説明

きしる音の防止及びラトル音の防止機能を有するエネルギー吸収体

【課題】バズ音、きしる音及び/又はラトル音を引き起こす動きを緩衝する。
【解決手段】エネルギー吸収体10は、ベースシート12とベースシート12から延びる複数のクラッシュローブ11とを有する。各クラッシュローブ11は、第1の方向に衝撃を受けたときにエネルギーを吸収するために圧壊し潰れるように方向づけられた側壁と、端部壁16とを有する。ベースシート12と少なくとも1つのクラッシュローブ11の端部壁との少なくとも一方は、クラッシュローブよりも自立強度が低い一体的に形成された突出する対策部15を有し、それにより、突出する対策部15は、端部壁と隣接構造体との間にバズ音、きしる音、及び/又はラトル音を引き起こす動きを緩衝するように作用する。対策部15は、一体的に形成することが可能であり、又は磁石もしくは他のインサートなどのインサートとすることも可能である。上記に関する方法についても記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、「きしる音(squeak)の防止及びラトル音(rattle)の防止機能を有するエネルギー吸収体(ENERGY ABSORBER WITH ANTI−SQUEAK ANTI−RATTLE FEATURE)」の表題で2009年3月30日に出願された米国仮特許出願第61/164,700号による利益を主張するものであり、当該出願の全内容は、本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、乗用の乗物においてエネルギーを吸収するためなどに用いられるエネルギー吸収体に関する。しかしながら、本開示は、乗用の乗物のみに限定されるとみられるものではない。
【背景技術】
【0003】
多くの異なる形状の熱成形エネルギー吸収体が既知であり、それらには、特許文献1〜14において図示及び説明されたものなどがある。これらの形状のものによって与えられる動的な力対撓みの曲線は、撓みの関数として力の特性を比較した場合、比較的「方形波」の形状となることが証明されている。
これらの成形エネルギー吸収体は、自動車へ適用する際、クラスA表面(バンパフェイシア、ヘッドライナ、又はドアトリムパネル等)と剛性を有するシートメタル構造体との間に配置されることが多い。エネルギー吸収体は、通常、一方の表面に3〜5mmの間隙を伴って他方に取り付けられるように設計される。しかしながら、場合によっては、通常の運転中に非取付表面が他方の表面に近付くように、エネルギー吸収体の全体の深さを増加させることが必要となる。さらに、製品のばらつきにより、一部の領域が最適な間隙の距離よりも近くなることがある。車両の要素及び車両に関連のある要素の移動及び慣性などによりエネルギー吸収体が対向する表面に軽く接触すると、顧客が嫌う又は不快に感じるバズ音(buzz)、ラトル音又はきしる音が聞こえることがある。このノイズは、平坦な硬い樹脂の表面が対向する構造体をたたく又は構造体に対して摺動することが原因で生じる。
【0004】
この問題の解決するために、エネルギー吸収体にものが付加される、又はエネルギー吸収体に隣接してものが配置されることがある。例えば、従来、バズ音或いはたたき音の激しさを軽減する若しくは除去するために、及び/又は、一方の表面が他方に向かって移動する(若しくは他方に交差するように移動してきしる音を引き起こす)可能性の排除するために、布製のパッド、フロック材、発泡材を詰めもの、又は他の種類の可撓性のある材料が、ノイズの原因となる表面の一方に付加されてきた。しかしながら、このためには別の要素の購入及び組み立てが必要であり、複雑さ、コスト、及び質量が増加してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,017,084号明細書
【特許文献2】米国特許第6,221,292号明細書
【特許文献3】米国特許第6,199,942号明細書
【特許文献4】米国特許第6,247,745号明細書
【特許文献5】米国特許第6,679,967号明細書
【特許文献6】米国特許第6,682,128号明細書
【特許文献7】米国特許第6,752,450号明細書
【特許文献8】米国特許第7,360,822号明細書
【特許文献9】米国特許第7,377,577号明細書
【特許文献10】米国特許第7,384,095号明細書
【特許文献11】米国特許第7,404,593号明細書
【特許文献12】米国特許第7,625,024号明細書
【特許文献13】米国特許第7,628,444号明細書
【特許文献14】米国特許第7,625,036号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様において、エネルギー吸収体は、ベースシートとベースシートから延びる複数のクラッシュローブとを有する。各クラッシュローブは、第1の方向に衝撃を受けたときにエネルギーを吸収するために圧壊し潰れるように方向づけられた側壁と、端部壁とを有する。ベースシートと少なくとも1つのクラッシュローブの端部壁との少なくとも一方は、クラッシュローブよりも自立強度が低い一体的に形成された突出する対策部を有し、それにより、突出する対策部は、端部壁と隣接する構造との間にバズ音、きしる音及び/又はラトル音を引き起こす動きを緩衝するように作用する。
【0007】
