ACF貼付装置、フラットパネルディスプレイの製造装置およびフラットパネルディスプレイ
【課題】ACFテープ同士を接合して連結したACFテープの継ぎ目部位を検出可能にすることを目的とする。
【解決手段】白色または透明の台紙テープにACF8を積層したACFテープの端部同士を接合して連結したACFテープ13の継ぎ目を検出するACF継ぎ目検出部50を備えるACF貼付装置であって、ACF継ぎ目検出部50は、ACFテープ13を照明するための照明部51と、照明されたACFテープ13からの光を受光してACFテープ13の継ぎ目部位を検出する検出センサ53と、ACFテープ13を挟んで検出センサ53の反対側に配置した半透明板52と、を備えている。
【解決手段】白色または透明の台紙テープにACF8を積層したACFテープの端部同士を接合して連結したACFテープ13の継ぎ目を検出するACF継ぎ目検出部50を備えるACF貼付装置であって、ACF継ぎ目検出部50は、ACFテープ13を照明するための照明部51と、照明されたACFテープ13からの光を受光してACFテープ13の継ぎ目部位を検出する検出センサ53と、ACFテープ13を挟んで検出センサ53の反対側に配置した半透明板52と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイを構成する基板にACFを貼付するACF貼付装置、この装置を適用したフラットパネルディスプレイの製造装置およびフラットパネルディスプレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイとしての液晶ディスプレイは、TFT基板とカラーフィルタ基板とを貼り合わせてパネル基板となし、このパネル基板の間に液晶を封入して構成している。パネル基板の周囲にはドライバ回路が接続される。ドライバ回路をパネル基板(パネル基板のうちのTFT基板)に接続する方式としては、ICチップを直接搭載するCOG(Chip On Glass)方式やフィルム状の基板にICチップを搭載したTCP(Tape Carrier Package)を搭載するTAB(Tape Automated Bonding)方式等がある。
【0003】
パネル基板には多数の電極を設けた電極パターンが形成され、各電極にICチップの電極やTCPの電極が接続される。各電極の間隔は極めて微小ピッチになっており、このためパネル基板とドライバ回路との接続には異方性導電膜ACF(Anisotropic Conductive Film)が用いられる。ACFは熱硬化性の粘着性フィルムであり、セパレータにACFを積層してACFテープを構成している。このACFテープのうちACFをパネル基板に予め貼付して、その後にパネル基板とドライバ回路とを熱圧着することによりドライバ回路の搭載が行われる。このACFをパネル基板に貼付する処理を行うのがACF貼付装置である。このACF貼付装置にはACFテープを巻回した供給リールを設けてあり、供給リールから送り出されるACFテープは所定の経路に沿って引き回されて熱圧着を行う部位にまで導かれる。このために、装置の複数箇所にガイドローラを設けている。
【0004】
近年では、複数のACFテープを連結して1本のACFテープとしたものが用いられるようになっている。この複数のACFテープを連結したACFテープを用いた貼付装置が特許文献1に開示されている。この技術ではACFテープを連結するために専用のテープ(連結テープ)を用いている。この連結テープは硬度或いは重量等といった点で通常のACFテープとは異なるものであり、ACFテープとは素材が異なるテープになっている。従って、継ぎ目部位(ACFテープが連結されている部位)およびその周辺をパネル基板に熱圧着しないようにしなければならない。
【0005】
一方、ACFテープの端部同士を熱処理或いは超音波処理等で接合する方式が用いられるようになってきている。この方式は、ACFテープの端部同士を直接的に接合して連結しているため、連結テープのような別途のテープを用いることはない。ただし、この場合でも、継ぎ目部位はACFテープが2層になっていることから、この部位をパネル基板に貼付されないようにしなければならない。
【0006】
連結テープを用いる方式にしろ、端部同士を直接接合する方式にしろ、いずれにせよ継ぎ目部位を避けてパネル基板に貼付しなければならない。このために、特許文献1の技術では、継ぎ目検出センサを設けて継ぎ目部位を検出して、当該部位を避けるようにしてパネル基板に貼付するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−209143公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ACFテープの継ぎ目部位は光学的な検出を行う検出センサを用いて行われる。前述したように、ACFテープを連結する方式としては連結テープを用いる方式とACFテープ同士を連結する方式とがあるが、連結テープを用いる方式では、ACFテープと連結テープとは硬度や重量、色彩等といった点で異なる素材を用いるために、継ぎ目部位の検出は極めて容易に行われる。一方で、ACFテープの端部同士を連結する方式では、継ぎ目部位は同種のACFテープ同士が連結されているため、継ぎ目部位とそれ以外の部位とでは殆ど区別がつかないようになっている。このため、継ぎ目部位の検出は非常に困難なものになる。
【0009】
そこで、本発明は、ACFテープ同士を接合して連結したACFテープの継ぎ目部位を検出可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決するため、本発明の請求項1のACF貼付装置は、白色または透明のセパレータにACFを積層したACFテープの端部同士を接合して連結したACFテープの継ぎ目部位を検出するACF継ぎ目検出部を備えるACF貼付装置であって、前記ACF継ぎ目検出部は、前記ACFテープを照明するための照明部と、照明された前記ACFテープからの光を受光して前記継ぎ目部位を検出する検出センサと、前記ACFテープを挟んで前記検出センサの反対側に配置した白色部材と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
このACF貼付装置によれば、ACFテープを挟んで検出センサの反対側に白色部材を設けている。検出センサはACFテープからの光を検出しており、このACFテープの反対側に配置した白色部材により外乱光が排除される。ACFテープを構成するセパレータはPET(ポリエチレンテレフタレート)を素材としており、PETには白色と透明との2種類がある。セパレータとしては何れの色も使用され得るが、透明のセパレータが用いられたときには、白色部材により背景が白色になり、白色のセパレータとの色の違いをキャンセルすることができる。これにより、セパレータの種類の違いによらず、僅かな光量差に基づく継ぎ目検出を行うことができるようになる。
【0012】
本発明の請求項2のACF貼付装置は、請求項1記載のACF貼付装置であって、前記白色部材を半透明にし、この半透明の白色部材を介して前記照明部は前記ACFテープを照明することを特徴とする。
【0013】
このACF貼付装置によれば、半透明にした白色部材を介してACFテープを照明している。白色部材を半透明にすることにより、拡散光をACFテープに照明できる。ACFテープは光沢性のある部材であることから、ムラのある不均一な直接光を用いると、光沢により検出精度が低下するおそれがある。このため、ムラのない均一な広がりを持つ拡散光により継ぎ目検出を行うことにより、高い精度で検出を行うことができるようになる。
【0014】
本発明の請求項3のACF貼付装置は、請求項1記載のACF貼付装置であって、前記継ぎ目検出部を、前記ACFテープを巻回した供給リールと前記ACFの送り出しを行うテンションアームとの間に配置される2つのガイドローラの間の領域に配置したことを特徴とする。
【0015】
このACF貼付装置によれば、継ぎ目検出部を2つのガイドローラの間の領域に配置している。この領域(継ぎ目検出領域)は供給リールとテンションアームとの間の領域であり、テンションアームによりACFテープは常に張力が作用した状態になっている。このため、ACFテープに撓みや歪み等が生じることがなく、正確に光量検出を行うことができるようになる。また、固定された2つのガイドローラ間に継ぎ目検出領域を設定しているため、供給リールの巻回量やテンションアームの動作による影響を受けることもない。
【0016】
本発明の請求項4のACF貼付装置は、請求項1記載のACF貼付装置であって、前記照明部は特定の周波数に変調された光を照明し、前記検出センサは前記周波数に同期した周波数の光を検出することを特徴とする。
【0017】
このACF貼付装置によれば、照明部の照明光と検出センサが検出する光とを同期した周波数にしているため、外乱光や環境光等の影響を受けることがなく、高精度に光量検出を行うことができるようになる。
