説明

エレクトロルミネセンス駆動表示装置及びその製造方法

【課題】屋外用モバイル・デイスプレイとして使用した場合においても視認性を確保でき、消費電力を低減したエレクトロルミネセンス駆動表示装置及びその製造法を提供する。
【解決手段】陰極101と陽極111の両電極の間に挟持された複数の発光層104,106,108から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に輸送層105,107,109を設け、前記各々の輸送層の中にゲート電極112,113,114を形成した。更に望ましくは、前記発光層を3層以上備え、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が陰極101側より順に大きくなるように発光性有機物質がドープされた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネセンス駆動表示装置及びその製造方法に関する。特に単一駆動電圧で、屋外での視認性を高め、低消費電力で、寿命改善をしたことを特徴とするモニター、TV等に適したフルカラーの発光が得られる縦型TFT内蔵のエレクトロルミネセンス駆動表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、波長の異なる発光層を複数個有しているエレクトロルミネセンス素子が開発されている。特許文献1に示されている構造を図3に示す。厚み0.7mmの透明ガラス基板10の上にITO(インジウム―スズ酸化物)をスパッタにより陽極1を形成し、真空蒸着装置により、ITO陽極1の上にホール輸送層11を形成する。このホール輸送層11の上にホスト層「DPVBi」にドーパント「BCzVBi」を1質量%ドープして蒸着し青色発光層の有機発光材料3aを形成し、その上に「Alq3」を蒸着して電子輸送層12を形成し、陰極2を形成する。
【0003】
同様に、ホール輸送層11の上にホスト層「Alq3」にドーパント「Coumarin6」を1質量%ドープしたものを蒸着して緑色発光の有機発光材料3bが形成される。この上に「Alq3」を蒸着して電子輸送層12を形成し、陰極2を形成する。更にホール輸送層11を形成した後、ホスト層「Alq3」にドーパント「DCJTB」を1質量%ドープしたものを蒸着して赤色発光材料3cを形成する。その上に「Alq3」を蒸着して電子輸送層12を形成し、陰極2を形成する。
【特許文献1】特開2002−164170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記表示装置では、各ピクセルをストライプ状に形成しているため、青+緑+赤のフルカラーエレクトロルミネセンス表示部が大きくなる第1の欠点があった。また、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子をモバイル・デイスプレイとして使用した場合、自発光であるため屋外での、視認性が悪いという第2の欠点があった。更に、視認性を上げるため通電電流を上げると消費電力が増え、通電電流の増加に比例して寿命が短くなる第3の欠点があった。
【0005】
本発明はこの様な従来の欠点を考慮し、屋外用モバイル・デイスプレイとして使用した場合においても視認性を確保でき、消費電力を低減したエレクトロルミネセンス駆動表示装置及びその製造法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の本発明では、陰極と陽極両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に輸送層を設け、前記各々の輸送層の中にゲート電極を形成した。
【0007】
請求項2の本発明では、陰極と陽極両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に輸送層を設け、前記各々の輸送層の中に複数のゲート電極を互いに千鳥形状に形成した。
【0008】
請求項3の本発明では、発光層を3層以上備え、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が陰極側より順に大きくなるように、発光性有機物質がドープされた。
【0009】
請求項4の本発明では、発光層を3層以上備え、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が陰極側より順に大きくなるように発光性有機物質がドープされ、間にバンドギャップの一番小さい発光層を挟んだ。
【0010】
請求項5の本発明では、前記エレクトロルミネセンス発光部は陰極と陽極の間に電子輸送層、発光層1、輸送層1、発光層2、輸送層2、発光層3、輸送層3、ホール輸送層よりなる。
【0011】
請求項6の本発明では、前記発光層1を赤色、発光層2を緑色、発光層3を青色としたものである。
【0012】
請求項7の本発明では、前記発光層1を緑色、発光層2を赤色、発光層3を青色としたものである。
【0013】
請求項8の本発明では、前記発光層は「Alq3」を含む。
【0014】
請求項9の本発明では、前記発光層が互いに異なる発光スペクトルを有する。
【0015】
請求項10の本発明では、前記発光層の組み合わせにより、発光色が青色光、緑色光、赤色光である。
【0016】
請求項11の本発明では、前記発光層の組み合わせにより、発光色が白色光であるもろである。
【0017】
請求項12の本発明では、前記発光層に挟まれる輸送層の巾を変えることにより発光層の光量を調整した。
【0018】
請求項13の本発明では、基板上に、ソース電極及びドレイン電極、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に輸送層を設け、前記各々の輸送層の中にゲート電極を形成した。
【0019】
請求項14の本発明では、基板上に、ソース電極及びドレイン電極、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値がソース電極側より順に大きくなるように発光性有機物質がドープされた。
