説明

PDE10阻害剤としての二環式ヘテロアリール化合物

本発明は、有効なホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤として役立つ二環式ヘテロアリール化合物に関する。本発明はまた、PDE−10の選択的阻害剤である化合物に関する。本発明はさらに、そのような化合物を調製するための中間体、そのような化合物を含む医薬組成物、ならびに特定の中枢神経系(CNS)障害または他の障害の治療方法におけるそのような化合物の使用に関する。本発明はまた、神経変性および精神障害、たとえば、認知機能の欠陥を症状として含む精神病および障害の治療方法に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効なホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤として役立つ二環式ヘテロアリール化合物に関する。本発明はまた、PDE−10の選択的阻害剤である化合物に関する。本発明はさらに、そのような化合物を調製するための中間体、そのような化合物を含む医薬組成物、ならびに特定の中枢神経系(CNS)障害または他の障害の治療方法におけるそのような化合物の使用に関する。本発明はまた、神経変性および精神障害、たとえば、認知機能の欠陥を症状として含む精神病および障害の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホスホジエステラーゼ(PDE)は、ヌクレオチドである環状アデノシン一リン酸(cAMP)および環状グアノシン一リン酸(cGMP)のそのそれぞれのヌクレオチド一リン酸への加水分解に関与する1クラスの細胞内酵素である。環状ヌクレオチドであるcAMPおよびcGMPは、それぞれアデニリルシクラーゼおよびグアニリルシクラーゼによって合成され、いくつかの細胞性経路において二次的なメッセンジャーとして役立つ。
【0003】
cAMPおよびcGMPは、特に中枢神経系のニューロンにおいて、莫大な一連の細胞内プロセスを調節する細胞内セカンドメッセンジャーとして機能する。ニューロンでは、このプロセスは、cAMPおよびcGMP依存性キナーゼが活性化され、その後、シナプス伝達の短時間での調節ならびにニューロンの分化および生存に関与するタンパク質がリン酸化されることを含む。環状ヌクレオチドシグナル伝達の複雑さは、cAMPおよびcGMPの合成および分解に関与する酵素の分子が多様であることから察せられる。少なくとも10ファミリーのアデニリルシクラーゼ、2ファミリーのグアニリルシクラーゼ、および11ファミリーのホスホジエステラーゼが存在する。さらに、異なる種類のニューロンが、これらのクラスそれぞれの複数のアイソザイムを発現することがわかっており、所与のニューロン内の異なるアイソザイムについて機能が細分化され特異的になるという証拠は十分である。
【0004】
環状ヌクレオチドシグナル伝達を調節する主要な機序は、ホスホジエステラーゼを触媒とする環状ヌクレオチドの異化によるものである。21種の異なる遺伝子によってコードされる11ファミリーのPDEが知られている。各遺伝子は通常、複数のスプライスバリアントをもたらし、これがさらにアイソザイム多様性の一因となる。PDEファミリーは、環状ヌクレオチド基質への特異性、調節の機序、および阻害剤に対する感受性に基づき、機能的に区別される。さらに、PDEは、中枢神経系を含めて生物中のいたるところで示差的に発現される。このように酵素活性および局在性が異なる結果として、異なるPDEアイソザイムが異なる生理機能を受け持つ場合がある。さらに、異なるPDEファミリーまたはアイソザイムを選択的に阻害することのできる化合物は、特定の治療効果、より少ない副作用、またはその両方を提供し得る。
【0005】
PDE10は、一次アミノ酸配列および異なる酵素活性に基づき、独特のファミリーであることが確認されている。ESTデータベースの相同性スクリーニングによって、PDEのPDE10ファミリーの最初のメンバーとしてマウスPDE10Aが明らかになった(Fujishigeら、J.Biol.Chem.第274巻:18438〜18445ページ、1999年、Loughney,K.ら、Gene第234巻:109〜117ページ、1999年)。このネズミ相同体は、クローン化もされており(Soderling,S.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA第96巻:7071〜7076ページ、1999年)、ラットおよびヒトの両方の遺伝子のN末端スプライスバリアントが同定されている(Kotera,J.ら、Biochem.Biophys.Res.Comm.第261巻:551〜557ページ、1999年;Fujishige,K.ら、Eur.J.Biochem.第266巻:1118〜1127ページ、1999年)。種を超えて相同性は高度である。マウスPDE10A1は、cAMPおよびcGMPの両方をそれぞれAMPおよびGMPに加水分解する779アミノ酸のタンパク質である。PDE10のcAMPに対する親和性(Km=0.05μM)は、cGMPに対する親和性(Km=3μM)よりも高い。しかし、cGMPに対するVmaxがcAMPの約5倍であることから、PDE10がcAMPによって阻害される独特のcGMPaseであるという提唱が導かれている(Fujishigeら、J.Biol.Chem.274:18438〜18445ページ、1999年)。
【0006】
PDE10ファミリーのポリペプチドは、以前に同定されているPDEファミリーと比べて配列相同性の程度が低く、他のPDEファミリーに特異的であることがわかっている特定の阻害剤に対して非感受性であることが示されている。参照により本明細書に援用される米国特許第6350603号。
【0007】
PDE10はまた、他のPDEファミリーと比較して、哺乳動物中に独特に局在化している。PDE10のmRNAは、睾丸および脳でしか高度に発現されない(Fujishige,K.ら、Eur J Biochem.第266巻:1118〜1127ページ、1999年;Soderling,S.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.第96巻:7071〜7076ページ、1999年;Loughney,K.ら、Gene第234巻:109〜117ページ、1999年)。これら初期の研究は、脳内では、線条体(尾状核および被殻)、側坐核、および嗅結節でPDE10発現が最も高いことを示している。より最近になって、げっ歯類脳における発現パターンの詳細な分析が、PDE10 mRNA(Seeger,T.F.ら、Abst.Soc.Neurosci.第26巻:345.10、2000年)およびPDE10タンパク質(Menniti,F.S.、Stick,C.A.、Seeger,T.F.、およびRyan,A.M.、Immunohistochemical localization of PDE10 in the rat brain.William Harvey Research Conference「Phosphodiesterase in Health and Disease」、ポルトガル国ポルト、2001年12月5〜7日)について行われている。
【0008】
閉塞性肺疾患、アレルギー、高血圧、狭心症、うっ血性心不全、うつ病、および勃起不全を含む、PDE阻害剤の様々な治療用途が報告されている(参照により本明細書に援用されるWO01/41807A2)。
【0009】
選択したベンズイミダゾールおよび同類の複素環式化合物を、PDEに関連するcGMP活性の阻害に基づき、虚血性の心臓状態の治療で使用することが開示されている。参照により本明細書に援用される米国特許第5693652号。
【0010】
米国特許出願公開第2003/0032579号は、特定の神経障害および精神障害を選択的PDE10阻害剤パパベリンで治療する方法を開示している。特に、この方法は、統合失調症、妄想性障害、薬物精神病などの精神病性障害;パニックや強迫性障害などの不安障害;およびパーキンソン病やハンチントン病を含む運動障害に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩
【0012】
【化1】

[式中、HETは、単環式ヘテロアリールおよび二環式ヘテロアリールからなる群から選択され、前記HETは、少なくとも1個のRで置換されていてもよく、
HETは、単環式ヘテロアリールであり、前記HETは、少なくとも1個のRで置換されていてもよく、
HETは、8員または9員の二環式ヘテロアリールであり、前記HETは、少なくとも1個のRで置換されていてもよく、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、C〜Cアルキルチオ、−NR、−O−CF、−S(O)−R、−C(O)−NR、およびヘテロ原子で置換されているC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記ヘテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択され、前記ヘテロ原子は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC〜Cハロアルキルからなる群から選択される1個または複数の置換基でさらに置換されていてもよく、
各Rは、水素、C〜Cアルキル、−C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
各Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
各Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキル、ならびに−OR、−NR、および−SRからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されているC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、−NR、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルチオ、およびC〜Cハロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
およびBは、Het中の近接する原子であり、炭素および窒素からなる群からそれぞれ独立に選択され、
およびBは、Het中の近接する原子であり、Bは炭素であり、Bは窒素であり、
XおよびXは、酸素、硫黄、−C(R、および−NRからなる群からそれぞれ独立に選択され、但し、XまたはXの少なくとも一方は−C(Rであり、
各Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキル、−NR、−O−CF、−S(O)−R、および−C(O)NR、ヘテロ原子で置換されているC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、前記ヘテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択され、前記ヘテロ原子は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC〜Cハロアルキルからなる群から選択される置換基でさらに置換されていてもよく、
または2個のRが、これらが結合している原子と一緒になって、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルケニル、(4〜10員)ヘテロシクロアルキル、または(4〜10員)ヘテロシクロアルケニル環を形成していてもよく、
各Rは、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
各Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、およびC〜Cアルキニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
n=0、1、または2であり、m=0、1、または2であり、p=0、1、2、3、または4である]を提供する。
【0013】
本発明の一実施形態では、HETは、
【0014】
【化2】

[式中、各Yは、−CH、−CR、または窒素からなる群からそれぞれ独立に選択され、Zは、酸素または硫黄である]からなる群から選択される。
【0015】
本発明の別の実施形態では、すべてのYは、それぞれ独立に、−CHまたは−CRである。
【0016】
本発明の別の実施形態では、HETは、
【0017】
【化3】

からなる群から選択される。
【0018】
本発明の別の実施形態では、HETは5員ヘテロアリールである。
【0019】
本発明の別の実施形態では、HETは、ピラゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、およびイミダゾリルからなる群から選択される。
【0020】
本発明の別の実施形態では、HETは、4−ピリジル、4−ピリダジニル、およびイソオキサゾリルからなる群から選択される。
【0021】
本発明の別の実施形態では、HETは4−ピリジルである。
【0022】
本発明の別の実施形態では、HETは、
【0023】
【化4】

