説明

オレフィン安定剤を有する酸性化クロライト殺菌組成物

本発明は、2部殺菌方システム、そして殺菌組成物、並びにその製造、及び使用方法に関する。当該2部殺菌システムは、水性殺菌組成物を産生するために混合されるように構成された第1部分、及び第2部分を含む、ここで当該第1部分はクロライトを含み、及び当該第2部分は酸を含み、並びにここで当該第1部分、第2部分、あるいは当該第1及び第2部分の両方はオレフィン化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2部殺菌システム、そして殺菌組成物、並びにその製造、及び使用方法に関し、特定の態様において、本発明は、混合される際、低減された二酸化塩素産生、及び伸ばされた色寿命を有する殺菌組成物を産生する2部殺菌システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの疾患は、ヒトの健康から、動物の健康、食物及び水の安全性、我々の住環境の安全性に至るまでの生命の全ての面において影響を与え得る微生物の成長、及び拡大に起因する。殺菌剤は、これらの全領域における広範に渡る適用を見出されている。病院は、その環境を殺菌、及び滅菌するために、厳密なプログラムを実施する。消費者家庭は、殺菌されたハンドクリーナー、スプレー、塗装面クリーナー、殺菌雑巾、並びにフルーツや野菜の洗浄剤で充たされている。殺菌剤は、健康な動物と病気の動物との相違が収益と損失との相違を意味し得る農場で広範に使用される。
【0003】
乳腺炎は、ミルク製造業者が直面する最も一般的で経済的に費用のかかる疾患の内の1つである。経済的な損失は、乏しいミルクの質、より低いミルク産生、及び慢性的な感染動物の潜在的処分に起因する。搾乳の前後両方における殺菌液の使用は、乳腺炎の予防に著しい成功を見出す、特にAlcide Corporation(Redmond,WA)、及びEcolab Inc.(St.Paul,MN)から商業的に入手可能なものの如き酸性化クロライトベースの殺菌剤の使用であり、米国特許第6,524,624号、同第6,699,510号に記載される。
【0004】
酸性クロライト(AC)殺菌剤は、クロライト(例えば、ソジウム・クロライト)を含む第1部分、及び酸を含む第2部分を有する2部製品として一般的に使用される。AC殺菌剤は、当該第1部分と第2部分を混合することにより形成され、通常、与えられた使用期間に十分量だけ形成される。当該AC殺菌剤の所望の特性、及び/又は所望の使用に依存して、当該第1又は第2部分のいずれか、あるいは両方は、スキンコンディショナー、治療剤、界面活性剤、増粘剤、原材料、フィルム形成剤、及び/又は保存料の如き1又は複数の任意の材料を含み得る。さらに、当該2部方法に依存して、AC殺菌組成物は、しばしば、およそ等量で当該第1、及び第2部分を単純に混合することにより形成され得、あるいは、混合の前又は後にさらなる希釈ステップを含み得る。
【0005】
色は、乳頭殺菌剤が乳首に適切に適用されていることを農業経営者に視覚的に確認できるようにするために、当該殺菌剤のための重要な特性であることが判明している。このことは、多くの農夫が多くの異なる動物に当該殺菌剤を適用するときに大群への適用を確認するために特に有利である。残念なことに、色を与えるために使用される多くの染料は、前記AC殺菌剤の形成における化学分解に供される。いったんクロライト含有部分と酸部分を混合したら、それらは亜塩素酸を形成する。時間の経過により、当該亜塩素酸は、複雑な化学変換を受け、二酸化塩素を形成する。過剰な二酸化塩素の形成は望まれない、なぜならば、二酸化塩素はその自然状態においては気体であり有毒であり;二酸化塩素は金属表面に対し腐食性となり得;そして二酸化塩素は染料を分解するからである。染料分解は、AC殺菌剤を形成するための第1部分と第2部分の混合後の時点からの殺菌期間として、役に立たない着色、及び乳首マーキングを導く。
【0006】
乳首殺菌剤は、大抵の国において、通常、動物用「薬」とみなされ、それ故、それを統括する管理機関により規制される。ほとんどの場合、乳首殺菌剤において使用され得る染料は、食物、及び/又は薬において使用が許容されている染料のみである。例えば、米国において、許容される染料は、21C.F.R.第70.3.に記載される。AC殺菌剤中に存在するとき、これらの染料は化学酸化の影響を受けやすく、当該殺菌剤の形成後、それらの色を素早くなくす。
【0007】
この問題を解決するための以前の試みは、染料とは対照的に色素の使用に主に焦点をあてている(例えば、国際特許公開第99/16418号、国際特許公開第99/16309号、及び欧州特許出願公開第EP0 904 693 Alを参照のこと)。色素は、不溶性染料であり、AC殺菌剤内で化学分解の影響をあまり受けない。しかしながら、色素は、溶液中の沈降、パーラー内に汚れをつけること、及びミルクフィルターを詰まらせることに関する問題により悩ませる。さらに、かかる色素はいくつかの国において、乳頭殺菌剤への使用を認められていない、というのは、それらの国の管理機関により当該色素の食物又は薬への使用が認められていないからである。
【0008】
従って、一般的に、改良されたAC殺菌剤についての本分野における必要性、並びに、二酸化塩素の形成を制御し、及びAC殺菌剤中の染料、特に、食物や薬における使用を許容されている染料の色の寿命を結果的に改良する必要性がある。本発明は、これらの必要性を満たし、さらに関連する有利点を提供する。
【発明の開示】
【0009】
ある態様において、本発明は、水性殺菌組成物を産生するために混合するように構成された第1部分と第2部分を含む2部殺菌システムを提供する。当該第1部分は、クロライトを含み、及び当該第2部分は酸を含む。さらに、当該第1部分、第2部分、あるいは当該第1及び第2部分の両方は、以下の一般式:
(R)CH=CH(R)(X)
{式中、
は、H−、CH−、CH(CH−、CH(CHCH(OH)−、及びMOC(CH−であり;
nは、1〜20であり、好ましくは1〜10であり;
は、−(CH−、
【化1】

