説明

FMCW方式合成開口レーダ、偏流角検出方法、プログラムおよび記憶媒体

【課題】GPS/INSや角度計測可能な高級なGPSシステムなどの高価な姿勢センサを併用することなく、偏流角を簡単に取得することが可能なFMCW方式合成開口レーダを提供する。
【解決手段】FMCW方式合成開口レーダを搭載した飛翔体の偏流角を検出するための偏流角検出信号として、FMCW信号の送信頻度に比して十分に低い頻度で、偏流角検出信号送信部2から予め定めた一定周波数の連続信号であるCW信号をFMCW信号の間に挿入して送信し、または、偏流角検出信号送信部2AからFMCW信号に比し十分に小さい周波数傾きを有する三角状の信号からなるUP信号・DOWN信号を送信し、ターゲットにて反射された受信信号の中から、FMCW信号の間に挿入されたCW信号またはUP信号・DOWN信号の受信信号を抽出して、偏流角算出部12、12Aにて飛翔体の偏流角を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FMCW方式(Frequency-Modulated Continuous Wave System:周波数変調連続波方式)の合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar:SAR)、偏流角検出方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の特開2004−144524号公報「干渉合成開口レーダ観測による地形電子情報提供システム」などのレーダ装置のように、航空機搭載合成開口レーダ(SAR)(合成開口レーダ)においては、合成開口レーダ(SAR)を搭載した航空機の偏流角(風で流されることが主因)を常時取得しておく必要がある。そして、航空機の偏流角を補正するヨーステアリング機能を有する航空機搭載合成開口レーダ(SAR)においては、アンテナが絶えず航空機の進行方向の真横を向くように、アンテナのビームセンタ方向を、取得した偏流角だけ回転させるように制御している。一方、アンテナが機体に固定されている航空機搭載合成開口レーダ(SAR)においては、この偏流角情報からアンテナのビームセンタ方向のドップラー周波数を求め、求めたドップラー周波数は画像の再生処理段階で使用され、偏流角に相当する補正を施すように構成している。
【特許文献1】特開2004−144524号公報(第5−7頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の偏流角の取得方法においては、航空機の速度ベクトル(進行方向)は、適当なGPSシステム(Global Positioning System:全地球測位システム(衛星航法システム))を用いて容易に求めることができるものの、偏流角は、GPS/INSシステム(GPS/Inertial Navigation System:慣性航法システム)や角度計測可能な高級なGPSシステムなどを必要とし、あるいは、方位センサと組み合わせた複雑な偏流角算出を行うデータ処理が必要であった。かくのごときGPS/INSや角度計測可能な高級なGPSシステムなどは非常に高価である。
【0004】
さらには、従来の方式に基づいて、合成開口レーダ(SAR)によって取得したデータから航空機の偏流角を求めるには、以下のように、煩雑な処理が必要であった。すなわち、従来の合成開口レーダ(SAR)は、パルスレーダ方式であり、非常に短い間隔のパルスを連続的に送信し、パルス繰返し周波数PRFとして設定した周波数に基づいて送受信動作を繰り返す。この合成開口レーダ(SAR)の受信信号のアジマス方向スペクトルを求めることによって、受信信号に含まれるドップラー周波数成分を求めることができる。図7(A)に示すように、航空機の進行方向真横から偏流角θだけずれた方向のドップラー周波数fは、以下のように示される。図7は、合成開口レーダ(SAR)搭載航空機の偏流角θとドップラー周波数fとの関係を説明するための説明図である。
【0005】
ドップラー周波数f=(2vf/c)・sinθ
ここで、vは合成開口レーダ(SAR)搭載航空機100の速度、fはキャリア周波数、cは光速である。
【0006】
しかしながら、従来のパルスレーダ方式の合成開口レーダ(SAR)では、1,000〜2,000Hz程度のパルス繰返し周波数PRFで送受信動作を繰り返している。そのため、受信信号のアジマス方向成分は、パルス繰返し周波数PRFでサンプルされた信号として出力される。この結果、図7(B)に示すように、パルス繰返し周波数PRFの半分の周波数を超える高い周波数成分は、真の周波数位置から折り返されてしまい、ビームセンタはパルス繰返し周波数PRFに相当する暖味さを含んでいる。
【0007】
