インサイドペイント塗布方法及びインサイドペイント塗布装置
【課題】多種多様なローカバーに対する、塗布ムラや塗布不良のないインサイドペイント塗布方法および塗布装置を提供する。
【解決手段】ローカバー情報識別工程Ｓ１と、ローカバー情報に対応するサイズデータ取り込み工程Ｓ２と、サイズデータをチェーンコンベアのチェーンコンベア幅のチェーンデータに変換するチェーンデータ変換工程Ｓ３と、チェーンコンベア調整工程Ｓ４と、ローカバー停止位置設定工程Ｓ５と、ローカバーをインサイドペイント塗布エリアに搬送すると共に、ローカバー停止位置にローカバーを停止させるローカバー搬送・停止工程Ｓ６と、スプレーガンの高さ位置を設定するスプレーガン位置設定工程Ｓ７と、スプレーガンの位置を調整するスプレーガン位置調整工程Ｓ８と、スプレーガン７よりインサイドペイントを吐出させてローカバーの内面に塗布するインサイドペイント塗布工程Ｓ９とを有するインサイドペイント塗布方法および塗布装置。
【解決手段】ローカバー情報識別工程Ｓ１と、ローカバー情報に対応するサイズデータ取り込み工程Ｓ２と、サイズデータをチェーンコンベアのチェーンコンベア幅のチェーンデータに変換するチェーンデータ変換工程Ｓ３と、チェーンコンベア調整工程Ｓ４と、ローカバー停止位置設定工程Ｓ５と、ローカバーをインサイドペイント塗布エリアに搬送すると共に、ローカバー停止位置にローカバーを停止させるローカバー搬送・停止工程Ｓ６と、スプレーガンの高さ位置を設定するスプレーガン位置設定工程Ｓ７と、スプレーガンの位置を調整するスプレーガン位置調整工程Ｓ８と、スプレーガン７よりインサイドペイントを吐出させてローカバーの内面に塗布するインサイドペイント塗布工程Ｓ９とを有するインサイドペイント塗布方法および塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ローカバーの内面にインサイドペイントを塗布するインサイドペイント塗布方法及びそれに用いるインサイドペイント塗布装置に関し、特にペイント塗布不良の発生を改善したインサイドペイント塗布方法及びインサイドペイント塗布装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、タイヤを加硫成形するに際しては、ローカバー（ゴムが未加硫かつトレッド部にタイヤ溝が未形成の状態のもので、生タイヤ又はグリーンタイヤとも称される）は、その内側にブラダーが押圧接触され、外側に金型が接触された状態で加硫される。この加硫成形の際、ローカバーとブラダー間に空気が残り易く、ベアーが発生するおそれがあり、そのため、加硫成形前のローカバーの内面に離型剤等のインサイドペイントを塗布する。
【０００３】
ローカバーにインサイドペイントを塗布する装置としては、一般的に横倒しにされたローカバーの内側にスプレーガンを配置して塗布するスプレーガンを用いた塗布装置が用いられる（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
従来のインサイドペイント塗布装置の一例を図８に示す。図８は、従来のインサイドペイント塗布装置の概略構成を示す側面図である。従来のインサイドペイント塗布装置は、スプレーガン１０１、スプレーガン１０１の昇降装置１０２、回動部１０３、連結部１０４、図示しないローカバーの搬送装置およびローカバーのサイズを検出する検出装置（図示せず）等から構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平１０−５６５６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、従来のインサイドペイント塗布装置は、ローカバーのサイズを大まかに分け、それに基づいてローカバーの停止位置を調整し、スプレーガンの鉛直方向の位置を調整する方法であった。具体的には、ローカバーのサイズを検出する検出装置は、ローカバーの直径を例えば大中小の３段階に分けて検出し、ローカバーの幅については例えば大小の２段階に分けて検出する。そして、インサイドペイントの塗布に際して、ローカバー搬送装置は、前記大中小の３段階に分けられた直径に関する検出結果に基づいて搬送を停止する。また、昇降装置１０２は前記大小の２段階に分けられた幅に関する検出結果に基づいてスプレーガン１０１の鉛直方向の位置を調節し、塗布を行っている。しかし、このようなインサイドペイント塗布装置では、多種多様なローカバーに対してスプレーガンの位置をきめ細かく適切な位置に設定することができないため、塗布ムラやローカバーの外面に塗布する等の塗布不良が発生する恐れがあった。
【０００７】
図９は、このような塗布不良の様子を説明する図である。（ａ）は大サイズのローカバー１１１についてインサイドペイントを塗布する場合にも拘わらず、スプレーガン１０１の位置を小サイズのローカバー１１２の場合の位置に合わせた場合である。（ｂ）は逆に小サイズのローカバー１１２についてインサイドペイントを塗布する場合にも拘わらず、スプレーガン１０１の位置を大サイズのローカバー１１１の場合に合わせた場合である。
【０００８】
（ａ）の場合、スプレーガン１０１からのインサイドペイントは直線の三角形の部分に吐出されるだけで、上側の斜線の部分にはインサイドペイントが塗布されず、塗布ムラが発生する。
【０００９】
また、（ｂ）の場合は、スプレーガン１０１から吐出されたインサイドペイントは上側の斜線部分に霧状に飛散し、小サイズのローカバー１１２の表面にインサイドペイントが付着し、ローカバー１１２がスクラップとなってしまう。
【００１０】
このため、本発明は、多種多様なローカバーに対するインサイドペイントの塗布において、塗布ムラや塗布不良が発生する恐れのないインサイドペイント塗布方法および塗布装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明に係るインサイドペイント方法は、
チェーンコンベアにより横倒しの状態で水平方向に搬送されるローカバーの内面に、鉛直方向の位置調整が可能なスプレーガンを備えるインサイドペイント装置によってインサイドペイントを塗布するインサイドペイント塗布方法であって、
前記インサイドペイント装置の待機位置に搬入された前記ローカバーのサイズおよび形状を特定するローカバー情報を識別するローカバー情報識別工程と、
予め記憶されている各種ローカバーのローカバー情報毎のサイズデータから、前記ローカバー情報識別工程により識別されたローカバー情報に対応する１対のビード間の距離、ビード径、ローカバー外径に関するサイズデータを取り込むサイズデータ取り込み工程と、
前記サイズデータ取り込み工程により取り込まれたサイズデータを前記チェーンコンベアのチェーンコンベア幅のチェーンデータに変換するチェーンデータ変換工程と、
前記インサイドペイント装置のチェーンコンベア幅を、前記チェーンデータ変換工程により得られたチェーンデータに基づいて調整するチェーンコンベア調整工程と、
前記サイズデータに基づいてローカバー停止位置を設定するローカバー停止位置設定工程と、
前記ローカバーをインサイドペイント塗布エリアに搬送すると共に、前記ローカバー停止位置設定工程により設定された前記ローカバー停止位置に前記ローカバーを停止させるローカバー搬送・停止工程と、
前記サイズデータに基づいて前記スプレーガンの高さ位置を設定するスプレーガン位置設定工程と、
前記スプレーガン位置設定工程により設定されたスプレーガン高さ位置に前記スプレーガンの位置を調整するスプレーガン位置調整工程と、
前記スプレーガン位置調整工程により位置調整された前記スプレーガンよりインサイドペイントを吐出させてローカバーの内面に塗布するインサイドペイント塗布工程とを有することを特徴とする。
【００１２】
また、本発明に係るインサイドペイント塗布装置は、
ローカバーを横倒しの状態で水平方向に搬送するチェーンコンベアとスプレーガンおよび前記スプレーガンを鉛直方向に昇降させる昇降装置を備えるインサイドペイント塗布装置であって、
前記インサイドペイント装置の待機位置に搬入された前記ローカバーのサイズおよび形状を特定するローカバー情報を識別するローカバー情報識別手段と、
