説明

アルツハイマー病の治療用フェニルカルボキサミドベータセクレターゼ阻害剤

本発明はアルツハイマー病等のβセクレターゼ酵素が関与する疾患の治療又は予防に有用なβセクレターゼ酵素阻害剤である化合物に関する。本発明はこれらの化合物を含有する医薬組成物と、βセクレターゼ酵素が関与する前記疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルツハイマー病の予防と治療に有用なフェニルカルボキサミド化合物に関する。特に、本発明のフェニルカルボキサミド化合物はβアミロイド前駆体蛋白質分解酵素(「BACE」)であるβセクレターゼの有用な阻害剤である。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病はアミロイドが細胞外プラーク及び細胞内神経原線維のもつれの形で脳に異常沈着することを特徴とする。アミロイド蓄積速度は形成速度、凝集速度及び脳からの排出速度の組み合わせである。アミロイドプラークの主成分は4kDアミロイド蛋白質(βA4、別称Aβ、β蛋白質及びβAP)であり、ずっと大きな寸法の前駆体蛋白質の蛋白分解物であることが一般に認められている。アミロイド前駆体蛋白質(APP又はAβPP)は大きな細胞外ドメインと、膜貫通領域と、短い細胞質テールからなる受容体様構造をもつ。AβドメインはAPPの細胞外ドメインと膜貫通ドメインの両者の一部を占めるので、Aβドメインの放出はそのNH末端とCOOH末端を生成するために2つの別個の蛋白分解イベントが存在することを意味する。APPを膜から遊離し、APP(あるいはAPPSs)の可溶性COOH切断形を生成する分泌メカニズムは少なくとも2種類ある。APPとそのフラグメントを膜から放出するプロテアーゼは「セクレターゼ」と呼ばれる。殆どのAPPsはAβ蛋白質の内部で切断してα−APPsを遊離し、無傷のAβの遊離を防ぐ推定αセクレターゼにより遊離される。少数部分のAPPはAPPのNH末端付近で切断して完全Aβドメインを含むCOOH末端フラグメント(CTF)を産生するβセクレターゼ(「βセクレターゼ」)により遊離される。
【0003】
こうして、βセクレターゼ又はβアミロイド前駆体蛋白質分解酵素(「BACE」)の活性はアルツハイマー病の特徴であるAPPの異常切断、Aβ産生、及びβアミロイドプラークの脳内蓄積を引き起こす(R.N.Rosenberg,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,pp.1367−1368;H.Fukumotoら,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,pp.1381−1389;J.T.Huseら,J.Biol.Chem.,vol 277,No.18,issue of May 3,2002,pp.16278−16284;K.C.Chen and W.J.Howe,Biochem.Biophys.Res.Comm,vol.292,pp 702−708,2002参照)。従って、βセクレターゼ又はBACEを阻害することができる治療剤はアルツハイマー病の治療に有用であると思われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の化合物はβセクレターゼ又はBACEの活性を阻害し、従って不溶性Aβの形成を防止し、Aβの産生を阻止することによりアルツハイマー病を治療するために有用である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はアルツハイマー病等のβセクレターゼ酵素が関与する疾患の治療又は予防に有用なβセクレターゼ酵素阻害剤である化合物に関する。本発明はこれらの化合物を含有する医薬組成物と、βセクレターゼ酵素が関与する前記疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は式I:
【0007】
【化15】

[式中、R
【0008】
【化16】

から構成される群から選択され;

(1)R−S(O)−NR−、
(2)R−S(O)−、
(3)RNHCO−、
(4)RCONH−、
(5)RN−、
(6)ニトリル、
(7)NC−C1−6アルキル−、
(8)ハロゲン、
(9)
【0009】
【化17】

及び
(10)
【0010】
【化18】

から構成される群から選択され;

【0011】
【化19】

から構成される群から選択され;

(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)フェニル、及び
(4)ベンジルから構成される群から選択され;

(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)フェニル、及び
(4)ベンジルから構成される群から独立して選択され;
6a、R6b、及びR6c
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−OR
(4)−SR、及び
(5)C1−6アルキルから構成される群から独立して選択され;
は−C=C−、O、S、及びNHから構成される群から選択され;
ZはCO、CH−OH、CH−F、及び
【0012】
【化20】

から構成される群から選択され;
8a及びR8b
(1)ニトリル、
(2)水素、
(3)ハロゲン、
(4)−OR
(5)−SR
(6)C1−6アルキル、
(7)−CO、及び
(8)テトラゾリルから構成される群から独立して選択され;
は水素であり、Xはヒドロキシルであるか、又はXとXは一緒になってオキソを形成し;
nは独立して1、2、3、又は4であり;
mは独立して0、1、又は2である]の化合物及び医薬的に許容可能なその塩に関する。
【0013】
本発明の1態様は式IのXとXが一緒になってオキソを形成する式IA:
【0014】
【化21】

の化合物を含む。
【0015】
本発明の別の態様は式IのXが水素であり、式IのXがヒドロキシルである式IB:
【0016】
【化22】

の化合物を含む。
【0017】
本発明の別の態様はR
【0018】
【化23】

であり、式中、nは2又は3であり、Rは水素又はメチルである式Iの化合物及び医薬的に許容可能なその塩を含む。
【0019】
本発明の別の態様はR
【0020】
【化24】

であり、式中、nは1である式Iの化合物及び医薬的に許容可能なその塩を含む。
【0021】
本発明の別の態様はR
【0022】
【化25】

であり、式中、Rは水素又はメチルであり、ZはCO、CH−OH、及び
【0023】
【化26】

から構成される群から選択される式Iの化合物及び医薬的に許容可能なその塩を含む。
【0024】
本発明の別の態様はRがR−S(O)−NR−であり、
式中、R
(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)フェニル、及び
(4)ベンジルから構成される群から選択され;

(1)C1−6アルキル、
(2)フェニル、
(3)ベンジル、及び
(4)水素から構成される群から選択される式Iの化合物及び医薬的に許容可能なその塩を含む。
【0025】
本発明の別の態様はR
【0026】
【化27】

であり、式中、Rはメチルであり、R6aはH又はFであり、R6b及びR6cは水素である式Iの化合物及び医薬的に許容可能なその塩を含む。
【0027】
本発明の別の態様はR
【0028】
【化28】

であり、式中、Rはメチルであり、RはO又はNHである式Iの化合物及び医薬的に許容可能なその塩を含む。
【0029】
本発明の別の態様は
【0030】
【化29】


から構成される群から選択される式IAの化合物を含む。
【0031】
本発明の別の態様は
【0032】
【化30】


から構成される群から選択される式IBの化合物及び医薬的に許容可能なその塩を含む。
【0033】
本発明のフェニルカルボキサミド化合物に関連すると思われる化合物は、例えばWO99/61423(Derwent 2000−097099)、WO99/54305(Derwent 2000−052697)、WO99/54320(Derwent 2000−023164)、WO99/54310(Derwent 2000−023162)、DE19818614(Derwent 2000−000334)、DE19817461(Derwent 1999−591908)、WO98/25883(Derwent 98−348419)、DE19650975(Derwent 98−323649)、WO95/12611(Derwent 95−185737)、WO96/22275、WO02/002505、US 2002/0128255及びUS 2002/0016320等の文献に記載されている。
【0034】
本発明の化合物は少なくとも1個の不斉中心をもつ。分子上の各種置換基の性質に応じてさらなる不斉中心が存在していてもよい。不斉中心をもつ化合物はエナンチオマー(光学異性体)、ジアステレオマー(立体異性体)又はその両者を形成し、混合物及び純化合物又は部分精製化合物としての可能な全エナンチオマー及びジアステレオマーを本発明の範囲に含むものとする。本発明はこれらの化合物のこのような全異性形を含むものとする。
【0035】
エナンチオマーもしくはジアステレオマーの含有率の高い化合物の個々の合成、又はそのクロマトグラフィー分離は本明細書に開示する方法を適当に変更することにより当分野で公知の通りに実施することができる。その絶対立体化学は公知絶対配置の不斉中心を含む試薬で必要に応じて誘導体化した結晶生成物又は結晶中間体のX線結晶解析により決定することができる。
【0036】
所望により、個々のエナンチオマーを単離するように化合物のラセミ混合物を分離してもよい。分離は化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物とカップリングしてジアステレオマー混合物を形成した後に分別結晶法やクロマトグラフィー等の標準方法により個々のジアステレオマーを分離する等の当分野で周知の方法により実施することができる。カップリング反応は多くの場合には鏡像異性的に純粋な酸又は塩基を使用する塩形成である。その後、付加キラル残基の開裂によりジアステレオマー誘導体を純粋なエナンチオマーに変換することができる。キラル固定相を使用するクロマトグラフィー法により化合物のラセミ混合物を直接分離することもでき、このような方法は当分野で周知である。
【0037】
あるいは、当分野で周知の方法により公知配置の光学的に純粋な出発材料又は試薬を使用して立体選択的合成により化合物のエナンチオマーを得ることもできる。
【0038】
本発明の化合物はスキーム1A〜1C及び2に要約する方法により製造される。
【0039】
【化31】

スキーム1Aを参照すると、N,N−ジベンジル−L−フェニルアラナール(II)は対応するアルコール(I)の酸化により得られ、アルキルリチウム試薬の存在下にN−Boc保護環状アミンと反応させると、保護アミンアルコールの混合物(III)が得られる。N−Boc保護アルコール(III)を触媒水素化により脱ベンジル化し、BOP試薬と塩基の存在下に適当な安息香酸(IV)とカップリングすると、保護アミドVが得られる。
【0040】
【化32】

スキームIBでは、アミド(V)をDess−Martin試薬で酸化し、TFAで脱保護すると、最終生成物(VII)が得られ、式IAの化合物が得られる。
【0041】
【化33】

スキーム1Cでは、アミドVをTFAで脱保護すると、最終生成物VIIIが得られ、式IBの化合物が得られる。
【0042】
このスキームには多種多様なN−Boc保護環状アミンを適用することができ、環状アミンがアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン等である例が挙げられ、更に、次段階で必要なリチオ化条件に影響せず、弱酸性水素が窒素に隣接していてもよいならば、他の環炭素に置換基をもつ例も挙げられる。このような置換基の例はアルキル基、保護アルコール、保護ケトン(例えばケタール又はケトン等価体)である。
【0043】
スキーム1には多種多様な安息香酸(IV)を適用することができ、Rがスルホンアミド、スルホン、アミド、アミン、ニトリル、アルキルニトリル、ハロゲン、フェニル、及びシアノシクロアルキルである例が挙げられる。スキーム1における安息香酸のRは一般にカルボキシアミノベンジル基、置換オレフィン、O−もしくはN−アルキルシクロプロピル、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、又は第2級アルキルアミンから選択される。
【0044】
【化34】