であり;
mは、2〜20であり、好ましくは2〜10であり;
Mは、H、Na、K、Ca、Mg、アンモニア、あるいはモノエタノールアミン又はトリエタノールアミンの如き有機カチオンであり;そして
Xは、酸素、窒素、硫黄、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、リン、及びその混合物からなる群より選択される少なくとも4つのヘテロ原子を有する親水基である}
を有するオレフィン化合物をさらに含む、ここで、前記(R)CH=CHと前記ヘテロ原子との間に少なくとも2つの飽和炭素原子があり、飽和炭素原子は二重及び三重結合の炭素を含まない。
【0010】
前記オレフィン化合物は、プロトン化形態(すなわち、スルホン酸)、塩形態、それらの混合となり得、通常、6〜60個の炭素原子を含む、しかしながら、それより多くの又はそれより少ない炭素も本発明の範囲内であることが理解される。
【0011】
アルファ・オレフィン・スルホネートは、二酸化塩素の産生を低減するために役立つ組成物として以前に議論されている。米国特許第6,524,624号、及び米国特許出願公開第10/374,690号を参照のこと。
【0012】
現在、特異的なオレフィン化学的構造が、二酸化塩素の産生を低減するのに特に効果的であることが発見されている。特に、少なくとも4つのヘテロ原子を有する親水基から離れて、少なくとも2つの飽和炭素原子を有する、少なくとも1つの二重結合を有する炭化水素鎖を有するオレフィン化合物が特に有効であることが、発見されている。
【0013】
これらのオレフィン化合物は、3つの理由で有利である。第1に、それらは、泡立ち、湿潤、及び洗浄特性としてより広範な選択肢があることから選択される広範な材料を有する調剤を提供する。第2に、二酸化塩素の低減、及びその結果としてアルファ・オレフィン・スルホネートよりも少量での退色に効果的である。第3に、アルファ・オレフィン・スルホネートは、高いレベルで皮膚を乾燥させ得る。本発明のオレフィン化合物は、当該アルファ・オレフィン・スルホネートよりも乾燥が少ない。
【0014】
混合したとき、前記第1部分と前記第2部分は、広範な適用に渡り実用性を有する殺菌組成物を形成する。オレフィン化合物は、驚くべきことに、二酸化塩素の産生を低減し、より長く持続し、臭気が少ない殺菌組成物を提供することを見出されている。任意の易酸化性染料が存在する際、このことは、延ばされた色素寿命を有する殺菌組成物をもたらす。かかる組成物は、乳頭ディップとして、並びに二酸化塩素の産生における低減又は延ばされた色素寿命が望まれる他の殺菌適用のために、特に有用である。
【0015】
さらなる態様において、殺菌組成物を製造するための方法は、前記2部殺菌システムの第1部分と第2部分を混合することにより開示される。かかる混合は、当該第1部分と第2部分の液体形態を混合することを含み得、あるいは混合の前、混合時、及び/又は混合後に当該第1部分、及び/又は第2部分を希釈又は溶解することを含み得る。
【0016】
他の態様において、基質を殺菌するための方法は、基質と本発明の殺菌組成物の有効量と接触させることにより開示される。かかる基質は、殺菌されることにより利点のあるいずれかの表面、材料又は液体を含み、温血動物の皮膚又は組織、特に、乳牛、ヤギ又はヒツジの乳頭、そして一般に、塗装面、並びに肉、及び肉部位(調理された及び調理されていない牛肉、鶏肉、豚肉、他の一般的に認識される赤肉、及び魚)、フルーツ、及び野菜の如き食物表面、並びにフルーム水、冷却塔水、設備水、及び施設洗浄溶液の如きプロセス水などを含む。
【0017】
本発明のこれらの、及び他の態様は、以下の本発明の詳細な説明への言及により明らかとなるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の詳細
定義
以下の定義された用語について、これらの定義は、異なる定義が与えられていなければ、特許請求の範囲又は本明細書中に適用されるべきである。
【0019】
本明細書中に記載される全数値は、はっきりと示されていようとなかろうと、用語「約」により修正されることを前提とする。用語「約」は、当業者が列挙された値と等量と考える(すなわち、同じ機能または結果を有する)数の範囲を一般的にいう。多くの例において、当該用語「約」は、もっとも近い有効数字の周辺である数を含み得る。
【0020】
重量パーセント、重量によるパーセント、重量%、wt%などは、その基質の重量を組成物の重量で割り100を掛けた、当該基質の濃度をいう同意語である。
【0021】
端点による数値域の列挙は、その範囲内に含まれる全ての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0022】
本明細書、及び特許請求の範囲に使用される、単数形「a」、「an」、「the」は、別段の指示がなければ複数も含む。それ故、例えば、「a compound(化合物)」を含む言及は、複数の化合物の混合を含む。本明細書、及び特許請求の範囲に使用される、用語「or(又は)」は、別段の定めがなければ、「及び/又は」を含む意味において通常使用される。
【0023】
本明細書中の「抗菌剤」、及び「殺生物剤」の使用は、いずれの結果物も抗菌剤又は殺生物剤としての使用について許可されていることを意味しない。
【0024】
上述のように、ある態様において、前記2部殺菌システムは、水性殺菌組成物を産生するために混合されるように構成された第1部分、及び第2部分を含み、開示される。当該第1部分はクロライトを含み、そして当該第2部分は酸を含む。さらに、当該第1部分、第2部分、あるいは当該第1及び第2部分は、オレフィン化合物をさらに含む。
【0025】