からなる群から選択される。
【0024】
別の実施形態では、上記式1(a)中、BおよびBは炭素であり、式1(b)中、BおよびBは炭素であり、式1(c)中、BおよびBは炭素であり、式1(d)中、Bは窒素であり、Bは炭素であり、式1(e)中、Bは炭素であり、Bは窒素であり、式1(f)中、Bは炭素であり、Bは窒素であり、式1(g)中、Bは炭素であり、Bは窒素であり、式1(h)中、Bは窒素であり、Bは炭素であり、式1(i)中、Bは窒素であり、Bは炭素であり、式1(j)中、Bは炭素であり、Bは炭素である。
【0025】
本発明の別の実施形態では、HETはグループ1(a)から選択され、HETは4−ピリジルである。
【0026】
本発明の別の実施形態では、Xは炭素であり、Xは酸素である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
式Iの化合物は、光学的な中心を有する場合があり、したがって異なる鏡像異性およびジアステレオ異性の立体配置で存在することがある。本発明は、そのような式Iの化合物のすべての鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および他の立体異性体、ならびにこれらの立体異性体のラセミ化合物、ラセミ混合物、および他の混合物を含む。
【0028】
式Iの化合物の薬学的に許容できる塩には、その酸付加塩および塩基の塩が含まれる。
【0029】
適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から生成される。例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、サリチル酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホン酸塩、スズ酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびキシノホ酸塩(xinofoate)が含まれるがこの限りでない。
【0030】
適切な塩基の塩は、非毒性の塩を形成する塩基から生成される。例には、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オールアミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、および亜鉛の塩が含まれるがこの限りでない。
【0031】
酸および塩基の半塩、たとえば半硫酸塩および半カルシウム塩を生成してもよい。
【0032】
適切な塩の総説については、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、2002年)を参照されたい。
【0033】
式Iの化合物の薬学的に許容できる塩は、以下の3方法の1つまたは複数によって調製することができる。
(i)式Iの化合物を所望の酸または塩基と反応させることによる方法、
(ii)式Iの化合物の適切な前駆体から酸もしくは塩基に不安定な保護基を除去する、または所望の酸もしくは塩基を使用して、適切な環状の前駆体、たとえばラクトンもしくはラクタムを開環することによる方法、または
(iii)式Iの化合物のある塩を、適切な酸もしくは塩基との反応によって、または適切なイオン交換カラムによって別の塩に変換することによる方法。
【0034】
3つの反応はすべて、通常は溶液中で実施する。得られる塩は、析出する場合もあるので、濾過によって収集してもよいし、または溶媒を蒸発させて回収してもよい。得られる塩のイオン化の程度は、完全にイオン化したものからほとんどイオン化していないものまで様々でよい。
【0035】
本発明の化合物は、完全な非晶質から完全な結晶の範囲にわたる一連の固体状態で存在する場合もある。用語「非晶質」とは、材料が、分子レベルで長いきちんとした序列を欠き、温度に応じて、固体または液体の物理的性質を示し得る状態を指す。通常、そのような材料は、特有のX線回折パターンを与えず、固体の性質を示すものの、より正式には液体であると記述される。加熱すると、固体の性質から液体の性質への変化が起こるが、これは、通常は二次の状態変化(「ガラス転移」)を特徴とする。用語「結晶」とは、材料が、分子レベルで規則的な整った内部構造を有し、明確なピークを伴う特有のX線回折パターンを与える固相を指す。そのような材料も、十分に加熱すると液体の性質を示すが、固体から液体への変化は、通常は一次の相転移(「融点」)を特徴とする。
【0036】
本発明の化合物は、溶媒和していない形態および溶媒和した形態で存在する場合もある。用語「溶媒和物」は、本明細書では、本発明の化合物と1種または複数の薬学的に許容できる溶媒分子、たとえばエタノールを含む分子複合体について述べるのに使用する。用語「水和物」は、前記溶媒が水であるときに用いる。
【0037】
現在受け入れられている有機水和物の分類系統は、隔離部位水和物、チャネル水和物、または金属イオン配位水和物を規定するものである。K.R.Morrisによる「Polymorphism in Pharmaceutical Solids」(H.G.Brittain編、Marcel Dekker、1995年)を参照されたい。隔離部位水和物は、水分子が、介在する有機分子によって互いの直接の接触から隔離されているものである。チャネル水和物では、水分子は、格子チャネル中に存在し、そこで他の水分子と隣り合っている。金属イオン配位水和物では、水分子は、金属イオンに結合している。
【0038】
溶媒または水が堅く結合しているとき、複合体は、湿度に関係なく明確な化学量論性を有する。しかし、チャネル溶媒和物や吸湿性化合物でのように、溶媒または水が弱く結合しているとき、水/溶媒含有量は、湿度および乾燥条件に左右される。そのような場合では、非化学量論性が標準となる。
【0039】
本発明の化合物は、適切な条件下に置いたとき、中間状態(中間相または液晶)で存在する場合もある。中間状態は、真の結晶状態と真の液体状態(融解物または溶液)の中間である。温度変化の結果として生じる中間状態は、「サーモトロピック」であると記述され、水や別の溶媒などの第2の成分を追加した結果として生じるものは、「リオトロピック」であると記述される。リオトロピックな中間相を生成する潜在性を有する化合物は、「両親媒性」であると記述され、(−COONa、−COO、または−SONaなどの)イオン性または(−N(CHなどの)非イオン性の極性上部基を有する分子からなる。より多くの情報については、N.H.HartshorneおよびA.Stuartによる「Crystals and the Polarizing Microscope」、第4版(Edward Arnold、1970年)を参照されたい。
【0040】
以下では、式Iの化合物への言及はすべて、その塩、溶媒和物、多構成要素複合体、および液晶、ならびにその塩の溶媒和物、多構成要素複合体、および液晶への言及を含む。
【0041】
本発明の化合物は、そのすべての多形体および晶癖、以下で定義するそのプロドラッグおよび異性体(光学異性体、幾何異性体、および互変異性体を含む)、ならびに同位体標識された式Iの化合物を含めて、上で規定した式Iの化合物を含む。
【0042】
指摘したとおり、式Iの化合物のいわゆる「プロドラッグ」も、本発明の範囲内である。したがって、それ自体は薬理活性をほとんどまたは全くもたなくてもよい式Iの化合物の特定の誘導体が、身体中にまたは身体上に投与されたとき、たとえば加水分解による切断によって、所望の活性を有する式Iの化合物に変換される場合がある。そのような誘導体を「プロドラッグ」と呼ぶ。プロドラッグの使用についてのこれ以上の情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻、ACS Symposium Series(T.HiguchiおよびW.Stella)、および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987年(E.B.Roche編、米国薬剤師会)で見ることができる。
【0043】
たとえば、本発明によるプロドラッグは、たとえばH.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985年)に記載されているように、式Iの化合物中に存在する適切な官能基を、当業者に「pro−部分」として知られている特定の部分と交換することにより生成できる。
【0044】
本発明によるプロドラッグの一部の例には、その限りでないが、以下のものが含まれる。
(i)式Iの化合物がカルボン酸官能基(−COOH)を含有する場合、そのエステル、たとえば、式(I)の化合物のカルボン酸官能基の水素が(C〜C)アルキルによって置換されている化合物、
(ii)式Iの化合物がアルコール官能基(−OH)を含有する場合、そのエーテル、たとえば、式Iの化合物のアルコール官能基の水素が(C〜C)アルカノイルオキシメチルによって置換されている化合物、および
(iii)式Iの化合物が第一級または第二級アミノ官能基(−NHまたは−NHR(R≠Hである))を含有する場合、そのアミド、たとえば、場合により、式Iの化合物のアミノ官能基の一方または両方の水素が(C〜C10)アルカノイルによって置換されている化合物。
【0045】
前述の例に従う置換基の別の例および他のプロドラッグタイプの例は、上述の参考文献で見ることができる。
【0046】
さらに、特定の式Iの化合物は、それ自体が他の式Iの化合物のプロドラッグとして働く場合がある。
【0047】
式Iの化合物の代謝産物、すなわち、薬物が投与されるとin vivoで生成される化合物も、本発明の範囲内に含まれる。本発明による代謝産物の一部の例には、その限りでないが以下のものが含まれる。
(i)式Iの化合物がメチル基を含有する場合、そのヒドロキシメチル誘導体(−CH→−CHOH)、
(ii)式Iの化合物がアルコキシ基を含有する場合、そのヒドロキシ誘導体(−OR→−OH)、
(iii)式Iの化合物が第三級アミノ基を含有する場合、その第二級アミノ誘導体(−NR→−NHRまたは−NHR)、
(iv)式Iの化合物が第二級アミノ基を含有する場合、その第一級誘導体(−NHR→−NH)、
(v)式Iの化合物がフェニル部分を含有する場合、そのフェノール誘導体(−Ph→−PhOH)、および
(vi)式Iの化合物がアミド基を含有する場合、そのカルボン酸誘導体(−CONH→COOH)。
【0048】
1個または複数の不斉炭素原子を含有する式Iの化合物は、2種以上の立体異性体として存在する場合がある。式Iの化合物がアルケニル基またはアルケニレン基を含有する場合では、幾何的なシス/トランス(またはZ/E)異性体が考えられる。構造異性体が低いエネルギー障壁で相互変換可能である場合では、互変異性体の異性(「互変異性」)が起こり得る。これは、たとえばイミノ基、ケト基、またはオキシム基を含有している式Iの化合物ではプロトン互変異性、または芳香族部分を含有する化合物ではいわゆる原子価互変異性の形態をとり得る。したがって、単一化合物は、1種類に留まらない異性を示す場合がある。
【0049】
本発明の範囲内には、1種類に留まらない異性を示す化合物を含めて、式Iの化合物のすべての立体異性体、幾何異性体、および互変異性体形態、ならびにそれら1種または複数の混合物が含まれる。対イオンが光学活性のある酸付加塩または塩基の塩、たとえば、d−乳酸塩またはl−リジン塩、またはラセミ体、たとえばdl−酒石酸塩もしくはdl−アルギニン塩も含まれる。
【0050】
シス/トランス異性体は、当業者によく知られている従来の技術、たとえばクロマトグラフィーおよび分別結晶によって分離することができる。
【0051】
個々の鏡像異性体を調製/単離するための従来の技術には、光学的に純粋な適切な前駆体からのキラル合成、またはたとえばキラルな高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。
【0052】
別法として、ラセミ体(またはラセミ前駆体)は、適切な光学活性のある化合物、たとえばアルコールと、または、式Iの化合物が酸性もしくは塩基性の部分を含有する場合では、1−フェニルエチルアミンや酒石酸などの塩基もしくは酸と反応させることができる。得られるジアステレオ異性体混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別再結晶によって分離し、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者によく知られている手段によって、対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。
【0053】
キラルな本発明の化合物(およびそのキラルな前駆体)は、0〜50体積%、通常は2%〜20%のイソプロパノール、および0〜5体積%のアルキルアミン、通常は0.1%のジエチルアミンを含有する炭化水素、通常はヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いるクロマトグラフィー、通常は不斉樹脂でのHPLCを使用して、鏡像異性体を豊富に含む形で得ることができる。溶出液を濃縮すると、濃縮された混合物が得られる。
【0054】
任意のラセミ体が結晶化するとき、異なる2タイプの結晶が考えられる。第1のタイプは、上で言及したラセミ化合物(真のラセミ体)であり、このタイプでは、両方の鏡像異性体を等モル量で含有する1種類の均質な形態の結晶が生成される。第2のタイプは、ラセミ混合物または集晶体であり、このタイプでは、それぞれが単一の鏡像異性体を含む2形態の結晶が等モル量で生成される。
【0055】
ラセミ混合物中に存在する結晶形は両方とも、同一の物理的性質を有するが、真のラセミ体と比べると異なる物理的性質を有する場合がある。ラセミ混合物は、当業者に知られている従来の技術によって分離することができる。たとえば、E.L.ElielおよびS.H.Wilenによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、1994年)を参照されたい。
【0056】
本発明は、1個または複数の原子が、原子番号が同じであるが、原子質量または質量数が自然界で優位を占める原子質量または質量数と異なる原子によって置換されている、薬学的に許容できるすべての同位体標識された式Iの化合物を含む。
【0057】
本発明の化合物中に含めるのに適する同位体の例には、HやHなどの水素、11C、13C、および14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iや125Iなどのヨウ素、13Nや15Nなどの窒素、15O、17O、18Oなどの酸素、32Pなどのリン、および35Sなどの硫黄の同位体が含まれるがこの限りでない。
【0058】
特定の同位体標識された式Iの化合物、たとえば、放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質の組織分布調査において有用である。放射性同位体のトリチウム、すなわちH、およびカーボン14、すなわち14Cは、組み込みが容易であり、検出手段が手近であることを考えると、この目的に特に有用である。
【0059】
ジュウテリウム、すなわちHなどのより重い同位体での置換は、代謝安定性がより高いために生じる特定の治療上の利点、たとえば、in vivo半減期の延長または投与必要量の減少をもたらす場合があり、したがって一部の状況で好ましいこともある。
【0060】
11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放射同位体での置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放射断層撮影(PET)研究において有用な場合がある。
【0061】
同位体標識された式Iの化合物は一般に、当業者に知られている従来の技術によって、または以前に用いた標識されていない試薬の代わりに同位体標識された適切な試薬を使用しながら、添付の実施例および調製例に記載のものと類似の方法によって調製することができる。
【0062】
本発明による薬学的に許容できる溶媒和物には、結晶化の溶媒が同位体によって置換されていてよいもの、たとえばDO、d−アセトン、d−DMSOが含まれる。
【0063】
本発明の詳細な実施形態には、以下の実施例で例示する化合物、その薬学的に許容できる塩、複合体、溶媒和物、多形体、立体異性体、代謝産物、およびプロドラッグ、ならびにこれらの他の誘導体が含まれる。
【0064】
本発明はまた、統合失調症、妄想性障害、薬物精神病などの特定の精神病性障害および状態;パニックや強迫性障害などの不安障害;ならびにパーキンソン病およびハンチントン病を含む運動障害を治療するための、PDE10を阻害するのに有効な量の式Iの化合物を含む医薬組成物に関する。
【0065】
別の実施形態では、本発明は、統合失調症、妄想性障害、薬物精神病などの精神病性障害および状態;パニックや強迫性障害などの不安障害;ならびにパーキンソン病およびハンチントン病を含む運動障害を治療するための、前記障害または状態の治療におい有効な量の式Iの化合物を含む医薬組成物に関する。
【0066】
本発明に従って治療することのできる精神病性障害の例には、統合失調症、たとえば妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型、または残遺型のもの;統合失調症様障害;分裂感情障害、たとえば妄想型またはうつ病型のもの;妄想性障害;物質誘発性精神病性障害、たとえば、アルコール、アンフェタミン、カンナビス、コカイン、幻覚発現物質、吸入剤、オピオイド、またはフェンシクリジンによって誘発される精神病;妄想型の人格障害;および統合失調型の人格障害が含まれるがこの限りでない。
【0067】
本発明に従って治療することのできる運動障害の例には、ドーパミン作動薬療法に関連するハンチントン病およびジスキネジア、パーキンソン病、不隠下肢症候群、ならびに本態性振戦が含まれるがこの限りでない。
【0068】
本発明に従って治療することのできる他の障害は、強迫性障害、トゥーレット症候群、および他のチック障害である。
【0069】
別の実施形態では、本発明は、哺乳動物における不安障害または状態の治療方法であって、前記哺乳動物に、PDE10を阻害するのに有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法に関する。
【0070】
本発明はまた、哺乳動物における不安障害または状態の治療方法であって、前記哺乳動物に、前記障害または状態の治療において有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0071】
本発明に従って治療することのできる不安障害の例には、パニック障害、広場恐怖、特定恐怖症、対人恐怖、強迫性障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、および全般性不安障害が含まれるがこの限りでない。
【0072】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における、薬物嗜癖、たとえば、アルコール、アンフェタミン、コカイン、またはアヘン中毒の治療方法であって、前記哺乳動物に、薬物嗜癖の治療において有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0073】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における薬物嗜癖、たとえば、アルコール、アンフェタミン、コカイン、またはアヘン中毒の治療方法であって、前記哺乳動物に、PDE10を阻害するのに有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0074】
「薬物嗜癖」とは、本明細書では、薬物に対する異常な欲求を意味し、一般に、所望の薬物摂取への強迫といった動機に関する障害、および激しい薬物渇望のエピソードを特徴とする。
【0075】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における、注意および/または認知の欠陥を症状として含む障害の治療方法であって、前記哺乳動物に、前記障害の治療において有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0076】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における、注意および/または認知の欠陥を症状として含む障害または状態の治療方法であって、前記哺乳動物に、PDE10を阻害するのに有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0077】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における、注意および/または認知の欠陥を症状として含む障害または状態の治療方法であって、前記哺乳動物に、前記障害または状態の治療において有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0078】
本明細書では、「症状として注意および/または認知の欠陥を含む障害」の中の表現「注意および/または認知の欠陥」は、特定の個体において、記憶、知能、学習および論理能力などの1つまたは複数の認知の側面の機能性が、同じ一般年齢集団内の他の個体と比較して正常より劣っていることを指す。「注意および/または認知の欠陥」は、たとえば加齢関連認知機能低下で起こるような、任意の特定の個体の機能性が1つまたは複数の認知の側面で低下していることを指す。
【0079】
本発明に従って治療することのできる、注意および/または認知の欠陥を症状として含む障害の例は、認知症、たとえばアルツハイマー病、多発梗塞性認知症、アルコール認知症もしくは他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDSに関連した認知症;せん妄;健忘性障害;外傷後ストレス障害;知能障害;学習障害、たとえば読書障害、数学障害、または筆記表現障害;注意欠陥/多動性障害;ならびに加齢関連認知機能低下である。
【0080】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における気分障害または気分エピソードの治療方法であって、前記哺乳動物に、前記障害またはエピソードの治療において有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0081】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における気分障害または気分エピソードの治療方法であって、前記哺乳動物に、PDE10を阻害するのに有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0082】
本発明に従って治療することのできる気分障害および気分エピソードの例には、軽度、中等度、または重度の型の大うつ病エピソード、躁病または混合性気分エピソード、軽躁病気分エピソード;非定型の特徴を伴ううつ病エピソード;メランコリー型の特徴を伴ううつ病エピソード;緊張病性の特徴を伴ううつ病エピソード;産後の発症を伴う気分エピソード;脳卒中後うつ病;大うつ病性障害;気分変調障害;軽症うつ病性障害;月経前不快気分障害;統合失調症の精神病後うつ病性障害;妄想性障害や統合失調症などの精神病性障害との混合型の大うつ病性障害;双極性障害、たとえば双極I型障害、双極II型障害、および気分循環性障害が含まれるがこの限りでない。
