説明

めっき方法、半導体装置の製造方法及び回路基板の製造方法

【課題】めっき膜が広範囲に形成される樹脂層に対して、デスミア処理等を行うことなく、密着性の良好なめっき膜を簡易に形成し得るめっき方法を提供する。
【解決手段】支持基板上に樹脂層10を形成する工程と、樹脂層の表層部をバイト12により切削する工程と、樹脂層上に無電解めっき法によりシード層を形成する工程と、シード層上に電気めっき法によりめっき膜を形成する工程とを有している。樹脂層の表面を適度な粗さにすることができるため、シード層と樹脂層との密着性を十分に確保することができる。また、デスミア処理を行った場合のような過度に深い穴が樹脂層表面に生ずることがないため、樹脂層上にフォトレジスト膜より成る微細なパターンを形成することができる。従って、高い信頼性を確保しつつ、樹脂層上に極めて狭いピッチで配線等を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき方法、並びにそのめっき法を用いた半導体装置の製造方法及び回路基板の製造方法に関し、高い信頼性を実現しうるめっき方法、並びに、そのめっき方法を用いた半導体装置の製造方法及び回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板や回路基板上に形成される多層配線には、配線層間を電気的に絶縁するために、層間絶縁膜が必要である。
【0003】
上記のような層間絶縁膜を形成する工程において、近時では、半導体基板や回路基板上に樹脂製のシート(以下、「樹脂シート」という。)を、真空プレスを用いて貼り付けることにより、層間絶縁膜を形成する技術が注目されている。樹脂シートを用いて層間絶縁膜を形成した場合には、スピンコート法によって層間絶縁膜を形成した場合と比べて材料の無駄が大幅に抑えられる。その結果、低コストで層間絶縁膜を形成することが可能となる。
【0004】
このように樹脂シートを用いて形成された樹脂層上に配線を形成する場合には、例えば、以下のような方法で配線を形成することが可能である。
【0005】
まず、レーザ等を用いて、樹脂層にコンタクトホールを形成する。次に、デスミア処理を行う。デスミア処理とは、レーザ等を用いて樹脂層にコンタクトホールを形成する際に生じる樹脂の燃えかす(スミア)を、薬液により除去する処理のことである。デスミア処理を行うと、コンタクトホール内からスミアが除去されるとともに、樹脂層の表面に凹凸が形成される。デスミア処理は、例えば、50〜90℃のアルカリ性過マンガン酸溶液に、樹脂層を、数分〜数十分程度浸漬することにより行われる。次に、デスミア処理を施して表面に凹凸が形成された樹脂層上に、めっき膜を形成するためのシード層を、無電解めっき法により形成する。そして、シード層が、樹脂層表面に形成された凹部、即ち、多数の微小な孔の中にも食い込んだ状態で形成され、樹脂層とめっき膜との密着性が十分に確保される。このような現象は、アンカー効果と称される。次に、樹脂層の全面にフォトレジスト膜を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて、フォトレジスト膜に開口部を形成する。次に、電気めっき法により、開口部内のシード層上にめっき膜を形成する。シード層と樹脂層との密着性が十分に確保されているため、めっき膜はシード層を介して樹脂層に確実に固定される。最後に、フォトレジスト膜を剥離することにより、樹脂層上に配線が形成される。
【0006】
特許文献1には、樹脂基板上にめっき被膜を形成する製法に関して、紫外線照射された樹脂基板層をアルカリ溶液に浸漬し、樹脂基板にデスミア処理を施すことにより、樹脂基板とめっき被膜との密着性を強固に保つ技術が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、射出成形して得られた成形品に導体回路パターンを形成する製法に関して、射出成形品の表面にコーディングしたレジストを除去する際に、レーザを射出成形品の表面にも照射し、射出成形品の表面を粗面化することにより、射出成形品粗面化工程を削減する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−27250号公報
【特許文献2】特開平11−6073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されたように、めっき膜が形成される対象物(樹脂基板)を、アルカリ溶液に浸漬することによりデスミア処理を行った場合には、樹脂層の表面に数μm〜十数μmの深い孔が形成されてしまうため、樹脂基板の表面にフォトレジスト膜を用いて微細な配線パターンを形成することは困難である。樹脂基板に形成された配線間が狭いピッチの場合、短絡等を招く可能性が高くなる。
【0009】
また、特許文献2に記載されたように、めっき膜が形成される対象物(樹脂基板)の表面を、レーザ照射することにより粗面化する処理の場合には、めっき膜を形成する面が広範囲の場合に、レーザ照射の処理に長時間を要するという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、めっき膜が広範囲に形成される樹脂層に対して、デスミア処理等を行うことなく、密着性の良好なめっき膜を簡易に形成し得るめっき方法、並びに、そのめっき方法を用いた半導体装置の製造方法及び回路基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点によれば、支持基板上に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、前記樹脂層上に無電解めっき法によりシード層を形成する工程と、前記シード層上に電気めっき法によりめっき膜を形成する工程とを有することを特徴とするめっき方法が提供される。
【0012】
また、本発明の他の観点によれば、支持基板上に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、前記樹脂層上にシード層を形成する工程と、前記シード層上に電気めっき法によりめっき膜を形成する工程とを有するめっき方法が提供される。
【0013】
また、本発明の更に他の観点によれば、半導体基板上に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、前記樹脂層上にシード層を形成する工程と、前記シード層上に電気めっき法により配線を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0014】
また、本発明の更に他の観点によれば、支持基板上に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、前記樹脂層上にシード層を形成する工程と、前記シード層上に電気めっき法によりめっき膜より成る配線を形成する工程とを有する回路基板の製造方法が提供される。
【0015】
また、本発明の更に他の観点によれば、支持基板と、前記支持基板上に形成された下部電極と;前記下部電極上に形成された誘電体膜と;前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタとを有する回路基板の製造方法であって、支持基板上に下部電極を形成する工程と、少なくとも前記下部電極上に樹脂を含む誘電体膜を形成する工程と、前記誘電体膜の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記誘電体膜の表層部をバイトにより切削する工程と、前記誘電体膜上にシード層を形成する工程と、前記シード層上に電気めっき法により上部電極を形成する工程とを有する回路基板の製造方法が提供される。
【0016】
また、本発明の更に他の観点によれば、支持基板と、前記支持基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成された抵抗器と、前記抵抗器上に形成された第2の電極とを有する回路基板の製造方法であって、支持基板上に、第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極上に、前記樹脂を含む抵抗層を形成する工程と、前記抵抗層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記抵抗層の表層部を切削する工程と、前記抵抗層上にシード層を形成する工程と、前記シード層上に電気めっき法により電極を形成する工程とを有する回路基板の製造方法が提供される。
【0017】
また、本発明の更に他の観点によれば、支持基板と、前記支持基板上に形成されたインダクタとを有する回路基板の製造方法であって、支持基板上に樹脂を含む絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記絶縁層の表層部をバイトにより切削する工程と、前記絶縁層上にシード層を形成する工程と、前記シード層上にインダクタを電気めっき法により形成する工程とを有する回路基板の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、めっき処理用のシード層を形成する前処理として、樹脂層の表層部をバイトにより切削することにより、樹脂層の表面を適度な粗さにする。このような処理を加えることにより、樹脂層とシード層との密着性を十分に且つ簡易に確保することができる。また、本発明によれば、デスミア処理を行った場合のような過度に深い穴が樹脂層表面に生ずることがないため、樹脂層上に微細なパターンを形成することが可能となる。また、本発明によれば、広い範囲の粗面化処理を短時間で行うことにより、広範囲の微細パターンを短時間で形成することが可能となる。従って、本発明によれば、高い信頼性を確保しつつ、樹脂層上に極めて狭いピッチの配線等を簡易に形成することが可能となる。
【0019】
また、本発明によれば、樹脂シートを用いてキャパシタの誘電体膜を形成し、当該誘電体膜の表層部をバイトにより切削する。このような処理を加えることにより、樹脂より成る誘電体膜の表面を適度な粗さに調整することができるため、誘電体膜と上部電極との密着性を十分に確保することができる。また、本発明では、デスミア処理を行うことを要しないため、誘電体膜の表面に過度に深い孔が形成されることがない。このため、誘電体膜の膜厚を十分に薄くした場合であっても、上部電極と下部電極との間の絶縁性が十分に確保される。従って、本発明によれば、信頼性が高く、静電容量の大きいキャパシタを有する回路基板を提供することが可能となる。
【0020】
また、本発明では、樹脂より成る抵抗層の表層部をバイトにより切削するため、樹脂より成る抵抗層の表面が適度な粗さになる。このため、抵抗層と電極との密着性を十分に確保することができる。また、デスミア処理を行うことを要しないため、樹脂より成る抵抗層の表面に過度に深い孔が形成されない。このため、抵抗層の厚さを薄くした場合であっても、電極と電極との間の絶縁性が十分に確保される。このため、抵抗層の厚さを適宜設定することにより、抵抗値を所望の値に設定することが可能となる。また、抵抗層の表面に過度に深い孔が形成されないため、抵抗値のばらつきを小さくすることができる。従って、本発明によれば、信頼性の高い抵抗器を有する回路基板を製造することが可能となる。
【0021】
また、本発明では、樹脂フィルムより成る高透磁率層の表層部をバイトにより切削するため、樹脂フィルムより成る高透磁率層の表面が適度な粗さになる。このため、樹脂より成る高透磁率層とインダクタの密着性を十分に確保することができる。また、デスミア処理を行うことを要しないため、樹脂より成る高透磁率層の表面に過度に深い孔が形成されない。このため、高透磁率層上にフォトレジスト膜より成る微細なパターンを形成することができる。従って、本発明によれば、巻線のピッチが極めて狭い信頼性の高いインダクタを形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本願発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂層の表層部をダイヤモンドより成るバイトにより切削することにより、デスミア処理を行うことなく、樹脂層の表面を適度な粗さに設定すること想到した。
【0023】
図1は、樹脂層の表層部をバイトにより切削する場合を示す側面図である。
【0024】
図1(a)に示すように、比較的小さい切り込み量で樹脂層(加工前の樹脂フィルム)10の表層部をバイト12により切削した場合には、切削面に加わる力が比較的小さいため、樹脂層10の表面における粗さは極めて小さくなる。なお、切り込み量とは、切削を行う際における1回当たりのバイトの切り込みの深さのことである。
【0025】
これに対し、図1(b)に示すように、比較的大きい切り込み量で樹脂層10の表層部を切削した場合には、切削面に加わる力が比較的大きいため、樹脂層10の表面に適度な粗さの凹凸14が形成される。
【0026】
このように、バイト12により切削条件を適宜設定することにより、樹脂層10の表面の粗さを適度な粗さにすることが可能であるため、デスミア処理を行うことなく、樹脂層10上に良好な密着性を有するめっき膜を形成することが可能となる。しかも、樹脂層10の表面をバイト12により切削する場合には、樹脂層10の表面をデスミア処理する場合のような深い孔が樹脂層10表面に形成されることはないため、樹脂層10上にフォトレジスト膜より成る微細なパターンを形成することが可能となる。このため、本発明によれば、めっき膜より成る配線を狭いピッチで形成することが可能となる。
【0027】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態によるめっき方法及びそのめっき方法を用いた半導体装置の製造方法を、図2乃至図13及び図29を用いて説明する。図2乃至図12は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図である。図2乃至図6及び図8乃至図12は断面図であり、図7は平面図である。
【0028】
まず、図2(a)に示すように、半導体基板16を用意する。半導体基板16としては、例えばシリコンウェハを用いる。半導体基板16には、トランジスタ(図示せず)等が形成されている。トランジスタが形成された半導体基板16上には、例えばシリコン酸化膜より成る層間絶縁膜18が形成されている。層間絶縁膜18は、例えばCVD法により形成されたものである。層間絶縁膜18は、半導体基板16上に多数形成されているが、図2(a)においては1層のみ示している。層間絶縁膜18には、導体プラグ20が埋め込まれている。導体プラグ20は、例えばトランジスタのソース/ドレイン拡散層(図示せず)やゲート電極(図示せず)等に電気的に接続されている。
【0029】
半導体基板16のTTV(Total Thickness Variation)は、例えば5μmとなっている。TTVとは、ウェハの平坦度を示すものであり、ウェハ全面におけるウェハの厚さの最大値dmaxと最小値dminとの差のことである。
【0030】
次に、図2(b)に示すように、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚500nmの銅又はニッケルより成るシード層22を形成する。
【0031】
次に、図3(a)に示すように、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜24を形成する。
【0032】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シード層22に達する開口部26をフォトレジスト膜24に形成する。開口部26は、配線28(図3(b)参照)を形成するためのものである。
【0033】
次に、図3(b)に示すように、電気めっき法により、開口部26内にCuより成る配線28を形成する。この後、フォトレジスト膜24を剥離する(図4(a)参照)。
【0034】
次に、図4(b)に示すように、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜30を形成する。
【0035】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、配線28に達する開口部32をフォトレジスト膜30に形成する。開口部32は、導体プラグ34(図5(a)参照)を形成するためのものである。
【0036】
次に、図5(a)に示すように、電気めっき法により、開口部32内にCuより成る導体プラグ34を形成する。この後、フォトレジスト膜30を剥離する。
【0037】
次に、図5(b)に示すように、導体プラグ34の周囲に表出している部分のシード層22をウエットエッチングにより除去する。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層22をエッチング除去する際には、配線28や導体プラグ34の表面も若干エッチングされる。但し、シード層22の厚さは、配線28や導体プラグ34のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層22をエッチングする際に、配線28や導体プラグ34が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0038】
次に、半導体基板16上に樹脂フィルム8を載置する。樹脂フィルム8としては、味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルム(商品名:味の素ビルドアップフィルム、ABF)を用いる。味の素ビルドアップフィルムは、エポキシ樹脂よりなる基材中にシリカより成る無機フィラーを混合した樹脂フィルムである。樹脂フィルム8の厚さは、30μmとする。
【0039】
なお、樹脂フィルムとしては、上記の他に、株式会社クラレ製の液晶ポリマーフィルム(商品名:ベクスター)、或いは帝人デュポンフィルム株式会社のポリエチレンナフタレートフィルム(商品名:テオネックス(R) PENフィルム)が適用可能である。
【0040】
なお、ここでは、樹脂フィルム8の厚さを30μmとする場合を例に説明したが、樹脂フィルム8の厚さは30μmに限定されるものではない。但し、半導体基板16のTTVより薄い樹脂フィルム8を用いた場合には、樹脂フィルム8の一部に切削されない箇所が生じてしまうため、樹脂フィルム8の厚さは少なくとも半導体基板16のTTVより大きいことが必要である。
【0041】
次に、真空プレス装置を用いて、層間絶縁膜18等が形成された半導体基板16上に樹脂フィルム8を貼り付ける(図6(a)参照)。真空プレスを行う際の条件は、例えば100℃、1MPaとする。こうして、半導体基板16上に樹脂フィルム8が形成される。
【0042】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂フィルム8を硬化させる。熱処理条件は、例えば、170℃、1時間とする。こうして、半導体基板16上に樹脂フィルム8より成る樹脂層10が形成される。
【0043】
