イメージセンサ
【課題】 光学特性が改善されたイメージセンサを提供する。
【解決手段】 イメージセンサ101は、内部に光電変換素子120が形成された基板110、基板110上に形成され、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cと、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140c内に配置された多層の金属配線M1、M2を含む配線構造体140、光電変換素子120に対応して配線構造体140を貫くキャビティ150、配線構造体140内に形成されたキャビティ150上にコンフォーマルに形成された吸湿防止膜160、および吸湿防止膜160上に形成されてキャビティ150を埋め込む光透過物質を含む光案内部170を含み、吸湿防止膜160は、キャビティ150の両側壁、底面および多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cの上面上に同一の厚さで形成されたものを含む。
【解決手段】 イメージセンサ101は、内部に光電変換素子120が形成された基板110、基板110上に形成され、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cと、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140c内に配置された多層の金属配線M1、M2を含む配線構造体140、光電変換素子120に対応して配線構造体140を貫くキャビティ150、配線構造体140内に形成されたキャビティ150上にコンフォーマルに形成された吸湿防止膜160、および吸湿防止膜160上に形成されてキャビティ150を埋め込む光透過物質を含む光案内部170を含み、吸湿防止膜160は、キャビティ150の両側壁、底面および多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cの上面上に同一の厚さで形成されたものを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、光学映像を電気信号に変換させる。最近、コンピュータ産業と通信産業の発達につれデジタルカメラ、ビデオカメラ、PCS、ゲーム機器、警備用カメラ、医療用マイクロカメラなど多様な分野において性能が向上したイメージセンサの需要が増大しつつある。
【0003】
特に、MOSイメージセンサは駆動方式が簡便で多様なスキャニング方式で実現することが可能である。また、信号処理回路を単一チップに集積することができ、製品の小型化が可能であり、MOS工程技術を互換して利用することができるため、製造単価を下げることができる。電力消耗もまた非常に低く、バッテリー容量に制限のある製品への適用が容易である。したがって、MOSイメージセンサは技術開発により高解像度の実現が可能となり、その利用が急激に増えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国公開特許10−2006−112534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、光学特性が改善されたイメージセンサを提供することにある。
【0006】
また、本発明は、光学特性が改善されたイメージセンサの製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明によると、イメージセンサは光電変換素子を含む基板と、基板上の配線構造体であって、一つ以上の金属間絶縁膜を含み、光電変換素子に対応して整列され、底面および少なくとも二つの両側壁を有するキャビティを形成する配線構造体と、配線構造体の上部表面とキャビティの内部上の吸湿防止膜、および吸湿防止膜上の光案内部であって、キャビティ埋め込む光透過物質を含み、吸湿防止膜は、キャビティの底面、少なくとも二つの側壁、および複数の金属間の絶縁膜の上面に沿って同一の厚さを有する。
【0009】
請求項8に記載に発明によると、イメージセンサは光電変換素子を含む基板と、基板上の配線構造体であって、一つ以上の金属間絶縁膜を含み、光電変換素子に対応して整列され、底面および少なくとも二つの両側壁を有するキャビティを形成する配線構造体と、配線構造体と基板との間の層間絶縁膜であって、一つ以上の金属配線と電気的に接続されたゲート構造体を含む層間絶縁膜と、配線構造体と基板上の吸湿防止膜、および吸湿防止膜上のカラーフィルタを含む。
【0010】
請求項14に記載に発明によると、イメージセンサは第1表面に隣接して光電変換素子を含む基板と、第1表面上の配線構造体であって、一つ以上の金属間絶縁膜と一つ以上の金属間絶縁膜内の一つ以上の金属配線を含む配線構造体と、基板の第2表面上の背面層間絶縁膜であって、第2表面は基板の第1表面の反対側である背面層間絶縁膜と、背面層間絶縁膜上の吸湿防止膜、および吸湿防止膜上のカラーフィルタであって、カラーフィルタは光電変換素子に対応して整列されたカラーフィルタを含む。
【0011】
本発明のその他具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態によるイメージセンサのブロック図である。
【図2】図1に示すアクティブピクセルセンサアレイの等価回路図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるイメージセンサを説明するための概念図である。
【図4A】本発明の第1実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図4B】本発明の第1実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図4C】本発明の第1実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図5A】本発明の第2実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図5B】本発明の第2実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図6A】本発明の第3実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図6B】本発明の第3実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図7A】本発明の第4実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図7B】本発明の第4実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図11】本発明の第1実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図14】本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図15】本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図16】本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図17】本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図18】本発明の実施形態によるイメージセンサを含むプロセッサ基板装置を説明するための図である。
【図19A】本発明の実施形態によるイメージセンサを含むプロセッサ基板装置を説明するための図である。
【図19B】本発明の実施形態によるイメージセンサを含むプロセッサ基板装置を説明するための図である。
【図20】本発明の実施形態によるイメージセンサを含むプロセッサ基板装置を説明するための図である。
【図21A】参考例による実験1の結果を示すグラフである。
【図21B】本発明の実施形態による実験1の結果を示すグラフである。
【図22】本発明の実施形態と参考例による実験2の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の利点、特徴、およびそれらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述される実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現されることが可能である。本実施形態は、単に本発明の開示が完全になるように、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に対して発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によってのみ定義される。なお、いくつかの実施形態において、公知の工程、段階、構造及び技術は、本発明が不明瞭に解釈されるのを避けるために、説明を省略する。
【0014】
一つの素子が、他の素子と「接続された」または「カップリングされた」と参照されるときは、他の素子と直接連結またはカップリングされた場合、あるいは中間に他の素子を介在させた場合のすべてを含む。これに対し、一つの素子が異なる素子と「直接接続された」または「直接カップリングされた」と参照されるときは、間に他の素子を介在させないことを表わす。明細書全体にかけて、同一の参照符号は、同一の構成要素を参照する。「および/または」は、言及されたアイテムの各々および少なくとも一つ以上のすべての組合せを含む。
【0015】
「第1」、「第2」等が、多様な素子、構成要素および/またはセクションを説明するために使用される。しかしながら、これら素子、構成要素および/またはセクションは、これらの用語によって制限されないことはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素、またはセクションを他の素子、構成要素、またはセクションと区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素、または第1セクションは、本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素、または第2セクションであり得ることはもちろんである。
【0016】
本明細書で使用された用語は、実施形態を説明するためであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において単数形は、文言で特別に言及しない限り、複数形をも含む。明細書で使用される「含む」および/または「含む」は、言及した構成要素、段階、動作、および/または素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作、および/または素子の存在または追加を排除しない。なお、「および/または」は、言及したアイテムのそれぞれおよび一つ以上のすべての組合せを含む。また、以下の明細書全体にかけて同一の参照符号は同一の構成要素を指称する。
他に定義されなければ、本明細書で使用されるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通に理解され得る意味において使用されるものである。また、一般的に使用される辞典に定義されている用語は、明確に特別に定義されていない限り理想的にまたは過度に解釈されない。
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態によるイメージセンサおよびその製造方法について説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるイメージセンサのブロック図である。
【0019】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態によるイメージセンサは、光電変換素子11を含むピクセルが二次元配列で構成されたアクティブピクセルセンサアレイ10、タイミング発生器(timing generator)20、行デコーダ(row decoder)30、行ドライバ(row driver)40、相関二重サンプル(Correlated Double Sampler、CDS)50、アナログデジタルコンバータ(Analog to Digital Converter、ADC)60、ラッチ部(latch)70、列デコーダ(column decoder)80などを含む。
【0020】
アクティブピクセルセンサアレイ10は二次元配列された多数の単位ピクセルを含む。多数の単位ピクセルは光学映像を電気的な出力信号に変換する役割を果たす。アクティブピクセルセンサアレイ10は行ドライバ40から行選択信号、リセット信号、電荷伝送信号など多数の駆動信号を受信して駆動される。また、変換された電気的な出力信号は垂直信号ラインを介して相関二重サンプル50に提供される。
【0021】
タイミング発生器20は、行デコーダ30および列デコーダ80にタイミング信号および制御信号を提供する。
【0022】
行ドライバ40は、行デコーダ30でデコーディングされた結果に応じて多数の単位ピクセルを駆動するための多数の駆動信号をアクティブピクセルセンサアレイ10に提供する。一般的に行列形態で単位ピクセルが配列された場合には各行別に駆動信号を提供する。
【0023】
相関二重サンプル50は、アクティブピクセルセンサアレイ10に形成された出力信号を、垂直信号ラインを介して受信し、維持およびサンプリングする。すなわち、特定の雑音レベルと、出力信号による信号レベルを二重にしてサンプリングし、雑音レベルと信号レベルとの差異に該当する差異レベルを出力する。
【0024】
アナログデジタルコンバータ60は、差異レベルに該当するアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0025】
ラッチ部70は、デジタル信号をラッチ(latch)し、レチデン信号は列デコーダ80でデコーディングされた結果に応じて順次に映像信号処理部(図示せず)に出力する。
【0026】
図2は、図1のセンサアレイの等価回路図である。
【0027】
図2を参照すると、ピクセル(P)が行列形態で配列してアクティブピクセルセンサアレイ10を構成する。各ピクセル(P)は、光電変換素子11、フローティング拡散領域13、電荷伝送素子15、ドライブ素子17、リセット素子18、選択素子19を含む。これらの機能についてi行ピクセル(P(i、j)、P(i、j+1)、P(i、j+2)、P(i、j+3)、…)を例にあげて説明する。
【0028】
光電変換素子11は、入射光を吸収して光量に対応する電荷を蓄積する。光電変換素子11としてフォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトゲート、PIN(pinned)フォトダイオードまたはこれらの組合せを適用してもよく、図面にはフォトダイオードを例示する。
【0029】
各光電変換素子11は、蓄積された電荷をフローティング拡散領域13に伝送する各電荷伝送素子15とカップリングされる。フローティング拡散領域13は、電荷を電圧に転換する領域であり、寄生キャパシタンスを有しているため、電荷が累積して保存される。
【0030】
ソースフォロア増幅器として例示されているドライブ素子17は、各光電変換素子11に蓄積された電荷の伝達を受けてフローティング拡散領域13の電気的ポテンシャルの変化を増幅してこれを出力ライン(Vout)に出力する。
【0031】
リセット素子18は、フローティング拡散領域13を周期的にリセットさせる。リセット素子18は、所定のバイアス(すなわち、リセット信号)を印加するリセットライン(RX(i))により提供されるバイアスによって駆動されるMOSトランジスタからなされてもよい。リセットライン(RX(i))により提供されるバイアスによってリセット素子18がターンオンすると、リセット素子18のドレーンに提供される所定の電気的ポテンシャル、例えば電源電圧(VDD)がフローティング拡散領域13に伝達される。
【0032】
選択素子19は、行単位で読み出すピクセル(P)を選択する役割を果たす。選択素子19は、行選択ライン(SEL(i))により提供されるバイアス、すなわち、行選択信号によって駆動されるMOSトランジスタからなされてもよい。行選択ライン(SEL(i))により提供されるバイアスによって選択素子19がターンオンすると、選択素子19のドレーンに提供される所定の電気的ポテンシャル、例えば電源電圧(VDD)がドライブ素子17のドレーン領域に伝達される。
【0033】
電荷伝送素子15にバイアスを印加する伝送ライン(TX(i))、リセット素子18にバイアスを印加するリセットライン(RX(i))、選択素子19にバイアスを印加する行選択ライン(SEL(i))は行方向に実質的に互いに平行するように延長され配列されてもよい。
【0034】