他の目的は、最終的な組立体の重量を増加させないBSR対策部を提供することである。
【0008】
他の目的は、吸収体自体のエネルギー吸収特性に著しく影響しないBSR対策部を提供することである。
【0009】
本発明の他の態様において、エネルギー吸収体は、ベースシートとベースシートから延びる複数のクラッシュローブとを備え、各クラッシュローブは、第1の方向に衝撃を受けたときにエネルギーを吸収するために圧壊し潰れるように方向づけられた側壁と、端部壁とを有し、端部壁は、クラッシュローブよりも自立強度が低い一体的に形成された対策部を有し、対策部は、クラッシュローブから離れる方向に延び、それにより、対策部は、緩衝されなければエネルギー吸収体と隣接する構造との間にバズ音、きしる音及び/又はラトル音を引き起こす動きを緩衝するように作用する。
【0010】
本発明の他の態様において、方法は、ベースシートとベースシートから高さ寸法をもって延びるクラッシュローブとを有するエネルギー吸収体を形成するステップと、クラッシュローブよりも自立強度が弱く且つ高さ寸法の外側に延びる、一体的な対策部を形成するステップとを含む。
【0011】
本発明の他の態様において、空洞を間に画定する2つの組立要素の間の空間を塞ぐための、加熱された高分子材料のシートから熱成形された熱成形要素が提供され、空洞は、厚さ方向と厚さ方向に対してほぼ直交する長手方向とを有する。熱成形要素は、ベースシートとベースシートから延びる複数の熱成形構造体とを備え、各熱成形構造体は、ほぼ厚さ方向に延びる側壁と、ほぼ直交方向に延びて端部壁を含む少なくとも1つの壁部とを有し、端部壁は、熱成形構造体よりも自立強度が低い一体的に形成された対策部を有し、対策部は、ほぼ厚さ方向に沿う方向において熱成形構造から離れるように延び、それにより、対策部は、緩衝されなければ熱成形要素と2つの組立要素の一方との間にバズ音、きしる音及び/又はラトル音を引き起こす動きを緩衝するように作用する。
【0012】
本発明の他の態様において、方法は、要素を供給するステップと、クラッシュローブとクラッシュローブの1つの端部における少なくとも1つの対策部とを有するエネルギー吸収体を形成するステップであって、対策部は、隣接して配置されたときに要素に係合するか又は要素を引き付け、それにより、エネルギー吸収体の隣接する部品に対する動きによって引き起こされるバズ音、きしる音及びラトル音が除去されるように構成されている、ステップと、バズ音、きしる音又はラトル音を引き起こす動きを対策部が防止している状態で、エネルギー吸収体と要素とを互いに隣接する位置に組み付けるステップとを含む。
【0013】
本発明のさらに他の態様において、熱成形装置は、高分子材料の平坦なシートを加熱するためのヒータと、平坦なシートを、ベースシート及び複数のクラッシュローブを有する三次元エネルギー吸収体に成形するための少なくとも1つの熱成形ダイと、ベースシート及びクラッシュローブの少なくとも一方にBSR対策部を形成するための金型とを備える。
【0014】
本発明のこれら及び他の、態様、目的及び特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲及び添付の図面を検討することで当業者により理解及び認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】複数の突出したクラッシュローブを有するエネルギー吸収体にシートを成形する対向した熱成形ダイの断面図であり、各クラッシュローブが、設置した際にバズ音、きしる音及びラトル音(BSR)を低減するための一体的な対策部をベースシート上に有するものである。
【図2】図1の熱成形エネルギー吸収体を示す断面図である。
【図3】乗用の乗物のルーフ構造内の設置位置におけるエネルギー吸収体を示す断面図である。
【図4】エネルギー吸収体の変形例の断面図であり、図1と同様であるが、BSR対策部がクラッシュローブの上端に形成されているものである。
【図4A】図4と同様のものであるが、金型を変更したものである。
【図5】エネルギー吸収体の変形例の断面図であり、図2と同様であるが、BSR対策部がクラッシュローブの上端に形成されているものである。
【図6】エネルギー吸収体の変形例の断面図であり、図3と同様であるが、BSR対策部がクラッシュローブの上端に形成されているものである。
【図7】エネルギー吸収体の変形例の断面図であり、図1と同様であるが、BSR対策部がクラッシュローブの上端に形成されているものである。
【図8】エネルギー吸収体の変形例の断面図であり、図2と同様であるが、BSR対策部がクラッシュローブの上端に形成されているものである。
【図9】エネルギー吸収体の変形例の断面図であり、図3と同様であるが、BSR対策部がクラッシュローブの上端に形成されているものである。
【図10】クラッシュローブを有する熱成形エネルギー吸収体の断面図であり、熱成形された当初のエネルギー吸収体を示すものである。
【図11】クラッシュローブを有する熱成形エネルギー吸収体の断面図であり、二次パンチ(すなわち熱成形ラインにおける下流に位置するパンチ金型)を示すものである。
【図12】クラッシュローブを有する熱成形エネルギー吸収体の断面図であり、一体的なBSR対策部を有する図10のエネルギー吸収体を示すものである。
【図13】図10と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有するエネルギー吸収体の変形例の断面図である。