スキーム2を参照すると、適当な安息香酸誘導体(IV)をBOP試薬と塩基の存在下に適当な第1級アミンとカップリングすると、アミド(X)が得られる。この物質をN保護し、Dess−Martin試薬で酸化し、脱保護すると、最終生成物(XIII)が得られる。
【0045】
スキーム2には多種多様な安息香酸を適用することができ、Rがスルホンアミド、スルホン、アミド、アミン、ニトリル、アルキルニトリル、ハロゲン、フェニル、シアノシクロアルキルである例が挙げられる。スキーム2における安息香酸のRは一般にカルボキシアミノベンジル基、置換オレフィン、O−もしくはN−アルキルシクロプロピル、アルキルエーテル、アルキルチオエーテル、又は第2級アルキルアミンから選択される。
【0046】
スキーム2のヒドロキシエチルアミン反応体(IX)において、R基はシクロアルカンが好ましい。
【0047】
「実質的に純粋」なる用語は当分野で公知の分析技術によりアッセイした場合に単離物質が少なくとも90%純粋、好ましくは95%純粋、より好ましくは99%純粋であることを意味する。「実質的に純粋なエナンチオマー形」なる用語は化合物の少なくとも90%(好ましくは95%、より好ましくは99%)が単一エナンチオマーとして存在することを意味する。「実質的に純粋なジアステレオマー形」なる用語は指定化合物の少なくとも90%(好ましくは95%、より好ましくは99%)が単一ジアステレオマーとして存在することを意味する。
【0048】
「医薬的に許容可能な塩」なる用語は無機又は有機塩基と無機又は有機酸を含む医薬的に許容可能な非毒性塩基又は酸から製造される塩を意味する。無機塩基から誘導される塩としてはアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、三価マンガン、二価マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が挙げられる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩が特に好ましい。固体形態の塩は2種以上の結晶構造でもよいし、水和物でもよい。医薬的に許容可能な非毒性有機塩基から誘導される塩としては第一、第二、及び第三アミン、置換アミン(天然置換アミンを含む)、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂(例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が挙げられる。
【0049】
本発明の化合物が塩基性である場合には、無機酸や有機酸等の医薬的に許容可能な非毒性酸から塩を製造することができる。このような酸としては例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0050】
有用性
本発明はβセクレターゼ酵素活性又はβアミロイド前駆体蛋白質分解酵素(「BACE」)活性の阻害を必要とする哺乳動物等の患者又は対象における前記活性の阻害剤として有効量の本明細書に開示する化合物を投与することを含むこれらの化合物の使用に関する。「βセクレターゼ酵素」「βアミロイド前駆体蛋白質分解酵素」、及び「BACE」なる用語は本明細書では同義に使用する。ヒト以外にも多様な他の哺乳動物を本発明の方法により治療することができる。
【0051】
本発明は更にヒト及び動物におけるβセクレターゼ酵素活性の阻害用医薬又は組成物の製造方法として、本発明の化合物を医薬的キャリヤー又は希釈剤と配合することを含む製造方法に関する。
【0052】
本発明の化合物はアルツハイマー病、アミロイド前駆体蛋白質(別称APP)の異常切断により媒介される他の疾患、及びβセクレターゼの阻害により治療又は予防することができる他の症状の治療、予防、改善、抑制又は危険低減に有用である。このような症状としては軽度認知傷害、トリソミー21(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、変性痴呆、オランダ型遺伝性アミロイド性脳溢血(HCHWA−D)、クロイツェルフェルト・ヤコブ病、プリオン疾患、筋萎縮性測索硬化症、進行性核上麻痺、頭部外傷、卒中、ダウン症候群、膵炎、封入体筋炎、他の末梢アミロイド症、糖尿病及びアテローム硬化症が挙げられる。
【0053】
本発明の化合物を投与する対象又は患者は一般にβセクレターゼ酵素活性の阻害が所望される男性又は女性であるが、βセクレターゼ酵素活性の阻害又は上記疾患の治療が所望されるイヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、サル、チンパンジー又は他のサル類もしくは霊長類等の他の動物でもよい。
【0054】
本発明の化合物は薬剤を併用したほうがどちらかの薬剤単独よりも安全又は有効である場合には、本発明の化合物が有用である疾病又は症状の治療、予防、抑制、改善、又は危険低減に他の1種以上の薬剤と併用することができる。更に、本発明の化合物は本発明の化合物の副作用又は毒性を治療、予防、抑制、改善、又は危険低減する1種以上の他の薬剤と併用することもできる。このような他の薬剤はこのような用途に通常使用されている経路と量で本発明の化合物と同時又は順次投与することができる。従って、本発明の医薬組成物としては、本発明の化合物以外に1種以上の他の活性成分を含有するものが挙げられる。併用剤は単位剤形併用製剤の一部として投与してもよいし、1種以上の付加薬剤を治療レジメンの一部として別個の剤形で投与するキット又は治療プロトコールとして投与してもよい。
【0055】
単位剤形又はキット形態の本発明の化合物と他の薬剤の併用剤の例としては抗アルツハイマー薬、他のβセクレターゼ阻害剤、γセクレターゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、NSAID(例えばイブプロフェン)、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト(例えばメマンチン)、コリンエステラーゼ阻害剤(例えばガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、及びタクリン)、ビタミンE、CB−1受容体アンタゴニスト又はCB−1受容体逆アゴニスト、抗生物質(例えばドキシサイクリン及びリファムピン)、抗アミロイド抗体、あるいは本発明の化合物の効力、安全性、利便性を増すか又は望ましくない副作用もしくは毒性を低減する受容体又は酵素に作用する他の薬剤との併用剤が挙げられる。前記併用剤の具体例は例証に過ぎず、限定的ではない。
【0056】
組成物
本明細書で使用する「組成物」なる用語は所定量又は比率の特定成分を含有する製剤と、特定量の特定成分の併用により直接又は間接的に得られる任意製剤を網羅する。医薬組成物に関してこの用語は1種以上の活性成分と場合により不活性成分を含むキャリヤーを含有する製剤と、成分の任意2種以上の配合、錯化もしくは凝集、あるいは成分の1種以上の解離、又は成分の1種以上の他の型の反応もしくは相互作用により直接又は間接的に得られる任意製剤を含むものとする。一般に、医薬組成物は活性成分を液体キャリヤー又は微粉状固体キャリヤー又は両者と均質混和した後に必要に応じて生成物を所望製剤に成形することにより製造される。医薬組成物には、疾患の過程又は状態に所望効果を与えるために十分な量の目的活性化合物が含有される。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物と医薬的に許容可能なキャリヤーを混合することにより製造される任意組成物を含む。
【0057】
経口用医薬組成物は医薬組成物の製造に当分野で公知の任意方法により製造することができ、このような組成物は医薬的にふさわしい口当たりのよい製剤にするために甘味剤、香味剤、着色剤及び防腐剤から構成される群から選択される1種以上の成分を添加することができる。タブレットはタブレットの製造に適した医薬的に許容可能な非毒性賦形剤と混合した活性成分を含有する。タブレットはコーティングしなくてもよいし、胃腸管での崩壊と吸収を遅らせることにより長時間持続作用を提供するように公知技術によりコーティングしてもよい。
【0058】
経口用組成物は活性成分を不活性固体希釈剤と混合したハードゼラチンカプセルの形態でもよいし、活性成分を水又は油性媒体と混合したソフトゼラチンカプセルの形態でもよい。
【0059】
水性懸濁液は水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合した活性材料を含有する。このような賦形剤としては懸濁剤、分散剤、湿潤剤等が挙げられる。水性懸濁液は更に、1種以上の防腐剤、着色剤、香味剤、又は甘味剤を含むことができる。経口用組成物は油性懸濁液、水中油エマルション、シロップ剤又はエリキシル剤として製造することもできる。
【0060】
医薬組成物は滅菌注射用水性又は油性懸濁液の形態でもよいし、当分野又は医薬製剤分野の当業者に公知の方法で薬剤の直腸投与用座剤、局所製剤、吸入剤又は経皮パッチの形態で製造することもできる。
【0061】
「医薬的に許容可能」とはキャリヤー、希釈剤、又は賦形剤が製剤の他の成分と適合可能でなければならず且つそのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0062】
化合物「の投与」及び「を投与する」なる用語は治療に有用な形態と治療に有用な量で個体体内に導入可能な形態で治療を必要とする個体に本発明の化合物を提供することを意味すると解されるべきで、経口剤形(例えばタブレット、カプセル、シロップ、懸濁液等);注射剤形(例えばIV、IM、又はIP等);経皮剤形(例えばクリーム、ゼリー、散剤、又はパッチ);バッカル剤形、吸入散剤、スプレー、懸濁液等;及び直腸座剤を含むが、これらに限定されない。
【0063】
「治療有効量」なる用語は研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められる組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する該当化合物の量を意味する。本明細書で使用する「治療」なる用語は特に該当疾病又は疾患の素因をもつ患者における上記症状の治療と予防又は予防治療の両者を意味する。
【0064】
本発明の化合物を含有する組成物は単位剤形の形態が簡便であると思われ、製薬分野で周知の任意方法により製造することができる。「単位剤形」なる用語は患者又は薬剤を患者に投与する者が全用量を収容した単一容器又はパッケージを開封することができ、2個以上の容器又はパッケージからの成分を混合する必要がないように、全活性成分と不活性成分を適切なシステムに一体にした単一用量を意味する。単位剤形の典型例は経口投与用タブレットもしくはカプセル、注射用単一用量バイアル、又は直腸投与用座剤である。前記単位剤形の具体例は限定的ではなく、単位剤形の製薬分野における典型例に過ぎない。
【0065】
本発明の化合物を含有する組成物はキット形態とし、活性成分、不活性成分、キャリヤー、希釈剤等の2種以上の成分が、患者又は薬剤を患者に投与する者が実際の剤形を調製するための説明書とともに提供されると簡便であると思われる。このようなキットは必要な全材料及び成分をキットに梱包してもよいし、材料又は成分を使用又は調製するための患者又は薬剤を患者に投与する者が別に入手しなければならない説明書を含んでもよい。
【0066】
アルツハイマー病又は本発明の化合物の適応症である他の疾患を治療、予防、抑制、改善、又は危険低減する場合には、1日用量約0.1mg〜約100mg/kg動物体重の本発明の化合物を好ましくは1日1回又は1日2〜6回に分けるか又は持続放出形態で投与すると一般に満足な結果が得られる。合計1日用量は約1.0mg〜約2000mg、好ましくは約0.1mg〜約20mg/kg体重である。体重70kgの成人の場合、合計1日用量は一般に約7mg〜約1,400mgである。最適治療応答が得られるようにこの投与レジメンを調節することができる。1日1〜4回、好ましくは1日1回又は2回のレジメンで化合物を投与することができる。治療に有用な単位剤形の例としては10mg、25mg、50mg、75mg、100mg及び150mg単位剤形が挙げられる。
【0067】
しかし、当然のことながら、任意特定患者の特定用量レベル及び投与頻度は異なり、使用する特定化合物の活性、この化合物の代謝安定性と作用期間、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与方法及び時間、排泄速度、薬剤併用、特定症状の重篤度、及び宿主の施療中の治療等の種々の因子に依存する。
【0068】
生物活性
βセクレターゼ酵素活性阻害剤としての本発明の化合物の有用性は当分野で公知の方法により立証することができる。酵素阻害は次のように測定する。
【0069】
FRETアッセイ
BACE1により分解され、TAMRAから蛍光を放出する基質([TAMRA−5−CO−EEISEVNLDAEF−NHQSY]QFRET)と共に均質終点蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイを使用する。基質のKmは基質の溶解限度により測定できない。典型的反応は約30nM酵素、1.25μM基質、及び緩衝液(50mM NaOAc,pH4.5,0.1mg/ml BSA,0.2%CHAPS,15mM EDTA及び1mMデフェロキサミン)で総反応容量100μLを含む。反応は30分間行い、96ウェルプレートLJL Analyst ADで励起波長530nmと発光波長580nmを使用してTAMRAフラグメント遊離を測定する。これらの条件下で、基質の10%未満がBACE1によりプロセシングされる。これらの試験で使用した酵素はバキュロウイルス発現システムで産生された可溶性(膜貫通ドメインと細胞質延長部を除く)ヒト蛋白質とした。化合物の阻害力価を測定するために、阻害剤のDMSO溶液(1mM、100μM、10μM、1μMの4種の阻害剤濃度を調製)を反応混合物に加えた(最終DMSO濃度は0.8%とする)。全実験は上記標準反応条件を使用して室温で実施した。化合物のIC50を測定するために、競合式V0/Vi=1+[I]/[IC50]を使用して化合物の阻害力価を予測した。解離定数の再現誤差は典型的に2倍未満である。
【0070】
HPLCアッセイ
BACE1により分解され、クマリンと結合したN末端フラグメントを遊離する基質(クマリン−CO−REVNFEVEFR)と共に均質終点HPLCアッセイを使用する。基質のKmは100μMを上回り、基質の溶解限度により測定できない。典型的反応は約2nM酵素、1.0μM基質、及び緩衝液(50mM NaOAc,pH4.5,0.1mg/ml BSA,0.2%CHAPS,15mM EDTA及び1mMデフェロキサミン)で総反応容量100μLとする。反応は30分間行い、1M Tris−HCl(pH8.0)25μLを加えて反応を停止する。得られた反応混合物をHPLCにロードし、5分間直線勾配を使用して生成物を基質から分離した。これらの条件下で、基質の10%未満がBACE1によりプロセシングされる。これらの試験で使用した酵素はバキュロウイルス発現システムで産生された可溶性(膜貫通ドメインと細胞質延長部を除く)ヒト蛋白質とした。化合物の阻害力価を測定するために、阻害剤のDMSO溶液(FRETにより予測された力価に応じた濃度範囲で12種の阻害剤濃度を調製)を反応混合物に加えた(最終DMSO濃度は10%とする)。全実験は上記標準反応条件を使用して室温で実施した。化合物のIC50を測定するために、4パラメーター式を曲線フィットに使用する。解離定数の再現誤差は典型的には2倍未満である。
【0071】
特に、下記実施例の化合物は上記アッセイでβセクレターゼ酵素を阻害する活性をもち、一般にIC50は約1nM〜1μMであった。このような結果はこれらの化合物がβセクレターゼ酵素活性の阻害剤として使用するのに固有活性をもつことを示している。
【0072】
本発明の化合物の数種の製造方法を下記スキーム及び実施例に例証する。出発材料は当分野で公知の手順又は本明細書に例証する手順により製造する。下記実施例は本発明を更に十分に理解できるようにするために提供される。これらの実施例は例証に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0073】
中間体I
【0074】
【化35】

