説明

RFIDタグ、非接触給電アンテナ部品、それらの製造方法、及び金型

【課題】アンテナ部の変形や外部露出を防いでアンテナ部を定位置に樹脂封止することで、高性能なRFIDタグを提供する。
【解決手段】無線通信を行うRFIDタグであって、リードフレームで形成されたアンテナ部と、リードフレームの上に搭載された半導体デバイスと、リードフレームの両面に射出成形されて半導体デバイスを覆い、凸部52を備えた第1の熱可塑性樹脂50と、第1の熱可塑性樹脂50の凸部52を基準位置として、リードフレームの両面に射出成形された第2の熱可塑性樹脂56とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグ、非接触給電アンテナ部品、それらの製造方法、及び、それらを製造するための金型に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック筐体内に金属アンテナや金属コイルを有する製品として代表的なものにIDタグがあり、従来から、ID情報が書き込まれたタグからリーダライタを使用し、無線通信を介して情報のやり取りを行うためのRFIDタグ(無線ICタグ)が広く用いられている。近年は、その利便性から、電池を搭載しないタイプのRFIDタグが使用されることが多い。電池を搭載しないRFIDタグは、RFIDタグ内に金属配線(コイルやアンテナ、以下、アンテナ部と略す。)を有し、リーダライタより電磁誘導方式、電波受信方式、共鳴方式によりRFID内で起電流を発生することから、タグとリーダライタとの間で電気的な通信が可能である。
【0003】
また、非接点充電器では、RFID同様に非接点充電器内にアンテナ部を有し、電磁誘導方式、電波受信方式、共鳴方式により非接触給電アンテナ部品を介して非接点充電器製品内で起電流を発生することで充電が可能となる。RFIDや非接触給電アンテナ部品は外部素子への物理的な接続が不要な金属配線(アンテナ部)を含んで構成されるが、樹脂成形する際に、樹脂の流動圧力により金属配線が変形し、また、金属配線が樹脂の外部に露出するという問題があった。金属配線が変形するとRFIDタグや非接触給電アンテナ部品の性能が劣化し、また、金属配線が樹脂の外部に露出すると静電気の影響を受けやすくなる等、耐環境性が低くなる。
【0004】
この点に関し、特許文献1には、外形寸法精度に優れた非接触式のICカードが開示されている。本文献のICカードは、ベースシート3にアンテナ4とICモジュール5とを組み付けて得られる埋設ブランク1を有し、射出成形された外表層2内に埋設ブランク1の全体をインサート固定してアンテナ4とICモジュール5とをカード内に埋設することにより製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−236480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成では、外表層2は第1表層6と第2表層7とに分けて片面ずつ形成されている。このため、樹脂成形時においてベースシート3が変形しやすい。また、このような構成では、ICカードの面内方向における位置合わせを正確に行うことができない。このため、アンテナ4の三次元的な位置を正確に制御することは困難であり、良好な性能を確保できないおそれがある。
【0007】
そこで本発明は、アンテナ部の変形や外部露出を防いでアンテナ部を定位置に樹脂封止することで、高性能なRFIDタグ、非接触給電アンテナ部品、及び、それらの製造方法、並びに、そのようなRFIDタグや非接触給電アンテナ部品を製造するために用いられる金型を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面としてのRFIDタグは、無線通信を行うRFIDタグであって、リードフレームで形成されたアンテナ部と、前記リードフレームの上に搭載された半導体デバイスと、前記リードフレームの両面に射出成形されて前記半導体デバイスを覆い、凸部を備えた第1の熱可塑性樹脂と、前記第1の熱可塑性樹脂の前記凸部を基準位置として、前記リードフレームの両面に射出成形された第2の熱可塑性樹脂とを有する。
【0009】
本発明の他の側面としてのRFIDタグは、無線通信を行うRFIDタグであって、リードフレームで形成されたアンテナ部と、前記リードフレームの上に搭載された半導体デバイスと、前記リードフレームの両面に射出成形されて前記半導体デバイスを覆う第1の熱可塑性樹脂と、前記第1の熱可塑性樹脂の外面を基準位置として前記リードフレームの両面に射出成形されることにより凹部を備えた第2の熱可塑性樹脂とを有する。
【0010】
本発明の他の側面としての非接触給電アンテナ部品は、起電力を発生させる非接触給電アンテナ部品であって、リードフレームで形成されたアンテナ部と、前記リードフレームの両面に射出成形され、凸部を備えた第1の熱可塑性樹脂と、前記第1の熱可塑性樹脂の前記凸部を基準位置として、前記リードフレームの両面に射出成形された第2の熱可塑性樹脂とを有する。
【0011】
本発明の他の側面としての非接触給電アンテナ部品は、起電力を発生させる非接触給電アンテナ部品であって、リードフレームで形成されたアンテナ部と、前記リードフレームの両面に射出成形された第1の熱可塑性樹脂と、前記第1の熱可塑性樹脂の外面を基準位置として前記リードフレームの両面に射出成形されることにより凹部を備えた第2の熱可塑性樹脂とを有する。
【0012】
本発明の他の側面としてのRFIDタグの製造方法は、無線通信を行うRFIDタグの製造方法であって、リードフレームでアンテナ部を形成する工程と、前記リードフレームの上に半導体デバイスを搭載する工程と、第1の熱可塑性樹脂を射出成形し、前記半導体デバイスを覆って前記リードフレームの両面に凸部を形成する一次成形工程と、前記第1の熱可塑性樹脂の前記凸部の位置を基準として、前記リードフレームの両面に第2の熱可塑性樹脂を射出成形する二次成形工程とを有する。
【0013】
本発明の他の側面としてのRFIDタグの製造方法は、無線通信を行うRFIDタグの製造方法であって、リードフレームでアンテナ部を形成する工程と、前記リードフレームの上に半導体デバイスを搭載する工程と、第1の熱可塑性樹脂を射出成形して前記半導体デバイスを覆う一次成形工程と、前記第1の熱可塑性樹脂の外面の位置を基準として、前記リードフレームの両面に凹部を備えた第2の熱可塑性樹脂を射出成形する二次成形工程とを有する。
【0014】
本発明の他の側面としての非接触給電アンテナ部品の製造方法は、起電力を発生させる非接触給電アンテナ部品の製造方法であって、リードフレームでアンテナ部を形成する工程と、第1の熱可塑性樹脂を射出成形して、前記リードフレームの両面に凸部を形成する成形工程と、前記第1の熱可塑性樹脂の前記凸部の位置を基準として、前記リードフレームの両面に第2の熱可塑性樹脂を射出成形する成形工程とを有する。
【0015】
本発明の他の側面としての非接触給電アンテナ部品の製造方法は、起電力を発生させる非接触給電アンテナ部品の製造方法であって、リードフレームでアンテナ部を形成する工程と、第1の熱可塑性樹脂を射出成形する成形工程と、前記第1の熱可塑性樹脂の外面の位置を基準として、前記リードフレームの両面に凹部を備えた第2の熱可塑性樹脂を射出成形する成形工程とを有する。
【0016】
本発明の他の側面としての金型は、RFIDタグを製造するための金型であって、アンテナ部を形成するリードフレームを第1の面側から押さえ付ける第1の一方金型と、前記リードフレームを前記第1の面とは反対の第2の面側から押さえ付ける第1の他方金型と、前記リードフレームを前記第1の面側から押さえ付ける第2の一方金型と、前記リードフレームを前記第2の面側から押さえ付ける第2の他方金型とを有し、前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型は、半導体デバイスを搭載した前記リードフレームをクランプし、第1の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型は、前記第1の熱可塑性樹脂の成形後の前記リードフレームをクランプし、第2の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型には、前記第2の熱可塑性樹脂の成形時の基準位置となる凸部を前記第1の熱可塑性樹脂に形成するための凹部が設けられている。