【図14】図11と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有するエネルギー吸収体の変形例の断面図である。
【図15】図12と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有するエネルギー吸収体の変形例の断面図である。
【図16】図14と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有するクラッシュローブを示すものである。
【図17】図15と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有するクラッシュローブを示すものである。
【図18】図14と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有するクラッシュローブを示すものである。
【図19】図15と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有するクラッシュローブを示すものである。
【図20】図10と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有する吸収体の変形例の断面図である。
【図21】図11と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有する吸収体の変形例の断面図である。
【図22】図12と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有する吸収体の変形例の断面図である。
【図23】図10と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有する吸収体の変形例の断面図である。
【図24】図11と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有する吸収体の変形例の断面図である。
【図25】図12と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有する吸収体の変形例の断面図である。
【図26】図10と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有する吸収体の変形例の断面図である。
【図27】図11と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有する吸収体の変形例の断面図である。
【図28】図12と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有する吸収体の変形例の断面図である。
【図29】図10と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有する吸収体の変形例の断面図である。
【図30】図11と同様であるが、別の形状のBSR対策部を有する吸収体の変形例の断面図である。
【図31】別のBSR対策部を有するエネルギー吸収体の代替変形例の上面図であり、対策部が磁石を含んでいるものである。
【図32】他の別のBSR対策部を有するエネルギー吸収体の代替変形例の断面図であり、対策部が磁石を含んでいるものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面及び以下の説明において示すいくつかの変形例により示されるように、部品の通常の製造工程において、「軟質」対策構造(本明細書では「BSR対策部」と呼ぶ)は、エネルギー吸収体の既存のものにおけるバズ音、きしる音又はラトル音(「BSRノイズ」と呼ぶ)が生じ得る箇所に、一体的に形成する、又はその中に埋め込む(trim)、又は取り付けることが可能であると考えられる。BSR対策部は、BSR対策部が使われるクラッシュローブよりも相対的に低い長手方向/自立の強度を有する。それにより、BSR対策部は、緩衝体として作用し、それ故、最終的な組立製品(すなわち、この場合は乗用の乗物)において著しいバズ音、きしる音及び/又はラトル音のノイズが生じる可能性が大幅に低減される。さらに、金型及び/又は部品製造のコストをほとんど増加させずに、大幅な組立コストの低減及び質量の低減を実現することができる。特に、ヘッドライナの構成について以下で説明する。しかしながら、当業者には、本開示が、ヘッドライナのみに限定されるものではなく、乗物の乗員室における他の箇所(例えば乗物のドア、計器盤、A、B及びCピラー用のトリム構成要素及びルーフ支持構造、並びに、他の構成要素)を含むがそれらに限定されない他の多くの用途に適用することが可能であることが理解されよう。
【0017】
