説明

グリル装置

【課題】調理物の加熱むらやバーナの着火性の悪化を生じさせることなく、加熱調理におけるエネルギー消費を低減することができるグリル装置を提供する。
【解決手段】調理物を収容するグリル庫と、該グリル庫内を加熱するバーナと、該グリル庫内に設けられて該バーナからの放熱を蓄熱して遠赤外線を放射する遠赤外線放射手段と、加熱制御手段とを備え、加熱制御手段は、STEP1でバーナに点火して調理物の加熱を開始し、STEP2でグリル庫内の温度が120℃を超えた後に、STEP3でバーナが消火されてから2分が経過したSTEP6でバーナを点火し、STEP6でバーナが点火されてから2分経過し、且つSTEP9で庫内温度が120℃を超えたときにSTEP3でバーナを消火する処理を繰り返す「間欠加熱運転」を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリル庫内に収容された調理物をバーナにより加熱するグリル装置に関し、特にグリル装置におけるエネルギー消費量の低減に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、計時手段を有して、バーナに点火して加熱調理を開始した時からの経過時間を該計時手段により計時し、経過時間が設定時間を越えたときにバーナを消火して加熱調理を終了するタイマ調理機能を備えたグリル装置が知られている。また、グリル庫内の温度を検出する庫内温度センサを備えて、バーナに点火して加熱調理を開始した後、該庫内温度センサの検出温度が所定温度を超えたときに、バーナを消火して加熱調理を終了する温度監視機能を備えたグリル装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、かかるグリル装置により加熱調理を行う際の燃料ガスの消費量を低減して省エネを図るために、バーナの火力を弱くすることが考えられる。しかし、バーナの燃焼量を制限するために、例えばバーナの炎口数を減らすと、バーナの着火性や火移り性が悪化するという不都合がある。また、バーナの火力を弱くして加熱調理を行った場合、調理物の表面に対する加熱が不十分となって、焼き上がりが悪くなるという不都合がある。
【0004】
また、グリル装置により連続して加熱調理を行う場合、グリル庫内が冷えた状態から加熱調理が開始される1回目と、ある程度グリル庫内の温度が高くなった状態から加熱調理が開始される2回目以降とでは、調理開始時のグリル庫内の温度が相違する。そのため、1回目と2回目以降とで、同じ火力で加熱調理を行うと、2回目以降では必要以上に調理物が加熱されて無駄なエネルギーが消費されるおそれがあり、また、調理物の表面を焼き過ぎてしまうおそれがある。そして、これらのおそれを回避して加熱調理を行うためには、バーナの火力を注意して調節する必要があった。
【特許文献1】特開2004−357753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、バーナの着火性の悪化や調理物の焼き上がりの悪化を生じさせることなく、加熱調理におけるエネルギー消費を低減することができるグリル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、調理物を収容するグリル庫と、該グリル庫内を加熱するバーナと、該グリル庫内に設けられて該バーナからの放熱を蓄熱して遠赤外線を放射する遠赤外線放射手段と、前記バーナに点火して調理物の加熱を開始した後、前記バーナの直前の点火後の燃焼時間に応じて前記バーナを消火し、前記バーナの直前の消火後の経過時間に応じて前記バーナに点火する処理を繰り返す間欠加熱運転を実行する加熱制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
かかる本発明において、グリル庫内に収容された調理物の加熱調理を行う場合、前記バーナが燃焼状態にあるときは調理物を表面側から加熱すると共に、前記遠赤外線放射手段に蓄熱させて前記遠赤外線放射手段から放射される遠赤外線により調理物を内部から加熱することができる。一方、前記バーナが消火状態にあるときには、前記バーナによる調理物の表面側からの加熱が停止して調理物の表面が焼き過ぎとなることが抑制されると共に、前記遠赤外線放射手段から放射される遠赤外線により、調理物が内部から加熱される。そのため、前記間欠加熱運転を実行することにより、調理物の表面と内部をバランス良く加熱することができる。そして、詳細は後述するが、前記間欠加熱運転を実行することにより、前記バーナを連続的に燃焼させて加熱調理を行う場合に比べて、調理物を焼き上げるまでに消費されるエネルギーを低減することができる。そして、前記間欠加熱運転を実行する場合は、バーナの火力を制限する必要はないため、バーナの点火性や火移り性が悪化することはない。