【0017】
本発明の他の側面としての金型は、RFIDタグを製造するための金型であって、アンテナ部を形成するリードフレームを第1の面側から押さえ付ける第1の一方金型と、前記リードフレームを前記第1の面とは反対の第2の面側から押さえ付ける第1の他方金型と、前記リードフレームを前記第1の面側から押さえ付ける第2の一方金型と、前記リードフレームを前記第2の面側から押さえ付ける第2の他方金型とを有し、前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型は、半導体デバイスを搭載した前記リードフレームをクランプし、第1の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型は、前記第1の熱可塑性樹脂の成形後の前記リードフレームをクランプし、第2の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型には、前記第1の熱可塑性樹脂の外面を基準位置して第2の熱可塑性樹脂を射出成形するための凸部が設けられている。
【0018】
本発明の他の側面としての金型は、非接触給電アンテナ部品を製造するための金型であって、アンテナ部を形成するリードフレームを第1の面側から押さえ付ける第1の一方金型と、前記リードフレームを前記第1の面とは反対の第2の面側から押さえ付ける第1の他方金型と、前記リードフレームを前記第1の面側から押さえ付ける第2の一方金型と、前記リードフレームを前記第2の面側から押さえ付ける第2の他方金型とを有し、前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型は、前記リードフレームをクランプし、第1の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型は、前記第1の熱可塑性樹脂の成形後の前記リードフレームをクランプし、第2の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型には、前記第2の熱可塑性樹脂の成形時の基準位置となる凸部を前記第1の熱可塑性樹脂に形成するための凹部が設けられている。
【0019】
本発明の他の側面としての金型は、非接触給電アンテナ部品を製造するための金型であって、アンテナ部を形成するリードフレームを第1の面側から押さえ付ける第1の一方金型と、前記リードフレームを前記第1の面とは反対の第2の面側から押さえ付ける第1の他方金型と、前記リードフレームを前記第1の面側から押さえ付ける第2の一方金型と、前記リードフレームを前記第2の面側から押さえ付ける第2の他方金型とを有し、前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型は、前記リードフレームをクランプし、第1の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型は、前記第1の熱可塑性樹脂の成形後の前記リードフレームをクランプし、第2の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型には、前記第1の熱可塑性樹脂の外面を基準位置して第2の熱可塑性樹脂を射出成形するための凸部が設けられている。
【0020】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、アンテナ部の変形や外部露出を防いでアンテナ部を定位置に樹脂封止することで、高性能なRFIDタグ、非接触給電アンテナ部品、及び、それらの製造方法、並びに、そのようなRFIDタグや非接触給電アンテナ部品を製造するために用いられる金型を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1におけるRFIDタグに用いられるリードフレームアンテナ(半導体デバイス実装前)の構成図である。
【図2】実施例1におけるRFIDタグに用いられるリードフレームアンテナ(半導体デバイス実装後)の構成図である。
【図3】実施例1におけるRFIDタグに用いられるリードフレームアンテナ(一次成形後)の構成図である。
【図4】実施例1におけるRFIDタグに用いられるリードフレームアンテナ(二次成形後)の構成図である。
【図5】実施例1におけるリードフレームアンテナの二次成形時に用いられる金型の要部構成図である。
【図6】実施例1におけるリードフレームアンテナの二次成形時に用いられる金型のバリエーションを示す図である。
【図7】実施例1におけるカット後のリードフレームアンテナ(三次成形前のRFIDタグ)の構成図である。
【図8】実施例1における三次成形後のRFIDタグの構成図である。
【図9】実施例1におけるRFIDタグの三次成形時に用いられる金型の要部構成図である。
【図10】実施例2におけるRFIDタグに用いられるリードフレームアンテナ(二次成形後)の構成図である。
【図11】実施例2におけるRFIDタグの二次成形時に用いられる金型の要部構成図である。
【図12】実施例2におけるカット後のリードフレームアンテナ(三次成形前のRFIDタグ)の構成図である。
【図13】実施例2における三次成形後のRFIDタグの構成図である。
【図14】実施例2におけるRFIDタグの三次成形時に用いられる金型の要部構成図である。
【図15】実施例3における非接触給電アンテナ部品に用いられるリードフレームアンテナの構成図である。
【図16】実施例3における非接触給電アンテナ部品に用いられるリードフレームアンテナ(二次成形後)の構成図である。
【図17】実施例3におけるカット後のリードフレームアンテナ(三次成形前の非接触給電アンテナ部品)の構成図である。
【図18】実施例3における三次成形後の非接触給電アンテナ部品の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【実施例1】
【0024】
まず、本発明の実施例1におけるRFIDタグ(Radio Frequency Identification)に用いられるリードフレームの構成について説明する。図1は、本実施例におけるRFIDタグに用いられる(半導体デバイス実装前の)リードフレーム10(リードフレームアンテナ)の構成図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は側面図を示す。
【0025】
リードフレーム10は、例えば0.15mmの厚さを有する銅系又は鉄系の金属からなり、スタンピング(プレス加工)又はエッチング加工により形成される(リードフレーム抜き加工)。リードフレーム10は、このリードフレーム抜き加工により、無線通信を行うRFIDタグのアンテナとして機能するアンテナ部10a、及び、後述の半導体チップを実装するための実装部10bを備えて構成される。リードフレーム10は、不図示の切断工程により個片化されることで、破線に囲まれた領域120が1つのRFIDタグを製造するために用いられることになる。すなわち、図1(a)には、個片化後に3つのRFIDタグに用いられることになるリードフレーム10の部位が示されている。
【0026】
リードフレーム10の領域120において、その中央部に3つの実装部10bが設けられている。また、それぞれの実装部10bからは1つ又は2つのアンテナ部10aが延びており、それぞれのアンテナ部10aは、図1に示されるような複数の曲げ部を備えて構成されている。ただし、本実施例のアンテナ部10a及び実装部10bはこのような個数や形状に限定されるものではなく、他の個数や形状により構成されるものであってもよい。
【0027】
次に、図2を参照して、リードフレーム10上に半導体デバイス30を実装する工程(チップマウント工程)について説明する。図2は、半導体デバイス実装後のリードフレーム10の構成図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図を示す。チップマウント工程では、半導体デバイス30がリードフレーム10の実装部10bの上に実装され、半導体デバイスの四隅において半田32によって接続される。
