8), 7.75 (s, 1H), 7.64 (d, 2H, J = 8), 7.51 (m, 3H), 7.35 (s, 1H), 7.27 (m, 1H), 7.08 (m, 1H), 6.97 (s, 1H), 6.93 (d, 2H, J = 8), 5.89 (s, 1H), 4.62 (d, 1H, J = 16), 4.54 (d, 1H, J = 16), 1.35 (s, 9H); HRMS (ES+): C26H27ClF2N3O4S (M+ + H)の計算値: 550.1379, 実測値: 550.1380.
【0137】
(実施例26)
【化65】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−4−メトキシベンゼン−アセトアミド
51.8mg[クロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=65:35からEtOAc:ヘキサン:EtN=75:25:0.5)した後、収率49%]。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): 8.29 (t, 1H, J = 6), 7.79 (d, 2H, J = 9), 7.64 (d, 2H, J = 9), 7.55 (s,1H), 7.52 (d, 2H, J = 9), 7.19 (s,1H), 7.15 (d, 2H, J = 9), 6.89 (d, 2H, J = 9), 6.81 (d, 2H, J = 9), 5.64 (s,1H), 4.65 (d, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.24 (m, 2H), 1.09 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C25H27ClN3O5S (M+ + H)の計算値: 516.1360, 実測値: 516.1358.
【0138】
(実施例27)
【化66】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2−トリフルオロメチルベンゼン−アセトアミド
α−[4−クロロベンゼンスルホニルアミノ]−2−トリフルオロメチルベンゼンアセトアミド(164mg、0.42mmol)、CsCO(408mg、1.25mmol)、KI(83mg、0.5mmol)、4−クロロメチル安息香酸、エチルアミド(99mg、0.5mmol)、およびDMF(2mL)を、室温で18時間、攪拌した。反応混合液をEtOAcで希釈した(25mL)。生じた混合物を水(8mL)で2回、飽和NaHCO溶液で2回、5%LiCl溶液で3回、次いで食塩水で2回、洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーし(EtOAc:ヘキサン=3:2)、減圧中で溶媒を除去し、表題生成物を得た(35.4mg、収率15%)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.71 (d, 2H, J = 9), 7.55 (m 2H), 7.46 (d, 2H, J = 9), 7.41 (d, 2H, J = 9), 7.33 (m, 2H), 7.04 (d, 2H, J= 9), 5.99 (s, 1H), 5.95 (m, 1H), 5.57 (s, 1H), 5.39 (s, 1H), 4.67 (d, 1H, J = 16), 4.58 (d, 1H, J = 16), 3.45 (m, 2H), 1.22 (t, 3H, J = 7); MS (ES+): 554, 556 (M+ + H).
【0139】
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2−トリフルオロメチルベンゼン−アセトアミドのエナンチオマー分離
減圧中で溶媒を除去した後、キラルクロマトグラフィー[Chiralcel ADカラム(5×50cm、20μm)、70.0mL/分で、ヘキサン:EtOH=85:15、島津モデルLC−8A高圧プレパラティブ液体クロマトグラフ(HPLC)]によって、2つのエナンチオマーを得た。
【0140】
実施例27a:低保持時間エナンチオマー(保持時間=20分、11.6mg、98.8%ee)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.71 (d, 2H, J = 9), 7.55 (m 2H), 7.46 (d, 2H, J = 9), 7.41 (d, 2H, J = 9), 7.33 (m, 2H), 7.04 (d, 2H, J= 9), 5.99 (s, 1H), 5.95 (m, 1H), 5.57 (s, 1H), 5.39 (s, 1H), 4.67 (d, 1H, J = 16), 4.58 (d, 1H, J = 16), 3.45 (m, 2H), 1.22 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C25H24ClF3N3O4S (M+ + H)の計算値: 554.1128, 実測値: 554.1130.
【0141】
実施例27b:高保持時間エナンチオマー(保持時間=25分、13.7mg、99%ee)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.71 (d, 2H, J = 9), 7.55 (m 2H), 7.46 (d, 2H, J = 9), 7.41 (d, 2H, J = 9), 7.33 (m, 2H), 7.04 (d, 2H, J= 9), 5.99 (s, 1H), 5.95 (m, 1H), 5.57 (s, 1H), 5.39 (s, 1H), 4.67 (d, 1H, J = 16), 4.58 (d, 1H, J = 16), 3.45 (m, 2H), 1.22 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C25H24ClF3N3O4S (M+ + H)の計算値: 554.1128, 実測値: 554.1122.
【0142】
(実施例28)
【化67】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−シアノフェニルメチル)アミノ]−2−トリフルオロメチル−ベンゼンアセトアミド
上述した手順に従って、4−シアノ−1−(ヒドロキシメチル)ベンゼンを用いて、続いてカラムクロマトグラフィーして(EtOAc:ヘキサン=4:6)、318mg、収率49%を得た。1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.75 (d, 2H, J = 9), 7.65 (m, 1H), 7.53 (m, 2H), 7.45 (d, 2H, J = 9), 7.34 (m, 1H), 7.31 (d, 2H, J = 9), 7.07 (d, 2H, J = 9), 6.10 (s,1H), 5.46 (s, 1H), 5.45 (s,1H), 4.70 (d, 1H, J = 16), 4.61 (d, 1H, J = 16); HRMS (ES+): C23H18ClF3N3O3S (M+ + H)の計算値: 508.0700, 実測値: 508.0700.
【0143】
(実施例29)
【化68】