【0020】
請求項15の本発明では、基板上に、ソース電極及びドレイン電極、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値がソース電極側より順に大きくなるように発光性有機物質がドープされ、間にバンドギャップの一番小さい発光層を挟んだ。
【0021】
請求項16の本発明では、前記エレクトロルミネセンス発光部はソース電極及びドレイン電極の間に電子輸送層、発光層1、輸送層1、発光層2、輸送層2、発光層3、輸送層3、ホール輸送層よりなる。
【0022】
請求項17の本発明では、前記発光層1を赤色、発光層2を緑色、発光層3を青色とした。
【0023】
請求項18の本発明では、前記発光層1を緑色、発光層2を赤色、発光層3を青色とした。
【0024】
請求項19の本発明では、前記発光層は「Alq3」を含む。
【0025】
請求項20の本発明では、前記発光層が互いに異なる発光スペクトルを有する。
【0026】
請求項21の本発明では、前記発光層の組み合わせにより発光色が青色光、緑色光、赤色光である。
【0027】
請求項22の本発明では、前記発光層の組み合わせにより発光色が白色光である。
【0028】
請求項23の本発明では、前記発光層に挟まれる輸送層の巾を変えることにより、発光層の光量を調整した。
【0029】
請求項24の本発明では、前記陰極またはソース電極を光透過性電極で形成した。
【0030】
請求項25の本発明では、前記陽極またはドレイン電極を表示部全面に形成し、金属電極で形成した。
【0031】
請求項26の本発明では、前記陽極またはドレイン電極を表示部全面に形成し、保護層とした。
【0032】
請求項27の本発明では、陰極と陽極両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に輸送層を設け、前記各々の輸送層の中にゲート電極を形成し光を陰極側から取り出した。
【0033】
請求項28の本発明では、基板上に、ソース電極及びドレイン電極、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に輸送層を設け、前記各々の輸送層の中にゲート電極を形成し光を基板側から取り出したものである。
【0034】
請求項29の本発明では、基板上に、ソース電極または陰極と、ドレイン電極または陽極と、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、前記ソース電極または陰極と、前記ドレイン電極または陽極との間に、同一の駆動電圧を加えた。
【0035】
請求項30の本発明では、基板上に、ソース電極または陰極と、ドレイン電極または陽極と、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、前記ソース電極または陰極と、前記ドレイン電極または陽極との間に、同一の駆動電流を加えた。
【0036】
請求項31の本発明では、基板上に、ソース電極または陰極と、ドレイン電極または陽極と、両電極の間に挟持された複数の発光層を形成する工程と、各々の発光層上部に輸送層を設ける工程と、前記各々の輸送層の中にゲート電極を形成する工程と、前記ソース電極または陰極を光透過性金属層で形成する工程と、前記ドレイン電極または陽極を金属層で形成する工程とからなる。
【0037】
請求項32の本発明では、前記陰極はスパッタにより形成され、前記陽極は蒸着にて形成された。
【0038】
請求項33の本発明では、前記ソース電極はスパッタにより形成され、前記ドレイン電極は蒸着にて形成され。
【発明の効果】
【0039】
本発明のエレクトロルミネセンス駆動表示装置及びその製造方法によれば、複数の発光層の上に輸送層を形成することにより発光層を選択でき、輸送層の形状により発光領域を指定できる。輸送層により発光部間のスペースを小さくできることにより高精細度化ができる。
【0040】
また、これらの輸送層の中にゲート電極を挿入することにより、電子とホールの再結合をコントロールして基板側から又は陰極側から光を取り出すことにより、光取り出し効率を上げる事ができる。その結果、ゲート電極により光半透過層、光反射層を形成して、屋外においても視認性を上げて使用を可能とする、
更に、各輸送層の幅をコントロールすることにより、フルカラー発光させた時の色度特性の改善ができる。そして、各発光層は常にソース電極(陰極)、ドレイン電極(陽極)に加えられた電圧によりバイアスされている。その結果、各発光層が同じ時間通電されることにより、カラーシフトの少ない表示部を形成できる。
【0041】
また、複数層を積層した発光部の構造により、寿命改善と消費電力削減が可能となると共に、単一の駆動電圧で使用できるエレクトロルミネセンス駆動表示装置及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図1の断面図に従い、本発明を実施するための最良の形態1に係るエレクトロルミネセンス駆動表示装置100を説明する。図1において、ガラス基板101の上にスパッタリング法により、IZO(酸化インジウム亜鉛)透明陰極102が形成される。IZO透明陰極102の上に、フッ化リチウム「LiF」を厚さ5Å蒸着し、フッ化リチウムの上にLUMO2.6eV,HOMO6.3eVエネルギーバンドギャップ3.7eVの「PBD」を200Å蒸着して電子輸送層103が形成される。
【0043】
ついで、この電子輸送層103の上に、ホスト層「Alq3」にLUMO3.2eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.1eVの赤色ドーパント「DCJTB」を1重量%ドープしたものを厚さ200Å蒸着して赤色発光層104が形成される。
【0044】
赤色発光層104の上に、「NBP」を図1に示すようにマスク1を用いて200Å厚に蒸着し、LUMO2.45eV,HOMO5.46eV,エネルギーバンドギャップ3.0eVのホール輸送層1(105)の下部を形成する。ホール輸送層1(105)の上には、マスク2を用いてAlによるゲート1(112)を形成する。ゲート1(112)の上にはマスク1を用いて200Å厚に蒸着し、LUMO2.45eV,HOMO5.46eV,エネルギーバンドギャップ3.0eVのホール輸送層1(105)の上部を形成する。