酸性化クロライト組成物は、クロライト(すなわち、ClO)、典型的にはソジウム・クロライトの如き金属塩の形態、と酸性活性化剤を混合することにより産生され得る。かかる組成物は、抗菌酸化剤、特に亜塩素酸(すなわち、HClO)の産生による効果的な殺菌剤である。亜塩素酸は、溶液のpHにより規定される平衡過程において非常に素早く形成される。亜塩素酸は、その後、一連の化学反応を受け、二酸化塩素を形成する。理論に縛られることなく、オレフィン化合物は、亜塩素酸が二酸化塩素に転換される比率に影響を及ぼすことにより、当該殺菌組成物の形成に関する二酸化塩素の産生を低減すると信じられる。
【0026】
易酸化性染料が存在するとき、それは、殺菌剤中に産生される二酸化塩素により、かなりの部分において分解される。それ故、オレフィン化合物は、二酸化塩素産生を制御することによって、染料の酸化を限定することにより当該殺菌組成物に延長された色の寿命を与える。二酸化塩素は、空気中の過剰量となると不快となり得る、特に刺激性の気体である。殺菌される表面で溶液状態にある亜塩素酸とは違い、二酸化塩素は、使用者の周囲の空気中に逃れ得る。二酸化塩素の形成比率を減速することは、使用者にとって臭気の少ないより長く持続する殺菌組成物を導く。
【0027】
前記第1、及び第2部分は、両方とも、水性組成物、エマルジョン、マイクロエマルジョン、クリーム又はゲルの形態となり得、あるいは、片方又は両方は濃縮された非水性又は固形形態となり得る。例えば、当該第1、及び第2部分は、水性組成物又はゲルとなり、殺菌組成物を形成するためにおよそ等量において混合され得、あるいは、濃縮物又は固形となり、水により希釈又は水中に溶解され、次いで当該殺菌組成物を産生するために混合され得る。あるいは、当該第1、及び/又は第2部分は、非水性又は固形形態(例えば、粉末又はタブレット)となり、混合の前に水と混合又は水中に溶解され得る。濃縮形態の混合により生じ得る二酸化塩素の過剰な産生を避けるために、当該第1部分と第2部分を水で希釈するか水中に溶解させた後に、当該両部分を混合することが好ましい。
【0028】
前記第1部分のクロライトは、通常、アルカリ金属又はアルカリ土類金属クロライトであり、例えば、ポタシューム又はソジウム・クロライトであり、より好ましくはソジウム・クロライトである。当該クロライトは、前記第2部分と混合されたときに約0.005重量%〜約3重量%、約0.05重量%〜約0.5重量%、及び約0.1重量%〜約0.4重量%の範囲の濃度で当該殺菌組成物内に存在するような量で、当該第1部分に存在する。
【0029】
前記第2部分の酸は、前記第1部分のクロライトを酸性化するいずれかの化合物又は化合物の混合である。ある態様において、当該酸は、2〜5の範囲のpKを有する。当該酸は、有機酸、無機酸、又はその混合となり得る。有機酸は、非制限的に、ギ酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸、マンデル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、コハク酸、マロン酸、プロピオン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、サリチル酸、安息香酸、グルコン酸又はその混合を含む。当該有機酸は、アルキル−、アルキルアリール(alkylarl)−、及びアリールスルホン酸ともなり得、例えば、オクタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、並びにポリ(スチレンスルホン酸)及びポリ(アクリルアミドプロピルスルホン酸)を含むホモ&コポリマーである。無機酸は、非制限的に、硫酸、スルファミン酸、リン酸、塩酸、硝酸、ホウ酸又はその混合を含む。使用され得る他の酸は、非制限的に、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、バナジウム、及びガドリニウムの水和金属塩を含み、米国特許第5,820,822号に記載される。酸は、非制限的に、Amberlite(登録商標)、Diaion(登録商標)、Dowex(登録商標)、及びDuolite(登録商標)の如き固体酸交換樹脂、並びにケイ酸アルミニウム・ゼオライトも含む。あるいは、当該酸は、酸無水物、エステル、およびスルホン酸エステルの如き、水と接触することにより酸を形成するいずれかの有機酸前駆体となり得る。有機酸前駆体の例は、米国特許第4,585,482号に記載される。
【0030】
前記酸は、前記第1部分と混合されたときに約0.05重量%〜約10重量%、約0.5重量%〜約5.0重量%、及び約1.0重量%〜約3.0重量%の範囲の濃度で前記殺菌組成物内に存在するような量で、前記第2部分に存在する。
【0031】
あるいは、前記第2部分内の酸の量は、前記殺菌組成物のpHにより特徴付けられ得る。このことに関して、当該酸は、前記第1部分と混合されたときに当該殺菌組成物のpHが約5未満、約2〜約5、及び約2.3〜3.5の範囲となるような量で、当該第2部分に存在する。
【0032】
前記任意の易酸化性染料は、酸性化クロライト殺菌剤において一般的にある濃度で、二酸化塩素との接触により色の損失を受ける染料である。当該染料は、前記第1又は第2部分に存在し得、好ましくは前記第2部分に存在する。かかる染料は、水、アルコール、グリセリン、及び/又は油を非制限的に含む、前記第1又は第2部分のための担体として使用され得る媒体中において、通常、可溶性である。
【0033】
本発明のある態様において、単一の易酸化性染料、又は複数の易酸化性染料の混合物のいずれかは、前記第2部分に存在する。前記第1又は第2部分の易酸化性染料の存在量は、他の部分との組合せにおいて、所望の色、及び/又は色の強さを前記殺菌組成物に与えるだろう量である。
【0034】