【0083】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における神経変性障害または状態の治療方法であって、前記哺乳動物に、前記障害または状態の治療において有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0084】
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物における神経変性障害または状態の治療方法であって、前記哺乳動物に、PDE10を阻害するのに有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0085】
本明細書では、別段の指摘がない限り、「神経変性障害または状態」とは、中枢神経系のニューロンの機能不全および/または死によって引き起こされる障害または状態を指す。これらの障害および状態の治療は、これらの障害もしくは状態においてリスクのあるニューロンの機能不全もしくは死を防ぎ、かつ/または損傷を受けたもしくは健常なニューロンの機能を、リスクのあるニューロンの機能不全もしくは死によって引き起こされる機能喪失の埋め合わせをするような方法で強化する薬剤の投与によって促進される場合がある。用語「神経栄養剤」とは、本明細書では、これらの性質の一部または全部を有する物質または薬剤を指す。
【0086】
本発明に従って治療することのできる神経変性障害および状態の例には、パーキンソン病;ハンチントン病;認知症、たとえば、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、AIDSに関連した認知症、および前頭側頭型認知症;脳外傷に関連する神経変性;脳卒中に関連する神経変性;脳梗塞に関連する神経変性;低血糖によって誘発される神経変性;てんかん性痙攣に関連する神経変性;神経毒中毒に関連する神経変性;ならびに多系統萎縮症が含まれるがこの限りでない。
【0087】
本発明の一実施形態では、神経変性障害または状態は、ヒトを含む哺乳動物の線条体中型有棘ニューロンの神経変性を含む。
【0088】
本発明の別の実施形態では、神経変性障害または状態は、ハンチントン病である。
【0089】
本発明はまた、精神病性障害、妄想性障害、および薬物精神病;不安障害、運動障害、気分障害、神経変性障害、および薬物嗜癖を治療するための、前記障害または状態の治療において有効な量の式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0090】
本発明はまた、精神病性障害、妄想性障害、および薬物精神病;不安障害、運動障害、気分障害、および神経変性障害から選択される障害の治療方法であって、前記障害の治療において有効な量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0091】
本発明はまた、認知症、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、アルコール認知症もしくは他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDSに関連した認知症;せん妄;健忘性障害;外傷後ストレス障害;知能障害;学習障害、たとえば読書障害、数学障害、または筆記表現障害;注意欠陥/多動性障害;加齢関連認知機能低下;軽度、中等度、または重度の型の大うつ病エピソード;躁病または混合性気分エピソード;軽躁病気分エピソード;非定型の特徴を伴ううつ病エピソード;メランコリー型の特徴を伴ううつ病エピソード;緊張病性の特徴を伴ううつ病エピソード;産後の発症を伴う気分エピソード;脳卒中後うつ病;大うつ病性障害;気分変調障害;軽症うつ病性障害;月経前不快気分障害;統合失調症の精神病後うつ病性障害;妄想性障害または統合失調症を含む精神病性障害との混合型の大うつ病性障害;双極I型障害、双極II型障害、気分循環性障害を含む双極性障害;パーキンソン病;ハンチントン病;認知症、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、AIDSに関連した認知症、前頭側頭型認知症;脳外傷に関連する神経変性;脳卒中に関連する神経変性;脳梗塞に関連する神経変性;低血糖によって誘発される神経変性;てんかん性痙攣に関連する神経変性;神経毒中毒に関連する神経変性;多系統萎縮症、妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型、または残遺型;統合失調症様障害;妄想型またはうつ病型の分裂感情障害;妄想性障害;物質誘発性精神病性障害、すなわちアルコール、アンフェタミン、カンナビス、コカイン、幻覚発現物質、吸入剤、オピオイド、またはフェンシクリジンによって誘発される精神病;妄想型の人格障害;ならびに統合失調型の人格障害からなる群から選択される障害の治療方法を提供する。
【0092】
本発明はまた、PDE10を阻害するのに有効な量の式Iの化合物を投与することを含む、精神病性障害、妄想性障害、および薬物精神病;不安障害、運動障害、気分障害、神経変性障害、および薬物嗜癖の治療方法を提供する。
【0093】
本明細書では、用語「アルキル」は、別段の指摘がない限り、直線状または分枝状の部分を有する飽和一価炭化水素基を含む。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびt−ブチルが含まれるがこの限りでない。
【0094】
本明細書では、用語「アルケニル」は、別段の指摘がない限り、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するアルキル部分(アルキルは上で定義したとおりである)を含む。アルケニルの例には、エテニルおよびプロペニルが含まれるがこの限りでない。
【0095】
本明細書では、用語「アルキニル」は、別段の指摘がない限り、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有するアルキル部分(アルキルは上で定義したとおりである)を含む。アルキニル基の例には、エチニルおよび2−プロピニルが含まれるがこの限りでない。
【0096】
本明細書では、用語「アルコキシ」は、別段の指摘がない限り、単独または別の基の一部として本明細書で用いるとき、酸素原子に結合したアルキル基を指す。
【0097】
本明細書では、用語「アルキルチオ」は、別段の指摘がない限り、単独または別の基の一部として本明細書で用いるとき、硫黄原子を介して連結される上記アルキル基のいずれかを含む。
【0098】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書では、単独または別の基の一部として、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素を指す。
【0099】
本明細書では、用語「ハロアルキル」は、別段の指摘がない限り、アルキル基に結合した少なくとも1個のハロ基を指す。ハロアルキル基の例には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、およびフルオロメチル基が含まれる。
【0100】
用語「シクロアルキル」は、本明細書では、別段の指摘がない限り、非芳香族の飽和環状アルキル部分(アルキルは上で定義したとおりである)を含む。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが含まれるがこの限りでない。
【0101】
本明細書では、用語「アリール」は、別段の指摘がない限り、フェニル、ナフチル、インデニル、フルオレニルなどの、芳香族化合物から1個の水素が除去されて得られる有機の基を含む。「アリール」は、少なくとも1つの環が芳香族である縮合環基を包含する。
【0102】
用語「複素環」、「ヘテロシクロアルキル」、および同様の用語は、本明細書では、それぞれが好ましくは酸素、硫黄、および窒素から選択される1個または複数のヘテロ原子、好ましくは1個から4個のヘテロ原子を含有している非芳香族の環状基を指す。本発明の複素環基には、1個または複数のオキソ部分で置換されている環系も含めることができる。非芳香族複素環基の例は、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼピニル、ピペラジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、キノリジニル、キヌクリジニル、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デシル、1,4−ジオキサスピロ[4.4]ノニル、1,4−ジオキサスピロ[4.3]オクチル、および1,4−ジオキサスピロ[4.2]ヘプチルである。
【0103】
用語「ヘテロアリール」は、本明細書では、1個または複数のヘテロ原子(好ましくは酸素、硫黄、および窒素)、好ましくは1個から4個のヘテロ原子を含有する芳香族基を指す。1個または複数のヘテロ原子を含有する多環式の基で、その基の少なくとも1つの環が芳香族であるものは、「ヘテロアリール」基である。本発明のヘテロアリール基には、1個または複数のオキソ部分で置換されている環系も含めることができる。ヘテロアリール基の例は、ピリジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、トリアジニル、イソインドリル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ベンゾフリル、フロピリジニル、ピロロピリミジニル、およびアザインドリルである。
【0104】
別段の指摘がない限り、「1個または複数の」置換基または「少なくとも1個の」置換基という用語は、本明細書では、利用可能な結合部位数に基づいて考えられる、1個から最大数の置換基を指す。
【0105】
別段の指摘がない限り、炭化水素から派生する前述の基はすべて、約1個から約20個までの炭素原子(たとえば、C〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20シクロアルキル、3〜20員ヘテロシクロアルキル;C〜C20アリール、5〜20員ヘテロアリールなど)、または1個から約15個の炭素原子(たとえば、C〜C15アルキル、C〜C15アルケニル、C〜C15シクロアルキル、3〜15員ヘテロシクロアルキル、C〜C15アリール、5〜15員ヘテロアリールなど)、または1個から約12個の炭素原子、または1個から約8個の炭素原子、または1個から約6個の炭素原子を有してよい。
【0106】
「神経毒中毒」とは、神経毒によって引き起こされる中毒を指す。神経毒は、神経の死、すなわち神経損傷を引き起こし得る任意の化学物質または物質である。神経毒の例は、アルコールであり、アルコールは、妊娠中の女性が乱用したとき、アルコール中毒、および新生児には胎児アルコール症候群として知られている神経損傷をもたらす場合がある。神経毒の他の例には、カイニン酸、ドーモイ酸、およびアクロメル酸(acromelic acid);DDTなどの特定の殺虫剤;有機リンなどの特定の殺虫剤;六炭素(たとえばトルエン)などの揮発性有機溶媒;重金属(たとえば鉛、水銀、ヒ素、および亜リン酸);アルミニウム;オレンジ剤や神経ガスなどの、兵器として使用される特定の化学物質;ならびに神経毒性のある抗悪性腫瘍薬が含まれるがこの限りでない。
【0107】
本明細書では、用語「選択的PDE10阻害剤」は、PDE10ファミリーの酵素をPDE1〜9ファミリーまたはPDE11ファミリーの酵素よりも高い程度まで効果的に阻害する物質、たとえば有機分子を指す。一実施形態では、選択的PDE10阻害剤は、PDE10阻害のためのKが、その物質が他の任意のPDE酵素阻害のために有するKの約10分の1以下である物質、たとえば有機分子である。換言すれば、その物質は、他の任意のPDE酵素に必要となる濃度の約10分の1以下の濃度でPDE10活性を同程度に阻害する。
【0108】
一般に、物質は、Kが約10μM以下、好ましくは約0.1μM以下であるならば、効果的にPDE10活性を阻害するとみなされる。
【0109】
「選択的PDE10阻害剤」は、たとえば、物質がPDE10活性を阻害する能力を、その物質が他のPDEファミリーのPDE酵素を阻害する能力と比較して確認することができる。たとえば、PDE10活性に加えて、PDE1A、PDE1B、PDE1C、PDE2、PDE3A、PDE3B、PDE4A、PDE4B、PDE4C、PDE4D、PDE5、PDE6、PDE7、PDE8、PDE9、およびPDE11を阻害する能力について、物質を検定することができる。
【0110】
「障害の治療方法」にあるような「治療」という用語は、このような用語が適用される障害、またはその障害の1つまたは複数の症状の進行を逆転させ、緩和し、もしくは阻止することを指す。本明細書では、この用語は、患者の状態に応じて、障害またはそれに随伴する任意の症状の発症を予防することを含めて障害を予防すること、ならびに発症前に障害またはその症状のいずれかの重症度を軽減することも包含する。「治療」は、本明細書では、障害の再発を予防することも指す。
【0111】
たとえば、「統合失調症、分裂病様障害、または分裂感情障害を治療する」とは、本明細書では、前記障害の1つまたは複数の症状(陽性、陰性、および他の関連する特徴)を治療する、たとえば、それに随伴する妄想および/または幻覚を治療することも包含する。統合失調症、分裂病様障害、および分裂感情障害の症状の他の例には、発言の混乱、感情の平板化、失調性失語症、性快感消失症、不適当な情動、(たとえば、抑うつ、不安、または怒りの形の)不快性の気分、および認知機能不全のいくつかの徴候が含まれる。
【0112】
本明細書では、用語「哺乳動物」とは、その限りでないが、ヒト、イヌ、およびネコを含む「哺乳綱」の任意のメンバーを指す。
【0113】
本発明の化合物は、単独で、または薬学的に許容できる担体と組み合わせて、1回または複数回の投与で投与することができる。適切な医薬担体には、不活性な固体希釈剤または充填剤、無菌水溶液、ならびに様々な有機溶媒が含まれる。次いで、それによって生成した医薬組成物を、錠剤、粉末、ロゼンジ、液体製剤、シロップ、注射用溶液などの様々な剤形にして容易に投与することができる。これらの医薬組成物は、着香剤、結合剤、賦形剤などの追加の成分を場合により含有していてよい。したがって、本発明の化合物は、経口、頬側、鼻腔内、非経口(たとえば静脈内、筋肉内、皮下)、経皮(たとえばパッチ)、もしくは直腸投与用に、または吸入もしくはガス注入による投与に適する形態にして製剤することができる。
【0114】
経口投与では、医薬組成物は、たとえば、結合剤(たとえばα化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(たとえばラクトース、微結晶セルロース、またはリン酸カルシウム)、滑沢剤(たとえばステアリン酸マグネシウム、タルク、またはシリカ)、崩壊剤(たとえばジャガイモデンプンまたはナトリウムデンプングリコラート)、または湿潤剤(たとえばラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容できる賦形剤を用い、従来の手段によって調製した錠剤またはカプセル剤の形をとることができる。錠剤は、当業界でよく知られている方法によってコーティングしてよい。経口投与用の液体調製は、たとえば、溶液、シロップ、もしくは懸濁液の形をとることができ、または使用前に水もしくは他の適切な媒体で構成するための乾燥製品として提供することもできる。そのような液体調製物は、懸濁化剤(たとえばソルビトールシロップ、メチルセルロース、または水素添加された食用脂);乳化剤(たとえばレシチンまたはアカシア);非水性の媒体(たとえば扁桃油、油性エステル、またはエチルアルコール);および保存剤(たとえばp−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸)などの薬学的に許容できる添加剤を用い、従来の手段によって調製することができる。
【0115】
頬側投与では、組成物は、従来の方法で製剤された錠剤またはロゼンジの形をとることができる。
【0116】
本発明の化合物は、従来のカテーテル処置技術または注入の使用を含む注射による非経口投与用に製剤することができる。注射用の製剤は、単位剤形にして、たとえば、アンプルまたは多用量容器中に保存剤を加えて提供することもできる。注射用の製剤は、油性または水性媒体中の懸濁液、溶液、または乳濁液のような形態をとることができ、懸濁化剤、安定剤、および/または分散剤などの製剤化剤を含有していてもよい。別法として、活性成分は、使用前に適切な媒体、たとえば発熱物質を含まない無菌水で再形成するための粉末形態にすることもできる。
【0117】
生成物の溶液が必要であるとき、その溶液は、患者への経口または非経口投与に必要な強度の溶液を生成するのに十分な量の単離された包接錯体を水(または他の水性媒質)に溶解させることにより生成できる。化合物は、口腔で活性成分を放出するように設計された急速分散型剤形(fddf)用に製剤することができる。これらはしばしば、急速溶解性の、ゼラチンを主体とする基材を使用して製剤されている。これらの剤形は、よく知られており、広範囲な薬物の送達に使用することができる。大部分の急速分散型剤形は、担体または構造形成剤としてゼラチンを利用している。通常、ゼラチンは、剤形に十分な強度を与えために使用されて、包装から取り出す際の破損を防ぐが、口に入れば、剤形の即時の溶解を可能にする。別法として、同じ効果を得るのに様々なデンプンが使用される。
【0118】
本発明の化合物は、たとえば、カカオ脂や他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を含有する、坐剤や保持浣腸などの直腸用組成物にして製剤することもできる。
【0119】
鼻腔内投与または吸入による投与では、本発明の化合物は、患者によって押され、もしくはポンピングされるポンプスプレー容器から溶液もしくは懸濁液の形で、または適切な噴射剤、たとえばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、もしくは他の適切な気体を使用した加圧容器もしくはネブライザーからエアロゾルスプレー体裁として好都合に送達される。加圧したエアロゾルの場合では、計量された量を送達するバルブを設けることにより、投与量単位を決定することができる。加圧容器またはネブライザーは、活性化合物の溶液を含有していても、懸濁液を含有していてもよい。本発明の化合物とラクトースやデンプンなどの適切な粉末基剤の粉末混合物を含有する、吸入器または注入器に入れて使用するための(たとえばゼラチン製の)カプセルおよびカートリッジを製剤することもできる。
【0120】
平均的な成人において上で言及した状態(たとえば偏頭痛)を治療するためのエアロゾル製剤は、エアロゾルの計量された各用量または「ひと吹き」が本発明の化合物約20mg〜約1000mgを含有するように準備することが好ましい。エアロゾルでの全体としての1日量は、約100mg〜約10mgの範囲内となる。投与は、毎日数回、たとえば2、3、4、または8回でよく、各回に、たとえば1、2、または3用量を与える。
【0121】
上で言及した状態を治療するための平均的な成人への経口、非経口、直腸、または頬側投与について、本発明の化合物の提案される1日量は、単位用量あたり約0.01mg〜約2000mg、好ましくは約0.1mg〜約200mgの式Iの活性成分であり、これをたとえば1日1〜4回投与することができるはずである。
【0122】
PDE10および他の遺伝子ファミリーのPDEによる環状ヌクレオチドの加水分解を阻害するかどうかで物質をスクリーニングする試験法が利用可能である。アッセイで使用する環状ヌクレオチド基質濃度は、種々の酵素間でのIC50値の比較が可能になる、K濃度の1/3とする。PDE活性は、シンチレーション近接アッセイ(SPA)に基づく方法を使用して、以前に記載されているとおりに測定する(Fawcettら、2000年)。PDE阻害剤の効果は、様々な濃度の物質、およびIC50がKに近づくような低濃度の基質(1/3Kmの濃度の3:1の未標識対[H]標識比のcGMPまたはcAMP)の存在下、一定量の酵素(PDE1−11)を検定することにより決定する。アッセイ緩衝液[20mMのトリス−HCl pH7.4、5mMのMgCl、1mg/mlのウシ血清アルブミン]を用い、最終アッセイ体積を100μlにする。酵素によって反応を開始し、30℃で30〜60分間インキュベートして、<30%の基質代謝回転を得、(PDE9および11用のそれぞれの3mMの未標識環状ヌクレオチドを含有する)50μlのケイ酸イットリウムSPAビーズ(Amersham)で終了する。プレートをシールし直し、20分間振盪し、その後暗所で30分間ビーズを安定させ、次いでTopCountプレートリーダー(Packard、コネティカット州メリデン)でカウントした。放射能単位は、無抑制対照の活性パーセント(100%)に変換し、阻害剤濃度に対してプロットすることができ、阻害剤IC50値は、「Fit Curve」Microsoft Excel拡張版を使用して得ることができる。
【0123】
このようなアッセイを使用して、本発明の化合物は、PDE10活性を阻害するIC50が約10マイクロモル未満であることが断定された。
【0124】
本発明はまた、式Iの化合物の調製に関する。
【0125】
以下のスキームは、本発明の化合物を調製する様々な方法を示す。スキームで例示する様々な置換基(たとえばR、X、Y、など)は、例示目的にすぎず、上記および特許請求の範囲で挙げるものと混同すべきでなく、またそれらと関係がない場合もあることを留意されたい。
【0126】
スキーム1は、ピラゾールクラスの本発明の化合物の調製を示す。置換フェノールを2−クロロメチル−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾールでアルキル化すると、所望のエーテルとなる。他のヘテロ芳香族塩化ベンジルを代わりに使用してもよく、これは当業者によって調製することができる。エステルを加水分解し、塩化チオニルで処理すると、所望の酸塩化物となる。O,N−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩を加えると、カップリング用のワインレブアミドとなる(Weinrebら、Tet Lett.、1981年、第22巻(39)3815ページ)。別法として、ワインレブアミドは、カルボニルジイミダゾールおよびアミドを用い、酸と直接結合させることによって生成できる。4−ピコリンおよびLDAを用いてアニオンを発生させた後、ワインレブアミドを加えると、ケトンが得られる。次いで、ケトンを還流温度でジメトキシメチル−ジメチルアミンで処理して、エナミノン中間体を生成する。様々なヒドラジンで処理すると、ピラゾール類似体が得られる。様々な比の2種の異性体が得られた。これらの異性体は、結晶化、Biotage MPLC、分取TLC、または分取HPLCによって分離した。この反応スキームは、様々な出発置換フェノール、置換キノリン、および置換ヒドラジンのための一般的なものである。N−Hピラゾールを、適切な塩基(すなわちNaH、CsCO)および求電子剤(R−Iなど)を用いてアルキル化することにより、置換ピラゾールを生成することもできる。
【0127】
【化5】

