説明

インピーダンス調整回路およびインピーダンス調整方法

【課題】半導体装置と外部抵抗の間の線路に存在する寄生抵抗分を特別の回路を設けることなく補正することのできるインピーダンス調整回路およびインピーダンス調整方法を得ること。
【解決手段】LSIケース201の外部には、ケースピンを介してインピーダンス設定用のクランプ抵抗208と、これと電位を比較するための第1および第2の参照電圧生成抵抗221、222が接続されている。第1および第2の参照電圧生成抵抗221、222の間には、LSI202内の折り返し線225を経由する形で他の線路と同一幅の2本ずつの線路の寄生抵抗分からなる抵抗回路224が設けられており、調整に悪影響となる他の線路の寄生抵抗分をキャンセルする。このため、コンパレータ211の比較結果を使用して制御回路205はインピーダンス調整用出力バッファ203を高精度に調整可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の調整用抵抗によって出力バッファのインピーダンスを所望の値に調整するインピーダンス調整回路およびインピーダンス調整方法に係わり、特に、調整の際の誤差要因となる寄生の抵抗成分を補正して調整誤差を小さくするようにしたインピーダンス調整回路およびインピーダンス調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の動作速度の高速化に伴って、半導体装置を使用した各種の情報処理装置間で高速な信号伝送が行われるようになってきている。一般に、通信経路のインピーダンスが不連続な箇所で信号の反射が生じる。高速な信号伝送が行われるようになると、これによる不具合の発生が特に問題となる。通信経路のうちで伝送線路のインピーダンスは固定的な値となっている。これに対して、出力バッファのインピーダンスはプロセスや温度あるいは電圧といった各種の状況に応じて変動する。そこで、出力バッファのインピーダンスを伝送線路のインピーダンスに適切に合わせないと高速な信号伝送を行うことができなくなる。
【0003】
そこで、伝送線路のインピーダンスに整合するように設定された外部のクランプ回路にインピーダンス調整用出力バッファを接続して、インピーダンスを整合させることが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
図7は、この従来提案されたインピーダンス調整回路の概要を表わしたものである。インピーダンス調整回路100のLSI(Large Scale Integration)ケース101あるいはPWB(printed wiring board)に収容された半導体装置としてのLSI102の内部には、インピーダンス調整用出力バッファ103が配置されている。インピーダンス調整用出力バッファ103は、図示しない複数のトランジスタのオン・オフ動作によって実現する可変抵抗器104を内蔵しており、制御回路105がこの可変抵抗器104の抵抗値を制御するようになっている。
【0005】
インピーダンス調整用出力バッファ103は、LSIケース101の外側のクランプ抵抗106に接続されている。このクランプ抵抗106はインピーダンス調整用出力バッファ103によるインピーダンスの調整の基準となる抵抗である。インピーダンス調整用出力バッファ103とクランプ抵抗106の間を結ぶ線路には、所定の寄生抵抗分107が存在している。
【0006】
LSIケース101の外部には、クランプ抵抗106の他に、一端を定電圧の電源ライン108に接続した第1の参照電圧生成抵抗111と、この第1の参照電圧生成抵抗111の他端に一端を接続し、その他端を接地した第2の参照電圧生成抵抗112が配置されている。第1の参照電圧生成抵抗111と第2の参照電圧生成抵抗112の接続点は、所定の寄生抵抗分113を介してLSI102内のコンパレータ114に入力され、インピーダンス調整用出力バッファ103の出力側の電位と比較されるようになっている。制御回路105は、コンパレータ114の比較結果に応じて可変抵抗器104の抵抗値を制御することで、インピーダンスの整合を行うようになっている。
【0007】
今、寄生抵抗分107、113を無視したとする。この場合には、コンパレータ114のプラス側の入力端子に加わる電位とマイナス側の入力端子に加わる電位が等しくなるように制御回路105が可変抵抗器104の抵抗値を制御する。そして、コンパレータ114のこれら2つの入力端子に加わる電位が等しくなったとき、インピーダンス調整用出力バッファ103側のインピーダンスの整合がとれたものとしている。
【特許文献1】特開2005−229177号公報(第0031段落〜第0038段落、図1)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この従来のインピーダンス調整回路100では、LSIケース101の外側のクランプ抵抗106と内側のLSI102との間にこれらを接続するための線路が存在する。第1の参照電圧生成抵抗111と第2の参照電圧生成抵抗112の接続点が同様にLSIケース101の外側にあるので、この接続点とLSI102との間にもこれらを接続するための線路が存在する。これらの線路には、それぞれ寄生抵抗分107、113が存在しており、これらの部分で電位差が発生することになる。このため、コンパレータ114はその2つの入力端子で、クランプ抵抗106による電位と、第1の参照電圧生成抵抗111と第2の参照電圧生成抵抗112の接続点の電位を正確に比較することができない。この結果として、制御回路105が制御する可変抵抗器104の値に誤差が発生してしまう。これにより、インピーダンス調整用出力バッファ103の補正が不完全に行われることになって、インピーダンスの整合を十分な精度で行うことができない。