(R)−α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ベンゼン−アセトアミド
(R)−α−[4−クロロベンゼンスルホニルアミノ]−ベンゼンアセトアミド(400mg、1.23mmol)、4−クロロメチル安息香酸、エチルアミド(365mg、1.85mmol)、CsCO(883mg、2.7mmol)、KI(204mg、1.23mmol)を混合したDMF溶液(7.5mL)を、室温の窒素雰囲気下で18時間、攪拌した。反応混合液をEtOAc(70mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(10mL)で2回、5%LiCl溶液(10mL)で2回、および食塩水(10mL)で2回、洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をカラムクロマトグラフィーして(EtOAc:ヘキサン:EtN=60:40:0.5)、減圧中で溶媒を除去し、表題生成物を得た(578mg、収率96%)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.69 (d, 2H, J = 8), 7.44 (d, 2H, J = 8), 7.40 (d, 2H, J = 8), 7.24 (m, 5H), 7.00 (d, 2H, J = 8), 5.95 (s, 1H), 5.66 (s, 2H), 5.35 (s, 1H), 4.52 (s, 2H), 3.47 (m, 2H), 1.10 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C24H25ClN3O4S (M+ + H)の計算値: 486.1252, 実測値: 486.1256.
【0144】
(実施例30)
【化69】

(R)−α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(1−オキソ−2−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメチル)アミノ]−ベンゼンアセトアミド
(R)−α−[4−クロロベンゼンスルホニルアミノ]−ベンゼンアセトアミド(208mg、0.64mmol)、2−エチル−5−メタンスルホニルオキシメチル−2H−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノロン(218mg、0.77mmol)、CsCO(459mg、1.4mmol)を混合したDMF溶液(5mL)を室温の窒素雰囲気下で18時間、攪拌した。反応混合液をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(10mL)で2回、5%LiCl溶液(10mL)で2回、および食塩水(10mL)で2回、洗浄した。有機溶液をMgSOで乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をカラムクロマトグラフィーして(MeOH:CHCl=1:99)、減圧中で溶媒を除去し、表題生成物を得た(39mg、収率12%)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.78 (d, 1H, J = 9), 7.69 (d, 2H, J = 9), 7.41 (d, 2H, J = 9), 7.25 (m, 5H), 6.87 (d, 1H, J = 9), 6.70 (s, 1H), 5.68 (s, 1H), 5.65 (s, 1H), 5.41 (s, 1H), 4.56 (d, 1H, J = 16), 4.47 (d, 1H, J = 16), 3.57 (q, 2H, J = 7), 3.44 (t, 2H, J = 7), 2.74 (m, 2H), 1.18 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C26H27ClN3O4S (M+ + H)の計算値: 512.1409, 実測値: 512.1392.
【0145】
(実施例31)
【化70】