予め記憶されている各種ローカバーのローカバー情報毎のサイズデータから、前記ローカバー情報識別手段により識別されたローカバー情報に対応する１対のビード間の距離、ビード径、ローカバー外径に関するサイズデータを取り込むサイズデータ取り込み手段と、
前記サイズデータ取り込み手段により取り込まれたサイズデータを前記チェーンコンベアのチェーンコンベア幅のチェーンデータに変換するチェーンデータ変換手段と、
前記インサイドペイント装置のチェーンコンベア幅を、前記チェーンデータ変換手段により得られたチェーンデータに基づいて調整するチェーンコンベア調整手段と、
前記サイズデータに基づいてローカバー停止位置を設定するローカバー停止位置設定手段と、
前記ローカバーをインサイドペイント塗布エリアに搬送すると共に、前記ローカバー停止位置設定手段により設定された前記ローカバー停止位置に前記ローカバーを停止させるローカバー搬送・停止手段と、
前記サイズデータに基づいて前記スプレーガンの高さ位置を設定するスプレーガン位置設定手段と、
前記スプレーガン位置設定手段により設定されたスプレーガン高さ位置に前記スプレーガンの位置を調整するスプレーガン位置調整手段と、
前記スプレーガン位置調整手段により位置調整された前記スプレーガンよりインサイドペイントを吐出させてローカバーの内面に塗布するインサイドペイント塗布手段とを有することを特徴とする。
【００１３】
さらに、本発明に係るインサイドペイント塗布装置は、
前記昇降装置がモーター駆動式であることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、多種多様なローカバーに対するインサイドペイント塗布において、塗布ムラや塗布不良が発生する恐れのないインサイドペイント塗布方法および塗布装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の一実施の形態に係るインサイドペイント塗布装置の主要部の概略を概念的に示す斜視図である。
【図２】本発明の一実施の形態に係るインサイドペイント塗布装置の主要部を示す側面図である。
【図３】本発明の一実施の形態に係るインサイドペイント塗布装置を制御する塗布制御装置のブロック図である。
【図４】各種ローカバーのサイズ、形状を模式的に示す図である。
【図５】側面から見たときの形状が異なる２種類のローカバーのそれぞれについて１対のビード間の距離（ビードｔｏビード）トレッド幅、外径、ビード径を説明する図である。
【図６】ローカバーの寸法・形状等のローカバー情報の例を説明する図である。
【図７】本発明の一実施の形態に係るインサイドペイント塗布方法を示すフローチャートである。
【図８】従来のインサイドペイント塗布装置の概略構成を示す側面図である。
【図９】従来のインサイドペイント塗布における塗布不良の様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【００１７】
１．インサイドペイント塗布装置の主要部の構成
（１）インサイドペイント塗布装置の全体概略
図１は、本実施の形態のインサイドペイント塗布装置の主要部の概略を概念的に示す斜視図である。
【００１８】
本実施の形態のインサイドペイント塗布装置の主要部は、ベルトコンベア２１、チェーンコンベア８、スプレーガン７、スプレーガン７を昇降させる昇降装置５０およびこれらを駆動、制御する図外の各種の駆動装置、制御装置により構成される。
【００１９】
ベルトコンベア２１により搬送されてきたローカバーＴ０は、バーコード読取装置（図示せず）によりローカバーＴ０の表面に設けられたバーコード１６０が読み取られた後、チェーンコンベア８上に乗り移り、チェーンコンベア８により搬送が継続され、バーコード読取装置で読み取られた情報に基づいて設定された所定の位置でチェーンコンベア８による搬送が停止される。
【００２０】
次に、チェーンコンベア８の下方に設けられた昇降装置５０（図示せず）より、スプレーガン７が上昇し、バーコード読取装置で読み取られた情報に基づいてローカバーＴ０の中心の位置においてスプレーガン７の上昇が停止する。その後、スプレーガン７からインサイドペイントが吐出され、ローカバーＴ０の内面に塗布される。
【００２１】
インサイドペイントの塗布が終了した後、スプレーガン７が下降し、ローカバーＴ０は再びチェーンコンベア８により搬送され、さらにベルトコンベア２１に乗り移り、次工程に搬送される。
【００２２】
（２）ローカバー搬送機構およびスプレーガン駆動機構
次に、本実施の形態におけるローカバー搬送機構およびスプレーガン駆動機構を説明する。
【００２３】
図２は、本実施の形態のインサイドペイント塗布装置の主要部を示す側面図である。
【００２４】
イ．ローカバー搬送機構
図２において、１はインサイドペイント塗布装置全体を制御するコントローラであり、５はスプレーガン駆動機構であり、７はスプレーガンであり、８はチェーンコンベアであり、Ｔ０はインサイドペイント塗布中のローカバーである。なお、図面が煩雑になるのを避けるため、チェーンコンベアの一部の図示を省略している。
【００２５】
インサイドペイント装置には平行に懸架された２本のチェーンを備えるチェーンコンベア８が設けられている。チェーンコンベア８の幅は、インサイドペイント塗布装置の待機位置（図示せず）に搬入されたローカバーのサイズによって調整され、ローカバーは、チェーンコンベア８に載置されてインサイドペイント塗布エリアに搬送され、インサイドペイントの塗布に最適な位置、具体的にはローカバーＴ０の中心がスプレーガン７の直上となる位置で停止される。
【００２６】
ロ．スプレーガン駆動機構
スプレーガン駆動機構５は、スプレーガンモータ５１、エンコーダ５２、スプレーガンモータ５１と可動部材５４を連結する駆動連結機構５３、案内部材５５等からなる昇降装置５０を備えており、さらに、インサイドペイント等の通路が設けられている供給部５６が取り付けられ、駆動連結機構５３は支持部材５７に固定されている。
【００２７】
上記の通り、本実施の形態におけるスプレーガン駆動機構５には、スプレーガンモータ５１が採用されており、エンコーダ５２から送られてくる移動情報に応じてスプレーガンモータ５１が駆動制御され、スプレーガン７をインサイドペイントの塗布に最適な位置、具体的にはスプレーガンのノズルがローカバーＴ０の幅の中心に停止させる。このようなスプレーガンモータ５１としてはステッピングモータ、パルスモータ、サーボモータ等の精密調整が可能なものが好ましい。
【００２８】
駆動連結機構５３はスプレーガンモータ５１の回転運動をスプレーガンの上下の運動に変換する部分で、ベルト、歯車伝動部材等から構成されている。スプレーガンモータ５１を駆動して上下方向の直線動を可動部材５４に伝え、可動部材５４を案内部材５５で案内して昇降させる。また、可動部材５４は回動してその上部に固定されたスプレーガン７を回動させ、ローカバーの内面全体にインサイドペイントが塗布されるようにされている。
【００２９】
供給部５６には図示していない、インサイドペイント供給管、エア供給管などが接続されている。これらの供給管は昇降動や回動しないで静止しているように、供給部５６はロータリージョイントなどを有している。
【００３０】
本実施の形態のインサイドペイント塗布装置では、ローカバーやスプレーガンの停止位置が２〜３段階にのみ固定されているのではなく、ローカバーのサイズデータに応じて、ローカバーおよびスプレーガンの停止位置をきめ細かく調整し、ローカバーおよびスプレーガンをインサイドペイントの塗布に最適な位置に停止させて塗布を行うことができるように構成されている。
【００３１】
また、前記のように、モータ駆動式の昇降装置５０を用いてスプレーガンを昇降させるため、スプレーガンの停止位置をシリンダ駆動式に比べてより一層きめ細かく調節することができる。
【００３２】
２．制御装置
（１）制御装置の構成
前記のように本実施の形態では、タイヤのサイズデータに応じてチェーンコンベア幅、ローカバー停止位置、スプレーガン停止位置などを設定し制御する。このような制御は制御装置により行われるため、ここで本実施の形態のサイドペイント塗布装置の制御装置の構成と動作について説明する。図３は、本発明の一実施の形態に係るインサイドペイント塗布装置を制御する制御装置のブロック図である。