【0018】
本発明の請求項5のACF貼付装置は、請求項1記載のACF貼付装置であって前記継ぎ目検出部と前記ACFの貼付部とが取り付けられる取付機構を備え、前記継ぎ目検出部と前記ACFの貼付部とを前記取付機構の異なる面に分散して配置したことを特徴とする。
【0019】
このACF貼付装置によれば、ACF継ぎ目検出部をACFの貼付部とは異なる面に配置している。ACF継ぎ目検出部やACFの貼付部はそれぞれある程度の占有領域が必要になり、これらを異なる面に配置することで、設計の自由度が向上する。
【0020】
本発明の請求項6のフラットパネルディスプレイの製造装置は、請求項1乃至5何れか1項に記載のACF貼付装置を備えている。また、本発明の請求項7のフラットパネルディスプレイは請求項6記載のフラットパネルディスプレイの製造装置により製造されている。
【0021】
前述してきたACF貼付装置は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの製造装置、特にパネル基板にACFを貼付する部位の装置に適用できる。前述してきたACF貼付装置を適用することにより、継ぎ目部位がパネル基板に誤って貼付することを回避することができるようになる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、ACFテープを挟んで検出センサの反対側に白色部材を配置していることから、ACFテープの裏面側の外乱光の影響を排除できるようになる。また、白色部材を配置することで、透明のセパレータが使用される場合と白色のセパレータが使用される場合とによらず僅かな光量差に基づく継ぎ目検出を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】パネル基板とドライバ回路との要部平面図である。
【図2】実施形態におけるACF貼付装置の概略構成を示す図である。
【図3】ACFテープの継ぎ目部位を検出している状態を示す図である。
【図4】第1の変形例におけるACF貼付装置の概略構成を示す図である。
【図5】第2の変形例におけるACF貼付装置の概略構成を示す図である。
【図6】第3の変形例におけるACF貼付装置の正面図である。
【図7】第3の変形例におけるACF貼付装置の側面図である。
【図8】第4の変形例におけるACF貼付装置の側面図である。
【図9】第5の変形例におけるACF貼付装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下において、液晶ディスプレイを構成するパネル基板にACFを貼付する例を示しているが、液晶ディスプレイ以外のプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等の任意のフラットパネルディスプレイに本発明を適用することができる。また、パネル基板にはフィルム基板にICチップを搭載したTCPを接続するTAB方式を適用したものを説明するが、ICチップをパネル基板に直接的に搭載するCOG方式等を適用するものであってもよい。
【0025】
図1はパネル基板1を示しており、このパネル基板1はTFT基板2とカラーフィルタ基板3との間に液晶を封入した状態で貼り合わせて構成している。TFT基板2はカラーフィルタ基板3から所定領域を張り出させて張り出し部2Aを構成しており、この張り出し部2Aにドライバ回路4を複数枚接続するようにしている。このドライバ回路4はフィルム基板4AにICチップ(集積回路素子)4Bを搭載している。なお、図1のパネル基板1の2辺に張り出し部2Aを設けているが、1辺または3辺以上に設けるものであってもよい。
【0026】
パネル基板1の張り出し領域には、所定間隔ごとに複数の電極から構成される電極群5が形成されている。各電極群5はそれぞれ1つのドライバ回路4に対応しているものであり、電極群5の端部にはそれぞれアライメントマーク6A、6Aが形成されている。一方、ドライバ回路4にも複数の電極から構成される電極群7が形成され、端部にはそれぞれアライメントマーク6B、6Bが形成されている。パネル基板1側のアライメントマーク6A、6Aとドライバ回路4側のアライメントマーク6B、6Bとを基準にして電極群5の各電極と電極群7の各電極との位置調整がなされて接続がなされる。
【0027】
パネル基板1の各電極群5にはACF8を貼付してあり、このACF8を介してパネル基板1とドライバ回路4とが接続される。ACF8は接着機能を有するバインダ樹脂に微小な導電粒子を多数分散させたものであり、ACF8を介在した状態でパネル基板1とドライバ回路4とを加熱および加圧することにより、導電粒子を介して電極群5の各電極と電極群7の各電極との間が電気的に導通される。そして、バインダ樹脂が熱硬化することにより、ドライバ回路4をパネル基板1に固着させることができる。
【0028】
ACF8をパネル基板1に貼付するためのACF貼付装置10を図2に示す。このACF貼付装置10は鉛直方向に設けた取付機構を有するものであり、供給リール11が着脱可能に装着されている。この取付機構はACF貼付装置10に必要な各種要素を取り付けるための箱型の板体である。供給リール11はACF8をセパレータ12の剥離層に積層して構成したACFテープ13を巻回するものである。このACFテープ13は複数のACFテープの端部同士を連結して長尺なテープにして構成している。ACFテープ13はACF貼付装置10に装着したガイドローラ14乃至19の走行経路に沿って走行する。ガイドローラ19の後段側には駆動用ローラ20を設けてある。駆動用ローラ20は駆動用ローラ20Aとピンチローラ20Bとから構成されており、ACF8を剥離した後のセパレータ12を挟持して排出部21に送り込むようにしている。
【0029】
ガイドローラ14乃至16は、ACFテープ13のフィーダ用のガイドローラであり、ガイドローラ16はテンションアーム22に装着されている。テンションアーム22は回動軸23を中心として揺動するものであり、この回動軸23に接続した図示しない駆動手段により矢印Fの方向に揺動される。この揺動がされると、ACFテープ13が送り出されて、ガイドローラ14から16の間に滞留される。一方、ガイドローラ17によりACFテープ13はガイドされて、ガイドローラ18および19によりACFテープ13は走行経路を水平方向にガイドされる。ガイドローラ18はACF8の貼り付け始端位置を設定するものであり、ガイドローラ19は貼り付け終端位置を設定するものであり、これらによってACF8の貼付領域が設定される。
【0030】
このACF8の貼付領域にはACFの貼付部としての圧着ヘッド30を設けている。圧着ヘッド30は上下にそれぞれ設けた加圧刃31と受け刃32とを備えて構成しており、それぞれ昇降ブロック33と34とに取り付けられている。これら昇降ブロック33、34はACF貼付装置10に設けた一対のガイドレール35に沿って上下方向に変位可能に装着されている。加圧刃31と受け刃32とはパネル基板1を挟んで上下に配置しており、同じ長さに形成している。
【0031】
受け刃32を装着した昇降ブロック34は、シリンダ36により所定ストローク昇降動作がなされる。すなわち、シリンダ36を縮小状態にすると、受け刃32が下降して、パネル基板1から離間した下方の位置に配置されるようになり、シリンダ36を伸張させると、受け刃32はパネル基板1の下面に当接する。一方、加圧刃31を装着した昇降ブロック33には加圧手段37が設けられている。この加圧手段37は図示しないモータにより駆動される送りねじによりガイドレール35に沿って昇降動作をさせることができるようになっている。そして、受け刃32にパネル基板1を支承させた状態で上方から加圧刃31を下降させて所定の加圧力を作用させる。加圧刃31と受け刃32との何れか一方または双方にヒータ等の加熱手段(図示せず)を設けてあり、ACFテープ13に対して所定の加圧力を作用させ且つ所定の温度で加熱を行う。このときの加熱の度合いは、ACF8のバインダ樹脂が多少軟化する程度の低いものとし、その粘着力が失われないようにする。
【0032】
ガイドローラ18の僅かに下流側にはハーフカット手段40を設けてあり、このハーフカット手段40はACFテープ13を構成するセパレータ12の厚みと同じか、或いはそれより僅かに短い間隔でACFテープ13のACF8の部位に切り込みを形成する。これにより、ACFテープ13のうちACF8のみがハーフカットされて、セパレータ12は連結状態を維持したままACF8が分割される。そして、ハーフカットされた状態のACFテープ13を圧着ヘッド30がパネル基板1に対して前記のように加圧および加熱を行うことで、ACF8のパネル基板1に対する貼付が完了する。
【0033】
