説明

アクセス権限設定システム、アクセス権限設定方法、Webサービスサーバおよびプログラム

【課題】権限付与の承諾を受ける者がアカウントを提示しなくても、権限を有する利用者が、簡易な方法で、ミス無く安全に、承諾を受ける者に権限付与を承諾する。
【解決手段】Webサービスサーバ10は、利用者(承諾者)端末20からの要求に応じて、仮チケットを生成し、利用者端末20に送信する。利用者端末20は、代理で利用する権限の付与を承諾したい相手(承諾受領者)端末30に仮チケットを送信する。承諾受領者端末30は、Webサービスサーバ10に、仮チケットを送信する。Webサービスサーバ10は、自身が発行した仮チケットであるかを同定した後、仮チケットを送信した者が承諾受領者として正しいかを利用者に確認し、承諾受領者が正しい者であることが確認できた場合は、認証チケットを生成し、承諾受領者端末30に送信する。承諾受領者端末30は、認証チケットを用いてWebサービスサーバ10にアクセスする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
アクセス権限を有する利用者が、本人の代理で利用する権限を、他者に対して付与することを可能にするアクセス権限設定システム、アクセス権限設定方法、Webサービスサーバおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
Webサイトにおいて、利用者から当該Webサイトの情報に対してアクセス権を設定するよう要求があったときは、システムに登録された、情報に対するアクセス権限を付与する権利を有する複数の者(承諾者)がアクセス権の設定情報を随時登録している。承諾者としては、システム管理者または、システム管理者が指定した者である。アクセス権の設定例としては、例えばUNIX(登録商標)システムにおけるアクセス制御のように、情報に対する読み込み権、書き込み権、実行権などのアクセス範囲、アクセスの対象者の指定、アクセス期間、アクセス権の判定条件などがある。アクセス権の判定方法は、利用者から当該情報に対するアクセス要求があった際に、登録されている複数のアクセス権情報から判定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−182287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者本人のみがアクセスできるWebサイトにおいて、利用者本人が、本人の代理で利用するアクセス権限を、他者に対して付与する場合、従来は、システム運用の窓口サイト等で、アクセス権限を付与する利用者本人を確認した後、システム管理者が、代理で利用する他者のアカウントを登録していた。しかしこの方法では、緊急の際や、一時的に代理で利用する権限の付与を承諾する際など、利用者本人の一存で権限付与を承諾したい場合にもシステム運用の窓口サイトを介して手続きする必要があり、手続きが煩雑であった。これを解決する手段として、利用者本人が、本人の代理で利用する人のアカウントを登録する方法もあるが、システムに精通していない一般利用者が登録を行う場合、代理で利用する人のアカウント名の入力ミスや権限の設定ミスにより、利用者本人の意図しない登録がされてしまう恐れがあった。さらに、代理で利用する権限の付与の承諾を受ける者が、自身のアカウント名を他者に知らせたくない場合も、登録する利用者本人に提示する必要があった。
以上のように、承諾者は、システム管理者またはそれに準ずる者であり、一般利用者が(承諾者となって)アクセス権の設定登録を行う場合、オペレーションミスの恐れがあった。また、承諾者はアクセス対象者を指定する必要があり、承諾者は権限付与の承諾を受ける者のアカウント名などを知っている必要があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、権限付与の承諾を受ける者がアカウントを提示しなくても、権限を有する利用者が、システム運用の窓口サイトを介さずに簡易な方法で、ミス無く安全に、承諾を受ける者に権限付与を承諾することができるアクセス権限設定システム、アクセス権限設定方法、Webサービスサーバおよびプログラム