【0128】
別法として、置換ピラゾール化合物は、NHピラゾールのアルキル化によって調製することができる。1つの条件は、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、炭酸セシウムを塩基として、ハロゲン化アルキルを求電子剤として利用するものである。一部の反応には加熱が必要である。
【0129】
【化6】

【0130】
スキーム3に示すように、エナミノン中間体から様々な複素環を調製することができる。ピリミジンは、エタノールおよびナトリウムエトキシドの存在下で置換ホルムアミドと共に加熱して調製することができる。イソキサゾールは、エナミノンをメタノール/酢酸中でヒドロキシルアミンと共に加熱して調製する。イソキサゾールの場合では、一方の異性体のみを生成する。アミノピロール、アミノイミダゾール、またはアミノトリアゾールと共に加熱することによって、6−5二環系を生成することができる。
【0131】
【化7】

【0132】
様々な4−ピリジル複素環式置換体(replacement)をスキーム4に従って調製することができる。3,5−ジメチルイソキサゾールやメチルピリダジンなどのメチル複素環は、リチウムジイソプロピルアミドで脱保護し、ワインレブアミド(Weinrebら、Tet Lett.、1981年、第22巻(39)、3815ページ)に付加して、所望のケトンを得ることができる。ジメトキシメチル−ジメチルアミンおよびヒドラジンで連続して処理すると、複素環式ピラゾールが得られる。ピリミジンおよびイソキサゾールは、スキーム1、2、および3に記載のとおりに調製することもできる。
【0133】
【化8】

【0134】
N−ピリジルピラゾールは、スキーム5に従って調製することができる。出発ケトンは、スキーム1に示すように、フェノールをアルキル化して調製する。ケトンをジメトキシメチル−ジメチルアミンで処理した後、4−ピリジルヒドラジンを付加すると(J.Med.Chem.2002年、第45巻(24)、5397ページを参照されたい)、所望の化合物が得られる。4−ピリジルに代わる他の複素環置換体は、必要なヒドラジンを使用して調製することができる。
【0135】
【化9】

【0136】
ベンジル中間体は、スキーム1に示す方法によって調製することができる。ベンジルエーテルは、様々な溶媒中にてパラジウム担持炭素や水酸化パラジウムなどのパラジウム触媒上で水素ガス処理して除去することができる。次いで、炭酸カリウムと共に加熱しながらアセトン中塩化ベニル(benylic chloride)を使用して、フェノールをアルキル化することができる。光延化学(Hughes,D.L.、「The Mitsunobu Reaction.Organic Reactions」、第42巻、1992年、米国ニューヨーク、335〜656ページ)を適用して、フェノールとアルコールを結合させることもできる。
【0137】
【化10】

【0138】
多くのベンジルハロゲン化物またはベンジルアルコールが市販されており、または文献で知られている。当業者がこれらの中間体を生成する一般の方法は、エステル、酸、またはアルデヒドを還元してアルコールを生成するものである。1つの一般手順は、ベニル部位を二酸化セレンで酸化して、アルデヒドを得、これをその後水素化ホウ素ナトリウムで還元するものである。ベンジルハロゲン化物は、ハロゲン化を経て生成することができる(Syn.Comm.1995年、第25巻(21)、3427〜3434ページを参照されたい)。
【0139】
【化11】

【0140】
トリアゾール類似体は、多数の方法で調製することができる。1つの方法をスキーム8に示す。ヒドラジドをジメチルホルムアミドジメチルアセタールで処理して、中間体を生成し、これをその後、熱および酢酸を加えた状態でアミンまたはアニリンで処理すると、1,2,4トリアゾールが得られる(Org.Lett、2004年、第6巻(17)、2969〜2971ページを参照されたい)。位置異性体のトリアゾールは、出発材料の官能基を交換して調製することができる。
【0141】
【化12】

【0142】
他のトリアゾール異性体は、カルボキシアミドから出発し、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールで処理した後、芳香族ヒドラジンを付加することによって、スキーム9に従って調製することができる。位置異性体のトリアゾールは、出発材料の官能基を交換して調製することができる。
【0143】
【化13】

【0144】
反転したケトン異性体は、スキーム10に従って調製することができる(Buntingら、JACS、1988年、第110巻、4008ページ)。出発アルデヒドをホスホネートと結合させて、エナミノンを得る。エナミノンを加水分解して、所望のケトンを得る。次いで、ケトンをスキーム1、2、および3に従って利用すると、所望の化合物を得ることができる。
【0145】
【化14】