【0045】
ホール輸送層1(105)の上部には、ホスト層「Alq3」にLUMO2.9eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.36eVの緑色ドーパント「Coumarin6」を1重量%ドープした緑色発光層106を500Å蒸着して形成する。緑色発光層106の上には、「NBP」を図1に示すようにマスク3を用いて200Å厚に蒸着しホール輸送層2(107)下部を形成する。
【0046】
ホール輸送層2(107)の上には、マスク4を用いてAlによるゲート2(113)を形成する。ゲート2(113)下部の上には、マスク3を用いて200Å厚に蒸着しホール輸送層2(107)上部を形成する。ホール輸送層2(107)上部の上には、LUMO2.6eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.7eVのホスト層「BAlq」にドーパント「Perylene」を1重量%ドープしたものを、厚さ500Å蒸着して青色発光の有機発光材料により青色発光層107を形成する。
【0047】
青色発光層107の上には、「NBP」を200Å厚に蒸着し、LUMO2.3V,HOMO5.5eV,エネルギーバンドギャップ3.2eVのホール輸送層3(109)下部を形成する。ホール輸送層3(109)下部の上には、マスク6を用いてAlによるゲート3(114)を形成する。
【0048】
ゲート3(114)の上には、マスク5を用いて200Å厚に蒸着しホール輸送層3(109)上部を形成する。次いで、このホール輸送層3(109)上部の上に、MTDATAから成るホール輸送層110を形成する。このホール輸送層110の上に「CuPc」を厚さ20nm蒸着し「CuPc」の上に陽極111を形成する。
【0049】
真空蒸着により、Pt,Rh,Pd等を用いて膜厚約0.4μmの金属電極による陽極111を形成する。本発明において、陽極111が金属層で形成されている所に特徴がある。また陰極102を通って基板101側から光が外部に取り出されるところに特徴がある。
【0050】
基板101側から光が外部に取り出されるため、光の外部取り出し効率が高くなる。ここで陰極102に負電圧、陽極111に正電圧を印加すると、電子輸送層103を介して発光層104、106,108に輸送された電子と、ホール輸送層110を介して輸送されたホールが、赤色発光層104内、緑色発光層106内、又青色発光層108内にて再結合して発光を行なう。
【0051】
ここで、本発明のフルカラーエレクトロルミネセンス駆動表示装置100においては、3層に形成された発光部104、106、108において、発光層のホスト層とドーパントのLUMOバンドギャップエネルギー差は0.3eV以上となるため、ドーパント層が発光する。
【0052】
更には、3層の各発光層間にホール輸送層1(105)、ホール輸送層2(107)、ホール輸送層3(109)を挟んでいるところに特徴がある。各発光層は間に、ホール輸送層1(105)を挟んで「Alq3」2層、更にはホール輸送層2(107)を挟んで「BAlq」1層と、ホール輸送層3(109)が各有機物により連続して形成されていることを特徴とする。
【0053】
ホール輸送層1(105)、ホール輸送層2(107)、ホール輸送層3(109)はホールを通し電子を通さないため、ホール輸送層1(105)の下部は電子が上方へ移動しない。ホールはホール輸送層1(105)を通って陰極102へ進むため、陰極102からの電子と、ホール輸送層1(105)を通ったホールは、ホール輸送層1(105)下部で再結合するため赤色発光層104はホール輸送層1(105)下部で赤色発光する。
【0054】
ホール輸送層2(107)は陰極102から注入された電子を通さない。ホール輸送層2(107)は、陽極111に輸送されたホールを通すため、緑色発光層106はホール輸送層2(107)下部でホール輸送層1(105)を除いた部分で緑色発光する。
【0055】
陰極102から注入された電子は陽極111に向かって進むが、ホール輸送層3(109)は電子を通さない。陽極111から注入されたホールはホール輸送層3(109)を通すため、青色発光層108はホール輸送層2(107)を除いたホール輸送層3(109)下部で電子とホールが再結合して青色発光する。
【0056】
青色材料は他の緑、赤色材料などに比べてエネルギーバンドギャップが大きいため電荷注入が悪くなる傾向がある。(電荷注入のためのエネルギー障壁が高い)本発明において、エネルギーバンドギャップが大きい青色発光層108を、陽極111下部のホール輸送層110の下に配置した所に特徴がある。
【0057】
ホール輸送層110の下に位置するため青色発光層108の電荷注入が悪くなることはない。更に青色発光層の下部に形成された緑、赤色発光層のホスト層は、電子輸送層103と同じ、又は同類の電子輸送層材料で構成されるため、電子の輸送についても効率が良い。
【0058】
また各発光層は多層化されて形成されるが、ホール輸送層1(105)、ホール輸送層2(107)、ホール輸送層3(109)で発光色の異なる層が選択される所に本発明の特徴がある。陽極111から一番離れている赤色発光層104においても、ホール輸送層110、ホール輸送層3(109)、ホール輸送層2(107)を通してホールが輸送される。そして、赤色発光層104下部には電子輸送層103があり、電子が輸送されるため再結合効率が良い構成となっている。
【0059】
このため図1において、赤色光117、緑色光116、青色光115は基板101側より取り出される。赤、緑、青をカラーフィルターと白色発光層を用いて得る場合に比べ、カラーフィルターによる吸収がないため、約3倍の明るさを得ることができる。また、従来の白色発光層を用いる場合の約1/3の電流で同一光量を得ることができる。
【0060】