【００３３】
本実施の形態の制御装置は、図３に示すように、インサイドペイントの塗布を制御するコントローラ１を備えている。コントローラ１は、中央処理装置であるＣＰＵ１１や、メモリ１２や、演算部１３や、コンベア制御部１４や、スプレーガン制御部１５や、ポンプ制御部１６等を備えている。
【００３４】
そして、コントローラ１には、各種ローカバーについてローカバーのサイズおよび形状を特定するローカバー情報（例えば品番）や、所定の設定値等の種々のデータをデータベースとして予め入力するための入力手段２、バーコードもしくはその他の方法でローカバーの表面に表示されたローカバー情報を読み取るセンサおよびローカバーが所定の位置を通過したことを検出する検出センサ３が接続されている。
【００３５】
また、コンベア制御部１４には、２本のチェーンを平行移動させてチェーンコンベア幅を調整し、チェーンコンベアを駆動するコンベアモータ４１およびコンベアの駆動を制御するエンコーダ４２を備えるコンベア駆動機構４が接続されており、スプレーガン制御部１５にはスプレーガンを昇降させるスプレーガンモータ５１、スプレーガンモータ５１の駆動を制御するエンコーダ５２が設けられた昇降装置５０を備え、スプレーガンを駆動させるスプレーガン駆動機構５が接続されており、ポンプ制御部１６には、インサイドペイントを吐出させるポンプ６等が接続されている。
【００３６】
（２）制御装置の動作
コントローラ１のＣＰＵ１１は、ローカバー情報や、メモリ１２への所定の設定値等の種々のデータの取り込みや読み出しの制御や、演算部１３や、コンベア制御部１４、スプレーガン制御部１５、ポンプ制御部１６等の制御部の制御を行う。
【００３７】
入力手段２は、キーボード等を備え、各種ローカバーについて例えば品番毎に１対のビード間の距離（ビードｔｏビードの距離）、ビード径、ローカバー外径等のサイズデータを予め入力する。これらのサイズデータ等は、ローカバーおよびスプレーガンを最適の塗布位置に停止させるために必要なデータである。これらのサイズデータ等はコントローラ１に取り込み、データベースとしてメモリ１２に記憶させておく。
【００３８】
演算部１３では、検出センサ３から入力される信号に基づいて種々の演算処理を行う。まず、読み込まれたローカバー情報に基づいてローカバーの品番を識別（ローカバー情報識別工程）する。次に、識別されたローカバー情報に対応したローカバーの１対のビード間の距離、ビード径、ローカバー外径等のサイズデータをメモリ１２に記録したデータベースから取り込む（サイズデータ取り込み工程）。次に、取り込まれたサイズデータをチェーンコンベア幅に変換する（チェーンデータ変換工程）。そして、サイズデータをコンベア制御部１４およびスプレーガン制御部１５に送信し、チェーンデータをコンベア制御部１４に送信する。
【００３９】
コンベア制御部１４は送信されたチェーンコンベア幅に基づいて塗布エリアのチェーンコンベアの開閉位置をモータ駆動により調整する（チェーンコンベア調整工程）。また、コンベア制御部１４にはインサイドペイント塗布装置側に装着されたコンベア駆動機構４が接続されており、コンベア駆動機構４に設けられたコンベアモータ４１の駆動および停止を制御する。コンベアモータ４１の駆動によりチェーンコンベア上を搬送中のローカバーが所定の位置を通過したことを検出した通過信号はコンベア制御部１４に送信される。コンベア駆動機構４には、エンコーダ４２が設けられており、エンコーダ４２は、演算部１３から受信した演算結果に基づいてローカバーの停止位置を設定し（ローカバー停止位置設定工程）、設定されたローカバーの停止位置と前記通過信号に基づいて、チェーンコンベアの停止時刻を定める。コンベア制御部１４は、定められた停止時刻にコンベアモータ４１を停止させ、ローカバーを所定の位置に停止させる（ローカバー搬送・停止工程）。
【００４０】
スプレーガン制御部１５には、インサイドペイント塗布装置側に装着されたスプレーガン駆動機構５が接続されており、スプレーガン駆動機構５に設けられた昇降装置５０のスプレーガンモータ５１を駆動する。昇降装置５０には、エンコーダ５２が設けられており、エンコーダ５２は、演算部１３から受信したサイズデータに基づいてスプレーガンの高さ位置を設定する（スプレーガン位置設定工程）。スプレーガン制御部１５は、スプレーガンモータ５１を駆動させてスプレーガンを昇降させ、スプレーガンを所定の位置に停止させる（スプレーガン位置調整工程）。
【００４１】
ポンプ制御部１６は、スプレーガンにインサイドペイントを供給するポンプ６のＯＮ−ＯＦＦ、ペイントの吐出量等を制御する（インサイドペイント塗布工程）。
【００４２】
３．インサイドペイント塗布の手順
本実施の形態では、種々のサイズ、形状のローカバーを対象としてインサイドペイントを行う。はじめに、本実施の形態をより理解し易くするため、ローカバーのサイズ、形状について一例を示す。図４は、各種ローカバーのサイズ、形状を模式的示す図であり、（ａ）、（ｂ）、（ｃ）はそれぞれ大サイズ、中サイズ、小サイズを示す図であり、上段および下段の図は側面図、中段の図は平面図である。中段及び下段の○はそれぞれローカバーの中心（ローカバー円の中心）および幅の中心を示している。
【００４３】
図５は、側面から見たときの形状が異なる２種類のローカバーのそれぞれについて１対のビード間の距離（ビードｔｏビード）トレッド幅、外径、ビード径を説明する図である。
【００４４】
次に、上記した構成の制御装置を備えるインサイドペイント塗布装置を用いた、ローカバーのインサイドペイント塗布の手順を図６および図７により説明する。
【００４５】
図６は、ローカバーの寸法・形状等ローカバー情報の例を説明する図であり、（ａ）はローカバーの側面図であり、（ｂ）は平面図である。図７は、ローカバーの内面にインサイドペイントを塗布する方法のフローチャートである。図６において、Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３はそれぞれ（１）、（２）、（３）のタイヤの品番（工場品番）であり、ローカバーの表面の所定の位置に例えばバーコードとして表示されている。
【００４６】
（１）ローカバー情報の識別
まず、ローカバー情報読み込み工程Ｓ０（図７）において、インサイドペイント装置の待機位置に搬入されたローカバーの表面に例えばバーコードなどで表示されているローカバー情報を読み込む。
（２）ローカバー情報の識別
ローカバー情報識別工程Ｓ１で、読み込まれたローカバー情報から搬入されたタイヤの品番などを識別する。
【００４７】
（３）サイズデータの取り込み
次に、サイズデータ取り込み工程Ｓ２において、予め入力された各品番毎のローカバーのサイズに関するデータベースの中から、識別された品番のサイズデータを取り込む。例えば図６の（１）、即ち品番Ｔ１のローカバーの場合について説明すると、上下１対のビード間の距離、即ち図６（ａ）の上下のＴｂ１間の距離と、ビード径、即ち図６（ｂ）のｂＤ１およびローカバー外径、即ち図６（ｂ）の２×Ｒ１を取り込む。なお、以下においても図６（１）の品番Ｔ１のローカバーの場合を例として記載する。
【００４８】
（４）チェーンデータ変換
取り込まれたサイズデータをチェーンデータ変換工程Ｓ３においてチェーンコンベア幅、即ち図６（ａ）のＷ１に変換する。具体的には、チェーンコンベア幅に関しては取り込まれたビード径ｂＤ１とローカバー外形２×Ｒ１からチェーンコンベア幅＝（ビード径ｂＤ１＋ローカバー外形２×Ｒ１）／２の関係式によりチェーンコンベア幅に変換される。なお、チェーン高さＨｃは、固定されている。
【００４９】
（５）チェーンコンベアの調整
チェーンコンベア８（図２参照）のチェーンコンベア幅は、チェーンコンベア調整工程Ｓ４でコンベア駆動機構（図２参照）によりチェーンデータ変換で得られたチェーンデータに合わせて調整される。
【００５０】
（６）ローカバー停止位置の設定
ローカバー停止位置設定工程Ｓ５において、読み込まれたサイズデータに基づいてローカバーの停止位置を設定する。具体的には、図６（ｂ）においてローカバーのセンターＣ１１がスプレーガン（図示せず）の昇降位置と重なるようにローカバーの停止位置を設定する。
【００５１】
