説明

DLL回路およびその制御方法

【課題】より向上したデューティ比特性を有するクロックを生成する。
【解決手段】本発明は、デュアルループタイプ(Dual Loop Type)のDLL回路であって、第1位相検知信号に応答し、第1遅延制御信号を生成して第1遅延ラインの遅延量を制御し、第1遅延量情報信号を出力する第1遅延制御手段と、第2位相検知信号に応答し、第2遅延制御信号を生成して第2遅延ラインの遅延量を制御し、第2遅延量情報信号を出力し、前記第1遅延制御信号と半周期情報信号に応答して前記第2遅延ラインの遅延量を再び制御する第2遅延制御手段と、前記第1遅延量情報信号と前記第2遅延量情報信号の入力を受け、基準クロックの半周期情報を抽出して前記半周期情報信号を生成する半周期検知手段と、前記第1遅延ラインの出力クロックと前記第2遅延ラインの出力クロックを組み合わせてデューティ比補正クロックを出力するデューティーサイクル補正手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DLL(Delay Locked Loop)回路およびその制御方法に関し、より詳しくは、外部クロックに対して位相が先行する内部クロックを生成するDLL回路およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、DLL回路は、外部クロックを変換して得た基準クロックに対して一定の時間位相が先行する内部クロックを提供するのに用いられる。DLL回路は、半導体集積回路内で活用される内部クロックがクロックバッファおよび伝送ラインを介して遅延することによって外部クロックとの位相差が発生するようになり、これによって出力データアクセス時間が長くなる問題点を解決するために用いられる。DLL回路は、このように有効データ出力区間を増加させるために、内部クロックの位相を外部クロックに対して所定の時間先行するように制御する機能を実行する(例えば特許文献1)。
【0003】
DLL回路から出力されるクロックのデューティ比(Duty Ratio)は、正確に定められた比率(例えば、50:50)を維持しないとDLL回路の動作効率の低下が防止できない。しかし、DLL回路外部のジッター(Jitter)特性およびDLL回路内部の遅延素子が有する不均一な遅延値などによってDLL回路の出力クロックのデューティ比が歪みやすくなる。このような副作用を防止するために、従来のDLL回路は、デューティーサイクル補正装置を備えて出力クロックのデューティ比が定められた比率を有するようにする動作を行った。しかし、従来のDLL回路に備えられたデューティーサイクル補正装置は、専有面積が大きく、動作時間が長く、低電力化の実現時における動作特性が低下するなどの問題点を有していた。半導体集積回路の高速化、高集積化、および低電力化の傾向に応じてより向上した正確度のデューティ比を有するクロックの実現が求められており、それに伴ってより効率的なデューティーサイクル補正能力を有するDLL回路が求められている。
【特許文献1】特開平8−147967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、より向上したデューティ比特性を有するクロックを生成するDLL回路およびその制御方法を提供することに他の技術的課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した技術的課題を達成するための本発明の一実施形態に係るDLL回路は、デュアルループタイプ(Dual Loop Type)のDLL回路であって、第1位相検知信号に応答し、第1遅延制御信号を生成して第1遅延ラインの遅延量を制御し、第1遅延量情報信号を出力する第1遅延制御手段と、第2位相検知信号に応答し、第2遅延制御信号を生成して第2遅延ラインの遅延量を制御し、第2遅延量情報信号を出力し、前記第1遅延制御信号と半周期情報信号に応答して前記第2遅延ラインの遅延量を再び制御する第2遅延制御手段と、前記第1遅延量情報信号と前記第2遅延量情報信号の入力を受け、基準クロックの半周期情報を抽出して前記半周期情報信号を生成する半周期検知手段と、前記第1遅延ラインの出力クロックと前記第2遅延ラインの出力クロックを組み合わせてデューティ比補正クロックを出力するデューティーサイクル補正手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の他の実施形態に係るDLL回路は、デュアルループタイプのDLL回路であって、第1位相検知信号に応答して第1遅延制御信号を生成し、その後前記第1遅延制御信号が指示する遅延量と基準クロックの反周期だけの遅延量を加えた遅延量を指示する第2遅延制御信号を生成する遅延制御手段と、前記第1遅延制御信号に応答し、前記基準クロックを遅延させて第1遅延クロックを生成する第1遅延ラインと、前記第2遅延制御信号に応答し、前記基準クロックを遅延させて第2遅延クロックを生成する第2遅延ラインと、前記第1遅延クロックと前記第2遅延クロックを組み合わせてデューティ比補正クロックを出力するデューティーサイクル補正手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のまた他の実施形態に係るDLL回路は、基準クロックを第1遅延量だけ遅延させて第1遅延クロックを生成する第1フィードバックループと、前記基準クロックを第2遅延量だけ遅延させて第2遅延クロックを生成し、前記第1遅延クロックに対する遅延量情報と半周期情報信号に応答し、前記基準クロックを遅延させて前記第2遅延クロックを再び生成する第2フィードバックループと、前記第1遅延量に対する情報と前記第2遅延量に対する情報を用い、前記基準クロックの半周期情報を抽出して前記半周期情報信号を生成する半周期検知手段と、前記第1遅延クロックと前記第2遅延クロックを組み合わせてデューティ比補正クロックを出力するデューティーサイクル補正手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明のまた他の実施形態に係るDLL回路の制御方法は、デュアルループタイプのDLL回路を制御する方法であって、第1位相検知信号と第2位相検知信号に応答して第1遅延ラインと第2遅延ラインの遅延量を制御するステップと、前記第1遅延ラインの遅延量情報と前記第2遅延ラインの遅延量情報に応じて基準クロックの半周期情報を抽出するステップと、前記半周期情報および前記第1遅延ラインの遅延量情報に応答して前記第2遅延ラインの遅延量を再び制御するステップと、前記第1遅延ラインの出力クロックと前記第2遅延ラインの出力クロックを組み合わせてデューティ比補正クロックを生成するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態についてより詳細に説明する。