次に、半導体基板16をチャックテーブル(図示せず)上に真空吸着により固定する。チャックテーブルとは、ウェハ等を加工する際に、ウェハ等を固定するための台のことである。半導体基板16をチャックテーブル上に固定する際には、半導体基板16の裏面側、即ち、樹脂層10が形成されていない側の面をチャックテーブルに固定する。なお、半導体基板16をチャックテーブル上に固定する際には、ピンチャックを用いることが好ましい。
【0044】
次に、半導体基板16を回転させながら、ダイヤモンドより成るバイト12を用いて、樹脂層10の厚さが10μm程度になるまで、樹脂層10の表層部及び導体プラグ34の上部を切削する(図1(b)及び図6(b)参照)。
【0045】
樹脂層10の表層部等を切削する際の条件は、例えば以下の通りとする。
【0046】
バイト12のすくい角を0度とする。なお、すくい角とは、被切削物の切削面に対して垂直な面と、工具刃先の進行方向の前面(すくい面)とのなす角度のことである。一般に、すくい角が大きくなる程切れ具合は良くなるが、その反面で刃先へのダメージが大きくなり刃先の寿命が短くなる傾向がある。すくい角としては、0度〜30度の設定であれば適用可能であるが、本実施形態では、切削の対象が比較的柔らかい樹脂材料であるため、すくい角を上記のような値とした。
【0047】
チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。なお、切り込み量とは、上述したように、切削を行う際におけるバイトの切り込み深さのことである。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。なお、送りとは、切削を行う際にチャックテーブルの半径方向、即ち、チャックテーブルにおける外縁の一点と回転中心とを結ぶ方向にバイトを進めていく速度のことである。
【0048】
このような条件で樹脂層10の表層部を切削すると、切削後の樹脂層10a(以下、切削後の樹脂層を樹脂層10aと表示し、切削前の樹脂層10と区別する。)の表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。一方、導体プラグの表面における十点平均粗さRzは、例えば5〜15nm程度となる。
【0049】
十点平均粗さRzとは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高の絶対値の平均値との和を求め、マイクロメートル(μm)で表したもののことである(JIS B 0601−1994参照)。即ち、十点平均粗さRzとは、粗さ曲線で最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と、最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均との和のことである。
【0050】
図7は、樹脂層及び導体プラグの表面をバイトにより切削した場合を示す図である。図7(a)は光学顕微鏡写真を示す図であり、図7(b)は図7(a)の模式図である。
【0051】
図7から分かるように、樹脂層10aの表面には適度な凹凸がほぼ均等に形成されている。一方、導体プラグ34の上部は、鏡面状態となっている。
【0052】
樹脂層10の表層部の切削が終了した後においては、半導体基板16の裏面から樹脂層10aの表面までの厚さのTTVは1μm以下となる。TTVの値は小さければ小さい程望ましいが、1μm以下であれば特に問題は無い。
【0053】
なお、ここでは、樹脂層10aの表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層10aの表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。
【0054】
図29は、樹脂層の表面における十点平均粗さと、めっき膜の引っ張り強度と、短絡を招くことなく形成可能な配線のギャップの最小値との関係を示すグラフである。図29において、横軸は樹脂層の表面における十点平均粗さを示しており、左側の縦軸はめっき膜の引っ張り強度を示しており、右側の縦軸は短絡を招くことなく形成可能な配線のギャップの最小値を示している。
【0055】
配線が容易に剥がれないようにするためには、配線の引っ張り強度は少なくとも0.2kg/cm程度は必要である。図29に示すように、樹脂層10aの表面における十点平均粗さRzが0.5μm以上であれば、0.2kg/cm以上の引っ張り強度を確保することが可能であり、樹脂層10aとめっき膜との密着性を十分に確保することが可能である。一方、樹脂層10aの表面における十点平均粗さRzを0.5μm未満とした場合には、配線の引っ張り強度は著しく低くなる。樹脂層10aの表面の凹部14の深さが浅すぎて、シード層36及びめっき膜44が樹脂層10中に十分に食い込まず、十分なアンカー効果が得られないためである。従って、樹脂層10aの表面における十点平均粗さRzを0.5μm以上とすることが望ましい。
【0056】
また、樹脂層10aの表面における十点平均粗さRzが5μm以下であれば、樹脂層10a上に形成したフォトレジスト膜を微細にパターニングすることが可能であり、極めて狭いピッチでめっき膜より成る配線を形成することが可能である。図29に示すように、十点平均粗さRzが5μm以下であれば、短絡を招くことなく配線間ギャップを15μm以下にまで狭めることが可能である。また、半導体装置の高集積化を図るためには樹脂層10aの厚さを10μm程度にまで薄くすることが望ましいが、樹脂層10aの表面における十点平均粗さRzを5μmより大きくした場合には、樹脂層10aに埋め込まれた下層側の配線22と樹脂層10a上に形成される上層側の配線44(図10(a)参照)とが短絡してしまう虞がある。また、樹脂層10aの表面における十点平均粗さRzが5μm以上になるように切削を行うことは、必ずしも容易ではない。従って、樹脂層10aの表面における十点平均粗さRzを5μm以下とすることが望ましい。
【0057】
このような理由により、樹脂層10aの表面における十点平均粗さRzが0.5〜5μmとなるように、樹脂層10の表層部を切削することが望ましい。なお、樹脂層10の表層部を切削する際の条件を適宜設定することにより、樹脂層10aの表面を所望の粗さに設定することが可能である。
【0058】
また、樹脂層10の材料として樹脂より成る基材中にフィラーを混入させた樹脂フィルムを用いる場合には、樹脂層10の表層部を切削する際に、樹脂層10中からフィラー(図示せず)が掘り出され、フィラーが掘り出された部分に孔が形成される場合がある。しかし、フィラーの直径は2〜5μmと比較的小さいため、過度に深い孔が樹脂層10aの表面に形成されることはなく、特段の問題はない。
【0059】
こうして、樹脂層10aの表面に適度な粗さの凹凸14が形成される(図8(a)参照)。
【0060】
なお、ここでは、エポキシ系の樹脂より成る基材中に無機フィラーを含有させた樹脂フィルム8を用いる場合を例に説明したが、フィラーの材料は無機系の材料に限定されるものではなく、有機系の材料を用いてもよい。例えば、エポキシ系の樹脂より成る基材中にゴム系の有機フィラーを含有させた樹脂フィルムを用いてもよい。
【0061】
図13は、エポキシ系の樹脂より成る基材中にゴム系フィラーを含有させた樹脂フィルムをバイトにより切削した場合を示す図である。図13(a)は光学顕微鏡写真を示す図であり、図13(b)は図13(a)の模式図である。
【0062】
図13から分かるように、フィラーの材料としてゴム系の材料を用いた場合にも、樹脂層10bの表面には適度な凹凸14aが形成される。一方、導体プラグ34の上部は、鏡面状態となる。
【0063】
このように、樹脂より成る基材中に含有させるフィラーの材料として、有機系の材料を用いてもよい。
【0064】
また、ここでは、半導体基板16を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、半導体基板16を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0065】
次に、無電解めっき法により、樹脂層10a上に、銅又はニッケルより成るシード層36(図8(c)及び図9(a)参照)を形成する。シード層36は、例えば以下のようにして形成する。
【0066】
まず、コンディショニング装置を用いて、樹脂層10aのコンディショニングを行う。コンディショニングとは、樹脂層10aの表面から汚れを除去するとともに、樹脂層10aの表面を触媒が付着しやすい状態にする薬液処理のことである。コンディショニング装置としては、例えば、テクラン社製のコンディショニング装置(型番:3320)を用いる。コンディショニングを行う際の温度は、例えば50℃とする。コンディショニング時間は、例えば5分間とする。この後、樹脂層10aの表面を水洗する。
【0067】
次に、図8(b)に示すように、無電解めっき膜を形成する際に核となる触媒38を、樹脂層10a表面に付着させる。
【0068】
具体的には、前処理用の薬液に樹脂層10aを浸漬した後、前処理用の薬液を水洗することなく、樹脂層10aをキャタリスト液に浸漬する。前処理用の薬液としては、例えば、シプレイ・ファーイースト株式会社製の前処理用の薬液(型番:Cataprep 404)を用いる。樹脂層10aを浸漬する際における前処理用の薬液の温度は、例えば室温とする。前処理用の薬液に樹脂層10aを浸漬する時間は、90秒とする。キャタリスト液としては、Pd−Sn錯体を含む溶液を用いる。例えば、シプレイ・ファーイースト株式会社製のキャタリスト液(型番:Cataposit 44)を用いる。樹脂層10aを浸漬する際におけるキャタリスト液の温度は、例えば55℃とする。樹脂層10aをキャタリスト液に浸漬する時間は、例えば3分とする。こうして、樹脂層10aの表面にPd−Sn化合物が付着した状態となる。この後、樹脂層10aの表面を水洗する。この後、アクセレレータ(加速)処理を行う。具体的には、樹脂層10aを促進剤に浸漬する。これにより、スズ塩が溶解し、酸化還元反応により金属パラジウムより成る触媒38が生成される。促進剤としては、シプレイ・ファーイースト株式会社製の促進剤(型番:Acceleator 19E)を用いる。
【0069】
こうして、無電解めっき膜を形成する際に核となる触媒38が樹脂層10a表面に付着する。
【0070】
次に、無電解めっき液に樹脂層10aを浸漬する。無電解めっき液としては、例えば、シプレイ・ファーイースト株式会社製の無電解めっき液(型番:Cuposit 328)を用いる。これにより、無電解めっき液中の還元剤が触媒(パラジウム)38表面で酸化されるときに放出される電子によって、銅イオンが還元され、銅より成る無電解めっき膜36が形成される。
【0071】
こうして、例えば膜厚0.3〜0.5μmの無電解めっき膜より成るシード層36が形成される。
【0072】
表面に凹部が形成された樹脂層10a上に比較的薄いシード層36を形成するため、シード層36のうちの凹部14内に形成された部分が、凹部14内において確実に固定される。このため、シード層36と樹脂層10aとの密着性が十分に確保される。
【0073】
次に、図9(b)に示すように、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜40を形成する。
【0074】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シード層36に達する開口部42をフォトレジスト膜40に形成する。開口部42は、配線44(図8(a)参照)を形成するためのものである。樹脂層10aの表面に過度に深い孔が形成されていないため、シード層36の表面にも過度に深い凹部は形成されていない。このため、フォトレジスト膜40を微細にパターニングする場合であっても、フォトレジスト膜40より成る良好なパターンを形成することができる。
【0075】
次に、図10(a)に示すように、電気めっき法により、フォトレジスト膜40の開口部42内のシード層36上にCuより成る配線44を形成する。上述したように、フォトレジスト膜を微細にパターニングした場合であっても良好なパターンが形成されているため、非常に狭いピッチで配線44を形成することが可能である。シード層36と樹脂層10aとの密着性が十分に確保されているため、配線44はシード層36を介して樹脂層10aに確実に固定される。
【0076】
この後、図10(b)に示すように、フォトレジスト膜40を剥離する。
【0077】
次に、スピンコート法により、配線44が形成された樹脂層10a上の全面に、フォトレジスト膜46を形成する。
【0078】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、図11(a)に示すように、フォトレジスト膜46に配線44に達する開口部48を形成する。開口部48は、導体プラグ50(図11(b)参照)を形成するためのものである。
【0079】
次に、図11(b)に示すように、電気めっき法により、開口部48内にCuより成る導体プラグ50を形成する。この後、フォトレジスト膜46を剥離する。
【0080】
次に、図12(a)に示すように、配線44の周囲に表出しているシード層36をウエットエッチングにより除去する。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層36をエッチング除去する際には、配線44や導体プラグ48の表面も若干エッチングされる。但し、シード層36の厚さは、配線44や導体プラグ48のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層36をエッチングする際に、配線44や導体プラグ48が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0081】
次に、樹脂フィルム51を用意する。樹脂フィルム51は、上述した樹脂フィルム8と同様の樹脂フィルム(味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルムABF)を用いる。
【0082】
次に、真空プレス装置を用いて、樹脂フィルム51を樹脂層10a上に貼り付ける(図12(b)参照)。真空プレスを行う際の条件は、樹脂フィルム8を真空プレスする際の条件と同様に、例えば100℃、1MPaとする。こうして、配線44及び導体プラグ50等が形成された樹脂層10a上に、樹脂フィルム51が形成される。
【0083】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂フィルム51を硬化させる。熱処理条件は、樹脂フィルム8を硬化させる際の上述した条件と同様に、例えば、170℃、1時間とする。こうして、配線44及び導体プラグ50等が形成された樹脂層10a上に、樹脂フィルム51より成る樹脂層52が形成される。
【0084】
次に、樹脂層52の表層部を切削する。樹脂層52の表層部を切削する際の条件は、例えば、樹脂層10の表層部を切削する際の条件と同様とする。即ち、バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。このような条件で切削を行うと、樹脂層52の表面には、適度な凹凸53が形成される。こうして、樹脂層52の表面における十点平均粗さRzが、例えば1〜2μm程度となる。
【0085】
なお、ここでは、樹脂層52の表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層52の表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層52の表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層52の表層部を切削すればよい。
【0086】
また、ここでは、半導体基板16を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、半導体基板16を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0087】
次に、無電解めっき法により、樹脂層52上及び導体プラグ50上にシード層(図示せず)を形成する。シード層の形成方法は、例えば上述したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層を形成する。
【0088】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0089】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜にシード層に達する開口部(図示せず)を形成する。
【0090】
次に、電気めっき法により、フォトレジスト膜の開口部内にCuより成る配線54を形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0091】
次に、配線54の周囲に表出しているシード層をウエットエッチングにより除去する。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層をエッチング除去する際には、配線54の表面も若干エッチングされる。但し、シード層の厚さは、配線54のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層をエッチングする際に、配線54が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0092】
この後、樹脂層と金属配線層とを更に積層するようにしてもよい。
【0093】
こうして、本実施形態によるめっき方法を用いて、本実施形態による半導体装置が製造される。
【0094】
本実施形態によるめっき方法及び半導体装置の製造方法は、樹脂層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、樹脂層の表層部をバイトにより切削することに主な特徴がある。
【0095】
従来のめっき方法では、上述したように、樹脂層の表面をデスミア処理により粗くしていた。樹脂層の表面をデスミア処理により粗くした場合には、上述したように、十数μm程度の孔が形成されてしまう場合があった。十数μmの孔が形成された樹脂層上には、フォトレジスト膜より成る微細なパターンを形成するのは困難であった。このため、めっき膜より成る配線を、短絡等を招くことなく、極めて狭いピッチで樹脂層上に形成するのは困難であった。
【0096】
これに対し、本実施形態では、樹脂層の表層部をバイトにより切削することにより、樹脂層の表面を適度な粗さに設定する。本実施形態によれば、樹脂層の表面を適度な粗さにすることができるため、シード層と樹脂層との密着性を十分に確保することができる。また、デスミア処理を行った場合のような過度に深い穴が樹脂層表面に生ずることがないため、樹脂層上にフォトレジスト膜より成る微細なパターンを形成することが可能となる。従って、本実施形態によれば、高い信頼性を確保しつつ、樹脂層上に極めて狭いピッチでめっき膜より成る配線等を形成することができる。