このように、本実施の形態においては、ローカバーの品番を識別し、ローカバー停止位置を識別されたローカバーのサイズデータに基づいてきめ細かく設定する。
【００５２】
（７）ローカバーの搬送・停止
ローカバーの搬送・停止工程Ｓ６においてローカバーは待機位置から塗布エリアに向かってチェーンコンベア８に載置されて搬送される。この際、チェーンコンベアの幅がローカバーのサイズに応じて調整されているため、ローカバーの中心は、ほぼ２本のチェーンの間隔の中心に重なるように載置することができる。このため、ローカバーのサイズが変わってもローカバーの円の中心がほぼ一定の位置、即ち、２本のチェーンの間隔の中心を通過するように搬送することができる。
【００５３】
そして、ローカバーの搬送方向において前記スプレーガンの中心から所定の距離、例えばＬｍｍ（図示せず）手前、即ち上流側に光電管などのセンサを設置しておき、ローカバーの前端（搬送方向の先端）がセンサ設置位置を通過したことを検出する。
【００５４】
そして、ローカバーの通過検出後、前記所定の距離Ｌｍｍと搬送速度（Ｖｍｍ／ｓｅｃ）およびローカバーの半径、即ち図６のＲ１（ｍｍ）に基づき（Ｌ（ｍｍ）＋Ｒ１）／Ｖ（ｍｍ／ｓｅｃ）後にローカバーの搬送を停止し、ローカバーを前記ローカバーの停止位置（例えば、図６（ｂ）のＣ１１）に停止させる。前記したように、ローカバーの円の中心は一定の位置を通過するため、搬送方向の位置を設定するだけでローカバーの円の中心を一定の位置、即ちスプレーガンの昇降位置に重なるように停止させることができる。
【００５５】
（９）スプレーガン位置設定
スプレーガン位置設定工程Ｓ７において前記識別されたローカバーのサイズデータに基づいてスプレーガンの高さ位置を設定する。具体的には、スプレーガンのノズルの高さが、ローカバーの幅方向の中心（例えば、図６（ａ）のＣ１等）に位置するようにスプレーガンの高さ位置を設定する。（Ｓ７）
【００５６】
（１０）スプレーガンの位置調整
次いで、スプレーガンの位置調整工程Ｓ８においてモータ駆動式の昇降装置５０を用いてスプレーガンを上昇させて、スプレーガンの高さ位置が設定された位置になるように位置調整を行う。
【００５７】
このように、本実施の形態においては、スプレーガンの高さ位置を識別されたローカバーのサイズデータとチェーンデータに基づいてきめ細かく設定する。
【００５８】
（１１）インサイドペイントの塗布、塗布終了後の搬送
そして、インサイドペイント塗布工程Ｓ９においてポンプを作動してインサイドペイントをローカバーの内面にスプレー塗布し、その後、スプレーガン下降工程Ｓ１０においてスプレーガンを下降させ、次いで、ローカバー搬送工程Ｓ１１においてローカバーを塗布位置から搬送し、次のローカバーの塗布に移る。
【００５９】
本発明に係るインサイドペイント塗布方法および塗布装置によれば、ローカバー情報に基づいてローカバーの停止位置およびスプレーガンの鉛直方向の位置をきめ細かく設定するため、多種多様なローカバーに対しても塗布ムラや塗布不良を発生させることなくインサイドペイントを塗布することができる。この結果、重不良、軽不良などの不良発生や補修等に要する工数を低減することができる。また、ブラダーやインサイドペイントなど補助消耗材の消費量を低減することができる。また、スプレーガンをモータ駆動式の昇降装置により昇降させて位置を調整するため、きめ細かく位置を調整することができる。その結果、より一層塗布ムラのない良好な塗布を行うことができる。また、従来のシリンダ駆動式に比べて消費エネルギーを節約することができる。
【符号の説明】
【００６０】
１ コントローラ
２ 入力手段
３ 検出センサ
４ コンベア駆動機構
５ スプレーガン駆動機構
６ ポンプ
７、１０１ スプレーガン
８、１１３ チェーンコンベア
１１ ＣＰＵ
１２ メモリ
１３ 演算部
１４ コンベア制御部
１５ スプレーガン制御部
１６ ポンプ制御部
２１ ベルトコンベア
４１ コンベアモータ
４２、５２ エンコーダ
５０、１０２ 昇降装置
５１ スプレーガンモータ
５３ 駆動連結機構
５４ 可動部材
５５ 案内部材
５６ 供給部
５７ 支持部材
１０３ 回動部
１０４ 連結部
１１１ 大サイズのローカバー
１１２ 小サイズのローカバー
１１３ チェーン
１６０ バーコード
ｂＤ１、ｂＤ２、ｂＤ３ ビード径
Ｃ１、Ｃ２、Ｃ３ スプレーガン停止位置
Ｃ１１、Ｃ２１、Ｃ３１ コンベア停止位置
ｈ１、ｈ２、ｈ３ スプレーガン高さ
Ｈｃ チェーン高さ
Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３ ローカバー外径／２
Ｔ０ ロカバー
Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３ ローカバーの品番
Ｔｂ１ ビード
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ローカバーの内面にインサイドペイントを塗布するインサイドペイント塗布方法及びそれに用いるインサイドペイント塗布装置に関し、特にペイント塗布不良の発生を改善したインサイドペイント塗布方法及びインサイドペイント塗布装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、タイヤを加硫成形するに際しては、ローカバー（ゴムが未加硫かつトレッド部にタイヤ溝が未形成の状態のもので、生タイヤ又はグリーンタイヤとも称される）は、その内側にブラダーが押圧接触され、外側に金型が接触された状態で加硫される。この加硫成形の際、ローカバーとブラダー間に空気が残り易く、ベアーが発生するおそれがあり、そのため、加硫成形前のローカバーの内面に離型剤等のインサイドペイントを塗布する。
【０００３】
ローカバーにインサイドペイントを塗布する装置としては、一般的に横倒しにされたローカバーの内側にスプレーガンを配置して塗布するスプレーガンを用いた塗布装置が用いられる（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
従来のインサイドペイント塗布装置の一例を図８に示す。図８は、従来のインサイドペイント塗布装置の概略構成を示す側面図である。従来のインサイドペイント塗布装置は、スプレーガン１０１、スプレーガン１０１の昇降装置１０２、回動部１０３、連結部１０４、図示しないローカバーの搬送装置およびローカバーのサイズを検出する検出装置（図示せず）等から構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平１０−５６５６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、従来のインサイドペイント塗布装置は、ローカバーのサイズを大まかに分け、それに基づいてローカバーの停止位置を調整し、スプレーガンの鉛直方向の位置を調整する方法であった。具体的には、ローカバーのサイズを検出する検出装置は、ローカバーの直径を例えば大中小の３段階に分けて検出し、ローカバーの幅については例えば大小の２段階に分けて検出する。そして、インサイドペイントの塗布に際して、ローカバー搬送装置は、前記大中小の３段階に分けられた直径に関する検出結果に基づいて搬送を停止する。また、昇降装置１０２は前記大小の２段階に分けられた幅に関する検出結果に基づいてスプレーガン１０１の鉛直方向の位置を調節し、塗布を行っている。しかし、このようなインサイドペイント塗布装置では、多種多様なローカバーに対してスプレーガンの位置をきめ細かく適切な位置に設定することができないため、塗布ムラやローカバーの外面に塗布する等の塗布不良が発生する恐れがあった。
【０００７】
図９は、このような塗布不良の様子を説明する図である。（ａ）は大サイズのローカバー１１１についてインサイドペイントを塗布する場合にも拘わらず、スプレーガン１０１の位置を小サイズのローカバー１１２の場合の位置に合わせた場合である。（ｂ）は逆に小サイズのローカバー１１２についてインサイドペイントを塗布する場合にも拘わらず、スプレーガン１０１の位置を大サイズのローカバー１１１の場合に合わせた場合である。
【０００８】
（ａ）の場合、スプレーガン１０１からのインサイドペイントは直線の三角形の部分に吐出されるだけで、上側の斜線の部分にはインサイドペイントが塗布されず、塗布ムラが発生する。