【0010】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態に係るDLL回路は、クロック入力バッファ100、第1遅延ライン110、第1遅延補償手段120、第1位相検知手段130、第1遅延制御手段140、第2遅延ライン210、第2遅延補償手段220、第2位相検知手段230、第2遅延制御手段240、半周期検知手段250、第1クロック分周手段310、第2クロック分周手段320、およびクロック組合わせ手段330を含む。
【0011】
前記クロック入力バッファ100は、外部クロックclk_extをバッファリングして基準クロックclk_refを生成する。前記第1遅延ライン110は、第1遅延制御信号dlycont1に応答し、前記基準クロックclk_refを遅延させて第1遅延クロックclk_dly1を生成する。前記第1遅延補償手段120は、前記第1遅延クロックclk_dly1の出力経路に存在する遅延素子の遅延量をモデリングした遅延時間を前記第1遅延クロックclk_dly1に付与して、第1フィードバッククロックclk_fb1を生成する。前記第1位相検知手段130は、前記基準クロックclk_refと前記第1フィードバッククロックclk_fb1の位相を比較検知して、第1位相検知信号phdet1を生成する。前記第1遅延制御手段140は、第1パルス信号pls1および前記第1位相検知信号phdet1に応答し、前記第1遅延制御信号dlycont1、第1遅延量情報信号dlyinf1、および第1固定完了信号lock1を生成する。
【0012】
前記第2遅延ライン210は、前記第2遅延制御信号dlycont2に応答し、前記基準クロックclk_refを遅延させて第2遅延クロックclk_dly2を生成する。前記第2遅延補償手段220は、前記第2遅延クロックclk_dly2の出力経路に存在する遅延素子の遅延量をモデリングした遅延時間を前記第2遅延クロックclk_dly2に付与して、第2フィードバッククロックclk_fb2を生成する。前記第2位相検知手段230は、前記基準クロックclk_refと前記第2フィードバッククロックclk_fb2の位相を比較検知して、第2位相検知信号phdet2を生成する。前記第2遅延制御手段240は、前記第1パルス信号pls1、前記第2位相検知信号phdet2、前記第1遅延制御信号dlycont1、半周期情報信号hfclinf、および遅延初期化信号dlyiniに応答し、前記第2遅延制御信号dlycont2、第2遅延量情報信号dlyinf2、および第2固定完了信号lock2を生成する。
【0013】
前記半周期検知手段250は、第2パルス信号pls2、第3パルス信号pls3、前記第1固定完了信号lock1、前記第2固定完了信号lock2、前記第1遅延量情報信号dlyinf1、および前記第2遅延量情報信号dlyinf2に応答し、前記遅延初期化信号dlyiniおよび前記半周期情報信号hfclinfを生成する。前記第1クロック分周手段310は、前記第1遅延クロックclk_dly1を所定の分周比で分周して、第1分周クロックclk_div1を生成する。前記第2クロック分周手段320は、前記第2遅延クロックclk_dly2を前記分周比で分周して、第2分周クロックclk_div2を生成する。前記クロック組合わせ手段330は、前記第1分周クロックclk_div1と前記第2分周クロックclk_div2を組み合わせてデューティ比補正クロックclk_crtを生成する。
【0014】
このように、本発明の一実施形態に係るDLL回路は、前記第1遅延ライン110、前記第1遅延補償手段120、前記第1位相検知手段130、および前記第1遅延制御手段140からなる第1フィードバックループ1と、前記第2遅延ライン210、前記第2遅延補償手段220、前記第2位相検知手段230、および前記第2遅延制御手段240からなる第2フィードバックループ2とを含むデュアルループタイプ(Dual Loop Type)として実現される。つまり、前記第1フィードバックループ1は、前記基準クロックclk_refを第1遅延量だけ遅延させて、前記第1遅延クロックclk_dly1を生成する。前記第2フィードバックループ2は、前記基準クロックclk_refを第2遅延量だけ遅延させて前記第2遅延クロックclk_dly2を生成し、前記第1遅延クロックclk_dly1に対する遅延量情報と前記半周期情報信号hfclinfに応答し、前記基準クロックclk_refを遅延させて前記第2遅延クロックclk_dly2を再び生成する。
【0015】
また、前記第1遅延制御手段140、前記第2遅延制御手段240、および前記半周期検知手段250は、前記第1遅延ライン110と前記第2遅延ライン210の遅延量を制御するという意味で、通称して遅延制御手段200ということができる。つまり、前記遅延制御手段200は、前記第1位相検知信号phdet1に応答して前記第1遅延制御信号dlycont1を生成し、その後、前記第1遅延制御信号dlycont1が指示する遅延量と前記基準クロックclk_refの反周期だけの遅延量を加えた遅延量を指示する前記第2遅延制御信号dlycont2を生成する機能を行う。
【0016】
また、前記第1クロック分周手段310、前記第2クロック分周手段320、および前記クロック組合わせ手段330は、前記第1遅延クロックclk_dly1と前記第2遅延クロックclk_dly2を組み合わせて前記デューティ比補正クロックclk_crtを生成するという意味で、通称してデューティーサイクル補正手段300ということができる。
【0017】
前記第1パルス信号pls1、前記第2パルス信号pls2、および前記第3パルス信号pls3は図示していないが、一般的なクロックジェネレータから生成される信号であって、各々前記基準クロックclk_refの所定周期(例えば、20周期)ごとに一回ずつイネーブルになり、前記基準クロックclk_refの1周期に該当するイネーブル区間を有する。ここでは、前記第1パルス信号pls1が前記第2パルス信号pls2より速いイネーブル区間を有し、前記第2パルス信号pls2が前記第3パルス信号pls3より速いイネーブル区間を有すると仮定する。
【0018】
前記第1遅延制御信号dlycont1と前記第2遅延制御信号dlycont2は、各々mビットのデジタルコード信号として実現される。また、前記第1遅延量情報信号dlyinf1と前記第2遅延量情報信号dlyinf2および前記半周期情報信号hfclinfは、各々nビットのデジタルコード信号として実現される。
【0019】
このように構成された前記DLL回路の動作については図2のタイミング図に基づいて詳細に説明する。ここでは、前記基準クロックclk_refのハイレベル(High Level)区間がローレベル(Low Level)区間に比べて長いものを例に挙げて示す。
【0020】
先ず、前記第1遅延制御手段140は、前記第1位相検知信号phdet1に応答して前記第1遅延制御信号dlycont1を生成することにより、前記第1遅延ライン110の遅延量を制御する。前記第1遅延制御信号dlycont1は、初期には任意のコード値に設定されているが、前記第1パルス信号pls1のイネーブル時ごとにその論理値が変化するようになる。前記第1遅延制御手段140は、前記第1遅延制御信号dlycont1の論理値の変化量から前記第1遅延ライン110の遅延量情報を抽出し、これを前記第1遅延量情報信号dlyinf1に含ませて出力する。そして、このような一次的な固定完了動作が完了すれば、前記第1固定完了信号lock1をイネーブルにする。この時、前記第1遅延ライン110は、前記第1フィードバッククロックclk_fb1と前記基準クロックclk_refとが同期するように、前記基準クロックclk_refに正の遅延時間を付与して前記第1遅延クロックclk_dly1を生成する。