【0097】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による回路基板の製造方法を図14乃至図23を用いて説明する。図14乃至図23は、本実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図である。図1乃至図12に示す第1実施形態によるめっき方法及び半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0098】
本実施形態による回路基板の製造方法は、樹脂シートを用いてキャパシタの誘電体膜を形成し、樹脂シートより成る誘電体膜の表層部をバイトにより切削することに主な特徴がある。
【0099】
まず、図14(a)に示すように、コア層56を用意する。コア層56は、例えば以下のような構成になっている。即ち、例えばエポキシ樹脂より成る支持基板58の上面及び下面には、配線60等が形成されている。配線60等が形成された支持基板58の上面側及び下面側には、例えばエポキシ樹脂より成る絶縁層62がそれぞれ形成されている。支持基板58及び絶縁層62には、貫通孔64が形成されている。貫通孔64内には、導電膜66が形成されている。また、絶縁層62上にも、導電膜66が形成されている。導電膜66が形成された貫通孔64内には、ビア68が埋め込まれている。ビア68上、導電膜66上には、導電膜70が形成されている。導電膜66及び導電膜70により、配線が構成されている。
【0100】
次に、エポキシ樹脂より成る樹脂フィルムをコア層56上に載置する。かかる樹脂フィルムは、樹脂層72(図14(b)参照)を形成するためのものである。樹脂フィルムとしては、味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルムABFを用いる。樹脂フィルムの厚さは60μmとする。
【0101】
次に、真空プレス装置を用いて、樹脂フィルムをコア層56に貼り付ける。樹脂フィルムを真空プレスする際の条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を真空プレスする際の条件と同様に、例えば100℃、1MPaとする。
【0102】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂フィルムを硬化させる。熱処理条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を硬化させる際の条件と同様に、例えば、170℃、1時間とする。こうして、支持基板58上に樹脂フィルムより成る樹脂層(絶縁層)72が形成される(図14(b)参照)。
【0103】
次に、樹脂層72の表層部をバイトを用いて切削する。樹脂層72の表層部を切削する際の条件は、樹脂層10の表層部を切削する際の上述した条件と同様とする。即ち、バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。このような条件で切削を行うと、樹脂層72の表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。
【0104】
なお、ここでは、樹脂層72の表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層72の表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層72の表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層72の表層部を切削すればよい。
【0105】
また、ここでは、支持基板58を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、支持基板58を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0106】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、配線70に達するコンタクトホール74を樹脂層72に形成する。
【0107】
次に、全面に、無電解めっき法により、銅又はニッケルより成るシード層(図示せず)を形成する。シード層の形成方法は、例えば第1実施形態において記載したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層を形成する。
【0108】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0109】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜にシード層に達する開口部(図示せず)を形成する。開口部は、配線76を形成するためのものである。
【0110】
次に、電気めっき法により、フォトレジスト膜の開口部内にCuより成る配線76を形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0111】
次に、配線76の周囲に表出している部分のシード層をウエットエッチングにより除去する(図15(a)参照)。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層をエッチング除去する際には、配線76の表面も若干エッチングされる。但し、シード層の厚さは、配線76のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層をエッチングする際に、配線76が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0112】
次に、真空プレス装置を用いて、樹脂フィルムを支持基板58に貼り付ける。かかる樹脂フィルムは、樹脂層78を形成するためのものである。樹脂フィルムとしては、味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルムABFを用いる。樹脂フィルムの厚さは60μmとする。真空プレスを行う際の条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を真空プレスする際の条件と同様に、例えば100℃、1MPaとする。
【0113】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂フィルムを硬化させる。熱処理条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を硬化させる際の条件と同様に、例えば、170℃、1時間とする。こうして、支持基板58上に樹脂フィルムより成る樹脂層(絶縁層)78が形成される(図15(b)参照)。
【0114】
次に、樹脂層78の表層部をバイトを用いて切削する。樹脂層78の表層部を切削する際の条件は、樹脂層10の表層部を切削する際の上述した条件と同様とする。即ち、バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。このような条件で切削を行うと、樹脂層78の表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。
【0115】
なお、ここでは、樹脂層78の表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層78の表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層78の表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層78の表層部を切削すればよい。
【0116】
また、ここでは、支持基板58を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、支持基板58を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0117】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、配線76に達するコンタクトホール80を樹脂層78に形成する。
【0118】
次に、全面に、無電解めっき法により、銅又はニッケルより成るシード層(図示せず)を形成する。シード層の形成方法は、例えば第1実施形態において記載したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層を形成する。
【0119】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0120】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シード層に達する開口部(図示せず)を形成する。開口部は、キャパシタの下部電極82を形成するためのものである。
【0121】
次に、電気めっき法により、開口部内にCuより成る下部電極82を形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0122】
次に、下部電極82の周囲に表出している部分のシード層をウエットエッチングにより除去する(図16(a)参照)。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層をエッチング除去する際には、下部電極82の表面も若干エッチングされる。但し、シード層の厚さは、下部電極82のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層をエッチングする際に、下部電極82が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0123】
次に、樹脂フィルム83を用意する。かかる樹脂フィルム83は、樹脂層84を形成するためのものである。樹脂フィルム83としては、エポキシ系の樹脂より成る基材中に、樹脂より比誘電率の高い高誘電体より成るフィラーを混合した樹脂フィルムを用いる。高誘電体より成るフィラーは、例えばBaTiOより成るものである。なお、基材として用いられる樹脂の比誘電率は、3〜5程度である。樹脂フィルム83の厚さは60μmとする。
【0124】
なお、ここでは、高誘電体より成るフィラーとして、BaTiOを用いる場合を例に説明したが、高誘電体より成るフィラーは、BaTiOに限定されるものではない。基材として用いられる樹脂より比誘電率の高い材料を、フィラーの材料として適宜用いることができる。例えば、フィラーとして、CaTiO、SrTiO、ZnTiO、PbTiO、CaZrO、BaZrO、PbZrO、BaSr1−XTiO、BaTiZr1−X、PbZrTi1−X、PbLa1−XZrTi1−Y、LaTi又はNdTi等の高誘電体を適宜用いてもよい。また、フィラーとして、これらの混合物を用いてもよい。
【0125】
次に、図16(b)に示すように、真空プレス装置を用いて、樹脂フィルム83を支持基板58上に貼り付ける。真空プレスを行う際の条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を真空プレスする際の条件と同様に、例えば100℃、1MPaとする。こうして、支持基板58上に樹脂フィルム83が形成される。
【0126】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂フィルム83を硬化させる。熱処理条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を硬化させる際の条件と同様に、例えば、170℃、1時間とする。この熱処理は、樹脂フィルム83自体を硬化させるための熱処理である。従って、樹脂フィルム8を硬化させる際の上述した条件と同様の条件で熱処理を行えばよい。こうして、支持基板58上に樹脂フィルム83より成る樹脂層(誘電体膜)84が形成される。
【0127】
次に、図17に示すように、樹脂層84の表層部をバイト12を用いて切削する。樹脂層84の表層部を切削する際の条件は、例えば樹脂層10の表層部を切削する際の上述した条件と同様とする。即ち、バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。このような条件で切削を行うと、表層部を切削した後における樹脂層84aの表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。樹脂層84の表層部を切削する際の条件を適宜設定することにより、切削後の樹脂層84aの表面を所望の粗さに設定することが可能である。樹脂層84の表層部を切削する際には、下部電極82上に存在する樹脂層84の厚さが例えば4μmになるまで、樹脂層84の表層部を切削する。こうして、図17に示すように、膜厚が例えば4μmの樹脂層より成る誘電体膜84aが形成される。
【0128】
なお、ここでは、樹脂層84aの表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層84aの表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層84aの表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層84の表層部を切削すればよい。
【0129】
また、ここでは、下部電極82上に存在する樹脂層84の厚さが例えば4μmになるまで、樹脂層84の表層部を切削する場合を例に説明したが、切削後の樹脂層84の厚さは4μmに限定されるものではない。但し、静電容量が十分に大きいキャパシタ92(図20(a)参照)を形成するためには、下部電極82上に存在する樹脂層84の厚さをある程度まで薄くすることが必要である。下部電極82上に存在する樹脂層84の厚さが5μm以下であれば、静電容量の比較的大きいキャパシタ92を得ることが可能である。従って、下部電極82上に存在する樹脂層84の厚さが5μm以下となるまで、樹脂層84の表層部を切削することが好ましい。
【0130】
また、ここでは、支持基板58を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、支持基板58を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0131】
図18(a)は、図18(b)の円S内を拡大して表した図である。
図18(a)に示すように、樹脂層84aの表面には、凹凸14が形成されている。
【0132】
次に、図19に示すように、全面に、無電解めっき法により、銅又はニッケルより成るシード層88を形成する。シード層88の形成方法は、例えば第1実施形態において記載したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層88を形成する。なお、図19(a)は、図19(b)の円S内を拡大して表した図である。
【0133】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0134】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜にシード層に達する開口部(図示せず)を形成する。開口部は、上部電極90を形成するためのものである。
【0135】
次に、電気めっき法により、フォトレジスト膜の開口部内にCuより成る上部電極90を形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0136】
次に、上部電極90から露出している部分のシード層88をウエットエッチングにより除去する。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層をエッチング除去する際には、上部電極90の表面も若干エッチングされる。但し、シード層の厚さは、上部電極90のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層をエッチングする際に、上部電極90が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0137】
こうして、下部電極82と誘電体膜84aと上部電極90とを有するキャパシタ92が形成される(図20(a)参照)。
【0138】
次に、真空プレス装置を用いて、樹脂フィルムを基板に貼り付ける。かかる樹脂フィルムは、樹脂層94(図20(b)参照)を形成するためのものである。樹脂フィルムとしては、味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルムABFを用いる。樹脂フィルムの厚さは、60μmとする。真空プレスを行う際の条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を真空プレスする際の条件と同様に、例えば100℃、1MPaとする。こうして、支持基板58上に樹脂フィルムが形成される。
【0139】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂フィルムを硬化させる。熱処理条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を硬化させる際の条件と同様に、例えば、170℃、1時間とする。こうして、支持基板58上に樹脂フィルムより成る樹脂層94が形成される(図20(b)参照)。
【0140】
次に、樹脂層94の表層部をバイトを用いて切削する。樹脂層94の表層部を切削する際の条件は、樹脂層10の表層部を切削する際の上述した条件と同様とする。即ち、バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。このような条件で切削を行うと、樹脂層94の表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。
【0141】
なお、ここでは、樹脂層94の表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層94の表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層94の表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層94の表層部を切削すればよい。
【0142】
また、ここでは、支持基板58を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、支持基板58を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0143】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、キャパシタ92の上部電極90に達するコンタクトホール96を樹脂層94に形成する。
【0144】
次に、全面に、無電解めっき法により、銅又はニッケルより成るシード層(図示せず)を形成する。シード層の形成方法は、例えば第1実施形態において記載したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層を形成する。