【0075】
ステップA.0℃のCHCl/ピリジン(3:1)100mL中5−アミノイソフタル酸ジメチル(5.0g,23.90mmol)のスラリーに撹拌下に塩化メタンスルホニル(1.85mL,23.90mmol)を加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を真空除去し、酢酸エチル(100mL)を加えると、沈殿が形成された。生成物を濾取すると、スルホンアミドが白色固体として得られた。H NMR(DMSOd6)δ8.15(s,1H),8.02(s,2H),3.89(s,6H),3.02(s,3H)LCMS[M−OCH=256.16。
【0076】
ステップB.水素化ナトリウム(0.153g,3.83mmol,60%油分散液)のDMF(10mL)溶液にステップAからのスルホンアミド(1.0g,3.48mmol)を加えた後にヨウ化メチル(0.43mL,6.97mmol)を加えた。1時間後に反応をHO(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機抽出相をMgSOで乾燥し、蒸発させると、生成物が得られた。H NMR(DMSOd6)δ8.40(s,1H),8.19(s,2H),3.91(s,6H),3.34(s,3H),3.01(s,3H).LCMS[M+H]=302.15。
【0077】
ステップC.ステップBからのジエステル(1.03g,3.38mmol)をTHF:MeOH(1:1)50mLに溶かし、0℃まで冷却した。1N NaOH(3.38mL,3.38mmol)を加え、反応混合物を室温まで8時間昇温させた。溶液を1N HCl(30mL)で酸性化し、EtOAc(3x50mL)で抽出した。有機抽出相を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。シリカゲル(1%HOAcを含む5%MeOH/CHCl)で精製すると、モノ酸が得られた。H NMR(DMSOd6)δ8.30(s,1H),8.10(s,2H),3.84(s,3H),3.27(s,3H),2.94(s,3H).LCMS(M+H)=288.16。
【0078】
ステップD.CHCl5mL中にステップCからのモノ酸0.133g(0.46mmol)、BOP試薬(0.235g,0.55mmol)、(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(0.071mL,0.55mmol)、及びジイソプロピルアミン(0.24mL,1.39mmol)を含有する溶液を周囲温度で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(90%EtOAc/ヘキサン)にかけると、ベンジルアミドが得られた。H NMR(CDCl)δ8.26(s,1H),8.17(s,1H),8.06(s,1H),7.31(m,5H),6.50(d,J=7.1Hz,1H),5.33(q,J=7.1Hz,1H),3.96(s,3H),3.37(s,3H),2.88(s,3H),1.64(d,J=7.0Hz,3H).LCMS(M+H)=391.20。
【0079】
ステップE.ステップDからのベンジルアミド0.171g(0.438mmol)のTHF:MeOH(1:1)(10mL)溶液に2N NaOH(0.66mL,1.32mmol)を加えた。溶液を50℃まで1時間加熱した。冷却後、1N HCl(20mL)を加えて溶液を酸性化し、EtOAc(3x30mL)で抽出した。有機抽出相を合わせてMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮すると、所望カルボン酸が得られた。H NMR(CDCl)δ8.22(t,1H),8.11(m,1H),8.06(m,1H),7.34(m,5H),6.47(d,J=7.1Hz,1H),5.33(m,1H),3.37(s,3H),2.87(s,3H),1.64(d,J=7.0Hz,3H).LCMS(M+H)=377.2。
【0080】
中間体II
【0081】
【化36】

【0082】
このカルボン酸はステップDのアミンとして(R)−4−フルオロ−α−メチルベンジルアミンを使用した以外は中間体Iと同様に製造した。
【0083】
中間体III
【0084】
【化37】

【0085】
ステップA.i−PrOH30mL中にtert−ブチル[S−(R,R)]−(−)−(1−オキシラニル−2−フェニルエチル)−カルバメート2.63g(10.0mmol)を含有する溶液をシクロプロピルアミン6mLで処理し、封管で50℃で16時間加熱した。反応混合物を冷却し、蒸発させると、アミノアルコールが白色固体として得られ、HPLCによると純粋であったのでそれ以上精製せずに使用した。LCMS(M+Na)=239.0。
【0086】
ステップB.4:1EtOAc/MeOH50mL中にステップAからのBoc保護アミノアルコール3.0g(13.9mmol)を含有する0℃溶液を低速HClガス流に15分間暴露した。3時間撹拌後に、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、得られた固体をエーテルで研和し、濾過すると、標記化合物が結晶質白色固体として得られた。LCMS(M+1)=186.3。
【0087】
中間体IV
【0088】
【化38】

【0089】
ステップA:3−アミノ−5−ニトロ安息香酸(3.60g,19.78mmol)のMeOH(100mL)溶液に塩化チオニル(2.59g,21.76mmol)を加えた。溶液を65℃まで12時間加熱した。真空濃縮すると、メチルエステル塩酸塩が得られた。H NMR(CDOD)δ8.62(s,1H),8.28(s,1H),8.19(s,1H),3.99(s,3H)。
【0090】
ステップB:ステップAからのアミノエステル3.53g(18.0mmol)のCHCl/ピリジン(3:1)(100mL)溶液に塩化メタンスルホニル(2.07g,18.0mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した後、溶媒を蒸発させた。ガム状残渣をEtOAc(100mL)に取り、1N HCl(100mL)で酸性化し、EtOAc(3x100mL)で抽出した。有機抽出相を合わせてMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮すると、スルホンアミドがオフホワイトの固体として得られた。H NMR(CDOD)δ8.46(s,1H),8.30(s,1H),8.18(s,1H),3.97(s,3H),3.09(s,3H)。
【0091】
ステップC:水素化ナトリウム(0.26g,6.55mmol,60%油分散液)をDMF10mLに懸濁し、ステップBからのスルホンアミド(DMF10mL中)1.5g(5.45mmol)を加えた後にヨウ化メチル0.93g(6.55mL)を加えた。溶液を周囲温度で3時間撹拌した。反応をHO(250mL)でクエンチし、EtOAc(3x200mL)で抽出し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、N−メチルスルホンアミドが得られた。LCMS(M−HO)=272.2。
【0092】
ステップD.HOAc(2mL)を含むEtOH50mL中にステップCからのニトロスルホンアミド(2.7g,mmol)と10%Pd/C0.15gを含有する溶液を水素ガスバルーン下に室温で12時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濃縮し、シリカゲル(100%EtOAc)で精製すると、所望アニリンが得られた。H NMR(CDOD)δ7.29(s,1H),7.26(s,1H),6.95(s,1H),3.87(s,3H),3.27(sm 3H),2.89(s,3H).LCMS(M+H)=258.2。
【0093】
中間体V
【0094】
【化39】

【0095】
ステップA.5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル(8.6g,41.1mmol)のアセトン(200mL)溶液に撹拌下にKCO(5.7g,41.1mmol)と臭化トランス−クロチル(5.5g,41.1mmol)を加えた。得られた混合物を16時間還流下に撹拌した。固形分を濾去し、濾液をほぼ蒸発乾涸させた。得られた残渣をエーテル200mLに溶かし、1N HCl 3x20mL、次いでブラインで洗浄した。有機抽出相をMgSOで乾燥し、蒸発させると、アリールエーテルAが得られた。H NMR(CDCl)δ8.25(s,1H),7.75(s,2H),5.93(m,1H),5.77(m,1H),4.58(d,J=2.2Hz,2H),3.91(s,6H),1.81(d,J=2.2Hz,3H).LCMS(M+H)=265.24。
【0096】
ステップB.THFとMeOHの1:1混合物300mL中にステップAからのイソフタレート9.4g(35.6mmol)を含有する0℃溶液を1N NaOH35.6mL(35.6mmol)で処理した。氷浴を周囲温度になるまで16時間撹拌した。反応混合物を約1/8容量まで濃縮した後に3N HCl 25mLで酸性化した。沈殿した固形分をEtOA300mLに再溶解し、ブライン(2x25mL)で洗浄した。有機抽出相をMgSOで乾燥し、蒸発させると、所望カルボン酸が得られた。H NMR(CDCl)δ8.37(s,1H),7.82(s,2H),5.93(m,1H),5.77(m,1H),4.58(d,J=2.2Hz,2H),3.95(s,3H),1.77(d,J=2.2Hz,3H).LCMS(M+H)=252.18。
【0097】
ステップC.THF100mL中にステップBからのカルボン酸2.5g(10.0mmol)を含有する溶液にCDI 1.78g(11.0mmol)を加えた。得られた溶液を1時間撹拌した後、NaBH741mg(20.0mmol)の水(5mL)溶液で処理した。室温で更に1時間後、反応混合物をエーテル200mLで希釈し、1N HCl 25mLでクエンチした。有機相を分離し、MgSOで乾燥した。カラムクロマトグラフィー(1:1 EtOAc/ヘキサン)にかけると、ベンジルアルコールCが得られた。H NMR(CDCl)δ7.68(s,1H),7.44(s,1H),7.11(s,1H),5.85(m,1H),5.65(m,1H),5.20(s,2H),4.74(d,J=6.0Hz,2H),4.444(s,2H),3.82(s,3H),1.71(d,3H).LCMS(M+H)=237.22。
【0098】
ステップD.ステップCからのアルコール1.65g(7.0mmol)の0℃溶液をDCM(50mL)に溶かし、トリフェニルホスフィン2.0g(7.7mmol)、次いでCBr2.6g(7.7mmol)で処理した。反応混合物を室温まで16時間撹拌し、濃縮し、クロマトグラフィー(1:4 EtOAc/ヘキサン)にかけると、臭化ベンジルDが得られた。H NMR(CDCl)7.62(s,1H),7.44(s,1H),7.11(s,1H),5.85(m,1H),5.65(m,1H),4.50(d,J=6.0Hz,2H),4.46(s,2H),3.90(s,3H),1.71(d,3H).LCMS(M+H)=299.13。
【0099】
ステップE.ステップDからの臭化ベンジル(2.1g,7.0mmol)のMeCN(50mL)溶液にTMSCN 1.05g、次いでTHF(10.5mL)中1M TBAFを加えた。反応混合物を室温で15時間撹拌した後に溶媒を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(3:7 EtOAc/ヘキサン)にかけると、所望ニトリルが得られた。H NMR(CDCl)7.62(s,1H),7.58(s,1H),7.07(s,1H),5.85(m,1H),5.65(m,1H),4.50(d,J=6.0Hz,2H),3.97(s,3H),3.75(s,3H),1.79(d,3H).LCMS(M−13)=233.1。
【0100】
ステップF.ステップEからの化合物(1.27g,5.2mmol)の0℃THF(0.5mL)溶液に塩化ベンジルトリエチルアンモニウム1.2g(5.2mmol)、1,3−ジブロモプロパン1.3mL(11.0mmol)及び10.0N NaOH 10.0mL(100.0mmol)を加えた。5分後に氷浴を除去し、反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物を12N HCl(10mL)で酸性化し、EtOAc(3x50mL)で抽出した。有機相を乾燥し、濃縮すると、粗シクロペンチルニトリルが得られた。この材料をEtOAc15mLに再溶解し、0.5M CHエーテル溶液45mLで処理した。5分間後にPd(OAc)64mg(0.2mmol)を加えると発泡した。反応混合物を1時間撹拌し、セライトで濾過し、濃縮し、クロマトグラフィー(1:3 EtOAc/ヘキサン)にかけると、所望化合物が得られた。H NMR(CDCl)δ7.62(s,1H),7.47(s,1H),7.12(s,1H),3.87(s,3H),3.83(m,2H),2.44(m,2H),2.15−1.94(m,6H),1.79(d,3H)0.97(m,2H0,0.75(m,2H),0.55(m,2H),0.41(m,2H)。
【0101】
ステップH.ステップFからのエステル(801mg,2.56mmol)のTHF/MeOH(1:1)(20mL)溶液に撹拌下に15%NaOH(2.2mL,8.0mmol)を加えた。反応混合物を45℃で2時間撹拌後に溶媒を蒸発させ、残渣を3N HCl(4.0mL,12mmol)で酸性化した。固形分をDCM75mLに取り、有機相をブラインで洗浄した。有機相を乾燥し、蒸発させると、所望カルボン酸が白色固体として得られ、それ以上精製せずに使用した。
【0102】
中間体VI
【0103】
【化40】