以下、図3から図4Cを参照して本発明の第1実施形態によるイメージセンサについて説明する。図3および図4Aは、本発明の第1実施形態によるイメージセンサを説明するための概念図および断面図である。図4Bおよび図4Cは、図4Aの変形実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。図4Aおよび図4Bは、説明の便宜のため、光電変換素子11を中心にセンサアレイ領域の一部を図示する。
【0035】
先ず、図3を参照すると、周辺回路領域IIは例えば、図1に示す相関二重サンプル50、アナログデジタルコンバータ60、ラッチ部70などが形成される領域であってもよく、センサアレイ領域Iは図1に示すアクティブピクセルセンサアレイ10が形成される領域であってもよい。また、図示するように、周辺回路領域IIは、センサアレイ領域Iを囲むように形成されてもよいが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではない。
【0036】
図4Aを参照すると、本発明の一実施形態によるイメージセンサ101は、基板110、配線構造体140、キャビティ150、吸湿防止膜160および光案内部170を含む。
【0037】
基板110は例えば、第1導電型(例えば、p型)基板を利用してもよい。図示していないが、基板110上にエピタキシャル層が形成されて、基板110内に多数のウェル(well)が形成されていてもよい。例えば、基板110は、下部シリコン基板と、下部シリコン基板上に形成された埋め込み絶縁層と、埋め込み絶縁層上に形成されたシリコン半導体層を含むSOI(Silicon On Insulator)基板が使用されてもよい。
【0038】
基板110内には図示されていない素子分離領域が形成されており、素子分離領域によってアクティブ領域が定義されてもよい。素子分離領域は、一般的にLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)方法を利用したFOX(Field OXide)またはSTI(Shallow Trench Isolation)であってもよい。素子分離領域は単位画素を区切る役割を果たすことができる。
【0039】
基板110内部には光電変換素子120が形成される。光電変換素子120はカラーフィルタ190を通過した色の光を吸収し、光量に対応する電荷を生成および/または蓄積する。光電変換素子120としては、フォトトランジスタ、フォトゲート、フォトダイオード、PIN(pinned)フォトダイオード、またはこれらの組合せを適用してもよい。本実施形態では光電変換素子120としてフォトダイオードを例えて説明する。また、図面に図示していないが、基板110内には光電変換素子120に蓄積された電荷を読み出すためのフローティング拡散領域が形成されてもよい。
【0040】
基板110上には層間絶縁膜130が形成されてもよく、層間絶縁膜130内部には複数のゲート構造体135が配置されてもよい。層間絶縁膜130はシリコン窒化膜および/またはシリコン酸化膜を含んでも良い。また、多数のゲート構造体は例えば、トランジスタであってもよい。多数のトランジスタは電荷伝送素子、選択素子、ドライブ素子およびリセット素子などを含んでもよい。例えば、図3に示すセンサアレイ領域Iには読み出し素子が、周辺回路領域IIにはMOS素子、抵抗体およびキャパシタなどが配置されてもよく、これらは当業者に広く知られている多様な形態で具現できるものであるため、説明の便宜上省略する。
【0041】
層間絶縁膜130上には配線構造体140が形成される。配線構造体140は、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cと、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140c内に配置された多層の金属配線M1、M2を含む。配線構造体140は第1金属間絶縁膜140a、第1金属間絶縁膜140a内に形成された第1金属配線M1、第1金属配線M1上に形成された第2金属間絶縁膜140b、第2金属間絶縁膜140b内に形成された第2金属配線M2、および第2金属配線M2上に形成された第3金属間絶縁膜140cを含んでもよい。このとき、多層の金属配線M1、M2は、銅配線またはアルミニウム配線であってもよいが、これに限定されるものではない。例えば、多層の金属配線M1、M2はダマシン配線(damascene interconnection)であってもよい。多層の金属配線M1、M2各々は互いにビアコンタクトVIA1によって接続されてもよい。
【0042】
第1金属間絶縁膜140a、第2金属間絶縁膜140b、および第3金属間絶縁膜140cは多層の絶縁膜が積層された構造であってもよく、例えば、第1金属間絶縁膜140aは層間絶縁膜130上に順次に形成されたシリコン窒化膜および/またはシリコン酸化膜を含んでもよい。
【0043】
また、図面に示していないが、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cの間に各々拡散防止膜が形成されてもよい。すなわち、第1金属間絶縁膜140aと第2金属間絶縁膜140bとの間、第2金属間絶縁膜140bと第3金属間絶縁膜140cとの間に各々拡散防止膜が形成されてもよい。このような拡散防止膜は多層の金属配線M1、M2内の金属原子拡散されることを防止するためである。例えば、多層の金属配線M1、M2が銅配線である場合、拡散防止膜は銅原子の拡散を防止することができる。
【0044】
また、拡散防止膜は、金属配線を形成するとき、エッチング停止膜の役割をすることができる。したがって、拡散防止膜と多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cは互いに異なるエッチング率を有してもよい。例えば、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cはシリコン酸化膜であり、拡散防止膜はシリコン窒化膜であってもよい。後述するキャビティ150は拡散防止膜を含む多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cを貫いて形成してもよい。
【0045】
例えば、配線構造体140と層間絶縁膜130との間にエッチング停止膜137が形成されてもよい。すなわち、層間絶縁膜130上にエッチング停止膜137が形成され、エッチング停止膜137上に配線構造体140が形成されてもよい。例えば、エッチング停止膜137はシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜を含んでもよい。エッチング停止膜137は図9を参照して後述するキャビティ150の深さを調節することに利用してもよい。
【0046】
キャビティ150は光電変換素子120に対応して配線構造体140を貫く。より詳細には、複数の層で形成された多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cおよび層間絶縁膜130の間に界面が各々存在するため、この界面はカラーフィルタ190を介して供給された入射光が光電変換素子120に到達することを妨害し得る。また、前述した拡散防止膜、例えばシリコン窒化膜は光に対する透過率が低いため、入射光が光電変換素子120に到達することを妨害し得る。したがって、光電変換素子120上に配線構造体140を貫いて形成されたキャビティ150はこのような妨害要素を最小化し、光電変換素子120に到達する入射光の量と光感度を増加させることができる。
【0047】
図4Aに示すように、キャビティ150はエッチング停止膜137および層間絶縁膜130の一部を貫いて形成されてもよい。また、キャビティ150は傾斜した側壁を有し、下部幅が上部幅より狭く形成されてもよい。また、キャビティ150の底面は平坦に形成されてもよい。しかし、本実施形態によれば、キャビティ150の構造は、図4Aに示す構造に限定されない。例えば、キャビティ150の側壁が傾斜しないように形成されてもよく、底面が平坦ではなく、凹または凸形状で形成されてもよいことはもちろんである。
【0048】
吸湿防止膜160は配線構造体140内に形成されたキャビティ150上にコンフォーマルに形成される。例えば、アクティブピクセルセンサアレイ10(図1参照)内のキャビティ150の側壁および底面を含み、一部領域、例えば、周辺回路領域IIのパッド領域を除いた基板110の全面上に吸湿防止膜160が形成されてもよい。すなわち、吸湿防止膜160はキャビティ150の両側壁、底面上にコンフォーマルに形成されるだけでなく、金属間絶縁膜140cの上面上に延長され形成される。
【0049】
キャビティ150を含む配線構造体140上に形成された吸湿防止膜160は、相対的に高温、高湿の状態に素子が露出されてもアクティブピクセルセンサアレイ10の飽和レベルが劣化することを防止することができる。ここで、飽和レベルは、光電転換素子120に供給される光によって光電転換素子120から生成される光電荷量が基準レベルを超過した状態を意味し得る。
【0050】
より詳細には、吸湿防止膜160は吸湿に強い物質、例えばAl2O3などのアルミニウム酸化膜またはTiO2などのチタン酸化膜などを含む物質で形成され、アクティブピクセルセンサアレイ10の飽和レベルの劣化を防止することによって素子の信頼度を向上させることができる。
【0051】
吸湿防止膜160の厚さは基板110上で実質的に均一であってもよい。すなわち、吸湿防止膜160はキャビティ150上に同一の厚さで形成されてもよく、さらには、キャビティ150の両側壁、底面および多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cの上面上に同一の厚さで形成されてもよい。このとき、吸湿防止膜160の厚さは、例えば、約1Åから約2000Åまでの範囲であってもよい。
【0052】
このように、吸湿防止膜160をキャビティ150の両側壁、底面および多層金属間絶縁膜140a、140b、140cの上面上に同一の厚さで形成することによってキャビティ150のプロファイルを実質的に同一に維持することができる。すなわち、吸湿防止膜160が形成されたキャビティ150の縦横比の不必要な増加を防止することができる。したがって、縦横比増加による低照度特性を向上させることができる。
【0053】
図面に示すように、配線構造体140内にはキャビティ150による段差部が存在する。すなわち、配線構造体140の少なくとも一部を貫くキャビティ150が形成されることによって配線構造体140の第3金属間絶縁膜140c、キャビティ150の側壁、およびキャビティ150の底面が段差部を構成する。これに伴い、の段差部を含む配線構造体140上に均一の厚さを有する吸湿防止膜160を形成するため、例えばステップカバレッジ特性がよい原子層堆積(Atomic Layer Deposition、ALD)工程が利用されてもよい。このように、原子層堆積工程を利用して形成された吸湿防止膜160の場合、プラズマ処理によって形成された場合に比べ、素子に及ぼすストレスを最小化することができ、ダークレベル(dark level)も減少させることができる。
【0054】
光案内部170は吸湿防止膜160上に形成されてキャビティ150を埋め込む光透過物質を含む。すなわち、キャビティ150が光透過物質によって埋め込まれるが、光透過物質は吸湿防止膜160上に形成される。図4Aに示すように、光案内部170の光透過物質はキャビティ150を埋め込むが、配線構造体140の第3金属間絶縁膜140cの上面上に延長され形成されてもよい。したがって、キャビティ150の両側壁および底面と、配線構造体140の最上面上に吸湿防止膜160がコンフォーマルに形成され、吸湿防止膜160上にキャビティ150を埋め込むように光透過物質が形成されてもよい。
【0055】
光案内部170はカラーフィルタ190を通過してキャビティ150の内部に入射された光を光電変換素子120に安定的に到達させる役割をすることができる。したがって、光透過物質は、入射光が旨く透過することができるように、例えば、有機高分子化合物、例えば環構造を有するふっ素系高分子であるCytop(登録商標)、ポリシロキサン樹脂(Poly−siloxane resin)、ポリシロキサン樹脂とチタン酸化物、またはPMMA系の高分子などでなされてもよい。
【0056】
また、光案内部170の光透過物質は多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cを構成する物質より大きい屈折率を有する高屈折率物質であってもよい。例えば、光案内部170の光透過物質の屈折率は吸湿防止膜160と類似の屈折率を有してもよい。したがって、光案内部170に入射された入射光がキャビティ150の内部に全反射され、これによって入射光が光電変換素子120に安定的に到達することができる。例えば、光案内部170の光透過物質は約1.65以上の屈折率を有してもよい。
【0057】
図4Bに示すように、いくつかの他の実施形態によるイメージセンサ102は、光案内部173はキャビティ150に埋没して形成されてもよい。すなわち、光案内部173がキャビティ150を埋め込んで配線構造体140の上面上に延長され形成された図4Aに示す実施形態とは異なり、光案内部173がキャビティ150内に配置されてもよい。すなわち、光案内部173の光透過物質でキャビティ150を埋め込むが、光透過物質がキャビティ150によって形成された空間内にのみ存在するように形成してもよい。図面に示すように、光案内部173の光透過物質の上部表面が配線構造体140の上部表面と実質的に同一の平面上に存在してもよい。
【0058】
さらには、図面に示していないが、いくつかの他の実施形態では、光透過物質の上部表面が配線構造体140の上部表面と互いに異なる平面上に存在してもよい。例えば、光透過物質でキャビティ150の一部のみを埋め込む場合、光透過物質の上部表面と配線構造体140の上部表面が互いに異なる平面上に存在してもよい。このとき、吸湿防止膜160はこれらの上部表面に沿ってコンフォーマルに形成されてもよい。この場合、後続される工程段階、例えば平坦化層の形成などによりこれらの段差を補完することができる。
【0059】
図4Aおよび図4Bを参照すると、光案内部170、173上には下部平坦化膜180、カラーフィルタ190、上部平坦化膜192、レンズ194および図示しない保護膜が順次に形成されてもよい。図4Aでは例示的に、カラーフィルタ190の上側に上部平坦化膜192および下側に下部平坦化膜180が形成されたものを図示するが、これに限定されるものではない。例えば、カラーフィルタ190の上側にのみ上部平坦化膜192があってもよく、カラーフィルタ190の上側、下側すべてに平坦化膜がなくてもよい。
【0060】
レンズ194は感光性樹脂のような有機物質、または無機物質で構成されてもよい。有機物質でレンズ194を形成するときには、例えば、上部平坦化膜192上に有機物質パターンを形成して熱工程を行い、レンズ194を形成してもよい。熱工程によって有機物質パターンがレンズ形態に変わる。
【0061】
図面に示していないが、レンズ194上には保護膜が形成されてもよい。保護膜は外部衝撃からレンズ194を保護する役割をすることができる。保護膜は無機物酸化膜であってもよい。例えば、シリコン酸化膜、チタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜(ZrO2)、ハフニウム酸化膜(HfO2)、およびこれの積層膜、組合膜を使用してもよい。特に、保護膜としてシリコン酸化膜の一種であるLTO(LowTemperatureOxide)を使用してもよい。このようにLTOを使用する理由は、LTOは低温、例えば約100ないし200℃で製造されるため、下部膜への損傷が少ないからである。のみならず、LTOは非晶質であるため、荒くない。したがって、入射光の反射/屈折/散乱などを減らすことができる。
【0062】
レンズ194が有機物質から形成される場合、外部衝撃に弱い場合もある。したがって、保護膜はレンズ194を外部の衝撃から保護する役割を果たす。のみならず、隣接するレンズ194の間には若干の空間が生じ得るが、保護膜はこのような空間を満たす役割を果たす。隣接するレンズ194の間の空間を満たせば、入射光の集光能力を高めることができるとの長所がある。隣接するレンズ194の間の空間に到達する入射光の反射/屈折/散乱などを減らすことができるからである。
【0063】
さらには、光案内部170の光透過物質上に図示しない接着層がさらに形成されてもよい。接着層は下部の光案内部170の光透過物質と、上部のカラーフィルタ190との間の接着能力を強化させ、光透過物質とカラーフィルタ190をさらに安定的に接着させることができる。
【0064】