したがって、このドップラー周波数fから偏流角θを求める場合は、この暖味さをなくす何らかの補助的な姿勢センサとして、GPS/INSや角度計測可能な高級なGPSシステムが必要であった。なお、パルスレーダ方式に限らず、FMCW方式の合成開口レーダ(SAR)の場合においても、アジマス方向のスペクトルから偏流角θを決定する原理は、従来のパルスレーダ方式合成開口レーダ(SAR)の場合と全く同様の問題がある。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、航空機などの飛翔体搭載のFMCW方式の合成開口レーダ(SAR)として、GPS/INSや角度計測可能な高級なGPSシステムなどの高価な姿勢センサを搭載することなく、偏流角を簡単に取得することが可能なFMCW方式合成開口レーダ、偏流角検出方法、プログラムおよび記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明によるFMCW方式合成開口レーダ、偏流角検出方法、プログラムおよび記憶媒体は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0010】
(1)飛翔体に搭載し、周波数変調された連続波信号であるFMCW(Frequency-Modulated Continuous Wave)信号を送受信してターゲットの状態を計測するFMCW方式合成開口レーダにおいて、
前記飛翔体の偏流角を検出するための偏流角検出信号として、FMCW信号の送信頻度に比して十分に低い頻度で、予め定めた一定周波数の連続信号であるCW(Continuous Wave)信号を前記FMCW信号の間に挿入して送信する偏流角検出信号送信手段と、ターゲットにて反射された受信信号の中から前記FMCW信号の間に挿入された前記CW信号の受信信号を抽出して、前記飛翔体の偏流角を算出する偏流角算出手段と、を少なくとも備えているFMCW方式合成開口レーダ。
(2)ターゲットにて反射された受信信号を受信する受信系として、I信号、Q信号との2系列の受信系を備えている上記(1)のFMCW方式合成開口レーダ。
(3)飛翔体に搭載し、周波数変調された連続波信号であるFMCW(Frequency-Modulated Continuous Wave)信号を送受信してターゲットの状態を計測するFMCW方式合成開口レーダにおいて、
前記飛翔体の偏流角を検出するための偏流角検出信号として、FMCW信号の送信頻度に比して十分に低い頻度で、前記FMCW信号に比し十分に小さい周波数傾きを有する三角状の信号からなるUP信号・DOWN信号を前記FMCW信号の間に挿入して送信する偏流角検出信号送信手段と、ターゲットにて反射された受信信号の中から前記FMCW信号の間に挿入された前記UP信号・DOWN信号の受信信号を抽出して、前記飛翔体の偏流角を算出する偏流角算出手段と、を少なくとも備えているFMCW方式合成開口レーダ。
(4)ターゲットにて反射された受信信号を受信する受信系として、1系統のみの受信系からなる上記(3)のFMCW方式合成開口レーダ。
(5)最短計測距離にあるターゲットにて反射された受信信号から得られるFMCW信号変換後のビート周波数が偏流角による速度成分により発生したドップラー周波数よりも上回る最小の値になるように、前記UP信号・DOWN信号の周波数傾きを設定する上記(4)のFMCW方式合成開口レーダ。
(6)前記偏流角検出信号の送信時間比が、前記FMCW信号の送信時間の1,000分の1程度以下である上記(1)乃至(5)のいずれかのFMCW方式合成開口レーダ。
(7)前記受信信号のうち、前記FMCW信号の間に挿入されている前記偏流角検出信号の受信信号が、前記偏流角算出手段に分離して出力され、ターゲットに関するレーダ画像処理を行う画像処理手段には入力されないように制御する上記(1)乃至(6)のいずれかのFMCW方式合成開口レーダ。
(8)飛翔体に搭載し、周波数変調された連続波信号であるFMCW(Frequency-Modulated Continuous Wave)信号を送受信してターゲットの状態を計測するFMCW方式合成開口レーダに関して前記飛翔体の偏流角を検出する偏流角検出方法であって、前記飛翔体の偏流角を検出するための偏流角検出信号として、FMCW信号の送信頻度に比して十分に低い頻度で、予め定めた一定周波数の連続信号であるCW(Continuous Wave)信号を前記FMCW信号の間に挿入して送信し、ターゲットにて反射された受信信号の中から前記FMCW信号の間に挿入された前記CW信号の受信信号を抽出して、前記飛翔体の偏流角を算出する偏流角検出方法。
(9)飛翔体に搭載し、周波数変調された連続波信号であるFMCW(Frequency-Modulated
Continuous Wave)信号を送受信してターゲットの状態を計測するFMCW方式合成開口レーダに関して前記飛翔体の偏流角を検出する偏流角検出方法であって、前記飛翔体の偏流角を検出するための偏流角検出信号として、FMCW信号の送信頻度に比して十分に低い頻度で、前記FMCW信号に比し十分に小さい周波数傾きを有する三角状の信号からなるUP信号・DOWN信号を前記FMCW信号の間に挿入して送信し、ターゲットにて反射された受信信号の中から前記FMCW信号の間に挿入された前記UP信号・DOWN信号の受信信号を抽出して、前記飛翔体の偏流角を算出する偏流角検出方法。