更に、3層を重ねて形成することにより、単層のエレクトロルミネセンス素子の膜厚バラッキにくらべ膜厚のバラッキが小さくなることによる発光効率のバラッキを改善する。消費電流が1/3になることより電流バラッキ、寿命バラッキを改善する。駆動電圧も青色、緑色、赤色を個別に発光させて得られる白色素子にくらべ3層が重なっているため、単一の電圧でよく、従来の図3にくらべ駆動が容易で回路を省略できる。
【0061】
また、図3の青色、緑色、赤色を個別に発光させて得られる白色素子に比べ、ベタで発光するため、例えば発光巾が0.5mm、ピッチが0.5mmにする必要がないので、発光面積を1/2にできる。これにより1/2の面積で同一の発光量を得ることができるため、高精細度化、高輝度化ができる。
【0062】
更に本発明における第2の特徴は、ホール輸送層1(105)、ホール輸送層2(107)、ホール輸送層3(109)には図1に示すようにゲート電極1(112)、ゲート電極2(113)、ゲート電極3(114)が形成される。
【0063】
陰極102はソース電極、陽極111はドレイン電極としても働き、ソース電極102、ドレイン電極111とゲート電極1(112)、ゲート電極2(113)、ゲート電極3(114)により縦型TFTとして動作するところに特徴がある。
【0064】
ソース電極103、ドレイン電極111に印加された電圧によりバイアスされゲート電極1(112)、ゲート電極2(113)、ゲート電極3(114)に印加される電圧により、赤色光117、緑色光116、青色光115の出力はコントロールされる。このため発光色に関係なく同一の電流がながれるため経時変化による色差が目立たなくなる。
【0065】
次に、図2の断面図に従い、本発明を実施するための最良の形態2に係るエレクトロルミネセンス駆動表示装置200を説明する。図2において、ガラス基板101の上にスパッタリング法にてIZO(酸化インジウム亜鉛)透明陰極102を形成する。IZO透明陰極102の上に、フッ化リチウム「LiF」を厚さ5Å蒸着し、フッ化リチウムの上にLUMO2.6eV,HOMO6.3eVエネルギーバンドギャップ3.7eVの「PBD」を200Å蒸着して電子輸送層103を形成する。
【0066】
ついで、この電子輸送層103の上に、ホスト層「Alq3」にLUMO3.2eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.1eVの赤色ドーパント「DCJTB」を1重量%ドープしたものを厚さ200Å蒸着して赤色発光層104を形成する。
【0067】
赤色発光層104の上に、「NBP」を図2に示すようにマスク1を用いて150Å厚に蒸着しLUMO2.45eV,HOMO5.46eV,エネルギーバンドギャップ3.0eVのホール輸送層4(205)の下部を形成する。ホール輸送層4(205)の上にはマスク7を用いてAlによるゲート4(212)を形成する。
【0068】
ゲート4(212)の上には、マスク1を用いて130Å厚に蒸着しLUMO2.45eV,HOMO5.46eV,エネルギーバンドギャップ3.0eVのホール輸送層4(205)の中部を形成する。ホール輸送層4(205)中部の上部には、マスク2を用いてAlによるゲート1(112)を形成する。
【0069】
ゲート1(112)の上には、マスク1を用いて130Å厚に蒸着しLUMO2.45eV,HOMO5.46eV,エネルギーバンドギャップ3.0eVのホール輸送層4(205)の上部を形成する。ホール輸送層4(205)上部の上には、ホスト層「Alq3」にLUMO2.9eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.36eVの緑色ドーパント「Coumarin6」を1重量%ドープした緑色発光層106を500Å蒸着して形成する。
【0070】
緑色発光層106の上には、「NBP」を図2に示すようにマスク8を用いて130Å厚に蒸着しホール輸送層5(207)下部を形成する。ホール輸送層5(207)の上にはマスク4を用いてAlによるゲート2(113)を形成する。
【0071】
ゲート2(113)の上には、マスク3を用いて130Å厚に蒸着しホール輸送層5(207)中部を形成する。ホール輸送層5(207)中部の上には、マスク4を用いてAlによるゲート2(113)を形成する。ゲート2(113)の上にはマスク8用いて130Å厚に蒸着しホール輸送層5(207)上部を形成する。
【0072】
ホール輸送層5(207)上部の上には、LUMO2.6eV,HOMO5.3eVエネルギーバンドギャップ2.7eVのホスト層「BAlq」にドーパント「Perylene」を1重量%ドープしたものを、厚さ500Å蒸着して青色発光の有機発光材料により青色発光層107を形成する。
【0073】
青色発光層107の上には、「NBP」を130Å厚に蒸着し、LUMO2.3V,HOMO5.5eV,エネルギーバンドギャップ3.2eVのホール輸送層6(209)下部を形成する。ホール輸送層6(209)下部の上には、マスク9を用いてAlによるゲート6(214)を形成する。
【0074】
ゲート6(214)の上には、マスク5を用いて130Å厚に蒸着しホール輸送層6(209)中部を形成する。ホール輸送層6(209)中部の上には、マスク9を用いてAlによるゲート6(214)を形成する。
【0075】
ゲート6(214)の上には、マスク5を用いて130Å厚に蒸着しホール輸送層6(209)上部を形成する。ホール輸送層6(209)上部の上には、MTDATAから成るホール輸送層110を形成する。このホール輸送層110の上に「CuPc」を厚さ20nm蒸着し「CuPc」の上に陽極111を形成する。
【0076】
真空蒸着により、Pt,Rh,Pd等の膜厚約0.4μmの金属電極からなる陽極111を形成する。本発明において陽極111が金属層で形成され蒸着により形成されるため形成時に発光層を損傷しない特徴がある。
【0077】
