説明

エフェクト顔料ならびに化粧品、食品および医薬品分野におけるその使用

本発明は、透明で非ドープのSiO2薄片をベースとし、極めて強く着色され、光安定性のエフェクト顔料に関する。前記エフェクト顔料は、同顔料が30〜150nmの厚さを有する酸化鉄層に取り囲まれると同時に、すべてのSiO2薄片が250〜400nmの範囲の同じ厚さを有することを特徴とする。顔料混合物、化粧品配合物における、ならびに食品および医薬品を着色するためのエフェクト顔料の使用も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化鉄層で覆われた薄く透明なSiO2フレークをベースとする、光に安定なエフェクト顔料、ならびに純粋な形態あるいは他の着色剤および/または充てん剤と混合した形態での、化粧品配合物、食品および医薬品分野におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
WO93/08237には、透明な二酸化ケイ素フレークをベースとするエフェクト顔料について開示されている。その中に記載されている顔料は、薄い金属酸化物層または複数の金属酸化物層で覆われている、薄いSiO2フレーク(フレークの厚さが50μm〜5000μm)からなる。SiO2フレークは、金属酸化物の代わりに、金属、硫化物または窒化物などの他の材料で覆われていてもよい。
【0003】
WO2004/044060A1、WO2004/065492A1およびEP1556446A1には、例えば金属酸化物コーティングSiOzフレークについて開示されている。ここで、パラメータZは、以下の値を採用することができる。すなわち、
0.7≦z≦2.0、0.03≦z≦2.0または0.7≦z≦1.8
である。
【0004】
Merck KGaAからXirona(登録商標)という商品名で市販されている金属酸化物コーティングSiO2フレークは、10nm〜500nmの厚さを有する金属酸化物層(TiO2またはFe23)で覆われた、均一な厚さ(±5nm)のSiO2フレークからなる。SiO2フレークの厚さは、200nm〜900nmの範囲である。このタイプのSiO2顔料は、使用されるフレークの厚さおよび適用される金属酸化物層の厚さならびに金属酸化物の性質によって、特に極めて強い干渉色および/または強い角度依存性の色変化効果の点で区別される。後者は、観察者が着色物に対して観察位置を変えると異なった色を視認するというような点で明白である。
【0005】
SiO2フレークをベースとする極めて強く着色された赤色エフェクト顔料は、DE102005002124に記載されている。これらの顔料は、酸化鉄コーティングSiO2フレークを含み、顔料の総厚は500nm(±30nm)を超えない。
【発明の開示】
【0006】
SiO2フレークをベースとする赤色エフェクト顔料は、それらの高い光沢、色純度および着色力が顕著であり、それ故、これらの顔料が光に安定であり、浸出/色移りせず、皮膚感触の柔らかさを促進し、非毒性であり、高い隠蔽力を有する場合には、特に、化粧品のための、ならびに食品および医薬品を着色するための関心対象であるはずである。
【0007】
しかし、SiO2フレークをベースとする顔料は、透明性が高いために高い隠蔽力を有さないという不利な点を有する。本発明の目的は、SiO2フレークをベースとし、光に安定であるだけでなく、比較的高い隠蔽力をも有し、それぞれの適用系に非常に良好に混合することができると同時に、特に光沢および色純度などの光学的性質に、僅かな程度まで影響を及ぼすだけであるか、全く影響を及ぼさない赤色エフェクト顔料を提供することであった。これらの顔料は、水相中および油相中の両方で化学的に非常に安定である。すなわち、それらは浸出しない。それ故、これらの顔料は眼に、および唇領域にも使用することができる。
【0008】
驚いたことに、エフェクト顔料は、並外れて高い着色力の他に、高い光安定性を有することが現在見い出されている。これらの顔料は、30〜150nm、好ましくは60±30nmの厚さを有する酸化鉄層で覆われている、透明で非ドープのSiO2フレークをベースとし、すべてのSiO2フレークが同一の厚さを有し、SiO2フレークの厚さが250〜400nm、好ましくは270〜370nmであるという事実によって特徴付けられる。このタイプの顔料は、Suntestにおいて色変化を全く示さないので、光に非常に安定である。
【0009】
本発明による顔料の隠蔽力は、これらの顔料が、有機および無機充てん剤と組み合わせて、および/またはフレーク形状、針状、球状もしくは結晶状の着色剤と組み合わせて混合される場合、著しく増加する。1種または複数種の着色剤とこれらのエフェクト顔料とを混合することによって、色効果を高め、新規な色効果を得ることができる。さらに、この顔料混合物は、それらの高い光沢および非常に良好な皮膚感触の点で顕著である。
【0010】
したがって、本発明は、30〜150nmの厚さを有する酸化鉄層で覆われており、すべてのSiO2フレークが同一の厚さを有し、SiO2フレークの厚さが250〜400nmであることを特徴とする、透明で非ドープのSiO2フレークをベースとし、極めて強く着色され、光に安定なエフェクト顔料に関する。
【0011】
本発明はさらに、少なくとも2種の成分AおよびBからなる顔料混合物であり、成分Aは、請求項1に記載の、極めて強く着色され、光に安定なエフェクト顔料を含み、成分Bは、フレーク形状、針状、球状または不規則形状粒子からなる、無機顔料、有機顔料、染料および/または充てん剤を含む顔料混合物に関する。
【0012】
傑出した色パラメータは、最適な光沢効果に加えて、顔料の強い純粋な赤色である。ここでの酸化鉄は、Fe23の形である。赤色エフェクト顔料は、L=20〜200;a=20〜100;b=10〜70の範囲の実験値(ETA測定システム、角度依存性)を有し、それ故、化粧品、特に装飾化粧品に極めて適している。
【0013】
本発明は、同様に、例えば、メーキャップ、コンパクトパウダー、ルースパウダー、リップスティック、ローション、乳液などの、本発明による顔料混合物を含む化粧品配合物に関する。顔料混合物はさらに、食品およびOTC製剤を含む医薬品の、着色および着色コーティングならびにフィニッシング、例えば、錠剤、糖衣錠、ゼラチンカプセル剤などの薬物コーティングなどに適している。
【0014】
赤色エフェクト顔料は、着色剤または充てん剤と任意の重量比で混合することができる。成分Aと成分Bとの比率は、好ましくは99:1〜50:50、特に95:5〜70:30、非常に特に好ましくは70:30〜50:50である。
【0015】
好ましい赤色エフェクト顔料は、以下の構造を有する。すなわち、
250〜400nm、好ましくは300〜370nm、特に340〜365nmの厚さを有するSiO2フレークに加えて、
60〜250nm、好ましくは60〜150nm、特に80〜120nmの厚さを有するFe23層である。
【0016】