(10)上記(8)または(9)の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(11)上記(10)のプログラムを格納した記憶媒体。
【発明の効果】
【0011】
本発明のFMCW方式合成開口レーダおよび偏流角検出方法によれば、FMCW信号の繰返し周波数よりも十分に低い時間比(例えば、1,000回に1回程度の頻度)で、FMCW信号の代わりに、偏流角を測定可能な偏流角検出信号であるCW(Continuous Wave)信号やUP・DOWN信号を挿入して送信するように構成しているので、GPS/INSや角度計測可能な高級なGPSシステムなどの高価な姿勢センサを併用することなく、偏流角を簡単に取得することが可能になるという効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明によるFMCW方式合成開口レーダおよび偏流角検出方法の好適実施形態例について添付図を参照して説明する。
【0013】
本発明のFMCW方式合成開口レーダ(SAR)および偏流角検出方法は、合成開口レーダ(SAR)からの送信信号に、FMCW信号の繰返し周波数FRFに比し十分低い周波数として予め定めた送信周波数CRF(例えば、繰返し周波数PRFの1,000分の1の送信周波数)で、周期的に、偏流角検出信号となるCW信号やUP・DOWN信号などの偏流角検出信号を挿入して送信することによって、従来のパルスレーダ方式合成開口レーダ(SAR)において、パルス繰返し周波数PRFの暖味さを補正するために必要とされていた姿勢センサを備えることなく、合成開口レーダ(SAR)の画像再生処理のパラメータとして必要な偏流角θを正確に求めることができるFMCW方式の合成開口レーダ(SAR)を実現している。
【0014】
先ず、FMCW方式合成開口レーダ(SAR)の概要について、図2と図3を用いて説明する。図2は、FMCW方式合成開口レーダ(SAR)の動作概要を説明するための構成例を示す概要構成図であり、図3は、FMCW方式合成開口レーダ(SAR)の概要を説明するための説明図である。FMCWレーダは、周波数変調(つまりFM変調)された連続波(CW)信号を送受信することにより、ターゲットTGまでの距離とターゲットTGの速度とを同時に計測可能とするものである。
【0015】
FMCWレーダは、図2に示すFMCW送信部1から送信アンテナ4を介して、ターゲットTGに向かって、図3(A)に示すように、鋸波状または三角状に周波数を連続的に変化させた連続信号(図3には鋸歯状に変化させる例を示している)つまりFMCW信号を送信する。一方、FMCW信号の送信と同時に、ターゲットTGからの反射波を図2の受信アンテナ5によって受信する。この受信信号はLNA(Low Noise Amplifier)6によって増幅された後、送信FMCW信号との積を図2の乗算器7によって求め、しかる後、高周波成分を除去するフィルタ8を通すことにより、ターゲットTGが静止していた場合には、図3(B)に示すように、ターゲットTGまでの距離に応じた周波数すなわちビート周波数fの信号が得られる。
【0016】
ここで、図3(A)に示すように、送信FMCW信号の周波数変化率(チャープ率)をkとすると、周波数変化率kは次の式(1)によって与えられる。
【0017】
【数1】

【0018】
ただし、Bは送信FMCW信号の周波数帯域幅、Tは送信FMCW信号の周波数繰返し時間を示す。また、fはビート周波数、τは、送信FMCW信号の送信後、ターゲットTGからの反射波を受信するまでの遅延時間である。
【0019】
一方、図2に示すように、FMCW方式合成開口レーダ(SAR)から距離RのところにあるターゲットTGからの反射波の遅延時間τは、次の式(2)で与えられる。
【0020】
【数2】

【0021】
したがって、式(1)、式(2)により、ターゲットTGまでの距離Rは、次の関係にあることが分かる。
【0022】
【数3】

【0023】
すなわち、送信FMCW信号の周波数帯域幅B、送信信号の周波数繰返し時間TはFMCW方式合成開口レーダ(SAR)として予め設定されている固定の値であるので、ターゲットTGまでの距離Rは、図3(C)に示すように、ビート周波数fの測定結果を取得することによって、例えば、分解能が10cm程度の精度で、正確に求めることができる。つまり、一般的なFMCW方式レーダの場合は、前述のように、受信信号を、送信FMCW信号を分岐した信号とミキシングして、それらの差分周波数を求め、高速フーリエ変換処理(FFT)等によって周波数解析を施すことによって、ターゲットTGまでの距離Rを求めることができる。
【0024】