図2に示すように、ACFテープ13の走行経路に継ぎ目検出部50を設けている。この継ぎ目検出部50は照明部51と半透明板52と検出センサ53とを備えており、継ぎ目検出部50はガイドローラ14と15との間に設けられている。照明部51と半透明板52と検出センサ53とは直線状に配置されている。照明部51はACFテープ13を照明するための手段であり、半透明板52を介してACFテープ13を照明している。半透明板52は白色に着色した板部材(白色部材)を半透明にしたものであり、例えば全体としては乳白色をしている。この半透明板52は、照明部51からの光を部分的に透過する機能(透過光量抑制機能)を有しており、目的に応じてその透過率を適宜に設定できる。
【0034】
照明部51の照明光は半透明板52を透過してACFテープ13を照明する。この半透明板52はACFテープ13に接触或いは極めて近接した位置に配置している。検出センサ53は光学的に検出を行うセンサであり、半透明板52およびACFテープ13を透過した光の光量を検出している。検出センサ53はACFテープ13を挟んで照明部51および半透明板52の反対側に設けている。ACFテープ13のうち照明部51および半透明板52が設けられる側を裏面側とし、検出センサ53が設けられている側を表面側とする。
【0035】
なお、図1において、ACF8は電極群5ごとに個別的に貼付するようにしているが、1辺の電極群5の全てを包含するように一括してACF8を貼付するものであってもよい。
【0036】
以上における動作について説明する。前述したように、ACFテープ13は複数のACFテープ同士を連結したものであり、従ってACFテープ13には複数の継ぎ目部位(ACFテープ同士を連結している部位)が生じている。この継ぎ目部位はACFテープ13が2層になっており、この部位は1層の部位よりも厚くなっている。この2層になっている継ぎ目部位に対して熱処理や超音波処理等を行うことにより両者を接合している。これにより、ACFテープ同士が強固且つ確実に連結された状態になる。
【0037】
ACFテープ13のうち継ぎ目部位は2層になっているため、この部位はパネル基板1とドライバ回路4との間を電気的に接続させる機能を発揮しない。従って、当該部位を避けてパネル基板1に対して貼付しなければならない。このために、予め継ぎ目検出部50が継ぎ目部位の位置を検出する。そして、ACFテープ13の走行距離と走行速度とに基づいて、圧着ヘッド30に継ぎ目部位が位置しないように、駆動用ローラ20の駆動制御を行う。これにより、パネル基板1に継ぎ目部位のACFテープ13が貼付されないようにすることができる。
【0038】
継ぎ目検出部50では、走行中のACFテープ13の継ぎ目部位を常に検出している。検出センサ53はACFテープ13からの光を検出しており、継ぎ目部位とそれ以外の部位との間の光量差により継ぎ目部位を認識する。照明部51からの光は半透明板52を透過してACFテープ13を照射する。図3に示すように、ACFテープ13は継ぎ目部位では2層になっており、それ以外の部位では1層になっている。従って、厚みに差を生じており、透過率にも差が生じる。2層になっている部位の透過光量は少なくなり、1層になっている部位の透過光量は2層になっている部位よりも多くなっている。これにより、検出センサ53の受光量に差が生じるため、継ぎ目部位を認識できるようになる。
【0039】
ここで、セパレータ12はPETを素材としており、PETには白色と透明との2種類が存在しており、ACF8は金色または灰色に着色された透明性の樹脂フィルムである。従って、セパレータ12には白色と透明との2種類がある。セパレータ12が白色の場合には、継ぎ目部位の検出はセパレータ12が1層の部位と2層の部位との透過率の差により検出する。セパレータ12が2層になっている部位は1層になっている部位よりも透過光量が減少するため、これをもって継ぎ目部位を検出している。一方、セパレータ12が透明の場合には、継ぎ目部位の検出はACF8が1層になっている部位と2層になっている部位との透過率の差により検出する。このときには、セパレータ12は透明になっているため、セパレータ12によっては検出できないため、ACF8により検出を行っている。ACF8は金色または灰色に着色されているため、1層になっている部位よりも2層になっている部位は透過光量が減少する。これをもって継ぎ目部位を検出している。
【0040】
セパレータ12は極薄のテープであり、ACF8も極薄の樹脂フィルムであるため、両者とも1層であるか2層であるかに殆ど透過率の差はない。このため、1層の部位と2層の部位との間に生じる僅かな光量差を検出して継ぎ目部位の検出を行わなければならない。セパレータ12が白色であればともかく、透明の場合にはACFテープ13が1層であれ2層であれ全体としてほぼ透明になることから、ACFテープ13の裏面側の外乱光が検出センサ53に直接的に影響を与える。
【0041】
そこで、半透明板52をACFテープ13の裏面側に配置している。これにより、セパレータ12が透明の場合であっても、半透明板52を透過したときには外乱光が排除されているため、検出センサ53が外乱光を検出しなくなる。これにより、外乱光による影響を排除する。従って、半透明板52は外乱光を除去する機能を果たしており、外乱光が少ないような環境の場合には透過率の大きい半透明板52を用いるようにし、外乱光が多いような環境の場合には透過率の少ない半透明板52を用いるようにすることもできる。
【0042】
また、セパレータ12には白色と透明との2種類があり、セパレータ12の色が異なっていると、僅かな光量差を検出することは難しくなる。特に、セパレータ12が透明の場合には、ACFテープ13の裏面側に配置されている部材の色を反映するため、白色とは大きく異なる色が背景色になることもある。そこで、ACFテープ13の裏面側に配置する半透明板52に着色されている色は白色のセパレータ12と同じ色にしている。これにより、セパレータ12が透明の場合には、背景色が白色のセパレータ12と同じ白色になり、白色か透明かの色の違いをキャンセルできるようになる。このため、少なくとも色の違いといった要素を打ち消すことができるため、僅かな光量差に基づく継ぎ目部位の検出を行うことができるようになる。
【0043】
そして、前述したように、半透明板52は照明部51の照明光を拡散光にしている。照明部51からの照明光は不均一なムラのある直接光になるが、半透明板52を透過することで、全体として柔らかい光になり、これが均一な分布を持つ拡散光になる。そして、この拡散光がACFテープ13を照明している。ACFテープ13は光沢性のテープになっており、直接光が照射すると光沢により光量の誤検出を行うおそれがあるが、半透明板52を透過した拡散光を検出しているため、光沢による誤検出を行うおそれはない。これにより、正確な継ぎ目検出を行うことができるようになる。つまり、半透明板52は拡散光生成手段としての機能を果たしている。
【0044】
従って、半透明板52は外乱光除去と色の違いのキャンセルと拡散光の生成との3つの機能を1つの部材により果たしており、それぞれを別個独立の要素として配置する必要がなく、少ない部品点数で検出を行うことができる。
【0045】
そして、本発明では、継ぎ目検出領域を設定しており、この継ぎ目検出領域に継ぎ目検出部50を配置している。図2では、継ぎ目検出領域はガイドローラ14と15との間に設けている。ガイドローラ15の先端側にはテンションアーム22を設けており、このテンションアーム22は供給リール11からACFテープ13を送り出す機能を果たしている。従って、供給リール11とテンションアーム22に設けたガイドローラ16との間のACFテープ13には常に張力が作用した状態になり、供給リール11とテンションアーム22との間に設けたガイドローラ14と15との間のACFテープ13にも常に張力が作用している。
【0046】
検出センサ53はACFテープ13を透過した光の受光量に基づいて継ぎ目部位を検出している。従って、ACFテープ13に歪みや撓み等が生じていると、正確に光量検出を行うことができない。そこで、継ぎ目検出領域をガイドローラ14と15との間に設定している。この間のACFテープ13は常に張力が作用しており、歪みや撓み等が生じておらず、従って光量検出の精度が損なわれることはない。このため、継ぎ目部位を高精度に検出できるようになる。
【0047】
このとき、供給リール11とガイドローラ14との間の領域およびガイドローラ15とテンションアーム22との間の領域においてもACFテープ13は常に張力が作用している。このため、これらの領域を継ぎ目検出領域として設定することもできるが、供給リール11はACFテープ13の巻回量によってACFテープ13を送り出す位置が変化し、テンションアーム22はガイドローラ15に向けて揺動動作を行う。従って、これらの領域に継ぎ目検出領域を設定すると、検出部位が変化し或いはテンションアーム22の動作を阻害するおそれがある。一方で、ガイドローラ14と15との間の領域は固定された領域となっており、供給リール11の巻回量やテンションアームの動作によって影響を受けることはない。
【0048】