【０００９】
また、（ｂ）の場合は、スプレーガン１０１から吐出されたインサイドペイントは上側の斜線部分に霧状に飛散し、小サイズのローカバー１１２の表面にインサイドペイントが付着し、ローカバー１１２がスクラップとなってしまう。
【００１０】
このため、本発明は、多種多様なローカバーに対するインサイドペイントの塗布において、塗布ムラや塗布不良が発生する恐れのないインサイドペイント塗布方法および塗布装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明に係るインサイドペイント方法は、
チェーンコンベアにより横倒しの状態で水平方向に搬送されるローカバーの内面に、鉛直方向の位置調整が可能なスプレーガンを備えるインサイドペイント装置によってインサイドペイントを塗布するインサイドペイント塗布方法であって、
前記インサイドペイント装置の待機位置に搬入された前記ローカバーのサイズおよび形状を特定するローカバー情報を識別するローカバー情報識別工程と、
予め記憶されている各種ローカバーのローカバー情報毎のサイズデータから、前記ローカバー情報識別工程により識別されたローカバー情報に対応する１対のビード間の距離、ビード径、ローカバー外径に関するサイズデータを取り込むサイズデータ取り込み工程と、
前記サイズデータ取り込み工程により取り込まれたサイズデータを前記チェーンコンベアのチェーンコンベア幅のチェーンデータに変換するチェーンデータ変換工程と、
前記インサイドペイント装置のチェーンコンベア幅を、前記チェーンデータ変換工程により得られたチェーンデータに基づいて調整するチェーンコンベア調整工程と、
前記サイズデータに基づいてローカバー停止位置を設定するローカバー停止位置設定工程と、
前記ローカバーをインサイドペイント塗布エリアに搬送すると共に、前記ローカバー停止位置設定工程により設定された前記ローカバー停止位置に前記ローカバーを停止させるローカバー搬送・停止工程と、
前記サイズデータに基づいて前記スプレーガンの高さ位置を設定するスプレーガン位置設定工程と、
前記スプレーガン位置設定工程により設定されたスプレーガン高さ位置に前記スプレーガンの位置を調整するスプレーガン位置調整工程と、
前記スプレーガン位置調整工程により位置調整された前記スプレーガンよりインサイドペイントを吐出させてローカバーの内面に塗布するインサイドペイント塗布工程とを有することを特徴とする。
【００１２】
また、本発明に係るインサイドペイント塗布装置は、
ローカバーを横倒しの状態で水平方向に搬送するチェーンコンベアとスプレーガンおよび前記スプレーガンを鉛直方向に昇降させる昇降装置を備えるインサイドペイント塗布装置であって、
前記インサイドペイント装置の待機位置に搬入された前記ローカバーのサイズおよび形状を特定するローカバー情報を識別するローカバー情報識別手段と、
予め記憶されている各種ローカバーのローカバー情報毎のサイズデータから、前記ローカバー情報識別手段により識別されたローカバー情報に対応する１対のビード間の距離、ビード径、ローカバー外径に関するサイズデータを取り込むサイズデータ取り込み手段と、
前記サイズデータ取り込み手段により取り込まれたサイズデータを前記チェーンコンベアのチェーンコンベア幅のチェーンデータに変換するチェーンデータ変換手段と、
前記インサイドペイント装置のチェーンコンベア幅を、前記チェーンデータ変換手段により得られたチェーンデータに基づいて調整するチェーンコンベア調整手段と、
前記サイズデータに基づいてローカバー停止位置を設定するローカバー停止位置設定手段と、
前記ローカバーをインサイドペイント塗布エリアに搬送すると共に、前記ローカバー停止位置設定手段により設定された前記ローカバー停止位置に前記ローカバーを停止させるローカバー搬送・停止手段と、
前記サイズデータに基づいて前記スプレーガンの高さ位置を設定するスプレーガン位置設定手段と、
前記スプレーガン位置設定手段により設定されたスプレーガン高さ位置に前記スプレーガンの位置を調整するスプレーガン位置調整手段と、
前記スプレーガン位置調整手段により位置調整された前記スプレーガンよりインサイドペイントを吐出させてローカバーの内面に塗布するインサイドペイント塗布手段とを有することを特徴とする。
【００１３】
さらに、本発明に係るインサイドペイント塗布装置は、
前記昇降装置がモーター駆動式であることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、多種多様なローカバーに対するインサイドペイント塗布において、塗布ムラや塗布不良が発生する恐れのないインサイドペイント塗布方法および塗布装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の一実施の形態に係るインサイドペイント塗布装置の主要部の概略を概念的に示す斜視図である。
【図２】本発明の一実施の形態に係るインサイドペイント塗布装置の主要部を示す側面図である。
【図３】本発明の一実施の形態に係るインサイドペイント塗布装置を制御する塗布制御装置のブロック図である。
【図４】各種ローカバーのサイズ、形状を模式的に示す図である。
【図５】側面から見たときの形状が異なる２種類のローカバーのそれぞれについて１対のビード間の距離（ビードｔｏビード）トレッド幅、外径、ビード径を説明する図である。
【図６】ローカバーの寸法・形状等のローカバー情報の例を説明する図である。
【図７】本発明の一実施の形態に係るインサイドペイント塗布方法を示すフローチャートである。
【図８】従来のインサイドペイント塗布装置の概略構成を示す側面図である。
【図９】従来のインサイドペイント塗布における塗布不良の様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【００１７】
１．インサイドペイント塗布装置の主要部の構成
（１）インサイドペイント塗布装置の全体概略
図１は、本実施の形態のインサイドペイント塗布装置の主要部の概略を概念的に示す斜視図である。
【００１８】
本実施の形態のインサイドペイント塗布装置の主要部は、ベルトコンベア２１、チェーンコンベア８、スプレーガン７、スプレーガン７を昇降させる昇降装置５０およびこれらを駆動、制御する図外の各種の駆動装置、制御装置により構成される。
【００１９】
ベルトコンベア２１により搬送されてきたローカバーＴ０は、バーコード読取装置（図示せず）によりローカバーＴ０の表面に設けられたバーコード１６０が読み取られた後、チェーンコンベア８上に乗り移り、チェーンコンベア８により搬送が継続され、バーコード読取装置で読み取られた情報に基づいて設定された所定の位置でチェーンコンベア８による搬送が停止される。
【００２０】
次に、チェーンコンベア８の下方に設けられた昇降装置５０（図示せず）より、スプレーガン７が上昇し、バーコード読取装置で読み取られた情報に基づいてローカバーＴ０の中心の位置においてスプレーガン７の上昇が停止する。その後、スプレーガン７からインサイドペイントが吐出され、ローカバーＴ０の内面に塗布される。
【００２１】
インサイドペイントの塗布が終了した後、スプレーガン７が下降し、ローカバーＴ０は再びチェーンコンベア８により搬送され、さらにベルトコンベア２１に乗り移り、次工程に搬送される。
【００２２】
（２）ローカバー搬送機構およびスプレーガン駆動機構
次に、本実施の形態におけるローカバー搬送機構およびスプレーガン駆動機構を説明する。
【００２３】
図２は、本実施の形態のインサイドペイント塗布装置の主要部を示す側面図である。
【００２４】
イ．ローカバー搬送機構
図２において、１はインサイドペイント塗布装置全体を制御するコントローラであり、５はスプレーガン駆動機構であり、７はスプレーガンであり、８はチェーンコンベアであり、Ｔ０はインサイドペイント塗布中のローカバーである。なお、図面が煩雑になるのを避けるため、チェーンコンベアの一部の図示を省略している。
【００２５】