米国において、食物、及び/又は薬において使用される染料は、一般的に、食品医薬品局(FDA)により以下のようにクラス分けされる:(1)食品、医薬品、及び化粧品(FD&C)染料、(2)医薬品、及び化粧品(D&C)染料、あるいは(3)外部付加の医薬品、及び化粧品(Ext.&C)染料。これらの染料は、the Society of Dyers and Colourists(英国)、及びthe american Association of Textile Chemists & Coloiistsにより確立されたカラー指数(CI#)を使用して同定され得る(Color Index,Society of Dyers and Colorists and american Association of Textile Chemists & Colorists,REV.3.sup.rd ed, Branford,1975)。
【0035】
代表的なFD&C染料は、非制限的に、FD&Cブルー#1(CI#42090)、FD&Cブルー#2(CI#73015)、FD&Cグリーン#3(CI#42053)、FD&Cレッド#3、FD&Cレッド#4(CI#14700)、FD&Cレッド#40(CI#16035)、FD&Cイエロー#5(CI#19140)、FD&Cイエロー#6(CI#15980)、オレンジB、及びシトラスレッド#2を含む。
【0036】
代表的なD&C染料は、非制限的に、D&Cバイオレット#2(CI#61565)、D&Cグリーン#5(CI#61570)、D&Cグリーン#6(CI#61565)、D&Cグリーン#8(CI#59040)、D&Cオレンジ#4(CI#15510)、D&Cイエロー#7、D&Cイエロー#8(CI#45350)、D&Cイエロー#10(CI#47005)、D&Cイエロー#11(CI#47000)、D&Cレッド#6(CI#15850)、D&Cレッド#17(CI#26100)、D&Cレッド#22(CI#45380)、D&Cレッド#28(CI#45410)、及びD&Cレッド#33(CI#17200)を含む。
【0037】
代表的なExt.D&C染料は、非制限的に、Ext.D&C:バイオレット#2(CI#60730)、Ext.イエロー#7(CI#10316)を含む。
【0038】
他の代表的な食品染料は、非制限的に、アシッドグリーン1(CI#10020)、フードイエロー2(CI#13015)、アシッドイエロー36(CI#13065)、フードイエロー8(CI#14720)、アシッドオレンジ20(CI#14600)、フードレッド3(CI#14720)、フードレッド2(CI#14815)、アシッドレッド88(CI#15620)、フードオレンジ2(CI#15980)、アシッドレッド26(CI#16150)、フードレッド7(CI#16155)、フードレッド9(CI#16135)、アシッドオレンジ10(CI#16230)、アシッドレッド18(CI#16255)、アシッドレッド(CI#16290)、アシッドレッド1(CI#18050)、アシッドレッド155(CI#18130)、アシッドイエロー121(CI#18690)、アシッドレッド180(CI#18736)、アシッドイエロー11(CI#18820)、アシッドイエロー40(CI#18950)、アシッドイエロー5(CI#18965)、アシッドブラック1(CI#20470)、アシッドレッド163(CI#24790)、アシッドレッド73(CI#27290)、フードブラック2(CI#27755)、フードブラック1(CI#28440)、ダイレクトオレンジ34(CI#40215)、アシッドブルー3(CI#42051)、アシッドブルー5(CI#42052)、グリーンS(CI#44090)、及びブラウンHT(CI#20285)を含む。
【0039】
さらに、易酸化性染料は、赤キャベツ抽出物、ビートルート抽出物、カルミン酸、クルクミン、ベータカロチン、アナトー抽出物、ブドウ皮抽出物、アスタキサンチン、カンタキサンチン、ヘンナ、グアイアズレン、及びその混合物の如き天然に生じた染料も含む。
【0040】
本発明の易酸化性染料は、上述のFD&C、D&C、Ext.D&C、食品染料、及び天然に生ずる染料の複数のいずれかの組合せを含む。さらに、当該易酸化性染料は、他の部分と接触することにより、色において変化を受ける。かかる色の変化は、例えば、一部方の部分のpHから得られた組成物のpHへのpH変化に起因し得る。あるいは、いずれかの部分は、場合により、もう一方の部分と混合されるときに得られる組成物が第1及び第2部分のいずれかと異なる色を有するように染料を含み得る。
【0041】
上述のように、驚くべきことに、第1部分、第2部分、あるいは第1及び第2部分の両方のいずれかにおけるオレフィン化合物の存在は、得られた殺菌組成物における二酸化塩素の産生を低減することがわかった。結果として、任意の易酸化性染料が存在するとき、オレフィン化合物は、当該殺菌組成物に改良された色の寿命を与える。
【0042】
本明細書中に使用される用語「オレフィン化合物」は、少なくとも1つの二重結合を有する炭化水素をいい、酸素、窒素、硫黄、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、リン、及びその混合物からなる群より選択される少なくとも4つのヘテロ原子を有する親水基から離れて少なくとも2つの飽和炭素原子を有する。
【0043】
用語「親水性」とは、「水を好む」又はより溶解性となる傾向にある分子の部分をいう。用語「飽和炭素」とは、二重又は三重結合のない炭素原子をいう。
【0044】
本発明のオレフィン化合物は、以下の一般式:
(R)CH=CH(R)(X)
{式中、
は、H−、CH−、CH(CH−、CH(CHCH(OH)−、及びMOC(CH−であり;
nは、1〜20、好ましくは1〜10であり;
は、−(CH−、
【化2】