特に好ましくは、赤色エフェクト顔料の総厚が500(±30)nmを超えず、好ましくは440(±30)nm以下、特に400(±30)nm未満であるようにSiO2フレークの厚さおよび酸化鉄層の厚さが選択される赤色エフェクト顔料である。
【0017】
特定の色効果を得るために、ナノメートルサイズの範囲に微粉化された粒子を、Fe23層に追加的に導入してもよい。この目的のために適しているのは、例えば、10〜250nmの範囲の粒径を有する微粉化TiO2または微粉化炭素(カーボンブラック)であることが分かっている。かかる粒子の光散乱特性は、光沢および隠蔽力に明確に影響を及ぼすことができる。
【0018】
SiO2フレークは、例えば、WO93/08237に記載されているように製造することができる。
【0019】
SiO2フレークは、湿式化学法および/またはCVD法によって、酸化鉄層でコーティングすることができる。酸化鉄層の供給前に、1.4<n<2.7の薄い誘電体層を場合によって被覆させることも可能である。SiO2フレーク上のこのタイプのコーティングは、例えば、2〜20nmの厚さを有するAl23、ZnOまたはTiO2層および色彩的に調和した最上層のFe23層からなることができる。
【0020】
赤色エフェクト顔料を調製するためには湿式化学法を使用することが好ましく、かかる使用は、真珠光沢顔料の調製のために開発され、例えば、以下の公報、すなわち、DE1467468、DE1959988、DE2009566、DE2214545、DE2215191、DE2244298、DE2313331、DE2522572、DE3137808、DE3137809、DE3151343、DE3151354、DE3151355、DE3211602、DE3235017に記載されている、既知の湿式化学コーティング技術であると見なすことができる。
【0021】
コーティングに関しては、SiO2フレークを水に懸濁し、対応する無機鉄化合物の付加および沈殿によって、酸化鉄で完全にコーティング、すなわち覆う。ここで、酸化鉄、好ましくはFe23の沈殿に必要なpHを設定し、酸または塩基を同時に加えることによって一定に保ち、続いて、コーティングされた基体を水性懸濁液から分離し、乾燥し、場合によって焼成し、乾燥後および場合によって焼成後の顔料の厚さが500(±30)nmを超えず、好ましくは440(±30)nm未満であるように、個々の層の層厚を設定する。焼成温度は、一般に250から1000℃の間、好ましくは350から900℃の間である。
【0022】
原理上、粒子を酸化鉄でコーティングするためのCVD法もまた、本発明による顔料の製造に適している。このタイプの方法は、例えば、W.Ostertag,Nachr.Chem.Tech.Lab 1994,42,849に記載されている。ここでは、全粒子の表面の均質なコーティングが確実に行われ、基体が完全に覆われて、むき出しの縁が残らないようにするために、コーティング作業中、基体が均一に運動を続けられることが必要である。
【0023】
光、天候に対する安定性および化学的安定性を改良するため、または種々の媒体における相容性を増大させるために、赤色エフェクト顔料に有機または無機保護層を形成することもできる。適切な後コーティング剤または後処理剤は、例えば、シラン、シリコーン、吸収性シリコーン、金属石鹸、アミノ酸、レシチン、フッ素成分、ポリエチレン、コラーゲン、またはDE2215191、DE3151354、DE3235017もしくはDE3334598、EP0632109、US5,759,255、DE4317019、DE3929423、EP0492223、EP0342533、EP0268918、EP0141174、EP0764191、WO98/13426もしくはEP0465805に記載の方法である。この後コーティングはさらに、化学的および光化学的安定性を増大させるか、または赤色顔料の取り扱い、特に、種々の媒体中への混合を簡単にする。湿潤性、分散性および/または使用媒体との相容性を改良するために、例えば、Al23またはZrO2またはそれらの混合物の顔料表面への機能性コーティングに適用することが可能である。例えば、EP0090259、EP0634459、WO99/57204、WO96/32446、WO99/57204、US5,759,255、US5,571,851、WO01/92425またはJ.J.Ponjee,Philips Technical Review,Vol.44,No.3,81以下およびP.H.Harding J.C.Berg,J.Adhesion Sci.Technol.Vol.11 No.4,pp.471〜493に記載されているような、シランを用いた有機後コーティングはさらに可能である。追加的に供給される物質は、全顔料の約0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%を占めるだけである。
【0024】
赤色エフェクト顔料の後コーティングは、SiO2フレークのFe23コーティング上に、ワンポットプロセスで直接的に実施することができる。しかし、赤色エフェクト顔料を、最初に単離、場合によって乾燥および焼成し、続いて、後コーティングを適用することも可能である。
【0025】
赤色エフェクト顔料(成分A)の他に、本発明による顔料混合物は、成分Bという充てん剤および/または着色剤を含む。
【0026】
本発明による顔料混合物の成分Bとして適しているものは、当業者に知られているフレーク形状、針状、球状および結晶状のすべての着色剤または充てん剤であり、特に0.001〜10μm、好ましくは0.01〜1μmの粒径を有するものである。本発明による顔料混合物は、着色剤として吸収顔料、および充てん剤としてフレーク形状または球状の粉末を含むことが好ましい。成分Bは、コーティングされた、またはコーティングされていないSiO2ビーズを含むことが好ましい。1種または複数種の金属酸化物でコーティングされたSiO2ビーズは、例えば、EP0803550A2に開示されている。
【0027】
成分Aの他に、好ましい顔料混合物は、着色剤(成分B)として、特に、多層顔料または干渉顔料を含む真珠光沢顔料を含む。使用される真珠光沢顔料は、フレーク形状、透明または半透明の基体をベースとする顔料であり、かかる基体は、例えば、TiO2、チタン亜酸化物、チタン酸窒化物、Fe23、Fe34、FeOOH、SnO2、Cr23、ZnO、CuO、NiOおよび他の金属酸化物などの有色または無色の金属酸化物を、単独でまたは混合物で、単層または連続層の状態でコーティングされている、例えば、天然もしくは合成マイカ、タルク、セリサイト、カオリンまたは他のケイ酸塩材料などの層状ケイ酸塩を含む。特に好ましい真珠光沢顔料および干渉顔料は、二酸化チタン(ルチルまたはアナターゼ)、Fe23、TiO2とFe23との混合物、またはFe34でコーティングされている、合成または天然マイカフレーク(合成または天然マイカ)、ガラス、Al23またはSiO2フレーク、さらにFe23フレークをベースとする。
【0028】