【0021】
同様に、前記第2遅延制御手段240は、前記第2位相検知信号phdet2に応答して前記第2遅延制御信号dlycont2を生成することにより、前記第2遅延ライン210の遅延量を制御する。また、前記第2遅延制御信号dlycont2も初期には任意のコード値に設定されているが、前記第1パルス信号pls1のイネーブル時ごとにその論理値が変化するようになる。前記第2遅延制御手段240は、前記第2遅延制御信号dlycont2の論理値の変化量から前記第2遅延ライン210の遅延量情報を抽出し、これを前記第2遅延量情報信号dlyinf2に含ませて出力する。そして、このような一次的な固定完了動作が完了すれば、前記第2固定完了信号lock2をイネーブルにする。この時、前記第2遅延ライン210は、前記第2フィードバッククロックclk_fb2と前記基準クロックclk_refとが同期するように、前記基準クロックclk_refに負の遅延時間を付与して前記第2遅延クロックclk_dly2を生成する。
【0022】
前記半周期検知手段250は、前記第1固定完了信号lock1と前記第2固定完了信号lock2がイネーブルになれば、前記第1遅延ライン110が前記基準クロックclk_refに付与した遅延時間と前記第2遅延ライン210が前記基準クロックclk_refに付与した遅延時間とから前記基準クロックclk_refの半周期を抽出する動作を行う。前記第1遅延ライン110が前記基準クロックclk_refに付与した遅延時間をaとし、前記第2遅延ライン210が前記基準クロックclk_refに付与した遅延時間をbとすると、図面によって確認できるように前記基準クロックclk_refの周期はa+bとなる。nビットのデジタルコード信号である前記第1遅延量情報信号dlyinf1がaという遅延量情報を伝達し、nビットのデジタルコード信号である前記第2遅延量情報信号dlyinf2がbという遅延量情報を伝達すれば、前記半周期検知手段250は、前記第1遅延量情報信号dlyinf1と前記第2遅延量情報信号dlyinf2の論理値を合算した後、合算された論理値を各々下位ビットに1ビットずつシフトさせることにより、(a+b)/2という半周期情報を抽出する。前記半周期検知手段250は、このような半周期情報を含む前記nビットの半周期情報信号hfclinfを生成した後、前記遅延初期化信号dlyiniをイネーブルにする。
【0023】
その後、前記第2遅延制御手段240は、前記遅延初期化信号dlyiniに応答し、予め生成されていた前記第2遅延制御信号dlycont2を初期化させる。そして、前記半周期情報信号hfclinfと前記第1遅延制御信号dlycont1の各々の論理値を合算した論理値を有する前記第2遅延制御信号dlycont2を再び生成する。つまり、前記半周期情報信号hfclinfが有する(a+b)/2という遅延量情報に前記第1遅延制御信号dlycont1が有するaという遅延量情報を合算することにより、前記第2遅延ライン210が前記基準クロックclk_refにa+(a+b)/2の遅延量を付与するようにする。このような動作により、前記第2遅延クロックclk_dly2は、前記第1遅延クロックclk_dly1より前記基準クロックclk_refの反周期だけさらに遅れた形態の位相を有するようになる。
【0024】
前記第1クロック分周手段310は、前記第1遅延クロックclk_dly1を2分周して前記第1分周クロックclk_div1を生成する。同様に、前記第2クロック分周手段320は、前記第2遅延クロックclk_dly2を2分周して前記第2分周クロックclk_div2を生成する。一般的に、エッジトリガタイプ(Edge Trigger Type)のクロック分周器を用いてクロックを分周すれば、出力クロックはデューティ比が補正された形態となる。したがって、前記第1分周クロックclk_div1と前記第2分周クロックclk_div2は各々50:50の分周比を有し、互いに前記基準クロックclk_refの反周期だけの位相差を有する形態で生成される。その後、前記クロック組合わせ手段330は、前記第1分周クロックclk_div1と前記第2分周クロックclk_div2を組み合わせて前記デューティ比補正クロックclk_crtを生成する。
【0025】
図3を参照すれば、前記第1遅延制御手段140は、第1シフトカウンタ142および第1エンコーダ144を含む。
【0026】
前記第1シフトカウンタ142は、前記第1パルス信号pls1および前記第1位相検知信号phdet1に応答して、前記第1遅延制御信号dlycont1および前記第1固定完了信号lock1を生成する。前記第1エンコーダ144は、前記第1遅延制御信号dlycont1の入力を受けて前記第1遅延量情報信号dlyinf1を生成する。
【0027】
前記第1シフトカウンタ142は、一般的なDLL回路に備えられる遅延制御手段と同様の構成を有する。つまり、前記第1シフトカウンタ142は、mビットのうちの‘1’の論理値を一つだけ含む前記第1遅延制御信号dlycont1の論理値を初期には任意の値に設定しているが、前記第1位相検知信号phdet1に応答して‘1’を有するビットの桁数をシフトする。このような動作によって前記第1遅延ライン110の遅延量を変化させ、前記基準クロックclk_refと前記第1フィードバッククロックclk_fb1の位相差が所定範囲以下に減少したという情報が前記第1位相検知信号phdet1を通じて伝えられると、前記シフト動作を中止させ前記第1固定完了信号lock1をイネーブルにする。
【0028】
前記第1エンコーダ144は、前記第1遅延制御信号dlycont1に含まれた‘1’値のビットが何桁移動したかを検知し、それに該当する前記第1遅延量情報信号dlyinf1を生成する。つまり、前記第1遅延制御信号dlycont1の初期論理値をデフォルト値に設定し、その後変化した論理値をエンコーディングすることにより、前記第1遅延量情報信号dlyinf1に前記第1遅延ライン110に付与された遅延量情報を含ませることができる。このような前記第1エンコーダ144の構成は当業者であれば容易に実施することができる構成である。
【0029】
図4を参照すれば、前記第2遅延制御手段240は、第1加算器241、第2シフトカウンタ243、MUX部245、ラッチ部247、および第2エンコーダ249を含む。
【0030】