であり;
mは、2〜20、好ましくは2〜10であり;
Mは、H、Na、K、Ca、Mg、アンモニア、あるいはモノエタノールアミン又はトリエタノールアミンの如き有機カチオンであり;そして
Xは、酸素、窒素、硫黄、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、リン、及びその混合物からなる群より選択される少なくとも4つのヘテロ原子を有する頭部基である}
を有する。
【0045】
疎水基(R)CH=CH(R)、及び親水基(X)の存在により、本発明のオレフィン化合物は界面活性剤特性を示し、結果的に、それらのHLB(親水性・親油性バランス)値の観点から特徴づけられ得る。当該HLBは、当該分子の疎水基と親水基との間の関係の表現である。一般的に、HLB値が高ければ高いほど、その分子はより水溶性となる。
【0046】
親水性は、ヘテロ原子の数の増加に伴って増大する。10超のHLB値は、水溶性と考えられる。本発明について、当該オレフィン化合物は、好ましくは8と等価又は8超の、より好ましくは12と等価又は12超のHLB値を有する。
【0047】
好適なオレフィン化合物の非制限的な例は、オレイルベースの、リシノレイル(ricinoleyl)ベースの、及びウンデシレニル(undecylenyl)ベースの組成物を含む。オレイルベースの化合物は、オレイル酸由来の化合物である。これは、エステル、アミド、オキサゾリン、及びエン合成(ヒドロ−アリル−付加)付加化合物の形態における付加生成物を含む。オレイン酸をオレイルアルコール又はオレイルアミンに転換すること、並びに当該アルコール及びアミン基をさらに化学的に修飾することにより形成される誘導体も含む。
【0048】
リシノレイル(Ricinoleyl)、及びウンデシレニル(undecylenyl)ベースの化合物は、対応するリシノール酸、ウンデシレン酸のそれぞれに由来する化合物の類似アレイをいう。
【0049】
オレイルベースのオレフィン化合物の非制限的な例は、以下の一般式を有するものを含む。
【化3】