【0146】
スキーム11のステップ1は、イミン生成/複素環生成である。R1がアルキル、ベンジル、またはアリルである式2の化合物を、トルエンなどの溶媒中で4−ピリジンカルボキサルデヒドと縮合させ、水を除去するために取り付けたディーンスターク装置を用いて約40時間加熱還流する。トルエンを除去した後、粗製のイミンを、1,2−ジメトキシエタンとメタノールの溶媒混合物中でトシルメチルイソシアニド、および炭酸カリウムなどの塩基と混合し、約3時間加熱還流して、3Aを得た。
【0147】
スキーム11のステップ2は、フェノールの脱アルキルである。R1がメチルであるならば、脱アルキルは、塩化メチレンなどの非配位性溶媒中にて三臭化ホウ素(BBr)を用い、約20〜40℃で約3〜48時間(約24時間が好ましい)実施して、4Aを得ることができる。R2がベンジルであるならば、脱アルキルは、未希釈のトリフルオロ酢酸中にてアニソールを用い、温度約75℃で約3〜48時間(約24時間が好ましい)実施して、4Aを得ることができる。R1がアリルであるならば、脱アルキルは、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、またはアルカノールなどの溶媒中(1,2−ジクロロエタンが好ましい)にて、酢酸パラジウムのジクロロパラジウムビス(トリフェニルホスフィン)などのパラジウム触媒(ジクロロパラジウムビス(トリフェニルホスフィン)が好ましい)、ギ酸n−ブチルアンモニウムなどの還元剤を用い、約20℃〜75℃の範囲の温度で実施して、4Aを得ることができる。
【0148】
スキーム11のステップ3は、フェノールのアルキル化である。テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中(ジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい)にて、温度約20℃〜70℃(約23℃が好ましい)で約3〜48時間(約24時間が好ましい)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの塩基(炭酸セシウムまたは水素化ナトリウムが好ましい)、Cl−CHHetなどのアルキル化剤で4Aを処理すると、1Aが得られる。
【0149】
スキーム11のステップ4は、イミダゾールの脱プロトン/求電子捕捉である。テトラヒドロフランなどの溶媒中にて、温度約−78℃〜0℃(約−20℃が好ましい)で約5分から30分間(約10分が好ましい)、リチウムジイソプロピルアミドやリチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの塩基(リチウムジイソプロピルアミドが好ましい)で3Aを処理した後、所望の求電子剤R3−Iを加えると、3Bが得られる。
【0150】
スキーム11のステップ5は、フェノールの脱アルキルであり、ステップ2について上で記載したのと同じ方法を使用して、4Bを生成する。
【0151】
スキーム11のステップ6は、フェノールのアルキル化であり、ステップ3について上で記載したのと同じ方法を使用して、1Bを生成する。
【0152】
【化15】

【0153】
スキーム12のステップ1は、アミドを生成するためのアミンのアシル化である。トリ−n−プロピルホスホン酸無水物やジシクロヘキシルカルボジイミドなどのカップリング試薬(トリ−n−プロピルホスホン酸無水物が好ましい)の存在下、また水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基(ジイソプロピルエチルアミンが好ましい)の存在下、水/塩化メチレン、水/酢酸エチル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどの溶媒系中(酢酸エチルは好ましい)にて、R1がメチル、ベンジル、またはアリルとなり得る化合物2を、温度約0℃〜50℃(約20℃〜30℃が好ましい)で酸塩化物またはカルボン酸で処理して、5を得る。
【0154】
ステップ2は、イミノ塩化物を生成するクロル化、アミジンを生成するアミンとの反応、その後のイミダゾールを生成する酸処理からなる。化合物5を、温度約120℃で約4時間PCl/POClなどの塩素化剤で処理する。塩素化剤を真空中で除去し、イソプロパノールなどの溶媒中の過剰の1,1−ジエトキシ−2−エチルアミンを加え、混合物を約23℃で約5〜24時間攪拌する。溶媒を真空中で除去し、濃塩酸およびイソプロパノールを加え、混合物を約24時間かけて約90℃に加熱して6を得る。
【0155】
スキーム12のステップ3は、フェノールの脱アルキルである。R1がメチルであるならば、脱アルキルは、塩化メチレンなどの非配位性溶媒中にて三臭化ホウ素(BBr3)を用い、約20〜40℃で約3〜48時間(約24時間が好ましい)実施して、7を得ることができる。R2がベンジルであるならば、脱アルキルは、未希釈のトリフルオロ酢酸中でアニソールを用い、温度約75℃で約3〜48時間(約24時間が好ましい)実施して、7を得ることができる。R1がアリルであるならば、脱アルキルは、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、アルカノールなどの溶媒中(1,2−ジクロロエタンが好ましい)にて、酢酸パラジウムのジクロロパラジウムビス(トリフェニルホスフィン)などのパラジウム触媒(ジクロロパラジウムビス(トリフェニルホスフィン)が好ましい)、ギ酸n−ブチルアンモニウムなどの還元剤を用い、約20℃〜75℃の範囲の温度で実施して、7を得ることができる。
【0156】
スキーム12のステップ4は、フェノールのアルキル化である。テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中(ジメチルスルホキシドが好ましい)にて、温度約20℃〜70℃(約23℃が好ましい)で約3〜48時間(約24時間が好ましい)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの塩基(炭酸セシウムが好ましい)で7を処理すると、1Cが得られる。
【0157】
【化16】

【0158】
以下の実施例で本発明を例示する。しかし、本発明は、本明細書中に完全に記述され、特許請求の範囲で列挙されるので、以下の実施例の詳細によって限定されるものでないことを理解されたい。
【0159】
実験手順
調製例1
4−ベンジルオキシ−N−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド
4−ベンジルオキシ−安息香酸(46.17g)のジオキサン(500ml)/アセトニトリル(500ml)溶液に、トリエチルアミン(38ml)およびO,N−ジメチル−ヒドロキシルアミン塩酸塩(hydrogen chloride)(28g)を加え、反応混合物を周囲温度で24時間から攪拌した。反応混合物を濾過し(トリエチルアミン塩酸塩)、濃縮した。反応混合物を塩化メチレンに溶解させ、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(54g)を得た。MS:(MHm/z=272.3)
【0160】
調製例2
1−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−ピリジン−4−イル−エタノン
リチウムジイソプロピルアミド(1.0M、3当量)のテトラヒドロフラン溶液に、N中にて0℃で4−ピコリン(12.8ml、3当量)を滴下した。30分後、アニオンを−78℃に冷却した。分離丸底フラスコ中で、4−ベンジルオキシ−N−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド(11.9g、44mmole)をテトラヒドロフラン(132ml)に溶解させ、N中で−78℃に冷却した。1.2当量の4−ピコリンアニオンをアミド溶液に滴下した。45分後、さらに1当量の4−ピコリンアニオンを加えた。さらに30分後、酢酸(10ml)を滴下し、反応液をゆっくりと周囲温度に温めた。飽和炭酸水素ナトリウムでpHを9に調整し、水で希釈し、塩化メチレンで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(9.5g、73%)を得た。MS:(MHm/z=304.2)
【0161】
調製例3
4−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジン
1−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−ピリジン−4−イル−エタノン(26.2g)のトルエン(175ml)溶液に、ジエトキシメチル−ジメチル−アミン(16.3ml)を加え、反応混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を周囲温度に冷却し、メチルヒドラジン(5.1ml)を加えた。反応を2時間で完了し、濃縮した。固体を酢酸エチルで摩砕し、濾過して、表題化合物(異性体比14:1)を得た。MS:(MHm/z=342.2)
【0162】
調製例4
4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノール
parr製ボトル中の4−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジン(1.28g)のエタノール(50ml)/酢酸エチル(50ml)溶液に、水酸化パラジウム(500mg)を加えた。振盪機上でparr製ボトルを6時間かけて40psiまで満たした。反応混合物を濾過し、濃縮した。メタノール(1〜7%)/クロロホルムを溶離液とするMPLC biotageクロマトグラフィーにかけると、表題化合物(860mg、91%)が得られた。H NMR(400MHz、DMSO)δ9.53(s,1H)、8.39(d,J=5.8Hz,2H)、7.15(m,4H)、6.72(d,J=8.7Hz,1H)、3.84(s,3H);MS:(MHm/z=252.2)
【0163】
調製例5
4−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジン
1−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−ピリジン−4−イル−エタノン(1.58g)の溶液に、トルエン(26ml)および1.6gのジエトキシメチル−ジメチル−アミンを加え、反応混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を濃縮し、メタノール(26ml)およびヒドラジン(0.64g)に溶解させ、反応混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を濃縮し、5%のメタノール/クロロホルム/0.5%の水酸化アンモニウムを溶離液とするbiotage MPLCによって精製して、表題化合物(0.89g)を得た。MS:(MHm/z=328.1)
【0164】
調製例6
4−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジン
4−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジン(0.42g)のジメチルホルムアミド(7ml)溶液に、炭酸セシウム(0.65g)および1,1,1−トリフルオロ−2−ヨード−エタン(0.29ml)を加えた。反応混合物を60℃で24時間加熱し、水中に注ぎ、ジクロロメタンで3回抽出した。5%のメタノール/0.5%の水酸化アンモニウム/70%の酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするbiotage MPLCクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が得られた。MS:(MHm/z=410.0)
【0165】
調製例7
4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノール
4−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジンを代わりに用いる以外は、4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=320.1)
【0166】
調製例8
4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−安息香酸メチルエステル
2−クロロメチル−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール(5g)のアセトン(150mL)溶液に、炭酸カリウム(8.6g)および4−ヒドロキシ−安息香酸メチルエステル(3.84g)を加え、反応混合物を24時間加熱還流した。反応混合物を濃縮し、塩化メチレンに溶解させ、1N NaOHで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、7.4gを得た。MS:(MHm/z=297.2)
【0167】
調製例9
4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−安息香酸
4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−安息香酸メチルエステル(7.4g)をテトラヒドロフラン(125mL)およびメタノール(40mL)に溶かした溶液に、1N NaOHを加え、反応液を18時間攪拌した。反応液のpHを1N HClで1に調整し、沈殿を濾過し、vacオーブン中で乾燥させて、5.73gの白色固体を得た。MS:(MHm/z=283.2)
【0168】
調製例10
N−メトキシ−N−メチル−4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンズアミド
4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−安息香酸を代わりに用いる以外は、4−ベンジルオキシ−N−メトキシ−N−メチル−ベンズアミドを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=326.2)
【0169】
調製例11
1−[4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−フェニル]−2−ピリジン−4−イル−エタノン
N−メトキシ−N−メチル−4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンズアミドを代わりに用いる以外は、1−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−ピリジン−4−イル−エタノンを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=355.2)
【実施例】
【0170】
(実施例1)
1−メチル−2−[4−(4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール
【0171】
【化17】

1−[4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−フェニル]−2−ピリジン−4−イル−エタノンを代わりに用いる以外は、4−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジンを調製する手順に従い、表題化合物(65%)を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ8.44(d,J=6.2Hz,2H)、7.66(d,J=7.9Hz,1H)、7.55(d,J=7.9Hz,1H)、7.37〜7.30(m,7H)、7.18(m,2H)、5.45(s,2H)、3.93(s,3H);MS:(MHm/z=382.1);PDE10 IC50=079nm。
【0172】
(実施例2)
2−[4−(1−エチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール
【0173】
【化18】

エチルヒドラジンおよび1−[4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−フェニル]−2−ピリジン−4−イル−エタノンを代わりに用いる以外は、4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=410.2);PDE10 IC50=1.38nm。
【0174】
(実施例3)
1−{3−[4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−フェニル]−4−ピリジン−4−イル−ピラゾール−1−イル}−プロパン−2−オール
【0175】
【化19】

(R)−1−ヒドラジノ−プロパン−2−オールを代わりに用いる以外は、2−[4−(1−エチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=440.2);PDE10 IC50=2.6nm。
【0176】
(実施例4)
1−メチル−2−[4−(4−ピリジン−4−イル−イソキサゾール−5−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール
【0177】
【化20】

フラスコ中の1−[4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−フェニル]−2−ピリジン−4−イル−エタノン(150mg)に、ジエトキシメチル−ジメチル−アミン(1mL)を加え、1時間加熱還流し、濃縮した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(hydrogen chloride)(32mg)、炭酸水素ナトリウム(22mg)、酢酸(0.02mL)、メタノール(3mL)、および水(1mL)を加え、反応混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム中に注ぎ、塩化メチレンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。2%のメタノール/0.5%の水酸化アンモニウム/60%の酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするbiotage MPLCで精製すると、表題化合物(134mg)が得られた。H NMR(400MHz、CDOD)δ8.69(s,1H)、8.50(d,J=4.6Hz,2H)、7.66(d,J=7.9Hz,1H)、7.58(d,J=9.1Hz,1H)、7.53(d,J=7.9Hz,1H)、7.46(d,J=6.2Hz,2H)、7.35(m,2H)、7.22(d,J=9.1Hz,2H)、5.46(s,2H)、3.92(s,3H);MS:(MHm/z=383.1);PDE10 IC50=4.94nm。
【0178】
(実施例5)
1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール
【0179】
【化21】

4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノール(50mg)のジオキサン(1ml)溶液に、トリフェニルホスフィン(83mg)、(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−メタノール(48mg)、およびアゾジカルボン酸ジ−t−ブチル(73mg)を加えた。反応混合物を60℃で18時間加熱し、1N NaOH中に注ぎ、クロロホルムで3回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。80%の酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするbiotage MPLCによって精製すると、表題化合物(75mg、96%)が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.44(d,J=6.2Hz,2H)、7.76(dd,J=7.1,1.7Hz,1H)、7.55(s,1H)、7.37〜7.28(m,5H)、7.15(dd,J=4.6,1.7Hz、2H)、7.05(d,J=9.1Hz,2H)、5.38(s,2H)、3.94(s,3H)3.88(s,3H);MS:(MHm/z=396.2);PDE10 IC50=0.56nm。
【0180】
(実施例6)
1−メチル−2−[4−(2−メチル−4−ピリジン−4−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール
【0181】
【化22】

4−(2−メチル−4−ピリジン−4−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェノール(4−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジンの調製からの少ない方の異性体)を代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(00MHz、CDCl)δ8.36(d,J=6.2Hz,2H)、7.78(s,1H)、7.78(d,J=5.4Hz,1H)、7.38(m,2H)、7.19(m,5H)、7.01(d,J=6.2Hz,2H)、5.43(s,2H)、3.92(s,3H)3.70(s,3H);MS:(MHm/z=396.2);PDE10 IC50=1.84nm。
【0182】
(実施例7)
1−フルオロメチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール
【0183】
【化23】