【0008】
そして、前記遠赤外線放射手段の蓄熱量は、前記バーナの燃焼時間が長いほど多くなるため、前記間欠加熱運転における前記バーナの消火を直前の前記バーナ点火後の燃焼時間に応じて行うことにより、前記バーナ消火時における前記遠赤外線放射の蓄熱量を制御することができる。また、前記バーナが消火状態にあるときの前記遠赤外線放射手段からの遠赤外線の放射量は、前記バーナ消火後の経過時間が長くなるに従って減少するため、前記間欠加熱運転におけるバーナの点火を直前の前記バーナの消火後の経過時間に応じて行うことにより、前記遠赤外線放射手段からの遠赤外線の放射量が一定レベル以下となる前に、前記バーナに点火することができる。
【0009】
また、前記バーナの火力を調節する火力調節手段を備え、前記加熱制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の点火時からの前記バーナの所定時間毎の火力の積分値が所定の火力積分完了レベルを超えたときに、前記バーナを消火することを特徴とする。
【0010】
かかる本発明によれば、前記バーナの火力が大きいほど前記遠赤外線放射手段の蓄熱量が多くなり、また、バーナの燃焼時間が長いほど前記遠赤外線放射手段の蓄熱量が多くなる。そのため、前記バーナの直前の点火時からの前記バーナの所定時間毎の火力の積分値が前記火力積分完了レベルを超えたときに、前記バーナを消火することにより、前記遠赤外線放射手段の蓄熱量が一定レベルに達した時点で前記バーナを消火することができる。
【0011】
また、前記グリル庫内の温度を検出する庫内温度検出手段を備え、前記加熱制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の点火時からの前記庫内温度検出手段による所定時間毎の検出温度の積分値が所定の温度積分完了レベルを超えたときに、前記バーナを消火することを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、前記グリル庫内の温度が高いほど前記遠赤外線照射手段の蓄熱量が多くなり、また、前記バーナの燃焼時間が長いほど前記遠赤外線放射手段の蓄熱量が多くなる。そのため、前記バーナの直前の点火時からの前記庫内温度検出手段による所定時間毎の検出温度の積分値が前記温度積分完了レベルを超えたときに、前記バーナを消火することにより、前記遠赤外線放射手段の蓄熱量が一定レベルに達した時点で前記バーナを消火することができる。
【0013】
また、前記グリル庫内の温度を検出する庫内温度検出手段を備え、前記加熱制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の点火後、前記庫内温度検出手段の検出温度が所定の上限温度以上である状態が所定の上限温度制限時間以上継続したときに、前記バーナを消火することを特徴とする。
【0014】
かかる本発明によれば、前記グリル庫内の温度が前記上限温度以上である状態が前記上限温度制限時間以上継続したときに、前記バーナの消火することにより、前記グリル庫内の温度が前記上限温度以上に安定して、前記遠赤外線照射手段の蓄熱量が一定レベルに達した時点で前記バーナを消火することができる。
【0015】
また、前記バーナの火力を調節する火力調節手段を備え、前記加熱制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の消火後、前記バーナの直前の点火時から直前の消火時までの間における所定時間毎の前記バーナの火力レベルの積分値から、前記バーナの直前の消火時からの経過時間に応じた前記遠赤外線放射手段の蓄熱量の減少分に対応した値を減算し、減算結果が所定の下限蓄熱レベル以下となったときに、前記バーナに点火することを特徴とする。
【0016】
かかる本発明によれば、前記バーナの直前の点火時から直前の消火時までの間における所定時間毎の前記バーナの積分値が大きいほど、前記バーナの消火時における前記遠赤外線放射手段の蓄熱量が多くなる。そして、前記バーナの消火後は、時間の経過に従って前記遠赤外線放射手段の蓄熱量が減少し、これに応じて、前記遠赤外線放射手段からの遠赤外線の放射量が減少する。そこで、前記加熱制御手段により、前記バーナの消火後、前記バーナの直前の点火時から直前の消火時までの間における所定時間毎の前記バーナの火力レベルの積分値から、前記バーナの直前の消火時からの経過時間に応じた前記遠赤外線放射手段の蓄熱量の減少分に対応した値を減算し、減算結果が所定の下限蓄熱レベル以下となったときに前記バーナに点火することによって、前記遠赤外線放射手段からの遠赤外線の放射レベルが一定レベル以下となる前に前記バーナに点火することができる。