【0009】
従来から、このような問題に対しては、寄生抵抗分に対応させて所定の抵抗値の抵抗を回路上で付加することで誤差の補正を行うことが提案されている。これにより、インピーダンスの整合の精度を高めることができる。ところが、外部に一般に付加する抵抗は、値「1」から値「10」までを等比級数で分割した標準数としての「E系列」に従っている。たとえばE12系ではこの範囲を12分割し、E24系ではこの範囲を24分割する。したがって、寄生抵抗のような小さな抵抗値をLSIケース101の外部で補正しようとすると、これらの系列で段階的に変化する抵抗値のいずれかを採用することになって、補正の誤差を十分低減させることができないという問題が発生する。
【0010】
図7に示した提案では、調整用回路の抵抗を調整すべき回路のN(Nは任意の整数)倍にすることで誤差を1/Nにし、これにより補正誤差を低減するようにしている。しかしながら、前記したように半導体装置の動作速度の向上は目覚しく、インピーダンスの整合に要する精度がますます要求されている。したがって、従来のこのような技術で半導体装置側のインピーダンスを十分な精度で調整することは困難であった。
【0011】
そこで本発明の目的は、半導体装置と外部抵抗の間の線路に存在する寄生抵抗分を特別の回路を設けることなく補正することのできるインピーダンス調整回路およびインピーダンス調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明では、(イ)伝送線路のインピーダンスの調整を行う半導体装置の外部に設けられ、所定の電源ラインに一端を接続して、前記した伝送線路のインピーダンスと一致するように設定された外部基準抵抗と、(ロ)前記した半導体装置の外部に設けられ、一端を前記した電源ラインに接続した第1の参照電圧生成抵抗と、(ハ)前記した半導体装置の外部に設けられ、一端を接地した第2の参照電圧生成抵抗と、(ニ)前記した半導体装置の内部に設けられ、前記した外部基準抵抗の他端の電位と、第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗のそれぞれ他端を所定の接続点で接続したときの電位とを比較したときこれらの電位が一致するようにインピーダンスを調整することで前記した伝送線路のインピーダンスに前記した半導体装置内の特定の回路部分のインピーダンスを一致させるインピーダンス調整手段と、(ホ)第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗を前記した接続点で接続する代わりに、第1の参照電圧生成抵抗の他端と第2の参照電圧生成抵抗の他端との間に前記した半導体装置内の所定の内部導体を経由する形で、前記した外部基準抵抗と前記した半導体装置の間を接続する線路の寄生抵抗と寄生抵抗が同一となる線路を配置した補正用線路とをインピーダンス調整回路に具備させる。
【0013】
すなわち本発明では、従来、インピーダンスの調整のために外部基準抵抗の電位と、第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗の接続点の電位を比較していたものを、第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗の接続点を切り離し、この間に半導体装置の内部導体を経由する形で、外部基準抵抗と半導体装置の間を接続する線路の寄生抵抗と寄生抵抗が同一となる線路を配置することにした。これにより、外部基準抵と半導体装置の間や、第1の参照電圧生成抵抗あるいは第2の参照電圧生成抵抗と半導体装置の間の抗寄生抵抗分を相殺した形でインピーダンス調整手段によるインピーダンスの調整が可能になる。
【0014】
請求項2記載の発明では、(イ)伝送線路のインピーダンスの調整を行う半導体装置の外部に設けられ、所定の電源ラインに一端を接続して、前記した伝送線路のインピーダンスと一致するように設定された外部基準抵抗と、(ロ)前記した半導体装置の外部に設けられ、一端を前記した電源ラインに接続した第1の参照電圧生成抵抗と、(ハ)前記した半導体装置の外部に設けられ、一端を接地した第2の参照電圧生成抵抗と、(ニ)前記した半導体装置の内部に設けられ、前記した外部基準抵抗の他端の電位と、第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗のそれぞれ他端を所定の接続点で接続したときの電位とを比較したときこれらの電位が一致するようにインピーダンスを調整することで前記した伝送線路のインピーダンスに前記した半導体装置内の特定の回路部分のインピーダンスを一致させるインピーダンス調整手段と、(ホ)第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗を前記した接続点で接続する代わりに、第1の参照電圧生成抵抗の他端と第2の参照電圧生成抵抗の他端との間に前記した半導体装置内の所定の内部導体を経由する形で、前記した外部基準抵抗と前記した半導体装置の間を接続する線路と同一幅で同一材料の線路を2本ずつ配置した補正用線路とをインピーダンス調整回路に具備させる。