以上説明したように、本発明では、複数のACFテープの端部同士を接合して連結したACFテープ13の継ぎ目部位を光学的に検出する場合に、半透明板52を白くしてACFテープ13の裏面側に配置していることから外乱光の影響を排除できるとともに、セパレータ12が白色であるか透明であるかの色の違いをキャンセルすることができる。これにより、僅かな光量差に基づく継ぎ目検出を行うことができるようになる。また、半透明板52が生成する一様な分布を持つ拡散光を検出センサ53が受光しているため、光沢による誤検出を行うおそれもない。さらに、ACFテープ13が常に張力を作用している領域を継ぎ目検出領域に設定して、この領域に継ぎ目検出部を設けたことから、正確な検出を行うことができるようになる。
【0049】
以上において、継ぎ目検出部50はACFテープ13の端部同士を接合した場合における継ぎ目検出を行っているが、専用の連結テープを用いて連結したACFテープの継ぎ目検出においても適用できる。専用の連結テープを用いている場合には、継ぎ目部位は連結テープにより形成され、この連結テープはACFテープとは全く異なる素材であるため、光量差も非常に大きなものになる。従って、僅かな光量差を検出可能な継ぎ目検出部50を用いれば、極めて簡単に連結テープによる継ぎ目部位を検出できるようになる。つまり、継ぎ目検出部50は、ACFテープの端部同士を連結した場合であっても、専用の連結テープを用いてACFテープを連結した場合であっても、何れの場合にも適用できる。
【0050】
また、照明部51からの照明光の周波数を変調するようにしてもよい。照明部51の照明光の周波数に同期した周波数の光を検出センサ53が検出するようにしておけば、照明部51以外の外乱光や環境光等の影響を受けることがない。これにより、非常に高精度に継ぎ目部位を検出することが可能になる。この場合には、照明部51に周波数変調を行う変調部を接続し、この周波数と同期した周波数を検出するように制御する制御部を検出センサ53に接続するようにする。
【0051】
次に、図4を参照して、本発明の第1の変形例について説明する。この変形例では、照明部51をACFテープ13の表面側に配置しており、半透明板52を配置していない。照明部51はガイドローラ14に接触しているACFテープ13の部位を斜め上方から照明しており、検出センサ53は当該部位を上方から検出している。この変形例では、透過光ではなく反射光を検出センサ53が検出している。反射光の場合には、セパレータ12の色にかかわらず、1層になっている部位よりも2層になっている部位の反射率が高くなる。ただし、実施形態と同様に反射光量の差は僅かなものになる。
【0052】
この変形例では、ガイドローラ14を白色にしており、このガイドローラ14が白色部材としての機能を有している。なお、この場合のガイドローラ14を半透明にする必要はないが、光を完全に全反射しないものを用いる。検出センサ53はガイドローラ14の上方に配置されており、下方を検出している。ガイドローラ14を白色にすることで、外乱光が生じたとしても、白色のガイドローラ14により排除されて検出センサ53に影響を与えることはない。また、ガイドローラ14をセパレータ12の白色と同じ色にすることで、セパレータ12の色の違いをキャンセルしている。つまり、前述した実施形態の半透明板52に持たせていた機能のうち、外乱光を除去する機能とセパレータ12の色の違いをキャンセルする機能とをガイドローラ14に持たせている。
【0053】
また、照明部51の正反射光を受光する位置に検出センサ53を配置しておらず、光軸からずれた位置に配置している。これにより、検出センサ53は正反射光ではなく拡散光を受光できるようになっている。従って、特別な部材を用いることなく拡散光を生成している。これにより、もともと備えられているガイドローラ14を白色にすることで、外乱光除去および色の違いのキャンセルを行い、光軸をずらすことにより拡散光を照射しているため、実施形態のような専用の半透明板52のような部材は必要なくなり、部品点数の削減を図れる。
【0054】
また、本変形例においても、継ぎ目検出領域はガイドローラ14に設けており、常にACFテープ13に張力が作用している領域である。そして、ガイドローラ14は供給リール11の巻回量やテンションアーム22の影響を受けない領域になっている。
【0055】
次に、図5を参照して、第2の変形例について説明する。本変形例では、照明部を照明ランプ55としてACFテープ13の裏面側に配置し、この照明ランプ55はガイドローラ14を側方から照明するようにしている。そして、ガイドローラ14を半透明の白色部材にしている。検出センサ53はガイドローラ14の上方に設けられており、このガイドローラ14に接触しているACFテープ13を検出している。
【0056】
ガイドローラ14に照明ランプ55からの照明光が供給されることにより、ガイドローラ14に接触しているACFテープ13に光が供給される。ガイドローラ14を半透明の白色部材としており、ガイドローラ14からACFテープ13には拡散光が照明される。そして、検出センサ53はACFテープ13を透過した光の検出を行う。ガイドローラ14を半透明の白色部材にしていることから、外乱光は排除され、またセパレータ12の色の違いをキャンセルすることができる。また、継ぎ目検出領域はガイドローラ14に設けており、常にACFテープ13に張力が作用している領域であり、供給リール11の巻回量やテンションアーム22の影響を受けることはない。
【0057】
次に、第3の変形例について説明する。本変形例の正面図を図6に示し、側面図を図7に示す。この変形例では、ACF貼付装置10の取付機構の側面に供給リール11および継ぎ目検出部50を配置し、正面に圧着ヘッド30を配置している。前述した実施形態や変形例1、2では、供給リール11と圧着ヘッド30と継ぎ目検出部50の各要素を取付機構の1つの面に配置していた。本変形例では、ACF貼付装置10の正面に圧着ヘッド30、側面に供給リール11および継ぎ目検出部50を配置しており、つまり各要素を分散配置している。これにより、1つの面に各要素を集中させずに分散配置していることで、設計の自由度が向上する。なお、図6において、テンションアーム22の代わりにACFテープ13を送り出すための昇降動作を行う昇降部22Aを設けている。
【0058】
図8は、第4の変形例におけるACF貼付装置10の側面図を示している。この変形例は、第1の変形例の継ぎ目検出部50をACF貼付装置10の側面に配置しているものである。また、図9は、第5の変形例におけるACF貼付装置10の側面図を示している。この変形例は、第2の変形例の継ぎ目検出部50をACF貼付装置10の側面に配置しているものである。第4および第5の変形例においても、圧着ヘッド30とは異なる面に供給リール11および継ぎ目検出部50を配置しているため、設計の自由度が向上する。なお、第4および第5の変形例ではガイドローラ15を照射しており、このためガイドローラ15を白色或いは半透明の白色にする。また、第2の変形例では照明ランプ55は側方からガイドローラ14を照明しており、第5の変形例では上方から下方のガイドローラ15に向けて照明しているが、側方から照明するのと上方から照明するのとで違いはない。
【符号の説明】
【0059】
1 パネル基板 4 ドライバ回路
5 電極群 10 ACF貼付装置
11 供給リール 12 セパレータ
13 ACFテープ 14〜19 ガイドローラ
22 テンションアーム 30 圧着ヘッド
50 継ぎ目検出部 51 照明部
52 半透明板 53 検出センサ
55 照明ランプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイを構成する基板にACFを貼付するACF貼付装置、この装置を適用したフラットパネルディスプレイの製造装置およびフラットパネルディスプレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイとしての液晶ディスプレイは、TFT基板とカラーフィルタ基板とを貼り合わせてパネル基板となし、このパネル基板の間に液晶を封入して構成している。パネル基板の周囲にはドライバ回路が接続される。ドライバ回路をパネル基板(パネル基板のうちのTFT基板)に接続する方式としては、ICチップを直接搭載するCOG(Chip On Glass)方式やフィルム状の基板にICチップを搭載したTCP(Tape Carrier Package)を搭載するTAB(Tape Automated Bonding)方式等がある。
【0003】