なお、FMCW方式合成開口レーダ(SAR)に設定される周波数繰返し時間Tは、ターゲットTGまでの距離Rによる反射波の時間遅れτよりも十分に大きい値に設定される。この場合の距離分解能は、ビート周波数fの周波数分解能によって決定され、それは、周波数繰返し時間Tの逆数となる。
【0025】
また、一般的なFMCW方式レーダの場合は、ターゲットTGまでの距離Rだけでなく、ターゲットTGの移動速度も検出することができるので、自動車衝突防止レーダや、あるいは、野球などの球技における球速測定器などでも利用することが可能である。
【0026】
次に、ターゲットTGが移動している場合の移動速度を求める場合の一例として、図3(A)に示した鋸歯状の周波数変化とする送信FMCW信号とは異なり、図4(A)に示すように、送信FMCW信号を三角波状の周波数変化とし、等しい周波数変化率kで上昇および降下させる場合について、それぞれのビート周波数fの出力を求めることにより、最終的に、ターゲットTGの移動速度を求める例を説明する。なお、図4は、送信FMCW信号を等しい周波数変化率kで上昇および降下させる場合のFMCW方式合成開口レーダ(SAR)の概要を説明するための説明図である。
【0027】
図4(A)において、ターゲットTGおよびプラットフォームPが静止している場合の受信信号は、破線で示すαのように、距離に応じた遅延時間τだけ送信信号から遅れて受信された状態になり、ターゲットTGまたはプラットフォームPが速度vにて移動していた場合の受信信号は、実線で示すβのように、ドップラー周波数の影響を受けて送信信号から変化する。また、実線のγは、ターゲットTGの距離変化による周波数の変化を示している。
【0028】
ターゲットTGが移動している状態にある場合に、三角波状の周波数変化の送信FMCW信号をターゲットTGに向けて送信した場合、その受信信号のビート周波数fは、図4(B)に示すように、送信信号の周波数が上昇するときは、ターゲットTGが静止している場合のビート周波数fとドップラー周波数fとの差分周波数となり、降下するときが、ターゲットTGが静止している場合のビート周波数fとドップラー周波数fとの和周波数となって現れる。したがって、送信信号の周波数が上昇するときと、降下するときとにおけるビート周波数fの差は、図4(B)に示すように、ドップラー周波数fの2倍すなわち2・fとなる。
【0029】
ここで、通常の従来のFMCWレーダにおける受信系の場合、実数信号しか扱わないため、負の周波数を表現することができない。このため、ターゲットTGが移動している場合であっても、静止している場合であっても、送信信号の上昇、降下の周波数傾きの信号をI、Q検波してペアーで受信することにより、ターゲットTGが移動している場合のターゲットTGの速度成分を求めるようにしている。
【0030】
なお、FMCWレーダを搭載したプラットフォームP(例えば航空機)が速度vで高速移動している場合であっても、ターゲットTGが速度vで移動している場合と同様に、受信信号がドップラー効果によってシフトする。ここで、ターゲットTGまたはプラットフォームPが速度vで移動している場合、受信信号のビート周波数成分f(t)を求めると、次の式(4)のようになる。
【0031】
【数4】

【0032】
なお、ωは、キャリアの角周波数であり、ω=2πfで与えられる。また、R(t)は、時刻tにおけるFMCWレーダ(速度vで移動している)とターゲットTGとの間の距離である。また、Tは、時刻tにおいてターゲットTGからの反射波を受信するまでの遅延時間であり、Rは、プラットフォームPおよびターゲットTGが静止している場合のターゲットTGまでの距離を示す定数である。
【0033】
式(4)から、受信信号のビート周波数の位相項だけを抜き出して整理すると、次の式(5)となる。
【0034】
【数5】

【0035】
式(5)において、第1項から第3項までは、移動速度vに無関係な定数または経過時間の一次関数であり、第4項は、移動速度vによる位相回転に寄与する項である。なお、第5項以下は、微小な値であり、無視可能である。したがって、式(5)の第4項に基づいて、ターゲットTGまたはプラットフォームPが移動している移動速度vを、ほぼ正確に求めることができる。
【0036】
(実施例の構成)
次に、偏流角θを簡単に求めることができる本発明によるFMCW方式合成開口レーダ(SAR)の構成について、図1を用いてその一例を説明する。図1は、本発明によるFMCW方式合成開口レーダ(SAR)の構成の一例を示すブロック構成図であり、従来のFMCW方式合成開口レーダ(SAR)に対して、偏流角θの検出信号となるCW信号または擬似的なCW信号(つまりUP・DOWN信号)を送信する偏流角検出信号送信部2、2Aと、偏流角検出信号(CW信号または擬似的CW信号)の受信結果に基づいて偏流角を算出する偏流角算出部12、12Aとを、追加して備えている例を示している。
【0037】
