説明

カラー画像形成装置,カラー画像形成処理プログラム

【課題】色彩が含まれている画像にハッチング線を重ねて表示した場合,その画像が線構造の画像であったり,あるいは,線でなくても,ディザ処理のスクリーンのように方向性のある画像である場合であっても,モアレや色むらを発生させることのないカラー画像形成装置を提供すること。
【解決手段】印字対象の画像データを分析して,予め定めた色彩の画像が含まれる領域を抽出し,抽出された領域に重ねてハッチングを形成する時,前記特定色彩領域抽出手段により抽出された領域のドット構造を分析し,分析されたドット構造に応じて,その領域に重ねて形成するハッチング線の種類とその方向を決定する。決定された方向に従って,前記領域の色彩に重ねてハッチングを形成するカラー画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,色覚異常者などが識別しやすく,健常者も違和感なく画像を認識することの出来る画像処理手法に係り,特に,ハッチング部分の見やすさについて改良されたカラー画像形成装置及びカラー画像形成処理をコンピュータに実行させるためのカラー画像形成処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
色覚異常者の場合,例えば,赤や緑を茶色と誤認するようなケースが多い。そのため,誤認を生じる可能性がある色彩を含む画像を,誤認を含まない可能性の高い色彩に変換すれば,色覚異常者にとって色彩における誤認の問題はほぼなくなる。
しかしながら,その手法では,色覚異常者にとって誤認を生じない色彩に変換してしまうので,健常者にとってはかえって異常な色彩の画像に感じられてしまう。
このようなことをなくすためには,色覚異常者が識別しやすく,健常者も違和感なく画像を認識することの出来る画像処理手法を採用することが望ましい。
そのような画像処理手法の1つとして,特許文献1が知られている。
この手法は,2色以上の色彩を有する画像について,その色彩に色覚異常者が判別しにくい色彩が含まれている場合には,その色彩の部分にハッチングを重ねて表示するというものである。
【0003】
このようなハッチングを重ねて表示することで,健常者にとっては,ハッチングという余分な画像が重なってはいるが,色彩については原画の色彩が見れるので,違和感を感じることが少ない。
また色覚異常者にとっては,色彩を正しく判断できないものの,ハッチングが付加されていることで,その領域が色覚異常を生じる可能性のある領域であることを認識することが出来,自分の関知している色彩が,間違ったものであることを知ることが出来るので,色彩に関する誤認を生じることが少なくなる効果がある。
【特許文献1】特開2007−240508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで,上述のような手法のように,色覚異常者が判別しにくい色彩が含まれている画像にハッチングを重ねて表示した場合,その画像が線構造の画像であったり,あるいは,線でなくても,ディザ処理のスクリーンのように方向性のある画像である場合には,上記ハッチングを重ねたときにハッチング線との間で干渉を起こし,モアレや色むらを発生させ,見にくくなってしまう問題がある。
【0005】
上記のような色彩が含まれている場合に,その画像にハッチング線を重ねて表示する処理は,必ずしも色覚異常者が判別しにくい色彩が含まれる画像のみでなく,ハッチングのある画像にハッチングを重ねたり,ディザ処理のスクリーン画像にハッチングを重ねた場合に発生する問題である。
【0006】
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,色彩が含まれている画像にハッチング線を重ねて表示した場合,その画像が線構造の画像であったり,あるいは,線でなくても,ディザ処理のスクリーンのように方向性のある画像である場合であっても,モアレや色むらを発生させることのない画像処理手法を用いたカラー画像形成装置,あるいはカラー画像形成処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために,本発明に係るカラー画像形成装置は,
印字対象の画像データを分析して,予め定めた色彩の画像が含まれる領域を抽出する特定色彩領域抽出手段と,
前記特定色彩領域抽出手段により抽出された領域に重ねてハッチングを形成するハッチング形成手段とを備えたカラー画像形成装置において,
前記ハッチング形成手段は,前記特定色彩領域抽出手段により抽出された領域のドット構造を分析するドット構造分析手段と,
前記ドット構造分析手段により分析されたドット構造に応じて,その領域に重ねて形成するハッチング線の種類とその方向を決定するハッチング方向決定手段と,を備え,