【0050】
X基として使用され得る構造の例を表1に提供する。
【表1】

【表2】

【表3】

【0051】
リシノレイルベースのオレフィン化合物の非制限的な例は、以下の構造を有するものを含む。
【化4】

【0052】
X基として使用され得る構造の例を表2に提供する。
【表4】

【0053】
ウンデシレニルベースのオレフィン化合物の非制限的な例は、以下の構造を有するものを含む。
【化5】

【0054】
X基として使用さえ得る構造の例を表3に提供する。
【表5】

【0055】
上述のオレフィン化合物に加えて、以下のオレフィン化合物は、本発明において使用され得るオレフィン化合物の例である。
1.ジソジウム・ジヒドロキシエチル・スルホスクシニル・ウンデシレナート(RITAからGrillosan DS 7911として商業的に入手可能)
【化6】

2.ジソジウム・PEG−8・リシノスクシナート(Ricinosuccinate)(RITAからGrillosan 8C12として商業的に入手可能)
【化7】

3.ソジウム・ビスグリコール・リシノスルホスクシネート(Ricinosulfosuccinate)(RITAからGrillosol 8Cとして商業的に入手可能)
【化8】

【0056】
好ましい態様において、前記オレフィン化合物は、水溶性又は水分散性である。好ましい態様において、前記オレフィン化合物は、8と等価の又は8超のHLBを有する。好ましい態様においてオレフィン化合物は、アミド、エーテル、第4級アンモニウム又はアミン基を介してオレフィン基と結合される親水基を有する。最も好ましくは、前記オレフィン化合物は、オレイル(oleyl)、リシノレイル(ricinoleyl)又はウンデシレニル(undecylenyl)ベースの誘導体であって、ここで親水基は、アミド、エーテル、第4級アンモニウム基又はアミン基を介してオレフィン基と結合される。
【0057】
好ましいオレフィン化合物の例は、ソジウム・オレオイル・N−メチルタウレート、Xが3〜20であるオレス−X、Xが3〜20であるオレス−Xホスフェイト、Xが3〜20であるオレス−Xカルボキシレート、オレス・スルフェイト、オレアミドプロピル・ベタイン、リシンオレアミドプロピル・ベタイン、及びオレイルメチルビス(ヒドロキシエチル)アンモニウムクロライドを含む。
【0058】
前記オレフィン化合物は、好ましくはオレイルベース化合物、及び特に、RhodiaからGeropon T−77として商業的に入手可能であるソジウムN−メチル・オレオイル・タウレート、McIntyreからMackam HVとして商業的に入手可能なオレアミドプロピル・ベタイン、CrodaからVolpo−10及びVolpo−20として商業的に入手可能なオレス−10及び20、CrodaからCrodofos−10として商業的に入手可能なオレス−10ホスフェイト、並びにAkzo NobelからEthoquad O/12 PGとして商業的に入手可能なオレイルメチルビス(ヒドロキシエチル)アンモニウムクロライドである。
【0059】
当該オレフィン化合物は、第1部分と第2部分とを混合したときに前記殺菌組成物内に約0.005重量%〜約50重量%、一般的には約0.05重量%〜約10重量%、及び約0.1重量%〜約5重量%の範囲の濃度で存在するような量で、第1部分、第2部分、あるいは第1及び第2部分の両方に存在する。オレフィン化合物の混合も本発明の範囲内に含まれることが企図される。例えば、ある型のオレフィン化合物が第1部分に存在し、第2部分に異なる型が存在する。
【0060】
様々な任意の構成要素も、前記2部システムの第1部分、第2部分、あるいは第1及び第2部分の両方に存在し得る。かかる構成要素は、非制限的に、湿潤剤、ビルダー、テクスチャ調整剤、フィルム形成ポリマー、界面活性剤、染料、及びその混合物を含む。
【0061】
前記湿潤剤は、皮膚又は表面と前記殺菌組成物との接触を促進し、同一性及び量の両方において、この効果を提供すると認識される湿潤剤から選択され得る。ビルダーは、界面活性剤系の洗浄能力を高める手助けをし、通常、カルシウム及びマグネシウムの如き多価カチオンとの合成を可能とする材料に関連する。
【0062】
テクスチャ調整剤は、保持力、流れ、及び潤滑性の点において、混合された殺菌組成物の態様に主に影響を与える物質である。これらは、アルキルセルロース、アルコキシセルロース、キサンタンガム、グアガム、及びポリアクリルアミド誘導体の如き増粘剤を含み、その中で、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のポリマーが好ましい例である。
【0063】
無機増粘剤は、ヘクトライト、合成ヘクトライト、マグネシウム・アルミニウム・シリケート、ベントナイト、モンモリロナイト、及び非晶質シリコンジオキシドを含む。増粘は、選択的界面活性剤クラスの組合せによっても達せられ得る。他のテクスチャ調整剤は、ラノリン誘導体、アシルラクチレート、ポリエチレングリコール、グリセリルエステル、及びその混合物を含む。
【0064】
スキンコンディショニング、及び皮膚治療剤は、グリセリン、ソルビトール、ピロリドン、カルボン酸、ミネラルオイル、シリコンオイル、タンパク質加水分解物、ワセリン、炭化水素エモリエント・アルコール及びエステル、アラントイン、アロエベラ抽出物、及び尿素を含む。フィルム形成ポリマーは、上述のポリアクリルアミド、並びにポリ(ビニルアルコール/ビニルアセテート)、ポリウレタン、キトサン、ポリビニルピロリドン、及びポリビニルピロリドンコポリマーのクラスを含む。
【0065】
更なる態様において、基質を殺菌する方法が開示され、ここで、当該方法は、本発明の2部殺菌システムの第1部分と第2部分を混合することにより形成される前記殺菌組成物の有効量と当該基質とを接触させることを含む。本明細書中において、当該基質は、殺菌を必要とする又はかかる殺菌により有利となるだろういずれかの表面又は材料となり得、非制限的に、皮膚又は組織、並びに体液、及び粘膜の膜を含む。
【0066】
例えば、当該基質は、殺菌が治療の助けとなるだろう傷となり得る。当該基質は、殺菌が歯肉炎及び口臭を防ぐ助けとなるだろう動物の口の内側となり得る。当該基質は、動物の体内、体の表面又は体の周囲に密接に配置されるいずれかのもの、例えば、入れ歯、歯列矯正用ブリッジ、及びコンタクトレンズを含む。特定の適用において、当該基質は、乳牛、ヤギ又はヒツジの乳頭である。さらに、当該基質は、肉、魚、フルーツ、及び野菜の如き、食品のいずれかの表面となり得る。
【0067】
当該基質は、食物加工工場における食物接触面、及び非食物接触面も含み得る。当該基質は、いずれかの塗装面を含み得、例えば、非制限的に、床、壁、調理台、容器、器具、並びに/あるいは、家、病院、及び製造工場において見られる装置がある。特定の適用において、当該塗装面は、動物の飼育、及び生産環境における住居、及び装置表面を含む。殺菌により有利となり得る材料は、例えば、フルーム水、冷却塔水、家畜飲料水、設備水、及び施設洗浄溶液の如きプロセス水を含む。
【0068】
本発明の更なる態様において、本発明は、前記2部殺菌システムの第1部分と第2部分とを混合することを含む、殺菌組成物の製造方法に関する。ある態様において、当該第1、及び第2部分は、両方とも、水溶液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、クリーム又はゲルであり、等量又は異なる量で混合されるように適合され得る。他の態様において、当該第1又は第2部分の少なくとも1つは濃縮された非水性又は固体形態であり、当該濃縮された非水性又は固体形態は、最初に水で希釈又は水に溶解され、次いで他の部分と混合される。あるいは、当該希釈又は溶解ステップは、他の部分との混合の前に又は混合と同時に、実施され得る。
【0069】
以下の実施例は、例証のために提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0070】
実施例1
一連の2部酸性化クロライト生成物を、2.64%の乳酸、10.00%のグリセリン、0.30%のFD&Cイエロー#5、0.30%のキサンタンガム、0.04%のソジウムベンゾエート、及び0.045Mで配合されたオレフィン化合物(又は対照のためにオレフィン化合物なし)を含む酸部分と、0.64%ソジウム・クロライト、及び1:1で混合したときにpH2.75となるのに十分量の水酸化ナトリウムを含むクロライト部分とを混合することにより製造した。35℃での退色率を、425nmでのUV/Vis分光法により計った。
【0071】
【表6】

*重量パーセントは、前記酸部分におけるオレフィン誘導体の活性重量パーセントと対応する。これは、前記混合生成組成物における0.0225Mでの前記オレフィン誘導体の等モル比較と対応する。
【0072】
表4におけるオレフィン化合物は、対照に比べて、色のマーキング寿命を著しく伸長した。
【0073】
実施例2
3つの組成物を、実施例1によって製造した、ここで、前記オレフィン化合物は、0.4%のソジウム・オレオイルN−メチル・タウレート(Geropon T−77)、あるいは0.4%のソジウム・ココイルN−メチル・タウレート(Geropon TC270)の飽和ホモログ、あるいはオレフィンなしの対照であった。全ての生成物は、2.75の混合生成物pHを有した。35℃での退色比率を、425nmでのUV/Vis分光法により計った。
【0074】
【表7】

【0075】
表5は、前記オレフィン化合物(ソジウムN−メチル・オレオイル・タウレート)が染料強度をより長く伸ばし、一方飽和ココイルホモログはそうではなかった。
【0076】
実施例3
一連の2部酸性化クロライト生成物を、1:1で混合したときに、1.32%の乳酸、0.32%のソジウム・クロライト、0.0225Mで配合されたオレフィン化合物、及び2.75の混合生成物pHを製造するのに十分量の水酸化ナトリウムを含む組成物を生成するように製造した。二酸化塩素産生比率を、360nmでのUV/Vis分光法により計った(54.31ppm/A.U.cm)。
【0077】
【表8】