パネル基板には多数の電極を設けた電極パターンが形成され、各電極にICチップの電極やTCPの電極が接続される。各電極の間隔は極めて微小ピッチになっており、このためパネル基板とドライバ回路との接続には異方性導電膜ACF(Anisotropic Conductive Film)が用いられる。ACFは熱硬化性の粘着性フィルムであり、セパレータにACFを積層してACFテープを構成している。このACFテープのうちACFをパネル基板に予め貼付して、その後にパネル基板とドライバ回路とを熱圧着することによりドライバ回路の搭載が行われる。このACFをパネル基板に貼付する処理を行うのがACF貼付装置である。このACF貼付装置にはACFテープを巻回した供給リールを設けてあり、供給リールから送り出されるACFテープは所定の経路に沿って引き回されて熱圧着を行う部位にまで導かれる。このために、装置の複数箇所にガイドローラを設けている。
【0004】
近年では、複数のACFテープを連結して1本のACFテープとしたものが用いられるようになっている。この複数のACFテープを連結したACFテープを用いた貼付装置が特許文献1に開示されている。この技術ではACFテープを連結するために専用のテープ(連結テープ)を用いている。この連結テープは硬度或いは重量等といった点で通常のACFテープとは異なるものであり、ACFテープとは素材が異なるテープになっている。従って、継ぎ目部位(ACFテープが連結されている部位)およびその周辺をパネル基板に熱圧着しないようにしなければならない。
【0005】
一方、ACFテープの端部同士を熱処理或いは超音波処理等で接合する方式が用いられるようになってきている。この方式は、ACFテープの端部同士を直接的に接合して連結しているため、連結テープのような別途のテープを用いることはない。ただし、この場合でも、継ぎ目部位はACFテープが2層になっていることから、この部位をパネル基板に貼付されないようにしなければならない。
【0006】
連結テープを用いる方式にしろ、端部同士を直接接合する方式にしろ、いずれにせよ継ぎ目部位を避けてパネル基板に貼付しなければならない。このために、特許文献1の技術では、継ぎ目検出センサを設けて継ぎ目部位を検出して、当該部位を避けるようにしてパネル基板に貼付するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−209143公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ACFテープの継ぎ目部位は光学的な検出を行う検出センサを用いて行われる。前述したように、ACFテープを連結する方式としては連結テープを用いる方式とACFテープ同士を連結する方式とがあるが、連結テープを用いる方式では、ACFテープと連結テープとは硬度や重量、色彩等といった点で異なる素材を用いるために、継ぎ目部位の検出は極めて容易に行われる。一方で、ACFテープの端部同士を連結する方式では、継ぎ目部位は同種のACFテープ同士が連結されているため、継ぎ目部位とそれ以外の部位とでは殆ど区別がつかないようになっている。このため、継ぎ目部位の検出は非常に困難なものになる。
【0009】
そこで、本発明は、ACFテープ同士を接合して連結したACFテープの継ぎ目部位を検出可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決するため、本発明の請求項1のACF貼付装置は、白色または透明のセパレータにACFを積層したACFテープの端部同士を接合して連結したACFテープの継ぎ目部位を検出するACF継ぎ目検出部を備えるACF貼付装置であって、前記ACF継ぎ目検出部は、前記ACFテープを照明するための照明部と、照明された前記ACFテープからの光を受光して前記継ぎ目部位を検出する検出センサと、前記ACFテープを挟んで前記検出センサの反対側に配置した白色部材と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
このACF貼付装置によれば、ACFテープを挟んで検出センサの反対側に白色部材を設けている。検出センサはACFテープからの光を検出しており、このACFテープの反対側に配置した白色部材により外乱光が排除される。ACFテープを構成するセパレータはPET(ポリエチレンテレフタレート)を素材としており、PETには白色と透明との2種類がある。セパレータとしては何れの色も使用され得るが、透明のセパレータが用いられたときには、白色部材により背景が白色になり、白色のセパレータとの色の違いをキャンセルすることができる。これにより、セパレータの種類の違いによらず、僅かな光量差に基づく継ぎ目検出を行うことができるようになる。
【0012】
本発明の請求項2のACF貼付装置は、請求項1記載のACF貼付装置であって、前記白色部材を半透明にし、この半透明の白色部材を介して前記照明部は前記ACFテープを照明することを特徴とする。
【0013】
このACF貼付装置によれば、半透明にした白色部材を介してACFテープを照明している。白色部材を半透明にすることにより、拡散光をACFテープに照明できる。ACFテープは光沢性のある部材であることから、ムラのある不均一な直接光を用いると、光沢により検出精度が低下するおそれがある。このため、ムラのない均一な広がりを持つ拡散光により継ぎ目検出を行うことにより、高い精度で検出を行うことができるようになる。
【0014】
本発明の請求項3のACF貼付装置は、請求項1記載のACF貼付装置であって、前記継ぎ目検出部を、前記ACFテープを巻回した供給リールと前記ACFの送り出しを行うテンションアームとの間に配置される2つのガイドローラの間の領域に配置したことを特徴とする。
【0015】
このACF貼付装置によれば、継ぎ目検出部を2つのガイドローラの間の領域に配置している。この領域(継ぎ目検出領域)は供給リールとテンションアームとの間の領域であり、テンションアームによりACFテープは常に張力が作用した状態になっている。このため、ACFテープに撓みや歪み等が生じることがなく、正確に光量検出を行うことができるようになる。また、固定された2つのガイドローラ間に継ぎ目検出領域を設定しているため、供給リールの巻回量やテンションアームの動作による影響を受けることもない。
【0016】
本発明の請求項4のACF貼付装置は、請求項1記載のACF貼付装置であって、前記照明部は特定の周波数に変調された光を照明し、前記検出センサは前記周波数に同期した周波数の光を検出することを特徴とする。
【0017】
このACF貼付装置によれば、照明部の照明光と検出センサが検出する光とを同期した周波数にしているため、外乱光や環境光等の影響を受けることがなく、高精度に光量検出を行うことができるようになる。
【0018】
本発明の請求項5のACF貼付装置は、請求項1記載のACF貼付装置であって前記継ぎ目検出部と前記ACFの貼付部とが取り付けられる取付機構を備え、前記継ぎ目検出部と前記ACFの貼付部とを前記取付機構の異なる面に分散して配置したことを特徴とする。
【0019】
このACF貼付装置によれば、ACF継ぎ目検出部をACFの貼付部とは異なる面に配置している。ACF継ぎ目検出部やACFの貼付部はそれぞれある程度の占有領域が必要になり、これらを異なる面に配置することで、設計の自由度が向上する。
【0020】
本発明の請求項6のフラットパネルディスプレイの製造装置は、請求項1乃至5何れか1項に記載のACF貼付装置を備えている。また、本発明の請求項7のフラットパネルディスプレイは請求項6記載のフラットパネルディスプレイの製造装置により製造されている。
【0021】
前述してきたACF貼付装置は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの製造装置、特にパネル基板にACFを貼付する部位の装置に適用できる。前述してきたACF貼付装置を適用することにより、継ぎ目部位がパネル基板に誤って貼付することを回避することができるようになる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、ACFテープを挟んで検出センサの反対側に白色部材を配置していることから、ACFテープの裏面側の外乱光の影響を排除できるようになる。また、白色部材を配置することで、透明のセパレータが使用される場合と白色のセパレータが使用される場合とによらず僅かな光量差に基づく継ぎ目検出を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】パネル基板とドライバ回路との要部平面図である。
【図2】実施形態におけるACF貼付装置の概略構成を示す図である。
【図3】ACFテープの継ぎ目部位を検出している状態を示す図である。
【図4】第1の変形例におけるACF貼付装置の概略構成を示す図である。
【図5】第2の変形例におけるACF貼付装置の概略構成を示す図である。
【図6】第3の変形例におけるACF貼付装置の正面図である。
【図7】第3の変形例におけるACF貼付装置の側面図である。
【図8】第4の変形例におけるACF貼付装置の側面図である。