【0145】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0146】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シード層に達する開口部(図示せず)を形成する。開口部は、配線98を形成するためのものである。
【0147】
次に、電気めっき法により、開口部内にCuより成る配線98を形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0148】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0149】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜に配線98に達する開口部(図示せず)を形成する。開口部は、導体プラグ100を形成するためのものである。
【0150】
次に、電気めっき法により、フォトレジスト膜の開口部内にCuより成る導体プラグ100を形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0151】
次に、導体プラグ100の周囲に表出している部分のシード層をエッチング除去する(図21(a)参照)。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層をエッチング除去する際に、導体プラグ100の表面も若干エッチングされるが、シード層の厚さは、導体プラグ100のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることができ、導体プラグ100が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0152】
次に、真空プレス装置を用いて、樹脂フィルムを支持基板58上に貼り付ける。かかる樹脂フィルムは、樹脂層102(図21(b)参照)を形成するためのものである。樹脂フィルムとしては、味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルムABFを用いる。真空プレスを行う際の条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルムを真空プレスする際の条件と同様に、例えば100℃、1MPaとする。こうして、配線98及び導体プラグ100が形成された樹脂層94上に、樹脂フィルムが形成される。
【0153】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂フィルムを硬化させる。熱処理条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を硬化させる際の条件と同様に、例えば、170℃、1時間とする。こうして、配線98及び導体プラグ100が形成された樹脂層94上に、樹脂フィルムより成る樹脂層102が形成される(図21(b)参照)。
【0154】
次に、樹脂層102の表層部及び導体プラグ100の上部を、バイト12により切削する。樹脂層102の表層部及び導体プラグ100の上部を切削する際の条件は、例えば、樹脂層10の表層部を切削する際の上述した条件と同様とする。即ち、バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。樹脂層102の表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。導体プラグ100の表面における十点平均粗さRzは、例えば5〜15nm程度となる(図21(b)参照)。
【0155】
なお、ここでは、樹脂層102の表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層102の表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層102の表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層102の表層部を切削すればよい。
【0156】
また、ここでは、支持基板58を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、支持基板58を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0157】
次に、全面に、無電解めっき法により、銅又はニッケルより成るシード層(図示せず)を形成する。シード層の形成方法は、例えば第1実施形態において記載したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層を形成する。
【0158】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0159】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シード層に達する開口部(図示せず)を形成する。開口部は、配線104を形成するためのものである。
【0160】
次に、電気めっき法により、開口部内にCuより成る配線104を形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0161】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0162】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜に配線104に達する開口部(図示せず)を形成する。開口部は、導体プラグ106を形成するためのものである。
【0163】
次に、電気めっき法により、フォトレジスト膜の開口部内にCuより成る導体プラグ106を形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0164】
次に、露出している部分のシード層をエッチング除去する(図22(a)参照)。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層をエッチング除去する際に、導体プラグ106の表面も若干エッチングされるが、シード層の厚さは、導体プラグ106のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることができ、導体プラグ106が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0165】
次に、真空プレス装置を用いて、樹脂フィルムを支持基板58上に貼り付ける。かかる樹脂フィルムは樹脂層108(図22(b)参照)を形成するためのものである。樹脂フィルムとしては、味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルムABFを用いる。真空プレスを行う際の条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を真空プレスする際の条件と同様に、例えば100℃、1MPaとする。こうして、配線104及び導体プラグ106が形成された樹脂層102上に、樹脂フィルムが形成される。
【0166】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂フィルムを硬化させる。熱処理条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を硬化させる際の条件と同様に、例えば、170℃、1時間とする。こうして、配線104及び導体プラグ106が形成された樹脂層102上に、樹脂フィルムより成る樹脂層108が形成される(図22(b)参照)。
【0167】
次に、樹脂層108の表層部及び導体プラグ106の上部を、バイト12により切削する。樹脂層108の表層部及び導体プラグ106の上部を切削する際の条件は、例えば樹脂層10の表層部を切削する際の上述した条件と同様とする。即ち、バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。このような条件で切削を行うと、樹脂層108の表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。
【0168】
なお、ここでは、樹脂層108の表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層108の表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層108の表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層108の表層部を切削すればよい。
【0169】
また、ここでは、支持基板58を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、支持基板58を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0170】
次に、全面に、無電解めっき法により、銅又はニッケルより成るシード層(図示せず)を形成する。シード層の形成方法は、例えば第1実施形態において記載したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層を形成する。
【0171】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0172】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シード層に達する開口部(図示せず)を形成する。開口部は、配線110を形成するためのものである。
【0173】
次に、電気めっき法により、開口部内にCuより成る配線110を形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0174】
次に、配線110の周囲に表出しているシード層をウエットエッチングにより除去する。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層をエッチング除去する際には、配線110の表面も若干エッチングされる。但し、シード層の厚さは、配線110のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層をエッチングする際に、配線110が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0175】
こうして、本実施形態による回路基板が構成される。かかる状態を、図23に示す。
【0176】
本実施形態による回路基板は、上述したように、樹脂シートを用いてキャパシタの誘電体膜84を形成し、樹脂シートより成る誘電体膜84の表層部をバイトにより切削することに主な特徴がある。
【0177】
従来の回路基板の製造方法では、樹脂層をデスミア処理する必要があったため、デスミア処理の際に形成される十数μmの孔によって上部電極と下部電極との絶縁性が損なわれるのを防止すべく、樹脂層の厚さを30μm以上に設定せざるをえなかった。キャパシタの静電容量は誘電体膜の膜厚に反比例するため、静電容量の大きいキャパシタを有する回路基板を製造することが困難であった。
【0178】
これに対し、本実施形態では、樹脂シートを用いてキャパシタの誘電体膜84を形成し、樹脂シートより成る誘電体膜84の表層部をバイト12により切削する。本実施形態によれば、切削後の誘電体膜84aの表面が適度な粗さになるため、誘電体膜84aと上部電極90との密着性を十分に確保することができる。また、本実施形態では、デスミア処理を行うことを要しないため、誘電体膜84aの表面に過度に深い孔が形成されることがない。このため、誘電体膜84aの膜厚を十分に薄くした場合であっても、上部電極82と下部電極90との間の絶縁性が十分に確保される。従って、本実施形態によれば、信頼性が高く、静電容量の大きいキャパシタを有する回路基板を提供することができる。
【0179】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による回路基板の製造方法を図24及び図25を用いて説明する。図24及び図25は、本実施形態による回路基板の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図23に示す第1又は第2実施形態によるめっき方法、半導体装置の製造方法又は回路基板の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0180】
本実施形態による回路基板の製造方法は、抵抗器を構成する抵抗層を樹脂フィルムを用いて形成し、抵抗層の表層部をバイトにより切削することに主な特徴がある。
【0181】
まず、電極82を形成するまでの工程は、図14(a)乃至図16(a)を用いて上述した第2実施形態による回路基板の製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0182】
次に、樹脂フィルム112を用意する。樹脂フィルム112としては、エポキシ系の樹脂より成る基材中に、導電体より成るフィラーを混合した樹脂フィルムを用いる。導電体より成るフィラーは、例えばニッケル−クロム合金の粉末より成るものである。
【0183】
なお、ここでは、導電体より成るフィラーとして、ニッケル−クロム合金の粉末を用いる場合を例に説明したが、導電体より成るフィラーは、ニッケル−クロム合金の粉末に限定されるものではない。基材として用いる樹脂より透磁率の高い材料を、フィラーの材料として適宜用いることができる。例えば、導電体より成るフィラーとして、炭素の粉末や炭化珪素の粉末等を用いてもよい。また、導電体より成るフィラーとして、これらの混合物を用いてもよい。
【0184】
次に、樹脂フィルム111を支持基板58上に載置する。この際、抵抗層となる樹脂フィルム111が互いに電気的に短絡するのを防止すべく、隣接する樹脂フィルム111を互いに離間させる(図24(a)参照)。
【0185】
次に、真空プレス装置を用いて、樹脂フィルム111を支持基板58上に貼り付ける。樹脂フィルム111は、樹脂層112(図24(b)参照)を形成するためのものである。真空プレスを行う際の条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を真空プレスする際の条件と同様に、例えば100℃、1MPaとする。こうして、支持基板58上に樹脂フィルム111が形成される。
【0186】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂フィルム111を硬化させる。熱処理条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を硬化させる際の条件と同様に、例えば、170℃、1時間とする。この熱処理は、樹脂層112自体を硬化させるための熱処理である。従って、樹脂フィルム8を硬化させる際の上述した条件と同様の条件で熱処理を行えばよい。こうして、支持基板58上に樹脂フィルム111より成る樹脂層112(図24(b)参照)が形成される。
【0187】
次に、図24(b)に示すように、樹脂層112の表層部をバイト12を用いて切削する。樹脂層112の表層部を切削する際の条件は、樹脂層10の表層部を切削する際の上述した条件と同様とする。即ち、バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。このような条件で切削を行うと、切削後の樹脂層112aの表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。樹脂層112の表層部を切削する際の条件を適宜設定することにより、切削後の樹脂層112aの表面を所望の粗さに設定することが可能である。樹脂層112の表層部を切削する際には、電極82上に存在する樹脂層112の厚さが例えば10μmになるまで、樹脂層112の表層部を切削する。こうして、膜厚が例えば10μmの樹脂層より成る抵抗層112aが形成される。
【0188】
なお、ここでは、樹脂層112aの表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層112aの表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層112aの表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層112aの表層部を切削すればよい。
【0189】
また、ここでは、支持基板58を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、支持基板58を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0190】
次に、全面に、無電解めっき法により、抵抗層112a上にシード層(図示せず)を形成する。シード層の形成方法は、例えば第1実施形態において記載したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層を形成する。
【0191】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0192】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜にシード層に達する開口部(図示せず)を形成する。開口部は、電極90を形成するためのものである。
【0193】
次に、電気めっき法により、フォトレジスト膜の開口部内にCuより成る電極90を形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0194】
次に、電極90の周囲に表出している部分のシード層をウエットエッチングにより除去する。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層138をエッチング除去する際には、電極90の表面も若干エッチングされる。但し、シード層の厚さは、電極90のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層90をエッチングする際に、電極90が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0195】
こうして、電極82と電極90との間に樹脂より成る抵抗器112aが形成されることとなる。
【0196】
この後の回路基板の製造方法は、図20(b)乃至図23に示す第2実施形態による回路基板の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
【0197】
本実施形態による回路基板は、抵抗器を構成する抵抗層112を樹脂フィルムを用いて形成し、抵抗層112の表層部をバイト12により切削することに主な特徴がある。
【0198】