【0104】
ステップA.5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル(8.6g,41.1mmol)のアセトン(200mL)溶液に撹拌下にKCO(5.7g,41.1mmol)と臭化トランス−クロチル(5.5g,41.1mmol)を加えた。得られた混合物を16時間還流下に撹拌した。固形分を濾別し、濾液をほぼ蒸発乾涸させた。得られた残渣をエーテル200mLに溶かし、1N HCl 3x20mL、次いでブラインで洗浄した。有機抽出相をMgSOで乾燥し、蒸発させると、アリールエーテルVI−Aが得られた。H NMR(CDCl)δ8.25(s,1H),7.75(s,2H),5.93(m,1H),5.77(m,1H),4.58(d,J=2.2Hz,2H),3.91(s,6H),1.81(d,J=2.2Hz,3H).LCMS(M+H)=265.24。
【0105】
ステップB.THFとMeOHの1:1混合物300mL中にステップAからのイソフタレート9.4g(35.6mmol)を含有する0℃溶液を1N NaOH35.6mL(35.6mmol)で処理した。氷浴を周囲温度になるまで16時間撹拌した。反応混合物を約1/8容量まで濃縮した後に3N HCl 25mLで酸性化した。沈殿した固形分をEtOAc300mLに再溶解し、ブライン(2x25mL)で洗浄した。有機抽出相をMgSOで乾燥し、蒸発させると、所望カルボン酸が得られた。H NMR(CDCl)δ8.37(s,1H),7.82(s,2H),5.93(m,1H),5.77(m,1H),4.58(d,J=2.2Hz,2H),3.95(s,3H),1.77(d,J=2.2Hz,3H).LCMS(M+H)=252.18。
【0106】
ステップC.THF80mL中にカルボン酸VI−C4.0g(16.0mmol)を含有する0℃溶液にEtN4.2mL(30.2mmol)とクロロギ酸エチル2.2mL(22.7mmol)を加えた。得られたスラリーを1時間撹拌し、NaN2.46g(37.8mmol)の水(15mL)溶液で処理した。室温で更に1時間後、反応混合物を水50mLで希釈し、トルエン(3x50mL)で洗浄した。有機抽出相を合わせてMgSOで乾燥し、16時間還流した。反応混合物を室温まで冷却し、ベンジルアルコール3.1mL(30.2mmol)とトリエチルアミン4.2mL(30.2mL)で処理した。反応混合物を24時間還流し、冷却し、EtOAc100mLと10%クエン酸35mLで希釈した。有機抽出相を水とブラインで洗浄した後、MgSOで乾燥した。カラムクロマトグラフィー(2:3 EtOAc/ヘキサン)にかけると、カルバメートVI−Cが得られた。H NMR(CDCl)δ7.38(m,8H),6.85(bs,1H),5.85(m,1H),5.65(m,1H),5.20(s,2H),4.44(d,J=6.0Hz,2H),3.82(s,3H),1.71(d,3H).LCMS(M+H)=356.25。
【0107】
ステップD.ステップCからのアリールエーテル3.56g(10.0mmol)のEtOAc(100mL)溶液を新たに調製したCH50mL(約0.5M,25mmol)で処理した。5分間撹拌後、Pd(OAc)112mg(0.5mmol)を加えると、激しくNを発生した。更に30分後に茶色スラリーを蒸発させ、クロマトグラフィー(1:1 EtOAc/ヘキサン)にかけると、シクロプロピルメチルエーテルVI−Dが得られた。H NMR(CDCl)δ7.55(s,1H),7.44(m,7H),6.80(bs,1H),5.23(s,2H),3.85(s,3H),3.80(m,2H),1.04(d,3H),0.94(m,1H),0.75(m,1H),0.47(m,1H),0.38(m,1H).LCMS(M+H)=368.26。
【0108】
ステップE.ステップDからのカルバミン酸ベンジル(3.6g,10.0mmol)と10%Pd/C1.5gのEtOAc(100mL)溶液を水素ガスバルーン下に室温で5時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濃縮し、シリカゲル(50%EtOAc/ヘキサン)で精製すると、所望アニリンが得られた。H NMR(CDCl)δ6.99(s,2H),6.40(s,1H),3.85(s,3H),3.75(m,2H),1.77(m,1H),1.45(m,1H),1.04(d,3H),0.47(m,1H),0.33(m,1H).LCMS(M+H)=236.2。
【0109】
ステップF.CHCl30mLとピリジン5mL中にステップEからのアニリン(940mg,4.0mmol)を入れた0℃溶液に塩化メタンスルホニル(0.40mL,4.0mmol)を加えた。得られた混合物をこの温度で2時間撹拌した後にDCM100mLで希釈した。溶液を1N HCl(3x25mL)、水(2x25mL)、及びブライン(25mL)で洗浄した。有機相を乾燥し、濃縮するとスルホンアミドVI−Fが得られ、それ以上精製せずに次段階で使用した。LCMS(M+H)=314.1。
【0110】
ステップG.ステップFからのスルホンアミド(1.25g,4.0mmol)のDMF(20mL)溶液を95%水素化ナトリウム(106mg,4.4mmol)と過剰のヨウ化メチル(3mL)で処理した。得られた混合物を周囲温度で1時間撹拌し、エーテル200mLで希釈した。溶液を水(7x25mL)とブラインで洗浄した後にMgSOで乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー(2:3 EtOAc/ヘキサン)により精製すると、所望メチル化スルホンアミドが得られた。H NMR(CDCl w/0.05%DMSO−d6)δ7.65(s,1H),7.41(s,1H),7.15(s,1H),3.93(s,3H),3.80(t,2H),3.30(S,3H),2.87(s,3H),1.11(d,3H),0.88(m,1H),0.55(m,1H),0.37(m,1H).LCMS(M+H)=328.23。
【0111】
ステップH.ステップGからのエステル(625mg,2.0mmol)のTHF/MeOH(1:1)(12mL)溶液に撹拌下に15%NaOH(2.2mL,8.0mmol)を加えた。反応混合物を45℃て2時間撹拌し、溶媒を蒸発させ、残渣を3N HCl(4.0mL,12mmol)で酸性化した。固形分をDCM75mLに取り、有機相をブラインで洗浄した。有機相を乾燥し、蒸発させると、所望カルボン酸が白色固体として得られた。H NMR(CDCl w/0.05%DMSO−d6)δ7.61(s,1H),7.44(s,1H),7.15(s,1H),3.83(t,2H),3.32(S,3H),2.83(s,3H),1.11(d,3H),0.88(m,1H),0.55(m,1H),0.37(m,1H).LCMS(M+H)=314.22。
【実施例1】
【0112】
(R,S,Rジアステレオマー)
【0113】
【化41】

【0114】
ステップA.エーテル75mL中にN−Boc−ピロリジン2.57g(15.01mmol)を含有する−70℃溶液に1.4M sec−BuLi(11.8ml,16.5mmol)を加えた。得られた反応混合物をこの温度で4時間撹拌した後、エーテル20mL中N,N−ジベンジル−L−フェニルアラナール4.94g(15.01mmol)で処理した。反応は5分以内に完了した。反応混合物を飽和NaHCO50mLでクエンチし、EtOAc(3x50mL)で抽出した。有機抽出相を合わせて水とブライン(2x25mL)で洗浄した。溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(1:4 EtOAc/ヘキサン)にかけると、(S,R,R)ジアステレオマーと(S,R,S)ジアステレオマーが得られた。(S,R,R)ジアステレオマー:H NMR(CDCl)δ7.34−7.10(m,15H),4.19(m,1H),3.82−2.90(m,9H),1.83(m,2H),1.47(s,9H),1.26(m,4H).LCMS(M+H)=501.3。(S,R,S)ジアステレオマー:H NMR(CDCl)δ7.29(m,15H),4.96(m,1H),3.96(d,J=14.5Hz,2H),3.78(m,1H),3.56(d,J=14.5Hz,2H),3.33(m,3H),3.07(m,1H),2.84(m,2H),1.83(m,4H),1.47(s,9H).LCMS(M+H)=501.3。
【0115】
ステップB.MeOH5mL中にステップAからの(S,R,R)ジベンジルアミン0.130g(0.259mmol)と触媒量の10%Pd(OH)を含有する溶液を水素ガスバルーン下に16時間水素化した。混合物をセライトパッドで濾過し、蒸発させると、所望アミンが油状物として得られた。LCMS(M+H)=321.3。
【0116】
ステップC.CHCl5mL中に中間体酸I 92mg(0.24mmol)を含有する溶液をBOP試薬(103mg,0.24mmol)、ステップBからの(S,R,R)アミン(78mg,0.24mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.13mL,0.72mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=679.3。
【0117】
ステップD.ステップCからのBoc保護アミン50mg(0.074mmol)をCHCl3mLに溶かし、Dess−Martinペリオジナン(0.094g,0.222mmol)を加え、溶液を周囲温度で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗溶液をCHCl:TFA(4:1)2.5mLで処理し、15分間周囲温度で撹拌した。反応溶液を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望化合物がそのTFA塩として得られた。H NMR(CDOD)δ8.88(d,J=7.7Hz,1H),8.12(s,1H),8.03(s,1H),7.90(s,1H),7.41−7.21(m,10H),5.24(t,J=7.1Hz,1H),4.71(t,J=8.1Hz,1H),3.35(s,3H),3.40−3.30(m,1H),3.11(dd,J=14,9.4Hz,1H),2.96(s,3H),2.28(m,1H),2.02−1.92(m,2H),1.82(m,2H),1.58(d,J=6.9Hz,3H).LCMS(M+H)=577.3。
【実施例2】
【0118】
(R,S,Sジアステレオマー)
【0119】
【化42】

【0120】
ステップA.CHCl5mL中に中間体酸I 146mg(0.39mmol)を含有する溶液をBOP試薬(164mg,0.39mmol)、実施例1,ステップBからの(S,R,S)アミン(150mg,0.48mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.21mL,1.17mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=679.3。
【0121】
ステップB.ステップAからのBoc保護アミン50mg(0.074mmol)をCHCl3mLに溶かし、Dess−Martinペリオジナン(0.094g,0.222mmol)を加え、溶液を周囲温度で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗溶液をCHCl:TFA(4:1)2.5mLで処理し、15分間周囲温度で撹拌した。反応溶液を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望化合物がそのTFA塩として得られた。H NMR(CDOD)δ8.89(d,J=7.7Hz,1H),8.12(s,1H),8.02(s,1H),7.91(s,1H),7.41−7.24(m,10H),5.24(m,1H),5.07(dd,J=9.4,6.1Hz,1H),4.37(t,J=7.0,1H),3.48(q,J=7.1HZ,1H),3.35(s,3H),3.10(dd,J=14,7.1Hz,1H),2.95(s,3H),2.43(m,2H),2.04(m,2H),1.57(d,J=7.1Hz,3H).LCMS(M+H)=577.2。
【実施例3】
【0122】
(R,S,Rジアステレオマー)
【0123】
【化43】

【0124】
ステップA.エーテル15mL中にN−Boc−ピペリジン1.12g(6.05mmol)を含有する−70℃溶液にTMEDA(0.77g,6.66mmol)、次いで1.4M sec−BuLi(4.76ml,6.66mmol)を加えた。得られた反応混合物をこの温度で1時間撹拌した後、−20℃まで10分間昇温させ、−70℃まで再冷却した後にエーテル5mL中N,N−ジベンジル−L−フェニルアラナール2.0g(6.05mmol)で処理した。反応は10分以内に完了したが、室温になるまで4時間撹拌し、望ましくないエリスロ異性体を環化させた(例えばBeak and Lee,J.Org.Chem.1993,58,1109−1117参照)。反応混合物を飽和NaHCO50mLでクエンチし、EtOAc(3x50mL)で抽出した。有機抽出相を合わせて水とブライン(2x25mL)で洗浄した。溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(1:4 EtOAc/ヘキサン)にかけると、純ジアステレオマーアルコールが得られた。H NMR(CDCl)δ7.30(m,15H),4.40(m,1H),4.15(m,1H),3.83(d,J=14Hz,2H),3.73(m,1H),3.59(d,J=14Hz,2H),3.10−2.91(m,3H),2.74(m,1H),1.94(m,1H),1.67−0.94(m,6H),1.39(s,9H).LCMS(M+H)=515.4。
【0125】
ステップB.MeOH10mL中にステップAからのジベンジルアミン0.158g(0.307mmol)と触媒量の10%Pd(OH)を含有する溶液を水素ガスバルーン下に48時間水素化した。混合物をセライトパッドで濾過し、蒸発させると、所望アミンが油状物として得られた。LCMS(M+H)=335.3。
【0126】
ステップC.CHCl5mL中に中間体酸I 90mg(0.24mmol)を含有する溶液をBOP試薬(101mg,0.24mmol)、ステップBからのアミン(80mg,0.24mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.13mL,0.72mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(100%EtOAc)により精製すると、アミドが得られた。H NMR(CDCl)δ7.93−7.10(m,14H),6.77(d,J=7.4Hz,1H),5.26(m,1H),4.41(m,1H),4.32(m,1H),4.07(m,1H),.3.28(s,3H),3.08(m,1H),2.89(s,3H),2.95−2.71(m,2H),2.15(m,1H),1.73−1.43(m,7H),1.59(d,J=7.0Hz,3H),1.51.(s,9H).LCMS(M−BOC)=593.3。
【0127】
ステップD.ステップCからのBoc保護アミン65mg(0.094mmol)をCHCl3mLに溶かし、Dess−Martinペリオジナン(0.12g,0.28mmol)を加え、溶液を周囲温度で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗溶液をCHCl:TFA(4:1)2.5mLで処理し、15分間周囲温度で撹拌した。反応溶液を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望化合物がそのTFA塩として得られた。H NMR(CDOD)δ8.88(d,J=7.42Hz,1H),8.13(s,1H),8.04(s,1H),7.92(s,1H),7.42−7.20(m,10H),5.27(m,1H),4.26(dd,J=12,3.0Hz,1H),3.48−3.28(m,2H),3.36(s,3H),3.10(dd,J=13,9.0Hz,1H),2.97(s,3H),2.22(m,1H),1.85(m,2H),1.60(d,J=7.0Hz,3H),1.62−1.58(m,1H),1.36−1.30(m,2H).LCMS(M+H)=591.3。
【実施例4】
【0128】
【化44】