インサイドペイント装置には平行に懸架された２本のチェーンを備えるチェーンコンベア８が設けられている。チェーンコンベア８の幅は、インサイドペイント塗布装置の待機位置（図示せず）に搬入されたローカバーのサイズによって調整され、ローカバーは、チェーンコンベア８に載置されてインサイドペイント塗布エリアに搬送され、インサイドペイントの塗布に最適な位置、具体的にはローカバーＴ０の中心がスプレーガン７の直上となる位置で停止される。
【００２６】
ロ．スプレーガン駆動機構
スプレーガン駆動機構５は、スプレーガンモータ５１、エンコーダ５２、スプレーガンモータ５１と可動部材５４を連結する駆動連結機構５３、案内部材５５等からなる昇降装置５０を備えており、さらに、インサイドペイント等の通路が設けられている供給部５６が取り付けられ、駆動連結機構５３は支持部材５７に固定されている。
【００２７】
上記の通り、本実施の形態におけるスプレーガン駆動機構５には、スプレーガンモータ５１が採用されており、エンコーダ５２から送られてくる移動情報に応じてスプレーガンモータ５１が駆動制御され、スプレーガン７をインサイドペイントの塗布に最適な位置、具体的にはスプレーガンのノズルがローカバーＴ０の幅の中心に停止させる。このようなスプレーガンモータ５１としてはステッピングモータ、パルスモータ、サーボモータ等の精密調整が可能なものが好ましい。
【００２８】
駆動連結機構５３はスプレーガンモータ５１の回転運動をスプレーガンの上下の運動に変換する部分で、ベルト、歯車伝動部材等から構成されている。スプレーガンモータ５１を駆動して上下方向の直線動を可動部材５４に伝え、可動部材５４を案内部材５５で案内して昇降させる。また、可動部材５４は回動してその上部に固定されたスプレーガン７を回動させ、ローカバーの内面全体にインサイドペイントが塗布されるようにされている。
【００２９】
供給部５６には図示していない、インサイドペイント供給管、エア供給管などが接続されている。これらの供給管は昇降動や回動しないで静止しているように、供給部５６はロータリージョイントなどを有している。
【００３０】
本実施の形態のインサイドペイント塗布装置では、ローカバーやスプレーガンの停止位置が２〜３段階にのみ固定されているのではなく、ローカバーのサイズデータに応じて、ローカバーおよびスプレーガンの停止位置をきめ細かく調整し、ローカバーおよびスプレーガンをインサイドペイントの塗布に最適な位置に停止させて塗布を行うことができるように構成されている。
【００３１】
また、前記のように、モータ駆動式の昇降装置５０を用いてスプレーガンを昇降させるため、スプレーガンの停止位置をシリンダ駆動式に比べてより一層きめ細かく調節することができる。
【００３２】
２．制御装置
（１）制御装置の構成
前記のように本実施の形態では、タイヤのサイズデータに応じてチェーンコンベア幅、ローカバー停止位置、スプレーガン停止位置などを設定し制御する。このような制御は制御装置により行われるため、ここで本実施の形態のサイドペイント塗布装置の制御装置の構成と動作について説明する。図３は、本発明の一実施の形態に係るインサイドペイント塗布装置を制御する制御装置のブロック図である。
【００３３】
本実施の形態の制御装置は、図３に示すように、インサイドペイントの塗布を制御するコントローラ１を備えている。コントローラ１は、中央処理装置であるＣＰＵ１１や、メモリ１２や、演算部１３や、コンベア制御部１４や、スプレーガン制御部１５や、ポンプ制御部１６等を備えている。
【００３４】
そして、コントローラ１には、各種ローカバーについてローカバーのサイズおよび形状を特定するローカバー情報（例えば品番）や、所定の設定値等の種々のデータをデータベースとして予め入力するための入力手段２、バーコードもしくはその他の方法でローカバーの表面に表示されたローカバー情報を読み取るセンサおよびローカバーが所定の位置を通過したことを検出する検出センサ３が接続されている。
【００３５】
また、コンベア制御部１４には、２本のチェーンを平行移動させてチェーンコンベア幅を調整し、チェーンコンベアを駆動するコンベアモータ４１およびコンベアの駆動を制御するエンコーダ４２を備えるコンベア駆動機構４が接続されており、スプレーガン制御部１５にはスプレーガンを昇降させるスプレーガンモータ５１、スプレーガンモータ５１の駆動を制御するエンコーダ５２が設けられた昇降装置５０を備え、スプレーガンを駆動させるスプレーガン駆動機構５が接続されており、ポンプ制御部１６には、インサイドペイントを吐出させるポンプ６等が接続されている。
【００３６】
（２）制御装置の動作
コントローラ１のＣＰＵ１１は、ローカバー情報や、メモリ１２への所定の設定値等の種々のデータの取り込みや読み出しの制御や、演算部１３や、コンベア制御部１４、スプレーガン制御部１５、ポンプ制御部１６等の制御部の制御を行う。
【００３７】
入力手段２は、キーボード等を備え、各種ローカバーについて例えば品番毎に１対のビード間の距離（ビードｔｏビードの距離）、ビード径、ローカバー外径等のサイズデータを予め入力する。これらのサイズデータ等は、ローカバーおよびスプレーガンを最適の塗布位置に停止させるために必要なデータである。これらのサイズデータ等はコントローラ１に取り込み、データベースとしてメモリ１２に記憶させておく。
【００３８】
演算部１３では、検出センサ３から入力される信号に基づいて種々の演算処理を行う。まず、読み込まれたローカバー情報に基づいてローカバーの品番を識別（ローカバー情報識別工程）する。次に、識別されたローカバー情報に対応したローカバーの１対のビード間の距離、ビード径、ローカバー外径等のサイズデータをメモリ１２に記録したデータベースから取り込む（サイズデータ取り込み工程）。次に、取り込まれたサイズデータをチェーンコンベア幅に変換する（チェーンデータ変換工程）。そして、サイズデータをコンベア制御部１４およびスプレーガン制御部１５に送信し、チェーンデータをコンベア制御部１４に送信する。
【００３９】
コンベア制御部１４は送信されたチェーンコンベア幅に基づいて塗布エリアのチェーンコンベアの開閉位置をモータ駆動により調整する（チェーンコンベア調整工程）。また、コンベア制御部１４にはインサイドペイント塗布装置側に装着されたコンベア駆動機構４が接続されており、コンベア駆動機構４に設けられたコンベアモータ４１の駆動および停止を制御する。コンベアモータ４１の駆動によりチェーンコンベア上を搬送中のローカバーが所定の位置を通過したことを検出した通過信号はコンベア制御部１４に送信される。コンベア駆動機構４には、エンコーダ４２が設けられており、エンコーダ４２は、演算部１３から受信した演算結果に基づいてローカバーの停止位置を設定し（ローカバー停止位置設定工程）、設定されたローカバーの停止位置と前記通過信号に基づいて、チェーンコンベアの停止時刻を定める。コンベア制御部１４は、定められた停止時刻にコンベアモータ４１を停止させ、ローカバーを所定の位置に停止させる（ローカバー搬送・停止工程）。
【００４０】
スプレーガン制御部１５には、インサイドペイント塗布装置側に装着されたスプレーガン駆動機構５が接続されており、スプレーガン駆動機構５に設けられた昇降装置５０のスプレーガンモータ５１を駆動する。昇降装置５０には、エンコーダ５２が設けられており、エンコーダ５２は、演算部１３から受信したサイズデータに基づいてスプレーガンの高さ位置を設定する（スプレーガン位置設定工程）。スプレーガン制御部１５は、スプレーガンモータ５１を駆動させてスプレーガンを昇降させ、スプレーガンを所定の位置に停止させる（スプレーガン位置調整工程）。
【００４１】
ポンプ制御部１６は、スプレーガンにインサイドペイントを供給するポンプ６のＯＮ−ＯＦＦ、ペイントの吐出量等を制御する（インサイドペイント塗布工程）。
【００４２】
３．インサイドペイント塗布の手順
本実施の形態では、種々のサイズ、形状のローカバーを対象としてインサイドペイントを行う。はじめに、本実施の形態をより理解し易くするため、ローカバーのサイズ、形状について一例を示す。図４は、各種ローカバーのサイズ、形状を模式的示す図であり、（ａ）、（ｂ）、（ｃ）はそれぞれ大サイズ、中サイズ、小サイズを示す図であり、上段および下段の図は側面図、中段の図は平面図である。中段及び下段の○はそれぞれローカバーの中心（ローカバー円の中心）および幅の中心を示している。
【００４３】