本実施形態では、樹脂より成る抵抗層112の表層部をバイト12により切削するため、切削後の抵抗層112aの表面が適度な粗さになる。このため、抵抗層112aと電極90との密着性を十分に確保することができる。また、デスミア処理を行うことを要しないため、樹脂より成る抵抗層112aの表面に過度に深い孔が形成されない。このため、抵抗層112aの厚さを薄くした場合であっても、電極82と電極90との間の絶縁性が十分に確保される。このため、抵抗層112aの厚さを適宜設定することにより、抵抗値を所望の値に設定することが可能となる。また、抵抗層112aの表面に過度に深い孔が形成されないため、抵抗値のばらつきを小さくすることができる。従って、本実施形態によれば、信頼性の高い抵抗器を有する回路基板を製造することができる。
【0199】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による回路基板の製造方法を図26乃至図28を用いて説明する。図26乃至図28は、本実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図である。図1乃至図25に示す第1乃至第3実施形態によるめっき方法、半導体装置の製造方法及び回路基板の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0200】
本実施形態による回路基板の製造方法は、樹脂フィルムを用いて高透磁率層114を形成した後、高透磁率層114の表層部をバイトを用いて切削し、この後、高透磁率層114a上にインダクタ116を形成することに主な特徴がある。
【0201】
まず、電極82を形成するまでの工程は、図14(a)乃至図16(a)を用いて上述した第2実施形態による回路基板の製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0202】
次に、樹脂フィルム113を用意する。樹脂フィルム113は、樹脂層114を形成するためのものである。樹脂フィルム113としては、エポキシ系の樹脂より成る基材中に、樹脂より透磁率の高い高透磁率のフィラーを含有させた樹脂フィルムを用いる。高透磁率のフィラーは、例えばMn−Zn系フェライトよりなるものである。
【0203】
なお、ここでは、高透磁率のフィラーとして、Mn−Zn系フェライトの粉末を用いる場合を例に説明したが、高透磁率のフィラーはMn−Zn系フェライトの粉末に限定されるものではない。基材として用いられる樹脂より透磁率の高い材料を、フィラーの材料として適宜用いることができる。例えば、フィラーの材料として、Ni−Zn系フェライトの粉末を用いてもよい。また、これらの混合物をフィラーとして用いてもよい。
【0204】
基材として用いられるエポキシ系の樹脂の透磁率は、1程度である。これに対し、Mn−Zn系フェライトの透磁率は、10程度である。また、Ni−Zn系フェライトの透磁率は20程度である。このような高透磁率のフィラーを樹脂に含有させることにより、高い透磁率を有する樹脂フィルム113が得られる。
【0205】
次に、樹脂フィルム113を支持基板58上に載置する。
【0206】
次に、真空プレス装置を用いて、樹脂フィルム113を支持基板58に貼り付ける。真空プレスを行う際の条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を真空プレスする際の条件と同様に、例えば100℃、1MPaとする。こうして、支持基板58上に樹脂フィルム113が形成される(図26(a)参照)。
【0207】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂フィルム113を硬化させる。熱処理条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム8を硬化させる際の条件と同様に、例えば、170℃、1時間とする。この熱処理は、樹脂フィルム113自体を硬化させるための熱処理である。従って、樹脂フィルム8を硬化させる際の上述した条件と同様の条件で熱処理を行えばよい。こうして、支持基板58上に樹脂フィルム113より成る樹脂層114(図26(b)参照)が形成される。
【0208】
次に、図26(b)に示すように、樹脂層114の表層部をバイト12を用いて切削する。樹脂層114の表層部を切削する際の条件は、樹脂層10の表層部を切削する際の上述した条件と同様とする。即ち、バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。このような条件で切削を行うと、切削後の樹脂層114aの表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。樹脂層114aの表層部を切削する際の条件を適宜設定することにより、樹脂層114aの表面を所望の粗さに設定することが可能である。こうして、膜厚が例えば10μmの樹脂より成る高透磁率層114aが形成される。
【0209】
なお、ここでは、樹脂層114aの表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層114aの表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層114aの表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層114の表層部を切削すればよい。
【0210】
また、ここでは、支持基板58を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、支持基板58を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0211】
次に、全面に、無電解めっき法により、銅又はニッケルより成るシード層(図示せず)を形成する。シード層の形成方法は、例えば第1実施形態において記載したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層を形成する。
【0212】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0213】
次に、フォトリソグラフィ技術を適用して、このフォトレジスト膜をパターニングし、インダクタ116及び配線118を形成するための開口部(図示せず)を形成する。
【0214】
次に、電気めっき法により、前記フォトレジスト膜の開口部内にCuを被着し、インダクタ116及び配線118を形成する。
【0215】
しかる後、フォトレジスト膜を剥離し、更に露出している部分のシード層をエッチング除去する。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層をエッチング除去する際には、インダクタ116及び配線118の表面も若干エッチングされる。但し、シード層の厚さは、インダクタ116や配線118のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層をエッチングする際に、インダクタ116や配線118が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0216】
こうして、図27に示すように、樹脂より成る高透磁率層114a上に、平面コイル状のインダクタ116、ならびに配線118が形成される。
【0217】
なお、上記のような選択めっき法による形成方法の他に、最初に電気めっき法によりシード層上にCu層を全面に形成し、その後で上記Cu層を選択的にエッチングすることによりインダクタ116及び配線118を形成することも可能である。
【0218】
図27(b)は、本実施形態による回路基板上のインダクタの平面形状を示し、図27(a)は、図27(b)のA−A′線に於ける断面を示す。
【0219】
次に、図28に示すように、真空プレス装置を用いて、樹脂フィルム94を基板に貼り付ける。樹脂フィルム94としては、味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルムABFを用いる。樹脂フィルム94の厚さは60μmとする。真空プレスを行う際の条件は、第1実施形態において記載した樹脂フィルム10を真空プレスする際の条件と同様に、例えば100℃、1MPaとする。こうして、支持基板58上に樹脂フィルムより成る樹脂層94が形成される。
【0220】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂層94を硬化させる。熱処理条件は、第1実施形態において記載した樹脂層10を硬化させる際の上述した条件と同様に、例えば、170℃、1時間とする。
【0221】
次に、樹脂層94の表層部をバイト12を用いて切削する。樹脂層94の表層部を切削する際の条件は、樹脂層10の表層部を切削する際の上述した条件と同様とする。即ち、バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。このような条件で切削を行うと、樹脂層94の表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。
【0222】
なお、ここでは、樹脂層94の表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層94の表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層94の表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層94の表層部を切削すればよい。
【0223】
また、ここでは、支持基板58を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、支持基板58を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0224】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、配線118に達するコンタクトホール96を樹脂層94に形成する。
【0225】
次に、全面に、無電解めっき法により、銅又はニッケルより成るシード層(図示せず)を形成する。シード層の形成方法は、例えば第1実施形態において記載したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層を形成する。
【0226】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0227】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜にシード層に達する開口部(図示せず)を形成する。開口部は、配線98を形成するためのものである。
【0228】
次に、電気めっき法により、フォトレジスト膜の開口部内にCuより成る配線98を形成する。この後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0229】
次に、配線98から露出している部分のシード層をウエットエッチングにより除去する(図28参照)。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層をエッチング除去する際には、配線98の表面も若干エッチングされる。但し、シード層の厚さは、配線98のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層をエッチングする際に、配線98が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0230】
この後の回路基板の製造方法は、第2実施形態による回路基板の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
【0231】
本実施形態による回路基板は、樹脂フィルムを用いて高透磁率層114を形成した後、高透磁率層114の表層部をバイト12を用いて切削し、この後、高透磁率層114a上にインダクタ116を形成することに主な特徴がある。
【0232】
本実施形態では、樹脂フィルムより成る高透磁率層114の表層部をバイト12により切削するため、切削後の高透磁率層114aの表面が適度な粗さになる。このため、樹脂より成る高透磁率層114aとインダクタ116の密着性を十分に確保することができる。また、デスミア処理を行うことを要しないため、樹脂より成る高透磁率層114aの表面に過度に深い孔が形成されない。このため、高透磁率層114a上にフォトレジスト膜より成る微細なパターンを形成することができる。従って、本実施形態によれば、巻線のピッチが極めて狭い信頼性の高いインダクタ116を形成することができる。
【0233】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による半導体装置の製造方法を図30乃至図37を用いて説明する。図30乃至図37は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【0234】
上述した図1乃至図29に示す第1乃至第4実施形態によるめっき方法、半導体装置の製造方法及び回路基板の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0235】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、ボールボンディング法により形成されたバンプ電極128、即ち、スタッドバンプ128を埋め込むように樹脂層132を形成し、樹脂層132の表層部及びバンプ電極128の上部をバイト12を用いて切削し、しかる後、切削が施された樹脂層132a上及びバンプ電極128上にシード層138を形成することに主な特徴がある。
【0236】
まず、図30(a)に示すように、半導体基板120を用意する。半導体基板120としては、例えばシリコンウェハを用いる。半導体基板120には、MOSトランジスタなどの機能素子、容量素子等の受動素子等を用いて構成される論理回路及び/或いは記憶回路等(図示せず)が形成されている。かかる半導体基板120上には、例えばシリコン酸化膜より成る絶縁膜122が形成されている。絶縁膜122は、例えばCVD法により形成されたものである。絶縁膜122は、半導体基板120上に複数層形成されているが、図30(a)においては1層のみ示している。図30(a)に示すように、絶縁膜122には、開口部124が形成されている。かかる開口部124には、上述した論理回路及び/或いは記憶回路等に電気的に接続された、例えばアルミニウム(Al)より成る電極パッド126が配置されている。
【0237】
なお、本実施形態では、製造コストを低く抑えるために、半導体基板120を個々の半導体素子(半導体チップ)に切断しない状態で以下の工程を行うことを想定しているが、半導体基板120を個々の半導体素子に切断・分離した後に、以下の工程を行ってもよい。
【0238】
次に、図30(b)に示すように、電極パッド126上に、例えば金(Au)又は銅(Cu)等より成るスタッドバンプ128を形成する。スタッドバンプ128は、ワイヤボンディング技術に用いられるボールボンディング方式を用いて電極パッド126上に形成されるバンプ電極のことである。スタッドバンプ128は、金(Au)等より成るワイヤの先端に放電によってボールを形成後、ワイヤボンディング用のキャピラリを用いてボールをアルミニウム等より成る電極パッド126上に熱圧着し、ワイヤを固定したままの状態でキャピラリを上部に引き上げ、ワイヤをボール上端部で切断することにより、形成される。
【0239】
なお、スタッドバンプ128を形成する前に、半導体基板120に形成された各々の半導体チップ120a(図31参照)に対して検査或いは試験を行い、検査或いは試験に合格した半導体チップ120aの電極パッド126上にのみスタッドバンプ128を形成するようにしてもよい。良品でない半導体チップ120aの電極パッド126上にスタッドバンプ128を形成しないようにすれば、製造コストを低減することが可能となる。
【0240】
次に、図30(c)に示すように、半導体基板120上に樹脂フィルム130を載置する。樹脂フィルム130としては、第1実施形態で用いた樹脂フィルム8と同様に、例えば、味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルムABFを用いる。樹脂フィルム130の厚さは、例えば60μmとする。
【0241】
次に、真空プレス装置を用い、層間絶縁膜122等が形成された半導体基板120上に樹脂フィルム130を貼り付ける(図30(d)参照)。具体的には、樹脂フィルム130を加熱して溶解させるとともに、減圧することにより、層間絶縁膜122上に樹脂フィルム130を貼り付ける。樹脂フィルム130を溶解させる際の温度は、例えば150℃とする。こうして、層間絶縁膜122等が形成された半導体基板120上に樹脂フィルム130より成る樹脂層132が形成される。スタッドバンプ128は、樹脂層132により埋め込まれた状態となる。
【0242】
この後、熱処理を行うことにより、樹脂層132を硬化させる。熱処理条件は、例えば170℃、1時間とする。
【0243】
次に、図31(a)に示すように、半導体基板120を、超精密旋盤134のチャックテーブル136上に、真空吸着により固定する。
【0244】
図31(a)は、半導体基板120を超精密旋盤に固定した状態を示す斜視図である。半導体基板120をチャックテーブル136上に固定する際には、半導体基板120の裏面側、即ち、スタッドバンプ128等が形成されていない側の面をチャックテーブル136に固定する。なお、半導体基板120をチャックテーブル136上に固定する際には、ピンチャックを用いることが好ましい。
【0245】
次に、半導体基板120を回転させながら、ダイヤモンドよりなるバイト12を用いて、樹脂層132の表層部及びスタッドバンプ128の上部を切削する(図31(b)参照)。
【0246】
樹脂層132の表層部及びスタッドバンプ128の上部を切削する際の条件は、以下の通りとする。
【0247】
切削に用いるバイト12の刃先角は、例えば80度とする。バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。このような回転数に設定すると、回転半径が5cm程度の際には、切削速度が5m/秒程度となる。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。
【0248】
このような条件で切削を行うと、樹脂層132a(以下、切削後の樹脂層を樹脂層132aと表示し、切削前の樹脂層132と区別する。)の表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。一方、スタッドバンプ128の表面における十点平均粗さRzは、例えば20nm程度となる。
【0249】