図示のエネルギー吸収体10(図1〜図3)は、ベースシート12から延びる複数の中空の(カップ形状又は台形台形状をした)三次元的なクラッシュローブ11(crush lobe)を行列状に含み、クラッシュローブ11の各々がその上にBSR対策部15を有する。クラッシュボックスは、所望のいずれの形態にも配置することができ、例えば、乗物の乗員室の左から右及び前から後への乗物のルーフの領域を部分的又は全体的に覆う平行な行及び列からなる直交の行列状又は斜交の行列状とすることができる。さらに、クラッシュローブ11は、互いに同じようにすることができ、又は異なる幅、高さ及び/若しくは異なる断面形状(これらはベースシートに対して平行若しくは垂直である)を有するように変えることができる。さらに、これらクラッシュローブ11は、均一な或いは不均一な間隔、及び/若しくは様々な異なる横方向の関係を有することができ、並びに/又は、部品の様々な異なる領域でのエネルギー吸収のために所望に応じてルーフ及びはめ合い構造体を適合させるように変化させてもよい。例えば、エネルギー吸収体10は、様々な異なる領域を有し、それらのうちのいくつかの領域は、第1の方法で配置又は構成されたクラッシュローブを有し、それらのうちの他の領域は、第2の異なる方法で配置又は構成されたクラッシュローブを有してもよい。このことは、当業者に理解されるように、乗物のルーフ構造において用いられるエネルギー吸収体によく見られる状況である。
【0018】
図示のエネルギー吸収体10は、対向する成形ダイ17及び18(図1参照)により高分子材料からなる加熱された平坦なシートから三次元形状に熱成形され、次いで冷却されることで三次元な機能要素(図2参照)を形成する。対向する成形ダイ17及び18を図示したが、本発明の概念は、片面のダイのみを用いる熱成形方法(真空熱成形等)などの他の成形方法において用いることも可能であると考えられる。また、本発明の概念は、例えば射出成形、圧縮成形などの他の成形方法において用いることも可能である。
【0019】
成形後、図示のエネルギー吸収体10は、乗物のヘッドライナ13とそのルーフ14(図3参照)との間の間隙に嵌り、ほぼ合致するように構成されており、その際、クラッシュローブ11及びベースシート12が、ヘッドライナ13とルーフ14との間の空間を塞ぐように通常構成され、クラッシュローブ11の外側端部16(本明細書では「端部壁」とも呼ぶ)及びベースシート12が、ヘッドライナ13及びルーフ14上の輪郭をなす合わせ面にほぼ合致している。図示のエネルギー吸収体10が、(乗物の衝突又は横転事故などにおけるような)乗員の頭部のけがを軽減するためにエネルギーの吸収及び衝撃荷重の分散を最適化しつつも、美的な条件を満たすように構成される、異なった形状のクラッシュローブ11を有していることがわかる。
【0020】
上述のように、図示のエネルギー吸収体10は、さらに、バズ音、きしる音、ラトル音(BSR)対策部15(本明細書では「軟質構造」とも呼ぶ)を有し、対策部15は、ベースシート12の中に(又は以下で示すようにクラッシュローブ11の1つ以上の外側端部16の中に)一体的に形成される。対策部15は、クラッシュローブ11よりも低い自立強度を有し、それによって、その「柔軟性」は、エネルギー吸収体10がヘッドライナ13及びルーフ14上の隣接する剛性のある表面に対してノイズを発生させる反復振動をする、及び/又は周期的動作をすることによってバズ音、きしる音、及びラトル音(BSR)のノイズが引き起こされる可能性を実質的に排除するように作用する。乗物の製造会社が、BSRノイズの除去に多大な時間及び労力を費やしているのがわかるが、それは、BSRノイズが乗物の運転者及び乗員にとって非常に不愉快で不快なものになるからであるが、特に、BSRノイズが乗員の頭部に近い場所から聞こえて来る場合に不愉快で不快なものになり、そして/又は、特にBSRノイズが反響空間を形成する要素の付近で発生するか若しくはそれらの要素によって増幅されるときには乗物の乗員室内でいずれの要素からBSRノイズが聞こえて来る場合も、不愉快で不快なものになるからである。
【0021】
図示のBSR対策部15(図1)は、上側ダイ17から下側ダイ18におけるはめ合いポケット(mating pocket)内に突出するピン20により形成される。(図4Aなどのその他の実施形態も参照)。加熱された熱可塑性樹脂の素材のシートは非常に熱いので、鋭い先端をもってしてもシートを貫通する穴を開けることは非常に困難であるため、ピン20が、比較的鋭い先端を有し得るのがわかる。しかしながら、金型が、直径が減少する円錐台形状の軸及び丸くなった先端を有し、それによって、フィンガ状に薄い壁を有して引き延ばされた中空のBSR対策部15を形成する際に、ピンがシート材料を引き伸ばして引き裂かないようにすることが必要である場合には、ピンがシートを貫通しないようにすることができると考えられる。例えば、対策部15は、表面から突出する画びょう軸と基本的に同程度のサイズ、形状及び長さの非常に細い中空のフィンガ部を形成することが可能である。図示のBSR対策部15は、十分な長さ及び強度を有しているのでベースシート12の材料の冷却後(図2参照)にその全体的な引き延ばされた形状を維持することができるが、BSR対策部15は、係合時(図3参照)に容易に曲がるように梁として比較的低い強度を有する。特に、クラッシュローブ11と組み合わせたBSR対策部15の長さは、ヘッドライナ13とルーフ14との間において想定されるどのような間隙よりも大きく、そのため、乗物への組み込み時にBSR対策部15がヘッドライナ13(又はルーフ14)に接触して曲がるようになっている。BSR対策部15は、また、部品の公差でのばらつき、組み立てによるばらつき、並びに、間隙の一貫性のなさにつながる他の工程及び部品のばらつきに起因する間隙のばらつきを補う。この結果、BSR対策部15は、エネルギー吸収体10の周期的な動き又は振動する動きのどのような動きをも緩衝するように作用し、同時にこのことは、多くのBSRノイズを除去する。例えば、BSR対策部15は、長さが約1/8〜1/2インチ(より一般的には、長さが約1/4〜3/8インチ)とし、その基部における直径が約1/32〜1/4インチ(より好ましくは、直径約1/16〜1/8インチ)とすることが可能であると考えられる。