【0015】
すなわち本発明では、従来、インピーダンスの調整のために外部基準抵抗の電位と、第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗の接続点の電位を比較していたものを、第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗の接続点を切り離し、この間に半導体装置の内部導体を経由する形で、外部基準抵抗と半導体装置の間を接続する線路と同一幅で同一材料の線路を2本ずつ補正用線路として配置することにした。これにより、外部基準抵と半導体装置の間や、第1の参照電圧生成抵抗あるいは第2の参照電圧生成抵抗と半導体装置の間の寄生抵抗分を相殺した形でインピーダンス調整手段によるインピーダンスの調整が可能になる。しかも、外部基準抵抗と半導体装置の間を接続する線路と同一幅で同一材料とすることで、温度等の各種環境に対する寄生抵抗分の変化に対応させることができる。
【0016】
請求項3記載の発明では、(イ)伝送線路のインピーダンスの調整を行う半導体装置の外部に設けられ、所定の電源ラインに一端を接続して、前記した伝送線路のインピーダンスと一致するように設定された外部基準抵抗と、(ロ)前記した半導体装置の外部に設けられ、一端を前記した電源ラインに接続した第1の参照電圧生成抵抗と、(ハ)前記した半導体装置の外部に設けられ、一端を接地した第2の参照電圧生成抵抗と、(ニ)前記した半導体装置の内部に設けられ、前記した外部基準抵抗の他端の電位と、第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗のそれぞれ他端を所定の接続点で接続したときの電位とを比較したときこれらの電位が一致するようにインピーダンスを調整することで前記した伝送線路のインピーダンスに前記した半導体装置内の特定の回路部分のインピーダンスを一致させるインピーダンス調整手段と、(ホ)第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗を前記した接続点で接続する代わりに、第1の参照電圧生成抵抗の他端と第2の参照電圧生成抵抗の他端との間に前記した半導体装置内の所定の内部導体を経由する形で、前記した外部基準抵抗と前記した半導体装置の間を接続する線路と比較して2倍の幅で同一材料の線路を1本ずつ配置した補正用線路とをインピーダンス調整回路に具備させる。
【0017】
すなわち本発明では、従来、インピーダンスの調整のために外部基準抵抗の電位と、第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗の接続点の電位を比較していたものを、第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗の接続点を切り離し、この間に半導体装置の内部導体を経由する形で、外部基準抵抗と半導体装置の間を接続する線路と比較して2倍の幅で同一材料の線路を1本ずつ補正用線路として配置することにした。これにより、外部基準抵と半導体装置の間や、第1の参照電圧生成抵抗あるいは第2の参照電圧生成抵抗と半導体装置の間の寄生抵抗分を相殺した形でインピーダンス調整手段によるインピーダンスの調整が可能になる。しかも、外部基準抵抗と半導体装置の間を接続する線路と比較して2倍の幅で同一材料の線路を1本ずつ補正用線路として配置することで、配線が容易となり、かつ温度等の各種環境に対する寄生抵抗分の変化に対応させることができる。
【0018】
請求項6記載の発明では、(イ)伝送線路のインピーダンスの調整を行う半導体装置の外部に設けられ、所定の電源ラインに一端を接続して、前記した伝送線路のインピーダンスと一致するように設定された外部基準抵抗と、前記した半導体装置の外部に設けられ、一端を前記した電源ラインに接続した第1の参照電圧生成抵抗と、前記した半導体装置の外部に設けられ、一端を接地した第2の参照電圧生成抵抗と、第1の参照電圧生成抵抗の他端と第2の参照電圧生成抵抗の他端との間に前記した半導体装置内の所定の内部導体を経由する形で、前記した外部基準抵抗と前記した半導体装置の間を接続する線路の寄生抵抗分と寄生抵抗が同一となる線路を配置した補正用線路とを備えた装置における前記した外部基準抵抗の他端の電位と、第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗のそれぞれ他端を所定の接続点で接続したときの電位とを比較する電位比較ステップと、(ロ)この電位比較ステップで両者の電位が一致するように内部のインピーダンスを調整するインピーダンス調整ステップとをインピーダンス調整方法に具備させる。
【0019】