を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、仮チケットと認証チケットという2種類のチケットを使用する。Webサービスサーバは、利用者(承諾者)端末からの要求に応じて、仮チケットを生成し、利用者端末に送信する。利用者端末は、代理で利用する権限の付与を承諾したい相手(承諾受領者)端末に通信手段等を用いて仮チケットを送信する。この時、利用者(承諾者)は相手(承諾受領者)のWebサイトのアカウント名を知っている必要はない。承諾受領者端末は、Webプロトコル経由でWebサービスサーバに、自身のアカウントでアクセスし、仮チケットを送信する。Webサービスサーバは、自身が発行した仮チケットであるかを同定した後、仮チケットを送信した者が承諾受領者として正しいかを利用者に確認する。承諾受領者が正しい者であることが確認できた場合、Webサービスサーバは、認証チケットを生成し、承諾受領者端末に送信する。認証チケットには、必要ならば有効期限を設定して、承諾受領者に与えたいアクセス権の情報を格納しておく。承諾受領者端末は、認証チケットを用いてWebサービスサーバにアクセスする。以降は、認証チケットの有効期限とアクセス権情報にもとづき承諾受領者としてのアクセスを許可する。
【0007】
すなわち、本発明のアクセス権限設定システムは、Webサイトへのアクセス権限を有する利用者の利用者端末と、前記利用者からアクセス権限付与の承諾を受ける者の承諾受領者端末と、前記Webサイトにてサービスを提供するWebサービスサーバからなるアクセス権限設定システムであって、前記Webサービスサーバが、利用者端末から仮チケットの生成要求があると、仮チケットを生成して仮チケットを利用者端末に送信し、仮チケットの情報をチケット情報データベースに格納する仮チケット生成部と、承諾受領者端末から前記仮チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合する仮チケット認証部と、前記仮チケットの送信者の所定の承諾受領者情報を前記利用者端末に送信して確認させる承諾受領者認証部と、前記利用者端末から受信した承諾受領者確認結果に基づいて認証チケットを生成して認証チケットを前記承諾受領者端末に送信し、認証チケットの情報を前記チケット情報データベースに格納する認証チケット生成部と、前記承諾受領者端末から前記認証チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合する認証チケット認証部とを備え、前記利用者端末が、前記仮チケットの生成要求を前記Webサービスサーバに送信する手段と、前記Webサービスサーバから前記仮チケットを受信して前記仮チケットを前記承諾受領者端末に送信する手段と、前記Webサービスサーバからの、前記仮チケットを送信した者が正しい承諾受領者であるかの確認の問い合わせに応答する手段とを備え、前記承諾受領者端末が、前記利用者端末から前記仮チケットを受信して前記仮チケットを前記Webサービスサーバに送信する手段と、前記Webサービスサーバから前記認証チケットを受信して前記認証チケットを前記Webサービスサーバに送信する手段とを備えることを特徴とする。
前記認証チケット生成部は、前記認証チケットに有効期限を設定することが好ましい。
【0008】
また、本発明のアクセス権限設定方法は、Webサイトへのアクセス権限を有する利用者の利用者端末と、前記利用者からアクセス権限付与の承諾を受ける者の承諾受領者端末と、前記Webサイトにてサービスを提供するWebサービスサーバからなるシステムのアクセス権限設定方法であって、前記Webサービスサーバの処理手順が、利用者端末から仮チケットの生成要求があると、仮チケットを生成して仮チケットを利用者端末に送信し、仮チケットの情報をチケット情報データベースに格納するステップと、承諾受領者端末から前記仮チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合するステップと、前記仮チケットの送信者の所定の承諾受領者情報を前記利用者端末に送信して確認させるステップと、前記利用者端末から受信した承諾受領者確認結果に基づいて認証チケットを生成して認証チケットを前記承諾受領者端末に送信し、認証チケットの情報を前記チケット情報データベースに格納するステップと、前記承諾受領者端末から前記認証チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合するステップとを含み、前記利用者端末の処理手順が、前記仮チケットの生成要求を前記Webサービスサーバに送信するステップと、前記Webサービスサーバから前記仮チケットを受信して前記仮チケットを前記承諾受領者端末に送信するステップと、前記Webサービスサーバからの、前記仮チケットを送信した者が正しい承諾受領者であるかの確認の問い合わせに応答するステップとを含み、前記承諾受領者端末の処理手順が、前記利用者端末から前記仮チケットを受信して前記仮チケットを前記Webサービスサーバに送信するステップと、前記Webサービスサーバから前記認証チケットを受信して前記認証チケットを前記Webサービスサーバに送信するステップとを含むことを特徴とする。
前記認証チケットは、有効期限の情報を含むことが好ましい。
【0009】