【0017】
また、前記グリル庫内の温度を検出する庫内温度検出手段を備え、前記加熱制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の消火後、前記バーナの直前の点火時から直前の消火時までの間における所定時間毎の前記庫内温度検出手段の検出温度の積分値から、前記バーナの直前の消火時からの経過時間に応じた前記遠赤外線放射手段の蓄熱量の減少分に対応した値を減算し、減算結果が所定の下限蓄熱レベル以下となったときに、前記バーナに点火することを特徴とする。
【0018】
かかる本発明によれば、前記バーナの直前の点火時から直前の消火時までにおける所定時間毎の前記庫内温度検出手段の検出温度の積分値が大きいほど、前記バーナの消火時における前記遠赤外線放射手段の蓄熱量が多くなる。そして、前記バーナの消火後は、時間の経過に従って前記遠赤外線放射手段の蓄熱量が減少し、これに応じて、前記遠赤外線放射手段からの遠赤外線の放射量が減少する。そこで、前記加熱制御手段により、前記積分値から、前記バーナの直前の消火時からの経過時間に応じた前記遠赤外線放射手段の蓄熱量の減少分に対応した値を減算し、減算結果が所定の下限蓄熱レベル以下となったときに前記バーナに点火することによって、前記遠赤外線放射手段からの遠赤外線の放射レベルが一定レベル以下となる前に前記バーナに点火することができる。
【0019】
また、前記グリル庫内の温度を検出する庫内温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の消火後、前記庫内温度検出手段の検出温度が所定の下限温度以下である状態が所定の下限温度制限時間以上継続したときに、前記バーナに点火することを特徴とする。
【0020】
かかる本発明によれば、前記バーナの消火後、時間の経過に従って前記遠赤外線放射手段から放射される遠赤外線のレベルが減少するため、前記グリル庫内の温度は次第に減少する。しかし、前記グリル庫内の温度が一旦前記下限温度以下となっても、前記遠赤外線放射手段からの遠赤外線の放射レベルが急激に低下するわけではなく、遠赤外線の放射レベルは緩やかに低下する。そこで、前記バーナの直前の消火後、前記庫内温度検出手段の検出温度が前記下限温度以下である状態が前記下限温度制限時間以上継続したときに、前記バーナに点火することにより、前記遠赤外線放射手段に蓄熱された熱をより有効に利用して、加熱調理を行うことができる。
【0021】
また、前記制御手段は、前記バーナに点火して調理物の加熱を開始してから所定の初期加熱時間が経過するまでは、前記バーナを燃焼状態に維持し、該初期加熱時間が経過した後に前記間欠加熱運転を実行することを特徴とする。
【0022】
かかる本発明によれば、調理物の加熱を開始した直後に前記バーナが消火して、使用者に違和感や不安感を与えることを防止することができる。
【0023】
また、前記グリル庫内の温度を検出する庫内温度検出手段を備え、前記制御手段は、調理物の加熱を開始してから前記庫内温度検出手段の検出温度が所定の初期加熱温度以上となるまでは、前記バーナを燃焼状態に維持し、前記庫内温度検出手段の検出温度が該初期加熱温度以上となった後に前記間欠加熱運転を実行することを特徴とする。
【0024】
かかる本発明によれば、前記グリル庫内の温度が前記初期加熱温度以上となるまでは前記バーナを燃焼状態に維持することにより、前記遠赤外線放射手段の蓄熱量を十分なものとすることができ、これにより、その後前記間欠加熱運転によりバーナを消火したときに、前記遠赤外線放射装置による遠赤外線の放射レベルが不足することを防止することができる。
【0025】
また、前回の調理物の加熱の終了時からの経過時間が短いほど、前記初期加熱時間を短く設定する初期加熱時間設定手段を備えたことを特徴とする。
【0026】