前記第1加算器241は、前記第1遅延制御信号dlycont1と前記半周期情報信号hfclinfを合算して第1合算信号sum1を生成する。前記第2シフトカウンタ243は、前記第2位相検知信号phdet2に応答して、カウント信号countと前記第2固定完了信号lock2を生成する。前記MUX部245は、前記遅延初期化信号dlyiniに応答して、前記第1合算信号sum1又は前記カウント信号countを選択的に出力する。前記ラッチ部247は、前記MUX部245から出力される信号の各々のビットをラッチし、それを前記第2遅延制御信号dlycont2として出力する。前記第2エンコーダ249は、前記カウント信号countの入力を受けて前記第2遅延量情報信号dlyinf2を生成する。
【0031】
ここで、前記第2シフトカウンタ243と前記第2エンコーダ249の動作は、前記第1遅延制御手段140の説明を通して容易に理解することができる。
【0032】
前記遅延初期化信号dlyiniはパルス信号の形態で実現される。前記MUX部245は、前記遅延初期化信号dlyiniがイネーブルになる前には、前記カウント信号countを前記ラッチ部247に伝達する。この場合、前記ラッチ部247は、前記カウント信号countの各ビットをラッチし、これを前記第2遅延制御信号dlycont2として出力する。したがって、前記第2遅延制御信号dlycont2は、前記第2位相検知信号phdet2によって伝達される前記基準クロックclk_refと前記第2フィードバッククロックclk_fb2の位相差を減少させるための遅延量情報を前記第2遅延ライン210に伝達する。
【0033】
一方、前記遅延初期化信号dlyiniがイネーブルになった後、前記MUX部245は、前記第1合算信号sum1を前記ラッチ部247に伝達する。この場合、前記ラッチ部247は、前記第1合算信号sum1の各ビットをラッチし、これを前記第2遅延制御信号dlycont2として出力する。この時、前記第1合算信号sum1は、前記第1遅延制御信号dlycont1が指示する遅延量と前記半周期情報信号hfclinfが指示する遅延量とを合わせた遅延量情報を有している。したがって、この時の前記第2遅延制御信号dlycont2は、このように前記第1合算信号sum1が有する遅延量情報を前記第2遅延ライン210に伝達することになる。
【0034】
図5を参照すれば、前記半周期検知手段250は、イネーブル部252、第2加算器254、シフター256、および遅延初期化部258を含む。
【0035】
前記イネーブル部252は、前記第1固定完了信号lock1と前記第2固定完了信号lock2の入力を受けて検知イネーブル信号detenを生成する。前記第2加算器254は、前記検知イネーブル信号detenに応答し、前記第1遅延量情報信号dlyinf1と前記第2遅延量情報信号dlyinf2を合算して第2合算信号sum2を生成する。前記シフター256は、前記第2パルス信号pls2および前記検知イネーブル信号detenに応答し、前記第2合算信号sum2の論理値を各々1ビットずつ下位ビットにシフトして前記半周期情報信号hfclinfを生成する。前記遅延初期化部258は、前記第3パルス信号pls3と前記検知イネーブル信号detenの入力を受けて前記遅延初期化信号dlyiniを生成する。
【0036】
前記イネーブル部252は、前記第1固定完了信号lock1と前記第2固定完了信号lock2の入力を受ける第1ナンドゲートND1と、前記第1ナンドゲートND1の出力信号の入力を受けて前記検知イネーブル信号detenを出力する第1インバータIV1と、を含む。
【0037】
前記遅延初期化部258は、前記第3パルス信号pls3と前記検知イネーブル信号detenの入力を受ける第2ナンドゲートND2と、前記第2ナンドゲートND2の出力信号の入力を受けて前記遅延初期化信号dlyiniを出力する第2インバータIV2と、を含む。
【0038】
このような構成により、前記第1固定完了信号lock1と前記第2固定完了信号lock2が共にイネーブルになれば、前記検知イネーブル信号detenがイネーブルになるため、前記第2加算器254の動作が開始され前記第2合算信号sum2が生成される。その後、前記第2パルス信号pls2がイネーブルになれば、前記シフター256は、前記第2合算信号sum2の各ビットを1ビットずつシフトさせる。それにより、前記半周期情報信号hfclinfは、前記基準クロックclk_refの半周期情報をその論理値に含むようになる。その後、前記第3パルス信号pls3がイネーブルになれば、前記遅延初期化信号dlyiniがイネーブルになる。
【0039】
図6を参照すれば、前記クロック組合わせ手段330は、第1反転部331、第1エッジトリガ部333、第2反転部335、第2エッジトリガ部337、および演算部339を含む。
【0040】
前記第1反転部331は、前記第2分周クロックclk_div2を反転させて第2副分周クロック/clk_div2を生成する。前記第1エッジトリガ部333は、前記第1分周クロックclk_div1と前記第2副分周クロック/clk_div2の入力を受け、前記クロックの各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチして、第1エッジトリガクロックclk_etrg1を生成する。前記第2反転部335は前記第1分周クロックclk_div1を反転させて第1副分周クロック/clk_div1を生成する。前記第2エッジトリガ部337は、前記第1副分周クロック/clk_div1と前記第2分周クロックclk_div2の入力を受け、前記クロックの各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチして、第2エッジトリガクロックclk_etrg2を生成する。前記演算部339は、前記第1エッジトリガクロックclk_etrg1と前記第2エッジトリガクロックclk_etrg2を論理積演算して、前記デューティ比補正クロックclk_crtを出力する。
【0041】
図7aを参照すれば、前記第1エッジトリガ部333は、第1選択部3332および第1トリガ部3334を含む。
【0042】
前記第1選択部3332は、前記第1分周クロックclk_div1と前記第2副分周クロック/clk_div2に応答して第1選択信号sel1を生成する。前記第1トリガ部3334は、前記第1選択信号sel1に応答し、前記第1分周クロックclk_div1の立ち上がりエッジタイミングに前記第2副分周クロック/clk_div2をラッチするか、前記第2副分周クロック/clk_div2の立ち上がりエッジタイミングに前記第1分周クロックclk_div1をラッチして、前記第1エッジトリガクロックclk_etrg1を生成する。
【0043】
前記第1選択部3332は、第3〜第9インバータ(IV3〜IV9)および第3〜第6ナンドゲート(ND3〜ND6)を含む。
【0044】