【0028】
本実施例の半導体デバイス30として、好ましくは、ICチップ(ベアチップ)を樹脂封止した半導体パッケージ(ICパッケージ)が用いられ、特に面実装型半導体パッケージが用いられる。半導体デバイス30として半導体パッケージを用いた場合、例えば以下の三つのメリットがある。すなわち、RFIDタグをクリーンルームで製造する必要はなく、RFIDタグの製造時における製造コストが低くなる。また、半導体デバイス30として良品のみを選択してリードフレーム10の上に実装することができる。さらに、実装部10bにメッキ等の表面処理を行う必要がない。
【0029】
ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、半導体デバイス30としてパッケージ化されていないベアチップを用いてもよい。ベアチップを用いた場合、フリップチップ実装又はワイヤボンディングにより実装部10bとの間の電気的接続をとることができる。
【0030】
次に、図3を参照して、リードフレーム10の一次成形工程について説明する。図3は、一次成形後のリードフレーム10の構成図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は側面図を示す。一次成形では、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂40を用いて、少なくとも、リードフレーム10上に搭載した半導体デバイス30、半田32、及び、実装部10bを樹脂封止する(覆う)。本実施例において、熱硬化性樹脂40による一次成形はポッティング成形により行われる。ただしこれに限定されるものではなく、トランスファモールドや圧縮成形により一次成形を行うこともできる。
【0031】
後述の二次成形で用いられる熱可塑性樹脂は、その溶融温度が200〜300℃であり、二次成形時に半田32の接合が破壊される可能性があるため、融点の高い鉛フリー半田を用いることが望ましい。一方、熱硬化性樹脂の溶融温度は160℃程度であるため、半田32の溶融温度に達しない。このため、熱硬化性樹脂を用いた一次成形を行うことにより、後述の熱可塑性樹脂を用いた樹脂封止の際(二次成形時)に半田32が融けるのを防止することができる。また、熱可塑性による樹脂封止の場合、熱硬化性樹脂の場合よりも射出圧が高い。このため、一次成形を行うことにより、半導体デバイス30とリードフレーム10(実装部10a)との間の接合破壊を防止することができる。さらに、熱可塑性樹脂は、一般的に0.3mm以下の小さな隙間に充填することは困難である。このため、半導体デバイス30とリードフレーム10との間の半田接合部の近傍に空洞(エアだまり)が生じやすい。このような空洞が存在すると、温度変化によるエアの膨張及び収縮により半田接合部が破壊される可能性がある。一方、熱硬化性樹脂は、例えば数μmの小さな隙間にも充填可能である。
【0032】
このように、熱硬化性樹脂40を用いた一次成形は、半導体デバイス30とリードフレーム10との間の接合(半田32)を後述の二次成形時における熱及び射出圧等から保護するために行われる。なお、本実施例において、一次成形に用いられる熱硬化性樹脂40としては例えばエポキシ樹脂が用いられるが、これに限定されるものではなく、フォノール系樹脂やシリコーン系樹脂等を用いてもよい。また、半導体デバイス30の全体を熱硬化性樹脂40で覆う代わりに、半導体デバイス30とリードとの間のみをFC接続及びアンダーフィル成形してもよい。なお、本実施例では、一次成形樹脂として熱硬化性樹脂が用いられるが、半田接続部の信頼性が確保される場合には熱可塑性樹脂を用いてもよい。
【0033】
次に、図4乃至図6を参照して、リードフレーム10の二次成形工程について説明する。図4は、二次成形後のリードフレーム10の構成図であり、図4(a)は側面図、図4(b)は平面図を示す。また図5は、二次成形時に用いられる金型の要部構成図である。図5(a)は一方金型の断面図、図5(b)は一方金型の平面図を示し、図5(b)中のA−A断面は図5(a)に示される断面に相当する。図5(c)は、一方金型と一方金型とでリードフレーム10をクランプし、二次成形(樹脂封止)を行った後の状態を示す。図5(d)は他方金型の平面図、図5(e)は他方金型を示し、図5(d)中のE−E断面は図5(e)に示される断面に相当する。図6は、二次成形時に用いられる金型のバリエーションを示す図であり、図6(a)〜(c)は本実施例における金型を示し、図6(d)〜(f)は本実施例における他の形態の金型を示す。
【0034】
二次成形は、一方金型60(第1の一方金型)と他方金型70(第1の他方金型)とで、半導体デバイス30が搭載されたリードフレーム10(半導体デバイス30が熱硬化性樹脂40で覆われた構成を有するリードフレーム10)をクランプし、熱可塑性樹脂を射出成形することにより行われる。図5(a)、(b)に示されるように、一方金型60は、RFIDタグのパッケージ外形の少なくとも一部を形成するための外形凹部66を備える。また一方金型60は、後述の三次成形後に完成したRFIDタグにおいて、リードフレーム10を変形させることや外部露出させることなく定位置(パッケージ厚さ方向の所定の位置)に配置させることを可能とするための凹部62を備える。本実施例において凹部62は4箇所に設けられているが、これに限定されるものではない。更に、一方金型60は、他方金型70とのクランプ時にリードフレーム10のアンテナ部10aを挟んで固定するための凸部64を備える。本実施例において凸部64は4箇所に設けられているが、これに限定されるものではない。また、一方金型60には、熱可塑性樹脂50(第1の熱可塑性樹脂)を射出するためのスプル67が設けられている。本実施例では、熱可塑性樹脂50としてPP樹脂(ポリプロピレン樹脂)を用いているが、これに限定されるものではなく、弾性を有したエラストマー樹脂等の他の樹脂でもよい。
【0035】
図5(d)、(e)に示されるように、他方金型70は一方金型60と同様に、RFIDタグの外形の少なくとも一部を形成するための外形凹部76を備える。また他方金型70は、後述の三次成形後に完成したRFIDタグにおいて、リードフレーム10を変形させることや外部露出させることなく定位置(パッケージ厚さ方向の所定の位置)に配置させることを可能とするための凹部72を備える。本実施例において凹部72は4箇所に設けられているが、これに限定されるものではない。また本実施例において、他方金型70の凹部72は一方金型60の凹部62と対応する位置に設けられているが、互いに異なる位置に設けてもよい。
【0036】
更に、他方金型70は、一方金型60とのクランプ時にリードフレーム10のアンテナ部10aを挟んで固定するための凸部74を備える。本実施例において凸部74は4箇所に設けられているが、これに限定されるものではない。また、それぞれの凸部74には、クランプ時にアンテナ部10aを挟んで固定するための凹溝75が3箇所形成されている。凹溝75の個数は、アンテナ部10aの形状に応じて適宜変更される。このように凸部74及び凹溝75は、熱可塑性樹脂50の成形時にアンテナ部10aの位置合わせを行うための凹凸部である。
【0037】
一方金型60の凸部64(図6(a))と他方金型70の凸部74(図6(c))は、互いに対応する位置に設けられている。そして、図6(b)に示されるように、リードフレーム10のアンテナ部10aが他方金型70における3箇所の凹溝75に挟んで固定した状態で、一方金型60と他方金型70とでリードフレームがクランプされる。このように、アンテナ部10aを凹溝75の内部に配置して凸部64、74で固定することにより、リードフレーム10の位置合わせを行うため、リードフレーム10を成形樹脂圧から保護しながら安定的に固定した状態で二次成形を行うことができる。
【0038】
このとき、凹溝75は、クランプ時に一方金型60及び他方金型70がアンテナ部10aに当接しないように、リードフレーム10(アンテナ部10a)の厚さよりも0.1mm程度深く構成される。また、凹溝75とアンテナ部10aとの間に二次成形による熱可塑性樹脂50が入り込まないように、凹溝75とアンテナ部10aとの隙間は0.3mm以下、好ましくは0.1〜0.2mm程度以下に設定される。このため、成形時の樹脂流れによるアンテナ部の位置ずれが防止でき、位置精度の高い成形が可能となる。