真珠光沢顔料は、例えば、ドイツ特許およびドイツ特許出願第1467468号、同1959998号、同2009566号、同2214454号、同2215191号、同2244298号、同2313331号、同2522572号、同3137808号、同3137809号、同3151343号、同3151354号、同3151355号、同3211602号、同3235017号およびP3842330に開示されており、例えば、Merck KGaA、ダルムシュタット、ドイツおよび/またはRona、米国からIriodin(登録商標)、Timiron(登録商標)およびXirona(登録商標)の商標で市販されている。特に好ましい顔料組成物は、TiO2/マイカ、Fe23/マイカおよび/またはTiO2/Fe23/マイカの顔料を含む。真珠光沢顔料は、表面上にベルリンブルーまたはカルミンレッドの層を、追加的に有することができる。
【0029】
コーティングされた、またはコーティングされていないBiOCl顔料、TiO2コーティングおよび/またはFe23コーティングSiO2、ガラスまたはAl23フレークはさらに好ましい。1種または複数種の金属酸化物を用いたSiO2フレークのコーティングは、例えば、WO93/08237(湿式化学コーティング)またはDE−A19614637(CVD法)に記載されているように実施することができる。
【0030】
例えば、DE−A19618563、DE−A19618566、DE−A19618569、DE−A19707805、DE−A19707806およびDE−A19746067に開示されている多層顔料は、マイカ(合成または天然)、SiO2フレーク、ガラスフレーク、Al23フレークまたはポリマーフレークからなる、フレーク形状の透明で有色または無色のマトリックスをベースとしており、一般に0.3から5μmの間、特に0.4から2.0μmの間の厚さを有する。残りの2つの寸法の大きさは、通常1から250μmの間、好ましくは2から100μmの間、特に5から40μmの間である。多層顔料は、金属酸化物(少なくとも2種)でコーティングされたマトリックス(基体)からなる。複数の層を有する基体フレークマイカ、SiO2フレーク、ガラスフレークまたはAl23フレークのコーティングは、層状構造が形成されるように実施され、かかる層状構造は、交互になった高屈折率層と低屈折率層からなることが好ましい。多層顔料は2、3、4、5、6または7層、特に3、4または5層を含むことが好ましい。適切な高屈折率金属酸化物は、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化鉄/チタン(チタン酸鉄)および/または酸化クロム、特にTiO2および/またはFe23である。使用される低屈折率金属酸化物は、SiO2およびAl23である。しかし、MgF2または有機ポリマー(例えばアクリレート)をこの目的に使用することも可能である。基体フレークのコーティングは、例えば、WO93/08237号(湿式化学コーティング)またはDE−A−19614637号(CVDプロセス)に記載されているように実施することができる。マイカ(天然または合成)、ガラスフレーク、Al23フレーク、Fe23フレークまたはSiO2フレークをベースとする特に好ましい多層顔料は、TiO2−SiO2−TiO2の層配列を含む。ここでのTiO2は、ルチルまたはアナターゼ変態であることができる。好ましくはルチルの形態である。
【0031】
干渉顔料は、例えば、TiO2、チタン亜酸化物、チタン酸窒化物、Fe23、Fe34、SnO2、Cr23、ZnO、CuO、NiOおよび他の金属酸化物などの有色または無色の金属酸化物を、単独でまたは混合物で、単層または連続層の状態でコーティングされている、マイカ、ガラスフレークまたはSiO2フレークをベースとする顔料であることが好ましい。
【0032】
前記真珠光沢顔料、干渉顔料および多層顔料がTiO2層を含む場合、TiO2層はルチルまたはアナターゼ変態であることができる。好ましくはルチルの形態である。ルチル化は、当業者に知られており、例えば、US4,038,099、US5,433,779、US6,626,989、WO03/097749、US4,086,100、US4,867,794に記載されているように実施することができる。特に好ましくは、例えば、US4,867,794に記載されているような、酸化スズを使用するルチル化である。
【0033】
適切なフレーク形状着色剤は、特に、1種の金属酸化物層で覆われているだけである、マイカ、SiO2フレークもしくはAl23フレークを特にベースとする真珠光沢顔料、金属エフェクト顔料(Alフレーク、青銅)、光学的可変性顔料(OVP)、液晶ポリマー顔料(LCP)またはホログラフィック顔料である。
【0034】
SiO2フレークをベースとする成分Bの顔料は、言うまでもなく、成分Aのエフェクト顔料とは異なる。
【0035】
球状着色剤には、特に、TiO2、着色SiO2、CaSO4、酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、有機着色顔料、例えば、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料およびイソインドリン顔料などが含まれる。針状顔料は、BiOCl、着色ガラス繊維、α−FeOOH、有機着色顔料、例えば、アゾ顔料、β−フタロシアニンClブルー15.3、クロモフタルイエロー8GN(Ciba−Geigy)、イルガリスブルーPD56(Ciba−Geigy)、アゾメチン銅錯体Clイエロー129またはイルガジンイエロー5GT(Ciba−Geigy)などが好ましい。
【0036】
皮膚感触を改良するために、ナノスケールの誘電体を混合することも同様に可能である。このタイプの混合剤の例には、Al23、SiO2、ZnOまたはTiO2が挙げられ、配合物に対して0.01〜15%の量で通常加えられる。
【0037】
本発明による顔料混合物は、取り扱いが簡単で容易である。この顔料混合物は、簡単に加えて攪拌することによって適用系中に混合することができる。成分AおよびBは、同時に、連続的にまたは混合物として適用系に加えることができる。顔料の複雑な粉砕や分散は不必要である。
【0038】
本発明による顔料混合物は、食品着色剤の着色に、食品のフィニッシング、例えば、マスカラーリングに、または、例えば、糖衣錠および錠剤における薬物コーティングのコーティング剤として、あるいは、リップスティック、リップグロス、アイライナー、アイシャドウ、ルージュ、日焼け止め剤、日焼け前および日焼け後用組成物、メーキャップ、ボディローション、バスジェル、石鹸、バスソルト、歯磨き粉、毛髪用ジェル、(ボリューム)マスカラ、ネイルワニス、コンパクトパウダー、シャンプー、ルースパウダーおよびジェルなどの化粧品配合物に使用することができる。
【0039】