また、本発明のWebサービスサーバは、Webサイトへのアクセス権限を有する利用者の利用者端末と、前記利用者からアクセス権限付与の承諾を受ける者の承諾受領者端末と、前記Webサイトにてサービスを提供するWebサービスサーバからなるアクセス権限設定システムにおけるWebサービスサーバであって、利用者端末から仮チケットの生成要求があると、仮チケットを生成して仮チケットを利用者端末に送信し、仮チケットの情報をチケット情報データベースに格納する仮チケット生成部と、承諾受領者端末から前記仮チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合する仮チケット認証部と、前記仮チケットの送信者の所定の承諾受領者情報を前記利用者端末に送信して確認させる承諾受領者認証部と、前記利用者端末から受信した承諾受領者確認結果に基づいて認証チケットを生成して認証チケットを前記承諾受領者端末に送信し、認証チケットの情報を前記チケット情報データベースに格納する認証チケット生成部と、前記承諾受領者端末から前記認証チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合する認証チケット認証部とを備えることを特徴とする。
前記認証チケット生成部は、前記認証チケットに有効期限を設定することが好ましい。
【0010】
また、本発明は、Webサイトへのアクセス権限を有する利用者の利用者端末と、前記利用者からアクセス権限付与の承諾を受ける者の承諾受領者端末と、前記Webサイトにてサービスを提供するWebサービスサーバからなるアクセス権限設定システムのWebサービスサーバとして構成するコンピュータに、利用者端末から仮チケットの生成要求があると、仮チケットを生成して仮チケットを利用者端末に送信し、仮チケットの情報をチケット情報データベースに格納するステップと、承諾受領者端末から前記仮チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合するステップと、前記仮チケットの送信者の所定の承諾受領者情報を前記利用者端末に送信して確認させるステップと、前記利用者端末から受信した承諾受領者確認結果に基づいて認証チケットを生成して認証チケットを前記承諾受領者端末に送信し、認証チケットの情報を前記チケット情報データベースに格納するステップと、前記承諾受領者端末から前記認証チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合するステップとを実行させるためのプログラムとしての特徴を有する。
前記認証チケットは、有効期限の情報を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、利用者が、ネットワークを利用して権限付与を承諾したい相手にチケットを送付する等のため、システム運用の窓口サイトを介して手続する必要がなく、簡易な方法で、代理で利用する権限の付与を承諾することができる。承諾受領者は、アカウント名を利用者に提示する必要がないため、アカウント情報の貸し借りなどの不正な利用を防止できる。利用者と承諾受領者が確認のやり取りをするため、ミス入力による権限登録のミスを防止できる。認証チケットを使用する者が正しい者であるかを、サーバを介した承諾受領者情報を用いて利用者が確認できる。また、認証チケットに有効期限の情報を格納することにより、代理で使用させる期間を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のアクセス権限設定システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】仮チケット生成部の動作を説明するフローチャートである。
【図3】仮チケットID情報の登録後のデータベースの例を示す図である。
【図4】仮チケットデータの例を示す図である。
【図5】仮チケット認証部の動作を説明するフローチャートである。
【図6】承諾受領者認証部の動作を説明するフローチャートである。
【図7】承諾受領者情報の登録後のデータベースの例を示す図である。
【図8】認証チケット生成部の動作を説明するフローチャートである。
【図9】認証チケットID情報の登録後のデータベースの例を示す図である。
【図10】認証チケットデータの例を示す図である。
【図11】認証チケット認証部の動作を説明するフローチャートである。