【0039】
なお、本実施例において、凸部64を有する一方金型60と凸部74を有する他方金型70の代わりに、凸部64aを有する一方金型60a(図6(d))と凸部74aを有する他方金型70a(図6(f))を用いて二次成形を行うこともできる。他方金型70aの凸部74aは、凸部74よりも高くなるように形成されており、凸部74aには凹溝75よりも深い凹溝75aが設けられている。一方金型60aの凸部64aは他方金型70aの凹溝75aに対応する位置に設けられている。また、凸部64aは、凹溝75aの深さよりもアンテナ部10aの厚さ分だけ低い高さで形成されている。図6(e)に示されるように、凹溝75aの内部にアンテナ部10aを配置した状態で一方金型60aと他方金型70aとでリードフレーム10をクランプすることにより、凸部64aの先端部と凹溝75aの底部との間にアンテナ部10aが固定される。このため、一方金型60aと他方金型70aとを用いた場合でも、リードフレーム10を安定的に固定した状態で二次成形を行うことが可能となる。
【0040】
図5(c)に示されるように、スプル67が設けられた一方金型60は、リードフレーム10の第1の面12側(半導体デバイス30の搭載面側)からリードフレーム10を押さえ付ける。他方金型70は、第1の面12とは反対の第2の面14側からリードフレーム10を押さえ付ける。このため、熱可塑性樹脂50は、リードフレーム10の第1の面12側から射出成形される。
【0041】
図4(a)、(b)に示されるように、二次成形後のリードフレーム10では、半導体デバイス30、アンテナ部10a、及び、実装部10bが熱可塑性樹脂50で封止されている。これにより、半導体デバイス30やアンテナ部10aの絶縁性が確保される。二次成形後の熱可塑性樹脂50は、RFIDタグを構成する領域120において、第1の面12及び第2の面14の両側のそれぞれに4箇所の凸部52が設けられている。第1の面12の凸部52は、一方金型60の凹部62に熱可塑性樹脂50を充填することにより形成されている。第2の面14の凸部52は、他方金型70の凹部72に熱可塑性樹脂50を充填することにより形成されている。凸部52は、後述の三次成形時における金型の当接箇所となり、RFIDタグのパッケージ内部におけるリードフレーム10(アンテナ部10a)を所定の位置に高精度に合わせることができる。なお、凸部52の代わりに半球状凸部を形成してもよい。この場合、最終製品である三次成形後のRFIDタグにおいて、二次成形による熱可塑性樹脂(凸部)の露出面積を小さくでき、この凸部の存在を目立たなくすることが可能となる。
【0042】
また、二次成形後の熱可塑性樹脂50には、1つのRFIDタグを構成する領域120において、4箇所の貫通孔54が設けられている。貫通孔54は、二次成形時にアンテナ部10aの位置合わせを行うため、及び、アンテナ部10aの変形を防止するため、一方金型60の凸部64と他方金型70の凸部74の対応箇所に形成される。二次成形時に貫通孔54には樹脂が充填されないため、貫通孔54にはアンテナ部10aの一部が露出している。貫通孔54は、熱可塑性樹脂50の射出成形時にアンテナ部10aの位置合わせを行うための部位であり、後述の三次成形により熱可塑性樹脂56により充填される。
【0043】
続いて、二次成形後のリードフレーム10は、図7に示されるようにカットされて個片化される。図7は、カット後のリードフレームの構成図(三次成形前のRFIDタグの構成図)であり、図7(a)は側面図、図7(b)は平面図を示す。二次成形後のリードフレーム10は、図4(b)に示される吊りリード部16にてカットされ、個片化される。この状態で、吊りリード部16及び貫通孔54のアンテナ部10aのみ露出しており、それ以外の構成要素は熱可塑性樹脂50により覆われている。二次成形後の熱可塑性樹脂50は、側面での外面を構成する凸部55a〜55fを備えている。凸部55a〜55fは、後述の三次成形時の面内方向における位置合わせの基準となり、RFIDタグのパッケージ外形(パッケージ面)を構成する。
【0044】
次に、図8及び図9を参照して、RFIDタグの三次成形工程について説明する。図8は、三次成形後のRFIDタグの構成図であり、図8(a)は側面図、図8(b)は平面図を示す。また図9は、三次成形時に用いられる金型の要部構成図である。図9(a)は一方金型の断面図、図9(b)は一方金型の平面図を示し、図9(a)の断面は、図9(b)中のA−A断面に相当する。図9(c)は、一方金型と一方金型とで二次成形後のRFIDタグをクランプし、三次成形(樹脂封止)を行った後の状態を示す。図9(d)は他方金型の平面図、図9(e)は他方金型を示し、図9(e)の断面は図9(d)中のE−E断面に相当する。
【0045】
三次成形は、一方金型80(第2の一方金型)と他方金型90(第2の他方金型)とで、二次成形後のRFIDタグをクランプし、熱可塑性樹脂を射出成形することにより行われる。図9(a)、(b)に示されるように、一方金型80は、RFIDタグのパッケージ外形を形成するための外形凹部86を備える。図9(d)、(e)に示されるように、他方金型90は一方金型80と同様に、RFIDタグのパッケージ外形を形成するための外形凹部96を備える。なお図9(b)、(d)の平面図には、二次成形後のRFIDタグの参照構造を破線で示している。
【0046】
図9(c)に示されるように、一方金型80は、二次成形後のRFIDタグの第1の面22側(半導体デバイス30の搭載面側)からRFIDタグを押さえ付ける。他方金型90は、第1の面22とは反対の第2の面24側からRFIDタグを押さえ付ける。本実施例における三次成形は、熱可塑性樹脂56(第2の熱可塑性樹脂)を射出成形することにより行われる。熱可塑性樹脂56は、二次成形により成形された熱可塑性樹脂50の凸部52、55a〜55fを基準位置として、リードフレーム(熱可塑性樹脂50)の両面に射出成形される。すなわち熱可塑性樹脂56は、RFIDタグの鉛直方向では凸部52の位置を基準として成形され、面内方向では凸部55a〜55fの位置を基準として成形される。
【0047】
本実施例の三次成形時において、一方金型80の外形凹部86の主面(底面)は、熱可塑性樹脂50で形成された第1の面22の凸部52に当接する。同様に、他方金型90の外形凹部96の主面(底面)は、熱可塑性樹脂50で形成された第2の面24の凸部52に当接する。これにより、三次成形時において、RFIDタグの法線方向(上下方向)におけるアンテナ部10aの位置は、二次成形で両面に形成された凸部52より決定される。また、一方金型80の外形凹部86の側面、及び、他方金型90の外形凹部96の側面は、熱可塑性樹脂50で形成された凸部55a〜55fに当接する。これにより、三次成形時において、RFIDタグの面内方向(縦横方向)におけるアンテナ部の位置は、二次成形で形成された凸部55a〜55fにより決定される。このように、本実施例の三次成形では、二次成形により形成された凸部52及び凸部55a〜55fを鉛直方向及び面内方向における位置合わせの基準とすることができる。また同時に、露出していた吊りリード部16(リード切断部)も熱可塑性樹脂56により覆われる。このため、本実施例の構成によれば、リードフレーム10(アンテナ部10a)の外部露出を確実に防いで樹脂封止を行うことができる。図8(a)、(b)に示されるように、最終製品である三次成形後のRFIDタグのパッケージ外面は、熱可塑性樹脂50及び熱可塑性樹脂56により構成される。
【0048】
三次成形時の熱可塑性樹脂56は、二次成形時の熱可塑性樹脂50と同一種類の樹脂を用いることができる。これにより、RFIDタグのパッケージを構成する2つの熱可塑性樹脂50、56の境界を目立たなくすることができる。ただし、本実施例はこれに限定されるものではなく、異なる種類の樹脂を用いてもよい。例えば、熱可塑性樹脂50、56の誘電率を変化させる必要がある場合等に有効である。
【0049】