すなわち本発明では、外部基準抵と半導体装置の間や、第1の参照電圧生成抵抗あるいは第2の参照電圧生成抵抗と半導体装置の間の寄生抵抗分を相殺した形でインピーダンスの調整が可能になる。インピーダンス調整ステップでインピーダンスの調整が行われたら、前記した半導体装置の内部に配置され、前記した伝送線路と接続される他の回路のインピーダンスを、インピーダンス調整ステップで調整後のインピーダンスに設定することもできる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によればインピーダンスの調整時に影響を及ぼす線路の寄生抵抗分を、新たに設けた線路の寄生抵抗分を利用してキャンセルすることにした。したがって、回路装置の製造時にこのような線路を一緒に作り込むことで、簡単に精度の高いインピーダンス調整回路やインピーダンス調整方法を実現することができる。しかも、線路の材質を他の回路部分と同一のものにすれば、温度変化等の各種変化に対してこれらの間で同様の特性を持たせることができるので、調整の精度および特性の安定性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の一実施例におけるインピーダンス調整回路の構成の概要を表わしたものである。本実施例のインピーダンス調整回路200では、LSIケース201に収容された半導体装置としてのLSI202の内部に、インピーダンス調整用出力バッファ(レプリカバッファ)203を配置している。このインピーダンス調整用出力バッファ203は、後に示す複数の電界効果トランジスタのオン・オフ動作によって実現する可変抵抗器204を内蔵しており、制御回路205がこの抵抗値を制御するようになっている。
【0023】
インピーダンス調整用出力バッファ203の出力側は、LSIケース201の第1のケースピン206に接続されている。第1のケースピン206には、LSIケース201の外側に配置され、一端を電源ライン207に接続したインピーダンス整合に使用する外部基準抵抗としてのクランプ抵抗208の他端が接続されている。インピーダンス調整用出力バッファ203の出力側と第1のケースピン206の間の線路には、所定の寄生抵抗分209が存在している。
【0024】
インピーダンス調整用出力バッファ203の出力側は、コンパレータ211のプラス側の入力端子にも接続されている。コンパレータ211の出力側から出力される比較結果212は制御回路205に入力されるようになっている。LSI202におけるこのような回路部分は、図7に示した従来のインピーダンス調整回路100のLSI102と同一である。
【0025】
本実施例では、LSIケース201の第1のケースピン206の他に、第2〜第4のケースピン214〜216をインピーダンス調整回路200のために割り当てている。ここで、第1〜第4のケースピン206、214〜216は、LSIケース201における実際のピン番号と無関係であり、任意に割り当ててよい。
【0026】
電源ライン207と第2のケースピン214の間には、図7の第1の参照電圧生成抵抗111に対応する第1の参照電圧生成抵抗221が接続されており、第3および第4のケースピン215、216の共通接続点には、図7の第2の参照電圧生成抵抗112に対応する第2の参照電圧生成抵抗222の一端が接続されている。第2の参照電圧生成抵抗222の他端は接地されている。コンパレータ211のマイナス側の入力端子は、第4のケースピン216と接続されている。この部分の線路に寄生抵抗分223が存在する。
【0027】
本実施例の場合には、本来、短絡されるべき第2のケースピン214と第3のケースピン215の間のLSIケース201内に、LSI202を折り返す抵抗回路224が形成されている。この抵抗回路224は、第2のケースピン214に一端を接続し他端を折り返し線225の一端に接続した第1および第2の抵抗成分226、227を有する線路と、折り返し線225の他端に一端を接続し他端を第3のケースピン215に共通接続した第3および第4の抵抗成分228、229を有する線路によって構成されている。
【0028】
ここで、第1〜第4の抵抗成分226〜229を構成する線路は、実際の抵抗器で構成されているのではなく、第1のケースピン206および第4のケースピン216とLSI202を結ぶそれぞれの線路と全く同一幅、同一の厚さの線路からなる寄生抵抗分である。すなわち、第2のケースピン214と折り返し線225の一端の間には、第4のケースピン216とLSI202を結ぶ線路と全く同一幅、同一の厚さの線路が2本並列に形成されている。また、第3のケースピン215と折り返し線225の他端の間にも、第4のケースピン216とLSI202を結ぶ線路と全く同一幅、同一の厚さの線路が2本並列に形成されている。
【0029】
このような構成のインピーダンス調整回路200で、第1のケースピン206とLSI202を結ぶ線路の寄生抵抗分209を抵抗Rとする。この場合、第1〜第4の抵抗成分226〜229および寄生抵抗分223もこれらの抵抗値が抵抗Rとなる。第2のケースピン214と第3のケースピン215の間の寄生抵抗分をRP2P3とし、抵抗226と抵抗227の合成抵抗値および抵抗228と抵抗229の合成抵抗値をそれぞれ、RG1、RG2とする。このとき次の(1)〜(3)式が成立する。
【0030】
P2P3=RG1+RG2 ……(1)
1/RG1=1/R+1/R ……(2)
1/RG2=1/R+1/R ……(3)
したがって、(2)、(3)式より次の(4)式が成立する。
G1=RG2=R/2 ……(4)
この結果を(1)式に代入すると、次の(5)式となる。
P2P3=R/2+R/2
=R ……(5)
【0031】
すなわち、本実施例では、コンパレータ211がLSIケース201の寄生抵抗分の影響をキャンセルした形で、クランプ抵抗208の第1のケースピン206側の電位と、第1および第2の参照電圧生成抵抗221、222の接続点の電位とを比較しており、その比較結果212を制御回路205に入力している。したがって、(5)式が成立する理想的な条件で寄生抵抗分による誤差が発生しない。