本発明の第1実施形態によるイメージセンサ101,102,103によれば、キャビティ150が形成された配線構造体上にコンフォーマルに形成された吸湿防止膜160を含み、吸湿によるアクティブピクセルセンサアレイ10の飽和レベルの劣化を防止することができる。したがって、イメージセンサの信頼性を向上させることができる。また、吸湿防止膜160が原子層堆積工程によって形成された場合、素子に及ぼすストレス問題を最小化することができるため、ダークレベルも改善することができる。さらに、コンフォーマルに形成された吸湿防止膜160が互いに実質的に同一の厚さを有することによって、キャビティ150の両側壁、特に配線構造体140の上面と、キャビティ150の側壁およびキャビティ150の底面で成される段差部領域のステップカバレッジが良好になる。これによって、不必要な縦横比の増加を防止することができ、低照度の感度特性がさらに向上することができる。
【0065】
図4Cを参照すると、本発明による第1実施形態の変形例であるイメージセンサ103によれば、基板110の周辺回路領域II上にも層間絶縁膜130、配線構造体140、および吸湿防止膜160が形成されてもよい。前述したように、吸湿防止膜160は基板110の少なくとも一部、例えば周辺回路領域IIのパッド領域を除いた基板110の前面上に形成されてもよい。図4Cはセンサアレイ領域Iに図4Aの実施形態が適用された場合を示すが、これに限定されるものではなく、多様な構造が適用されてもよい。
【0066】
さらに、周辺回路領域II上に形成された吸湿防止膜160上には光案内部170の光透過物質、および上部平坦化層192が順に積層されてもよい。しかし、センサアレイ領域Iの構造に応じて吸湿防止膜160上に積層された物質は多様に変形されてもよい。例えば、センサアレイ領域Iの吸湿防止膜160上に下部平坦化層180のみを形成した場合、周辺回路領域IIの吸湿防止膜160上にも下部平坦化層180のみが形成されてもよい。これは一つの例示に過ぎないため、多様な方式を用いて適用できることはもちろんである。また、図4Cに示すように、周辺回路領域IIにはセンサアレイ領域Iよりさらに多い層の金属配線M1、M2、M3、M4が形成されてもよい。さらに、金属配線M1、M2、M3、M4は、ビアコンタクトVIA1、VIA2、VIA3によって電気的に接続することができる。
【0067】
(第2実施形態)
図5Aおよび図5Bを参照して本発明の第2実施形態によるイメージセンサ201、202について説明する。図5Aおよび図5Bは、本発明の他の実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。図5Aは、説明の便宜のため、光電変換素子を中心にセンサアレイ領域の一部を図示する。
【0068】
図5Aを参照すると、本発明の第2実施形態によるイメージセンサ201は、吸湿防止膜161が光案内部171の光透過物質とカラーフィルタ190との間に形成されるという点から区別される。以下では、本発明による第1実施形態と同一の構成要素に対しては同一図面符号を記載し、本発明による第1実施形態と実質的に同一の内容に関する説明は省略または簡略化する。
【0069】
キャビティ150が形成された配線構造体140上には光透過物質を含む光案内部171が形成される。さらに詳細には、キャビティ150の内部は光案内部171の光透過物質で埋め込まれ、光透過物質は配線構造体140の上面上に延長され、配線構造体140を含む基板110の全面上に形成される。前述したように、本実施形態においても、光案内部171の光透過物質はキャビティ150の内部に埋没した構造で形成されてもよく、下部平坦化膜180(図4C参照)は配線構造体140の第3金属間絶縁膜140cおよび光透過物質上に形成されてもよい。
【0070】
キャビティ150の内部と配線構造体140の上面上に形成された光案内部171の光透過物質上に吸湿防止膜161が形成される。吸湿防止膜161は、例えばアルミニウム酸化膜またはチタン酸化膜などを含んでもよいが、原子層堆積工程を適用できる物質であればこれに限定されない。また、吸湿防止膜161は吸湿に強い物質を含んでもよい。
【0071】
吸湿防止膜161は、光案内部171の光透過物質上に実質的に同一の厚さで形成されてもよく、例えば約1Åから約2000Åまでの厚さを有してもよい。
【0072】
さらに、吸湿防止膜161上にはカラーフィルタ190が形成される。
【0073】
図5Bを参照すると、基板110のセンサアレイ領域I上に図5Aの構造が形成され、周辺回路領域II上には、層間絶縁膜130、配線構造体140、光案内部171の光透過物質および吸湿防止膜161が形成されてもよい。前述したように、吸湿防止膜161は基板110の一部または全体に形成されてもよい。したがって、センサアレイ領域Iおよび周辺回路領域II上に同一の厚さと同一の物質を有する吸湿防止膜161が形成されてもよい。
【0074】
本発明の第2実施形態によるイメージセンサ201,202によれば、光案内部171の光透過物質上に形成された吸湿防止膜161を含み、アクティブピクセルセンサアレイ10の飽和レベルの劣化を防止することができ、イメージセンサ201,202の信頼性を向上させることができる。また、吸湿防止膜161が原子層堆積工程を利用して形成された場合、素子のストレス問題を減少させてダークレベルを改善させることもできる。
【0075】
(第3実施形態)
6Aおよび図6Bを参照して本発明の第3実施形態によるイメージセンサ301、302について説明する。図6Aおよび図6Bは、発明の第3実施形態によるイメージセンサ301、302を説明するための断面図である。図6Aは、説明の便宜のため、光電変換素子を中心にセンサアレイ領域の一部を示す。
【0076】
図6Aを参照すると、本発明の第3実施形態によるイメージセンサ301は、配線構造体140内にキャビティ(図5参照)を形成せず、吸湿防止膜162が配線構造体140とカラーフィルタ190の間に形成されるという点から前述した実施形態と区別される。
【0077】
図6Aに示すように、本発明の第3実施形態のイメージセンサ301は、吸湿防止膜162が配線構造体140とカラーフィルタ190の間に形成される。例えば、吸湿防止膜162は配線構造体の上面の真上に形成されてもよい。
【0078】
また、配線構造体140内にキャビティを形成しないことによってキャビティの形成過程、例えばプラズマ処理工程を進行する間に生じ得る素子のストレス問題を減少させ、素子の信頼性を向上させることができる。
【0079】
図6Bに示すイメージセンサ302を参照すると、基板110のセンサアレイ領域I上に図6Aの構造が形成され、周辺回路領域II上には、層間絶縁膜130、配線構造体140、および吸湿防止膜162が形成されてもよい。前述したように、吸湿防止膜162は基板110の一部または全体に形成されてもよい。したがって、センサアレイ領域Iおよび周辺回路領域II上に同一の厚さと同一の物質を有する吸湿防止膜162が形成されてもよい。
【0080】
(第4実施形態)
図7Aおよび図7Bを参照して本発明の第4実施形態によるイメージセンサ401、402について説明する。図7Aおよび図7Bは、本発明の第4実施形態によるイメージセンサ401、402の断面図である。図7Aおよび図7Bは、説明の便宜のため、センサアレイ領域の一部を示し、光電変換素子を中心に示す。
【0081】
図7Aを参照すると、本発明の第4実施形態によるイメージセンサ401は、基板の背面に光を入射させる構造であるという点から前述した実施形態と区別される。このような形態のイメージセンサを背面照射(backside illuminated)イメージセンサと呼ぶ。背面照射イメージセンサは、光が入射する面に金属配線M1、M2が形成されていないため、金属配線M1、M2によって入射光が反射されることや層間絶縁膜130および配線構造体140による光吸収が起きない。
【0082】
図7Aを参照すると、基板110内に光電変換素子120が形成され、基板110の前面FSに層間絶縁膜130と、金属間絶縁膜140a、140b、140cおよび金属配線M1、M2を含む配線構造体140が形成される。基板110の背面BSには背面層間絶縁膜143が形成され、背面層間絶縁膜143の前面上に吸湿防止膜163が形成される。すなわち、吸湿防止膜163は基板110の背面BS上に形成される。
【0083】
図7Bを参照すると、図7Aに示すイメージセンサ401とは異なり、吸湿防止膜163上に接着層180が形成されてもよい。接着層180は、吸湿防止膜163上にカラーフィルタ190が安定的に接着されるようにする役割を果たす。
【0084】
(製造方法)
以下、図8から図11および図4を参照して本発明の第1実施形態によるイメージセンサの製造方法について説明する。図8から図11は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。説明の便宜のため、以下では光電変換素子を中心にセンサアレイ領域の一部を示し、前述した内容と実質的に同一の内容については説明を省略または簡略にする。
【0085】
図8を参照して内部に光電変換素子120が形成された基板110を提供し、基板110上に多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cと多層の金属間絶縁膜140a、140b、140c内に配置された多層の金属配線M1、M2を含む配線構造体140を形成する。
【0086】
図8に示すように、配線構造体140を形成する前に、内部に複数のゲート構造体を含む層間絶縁膜130を形成してもよい。例えば、ゲート構造体はトランジスタであってもよく、図面に示すゲート構造体は電荷伝送素子135であってもよい。
多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cと多層の金属間絶縁膜140a、140b、140c内に配置された多層の金属配線M1、M2を含む配線構造体140を形成には、例えばダマシン工程を利用して形成してもよい。したがって、図面に示していないが、例えば、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cの間に拡散防止膜をさらに含んでもよい。さらに、多層の金属配線M1、M2を形成するものは、銅配線またはアルミニウム配線を形成するものを含んでもよいが、これに限定されないのはもちろんである。
【0087】
続いて、図9に示すように光電変換素子120に対応して配線構造体140を貫くキャビティ150を形成することについて説明する。
【0088】
具体的には、複数の層で形成された多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cおよび層間絶縁膜130の間に界面が各々存在するため、このような界面はカラーフィルタ190を介して供給された入射光が光電変換素子120に到達することを妨害し得る。したがって、光電変換素子120上に配線構造体140を貫くようにキャビティ150を形成することによって、このような妨害要素を最小化させることができる。これによって光電変換素子120に到達する入射光の量を増加させることもでき、光感度も増加させることもできる。
【0089】
さらに、図9に示すように、キャビティ150は層間絶縁膜130の一部と、層間絶縁膜130および多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cの間に形成されたエッチング停止膜137を貫くように形成してもよい。この場合、キャビティ150は二段階のエッチング工程を利用して形成してもよい。
【0090】
より具体的には、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cを貫くように配線構造体140をエッチングするが、エッチング停止膜137でエッチングを中止し、図示しない中間キャビティを形成する第1段階エッチングと、エッチング停止膜137の除去した以後の工程条件、例えばエッチングの進行時間を調節してエッチング停止膜137の下部にある層間絶縁膜130をエッチングする第2段階のエッチングとに区分して行ってもよい。エッチング停止膜137の下部にある層間絶縁膜130のエッチング速度を調節することによって、キャビティ150の深さを調節することができる。さらに、キャビティ150は層間絶縁膜130を実質的に完全に貫いてもよい。
【0091】
例えば、キャビティ150を形成するものは、プラズマエッチング工程を利用して形成するものを含んでもよいが、これに限定されないのはもちろんである。
【0092】
続いて、図10を参照してキャビティ150上に吸湿防止膜160をコンフォーマルに形成することについて説明する。
【0093】
例えば、原子層堆積(Atomic Layer Deposition、ALD)法により配線構造体140内に形成されたキャビティ150の両側壁、底面上に吸湿防止膜160をコンフォーマルに形成してもよい。図10に示すように、キャビティ150が形成された基板110の全面上に原子層堆積法によりキャビティ150の両側壁および底面だけではなく、配線構造体140の第3金属間絶縁膜140cの上面上に吸湿防止膜160を形成してもよい。
【0094】
原子層堆積工程は、ステップカバレッジが良好であるため、キャビティ150のプロファイルを実質的に同一に維持しつつ吸湿防止膜160を形成することができる。したがって、吸湿防止膜160が形成された縦横比と吸湿防止膜160形成前のキャビティ150の縦横比をほぼ同一に維持することができ、縦横比の増加による低照度の特性を向上させることができる。したがって、吸湿防止膜160を形成するとき、原子層堆積工程を適用できる物質、例えばアルミニウム酸化物またはチタン酸化物を利用してもよい。さらに、吸湿防止膜160は、例えば約1Åから約2000Åまでの範囲の厚さで形成してもよい。
【0095】
さらに、原子層堆積工程を利用して吸湿防止膜160を形成することによって、プラズマ処理により形成する場合に比べ、素子に及ぼすストレスを最小化することができ、ダークレベルを改善させることができる。
【0096】
続いて、図11を参照して吸湿防止膜160上に光透過物質を形成してキャビティ150を埋め込む光案内部170を形成する。
【0097】
光透過物質としては、例えば、有機高分子化合物、例えば環構造を有するふっ素系高分子Cytop(登録商標)、ポリシロキサン樹脂(Poly−siloxane resin)、ポリシロキサン樹脂とチタン酸化物、またはPMMA系の高分子などを使用してもよいが、これに限定されるものではない。このとき、光透過物質を形成するのは、例えばスピンコーティング方式を利用してもよいが、これに限定されるものではない。さらに、図11に示すように、光透過物質を形成するのはキャビティ150を埋め込むが、配線構造体140の第3金属間絶縁層140c上に延長されるように形成してもよい。
【0098】
再び、図4Aを参照すると、光案内部170の光透過物質上に下部平坦化膜180、カラーフィルタ190、上部平坦化膜192、およびレンズ194を順次に形成してもよい。このとき、図面に示していないが、レンズ194上に保護膜をさらに形成してもよい。
【0099】
または、図4Bを参照して光透過物質でキャビティ150を埋め込んだ後、吸湿防止膜160が露出するまで光透過物質を除去し、露出された吸湿防止膜160およびキャビティ150の内部に埋め込まれた光透過物質上に下部平坦化膜180を形成してもよい。
【0100】
本発明の第1実施形態によるイメージセンサ101,102,103の製造方法によれば、キャビティ150が形成された配線構造体140上に吸湿防止膜160をコンフォーマルに形成し、アクティブピクセルセンサアレイ10の飽和レベルの劣化を防止することができる。すなわち、信頼性が向上したイメージセンサを製造することができる。また、原子層堆積工程を利用して吸湿防止膜160を形成する場合、素子に及ぼすストレス問題を最小化し、ダークレベルが発生する問題を改善することができ、吸湿防止膜160の厚さを均一に形成することによって、低照度の感度特性が向上したイメージセンサを製造することができる長所がある。
【0101】
以下、図12、図13および図5を参照して本発明の第2実施形態によるイメージセンサの製造方法について説明する。図12および図13は、本発明の第2実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【0102】
本発明の第2実施形態によるイメージセンサ201,202の製造方法は、本発明の第1実施形態によるイメージセンサ101,102,103の製造方法の図9に対応する段階までは実質的に同一であるため、それ以後の過程を中心に説明する。
【0103】
図12を参照してキャビティ150を光透過物質で埋め込んで光案内部171を形成する。したがって、光透過物質はキャビティ150を含む配線構造体140の真上に形成してもよい。
【0104】
光透過物質でキャビティ150を埋め込んだ後、配線構造体140が露出するまで光透過物質を除去し、露出した配線構造体140およびキャビティ150の内部に埋め込まれた光透過物質上に吸湿防止膜161を形成してもよい。図12に示す構造上の吸湿防止膜161を形成するまた他の方法について図13を参照して説明する。
【0105】
続いて、図13を参照して光案内部171の光透過物質上に吸湿防止層161を形成する。具体的には、吸湿防止層161を例にあげて光案内部171が形成された基板110の全面上に原子層堆積工程を利用して形成してもよい。
【0106】