このような三次成形(射出成形)により、熱可塑性樹脂56が一方金型80の外形凹部86及び他方金型90の外形凹部96の内部に充填される。三次成形が終了すると、図8(a)、(b)に示されるような、表面にリードフレームの露出の無いRFIDタグが完成する。
【0050】
樹脂封止されたアンテナ部10aは、RFIDタグのパッケージ(熱可塑性樹脂50、56)の厚さ方向における位置に応じて、その性能(通信可能な距離)が異なってくるが、本実施例の構成によれば、パッケージの厚さ方向におけるアンテナ部の位置を確実に制御可能であるため、高性能なRFIDタグを提供することができる。また、アンテナの位置を任意に設定することが可能であるため、二次成形で形成した凸部の高さを変更することにより、アンテナ部をRFIDタグのパッケージの厚さ方向において任意の位置に配置させることができる。なお、図8に示されるRFIDタグは、識別対象物に両面テープ等で接着することにより識別使用される。
【実施例2】
【0051】
次に、本発明の実施例2におけるRFIDタグの構成及びその製造方法について説明する。本実施例において、二次成形前のリードフレーム10(リードフレームアンテナ)の構成及びその製造方法は実施例1と同様であるため、これらの説明は省略する。
【0052】
まず、図10及び図11を参照して、リードフレーム10の二次成形工程について説明する。図10は、二次成形後のリードフレーム10の構成図であり、図10(a)は側面図、図10(b)は平面図を示す。また図11は、二次成形時に用いられる金型の要部構成図である。図11(a)は一方金型の断面図、図11(b)は一方金型の平面図を示し、図11(a)の断面は図11(b)中のA−A断面に相当する。図11(c)は、一方金型と一方金型とでリードフレーム10をクランプし、二次成形(樹脂封止)を行った後の状態を示す。図11(d)は他方金型の平面図、図11(e)は他方金型を示し、図5(e)の断面は図11(d)中のE−E断面に相当する。
【0053】
本実施例の二次成形は、一方金型60a(第1の一方金型)と他方金型70a(第1の他方金型)とで半導体デバイス30が搭載されたリードフレーム10をクランプし、熱可塑性樹脂を射出成形することにより行われる。図11(a)、(b)に示されるように、一方金型60aは、RFIDタグのパッケージ外形の少なくとも一部を形成するための外形凹部66aを備える。本実施例の外形凹部66aは、図11(b)のように平面からみて正方形又は長方形である。また一方金型60aは、他方金型70aと間でリードフレーム10をクランプした時に、リードフレーム10のアンテナ部10aを挟んで固定するための凸部64aを備える。本実施例において凸部64aは4箇所に設けられているが、これに限定されるものではない。また一方金型60aには、熱可塑性樹脂50a(第1の熱可塑性樹脂)を射出するためのスプル67aが設けられている。ただし、本実施例の一方金型60aは、リードフレーム10を定位置(パッケージ厚さ方向の所定の位置)に配置させるための(実施例1の凹部62に相当する)凹部を備えていない。
【0054】
図11(d)、(e)に示されるように、他方金型70aは一方金型60aと同様に、RFIDタグの外形の少なくとも一部を形成するための外形凹部76a(平面からみて正方形又は長方形)を備える。また他方金型70aは、一方金型60aとのクランプ時にリードフレーム10のアンテナ部10aを挟んで固定するための凸部74aを備える。本実施例において凸部74aは4箇所に設けられているが、これに限定されるものではない。また、それぞれの凸部74には、クランプ時にアンテナ部10aを挟んで固定するための凹溝75aが3箇所形成されている。凹溝75aの個数は、アンテナ部10aの形状に応じて適宜変更される。ただし、本実施例の他方金型70aは、リードフレーム10を定位置(パッケージ厚さ方向の所定の位置)に配置させるための(実施例1の凹部72に相当する)凹部を備えていない。
【0055】
図11(c)に示されるように、スプル67aが設けられた一方金型60aは、リードフレーム10の第1の面12側(半導体デバイス30の搭載面側)からリードフレーム10を押さえ付ける。他方金型70は、第1の面12とは反対の第2の面14側からリードフレーム10を押さえ付ける。このため、熱可塑性樹脂50aは、リードフレーム10の第1の面12側から射出成形される。
【0056】
図10(a)、(b)に示されるように、二次成形後のリードフレーム10では、半導体デバイス30、アンテナ部10a、及び、実装部10bが熱可塑性樹脂50aで封止されている。また、本実施例では、二次成形後のよる熱可塑性樹脂50aには凸部が形成されておらず、貫通孔54aが形成されている以外は平面状に構成されている。また、熱可塑性樹脂50aの側面についても、実施例1のような凸部55a〜55fに相当するような凸部が形成されず、平面状となっている。
【0057】
続いて、二次成形後のリードフレーム10は、図12に示されるようにカットされて個片化される。図12は、カット後のリードフレームの構成図(三次成形前のRFIDタグの構成図)であり、図12(a)は側面図、図12(b)は平面図を示す。二次成形後のリードフレーム10は、図10(b)に示される吊りリード部16にてカットされ、個片化される。この状態で、吊りリード部16及び貫通孔54aのアンテナ部10aのみ露出しており、それ以外の構成要素は熱可塑性樹脂50aにより覆われている。
【0058】
次に、図13及び図14を参照して、RFIDタグの三次成形工程について説明する。図13は、三次成形後のRFIDタグの構成図であり、図13(a)は側面図、図13(b)は図13(d)中のB−B断面図、図13(c)は図13(d)中のC−C断面図、図13(d)は平面図を示す。また図14は、三次成形時に用いられる金型の要部構成図である。図14(a)は一方金型の断面図、図14(b)は一方金型の平面図を示し、図14(a)の断面は、図14(b)中のA−A断面に相当する。図14(c)は、一方金型と一方金型とで二次成形後のRFIDタグをクランプし、三次成形(樹脂封止)を行った後の状態を示す。図14(d)は他方金型の平面図、図14(e)は他方金型を示し、図14(e)の断面は図14(d)中のE−E断面に相当する。
【0059】
本実施例の三次成形は、一方金型80a(第2の一方金型)と他方金型90a(第2の他方金型)とで、二次成形後のRFIDタグをクランプし、熱可塑性樹脂を射出成形することにより行われる。図14(a)、(b)に示されるように、一方金型80aは、RFIDタグのパッケージ外形を形成するための外形凹部86aを備える。また一方金型80aは、三次成形時におけるアンテナ部10aの鉛直方向の位置合わせを行うための凸部88が4箇所形成されている。更に、一方金型80aは、三次成形時におけるアンテナ部10aの面内方向の位置合わせを行うための凸部89、89aが、二次成形後のRFIDタグ(領域150)の4つの側面のそれぞれの中央部に当接するように設けられている。
【0060】
図14(d)、(e)に示されるように、他方金型90aは一方金型80aと同様に、RFIDタグのパッケージ外形を形成するための外形凹部96aを備える。また他方金型90aは、三次成形時におけるアンテナ部10aの鉛直方向の位置合わせを行うための凸部98が4箇所形成されている。凸部98は凸部88に対応する位置(鉛直方向から見て重なる位置)に設けられていることが好ましいが、互いに異なる位置に設けてもよい。更に、他方金型90aは、三次成形時におけるアンテナ部10aの面内方向の位置合わせを行うための凸部99、99aが、二次成形後のRFIDタグ(領域150)の4つの側面のそれぞれの中央部に当接するように設けられている。図14(c)に示されるように、一方金型80aと他方金型90aとのクランプ時には、凸部89と凸部99、及び、凸部89aと凸部99aとが互いに当接した状態で、RFIDタグの面内方向での位置合わせが行われて確実に固定される。なお図14(b)、(d)の平面図には、二次成形後のRFIDタグの外形(領域150)及びその参照構造を破線で示している。
【0061】