前記ハッチング方向決定手段により決定された方向に従って,前記領域の色彩に重ねてハッチングを形成するものであるカラー画像形成装置として構成されている。
【0008】
この場合,前記ドット構造分析手段により分析されたドット構造が網点構造であると判断された場合には,前記ハッチング方向決定手段が,前記ハッチング線の方向を網点のドット構造の方向に対して,90度の相対角度で交わる方向に決定することが望ましい。
このように相対角度を,90度にすることによってハッチングパターンのスクリーン角90度方向の空間周波数がDC成分(周波数0)のみになるため、ハッチングパターン(線)とスクリーンが干渉したモアレが発生することがなくなる。
【0009】
また,前記ドット構造分析手段により分析されたドット構造が線構造であると判断された場合には,前記ハッチング方向決定手段が,前記ハッチング線の方向を網点のドット構造の方向に対して,45〜135度の相対角度で交わる方向に決定する。
ドット構造が,線状であれば,ハッチングパターンは,線状であっても点状であっても問題ないのである。このように,交わるのが線対線であれば,上記相対角度が90度に限定されず,45〜135度程度傾いていても,モアレは生じないことが,経験から分かっているからである。
【0010】
前記ドット構造分析手段は,予め定めた色彩の色要素の内で,印字率の高い色要素のドット構造について網点構造か線構造かを分析することが望ましい。
このような処理が簡素で経済的だからである。
【0011】
本発明は,カラー画像形成処理プログラムとしても把握できる。
即ち,印字対象の画像データを分析して,予め定めた色彩の画像が含まれる領域を抽出する特定色彩領域抽出工程と,
前記特定色彩領域抽出手段により抽出された領域に重ねてハッチングを形成するハッチング形成工程とをコンピュータにより実行させるためのカラー画像形成処理プログラムにおいて,
前記ハッチング形成工程は,前記特定色彩領域抽出工程により抽出された領域のドット構造を分析するドット構造分析工程と,
前記ドット構造分析手段により分析されたドット構造に応じて,その領域に重ねて形成するハッチング線の方向を決定するハッチング方向決定工程と,を備え,
前記ハッチング方向決定工程により決定された方向に従って,前記領域の色彩に重ねてハッチングを形成するものであるカラー画像形成処理プログラムが把握される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば,印字対象の画像データを分析して,予め定めた色彩の画像が含まれる領域を抽出する特定色彩領域抽出手段と,前記特定色彩領域抽出手段により抽出された領域に重ねてハッチングを形成するハッチング形成手段とを備えたカラー画像形成装置において,前記ハッチング形成手段は,前記特定色彩領域抽出手段により抽出された領域のドット構造を分析するドット構造分析手段と,
前記ドット構造分析手段により分析されたドット構造に応じて,その領域に重ねて形成するハッチング線の種類とその方向を決定するハッチング方向決定手段と,を備え,前記ハッチング方向決定手段により決定された方向に従って,前記領域の色彩に重ねてハッチングを形成するものであるカラー画像形成装置が提供され,これにより,色彩が含まれている画像にハッチング線を重ねて表示した場合,その画像が線構造の画像であったり,あるいは,線でなくても,ディザ処理のスクリーンのように方向性のある画像である場合であっても,モアレや色むらを発生させることのない画像処理手法を用いたカラー画像形成装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下添付図面を参照しながら,本発明の一実施形態に係るカラー画像形成装置の一例であるカラー複写機について説明する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は,本発明の一実施形態に係る画像形成装置Xの主要部の構成を表すブロック図,図2は,画像形成装置Xにおける画像形成処理の手順を表すフローチャート,図3は,色相とCMYKの印字率の関係を示すグラフ,図4は,ディザ処理のスクリーンの角度とハッチングパターンの角度との関係を示すグラフ,図5は,ディザ処理のスクリーンの角度とハッチングパターンの角度との関係によってモアレが発生することを示す図,図6は,ディザ処理のスクリーンの角度とハッチングパターンの角度が45度の場合を示す図である。
【0014】
本発明の実施形態に係る画像形成装置Xは,例えばカラー複写機やカラープリンタ,ファクシミリ装置等の画像形成装置であって,事前にハードディスク等のデータ記憶部に記憶された複数ページ分のページ画像に関する印刷用データに基づいて,そのページ画像に所定の色彩を備えた画像を検出する機能を備えている。