【0032】
図2は、図1に示したLSI内のインピーダンス調整回路と、インピーダンスの調整対象のメインバッファの部分を表わしたものである。LSI202内には、インピーダンス調整用出力バッファ203と共に、インピーダンスの調整対象の回路素子としてのメインバッファ241が配置されている。メインバッファ241は、図1に示したLSIケース201のケースピンの1つと接続されている。本実施例のインピーダンス調整用出力バッファ203およびメインバッファ241内には、インピーダンスを調整するための複数のMOS(Metal Oxide Semiconductor)・FET(Field-Effect Transistor)242〜245が配置されており、これらを選択的にオン・オフすることで所望のインピーダンスに設定できるようになっている。
【0033】
コンパレータ211の比較結果212は、制御回路205内の調整カウンタ246に入力され、調整すべきインピーダンスに対応するカウント値にセットされる。このときの調整カウンタ246の各桁の出力247〜250がMOS・FET242〜245の対応するもののゲートに入力されて、それらの論理状態でこれらMOS・FET242〜245のソースとドレイン間がオン・オフ制御されることになる。
【0034】
図2に示したLSI202内には、調整カウンタ246の出力247〜250を所望のタイミングで選択する選択回路252と、この選択回路252の出力を格納するプリバッファ253が備えられている。プリバッファ253の出力255〜258は、メインバッファ241内のMOS・FET242〜245の対応するもののゲートに入力されて、それらの論理状態でこれらMOS・FET242〜245のソースとドレイン間がオン・オフ制御されるようになっている。
【0035】
選択回路252は、調整カウンタ246の各桁の出力247〜250を1つずつ入力する2入力アンドゲートから構成されている。これらの2入力アンドゲートの他方の入力端子には、選択のタイミングを示す選択信号259が入力されるようになっている。所定のタイミングで選択信号259がハイレベルになると、各桁の出力247〜250がプリバッファ253の対応するメモリ領域に格納されて、メインバッファ241内のMOS・FET242〜245が選択的にオン・オフ制御される。これにより、メインバッファ241のインピーダンスがインピーダンス調整用出力バッファ203の調整後の値に変更されることになる。
【0036】
以上説明した本実施例では、インピーダンス調整回路200が調整すべきインピーダンスを計測して、その結果を基にして所望のタイミングでメインバッファ241のインピーダンスを調整することにしたが、これに限るものではない。すなわち、インピーダンスの調整を必要とする回路部分が本実施例のインピーダンス調整回路200のように整合するインピーダンスを直接測定して、インピーダンスを変更するものであってもよい。
【0037】
<発明の第1の変形例>
【0038】
図3は、本発明の第1の変形例におけるインピーダンス調整回路の構成の概要を表わしたものである。図3で図1と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この第1の変形例のインピーダンス調整回路200Aでは、第2のケースピン214と折り返し線225の一端に、寄生抵抗分209の半分の抵抗値の抵抗分301が接続されている。第3のケースピン215と折り返し線225の他端の間に接続された抵抗分302も、抵抗分301と同一の抵抗値となっている。
【0039】
抵抗回路224Aを構成する抵抗分301、302は、寄生抵抗分であり、第1のケースピン206や第4のケースピン216とLSI202を結ぶ線路の幅に対して2倍の幅の線路を、第2のケースピン214および第3のケースピン215に接続することで実現することができる。第2のケースピン214および第3のケースピン215に接続する線路の幅を第1のケースピン206や第4のケースピン216とLSI202を結ぶ線路の幅と同じにして、厚さを2倍にしてもよい。
【0040】
このように実施例では第1および第2の抵抗成分226、227ならびに第3および第4の抵抗成分228、229を第1のケースピン206や第4のケースピン216とLSI202を結ぶ線路と同一幅の線路を2本ずつ並行に配置することで実現したのに対して、第1の変形例ではそれぞれ1本の線路で実現することができ、線路のパターンが単純化する。もちろん、第1のケースピン206や第4のケースピン216とLSI202を結ぶ線路と同一の材料で調整用の線路を形成することで、外付けの抵抗を使用する場合と異なり、プロセスや温度あるいは電圧といった各種の状況に対して、より精度の高いインピーダンス整合を実現することができる。
【0041】
<発明の第2の変形例>
【0042】
図4は、本発明の第2の変形例におけるインピーダンス調整回路の構成の概要を表わしたものである。図4で図1と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この第2の変形例のインピーダンス調整回路200Bで、第1のケースピン206と第4のケースピン216はそのままであるが、実施例における第2および第3のケースピン214、215(図1)の代わりに、第1−1、第1−2のケースピン2141、2142、第2−1、第2−2のケースピン2151、2152が設けられている。