かかる本発明によれば、前回の調理物の加熱の終了時からの経過時間が短いほど、前記グリル庫内の温度が高くなるため、調理物の加熱を開始した時の前記遠赤外線放射手段の蓄熱量が多い状態となる。そのため、前回の調理物の加熱の終了時からの経過時間が短いほど、前記初期加熱時間を短く設定することによって、調理物の加熱を開始したときに、前記遠赤外線放射手段が必要以上に加熱されて、無駄なエネルギーが消費されることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の実施の形態について、図1〜図3を参照して説明する。図1は本発明のグリル装置の全体構成図、図2はセラミックバーナが燃焼状態にあるときと消火状態にあるときの調理物の加熱態様の説明図、図3は図1に示したグリル装置における加熱調理のフローチャート、図4は図3に示した加熱調理を実行したときのグリル庫内の温度変化を示したグラフ、図5はセラミックバーナを連続的に燃焼させて加熱調理を行ったときと、セラミックバーナを間欠的に燃焼させて加熱調理を行ったときのグリル庫内の温度変化を比較したグラフである。
【0028】
図1を参照して、本実施の形態のグリル装置は、グリル網20に載置された調理物30を収容するグリル庫1、グリル庫1の上部に設けられたセラミックバーナ2(本発明のバーナ及び遠赤外線放射手段に相当する)、グリル庫1内の温度を検出する庫内温度センサ3(本発明の庫内温度検出手段に相当する)、セラミックバーナ2に点火するための点火電極4、セラミックバーナ2の燃焼炎を検出するフレームロッド5、セラミックバーナ2と連通したガス供給管6を開閉するガス元弁7、ガス供給路6の開度を変更してセラミックバーナ2の火力を調節するガス比例弁8、及びグリル装置の作動を制御するコントローラ10を備えている。
【0029】
コントローラ10は、マイクロコンピュータ等により構成された電子ユニットであり、セラミックバーナ2の火力を制御して調理物30の加熱調理を実行する加熱制御手段11と、加熱調理の開始時にセラミックバーナ2を燃焼状態に維持する「初期加熱時間」を設定する初期加熱時間設定手段12とを備えている。なお、加熱制御手段11は、ガス比例弁8の開度を変更してセラミックバーナ2の火力を制御し、コントローラ10は、予め設定されたガス比例弁8の開度とセラミックバーナ2の火力との相間データに基づいて、セラミックバーナ2の火力を認識する手段を備えている。
【0030】
図2(a)を参照して、セラミックバーナ2が燃焼状態にあるときは、燃焼炎xによる放熱により調理物30が表面側から加熱される。また、セラミックバーナ2は、燃焼炎xによる放熱を蓄熱して遠赤外線yを放射し、該遠赤外線yにより調理物30が内部から加熱される。また、燃焼状態にあったセラミックバーナ2を消火すると、セラミックバーナ2は燃焼炎による放熱を蓄熱した状態であるため、図2(b)に示したように、セラミックバーナ2から遠赤外線yが引き続き放射されて、調理物30が内部から加熱される。
【0031】
ここで、図2(a)に示したセラミックバーナ2を燃焼させた状態を維持して加熱調理を実行すると、調理物30の表面が急速に加熱されて焼き過ぎとなる一方で、調理部30の内部の加熱が不十分な生焼けの状態となり、良好な加熱調理を行うことができない。
【0032】
そこで、加熱制御手段11は、セラミックバーナ2を間欠的に燃焼させる「間欠加熱運転」を実行して調理物30を加熱する。そして、これにより、図2(a)に示した「バーナ燃焼状態」を継続することによる調理物30の表面の焼き過ぎを抑制すると共に、図2(b)に示した「バーナ消火状態」において遠赤外線yの放射により調理物30の内部を加熱し、これにより、調理物の表面と内部をバランス良く加熱して調理物30を良好に焼き上げることができる。
【0033】
なお、加熱調理の態様として、セラミックバーナ2を連続的に燃焼させた後、セラミックバーナ2を消火して余熱により加熱物を蒸らし調理するものがあるが、この場合は、先に調理物の表面の加熱が進行する結果、遠赤外線による加熱が妨げられる。そのため、調理物の内部の加熱が不十分となって、表面と内部をバランス良く加熱することが難しい。
【0034】
以下、図3に示したフローチャートに従って、加熱制御手段11による加熱調理の実行手順について説明する。
【0035】
使用者が点火/消火スイッチ(図示しない)を操作して、セラミックバーナ2の点火を指示すると、加熱制御手段11は、STEP1で点火電極4に火花放電を生じさせた状態でガス元弁7及びガス比例弁8を開弁してセラミックバーナ2の点火処理を行う。そして、続くSTEP2で、庫内温度センサ3の検出温度が120℃を超えたときにSTEP3に進む。
【0036】
STEP3〜STEP9のループを繰り返し実行することで、加熱制御手段11は、本発明の「間欠加熱運転」を実行する。加熱制御手段11は、STEP3で、ガス元弁7を閉弁してセラミックバーナ2の消火処理を行う。これにより、図2(b)に示した「バーナ消火状態」となり、セラミックバーナ2から放射される遠赤外線により調理物30が内部から加熱される状態となる。
【0037】