【図9】第5の変形例におけるACF貼付装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下において、液晶ディスプレイを構成するパネル基板にACFを貼付する例を示しているが、液晶ディスプレイ以外のプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等の任意のフラットパネルディスプレイに本発明を適用することができる。また、パネル基板にはフィルム基板にICチップを搭載したTCPを接続するTAB方式を適用したものを説明するが、ICチップをパネル基板に直接的に搭載するCOG方式等を適用するものであってもよい。
【0025】
図1はパネル基板1を示しており、このパネル基板1はTFT基板2とカラーフィルタ基板3との間に液晶を封入した状態で貼り合わせて構成している。TFT基板2はカラーフィルタ基板3から所定領域を張り出させて張り出し部2Aを構成しており、この張り出し部2Aにドライバ回路4を複数枚接続するようにしている。このドライバ回路4はフィルム基板4AにICチップ(集積回路素子)4Bを搭載している。なお、図1のパネル基板1の2辺に張り出し部2Aを設けているが、1辺または3辺以上に設けるものであってもよい。
【0026】
パネル基板1の張り出し領域には、所定間隔ごとに複数の電極から構成される電極群5が形成されている。各電極群5はそれぞれ1つのドライバ回路4に対応しているものであり、電極群5の端部にはそれぞれアライメントマーク6A、6Aが形成されている。一方、ドライバ回路4にも複数の電極から構成される電極群7が形成され、端部にはそれぞれアライメントマーク6B、6Bが形成されている。パネル基板1側のアライメントマーク6A、6Aとドライバ回路4側のアライメントマーク6B、6Bとを基準にして電極群5の各電極と電極群7の各電極との位置調整がなされて接続がなされる。
【0027】
パネル基板1の各電極群5にはACF8を貼付してあり、このACF8を介してパネル基板1とドライバ回路4とが接続される。ACF8は接着機能を有するバインダ樹脂に微小な導電粒子を多数分散させたものであり、ACF8を介在した状態でパネル基板1とドライバ回路4とを加熱および加圧することにより、導電粒子を介して電極群5の各電極と電極群7の各電極との間が電気的に導通される。そして、バインダ樹脂が熱硬化することにより、ドライバ回路4をパネル基板1に固着させることができる。
【0028】
ACF8をパネル基板1に貼付するためのACF貼付装置10を図2に示す。このACF貼付装置10は鉛直方向に設けた取付機構を有するものであり、供給リール11が着脱可能に装着されている。この取付機構はACF貼付装置10に必要な各種要素を取り付けるための箱型の板体である。供給リール11はACF8をセパレータ12の剥離層に積層して構成したACFテープ13を巻回するものである。このACFテープ13は複数のACFテープの端部同士を連結して長尺なテープにして構成している。ACFテープ13はACF貼付装置10に装着したガイドローラ14乃至19の走行経路に沿って走行する。ガイドローラ19の後段側には駆動用ローラ20を設けてある。駆動用ローラ20は駆動用ローラ20Aとピンチローラ20Bとから構成されており、ACF8を剥離した後のセパレータ12を挟持して排出部21に送り込むようにしている。
【0029】
ガイドローラ14乃至16は、ACFテープ13のフィーダ用のガイドローラであり、ガイドローラ16はテンションアーム22に装着されている。テンションアーム22は回動軸23を中心として揺動するものであり、この回動軸23に接続した図示しない駆動手段により矢印Fの方向に揺動される。この揺動がされると、ACFテープ13が送り出されて、ガイドローラ14から16の間に滞留される。一方、ガイドローラ17によりACFテープ13はガイドされて、ガイドローラ18および19によりACFテープ13は走行経路を水平方向にガイドされる。ガイドローラ18はACF8の貼り付け始端位置を設定するものであり、ガイドローラ19は貼り付け終端位置を設定するものであり、これらによってACF8の貼付領域が設定される。
【0030】
このACF8の貼付領域にはACFの貼付部としての圧着ヘッド30を設けている。圧着ヘッド30は上下にそれぞれ設けた加圧刃31と受け刃32とを備えて構成しており、それぞれ昇降ブロック33と34とに取り付けられている。これら昇降ブロック33、34はACF貼付装置10に設けた一対のガイドレール35に沿って上下方向に変位可能に装着されている。加圧刃31と受け刃32とはパネル基板1を挟んで上下に配置しており、同じ長さに形成している。
【0031】
受け刃32を装着した昇降ブロック34は、シリンダ36により所定ストローク昇降動作がなされる。すなわち、シリンダ36を縮小状態にすると、受け刃32が下降して、パネル基板1から離間した下方の位置に配置されるようになり、シリンダ36を伸張させると、受け刃32はパネル基板1の下面に当接する。一方、加圧刃31を装着した昇降ブロック33には加圧手段37が設けられている。この加圧手段37は図示しないモータにより駆動される送りねじによりガイドレール35に沿って昇降動作をさせることができるようになっている。そして、受け刃32にパネル基板1を支承させた状態で上方から加圧刃31を下降させて所定の加圧力を作用させる。加圧刃31と受け刃32との何れか一方または双方にヒータ等の加熱手段(図示せず)を設けてあり、ACFテープ13に対して所定の加圧力を作用させ且つ所定の温度で加熱を行う。このときの加熱の度合いは、ACF8のバインダ樹脂が多少軟化する程度の低いものとし、その粘着力が失われないようにする。
【0032】
ガイドローラ18の僅かに下流側にはハーフカット手段40を設けてあり、このハーフカット手段40はACFテープ13を構成するセパレータ12の厚みと同じか、或いはそれより僅かに短い間隔でACFテープ13のACF8の部位に切り込みを形成する。これにより、ACFテープ13のうちACF8のみがハーフカットされて、セパレータ12は連結状態を維持したままACF8が分割される。そして、ハーフカットされた状態のACFテープ13を圧着ヘッド30がパネル基板1に対して前記のように加圧および加熱を行うことで、ACF8のパネル基板1に対する貼付が完了する。
【0033】
図2に示すように、ACFテープ13の走行経路に継ぎ目検出部50を設けている。この継ぎ目検出部50は照明部51と半透明板52と検出センサ53とを備えており、継ぎ目検出部50はガイドローラ14と15との間に設けられている。照明部51と半透明板52と検出センサ53とは直線状に配置されている。照明部51はACFテープ13を照明するための手段であり、半透明板52を介してACFテープ13を照明している。半透明板52は白色に着色した板部材(白色部材)を半透明にしたものであり、例えば全体としては乳白色をしている。この半透明板52は、照明部51からの光を部分的に透過する機能(透過光量抑制機能)を有しており、目的に応じてその透過率を適宜に設定できる。
【0034】
照明部51の照明光は半透明板52を透過してACFテープ13を照明する。この半透明板52はACFテープ13に接触或いは極めて近接した位置に配置している。検出センサ53は光学的に検出を行うセンサであり、半透明板52およびACFテープ13を透過した光の光量を検出している。検出センサ53はACFテープ13を挟んで照明部51および半透明板52の反対側に設けている。ACFテープ13のうち照明部51および半透明板52が設けられる側を裏面側とし、検出センサ53が設けられている側を表面側とする。
【0035】
なお、図1において、ACF8は電極群5ごとに個別的に貼付するようにしているが、1辺の電極群5の全てを包含するように一括してACF8を貼付するものであってもよい。
【0036】
以上における動作について説明する。前述したように、ACFテープ13は複数のACFテープ同士を連結したものであり、従ってACFテープ13には複数の継ぎ目部位(ACFテープ同士を連結している部位)が生じている。この継ぎ目部位はACFテープ13が2層になっており、この部位は1層の部位よりも厚くなっている。この2層になっている継ぎ目部位に対して熱処理や超音波処理等を行うことにより両者を接合している。これにより、ACFテープ同士が強固且つ確実に連結された状態になる。
【0037】
ACFテープ13のうち継ぎ目部位は2層になっているため、この部位はパネル基板1とドライバ回路4との間を電気的に接続させる機能を発揮しない。従って、当該部位を避けてパネル基板1に対して貼付しなければならない。このために、予め継ぎ目検出部50が継ぎ目部位の位置を検出する。そして、ACFテープ13の走行距離と走行速度とに基づいて、圧着ヘッド30に継ぎ目部位が位置しないように、駆動用ローラ20の駆動制御を行う。これにより、パネル基板1に継ぎ目部位のACFテープ13が貼付されないようにすることができる。
【0038】