【0043】
第1−1のケースピン2141と第1−2のケースピン2142はLSIケース201の外側で半田付けされ、その接続点と電源ライン207の間に第1の参照電圧生成抵抗221が接続されている。また、第2−1のケースピン2151と第2−2のケースピン2152は、第4のケースピン216と共にLSIケース201の外側で半田付けされ、その接続点とアースの間に第2の参照電圧生成抵抗222が接続されている。
【0044】
このようなインピーダンス調整回路200Bでは、抵抗回路224Bを構成する寄生抵抗分である第1〜第4の抵抗成分226〜229の各配線パターンが1つずつ別々のケースピンに接続される。したがって、LSIケース201の内部で第1−1、第1−2のケースピン2141、2142ならびに第2−1、第2−2のケースピン2151、2152に一端をそれぞれ接続する線路の配線が実施例のインピーダンス調整回路200と比較して無理なく行える。したがって、インピーダンスの調整も良好に行うことができる可能性が大きい。もちろん、第1のケースピン206や第4のケースピン216とLSI202を結ぶ線路と同一の材料で調整用の線路を形成することで、外付けの抵抗を使用する場合と異なり、プロセスや温度あるいは電圧といった各種の状況に対して、より精度の高いインピーダンス整合を実現することができる。
【0045】
<発明の第3の変形例>
【0046】
図5は、本発明の第3の変形例におけるインピーダンス調整回路の構成の概要を表わしたものである。図5で図1と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この第3の変形例のインピーダンス調整回路200Cでは、LSIケース201のケースピンとして第1〜第3のケースピン206、214、215のみを使用しており、図1に示した実施例よりもケースピンの数が少なくなっている。このために、抵抗回路224内の寄生抵抗分である第3および第4の抵抗成分228、229と第3のケースピン215の接続点に、コンパレータ211のマイナス側の入力端子に至る線路の端部が接続されている。
【0047】
このように3つの経路を第3のケースピン215の手前のLSIケース201内部で合流させることにより、インピーダンス調整回路200Cで必要とするケースピンの数を1つ少なくすることができる。もちろん、第1のケースピン206や第3のケースピン215とLSI202を結ぶ線路と同一の材料で調整用の線路を形成することで、外付けの抵抗を使用する場合と異なり、プロセスや温度あるいは電圧といった各種の状況に対して、より精度の高いインピーダンス整合を実現することができる。
【0048】
<発明の第4の変形例>
【0049】
図6は、本発明の第4の変形例におけるインピーダンス調整回路の構成の概要を表わしたものである。図6で図1と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この第4の変形例のインピーダンス調整回路200Dでは、LSIケース201が搭載されたプリント基板面における第1〜第4のケースピン206、214〜216から、クランプ抵抗208、第1および第2の参照電圧生成抵抗221、222までのプリント基板配線領域(PWB)311における寄生抵抗分が問題となる場合におけるそれらの補正も行うようになっている。
【0050】
今、電源ライン207に一端を接続したクランプ抵抗208の他端312と第1のケースピン206の間の、プリント基板配線領域311における線路313の寄生抵抗分314を抵抗rとする。このとき、第2の参照電圧生成抵抗222の接地側と反対の端部315と第4のケースピン216の間の、プリント基板配線領域311における線路316は、その長さや線幅といった回路状況が線路312と同一であると仮定すると、その寄生抵抗分317も抵抗rで表わすことができる。
【0051】
また、電源ライン207に一端を接続した第1の参照電圧生成抵抗221の他端318と第2のケースピン214の間の、プリント基板配線領域311における1本の線路319の寄生抵抗分321も、線路312と同一の回路状況にあると仮定すると、抵抗rと見なすことができる。第2の参照電圧生成抵抗222の接地側と反対の端部315と第3のケースピン215の間の、プリント基板配線領域311における1本の線路322の寄生抵抗分323も、同様に抵抗rと見なすことができる。
【0052】
そこで、すでに図1に示した実施例で説明したと同様に、プリント基板配線領域311における線路319が線路313と同一の線幅の2本の線路325、326で構成されているとする。同様に、プリント基板配線領域311における線路322が線路313と同一の線幅の2本の線路327、328で構成されているとする。すると、これらの4本の線路325〜328の寄生抵抗分は、それぞれ抵抗rと見なすことができる。
【0053】
したがって、一方の2本の線路325、326合成抵抗は、r/2となり、他方の2本の線路327、328の合成抵抗も、r/2となる。第1の参照電圧生成抵抗221の他端318と、第2の参照電圧生成抵抗222の接地側と反対の端部315の間の寄生抵抗分を見てみる。この合成抵抗(寄生抵抗分)をRCASE,PWDとすると、先の(1)〜(4)式と同様にして次の(6)式で表わすことができる。
【0054】
CASE,PWD=r/2+R/2+R/2+r/2