続いて、図5に示すように吸湿防止層161上にカラーフィルタ190、平坦化膜192、およびレンズ194を順次に形成してもよい。さらに、図面に示していないが、レンズ194上に保護膜196をさらに形成してもよい。また、カラーフィルタ190の下部に下部平坦化膜をさらに形成してもよい。
【0107】
本発明の第3実施形態によるイメージセンサ301,302の製造方法は、前述した実施形態によるイメージセンサの製造方法から当業者が類推することが可能であるため、本明細書においては詳しい説明を省略する。
【0108】
本発明の第3実施形態によるイメージセンサ301,302の製造方法を簡略に説明すると、先に図8に示したように、内部に光電変換素子120が形成された基板110上に配線構造体140を形成した後、図6Aおよび図6Bに示したように、配線構造体140を含む基板110の全面上に吸湿防止膜162を形成する。吸湿防止膜162の特性および形成過程は前述した実施形態と実質的に同一である。
【0109】
本発明の第3実施形態によるイメージセンサ301,302の製造方法の場合、前述した実施形態によるイメージセンサの製造方法とは異なり、配線構造体140内にキャビティ(図5参照)を形成する過程を含まない。すなわち、キャビティ150がない配線構造体140の上面上に吸湿防止膜162を形成する。
【0110】
以下、図14から図17および図7Aを参照して本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法について説明する。図14から図17は、本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【0111】
図14を参照して前面FSに隣接した内部に光電変換素子120が形成された基板110を提供し、基板110の前面FS上に多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cと多層の金属配線M1、M2を含む配線構造体140を形成する。
【0112】
図15を参照して配線構造体140上に支持基板200を付着させて基板110を支持できるようにする。このとき、図15に示すように、支持基板200の一面上に第1ボンディング層210を形成して配線構造体140上に第2ボンディング層220を形成し、支持基板200と配線構造体140のボンディングが安定的に行われるようにすることができる。例えば、支持基板200および配線構造体140のうちいずれか一つにのみにボンディング層を形成してもよく、多様な方式で配線構造体140上に支持基板200を付着させてもよい。
【0113】
図16を参照して支持基板200が付着した基板110の上下を反転させる。すなわち、基板110の上下部を反転させて光電変換素子120を配線構造体140より上部に位置させる。
【0114】
続いて、支持基板200が付着した基板110の背面BSの一部を除去してもよい。具体的には、エッチング工程、例えば、反応性エッチング工程、または研磨工程、例えば、CMP、BGRなどを利用して基板110の後面BSの一部を除去してもよい。基板110の背面BSの一部を除去し、基板110の厚さを減少させることによって光電変換素子120に入射する光の経路を減少させることができるので、光電変換素子120での光感度を向上させることができる。
【0115】
図17を参照して基板110の背面BSの全面上に背面層間絶縁膜143を形成して背面層間絶縁膜143が形成された基板110の背面BSの全面上に吸湿防止膜163を形成する。
【0116】
背面層間絶縁膜143を形成するものは、基板110の背面BS上にシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などの絶縁物質を蒸着して形成することを含んでもよい。例えば、化学気相蒸着または原子層堆積工程などを利用してもよいが、これに限定されるものではない。また、吸湿防止膜163を形成することは、前述した実施形態と実質的に同一であるため、その具体的な説明は省略する。
【0117】
再び、図7Aを参照すると、背面層間絶縁膜143および吸湿防止膜163が形成された基板110の背面BS上にカラーフィルタ190、平坦化膜192、およびレンズ194を順次に形成してもよい。さらに、図面に図示しないが、レンズ194上に保護膜をさらに形成してもよい。また、カラーフィルタ190の下部に下部平坦化膜をさらに形成してもよい。
【0118】
以下では、図18から図20を利用して本発明の実施形態によるイメージセンサを含むプロセッサ基板装置について説明する。図18は、コンピュータ装置を示し、図19Aおよび図19Bは、カメラ装置を示し、図20は、携帯電話装置を示す。本発明の実施形態によるイメージセンサは、前述した装置以外に他の装置、例えば、スキャナ、機械化された時計装置、ナビゲーション装置、ビデオフォン、監視装置、自動フォーカス装置、追跡装置、動作監視装置、イメージ安定化装置などにも使用できることは自明である。
【0119】
図18を参照すると、コンピュータ装置300はバス305を介して入出力(I/O)素子330とコミュニケーションできるマイクロプロセッサなどのような中央情報処理装置としてのCPU320を含む。イメージセンサ310は、バス305または他の通信リンクを介して装置とコミュニケーションすることができる。また、コンピュータ装置300は、バス305を介してCPU320とコミュニケーションできるRAM340および/またはポート360をさらに含んでもよい。ポート360は、ビデオカード、サウンドカード、メモリカード、USB素子などをカップリングするか、または他の装置とデータを通信できるポートであってもよい。イメージセンサ310は、CPU、デジタル信号処理装置またはマイクロプロセッサなどと共に集積されてもよい。また、メモリが共に集積されてもよい。もちろん場合によってはプロセッサと別個のチップに集積されてもよい。
【0120】
図19Aを参照すると、カメラ装置400はイメージセンサ413が回路基板411上にボンディングワイヤーを介して実装されているイメージセンサパッケージ410を含む。また、回路基板411上にはハウジング420が付着し、ハウジング420は回路基板411およびイメージセンサ413を外部環境から保護する。
【0121】
ハウジング420には撮影しようとする映像が通過する鏡筒部421が形成され、鏡筒部421の外部に向かう外側端部には保護カバー422が設置され、鏡筒部421の内側端部には赤外線遮断および反射防止用のフィルタ423が装着されてもよい。また、鏡筒部421の内部にはレンズ424が装着され、鏡筒部421のねじ山に沿ってレンズ424が移動してもよい。
【0122】
図19Bを参照すると、カメラ装置500は貫通ビア572を利用したイメージセンサパッケージ501を使用する。貫通ビア572を利用すると、ワイヤーボンディングを利用せずともイメージセンサ570と回路基板560が電気的に接続することができる。
【0123】
カメラ装置500は、第1レンズ520、第2レンズ540、およびレンズコンポーネント526、527を備えている。また、カメラ装置500は、支持部505、アパーチャ545、透明基板510、530、およびガラス550を備えている。
【0124】
図20を参照すると、携帯電話システム450の所定位置にイメージセンサ452が付着している。図20に示す位置と異なる部分にイメージセンサ452が付着してもよいことは当業者には自明である。
【0125】
本発明に関するより詳細な内容については次の具体的な実験例により説明し、ここに記載されていない内容は本発明の技術分野の当業者であれば充分に技術的に類推できるものであるため、説明を省略する。
【0126】
<実験1>
参考例の実験では、キャビティを形成した後、キャビティの真上に光透過物質を埋め込んで光案内部を形成したイメージセンサに対し、85%の湿度および85℃の温度に露出した後、センサアレイの飽和レベルを測定した。
本発明の実施形態によるイメージセンサを用いた実験では、キャビティを形成した後、キャビティ上に窒化膜を形成し、窒化膜上に光透過物質を塗布してキャビティを埋め込み、光案内部を形成したイメージセンサに対して85%の湿度および85℃の温度に露出した後、センサアレイの飽和レベルを測定した。
【0127】
実験1の結果を図21Aおよび図21Bに図示する。図21Aは、参考例に該当するイメージセンサが前述の湿度および温度に露出される前(0hr)、168時間(168hr)後、そして500時間(500hr)後に対するセンサアレイの飽和レベルを測定してLSB(least significant bit)で表した値(code単位)である。図21Bは、本発明の実施形態によるイメージセンサが前述の湿度および温度に露出される前、168時間後、そして500時間後にセンサアレイの飽和レベルを測定してLSBで表した値ある。
【0128】
図21Aおよび図21B右側の棒グラフに示すように、参考例に該当するイメージセンサの飽和レベルは、前述した湿度および温度環境に露出される前に比べ、露出168時間後に約100LSBコード程度の飽和劣化が発生したことに対し、本発明の実施形態に該当するイメージセンサの飽和レベルは168時間後および500時間後でも飽和レベルの劣化がほぼ発生しなかった。
【0129】
<実験2>
参考例Aの実験では、キャビティを形成した後、キャビティの真上に光透過物質を埋め込んで光案内部を形成し、出力信号のダークレベルを測定した。
【0130】
参考例Bの実験では、キャビティを形成した後、キャビティ上にプラズマ処理を利用して5000Åの厚さの窒化膜を形成し、窒化膜上に光透過物質を埋め込んで光案内部を形成し、出力信号のダークレベル(dark level、DK level)を測定した。
【0131】
参考例Cの実験では、キャビティを形成した後、キャビティ上にプラズマ処理を利用して4000Åの厚さの窒化膜を形成して窒化膜上に光透過物質を埋め込んで、光案内部を形成して出力信号のダークレベルを測定した。
【0132】
本発明の実施形態によるイメージセンサDを用いた実験では、キャビティを形成した後、キャビティ上に原子層堆積工程を行い、50Åの厚さのアルミニウム酸化膜を形成し、アルミニウム酸化膜上に光透過物質を埋め込んで光案内部を形成して出力信号のダークレベルを測定した。
【0133】
本発明の他の実施形態によるイメージセンサEを用いた実験では、キャビティを形成した後、キャビティ上に原子層堆積工程を行い、100Åの厚さのアルミニウム酸化膜を形成し、アルミニウム酸化膜上に光透過物質を埋め込んで光案内部を形成して出力信号のダークレベルを測定した。
【0134】
実験2の結果を図22に示す。図22は、水平層に沿って記載された値以下のダークレベルを有する累積したチップの比率をグラフで示す。参考例Aの実験結果をa、参考例Bの実験結果をb、参考例Cの実験結果をc、本発明の実施形態によるイメージセンサDを用いた実験結果をd、および本発明の他の実施形態によるイメージセンサEを用いた実験結果をeで示す。図22に示すように、プラズマ処理を利用して窒化膜を形成した参考例Bおよび参考例Cのダークレベルは5mV/secを超える値を有することに比べ、本発明の実施形態によるイメージセンサDおよび本発明の他の実施形態によるイメージセンサEのダークレベルは約2.5mV/sec以下の値を維持することが分かった。
【0135】
参考例Aのダークレベルも本実施形態によるイメージセンサDおよびEと類似のダークレベルが見えたが、前述した実験1からも分かるように、キャビティの真上に光透過物質を形成する場合(実験1での参考例の実験結果)、飽和レベルの劣化が発生した。
【0136】
したがって、参考例B、Cおよび本実施形態によるイメージセンサD、Eのようにキャビティ上に膜質を形成することにより飽和レベルの劣化を防止することができるが、本実施形態によるイメージセンサD、Eは参考例B、Cに比べて低いダークレベルを維持できることが分かった。
【0137】
以上添付された図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明が、その技術的思想や必須の特徴を変更しない範囲で他の具体的な形態で実施され得ることを理解することができる。したがって、上述した実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的でないものとして理解しなければならない。
【符号の説明】
【0138】
101、102、103、201、202、301、302、401、402・・・イメージセンサ、
11、120 ・・・光電変換素子、
110 ・・・基板、
140a、140b、140c ・・・金属間絶縁膜、
150 ・・・キャビティ、
140 ・・・配線構造体、
160、161、162、163・・・吸湿防止膜、
170、171、173 ・・・光案内部、
130、143 ・・・層間絶縁膜、
135 ・・・ゲート構造体、
137 ・・・エッチング停止膜、
M1、M2 ・・・金属配線、
190 ・・・カラーフィルタ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、光学映像を電気信号に変換させる。最近、コンピュータ産業と通信産業の発達につれデジタルカメラ、ビデオカメラ、PCS、ゲーム機器、警備用カメラ、医療用マイクロカメラなど多様な分野において性能が向上したイメージセンサの需要が増大しつつある。
【0003】
特に、MOSイメージセンサは駆動方式が簡便で多様なスキャニング方式で実現することが可能である。また、信号処理回路を単一チップに集積することができ、製品の小型化が可能であり、MOS工程技術を互換して利用することができるため、製造単価を下げることができる。電力消耗もまた非常に低く、バッテリー容量に制限のある製品への適用が容易である。したがって、MOSイメージセンサは技術開発により高解像度の実現が可能となり、その利用が急激に増えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国公開特許10−2006−112534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、光学特性が改善されたイメージセンサを提供することにある。
【0006】
また、本発明は、光学特性が改善されたイメージセンサの製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明によると、イメージセンサは光電変換素子を含む基板と、基板上の配線構造体であって、一つ以上の金属間絶縁膜を含み、光電変換素子に対応して整列され、底面および少なくとも二つの両側壁を有するキャビティを形成する配線構造体と、配線構造体の上部表面とキャビティの内部上の吸湿防止膜、および吸湿防止膜上の光案内部であって、キャビティ埋め込む光透過物質を含み、吸湿防止膜は、キャビティの底面、少なくとも二つの側壁、および複数の金属間の絶縁膜の上面に沿って同一の厚さを有する。
【0009】
請求項8に記載に発明によると、イメージセンサは光電変換素子を含む基板と、基板上の配線構造体であって、一つ以上の金属間絶縁膜を含み、光電変換素子に対応して整列され、底面および少なくとも二つの両側壁を有するキャビティを形成する配線構造体と、配線構造体と基板との間の層間絶縁膜であって、一つ以上の金属配線と電気的に接続されたゲート構造体を含む層間絶縁膜と、配線構造体と基板上の吸湿防止膜、および吸湿防止膜上のカラーフィルタを含む。
【0010】
請求項14に記載に発明によると、イメージセンサは第1表面に隣接して光電変換素子を含む基板と、第1表面上の配線構造体であって、一つ以上の金属間絶縁膜と一つ以上の金属間絶縁膜内の一つ以上の金属配線を含む配線構造体と、基板の第2表面上の背面層間絶縁膜であって、第2表面は基板の第1表面の反対側である背面層間絶縁膜と、背面層間絶縁膜上の吸湿防止膜、および吸湿防止膜上のカラーフィルタであって、カラーフィルタは光電変換素子に対応して整列されたカラーフィルタを含む。
【0011】
本発明のその他具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態によるイメージセンサのブロック図である。
【図2】図1に示すアクティブピクセルセンサアレイの等価回路図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるイメージセンサを説明するための概念図である。