継ぎ目検出部50では、走行中のACFテープ13の継ぎ目部位を常に検出している。検出センサ53はACFテープ13からの光を検出しており、継ぎ目部位とそれ以外の部位との間の光量差により継ぎ目部位を認識する。照明部51からの光は半透明板52を透過してACFテープ13を照射する。図3に示すように、ACFテープ13は継ぎ目部位では2層になっており、それ以外の部位では1層になっている。従って、厚みに差を生じており、透過率にも差が生じる。2層になっている部位の透過光量は少なくなり、1層になっている部位の透過光量は2層になっている部位よりも多くなっている。これにより、検出センサ53の受光量に差が生じるため、継ぎ目部位を認識できるようになる。
【0039】
ここで、セパレータ12はPETを素材としており、PETには白色と透明との2種類が存在しており、ACF8は金色または灰色に着色された透明性の樹脂フィルムである。従って、セパレータ12には白色と透明との2種類がある。セパレータ12が白色の場合には、継ぎ目部位の検出はセパレータ12が1層の部位と2層の部位との透過率の差により検出する。セパレータ12が2層になっている部位は1層になっている部位よりも透過光量が減少するため、これをもって継ぎ目部位を検出している。一方、セパレータ12が透明の場合には、継ぎ目部位の検出はACF8が1層になっている部位と2層になっている部位との透過率の差により検出する。このときには、セパレータ12は透明になっているため、セパレータ12によっては検出できないため、ACF8により検出を行っている。ACF8は金色または灰色に着色されているため、1層になっている部位よりも2層になっている部位は透過光量が減少する。これをもって継ぎ目部位を検出している。
【0040】
セパレータ12は極薄のテープであり、ACF8も極薄の樹脂フィルムであるため、両者とも1層であるか2層であるかに殆ど透過率の差はない。このため、1層の部位と2層の部位との間に生じる僅かな光量差を検出して継ぎ目部位の検出を行わなければならない。セパレータ12が白色であればともかく、透明の場合にはACFテープ13が1層であれ2層であれ全体としてほぼ透明になることから、ACFテープ13の裏面側の外乱光が検出センサ53に直接的に影響を与える。
【0041】
そこで、半透明板52をACFテープ13の裏面側に配置している。これにより、セパレータ12が透明の場合であっても、半透明板52を透過したときには外乱光が排除されているため、検出センサ53が外乱光を検出しなくなる。これにより、外乱光による影響を排除する。従って、半透明板52は外乱光を除去する機能を果たしており、外乱光が少ないような環境の場合には透過率の大きい半透明板52を用いるようにし、外乱光が多いような環境の場合には透過率の少ない半透明板52を用いるようにすることもできる。
【0042】
また、セパレータ12には白色と透明との2種類があり、セパレータ12の色が異なっていると、僅かな光量差を検出することは難しくなる。特に、セパレータ12が透明の場合には、ACFテープ13の裏面側に配置されている部材の色を反映するため、白色とは大きく異なる色が背景色になることもある。そこで、ACFテープ13の裏面側に配置する半透明板52に着色されている色は白色のセパレータ12と同じ色にしている。これにより、セパレータ12が透明の場合には、背景色が白色のセパレータ12と同じ白色になり、白色か透明かの色の違いをキャンセルできるようになる。このため、少なくとも色の違いといった要素を打ち消すことができるため、僅かな光量差に基づく継ぎ目部位の検出を行うことができるようになる。
【0043】
そして、前述したように、半透明板52は照明部51の照明光を拡散光にしている。照明部51からの照明光は不均一なムラのある直接光になるが、半透明板52を透過することで、全体として柔らかい光になり、これが均一な分布を持つ拡散光になる。そして、この拡散光がACFテープ13を照明している。ACFテープ13は光沢性のテープになっており、直接光が照射すると光沢により光量の誤検出を行うおそれがあるが、半透明板52を透過した拡散光を検出しているため、光沢による誤検出を行うおそれはない。これにより、正確な継ぎ目検出を行うことができるようになる。つまり、半透明板52は拡散光生成手段としての機能を果たしている。
【0044】
従って、半透明板52は外乱光除去と色の違いのキャンセルと拡散光の生成との3つの機能を1つの部材により果たしており、それぞれを別個独立の要素として配置する必要がなく、少ない部品点数で検出を行うことができる。
【0045】
そして、本発明では、継ぎ目検出領域を設定しており、この継ぎ目検出領域に継ぎ目検出部50を配置している。図2では、継ぎ目検出領域はガイドローラ14と15との間に設けている。ガイドローラ15の先端側にはテンションアーム22を設けており、このテンションアーム22は供給リール11からACFテープ13を送り出す機能を果たしている。従って、供給リール11とテンションアーム22に設けたガイドローラ16との間のACFテープ13には常に張力が作用した状態になり、供給リール11とテンションアーム22との間に設けたガイドローラ14と15との間のACFテープ13にも常に張力が作用している。
【0046】
検出センサ53はACFテープ13を透過した光の受光量に基づいて継ぎ目部位を検出している。従って、ACFテープ13に歪みや撓み等が生じていると、正確に光量検出を行うことができない。そこで、継ぎ目検出領域をガイドローラ14と15との間に設定している。この間のACFテープ13は常に張力が作用しており、歪みや撓み等が生じておらず、従って光量検出の精度が損なわれることはない。このため、継ぎ目部位を高精度に検出できるようになる。
【0047】
このとき、供給リール11とガイドローラ14との間の領域およびガイドローラ15とテンションアーム22との間の領域においてもACFテープ13は常に張力が作用している。このため、これらの領域を継ぎ目検出領域として設定することもできるが、供給リール11はACFテープ13の巻回量によってACFテープ13を送り出す位置が変化し、テンションアーム22はガイドローラ15に向けて揺動動作を行う。従って、これらの領域に継ぎ目検出領域を設定すると、検出部位が変化し或いはテンションアーム22の動作を阻害するおそれがある。一方で、ガイドローラ14と15との間の領域は固定された領域となっており、供給リール11の巻回量やテンションアームの動作によって影響を受けることはない。
【0048】
以上説明したように、本発明では、複数のACFテープの端部同士を接合して連結したACFテープ13の継ぎ目部位を光学的に検出する場合に、半透明板52を白くしてACFテープ13の裏面側に配置していることから外乱光の影響を排除できるとともに、セパレータ12が白色であるか透明であるかの色の違いをキャンセルすることができる。これにより、僅かな光量差に基づく継ぎ目検出を行うことができるようになる。また、半透明板52が生成する一様な分布を持つ拡散光を検出センサ53が受光しているため、光沢による誤検出を行うおそれもない。さらに、ACFテープ13が常に張力を作用している領域を継ぎ目検出領域に設定して、この領域に継ぎ目検出部を設けたことから、正確な検出を行うことができるようになる。
【0049】
以上において、継ぎ目検出部50はACFテープ13の端部同士を接合した場合における継ぎ目検出を行っているが、専用の連結テープを用いて連結したACFテープの継ぎ目検出においても適用できる。専用の連結テープを用いている場合には、継ぎ目部位は連結テープにより形成され、この連結テープはACFテープとは全く異なる素材であるため、光量差も非常に大きなものになる。従って、僅かな光量差を検出可能な継ぎ目検出部50を用いれば、極めて簡単に連結テープによる継ぎ目部位を検出できるようになる。つまり、継ぎ目検出部50は、ACFテープの端部同士を連結した場合であっても、専用の連結テープを用いてACFテープを連結した場合であっても、何れの場合にも適用できる。
【0050】
また、照明部51からの照明光の周波数を変調するようにしてもよい。照明部51の照明光の周波数に同期した周波数の光を検出センサ53が検出するようにしておけば、照明部51以外の外乱光や環境光等の影響を受けることがない。これにより、非常に高精度に継ぎ目部位を検出することが可能になる。この場合には、照明部51に周波数変調を行う変調部を接続し、この周波数と同期した周波数を検出するように制御する制御部を検出センサ53に接続するようにする。
【0051】
次に、図4を参照して、本発明の第1の変形例について説明する。この変形例では、照明部51をACFテープ13の表面側に配置しており、半透明板52を配置していない。照明部51はガイドローラ14に接触しているACFテープ13の部位を斜め上方から照明しており、検出センサ53は当該部位を上方から検出している。この変形例では、透過光ではなく反射光を検出センサ53が検出している。反射光の場合には、セパレータ12の色にかかわらず、1層になっている部位よりも2層になっている部位の反射率が高くなる。ただし、実施形態と同様に反射光量の差は僅かなものになる。