=r+R ……(6)
【0055】
すなわち、本発明の第4の変形例では、コンパレータ211がLSIケース201とプリント基板配線領域311の双方の寄生抵抗分の影響をキャンセルした形で、クランプ抵抗208の第1のケースピン206側の電位と、第1および第2の参照電圧生成抵抗221、222の接続点の電位とを比較して、その比較結果212を制御回路205に入力することができる。したがって、(2)式が成立する理想的な条件で寄生抵抗分による誤差が発生しない。
【0056】
もちろん、すでに説明したと同様に第1の参照電圧生成抵抗221の他端318と第2のケースピン214の間を1本の線路とし、その線路の幅を線路313や線路316の線幅の2倍とするようにしてもよい。第2の参照電圧生成抵抗222の接地側と反対の端部315と第3のケースピン215の間を1本の線路とする場合も同様である。
【0057】
本発明の第4の変形例でも、第1のケースピン206や第3のケースピン215とLSI202を結ぶ線路と同一の材料で、LSIケース201内部およびプリント基板配線領域311における調整用の線路を形成することで、外付けの抵抗を使用する場合と異なり、プロセスや温度あるいは電圧といった各種の状況に対して、より精度の高いインピーダンス整合を実現することができることになる。
【0058】
なお、この第4の変形例では、クランプ抵抗208の他端312と第1のケースピン206の間の線路313の長さと、他の線路316、319、322の長さを共に同一のものとしたが、たとえば線路313の長さに対して他の2つの線路316、319の長さが半分であってもよい。この場合には、それぞれ線路313と同一の線幅の1本ずつの線路を使用して寄生抵抗の抵抗値をr/2にすればよい。これ以外の距離関係の場合にも、線幅や線の本数を適宜変更して、寄生抵抗の抵抗値をr/2にしてもよいことも当然である。
【0059】
このような線幅や線路の本数についての各種の変更は、実施例および他の変形例でも同様に適用可能である。すなわち、合成抵抗を構成する線路の本数は2本に限られるものでなく、3本以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施例におけるインピーダンス調整回路の構成の概要を表わした回路図である。
【図2】図1に示したLSI内のインピーダンス調整回路と、インピーダンスの調整対象のメインバッファの部分を表わした回路図である。
【図3】本発明の第1の変形例におけるインピーダンス調整回路の構成の概要を表わした回路図である。
【図4】本発明の第2の変形例におけるインピーダンス調整回路の構成の概要を表わした回路図である。
【図5】本発明の第3の変形例におけるインピーダンス調整回路の構成の概要を表わした回路図である。
【図6】本発明の第4の変形例におけるインピーダンス調整回路の構成の概要を表わした回路図である。
【図7】従来提案されたインピーダンス調整回路の概要を表わした回路図である。
【符号の説明】
【0061】
200、200A、200B、200C、200D インピーダンス調整回路
201 LSIケース
202 LSI
203 インピーダンス調整用出力バッファ
204 可変抵抗器
205 制御回路
206 第1のケースピン
208 クランプ抵抗
209、223、321、323 寄生抵抗分
211 コンパレータ
214 第2のケースピン
215 第3のケースピン
216 第4のケースピン
221 第1の参照電圧生成抵抗
222 第2の参照電圧生成抵抗
224 抵抗回路
225 折り返し線(内部導体)
226 第1の抵抗成分(寄生抵抗分)
227 第2の抵抗成分(寄生抵抗分)
228 第3の抵抗成分(寄生抵抗分)
229 第4の抵抗成分(寄生抵抗分)
241 メインバッファ
246 調整カウンタ
252 選択回路
253 プリバッファ
301、302 抵抗分(寄生抵抗分)
311 基板配線領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送線路のインピーダンスの調整を行う半導体装置の外部に設けられ、所定の電源ラインに一端を接続して、前記伝送線路のインピーダンスと一致するように設定された外部基準抵抗と、
前記半導体装置の外部に設けられ、一端を前記電源ラインに接続した第1の参照電圧生成抵抗と、
前記半導体装置の外部に設けられ、一端を接地した第2の参照電圧生成抵抗と、
前記半導体装置の内部に設けられ、前記外部基準抵抗の他端の電位と、前記第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗のそれぞれ他端を所定の接続点で接続したときの電位とを比較したときこれらの電位が一致するようにインピーダンスを調整することで前記伝送線路のインピーダンスに前記半導体装置内の特定の回路部分のインピーダンスを一致させるインピーダンス調整手段と、
前記第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗を前記接続点で接続する代わりに、前記第1の参照電圧生成抵抗の他端と前記第2の参照電圧生成抵抗の他端との間に前記半導体装置内の所定の内部導体を経由する形で、前記外部基準抵抗と前記半導体装置の間を接続する線路の寄生抵抗と寄生抵抗が同一となる線路を配置した補正用線路
とを具備することを特徴とするインピーダンス調整回路。
【請求項2】
