Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
エンジン用潤滑油の異物検出装置およびエンジンシステム
説明

エンジン用潤滑油の異物検出装置およびエンジンシステム

【課題】簡易迅速に潤滑油のダイリューションの発生を早期に検出することができるエンジン用潤滑油の異物検出装置およびエンジンシステムを提供する。
【解決手段】本実施例に係るエンジン用潤滑油の異物検出装置40は、ディーゼルエンジン10から排出される潤滑油32の一部を抜き出す潤滑油分取ラインL11と、潤滑油分取ラインL11から抜き出した潤滑油32に酸性薬剤47を添加する酸性薬剤供給手段41と、潤滑油32を加熱して潤滑油32中に含まれる無機成分を炭化し、炭化物50を生成する電気炉42と、炭化物50を検出する分析装置43と、を有し、分析装置43で得られた検出結果から燃料油中に含まれる無機成分を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばディーゼルエンジンの潤滑油と燃料油の混合によって潤滑油中に含まれる無機元素を検出し、トラブルを未然に防止し、かつエンジン運転継続の可否を判断するエンジン用潤滑油の異物検出装置およびエンジンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンの潤滑油の品質および純度が維持されることは、エンジンの耐久性を維持させるために極めて重要である。化石燃料を使用するディーゼルエンジンなどの内燃機関においては、燃焼室、配管等を経由して燃料油が潤滑油に混入する場合がある。ディーゼルエンジン用の燃料である重油中には、例えば、スラッジ、FCC(Fluid Catalytic Cracking)触媒由来のアルミナ、シリカなどが含まれている。そのため、燃料油が潤滑油に混入すると、潤滑油の中に夾雑物等の異物成分が生成し、スカッフィング等の磨耗を引き起こし、機器損傷を引き起こす原因となる可能性が高くなる。また、エンジン内部の潤滑を目的とする潤滑油の本来の機能を果たせなくなる。そのため、定期的に潤滑油を交換するか、定期的に抜き取り検査を行うことによって、潤滑油中に含まれる異物の量とその成分を分析して迅速に検出し、機器の摩耗が発生する危険性を低減する必要がある。
【0003】
特に、近年では、石油を精製する段階で発生するライトサイクル油(Light Cycle Oil;LCO)等の粗悪成分の混入が増大している。そのため、バナジウム(V)やニッケル(Ni)などの無機成分が燃料油中に含まれる濃度も増加傾向にあり、燃料油がエンジンで燃焼した際にVやNiなど無機成分の酸化物の灰やスラッジが発生している。
【0004】
潤滑油中の異物の計測方法として、例えばフェログラフィ法、油中微粒子測定法(NAS等級)(JISB9934)、光学顕微鏡を用いた微粒子測定法(JISB9930)、質量法による汚染測定法(JISB9931)等がある(例えば、非特許文献1〜3参照)。
【0005】
潤滑油中の異物の他の計測方法として、フィルタラビリティ試験方法や可視領域の吸光度を測定する方法などが提案されている。フィルタラビリティ試験方法は、吸引ろ過器具等に設置したろ過器に濾紙を設置し、有機溶剤(例えばヘキサン等)で予め希釈した潤滑油を所定量供給し、真空ポンプで減圧することにより、潤滑油に含まれる異物を濾紙上に捕集する方法である。濾紙上に回収した異物を検査することで、潤滑油中の異物の有無およびその粒子径を把握している。
【0006】
また、可視領域の吸光度を測定する方法を用いる場合、潤滑油を極性溶媒等に混合して可視領域の吸光度を測定することにより、現場で潤滑油中に含まれる鉄(Fe)分を測定し、使用中の潤滑油が、灰、金属片で高度に汚染される前に交換することで、潤滑油使用機器の故障等を未然に抑制するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2008−542713号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】JISB9934
【非特許文献2】JISB9930
【非特許文献3】JISB9931
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記JIS法やフィルタラビリティ試験方法などを用いた従来の分析方法では、吸引ろ過等の分析操作で最低1日かかる。また、ポンプや吸引ろ過器具などの各機器、器具、有機溶剤が必要であると共に、有機溶剤(トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタンなど)を使用しているので、局所排気設備内での操作が必要となる。またポンプを使用するには電源が必要であるが、現場においては電源確保が困難な場合が多い。このため、現場にてサンプリングした潤滑油を、分析室に移送して分析しなければならないため、採取したあとの梱包・移送・試料受け渡しなどの手間として1日程度かかる。そのため、結果が出るまで約1週間程度かかり、潤滑油に含まれる異物の検出には時間がかかる、という問題がある。