そして、加熱制御手段11は、続くSTEP4で2分タイマをスタートさせ、STEP5で該2分タイマがタイムアップしたときに、STEP6に進んでセラミックバーナ2の点火処理(再点火)を行う。これにより、図2(a)に示した「バーナ燃焼状態」となり、セラミックバーナ2の燃焼炎による放熱により調理物30が外側から加熱されると共に、セラミックバーナ2から放射される遠赤外線により調理物30が内部から加熱される状態となる。なお、STEP4におけるタイマ設定時間である2分は、セラミックバーナ2の蓄熱量が減少して、セラミックバーナ2から放射される遠赤外線の量が一定レベル以下となる時間を想定して設定されたものである。
【0038】
そして、加熱制御手段11は、続くSTEP7で2分タイマをスタートさせ、STEP8で該2分タイマがタイムアップしたときSTEP9に進む。STEP9で庫内温度センサ3の検出温度が120℃を超えているときはSTEP3に進み、STEP9で庫内温度センサ3の検出温度が120℃以下であるときには、庫内温度センサ3の検出温度が120℃を超えるのを待ってSTEP3に進む。
【0039】
なお、STEP7におけるタイマ設定時間である2分は、調理物30の表面側の焼き過ぎを防止すると共に、セラミックバーナ2の蓄熱量が一定レベル以上となる時間を想定して設定されたものである。
【0040】
以上説明したように、加熱制御手段11は、STEP6〜STEP8の処理により、少なくとも2分間セラミックバーナ2を燃焼状態に維持し、且つ、STEP9で庫内温度センサ3の検出温度が120℃を超えるまでセラミックバーナ2を燃焼状態に維持することによって、次にSTEP3に進んでセラミックバーナ2が消火されたときのセラミックバーナ2の蓄熱量を所定レベル以上とすることができる。そして、これにより、STEP4〜STEP5でセラミックバーナ2を消火状態としたきに、セラミックバーナ2から放射される遠赤外線の量を一定レベル以上にすることができる。
【0041】
また、消火状態においてセラミックバーナ2から放射される遠赤外線のレベルは、STEP3でセラミックバーナ2が消火された時から、時間が経過するに従って次第に減少する。そのため、STEP3でセラミックバーナ2を消火してから2分が経過したときに、STEP6でセラミックバーナ2を再び燃焼状態とすることにより、セラミックバーナ2から放射される遠赤外線のレベルが一定レベル以下となって、調理物30の加熱が不十分となることを防止することができる。
【0042】
次に、図4(a)は、図3に示したフローチャートに従って加熱調理を行った場合の、庫内温度センサ3の検出温度と、グリル庫1内の中心付近に設置した評価用温度センサの検出温度の変化を示したグラフであり、縦軸が温度(℃)に設定され横軸が時間(sec)に設定されている。図中、a1が庫内温度センサ3の検出温度を示し、b1が評価温度センサの検出温度を示している。また、下段のグラフは、セラミックバーナ2の状態(燃焼状態/消火状態)の推移を示している。
【0043】
なお、評価用温度センサは、調理物30の表面付近の温度を検出して、調理物30の表面側からの加熱度合いを推認するためのものである。また、庫内温度センサ3は、グリル庫1に連通した排気通路(図示しない)に設けられて、グリル庫1の雰囲気温度を検出する。この場合、セラミックバーナ2の温度はグリル庫1の雰囲気温度に連動して変化すると想定されるため、庫内温度センサ3の検出温度からセラミックバーナ2の遠赤外線の放射レベルを推認することができる。
【0044】
図中t10でセラミックバーナ2に点火されて加熱調理が開始され(図3のSTEP1に対応)、庫内温度センサ3の検出温度が120℃を超えたt11でセラミックバーナ2が消火されている(図3のSTEP2〜STEP3に対応)。そして、t11から2分が経過したt12でセラミックバーナ2に再点火され、その後2分が経過し、且つ庫内温度センサ3の検出温度が120℃を超えているt13でセラミックバーナ2が消火されている(図3のSTEP8〜STEP9,STEP3に対応)。以後、同様にして、セラミックバーナ2の消火時から2分が経過した時(t14,t16,t18)にセラミックバーナ2に再点火され、セラミックバーナ2の点火時から2分が経過し、且つ庫内温度センサ3の検出温度が120を超えている時(t15,t17)にセラミックバーナ2が消火されている。
【0045】