また、陰極102を通って基板101側からの光が外部に取り出されることに特徴がある。基板101側から光が外部に取り出されるため、光の外部取り出し効率が高くなる。ここで陰極102に負電圧、陽極111に正電圧を印加すると、電子輸送層103を介して発光層104、106,108に輸送された電子と、ホール輸送層110を介して輸送されたホールが、赤色発光層104内、緑色発光層106内、又青色発光層108内にて再結合して発光を行なう。
【0078】
ここで、本発明のフルカラーエレクトロルミネセンス駆動表示装置200においては、3層に形成された発光部104、106、108において発光層のホスト層とドーパントのLUMOバンドギャップエネルギー差は0.3eV以上となる。そのため、ドーパント層が発光する。
【0079】
更に、3層の各発光層間にホール輸送層4(205)、ホール輸送層5(207)、ホール輸送層6(209)を挟んでいるところに特徴がある。各発光層は間にホール輸送層4(205)を挟んで「Alq3」2層、更にはホール輸送層5(207)を挟んで「BAlq」1層とホール輸送層6(209)が各有機物により連続して形成されていることを特徴とする。
【0080】
ホール輸送層4(205)、ホール輸送層5(207)、ホール輸送層6(209)はホールを通し電子を通さない。そのため、205の下部は電子が上方へ移動せず、ホールはホール輸送層4(205)を通って陰極102へ進む。その結果、陰極102からの電子とホール輸送層4(205)を通ったホールは、ホール輸送層4(205)下部で再結合するため、赤色発光層104はホール輸送層4(205)下部で赤色発光する。
【0081】
ホール輸送層5(207)は陰極102から注入された電子を通さない。ホール輸送層5(207)は陽極111から輸送されたホールを通すため、緑色発光層106はホール輸送層5(207)下部でホール輸送層4(205)を除いた部分で緑色発光する。
【0082】
陰極102から注入された電子は陽極111に向かって進むが、ホール輸送層6(209)は電子を通さない。陽極111から注入されたホールはホール輸送層6(209)を通すため、青色発光層108はホール輸送層5(207)を除いたホール輸送層6(209)下部で電子とホールが再結合して青色発光する。
【0083】
青色材料は他の緑、赤色材料などに比べてエネルギーバンドギャップが大きいため、電荷注入が悪くなる傾向がある。(電荷注入のためのエネルギー障壁が高い)本発明においてエネルギーバンドギャップが大きい青色発光層108を陽極111下部のホール輸送層110の下に配置した所に特徴がある。
【0084】
ホール輸送層110の下に位置するため電荷注入が悪くなることはない。更に青色発光層の下部に形成された緑、赤色発光層のホスト層は電子輸送層103と同じ、又は同類の電子輸送層材料で構成されるため、電子の輸送についても効率が良い。
【0085】
また各発光層は多層化されて形成されるが、ホール輸送層4(205)、ホール輸送層5(207)、ホール輸送層6(209)で発光色の異なる層が選択される所に本発明の特徴がある。
【0086】
陽極111から一番離れている赤色発光層104においても、ホール輸送層110、ホール輸送層6(209)、ホール輸送層5(207)を通す。ホールが輸送され赤色発光層104下部には電子輸送層103があり、電子が輸送されるため再結合効率が良い構成となっている。このため図2において、赤色光217、緑色光216、青色光215は基板101側より取り出され、赤、緑、青をカラーフィルターと白色発光層を用いて得る場合に比べカラーフィルターによる吸収がないため、約3倍の明るさを得ることができる。
【0087】
従来の白色発光層を用いる場合の約1/3の電流で同一光量を得ることができる。また3層を重ねて形成することにより、単層のエレクトロルミネセンス素子の膜厚バラッキに比べ膜厚のバラッキが小さくなることによる発光効率のバラッキを改善する。そして、消費電流が1/3になることより、電流バラッキ、寿命バラッキを改善する。駆動電圧も青色、緑色、赤色を個別に発光させて得られる白色素子にくらべ3層が重なっているため単一の電圧でよく、従来の図3にくらべ駆動が容易で回路を省略できる。
【0088】
また、図3の青色、緑色、赤色を個別に発光させて得られる白色素子に比べ、ベタで発光するため、例えば発光巾0.5mm、ピッチ0.5mmにとる必要がない。そのため、発光面積を1/2にできる。これらにより1/2の面積で同一の発光量を得ることができるため高精細度化、高輝度化ができる。
【0089】
更に図2の本発明における第2の特徴は、ホール輸送層4(205)、ホール輸送層5(207)、ホール輸送層6(209)には図2に示すようにゲート電極4(212)、ゲート電極1(112)、ゲート電極5(213)、ゲート電極2(113)、ゲート電極6(214)、ゲート電極3(114)がAlにより千鳥状に交互に形成されている。この様に、ゲート電極以外に光反射層としても働く所に特徴がある。
【0090】
陰極102はソース電極、陽極111はドレイン電極としても働く。ソース電極102、ドレイン電極111とゲート電極4(212)、ゲート電極1(112)、ゲート電極5(213)、ゲート電極2(113)、ゲート電極6(214)、ゲート電極3(114)により縦型TFTとして動作する。ソース電極103、ドレイン電極111に印加された電圧によりバイアスされゲート電極4(212)、ゲート電極1(112)、ゲート電極5(213)、ゲート電極2(113)、ゲート電極6(214)、ゲート電極3(114)に印加される電圧により赤色光117、緑色光116、青色光115の出力はコントロールされる。
【0091】
図1、図2において各ピクセルの隙間を開けて形成していないため、青+緑+赤のフルカラーエレクトロルミネセンス表示部を小さくでき高精細度化が可能となる。図1に示されたエレクトロルミネセンス表示部100を屋外において、モバイル・デイスプレイとして使用した場合、ゲート電極1〜ゲート電極3が光反射層となる。ゲート電極1〜ゲート電極の所は光半透過型表示部を形成することになり視認性を改善する。
【0092】
図2の表示装置200を屋外において、モバイル・デイスプレイとして使用した場合、ゲート電極1〜ゲート電極6を千鳥状に形成することにより光反射型表示部を形成することになり視認性を更に改善することができる。