(1−フルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.45(d,J=6.2Hz,2H)、7.79(d,J=7.5Hz,1H)、7.55(s,1H)、7.48(d,J=7.9Hz,1H)、7.39(m,4H)、7.13(d,J=6.2Hz,2H)、7.04(d,J=9.1Hz,2H)、6.37(s,1H)、6.24(s,1H)、5.45(s,2H)、3.94(s,3H);MS:(MHm/z=414.2);PDE10 IC50=0.98nm。
【0184】
(実施例8)
1−イソプロピル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール
【0185】
【化24】

(1−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.44(d,J=5.8Hz,2H)、7.76(m,1H)、7.56(s,1H)、7.54(m,2H)、7.37(d,J=8.7Hz,2H)、7.25(m,2H)、7.15(d,J=6.2Hz,2H)、7.04(d,J=8.7Hz,2H)、5.37(s,2H)、4.94(m,1H)3.95(s,3H)、1.65(d,J=7.1Hz,6H);MS:(MHm/z=424.1);PDE10 IC50=8.91nm。
【0186】
(実施例9)
1−シクロプロピル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール
【0187】
【化25】

(1−シクロプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.43(d,J=6.2Hz,2H)、7.72(d,J=6.6Hz,1H)、7.54(s,1H)、7.53(d,J=6.2Hz,1H)、7.37(d,J=9.17Hz,2H)、7.24(m,2H)、7.13(d,J=6.2Hz,2H)、7.01(d,J=9.1Hz,2H)、5.37(s,2H)、3.92(s,3H)、3.41(m,1H)、1.21(m,4H);MS:(MHm/z=422.1);PDE10 IC50=0.69nm。
【0188】
(実施例10)
1−(2−メトキシ−エチル)−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール
【0189】
【化26】

[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.45(d,J=6.2Hz,2H)、7.75(m,1H)、7.54(s,1H)、7.37(m,3H)、7.26(m,2H)、7.13(d,J=6.2Hz,2H)、7.04(d,J=8.7Hz,2H)、5.42(s,2H)、4.48(t,J=5.4Hz,1H)、3.93(s,3H)、3.71(t,J=5.8Hz,2H)、3.23(s,3H);MS:(MHm/z=440.2);PDE10 IC50=1.6nm。
【0190】
(実施例11)
2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン
【0191】
【化27】

イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.48(d,J=6.2、2H)、7.87(d,J=7.1Hz,1H)、7.60(d,J=9.1Hz,1H)、7.57(s,1H)、7.38(t,J=8.7Hz,2H)、7.18(d,J=6.2Hz,2H)、7.04(d,J=8.7Hz,2H)、6.86(d,J=6.6Hz,1H)、5.28(s,2H)、3.97(s,3H)2.52(s,3H);MS:(MHm/z=382.1);PDE10 IC50=0.53nm。
【0192】
(実施例12)
2−[4−(2−メチル−4−ピリジン−4−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン
【0193】
【化28】

4−(2−メチル−4−ピリジン−4−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェノール(4−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジンの調製からの少ない方の異性体)およびイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.45(d,J=6.2Hz,2H)、8.06(d,J=6.6Hz,1H)、7.61(s,1H)、7.55(s,1H)、7.37(d,J=8.7Hz,2H)、7.15(m,4H)、6.99(d,J=8.7Hz,2H)、6.77(t,J=5.7Hz,1H)、5.27(s,2H)、3.93(s,3H);MS:(MHm/z=382.1);PDE10 IC50=0.53nm。
【0194】
(実施例13)
2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]−ピリジン
【0195】
【化29】

[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。8.57(d,J=6.6Hz,1H)、8.44(d,J=5.8Hz,2H)、7.73(d,J=9.1Hz,1H)、7.55(s,1H)、7.54(dd,J=6.6,1.3Hz,1H)、7.38(d,J=8.7Hz,2H)、7.14(d,J=5.8Hz,2H)、7.05(m,3H)、5.36(s,2H)、3.94(s,3H);MS:(MHm/z=383.1);PDE10 IC50=1.14nm。
【0196】
(実施例14)
2−{4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノキシメチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【0197】
【化30】

4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノールおよび[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(2−メチル−4−ピリジン−4−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.57(d,J=7.1Hz,1H)、8.48(d,J=6.2Hz,2H)、7.73(d,J=8.7Hz,1H)、7.68(s,1H)、7.53(t,J=7.5Hz,1H)、7.37(d,J=7.7Hz,,2H)、7.16(dd,J=6.2,1.7Hz,2H)、7.03(m,3H)、5.39(s,2H)、4.77(q,J=8.3Hz,2H);MS:(MHm/z=451.0);PDE10 IC50=0.56nm。
【0198】
(実施例15)
2−{4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノキシメチル}−イミダゾ[1,2−a]ピリジン
【0199】
【化31】

4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノールおよびイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(2−メチル−4−ピリジン−4−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.50(d,J=5.8Hz,2H)、8.08(d,J=7.1Hz,1H)、7.69(s,1H)、7.62(s,1H)、7.60(d,J=9.1Hz,1H)、7.38(d,J=8.7Hz,,2H)、7.18(m,3H)、7.01(d,J=8.7Hz,2H)、6.79(t,J=6.6Hz,1H)、5.29(s,2H)、4.77(q,J=8.3Hz,2H);MS:(MHm/z=450.2);PDE10 IC50=0.39nm。
【0200】
(実施例16)
1−メチル−2−{4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノキシメチル}−1H−ベンゾイミダゾール
【0201】
【化32】

4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(2−メチル−4−ピリジン−4−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.49(d,J=6.2Hz,2H)、7.77(d,J=7.5Hz,1H)、7.67(s,1H)、7.38(d,J=9.1Hz,2H)、7.33(m,3H)、7.16(d,J=6.2Hz,2H)、7.06(d,J=8.7Hz,2H)、5.39(s,2H)、4.77(q,J=8.3Hz,2H)3.88(s,3H);MS:(MHm/z=464.2);PDE10 IC50=0.21nm。
【0202】
(実施例17)
1−フルオロメチル−2−{4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノキシメチル}−1H−ベンゾイミダゾール
【0203】
【化33】

4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノールおよび(1−フルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(2−メチル−4−ピリジン−4−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.50(d,J=5.8Hz,2H)、7.79(d,J=7.5Hz,1H)、7.67(s,1H)、7.46(m,1H)、7.40(m,4H)、7.16(d,J=6.2Hz,2H)、7.05(d,J=9.1Hz,2H)、6.38(s,1H)、6.24(s,1H)、5,46(s,2H)、4.12(q,J=7.1Hz,2H);MS:(MHm/z=481.9);PDE10 IC50=0.75nm。
【0204】
(実施例18)
1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
【0205】
【化34】

(1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.52(d,J=4.6Hz,1H)、8.43(m,2H)、7.65(d,J=7.9Hz,1H)、7.54(s,1H)、7.36(d,J=8.3Hz,2H)、7.20(m,1H)、7.11(d,J=5.4Hz、2H)、7.04(d,J=8.7Hz,2H)、5.42(s,2H)、3.92(s,3H)3.88(s,3H);MS:(MHm/z=397.0);PDE10 IC50=9.31nm。
【0206】
(実施例19)
1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
【0207】
【化35】

(1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ9.07(s,1H)、8.45(m,3H)、7.55(s,1H)、7.40(d,J=8.7Hz,2H)、7.31(d,J=5.5Hz,1H)、7.14(d,J=5.8Hz,2H)、7.03(d,J=8.7Hz,2H)、5.40(s,2H)、3.94(s,3H)3.90(s,3H);MS:(MHm/z=397.1);PDE10 IC50=133nm。
【0208】
(実施例20)
5,6−ジフルオロ−1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール
【0209】
【化36】

(5,6−ジフルオロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.46(d,J=6.2Hz,2H)、7.55(s,1H)、7.51(dd,J=10.3,3.3Hz,1H)、7.38(d,J=9.1Hz,2H)、7.14(m,3H)、7.02(d,J=8.7Hz,2H)、5.33(s,2H)、3,94(m,3H)3.83(s,3H);MS:(MHm/z=432.2);PDE10 IC50=16.7nm。
【0210】
(実施例21)
2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−ベンゾチアゾール
【0211】
【化37】

4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノール(75mg)のジメチルホルムアミド(1.5ml)溶液に、炭酸セシウム(107mg)および2−ブロモメチル−ベンゾチアゾール(75mg)を加え、反応混合物を60℃で48時間加熱した。反応混合物を水中に注ぎ、塩化メチレンで3回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。5%のメタノール/1%の飽和水酸化アンモニウム/70%の酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするBiotage MPLCにかけると、表題化合物が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.46(m,2H)、8.02(d,J=7.9Hz,1H)、7.90(d,J=7.9Hz,1H)、7.56(s,1H)、7.50(t,J=7.1Hz,1H)、7.40(m,3H)、7.16(d,J=6.3Hz,2H)、7.02(d,J=6.6Hz,2H)、5.49(s,2H)、3.95(s,3H);MS:(MHm/z=399.1);PDE10 IC50=0.89nm。
【0212】
(実施例22)
2−{4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノキシメチル}−ベンゾチアゾール
【0213】
【化38】

4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノールを代わりに用いる以外は、を調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.50(d,J=6.2Hz,2H)、8.02(d,J=8.3Hz,1H)、7.89(d,J=7.5Hz,1H)、7.68(s,1H)、7.50(t,J=7.1Hz,1H)、7.40(m,3H)、7.16(d,J=6.2Hz,2H)、7.02(d,J=8.7Hz,2H)、5.49(s,2H)、4.78(q,J=8.3Hz,,3H);MS:(MHm/z=467.1);PDE10 IC50=1.48nm。
【0214】
(実施例23)
2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン
【0215】
【化39】

ベンゾチアゾール−2−イル−メタノールを代わりに用いる以外は、(5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2−イル)−メタノールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.45(d,J=5.8Hz,2H)、7.55(s,1H)、7.54(d,J=7.1Hz,1H)、7.37(d,J=8.7Hz,2H)、7.17(d,J=7.1Hz,1H)、7.14(d,J=6.2Hz,2H)、7.03(m,3H)、5.39(s,2H)、4.30(t,J=5.8Hz,2H)、3.94(s,3H)、2.98(t,J=5.8Hz,2H)、2.23(m,2H);MS:(MHm/z=422.1);PDE10 IC50=3.09nm。
【0216】
(実施例24)
3−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン
【0217】
【化40】

(3−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)−メタノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.48(d,J=6.2,2H)、7.87(d,J=7.1Hz,1H)、7.60(d,J=9.1Hz,1H)、7.57(s,1H)、7.38(t,J=8.7Hz,2H)、7.18(d,J=6.2Hz,2H)、7.04(d,J=8.7Hz,2H)、6.86(d,J=6.6Hz,1H)、5.28(s,2H)、3.97(s,3H)2.52(s,3H);MS:(MHm/z=396.1);PDE10 IC50=1.4nm。
【0218】
(実施例25)
2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール
【0219】
【化41】

2−クロロメチル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾールを代わりに用いる以外は、2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−ベンゾチアゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.46(d,J=6.2,2H)、7.80(d,J=7.1Hz,1H)、7.55(s,1H)、7.39(m,5H)、7.14(d,J=6.2Hz,2H)、7.05(d,J=9.1Hz,2H)、5.45(s,2H)、4.99(q,J=8.3Hz,2H)、3.95(s,3H);MS:(MHm/z=464.0);PDE10 IC50=10nm。
【0220】
調製例12
3−ジメチルアミノ−1−ピリジン−4−イル−プロペノン
1−ピリジン−4−イル−エタノン(1.62g)にN,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール(10ml)を加え、反応混合物を120℃で2時間加熱し、濃縮して、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=177.0)。
【0221】
調製例13
4−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル]−ピリジン
3−ジメチルアミノ−1−ピリジン−4−イル−プロペノン(590mg)のメタノール(10ml)溶液に、酢酸(0.5ml)および(4−ベンジルオキシ−フェニル)−ヒドラジン塩酸塩(hydrogen chloride)(836mg)を加え、反応混合物を6時間かけて60℃に加熱した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。combiflash MPLCで精製すると、表題化合物(795mg)が得られた。MS:(MHm/z=328.1)。
【0222】
調製例14
4−(5−ピリジン−4−イル−ピラゾール−1−イル)−フェノール
4−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル]−ピリジン(610mg)の酢酸エチル(15ml)/エタノール(15ml)溶液に、水酸化パラジウム(20%、343mg)を加えた。反応混合物を45psiのHガス中で18時間parr振盪機に載せた。反応混合物をセライトで濾過し、濃縮した。chromatotron(2mmのシリカ、5%のメタノール/クロロホルム)によって精製すると、表題化合物(259mg)が得られた。MS:(MHm/z=238.1)。
【0223】
(実施例26)
1−メチル−2−[4−(5−ピリジン−4−イル−ピラゾール−1−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール
【0224】
【化42】