なお、図1(A)は、偏流角検出信号として予め定めた一定周波数からなるCW信号を送信する偏流角検出信号送信部2と、受信側には、正負の周波数を扱うことを可能とするために、IQ信号分岐を行う90度位相器13とを備えている一例を示し、図1(B)は、偏流角検出信号となる擬似CW信号として周波数傾きκが極めて小さいUP・DOWN信号を送信する偏流角検出信号送信部2Aと、受信側には、正の周波数のみを扱うようにして、90度位相器13やI信号とQ信号との2系列の受信系を備えることなく、1系統のみに簡素化した構成とした場合を示している。
【0038】
すなわち、図1(A)に示すFMCW方式合成開口レーダ50は、受信系としてI信号とQ信号との2系統を備え、FMCW送信部1、偏流角検出信号送信部2、切替器3、送信アンテナ4を少なくとも備えた送信系と、受信アンテナ5、LNA6、乗算器7a、7b、フィルタ8a、8b、A/D変換器9a、9b、画像処理部10、表示部11、偏流角算出部12、90度位相器13を少なくとも備えた受信系と、FMCW方式合成開口レーダ50全体の動作を制御する制御部20とを備えて構成される。なお、図1(A)に示すFMCW方式合成開口レーダ50の場合、正負の周波数を扱うことが可能なように、IQ信号の2つの受信系を備えており、偏流角θの検出のために、偏流角検出信号送信部2が送信するCW信号としては、FMCW信号の送信頻度に比し、十分に低い頻度で、予め定めた一定周波数の連続的に送信するように構成している。
なお、FMCW送信部1、偏流角検出信号送信部2、切替器3は、ひとつの送信部でソフトウェアを用いて機能を切り替えて実現することも出来る。同様にはひとつの処理装置が画像処理部10と偏流角算出部12を兼ねる事も出来る。
【0039】
一方、図1(B)に示すFMCW方式合成開口レーダ50Aは、図1(A)のFMCW方式合成開口レーダ50の回路構成を簡素化し、受信系を1系統としたものであり、FMCW送信部1、偏流角検出信号送信部2A、切替器3、送信アンテナ4を少なくとも備えた送信系と、受信アンテナ5、LNA6、乗算器7、フィルタ8、A/D変換器9、画像処理部10A、表示部11、偏流角算出部12Aを少なくとも備えた受信系と、FMCW方式合成開口レーダ50A全体の動作を制御する制御部20Aとを備えて構成される。
なお、FMCW送信部1、偏流角検出信号送信部2、切替器3は、ひとつの送信部でソフトウェアを用いて機能を切り替えて実現することも出来る。同様にはひとつの処理装置が画像処理部10と偏流角算出部12Aを兼ねる事も出来る。切替器3と送信アンテナ4との間には、カップラが設けられ、その出力は乗算器7a、7に入力される。
【0040】
図1(B)に示すFMCW方式合成開口レーダ50Aの場合、正負の周波数を扱うことを避けるために、偏流角検出信号送信部2Aが送信する偏流角検出信号としては、図1(A)の偏流角検出信号送信部2の場合とは異なり、一定周波数のCW信号ではなく、周波数傾きが十分に小さいFMCW信号(つまり、UP・DOWN信号)を、偏流角θを検出するための信号として送信するように構成している。すなわち、偏流角検出信号送信部2Aは、FMCW信号の送信頻度に比し、十分に低い頻度(例えば1,000分の1程度以下)で、FMCW信号に比して周波数傾きが十分に小さいのUP信号とDOWN信号とからなる三角波状の偏流角検出信号を送信するようにしている。
【0041】
図1(A)、(B)に示す制御部20、20Aは、送信系に対しては、いずれも、FMCW信号の繰返し周波数PRFに比して十分低い周波数として予め定めた送信周波数CRF(例えば、繰返し周波数PRFの1,000分の1の頻度)で、周期的に、偏流角検出信号としてCW信号またはUP・DOWN信号を挿入して送信するように、偏流角検出信号送信部2、2A、切替器3を制御する。また、制御部20、20Aは、受信系に対しては、いずれも、送信した偏流角検出信号の受信信号が、A/D変換後に、画像処理部10、10Aに入力されないように、A/D変換器9a、9b、9の動作を制御して、偏流角検出信号であるCW信号またはUP・DOWN信号の受信信号を偏流角算出部12、12Aへと分離して、偏流角算出部12、12Aによって、偏流角θを算出させるように制御し、偏流角θの算出結果を画像処理部10、10Aに対して出力して、送信アンテナ4のビームセンタ方向のドップラー周波数fdを算出するように制御する。
【0042】
この結果、従来のパルスレーダ方式合成開口レーダ(SAR)において、パルス繰返し周波数PRFの暖味さを補正するために必要とされていたような姿勢センサを備えることなく、合成開口レーダ(SAR)画像再生処理のパラメータとして必要な偏流角θを正確に求めることができるFMCW方式の合成開口レーダ(SAR)を実現することができる。
【0043】