なお、ここでは、樹脂層132aの表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層132aの表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層132aの表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層132の表層部を切削すればよい。
【0250】
こうして、樹脂層132の表層部及びスタッドバンプ128の上部が切削される。この結果、樹脂層132(a)の被切削面には、スタッドバンプ128の上端面が表出される(図32(a)参照)。
【0251】
図32(b)は、図32(a)の円S内を拡大して表した図である。図32(b)に示すように、樹脂層132aの表面には、凹凸14が形成されている。
【0252】
なお、ここでは、半導体基板120を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、半導体基板120を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0253】
次に、図32(c)に示すように、全面に、無電解めっき法により、銅又はニッケルより成るシード層138を形成する。シード層138の形成方法は、例えば第1実施形態において記載したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層132a表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層138を形成する。こうして、例えば膜厚0.3〜0.5μmの無電解めっき膜より成るシード層138が形成される。
【0254】
図32(d)は、図32(b)の円S内を拡大して表した図である。図32(d)に示すように、表面に凹部14が形成された樹脂層132a上にシード層138を形成するため、シード層138のうちの凹部14内に形成された部分が、凹部14内において確実に固定される。このため、シード層138と樹脂層132aとの密着性が十分に確保される。
【0255】
かかるシード層138は、上述したスタッドバンプ128の端面表出部と機械的に接触して形成され、電気的導通を可能とする。
【0256】
次に、図33(a)に示すように、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜140を形成する。
【0257】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シード層138に達する開口部142をフォトレジスト膜140に形成する。開口部142は、配線144を形成するためのものである。樹脂層132aの表面に過度に深い孔が形成されていないため、シード層138の表面にも過度に深い凹部は形成されていない。このため、フォトレジスト膜140を微細にパターニングする場合であっても、フォトレジスト膜140より成る良好なパターンを形成することができる。
【0258】
次に、図33(b)に示すように、電気めっき法により、フォトレジスト膜140の開口部内のシード層138上にCuより成る配線144を形成する。上述したように、フォトレジスト膜140を微細にパターニングした場合であっても良好なパターンが形成されているため、非常に狭いピッチで配線144を形成することが可能である。シード層138と樹脂層132aとの密着性が十分に確保されているため、配線144はシード層138を介して樹脂層132aに確実に固定される。
【0259】
この後、図33(c)に示すように、フォトレジスト膜140を剥離する。
【0260】
次に、図34(a)に示すように、配線144及びシード層138上の全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜146を形成する。
【0261】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、配線144に達する開口部148を形成する。開口部148は、導体プラグ150を形成するためのものである。
【0262】
次に、図34(b)に示すように、電気めっき法により、開口部148内にCuより成る導体プラグ150を形成する。
【0263】
この後、図34(c)に示すように、フォトレジスト膜146を剥離する。
【0264】
次に、図35(a)に示すように、配線144の周囲に表出するシード層138をウエットエッチングにより除去する。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層138をエッチング除去する際には、配線144や導体プラグ150の表面も若干エッチングされる。但し、シード層138の厚さは、配線144や導体プラグ150のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層138をエッチングする際に、配線144や導体プラグ150が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0265】
次に、図35(b)に示すように、半導体基板120上に樹脂フィルム152を載置する。樹脂フィルム152としては、例えば、図30(c)を用いて上述した樹脂フィルム130と同様に、味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルムABFを用いる。
【0266】
次に、真空プレス装置を用い、配線144及び導体プラグ150が形成された樹脂層132a上に樹脂フィルム152を貼り付ける(図35(c)参照)。具体的には、樹脂フィルム152を加熱して溶解させるとともに、減圧することにより、層間絶縁膜132a上に樹脂フィルム154を貼り付ける。樹脂フィルム154を溶解させる際の温度は、例えば150℃とする。こうして、樹脂層132a上に樹脂フィルム152より成る樹脂層154が形成される。配線144及び導体プラグ150は、樹脂層154により埋め込まれた状態となる。
【0267】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂層154を硬化させる。熱処理条件は、例えば、170℃、1時間とする。
【0268】
次に、図36(a)に示すように、半導体基板120を、超精密旋盤134のチャックテーブル136上に、真空吸着により固定する。
【0269】
図36(a)は、半導体基板120を超精密旋盤に固定した状態を示す斜視図である。半導体基板120をチャックテーブル136上に固定する際には、半導体基板120の裏面側、即ち、導体プラグ150等が形成されていない側の面をチャックテーブル136に固定する。なお、半導体基板120をチャックテーブル136上に固定する際には、ピンチャックを用いることが好ましい。
【0270】
次に、半導体基板120を回転させながら、ダイヤモンドよりなるバイト12を用いて、樹脂層154の表層部及び導体プラグ150の上部を切削する(図36(b)参照)。
【0271】
樹脂層154の表層部及び導体プラグ150の上部を切削する際の条件は、図31を用いて上述した樹脂層132の表層部及びスタッドバンプ128の上部を切削する際の条件と同様としてもよいし、樹脂層132の表層部及びスタッドバンプ128の上部を切削する際の条件と異ならせてもよい。樹脂層154a(以下、切削後の樹脂層を樹脂層154aと表示し、切削前の樹脂層154と区別する。)上にはシード層を形成する必要がないため、樹脂層154aの表面を適度な粗さに設定する必要がないためである。樹脂層154aの表面を滑らかにしたい場合には、バイト12のすくい角を例えば10度程度に設定して切削を行えばよい。バイト12のすくい角を大きめに設定すれば、樹脂層154aの表面を滑らかにすることが可能である。チャックテーブル136の回転数は、例えば1000rpm程度とする。切削を数回に分けて行う場合、最終回の切削におけるバイト12の切り込み量は、例えば2μm程度とする。バイト12の送りは、例えば70μm/秒とする。このような条件で切削を行えば、樹脂層154aの表面を非常に滑らかにすることが可能である。
【0272】
こうして、樹脂層154の表層部及び導体プラグ150の上部が切削される(図37(a)参照)。
【0273】
また、ここでは、半導体基板120を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、半導体基板120を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0274】
次に、図37(b)に示すように、導体プラグ150上に、例えばSn系はんだより成る半田バンプ156を形成する。
【0275】
なお、ここでは、導体プラグ150上に半田バンプ156を直接形成する場合を例に説明したが、導体プラグ150上に、ニッケル(Ni)、金(Au)等よりなるバリアメタル膜(図示せず)を形成するようにしてもよい。バリアメタル膜を導体プラグ150上に形成し、かかるバリアメタル膜上に半田バンプ156を形成するようにすれば、導体プラグ150の材料が半田バンプ156中に拡散するのを防止することができる。
【0276】
次に、ダイヤモンド粒子などを結合材で固めて形成した薄刃のブレードを用いて、半導体基板を個々の半導体素子(半導体チップ)に切断・分離する。なお、予め半導体基板を個々の半導体素子に切断・分離しておいた場合には、かかる処理は当然必要としない。
【0277】
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
【0278】
かかる構造にあっては、半導体基板120の電極パッド126は、スタッドバンプ128、シード層138を含む配線144、導体プラグ150、及び、半田バンプ156を介して、外部に電気的に接続される。
【0279】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、上述したように、ボールボンディング法により形成されたバンプ電極(スタッドバンプ)128を埋め込むように樹脂層132を形成し、樹脂層132の表層部及びスタッドバンプ128の上部をバイト12を用いて切削し、しかる後、樹脂層132a上及びスタッドバンプ128上にシード層138を形成することに主な特徴がある。
【0280】
めっき法によりバンプ電極を形成する場合には、バンプ電極の数にかかわらず、一定のコストがかかる。このため、バンプ電極の数が非常に多い場合には、一つ当たりのバンプ電極の単価は比較的安くなるが、バンプ電極の数があまり多くない場合には、一つ当たりのバンプ電極の単価は比較的高くなる。一方、スタッドバンプ128を形成する場合、即ち、ボールボンディングによりバンプ電極128を形成する場合には、バンプ電極128の数に応じてコストがかかる。このため、バンプ電極128の数が比較的少ない場合には、ボールボンディングにより形成した場合の方が、めっき法により形成した場合より低コストになる場合がある。従って、本実施形態のように、ボールボンディングによりバンプ電極を適宜形成するようにすれば、低コスト化を図ることが可能となる。
【0281】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による半導体装置の製造方法を図38乃至図46を用いて説明する。図38乃至図46は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【0282】
上述した図1乃至図37に示す第1乃至第5実施形態によるめっき方法、半導体装置の製造方法及び回路基板の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0283】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、半導体基板158上に半導体チップ166を実装し、半導体基板158上及び半導体チップ166上にそれぞれボールボンディングによりワイヤ電極174及びバンプ電極176を形成し、これらワイヤ電極174及びバンプ電極176を埋め込むように樹脂層180を形成し、しかる後、この樹脂層180の表層部をバイト12を用いて切削し、切削が施された樹脂層180a上にワイヤ電極174及びバンプ電極176に接してシード層182を形成することに主な特徴がある。
【0284】
まず、図38(a)に示すように、半導体基板158を用意する。半導体基板158としては、例えばシリコンウェハを用いる。半導体基板158には、MOSトランジスタなどの機能素子、容量素子などの受動素子などを用いて構成される論理回路及び/或いは記憶回路など(図示せず)が形成されている。かかる半導体基板158上には、例えばシリコン酸化膜より成る絶縁膜160が形成されている。絶縁膜160は、例えばCVD法により形成されたものである。絶縁膜160は、半導体基板158上に複数層形成されているが、図38(a)においては1層のみ示している。
【0285】
絶縁膜160には、開口部164a、164bが形成されている。かかる開口部164aには、上述した論理回路等に電気的に接続された、例えばアルミニウム(Al)より成る電極パッド164aが配されている。
【0286】
開口部164bには、上述した論理回路等に電気的に接続されていない、例えばアルミニウム(Al)より成るダミーパッド164bが配されている。ダミーパッド164bは、後述するバンプ電極のワイヤを切断する際に用いられるものである。ダミーパッド164bは、チップ内にダミーパッド164bを形成するスペースがあれば当該チップ内に設置するが、当該チップ内にダミーパッド164bを形成するスペースがなければ、隣接するチップに設置することも可能である。図38(a)は隣接するチップにダミーパッドを設置した例である。図38(a)における破線は、後工程において半導体基板158を半導体素子(半導体チップ)に切断する際における切断面を示している。図38(a)に示すように、ダミーパッド164bは、互いに隣接するチップに配されている。
【0287】
次に、半導体チップ166を用意する(図38(b)参照)。半導体チップ166の一方の主面(半導体基板158に対向する面とは反対側の面)には、MOSトランジスタなどの機能素子、容量素子などの受動素子などを用いて構成される他の論理回路及び/或いは他の記憶回路など(図示せず)が形成されている。半導体チップ166の一方の主面(半導体基板158に対向する面とは反対側の面)には、例えばシリコン酸化膜より成る絶縁膜168が形成されている。絶縁膜168は、例えばCVD法により形成されたものである。絶縁膜168は、半導体チップ166上に多数形成されているが、図38(b)においては1層のみ示している。絶縁膜168には、開口部170が形成されている。かかる開口部170には、上述した論理回路等に電気的に接続された、例えばアルミニウム(Al)より成る電極パッド172が配されている。
【0288】
次に、半導体基板158上に形成された絶縁膜160上に、半導体チップ166を実装する。この際、半導体チップ166の他方の主面と半導体基板158とが対向するように、半導体チップ166を実装する。半導体チップ166を半導体基板158上に実装する際、即ち、半導体チップ166を半導体基板158上に固定する際には、接着剤167を用いて半導体チップ166を半導体基板158上に固定する。こうして、半導体チップ166が接着層167により固定された状態となる。
【0289】
次に、ボールボンディング法により、半導体基板158上に形成された電極パッド164aとダミーパッド164bとをワイヤボンディングで結んでワイヤ電極174を形成するとともに、半導体チップ166上に形成された電極パッド172上に他のバンプ電極(スタッドバンプ)176を形成する。ワイヤ電極174及びスタッドバンプ176の材料としては、例えば金(Au)又は銅(Cu)を用いる。ワイヤ電極174を形成する際には、少なくとも半導体チップ166の一方の主面(半導体基板158に対向する面とは反対側の面)より上方まで突出するように、ワイヤ電極174を形成する。
【0290】
具体的には、放電によって金(Au)等より成るワイヤ174bの先端にボール174aを形成後、ワイヤボンディング用のキャピラリを用いてボール174aをアルミニウム等より成る電極パッド164a上に熱圧着し、ワイヤ174bを固定したままの状態でキャピラリを上部に引き上げ、この後、ワイヤ174bをダミーパッド164bに熱圧着し、ワイヤ174bを切断することにより、ワイヤ電極174を形成する。なお、ワイヤ電極174を形成する際には、後述するスタッドバンプ176の上端より上方まで突出するように、ワイヤ電極174を形成することが好ましい。
【0291】
一方、スタッドバンプ176は、放電によって金(Au)等よりなるワイヤの先端にボールを形成後、ワイヤボンディング用のキャピラリを用いてボールをアルミニウム等よりなる電極パッド172上に熱圧着し、ワイヤを固定したままの状態でキャピラリを上部に引き上げ、ワイヤをボール上端部で切断することにより、形成する。
【0292】
ワイヤ電極174を半導体チップ166の一方の主面(半導体基板158に対向する面とは反対側の面)より上方まで突出するように形成するのは、後述する工程においてワイヤ電極174とスタッドバンプ176とを配線188(図42(b)参照)により接続し得るようにするためである。
【0293】
なお、ワイヤ電極174及びスタッドバンプ176を形成する前に、半導体基板158に形成された各々の半導体チップ158a(図40(a)参照)に対して検査或いは試験を行い、検査或いは試験に合格した半導体チップ158a上にのみワイヤ電極174及びスタッドバンプ176を形成するようにしてもよい。良品でない半導体チップ158a上にワイヤ電極174及びスタッドバンプ176を形成しないようにすれば、製造コストを低減することが可能となる。
【0294】
次に、図39(a)に示すように、半導体基板158上に樹脂フィルム178を載置する。樹脂フィルム178としては、第1実施形態で用いた樹脂フィルム8と同様に、例えば、味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルムABFを用いる。樹脂フィルム178の厚さは、例えば150μmとする。
【0295】
次に、真空プレス装置を用い、層間絶縁膜160等が形成された半導体基板158上に樹脂フィルム178を貼り付ける(図30(d)参照)。具体的には、樹脂フィルム178を加熱して溶解させるとともに、減圧することにより、層間絶縁膜160上に樹脂フィルム178を貼り付ける。樹脂フィルム178を溶解させる際の温度は、通常の150℃より高い例えば160℃とすることで、ワイヤを曲げずに樹脂はワイヤ間に充填される。こうして、層間絶縁膜160等が形成された半導体基板158上に樹脂フィルム178より成る樹脂層180が形成される。即ち、ワイヤ電極174及びスタッドバンプ176は、樹脂層180により埋め込まれた状態となる。
【0296】
なお、樹脂フィルムに代えて、液状の樹脂を用いてワイヤ電極174及びスタッドバンプ176を埋め込むことも可能である。
【0297】
この後、熱処理を行うことにより、樹脂層180を硬化させる。熱処理条件は、例えば170℃、1時間とする。
【0298】