前記第3インバータIV3には前記第2副分周クロック/clk_div2が入力される。前記第4インバータIV4には前記第3インバータIV3の出力信号が入力される。前記第5インバータIV5には前記第1分周クロックclk_div1が入力される。前記第3ナンドゲートND3には前記第1分周クロックclk_div1と前記第5インバータIV5の出力信号が入力される。前記第6インバータIV6には前記第3ナンドゲートND3の出力信号が入力される。前記第7インバータIV7には前記第6インバータIV6の出力信号が入力される。前記第4ナンドゲートND4には前記第1分周クロックclk_div1と前記第2副分周クロック/clk_div2が入力される。前記第8インバータIV8には前記第4ナンドゲートND4の出力信号が入力される。前記第5ナンドゲートND5には前記第7インバータIV7の出力信号と前記第8インバータIV8の出力信号が入力される。前記第6ナンドゲートND6には前記第4インバータIV4の出力信号と前記第5ナンドゲートND5の出力信号が入力される。前記第9インバータIV9には前記第6ナンドゲートND6の出力信号が入力され、前記第1選択信号sel1を出力する。
【0045】
前記第1トリガ部3334は、第10〜第15インバータ(IV10〜IV15)、第1〜第4パスゲート(PG1〜PG4)、およびフリップフロップFFを含む。
【0046】
前記第10インバータIV10には前記第1選択信号sel1が入力される。前記第1パスゲートPG1は、前記第1選択信号sel1と前記第10インバータIV10の出力信号に応答し、前記第1分周クロックclk_div1を第1ノードN1に伝達する。前記第2パスゲートPG2は、前記第1選択信号sel1と前記第10インバータIV10の出力信号に応答し、前記第2副分周クロック/clk_div2を前記第1ノードN1に伝達する。前記第11インバータIV11には前記第1ノードN1に伝えられた信号が入力される。前記第12インバータIV12には前記第11インバータIV11の出力信号が入力される。前記第13インバータIV13には前記第1選択信号sel1が入力される。前記第3パスゲートPG3は、前記第1選択信号sel1と前記第13インバータIV13の出力信号に応答し、前記第2副分周クロック/clk_div2を第2ノードN2に伝達する。前記第4パスゲートPG4は、前記第1選択信号sel1と前記第13インバータIV13の出力信号に応答し、前記第1分周クロックclk_div1を前記第2ノードN2に伝達する。前記第14インバータIV14には前記第2ノードN2に伝えられた信号が入力される。前記第15インバータIV15には前記第14インバータIV14の出力信号が入力される。前記フリップフロップFFは、前記第15インバータIV15の出力信号の立ち上がりエッジタイムごとに前記第12インバータIV12の出力信号をラッチして、前記第1エッジトリガクロックclk_etrg1を出力する。
【0047】
図7bに示した前記第2エッジトリガ部337は、前記第1エッジトリガ部333と同様の構成を有するが、前記第1分周クロックclk_div1の代わりに前記第1副分周クロック/clk_div1が活用され、前記第2副分周クロック/clk_div2の代わりに前記第2分周クロックclk_div2が活用される点に違いがある。
【0048】
前記第2エッジトリガ部337は、第2選択部3372および第2トリガ部3374を含む。
【0049】
前記第2選択部3372は、前記第1副分周クロック/clk_div1と前記第2分周クロックclk_div2に応答して第2選択信号sel2を生成する。前記第2トリガ部3374は、前記第2選択信号sel2に応答し、前記第1副分周クロック/clk_div1の立ち上がりエッジタイミングに前記第2分周クロックclk_div2をラッチするか、前記第2分周クロックclk_div2の立ち上がりエッジタイミングに前記第1副分周クロック/clk_div1をラッチして、前記第2エッジトリガクロックclk_etrg2を生成する。
【0050】
前記第2選択部3372と前記第2トリガ部3374の各内部の構成要素は、前記第1エッジトリガ部333の第1選択部3332と第1トリガ部3334の構成要素と同様の図面符号を付した。
【0051】
このように構成された前記クロック組合わせ手段330の動作については以下の図8のタイミング図に基づいてより詳細に説明する。
【0052】
前記第1エッジトリガ部333において、前記第2副分周クロック/clk_div2がハイレベルであり、前記第1分周クロックclk_div1がローレベルである時には、前記第1選択部3332の前記第5ナンドゲートND5の出力信号はハイレベルになる。この時、前記第4インバータIV4の出力信号もまたハイレベルであるため、前記第1選択信号sel1はハイレベルになる。これにより、前記第1トリガ部3334の前記第2パスゲートPG2と前記第4パスゲートPG4はターンオンになり、その後前記第1分周クロックclk_div1がハイレベルに上昇すれば、前記フリップフロップFFはこの時の前記第2副分周クロック/clk_div2をラッチして、ハイレベルの前記第1エッジトリガクロックclk_etrg1を生成する。
【0053】
前記第1分周クロックclk_div1のレベルがハイレベルになることにより、前記第5ナンドゲートND5の出力信号はローレベルになり、前記第1選択信号sel1もまたローレベルになる。したがって、前記第1パスゲートPG1と前記第3パスゲートPG3はターンオンになり、前記第2パスゲートPG2と前記第4パスゲートPG4はターンオフになる。前記フリップフロップFFは前記第2副分周クロック/clk_div2の立ち上がりエッジタイミングに前記第1分周クロックclk_div1をラッチする状態になるが、この時、前記第2副分周クロック/clk_div2はハイレベルであるため、既にラッチされた前記第1エッジトリガクロックclk_etrg1を持続的に出力する。前記第2副分周クロック/clk_div2がローレベルに遷移しても前記第1選択信号sel1はローレベルを維持するため、前記フリップフロップFFの動作は変わらない。しかし、その後、前記第2副分周クロック/clk_div2の立ち上がりエッジタイミングになれば、前記フリップフロップFFは、この時の前記第1分周クロックclk_div1をラッチして、ローレベルの前記第1エッジトリガクロックclk_etrg1を出力する。前記第1選択信号sel1は再びハイレベルになる。
【0054】
前記第1エッジトリガ部333はこのような動作を繰り返し行い、図8に示すような形態の前記第1エッジトリガクロックclk_etrg1を生成する。すなわち、前記第1エッジトリガクロックclk_etrg1は、前記第1分周クロックclk_div1と前記第2副分周クロック/clk_div2が各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチした形態の波形を有するようになる。
【0055】
前記第2エッジトリガ部337は入力信号だけが相異なるだけであって、前記第1エッジトリガ部333と同様の形態で構成される。よって、前記第2エッジトリガクロックclk_etrg2は、前記第1副分周クロック/clk_div1と前記第2分周クロックclk_div2が各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチした形態の波形を有するようになり、これは図8で確認することができる。
【0056】