伝送線路のインピーダンスの調整を行う半導体装置の外部に設けられ、所定の電源ラインに一端を接続して、前記伝送線路のインピーダンスと一致するように設定された外部基準抵抗と、
前記半導体装置の外部に設けられ、一端を前記電源ラインに接続した第1の参照電圧生成抵抗と、
前記半導体装置の外部に設けられ、一端を接地した第2の参照電圧生成抵抗と、
前記半導体装置の内部に設けられ、前記外部基準抵抗の他端の電位と、前記第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗のそれぞれ他端を所定の接続点で接続したときの電位とを比較したときこれらの電位が一致するようにインピーダンスを調整することで前記伝送線路のインピーダンスに前記半導体装置内の特定の回路部分のインピーダンスを一致させるインピーダンス調整手段と、
前記第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗を前記接続点で接続する代わりに、前記第1の参照電圧生成抵抗の他端と前記第2の参照電圧生成抵抗の他端との間に前記半導体装置内の所定の内部導体を経由する形で、前記外部基準抵抗と前記半導体装置の間を接続する線路と同一幅で同一材料の線路を2本ずつ配置した補正用線路
とを具備することを特徴とするインピーダンス調整回路。
【請求項3】
伝送線路のインピーダンスの調整を行う半導体装置の外部に設けられ、所定の電源ラインに一端を接続して、前記伝送線路のインピーダンスと一致するように設定された外部基準抵抗と、
前記半導体装置の外部に設けられ、一端を前記電源ラインに接続した第1の参照電圧生成抵抗と、
前記半導体装置の外部に設けられ、一端を接地した第2の参照電圧生成抵抗と、
前記半導体装置の内部に設けられ、前記外部基準抵抗の他端の電位と、前記第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗のそれぞれ他端を所定の接続点で接続したときの電位とを比較したときこれらの電位が一致するようにインピーダンスを調整することで前記伝送線路のインピーダンスに前記半導体装置内の特定の回路部分のインピーダンスを一致させるインピーダンス調整手段と、
前記第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗を前記接続点で接続する代わりに、前記第1の参照電圧生成抵抗の他端と前記第2の参照電圧生成抵抗の他端との間に前記半導体装置内の所定の内部導体を経由する形で、前記外部基準抵抗と前記半導体装置の間を接続する線路と比較して2倍の幅で同一材料の線路を1本ずつ配置した補正用線路
とを具備することを特徴とするインピーダンス調整回路。
【請求項4】
前記半導体装置はLSIであり、前記線路は前記LSIを収容したLSIケースのケースピンと前記LSIを接続するものであることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載のインピーダンス調整回路。
【請求項5】
前記半導体装置はLSIであり、前記外部基準抵抗、前記第1の参照電圧生成抵抗および前記第2の参照電圧生成抵抗は前記LSIを収容したLSIケースを取り付けたプリント基板上に配置されており、前記線路は前記LSIを収容したLSIケースのケースピンと前記LSIを接続する部分と、前記LSIケースのケースピンと前記外部基準抵抗、前記第1の参照電圧生成抵抗あるいは前記第2の参照電圧生成抵抗を接続する部分から構成されることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載のインピーダンス調整回路。
【請求項6】
伝送線路のインピーダンスの調整を行う半導体装置の外部に設けられ、所定の電源ラインに一端を接続して、前記伝送線路のインピーダンスと一致するように設定された外部基準抵抗と、前記半導体装置の外部に設けられ、一端を前記電源ラインに接続した第1の参照電圧生成抵抗と、前記半導体装置の外部に設けられ、一端を接地した第2の参照電圧生成抵抗と、前記第1の参照電圧生成抵抗の他端と前記第2の参照電圧生成抵抗の他端との間に前記半導体装置内の所定の内部導体を経由する形で、前記外部基準抵抗と前記半導体装置の間を接続する線路の寄生抵抗と寄生抵抗が同一となる線路を配置した補正用線路とを備えた装置における前記外部基準抵抗の他端の電位と、前記第1の参照電圧生成抵抗と第2の参照電圧生成抵抗のそれぞれ他端を所定の接続点で接続したときの電位とを比較する電位比較ステップと、
この電位比較ステップで両者の電位が一致するように内部のインピーダンスを調整するインピーダンス調整ステップ
とを具備することを特徴とするインピーダンス調整方法。
【請求項7】
前記半導体装置の内部に配置され、前記伝送線路と接続される他の回路のインピーダンスを、前記インピーダンス調整ステップで調整後のインピーダンスに設定する他回路インピーダンス設定ステップ
を具備することを特徴とする請求項6記載のインピーダンス調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−219463(P2008−219463A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53945(P2007−53945)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】