この場合、加熱調理の開始時に速やかにグリル庫1内の温度が上昇する(t10〜t11)。そして、その後の「間欠加熱運転」において、セラミックバーナ2の燃焼状態にあるとき(t12〜t13,t14〜t15,t16〜t17)は、評価温度センサの検出温度が上昇しており、これは、セラミックバーナ2の燃焼炎による放熱によって、調理物30が表面側から加熱されていることを示している。また、セラミックバーナ2自体も燃焼炎による放熱を蓄熱して、遠赤外線を放射するため、該遠赤外線により調理物30が内部から加熱されている。
【0046】
また、セラミックバーナ2が消火状態にあるとき(t11〜t12,t13〜t14,t15〜t16,t17〜t18)には、評価用温度センサの検出温度が低下しており、これは、調理物30の表面付近の温度が低下して、調理物30の表面側からの加熱が抑制されていることを示している。一方、庫内温度センサ3の検出温度の低下は僅かであり、これは、セラミックバーナ2からの遠赤外線の放射が継続されていることを示している。そして、該遠赤外線により調理物30が内部から加熱される。
【0047】
次に、図4(b)は、前回の加熱調理を終了してから、あまり時間を置かずに加熱調理を開始した場合を示したグラフであり、図4(b)と同様に縦軸が温度(℃)に設定され横軸が時間(sec)に設定されている。図中、a2が庫内温度センサ3の検出温度を示し、b2が評価温度センサの検出温度を示している。また、下段は、セラミックバーナ3の状態(燃焼状態/消火状態)の推移を示している。
【0048】
図中t20でセラミックバーナ2に点火されて加熱調理が開始され(図3のSTEP1に対応)ているが、前回の加熱調理の余熱によりグリル庫1内の温度が高い(約80℃)ため、庫内温度センサ3の検出温度が120℃を超えてセラミックバーナ2が消火されるt21までの時間(t20〜t21)が、図4(a)の場合(t10〜t11)よりも短くなっている。そして、これにより、加熱調理の開始時に調理物30の表面が焼き過ぎとなることを防止している。t21以降の「間欠加熱運転」は、図4(a)と同様であり、セラミックバーナ2の消火状態(t21〜t22,t23〜t24)と燃焼状態(t22〜t23,t24〜t25)が切り替えられている。
【0049】
このように、前回の加熱調理の終了時からの経過時間が短い場合は、グリル庫1内の温度が高い状態となっているため、セラミックバーナ2に点火して加熱調理を開始してから庫内温度センサ3の検出温度が120℃を超えてセラミックバーナ2が消火されるまでの時間が短くなる。そして、加熱調理を開始してからセラミックバーナ2が消火されるまでの時間が極端に短くなると、加熱調理の開始操作をしたにも拘らず、セラミックバーナ2が点火後直ぐに消火されてしまうため、使用者に違和感や不安感を与えるおそれがある。
【0050】
そこで、セラミックバーナ2に点火されてから予め設定された初期加熱時間が経過するまでは、セラミックバーナ2を燃焼状態に維持し、これにより、使用者に違和感や不安感を与えることを防止するようにしてもよい。また、初期加熱時間設定手段12(図1参照)により、加熱調理開始時の庫内温度センサ3の検出温度が高い程、前記初期加熱時間を短い時間に設定し、これにより加熱調理の開始時に調理物30を焼き過ぎることを極力防止するようにしてもよい。
【0051】
次に、図5を参照して、「間欠加熱運転」を実行して加熱調理を行うことによる効果について説明する。図5は、セラミックバーナ2を継続的に燃焼させて加熱調理を行った場合と、「間欠加熱運転」を実行して加熱調理を行った場合の評価用温度センサと庫内温度センサ3の検出温度を比較したグラフであり、縦軸が温度(℃)に設定され横軸が時間(sec)に設定されている。
【0052】
図中、a3,b3は、セラミックバーナ2を火力「強」設定として「間欠加熱運転」を実行して加熱調理を行ったときの庫内温度センサ3の検出温度(a3)と評価用温度センサの検出温度(b3)を示している。また、e,fは、セラミックバーナ2を火力「強」設定で連続的に燃焼させて加熱調理を行ったときの、庫内温度センサ3の検出温度(e)と評価用温度センサの検出温度(f)を示している。また、c,dは、セラミックバーナ2を火力「弱」設定で連続的に燃焼させて加熱調理を行ったときの、庫内温度センサ3の検出温度(c)と評価用温度センサの検出温度(d)を示している。
【0053】
先ず、セラミックバーナ2を火力「強」で連続的に燃焼させたときには、加熱調理を開始した時に、庫内温度センサ3と評価用温度センサの検出温度が速やかに上昇している(t30〜t31)。そして、その後、評価用温度センサの検出温度は400℃以上に維持され、これは、調理物30が表面側から強力に加熱される状態が継続することを示している。この場合、調理物30の表面が過剰に加熱されるのに対して、調理物30の内部の加熱が不十分となる。
【0054】