まず,図1に示すブロック図を参照しつつ,本発明の実施形態に係る画像形成装置Xの主要部の構成について説明する。
画像形成装置Xは,スキャナ機能,プリント機能,コピー機能及びファクシミリ機能を備えたいわゆるカラー複合機である。
図1に示すように,画像形成装置Xは,メイン制御部1,操作・表示部2,データ記憶部3,画像処理演算部4,NIC5,スキャナ部6,プリント部7及びファクシミリ部8等を備え,それらがバス11を通じて情報の受け渡しが可能な状態で接続されている。
【0015】
前記操作・表示部2は,情報を入力するための操作部2aと情報(画像を含む)を表示する表示部2bとを備えるものである。その操作部2aは,例えば,液晶表示装置の表面に設けられたタッチパネルやシートキー等である。また,前記表示部2bは,例えば,液晶表示装置である。この操作・表示部2により,利用者に対するマンマシンインターフェースが構成されている。
前記データ記憶部3は,原稿から読み取って得られた画像データの処理や,画像データのプリント処理等の際に,必要に応じてその処理データを記憶する読み書き自在な大容量の不揮発メモリである。
【0016】
前記画像処理演算部4は,専用の信号処理回路或いはDSP(Digital Signal Processor)等により構成され,画像データについて各種画像処理を行い,所定の印刷ジョブ記述言語で記述された印刷ジョブを画像形成に用いるビットマップ画像データに変換する処理や,外部装置へ送信する画像データ(例えば,JPEG形式等の所定の符号化がなされた画像データ等)の生成処理等を行うものである。
この発明の主要な構成である特定色彩領域抽出手段(工程),ハッチング形成手段(工程),ドット構造分析手段(工程),ハッチング方向決定手段(工程),などの処理は,全てこの画像処理演算部4において実行される。
【0017】
前記NIC5は,例えば標準規格IEEE802.3に準拠したLAN及びインターネット等からなるネットワークを通じて,情報処理端末や電子メールサーバ等の外部装置との間でデータ(スキャナ部6による読み取り画像のデータを含む)の送受信を行う通信インターフェースである。
前記スキャナ部6は,不図示のガラス製の原稿台上に載置された原稿や,不図示のADFにより搬送される原稿から,その原稿に形成された画像をそのカラー(R,G,B)を区別して読み取るカラースキャナである。
【0018】
前記プリント部7は,前記メイン制御部1によって制御されるいわゆるプリントエンジンであり,不図示の給紙カセットに収容された記録紙を1枚ずつ順次送り出し,所定の画像形成位置を経て排紙トレイまで搬送するとともに,その画像形成位置において,前記スキャナ部6により原稿から読み取られた原稿の画像データや,画像処理演算部4により生成された印刷用の画像データ等に基づいて,記録紙(記録材の一例)に画像を形成(出力)する機器及びその機器を制御するMPU等の部品の集合である。また,プリント部7は,記録紙のおもて面とうら面との両方に画像形成を行う両面印刷処理を実行する機能を備えている。
前記ファクシミリ部8は,NCU(Network Control Unit)やモデム等の通信手段を備え,ダイヤルアップや通信相手(相手局)との間で通信方法を決定するネゴシエーション処理等を行い,電話回線を通じて他のファクシミリ装置とファクシミリデータ(スキャナ部6による読み取り画像データ)の送受信を行うものである。
【0019】
前記メイン制御部1は,前記スキャナ部6,前記プリント部7,前記ファクシミリ部8,前記操作・表示部2,前記データ記憶部3及び前記画像処理演算部4の各々を制御するものである。
メイン制御部1は,スキャナ部6に,原稿からその原稿に形成された画像を読み取るスキャン処理を実行させる。
また,メイン制御部1は,前記スキャナ部6により原稿から読み取った1ページ分又は複数ページ分の画像(以下,ページ画像という)に関する印刷用データ(画像データなど)を作成する。
【0020】
続いて,色覚異常者が判別困難な色領域に対する処理を例にとって,図2に示すフローチャート,及び図3〜図6に示す図を参照しつつ,画像形成装置Xの前記画像処理演算部4が実行するカラー画像形成処理の手順について説明する。
尚下に説明する「色覚異常者が判別困難な色領域に対する処理」は一例であって,本発明は,一般的なハッチングのある画像にハッチングを重ねたり,ディザ処理のスクリーンにハッチングを重ねた場合にも適用可能であることは,言うまでもない。
【0021】
ここにS1,S2,…は画像処理演算部4の処理手順(ステップ)の識別記号である。