図５は、側面から見たときの形状が異なる２種類のローカバーのそれぞれについて１対のビード間の距離（ビードｔｏビード）トレッド幅、外径、ビード径を説明する図である。
【００４４】
次に、上記した構成の制御装置を備えるインサイドペイント塗布装置を用いた、ローカバーのインサイドペイント塗布の手順を図６および図７により説明する。
【００４５】
図６は、ローカバーの寸法・形状等ローカバー情報の例を説明する図であり、（ａ）はローカバーの側面図であり、（ｂ）は平面図である。図７は、ローカバーの内面にインサイドペイントを塗布する方法のフローチャートである。図６において、Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３はそれぞれ（１）、（２）、（３）のタイヤの品番（工場品番）であり、ローカバーの表面の所定の位置に例えばバーコードとして表示されている。
【００４６】
（１）ローカバー情報の識別
まず、ローカバー情報読み込み工程Ｓ０（図７）において、インサイドペイント装置の待機位置に搬入されたローカバーの表面に例えばバーコードなどで表示されているローカバー情報を読み込む。
（２）ローカバー情報の識別
ローカバー情報識別工程Ｓ１で、読み込まれたローカバー情報から搬入されたタイヤの品番などを識別する。
【００４７】
（３）サイズデータの取り込み
次に、サイズデータ取り込み工程Ｓ２において、予め入力された各品番毎のローカバーのサイズに関するデータベースの中から、識別された品番のサイズデータを取り込む。例えば図６の（１）、即ち品番Ｔ１のローカバーの場合について説明すると、上下１対のビード間の距離、即ち図６（ａ）の上下のＴｂ１間の距離と、ビード径、即ち図６（ｂ）のｂＤ１およびローカバー外径、即ち図６（ｂ）の２×Ｒ１を取り込む。なお、以下においても図６（１）の品番Ｔ１のローカバーの場合を例として記載する。
【００４８】
（４）チェーンデータ変換
取り込まれたサイズデータをチェーンデータ変換工程Ｓ３においてチェーンコンベア幅、即ち図６（ａ）のＷ１に変換する。具体的には、チェーンコンベア幅に関しては取り込まれたビード径ｂＤ１とローカバー外形２×Ｒ１からチェーンコンベア幅＝（ビード径ｂＤ１＋ローカバー外形２×Ｒ１）／２の関係式によりチェーンコンベア幅に変換される。なお、チェーン高さＨｃは、固定されている。
【００４９】
（５）チェーンコンベアの調整
チェーンコンベア８（図２参照）のチェーンコンベア幅は、チェーンコンベア調整工程Ｓ４でコンベア駆動機構（図２参照）によりチェーンデータ変換で得られたチェーンデータに合わせて調整される。
【００５０】
（６）ローカバー停止位置の設定
ローカバー停止位置設定工程Ｓ５において、読み込まれたサイズデータに基づいてローカバーの停止位置を設定する。具体的には、図６（ｂ）においてローカバーのセンターＣ１１がスプレーガン（図示せず）の昇降位置と重なるようにローカバーの停止位置を設定する。
【００５１】
このように、本実施の形態においては、ローカバーの品番を識別し、ローカバー停止位置を識別されたローカバーのサイズデータに基づいてきめ細かく設定する。
【００５２】
（７）ローカバーの搬送・停止
ローカバーの搬送・停止工程Ｓ６においてローカバーは待機位置から塗布エリアに向かってチェーンコンベア８に載置されて搬送される。この際、チェーンコンベアの幅がローカバーのサイズに応じて調整されているため、ローカバーの中心は、ほぼ２本のチェーンの間隔の中心に重なるように載置することができる。このため、ローカバーのサイズが変わってもローカバーの円の中心がほぼ一定の位置、即ち、２本のチェーンの間隔の中心を通過するように搬送することができる。
【００５３】
そして、ローカバーの搬送方向において前記スプレーガンの中心から所定の距離、例えばＬｍｍ（図示せず）手前、即ち上流側に光電管などのセンサを設置しておき、ローカバーの前端（搬送方向の先端）がセンサ設置位置を通過したことを検出する。
【００５４】
そして、ローカバーの通過検出後、前記所定の距離Ｌｍｍと搬送速度（Ｖｍｍ／ｓｅｃ）およびローカバーの半径、即ち図６のＲ１（ｍｍ）に基づき（Ｌ（ｍｍ）＋Ｒ１）／Ｖ（ｍｍ／ｓｅｃ）後にローカバーの搬送を停止し、ローカバーを前記ローカバーの停止位置（例えば、図６（ｂ）のＣ１１）に停止させる。前記したように、ローカバーの円の中心は一定の位置を通過するため、搬送方向の位置を設定するだけでローカバーの円の中心を一定の位置、即ちスプレーガンの昇降位置に重なるように停止させることができる。
【００５５】
（９）スプレーガン位置設定
スプレーガン位置設定工程Ｓ７において前記識別されたローカバーのサイズデータに基づいてスプレーガンの高さ位置を設定する。具体的には、スプレーガンのノズルの高さが、ローカバーの幅方向の中心（例えば、図６（ａ）のＣ１等）に位置するようにスプレーガンの高さ位置を設定する。（Ｓ７）
【００５６】
（１０）スプレーガンの位置調整
次いで、スプレーガンの位置調整工程Ｓ８においてモータ駆動式の昇降装置５０を用いてスプレーガンを上昇させて、スプレーガンの高さ位置が設定された位置になるように位置調整を行う。
【００５７】
このように、本実施の形態においては、スプレーガンの高さ位置を識別されたローカバーのサイズデータとチェーンデータに基づいてきめ細かく設定する。
【００５８】
（１１）インサイドペイントの塗布、塗布終了後の搬送
そして、インサイドペイント塗布工程Ｓ９においてポンプを作動してインサイドペイントをローカバーの内面にスプレー塗布し、その後、スプレーガン下降工程Ｓ１０においてスプレーガンを下降させ、次いで、ローカバー搬送工程Ｓ１１においてローカバーを塗布位置から搬送し、次のローカバーの塗布に移る。
【００５９】
本発明に係るインサイドペイント塗布方法および塗布装置によれば、ローカバー情報に基づいてローカバーの停止位置およびスプレーガンの鉛直方向の位置をきめ細かく設定するため、多種多様なローカバーに対しても塗布ムラや塗布不良を発生させることなくインサイドペイントを塗布することができる。この結果、重不良、軽不良などの不良発生や補修等に要する工数を低減することができる。また、ブラダーやインサイドペイントなど補助消耗材の消費量を低減することができる。また、スプレーガンをモータ駆動式の昇降装置により昇降させて位置を調整するため、きめ細かく位置を調整することができる。その結果、より一層塗布ムラのない良好な塗布を行うことができる。また、従来のシリンダ駆動式に比べて消費エネルギーを節約することができる。
【符号の説明】
【００６０】
１ コントローラ
２ 入力手段
３ 検出センサ
４ コンベア駆動機構
５ スプレーガン駆動機構
６ ポンプ
７、１０１ スプレーガン
８、１１３ チェーンコンベア
１１ ＣＰＵ
１２ メモリ
１３ 演算部
１４ コンベア制御部
１５ スプレーガン制御部
１６ ポンプ制御部
２１ ベルトコンベア
４１ コンベアモータ
４２、５２ エンコーダ
５０、１０２ 昇降装置
５１ スプレーガンモータ
５３ 駆動連結機構
５４ 可動部材
５５ 案内部材
５６ 供給部
５７ 支持部材
１０３ 回動部
１０４ 連結部
１１１ 大サイズのローカバー
１１２ 小サイズのローカバー
１１３ チェーン
１６０ バーコード
ｂＤ１、ｂＤ２、ｂＤ３ ビード径
Ｃ１、Ｃ２、Ｃ３ スプレーガン停止位置
Ｃ１１、Ｃ２１、Ｃ３１ コンベア停止位置
ｈ１、ｈ２、ｈ３ スプレーガン高さ
Ｈｃ チェーン高さ
Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３ ローカバー外径／２
Ｔ０ ロカバー
Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３ ローカバーの品番
Ｔｂ１ ビード
【特許請求の範囲】
【請求項１】
チェーンコンベアにより横倒しの状態で水平方向に搬送されるローカバーの内面に、鉛直方向の位置調整が可能なスプレーガンを備えるインサイドペイント装置によってインサイドペイントを塗布するインサイドペイント塗布方法であって、
前記インサイドペイント装置の待機位置に搬入された前記ローカバーのサイズおよび形状を特定するローカバー情報を識別するローカバー情報識別工程と、