【0010】
従来の分析方法は、現場にて潤滑油の一部をサンプリングした後、測定を行うというバッチ式処理方法であるため、運転条件に反映させるのに時間差(タイムラグ)が生じる、という問題もある。
【0011】
ダイリューションの度合いが高くなると、ピストン摺動面の潤滑性が低下し、スカッフィングを起こしやすくなる、という問題がある。
【0012】
従来の分析方法は、現場にて潤滑油の一部をサンプリングした後、測定を行うというバッチ式処理方法であるため、運転条件に反映させるのに時間差(タイムラグ)が生じる、という問題もある。
【0013】
また、分析結果が出るまでに長期間を要し、その対策を実施するまでの間に多くの損失を招いているのが現状である。特に、ピストンの摺動面の潤滑性を維持し、スカッフィングを抑制する観点から、正常な潤滑性を維持するためには、希釈ダイリューションの割合は極力低くする必要があるが、燃料油の混入割合は5%以下に抑制する必要がある。
【0014】
本発明は、前記問題に鑑み、簡易迅速に潤滑油の希釈(ダイリューション)の発生を早期に検出することができるエンジン用潤滑油の異物検出装置およびエンジンシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、エンジンから排出される潤滑油の一部を抜き出す潤滑油分取ラインと、前記潤滑油分取ラインから抜き出した潤滑油に酸性薬剤を添加する酸性薬剤供給手段と、前記潤滑油を加熱して前記潤滑油中に含まれる無機成分を炭化し、炭化物を生成する加熱手段と、前記炭化物を検出する分析手段と、を有し、前記分析手段で得られた分析結果から燃料油中に含まれる無機成分を検出することを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置である。
【0016】
第2の発明は、第1の発明において、前記加熱手段が、電気炉、またはマイクロ波照射装置であることを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置である。
【0017】
第3の発明は、第1または2の発明において、前記分析手段が、蛍光X線分析装置、レーザ照射装置、誘導結合プラズマ発光分光分析装置、または原子吸光分析装置のいずれかであることを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置である。
【0018】
第4の発明は、エンジンから排出される潤滑油の一部を抜き出し、前記エンジンから排出される潤滑油中に酸性薬剤を添加し、前記潤滑油を加熱して前記潤滑油中に含まれる無機成分を炭化して、炭化物を生成し、前記炭化物を検出し、検出結果から前記燃料油中に含まれる無機成分を検出することを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置である。
【0019】
第5の発明は、第4の発明において、前記加熱手段として、電気炉、またはマイクロ波照射装置を用いることを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置である。
【0020】
第6の発明は、第4または5の発明において、前記分析手段として、蛍光X線分析装置、レーザ照射装置、誘導結合プラズマ発光分光分析装置、または原子吸光分析装置のいずれかを用いることを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置である。
【0021】
第7の発明は、エンジンと、前記エンジンの前記潤滑油を溜めるオイルパンと、前記潤滑油を前記エンジンに循環させる潤滑油循環ラインと、前記潤滑油循環ラインから前記潤滑油の一部を分取した前記潤滑油中に含まれる無機成分を検知する第1から第3のいずれか一つの発明のエンジン用潤滑油の異物検出装置と、を有することを特徴とするエンジンシステムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、簡易迅速に潤滑油中の無機元素を検出することができる。このため、所定期間経過毎に定期的に短時間で潤滑油の検査を行い、かつエンジン運転継続の可否を判断することが、エンジン設置現場で可能となり、得られた情報に基づいて潤滑油の交換や追加、添加剤などの添加を適正な時期に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、ディーゼルエンジンを模式的に示す説明図である。