【図12】本発明のアクセス権限設定システム全体の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明のアクセス権限設定システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示すアクセス権限設定システムは、ネットワークを介してWebサイトにアクセスする機能と、データを送受信する機能(例えば、メール送受信機能や赤外線送受信機能など)を有する複数の端末20、30と、Webサイトにてサービスを提供するWebサービスサーバ10から成り、利用者(承諾者)端末20および承諾受領者端末30とWebサービスサーバ10とは、インターネットなどWAN(ネットワーク)40経由で接続されている。利用者端末20と承諾受領者端末30との間は任意のデータ通信手段等でデータを送受信する。
【0014】
Webサービスサーバ10は、制御部100と、通信部200と、チケット情報データベース(DB)300と、Webコンテンツ情報データベース(DB)400からなる。
制御部100は、処理要求データ処理部101と、仮チケット生成部102と、仮チケット認証部103と、承諾受領者認証部104と、認証チケット生成部105と、認証チケット認証部106と、処理結果データ処理部107と、送信データ処理部108からなる。
【0015】
処理要求データ処理部101は、端末からの処理要求を受け付ける。仮チケット生成部102は、仮チケットを生成して仮チケットを利用者端末20に送信し、仮チケットの情報をチケット情報データベース300に格納する。仮チケット認証部103は、仮チケットを受信し、チケット情報データベース300の情報と照合する。承諾受領者認証部104が、仮チケットを送信した者が承諾受領者として正しいかを利用者端末20に確認する。認証チケット生成部105は、認証チケットを生成して承諾受領者端末30に送信し、認証チケットの情報をチケット情報データベース300に格納する。認証チケット認証部106は、認証チケットを受信し、チケット情報データベース300の情報と照合する。処理結果データ処理部107は、端末からの処理要求に対する処理結果データを生成する。送信データ処理部108は、端末に送信するデータを生成する。
【0016】
通信部200は、WAN(ネットワーク)40を介して利用者端末20および承諾受領者端末30と信号の送受信を行う。
【0017】
チケット情報データベース300は、仮チケットID、認証チケットID、利用者ID、承諾受領者ID、承諾受領者情報タグ、承諾受領者情報、認証チケット有効期限のそれぞれの情報を格納する。
【0018】
Webコンテンツ情報データベース400は、Webページのコンテンツ情報を格納する。
【0019】
図2は、仮チケット生成部の動作を説明するフローチャートである。Webサービスサーバ10の仮チケット生成部102は、仮チケット生成要求受信待ちの状態で(S11)、利用者端末20からの仮チケット生成要求を受信すると(S12)、十分な長さの乱数などから一意の番号を仮チケットIDとして生成し、生成した情報をチケット情報データベース(1)300に登録する(S13)。図3に登録後のデータベースの例を示す。チケット情報データベース(1)300には、利用者IDの情報に対応して仮チケットIDの情報が格納される。そして、利用者端末20に仮チケットデータを送信する(S14)。図4に仮チケットデータの例を示す。仮チケットデータは仮チケットIDを含む。
この後、利用者端末20は、仮チケットに署名を付与した後、任意の通信手段等で承諾受領者端末30に仮チケットを送信する。
【0020】
図5は、仮チケット認証部の動作を説明するフローチャートである。Webサービスサーバ10の仮チケット認証部103が、仮チケット認証要求受信待ちの状態であるときに(S21)、承諾受領者端末30が、Webプロトコル経由でWebサービスサーバ10に自身のアカウントでアクセスし、仮チケット認証要求として仮チケットを送信すると、仮チケット認証部103は、承諾受領者端末30からの仮チケット認証要求を受信し(S22)、利用者の署名が付与されているかを確認する(S23)。署名が確認できた場合(S24でYesの場合)は、チケット情報データベース(1)300に登録済みの仮チケットの情報と照合する(S26)。照合の結果、Webサービスサーバ自身が生成した仮チケットであると確認できた場合(S27でYesの場合)は、仮チケット認証要求の応答として、承諾受領者情報の送信を承諾受領者端末30に要求する(S29)。承諾受領者情報とは、例えば、利用者が知っている承諾受領者の電話番号や、利用者と承諾受領者との間のみで通じる合言葉などである。
S24にて署名が確認できない場合、およびS27にてWebサービスサーバ自身が生成した仮チケットであると確認できない場合は、承諾受領者端末30からのアクセスを拒否する(S25,S28)。
【0021】