α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2−メチルベンゼン−アセトアミド
上述した手順に従い、カラムクロマトグラフィーして(EtOAc)、減圧中で溶媒を除去し、表題生成物を得た(白色の固形物、340mg、収率46%)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.74 (d, 2H, J = 9), 7.42 (m, 4H), 7.16 (m, 6H), 6.35 (m, 2H), 6.05 (m, 1H), 4.60 (d, 1H, J = 12), 4.40 (d, 1H, J = 12), 3.45 (m, 2H), 2.27, 2.21 (2s, 3H); MS (ES+): 500, 502 (M+ + H).
【0146】
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2−メチルベンゼン−アセトアミドのエナンチオマー分離
減圧中で溶媒を除去した後、キラルクロマトグラフィー[Chiralcel ADカラム(5×50cm、20μm)、70.0mL/分で、ヘキサン:EtOH=85:15、島津モデルLC−8A高圧プレパラティブ液体クロマトグラフ(HPLC)]によって、2つのエナンチオマーを得た。
【0147】
実施例31a:低保持時間エナンチオマー(19mg、保持時間=51分、99%ee)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.85 (d, 2H, J = 9), 7.56 (d, 2H, J = 9), 7.45 (d, 2H, J = 9), 7.25 (m, 1H), 7.08 (m, 2H), 6.91 (d, 3H, J = 9), 5.92 (s, 1H), 4.71 (d, 1H, J = 17), 4.59 (d, 1H, J = 17), 3.36 (q, 2H, J = 7), 2.32 (s, 3H), 1.19 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C25H27ClN3O4S (M+ + H)の計算値: 500.1411, 実測値: 500.1395.
【0148】
実施例31b:高保持時間エナンチオマー(10mg、保持時間=67分、98.9%ee)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz): 7.85 (d, 2H, J = 9), 7.56 (d, 2H, J = 9), 7.45 (d, 2H, J = 9), 7.25 (m, 1H), 7.08 (m, 2H), 6.91 (d, 3H, J = 9), 5.92 (s, 1H), 4.71 (d, 1H, J = 17), 4.59 (d, 1H, J = 17), 3.36 (q, 2H, J = 7), 2.32 (s, 3H), 1.19 (t, 3H, J = 7); HRMS (ES+): C25H27ClN3O4S (M+ + H)の計算値: 500.1411, 実測値: 500.1409.
【0149】
当業者にとって明らかなことであるが、本願は上述した例示的な実施例に制限されないし、また本願の本質的な特徴から逸脱せずに、他の特定の形態で具現化することができる。したがって、実施例はあらゆる点で例示的なものとみなされるのであり、制限するためのものではなく、言及は上述の実施例ではなくてむしろ特許請求の範囲へのものであることが望まれ、またゆえに、請求項と同等の意味および範囲内から生じる変更は全て、本願に包含される意図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
Arは、ハロ、C1〜2ハロアルキル、シアノ、C1〜6アルキル、およびC1〜6アルコキシからなる群より選択される、0〜5個の置換基で置換されたフェニルであり;
Arは、フェニルまたはピリジニルであって、ハロ、C1〜2ハロアルキル、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、CO、CON(R)(R)、CON(R)(R)、およびArからなる群より選択される、0〜5個の置換基で置換されるか;あるいは、Arは、
【化2】

であり;
Arは、
【化3】

であり;
Arは、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、およびトリアゾリルからなる群より選択されるヘテロアリール部位であって、0〜2個のC1〜6アルキルで置換され;
は独立して、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、または(C1〜4アルコキシ)C1〜4アルキルであり;
およびRは一緒になって、CHCHCH、CHCHCHCH、CHCHCHCHCH、CHCHCH(OH)CHCH、CHCHOCHCH、CHCHSCHCH、またはCHCHN(CH)CHCHであり;
は、ハロゲンであり;並びに
は、水素またはハロゲンである]
の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
Arが、フェニル、ジハロフェニル、C1〜3アルキルフェニル、C1〜2ハロアルキルフェニル、またはC1〜3アルコキシフェニルであり;
Arが、ハロ、C1〜2ハロアルキル、シアノ、CO、CON(R)(R)、CON(R)(R)、およびArからなる群より選択される、1個の置換基で置換されたフェニルであるか;あるいはArが、ピリジニルまたは
【化4】