一方金型80aと他方金型90aとを用いて三次成形を行うと、図13(a)〜(d)に示されるRFIDタグが形成される。三次成形は、熱可塑性樹脂56a(第2の熱可塑性樹脂)を射出成形することにより行われる。三次成形後のRFIDタグは、第1の面22及び第2の面24の両面のそれぞれに4箇所の凹部58が形成されている。凹部58は、一方金型80aの凸部88及び他方金型90aの凸部98により、三次成形時におけるアンテナ部10aの鉛直方向の位置合わせを行う際に形成されたものである。
【0062】
また、三次成形後のRFIDタグには、一方金型80aの凸部89a及び他方金型90aの凸部99aで形成された凹部59aが対辺である2側面の中央部に形成されている。更に、一方金型80aの凸部89及び他方金型90aの凸部99で形成された貫通孔59が、凹部59aが形成された側面とは異なる2側面の中央近傍に形成されている。凹部59a及び貫通孔59は、三次成形時におけるアンテナ部10aの面内方向の位置合わせを行う際に形成されたものである。
【0063】
このように、熱可塑性樹脂56aは、熱可塑性樹脂50aの外面(主面及び側面)を基準位置としてリードフレーム(熱可塑性樹脂50a)の両面に射出成形されることにより形成された凹部58、59a、及び、貫通孔59を備える。すなわち、凹部58によりRFIDタグの主面の鉛直方向における位置合わせが行われ、凹部59a及び貫通孔59により面内方向における位置合わせが行われる。本実施例の構成によっても、アンテナ部を確実に位置合わせすることができるため、高性能なRFIDタグを提供することが可能となる。
【0064】
以上のとおり、実施例1、2のRFIDタグでは、リードフレーム10を用いてアンテナ部10aが形成される。このため、アンテナの断面における厚みが増し、アンテナの小型化を図ることができる。また、半導体デバイス30は熱硬化性樹脂40で覆われているため、半導体デバイス30を効果的に保護することが可能である。また、RFIDタグは熱可塑性樹脂50、56(熱可塑性樹脂50a、56a)を用いて外装されている。このため、耐性(耐衝撃性、耐候性、耐水性)に優れたRFIDタグを提供することができる。また、上記各実施例のRFIDタグの製造方法によれば、外装樹脂(熱可塑性樹脂50、56、熱可塑性樹脂50a、56a)の厚み方向(鉛直方向)及び面内方向におけるアンテナ部の位置を制御することができ、アンテナ部を適切な位置に配置させることが可能となる。
【実施例3】
【0065】
次に、本発明の実施例3における非接触給電アンテナ部品の構成及びその製造方法について説明する。本実施例の非接触給電アンテナ部品は、起電力を発生させる非接触給電アンテナ部品であり、非接点充電器などに用いられる。
【0066】
本実施例の非接触給電アンテナ部品には、実施例1、2のRFIDタグのように半導体デバイスは搭載されていない。このため、本実施例では、実施例1、2で説明される一次成形は実行されず、アンテナを保護するとともにアンテナの位置制御を行うための二次成形、及び、最終製品である非接触給電アンテナ部品の外形を決定するための三次成形のみが実行される。
【0067】
まず、図15を参照して、本実施例における非接触給電アンテナ部品に用いられるリードフレーム(リードフレームアンテナ)の構成について説明する。図15は、本実施例における非接触給電アンテナ部品に用いられるリードフレーム100の構成図であり、図15(a)は平面図、図15(b)は側面図を示す。リードフレーム100は、実施例1、2のリードフレーム10と同様に、例えば0.15mmの厚さを有する銅系又は鉄系の金属からなり、スタンピング(プレス加工)又はエッチング加工により形成される。またリードフレーム100は、非接触給電アンテナとして機能するアンテナ部100aを備えて構成される。ただし、本実施例のアンテナ部100aは図15(a)に示されるような形状に限定されるものではなく、他の形状により構成されるものであってもよい。
【0068】
リードフレーム100は、不図示の切断工程により個片化されることで、破線に囲まれた領域220が1つの非接触給電アンテナ部品を製造するために用いられることになる。すなわち、図15(a)には、個片化後に3つの非接触給電アンテナ部品に用いられることになるリードフレーム100の部位が示されている。
【0069】
次に、図16を参照して、リードフレーム100の二次成形工程について説明する。図16は、二次成形後のリードフレーム100の構成図であり、図16(a)は側面図、図16(b)は平面図を示す。本実施例の二次成形は、実施例2と同様に、第1の一方金型及び第1の他方金型(不図示)でリードフレーム100をクランプし、熱可塑性樹脂を射出成形することにより行われる。
【0070】
第1の一方金型及び第2の他方金型は、非接触給電アンテナ部品のパッケージ外形の少なくとも一部を形成するための外形凹部を備える。また、これらの金型は、リードフレーム100をクランプした時に、リードフレーム100のアンテナ部100aを挟んで固定するための凸部を備える。第1の一方金型及び第1の他方金型の凸部の少なくとも一方には、クランプ時にアンテナ部100aを挟んで固定するための凹溝が形成されている。凹溝の個数は、アンテナ部100aの形状に応じて適宜変更される。
【0071】
一方金型は、リードフレーム100の第1の面320側からリードフレーム100を押さえ付ける。他方金型は、第1の面320とは反対の第2の面340側からリードフレーム100を押さえ付ける。このようにリードフレーム100をクランプして、リードフレーム100に対して熱可塑性樹脂500(第1の熱可塑性樹脂)を射出成形する。
【0072】
図16(a)、(b)に示されるように、二次成形後のリードフレーム100では、アンテナ部100aが熱可塑性樹脂500で封止されている。また本実施例では、二次成形後の熱可塑性樹脂500は平面状であり、所定の位置において貫通孔540が形成されている。貫通孔540は、金型によるクランプ時(二次成形時)にアンテナ部100aが変形するのを防止するため、金型の凸部(凹溝が形成された凸部)でアンテナ部100aを押えたことにより形成されたものである。
【0073】
続いて、二次成形後のリードフレーム100は、図17に示されるようにカットされて個片化される。図17は、カット後のリードフレームの構成図(三次成形前の非接触給電アンテナ部品の構成図)であり、図17(a)は側面図、図17(b)は平面図を示す。二次成形後のリードフレーム100は、図17(b)に示される4箇所の吊りリード部160にてカットされ、個片化される。この状態で、吊りリード部160及び貫通孔540のアンテナ部100aのみ露出しており、それ以外の構成要素は熱可塑性樹脂500により覆われている。
【0074】
次に、図18を参照して、非接触給電アンテナ部品の三次成形工程について説明する。図18は、三次成形後の非接触給電アンテナ部品の構成図であり、図18(a)は側面図、図18(b)は平面図を示す。本実施例の三次成形は、第2の一方金型と第2の他方金型(不図示)とで、二次成形後の非接触給電アンテナ部品をクランプし、熱可塑性樹脂560(第二の熱可塑性樹脂)を射出成形することにより行われる。
【0075】
第2の一方金型及び第2の他方金型は、非接触給電アンテナ部品のパッケージ外形を形成するための外形凹部を備える。また、これらの金型は、三次成形時におけるアンテナ部100aの鉛直方向の位置合わせを行うための凸部が2箇所形成されている。更に、これらの金型は、三次成形時におけるアンテナ部100aの面内方向の位置合わせを行うための凸部が、二次成形後の非接触給電アンテナ部品の4つの側面のそれぞれの中央部に当接するように設けられている。このため、クランプ時に、それぞれの凸部が互いに当接した状態で、非接触給電アンテナ部品の面内方向での位置合わせが行われて確実に固定される。
【0076】
三次成形は、熱可塑性樹脂560(第2の熱可塑性樹脂)を射出成形することにより行われる。図18(a)、(b)に示されるように、三次成形後の非接触給電アンテナ部品は、第1の面420及び第2の面440の両面のそれぞれに2箇所の凹部580が形成されている。凹部580は、第2の一方金型及び第2の他方金型のそれぞれ2箇所に設けられた凸部により、三次成形時におけるアンテナ部100aの鉛直方向の位置合わせを行う際に形成されたものである。
【0077】