【0129】
ステップA.CHCl2mL中に中間体II 20.0mg(0.054mmol)を含有する溶液をBOP試薬(24.0mg,0.054mmol)、アミン中間体III(19.0mg,0.064mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.021mL,0.12mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で10分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミノアルコールが得られた。H NMR(CDOD)δ8.87(d,1H),8.32(s,1H),7.98(d,2H),7.78(s,1H),7.36(m,4H),7.25(m,5H),5.23(m,1H),4.24(m,1H),3.96(m,1H),3.33(s,3H),3.19(m,2H),2.94(s,3H),2.80(m,3H),1.57(d,3H),0.89(m,4H).LCMS(M+H)=597.3。
【0130】
ステップB.ステップAからのアミノアルコール(0.204g,0.342mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に二炭酸ジ−tert−ブチル(0.097g,0.45mmol)、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.13g,1.03mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(80%EtOAc/ヘキサン)により精製すると、Boc保護アミンが得られた。LCMS(M+H)=697.1。
【0131】
ステップC.ステップBからのBoc保護アミン47mg(0.067mmol)をCHCl3mLに溶かし、Dess−Martinペリオジナン(0.086g,0.202mmol)を加え、溶液を周囲温度で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗溶液をCHCl:TFA(4:1)2.5mLで処理し、30分間周囲温度で撹拌した。反応溶液を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望化合物がそのTFA塩として得られた。H NMR(CDOD)δ8.89(d,J=7.9Hz,1H),8.13(s,1H),8.02(s,1H),7.93(s,1H),7.42(dd,J=8.2,5.4Hz,2H),7.34−7.24(m,5H),7.06(t,J=8.7Hz,2H),5.24(m,1H),4.81(m,1H),4.39(d,J=18Hz,1H),3.97(d,J=18Hz,1H),3.36(s,3H),3.14(dd,J=14,9.1Hz,1H),2.96(s,3H),2.70(m,1H),1.57(d,J=7.1Hz,3H),0.96−0.83(m5H).LCMS(M+H)=595.3。
【実施例5】
【0132】
(R,S,R,Sジアステレオマー)
【0133】
【化45】

【0134】
ステップA.−78℃のエーテル12mL中の(S)−N−Boc−2−メチルピロリジン(製造:Donner,B.G.Tetrahedron Letters 1995,36,1223−1226)1.1g(6.1mmol)とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.70g(6.08mmol)の混合物に1.4M sec−ブチルリチウム5.2mLを撹拌下に滴下した。反応混合物を−78℃で40分間撹拌した。次にN,N−ジベンジル−L−フェニルアラナールのエーテル(6mL)溶液を反応混合物に加えた。反応混合物を室温まで16時間昇温させた。反応を飽和重炭酸ナトリウム100mLでクエンチし、混合物をEtOAc(3x50mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(100mL)で洗浄した後にMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(5%−60%EtOAc:ヘキサン)により精製した。単離生成物を次に逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥すると、ジベンジルアミンが得られた。H NMR(CDOD)δ8.87(s,1H),8.10(s,1H),7.91(s,1H),7.77(d,J=7.7Hz,1H),7.65−7.14(m,13 H),5.24(m,1H),4.21(m,1H),3.97(m,1H),3.21(m,1H),2.78(m,2H),2.28(m,1H),2.26(s,3H),1.56(d,J=7.1Hz,3H),0.91(m,4H).LCMS(M+H)=515.4。
【0135】
ステップB.MeOH1mL中にステップAからの0.031g(0.060mmol)を含有する溶液を触媒量のPearlman触媒で処理し、水素雰囲気下に室温で40分間撹拌した。反応混合物をセライトプラグで濾過し、溶媒を真空除去すると、対応するアミンが得られた。LCMS(M+H)=335.4。
【0136】
ステップC:CHCl3mL中に中間体酸II 22mg(0.055mmol)を含有する溶液をBOP試薬(24mg,0.055mmol)、ステップBからの(S,R,R)アミン(20mg,0.055mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.03mL,0.167mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=711.3。
【0137】
ステップD.0℃のCHCl1mL中にステップCからのアミド0.0092g(0.013mmol)を含有する溶液をDess−Martinペリオジナン0.011g(0.026mmol)で処理した。反応混合物を室温まで昇温させ、1時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥すると、ケトンが得られた。LCMS(M−Boc)=609.3。
【0138】
ステップE.0℃のCHCl1mL中にステップDからのケトン0.0081g(0.011mmol)を含有する溶液をTFA1mLで処理した。反応混合物を0℃で10分間撹拌した。溶媒を真空除去すると、所望アミノケトンが得られた。LCMS(M+H)=609.6.H NMR(CDOD)δ8.90(d,J=7.7Hz,1 H),8.11(m,1H),8.03(m,1H),7.90(m,1H),7.42(m,2H),7.30−7.19(m,4H),7.06(t,2H),5.23(m,1H),4.76(m,1H),3.66(m,1H),3.35(s,3H),3.11(m,1H),2.96(s,3H),2.39(m,1H),2.15(m,1H),1.81(m,2H),1.72−1.62(m,2H),1.57(d,J=7.0Hz,3H),1.40(d,J=6.6Hz,3H)。
【実施例6】
【0139】
(トランス(RR,SS),S)
【0140】
【化46】

【0141】
ステップA:CHCl10mL中に中間体酸VI 0.25g(0.80mmol)を含有する溶液をBOP試薬(0.338g,0.80mmol)、中間体IIIからのアミン(0.234mg,0.80mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.31g,2.40mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=516.3。
【0142】
ステップB.ステップAからのアミド0.31g(0.61mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル0.16g(0.73mmol)、及びDIPEA0.094g(0.73mmol)を含有する溶液を50℃のACN6mL中で1.5時間撹拌した。反応混合物を冷却し、溶媒を真空除去すると、Bocアミンが得られた。LCMS(M−Boc)=616.4。
【0143】
ステップC.0℃のCHCl5mL中にステップBからのBocアミン0.33g(0.53mmol)を含有する溶液をDess−Martinペリオジナン0.45g(0.11mmol)で処理した。反応混合物を室温まで昇温させ、30分間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥すると、Bocアミノケトンが得られた。LCMS(M−Boc)=514.3。
【0144】
ステップD.0℃のCHCl2mL中にステップCからのBoc−アミノケトン0.16g(0.26mmol)を含有する溶液をTFA2mLで処理した。反応混合物を0℃で10分間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥すると、所望アミノケトンが得られた。LCMS(M+H)=514.2.H NMR(CDOD)δ7.33−7.24(m,5H),7.19−7.16(m,3H),4.78(m,1H),3.86(m,2H),3.14(m,2H),2.91(s,6H),2.70(m,2H),1.18(t,1H),1.09(d,J=6.0Hz,3H),1.00(m,2H),0.86(m,4H),0.53(m,1H),0.38(m,1H)。
【実施例7】
【0145】
([シス(RS,SR)],S)
【0146】
【化47】

【0147】
ステップA.アセトニトリル12.5mL中に中間体IV 0.32g(1.3mmol)、1−ブロモ−2−ブチン0.33g(2.5mmol)、及びKCO0.35g(2.5mmol)を含有する溶液を4時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、HO60mLで希釈した。混合物をEtOAc(3x60mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(60mL)で洗浄した後、乾燥した(MgSO)。溶媒を真空除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(20%−50%EtOAc:ヘキサン)により精製すると、アルキニルアニリンが得られた。LCMS(M+H)=311.2。
【0148】
ステップB.MeOH3mL中にステップAからのアルキニルアニリン0.083g(0.27mmol)を含有する溶液を触媒量のLindlar触媒で処理し、水素雰囲気下に室温で10分間撹拌した。反応混合物をシリカゲルプラグで濾過し、溶媒を真空除去した。逆相HPLCにより精製すると、Z−アルケニルアニリンが得られた。LCMS(M+H)=313.2。
【0149】
ステップC.0℃のEtOAc2.5mL中にステップBからのZ−アルケニルアニリン0.038g(0.12mmol)を含有する溶液を新たに調製したジアゾメタン0.058g(1.3mmol)と触媒量の酢酸パラジウム(II)で処理し、0℃で15分間撹拌した。反応混合物をシリカゲルプラグで濾過した。溶媒を蒸発させると、メチルシクロプロピルメチルアニリンが得られた。LCMS(M+H)=327.2。
【0150】
ステップD.ステップCからのメチルシクロプロピルメチルアニリン0.034g(0.10mmol)のTHF:MeOH(1:1)(5mL)溶液に2N NaOH(0.15mL,0.30mmol)を加えた。溶液を50℃まで1時間加熱した。冷却後、1N HCl(20mL)を加えて溶液を酸性化し、EtOAc(3x30mL)で抽出した。有機抽出相を合わせてMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮すると、所望カルボン酸が得られた。LCMS(M+H)=313.2。
【0151】
ステップE:CHCl10mL中にステップDからのカルボン酸0.020g(0.060mmol)を含有する溶液をBOP試薬(0.026g,0.060mmol)、中間体IIIからのアミン(0.018g,0.060mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.023g,0.180mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=515.3.H NMR(CDOD)δ7.27(m,4H),7.16(m,1H),7.15−6.91(m,3H),4.22(m,1H),4.01(m,1H),3.27(m,2H),3.20−3.06(m,2H),2.90(s,3H),2.89(s,3H),2.87−2.75(m,2H),2.02(d,J=7.7,3H),1.71(m,1H),1.24(t,2H),1.06(m,2H),0.99−0.87(m,4H)。
【0152】
ステップF.ステップEからのアミド0.051g(0.10mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル0.026g(0.12mmol)、及びDIPEA0.016g(1.2mmol)を含有する溶液を50℃のACN1mL中で1.5時間撹拌した。反応混合物を冷却し、溶媒を真空除去すると、Bocアミンが得られた。LCMS(M+H)=615.3。
【0153】
ステップG.0℃のCHCl1mL中にステップFからのBocアミン0.062g(0.10mmol)を含有する溶液をDess−Martinペリオジナン0.042g(0.10mmol)で処理した。反応混合物を室温まで昇温させ、1時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥すると、Boc−アミノケトンが得られた。LCMS(M−Boc)=513.3。
【0154】
ステップH.0℃のCHCl1mL中にステップGからのBoc−アミノケトン0.0080g(0.013mmol)を含有する溶液をTFA1mLで処理した。反応混合物を0℃で10分間撹拌した。溶媒を真空除去すると、所望アミノケトンが得られた。LCMS(M+H)=513.3.H NMR(CDOD)δ7.35−7.24(m,5H),7.04(m,2H),6.94(m,1H),4.76(m,1H),4.39(m,2H),4.05(m,2H)3.29(s,3H),3.22−3.04(m,2H),2.92(s,3H),2.74(m,2H),1.76(m,2H),1.29(m,3H),1.12(m,1H),0.97−0.85(m,4H)。
【実施例8】
【0155】
([トランス(RR,SS)],S)
【0156】
【化48】

【0157】
ステップA.アセトニトリル5mL中に中間体IV 0.14g(0.53mmol)、臭化トランス−クロチル0.072g(0.53mmol)及びKCO0.073g(0.53mmol)を含有する溶液を2時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、HO12mLで希釈した。混合物をEtOAc3×12mLで抽出した。有機相を合わせてブライン(12mL)で洗浄した後、乾燥した(MgSO)。溶媒を真空除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(20%−50%EtOAc:Hex)により精製すると、アルケニルアニリンが得られた。LCMS(M+H)=313.2。
【0158】
ステップB.0℃のEtOAc7mL中にステップAからのアルケニルアニリン0.064g(0.21mmol)を含有する溶液を新たに調製したジアゾメタン0.18g(4.1mmol)と触媒量の酢酸パラジウム(II)で処理し、0℃で15分間撹拌した。反応混合物をシリカゲルプラグで濾過した。溶媒を蒸発させると、メチルシクロプロピルメチルアニリンが得られた。LCMS(M+H)=327.2。
【0159】
ステップC.ステップCからのメチルシクロプロピルメチルアニリン0.067g(0.21mmol)のTHF:MeOH(1:1)(5mL)溶液に2N NaOH(0.31mL,0.63mmol)を加えた。溶液を50℃まで1時間加熱した。冷却後、1N HCl(20mL)を加えて溶液を酸性化し、EtOAc(3x30mL)で抽出した。有機抽出相を合わせてMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮すると、所望カルボン酸が得られた。LCMS(M+H)=313.2。
【0160】
ステップD:CHCl10mL中にステップCからのカルボン酸0.032g(0.10mmol)を含有する溶液をBOP試薬(0.043g,0.10mmol)、中間体IIIからのアミン(0.029g,0.10mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.039g,0.30mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=515.3.H NMR(CDOD)δ7.26(m,4H),7.19−6.89(m,4H),4.23(m,1H),3.98(m,1H),3.63−3.29(m,2H),3.07(m,2H),2.91(s,3H),2.90(s,3H),2.88−2.73(m,2H),1.68(m,1H),1.04(d,J=6.1,3H),0.97−0.87(m,4H),0.45(m,2H),0.32(m,2H)。
【0161】
ステップE.ステップDからのアミド0.020g(0.040mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル0.010g(0.050mmol)、及びDIPEA0.0060g(0.050mmol)を含有する溶液を50℃のACN1mL中で1時間撹拌した。反応混合物を冷却し、溶媒を真空除去すると、Bocアミンが得られた。LCMS(M−Boc)=515.3。
【0162】
ステップF.0℃のCHCl1mL中にステップEからのBocアミン0.025g(0.040mmol)を含有する溶液をDess−Martinペリオジナン0.034g(0.080mmol)で処理した。反応混合物を室温まで昇温させ、20分間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥すると、Boc−アミノケトンが得られた。LCMS(M−Boc)=513.3。
【0163】
ステップG.0℃のCHCl0.5mL中にステップFからのBoc−アミノケトン0.0050g(0.0080mmol)を含有する溶液をTFA0.5mLで処理した。反応混合物を0℃で10分間撹拌した。溶媒を真空除去すると、所望アミノケトンが得られた。LCMS(M+H)=513.3.H NMR(CDOD)δ7.29(m,5H),7.01(m,2H),6.88(m,1H),4.74(m,1H),4.37(m,2H),4.03(m,2H),3.14(m,2H),2.91(s,3H),2.90(s,3H),1.71(m,2H),1.29(s,4H),1.17(m,1H),1.02(m,1H),0.87(m,3H),0.69(m,1H)。
【実施例9】
【0164】
【化49】