また、セラミックバーナ2を火力「弱」で連続的に燃焼させたときには、加熱調理を開始した時の庫内温度センサ3と評価用温度センサの検出温度の上昇が緩やかになる(t30〜t31)。そして、その後の評価用温度センサの検出温度は350℃よりも低い状態に留まる。そのため、調理物30の表面側からの加熱が不十分となって、調理物30の焼き上がりが悪くなる。
【0055】
それに対して、「間欠加熱運転」を実行して加熱調理を行った場合には、t30でセラミックバーナ2に点火して加熱調理を開始した時に、庫内温度センサ3と評価用温度センサの検出温度が速やかに上昇している(t30〜t31)。そして、t31以降は、「間欠加熱運転」の実行により、セラミックバーナ2が燃焼状態にあるとき(t32〜t33,t34〜t35,t36〜t37)は、燃焼炎の放熱により調理物30が表面側から加熱されると共に、セラミックバーナ2から放射される遠赤外線により調理物30が内部から加熱される。
【0056】
また、セラミックバーナ2が消火状態にあるとき(t31〜t32,t33〜t34,t35〜t36)は、調理物30の表面側からの加熱が抑制されて、セラミックバーナ2から放射される遠赤外線により調理物30が内部から加熱される。そのため、「間欠加熱運転」を実行することによって、調理物30の表面と内部をバランス良く加熱することができ、調理物30の表面の焼き過ぎや調理物30の内部の加熱が不十分となることを防止して良好な加熱調理を行うことができる。
【0057】
次に、「間欠加熱運転」の実行による省エネルギーの効果について説明する。本願発明者らは、セラミックバーナ2の火力「強」,「弱」設定時の放熱量がそれぞれ1.62(KW)と1.13(KW)であるときに、(1) セラミックバーナ2を火力「強」で連続的に燃焼させる、(2) セラミックバーナ2を火力「弱」で連続的に燃焼させる、(3) セラミックバーナ2を火力「強」で「間欠加熱運転」を実行する、という3種類の態様で魚を焼いて、魚が焼き上がるまでに消費されたエネルギーを比較する実験を行った。
【0058】
(1) セラミックバーナ2を火力「強」で連続的に燃焼させた場合、魚が焼き上がるまでに12分を要した。この場合、消費されたエネルギーは、0.324KW(1.62KW÷60sec×12min)となる。
【0059】
(2) セラミックバーナ2を火力「弱」で連続的に燃焼させた場合、魚が焼き上がるまでに14分を要した。この場合、消費されたエネルギーは、0.264KW(1.13KW÷60sec×14min)となる。
【0060】
(3) セラミックバーナ2を火力「強」として「間欠加熱運転」を実行した場合、魚が焼き上がるまでに14分を要した。このとき、セラミックバーナ2が燃焼状態であった時間は9分、消火状態であった時間は5分となった。この場合、消費されたエネルギーは、0.243KW(1.62KW÷60sec×9min)となる。
【0061】
以上の結果から、「間欠加熱運転」を実行することによって、魚を調理する際に必要なエネルギー量が低減し、省エネルギーの効果が得られることが分かる。なお、上記(1)のセラミックバーナ2を火力「強」で連続的に燃焼させた場合は、魚を焼き上げるまでの時間が短くなるが、魚の表面が焼き過ぎとなる一方で魚の内部の加熱が不十分となった。また、上記(2)のセラミックバーナ2を火力「弱」で連続的に燃焼させた場合は、魚の表面を焼く力が弱いため、魚の焼き上がりが悪くなった。
【0062】
なお、本実施の形態においては、本発明の遠赤外線放射手段としてセラミックバーナ2を用いたが、他の実施の形態として、例えば、グリル庫1の内壁に遠赤外線放射塗料(例えば、特開平10−279845公開公報参照)を塗布することにより、グリル庫1の内壁を遠赤外線放射手段としてもよい。
【0063】
そして、このように、バーナとは別個に遠赤外線放射手段を備える場合は、セラミックバーナ以外の種類のバーナを用いることができ、この場合は、バーナからの放熱により遠赤外線放射塗料が塗布されたグリル庫1の内壁に蓄熱し、該内壁から放射される遠赤外線により調理物を内部から加熱する態様となる。
【0064】
また、本実施の形態においては、図3のSTEP6でセラミックバーナ2に点火した時からSTEP8で2分が経過し、且つSTEP9で庫内温度センサ3の検出温度が120℃を超えたときに、STEP3に進んでセラミックバーナ2を消火したが、セラミックバーナ2に点火した時からセラミックバーナ2の火力を所定時間毎に積分し、該積分値が所定の火力積分完了レベルを超えたときに、セラミックバーナ2を消火するようにしてもよい。
加熱制御手段11により、ガス比例弁8の開度の設定に応じて認識される。