【0022】
説明の目的で、以下のさらなる実施形態、特徴、及び特性では、同じ番号を用いるが、「A」、「B」、「C」などの文字を付加して識別する。
【0023】
エネルギー吸収体10A(図4〜図6)は、次のことを除きエネルギー吸収体10(図1〜図3)と同様であり、それは、エネルギー吸収体10においては、BSR対策部15がダイ17及び18によってベースシート12(図2)に形成されていたのに対して、エネルギー吸収体10A(図4〜図6)のクラッシュローブ11Aにおいては、BSR対策部15Aがダイ17A及び18Aによってクラッシュローブ11Aの外側の平坦な先端に形成されていることである。特に、端部壁16Aの可撓性又は剛性が、BSR対策部15Aの緩衝特性に影響を与え得る。具体的には、端部壁16Aは、BSR対策部15Aに圧力が加えられたときに端部壁16Aが動き、一定の制限された量だけ弾力的に撓むトランポリン効果をもたらすことが可能である。
【0024】
図4Aは、エネルギー吸収体10Aを製作するための変更されたダイ17A’及び18A’を示す。ダイ17A’は、(高密度シリコーンゴムのような)高耐熱ゴム材料からなるゴムグロメット/ゴムプラグ17A”を有する。オス金型18A’は、熱成形工程中においてゴムプラグ17A”の中に延びるピン20Aを有し、そのことにより材料がピン20Aの下方に押し出され、薄くされる助けとなる。特に、ゴムプラグ17A”により、対策部15Aの底部の周りに肩部16A’が形成される。肩部16A’における可撓性又は剛性により、対策部15Aに異なる緩衝特性が得られる。特に、肩部16A’がより可撓性を有する場合は、バズ音、きしる音及びラトル音のノイズ低減の助けとなることが可能なトランポリン効果が得られる。図示のプラグ17A”は、上側金型17A’内のはめ合い凹部内に嵌合する大きくなった後部部分と、金型18A’が金型17A’に対して閉じられたときに所望の圧縮状態を与えるように丸形(又はテーパ状又はそれ以外の形状)の小さくなった先部分を有する。図示のプラグ17A”の形状により、プラグを金型17A’の上(又は「裏」)側から挿入することができるため、摩耗したときの交換が容易になる。
【0025】
肩部16A’が、材料の「ディボット(divot)」部分又は厚くなった部分を有することがわかる。この厚くなった部分は、ダイ17A’及び18A’が分離する際にピン20Aからぬぐい取られた材料が溜まった部分である。原材料シートが熱成形される際にベースの素材が厚いほど、ピン20Aからぬぐい取られる材料の量が多くなる。初期検査をすることによって、この材料の厚くなった肩部16A’は、BSR対策部の非常に薄い材料と、エネルギー吸収体10Aが配置される間隙を画定するシートメタルの構成材における非常に小さい間隙とを扱う場合に、起こりうる製造上のばらつきを低減するために重要となり得ることがわかっている。
【0026】
エネルギー吸収体10B(図7〜図9)は、そのBSR対策部15Bがクラッシュローブ11Bの外側端部上に形成されているため、エネルギー吸収体10Aに似ている。しかしながら、BSR対策部15Bは、スリーブ状であり、その長さに沿って均一である直径と開いた(又は非常に薄い)外側端部とを有する。スリーブ状のBSR対策部15Bは、その薄さのため、柱としての比較的低い強度及び低い曲げ強度を有し、そのため、アコーディオンのように折れ曲がるか又は側方にねじ曲がる。それにもかかわらず、BSR対策部15Bの強度は、BSR対策部15及び15Aと同様の緩衝を提供するのに十分である。特定のエネルギー吸収体が、様々な異なる形状/サイズ/配置のBSR対策部を含むことが可能であることがわかる。例えば、特定のエネルギー吸収体が、BSR対策部15、15A又は15B(又は以下のBSR対策部のいずれか)の各々のうち1つ以上有してもよい。換言すれば、すべての1つのクラッシュローブに、BSR対策部が必要であるわけではない。
【0027】
図10〜図25は、対象となるさらなる実施形態を示し、かかる実施形態では、エネルギー吸収体において、はめ合わせる要素と接触することになる部分が切り開かれ、次いで押し上げられる(又は押し下げられる)ことで、表面領域が比較的小さく低い曲げ強度を有する可撓性のある部材が形成される。例えば、この形成は、成形中に、又はクラッシュローブを有するエネルギー吸収体の形成後の二次押し型の際に局所的に、行うことが可能である。クラッシュローブ11C(図10〜12)において、BSR対策部15Cは、材料の一部が金型17C及び18Cにより端部16Cから片側に切り開かれることによって形成され、それにより、BSR対策部15Cが端部16Cに対して角度をなして延在する。BSR対策部15Cは、端部16Cと同様の厚さを有する。クラッシュローブ11D(図13〜図15)は、以下を除きクラッシュローブ11Cと同様であり、それは、BSR対策部15Dが、端部16Dの両側から端部16Dにおける共通(中心)点に向かってBSR対策部15Dが延在するように、材料の一部が切り開かれることにより形成されていることである。特に、BSR対策部15Dは、フィンガ状であり且つ外側に角度を付けられた2つの対向するタブを有するか、又は輪状を形成するように内側に延びてフィンガ状をした多数のタブを含むか、又は端部16Dにおいて半球状をして突出する軟質の輪状部を形成することが可能である。