【0165】
ステップA.CHCl5mL中にカルボン酸中間体V0.030g(0.10mmol)を含有する溶液をBOP試薬(0.043g,0.10mmol)、アミン中間体III(0.029g,0.10mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.039g,0.30mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で10分間撹拌した後に溶媒を蒸発させた。得られた残渣を逆相HPLCにより精製すると、所望アミドが得られた。
【0166】
ステップB.ステップAからのアミン0.050g(0.10mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル0.022g(0.10mmol)、及びDIPEA0.012g(0.10mmol)を含有する溶液を45℃のACN1mL中で3時間撹拌した。反応混合物を冷却し、溶媒を真空除去すると、Bocアミンが得られ、それ以上精製せずに使用した。
【0167】
ステップC.0℃のCHCl1mL中にステップBからのアミン0.020g(0.040mmol)を含有する溶液をDess−Martinペリオジナン0.034g(0.080mmol)で処理した。反応混合物を室温まで昇温させ、20分間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥すると、Boc−アミノケトンが得られた。この化合物を0℃のEtOAcに溶かし、HClガスで直接5分間処理した。反応混合物を1時間撹拌し、溶媒を蒸発させ、残渣を逆相クロマトグラフィーにより精製した。LCMS(M−Boc)=500.6.H NMR(CDCl)δ7.29(m,8H),5.88(m,1H),5.10(m,1H),4.75(dd,1H),4.54(m,1H),4.37(d,1H),4.00(d,1H),3.14(dd,1H),2.72(m,1H),2.43(m,1H),2.11(m,2H),1.99(m,1H),1.33(d,2H),0.86(m,2H)。
【実施例10】
【0168】
【化50】

【0169】
DCM5mL中に実施例9,ステップBからのアリールエーテル30mg(0.050mmol)を含有する0℃溶液をTFA5mLで処理した。反応混合物を2時間撹拌した後に溶媒を蒸発させ、逆相クロマトグラフィーを使用して残渣を精製した。H NMR(CDCl)δ7.28(m,8H),4.75(dd,1H),4.37(d,1H),4.00(d,1H),3.14(dd,1H),2.72(m,1H),2.43(m,2H),2.11(m,2H),1.99(m,,2H),0.86(m,2H)。
【実施例11】
【0170】
【化51】

【0171】
ステップA:3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル(1.00g,2.96mmol)とKCO(1.6g,5.92mmol)の無水アセトン(35mL)溶液を(ブロモメチル)シクロプロパン(0.40g,2.96mmol)で処理した。混合物を12時間還流した。冷却後、溶液を1N HClで酸性化し、EtOAc(3x50mL)で抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により精製すると、モノフェノールが得られた。LCMS(M+H)=223.2.H NMR(CDCl)δ7.16(s,1H),7.13(s,1H),6.64(s,1H),6.13(s,1H),3.90(s,3H)m 3.81(d,J=6.9Hz,2H),1.23(m,1H),0.65(m,2H),0.34(m,2H)。
【0172】
ステップB:ステップ1からのフェノール(0.63g,2.8mmol)の−78℃ジクロロメタン(20mL)溶液にDIPEA(0.4g,3.1mmol)を加え、次いで無水トリフル酸(0.87g,3.1mmol)を加えた。溶液を12時間かけて室温までゆっくりと昇温させた後、飽和重炭酸ナトリウム(20mL)を加えて反応をクエンチした。有機層を分離し、1N HCl(1x20mL)、HO(1x20mL)、及びブライン(1x20mL)で順次洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)により精製すると、トリフラートが得られた。H NMR(CDCl)δ7.58(s,1H),7.50(s,1H),7.01(s,1H),3.94(s,3H),3.88(d,J=7.0Hz,2H),1.28(m,1H),0.69(m,2H),0.39(m,2H)。
【0173】
ステップC:ステップ2からのトリフラート(0.30g,0.85mmol)、CsCO(0.42g,1.28mmol)、及び2−シアノアリールボロン酸(0.22g,1.0mmol)の溶液を真空脱気した。次にPd(PPh(0.98g,0.09mmol)を加え、反応混合物を90℃まで1時間加熱した。水(60mL)を加えた後にEtOAc(3x30mL)で抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)により精製すると、ビアリールエステルが得られた。LCMS(M+H)=308.3.H NMR(CDCl)δ7.78−7.31(m,7H),3.93(s,3H),3.92(d,J=7.0Hz,2H),1.28(m,1H),0.68(m,2H),0.38(m,2H)。
【0174】
ステップD.ステップ3からのエステル0.036g(0.12mmol)のTHF:MeOHの1:1混合物(2mL)溶液を2N NaOH0.18mLで処理した。反応混合物を50℃で1時間撹拌した後、室温まで冷却した。反応を1N HClでpH=2までクエンチした。混合物をEtOAc3×25mLで抽出した。有機層を水(20mL)とブライン(20mL)で洗浄した後に乾燥した(MgSO)。溶媒を蒸発させると、カルボン酸が得られた。LCMS(M+1)=294.13。
【0175】
ステップE.CHCl3mL中にステップ4からの酸0.083g(0.28mmol)、アミン1 0.12g(0.42mmol)、BOP試薬0.12g(0.28mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.11g(0.84mmol)を含有する溶液を室温で12時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥すると、ヒドロキシルアミンが得られた。LCMS(M+1)=496.14.H NMR(CDOD)δ7.83(d,J=7.7,1H),7.75(t,1H),7.55(t,2H),7.37(s,1H),7.31−7.23(m,6H),7.18−7.15(t,1H),4.6(m,1H),4.0(m,1H),3.89(d,J=6.9,2H),3.34(m,2H),3.18(m,1H),2.84(m,1H),2.76(m,1H),1.31−1.23(m,1H),0.97−0.86(m,4H),0.63(d,J=8.1,2H),0.37(d,J=4.8)。
【0176】
ステップF.ステップ5からのアミン0.14g(0.28mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル0.074g(0.34mmol)、及びDIPEA0.060g(0.34mmol)を含有する溶液を50℃のACN6mL中で1時間撹拌した。反応混合物を冷却し、溶媒を真空除去すると、Boc保護アミンが得られた。LCMS(M+1−100)=496.09。
【0177】
ステップG.0℃のCHCl2mL中にステップ6からのBoc保護アミン0.17g(0.28mmol)を含有する溶液をDess−Martinペリオジナン0.24g(0.56mmol)で処理した。反応混合物を室温まで昇温させ、30分間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥すると、所望Boc保護アミノ−ケトンが得られた。LCMS(M+1−100)=494.09。
【0178】
ステップH.0℃のCHCl2mL中にステップ7からのケトン0.11g(0.19mmol)を含有する溶液をTFA2mLで処理した。反応混合物を0℃で10分間撹拌した後、室温で10分間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣を逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥すると、所望アミノ−ケトンが得られた。LCMS(M+1)=494.11.H NMR(CDOD)δ7.83(d,J=7.7,1H),7.74(t,1H),7.56(m,2H),7.50(s,1H),7.36(s,1H),7.30(m,5H),7.23(m,1H),4.80(dd,J=5.5,9.2,1H),4.41(d,J=17.9,1H),4.08(d,J=17.8,1H),3.91(d,J=7.0,2H),3.37−3.28(m,1H),3.14(m,1H),2.72(m,1H),1.32−1.25(m,1H),0.90−0.82(m,4H),0.93(d,J=8.1,2H),0.37(d,J=4.8)。
【実施例12】
【0179】
(R,S,R,Rジアステレオマー)
【0180】
【化52】

【0181】
ステップA.エーテル75mL中にN−Boc−4−ピロリジン2.57g(15.01mmol)を含有する−70℃溶液に1.4M sec−BuLi(11.8ml,16.5mmol)を加えた。得られた反応混合物をこの温度で4時間撹拌した後、エーテル20mL中N,N−ジベンジル−L−フェニルアラナール4.94g(15.01mmol)で処理した。反応は5分以内に完了した。反応混合物を飽和NaHCO50mLでクエンチし、EtOAc(3x50mL)で抽出した。有機抽出相を合わせて水とブライン(2x25mL)で洗浄した。溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(1:4 EtOAc/ヘキサン)にかけると、(S,R,R)ジアステレオマーと(S,R,S)ジアステレオマーを分離した。
【0182】
(S,R,R)ジアステレオマー:H NMR(CDCl)δ7.34−7.10(m,15 H),4.19(m,1H),3.82−2.90(m,9H),1.83(m,2H),1.47(s,9H),1.26(m,4H).LCMS(M+H)=501.3。
【0183】
(S,R,S)ジアステレオマー:H NMR(CDCl)δ7.29(m,15 H),4.96(m,1H),3.96(d,J=14.5Hz,2H),3.78(m 1H),3.56(d,J=14.5Hz,2H),3.33(m,3H),3.07(m,1H),2.84(m,2H),1.83(m,4H),1.47(s,9H).LCMS(M+H)=501.3。
【0184】
ステップB.MeOH5mL中にステップAからの(S,R,R)ジベンジルアミン0.130g(0.259mmol)と触媒量の10%Pd(OH)を含有する溶液を水素ガスバルーン下に16時間水素化した。混合物をセライトパッドで濾過し、蒸発させると、所望アミンが油状物として得られた。LCMS(M+H)=321.3。
【0185】
ステップC.CHCl5mL中に中間体酸I 92mg(0.24mmol)を含有する溶液をBOP試薬(103mg,0.24mmol)、ステップBからの(S,R,R)アミン(78mg,0.24mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.13mL,0.72mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=679.3。
【0186】
ステップD.CHCl:TFA(4:1)6mL中にステップCからのBoc保護アミン73mg(0.108mmol)を含有する溶液を45分間周囲温度で撹拌した。反応混合物を冷却し、蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望化合物がそのTFA塩として得られた。(S,R,R)ジアステレオマー:H NMR(CDOD)δ8.86(d,J=7.3Hz,1H),8.42(d,J=9.0Hz,1H),7.97(s,2H),7.74(s,1H),7.40−7.10(m,10H),5.22(q,J=7.1Hz,1H),4.18(m,1H),4.04(dd,J=9.4,2.2Hz,1H),3.74(t,J=7.0Hz,1H),3.40−3.26(m,2H),3.33(s,3H),2.94(s,3H),2.81(t,J=11.0Hz,1H),2.19−2.07(m,2H),2.01(m,1H),1.57(d,J=7.0Hz,3H).LCMS(M+H)=579.2。
【実施例13】
【0187】
(R,S,R,Sジアステレオマー)
【0188】
【化53】

【0189】
ステップA.CHCl5mL中に中間体酸I 146mg(0.39mmol)を含有する溶液をBOP試薬(164mg,0.39mmol)、実施例12,ステップBからの(S,R,S)アミン(150mg,0.48mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.21mL,1.17mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=679.3。
【0190】
ステップB.CHCl:TFA(4:1)2.5mL中にステップAからのBoc保護アミド32mg(0.047mmol)を含有する溶液を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を冷却し、蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望化合物がそのTFA塩として得られた。H NMR(CDOD)δ8.87(d,J=8.4Hz,1H),8.47(d,J=8.4Hz,1H),8.04(s,1H),7.99(s,1H),7.82(s,1H),7.42−7.14(m,9H),7.16(t,J=7.3Hz,1H),5.24(q,J=7.0Hz,1H),4.29(m,1H),3.74(m,2H),3.53−3.33(m,3H),3.35(s,3H),2.95(s,3H),2.81(m,1H),2.15(m,2H),2.03(m,2H),1.59(d,J=7.3Hz,3H).LCMS(M+H)=579.3。
【実施例14】
【0191】
(R,S,R,Rジアステレオマー)
【0192】
【化54】