図6は、承諾受領者認証部の動作を説明するフローチャートである。Webサービスサーバ10の承諾受領者認証部104が、承諾受領者認証要求受信待ちの状態であるときに(S31)、承諾受領者端末30が、承諾受領者認証要求としてWebサービスサーバ10に承諾受領者情報を送信すると、承諾受領者認証部104は、承諾受領者端末30からの承諾受領者認証要求を受信し(S32)、チケット情報データベース(2)300に承諾受領者情報を登録する(S33)。図7に登録後のデータベースの例を示す。チケット情報データベース(2)300には、利用者IDの情報に対応して仮チケットID、承諾受領者ID、承諾受領者情報タグ、承諾受領者情報の情報が格納される。そして、利用者端末20に承諾受領者情報データを送信する(S34)。
【0022】
図8は、認証チケット生成部の動作を説明するフローチャートである。Webサービスサーバ10の認証チケット生成部105が、認証チケット生成要求受信待ちの状態にあるときに(S41)、利用者により承諾受領者が利用者の意図した者であるかを確認させるため、利用者端末20が、承諾受領者情報を画面に表示し、正しい場合に、認証チケット生成要求としてWebサービスサーバ10に承諾受領者確認結果を送信すると、認証チケット生成部105は、利用者端末20からの認証チケット生成要求(承諾受領者確認結果)を受信し(S42)、承諾受領者確認結果を検証する(S43)。正しいことが確認できた場合(S44でYesの場合)は、十分な長さの乱数などから一意の番号を認証チケットIDとして生成する(S46)。必要ならば認証チケットに有効期限を設定し、アクセス権の情報を認証チケットに格納する(S47)。生成した情報をチケット情報データベース(3)300に登録する。図9に登録後のデータベースの例を示す。チケット情報データベース(3)300には、利用者IDの情報に対応して仮チケットID、認証チケットID、承諾受領者ID、承諾受領者情報タグ、承諾受領者情報、認証チケット有効期限の情報が格納される。そして、承諾受領者端末30に認証チケットデータを送信する(S48)。図10に認証チケットデータの例を示す。認証チケットデータは、認証チケットID、有効期限、アクセス権を含む。
S44にて正しいことが確認できない場合は、承諾受領者端末30からのアクセスを拒否する(S45)。
【0023】
図11は、認証チケット認証部の動作を説明するフローチャートである。Webサービスサーバ10の認証チケット認証部106が、認証チケット認証要求受信待ちの状態にあるときに(S51)、承諾受領者端末30が、認証チケットに署名付与した後、認証チケット認証要求としてWebサービスサーバ10に認証チケットを送信すると、認証チケット認証部106は、承諾受領者端末30からの認証チケット認証要求を受信し(S52)、承諾受領者の署名が付与されているかを確認する(S53)。署名が確認できた場合(S54でYesの場合)は、チケット情報データベース300(3)に登録済みの認証チケットの情報と照合する(S56)。照合の結果、Webサービスサーバ自身が生成した認証チケットであり、有効期限内であることが確認できた場合(S57でYesの場合)は、認証チケット内に格納されていたアクセス権の情報を抽出し、メモリ上に一時的に保管する(S59)。以降は、端末のセッションが有効であるか、認証チケットの有効期限が有効である間は、メモリ上に保管されたアクセス権の情報に基づき承諾受領者としての利用を可能とする。そして、Webコンテンツ情報データベース400を参照して該当Webページを承諾受領者端末30に返却する(S60)。
S54にて署名が確認できない場合、およびS57にてWebサービスサーバ自身が生成した認証チケットであり、有効期限内であることが確認できない場合は、承諾受領者端末30からのアクセスを拒否する(S55,S58)。
【0024】
次に、本発明のアクセス権限設定システムの全体の動作を説明する。図12は、利用者A(承諾者)が、利用者B(承諾受領者)に対して、代理でWebサイトのあるサービスを利用する権限の付与を一時的に承諾したいときのアクセス権限設定システムの動作を説明するフローチャートである。
【0025】
利用者Aの所有する端末A(利用者端末20)は、Webサービスサーバ10に仮チケット生成を要求する(S61)。
Webサービスサーバ10は、仮チケットを生成し(S62)、仮チケットを端末Aに送信する(S63)。
端末Aは、仮チケットを受信すると(S64)、仮チケットに署名を付与し(S65)利用者Bの所有する端末B(承諾受領者端末30)に対して、電子メール等を利用して仮チケットを送信する(S66)。
端末Bは、仮チケットを受信すると(S67)、Webサービスサーバ10に自身のアカウントにてアクセスし、仮チケットを送信する(S68)。
【0026】
Webサービスサーバ10は、仮チケットを受信すると(S69)、仮チケットが正しいかを確認する(S70)。正しいことが確認できた場合(S71)、仮チケットを送信した者が正しい承諾受領者であるか、を利用者Aに確認するため承諾受領者情報を端末Bに要求する(S72)。