【0093】
以上より、図1、図2の表示装置100,200は自発光のため、LCDとは異なり屋内外においバックライトが不要であるので、低消費電力化ができる。また、図1の表示装置100により半透過型、図2の表示装置200により反射型の表示部形成により、視認性を上げる事ができる。そのため、通電流を増やすことなく減らせるので、低消費電力化ができる。更に、3層を重ねて形成することにより、単層のエレクトロルミネセンス素子の膜厚バラッキに比べ、膜厚のバラッキが小さくなる。その結果、発光効率のバラッキを改善し、消費電流が1/3になることにより電流バラッキ、寿命バラッキを改善する。
【0094】
これより本発明において、視認性の改善によりモバイル・デイスプレイとして使用でき、低消費電力化できるエレクトロルミネセンス駆動表示装置及びその製造法を提供することができる。
【0095】
次に、図1および図2に従い、本発明を実施するための最良の形態3に係るエレクトロルミネセンス駆動表示装置を説明する。図1、図2において発光層104を赤色発光層、発光層106を緑色発光層として説明を行なったが、バンドギャップの一番小さい赤色発光層を緑色発光層、青色発光層の間に挟んだものである。
【0096】
具体的には図1、図2において、発光層104を緑色発光層とし、発光層106を赤色発光層とし、発光層108を青色発光層とする。発光層形成の方法については、エレクトロルミネセンス駆動表示装置100,200と同じである。
【0097】
陰極102に負電圧、陽極111に正電圧を印加すると、電子輸送層103を介して発光層104,106,108に輸送された電子と、ホール輸送層110を介して輸送されたホールが、バンドギャップエネルギーの一番小さい赤色発光層106内にて再結合として赤色発光を行なう。
【0098】
電圧を上げていくと、緑色発光層104、青色発光層108が発光する。青色材料は他の緑、赤色材料などに比べてエネルギーバンドギャップが大きいため、電荷注入が悪くなる傾向がある。(電荷注入のためのエネルギー障壁が高い)本発明においてエネルギーバンドギャップが大きい青色発光層108を、陽極111下部のホール輸送層110の下に配置した所に特徴がある。
【0099】
ホール輸送層110の下に位置するため電荷注入が悪くなることはない。更に青色発光層の下部に形成された緑、赤色発光層のホスト層は、電子輸送層103と同じ、又は同類の電子輸送層材料で構成されるため、電子の輸送についても効率が良い。
【0100】
緑色発光層104については、陽極111より離れているため、ホールの輸送効率が悪い。しかし、バンドギャップエネルギーの一番小さい赤色発光層を緑色層の上部に設けてホール輸送効率を上げ、赤色、緑色、青色の発光バランスを改善した所に特徴がある。
【0101】
このため図1において、緑色光104、赤色光106、青色光108は基板101側より取り出され、赤、緑、青をカラーフィルターと白色発光層を用いて得る場合に比べ、カラーフィルターによる吸収がないため、約3倍の明るさを得ることができる。
【0102】
従来の白色発光層を用いる場合の約1/3の電流で同一光量を得ることができる。また3層を重ねて形成することにより、単層のエレクトロルミネセンス素子の膜厚バラッキにくらべ膜厚のバラッキが小さくなる。その結果、発光効率のバラッキを改善し、消費電流が1/3になることより、電流バラッキ、寿命バラッキを改善する。駆動電圧も青色、緑色、赤色を個別に発光させて得られる白色素子にくらべ3層が重なっているため、単一の電圧でよく、従来の図3にくらべ駆動が容易で回路を省略できる。
【0103】
また、図3の青色、緑色、赤色を個別に発光させて得られる白色素子に比べ、ベタで発光するため、例えば発光巾0.5mm、ピッチ0.5mmととる必要がない、そのため、発光面積を1/2にできる。これにより1/2の面積で同一の発光量を得ることができるため高精細度化、高輝度化ができる。
【0104】
尚、ここにおいて上記呼称にて記載材料の正式名称は以下の通りである。
・「PBD」・・2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール
・「NBP」・・N,N’−Di((naphthalene−1−yl)−N,
N’−diphenyl−benzidine)
・「Alq3」・・Tris(8−hydroxyquinolinato)
aluminum
・「DCJTB」・・(2−(1,1−Dimethylethyl)−6−(2−(2,3,6,7−tetrahydro−1,1,7,7−tertramethyl−1H,5H−benzo[ij]quinolizin−9−yl)ethenyl)−4H−pyran−4−ylidene)propanedinitrile.
・「Coumarin6」・・3−(2−Benzothiazolyl)−7−(diethylamino)coumarin.
・「BAlq」・・(1,1’−Bisphenyl−4−Olato)bis(2−methyl−8−quinolinplate−N1,08)Aluminum.
「TPD」・・(4、4‘、4“−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylanine)
「MTDATA」・・(4,4‘−bis(3−menthylphenylphenylamino)biphenyl)
尚、本発明は、上記最良の形態1,2,3に限定されるものではなく、本発明の趣旨にもとづいて種々の変形をすることが可能であり、それらは本発明の範囲から除外するものではない。
【0105】
また、本発明ではガラス基板を用いた例を示したがプラスチック基板等についても適用できる。基板を薄膜金属として駆動表示装置を形成後、プラスチックベース材に張り合わせしてもよい。
【0106】
本発明では、輸送層としてホール輸送層を用いた例を示したが、ホスト層の特性に合わせて電子輸送層を用いた場合についても適用できる。更に、ホール輸送層と電子輸送層の両方を用いてもよい。
【0107】