次に、図40(a)に示すように、半導体基板158を、超精密旋盤134のチャックテーブル136上に、真空吸着により固定する。
【0299】
図40(a)は、半導体基板158を超精密旋盤に固定した状態を示す斜視図である。半導体基板158をチャックテーブル136上に固定する際には、半導体基板158の裏面側、即ち、ワイヤ電極174及びスタッドバンプ176等が形成されていない側の面をチャックテーブル136に固定する。なお、半導体基板158をチャックテーブル136上に固定する際には、ピンチャックを用いることが好ましい。
【0300】
次に、半導体基板158を回転させながら、ダイヤモンドよりなるバイト12を用いて、樹脂層180の表層部、並びに、ワイヤ電極174及びスタッドバンプ176の上部を切削する(図40(b)参照)。
【0301】
樹脂層180の表層部、並びに、ワイヤ電極174及びスタッドバンプ176の上部を切削する際の条件は、以下の通りとする。
【0302】
バイト12のすくい角を、0度とする。チャックテーブルの回転数は、例えば1000rpm程度とする。バイト12の切り込み量は、例えば5μm程度とする。バイト12の送りは、例えば50μm/秒とする。このような条件で切削を行うと、樹脂層180a(以下、切削後の樹脂層を樹脂層180aと表示し、切削前の樹脂層180と区別する。)の表面における十点平均粗さRzは、例えば1〜2μm程度となる。ワイヤ電極174及びスタッドバンプ176の表面における十点平均粗さRzは、例えば20nm程度となる。
【0303】
なお、ここでは、樹脂層180aの表面における十点平均粗さRzを1〜2μm程度とする場合を例に説明したが、樹脂層180aの表面における十点平均粗さRzは1〜2μm程度に限定されるものではない。樹脂層180aの表面における十点平均粗さRzが例えば0.5〜5μmとなるように、樹脂層180aの表層部を切削すればよい。
【0304】
こうして、樹脂層180の表層部、並びに、ワイヤ電極174及びスタッドバンプ176の上部が切削される。この結果、樹脂層180aの被切削面には、ワイヤ電極174及びスタッドバンプ176の上端面が表出される(図41(a)参照)
図41(b)は、図41(a)の円S内を拡大して表した図である。図41(b)に示すように、樹脂層180aの表面には、凹凸14が形成されている。
【0305】
また、ここでは、半導体基板158を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、半導体基板158を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0306】
次に、図41(c)に示すように、無電解めっき法により、全面に、銅又はニッケルより成るシード層182を形成する。シード層182の形成方法は、例えば第1実施形態において記載したシード層36の形成方法と同様とする。即ち、コンディショニング、樹脂層180a表面への触媒の付着等を行った後、無電解めっき法によりシード層182を形成する。こうして、例えば膜厚0.3〜0.5μmの無電解めっき膜より成るシード層182が形成される。
【0307】
図41(d)は、図41(c)の円S内を拡大して表した図である。図41(d)に示すように、表面に凹部14が形成された樹脂層180a上にシード層182を形成するため、シード層182のうちの凹部14内に形成された部分が、凹部14内において確実に固定される。このため、シード層182と樹脂層180aとの密着性が十分に確保される。
【0308】
かかるシード層182は、上述したワイヤ電極174及びスタッドバンプ176の上端面と機械的に接触して形成され、電気的導通を可能とする。
【0309】
次に、図42(a)に示すように、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜184を形成する。
【0310】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シード層182に達する開口部186をフォトレジスト膜184に形成する。開口部186は、配線188を形成するためのものである。樹脂層180aの表面に過度に深い孔が形成されていないため、シード層182の表面にも過度に深い凹部は形成されていない。このため、フォトレジスト膜184を微細にパターニングする場合であっても、フォトレジスト膜184より成る良好なパターンを形成することができる。
【0311】
次に、図42(b)に示すように、電気めっき法により、フォトレジスト膜184の開口部186内のシード層182上に、Cuより成る配線188を形成する。上述したように、フォトレジスト膜184を微細にパターニングした場合であっても良好なパターンが形成されているため、非常に狭いピッチで配線188を形成することが可能である。シード層182と樹脂層180aとの密着性が十分に確保されているため、配線188はシード層182を介して樹脂層180aに確実に固定される。
【0312】
この後、図42(c)に示すように、フォトレジスト膜184を剥離する。
【0313】
次に、図43(a)に示すように、配線188上及びシード層182上の全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜190を形成する。
【0314】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜190に配線188に達する開口部192を形成する。開口部192は、導体プラグ194(図43(b)参照)を形成するためのものである。
【0315】
次に、図43(b)に示すように、電気めっき法により、開口部192内にCuより成る導体プラグ194を形成する。
【0316】
この後、図43(c)に示すように、フォトレジスト膜190を剥離する。
【0317】
次に、図44(a)に示すように、配線188の周囲に表出するシード層182をウエットエッチングにより除去する。エッチング液としては、例えば1〜10%程度の過硫酸アンモニウム水溶液を用いる。エッチング時間は、例えば2分程度とする。シード層182をエッチング除去する際には、配線188や導体プラグ194の表面も若干エッチングされる。但し、シード層182の厚さは、配線188や導体プラグ194のサイズと比較して十分に小さいため、短時間でエッチングすることが可能である。このため、シード層182をエッチングする際に、配線188や導体プラグ194が過度にエッチングされてしまうことはない。
【0318】
次に、図44(b)に示すように、半導体基板158上に樹脂フィルム196を載置する。樹脂フィルム196としては、例えば、図39(a)を用いて上述した樹脂フィルム178と同様に、味の素株式会社製の絶縁層形成用フィルムABFを用いる。
【0319】
次に、真空プレス装置を用い、配線188及び導体プラグ194が形成された樹脂層180a上に樹脂フィルム196を貼り付ける(図44(c)参照)。具体的には、樹脂フィルム196を加熱して溶解させるとともに、減圧することにより、層間絶縁膜180a上に樹脂フィルム196を貼り付ける。樹脂フィルム196を溶解させる際の温度は、例えば150℃とする。こうして、樹脂層180a上に樹脂フィルム196より成る樹脂層198が形成される。この結果、配線188及び導体プラグ194は、樹脂層198により埋め込まれた状態となる。
【0320】
次に、熱処理を行うことにより、樹脂層198を硬化させる。熱処理条件は、例えば、170℃、1時間とする。
【0321】
次に、図45(a)に示すように、半導体基板158を、超精密旋盤134のチャックテーブル136上に、真空吸着により固定する。
【0322】
図45(a)は、半導体基板158を超精密旋盤に固定した状態を示す斜視図である。半導体基板158をチャックテーブル136上に固定する際には、半導体基板158の裏面側、即ち、導体プラグ194等が形成されていない側の面をチャックテーブル136に固定する。なお、半導体基板158をチャックテーブル136上に固定する際には、ピンチャックを用いることが好ましい。
【0323】
次に、半導体基板158を回転させながら、ダイヤモンドよりなるバイト12を用いて、樹脂層198の表層部及び導体プラグ194の上部を切削する(図45(b)参照)。
【0324】
樹脂層198の表層部及び導体プラグ194の上部を切削する際の条件は、図40を用いて上述した樹脂層180の表層部、ワイヤ電極174の上部及びスタッドバンプ176の上部を切削する際の条件と同様としてもよいし、樹脂層180の表層部、ワイヤ電極174の上部及びスタッドバンプ176の上部を切削する際の条件と異ならせてもよい。樹脂層198a(以下、切削後の樹脂層を樹脂層198aと表示し、切削前の樹脂層198と区別する。)上にはシード層を形成する必要がないため、樹脂層198aの表面を適度な粗さに設定する必要がないためである。樹脂層198aの表面を滑らかにしたい場合には、バイト12のすくい角を例えば10度程度に設定して切削を行えばよい。バイト12のすくい角を大きめに設定すれば、樹脂層198の表面を滑らかにすることが可能である。チャックテーブル136の回転数は、例えば1000rpm程度とする。切削を数回に分けて行う場合、最終回の切削におけるバイト12の切り込み量は、例えば2μm程度とする。バイト12の送りは、例えば70μm/秒とする。このような条件で切削を行えば、樹脂層198aの表面を非常に滑らかにすることが可能である。
【0325】
こうして、樹脂層198の表層部及び導体プラグ194の上部が切削される(図46(a)参照)。
【0326】
また、ここでは、半導体基板158を回転させながらバイト12を一方向に直進させることにより切削処理を行う場合を例に説明したが、半導体基板158を一方向に直進させながら、バイト12を取り付けたフォイール(図示せず)を回転させることにより切削処理を行うことも可能である(図示せず)。
【0327】
次に、樹脂層198の表面に表出された導体プラグ194の端部上に、図46(b)に示すように、例えばSn系はんだより成る半田バンプ200を形成する。
【0328】
なお、ここでは、導体プラグ194上に半田バンプ200を直接形成する場合を例に説明したが、導体プラグ194上に、ニッケル(Ni)、金(Au)等よりなるバリアメタル膜(図示せず)を形成するようにしてもよい。バリアメタル膜を導体プラグ194上に形成し、かかるバリアメタル膜上に半田バンプ200を形成するようにすれば、導体プラグ194の材料が半田バンプ200中に拡散するのを防止することができる。
【0329】
次に、ダイヤモンド粒子などを結合材で固めて形成した薄刃のブレードを用いて、半導体基板を個々の半導体素子(半導体チップ)に切断する(図46(c)参照)。このとき、上述したダミーパッド164bとダミーパッド164bに接続されたワイヤ部174bとを含む半導体基板158の部分は、他の半導体チップ上に存在する(図示せず)。
【0330】
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
【0331】
かかる構造にあっては、半導体基板158の電極と半導体素子166の電極は、ワイヤ電極174b、シード層182を含む配線188及びスタッドバンプ174を介して相互に接続される。
【0332】
また、配線188からは、導体プラグ194、半田バンプ200を介して、外部への接続が可能とされる。
【0333】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、上述したように、半導体基板158上に半導体チップ166を実装し、半導体基板158上及び半導体チップ166上にそれぞれボールボンディングによりバンプ電極174及びバンプ電極176とを形成し、これらワイヤ電極174及びスタッドバンプ176を埋め込むように樹脂層180を形成し、しかる後、この樹脂層180の表層部をバイト12を用いて切削し、切削が施された樹脂層180a上にシード層182を形成することに主な特徴がある。
【0334】
上述したように、めっき法によりバンプ電極を形成する場合には、バンプ電極の数にかかわらず、一定のコストがかかる。このため、バンプ電極の数が非常に多い場合には、一つ当たりのバンプ電極の単価は比較的安くなるが、バンプ電極の数があまり多くない場合には、一つ当たりのバンプ電極の単価は比較的高くなる。一方、ワイヤ電極174、スタッドバンプ176を形成する場合、即ち、ボールボンディングによりワイヤ電極174及びスタッドバンプ176を形成する場合には、ワイヤ電極174、スタッドバンプ176の数に応じてコストがかかる。このため、ワイヤ電極174、スタッドバンプ176の数が比較的少ない場合には、ボールボンディングにより形成した場合の方が、めっき法により形成した場合より低コストになる場合がある。従って、本実施形態のように、ボールボンディングによりワイヤ電極174、スタッドバンプ176を適宜形成するようにすれば、低コスト化を図ることが可能となる。
【0335】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0336】
例えば、上記実施形態では、シード層を無電解めっき法により形成する場合を例に説明したが、シード層をスパッタ法により形成してもよい。樹脂層をバイトにより切削することにより樹脂層の表面が適度な粗さになるため、シード層をスパッタ法により形成する場合であっても、樹脂層とシード層との密着性を十分に確保することができる。このため、シード層をスパッタ法により形成する場合であっても、樹脂層とめっき膜との密着性を十分に確保することができる。
【0337】
以上詳述したように、本発明の特徴をまとめると以下のようになる。
【0338】
(付記1)
支持基板上に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記樹脂層上に無電解めっき法によりシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法によりめっき膜を形成する工程と
を有することを特徴とするめっき方法。
【0339】
(付記2)
支持基板上に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記樹脂層上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法によりめっき膜を形成する工程と
を有することを特徴とするめっき方法。
【0340】
(付記3)
付記2記載のめっき方法において、
前記樹脂層を形成する工程では、樹脂シートを前記支持基板上に貼り付けることにより、前記樹脂シートより成る樹脂層を形成する
ことを特徴とするめっき方法。
【0341】
(付記4)
付記2又は3記載のめっき方法において、
前記バイトは、ダイヤモンドより成る
ことを特徴とするめっき方法。
【0342】
(付記5)
付記2乃至4のいずれかに記載のめっき方法において、
前記シード層を形成する工程では、無電解めっき法又はスパッタ法により前記シード層を形成する
ことを特徴とするめっき方法。
【0343】
(付記6)
付記2乃至5のいずれかに記載のめっき方法において、
前記樹脂層の厚さは、前記支持基板の面内における厚さの最大値と最小値との差より大きい
ことを特徴とするめっき方法。
【0344】
(付記7)
付記2乃至6のいずれかに記載のめっき方法において、
前記シード層は、銅又はニッケルより成る
ことを特徴とするめっき方法。
【0345】
(付記8)
半導体基板上に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記樹脂層上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法によりめっき膜より成る配線を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0346】
(付記9)
付記8記載の半導体装置の製造方法において、
前記樹脂層を形成する工程の前に、前記半導体基板上に導体プラグを形成する工程を更に有し、
前記樹脂層を形成する工程では、前記導体プラグを埋め込むように前記樹脂層を形成し、
前記樹脂層の表層部を切削する工程では、前記導体プラグの上部をも前記バイトにより切削し、
前記シード層を形成する工程では、前記導体プラグ上にも前記シード層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0347】
(付記10)
付記8記載の半導体装置の製造方法において、
前記樹脂層を形成する工程の前に、ボールボンディングによりバンプ電極を形成する工程とを更に有し、
前記樹脂層を形成する工程では、前記バンプ電極を埋め込むように前記樹脂層を形成し、
前記樹脂層の表層部を切削する工程では、前記バンプ電極の上部をも前記バイトにより切削し、
前記シード層を形成する工程では、前記バンプ電極上にも前記シード層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0348】
(付記11)
付記8記載の半導体装置の製造方法において、
前記樹脂層を形成する工程の前に、前記半導体基板上に半導体チップを実装する工程と;前記半導体基板上に、前記半導体チップの上面より上方に突出するように、ボールボンディングによりワイヤ電極を形成し、前記半導体チップ上にボールボンディングによりバンプ電極を形成する電極形成工程とを更に有し、
前記樹脂層を形成する工程では、前記ワイヤ電極及び前記バンプ電極を埋め込むように前記樹脂層を形成し、
前記樹脂層の表層部を切削する工程では、前記ワイヤ電極の上部及び前記バンプ電極の上部をも前記バイトにより切削し、
前記シード層を形成する工程では、前記ワイヤ電極上及び前記バンプ電極上にも前記シード層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0349】
(付記12)
支持基板上に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記樹脂層上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法により配線を形成する工程と
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【0350】
(付記13)
支持基板と、前記支持基板上に形成された下部電極と;前記下部電極上に形成された誘電体膜と;前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタとを有する回路基板の製造方法であって、
支持基板上に下部電極を形成する工程と、
少なくとも前記下部電極上に樹脂を含む誘電体膜を形成する工程と、
前記誘電体膜の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記誘電体膜の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記誘電体膜上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法により上部電極を形成する工程と
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【0351】