つまり、図1(A)、(B)に示すFMCW方式合成開口レーダ50、50Aにおいては、FMCW信号の送信中に、合成開口レーダ(SAR)としての画像処理に影響が無い程度の低い頻度で、偏流角決定のための偏流角検出信号を挿入して送信することによって、既存のFMCW方式合成開口レーダのハードウェアをほぼそのまま使用して、姿勢センサなどのような高価な装置を付与することなく、偏流角θを容易に決定することができるシステムを提供することが可能となっている。すなわち、ターゲット観測のための信号は従来のFMCW方式合成開口レーダと同様の繰返し周波数で、送信FMCW信号の周波数を、鋸歯状または上昇・下降の両方向の三角状に、連続的に変化させて、送信されている。
【0044】
このようなFMCW信号の送信動作を、例えば、1,000〜2,000回/秒の繰返し周波数PRFで繰り返している間に、例えば、繰返し周波数PRFの1,000分の1程度(例えば1回/秒程度)の十分に低い周波数として予め定めた送信周波数CRFで、偏流角θ決定のための偏流角検出信号として、継続して一定周波数となるCW信号や周波数傾きが十分に小さいUP・DOWN信号を挿入して送信することにする。この偏流角θを求めるために送信したCW信号やUP・DOWN信号を受信した際には、前述のように、受信したCW信号やUP・DOWN信号は、偏流角θの決定のために偏流角算出部12、12Aのみにおいて用いられ、ターゲットTGの位置や移動速度を求めるための受信画像処理を行う画像処理部10、10Aには、偏流角算出部12、12Aにて算出された偏流角θのみが入力され、受信したCW信号やUP・DOWN信号そのものは、A/D変換器9a、9b、9にて分離されて、画像処理部10、10Aにおいて使われることはない。
【0045】
偏流角θを検出するためには、一般には、FMCW方式合成開口レーダの真横から前後方向、すなわち、正と負の双方向のドップラー周波数を識別する必要がある。本発明においては、極力、既存のハードウェアを利用することを前提にして、図1(A)、(B)に示したように、受信信号に関して正負の周波数を扱うことを可能とする場合として、CW信号とIQ信号の2つの受信系との組み合わせからなるFMCW方式合成開口レーダ50の場合と、受信信号に関して正の信号のみを扱うことを可能とするように、偏流角θの検出用の偏流角検出信号として周波数傾きが十分に小さいUP信号・DOWN信号(つまり擬似的CW信号)を用いたFMCW方式合成開口レーダ50Aの場合との2つのうち、いずれかを適用することにする。
【0046】
まず、図1(A)のFMCW方式合成開口レーダ50のCW信号とIQ信号の2系統の受信部との組み合わせを用いる場合について、図5を用いてさらに説明する。ここに、図5は、図1(A)のFMCW方式合成開口レーダ50における動作例を説明するための説明図であり、FMCW信号の送信方向に、無数のターゲットTGが存在していて、それぞれから反射されて受信信号が受信されている場合を例にとって示している。
【0047】
図5(A)においては、前述したように、例えば1,000〜2,000回/秒の繰返し周波数PRFで、FMCW信号を繰返し送信し、最も近いターゲットと最も遠いターゲットから受信信号1、2に示すように、無数の受信信号を受信し、そのFMCWビート信号図5(B)は最も近いターゲットに相当する周波数から、最も遠いターゲットに相当する周波数まで分布する。繰返し周波数PRFの1,000分の1程度の十分に低い周波数例えば毎秒1回程度の頻度で、FMCW信号の代わりに、偏流角θを決定するための偏流角検出信号として予め定めた一定周波数の連続信号であるCW信号を送信し、その受信信号はアンテナビームセンター方向のドップラー周波数成分を中心として、アンテナパターン内の各方向に対応したドップラー周波数成分に分布する。そして進行方向真横から前方、すなわち近づいている部分からの信号は正の周波数、進行方向真横から後方、すなわち遠ざかっている部分からの信号は負の周波数として、FMCWビート信号は出力される。ここで、受信系は、FMCW方式合成開口レーダ50においては、負の周波数を扱えるように、IQ方式を用いたIQ信号に分離した2系統の受信部と
して構成している。
【0048】
この結果、図5(B)に示すように、例えば、アンテナが進行方向真横方向を向いており正負の周波数に広く分布した偏流角検出信号をIQ受信系を介して偏流角算出部12に出力することにより、アンテナビームセンター方向のもっとも強力な周波数成分から、偏流角θ方向を求めることが出来る。ここで、FMCW信号の繰返し周波数PRFが1,000回/秒であった場合に、1回/秒のCW信号を挿入した場合は、偏流角検出信号のパルス幅が1ミリ秒つまり1kHzのドップラー周波数に相当する偏流角まで決定することが出来る。これにより既存技術のようなパルス繰返し周波数PRFによる暖味さを除去することができる。
【0049】