本発明では、3層のフルカラーエレクトロルミネセンス駆動表示装置について説明を行なった。しかし、基板101、陰極102、陽極111の両電極を除いた1つの駆動表示装置ユニットとして、n段積層することにより同一光量の場合、駆動電流は1/(2〜3)nとなるため、消費電流及び消費電力の削減ができる。
【0108】
また、本発明は蛍光発光によるエレクトロルミネセンス駆動表示装置について説明を行ったが、燐光発光を行なうエレクトロルミネセンス駆動表示装置についても適用行なうことができる。
【0109】
また、本発明の図2において、マスク2により形成されるゲート205に換えセンサー層305、マスク4により形成されるゲート213に換えセンサー層313、マスクにより形成されるゲート214に換えセンサー層314を形成して、エレクトロルミネセンス駆動表示装置を用いたインプット・ディスプレイを形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明を実施するための最良の形態1に係るエレクトロルミネセンス駆動表示装置100の断面図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態2に係るエレクトロルミネセンス駆動表示装置200の断面図である。
【図3】従来のエレクトロルミネセンス素子の基本的な構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0111】
100 エレクトロルミネセンス駆動表示装置
101 基板
102 陰極(ソース電極)
103 電子輸送層
104 赤色発光層
105 輸送層1
106 緑色発光層
107 輸送層2
108 青色発光層
109 輸送層3
110 ホール輸送層
111 陽極(ドレイン電極)
112 ゲート電極1
113 ゲート電極2
114 ゲート電極3
115 青色出力光
116 緑色出力光
117 赤色出力光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰極と陽極両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に輸送層を設け、前記各々の輸送層の中にゲート電極を形成したことを特徴とするエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項2】
陰極と陽極両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に輸送層を設け、前記各々の輸送層の中に複数のゲート電極を互いに千鳥形状に形成したことを特徴とするエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項3】
発光層を3層以上備え、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が陰極側より順に大きくなるように発光性有機物質がドープされたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項4】
発光層を3層以上備え、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値が陰極側より順に大きくなるように発光性有機物質がドープされ、間にバンドギャップの一番小さい発光層を挟んだことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項5】
前記エレクトロルミネセンス発光部は陰極と陽極の間に電子輸送層、発光層1、輸送層1、発光層2、輸送層2、発光層3、輸送層3、ホール輸送層よりなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項6】
前記発光層1を赤色、発光層2を緑色、発光層3を青色としたことを特徴とする請求項1、2,3、5のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項7】
前記発光層1を緑色、発光層2を赤色、発光層3を青色としたことを特徴とする請求項1、2,4、5のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項8】
前記発光層は「Alq3」を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項9】
前記発光層が互いに異なる発光スペクトルを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項10】
前記発光層の組み合わせにより発光色が青色光、緑色光、赤色光であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項11】
前記発光層の組み合わせにより発光色が白色光であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項12】
前記発光層に挟まれる輸送層の巾を変えることにより発光層の光量を調整したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項13】
基板上に、ソース電極及びドレイン電極、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に輸送層を設け、前記各々の輸送層の中にゲート電極を形成したことを特徴とするエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項14】
基板上に、ソース電極及びドレイン電極、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値がソース電極側より順に大きくなるように発光性有機物質がドープされたことを特徴とする請求項13に記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項15】