前記演算部339は、前記第1エッジトリガクロックclk_etrg1と前記第2エッジトリガクロックclk_etrg2を論理積することにより、前記デューティ比補正クロックclk_crtを生成する。詳細に図示してはいないが、前記演算部339は、ナンドゲートとインバータを備えることによって容易に実現することができる。
【0057】
つまり、前記クロック組合わせ手段330は、前記第1分周クロックclk_div1を反転させて前記第1副分周クロック/clk_div1を生成し、前記第2分周クロックclk_div2を反転させて前記第2副分周クロック/clk_div2を生成する。その後、前記第1分周クロックclk_div1と前記第2副分周クロック/clk_div2の各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチして前記第1エッジトリガクロックclk_etrg1を生成し、前記第1副分周クロック/clk_div1と前記第2分周クロックclk_div2の各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチして前記第2エッジトリガクロックclk_etrg2を生成する。その後、前記第1エッジトリガクロックclk_etrg1と前記第2エッジトリガクロックclk_etrg2を論理積演算することにより、デューティ比が補正された前記デューティ比補正クロックclk_crtを生成する。
【0058】
上述したように、本発明に係るDLL回路はデュアルループタイプで構成され、一次的に第1位相検知信号に応答して第1遅延ラインの遅延量を制御し、第2位相検知信号に応答して第2遅延ラインの遅延量を制御する。その後、前記第1遅延ラインに付与された遅延量と第2遅延ラインに付与された遅延量から基準クロックの半周期情報を抽出した後、第2遅延ラインの遅延を初期化させる。そして、第2遅延ラインに基準クロックの反周期だけの遅延量と第1遅延ラインに付与される遅延量を合算した遅延量を付与することにより、第1遅延ラインの出力クロックと第2遅延ラインの出力クロックが互いに反周期だけの位相差が生じる。その後、前記第1遅延ラインの出力クロックと前記第2遅延ラインの出力クロックを各々所定の分周比で分周した後、分周されたクロックを組み合わせることによってデューティ比が補正されたクロックを得るようになる。
【0059】
このような構成により、本発明のDLL回路は、別途にデューティーサイクル補正回路を備える必要がないため、専有面積を大きく増加させない範囲内でより向上したデューティ比特性を有するクロックを生成することができる。また、出力クロックのデューティ比特性を効率的に改善することにより、より安定に半導体集積回路の動作を支援することができる。
【0060】
本発明が属する技術分野の当業者であれば、本発明がその技術的思想や必須特徴を変更せず、他の具体的な形態によって実施することができるため、以上で記述した実施形態はすべての面で例示的であり、限定的ではないものと理解しなければならない。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその等価概念から導き出されるすべての変更又は変形した形態が本発明の範囲に含まれると解釈しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係るDLL回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したDLL回路の動作を説明するためのタイミング図である。
【図3】図1に示した第1遅延制御手段の詳細構成図である。
【図4】図1に示した第2遅延制御手段の詳細構成図である。
【図5】図1に示した半周期検知手段の詳細構成図である。
【図6】図1に示したクロック組合わせ手段の詳細構成図である。
【図7a】図6に示した第1エッジトリガ部の詳細構成図である。
【図7b】図6に示した第2エッジトリガ部の詳細構成図である。
【図8】図6、図7a、および図7bに示したクロック組合わせ手段の動作を説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
【0062】
110…第1遅延ライン
140…第1遅延制御手段
210…第2遅延ライン
240…第2遅延制御手段
250…半周期検知手段
310…第1クロック分周手段
320…第2クロック分周手段
330…クロック組合わせ手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルループタイプ(Dual Loop Type)のDLL(Delay Locked Loop)回路であって、
第1位相検知信号に応答し、第1遅延制御信号を生成して第1遅延ラインの遅延量を制御し、第1遅延量情報信号を出力する第1遅延制御手段と、
第2位相検知信号に応答し、第2遅延制御信号を生成して第2遅延ラインの遅延量を制御し、第2遅延量情報信号を出力し、前記第1遅延制御信号と半周期情報信号に応答して前記第2遅延ラインの遅延量を再び制御する第2遅延制御手段と、
前記第1遅延量情報信号と前記第2遅延量情報信号の入力を受け、基準クロックの半周期情報を抽出して前記半周期情報信号を生成する半周期検知手段と、
前記第1遅延ラインの出力クロックと前記第2遅延ラインの出力クロックを組み合わせてデューティ比補正クロックを出力するデューティーサイクル補正手段と、
を含むことを特徴とするDLL回路。
【請求項2】
前記第1遅延制御信号は複数ビットのデジタルコードとして実現され、
前記第1遅延制御手段は、前記第1位相検知信号に応答して前記第1遅延制御信号のデジタルコードの論理値を変化させた後、論理値の変化量に対する情報を前記第1遅延量情報信号に含ませて出力することを特徴とする請求項1に記載のDLL回路。
【請求項3】
前記第1遅延制御手段は、
クロックジェネレータから生成される第1パルス信号および前記第1位相検知信号に応答して前記第1遅延制御信号および第1固定完了信号を生成する第1シフトカウンタと、
前記第1遅延制御信号の入力を受けて前記第1遅延量情報信号を生成する第1エンコーダと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のDLL回路。
【請求項4】
前記第2遅延制御信号と前記半周期情報信号は複数ビットのデジタルコードとして実現され、
前記第2遅延制御手段は、前記第2位相検知信号に応答して前記第2遅延制御信号のデジタルコードの論理値を変化させた後、論理値の変化量に対する情報を前記第2遅延量情報信号に含ませて出力し、
遅延初期化信号に応答して前記第2遅延制御信号を初期化させた後、前記半周期情報信号と前記第1遅延制御信号の論理値を合算した論理値を有する前記第2遅延制御信号を再び生成することを特徴とする請求項3に記載のDLL回路。
【請求項5】
前記第2遅延制御手段は、
前記第1遅延制御信号と前記半周期情報信号を合算して第1合算信号を生成する第1加算器と、
前記第2位相検知信号に応答してカウント信号と第2固定完了信号を生成する第2シフトカウンタと、