(付記14)
付記13記載の回路基板の製造方法において、
前記誘電体膜の表層部を切削する工程では、前記下部電極上に存在する前記誘電体膜の厚さが5μm以下となるように、前記誘電体膜の表層部を切削する
ことを特徴とする回路基板の製造方法。
【0352】
(付記15)
付記13又は14記載の回路基板の製造方法において、
前記誘電体膜は、前記樹脂より比誘電率の高い材料より成るフィラーを更に含む
ことを特徴とする回路基板の製造方法。
【0353】
(付記16)
付記15記載の回路基板の製造方法において、
前記フィラーは、CaTiO、BaTiO、SrTiO、ZnTiO、PbTiO、CaZrO、BaZrO、PbZrO、BaSr1−XTiO、BaTiZr1−X、PbZrTi1−X、PbLa1−XZrTi1−Y、LaTi及びNdTiのうちのいずれか、又はこれらの混合物より成る
ことを特徴とする回路基板の製造方法。
【0354】
(付記17)
支持基板と、前記支持基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成された抵抗器と、前記抵抗器上に形成された第2の電極とを有する回路基板の製造方法であって、
支持基板上に、第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、前記樹脂を含む抵抗層を形成する工程と、
前記抵抗層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記抵抗層の表層部を切削する工程と、
前記抵抗層上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法により電極を形成する工程と
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【0355】
(付記18)
付記17記載の回路基板の製造方法において、
前記抵抗層は、導電体より成るフィラーを含む
ことを特徴とする回路基板の製造方法。
【0356】
(付記19)
付記18記載の回路基板の製造方法において、
前記フィラーは、炭素、炭化珪素及びニッケル−クロム合金のうちのいずれか、又は、これらの混合物より成る
ことを特徴とする回路基板の製造方法。
【0357】
(付記20)
支持基板と、前記支持基板上に形成されたインダクタとを有する回路基板の製造方法であって、
支持基板上に樹脂を含む絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記絶縁層の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記絶縁層上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上にインダクタを電気めっき法により形成する工程と
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【0358】
(付記21)
付記20記載の回路基板の製造方法において、
前記絶縁層は、前記樹脂より透磁率の高い材料より成るフィラーを更に含む
ことを特徴とする回路基板の製造方法。
【0359】
(付記22)
付記21記載の回路基板の製造方法において、
前記フィラーは、Mn−Zn系フェライト及びNi−Zn系フェライトのうちのいずれか、又は、これらの混合物より成る
ことを特徴とする回路基板の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0360】
【図1】樹脂層の表層部をバイトにより切削する場合を示す側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その1)である。
【図3】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その2)である。
【図4】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その3)である。
【図5】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その4)である。
【図6】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その5)である。
【図7】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その6)である。
【図8】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その7)である。
【図9】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その8)である。
【図10】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その9)である。
【図11】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その10)である。
【図12】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その11)である。
【図13】エポキシ系樹脂より成る基材中にゴム系フィラーを含有させた樹脂フィルムをバイトにより切削した場合を示す図である。
【図14】本発明の第2実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その1)である。
【図15】本発明の第2実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その2)である。
【図16】本発明の第2実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その3)である。
【図17】本発明の第2実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その4)である。
【図18】本発明の第2実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その5)である。
【図19】本発明の第2実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その6)である。
【図20】本発明の第2実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その7)である。
【図21】本発明の第2実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その8)である。
【図22】本発明の第2実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その9)である。
【図23】本発明の第2実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その10)である。
【図24】本発明の第3実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その1)である。
【図25】本発明の第3実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その2)である。
【図26】本発明の第4実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その1)である。
【図27】本発明の第4実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その2)である。
【図28】本発明の第4実施形態による回路基板の製造方法を示す工程図(その3)である。
【図29】樹脂層の表面における十点平均粗さと、めっき膜の引っ張り強度と、短絡を招くことなく形成可能な配線のギャップの最小値との関係を示すグラフである。
【図30】本発明の第5実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その1)である。
【図31】本発明の第5実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その2)である。
【図32】本発明の第5実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その3)である。
【図33】本発明の第5実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その4)である。
【図34】本発明の第5実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その5)である。
【図35】本発明の第5実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その6)である。
【図36】本発明の第5実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その7)である。
【図37】本発明の第5実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その8)である。
【図38】本発明の第6実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その1)である。
【図39】本発明の第6実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その2)である。
【図40】本発明の第6実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その3)である。
【図41】本発明の第6実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その4)である。
【図42】本発明の第6実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その5)である。
【図43】本発明の第6実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その6)である。
【図44】本発明の第6実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その7)である。
【図45】本発明の第6実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その8)である。
【図46】本発明の第6実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図(その9)である。
【符号の説明】
【0361】
8…樹脂フィルム
10…樹脂層(加工前の樹脂フィルム)
10a…樹脂層(切削後の樹脂層)
12…バイト
14…凹凸
16…半導体基板
18…層間絶縁膜
20…導体プラグ
22…シード層
24…フォトレジスト膜
26…開口部
28…配線
30…フォトレジスト膜
32…開口部
34…導体プラグ
36…シード層
38…触媒
40…フォトレジスト膜
42…開口部
44…配線
46…フォトレジスト膜
48…開口部
50…導体プラグ
51…樹脂フィルム
52…樹脂層
53…凹凸
54…配線
56…コア層
58…支持基板
60…配線
62…絶縁層
64…貫通孔
66…導電膜
68…ビア
70…導電膜
72…樹脂層
74…コンタクトホール
76…配線
78…樹脂層
80…コンタクトホール
82…下部電極
83…樹脂フィルム
84…樹脂層(加工前の樹脂フィルム)
84a…樹脂層(切削後の樹脂層)、誘電体膜
88…シード層
90…上部電極
92…キャパシタ
94…樹脂層
96…コンタクトホール
98…配線
100…導体プラグ
102…樹脂層
104…配線
106…導体プラグ
108…樹脂層
110…配線
111…樹脂フィルム
112…樹脂層(加工前の樹脂フィルム)
112a…樹脂層(切削後の樹脂層)、抵抗層
113…樹脂フィルム
114…樹脂層(加工前の樹脂フィルム)
114a…樹脂層(切削後の樹脂層)、高透磁率層
116…インダクタ
118…配線
120…半導体基板
120a…半導体チップ
122…絶縁膜
124…開口部
126…電極パッド
128…バンプ電極、スタッドバンプ
130…樹脂フィルム
132…樹脂層(加工前の樹脂フィルム)
132a…樹脂層(切削後の樹脂層)
134…超精密旋盤
136…チャックテーブル
138…シード層
140…フォトレジスト膜
142…開口部
144…配線
146…フォトレジスト膜
148…開口部
150…導体プラグ
152…樹脂フィルム
154…樹脂層(加工前の樹脂フィルム)
154a…樹脂層(切削後の樹脂層)
156…半田バンプ
158…半導体基板
158a…半導体チップ
160…層間絶縁膜
162a、162b…開口部
164a…電極パッド
164b…ダミーパッド
166…半導体チップ
167…接着層
168…層間絶縁膜
170…開口部
172…電極パッド
174…ワイヤ電極
174a…ボール
174b…ワイヤ
176…バンプ電極、スタッドバンプ
178…樹脂フィルム
180…樹脂層(加工前の樹脂フィルム)
180a…樹脂層(切削後の樹脂層)
182…シード層
184…フォトレジスト膜
186…開口部
188…配線
190…フォトレジスト膜
192…開口部
194…導体プラグ
196…樹脂フィルム
198…樹脂層(加工前の樹脂フィルム)
198a…樹脂層(切削後の樹脂層)
200…半田バンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板上に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記樹脂層上に無電解めっき法によりシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法によりめっき膜を形成する工程と
を有することを特徴とするめっき方法。
【請求項2】
支持基板上に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記樹脂層上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法によりめっき膜を形成する工程と
を有することを特徴とするめっき方法。
【請求項3】
請求項2記載のめっき方法において、
前記シード層を形成する工程では、無電解めっき法又はスパッタ法により前記シード層を形成する
ことを特徴とするめっき方法。
【請求項4】
半導体基板上に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記樹脂層上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法によりめっき膜より成る配線を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
支持基板上に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記樹脂層の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記樹脂層上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法により配線を形成する工程と
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項6】
支持基板と、前記支持基板上に形成された下部電極と;前記下部電極上に形成された誘電体膜と;前記誘電体膜上に形成された上部電極とを有するキャパシタとを有する回路基板の製造方法であって、
支持基板上に下部電極を形成する工程と、
少なくとも前記下部電極上に樹脂を含む誘電体膜を形成する工程と、
前記誘電体膜の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記誘電体膜の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記誘電体膜上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法により上部電極を形成する工程と
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項7】
支持基板と、前記支持基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成された抵抗器と、前記抵抗器上に形成された第2の電極とを有する回路基板の製造方法であって、
支持基板上に、第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、前記樹脂を含む抵抗層を形成する工程と、
前記抵抗層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記抵抗層の表層部を切削する工程と、
前記抵抗層上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電気めっき法により電極を形成する工程と
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の回路基板の製造方法において、
前記抵抗層は、前記導電体より成るフィラーを含む
ことを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項9】
支持基板と、前記支持基板上に形成されたインダクタとを有する回路基板の製造方法であって、
支持基板上に樹脂を含む絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、前記絶縁層の表層部をバイトにより切削する工程と、
前記絶縁層上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上にインダクタを電気めっき法により形成する工程と
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の回路基板の製造方法において、
前記絶縁層は、前記樹脂より透磁率の高い材料より成るフィラーを更に含む
ことを特徴とする回路基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図7】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−148062(P2006−148062A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−235229(P2005−235229)
【出願日】平成17年8月15日(2005.8.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】