基板上に、ソース電極及びドレイン電極、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各発光層は発光性有機物質のエネルギーバンドギャップの値がソース電極側より順に大きくなるように発光性有機物質がドープされ、間にバンドギャップの一番小さい発光層を挟んだことを特徴とする請求項13または請求項14に記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項16】
前記エレクトロルミネセンス発光部はソース電極及びドレイン電極の間に電子輸送層、発光層1、輸送層1、発光層2、輸送層2、発光層3、輸送層3、ホール輸送層よりなることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項17】
前記発光層1を赤色、発光層2を緑色、発光層3を青色としたことを特徴とする請求項13,14、16のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項18】
前記発光層1を緑色、発光層2を赤色、発光層3を青色としたことを特徴とする請求項13、15、16のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項19】
前記発光層は「Alq3」を含むことを特徴とする請求項13乃至18のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項20】
前記発光層が互いに異なる発光スペクトルを有することを特徴とする請求項13乃至18のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項21】
前記発光層の組み合わせにより発光色が青色光、緑色光、赤色光であることを特徴とする請求項13乃至20のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項22】
前記発光層の組み合わせにより発光色が白色光であることを特徴とする請求項13乃至21のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項23】
前記発光層に挟まれる輸送層の巾を変えることにより、発光層の光量を調整したことを特徴とする請求項13乃至22のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項24】
前記陰極またはソース電極を光透過性電極で形成したことを特徴とする請求項1乃至23のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項25】
前記陽極またはドレイン電極を表示部全面に形成し、金属電極で形成したことを特徴とする請求項1乃至24のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス表駆動示装置。
【請求項26】
前記陽極またはドレイン電極を表示部全面に形成し、保護層としたことを特徴とする請求項1乃至25のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項27】
陰極と陽極両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に輸送層を設け、前記各々の輸送層の中にゲート電極を形成し光を陰極側から取り出したことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項28】
基板上に、ソース電極及びドレイン電極、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、各々の発光層上部に輸送層を設け、前記各々の輸送層の中にゲート電極を形成し光を基板側から取り出したことを特徴とする請求項13乃至26のいずれか一つに記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項29】
基板上に、ソース電極または陰極と、ドレイン電極または陽極と、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、前記ソース電極または陰極と、前記ドレイン電極または陽極との間に、同一の駆動電圧を加えたことを特徴とするエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項30】
基板上に、ソース電極または陰極と、ドレイン電極または陽極と、両電極の間に挟持された複数の発光層から成るエレクトロルミネセンス発光部において、前記ソース電極または陰極と、前記ドレイン電極または陽極との間に、同一の駆動電流を加えたことを特徴とするエレクトロルミネセンス駆動表示装置。
【請求項31】
基板上に、ソース電極または陰極と、ドレイン電極または陽極と、両電極の間に挟持された複数の発光層を形成する工程と、各々の発光層上部に輸送層を設ける工程と、前記各々の輸送層の中にゲート電極を形成する工程と、前記ソース電極または陰極を光透過性金属層で形成する工程と、前記ドレイン電極または陽極を金属層で形成する工程とからなることを特徴とするエレクトロルミネセンス駆動表示装置の製造方法。
【請求項32】
前記陰極はスパッタにより形成され、前記陽極は蒸着にて形成されたことを特徴とする請求項31に記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置の製造方法。
【請求項33】
前記ソース電極はスパッタにより形成され、前記ドレイン電極は蒸着にて形成されたことを特徴とする請求項31に記載のエレクトロルミネセンス駆動表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−196237(P2006−196237A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−4663(P2005−4663)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】