着色される適用系における顔料混合物の濃度は、一般に、系の総固形分含量に対して0.01から70重量%の間、好ましくは0.1から50重量%の間、特に1.0から10重量%の間である。その濃度は、一般に特定の用途に応じて決まり、ルースパウダーの場合は最大100%までとすることができる。本発明による顔料混合物の使用濃度は、シャンプーにおける0.01重量%からコンパクトパウダーにおける70重量%にまで及ぶ。赤色エフェクト顔料と球状充てん剤、例えば、SiO2との混合物において、配合物中の濃度は0.01〜70重量%であることができる。例えば、ネイルワニス、リップスティック、コンパクトパウダー、シャンプー、ルースパウダーおよびジェルなどの化粧品は、特に興味深い光沢効果が顕著である。
【0040】
本発明による顔料混合物は、装飾化粧品およびケア化粧品の両方に、有利に使用することができる。赤色エフェクト顔料の使用濃度、および赤色エフェクト顔料と成分B、特に天然または合成由来の、有機および無機の着色顔料ならびに染料、例えば、酸化クロム、ウルトラマリン、球状のSiO2またはTiO2顔料などとの混合比は、適用媒体および達成しようとする効果に応じて決まる。
【0041】
赤色エフェクト顔料は、市販の充てん剤とさらに混合することができる。言及することができる充てん剤は、例えば、天然および合成マイカ、ガラスビーズまたはガラス粉末、ナイロン粉末、純粋なメラミン樹脂または充てんメラミン樹脂、タルク、ガラス、カオリン、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムまたは亜鉛の、酸化物または水酸化物、BiOCl、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素、およびこれらの物質の物理的または化学的組合せなどである。
【0042】
充てん剤の粒子形状に関して制限はない。必要条件に従って、例えば、フレーク形状、球状、針状、結晶状または非晶形であってよい。
【0043】
本発明による赤色エフェクト顔料または顔料混合物は、言うまでもなく、配合物中で、任意のタイプの化粧品原料および助剤と組み合わせることもできる。これらには、とりわけ、油、脂肪、ワックス、膜形成剤、界面活性剤、例えば、ビタミンCまたはビタミンEなどの酸化防止剤、安定剤、芳香増強剤、シリコーン油、乳化剤、例えば、エタノールまたは酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどの溶媒、保存剤ならびに、例えば、増粘剤およびレオロジー添加剤などの一般に適用特性を決定する助剤、例えば、ベントナイト、ヘクトライト、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ゼラチン、高分子量炭水化物および/または表面活性助剤などが含まれる。
【0044】
本発明による顔料混合物を含む配合物は、脂肪親和性、親水性または疎水性のタイプに属することができる。分離した水相と非水相とを有する不均質配合物の場合、本発明による顔料混合物は、いずれの場合にも、2相のうちの1相だけに存在しても、あるいは両方の相に分散されていてもよい。
【0045】
配合物のpHは、1から14の間、好ましくは2から11の間、特に好ましくは5から8の間であることができる。
【0046】
本発明による顔料混合物の、配合物中の濃度に制限はない。この濃度は、用途に応じて、0.001(リンスオフ製品、例えばシャワー用ジェル)から100%(例えば特定用途の光沢効果商品)の間であることができる。
【0047】
本発明による顔料はさらに、化粧用活性成分と組み合わせてもよい。適切な活性成分は、例えば、虫除け剤、例えば、TiO2などの無機UVフィルター、UVA/BC保護フィルター(例えばOMC、B3およびMBC)であり、またカプセル入りの形態でもよく、老化防止活性成分、ビタミンおよびそれらの誘導体(例えばビタミンA、C、Eなど)、セルフタンニング剤(例えばとりわけ、DHA、エリトルロース)、さらにまたビサボロール、LPO、VTA、エクトイン、エンブリカ、アラントイン、バイオフラボノイドおよびそれらの誘導体などの化粧用活性成分などである。
【0048】
有機UVフィルターは、一般に、化粧品配合物中に0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%の量で混合され、無機系UVフィルターは、0.1〜30重量%の量で混合される。
【0049】
本発明による調製物は、加えて、さらなる従来の皮膚保護活性成分またはスキンケア活性成分を含むことも可能である。これらは、原則として、当業者に知られている任意の活性成分であってよい。
【0050】
特に好ましい活性成分は、ピリミジンカルボン酸および/またはアリールオキシムである。
【0051】
化粧品への適用に関しては、老化、乾燥または刺激を受けた皮膚をケアするための、エクトインおよびエクトイン誘導体の使用について詳しく言及する必要がある。
【0052】
したがって、欧州特許出願EP−A−0671161には、具体的には、エクトインおよびヒドロキシエクトインを、粉末、石鹸、界面活性剤を含むクレンジング製品、リップスティック、ルージュ、メーキャップ、ケアクリーム、および日焼け止め組成物などの、化粧品調製物中に使用することについて記載されている。
【0053】
言及することができる化粧品配合物の適用形態は、例えば、溶液、懸濁液、乳液、PIT乳液、ペースト、軟膏、ジェル、クリーム、ローション、粉末、石鹸、界面活性剤を含むクレンジング組成物、油、エアゾールおよびスプレーである。他の適用形態の例は、スティック、シャンプーおよびシャワー用調製物である。所望の通例の、いずれの賦形剤、助剤、および必要に応じてさらなる活性成分をも調製物に加えることができる。
【0054】
軟膏、ペースト、クリームおよびジェルは、通例の賦形剤、例えば動物性および植物性脂肪、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。
【0055】
粉末およびスプレーは、通例の賦形剤、例えば乳糖、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。スプレーは、通例の噴射剤、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルをさらに含むことができる。
【0056】
溶液および乳液は、溶媒、可溶化剤および乳化剤などの、通例の賦形剤を含むことができる。例えば、水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、油、特に綿実油、ピーナッツ油、小麦麦芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などが挙げられる。
【0057】
懸濁液は、液体希釈剤などの、通例の賦形剤を含むことができる。例えば、水、エタノールまたはプロピレングリコール、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物などが挙げられる。
【0058】