【0028】
クラッシュローブ11E(図16〜図19)は、外側端部16Eに形成されてクラッシュローブ11Eの空洞部(cavity)内に延びる逆になった円錐部22E(図16〜図17)を有する。二次ステップ(図18)において、パンチ23Eなどの二次金型を円錐部22Eを通ってクラッシュローブ11E内から上方に伸ばさせることで、クラッシュローブ11Eの端部16Eの上方に延びるBSR対策部15Eが形成される。この構成により、端部16EのBSR対策部15Eの周りの領域24Eが軽く型押し(embosse)され、その柱としての強度に影響を与える、押圧された又は型押しされたた輪状部が形成される。再び述べると、円錐部22E(すなわち、メス形状)を形成し、次いで機械的に又は空気圧により(すなわち、パンチ23Eを用いて)円錐部22Eを反転させることにより、従来の表面よりも追従性の高い軟質の上部形状(すなわち、BSR対策部15E)が実現される。より一般的に述べると、クラッシュローブ11Eは、BSR対策部15Eの強度が、BSR対策部自体の成形及び形成工程に加え、BSR対策部15Eの周りの支持領域の成形及び形成工程によっても影響される、ということを示している。
【0029】
クラッシュローブ11F(図20〜図22)及びクラッシュローブ11G(図23〜図25)は、BSR対策部15F及び15Gをそれぞれ示し、BSR対策部15F及び15Gはそれぞれ、BSR対策部15C及び15Dに似ているが(クラッシュローブの端部上でなく)ベースシート12F及び12Gに配置されている。特に、BSR対策部15F及び15Gは、それらの曲げ強度がBSR対策部15C及び15Dよりも潜在的に大きくなるように、ベースシート12F及び12Gと同様の厚さを有する。BSR対策部は、一般的にBSRノイズを発生させる領域ではないが、クラッシュローブの側部に配置することも可能であると考えられる。
【0030】
クラッシュローブ11H(図26〜図28)は、スリーブ状又は柱状形状である点においてクラッシュローブ11B(図7〜図9)のBSR対策部15Bに似ているBSR対策部15Hを有するが、BSR対策部15Hは、クラッシュローブ11Hにおいて、ベースシート12Hから形成され、クラッシュローブ11Hの反対方向に延びていることが異なる。
【0031】
クラッシュローブ11I(図29〜図30)は、薄い中実の材料からなるフィンガ部を備えるBSR対策部15Iを有する。図示のBSR対策部15Iは、熱成形前の最初の樹脂シートからなるベース材(ベースシート12Iを参照)よりも薄い。図示の「中実のフィンガ部」(すなわち、BSR対策部15I)は、テーパ状であるとともに角度付けられているが、その長さに沿って真っ直ぐな壁を有するか又はテーパ状であるように製作することも可能で、また、垂直又は角度付けられた方向に延在することも可能であると考えられる。所望の形状及び方向を選択することにより、適切な可撓性が与えられ、それにより、組立体のBSRノイズを最小化する「軟質」構造を形成することが可能である。
【0032】
図示の金型ダイ17I及び18I(図29)は、対向する鋳造(coining)ダイ部を有する。具体的には、鋳造ダイ部は、金型18Iの突出部の頂部上で樹脂材料のスラグ(slug)を捕らえるように構成されたスリーブ30Iを有する。プランジャ32Iが、スリーブ30Iを通って延び、その先端にBSR対策部15Iの形状をしたキャビティ形成領域を有する。プランジャ32Iは、空気圧手段又は他の手段を介して延ばすことが可能で、同様の手段又は伸縮バネ(具体的には図示せず)により引き戻すことが可能である。金型17I及び18Iを共に動かすと、スリーブ30Iは、エネルギー吸収体10Iの成形中に、原材料高分子シートにおける加熱された材料のスラグを捕らえる。係合されると、プランジャ32Iがスリーブ30I内を延びて、捕らえられた材料をプランジャ32Iの端部に形成されたキャビティ内に流入(すなわち、「鋳造」)させる。この工程は、「鋳造」と呼ばれることがある。それ故、BSR対策部15Iは、正確にキャビティ領域の形状(伸長された三角形状のフィンガ部として図示されている)を呈する。特に、対策部15Iは、端部16Iの厚さのみには限定されない(また、BSR対策部の配置によっては、ベースシート12Iの厚さにも限定されない)。また、BSR対策部は、最終的な体積上又は寸法上の制約にも限定されない。代わりに、BSR対策部15Iの形状及び厚さは、BSR対策部15Iを囲む領域から取り集められなければならないものである、BSR対策部15Iを構成する材料の体積によってのみ限定される。さらに、対策部15Iの周囲の輪状部(すなわち、対策部15Iを形成するために材料が取り集められた領域)は薄くなり、その結果、BSR対策部15Iが軟質化する、すなわちBSR対策部15Iの軸方向及びねじれの強度が低下する。
【0033】
特に、本発明は、エネルギー吸収体における対策部の形成に関する方法及び装置を含み、かかる形成は、(熱成形ラインの端部等において)部品を熱成形した後に対策部を形成するステップ、及び/又はエネルギー吸収体を乗物に組み付けている間もしくは組み付けた後に対策部を形成するステップ、及び/又は顧客のクレームに基づく現場/サービスの修繕などのために現場で対策部を形成するステップが含まれる。