【図2】図2は、1つの気筒を模式的に示す説明図である。
【図3】図3は、実施例1に係るエンジン用潤滑油の異物検出装置を備えたエンジンシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための実施例につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下に記載した下記実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0025】
図1は、ディーゼルエンジンを模式的に示す説明図である。図2は、1つの気筒を模式的に示す説明図である。図1に示すように、本実施例のディーゼルエンジン10は、1つ以上(本実施例では9つ)の気筒11と、過給機12と、空気冷却器13と、排気集合管14とを含む。まずは図2を用いて1つの気筒11の基本的な構成を説明する。なお、以下では、気筒11の一例としてレシプロ型のものを説明するが、気筒11はロータリー型のものでもよい。図2に示すように、気筒11は、シリンダ21と、ピストン22と、クランク軸23と、クランク室23aと、コネクティングロッド24と、シリンダヘッド25と、燃焼室25aと、吸気ポート26aと、吸気バルブ26と、排気ポート27aと、排気バルブ27と、インジェクタ28と、オイルパン29とを含む。
【0026】
シリンダ21は、筒状の部材である。ピストン22は、シリンダ21の中空部に設けられる。ピストン22は、シリンダ21の中心軸方向に移動できるように設けられる。クランク軸23は、回転できるようにクランク室23aに設けられる。クランク室23aは、シリンダ21の中心軸方向の一方側に設けられる。クランク軸23は、ピストン22の往復運動を回転運動に変換する。コネクティングロッド24は、ピストン22とクランク軸23とを連結する。
【0027】
シリンダヘッド25は、シリンダ21の中心軸方向の他方側(クランク室23aとは反対側)に設けられる。燃焼室25aは、ピストン22と、シリンダヘッド25とで囲まれる空間である。
【0028】
吸気ポート26aおよび排気ポート27aは、気筒11の外部と燃焼室25aとを連通する。吸気バルブ26は、吸気ポート26aに設けられる。吸気バルブ26は、吸気ポート26aを介して気筒11の外部と燃焼室25aとの間での空気の流動を調節する。排気バルブ27は、排気ポート27aに設けられる。排気バルブ27は、排気ポート27aを介して気筒11の外部と燃焼室25aとの間での空気の流動を調節する。
【0029】
燃料噴射ポンプ30は、燃料油を加圧し、インジェクタ28に燃料油を導く。インジェクタ28は、例えば燃焼室25aに噴出口が突出して設けられる。燃料噴射ポンプ30は、燃料油供給タンク31から導かれた燃料油を燃焼室25aに導く。なお、燃料噴射ポンプ30は、吸気ポート26aに噴出口が突出して設けられてもよい。オイルパン29は、クランク室23aに設けられる。オイルパン29は、潤滑油32を溜める。
【0030】
上記構成の気筒11は、吸気、圧縮、膨張、排気の1サイクルを繰り返し行う。これにより、気筒11は、ピストン22が往復運動し、クランク軸23が回転する。なお、気筒11は、4ストロークで1サイクルを行うものでもよいし、2ストロークで1サイクルを行うものでもよい。
【0031】
ディーゼルエンジン10についての説明に戻る。過給機12は、空気を加圧する。過給機12は、図2に示す排気ポート27aから排出された排気ガスのエネルギーを得て空気を加圧する、いわゆるターボチャージャーである。なお、過給機12は、クランク軸23の回転力を得て空気を加圧する、いわゆるスーパーチャージャーでもよい。空気冷却器13は、過給機12から導かれた空気を冷却する。排気集合管14は、各気筒11の排気ポート27aと連通する。本実施例では、各気筒11の排気ポート27aから排出された排気ガスは排気集合管14を介して過給機12に導かれる。
【0032】
ここで、図1に示すクランク軸23は、各気筒11で共通の部材である。上記構成により、各気筒11が稼動することにより、ディーゼルエンジン10はクランク軸23を回転させる。なお、本実施例では、ディーゼルエンジン10が過給機12を含むものとして説明したが、ディーゼルエンジン10は、過給機12を含まなくてもよい。すなわち、ディーゼルエンジン10は、自然吸気型の内燃機関でもよい。この場合、ディーゼルエンジン10は、空気冷却器13を含まなくてもよい。
【0033】