石鹸は、通例の賦形剤、例えば、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオン酸塩、ラノリン、脂肪族アルコール、植物油、植物抽出物、グリセロール、糖、またはこれらの物質の混合物などを含むことができる。
【0059】
界面活性剤を含むクレンジング製品は、通例の賦形剤を含むことができる。例えば、脂肪族アルコール硫酸エステルの塩、脂肪族アルコールエーテル硫酸エステル、スルホコハク酸モノエステル、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオン酸塩、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテル硫酸エステル、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物油および合成油、ラノリン誘導体、エトキシル化グリセロール脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などが挙げられる。
【0060】
顔用および身体用の油は、通例の賦形剤、例えば、脂肪酸エステルなどの合成油、脂肪族アルコール、シリコーン油、植物油および油状植物抽出物などの天然油、パラフィン油、ラノリン油、またはこれらの物質の混合物などを含むことができる。
【0061】
化粧品調製物は、種々の形態で存在してよい。したがって、この調製物は、例えば、溶液、水を含まない調製物、油中水(W/O)型または水中油(O/W)型の乳液またはマイクロエマルジョン、例えば水中油中水(W/O/W)型の複合乳液、ジェル、固形スティック、軟膏またはエアゾールなどであることができる。エクトインを、カプセル入りの形態で、例えばコラーゲンマトリックス中、および他の従来のカプセル化材料中、例えばセルロースのカプセル化など、ゼラチン、ワックスマトリックスまたはリポソームカプセルの形態で投与することも有利である。特に、DE−A4308282に記載されているようなワックスマトリックスは、好ましいことが証明されている。好ましくは、乳液である。O/W乳液が特に好ましい。乳液、W/O乳液およびO/W乳液は、従来方法で得ることができる。
【0062】
さらなる実施形態は、天然油もしくは合成油およびワックス、ラノリン、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリドをベースとする油性ローションであるか、またはエタノールなどの低級アルコール、もしくはプロピレングリコールなどのグリセロ−ル、および/またはグリセロールなどのポリオール、ならびに油、ワックスおよび脂肪酸のトリグリセリドなどの脂肪酸エステルをベースとする油性−アルコール系ローションである。
【0063】
固形スティックは、天然または合成のワックスおよび油、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリンおよび他の脂肪質の物質からなる。
【0064】
調製物がエアゾールとして調剤される場合、通例の噴射剤、例えばアルカン、フルオロアルカンおよびクロロフルオロアルカンなどが、一般に使用される。
【0065】
化粧品調製物は、変色、脱色または機械的性質の損失を防ぐために、光化学的損傷から毛髪を保護するのに使用してもよい。この場合、適切な配合物は、リンスアウトシャンプー、ローション、ゲルまたは乳液の形態であり、当該の調製物は、シャンプーの前後、着色もしくは脱色の前後、またはパーマネントウェーブの前後に使用される。毛髪のスタイリングまたはトリートメント用のローションまたはジェルの形態、ブラッシングまたはブローウェーブ用のローションまたはジェルの形態、毛髪のためのヘアラッカー、パーマネントウェーブ用組成物、着色剤または脱色剤の形態の調製物を選択することも可能である。光保護特性を有する調製物は、補助剤を含むことができる。例えば、界面活性剤、増粘剤、ポリマー、軟化剤、保存剤、気泡安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体、油、ワックス、アンチグリース剤、組成物自体または毛髪を着色させる染料および/または顔料、あるいは毛髪ケアに通常使用される他の成分などが挙げられる。
【0066】
したがって、本発明はまたさらに、吸収剤、収斂剤、抗菌物質、酸化防止剤、制汗剤、消泡剤、静電気防止剤、結合剤、生物学的添加剤、脱色剤、キレート剤、消臭剤、皮膚軟化剤、乳化剤、乳化安定剤、染料、保湿剤、膜形成剤、芳香物質、フレーバー物質、保存剤、防食剤、化粧用油、溶媒、酸化剤、植物成分、緩衝物質、還元剤、研磨剤、界面活性剤、噴射ガス、乳白剤、UVフィルターおよびUV吸収剤、変性剤、粘度調節剤ならびにビタミンの群から選択される少なくとも1種の成分と組み合わせて、本発明による請求項1に記載の顔料または本発明による顔料混合物を含む配合物に関する。
【0067】
医薬品および食品は、顔料混合物を加えることによって着色され、かかる顔料混合物は、赤色エフェクト顔料および、例えば、天然染料またはネイチャーアイデンティカル染料などの着色剤を、着色される製品に対する所望の混合比で、0.005〜15重量%、好ましくは0.01〜100重量%の量で含むことが好ましい。
【0068】
食品分野向きに許可されている、天然染料またはネイチャーアイデンティカル染料、有機または無機の着色顔料または着色料天然の果実および植物の抽出物を混合することによって、製品中のエフェクト顔料の赤色効果に影響を及ぼすことができると同時に、虹色効果を得ることができる。
【0069】
適切な天然染料またはネイチャーアイデンティカル染料は、特に、E101、E104、E110、E124、E131、E132、E140、E141、E151、E160aである。さらに、他の着色顔料とフレーク形状エフェクト顔料、例えば、E171、E172、E153などとを混合することも可能である。
【0070】
赤色エフェクト顔料の他に、染料の割合は、食品または医薬品に対して0.5〜25重量%の範囲であることが好ましい。使用される染料は、同様に、果実および植物の抽出物、例えば、キャロットジュース、ビートルートジュース、エルダーベリージュース、ハイビスカスジュース、パプリカ抽出物、アロニア抽出物などであることができる。
【0071】
着色される製品中の全顔料の総濃度は、製品に対して50重量%を超えるべきではない。その濃度は、一般に特定の用途に応じて決まる。
【0072】
種々の有効成分添加剤、例えば、ビタミン、酵素、微量元素、タンパク質、炭水化物、必須脂肪および/またはミネラルなどを、食品および医薬品に加えることもでき、この場合、有効成分の総量は、食品または医薬品に対して25重量%を超えるべきではない。有効成分または有効成分混合物の量は、製品に対して0.01〜20重量%であることが好ましい。
【0073】