【0034】
図31〜図32は、クラッシュローブ11Jを有する他のエネルギー吸収体10Jを開示し、クラッシュローブ11Jの端部16Jには、磁石40Jが配置されている。磁石40Jは、クラッシュローブ11Jの端部壁16Jを通じて磁力を与えるために十分に強力なものである。それ故、磁石40Jは、ルーフ構造14Jなどの隣接するシートメタルに磁気的に付着するように作用する。この構成は、隣接するシートメタルに対して部品の可撓性のある中心部分を保持するための取付部としてだけでなく、部品を定位置に保持するための取付部として用いることが可能であるが、他の場所での部品には他の保持器を用いられる。また、本構成は、シートメタルがクラッシュローブに対して振動することでバズ音、きしる音又はラトル音のノイズが引き起こされるほど近いときなどに、ノイズを除去するために用いることが可能で、磁力によりどのような動きも抑止され、これ故ノイズが除去される。図示の磁石40Jは、磁石の周りで保持リッジ(ridge)42Jを形成できるように十分にクラッシュローブの端部を十分に変形し、それにより、保持リッジ42Jとクラッシュローブの端部16Jとの間に磁石を保持することによって、クラッシュローブの端部に保持される。保持リッジは、異なる方法で形成することも可能である。磁石を端部に十分な力で押し込んで端部壁に隣接するクラッシュローブの側壁を一時的に変形させ、それ故、側壁の材料を一時的に伸張させることにより保持リッジを本質的に形成することが可能であると考えられる。また、クラッシュローブの材料がまだ比較的温かい(又は熱い)間にクラッシュローブ内で磁石を配置することによって、材料が磁石上で収縮し、それ故、磁石が摩擦により適所に保持されるとともに保持リッジが一体的に形成される。また、クラッシュローブを下方に変形することにより、クラッシュローブを、リッジを有する形状に変形させることが可能である。また、磁石をクラッシュローブ内に摩擦嵌合させ、それにより、リッジを非常に小さくするか又は本質的に存在させないようにすることも可能であると考えられる。
【0035】
上記の説明は、加熱された熱可塑性材料のシートから熱成形されるエネルギー吸収体に焦点を当てている。しかしながら、他の環境では、加熱された高分子材料のシートから熱成形されるような熱成形要素を用いることが可能であると考えられる。例えば、空洞(厚さ方向及び厚さ方向にほぼ直交する長手方向を有する)を間に画定する2つの組立要素の間の空間を塞ぐことが望ましいことが多い。かかる場合、熱成形要素は、ベースシートとベースシートから延びる複数の熱成形構造体とを有する。各熱成形構造体は、ほぼ厚さ方向に延びる少なくとも1つの側壁と、ほぼ直交方向に延びて端部壁を含む少なくとも1つの壁部とを有する。端部壁は、熱成形構造体よりも自立強度が低い一体的に形成された対策部を有し、このとき、対策部は、ほぼ厚さ方向に沿う方向において熱成形構造体から離れるように延びる。この構成により、対策部は、緩衝されなければ熱成形要素と2つの組立要素の一方との間にバズ音、きしる音及び/又はラトル音を引き起こす動きを緩衝するように作用する。これ故、熱成形要素は、エネルギー吸収体そのものである必要はなく、代わりに、どのような理由であれ空間を塞ぐいかような熱成形部品とすることが可能である。
【0036】
本発明の概念を逸脱することなく上述の構造に変形及び変更を行うことが可能であることが理解されよう。さらに、かかる概念は、そうでないことが特許請求の範囲の文言により明示的に述べられていなければ、特許請求の範囲により保護されることが意図されることが理解されよう。
【0037】
独占的な所有権又は特権が主張される本発明の実施形態は、特許請求の範囲のように定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー吸収体であって、
ベースシートと前記ベースシートから延びる複数のクラッシュローブとを備え、前記クラッシュローブのそれぞれは、第1の方向に衝撃を受けたときにエネルギーを吸収するために圧壊し潰れるように方向づけられた側壁と、端部壁とを有し、前記ベースシート及び少なくとも1つのクラッシュローブの前記端部壁の少なくとも一方は、前記クラッシュローブよりも自立強度が低い一体的に形成された対策部を有し、それにより、前記突出する対策部は、緩衝されなければ該エネルギー吸収体と隣接構造体との間にバズ音、きしる音、及び/又はラトル音を引き起こす動きを緩衝するように作用する、エネルギー吸収体。
【請求項2】
前記対策部は、前記端部壁及び前記ベースシートよりも薄い壁厚を有し、前記端部壁及び前記ベースシートと同じ材料から形成されている、請求項1に記載のエネルギー吸収体。
【請求項3】
前記対策部は、細長突起として形成されている、請求項2に記載のエネルギー吸収体。
【請求項4】
前記細長突起は、内部に空洞を有さない中実の細長質量体である、請求項3に記載のエネルギー吸収体。
【請求項5】
前記細長突起は中空の部材である、請求項3に記載のエネルギー吸収体。
【請求項6】
前記対策部は、引き延ばされ、テーパ形状を形成する、請求項2に記載のエネルギー吸収体。
【請求項7】
前記BSR対策部は、前記ベースシート及び前記端部壁の一方から部分的に切り出された細長ストリップである、請求項1に記載のエネルギー吸収体。
【請求項8】