端末Bは、承諾受領者情報をWebサービスサーバ10に返却する(S73)。
【0027】
Webサービスサーバ10は、承諾受領者情報を登録した後(S74)、得られた承諾受領者情報を端末Aにメール等で送信する(S75)。
端末Aは、承諾受領者情報を受信すると(S76)、承諾受領者情報が正しい場合、Webサービスサーバ10にWeb経由でアクセスし、承諾受領者を承認する(S77)。
【0028】
Webサービスサーバ10は、認証チケットを生成し(S78)、認証チケットにアクセス権情報を追加し(S79)、認証チケットを電子メール等で端末Bに送信する(S80)。
端末Bは、認証チケットを受信すると(S81)、認証チケットに署名を付与し(S82)、Web経由でWebサービスサーバ10に認証チケットにてアクセスする(S83)。
【0029】
Webサービスサーバ10は、認証チケットを受信すると(S84)認証チケットが正しいかを確認する(S85)。正しいことが確認できた場合(S86)は、アクセス権情報を抽出し(S87)、当該アクセス権情報にもとづきWebページを端末Bに返却する(S88)。
端末Bは、Webページを表示する(S89)。
【0030】
なお、上述した実施形態では、承諾受領者端末30は、Webサービスサーバ10から承諾受領者情報を送信を要求されたときに、承諾受領者情報をWebサービスサーバ10に送信しているが、承諾受領者端末30がWebサービスサーバ10に仮チケットを送信する際に、仮チケットとともに承諾受領者情報を送信するようにしても良い。
【符号の説明】
【0031】
10 Webサービスサーバ
20 利用者端末
30 承諾受領者端末
40 WAN(ネットワーク)
100 制御部
101 処理要求データ処理部
102 仮チケット生成部
103 仮チケット認証部
104 承諾受領者認証部
105 認証チケット生成部
106 認証チケット認証部
107 処理結果データ処理部
108 送信データ処理部
200 通信部
300 チケット情報データベース(DB)
400 Webコンテンツ情報データベース(DB)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webサイトへのアクセス権限を有する利用者の利用者端末と、前記利用者からアクセス権限付与の承諾を受ける者の承諾受領者端末と、前記Webサイトにてサービスを提供するWebサービスサーバからなるアクセス権限設定システムであって、
前記Webサービスサーバは、
利用者端末から仮チケットの生成要求があると、仮チケットを生成して仮チケットを利用者端末に送信し、仮チケットの情報をチケット情報データベースに格納する仮チケット生成部と、
承諾受領者端末から前記仮チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合する仮チケット認証部と、
前記仮チケットの送信者の所定の承諾受領者情報を前記利用者端末に送信して確認させる承諾受領者認証部と、
前記利用者端末から受信した承諾受領者確認結果に基づいて認証チケットを生成して認証チケットを前記承諾受領者端末に送信し、認証チケットの情報を前記チケット情報データベースに格納する認証チケット生成部と、
前記承諾受領者端末から前記認証チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合する認証チケット認証部と、を備え、
前記利用者端末は、
前記仮チケットの生成要求を前記Webサービスサーバに送信する手段と、
前記Webサービスサーバから前記仮チケットを受信して前記仮チケットを前記承諾受領者端末に送信する手段と、
前記Webサービスサーバからの、前記仮チケットを送信した者が正しい承諾受領者であるかの確認の問い合わせに応答する手段と、を備え、
前記承諾受領者端末は、
前記利用者端末から前記仮チケットを受信して前記仮チケットを前記Webサービスサーバに送信する手段と、
前記Webサービスサーバから前記認証チケットを受信して前記認証チケットを前記Webサービスサーバに送信する手段と、
を備えることを特徴とするアクセス権限設定システム。
【請求項2】
前記認証チケット生成部は、前記認証チケットに有効期限を設定することを特徴とする請求項1に記載のアクセス権限設定システム。
【請求項3】
Webサイトへのアクセス権限を有する利用者の利用者端末と、前記利用者からアクセス権限付与の承諾を受ける者の承諾受領者端末と、前記Webサイトにてサービスを提供するWebサービスサーバからなるシステムのアクセス権限設定方法であって、
前記Webサービスサーバの処理手順は、
利用者端末から仮チケットの生成要求があると、仮チケットを生成して仮チケットを利用者端末に送信し、仮チケットの情報をチケット情報データベースに格納するステップと、