前記遅延初期化信号に応答して前記第1合算信号又は前記カウント信号を選択的に出力するMUX部と、
前記MUX部から出力される信号の各々のビットをラッチし、それを前記第2遅延制御信号として出力するラッチ部と、
前記カウント信号の入力を受けて前記第2遅延量情報信号を生成する第2エンコーダと、
を含むことを特徴とする請求項4に記載のDLL回路。
【請求項6】
前記半周期検知手段は、前記第1遅延量情報信号と前記第2遅延量情報信号の論理値を合算した後、各々のビットを1ビットずつ下位ビットにシフトさせて前記半周期情報信号を生成し、前記半周期情報信号が生成されると前記遅延初期化信号をイネーブルにすることを特徴とする請求項5に記載のDLL回路。
【請求項7】
前記半周期検知手段は、
前記第1固定完了信号と前記第2固定完了信号の入力を受けて検知イネーブル信号を生成するイネーブル部と、
前記検知イネーブル信号に応答し、前記第1遅延量情報信号と前記第2遅延量情報信号を合算して第2合算信号を生成する第2加算器と、
前記クロックジェネレータから出力される第2パルス信号および前記検知イネーブル信号に応答し、前記第2合算信号の論理値を各々1ビットずつ下位ビットにシフトして前記半周期情報信号を生成するシフターと、
前記クロックジェネレータから出力される第3パルス信号と前記検知イネーブル信号の入力を受けて前記遅延初期化信号を生成する遅延初期化部と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載のDLL回路。
【請求項8】
前記デューティーサイクル補正手段は、
前記第1遅延ラインの出力クロックを所定の分周比で分周して第1分周クロックを生成する第1クロック分周手段と、
前記第2遅延ラインの出力クロックを前記分周比で分周して第2分周クロックを生成する第2クロック分周手段と、
前記第1分周クロックと前記第2分周クロックを組み合わせて前記デューティ比補正クロックを生成するクロック組合わせ手段と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のDLL回路。
【請求項9】
前記クロック組合わせ手段は、
前記第2分周クロックを反転させて第2副分周クロックを生成する第1反転部と、
前記第1分周クロックと前記第2副分周クロックの入力を受け、前記クロックの各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチして第1エッジトリガクロックを生成する第1エッジトリガ部と、
前記第1分周クロックを反転させて第1副分周クロックを生成する第2反転部と、
前記第1副分周クロックと前記第2分周クロックの入力を受け、前記クロックの各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチして第2エッジトリガクロックを生成する第2エッジトリガ部と、
前記第1エッジトリガクロックと前記第2エッジトリガクロックを論理積演算して前記デューティ比補正クロックを出力する演算部と、
を含むことを特徴とする請求項8に記載のDLL回路。
【請求項10】
前記第1エッジトリガ部は、
前記第1分周クロックと前記第2副分周クロックに応答して選択信号を生成する選択部と、
前記選択信号に応答し、前記第1分周クロックの立ち上がりエッジタイミングに前記第2副分周クロックをラッチするか、前記第2副分周クロックの立ち上がりエッジタイミングに前記第1分周クロックをラッチして、前記第1エッジトリガクロックを生成するトリガ部と、
を含むことを特徴とする請求項9に記載のDLL回路。
【請求項11】
前記第2エッジトリガ部は、
前記第1副分周クロックと前記第2分周クロックに応答して選択信号を生成する選択部と、
前記選択信号に応答し、前記第1副分周クロックの立ち上がりエッジタイミングに前記第2分周クロックをラッチするか、前記第2分周クロックの立ち上がりエッジタイミングに前記第1副分周クロックをラッチして、前記第2エッジトリガクロックを生成するトリガ部と、
を含むことを特徴とする請求項9に記載のDLL回路。
【請求項12】
前記第1遅延ラインの出力クロックの出力経路に存在する遅延素子の遅延量をモデリングした遅延時間を前記第1遅延ラインの出力クロックに付与して第1フィードバッククロックを生成する第1遅延補償手段と、
前記基準クロックと前記第1フィードバッククロックの位相を比較検知して前記第1位相検知信号を生成する第1位相検知手段と、
前記第2遅延ラインの出力クロックの出力経路に存在する遅延量をモデリングした遅延時間を前記第2遅延ラインの出力クロックに付与して第2フィードバッククロックを生成する第2遅延補償手段と、
前記基準クロックと前記第2フィードバッククロックの位相を比較検知して前記第2位相検知信号を生成する第2位相検知手段と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のDLL回路。
【請求項13】
デュアルループタイプ(Dual Loop Type)のDLL(Delay Locked Loop)回路であって、
第1位相検知信号に応答して第1遅延制御信号を生成し、その後前記第1遅延制御信号が指示する遅延量と基準クロックの反周期だけの遅延量を加えた遅延量を指示する第2遅延制御信号を生成する遅延制御手段と、
前記第1遅延制御信号に応答し、前記基準クロックを遅延させて第1遅延クロックを生成する第1遅延ラインと、
前記第2遅延制御信号に応答し、前記基準クロックを遅延させて第2遅延クロックを生成する第2遅延ラインと、
前記第1遅延クロックと前記第2遅延クロックを組み合わせてデューティ比補正クロックを出力するデューティーサイクル補正手段と、
を含むことを特徴とするDLL回路。
【請求項14】
前記遅延制御手段は、
前記第1位相検知信号に応答して前記第1遅延制御信号および第1遅延量情報信号を生成する第1遅延制御手段と、
第2位相検知信号に応答して前記第2遅延制御信号および第2遅延量情報信号を生成し、前記第1遅延制御信号と半周期情報信号に応答して前記第2遅延制御信号を再び生成する第2遅延制御手段と、
前記第1遅延量情報信号と前記第2遅延量情報信号の入力を受け、前記基準クロックの半周期情報を抽出して前記半周期情報信号を生成する半周期検知手段と、
を含むことを特徴とする請求項13に記載のDLL回路。
【請求項15】
前記第1遅延制御信号は複数ビットのデジタルコードとして実現され、
前記第1遅延制御手段は、前記第1位相検知信号に応答して前記第1遅延制御信号のデジタルコードの論理値を変化させた後、論理値の変化量に対する情報を前記第1遅延量情報信号に含ませて出力することを特徴とする請求項14に記載のDLL回路。
【請求項16】
前記第2遅延制御信号と前記半周期情報信号は複数ビットのデジタルコードとして実現され、
前記第2遅延制御手段は、前記第2位相検知信号に応答して前記第2遅延制御信号のデジタルコードの論理値を変化させた後、論理値の変化量に対する情報を前記第2遅延量情報信号に含ませて出力し、
遅延初期化信号に応答して前記第2遅延制御信号を初期化させた後、前記半周期情報信号と前記第1遅延制御信号の論理値を合算した論理値を有する前記第2遅延制御信号を再び生成することを特徴とする請求項14に記載のDLL回路。