製品は、エフェクト顔料またはエフェクト顔料混合物を、単独でまたはさらなる顔料もしくは着色剤と組み合わせて、直接的にまたは水および/または有機溶媒の存在下で、所望の混合比で、同時にまたは連続的に、その製造中または製造後に、成形前後(例えば、押出し、ペレット成形、エキスパンダーの使用、造粒などの間)に、着色される製品に加えることによって着色される。赤色エフェクト顔料と、微粉状粉末またはルースパウダーとの混合も、同様に可能である。
【0074】
赤色エフェクト顔料はまた、成形後に食品および医薬品を着色するために、その表面に単独でまたは顔料混合物で使用することができる。この場合、赤色エフェクト顔料は、一般に適用媒体と混合され、続いて、適切な塗布装置および噴霧装置を使用して、製品に適用される。その時、塗布組成物またはコーティング組成物によって、製品表面への赤色顔料の相応する付着が確実に行われる。その時、後者は相応して着色される。
【0075】
製品マトリックス自体への混合に関しては、使用される赤色エフェクト顔料の量は、好ましくは0.5〜40重量%、特に1〜30重量%である。食品および医薬品の表面着色の場合、使用される着色溶液またはコーティング溶液中での使用量は、0.1〜25重量%、特に1〜15重量%の範囲である。微粉状製品中に赤色エフェクト顔料を使用する場合、使用範囲は、0.05〜50重量%、特に2〜10重量%である。
【0076】
コーティング溶液は、水、または例えばエタノール若しくはイソプロパノールなどの有機溶媒を含むことが好ましい。コーティング溶液中に使用される膜形成剤は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体である。特に好ましくは、セルロース誘導体を含む適用溶液が、水の代わりに5〜80重量%の適切な有機溶媒を含む。
【0077】
コーティング水溶液と比較して、アルコール性またはアルコール水性のセルロース含有適用溶液は、適用上の著しい利点を有する。すなわち、
・噴霧適用中に、冷却乾燥空気を使用すること、
・例えばビタミン含有食品などの熱に敏感な製品を赤色エフェクト顔料で着色することが非常に手軽にできることである。
【0078】
言及することができる着色に適した製品は、特に、あらゆるタイプの食品上のコーティング物、特に着色された砂糖およびセラックコーティング物(アルコール性および水性)、油およびワックスを用いたコーティング物、アラビアゴムを用いたコーティング物ならびにセルロースグレード(例えばHPMC=ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を用いたコーティング物、デンプンおよびアルブミン誘導体を用いたコーティング物、カラギーナンおよび当業者に知られておりコーティングに適している他の物質を用いたコーティング物である。赤色エフェクト顔料または顔料混合物は、一般にここでの適用媒体と混合され、続いて、適切な塗布装置および噴霧装置を使用して、または手動で、食品または医薬品に適用される。その時、適用組成物またはコーティング組成物によって、食品または医薬品表面への顔料の相応する付着が確実に行われる。その時、後者は相応して着色される。適用溶液およびコーティング溶液は、エフェクト顔料に対して、0.1〜20重量%、特に2〜15重量%を含むことが好ましい。
【0079】
コーティング剤のための好ましい乾燥粉末混合物は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体、例えば、レシチンまたはステアリン酸などの離型剤、例えば、マルトデキストリンおよび/またはデキストロースなどの光沢増強剤、および赤色エフェクト顔料を含む。このタイプの乾燥粉末混合物は、赤色エフェクト顔料を、粉末混合物に対して0.01〜50重量%、特に0.5〜40重量%の量で含むことが好ましい。必要ならば、染料、着香剤、ビタミン、甘味剤などをこれらの乾燥粉末混合物に加えることができる。
【0080】
着色またはコーティングに適した製品は、例えば、砂糖製品、ケーキデコレーション、コンプレッセ、ドラジェ、チューインガム、ガム製品、フォンダン製品、マジパン製品、詰め物組成物、ココアおよび油脂グレーズ、チョコレートおよびチョコレートを含む製品、アイスクリーム、シリアル、スナック製品、コーティング組成物、ケーキグレーズ、砂糖を散りばめたデコレーション、ノンパレイユ、ゼリーおよびゼラチン製品、砂糖菓子、リコリス、アイシング、綿菓子、脂肪、砂糖およびクリーム組成物、ブラマンジェ、デザート、フラングレーズ、冷たいフルーツスープ、清涼飲料および炭酸飲料、例えば、カルボキシメチルセルロースなどの安定化添加剤を有する飲料、酸性化および非酸性化乳製品、例えば、クワルク、ヨーグルト、チーズ、チーズ外皮、ソーセージケーシングなどである。
【0081】
コーティング食品およびコーティング医薬品の場合、フレーバーという点から見て、視覚的効果をさらに増強するために、赤色エフェクト顔料と芳香物質(粉末または液体の芳香)、酸および/または、例えば、アスパルテームなどの甘味剤とを組み合わせることができる。
【0082】
したがって、本発明は、着色剤として、赤色エフェクト顔料を、単独でまたはさらなる顔料/顔料混合物または染料(天然もしくはネイチャーアイデンティカル)と組み合わせて含む、食品および医薬品分野由来のすべての配合物に関する。
【0083】
本出願のさらに主要な領域は、錠剤、ゼラチンカプセル剤、糖衣錠、軟膏、咳止め薬などの着色のためのまたはコーティング剤としての、医薬およびOTC分野である。ポリメタクリレートおよびセルロースグレード、例えばHPMCなどの従来のコーティング剤と組み合わせて、赤色エフェクト顔料は、製品の着色およびフィニッシングのためのさまざまな方法で使用することができる。
【0084】
したがって、本発明はまた、本発明による顔料混合物を含む配合物に関する。
【0085】
以下の実施例は、本発明を説明することを目的としているが、本発明を限定するものではない。
実施例
実施例1
365nmの厚さを有するSiO2フレーク100gを脱イオン水2lに入れて75℃に加熱する。FeCl3溶液1137ml(Fe23の132%に対応)を攪拌しながら加える。水酸化ナトリウム溶液(30%)を加えることによって、反応混合物のpHを3に一定に保つ。FeCl3溶液を加えた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を使用して、このpHをpH5に上昇させる。生成物を濾過分離し、脱イオン水ですすぐ。110℃で乾燥した後、生成物を800℃で焼成する。
【0086】
顔料は、以下のPDS(粒径分布)値(Malvern Mastersizer 2000を使用して測定した)を有する。すなわち、
10=9.21
50=19.5
90=37.2
である。
【0087】
赤色エフェクト顔料は、以下のL、a、b値(Eta測定機器、測定角50°/140°を使用して測定した)を示す。すなわち、
L=135.1
a=102.6
b=53.3
である。
使用例
実施例A1:アイシャドウジェル
相A
【0088】
【表1】