【図4A】本発明の第1実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図4B】本発明の第1実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図4C】本発明の第1実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図5A】本発明の第2実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図5B】本発明の第2実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図6A】本発明の第3実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図6B】本発明の第3実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図7A】本発明の第4実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図7B】本発明の第4実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図11】本発明の第1実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図14】本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図15】本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図16】本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図17】本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【図18】本発明の実施形態によるイメージセンサを含むプロセッサ基板装置を説明するための図である。
【図19A】本発明の実施形態によるイメージセンサを含むプロセッサ基板装置を説明するための図である。
【図19B】本発明の実施形態によるイメージセンサを含むプロセッサ基板装置を説明するための図である。
【図20】本発明の実施形態によるイメージセンサを含むプロセッサ基板装置を説明するための図である。
【図21A】参考例による実験1の結果を示すグラフである。
【図21B】本発明の実施形態による実験1の結果を示すグラフである。
【図22】本発明の実施形態と参考例による実験2の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の利点、特徴、およびそれらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述される実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現されることが可能である。本実施形態は、単に本発明の開示が完全になるように、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に対して発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によってのみ定義される。なお、いくつかの実施形態において、公知の工程、段階、構造及び技術は、本発明が不明瞭に解釈されるのを避けるために、説明を省略する。
【0014】
一つの素子が、他の素子と「接続された」または「カップリングされた」と参照されるときは、他の素子と直接連結またはカップリングされた場合、あるいは中間に他の素子を介在させた場合のすべてを含む。これに対し、一つの素子が異なる素子と「直接接続された」または「直接カップリングされた」と参照されるときは、間に他の素子を介在させないことを表わす。明細書全体にかけて、同一の参照符号は、同一の構成要素を参照する。「および/または」は、言及されたアイテムの各々および少なくとも一つ以上のすべての組合せを含む。
【0015】
「第1」、「第2」等が、多様な素子、構成要素および/またはセクションを説明するために使用される。しかしながら、これら素子、構成要素および/またはセクションは、これらの用語によって制限されないことはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素、またはセクションを他の素子、構成要素、またはセクションと区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素、または第1セクションは、本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素、または第2セクションであり得ることはもちろんである。
【0016】
本明細書で使用された用語は、実施形態を説明するためであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において単数形は、文言で特別に言及しない限り、複数形をも含む。明細書で使用される「含む」および/または「含む」は、言及した構成要素、段階、動作、および/または素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作、および/または素子の存在または追加を排除しない。なお、「および/または」は、言及したアイテムのそれぞれおよび一つ以上のすべての組合せを含む。また、以下の明細書全体にかけて同一の参照符号は同一の構成要素を指称する。
他に定義されなければ、本明細書で使用されるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通に理解され得る意味において使用されるものである。また、一般的に使用される辞典に定義されている用語は、明確に特別に定義されていない限り理想的にまたは過度に解釈されない。
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態によるイメージセンサおよびその製造方法について説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるイメージセンサのブロック図である。
【0019】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態によるイメージセンサは、光電変換素子11を含むピクセルが二次元配列で構成されたアクティブピクセルセンサアレイ10、タイミング発生器(timing generator)20、行デコーダ(row decoder)30、行ドライバ(row driver)40、相関二重サンプル(Correlated Double Sampler、CDS)50、アナログデジタルコンバータ(Analog to Digital Converter、ADC)60、ラッチ部(latch)70、列デコーダ(column decoder)80などを含む。
【0020】
アクティブピクセルセンサアレイ10は二次元配列された多数の単位ピクセルを含む。多数の単位ピクセルは光学映像を電気的な出力信号に変換する役割を果たす。アクティブピクセルセンサアレイ10は行ドライバ40から行選択信号、リセット信号、電荷伝送信号など多数の駆動信号を受信して駆動される。また、変換された電気的な出力信号は垂直信号ラインを介して相関二重サンプル50に提供される。
【0021】
タイミング発生器20は、行デコーダ30および列デコーダ80にタイミング信号および制御信号を提供する。
【0022】
行ドライバ40は、行デコーダ30でデコーディングされた結果に応じて多数の単位ピクセルを駆動するための多数の駆動信号をアクティブピクセルセンサアレイ10に提供する。一般的に行列形態で単位ピクセルが配列された場合には各行別に駆動信号を提供する。
【0023】
相関二重サンプル50は、アクティブピクセルセンサアレイ10に形成された出力信号を、垂直信号ラインを介して受信し、維持およびサンプリングする。すなわち、特定の雑音レベルと、出力信号による信号レベルを二重にしてサンプリングし、雑音レベルと信号レベルとの差異に該当する差異レベルを出力する。
【0024】
アナログデジタルコンバータ60は、差異レベルに該当するアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0025】
ラッチ部70は、デジタル信号をラッチ(latch)し、レチデン信号は列デコーダ80でデコーディングされた結果に応じて順次に映像信号処理部(図示せず)に出力する。
【0026】
図2は、図1のセンサアレイの等価回路図である。
【0027】
図2を参照すると、ピクセル(P)が行列形態で配列してアクティブピクセルセンサアレイ10を構成する。各ピクセル(P)は、光電変換素子11、フローティング拡散領域13、電荷伝送素子15、ドライブ素子17、リセット素子18、選択素子19を含む。これらの機能についてi行ピクセル(P(i、j)、P(i、j+1)、P(i、j+2)、P(i、j+3)、…)を例にあげて説明する。
【0028】
光電変換素子11は、入射光を吸収して光量に対応する電荷を蓄積する。光電変換素子11としてフォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトゲート、PIN(pinned)フォトダイオードまたはこれらの組合せを適用してもよく、図面にはフォトダイオードを例示する。
【0029】
各光電変換素子11は、蓄積された電荷をフローティング拡散領域13に伝送する各電荷伝送素子15とカップリングされる。フローティング拡散領域13は、電荷を電圧に転換する領域であり、寄生キャパシタンスを有しているため、電荷が累積して保存される。
【0030】
ソースフォロア増幅器として例示されているドライブ素子17は、各光電変換素子11に蓄積された電荷の伝達を受けてフローティング拡散領域13の電気的ポテンシャルの変化を増幅してこれを出力ライン(Vout)に出力する。
【0031】
リセット素子18は、フローティング拡散領域13を周期的にリセットさせる。リセット素子18は、所定のバイアス(すなわち、リセット信号)を印加するリセットライン(RX(i))により提供されるバイアスによって駆動されるMOSトランジスタからなされてもよい。リセットライン(RX(i))により提供されるバイアスによってリセット素子18がターンオンすると、リセット素子18のドレーンに提供される所定の電気的ポテンシャル、例えば電源電圧(VDD)がフローティング拡散領域13に伝達される。
【0032】
選択素子19は、行単位で読み出すピクセル(P)を選択する役割を果たす。選択素子19は、行選択ライン(SEL(i))により提供されるバイアス、すなわち、行選択信号によって駆動されるMOSトランジスタからなされてもよい。行選択ライン(SEL(i))により提供されるバイアスによって選択素子19がターンオンすると、選択素子19のドレーンに提供される所定の電気的ポテンシャル、例えば電源電圧(VDD)がドライブ素子17のドレーン領域に伝達される。
【0033】
電荷伝送素子15にバイアスを印加する伝送ライン(TX(i))、リセット素子18にバイアスを印加するリセットライン(RX(i))、選択素子19にバイアスを印加する行選択ライン(SEL(i))は行方向に実質的に互いに平行するように延長され配列されてもよい。
【0034】
以下、図3から図4Cを参照して本発明の第1実施形態によるイメージセンサについて説明する。図3および図4Aは、本発明の第1実施形態によるイメージセンサを説明するための概念図および断面図である。図4Bおよび図4Cは、図4Aの変形実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。図4Aおよび図4Bは、説明の便宜のため、光電変換素子11を中心にセンサアレイ領域の一部を図示する。
【0035】
先ず、図3を参照すると、周辺回路領域IIは例えば、図1に示す相関二重サンプル50、アナログデジタルコンバータ60、ラッチ部70などが形成される領域であってもよく、センサアレイ領域Iは図1に示すアクティブピクセルセンサアレイ10が形成される領域であってもよい。また、図示するように、周辺回路領域IIは、センサアレイ領域Iを囲むように形成されてもよいが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではない。
【0036】
図4Aを参照すると、本発明の一実施形態によるイメージセンサ101は、基板110、配線構造体140、キャビティ150、吸湿防止膜160および光案内部170を含む。
【0037】
基板110は例えば、第1導電型(例えば、p型)基板を利用してもよい。図示していないが、基板110上にエピタキシャル層が形成されて、基板110内に多数のウェル(well)が形成されていてもよい。例えば、基板110は、下部シリコン基板と、下部シリコン基板上に形成された埋め込み絶縁層と、埋め込み絶縁層上に形成されたシリコン半導体層を含むSOI(Silicon On Insulator)基板が使用されてもよい。
【0038】
基板110内には図示されていない素子分離領域が形成されており、素子分離領域によってアクティブ領域が定義されてもよい。素子分離領域は、一般的にLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)方法を利用したFOX(Field OXide)またはSTI(Shallow Trench Isolation)であってもよい。素子分離領域は単位画素を区切る役割を果たすことができる。
【0039】
基板110内部には光電変換素子120が形成される。光電変換素子120はカラーフィルタ190を通過した色の光を吸収し、光量に対応する電荷を生成および/または蓄積する。光電変換素子120としては、フォトトランジスタ、フォトゲート、フォトダイオード、PIN(pinned)フォトダイオード、またはこれらの組合せを適用してもよい。本実施形態では光電変換素子120としてフォトダイオードを例えて説明する。また、図面に図示していないが、基板110内には光電変換素子120に蓄積された電荷を読み出すためのフローティング拡散領域が形成されてもよい。
【0040】
基板110上には層間絶縁膜130が形成されてもよく、層間絶縁膜130内部には複数のゲート構造体135が配置されてもよい。層間絶縁膜130はシリコン窒化膜および/またはシリコン酸化膜を含んでも良い。また、多数のゲート構造体は例えば、トランジスタであってもよい。多数のトランジスタは電荷伝送素子、選択素子、ドライブ素子およびリセット素子などを含んでもよい。例えば、図3に示すセンサアレイ領域Iには読み出し素子が、周辺回路領域IIにはMOS素子、抵抗体およびキャパシタなどが配置されてもよく、これらは当業者に広く知られている多様な形態で具現できるものであるため、説明の便宜上省略する。
【0041】
層間絶縁膜130上には配線構造体140が形成される。配線構造体140は、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cと、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140c内に配置された多層の金属配線M1、M2を含む。配線構造体140は第1金属間絶縁膜140a、第1金属間絶縁膜140a内に形成された第1金属配線M1、第1金属配線M1上に形成された第2金属間絶縁膜140b、第2金属間絶縁膜140b内に形成された第2金属配線M2、および第2金属配線M2上に形成された第3金属間絶縁膜140cを含んでもよい。このとき、多層の金属配線M1、M2は、銅配線またはアルミニウム配線であってもよいが、これに限定されるものではない。例えば、多層の金属配線M1、M2はダマシン配線(damascene interconnection)であってもよい。多層の金属配線M1、M2各々は互いにビアコンタクトVIA1によって接続されてもよい。
【0042】
第1金属間絶縁膜140a、第2金属間絶縁膜140b、および第3金属間絶縁膜140cは多層の絶縁膜が積層された構造であってもよく、例えば、第1金属間絶縁膜140aは層間絶縁膜130上に順次に形成されたシリコン窒化膜および/またはシリコン酸化膜を含んでもよい。
【0043】
また、図面に示していないが、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cの間に各々拡散防止膜が形成されてもよい。すなわち、第1金属間絶縁膜140aと第2金属間絶縁膜140bとの間、第2金属間絶縁膜140bと第3金属間絶縁膜140cとの間に各々拡散防止膜が形成されてもよい。このような拡散防止膜は多層の金属配線M1、M2内の金属原子拡散されることを防止するためである。例えば、多層の金属配線M1、M2が銅配線である場合、拡散防止膜は銅原子の拡散を防止することができる。
【0044】
また、拡散防止膜は、金属配線を形成するとき、エッチング停止膜の役割をすることができる。したがって、拡散防止膜と多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cは互いに異なるエッチング率を有してもよい。例えば、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cはシリコン酸化膜であり、拡散防止膜はシリコン窒化膜であってもよい。後述するキャビティ150は拡散防止膜を含む多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cを貫いて形成してもよい。
【0045】