また、三次成形後の非接触給電アンテナ部品には、第2の一方金型及び第2の他方金型のそれぞれ4つの凸部により、2つの貫通孔590及び2つの凹部が形成されている。貫通孔590及び凹部590aは、三次成形時におけるアンテナ部100aの面内方向の位置合わせを行う際に形成されたものである。
【0078】
このように、熱可塑性樹脂560は、熱可塑性樹脂500の外面(主面及び側面)を基準位置としてリードフレーム(熱可塑性樹脂500)の両面に射出成形されることにより形成された凹部580、590a、及び、貫通孔590を備える。すなわち、凹部580により非接触給電アンテナ部品の主面の鉛直方向における位置合わせが行われ、貫通孔590及び凹部590aにより面内方向における位置合わせが行われる。本実施例の構成によれば、アンテナ部を確実に位置合わせすることができるため、高性能な非接触給電アンテナ部品を提供することが可能となる。
【0079】
また、本実施例の非接触給電アンテナ部品には、貫通孔550が形成されている。貫通孔550により、アンテナ部100aを接続するための露出部170aが構成される。また、1つの吊りリード部160も、アンテナ接続用の露出部170bを構成する。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、露出部170a、170bのうち少なくとも一方のみを露出させるように構成してもよい。また、露出部170aを露出部170bと同様に非接触給電アンテナ部品の外側に露出させてもよい。
【0080】
なお、本実施例の二次成形及び三次成形にて用いられる金型は、実施例2の金型と同様の特徴を有する金型であるが、これに限定されるものではなく、本実施例の非接触給電アンテナ部品は、実施例1の金型と同様の特徴を有する金型を用いて製造することもできる。本実施例の金型は、実施例2と同様の特徴を有する金型であるが、実施例1と同様の特徴を有する金型を用いてもよい。
【0081】
以上のとおり、本実施例の非接触給電アンテナ部品では、リードフレーム100を用いてアンテナ部100aが形成される。このため、アンテナの断面における厚みが増し、アンテナの小型化を図ることができる。また、非接触給電アンテナ部品は熱可塑性樹脂500、560を用いて外装されている。このため、耐性(耐衝撃性、耐候性、耐水性)に優れた非接触給電アンテナ部品を提供することができる。また、本実施例の非接触給電アンテナ部品の製造方法によれば、外装樹脂(熱可塑性樹脂500、560)の厚み方向(鉛直方向)及び面内方向におけるアンテナ部の位置を制御することができ、アンテナ部を適切な位置に配置させることが可能となる。
【0082】
上記各実施例によれば、アンテナ部の変形や外部露出を防いでアンテナ部を定位置に樹脂封止することで、高性能なRFIDタグ、非接触給電アンテナ部品、及びそれらの製造方法、並びに、そのようなRFIDタグ又は非接触給電アンテナ部品を製造するために用いられる金型を提供することができる。
【0083】
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
【0084】
例えば、実施例1および実施例2のRFIDタグにおいて、半導体デバイスは熱硬化性樹脂で覆われているが、これに限定されるものではなく、半導体デバイスを熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂)で直接覆ってもよい。このように実施例1および実施例2では、熱硬化性樹脂を用いることなく、熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂、第2の熱可塑性樹脂)のみを用いてRFIDタグを構成することもできる。この場合、第1の熱可塑性樹脂は一次成形工程にて成形され、第2の熱可塑性樹脂は二次成形工程にて成形される。
【0085】
また、実施例1では第1の熱可塑性樹脂による成形よってRFID側が凸部になり、実施例2では第1の熱可塑性樹脂による成形よってRFID側が凹部となっているが、第1の熱可塑性樹脂による成形はRFID側に凹凸部を組み合わせてもよく、第2の熱可塑性樹脂の基準が第1の熱可塑性樹脂によって成形されればよい。
【符号の説明】
【0086】
10、100 リードフレーム
10a、100a アンテナ部
10b 実装部
30 半導体デバイス
32 半田
40 熱硬化性樹脂
50、500 熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂)
56、560 熱可塑性樹脂(第2の熱可塑性樹脂)
60 一方金型(二次成形用)
70 他方金型(二次成形用)
80 一方金型(三次成形用)
90 他方金型(三次成形用)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行うRFIDタグであって、
リードフレームで形成されたアンテナ部と、
前記リードフレームの上に搭載された半導体デバイスと、
前記リードフレームの両面に射出成形されて前記半導体デバイスを覆い、凸部を備えた第1の熱可塑性樹脂と、
前記第1の熱可塑性樹脂の前記凸部を基準位置として、前記リードフレームの両面に射出成形された第2の熱可塑性樹脂と、を有することを特徴とするRFIDタグ。
【請求項2】
無線通信を行うRFIDタグであって、
リードフレームで形成されたアンテナ部と、
前記リードフレームの上に搭載された半導体デバイスと、
前記リードフレームの両面に射出成形されて前記半導体デバイスを覆う第1の熱可塑性樹脂と、
前記第1の熱可塑性樹脂の外面を基準位置として前記リードフレームの両面に射出成形されることにより凹部を備えた第2の熱可塑性樹脂と、を有することを特徴とするRFIDタグ。
【請求項3】
前記第1の熱可塑性樹脂には、該第1の熱可塑性樹脂の射出成形時に前記アンテナ部の位置合わせを行うための部位が形成されており、
前記部位は、前記第2の熱可塑性樹脂により充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記RFIDタグのパッケージ外面は、前記第1の熱可塑性樹脂及び前記第2の熱可塑性樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項5】
前記半導体デバイスは、ベアチップを樹脂封止して形成された半導体パッケージであり、
前記半導体パッケージは、半田によって前記リードフレームの実装部に接続され、
前記半導体パッケージは、熱硬化性樹脂により覆われていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項6】
起電力を発生させる非接触給電アンテナ部品であって、
リードフレームで形成されたアンテナ部と、
前記リードフレームの両面に射出成形され、凸部を備えた第1の熱可塑性樹脂と、
前記第1の熱可塑性樹脂の前記凸部を基準位置として、前記リードフレームの両面に射出成形された第2の熱可塑性樹脂と、を有することを特徴とする非接触給電アンテナ部品。
【請求項7】
起電力を発生させる非接触給電アンテナ部品であって、
リードフレームで形成されたアンテナ部と、
前記リードフレームの両面に射出成形された第1の熱可塑性樹脂と、
前記第1の熱可塑性樹脂の外面を基準位置として前記リードフレームの両面に射出成形されることにより凹部を備えた第2の熱可塑性樹脂と、を有することを特徴とする非接触給電アンテナ部品。
【請求項8】
無線通信を行うRFIDタグの製造方法であって、
リードフレームでアンテナ部を形成する工程と、
前記リードフレームの上に半導体デバイスを搭載する工程と、
第1の熱可塑性樹脂を射出成形し、前記半導体デバイスを覆って前記リードフレームの両面に凸部を形成する一次成形工程と、
前記第1の熱可塑性樹脂の前記凸部の位置を基準として、前記リードフレームの両面に第2の熱可塑性樹脂を射出成形する二次成形工程と、を有することを特徴とするRFIDタグの製造方法。
【請求項9】
無線通信を行うRFIDタグの製造方法であって、
リードフレームでアンテナ部を形成する工程と、
前記リードフレームの上に半導体デバイスを搭載する工程と、
第1の熱可塑性樹脂を射出成形して前記半導体デバイスを覆う一次成形工程と、
前記第1の熱可塑性樹脂の外面の位置を基準として、前記リードフレームの両面に凹部を備えた第2の熱可塑性樹脂を射出成形する二次成形工程と、を有することを特徴とするRFIDタグの製造方法。