【0089】
相B
【0090】
【表2】

【0091】
相C
【0092】
【表3】

【0093】
調製:
赤色顔料およびMicronasphere(登録商標)を相Aの水に分散させる。粘度を下げるために、クエン酸を2、3滴使用して酸性にし、攪拌しながらCarbopolを散りばめる。完全に溶解した後、予備溶解した相Bを入れ、続いて相Cを入れてゆっくり攪拌する。最後に、pHを7.0から7.5の間に調節する。
実施例A2:パウダーアイシャドウ
相A
【0094】
【表4】

【0095】
相B
【0096】
【表5】

【0097】
調製:
相Aの成分を組み合わせて予備混合する。続いて、融解させた相Bを粉末混合物に攪拌しながら滴下する。その粉末を40〜50barで押圧する。
サンテスト:
光安定性を評価するために、露光中、コンパクトパウダーの半分を覆っておく。次いで、パウダーをSuntest(製造業者:Hereaus Suntest CPS、72W/m2キセノンランプ)に8時間導入する。8時間露光した後、Suntest中のパウダーの変色は見られない。赤色顔料は、光に全く安定である。
実施例A3:リップスティック
相A
【0098】
【表6】

【0099】
相B
【0100】
【表7】

【0101】
調製:
相Bの成分を75℃に加熱して融解させる。相Aの顔料を加え、すべてを十分攪拌する。次いで、リップスティック材料を65℃に加熱した鋳造器に入れて15分間攪拌する。均質な融成物を、予め55℃に暖めておいた鋳造用金型に注入する。続いて金型を冷却し、冷えた鋳造物を取りはずす。リップスティックを室温に暖めた後、リップスティックを簡単に火炎処理する。
実施例A4:ネイルワニス
【0102】
【表8】

【0103】
調製:
顔料およびNailsyn(登録商標)Sterling 60 Silverをワニスベースと一緒に量り分け、スパチュラを使用して手動で十分混合し、続いて1000rpmで10分間攪拌する。
実施例A5:ボリュームマスカラ
相A
【0104】
【表9】

【0105】
相B
【0106】
【表10】

【0107】
相C
【0108】
【表11】

【0109】
相D
【0110】
【表12】

【0111】
調製:
相BのDermacryl 79以外のすべての成分を一緒に約85℃で融解させ、攪拌しながらDermacryl 79を加え、すべてが均質に分散するまで20分間攪拌する。相Cの成分を約85℃に加熱する。相Aの赤色顔料を相Cに入れて攪拌する。相Cを相Bに加え、攪拌を続け、Ultra−Turrax T25を使用して、8000rpmで1分間均質化する。攪拌しながら冷却し、相Dを40℃で加える。
実施例A6:石鹸
【0112】
【表13】