ディーゼルエンジン10は、本実施例に係るエンジン用潤滑油の異物検出装置40を備えている。図3は、本実施例に係るエンジン用潤滑油の異物検出装置を備えたエンジンシステムの概略図である。図3に示すように、本実施例に係るエンジン用潤滑油の異物検出装置40は、潤滑油分取ラインL11と、酸性薬剤供給手段41と、電気炉(加熱手段)42と、潤滑油32に含まれる無機元素を分析する分析装置(分析手段)43と、制御装置44を有する。
【0034】
潤滑油32に含まれる無機元素は、燃料油に由来するものであり、燃料油中に含まれる異物としては、FCC触媒由来のアルミナ、シリカや、潤滑油由来の金属成分等である。これらが許容量以上潤滑油32に含まれていると、エンジンの摺動不良を発生させたり、長期間にわたって安定的に発電することが困難となる。
【0035】
潤滑油32は、ディーゼルエンジン10のオイルパン29から排出され、潤滑油循環ラインL12を介して再度ディーゼルエンジン10に送給され、ディーゼルエンジン10と潤滑油循環ラインL12とを循環している。潤滑油32は、潤滑油貯蔵タンク45に貯蔵されている。潤滑油32は潤滑油送給ラインL13を介して潤滑油貯蔵タンク45から潤滑油循環ラインL12に供給される。
【0036】
潤滑油分取ラインL11は、ディーゼルエンジン10から排出される潤滑油32の一部を抜き出すラインである。潤滑油分取ラインL11には、調節弁V11が設けられている。潤滑油循環ラインL11から抜き出される潤滑油32の量は、調節弁V11により調整される。制御装置44は、運転時間が定期検査時間を超えたと判断したら、潤滑油分取ラインL11の調節弁V11を開放し、ディーゼルエンジン10から排出される潤滑油32の一部を潤滑油循環ラインL12から抜き出し、潤滑油回収容器46に回収する。
【0037】
酸性薬剤供給手段41は、潤滑油回収容器46に酸性薬剤47を添加するものである。酸性薬剤47としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、およびこれらの混酸(王水など)等が挙げられる。潤滑油回収容器46への潤滑油32および酸性薬剤47の添加時期は、特に限定されるものではない。潤滑油分取ラインL11から抜き出した潤滑油32を潤滑油回収容器46に加えた後に酸性薬剤47を潤滑油回収容器46に添加してもよいし、潤滑油32と同時に酸性薬剤47を添加してもよいし、潤滑油32を潤滑油回収容器46に加える前に酸性薬剤47を潤滑油回収容器46に添加してもよい。
【0038】
酸性薬剤47は、酸性薬剤貯蔵タンク48に貯蔵されている。酸性薬剤47は、後述する電気炉42で潤滑油32を加熱する際に、潤滑油32に含まれる成分の炭化を促進する。酸性薬剤貯蔵タンク48に貯蔵されている酸性薬剤47は酸性薬剤送給ライン49を介して潤滑油回収容器46に送給される。酸性薬剤送給ライン49には、調節弁V12が設けられている。酸性薬剤送給ライン49から送給される酸性薬剤47の量は、調節弁V12により調整される。
【0039】
潤滑油回収容器46は、コンベア51上に設けられ、潤滑油32に酸性薬剤47が添加された後、潤滑油回収容器46はコンベア51により電気炉42に送給される。
【0040】
電気炉42は、潤滑油32を加熱して潤滑油32中に含まれる無機成分を炭化して炭化物50を生成する。
【0041】
本実施例においては、加熱手段として電気炉を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、マイクロ波照射装置など潤滑油32を加熱できるものであればよい。
【0042】
電気炉42で潤滑油32中に含まれる無機成分を炭化した後、潤滑油回収容器46はコンベア53により電気炉42から外部に送給される。
【0043】
潤滑油回収容器46が電気炉42から外部に送給された後、分析装置43により潤滑油回収容器46内にある炭化物50を分析する。分析装置43は、炭化物50を検出するものである。分析装置43としては、炭化物を分析することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、蛍光X線分析装置、レーザ照射装置、誘導結合プラズマ発光分光分析装置、原子吸光分析装置などの少なくとも1つが用いられる。
【0044】
分析装置43により分析された結果は、制御装置44に伝達される。制御装置44は、分析装置43により分析された結果から、炭化物50に含まれている無機元素の割合を算出し、潤滑油32の燃料油による希釈化の割合を求めることができる。
【0045】
制御装置44は、潤滑油の燃料油による希釈化の割合が所定値(例えば5%)以上と判定した場合には、潤滑油の交換が必要と判断し、ディーゼルエンジン10の運転を停止し、制御装置44は、オイルパン29中の潤滑油32を補充または入替操作を行う。
【0046】
なお、分析装置43は、各気筒11について設けてもよいし、複数の気筒11で共有してもよい。また、本実施例に係るエンジン用潤滑油の異物検出装置40は、1つのディーゼルエンジン10にのみ用いてもよいし、複数のディーゼルエンジン10で共用してもよい。