次に、図1(B)のFMCW方式合成開口レーダ50AのCW信号すなわちUP信号とDOWN信号との組み合わせからなる偏流角検出信号を用いる場合について、図6を用いてさらに説明する。ここに、図6は、図1(B)のFMCW方式合成開口レーダ50Aにおける動作例を説明するための説明図であり、FMCW信号の送信方向に、図5の場合と同様、最も近いものと最も遠いターゲットの2つのターゲットの間に無数のターゲットTGが存在していて、それぞれから反射されて受信信号が受信されている場合を示している。
【0050】
従来のFMCWレーダが対象とするターゲットTGは、単一の孤立ターゲットであって、その速度成分による信号スペクトルも単一スペクトルとなっていることが前提とされていた。そのため、ターゲットTGの速度を容易に計算することができた。
【0051】
しかし、FMCW方式合成開口レーダ(SAR)が対象とするターゲットTGは、一般的には、アンテナビーム幅でカバーされた面状ターゲットであり、ターゲッ卜位置もターゲット速度も連続的に分布したものとなる。このようなターゲットTGの場合の受信検波信号は、ターゲットTGまでの距離による周波数シフトと、各ターゲットTGの速度分布による周波数シフトとの双方の影響を受けているので、受信検波信号成分の中から速度による周波数シフト成分のみを取り出す必要がある。
【0052】
そのためには、FMCW信号の周波数傾きκを十分小さくし、距離による周波数偏移成分を極力小さくする必要がある。ただし、ビート周波数成分が負にならないようにする必要がある。かかる課題を解決するためには、観測領域の最短距離において、距離により生じるビート周波数が、想定される偏流角により発生するドップラー周波数よりも大きくすれば良い。
【0053】
図6(A)に示すように、FMCW信号の繰返し周波数PRFに比して十分低い周波数として予め定めた送信周波数CRF(例えば、繰返し周波数FRFの1,000分の1の繰返し周波数)で、周期的に、偏流角検出信号となる擬似的なCW信号として、UP信号、DOWN信号を挿入して送信する。例えば毎秒1回程度、FMCW信号の代わりに、偏流角検出信号となるUP信号、DOWN信号を送信する。ここで、UP信号、DOWN信号の周波数傾きκは、最短観測距離にあるターゲットTGからのビート周波数fbが、偏流角θによる速度成分によって発生したドップラー周波数fdよりも上回る最小の値となるように設定する。この結果、図6(B)に示すように、UP信号、DOWN信号いずれにおいても、ドップラー周波数成分が正の周波数になるようにすることができるので、受信系では、負の周波数を扱う必要がなくなり、受信系を大幅に簡素化することができる。
【0054】
なお、偏流角検出信号の送信頻度を、FMCW信号の送信頻度に比して十分に低い頻度となるように、例えば、1,000の1程度とする場合を例示したが、本発明では、1,000分の1以下の任意の値を用いるようにしても良い。また、合成開口レーダ(SAR)を航空機に搭載する場合について説明したが、ヘリコプターなどを含む一般的な飛翔体に搭載するようにしても良い。なお、上記実施例の処理をコンピュータに処理させるプログラムやプログラムを格納する記憶媒体も当然に本発明の実施例として含まれる。
【0055】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることは、当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明によるFMCW方式合成開口レーダ(SAR)の構成の一例を示すブロック構成図である。
【図2】FMCW方式合成開口レーダ(SAR)の動作概要を説明するための構成例を示す概略構成図である。
【図3】FMCW方式合成開口レーダ(SAR)の概要を説明するための説明図である。
【図4】送信FMCW信号を等しい周波数変化率kで上昇および降下させる場合のFMCW方式合成開口レーダ(SAR)の概要を説明するための説明図である。
【図5】図1(A)のFMCW方式合成開口レーダにおける動作例を説明するための説明図である。
【図6】図1(B)のFMCW方式合成開口レーダにおける動作例を説明するための説明図である。
【図7】合成開口レーダ(SAR)搭載航空機の偏流角とドップラー周波数との関係を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 FMCW送信部
2、2A 偏流角検出信号送信部
3 切替器
4 送信アンテナ
5 受信アンテナ
6 LNA
7、7a、7b 乗算器
8、8a、8b フィルタ
9、9a、9b A/D変換器
10、10A 画像処理部
11 表示部
12、12A 偏流角算出部
13 90度位相器
20、20A 制御部
50、50A FMCW方式合成開口レーダ
100 合成開口レーダ(SAR)搭載航空機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛翔体に搭載し、周波数変調された連続波信号であるFMCW(Frequency-Modulated Continuous Wave)信号を送受信してターゲットの状態を計測するFMCW方式合成開口レーダにおいて、