前記対策部は、前記クラッシュローブの関連する1つに形成され、前記端部壁から前記関連するクラッシュローブと反対方向に延びる、請求項1に記載のエネルギー吸収体。
【請求項9】
前記端部壁は、前記対策部の周りの支持領域に押し出された輪状部を有する、請求項8に記載のエネルギー吸収体。
【請求項10】
前記対策部は、互いに向けて角度付けられた対向するフィンガ部を有する、請求項8に記載のエネルギー吸収体。
【請求項11】
前記対策部は、前記ベースシートに形成されている、請求項1に記載のエネルギー吸収体。
【請求項12】
請求項1に記載のエネルギー吸収体において、
前記端部壁は、前記対策部を支持する支持部を有し、前記対策部は、前記支持部から取られ、前記エネルギー吸収体の材料が加熱されている間に前記対策部の形状に流し込まれる材料から形成されている、エネルギー吸収体。
【請求項13】
エネルギー吸収体であって、
ベースシートと前記ベースシートから延びる複数のクラッシュローブとを備え、前記クラッシュローブのそれぞれは、第1の方向に衝撃を受けたときにエネルギーを吸収するために圧壊し潰れるように方向づけられた側壁と、端部壁とを有し、前記端部壁は、前記クラッシュローブよりも自立強度が低い一体的に形成された対策部を有し、前記対策部は、前記クラッシュローブから離れる方向に延び、それにより、前記対策部は、緩衝されなければ該エネルギー吸収体と隣接構造体との間にバズ音、きしる音、及び/又はラトル音を引き起こす動きを緩衝するように作用する、エネルギー吸収体。
【請求項14】
前記端部壁に隣接して配置された磁石を有する、請求項13に記載のエネルギー吸収体。
【請求項15】
前記対策部は、横断面において中実の断面を有する細長部材を備える、請求項13に記載のエネルギー吸収体。
【請求項16】
前記対策部は、横断面において中空の断面を示す細長部材を備える、請求項13に記載のエネルギー吸収体。
【請求項17】
前記対策部は、前記端部壁に対して角度をなして延びる細長ストリップを備える、請求項13に記載のエネルギー吸収体。
【請求項18】
前記対策部は、その長さに沿って変化する断面を有するテーパ状の細長部材を備える、請求項13に記載のエネルギー吸収体。
【請求項19】
空洞を間に形成する2つの組立要素の間の空間を塞ぐための、加熱された高分子材料のシートから熱成形された熱成形要素であって、前記空洞が、厚さ方向と前記厚さ方向に対してほぼ直交する長手方向とを有する、熱成形要素において、
ベースシートと前記ベースシートから延びる複数の熱成形構造体とを備え、熱成形構造体のそれぞれは、ほぼ前記厚さ方向に延びる側壁と、ほぼ前記直交方向に延びて端部壁を含む少なくとも1つの壁部とを有し、前記端部壁は、前記熱成形構造体よりも自立強度が低い一体的に形成された対策部を有し、前記対策部は、ほぼ前記厚さ方向に沿う方向において前記熱成形構造体から離れるように延び、それにより、前記対策部は、緩衝されなければ前記熱成形要素と前記2つの組立要素の一方との間にバズ音、きしる音、及び/又はラトル音を引き起こす動きを緩衝するように作用する、熱成形構成要素。
【請求項20】
ベースシートと前記ベースシートから高さ寸法をもって延びるクラッシュローブとを有するエネルギー吸収体を形成するステップと、
前記クラッシュローブよりも自立強度が弱く且つ前記ベースシート及び前記クラッシュローブの一方から前記高さ寸法の外側に延びる、一体的な対策部を形成するステップとを含む方法。
【請求項21】
要素を供給するステップと、
クラッシュローブと前記クラッシュローブの1つの端部における少なくとも1つの対策部とを有するエネルギー吸収体を形成するステップであって、前記対策部が、隣接して配置されたときに前記要素に係合するか又は前記要素を引き付け、それにより、前記エネルギー吸収体の前記隣接する部品に対する動きによって引き起こされるバズ音、きしる音、及びラトル音が除去されるように構成されている、ステップと、
バズ音、きしる音、又はラトル音を引き起こす動きを前記対策部が防いでいる状態で、前記エネルギー吸収体と前記要素とを互いに隣接する位置に組み付けるステップとを含む方法。
【請求項22】
高分子材料の平坦なシートを加熱するためのヒータと、;
前記平坦なシートを、ベースシートと複数のクラッシュローブとを有する三次元エネルギー吸収体に成形するための少なくとも1つの熱成形ダイと、
前記ベースシート及び前記クラッシュローブの少なくとも一方にBSR対策部を形成するための金型とを備える、熱成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−12807(P2011−12807A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−77194(P2010−77194)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(510087829)オークウッド・エナジー・マネジメント・インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Oakwood Energy Management, Inc.
【住所又は居所原語表記】9755 Inkster Road, Taylor, Michigan 48180, United States of America
【Fターム(参考)】