例えば、配線構造体140と層間絶縁膜130との間にエッチング停止膜137が形成されてもよい。すなわち、層間絶縁膜130上にエッチング停止膜137が形成され、エッチング停止膜137上に配線構造体140が形成されてもよい。例えば、エッチング停止膜137はシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜を含んでもよい。エッチング停止膜137は図9を参照して後述するキャビティ150の深さを調節することに利用してもよい。
【0046】
キャビティ150は光電変換素子120に対応して配線構造体140を貫く。より詳細には、複数の層で形成された多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cおよび層間絶縁膜130の間に界面が各々存在するため、この界面はカラーフィルタ190を介して供給された入射光が光電変換素子120に到達することを妨害し得る。また、前述した拡散防止膜、例えばシリコン窒化膜は光に対する透過率が低いため、入射光が光電変換素子120に到達することを妨害し得る。したがって、光電変換素子120上に配線構造体140を貫いて形成されたキャビティ150はこのような妨害要素を最小化し、光電変換素子120に到達する入射光の量と光感度を増加させることができる。
【0047】
図4Aに示すように、キャビティ150はエッチング停止膜137および層間絶縁膜130の一部を貫いて形成されてもよい。また、キャビティ150は傾斜した側壁を有し、下部幅が上部幅より狭く形成されてもよい。また、キャビティ150の底面は平坦に形成されてもよい。しかし、本実施形態によれば、キャビティ150の構造は、図4Aに示す構造に限定されない。例えば、キャビティ150の側壁が傾斜しないように形成されてもよく、底面が平坦ではなく、凹または凸形状で形成されてもよいことはもちろんである。
【0048】
吸湿防止膜160は配線構造体140内に形成されたキャビティ150上にコンフォーマルに形成される。例えば、アクティブピクセルセンサアレイ10(図1参照)内のキャビティ150の側壁および底面を含み、一部領域、例えば、周辺回路領域IIのパッド領域を除いた基板110の全面上に吸湿防止膜160が形成されてもよい。すなわち、吸湿防止膜160はキャビティ150の両側壁、底面上にコンフォーマルに形成されるだけでなく、金属間絶縁膜140cの上面上に延長され形成される。
【0049】
キャビティ150を含む配線構造体140上に形成された吸湿防止膜160は、相対的に高温、高湿の状態に素子が露出されてもアクティブピクセルセンサアレイ10の飽和レベルが劣化することを防止することができる。ここで、飽和レベルは、光電転換素子120に供給される光によって光電転換素子120から生成される光電荷量が基準レベルを超過した状態を意味し得る。
【0050】
より詳細には、吸湿防止膜160は吸湿に強い物質、例えばAl2O3などのアルミニウム酸化膜またはTiO2などのチタン酸化膜などを含む物質で形成され、アクティブピクセルセンサアレイ10の飽和レベルの劣化を防止することによって素子の信頼度を向上させることができる。
【0051】
吸湿防止膜160の厚さは基板110上で実質的に均一であってもよい。すなわち、吸湿防止膜160はキャビティ150上に同一の厚さで形成されてもよく、さらには、キャビティ150の両側壁、底面および多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cの上面上に同一の厚さで形成されてもよい。このとき、吸湿防止膜160の厚さは、例えば、約1Åから約2000Åまでの範囲であってもよい。
【0052】
このように、吸湿防止膜160をキャビティ150の両側壁、底面および多層金属間絶縁膜140a、140b、140cの上面上に同一の厚さで形成することによってキャビティ150のプロファイルを実質的に同一に維持することができる。すなわち、吸湿防止膜160が形成されたキャビティ150の縦横比の不必要な増加を防止することができる。したがって、縦横比増加による低照度特性を向上させることができる。
【0053】
図面に示すように、配線構造体140内にはキャビティ150による段差部が存在する。すなわち、配線構造体140の少なくとも一部を貫くキャビティ150が形成されることによって配線構造体140の第3金属間絶縁膜140c、キャビティ150の側壁、およびキャビティ150の底面が段差部を構成する。これに伴い、の段差部を含む配線構造体140上に均一の厚さを有する吸湿防止膜160を形成するため、例えばステップカバレッジ特性がよい原子層堆積(Atomic Layer Deposition、ALD)工程が利用されてもよい。このように、原子層堆積工程を利用して形成された吸湿防止膜160の場合、プラズマ処理によって形成された場合に比べ、素子に及ぼすストレスを最小化することができ、ダークレベル(dark level)も減少させることができる。
【0054】
光案内部170は吸湿防止膜160上に形成されてキャビティ150を埋め込む光透過物質を含む。すなわち、キャビティ150が光透過物質によって埋め込まれるが、光透過物質は吸湿防止膜160上に形成される。図4Aに示すように、光案内部170の光透過物質はキャビティ150を埋め込むが、配線構造体140の第3金属間絶縁膜140cの上面上に延長され形成されてもよい。したがって、キャビティ150の両側壁および底面と、配線構造体140の最上面上に吸湿防止膜160がコンフォーマルに形成され、吸湿防止膜160上にキャビティ150を埋め込むように光透過物質が形成されてもよい。
【0055】
光案内部170はカラーフィルタ190を通過してキャビティ150の内部に入射された光を光電変換素子120に安定的に到達させる役割をすることができる。したがって、光透過物質は、入射光が旨く透過することができるように、例えば、有機高分子化合物、例えば環構造を有するふっ素系高分子であるCytop(登録商標)、ポリシロキサン樹脂(Poly−siloxane resin)、ポリシロキサン樹脂とチタン酸化物、またはPMMA系の高分子などでなされてもよい。
【0056】
また、光案内部170の光透過物質は多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cを構成する物質より大きい屈折率を有する高屈折率物質であってもよい。例えば、光案内部170の光透過物質の屈折率は吸湿防止膜160と類似の屈折率を有してもよい。したがって、光案内部170に入射された入射光がキャビティ150の内部に全反射され、これによって入射光が光電変換素子120に安定的に到達することができる。例えば、光案内部170の光透過物質は約1.65以上の屈折率を有してもよい。
【0057】
図4Bに示すように、いくつかの他の実施形態によるイメージセンサ102は、光案内部173はキャビティ150に埋没して形成されてもよい。すなわち、光案内部173がキャビティ150を埋め込んで配線構造体140の上面上に延長され形成された図4Aに示す実施形態とは異なり、光案内部173がキャビティ150内に配置されてもよい。すなわち、光案内部173の光透過物質でキャビティ150を埋め込むが、光透過物質がキャビティ150によって形成された空間内にのみ存在するように形成してもよい。図面に示すように、光案内部173の光透過物質の上部表面が配線構造体140の上部表面と実質的に同一の平面上に存在してもよい。
【0058】
さらには、図面に示していないが、いくつかの他の実施形態では、光透過物質の上部表面が配線構造体140の上部表面と互いに異なる平面上に存在してもよい。例えば、光透過物質でキャビティ150の一部のみを埋め込む場合、光透過物質の上部表面と配線構造体140の上部表面が互いに異なる平面上に存在してもよい。このとき、吸湿防止膜160はこれらの上部表面に沿ってコンフォーマルに形成されてもよい。この場合、後続される工程段階、例えば平坦化層の形成などによりこれらの段差を補完することができる。
【0059】
図4Aおよび図4Bを参照すると、光案内部170、173上には下部平坦化膜180、カラーフィルタ190、上部平坦化膜192、レンズ194および図示しない保護膜が順次に形成されてもよい。図4Aでは例示的に、カラーフィルタ190の上側に上部平坦化膜192および下側に下部平坦化膜180が形成されたものを図示するが、これに限定されるものではない。例えば、カラーフィルタ190の上側にのみ上部平坦化膜192があってもよく、カラーフィルタ190の上側、下側すべてに平坦化膜がなくてもよい。
【0060】
レンズ194は感光性樹脂のような有機物質、または無機物質で構成されてもよい。有機物質でレンズ194を形成するときには、例えば、上部平坦化膜192上に有機物質パターンを形成して熱工程を行い、レンズ194を形成してもよい。熱工程によって有機物質パターンがレンズ形態に変わる。
【0061】
図面に示していないが、レンズ194上には保護膜が形成されてもよい。保護膜は外部衝撃からレンズ194を保護する役割をすることができる。保護膜は無機物酸化膜であってもよい。例えば、シリコン酸化膜、チタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜(ZrO2)、ハフニウム酸化膜(HfO2)、およびこれの積層膜、組合膜を使用してもよい。特に、保護膜としてシリコン酸化膜の一種であるLTO(LowTemperatureOxide)を使用してもよい。このようにLTOを使用する理由は、LTOは低温、例えば約100ないし200℃で製造されるため、下部膜への損傷が少ないからである。のみならず、LTOは非晶質であるため、荒くない。したがって、入射光の反射/屈折/散乱などを減らすことができる。
【0062】
レンズ194が有機物質から形成される場合、外部衝撃に弱い場合もある。したがって、保護膜はレンズ194を外部の衝撃から保護する役割を果たす。のみならず、隣接するレンズ194の間には若干の空間が生じ得るが、保護膜はこのような空間を満たす役割を果たす。隣接するレンズ194の間の空間を満たせば、入射光の集光能力を高めることができるとの長所がある。隣接するレンズ194の間の空間に到達する入射光の反射/屈折/散乱などを減らすことができるからである。
【0063】
さらには、光案内部170の光透過物質上に図示しない接着層がさらに形成されてもよい。接着層は下部の光案内部170の光透過物質と、上部のカラーフィルタ190との間の接着能力を強化させ、光透過物質とカラーフィルタ190をさらに安定的に接着させることができる。
【0064】
本発明の第1実施形態によるイメージセンサ101,102,103によれば、キャビティ150が形成された配線構造体上にコンフォーマルに形成された吸湿防止膜160を含み、吸湿によるアクティブピクセルセンサアレイ10の飽和レベルの劣化を防止することができる。したがって、イメージセンサの信頼性を向上させることができる。また、吸湿防止膜160が原子層堆積工程によって形成された場合、素子に及ぼすストレス問題を最小化することができるため、ダークレベルも改善することができる。さらに、コンフォーマルに形成された吸湿防止膜160が互いに実質的に同一の厚さを有することによって、キャビティ150の両側壁、特に配線構造体140の上面と、キャビティ150の側壁およびキャビティ150の底面で成される段差部領域のステップカバレッジが良好になる。これによって、不必要な縦横比の増加を防止することができ、低照度の感度特性がさらに向上することができる。
【0065】
図4Cを参照すると、本発明による第1実施形態の変形例であるイメージセンサ103によれば、基板110の周辺回路領域II上にも層間絶縁膜130、配線構造体140、および吸湿防止膜160が形成されてもよい。前述したように、吸湿防止膜160は基板110の少なくとも一部、例えば周辺回路領域IIのパッド領域を除いた基板110の前面上に形成されてもよい。図4Cはセンサアレイ領域Iに図4Aの実施形態が適用された場合を示すが、これに限定されるものではなく、多様な構造が適用されてもよい。
【0066】
さらに、周辺回路領域II上に形成された吸湿防止膜160上には光案内部170の光透過物質、および上部平坦化層192が順に積層されてもよい。しかし、センサアレイ領域Iの構造に応じて吸湿防止膜160上に積層された物質は多様に変形されてもよい。例えば、センサアレイ領域Iの吸湿防止膜160上に下部平坦化層180のみを形成した場合、周辺回路領域IIの吸湿防止膜160上にも下部平坦化層180のみが形成されてもよい。これは一つの例示に過ぎないため、多様な方式を用いて適用できることはもちろんである。また、図4Cに示すように、周辺回路領域IIにはセンサアレイ領域Iよりさらに多い層の金属配線M1、M2、M3、M4が形成されてもよい。さらに、金属配線M1、M2、M3、M4は、ビアコンタクトVIA1、VIA2、VIA3によって電気的に接続することができる。
【0067】
(第2実施形態)
図5Aおよび図5Bを参照して本発明の第2実施形態によるイメージセンサ201、202について説明する。図5Aおよび図5Bは、本発明の他の実施形態によるイメージセンサを説明するための断面図である。図5Aは、説明の便宜のため、光電変換素子を中心にセンサアレイ領域の一部を図示する。
【0068】
図5Aを参照すると、本発明の第2実施形態によるイメージセンサ201は、吸湿防止膜161が光案内部171の光透過物質とカラーフィルタ190との間に形成されるという点から区別される。以下では、本発明による第1実施形態と同一の構成要素に対しては同一図面符号を記載し、本発明による第1実施形態と実質的に同一の内容に関する説明は省略または簡略化する。
【0069】
キャビティ150が形成された配線構造体140上には光透過物質を含む光案内部171が形成される。さらに詳細には、キャビティ150の内部は光案内部171の光透過物質で埋め込まれ、光透過物質は配線構造体140の上面上に延長され、配線構造体140を含む基板110の全面上に形成される。前述したように、本実施形態においても、光案内部171の光透過物質はキャビティ150の内部に埋没した構造で形成されてもよく、下部平坦化膜180(図4C参照)は配線構造体140の第3金属間絶縁膜140cおよび光透過物質上に形成されてもよい。
【0070】
キャビティ150の内部と配線構造体140の上面上に形成された光案内部171の光透過物質上に吸湿防止膜161が形成される。吸湿防止膜161は、例えばアルミニウム酸化膜またはチタン酸化膜などを含んでもよいが、原子層堆積工程を適用できる物質であればこれに限定されない。また、吸湿防止膜161は吸湿に強い物質を含んでもよい。
【0071】
吸湿防止膜161は、光案内部171の光透過物質上に実質的に同一の厚さで形成されてもよく、例えば約1Åから約2000Åまでの厚さを有してもよい。
【0072】
さらに、吸湿防止膜161上にはカラーフィルタ190が形成される。
【0073】
図5Bを参照すると、基板110のセンサアレイ領域I上に図5Aの構造が形成され、周辺回路領域II上には、層間絶縁膜130、配線構造体140、光案内部171の光透過物質および吸湿防止膜161が形成されてもよい。前述したように、吸湿防止膜161は基板110の一部または全体に形成されてもよい。したがって、センサアレイ領域Iおよび周辺回路領域II上に同一の厚さと同一の物質を有する吸湿防止膜161が形成されてもよい。
【0074】
本発明の第2実施形態によるイメージセンサ201,202によれば、光案内部171の光透過物質上に形成された吸湿防止膜161を含み、アクティブピクセルセンサアレイ10の飽和レベルの劣化を防止することができ、イメージセンサ201,202の信頼性を向上させることができる。また、吸湿防止膜161が原子層堆積工程を利用して形成された場合、素子のストレス問題を減少させてダークレベルを改善させることもできる。
【0075】
(第3実施形態)
6Aおよび図6Bを参照して本発明の第3実施形態によるイメージセンサ301、302について説明する。図6Aおよび図6Bは、発明の第3実施形態によるイメージセンサ301、302を説明するための断面図である。図6Aは、説明の便宜のため、光電変換素子を中心にセンサアレイ領域の一部を示す。
【0076】
図6Aを参照すると、本発明の第3実施形態によるイメージセンサ301は、配線構造体140内にキャビティ(図5参照)を形成せず、吸湿防止膜162が配線構造体140とカラーフィルタ190の間に形成されるという点から前述した実施形態と区別される。
【0077】
図6Aに示すように、本発明の第3実施形態のイメージセンサ301は、吸湿防止膜162が配線構造体140とカラーフィルタ190の間に形成される。例えば、吸湿防止膜162は配線構造体の上面の真上に形成されてもよい。
【0078】
また、配線構造体140内にキャビティを形成しないことによってキャビティの形成過程、例えばプラズマ処理工程を進行する間に生じ得る素子のストレス問題を減少させ、素子の信頼性を向上させることができる。
【0079】