前記飛翔体の偏流角を検出するための偏流角検出信号として、FMCW信号の送信頻度に比して十分に低い頻度で、予め定めた一定周波数の連続信号であるCW(Continuous Wave)信号を前記FMCW信号の間に挿入して送信する偏流角検出信号送信手段と、ターゲットにて反射された受信信号の中から前記FMCW信号の間に挿入された前記CW信号の受信信号を抽出して、前記飛翔体の偏流角を算出する偏流角算出手段と、を少なくとも備えていることを特徴とするFMCW方式合成開口レーダ。
【請求項2】
ターゲットにて反射された受信信号を受信する受信系として、I信号、Q信号との2系列の受信系を備えていることを特徴とする請求項1に記載のFMCW方式合成開口レーダ。
【請求項3】
飛翔体に搭載し、周波数変調された連続波信号であるFMCW(Frequency-Modulated Continuous Wave)信号を送受信してターゲットの状態を計測するFMCW方式合成開口レーダにおいて、
前記飛翔体の偏流角を検出するための偏流角検出信号として、FMCW信号の送信頻度に比して十分に低い頻度で、前記FMCW信号に比し十分に小さい周波数傾きを有する三角状の信号からなるUP信号・DOWN信号を前記FMCW信号の間に挿入して送信する偏流角検出信号送信手段と、ターゲットにて反射された受信信号の中から前記FMCW信号の間に挿入された前記UP信号・DOWN信号の受信信号を抽出して、前記飛翔体の偏流角を算出する偏流角算出手段と、を少なくとも備えていることを特徴とするFMCW方式合成開口レーダ。
【請求項4】
ターゲットにて反射された受信信号を受信する受信系として、1系統のみの受信系からなることを特徴とする請求項3に記載のFMCW方式合成開口レーダ。
【請求項5】
最短計測距離にあるターゲットにて反射された受信信号から得られるFMCW信号変換後のビート周波数が偏流角による速度成分により発生したドップラー周波数よりも上回る最小の値になるように、前記UP信号・DOWN信号の周波数傾きを設定することを特徴とする請求項4に記載のFMCW方式合成開口レーダ。
【請求項6】
前記偏流角検出信号の送信時間比が、前記FMCW信号の送信時間の1,000分の1程度以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のFMCW方式合成開口レーダ。
【請求項7】
前記受信信号のうち、前記FMCW信号の間に挿入されている前記偏流角検出信号の受信信号が、前記偏流角算出手段に分離して出力され、ターゲットに関するレーダ画像処理を行う画像処理手段には入力されないように制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のFMCW方式合成開口レーダ。
【請求項8】
飛翔体に搭載し、周波数変調された連続波信号であるFMCW(Frequency-Modulated Continuous Wave)信号を送受信してターゲットの状態を計測するFMCW方式合成開口レーダに関して前記飛翔体の偏流角を検出する偏流角検出方法であって、前記飛翔体の偏流角を検出するための偏流角検出信号として、FMCW信号の送信頻度に比して十分に低い頻度で、予め定めた一定周波数の連続信号であるCW(Continuous Wave)信号を前記FMCW信号の間に挿入して送信し、ターゲットにて反射された受信信号の中から前記FMCW信号の間に挿入された前記CW信号の受信信号を抽出して、前記飛翔体の偏流角を算出することを特徴とする偏流角検出方法。
【請求項9】
飛翔体に搭載し、周波数変調された連続波信号であるFMCW(Frequency-Modulated Continuous Wave)信号を送受信してターゲットの状態を計測するFMCW方式合成開口レーダに関して前記飛翔体の偏流角を検出する偏流角検出方法であって、前記飛翔体の偏流角を検出するための偏流角検出信号として、FMCW信号の送信頻度に比して十分に低い頻度で、前記FMCW信号に比し十分に小さい周波数傾きを有する三角状の信号からなるUP信号・DOWN信号を前記FMCW信号の間に挿入して送信し、ターゲットにて反射された受信信号の中から前記FMCW信号の間に挿入された前記UP信号・DOWN信号の受信信号を抽出して、前記飛翔体の偏流角を算出することを特徴とする偏流角検出方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを格納した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−215981(P2008−215981A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52413(P2007−52413)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】