【0052】
この変形例では、ガイドローラ14を白色にしており、このガイドローラ14が白色部材としての機能を有している。なお、この場合のガイドローラ14を半透明にする必要はないが、光を完全に全反射しないものを用いる。検出センサ53はガイドローラ14の上方に配置されており、下方を検出している。ガイドローラ14を白色にすることで、外乱光が生じたとしても、白色のガイドローラ14により排除されて検出センサ53に影響を与えることはない。また、ガイドローラ14をセパレータ12の白色と同じ色にすることで、セパレータ12の色の違いをキャンセルしている。つまり、前述した実施形態の半透明板52に持たせていた機能のうち、外乱光を除去する機能とセパレータ12の色の違いをキャンセルする機能とをガイドローラ14に持たせている。
【0053】
また、照明部51の正反射光を受光する位置に検出センサ53を配置しておらず、光軸からずれた位置に配置している。これにより、検出センサ53は正反射光ではなく拡散光を受光できるようになっている。従って、特別な部材を用いることなく拡散光を生成している。これにより、もともと備えられているガイドローラ14を白色にすることで、外乱光除去および色の違いのキャンセルを行い、光軸をずらすことにより拡散光を照射しているため、実施形態のような専用の半透明板52のような部材は必要なくなり、部品点数の削減を図れる。
【0054】
また、本変形例においても、継ぎ目検出領域はガイドローラ14に設けており、常にACFテープ13に張力が作用している領域である。そして、ガイドローラ14は供給リール11の巻回量やテンションアーム22の影響を受けない領域になっている。
【0055】
次に、図5を参照して、第2の変形例について説明する。本変形例では、照明部を照明ランプ55としてACFテープ13の裏面側に配置し、この照明ランプ55はガイドローラ14を側方から照明するようにしている。そして、ガイドローラ14を半透明の白色部材にしている。検出センサ53はガイドローラ14の上方に設けられており、このガイドローラ14に接触しているACFテープ13を検出している。
【0056】
ガイドローラ14に照明ランプ55からの照明光が供給されることにより、ガイドローラ14に接触しているACFテープ13に光が供給される。ガイドローラ14を半透明の白色部材としており、ガイドローラ14からACFテープ13には拡散光が照明される。そして、検出センサ53はACFテープ13を透過した光の検出を行う。ガイドローラ14を半透明の白色部材にしていることから、外乱光は排除され、またセパレータ12の色の違いをキャンセルすることができる。また、継ぎ目検出領域はガイドローラ14に設けており、常にACFテープ13に張力が作用している領域であり、供給リール11の巻回量やテンションアーム22の影響を受けることはない。
【0057】
次に、第3の変形例について説明する。本変形例の正面図を図6に示し、側面図を図7に示す。この変形例では、ACF貼付装置10の取付機構の側面に供給リール11および継ぎ目検出部50を配置し、正面に圧着ヘッド30を配置している。前述した実施形態や変形例1、2では、供給リール11と圧着ヘッド30と継ぎ目検出部50の各要素を取付機構の1つの面に配置していた。本変形例では、ACF貼付装置10の正面に圧着ヘッド30、側面に供給リール11および継ぎ目検出部50を配置しており、つまり各要素を分散配置している。これにより、1つの面に各要素を集中させずに分散配置していることで、設計の自由度が向上する。なお、図6において、テンションアーム22の代わりにACFテープ13を送り出すための昇降動作を行う昇降部22Aを設けている。
【0058】
図8は、第4の変形例におけるACF貼付装置10の側面図を示している。この変形例は、第1の変形例の継ぎ目検出部50をACF貼付装置10の側面に配置しているものである。また、図9は、第5の変形例におけるACF貼付装置10の側面図を示している。この変形例は、第2の変形例の継ぎ目検出部50をACF貼付装置10の側面に配置しているものである。第4および第5の変形例においても、圧着ヘッド30とは異なる面に供給リール11および継ぎ目検出部50を配置しているため、設計の自由度が向上する。なお、第4および第5の変形例ではガイドローラ15を照射しており、このためガイドローラ15を白色或いは半透明の白色にする。また、第2の変形例では照明ランプ55は側方からガイドローラ14を照明しており、第5の変形例では上方から下方のガイドローラ15に向けて照明しているが、側方から照明するのと上方から照明するのとで違いはない。
【符号の説明】
【0059】
1 パネル基板 4 ドライバ回路
5 電極群 10 ACF貼付装置
11 供給リール 12 セパレータ
13 ACFテープ 14〜19 ガイドローラ
22 テンションアーム 30 圧着ヘッド
50 継ぎ目検出部 51 照明部
52 半透明板 53 検出センサ
55 照明ランプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色または透明のセパレータにACFを積層したACFテープの端部同士を接合して連結したACFテープの継ぎ目部位を検出するACF継ぎ目検出部を備えるACF貼付装置であって、
前記ACF継ぎ目検出部は、
前記ACFテープを照明するための照明部と、
照明された前記ACFテープからの光を受光して前記継ぎ目部位を検出する検出センサと、
前記ACFテープを挟んで前記検出センサの反対側に配置した白色部材と、
を備えたことを特徴とするACF貼付装置。
【請求項2】
前記白色部材を半透明にし、この半透明の白色部材を介して前記照明部は前記ACFテープを照明すること
を特徴とする請求項1記載のACF貼付装置。
【請求項3】
前記継ぎ目検出部を、前記ACFテープを巻回した供給リールと前記ACFの送り出しを行うテンションアームとの間に配置される2つのガイドローラの間の領域に配置したこと
を特徴とする請求項1記載のACF貼付装置。
【請求項4】
前記照明部は特定の周波数に変調された光を照明し、前記検出センサは前記周波数に同期した周波数の光を検出すること
を特徴とする請求項1記載のACF貼付装置。
【請求項5】
前記継ぎ目検出部と前記ACFの貼付部とが取り付けられる取付機構を備え、
前記継ぎ目検出部と前記ACFの貼付部とを前記取付機構の異なる面に分散して配置したこと
を特徴とする請求項1記載のACF貼付装置。
【請求項6】
請求項1乃至5何れか1項に記載のACF貼付装置を備えたフラットパネルディスプレイの製造装置。
【請求項7】
請求項6記載のフラットパネルディスプレイの製造装置により製造されたフラットパネルディスプレイ。
【請求項1】
白色または透明のセパレータにACFを積層したACFテープの端部同士を接合して連結したACFテープの継ぎ目部位を検出するACF継ぎ目検出部を備えるACF貼付装置であって、
前記ACF継ぎ目検出部は、
前記ACFテープを照明するための照明部と、
照明された前記ACFテープからの光を受光して前記継ぎ目部位を検出する検出センサと、
前記ACFテープを挟んで前記検出センサの反対側に配置した白色部材と、
を備えたことを特徴とするACF貼付装置。
【請求項2】
前記白色部材を半透明にし、この半透明の白色部材を介して前記照明部は前記ACFテープを照明すること
を特徴とする請求項1記載のACF貼付装置。
【請求項3】
前記継ぎ目検出部を、前記ACFテープを巻回した供給リールと前記ACFの送り出しを行うテンションアームとの間に配置される2つのガイドローラの間の領域に配置したこと
を特徴とする請求項1記載のACF貼付装置。
【請求項4】
前記照明部は特定の周波数に変調された光を照明し、前記検出センサは前記周波数に同期した周波数の光を検出すること
を特徴とする請求項1記載のACF貼付装置。
【請求項5】
前記継ぎ目検出部と前記ACFの貼付部とが取り付けられる取付機構を備え、
前記継ぎ目検出部と前記ACFの貼付部とを前記取付機構の異なる面に分散して配置したこと
を特徴とする請求項1記載のACF貼付装置。
【請求項6】
請求項1乃至5何れか1項に記載のACF貼付装置を備えたフラットパネルディスプレイの製造装置。
【請求項7】
請求項6記載のフラットパネルディスプレイの製造装置により製造されたフラットパネルディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2010−278097(P2010−278097A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127216(P2009−127216)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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