承諾受領者端末から前記仮チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合するステップと、
前記仮チケットの送信者の所定の承諾受領者情報を前記利用者端末に送信して確認させるステップと、
前記利用者端末から受信した承諾受領者確認結果に基づいて認証チケットを生成して認証チケットを前記承諾受領者端末に送信し、認証チケットの情報を前記チケット情報データベースに格納するステップと、
前記承諾受領者端末から前記認証チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合するステップと、を含み、
前記利用者端末の処理手順は、
前記仮チケットの生成要求を前記Webサービスサーバに送信するステップと、
前記Webサービスサーバから前記仮チケットを受信して前記仮チケットを前記承諾受領者端末に送信するステップと、
前記Webサービスサーバからの、前記仮チケットを送信した者が正しい承諾受領者であるかの確認の問い合わせに応答するステップと、を含み、
前記承諾受領者端末の処理手順は、
前記利用者端末から前記仮チケットを受信して前記仮チケットを前記Webサービスサーバに送信するステップと、
前記Webサービスサーバから前記認証チケットを受信して前記認証チケットを前記Webサービスサーバに送信するステップと、
を含むことを特徴とするアクセス権限設定方法。
【請求項4】
前記認証チケットは、有効期限の情報を含むことを特徴とする請求項3に記載のアクセス権限設定方法。
【請求項5】
Webサイトへのアクセス権限を有する利用者の利用者端末と、前記利用者からアクセス権限付与の承諾を受ける者の承諾受領者端末と、前記Webサイトにてサービスを提供するWebサービスサーバからなるアクセス権限設定システムにおけるWebサービスサーバであって、
利用者端末から仮チケットの生成要求があると、仮チケットを生成して仮チケットを利用者端末に送信し、仮チケットの情報をチケット情報データベースに格納する仮チケット生成部と、
承諾受領者端末から前記仮チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合する仮チケット認証部と、
前記仮チケットの送信者の所定の承諾受領者情報を前記利用者端末に送信して確認させる承諾受領者認証部と、
前記利用者端末から受信した承諾受領者確認結果に基づいて認証チケットを生成して認証チケットを前記承諾受領者端末に送信し、認証チケットの情報を前記チケット情報データベースに格納する認証チケット生成部と、
前記承諾受領者端末から前記認証チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合する認証チケット認証部と、
を備えることを特徴とするWebサービスサーバ。
【請求項6】
前記認証チケット生成部は、前記認証チケットに有効期限を設定することを特徴とする請求項5に記載のWebサービスサーバ。
【請求項7】
Webサイトへのアクセス権限を有する利用者の利用者端末と、前記利用者からアクセス権限付与の承諾を受ける者の承諾受領者端末と、前記Webサイトにてサービスを提供するWebサービスサーバからなるアクセス権限設定システムのWebサービスサーバとして構成するコンピュータに、
利用者端末から仮チケットの生成要求があると、仮チケットを生成して仮チケットを利用者端末に送信し、仮チケットの情報をチケット情報データベースに格納するステップと、
承諾受領者端末から前記仮チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合するステップと、
前記仮チケットの送信者の所定の承諾受領者情報を前記利用者端末に送信して確認させるステップと、
前記利用者端末から受信した承諾受領者確認結果に基づいて認証チケットを生成して認証チケットを前記承諾受領者端末に送信し、認証チケットの情報を前記チケット情報データベースに格納するステップと、
前記承諾受領者端末から前記認証チケットを受信し、前記チケット情報データベースの情報と照合するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
前記認証チケットは、有効期限の情報を含むことを特徴とする請求項7に記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−253499(P2011−253499A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128811(P2010−128811)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】