【0113】
調製:
すべての成分を均質に混合する。
実施例A7:ハードカラメルの調製
【0114】
【表14】

【0115】
砂糖を水と共に100℃に加熱し、次いで、グルコースシロップを加える。続いて溶液を145℃に加熱する。赤色エフェクト顔料、色溶液および芳香を加えた後、鋳込み漏斗を使用して、脂を塗った金型にカラメル溶液を注入する。最後に、混合物を2時間冷却する。赤色顔料は、砂糖と混合してもよいし、またはグルコースシロップとの混合物として加えてもよい。酸は過剰にカラメル化を起こすので、この改変例は酸を含まない。
実施例A8:ゼラチン商品の製造
【0116】
【表15】

【0117】
最初に、ゼラチンを2倍量の水を用いて60℃で軟化させる。砂糖および水を100℃に加熱し、次いで、グルコースシロップを加える。混合物をさらに120℃に加熱し、次いで、約85℃に冷却する。赤色エフェクト顔料、クエン酸、芳香およびゼラチン溶液を入れて攪拌し、鋳込み漏斗を使用して、脂を塗った金型に脱気したゼラチン混合物を移す。生成物を約16時間冷却する。
さらなる実施形態:
・赤色エフェクト顔料は、この場合もまた、ここでは砂糖と直接混合してもよいし、またはグルコースシロップと共に導入してもよい。
・金型に注入する代わりに、ここでは、ゼラチン商品の製造用のモールドパウダーで作った陰型を用いる昔からの技術も使用することができる。
実施例A9:錠剤のコーティング
a)初期重量1kgの白色錠剤 d=8mm、G=200mg
【0118】
【表16】

【0119】
総適用量:200g
これは、錠剤表面1cm2に対してポリマー1.2mgに対応する。
フィルムコーティング溶液の調製:
・赤色エフェクト顔料を水に入れて攪拌する。続いて、必要に応じてさらなる染料を加える。最後に、膜形成剤(HPMC)を懸濁液に散りばめる。粘度が増加するため、攪拌速度も相応して増加させる必要がある。約40〜60分後にはHPMCが完全に溶解しており、次いで、溶液を錠剤上に噴霧することができる。
・噴霧適用は、一般的な標準コーティング法を用いて実施する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
30〜150nmの厚さを有する酸化鉄層で覆われており、すべてのSiO2フレークが同等の厚さを有し、SiO2フレークの厚さが250〜400nmであることを特徴とする、透明で非ドープのSiO2フレークをベースとするエフェクト顔料。
【請求項2】
前記酸化鉄がFe23であることを特徴とする、請求項1に記載のエフェクト顔料。
【請求項3】
前記SiO2フレークを水に懸濁し、対応する無機鉄化合物の添加および沈殿によって、酸化鉄で完全にコーティングし、ここで、酸化鉄の沈殿に必要なpHを設定し、酸または塩基を同時に加えることによって一定に保ち、続いて、コーティングされた基体を水性懸濁液から分離し、乾燥し、場合によって焼成し、乾燥後および場合によって焼成後の顔料の厚さが500(±30)nmを超えないように個々の層の層厚を設定することを特徴とする、請求項1または2に記載のエフェクト顔料の調製方法。
【請求項4】
CVDコーティングを用いて、むき出しの縁が残らないように前記SiO2フレークを酸化鉄で覆い、ここで、乾燥後および場合によって焼成後の顔料の厚さが500(±30)nmを超えないように個々の層の層厚を設定することを特徴とする、請求項1または2に記載のエフェクト顔料の調製方法。
【請求項5】
成分Aが、請求項1または2に記載のエフェクト顔料であり、成分Bが、フレーク形状、針状、球状または不規則形状粒子からなる、無機顔料、有機顔料、染料および/または充てん剤を含むことを特徴とする、少なくとも2種の成分AおよびBからなる顔料混合物。
【請求項6】
前記成分Bの着色剤が、真珠光沢顔料、多層顔料および/または干渉顔料またはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項5に記載の顔料混合物。
【請求項7】
前記成分Aおよび前記成分Bが、99:1から50:50の重量比で混合されることを特徴とする、請求項5または6に記載の顔料混合物。
【請求項8】
化粧品配合物における、ならびに食品および医薬品分野における、請求項5から7の一項または複数項に記載の顔料混合物の使用。
【請求項9】
エフェクト顔料が、単独でまたはさらなる顔料および/もしくは着色剤と組み合わせて、芳香物質および/または甘味剤と組み合わせて使用されることを特徴とする、食品および医薬品における、請求項1または2に記載のエフェクト顔料の使用。
【請求項10】
顔料混合物が、単独でまたはさらなる顔料および/もしくは着色剤と組み合わせて、芳香物質および/または甘味剤と組み合わせて使用されることを特徴とする、食品および医薬品における、請求項5から7の一項または複数項に記載の顔料混合物の使用。
【請求項11】
請求項5から7の一項または複数項に記載の顔料混合物を含む配合物。
【請求項12】
前記顔料混合物と、吸収剤、収斂剤、抗菌物質、酸化防止剤、制汗剤、消泡剤、静電気防止剤、結合剤、生物学的添加剤、脱色剤、キレート剤、消臭剤、皮膚軟化剤、乳化剤、乳化安定剤、染料、保湿剤、膜形成剤、芳香物質、フレーバー物質、保存剤、防食剤、化粧用油、溶媒、酸化剤、植物成分、緩衝物質、還元剤、研磨剤、界面活性剤、噴射ガス、乳白剤、UVフィルターおよびUV吸収剤、変性剤、粘度調節剤ならびにビタミンの群から選択される少なくとも1種の成分とを含む、請求項12に記載の配合物。
【請求項13】
請求項5から7の一項または複数項に記載の顔料混合物の成分AおよびBが、同時に、連続的にまたは混合物として適用系に加えられることを特徴とする、請求項11または12に記載の配合物の調製方法。

【公表番号】特表2009−516035(P2009−516035A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540487(P2008−540487)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010669
【国際公開番号】WO2007/057111
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】