であり;
Arが、ハロフェニルであり;
Arが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、またはオキサジアゾリルであって、0〜1個のC1〜3アルキルで置換され;
が独立して、水素、C1〜3アルキル、またはC3〜7シクロアルキルであり;並びに
およびRが一緒になってCHCHCHである、
請求項1の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
Arが、フェニル、ジフルオロフェニルメチルフェニル、トリフルオロメチルフェニル、またはメトキシフェニルであり;
Arが、フルオロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、シアノフェニル、(アルコキシカルボニル)フェニル、(カルボキシ)フェニル、(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、(N−エチルアミノカルボニル)フェニル、(N−t−ブチルアミノカルボニル)フェニル、(シクロブチルアミノカルボニル)フェニル、(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、(アゼチジニルカルボニル)フェニル、(ピラゾリル)フェニル、(イミダゾリル)フェニル、(トリアゾリル)フェニル、(オキサゾリル)フェニル、(オキサジアゾリル)フェニル、(メチルオキサジアゾリル)フェニル、ピリジニル、または(N−エチルオキソテトラヒドロイソキノリニルであり;並びに
Arが、クロロフェニルである、
請求項2の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
Arが、フェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、メチルフェニル、トリフルオロメチルフェニル、またはメトキシフェニルであって、ハロがクロロまたはフルオロである、請求項1の化合物。
【請求項5】
Arが、シアノ、CO、CON(R)(R)、およびCON(R)(R)からなる群より選択される、1個の置換基で置換されたフェニルである、請求項1の化合物。
【請求項6】
Arが、1個のArで置換されたフェニルである、請求項1の化合物。
【請求項7】
Arが、
【化5】

である、請求項1の化合物。
【請求項8】
Arが、
【化6】

である、請求項7の化合物。
【請求項9】
Arが、4−クロロフェニルである、請求項1の化合物。
【請求項10】
Arが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、メチルイミダゾリル、メチルピラゾリル、メチルオキサジアゾリル、またはメチルトリアゾリルである、請求項1の化合物。
【請求項11】
式Ia:
【化7】

である、請求項1の化合物。
【請求項12】
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−t−ブチルオキシカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−カルボキシフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−t−ブチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−アゼチジニルカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−メチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−ジメチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−シクロブチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(1−オキソ−2−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−イミダゾリルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−(1,2,4−トリアゾリル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−ピラゾリルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−ピリジルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−フルオロフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−トリフルオロメチルフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−シアノフェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(オキサゾール−2−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロフェニルスルホニル)(4−(4−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニルメチル)アミノ]−3,5−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−t−ブチルオキシカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−t−ブチルオキシカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−4−メトキシベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−カルボキシフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−カルボキシフェニル)メチル)アミノ]−4−メトキシベンゼンアセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−t−ブチルアミノカルボニルフェニルメチル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−4−メトキシベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2−トリフルオロメチルベンゼン−アセトアミド;
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(4−シアノフェニルメチル)アミノ]−2−トリフルオロメチル−ベンゼンアセトアミド;
(R)−α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2,4−ベンゼン−アセトアミド;
(R)−α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)(1−オキソ−2−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメチル)アミノ]−ベンゼンアセトアミド;および
α−[(4−クロロベンゼンスルホニル)((4−エチルアミノカルボニルフェニル)メチル)アミノ]−2−メチルベンゼン−アセトアミド
からなる群より選択される、請求項1の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
治療上有効な量の請求項1の化合物、および医薬的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項14】
治療上有効な量の請求項1の化合物を患者に投与することを特徴とする、βアミロイドペプチド産生の阻害に反応する障害の治療方法。
【請求項15】
障害がアルツハイマー病またはダウン症である、請求項14の治療方法。

【公表番号】特表2011−523633(P2011−523633A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508655(P2011−508655)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/043116
【国際公開番号】WO2009/137657
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】