【0193】
ステップA.CHCl2mL中にp−フルオロ酸中間体II 27mg(0.069mmol)を含有する溶液をBOP試薬(0.030mg,0.069mmol)、実施例12,ステップAからの(S,R,R)アミン(78mg,0.24mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.033mL,0.188mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=697.2。
【0194】
ステップB.CHCl:TFA(4:1)2mL中にステップAからのBoc保護アミン18mg(0.026mmol)を含有する溶液を2時間周囲温度で撹拌した。反応混合物を冷却し、蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望化合物がそのTFA塩として得られた。H NMR(CDOD)δ8.86(m,1H),8.43(d,J=8.2Hz,1H),7.97(s,2H),7.75(s,1H),7.41−7.06(m,9H),5.22(m,1H),4.18(m,1H),4.04(m,1H),3.73(m,1H),3.40−3.26(m,2H),3.33(s,3H),2.94(s,3H),2.81(m,1H),2.19−1.99(m,3H),1.56(d,J=6.1,3H).LCMS(M+H)=597.2。
【実施例15】
【0195】
(R,S,R,Rジアステレオマー)
【0196】
【化55】

【0197】
ステップA.エーテル15mL中にN−Boc−ピペリジン1.12g(6.05mmol)を含有する−70℃溶液にTMEDA(0.77g,6.66mmol)、次いで1.4M sec−BuLi(4.76ml,6.66mmol)を加えた。得られた反応混合物をこの温度で1時間撹拌した後、−20℃まで10分間昇温させ、−70℃まで再冷却した後にエーテル5mL中N,N−ジベンジル−L−フェニルアラナール2.0g(6.05mmol)で処理した。反応は10分以内に完了したが、室温になるまで4時間撹拌し、望ましくないエリスロ異性体を環化させた(例えばBeak and Lee,J.Org.Chem.1993,58,1109−1117参照)。反応混合物を飽和NaHCO50mLでクエンチし、EtOAc(3x50mL)で抽出した。有機抽出相を合わせて水とブライン(2x25mL)で洗浄した。溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(1:4 EtOAc/ヘキサン)にかけると、ジアステレオマーとして純粋なアルコールが得られた。H NMR(CDCl)δ7.30(m,15H),4.40(m,1H),4.15(m,1H),3.83(d,J=14Hz,2H),3.73(m,1H),3.59(d,J=14Hz,2H),3.10−2.91(m,3H),2.74(m,1H),1.94(m,1H),1.67−0.94(m,6H),1.39(s,9H).LCMS(M+H)=515.4。
【0198】
ステップB.MeOH10mLA中にステップAからのジベンジルアミン0.158g(0.307mmol)と触媒量の10%Pd(OH)を含有する溶液を水素ガスバルーン下に48時間水素化した。混合物をセライトパッドで濾過し、蒸発させると、所望アミン0.080g(78%)が油状物として得られた。LCMS(M+H)=335.3。
【0199】
ステップC.CHCl5mL中に中間体酸I 90mg(0.24mmol)を含有する溶液をBOP試薬(101mg,0.24mmol)、ステップBからのアミン(80mg,0.24mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.13mL,0.72mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(100%EtOAc)により精製すると、アミドが得られた。H NMR(CDCl)δ7.93−7.10(m,14 H),6.77(d,J=7.4Hz,1H),5.26(m,1H),4.41(m,1H),4.32(m,1H),4.07(m,1H),3.28(s,3H),3.08(m,1H),2.89(s,3H),2.95−2.71(m,2H),2.15(m 1H),1.73−1.43(m,7H),1.59(d,J=7.0Hz,3 H),1.51.(s,9H)LCMS(M−BOC)=593.3。
【0200】
ステップD.CHCl:TFA(4:1)2.5mL中にステップCからのBoc保護アミン34mg(0.05mmol)を含有する溶液を周囲温度で15分間撹拌した。反応混合物を冷却し、蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望化合物がそのTFA塩として得られた。H NMR(CDOD)δ8.87(d,J=7.3Hz,1H),8.39(d,J=9.1Hz,1H),7.98(s,2H),7.76(s,1H),7.42−7.11(m,10 H),5.24(q,J=7.0Hz,1H),4.23(m,1H),3.91(d,J=8.0Hz,1H),3.33(m,1H),3.34(s,3H),3.22(d,J=12Hz,1H),3.04(m,1H),2.95(s,3H),2.82(m,1H),2.17(d,J=12Hz,1H),1.95−1.45(m,5H),1.58(d,J=7.0Hz,3H).LCMS(M+H)=593.3。
【実施例16】
【0201】
(R,S,R,Rジアステレオマー)
【0202】
【化56】

【0203】
ステップA.エーテル30mL中にN−Boc−4−ピペリドンエチレンケタール3.28g(13.6mmol)を含有する−70℃溶液にTMEDA(1.91g,16.4mmol)、次いで1.4M sec−BuLi(12.6ml,16.4mmol)を加えた。得られた反応混合物をこの温度で4時間撹拌した後、エーテル25mL中N,N−ジベンジル−L−フェニルアラナール5.4g(16.4mmol)で処理した。反応は10分以内に完了したが、室温になるまで4時間撹拌し、望ましくないエリスロ異性体を環化させた(例えばBeak and Lee,J.Org.Chem.1993,58,1109−1117参照)。反応混合物を飽和NHCl 50mLでクエンチし、エーテル100mLで希釈した。有機相を分離し、水とブライン(2x25mL)で洗浄した。溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(1:4 EtOAc/ヘキサン)にかけると、ジアステレオマーとして純粋なアルコールが得られた。H NMR(CDCl)δ7.38−6.95(m,15H),4.41(bs,1H),4.00−3.80(m,8H),3.53(m,2H),3.22(bt,1H),3.10−2.80(m,2H),2.00−1.60(m,5H),1.25(s,9H).LCMS(M+H)=573.38。
【0204】
ステップB.MeOH100mL中にステップAからのジベンジルアミン3.2g(5.5mmol)と10%Pd(OH)1.5gを含有する溶液を水素ガスバルーン下に3時間水素化した。混合物をセライトパッドで濾過し、蒸発させると、所望アミンが油状物として得られた。H NMR(CDCl)δ7.31−7.22(m,5H),4.48(bs,1H),4.16(d,J=9.5Hz,1H),4.20−3.89(m,4H),3.21−3.05(m,2H),2.81−2.51(m,2H),2.47(t,J=11.2Hz,1H),2.24(d,J=14Hz,1H),1.71(dd,J=14,6.4Hz,1H),1.65(m,2H),1.47(s,9H).LCMS(M+H)=393.32。
【0205】
ステップC.DMF1mL中に中間体酸I 37.7mg(0.100mmol)を含有する溶液をBOP試薬(44.2mg,0.100mmol)、ステップBからのアミン(39.3mg,0.1mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.042mL,0.240mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で10分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望ケタールが得られ、それ以上精製せずに使用した。
【0206】
ステップD.1:1 THF/3N HCl 6mL中にステップCからのケタール37mg(0.05mmol)を含有する溶液を55℃で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、1/3容量まで蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望化合物がそのTFA塩として得られた。H NMR(CDCl w/0.05%DMSO−d6)δ8.20(s,1H),8.04(s,1H),7.85(m,2H),7.66(m,1H),7.44−7.15(m,10H),5.30(m,1H),4.25(m,2H),4.11(m,1H),3.77(m,1H),3.58(m,1H),3.21(m,1H),3.30(s,3H),3.20(m,1H),3.11−2.85(m,4H),2.80(s,3H),1.61(d,J=7Hz,3H).LCMS(M+1+HO)=625.32。
【実施例17】
【0207】
【化57】

【0208】
ステップA.DMF2mL中に中間体VIからの酸74.0mg(0.236mmol)を含有する溶液をBOP試薬(105mg,0.236mmol)、実施例16,ステップBからのアミン(93.0mg,0.236mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.099mL,0.566mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で15分間拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、標記化合物が得られ、次段階で直接加水分解した。LCMS(M+H)=588.32。
【0209】
ステップB.1:1THF/3N HCl 2mL中にステップAからのケタール68.0mg(0.10mmol)を含有する溶液を55℃で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望化合物がそのTFA塩として得られた。H NMR(CDCl w/0.05%DMSO−d6)δ7.99(s,1H),7.65(m,1H),7.40−7.20(m,5H),7.05(s,1H),4.05(m,1H),3.90(m,2H),3.22(s,3H),2.94(m,4H),2.80(s,3H),2.45(m,1H),2.11(m,1H),1.80(m,1H),1.55(m,1H),1.22(m,1H),1.10(bs,3H),0.95(m,1H),0.75(m,1H),0.51(m,1H),0.35(m,1H).LCMS(M+1)=544.29。
【実施例18】
【0210】
【化58】

【0211】
実施例18はカルボン酸IIを使用して実施例16,ステップA〜Dと同様に製造した。H NMR(CDOD)δ8.85(d,1H),8.40(d,1H),7.99(s,2H),7.66(s,1H),7.44−7.00(m,9H),5.20(m,1H),4.25(m,1H),4.11(m,1H),3.59(m,1H),3.52(m,5H),3.11(m,1H),2.98(s,3H),2.80(t,1H),2.31(d,1H),2.08(d,1H),1.85(m,2H),1.65(d,J=7.0Hz,3H).LCMS(M+1+HO)=643.26。
【実施例19】
【0212】
【化59】

【0213】
MeOH1mL中に実施例18の化合物10.0mg(0.013mmol)を含有する溶液をNaBH3.7mg(0.10mmol)で処理した。2分間撹拌後、混合物を逆相HPLCクロマトグラフィーにかけると、所望アルコールが得られた。LCMS(M+1)=627.24。
【実施例20】
【0214】
(R,S,S,Rジアステレオマー)
【0215】
【化60】

【0216】
ステップA.実施例12,ステップCからのBoc保護アミン102mg(0.150mmol)をCHCl5mLに溶かし、Dess−Martinペリオジナン(0.191g,0.450mmol)を加え、溶液を周囲温度で1時間撹拌した。シリカゲルクロマトグラフィー(80%EtOAc)により精製すると、Boc保護アミノケトンが得られた。LCMS(M+H)=677.2。
【0217】
ステップB:Boc保護アミノケトン42mg(0.062mmol)の0℃エタノール(2mL)溶液にホウ素水素化ナトリウム(4mg,0.093mmol)を加えた。反応混合物を30分間撹拌し、逆相HPLCにより精製すると、アルコールジアステレオマー(S:R)の4.3:1混合物が得られた。(S,S,R)Boc保護アミノアルコールをCHCl:TFA(4:1)2.5mLで処理し、30分間周囲温度で撹拌した。反応溶液を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、所望化合物がそのTFA塩として得られた。H NMR(CDOD)δ8.87(d,J=6.5Hz,1H),8.31(d,J=8.9Hz,1H),8.07(s,1H),8.00(s,1H),7.86(s,1H),7.41−7.15(m,10H),5.24(q,J=6.3Hz,1H),4.44(m,1H),3.79(d,J=9.0Hz,1H),3.51(m 1H),3.35(s,3H),3.23(t,J=7.1Hz,1H),3.03(d,J=7.7Hz,1H),2.96(s,3H),2.31(m,1H),1.99(m,2H),1.71(m,1H),1.58(d,J=7.0Hz,3H).LCMS(M+H)=579.3。
【実施例21】
【0218】
(R,S,R,Sジアステレオマー)
【0219】
【化61】