【0078】
*重量パーセントは、前記酸部分におけるオレフィン誘導体の活性重量パーセントと対応する。これは、前記混合生成組成物における0.0225Mでの前記オレフィン誘導体の等モル比較と対応する。
【0079】
表6は、前記オレフィン化合物が、対照に比べて、二酸化塩素産生比率を著しくゆっくりとすることを示す。
【0080】
実施例4
3つの酸性化クロライト組成物を、実施例1によって製造した、ここで、前記オレフィン化合物は、1.4%のソジウム・オレオイル・タウレート(Geropon T−77)、又は1.4%のアルファ・オレフィン・スルホネート(Bioterge AS−40,Stepan)、又はオレフィンなしの対照であって、0.64%のソジウム・クロライト、及び1:1で混合されたときにpH2.75を達成するのに十分量の水酸化ナトリウムを含むクロライト部分を有した。ソジウム・クロライトの消費比率を、標準ヨウ素還元滴定方法を使用して定量した。
【0081】
【表9】

【0082】
表7の結果は、オレフィン化合物がソジウム・クロライトの消費比率を著しくゆっくりとしたことを示した。ソジウムN−メチル・オレイル・タウレート(Geropon T−77)は、等量ベース比較において、アルファ・オレフィン・スルホネート(Bioterge AS−40)よりも強い効果を示した。
【0083】
実施例5
2部酸性クロライト組成物の殺菌能力を、15秒の暴露期間でのAOAC殺菌及び洗剤殺菌作用テスト(AOAC Germicidal and Detergent Sanitizing Action test)を使用して、評価した。殺菌組成物を、前記オレフィン化合物として0.4%のソジウム・オレオイル・N−メチル・タウレートと共に実施例1によって製造した。混合後2.5時間で、及び5時間で、99mLサンプルを最初に取り出し、そして1mLの細菌チャレンジと共にインキュベートした。当該結果溶液からのサンプルを、標準的方法を使用して、中和し、めっきし、そして列挙した。同時に、水対照を、前記殺菌組成物の代わりに試験した。
【0084】
【表10】

【0085】
表8における結果は、全ての例においてほぼ少なくとも6対数(logs)の細菌数を有する対照と比較して、本発明が様々な細菌の殺菌に効果的であることを示す。
【0086】
実施例6
【表11】

【0087】
実施例7
【表12】

【0088】
実施例8
【表13】

【0089】
実施例9
【表14】

【0090】
実施例10
【表15】

【0091】
上記より、本発明の特定態様を例証のために本明細書中に記載したけれども、様々な変更が本発明の本質と範囲を逸脱することなく実施され得ることが理解されるだろう。従って、本発明は添付の特許請求の範囲によることを除き限定されるものはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性殺菌組成物を産生するために混合されるように構成された第1部分、及び第2部分を含む2部殺菌システムであって、ここで当該第1部分はクロライトを含み、及び当該第2部分は酸を含み、並びに、
当該第1部分、第2部分、あるいは当該第1及び第2部分の両方は、以下の一般式:
(R)CH=CH(R)(X)
{式中、
は、H−、CH−、CH(CH−、CH(CHCH(OH)−、及びMOC(CH−であり;
nは、1〜20であり;
は、−(CH−、
【化1】

であり;
mは、2〜20であり;
Mは、H、Na、K、Ca、Mg、アンモニア又は有機カチオンであり;そして
Xは、酸素、窒素、硫黄、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、リン、及びその混合物からなる群より選択される少なくとも4つのヘテロ原子を有する親水基である}
を有するオレフィン化合物を含み、ここで、前記(R)CH=CHと前記ヘテロ原子との間に少なくとも2つの飽和炭素原子があり、飽和炭素原子は二重及び三重結合の炭素を含まず、前記オレフィン化合物は、前記第1部分と当該第2部分とが混合されたとき、約0.005重量%〜約50重量%の範囲の濃度で前記殺菌組成物内に存在するように当該第1部分、当該第2部分、あるいは当該第1及び第2部分の両方に存在する、
上記殺菌システム。
【請求項2】
前記第1部分、前記第2部分、あるいは前記第1及び第2部分の両方に易酸化性染料をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記オレフィン化合物が、オレイルベース、リシノレイル(ricinoleyl)ベース、及びウンデシレニル(undecylenyl)ベースのオレフィン化合物、及びその混合物からなる群より選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記オレフィン化合物が、ソジウム・オレオイルN−メチルタウレート、Xが3〜20であるオレス(Oleth)−X、オレス−Xホスフェイト、オレス−Xカルボキシレート、オレス硫酸、オレアミドプロピル・ベタイン、リシンオレアミドプロピル・ベタイン、オレイルメチルビス(ヒドロキシエチル)アンモニウムクロライド、及びその混合物からなる群より選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記親水基が、アミド、エーテル、第4級アンモニウム又はアミン基を介して、前記オレフィン基と連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記オレフィン化合物が、前記第1部分と第2部分が混合されたとき0.05重量%〜10重量%の濃度範囲で前記殺菌組成物中に存在するような量で、前記第1部分、前記第2部分、あるいは前記第1及び第2部分に存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記クロライトが、金属クロライトである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記金属クロライトが、アルカリ又はアルカリ土類金属クロライトである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記金属クロライトが、ソジウム・クロライト又はポタシューム・クロライトである、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記クロライトが、前記第2部分と混合されたとき約0.005重量%〜約3重量%の濃度範囲で前記殺菌組成物中に存在するような量で、前記第1部分に存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記酸が、2〜5の範囲のpKを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記酸が、有機酸、無機酸、あるいはその混合物である、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記有機酸が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、コハク酸、マロン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、安息香酸、グルコン酸、あるいはその混合物である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記無機酸が、硫酸、スルファミン酸、リン酸、塩酸、硝酸、あるいはその混合物である、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記酸が、前記第1部分と混合されたとき前記殺菌組成物中に約0.05重量%〜約10重量%の濃度範囲で存在するような量で、前記第2部分に存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記酸が、前記第1部分と混合されたとき前記殺菌組成物のpHが約5未満であるような量で、前記第2部分に存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記染料が、(a)食物、薬、及び化粧品の染料、(b)薬、及び化粧品の染料、あるいは(c)外部から加えられた薬、及び化粧品の染料である、請求項2に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1部分、及び第2部分の両方が、独立して、水溶液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、クリーム又はゲルの形態である、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1部分、前記第2部分、あるいは前記第1及び第2部分の両方が、テクスチャ調整剤、湿潤剤、増粘剤、スキンコンディショナー、治療剤、フィルム形成ポリマー、界面活性剤、保存料、あるいはその混合物をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
表面を殺菌する方法であって、塗装面、動物表面、ヒト表面、食物表面、肉表面、家きん表面、シーフード表面からなる群より選択される表面、及びプロセス水に、得られた請求項1に記載の殺菌組成物を適用することを含む、上記殺菌方法。
【請求項21】
オレフィン化合物を含む殺菌組成物であって、当該オレフィン化合物が、以下の一般式:
(R)CH=CH(R)(X)
{式中、
は、H−、CH−、CH(CH−、CH(CHCH(OH)−、及びMOC(CH−であり;
nは、1〜20であり;
は、−(CH−、
【化2】