図6Bに示すイメージセンサ302を参照すると、基板110のセンサアレイ領域I上に図6Aの構造が形成され、周辺回路領域II上には、層間絶縁膜130、配線構造体140、および吸湿防止膜162が形成されてもよい。前述したように、吸湿防止膜162は基板110の一部または全体に形成されてもよい。したがって、センサアレイ領域Iおよび周辺回路領域II上に同一の厚さと同一の物質を有する吸湿防止膜162が形成されてもよい。
【0080】
(第4実施形態)
図7Aおよび図7Bを参照して本発明の第4実施形態によるイメージセンサ401、402について説明する。図7Aおよび図7Bは、本発明の第4実施形態によるイメージセンサ401、402の断面図である。図7Aおよび図7Bは、説明の便宜のため、センサアレイ領域の一部を示し、光電変換素子を中心に示す。
【0081】
図7Aを参照すると、本発明の第4実施形態によるイメージセンサ401は、基板の背面に光を入射させる構造であるという点から前述した実施形態と区別される。このような形態のイメージセンサを背面照射(backside illuminated)イメージセンサと呼ぶ。背面照射イメージセンサは、光が入射する面に金属配線M1、M2が形成されていないため、金属配線M1、M2によって入射光が反射されることや層間絶縁膜130および配線構造体140による光吸収が起きない。
【0082】
図7Aを参照すると、基板110内に光電変換素子120が形成され、基板110の前面FSに層間絶縁膜130と、金属間絶縁膜140a、140b、140cおよび金属配線M1、M2を含む配線構造体140が形成される。基板110の背面BSには背面層間絶縁膜143が形成され、背面層間絶縁膜143の前面上に吸湿防止膜163が形成される。すなわち、吸湿防止膜163は基板110の背面BS上に形成される。
【0083】
図7Bを参照すると、図7Aに示すイメージセンサ401とは異なり、吸湿防止膜163上に接着層180が形成されてもよい。接着層180は、吸湿防止膜163上にカラーフィルタ190が安定的に接着されるようにする役割を果たす。
【0084】
(製造方法)
以下、図8から図11および図4を参照して本発明の第1実施形態によるイメージセンサの製造方法について説明する。図8から図11は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。説明の便宜のため、以下では光電変換素子を中心にセンサアレイ領域の一部を示し、前述した内容と実質的に同一の内容については説明を省略または簡略にする。
【0085】
図8を参照して内部に光電変換素子120が形成された基板110を提供し、基板110上に多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cと多層の金属間絶縁膜140a、140b、140c内に配置された多層の金属配線M1、M2を含む配線構造体140を形成する。
【0086】
図8に示すように、配線構造体140を形成する前に、内部に複数のゲート構造体を含む層間絶縁膜130を形成してもよい。例えば、ゲート構造体はトランジスタであってもよく、図面に示すゲート構造体は電荷伝送素子135であってもよい。
多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cと多層の金属間絶縁膜140a、140b、140c内に配置された多層の金属配線M1、M2を含む配線構造体140を形成には、例えばダマシン工程を利用して形成してもよい。したがって、図面に示していないが、例えば、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cの間に拡散防止膜をさらに含んでもよい。さらに、多層の金属配線M1、M2を形成するものは、銅配線またはアルミニウム配線を形成するものを含んでもよいが、これに限定されないのはもちろんである。
【0087】
続いて、図9に示すように光電変換素子120に対応して配線構造体140を貫くキャビティ150を形成することについて説明する。
【0088】
具体的には、複数の層で形成された多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cおよび層間絶縁膜130の間に界面が各々存在するため、このような界面はカラーフィルタ190を介して供給された入射光が光電変換素子120に到達することを妨害し得る。したがって、光電変換素子120上に配線構造体140を貫くようにキャビティ150を形成することによって、このような妨害要素を最小化させることができる。これによって光電変換素子120に到達する入射光の量を増加させることもでき、光感度も増加させることもできる。
【0089】
さらに、図9に示すように、キャビティ150は層間絶縁膜130の一部と、層間絶縁膜130および多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cの間に形成されたエッチング停止膜137を貫くように形成してもよい。この場合、キャビティ150は二段階のエッチング工程を利用して形成してもよい。
【0090】
より具体的には、多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cを貫くように配線構造体140をエッチングするが、エッチング停止膜137でエッチングを中止し、図示しない中間キャビティを形成する第1段階エッチングと、エッチング停止膜137の除去した以後の工程条件、例えばエッチングの進行時間を調節してエッチング停止膜137の下部にある層間絶縁膜130をエッチングする第2段階のエッチングとに区分して行ってもよい。エッチング停止膜137の下部にある層間絶縁膜130のエッチング速度を調節することによって、キャビティ150の深さを調節することができる。さらに、キャビティ150は層間絶縁膜130を実質的に完全に貫いてもよい。
【0091】
例えば、キャビティ150を形成するものは、プラズマエッチング工程を利用して形成するものを含んでもよいが、これに限定されないのはもちろんである。
【0092】
続いて、図10を参照してキャビティ150上に吸湿防止膜160をコンフォーマルに形成することについて説明する。
【0093】
例えば、原子層堆積(Atomic Layer Deposition、ALD)法により配線構造体140内に形成されたキャビティ150の両側壁、底面上に吸湿防止膜160をコンフォーマルに形成してもよい。図10に示すように、キャビティ150が形成された基板110の全面上に原子層堆積法によりキャビティ150の両側壁および底面だけではなく、配線構造体140の第3金属間絶縁膜140cの上面上に吸湿防止膜160を形成してもよい。
【0094】
原子層堆積工程は、ステップカバレッジが良好であるため、キャビティ150のプロファイルを実質的に同一に維持しつつ吸湿防止膜160を形成することができる。したがって、吸湿防止膜160が形成された縦横比と吸湿防止膜160形成前のキャビティ150の縦横比をほぼ同一に維持することができ、縦横比の増加による低照度の特性を向上させることができる。したがって、吸湿防止膜160を形成するとき、原子層堆積工程を適用できる物質、例えばアルミニウム酸化物またはチタン酸化物を利用してもよい。さらに、吸湿防止膜160は、例えば約1Åから約2000Åまでの範囲の厚さで形成してもよい。
【0095】
さらに、原子層堆積工程を利用して吸湿防止膜160を形成することによって、プラズマ処理により形成する場合に比べ、素子に及ぼすストレスを最小化することができ、ダークレベルを改善させることができる。
【0096】
続いて、図11を参照して吸湿防止膜160上に光透過物質を形成してキャビティ150を埋め込む光案内部170を形成する。
【0097】
光透過物質としては、例えば、有機高分子化合物、例えば環構造を有するふっ素系高分子Cytop(登録商標)、ポリシロキサン樹脂(Poly−siloxane resin)、ポリシロキサン樹脂とチタン酸化物、またはPMMA系の高分子などを使用してもよいが、これに限定されるものではない。このとき、光透過物質を形成するのは、例えばスピンコーティング方式を利用してもよいが、これに限定されるものではない。さらに、図11に示すように、光透過物質を形成するのはキャビティ150を埋め込むが、配線構造体140の第3金属間絶縁層140c上に延長されるように形成してもよい。
【0098】
再び、図4Aを参照すると、光案内部170の光透過物質上に下部平坦化膜180、カラーフィルタ190、上部平坦化膜192、およびレンズ194を順次に形成してもよい。このとき、図面に示していないが、レンズ194上に保護膜をさらに形成してもよい。
【0099】
または、図4Bを参照して光透過物質でキャビティ150を埋め込んだ後、吸湿防止膜160が露出するまで光透過物質を除去し、露出された吸湿防止膜160およびキャビティ150の内部に埋め込まれた光透過物質上に下部平坦化膜180を形成してもよい。
【0100】
本発明の第1実施形態によるイメージセンサ101,102,103の製造方法によれば、キャビティ150が形成された配線構造体140上に吸湿防止膜160をコンフォーマルに形成し、アクティブピクセルセンサアレイ10の飽和レベルの劣化を防止することができる。すなわち、信頼性が向上したイメージセンサを製造することができる。また、原子層堆積工程を利用して吸湿防止膜160を形成する場合、素子に及ぼすストレス問題を最小化し、ダークレベルが発生する問題を改善することができ、吸湿防止膜160の厚さを均一に形成することによって、低照度の感度特性が向上したイメージセンサを製造することができる長所がある。
【0101】
以下、図12、図13および図5を参照して本発明の第2実施形態によるイメージセンサの製造方法について説明する。図12および図13は、本発明の第2実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【0102】
本発明の第2実施形態によるイメージセンサ201,202の製造方法は、本発明の第1実施形態によるイメージセンサ101,102,103の製造方法の図9に対応する段階までは実質的に同一であるため、それ以後の過程を中心に説明する。
【0103】
図12を参照してキャビティ150を光透過物質で埋め込んで光案内部171を形成する。したがって、光透過物質はキャビティ150を含む配線構造体140の真上に形成してもよい。
【0104】
光透過物質でキャビティ150を埋め込んだ後、配線構造体140が露出するまで光透過物質を除去し、露出した配線構造体140およびキャビティ150の内部に埋め込まれた光透過物質上に吸湿防止膜161を形成してもよい。図12に示す構造上の吸湿防止膜161を形成するまた他の方法について図13を参照して説明する。
【0105】
続いて、図13を参照して光案内部171の光透過物質上に吸湿防止層161を形成する。具体的には、吸湿防止層161を例にあげて光案内部171が形成された基板110の全面上に原子層堆積工程を利用して形成してもよい。
【0106】
続いて、図5に示すように吸湿防止層161上にカラーフィルタ190、平坦化膜192、およびレンズ194を順次に形成してもよい。さらに、図面に示していないが、レンズ194上に保護膜196をさらに形成してもよい。また、カラーフィルタ190の下部に下部平坦化膜をさらに形成してもよい。
【0107】
本発明の第3実施形態によるイメージセンサ301,302の製造方法は、前述した実施形態によるイメージセンサの製造方法から当業者が類推することが可能であるため、本明細書においては詳しい説明を省略する。
【0108】
本発明の第3実施形態によるイメージセンサ301,302の製造方法を簡略に説明すると、先に図8に示したように、内部に光電変換素子120が形成された基板110上に配線構造体140を形成した後、図6Aおよび図6Bに示したように、配線構造体140を含む基板110の全面上に吸湿防止膜162を形成する。吸湿防止膜162の特性および形成過程は前述した実施形態と実質的に同一である。
【0109】
本発明の第3実施形態によるイメージセンサ301,302の製造方法の場合、前述した実施形態によるイメージセンサの製造方法とは異なり、配線構造体140内にキャビティ(図5参照)を形成する過程を含まない。すなわち、キャビティ150がない配線構造体140の上面上に吸湿防止膜162を形成する。
【0110】
以下、図14から図17および図7Aを参照して本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法について説明する。図14から図17は、本発明の第4実施形態によるイメージセンサの製造方法を説明するための中間段階の断面図である。
【0111】
図14を参照して前面FSに隣接した内部に光電変換素子120が形成された基板110を提供し、基板110の前面FS上に多層の金属間絶縁膜140a、140b、140cと多層の金属配線M1、M2を含む配線構造体140を形成する。
【0112】
図15を参照して配線構造体140上に支持基板200を付着させて基板110を支持できるようにする。このとき、図15に示すように、支持基板200の一面上に第1ボンディング層210を形成して配線構造体140上に第2ボンディング層220を形成し、支持基板200と配線構造体140のボンディングが安定的に行われるようにすることができる。例えば、支持基板200および配線構造体140のうちいずれか一つにのみにボンディング層を形成してもよく、多様な方式で配線構造体140上に支持基板200を付着させてもよい。
【0113】
図16を参照して支持基板200が付着した基板110の上下を反転させる。すなわち、基板110の上下部を反転させて光電変換素子120を配線構造体140より上部に位置させる。
【0114】
続いて、支持基板200が付着した基板110の背面BSの一部を除去してもよい。具体的には、エッチング工程、例えば、反応性エッチング工程、または研磨工程、例えば、CMP、BGRなどを利用して基板110の後面BSの一部を除去してもよい。基板110の背面BSの一部を除去し、基板110の厚さを減少させることによって光電変換素子120に入射する光の経路を減少させることができるので、光電変換素子120での光感度を向上させることができる。
【0115】
図17を参照して基板110の背面BSの全面上に背面層間絶縁膜143を形成して背面層間絶縁膜143が形成された基板110の背面BSの全面上に吸湿防止膜163を形成する。
【0116】
背面層間絶縁膜143を形成するものは、基板110の背面BS上にシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などの絶縁物質を蒸着して形成することを含んでもよい。例えば、化学気相蒸着または原子層堆積工程などを利用してもよいが、これに限定されるものではない。また、吸湿防止膜163を形成することは、前述した実施形態と実質的に同一であるため、その具体的な説明は省略する。
【0117】
再び、図7Aを参照すると、背面層間絶縁膜143および吸湿防止膜163が形成された基板110の背面BS上にカラーフィルタ190、平坦化膜192、およびレンズ194を順次に形成してもよい。さらに、図面に図示しないが、レンズ194上に保護膜をさらに形成してもよい。また、カラーフィルタ190の下部に下部平坦化膜をさらに形成してもよい。
【0118】
以下では、図18から図20を利用して本発明の実施形態によるイメージセンサを含むプロセッサ基板装置について説明する。図18は、コンピュータ装置を示し、図19Aおよび図19Bは、カメラ装置を示し、図20は、携帯電話装置を示す。本発明の実施形態によるイメージセンサは、前述した装置以外に他の装置、例えば、スキャナ、機械化された時計装置、ナビゲーション装置、ビデオフォン、監視装置、自動フォーカス装置、追跡装置、動作監視装置、イメージ安定化装置などにも使用できることは自明である。
【0119】
図18を参照すると、コンピュータ装置300はバス305を介して入出力(I/O)素子330とコミュニケーションできるマイクロプロセッサなどのような中央情報処理装置としてのCPU320を含む。イメージセンサ310は、バス305または他の通信リンクを介して装置とコミュニケーションすることができる。また、コンピュータ装置300は、バス305を介してCPU320とコミュニケーションできるRAM340および/またはポート360をさらに含んでもよい。ポート360は、ビデオカード、サウンドカード、メモリカード、USB素子などをカップリングするか、または他の装置とデータを通信できるポートであってもよい。イメージセンサ310は、CPU、デジタル信号処理装置またはマイクロプロセッサなどと共に集積されてもよい。また、メモリが共に集積されてもよい。もちろん場合によってはプロセッサと別個のチップに集積されてもよい。
【0120】
図19Aを参照すると、カメラ装置400はイメージセンサ413が回路基板411上にボンディングワイヤーを介して実装されているイメージセンサパッケージ410を含む。また、回路基板411上にはハウジング420が付着し、ハウジング420は回路基板411およびイメージセンサ413を外部環境から保護する。
【0121】