【請求項17】
前記半周期検知手段は、前記第1遅延量情報信号と前記第2遅延量情報信号の論理値を合算した後、各々のビットを1ビットずつ下位ビットにシフトさせて前記半周期情報信号を生成し、前記半周期情報信号が生成されると前記遅延初期化信号をイネーブルにすることを特徴とする請求項16に記載のDLL回路。
【請求項18】
前記デューティーサイクル補正手段は、
前記第1遅延クロックを所定の分周比で分周して第1分周クロックを生成する第1クロック分周手段と、
前記第2遅延クロックを前記分周比で分周して第2分周クロックを生成する第2クロック分周手段と、
前記第1分周クロックと前記第2分周クロックを組み合わせて前記デューティ比補正クロックを生成するクロック組合わせ手段と、
を含むことを特徴とする請求項13に記載のDLL回路。
【請求項19】
前記クロック組合わせ手段は、
前記第2分周クロックを反転させて第2副分周クロックを生成する第1反転部と、
前記第1分周クロックと前記第2副分周クロックの入力を受け、前記クロックの各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチして第1エッジトリガクロックを生成する第1エッジトリガ部と、
前記第1分周クロックを反転させて第1副分周クロックを生成する第2反転部と、
前記第1副分周クロックと前記第2分周クロックの入力を受け、前記クロックの各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチして第2エッジトリガクロックを生成する第2エッジトリガ部と、
前記第1エッジトリガクロックと前記第2エッジトリガクロックを論理積演算して前記デューティ比補正クロックを出力する演算部と、
を含むことを特徴とする請求項18に記載のDLL回路。
【請求項20】
前記第1遅延クロックの出力経路に存在する遅延素子の遅延量をモデリングした遅延時間を前記第1遅延クロックに付与して第1フィードバッククロックを生成する第1遅延補償手段と、
前記基準クロックと前記第1フィードバッククロックの位相を比較検知して前記第1位相検知信号を生成する第1位相検知手段と、
前記第2遅延クロックの出力経路に存在する遅延量をモデリングした遅延時間を前記第2遅延クロックに付与して第2フィードバッククロックを生成する第2遅延補償手段と、
前記基準クロックと前記第2フィードバッククロックの位相を比較検知して前記第2位相検知信号を生成する第2位相検知手段と、
をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のDLL回路。
【請求項21】
基準クロックを第1遅延量だけ遅延させて第1遅延クロックを生成する第1フィードバックループと、
前記基準クロックを第2遅延量だけ遅延させて第2遅延クロックを生成し、前記第1遅延クロックに対する遅延量情報と半周期情報信号に応答し、前記基準クロックを遅延させて前記第2遅延クロックを再び生成する第2フィードバックループと、
前記第1遅延量に対する情報と前記第2遅延量に対する情報を用い、前記基準クロックの半周期情報を抽出して前記半周期情報信号を生成する半周期検知手段と、
前記第1遅延クロックと前記第2遅延クロックを組み合わせてデューティ比補正クロックを出力するデューティーサイクル補正手段と、
を含むことを特徴とするDLL(Delay Locked Loop)回路。
【請求項22】
デュアルループタイプ(Dual Loop Type)のDLL(Delay Locked Loop)回路を制御する方法であって、
第1位相検知信号と第2位相検知信号に応答して第1遅延ラインと第2遅延ラインの遅延量を制御するステップと、
前記第1遅延ラインの遅延量情報と前記第2遅延ラインの遅延量情報に応じて基準クロックの半周期情報を抽出するステップと、
前記半周期情報および前記第1遅延ラインの遅延量情報に応答して前記第2遅延ラインの遅延量を再び制御するステップと、
前記第1遅延ラインの出力クロックと前記第2遅延ラインの出力クロックを組み合わせてデューティ比補正クロックを生成するステップと、
を含むことを特徴とするDLL回路の制御方法。
【請求項23】
前記第1遅延ラインと前記第2遅延ラインの遅延量を制御するステップは、前記第1位相検知信号に応答して複数ビットの第1遅延制御信号を生成して前記第1遅延ラインの遅延量を制御し、前記第2位相検知信号に応答して前記第2遅延ラインの遅延量を制御し、
前記第1遅延制御信号の論理値を変化させた後、論理値の変化量に対する情報を前記第1遅延ラインの遅延量情報として出力し、前記第2遅延制御信号の論理値を変化させた後、論理値の変化量に対する情報を前記第2遅延ラインの遅延量情報として出力するステップであることを特徴とする請求項22に記載のDLL回路の制御方法。
【請求項24】
前記基準クロックの半周期情報を抽出するステップは、前記第1遅延ラインの遅延量情報を伝達する信号と前記第2遅延ラインの遅延量情報を伝達する信号との論理値を合算した後、各々のビットを1ビットずつ下位ビットにシフトさせることにより、前記基準クロックの半周期情報を抽出するステップであることを特徴とする請求項22に記載のDLL回路の制御方法。
【請求項25】
前記第2遅延ラインの遅延量を再び制御するステップは、前記第2遅延制御信号を初期化させた後、前記第1遅延制御信号が指示する遅延量と前記基準クロックの反周期だけ遅延量を加えた論理値を有する前記第2遅延制御信号を生成するステップであることを特徴とする請求項23に記載のDLL回路の制御方法。
【請求項26】
前記デューティ比補正クロックを生成するステップは、
前記第1遅延ラインの出力クロックを所定の分周比で分周して第1分周クロックを生成するステップと、
前記第2遅延ラインの出力クロックを前記分周比で分周して第2分周クロックを生成するステップと、
前記第1分周クロックと前記第2分周クロックを各々反転させて第1副分周クロックと第2副分周クロックを生成するステップと、
前記第1分周クロックと前記第2副分周クロックの各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチして第1エッジトリガクロックを生成し、前記第1副分周クロックと前記第2分周クロックの各々の立ち上がりエッジタイミングに互いをラッチして第2エッジトリガクロックを生成するステップと、
前記第1エッジトリガクロックと前記第2エッジトリガクロックを論理積演算して前記デューティ比補正クロックを生成するステップと、
を含むことを特徴とする請求項22に記載のDLL回路の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−141955(P2009−141955A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301836(P2008−301836)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】