予め記憶されている各種ローカバーのローカバー情報毎のサイズデータから、前記ローカバー情報識別工程により識別されたローカバー情報に対応する１対のビード間の距離、ビード径、ローカバー外径に関するサイズデータを取り込むサイズデータ取り込み工程と、
前記サイズデータ取り込み工程により取り込まれたサイズデータを前記チェーンコンベアのチェーンコンベア幅のチェーンデータに変換するチェーンデータ変換工程と、
前記インサイドペイント装置のチェーンコンベア幅を、前記チェーンデータ変換工程により得られたチェーンデータに基づいて調整するチェーンコンベア調整工程と、
前記サイズデータに基づいてローカバー停止位置を設定するローカバー停止位置設定工程と、
前記ローカバーをインサイドペイント塗布エリアに搬送すると共に、前記ローカバー停止位置設定工程により設定された前記ローカバー停止位置に前記ローカバーを停止させるローカバー搬送・停止工程と、
前記サイズデータに基づいて前記スプレーガンの高さ位置を設定するスプレーガン位置設定工程と、
前記スプレーガン位置設定工程により設定されたスプレーガン高さ位置に前記スプレーガンの位置を調整するスプレーガン位置調整工程と、
前記スプレーガン位置調整工程により位置調整された前記スプレーガンよりインサイドペイントを吐出させてローカバーの内面に塗布するインサイドペイント塗布工程とを有することを特徴とするインサイドペイント塗布方法。
【請求項２】
ローカバーを横倒しの状態で水平方向に搬送するチェーンコンベアとスプレーガンおよび前記スプレーガンを鉛直方向に昇降させる昇降装置を備えるインサイドペイント塗布装置であって、
前記インサイドペイント装置の待機位置に搬入された前記ローカバーのサイズおよび形状を特定するローカバー情報を識別するローカバー情報識別手段と、
予め記憶されている各種ローカバーのローカバー情報毎のサイズデータから、前記ローカバー情報識別手段により識別されたローカバー情報に対応する１対のビード間の距離、ビード径、ローカバー外径に関するサイズデータを取り込むサイズデータ取り込み手段と、
前記サイズデータ取り込み手段により取り込まれたサイズデータを前記チェーンコンベアのチェーンコンベア幅のチェーンデータに変換するチェーンデータ変換手段と、
前記インサイドペイント装置のチェーンコンベア幅を、前記チェーンデータ変換手段により得られたチェーンデータに基づいて調整するチェーンコンベア調整手段と、
前記サイズデータに基づいてローカバー停止位置を設定するローカバー停止位置設定手段と、
前記ローカバーをインサイドペイント塗布エリアに搬送すると共に、前記ローカバー停止位置設定手段により設定された前記ローカバー停止位置に前記ローカバーを停止させるローカバー搬送・停止手段と、
前記サイズデータに基づいて前記スプレーガンの高さ位置を設定するスプレーガン位置設定手段と、
前記スプレーガン位置設定手段により設定されたスプレーガン高さ位置に前記スプレーガンの位置を調整するスプレーガン位置調整手段と、
前記スプレーガン位置調整手段により位置調整された前記スプレーガンよりインサイドペイントを吐出させてローカバーの内面に塗布するインサイドペイント塗布手段とを有することを特徴とするインサイドペイント塗布装置。
【請求項３】
前記昇降装置がモーター駆動式であることを特徴とする請求項２に記載のインサイドペイント塗布装置。
【請求項１】
チェーンコンベアにより横倒しの状態で水平方向に搬送されるローカバーの内面に、鉛直方向の位置調整が可能なスプレーガンを備えるインサイドペイント装置によってインサイドペイントを塗布するインサイドペイント塗布方法であって、
前記インサイドペイント装置の待機位置に搬入された前記ローカバーのサイズおよび形状を特定するローカバー情報を識別するローカバー情報識別工程と、
予め記憶されている各種ローカバーのローカバー情報毎のサイズデータから、前記ローカバー情報識別工程により識別されたローカバー情報に対応する１対のビード間の距離、ビード径、ローカバー外径に関するサイズデータを取り込むサイズデータ取り込み工程と、
前記サイズデータ取り込み工程により取り込まれたサイズデータを前記チェーンコンベアのチェーンコンベア幅のチェーンデータに変換するチェーンデータ変換工程と、
前記インサイドペイント装置のチェーンコンベア幅を、前記チェーンデータ変換工程により得られたチェーンデータに基づいて調整するチェーンコンベア調整工程と、
前記サイズデータに基づいてローカバー停止位置を設定するローカバー停止位置設定工程と、
前記ローカバーをインサイドペイント塗布エリアに搬送すると共に、前記ローカバー停止位置設定工程により設定された前記ローカバー停止位置に前記ローカバーを停止させるローカバー搬送・停止工程と、
前記サイズデータに基づいて前記スプレーガンの高さ位置を設定するスプレーガン位置設定工程と、
前記スプレーガン位置設定工程により設定されたスプレーガン高さ位置に前記スプレーガンの位置を調整するスプレーガン位置調整工程と、
前記スプレーガン位置調整工程により位置調整された前記スプレーガンよりインサイドペイントを吐出させてローカバーの内面に塗布するインサイドペイント塗布工程とを有することを特徴とするインサイドペイント塗布方法。
【請求項２】
ローカバーを横倒しの状態で水平方向に搬送するチェーンコンベアとスプレーガンおよび前記スプレーガンを鉛直方向に昇降させる昇降装置を備えるインサイドペイント塗布装置であって、
前記インサイドペイント装置の待機位置に搬入された前記ローカバーのサイズおよび形状を特定するローカバー情報を識別するローカバー情報識別手段と、
予め記憶されている各種ローカバーのローカバー情報毎のサイズデータから、前記ローカバー情報識別手段により識別されたローカバー情報に対応する１対のビード間の距離、ビード径、ローカバー外径に関するサイズデータを取り込むサイズデータ取り込み手段と、
前記サイズデータ取り込み手段により取り込まれたサイズデータを前記チェーンコンベアのチェーンコンベア幅のチェーンデータに変換するチェーンデータ変換手段と、
前記インサイドペイント装置のチェーンコンベア幅を、前記チェーンデータ変換手段により得られたチェーンデータに基づいて調整するチェーンコンベア調整手段と、
前記サイズデータに基づいてローカバー停止位置を設定するローカバー停止位置設定手段と、
前記ローカバーをインサイドペイント塗布エリアに搬送すると共に、前記ローカバー停止位置設定手段により設定された前記ローカバー停止位置に前記ローカバーを停止させるローカバー搬送・停止手段と、
前記サイズデータに基づいて前記スプレーガンの高さ位置を設定するスプレーガン位置設定手段と、
前記スプレーガン位置設定手段により設定されたスプレーガン高さ位置に前記スプレーガンの位置を調整するスプレーガン位置調整手段と、
前記スプレーガン位置調整手段により位置調整された前記スプレーガンよりインサイドペイントを吐出させてローカバーの内面に塗布するインサイドペイント塗布手段とを有することを特徴とするインサイドペイント塗布装置。
【請求項３】
前記昇降装置がモーター駆動式であることを特徴とする請求項２に記載のインサイドペイント塗布装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１１−１１１８９（Ｐ２０１１−１１１８９Ａ）
【公開日】平成２３年１月２０日（２０１１．１．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１５９９３７（Ｐ２００９−１５９９３７）
【出願日】平成２１年７月６日（２００９．７．６）
【出願人】（０００１８３２３３）住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１月２０日（２０１１．１．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年７月６日（２００９．７．６）
【出願人】（０００１８３２３３）住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Ｆターム（参考）】
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