ハウジング420には撮影しようとする映像が通過する鏡筒部421が形成され、鏡筒部421の外部に向かう外側端部には保護カバー422が設置され、鏡筒部421の内側端部には赤外線遮断および反射防止用のフィルタ423が装着されてもよい。また、鏡筒部421の内部にはレンズ424が装着され、鏡筒部421のねじ山に沿ってレンズ424が移動してもよい。
【0122】
図19Bを参照すると、カメラ装置500は貫通ビア572を利用したイメージセンサパッケージ501を使用する。貫通ビア572を利用すると、ワイヤーボンディングを利用せずともイメージセンサ570と回路基板560が電気的に接続することができる。
【0123】
カメラ装置500は、第1レンズ520、第2レンズ540、およびレンズコンポーネント526、527を備えている。また、カメラ装置500は、支持部505、アパーチャ545、透明基板510、530、およびガラス550を備えている。
【0124】
図20を参照すると、携帯電話システム450の所定位置にイメージセンサ452が付着している。図20に示す位置と異なる部分にイメージセンサ452が付着してもよいことは当業者には自明である。
【0125】
本発明に関するより詳細な内容については次の具体的な実験例により説明し、ここに記載されていない内容は本発明の技術分野の当業者であれば充分に技術的に類推できるものであるため、説明を省略する。
【0126】
<実験1>
参考例の実験では、キャビティを形成した後、キャビティの真上に光透過物質を埋め込んで光案内部を形成したイメージセンサに対し、85%の湿度および85℃の温度に露出した後、センサアレイの飽和レベルを測定した。
本発明の実施形態によるイメージセンサを用いた実験では、キャビティを形成した後、キャビティ上に窒化膜を形成し、窒化膜上に光透過物質を塗布してキャビティを埋め込み、光案内部を形成したイメージセンサに対して85%の湿度および85℃の温度に露出した後、センサアレイの飽和レベルを測定した。
【0127】
実験1の結果を図21Aおよび図21Bに図示する。図21Aは、参考例に該当するイメージセンサが前述の湿度および温度に露出される前(0hr)、168時間(168hr)後、そして500時間(500hr)後に対するセンサアレイの飽和レベルを測定してLSB(least significant bit)で表した値(code単位)である。図21Bは、本発明の実施形態によるイメージセンサが前述の湿度および温度に露出される前、168時間後、そして500時間後にセンサアレイの飽和レベルを測定してLSBで表した値ある。
【0128】
図21Aおよび図21B右側の棒グラフに示すように、参考例に該当するイメージセンサの飽和レベルは、前述した湿度および温度環境に露出される前に比べ、露出168時間後に約100LSBコード程度の飽和劣化が発生したことに対し、本発明の実施形態に該当するイメージセンサの飽和レベルは168時間後および500時間後でも飽和レベルの劣化がほぼ発生しなかった。
【0129】
<実験2>
参考例Aの実験では、キャビティを形成した後、キャビティの真上に光透過物質を埋め込んで光案内部を形成し、出力信号のダークレベルを測定した。
【0130】
参考例Bの実験では、キャビティを形成した後、キャビティ上にプラズマ処理を利用して5000Åの厚さの窒化膜を形成し、窒化膜上に光透過物質を埋め込んで光案内部を形成し、出力信号のダークレベル(dark level、DK level)を測定した。
【0131】
参考例Cの実験では、キャビティを形成した後、キャビティ上にプラズマ処理を利用して4000Åの厚さの窒化膜を形成して窒化膜上に光透過物質を埋め込んで、光案内部を形成して出力信号のダークレベルを測定した。
【0132】
本発明の実施形態によるイメージセンサDを用いた実験では、キャビティを形成した後、キャビティ上に原子層堆積工程を行い、50Åの厚さのアルミニウム酸化膜を形成し、アルミニウム酸化膜上に光透過物質を埋め込んで光案内部を形成して出力信号のダークレベルを測定した。
【0133】
本発明の他の実施形態によるイメージセンサEを用いた実験では、キャビティを形成した後、キャビティ上に原子層堆積工程を行い、100Åの厚さのアルミニウム酸化膜を形成し、アルミニウム酸化膜上に光透過物質を埋め込んで光案内部を形成して出力信号のダークレベルを測定した。
【0134】
実験2の結果を図22に示す。図22は、水平層に沿って記載された値以下のダークレベルを有する累積したチップの比率をグラフで示す。参考例Aの実験結果をa、参考例Bの実験結果をb、参考例Cの実験結果をc、本発明の実施形態によるイメージセンサDを用いた実験結果をd、および本発明の他の実施形態によるイメージセンサEを用いた実験結果をeで示す。図22に示すように、プラズマ処理を利用して窒化膜を形成した参考例Bおよび参考例Cのダークレベルは5mV/secを超える値を有することに比べ、本発明の実施形態によるイメージセンサDおよび本発明の他の実施形態によるイメージセンサEのダークレベルは約2.5mV/sec以下の値を維持することが分かった。
【0135】
参考例Aのダークレベルも本実施形態によるイメージセンサDおよびEと類似のダークレベルが見えたが、前述した実験1からも分かるように、キャビティの真上に光透過物質を形成する場合(実験1での参考例の実験結果)、飽和レベルの劣化が発生した。
【0136】
したがって、参考例B、Cおよび本実施形態によるイメージセンサD、Eのようにキャビティ上に膜質を形成することにより飽和レベルの劣化を防止することができるが、本実施形態によるイメージセンサD、Eは参考例B、Cに比べて低いダークレベルを維持できることが分かった。
【0137】
以上添付された図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明が、その技術的思想や必須の特徴を変更しない範囲で他の具体的な形態で実施され得ることを理解することができる。したがって、上述した実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的でないものとして理解しなければならない。
【符号の説明】
【0138】
101、102、103、201、202、301、302、401、402・・・イメージセンサ、
11、120 ・・・光電変換素子、
110 ・・・基板、
140a、140b、140c ・・・金属間絶縁膜、
150 ・・・キャビティ、
140 ・・・配線構造体、
160、161、162、163・・・吸湿防止膜、
170、171、173 ・・・光案内部、
130、143 ・・・層間絶縁膜、
135 ・・・ゲート構造体、
137 ・・・エッチング停止膜、
M1、M2 ・・・金属配線、
190 ・・・カラーフィルタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子を含む基板と、
前記基板上にあって、一つ以上の金属間絶縁膜を含み、前記光電変換素子に対応して整列され、底面および少なくとも二つの側壁を有するキャビティを形成する配線構造体と、
前記配線構造体の上部表面と前記キャビティの前記底面上および前記少なくとも二つの側壁上とに形成される吸湿防止膜、および前記吸湿防止膜上の光案内部であって、前記キャビティを埋め込む光透過物質を含み、
前記吸湿防止膜は、前記キャビティの前記底面、前記少なくとも二つの側壁、および複数の前記金属間絶縁膜の上面に沿って同一の厚さを有するイメージセンサ。
【請求項2】
前記吸湿防止膜は、アルミニウム酸化膜、またはチタン酸化膜を含む請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記吸湿防止膜の厚さは、1Åから2000Åまでの範囲である請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記吸湿防止膜は、原子層堆積(Atomic Layer Deposition)工程によって形成された請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記光透過物質は、前記配線構造体の最上部にある金属間絶縁膜の上面上に延長して形成された請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記配線構造体と前記基板との間に配置された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜内部に配置され、多層の金属配線と電気的に接続されたゲート構造体、および前記配線構造体上に配置されたエッチング停止膜をさらに含み、
前記キャビティは、前記エッチング停止膜と前記層間絶縁膜との一部を貫く請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記多層の金属配線は、多層の銅配線であり、前記配線構造体は、前記多層の金属間絶縁膜の間に各々配置された拡散防止膜をさらに含み、前記キャビティは、前記拡散防止膜を含む前記配線構造体を貫く請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
光電変換素子を含む基板と、
前記基板上にあって、一つ以上の金属間絶縁膜を含み、前記光電変換素子に対応して整列され、底面および少なくとも二つの側壁を有するキャビティを形成する配線構造体と、
前記配線構造体と前記基板との間にあって、一つ以上の金属配線と電気的に接続されたゲート構造体を含む層間絶縁膜と、
前記配線構造体の前記基板全面上に形成される吸湿防止膜、および前記吸湿防止膜上に形成されるカラーフィルタを含むイメージセンサ。
【請求項9】
請求項8に記載の前記光電変換素子に対応して前記配線構造体を貫くキャビティ、および前記キャビティを埋め込み、前記配線構造体と前記吸湿防止層との間に延長して形成された光透過物質を含む光案内部をさらに含み、
前記光透過物質は、前記多層の金属間絶縁膜より屈折率が大きい高屈折率物質である請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記配線構造体と前記層間絶縁膜の間に配置されたエッチング停止膜をさらに含み、
前記キャビティは、前記エッチング停止膜と前記層間絶縁膜との一部を貫く請求項9に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記吸湿防止膜は、原子層堆積(Atomic Layer Deposition)工程によって形成された請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
前記吸湿防止膜は、アルミニウム酸化膜、またはチタン酸化膜を含む請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項13】
前記吸湿防止膜の厚さは、1Åから2000Åまでの範囲である請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項14】
第1表面に隣接して光電変換素子を含む基板と、
前記第1表面上にあって、一つ以上の金属間絶縁膜と前記一つ以上の金属間絶縁膜内の一つ以上の金属配線を含む配線構造体と、
前記基板の第2表面上にあって、前記第2表面は前記基板の前記第1表面の反対側である背面層間絶縁膜と、
前記背面層間絶縁膜上の吸湿防止膜、および前記吸湿防止膜上にあって前記光電変換素子に対応して整列されたカラーフィルタを含むイメージセンサ。
【請求項15】
前記吸湿防止膜は、アルミニウム酸化膜、またはチタン酸化膜を含む請求項14に記載のイメージセンサ。
【請求項16】
前記吸湿防止膜の厚さは、1Åから2000Åまでの範囲である請求項14に記載のイメージセンサ。
【請求項1】
光電変換素子を含む基板と、
前記基板上にあって、一つ以上の金属間絶縁膜を含み、前記光電変換素子に対応して整列され、底面および少なくとも二つの側壁を有するキャビティを形成する配線構造体と、
前記配線構造体の上部表面と前記キャビティの前記底面上および前記少なくとも二つの側壁上とに形成される吸湿防止膜、および前記吸湿防止膜上の光案内部であって、前記キャビティを埋め込む光透過物質を含み、
前記吸湿防止膜は、前記キャビティの前記底面、前記少なくとも二つの側壁、および複数の前記金属間絶縁膜の上面に沿って同一の厚さを有するイメージセンサ。
【請求項2】
前記吸湿防止膜は、アルミニウム酸化膜、またはチタン酸化膜を含む請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記吸湿防止膜の厚さは、1Åから2000Åまでの範囲である請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記吸湿防止膜は、原子層堆積(Atomic Layer Deposition)工程によって形成された請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記光透過物質は、前記配線構造体の最上部にある金属間絶縁膜の上面上に延長して形成された請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記配線構造体と前記基板との間に配置された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜内部に配置され、多層の金属配線と電気的に接続されたゲート構造体、および前記配線構造体上に配置されたエッチング停止膜をさらに含み、
前記キャビティは、前記エッチング停止膜と前記層間絶縁膜との一部を貫く請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記多層の金属配線は、多層の銅配線であり、前記配線構造体は、前記多層の金属間絶縁膜の間に各々配置された拡散防止膜をさらに含み、前記キャビティは、前記拡散防止膜を含む前記配線構造体を貫く請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
光電変換素子を含む基板と、
前記基板上にあって、一つ以上の金属間絶縁膜を含み、前記光電変換素子に対応して整列され、底面および少なくとも二つの側壁を有するキャビティを形成する配線構造体と、
前記配線構造体と前記基板との間にあって、一つ以上の金属配線と電気的に接続されたゲート構造体を含む層間絶縁膜と、
前記配線構造体の前記基板全面上に形成される吸湿防止膜、および前記吸湿防止膜上に形成されるカラーフィルタを含むイメージセンサ。
【請求項9】
請求項8に記載の前記光電変換素子に対応して前記配線構造体を貫くキャビティ、および前記キャビティを埋め込み、前記配線構造体と前記吸湿防止層との間に延長して形成された光透過物質を含む光案内部をさらに含み、
前記光透過物質は、前記多層の金属間絶縁膜より屈折率が大きい高屈折率物質である請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記配線構造体と前記層間絶縁膜の間に配置されたエッチング停止膜をさらに含み、
前記キャビティは、前記エッチング停止膜と前記層間絶縁膜との一部を貫く請求項9に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記吸湿防止膜は、原子層堆積(Atomic Layer Deposition)工程によって形成された請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
前記吸湿防止膜は、アルミニウム酸化膜、またはチタン酸化膜を含む請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項13】
前記吸湿防止膜の厚さは、1Åから2000Åまでの範囲である請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項14】
第1表面に隣接して光電変換素子を含む基板と、
前記第1表面上にあって、一つ以上の金属間絶縁膜と前記一つ以上の金属間絶縁膜内の一つ以上の金属配線を含む配線構造体と、
前記基板の第2表面上にあって、前記第2表面は前記基板の前記第1表面の反対側である背面層間絶縁膜と、
前記背面層間絶縁膜上の吸湿防止膜、および前記吸湿防止膜上にあって前記光電変換素子に対応して整列されたカラーフィルタを含むイメージセンサ。
【請求項15】
前記吸湿防止膜は、アルミニウム酸化膜、またはチタン酸化膜を含む請求項14に記載のイメージセンサ。
【請求項16】
前記吸湿防止膜の厚さは、1Åから2000Åまでの範囲である請求項14に記載のイメージセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【公開番号】特開2011−139073(P2011−139073A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294435(P2010−294435)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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