4−(5−ピリジン−4−イル−ピラゾール−1−イル)−フェノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.50(d,J=6.2,2H)、7.78(d,J=7.5Hz,1H)、7.70(s,1H)、7.35(m,3H)、7.20(d,J=6.6Hz,2H)、7.08(m,4H)、6.60(s,1H)、5.40(s,2H)、3.89(s,3H);MS:(MHm/z=382.1);PDE10 IC50=3.05nm。
【0225】
調製例15
N−メトキシ−N−メチル−4−トリイソプロピルシラニルオキシメチル−ベンズアミド
4−トリイソプロピルシラニルオキシメチル−安息香酸を代わりに用いる以外は、4−ベンジルオキシ−N−メトキシ−N−メチル−ベンズアミドを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=352.1)。
【0226】
調製例16
2−ピリジン−4−イル−1−(4−トリイソプロピルシラニルオキシメチル−フェニル)−エタノン
N−メトキシ−N−メチル−4−トリイソプロピルシラニルオキシメチル−ベンズアミドを代わりに用いる以外は、1−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−ピリジン−4−イル−エタノンを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=384.1)。
【0227】
調製例17
4−[1−メチル−3−(4−トリイソプロピルシラニルオキシメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジン
2−ピリジン−4−イル−1−(4−トリイソプロピルシラニルオキシメチル−フェニル)−エタノンを代わりに用いる以外は、4−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジンを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=422.2)。
【0228】
調製例18
[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェニル]−メタノール
4−[1−メチル−3−(4−トリイソプロピルシラニルオキシメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジン(1.75g)のTHF(16.2mL)溶液に、TBAF(1.0M THF、5.2mL)を加え、反応混合物を不活性雰囲気中にて周囲温度で1時間攪拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム中に注ぎ、クロロホルムで3回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。2%のメタノール/0.5%の飽和水酸化アンモニウム/50%の酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするMPLC biotageクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物(920mg、84%)が得られた。MS:(MHm/z=266.1)。
【0229】
調製例19
4−(1−メチル−3−{4−[(トリフェニル−l5−ホスファニル)−メチル]−フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリジン臭化物
[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェニル]−メタノール(738mg)のジオキサン(14mL)溶液に、トリフェニルホスホニウム臭化水素酸塩(triphenyl phosphonium hydrogen bromide)(1.94g、2当量)を加え、反応混合物を100℃で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、濾過し、真空オーブンで乾燥させて、表題化合物(1.75g、94%)を得た。MS:(MHm/z=510.0)。
【0230】
調製例20
1−メチル−2−{2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェニル]−ビニル}−1H−ベンゾイミダゾール
4−(1−メチル−3−{4−[(トリフェニル−l5−ホスファニル)−メチル]−フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリジン臭化物(300mg)のジメチルホルムアミド(3mL)溶液に、炭酸セシウム(290mg、3当量)および1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−カルバルデヒド(52mg)を加え、反応混合物を40℃で3時間加熱した。反応混合物を1N水酸化ナトリウム中に注ぎ、クロロホルムで3回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。1〜3%のメタノール/0.5%の飽和水酸化アンモニウム/80%の酢酸エチル/ヘキサンを溶離液とするMPLC biotageクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物が得られた。MS:(MHm/z=392.0)。
【0231】
(実施例27)
1−メチル−2−{2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェニル]−エチル}−1H−ベンゾイミダゾール
【0232】
【化43】

水酸化パラジウム(75mg)を含むparr製ボトルに入った1−メチル−2−{2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェニル]−ビニル}−1H−ベンゾイミダゾール(100mg)のエタノール(10mL)/酢酸エチル(5mL)溶液を、10PSIのH中に40分間置いた。反応混合物を濾過し、濃縮した。1〜3%のメタノール/0.5%の飽和水酸化アンモニウム/クロロホルムを溶離液とするMPLC biotageクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物(88mg)が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.46(m,2H)、7.73(m,2H)、7.57(s,1H)、7.38(d,J=7.9Hz,2H)、7.24(m,3H)、7.18(m,4H)、3.97(s,3H)、3.55(s,3H)、3.21(m,4H);MS:(MHm/z=394.1);PDE10 IC50=16.2nm。
【0233】
調製例21
4−(4−ピリジン−4−イル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−フェノール
4−メトキシ−N−ピリジン−4−イル−ベンズアミド(75mg)のPOCl(3ml)溶液に、PCl(68mg)を加え、反応混合物を5時間加熱還流した。反応混合物を濃縮し、ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解させ、ギ酸ヒドラジド(5当量、100mg)を加え、2時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、イソプロパノール(3mL)で希釈し、0.25mlの濃HClを加えた。反応混合物を18時間攪拌し、1 NaOHで失活させ、ジクロロメタンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を塩化メチレン(2mL)に溶解させ、三臭化ホウ素(0.63mL、1.0M ヘキサン)を0℃で加えた。反応混合物を周囲温度に温め、18時間攪拌した。反応混合物を1N NaOHで失活させ、pHを9に調整し、ジクロロメタンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。0〜20%のメタノール/塩化メチレンを溶離液とするBiotage MPLCクロマトグラフィーによって精製すると、表題化合物(32mg、55%)が得られた。MS:(MHm/z=239.2)。
【0234】
(実施例28)
1−メチル−2−[4−(4−ピリジン−4−イル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール
【0235】
【化44】

7ml容Teflonキャップ付きバイアルに入った4−(4−ピリジン−4−イル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−フェノール(44mg)のジメチルホルムアミド(1ml)溶液に、炭酸セシウム(185mg)および2−クロロメチル−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール(38mg)を加え、反応混合物を振盪機プレートに載せて60℃で18時間加熱した。反応混合物を水中に注ぎ、塩化メチレンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(51mg)を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ8.88(s,1H)、8.64(d,J=6.6Hz,2H)、7.64(d,J=7.9Hz,1H)、7.54(d,J=8.3Hz,1H)、7.40(m,4H)、7.36(t,J=7.5Hz,1H)、7.32(t,J=7.5Hz,1H)、7.18(d,J=8.7Hz,2H)、5.44(s,2H)、3.90(S,3H);MS:(MHm/z=383.2);PDE10 IC50=46.3nm。
【0236】
(実施例29)
2−メチル−7−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−5−オン
【0237】
【化45】

7−クロロメチル−2−メチル−チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−5−オンを代わりに用いる以外は、2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−ベンゾチアゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ8.34(d,J=6.6Hz,2H)、7.98(s,1H)、7.75(m,1H)、7.34(d,J=8.7Hz,2H)、7.26(d,J=6.2Hz,2H)、7.02(d,J=9.1Hz,2H)、6.41(s,1H)、5.00(s,2H)、3.94(s,3H)、2.45(s,3H);MS:(MHm/z=430.1)。
【0238】
(実施例30)
7−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−5−オン
【0239】
【化46】

7−クロロメチル−チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−5−オンを代わりに用いる以外は、2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−ベンゾチアゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ8.40(d,J=6.6Hz,2H)、8.07(s,1H)、8.03(d,J=5.0Hz,1H)、7.44(d,J=5.0Hz,1H)、7.37(m,4H)、7.06(d,J=8.7Hz,2H)、6.45(s,1H)、5.06(s,2H)、3.95(s,3H);MS:(MHm/z=416.1)。
【0240】
調製例22
4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−安息香酸ベンジルエステル
2当量の臭化ベンジルおよび2−フルオロ−4−ヒドロキシ−安息香酸を代わりに用いる以外は、4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−安息香酸 メチルエステルを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=337.2)。
【0241】
調製例23
4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−安息香酸
4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−安息香酸ベンジルエステルを代わりに用いる以外は、4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−安息香酸を調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=247.1)。
【0242】
調製例24
4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−N−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド
4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−安息香酸を代わりに用いる以外は、4N−メトキシ−N−メチル−4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンズアミドを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=290.2)。
【0243】
調製例25
1−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−フェニル)−2−ピリジン−4−イル−エタノン
4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−N−メトキシ−N−メチル−ベンズアミドを代わりに用いる以外は、1−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−ピリジン−4−イル−エタノンを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=322.1)。
【0244】
調製例26
4−[3−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジン
1−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−フェニル)−2−ピリジン−4−イル−エタノンを代わりに用いる以外は、4−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジンを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=360.1)。
【0245】
調製例27
3−フルオロ−4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノール
4−[3−(4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリジンを代わりに用いる以外は、4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。MS:(MHm/z=270.1)。
【0246】
(実施例31)
2−[3−フルオロ−4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール
【0247】
【化47】

3−フルオロ−4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノールを代わりに用いる以外は、1−メチル−2−[4−(2−メチル−4−ピリジン−4−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.43(d,J=6.2Hz,2H)、7.78(d,J=7.5Hz,1H)、7.65(s,1H)、7.36(m,4H)、7.08(d,J=6.2Hz,2H)、6.96(dd,J=7.9,2.1Hz,1H)、6.82(dd,J=11.6,2.9Hz,1H)、5.39(s,2H)、3.97(s,3H)、3.89(s,3H);MS:(MHm/z=414.1)。
【0248】
(実施例32)
6−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−イミダゾ[2,1−b]チアゾール
【0249】
【化48】

6−クロロメチル−イミダゾ[2,1−b]チアゾールを代わりに用いる以外は、2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−ベンゾチアゾールを調製する手順に従い、表題化合物を得た。H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.43(d,J=5.4Hz,2H)、7.98(s,1H)、7.75(s,1H)、7.71(d,J=4.2Hz,1H)、7.32(d,J=8.7Hz,2H)、7.25(m,2H)、7.12(d,J=4.6Hz,2H)、7.04(d,J=8.7Hz,2H)、5.46(s,2H)、3.94(s,3H);MS:(MHm/z=388.3);PDE10 IC50=12nm。
【0250】
調製例28
4−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジン
トルエン(110mL)中の4−メトキシアニリン(2.46g、20mmol)およびピリジン−4−カルボキサルデヒド(1.9mL、10mmol)を、ディーンスタークトラップおよび還流冷却器に取り付けられたフラスコにおいて加熱還流した。40時間後、赤外スペクトル分析および質量スペクトル分析によって反応を完了した。ディーンスターク側面アームを通した蒸留によってトルエンを除去し、残渣をメタノール(100mL)に溶解させ、粗製イミンの約1/2(約10mmol、50mLのメタノール溶液)をメタノール(20mL)および1,2−ジメトキシエタン(20mL)で希釈した。次いで、溶液を炭酸カリウム(2.76g、20mmol)およびトシルメチルイソシアニド(TOSMIC、2.93g、15mmol)で処理し、3時間加熱還流した。室温に冷却した後、真空中で溶媒を除去し、残渣を塩化メチレンに溶解させ、ブラインで洗浄した。ブライン層を塩化メチレンで抽出し、有機層を合わせて乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、酢酸エチル−ヘキサン−メタノール(80:20:0〜76:19:5)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1.4g(収率56%)の表題化合物を得た。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ160.039、150.161、141.009、137.240、130.839、129.179、127.287、121.597、115.106、55.801;MS(AP/CI)252.4(M+H)+。
【0251】
調製例29
4−(1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジン
表題化合物は、4−メトキシアニリンの代わりに4−ベンジルオキシアニリンを用い、調製例28について記載した方法を使用して調製し、4−(1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジンが収率54%で得られた。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ159.195、150.132、141.001、137.263、136.403、130.892、130.735、129.389、128.932、128.521、127.751、127.317、121.627、116.078、70.637;MS(AP/CI)328.4(M+H)+。
【0252】
調製例30
4−(1−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジン
ジイソプロピルアミン(0.51mL、3.6mmol)をテトラヒドロフラン(12mL)に溶かした−20℃の溶液を、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、1.45mL、3.6mmol)で処理し、溶液を10分間攪拌した。調製例28(4−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジン、730mg、2.9mmol)のテトラヒドロフラン溶液を加えると、溶液が濃い橙色になった。溶液を30分間攪拌し、温度が0℃まで上昇するようにした。−20℃に冷却した後、テトラヒドロフラン(12mL)中ヨウ化メチル(0.54mL、8.7mmol)を加え、溶液を−20℃で30分間、23℃で2時間攪拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣をブラインで希釈し、酢酸エチルで抽出した。次いで、有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、酢酸エチル−ヘキサン−メタノール(63:32:5〜72:18:10)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、555mg(収率72%)の表題化合物を得た。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ160.144、150.034、149.197、137.749、131.265、129.463、128.985、128.828、120.849、115.233、55.78、14.203;MS(AP/CI)266.4(M+H)+。
【0253】
調製例31
4−(2−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジン
表題化合物は、ヨウ化メチルの代わりにヨウ化エチルを使用し、調製例30について記載した方法を使用して調製し、収率83%で4−(2−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジンが得られた。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ160.144、150.147、149.990、137.786、129.239、129.037、128.992、121.597、120.909、115.181、55.771、21.097、12.348;MS(AP/CI)280.5(M+H)+。
【0254】
調製例32
4−(5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノール
調製例29(4−(1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジン、2g、6.1mmol)およびアニソール(13mL、122mmol)をトリフルオロ酢酸(50mL)に溶かした溶液を、75℃で24時間加熱した。真空中で溶媒を除去し、残渣を、クロロホルム−メタノール−水酸化アンモニウム(94:5:1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1.27g(88%)の表題化合物を得た。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ158.402、149.145、141.061、138.018、120.600、129.822、127.482、127.370、121.933、116.497;MS(AP/CI)238.3(M+H)+。
【0255】
調製例33
4−(2−メチル−5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノール
調製例30(4−(1−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)ピリジン、220mg、0.83mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液に、0℃で三臭化ホウ素の溶液(塩化メチレン中1M、2.1mL、2.1mmol)を滴下した。23℃で24時間攪拌した後、水酸化ナトリウム水溶液(1N、15mL)を加え、混合物を23℃で1時間攪拌した。塩酸水溶液(1N)を加えてpHを7に調整し、混合物を塩化メチレン/イソプロパノール(4:1、3×30mL)で抽出し、有機層を合わせて乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、クロロホルム−メタノール(20:1〜10:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、150mg(収率72%)の表題化合物を得た。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ159.337、149.548、149.302、138.302、131.131、128.760、128.170、127.310、121.163、117.237、13.881;MS(AP/CI)252.4(M+H)+。
【0256】
調製例34
4−(2−エチル−5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノール
表題化合物は、出発材料としての調製例31、および調製例33の方法を使用して調製した。これによって、4−(2−エチル−5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノールが70%の収率で得られた。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDOD/CDCl)δ158.574、149.182、149.002、138.511、130.877、128.895、128.200、127.340、121.253、116.692、20.656、12.020;MS(AP/CI)266.4(M+H)+。
【0257】
(実施例33)
2−((4−(5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)メチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【0258】
【化49】