画像処理演算部4は,最初,カラー画像形成装置の一例であるプリンタに入力され,前記データ記憶部3に記憶された画像データをスキャンして,まず写真部以外の画像データを抽出する(S1)。写真部は特定の色を抽出してハッチング処理を施すと画像として問題があるためハッチングの対象から外される。
【0022】
次に,画像処理演算部4は,色覚異常者が判別困難な色彩の画像が含まれる領域を抽出する(S2)。色覚異常者は一般的には赤、緑がいずれも茶色に見えその識別ができないといわれているので,このような予め定められた赤や緑色を含む領域を抽出する。本発明において,抽出の方法は特に限定せず,既存の周知の方法が採用される。
このように,印字対象の画像データを分析して,予め定めた色彩の画像が含まれる領域を抽出する処理を実行する画像処理演算部4が,特定色彩領域抽出手段の一例である。
【0023】
さらに画像処理演算部4は,抽出された領域内のCMYK(シアン,マゼンダ,イエロー,ブラック)(色要素)の印字率を判定する(S3)。例えばプリンタにRGBのデータが入力された場合、画像処理演算部4ではこれをCMYKに変換して印刷する。即ち,画像処理演算部4は,上記の抽出したRGBのデータをCMYKに変換した際に、CMYKの4色の内どの色要素が最も印字率が高いかを判定する。図3はL*a*b*表色系のab平面上でどの色の印字率が高いかを概念的に示したものである。
印字率は,上記領域内である色要素が示す割合であり,周知の手法により求めることが出来る。
【0024】
画像処理演算部4はさらに,最も印字率の高い色要素(CMYKのいずれか)のスクリーン構造を分析する(S4)。分析するのはスクリーン角とドットの構造(線構造か網点構造か)である。
このように,前記特定色彩領域抽出手段により抽出された領域のドット構造を分析するのが,本発明におけるドット構造分析手段の一例である。
【0025】
次に画像処理演算部4は,分析したドット構造とそのドット構造の角度(スクリーン角)に応じて,上記スクリーン角に対するハッチングパターン(線)の種類とその角度(相対角度:方向)を決定する(S51〜S53)。
このように,ドット構造分析手段により分析されたドット構造に応じて,その領域に重ねて形成するハッチング線の種類とその方向を決定するのが,本発明におけるハッチング方向決定手段の一例である。
【0026】
詳細には,分析されたドットの構造が網点構造の場合(S51において,NOの場合)には,画像処理演算部4は,ハッチングパターンの種類を,線状に設定し,前記領域におけるスクリーン角に対する相対角度を90度に設定する(S53)。図中「万線」とは,線状の意味である。このように相対角度を,90度にすることによってハッチングパターンのスクリーン角90度方向の空間周波数がDC成分(周波数0)のみになるため、ハッチングパターン(線)とスクリーンが干渉したモアレが発生することがなくなる。図4にハッチングパターンの角度とスクリーン角度の関係を示す。
即ち,網点の場合に点状のハッチングパターンを合わせると,周期的にハッチングパターンの点に網点が隠れ、これが色ムラとなって顕在化する場合がある。そこで、スクリーン構造が網点の場合は線状の線状のハッチングパターンを選択するのである。
【0027】
分析されたドット構造が線構造の場合(S51において,YESの場合)には,画像処理演算部4は,ハッチングパターンの種類を線状,破線状,点状のいずれかに設定し,その上記相対角度を,上記線構造のスクリーン角に対して45〜135度に設定する(S52)。
ドット構造が,線状であれば,ハッチングパターンは,線状であっても点状であっても問題ないのである。また,線対線であれば,上記相対角度が90度に限定されず,45〜135度程度傾いていても,モアレは生じないことが,経験から分かっている。
【0028】
図5及び図6は,ハッチングパターンの角度に対する線構造のスクリーン角の相対角度の変化に対するモアレの発生度合いの関係を示すものである。図5では,上記相対角度を90度,90度近傍,0度近傍(約10度程度)とした場合であり,図6は,上記相対角度を,45度にした場合を示している。これらの図に示されるように,モアレは,45度〜90度の範囲で発生していない。従って,上記のように,線構造の場合には,第2象限も含んで上記相対角度が45度〜135度の範囲となるような,ハッチングパターンを生成して,上記画像に重ねることが望ましい。
このように,前記特定色彩領域抽出手段により抽出された領域に重ねてハッチングを形成するのが,本発明におけるハッチング形成手段の一例である。