【請求項10】
前記一次成形工程は、前記第1の熱可塑性樹脂の射出成形時に前記アンテナ部の位置合わせを行うための貫通孔を形成し、
前記二次成形工程は、前記貫通孔を前記第2の熱可塑性樹脂により充填することを特徴とする請求項8又は9に記載のRFIDタグの製造方法。
【請求項11】
前記二次成形工程は、前記第1の熱可塑性樹脂及び前記第2の熱可塑性樹脂により前記RFIDタグのパッケージ外面を形成することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項12】
前記半導体デバイスは、ベアチップを樹脂封止して形成された半導体パッケージであり、
前記半導体デバイスは、熱硬化性樹脂により覆われていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のRFIDタグの製造方法。
【請求項13】
起電力を発生させる非接触給電アンテナ部品の製造方法であって、
リードフレームでアンテナ部を形成する工程と、
第1の熱可塑性樹脂を射出成形して、前記リードフレームの両面に凸部を形成する成形工程と、
前記第1の熱可塑性樹脂の前記凸部の位置を基準として、前記リードフレームの両面に第2の熱可塑性樹脂を射出成形する成形工程と、を有することを特徴とする非接触給電アンテナ部品の製造方法。
【請求項14】
起電力を発生させる非接触給電アンテナ部品の製造方法であって、
リードフレームでアンテナ部を形成する工程と、
第1の熱可塑性樹脂を射出成形する成形工程と、
前記第1の熱可塑性樹脂の外面の位置を基準として、前記リードフレームの両面に凹部を備えた第2の熱可塑性樹脂を射出成形する成形工程と、を有することを特徴とする非接触給電アンテナ部品の製造方法。
【請求項15】
RFIDタグを製造するための金型であって、
アンテナ部を形成するリードフレームを第1の面側から押さえ付ける第1の一方金型と、
前記リードフレームを前記第1の面とは反対の第2の面側から押さえ付ける第1の他方金型と、
前記リードフレームを前記第1の面側から押さえ付ける第2の一方金型と、
前記リードフレームを前記第2の面側から押さえ付ける第2の他方金型と、を有し、
前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型は、半導体デバイスを搭載した前記リードフレームをクランプし、第1の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、
前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型は、前記第1の熱可塑性樹脂の成形後の前記リードフレームをクランプし、第2の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、
前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型には、前記第2の熱可塑性樹脂の成形時の基準位置となる凸部を前記第1の熱可塑性樹脂に形成するための凹部が設けられている、ことを特徴とする金型。
【請求項16】
RFIDタグを製造するための金型であって、
アンテナ部を形成するリードフレームを第1の面側から押さえ付ける第1の一方金型と、
前記リードフレームを前記第1の面とは反対の第2の面側から押さえ付ける第1の他方金型と、
前記リードフレームを前記第1の面側から押さえ付ける第2の一方金型と、
前記リードフレームを前記第2の面側から押さえ付ける第2の他方金型と、を有し、
前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型は、半導体デバイスを搭載した前記リードフレームをクランプし、第1の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、
前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型は、前記第1の熱可塑性樹脂の成形後の前記リードフレームをクランプし、第2の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、
前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型には、前記第1の熱可塑性樹脂の外面を基準位置して第2の熱可塑性樹脂を射出成形するための凸部が設けられている、ことを特徴とする金型。
【請求項17】
前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型には、前記第1の熱可塑性樹脂の成形時に前記アンテナ部の位置合わせを行うための凹凸部が設けられていることを特徴とする請求項15又は16に記載の金型。
【請求項18】
非接触給電アンテナ部品を製造するための金型であって、
アンテナ部を形成するリードフレームを第1の面側から押さえ付ける第1の一方金型と、
前記リードフレームを前記第1の面とは反対の第2の面側から押さえ付ける第1の他方金型と、
前記リードフレームを前記第1の面側から押さえ付ける第2の一方金型と、
前記リードフレームを前記第2の面側から押さえ付ける第2の他方金型と、を有し、
前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型は、前記リードフレームをクランプし、第1の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、
前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型は、前記第1の熱可塑性樹脂の成形後の前記リードフレームをクランプし、第2の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、
前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型には、前記第2の熱可塑性樹脂の成形時の基準位置となる凸部を前記第1の熱可塑性樹脂に形成するための凹部が設けられている、ことを特徴とする金型。
【請求項19】
非接触給電アンテナ部品を製造するための金型であって、
アンテナ部を形成するリードフレームを第1の面側から押さえ付ける第1の一方金型と、
前記リードフレームを前記第1の面とは反対の第2の面側から押さえ付ける第1の他方金型と、
前記リードフレームを前記第1の面側から押さえ付ける第2の一方金型と、
前記リードフレームを前記第2の面側から押さえ付ける第2の他方金型と、を有し、
前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型は、前記リードフレームをクランプし、第1の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、
前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型は、前記第1の熱可塑性樹脂の成形後の前記リードフレームをクランプし、第2の熱可塑性樹脂を射出成形するために用いられ、
前記第2の一方金型及び前記第2の他方金型には、前記第1の熱可塑性樹脂の外面を基準位置して第2の熱可塑性樹脂を射出成形するための凸部が設けられている、ことを特徴とする金型。
【請求項20】
前記第1の一方金型及び前記第1の他方金型には、前記第1の熱可塑性樹脂の成形時に前記アンテナ部の位置合わせを行うための凹凸部が設けられていることを特徴とする請求項18又は19に記載の金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−190429(P2012−190429A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107005(P2011−107005)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000144821)アピックヤマダ株式会社 (194)
【Fターム(参考)】