であり;
mは、2〜20であり;
Mは、H、Na、K、Ca、Mg、アンモニア又は有機カチオンであり;そして
Xは、酸素、窒素、硫黄、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、リン、及びその混合物からなる群より選択される少なくとも4つのヘテロ原子を有する親水基である}
を有し、ここで、前記(R)CH=CHと前記ヘテロ原子との間に少なくとも2つの飽和炭素原子があり、飽和炭素原子は二重及び三重結合の炭素を含まない、上記組成物。
【請求項22】
前記オレフィン化合物が、約0.005wt%〜約50wt%で存在する、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
クロライトをさらに含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
酸をさらに含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項25】
易酸化性染料をさらに含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項26】
前記オレフィン化合物が、オレイルベース、リシノレイル(ricinoleyl)ベース、及びウンデシレニル(undecylenyl)ベースのオレフィン化合物、及びその混合物からなる群より選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項27】
前記オレフィン化合物が、ソジウム・オレオイルN−メチルタウレート、Xが3〜20であるオレス(Oleth)−X、オレス−Xホスフェイト、オレス−Xカルボキシレート、オレス硫酸、オレアミドプロピル・ベタイン、リシンオレアミドプロピル・ベタイン、オレイルメチルビス(ヒドロキシエチル)アンモニウムクロライド、及びその混合物からなる群より選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項28】
水性殺菌組成物を産生するために混合されるように構成された第1部分、及び第2部分を含む2部殺菌システムであって、ここで当該第1部分はクロライトを含み、及び当該第2部分は酸を含み、並びに、当該第1部分、第2部分、あるいは当該第1及び第2部分の両方は、以下の一般式:
(R)CH=CH(R)(X)
{式中、
は、H−、CH−、CH(CH−、CH(CHCH(OH)−、及びMOC(CH−であり;
nは、1〜20であり;
は、−(CH−、
【化3】

であり;
mは、2〜20であり;
Mは、H、Na、K、Ca、Mg、アンモニア又は有機カチオンであり;そして
Xは、酸素、窒素、硫黄、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、リン、及びその混合物からなる群より選択される少なくとも4つのヘテロ原子を有する親水基である}
を有するオレフィン化合物を含み、ここで、当該オレフィン化合物は、前記第1部分と前記第2部分とが混合されたとき、約0.005重量%〜約50重量%の範囲の濃度で前記殺菌組成物内に存在するように、前記第1部分、前記第2部分、あるいは前記第1及び第2部分の両方に存在する、
上記殺菌システム。
【請求項29】
前記(R)CH=CHと前記ヘテロ原子との間に少なくとも2つの炭素原子がある、請求項28に記載の殺菌システム。
【請求項30】
前記(R)CH=CHと前記ヘテロ原子との間に少なくとも2つの飽和炭素原子があり、飽和炭素原子は二重及び三重結合の炭素を含まない、請求項29に記載の殺菌システム。
【請求項31】
前記第1部分、第2部分、あるいは前記第1部分及び第2部分の両方に、易酸化性染料をさらに含む、請求項29に記載の殺菌システム。
【請求項32】
前記オレフィン化合物が、オレイルベース、リシノレイル(ricinoleyl)ベース、及びウンデシレニル(undecylenyl)ベースのオレフィン化合物、及びその混合物からなる群より選択される、請求項29に記載の殺菌システム。
【請求項33】
前記オレフィン化合物が、ソジウム・オレオイルN−メチルタウレート、Xが3〜20であるオレス(Oleth)−X、オレス−Xホスフェイト、オレス−Xカルボキシレート、オレス硫酸、オレアミドプロピル・ベタイン、リシンオレアミドプロピル・ベタイン、オレイルメチルビス(ヒドロキシエチル)アンモニウムクロライド、及びその混合物からなる群より選択される、請求項29に記載の殺菌システム。

【公表番号】特表2008−537954(P2008−537954A)
【公表日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506536(P2008−506536)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/012999
【国際公開番号】WO2006/113166
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】