【0220】
ステップA.−78℃のエーテル12mL中の(S)−N−Boc−2−ピロリジン(Donner,B.G.Tetrahedron Letters 1995,36,1223−1226)1.1g(6.1mmol)とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.70g(6.08mmol)の混合物に1.4M sec−ブチルリチウム5.2mLを撹拌下に滴下した。反応混合物を−78℃で40分間撹拌した。次にN,N−ジベンジル−L−フェニルアラナールのエーテル(6mL)溶液を反応混合物に加えた。反応混合物を室温まで16時間昇温させた。反応を飽和重炭酸ナトリウム100mLでクエンチし、混合物をEtOAc(3x50mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(100mL)で洗浄した後にMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(5%−60%EtOAc:ヘキサン)により精製した。単離生成物を次に逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥すると、ジベンジルアミンが得られた。H NMR(CDOD)δ8.87(s,1H),8.10(s,1H),7.91(s,1H),7.77(d,J=7.7Hz,1H),7.65−7.14(m,13 H),5.24(m,1H),4.21(m,1H),3.97(m,1H),3.21(m,1H),2.78(m,2H),2.28(m,1H),2.26(s,3H),1.56(d,J=7.1Hz,3H),0.91(m,4H).LCMS(M+H)=515.4。
【0221】
ステップB.MeOH1mL中にステップAからのアミン0.031g(0.060mmol)を含有する溶液を触媒量のPearlman触媒で処理し、水素雰囲気下に室温で40分間撹拌した。反応混合物をセライトプラグで濾過し、溶媒を真空除去した。LCMS(M+H)=335.4。
【0222】
ステップC.CHCl3mL中に中間体酸I 22mg(0.055mmol)を含有する溶液をBOP試薬(24mg,0.055mmol)、ステップBからの(S,R,R)アミン(20mg,0.055mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.03mL,0.167mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=711.3。
【0223】
ステップD.0℃のCHCl1mL中にステップCからのアミド9mg(0.013mmol)を含有する溶液をTFA1mLで処理した。反応混合物を0℃で10分間撹拌した。溶媒を真空除去すると、所望アミノアルコールが得られた。LCMS(M+H)=611.3.H NMR(CDOD)δ8.89(d,J=7.5Hz,1H),8.43(d,J=8.8Hz,1H),7.98(m,2H),7.76(m,1H),7.42(m,2H),7.23(m,5H),5.23(m,1H),4.20(m,1H),4.03(m,1H),3.83(m,1H),3.73(m,1H),2.95(s,3H),2.94(s,3H),2.81(m,2H),2.21(d,J=7.0Hz,3H),1.57(m,4H),1.39(d,J=6.6Hz,3H)。
【実施例22】
【0224】
([シス(RS,SR)],S,R,R)
【0225】
【化62】

【0226】
ステップA.アセトニトリル15mL中に中間体IV 0.41g(1.6mmol)、1−ブロモ−2−ブチン0.21g(1.6mmol)、及びKCO0.22g(1.6mmol)を含有する溶液を3時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、HO60mLで希釈した。混合物をEtOAc(3x60mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(60mL)で洗浄した後、乾燥した(MgSO)。溶媒を真空除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(20%−50%EtOAc:ヘキサン)により精製すると、アルキル化アニリンが得られた。LCMS(M+H)=311.2。
【0227】
ステップB.MeOH5mL中にステップAからのアニリン0.19g(0.62mmol)を含有する溶液を触媒量のLindlar触媒で処理し、水素雰囲気下に室温で20分間撹拌した。反応混合物をシリカゲルプラグで濾過し、溶媒を真空除去した。逆相HPLCにより精製すると、Z−アルケニルアニリンが得られた。LCMS(M+H)=313.2。
【0228】
ステップC.0℃のEtOAc17mL中にステップBからのアルケニルアニリン0.17g(0.55mmol)を含有する溶液を新たに調製したジアゾメタン0.49g(11mmol)と触媒量の酢酸パラジウム(II)で処理し、0℃で15分間撹拌した。反応混合物をシリカゲルプラグで濾過した。溶媒を蒸発させると、メチルシクロプロピルメチルアニリンが得られた。LCMS(M+H)=327.2。
【0229】
ステップD.ステップCからのメチルシクロプロピルメチルアニリン0.17g(0.52mmol)をMeOH:THF(1:1)6mLに溶かし、2N NaOH0.78mL(1.56mmol)を加えた。反応混合物を50℃まで1時間加熱した。溶液を冷却し、1N HCl(10mL)で酸性化し、EtOAc(3x30mL)で抽出した。有機抽出相を合わせてMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮すると、カルボン酸が得られた。LCMS(M+H)=313.2。
【0230】
ステップE.CHCl3mL中にステップDからの酸0.071mg(0.23mmol)を含有する溶液をBOP試薬(0.097g,0.23mmol)、ステップBからのアミン(0.091g,0.23mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.089g,0.69mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=687.3。
【0231】
ステップF.THF2mL中にステップEからのアミド0.038g(0.055mmol)を含有する溶液を3N HCl 1.7mLで処理した。反応混合物を55℃で1時間撹拌した。反応混合物を冷却し、溶媒を真空除去した。逆相HPLCにより精製すると、所望ピペリジノンが得られた。H NMR(CDOD)δ7.23(m,4H),7.15(m,1H),7.04−6.89(m,3H),4.09(m,1H),4.00(m,1H),3.52−3.45(m,4H),3.35(s,3H),3.34(s,3H),3.31(m,2H),3.25(2H),2.97(m,1H),2.87(m,2H),1.23(m,1H),1.20−1.14(m,5H),1.07(m,1H).LCMS(M+H)=543.3。
【実施例23】
【0232】
(シス,S,R,R)
【0233】
【化63】

【0234】
ステップA.CHCl15mL中にステップCの中間体Iからの酸 2.36g(8.21mmol)を含有する溶液をBOP試薬(3.63g,8.21mmol)、塩酸N,O−ジメチルヒドロキシルアミン(0.96g,9.85mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(6.43mL,36.9mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で15分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(5%MeOH/CHCl)により精製すると、所望N−メトキシ−N−メチルアミドが得られた。H NMR(CDCl)δ8.30−8.28(m,1H),8.11−8.08(m,1H),7.94−7.92(m,1H),3.94(s,3H),3.58(s,3H),3.38(s,3H),3.37(s,3H),2.88(s,3H).LCMS(M+H)=331.0。
【0235】
ステップB.ステップAからのWeinrebアミド(1.30g,3.93mmol)の−78℃THF(10mL)溶液にDIBAL−H(4.52mL,4.52mmol)を滴下した。溶液を−78℃で1時間撹拌し、MeOH(5ml)とHO(5mL)でクエンチした。2N HClを加え、層分離した。水相をエーテル(3×25mL)で抽出し、有機抽出相を合わせて飽和NaHCOとブラインで洗浄した。溶媒をMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮すると、粗アルデヒドが得られた。H NMR(CDCl)δ10.0(s,1 H),8.45−8.43(m,1H),8.29−8.27(m,1H),8.10−8.08(m,1H),3.98(s,3H),3.40(s,3H),2.89(s,3H)。
【0236】
ステップC.0℃のTHFとエーテルの2:1混合物(3mL)中の臭化シクロプロピルメチルトリフェニルホスホニウム(0.080g,0.20mmol)の懸濁液にn−ブチルリチウム(1.6M溶液0.15mL)を加えた。周囲温度で1時間撹拌後、赤色溶液を−78℃まで冷却し、ステップBからのアルデヒド(0.05g,0.18mmol)のTHF(1mL)溶液を加えた。得られた溶液を12時間撹拌後、溶媒を真空除去した。粗オレフィンを逆相HPLCにより精製すると、1.65:1比のZ:E異性体が得られた。シスオレフィン:H NMR(CDCl)δ8.01(s,1H),7.83−7.81(m,1H),7.72−7.70(m,1H),6.32(d,J=11.5Hz,1H),5.18(t,J=10.8Hz,1H),3.93(s,3H),3.36(s,3H),2.86(s,3H),1.88−1.80(m,1H),0.92−0.87(m,2H),0.53−0.49(m,2H)。トランスオレフィン:H NMR(CDCl)δ7.90(s,1H),7.76(s,1H),7.52(s,1H),6.47(d,J=15.7Hz,1H),5.85(m,1H),3.92(s,3H),3.34(s,3H),2.86(s,3H),1.57−1.50(m,1H),0.87−0.84(m,2H),0.55−0.53(m,2H).LCMS(M+H)=310.0。
【0237】
ステップD.ステップCからのフェネテニルシクロプロパン478mg(1.54mmol)をMeOH:THF(1:1)6mLに溶かし、2N NaOH 1.15mL(2.30mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌した。溶液を1N HCl(10mL)で酸性化し、EtOAc(3x30mL)で抽出した。有機抽出相を合わせてMgSOで乾燥し、濾過し、真空濃縮すると、カルボン酸が得られ、それ以上精製せずに使用した。LCMS(M+H)=296.1。
【0238】
ステップE.CHCl5mL中にステップDからの酸0.062g(0.23mmol)を含有する溶液をBOP試薬(0.093g,0.21mmol)、実施例16,ステップBからのアミン(0.10g,0.25mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.16g,0.95mmol)で順次処理した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、逆相HPLCにより精製すると、アミドが得られた。LCMS(M+H)=670.2。
【0239】
ステップF.THF1.5mL中にステップEからのアミド0.06g(0.089mmol)を含有する溶液を3N HCl 1.5mLで処理した。反応混合物を55℃で1時間撹拌した。反応混合物を冷却し、溶媒を真空除去した。逆相HPLCにより精製すると、所望ピペリジノンが得られた。H NMR(CDOD)δ7.59−7.47(m,2H),7.43−7.39(m,2H),7.33−7.14(m,4H),6.02(d,J=11.3Hz,1H),5.05(t,1H),4.38−4.22(m,1H),4.06−3.93(m,1H),3.82−3.40(m,1H),3.05−2.82(m,3H),2.58(m,2H),1.75−1.63(m,3H),1.26−0.94(m,6H),0.58−0.43(m,2H).LCMS(M+H)=544.0。
【0240】
以上、所定特定態様に関して本発明を記載及び例証したが、当業者に自明の通り、発明の精神と範囲を逸脱せずに手順とプロトコールの種々の応用、変更、変形、置換、削除及び追加が可能である。従って、本発明は特許請求の範囲により定義され、特許請求の範囲は妥当な範囲で広義に解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、R
【化2】

から構成される群から選択され;

(1)R−S(O)−NR−、
(2)R−S(O)−、
(3)RNHCO−、
(4)RCONH−、
(5)RN−、
(6)ニトリル、
(7)NC−C1−6アルキル−、
(8)ハロゲン、
(9)
【化3】

及び
(10)
【化4】

から構成される群から選択され;

【化5】

から構成される群から選択され;

(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)フェニル、及び
(4)ベンジルから構成される群から選択され;

(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)フェニル、及び
(4)ベンジルから構成される群から独立して選択され;
6a、R6b、及びR6c
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−OR
(4)−SR、及び
(5)C1−6アルキルから構成される群から独立して選択され;
は−C=C−、O、S、及びNHから構成される群から選択され;
ZはCO、CH−OH、CH−F、及び
【化6】

から構成される群から選択され;
8a及びR8b
(1)ニトリル、
(2)水素、
(3)ハロゲン、
(4)−OR
(5)−SR
(6)C1−6アルキル、
(7)−CO、及び
(8)テトラゾリルから構成される群から独立して選択され;
は水素であり、Xはヒドロキシルであるか、又はXとXは一緒になってオキソを形成し;
nは独立して1、2、3、又は4であり;
mは独立して0、1、又は2である]の化合物及び医薬的に許容可能なその塩。
【請求項2】
とXが一緒になってオキソを形成する請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が水素であり、Xがヒドロキシルである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】

【化7】

であり、式中、
nは2又は3であり;
は水素又はメチルである請求項1に記載の化合物及び医薬的に許容可能なその塩。
【請求項5】

【化8】

であり、式中、nは1である請求項1に記載の化合物及び医薬的に許容可能なその塩。
【請求項6】

【化9】

であり、式中、
は水素又はメチルであり;
ZはCO、CH−OH、及び
【化10】

から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物及び医薬的に許容可能なその塩。
【請求項7】
がR−S(O)−NR−であり、
式中、R
(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)フェニル、及び
(4)ベンジルから構成される群から選択され;

(1)C1−6アルキル、
(2)フェニル、
(3)ベンジル、及び
(4)水素から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物及び医薬的に許容可能なその塩。
【請求項8】

【化11】

であり、式中、
はメチルであり;
6aはH又はFであり;
6b及びR6cは水素である請求項1に記載の化合物及び医薬的に許容可能なその塩。
【請求項9】

【化12】

であり、式中、
はメチルであり;
はO又はNHである請求項1に記載の化合物及び医薬的に許容可能なその塩。
【請求項10】
【化13】


から構成される群から選択される請求項2に記載の化合物及び医薬的に許容可能なその塩。
【請求項11】
【化14】


から構成される群から選択される請求項3に記載の化合物及び医薬的に許容可能なその塩。
【請求項12】
実質的に純粋なジアステレオマー形である請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
実質的に純粋なエナンチオマー形である請求項1に記載の実質的に純粋なジアステレオマー化合物。
【請求項14】
治療有効量の請求項1に記載の化合物と医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物。
【請求項15】
βセクレターゼ活性の阻害を必要とする哺乳動物に治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む哺乳動物におけるβセクレターゼ活性の阻害方法。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物を医薬キャリヤー又は希釈剤と配合することを含む哺乳動物におけるβセクレターゼ活性の阻害用医薬の製造方法。
【請求項17】
治療有効量の請求項1に記載の化合物を患者に投与することを含む患者におけるアルツハイマー病の治療、予防、抑制、改善又は危険低減方法。

【公表番号】特表2006−514623(P2006−514623A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551780(P2004−551780)
【出願日】平成15年11月6日(2003.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2003/035316
【国際公開番号】WO2004/043916
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】