【0047】
分析装置43により潤滑油回収容器46内にある炭化物50が分析された後、潤滑油回収容器46は、コンベア53により分析廃棄物回収用ピット54に送給されて集積された後、廃棄処分される。
【0048】
このように、本実施例に係るエンジン用潤滑油の異物検出装置40によれば、ディーゼルエンジン10の運転中において、従来のように結果が出るまでに長期間を要することがなく、分析装置43で得られた分析結果から潤滑油32中に含まれる無機成分を迅速に検出することができる。無機成分は、潤滑油32中に混入した燃料油に起因するものであることから、無機成分が確認されることにより、燃料油の混入の程度も判断することができる。したがって、潤滑油32への燃料油の希釈割合を早期に検出することで、制御装置44を通してディーゼルエンジン10の運転制御や、潤滑油32の補充または交換に即座に反映することができる。
【0049】
このため、所定期間経過毎に定期的に短時間で潤滑油32の検査を行うことが、エンジン設置現場で可能となり、得られた情報に基づいて潤滑油32の交換を適正な時期に行うことが可能となる。これにより、ディーゼルエンジン10の運転中における潤滑油32の状況を迅速に把握でき、ディーゼルエンジン10に用いられる機器の故障やトラブルを未然に防止する対策を講じることが可能となる。
【符号の説明】
【0050】
10 ディーゼルエンジン
11 気筒
32 潤滑油
40 異物検出装置
41 酸性薬剤供給手段
42 電気炉(加熱手段)
43 分析装置(分析手段)
44 制御装置
45 潤滑油貯蔵タンク
46 潤滑油回収容器
47 酸性薬剤
48 酸性薬剤貯蔵タンク
49 酸性薬剤送給ライン
50 炭化物
51、53 コンベア
54 分析廃棄物回収用ピット
L11 潤滑油分取ライン
L12 潤滑油循環ライン
L13 潤滑油送給ライン
V11、V12 調節弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンから排出される潤滑油の一部を抜き出す潤滑油分取ラインと、
前記潤滑油分取ラインから抜き出した潤滑油に酸性薬剤を添加する酸性薬剤供給手段と、
前記潤滑油を加熱して前記潤滑油中に含まれる無機成分を炭化し、炭化物を生成する加熱手段と、
前記炭化物を検出する分析手段と、を有し、
前記分析手段で得られた分析結果から燃料油中に含まれる無機成分を検出することを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記加熱手段が、電気炉、またはマイクロ波照射装置であることを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記分析手段が、蛍光X線分析装置、レーザ照射装置、誘導結合プラズマ発光分光分析装置、または原子吸光分析装置のいずれかであることを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置。
【請求項4】
エンジンから排出される潤滑油の一部を抜き出し、
前記エンジンから排出される潤滑油中に酸性薬剤を添加し、
前記潤滑油を加熱して前記潤滑油中に含まれる無機成分を炭化して、炭化物を生成し、
前記炭化物を検出し、
検出結果から前記燃料油中に含まれる無機成分を検出することを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記加熱手段として、電気炉、またはマイクロ波照射装置を用いることを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記分析手段として、蛍光X線分析装置、レーザ照射装置、誘導結合プラズマ発光分光分析装置、または原子吸光分析装置のいずれかを用いることを特徴とするエンジン用潤滑油の異物検出装置。
【請求項7】
エンジンと、
前記エンジンの前記潤滑油を溜めるオイルパンと、
前記潤滑油を前記エンジンに循環させる潤滑油循環ラインと、
前記潤滑油循環ラインから前記潤滑油の一部を分取した前記潤滑油中に含まれる無機成分を検知する請求項1から3のいずれか一つのエンジン用潤滑油の異物検出装置と、
を有することを特徴とするエンジンシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−137337(P2012−137337A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288740(P2010−288740)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】