表題化合物は、2−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールを代わりに用いながら、2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−ベンゾチアゾールの調製について記載した方法を使用して調製した。収率98%。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ158.290、150.109、148.913、142.340、140.942、137.203、136.388、130.966、130.682、130.121、127.407、123.735、122.801、121.664、120.430、116.250、109.692、63.899、30.549;MS(AP/CI)382.3(M+H)+。
【0259】
(実施例34)
2−((4−(5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)メチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【0260】
【化50】

水素化ナトリウム(鉱油中60%、93mg、2.32mmol)のDMF(10mL)懸濁液に、調製例32(4−(5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノール、0.5g、2.11mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(5mL)溶液を滴下し、23℃で10分間攪拌した。2−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾールのDMF(10mL)溶液を滴下し、次いで反応混合物を80℃で24時間加熱した。真空中で溶媒を除去し、残渣を水で希釈し、次いで塩化メチレンで抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。クロロホルム/メタノール/水酸化アンモニウム(98.5:1:0.5)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、158mg(収率20%)の表題化合物が得られた。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ158.350、150.004、149.623、140.919、137.233、130.854、130.039、127.385、123.107、121.716、116.041、65.066;MS(AP/CI)368.49(M+H)+。
【0261】
(実施例35)
2−((4−(2−メチル−5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)メチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【0262】
【化51】

表題化合物は、調製例32の代わりに調製例33を用い、また2−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールを代わりに用い、実施例33に記載の方法を使用して調製した。収率93%。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ158.492、150.027、149.115、148.935、142.392、137.644、136.410、131.250、130.413、129.030、123.728、122.786、120.916、120.453、116.318、109.707、63.922、30.564、14.255;MS(AP/CI)396.4(M+H)+。
【0263】
(実施例36)
2−((4−(2−エチル−5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)メチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【0264】
【化52】

表題化合物は、調製例32の代わりに調製例34を用い、また2−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールを代わりに用い、実施例33に記載の方法を使用して調製した。収率46%。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ158.559、153.833、150.132、149.900、148.928、137.719、131.153、130.129、129.194、128.947、127.407、123.758、122.816、121.672、121.021、120.453、116.303、109.715、63.914、30.579、21.060、12.318;MS(AP/CI)410.5(M+H)+。
【0265】
調製例35
N−(4−メトキシフェニル)イソニコチンアミド
p−アニシジン(2.46g、20mmol)およびトリエチルアミン(13.9mL、100mmol)の酢酸エチル(200mL)溶液を、イソニコチン酸(2.46g、20mmol)で処理した後、1−プロパンホスホン酸環状無水物(酢酸エチル中50%、15.1mL、24mmol)で処理した。23℃で4時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。クロロホルム−メタノール(40:1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、4g(収率88%)の表題化合物が得られた。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDOD/CDCl)δ164.825、157.213、149.758、143.349、130.989、123.085、122.068、55.285;MS(AP/CI)229.3(M+H)+。
【0266】
調製例36
4−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン
調製例35(N−(4−メトキシフェニル)イソニコチンアミド、1g、4.39mmol)をオキシ塩化リン(POCl)(5mL)に溶解させ、次いで五塩化リン(913mg、4.39mmol)を加えた。混合物を120℃で4時間加熱した。POClを真空中で除去し、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(9.5mL、87.8mmol)およびイソプロパノール(10mL)を加え、混合物を23℃で約16時間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、イソプロパノール(15mL)中の濃塩酸(36.5%、25mL)を加えた。反応混合物を90℃で24時間加熱した。23℃に冷却した後、水酸化ナトリウム水溶液(1N)および炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、pH=8を実現した。混合物を塩化メチレンで抽出し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン/メタノール(80:20:0〜76:19:5)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、811mg(収率74%)の表題化合物を得た。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ160.069、149.952、144.142、137.853、131.004、129.882、127.414、124.977、122.195、115.114、55.808;MS(AP/CI)252.4(M+H)+。
【0267】
調製例37
4−(2−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノール
表題化合物は、調製例30の代わりに調製例36を用い、調製例33で概略を述べた方法を使用して調製した。収率86%。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDOD/CDCl)δ158.372、149.145、143.641、138.257、129.232、128.985、127.347、125.418、122.666、116.505;MS(AP/CI)238.4(M+H)+;PDE10 IC50=8.82nm。
【0268】
(実施例37)
2−((4−(2−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)メチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【0269】
【化53】

表題化合物は、調製例32の代わりに調製例37を用い、また2−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールを代わりに用い、実施例33で概略を述べた方法を使用して調製した。収率98%。分析用13C NMRシグナル(100MHz、CDCl)δ158.312、149.967、148.913、137.778、131.961、129.979、127.579、124.880、123.758、122.816、122.247、120.430、116.265、109.707、63.899、30.564;MS(AP/CI)382.4(M+H)+;PDE10 IC50=28.8nm。
【0270】
本明細書で記述され、特許請求がなされる本発明は、本明細書で開示した詳細な実施形態によって範囲が限定されるものではないが、これは、それらの実施形態が、本発明のいくつかの態様の例示を意図したものであるからである。任意の等価な実施形態は、本発明の範囲内にあるものとする。実際は、本明細書で示し、記載したものに加え、本発明の様々な変更形態が、前述の記述から当業者に明白となろう。そのような変更形態も、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩
【化1】

[式中、HETは、単環式ヘテロアリールおよび二環式ヘテロアリールからなる群から選択され、前記HETは、少なくとも1個のRで置換されていてもよく、
HETは、単環式ヘテロアリールであり、前記HETは、少なくとも1個のRで置換されていてもよく、
HETは、8または9員の二環式ヘテロアリールであり、前記HETは、少なくとも1個のRで置換されていてもよく、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、C〜Cアルキルチオ、−NR、−O−CF、−S(O)−R、−C(O)−NR、およびヘテロ原子で置換されているC〜Cアルキルからなる群から選択され、前記ヘテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択され、前記ヘテロ原子は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC〜Cハロアルキルからなる群から選択される1個または複数の置換基でさらに置換されていてもよく、
各Rは、水素、C〜Cアルキル、−C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、およびC〜Cシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
各Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
各Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキル、ならびに−OR、−NR、および−SRからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されているC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、−NR、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルチオ、およびC〜Cハロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
およびBは、Het中の近接する原子であり、炭素および窒素からなる群からそれぞれ独立に選択され、
およびBは、Het中の近接する原子であり、Bは炭素であり、Bは窒素であり、
XおよびXは、酸素、硫黄、−C(R、および−NRからなる群からそれぞれ独立に選択され、但し、XまたはXの少なくとも一方は−C(Rであり、
各Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキル、NR、−O−CF、−S(O)−R、および−C(O)NR、ヘテロ原子で置換されているC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、前記ヘテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択され、前記ヘテロ原子は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC〜Cハロアルキルからなる群から選択される置換基でさらに置換されていてもよく、
または2個のRが、これらが結合している原子と一緒になって、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルケニル、(4〜10員)ヘテロシクロアルキル、または(4〜10員)ヘテロシクロアルケニル環を形成していてもよく、
各Rは、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
各Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、およびC〜Cアルキニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
n=0、1、または2であり、m=0、1、または2であり、p=0、1、2、3、または4である]。
【請求項2】
前記HETが、
【化2】

[式中、各Yは、−CH、−CR、または窒素からなる群からそれぞれ独立に選択され、Zは酸素または硫黄である]からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
すべてのYがそれぞれ独立に−CHまたは−CRである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記HETが、
【化3】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
HETが5員ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
HETが、ピラゾール、イソオキサゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、およびイミダゾリルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
HETが、4−ピリジル、4−ピリダジニル、およびイソオキサゾリルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
HETが4−ピリジルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
HETが、
【化4】

[式1(a)中、BおよびBは炭素であり、
式1(b)中、BおよびBは炭素であり、
式1(c)中、BおよびBは炭素であり、
式1(d)中、Bは窒素であり、Bは炭素であり、
式1(e)中、Bは炭素であり、Bは窒素であり、
式1(f)中、Bは炭素であり、Bは窒素であり、
式1(g)中、Bは炭素であり、Bは窒素であり、
式1(h)中、Bは窒素であり、Bは炭素であり、
式1(i)中、Bは窒素であり、Bは炭素であり、
式1(j)中、Bは炭素であり、Bは炭素である]からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
HETが基1aから選択される、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
HETが4−ピリジルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
が炭素であり、Xが酸素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
1−メチル−2−[4−(4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール、
2−[4−(1−エチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール、
1−{3−[4−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−フェニル]−4−ピリジン−4−イル−ピラゾール−1−イル}−プロパン−2−オール、
1−メチル−2−[4−(4−ピリジン−4−イル−イソキサゾール−5−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール、
1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール、
1−メチル−2−[4−(2−メチル−4−ピリジン−4−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール、
1−フルオロメチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール、
1−イソプロピル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール、
1−シクロプロピル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール、
1−(2−メトキシ−エチル)−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール、
2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
2−[4−(2−メチル−4−ピリジン−4−イル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]−ピリジン、
2−{4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノキシメチル}−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、
2−{4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノキシメチル}−イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
1−メチル−2−{4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノキシメチル}−1H−ベンゾイミダゾール、
1−フルオロメチル−2−{4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノキシメチル}−1H−ベンゾイミダゾール、
1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン、
5,6−ジフルオロ−1−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール、
2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−ベンゾチアゾール、
2−{4−[4−ピリジン−4−イル−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾール−3−イル]−フェノキシメチル}−ベンゾチアゾール、
2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン、
3−メチル−2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール、
1−メチル−2−[4−(5−ピリジン−4−イル−ピラゾール−1−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール、
1−メチル−2−{2−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェニル]−エチル}−1H−ベンゾイミダゾール、
1−メチル−2−[4−(4−ピリジン−4−イル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1H−ベンゾイミダゾール、
2−メチル−7−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−5−オン、
7−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−5−オン、
2−[3−フルオロ−4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール、
6−[4−(1−メチル−4−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾール−3−イル)−フェノキシメチル]−イミダゾ[2,1−b]チアゾール、
2−((4−(5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)メチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、
2−((4−(5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)メチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、
2−((4−(2−メチル−5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)メチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、
2−((4−(2−エチル−5−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)メチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、
2−((4−(2−(ピリジン−4−イル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)メチル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、
およびこれらの薬学的に許容できる塩
からなる群から選択される化合物。
【請求項14】
精神病性障害、妄想性障害、および薬物精神病、不安障害、運動障害、気分障害、神経変性障害、および薬物嗜癖を治療するための医薬組成物であって、前記障害または状態の治療において有効な量の請求項1に記載の式Iの化合物を含む医薬組成物。
【請求項15】
精神病性障害、妄想性障害、および薬物精神病、不安障害、運動障害、気分障害、および神経変性障害から選択される障害を治療するための医薬の製造における、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項16】
前記障害が、認知症、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、アルコール認知症もしくは他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDSに関連した認知症;せん妄;健忘性障害;外傷後ストレス障害;知能障害;学習障害、たとえば読書障害、数学障害、または筆記表現障害;注意欠陥/多動性障害;加齢関連認知機能低下;軽度、中等度、または重度の型の大うつ病エピソード;躁病または混合性気分エピソード;軽躁病気分エピソード;非定型の特徴を伴ううつ病エピソード;メランコリー型の特徴を伴ううつ病エピソード;緊張病型の特徴を伴ううつ病エピソード;産後の発症を伴う気分エピソード;脳卒中後うつ病;大うつ病性障害;気分変調障害;軽症うつ病性障害;月経前不快気分障害;統合失調症の精神病後うつ病性障害;妄想性障害または統合失調症を含む精神病性障害との混合型の大うつ病性障害;双極I型障害、双極II型障害、気分循環性障害を含む双極性障害;パーキンソン病;ハンチントン病;認知症、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症、AIDSに関連した認知症、前頭側頭型認知症;神経変性脳外傷に関連する;脳卒中に関連する神経変性;脳梗塞に関連する神経変性;低血糖によって誘発される神経変性;てんかん性痙攣に関連する神経変性;神経毒中毒に関連する神経変性;多系統萎縮症、妄想型、解体型、緊張病型、鑑別不能型、または残遺型;統合失調症様障害;妄想型またはうつ病型の分裂感情障害;妄想性障害;物質誘発性精神病性障害、すなわちアルコール、アンフェタミン、カンナビス、コカイン、幻覚発現物質、吸入剤、オピオイド、またはフェンシクリジンによって誘発される精神病;妄想型の人格障害;ならびに統合失調型の人格障害からなる群から選択される、請求項15に記載の使用。


【公表番号】特表2009−522346(P2009−522346A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549069(P2008−549069)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003875
【国際公開番号】WO2007/077490
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】