以上の判定に基づき画像処理演算部4は,決定したハッチングパターンを施し(S6),画像処理を終了する。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は,カラー画像形成装置やカラー画像形成処理プログラムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置Xの主要部の構成を表すブロック図。
【図2】画像形成装置Xにおける画像形成処理の手順を表すフローチャート。
【図3】色相とCMYKの印字率の関係を示すグラフ。
【図4】ディザ処理のスクリーンの角度とハッチングパターンの角度との関係を示すグラフ。
【図5】ディザ処理のスクリーンの角度とハッチングパターンの角度との関係によってモアレが発生することを示す図。
【図6】ディザ処理のスクリーンの角度とハッチングパターンの角度が45度の場合を示す図。
【符号の説明】
【0031】
X :画像形成装置
1 :メイン制御部
3 :データ記憶部
4 :画像処理演算部
5 :NIC(ネットワークインターフェースカード)
S1,S2,…:処理手順(ステップ)の識別記号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字対象の画像データを分析して,予め定めた色彩の画像が含まれる領域を抽出する特定色彩領域抽出手段と,
前記特定色彩領域抽出手段により抽出された領域に重ねてハッチングを形成するハッチング形成手段とを備えたカラー画像形成装置において,
前記ハッチング形成手段は,前記特定色彩領域抽出手段により抽出された領域のドット構造を分析するドット構造分析手段と,
前記ドット構造分析手段により分析されたドット構造に応じて,その領域に重ねて形成するハッチング線の種類とその方向を決定するハッチング方向決定手段と,を備え,
前記ハッチング方向決定手段により決定された方向に従って,前記領域の色彩に重ねてハッチングを形成するものであるカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記ドット構造分析手段により分析されたドット構造が網点構造であると判断された場合には,前記ハッチング方向決定手段が,前記ハッチング線の方向を網点のドット構造の方向に対して,90度で交わる方向に決定する請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
前記ドット構造分析手段により分析されたドット構造が線構造であると判断された場合には,前記ハッチング方向決定手段が,前記ハッチング線の方向を網点のドット構造の方向に対して,45〜135度で交わる方向に決定する請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項4】
前記ドット構造分析手段が,予め定めた色彩の色要素の内で,印字率の高い色要素のドット構造について網点構造か線構造かを分析する請求項1〜3のいずれかに記載のカラー画像形成装置。
【請求項5】
印字対象の画像データを分析して,予め定めた色彩の画像が含まれる領域を抽出する特定色彩領域抽出工程と,
前記特定色彩領域抽出手段により抽出された領域に重ねてハッチングを形成するハッチング形成工程とをコンピュータにより実行させるためのカラー画像形成処理プログラムにおいて,
前記ハッチング形成工程は,前記特定色彩領域抽出工程により抽出された領域のドット構造を分析するドット構造分析工程と,
前記ドット構造分析手段により分析されたドット構造に応じて,その領域に重ねて形成するハッチング線の方向を決定するハッチング方向決定工程と,を備え,
前記ハッチング方向決定工程により決定された方向に従って,前記領域の色彩に重ねてハッチングを形成するものであるカラー画像形成処理プログラム。
【請求項6】
前記ドット構造分析工程により分析されたドット構造が網点構造であると判断された場合には,前記ハッチング方向決定工程において,前記ハッチング線の方向を網点のドット構造の方向に対して,90度で交わる方向に決定する請求項5に記載のカラー画像形成処理プログラム。
【請求項7】
前記ドット構造分析工程により分析されたドット構造が線構造であると判断された場合には,前記ハッチング方向決定工程において,前記ハッチング線の方向を網点のドット構造の方向に対して,45〜135度で交わる方向に決定する請求項5に記載のカラー画像形成処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−246416(P2009−246416A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87132(P2008−87132)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】