【0065】
或いは、セラミックバーナ2に点火した時から庫内温度センサ3の検出温度を所定時間毎に積分し、該積分値が所定の温度積分完了レベルを超えたときに、セラミックバーナ2を消火するようにしてもよい。さらに、セラミックバーナ2に点火した後、庫内温度センサ3の検出温度が所定の上限温度を超えた状態が所定の上限温度制限時間以上継続したときに、セラミックバーナ2を消火するようにしてもよい。
【0066】
なお、前記火力積分完了レベル、前記温度積分完了レベル、前記上限温度、及び前記上限温度制限時間は、調理物30が過剰に加熱されることを抑制すると共に、セラミックバーナ2の消火時における蓄熱量が十分なものとなるように設定される。
【0067】
また、本実施の形態においては、図3のSTEP3でセラミックバーナ2を消火した時から、STEP5で2分が経過した時にセラミックバーナ2を点火したが、直前のSTEP6でセラミックバーナ2が点火された時から直前のSTEP3でセラミックバーナ2が消火されるまでの間における、所定時間毎のセラミックバーナ2の火力の積分値を算出し、セラミックバーナ2の消火時からの時間の経過に応じて、該積分値からセラミックバーナ2の放熱に対応した値を減算し、減算結果が所定の余熱完了レベル以下となったときにセラミックバーナ2に点火するようにしてもよい。
【0068】
或いは、直前のSTEP6でセラミックバーナ2が点火された時から直前のSTEP3でセラミックバーナ2が消火されるまでの間における、所定時間毎の庫内温度センサ3の検出温度の積分値を算出し、STEP6でセラミックバーナ2が消火された時からの時間の経過に応じて、該積分値からセラミックバーナ2の放熱に応じて値を減算し、減算結果が所定の余熱完了レベル以下となったときにセラミックバーナ2に点火するようにしてもよい。
【0069】
さらに、STEP3でセラミックバーナ2が消火された後、庫内温度センサ3の検出温度が所定の下限温度以下である状態が所定の下限温度制限時間以上継続したときに、セラミックバーナ2に点火するようにしてもよい。
【0070】
なお、前記余熱完了レベル、前記下限温度、及び前記下限温度制限時間は、セラミックバーナ2の蓄熱量が減少して、セラミックバーナ2から放射される遠赤外線の量が不十分となる前に、セラミックバーナ2に点火されるように設定される。
【0071】
なお、本実施の形態の「間欠加熱運転」においては、図3に示したフローチャートで、STEP3でセラミックバーナ2を消火してからSTEP6でセラミックバーナ2に点火するまでの時間を一定時間(2分)とし、また、STEP6でセラミックバーナ2に点火してからセラミックバーナ2を燃焼状態に維持する時間を一定時間(2分)以上としているが、これらの時間(「間欠加熱運転」におけるバーナの燃焼継続時間と消火継続時間)を、使用者の設定操作により変更できるようにしてもよい。これにより、例えば、あぶるだけでよい干物魚や、秋刀魚等の肉厚の魚、カレイ等の肉のうす薄い魚、肉厚でも中を生で残すローストビーフ等、調理対象や調理方法の選択幅を広げて、使用者の使い勝手を向上させることができる。また、セラミックバーナ2を燃焼状態に維持する時間を極力短くし、セラミックバーナ2を消火状態として遠赤外線による加熱時間を多くすることで、コロッケ等の揚げ物の温めを行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明のグリル装置の全体構成図。
【図2】セラミックバーナが燃焼状態にあるときと消火状態にあるときの調理物の加熱態様の説明図。
【図3】図1に示したグリル装置における加熱調理のフローチャート。
【図4】図4は図3に示した加熱調理を実行したときのグリル庫内の温度変化を示したグラフ。
【図5】セラミックバーナを連続的に燃焼させて加熱調理を行ったときと、セラミックバーナを間欠的に燃焼させて加熱調理を行ったときのグリル庫内の温度変化を比較したグラフ。
【符号の説明】
【0073】
1…グリル庫、2…セラミックバーナ、3…庫内温度センサ、4…点火電極、5…フレームロッド、6…ガス供給管、7…ガス元弁、8…ガス比例弁、10…コントローラ、11…加熱制御手段、12…初期加熱時間設定手段、30…調理物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理物を収容するグリル庫と、該グリル庫内を加熱するバーナと、該グリル庫内に設けられて該バーナからの放熱を蓄熱して遠赤外線を放射する遠赤外線放射手段と、
前記バーナに点火して調理物の加熱を開始した後、前記バーナの直前の点火後の燃焼時間に応じて前記バーナを消火し、前記バーナの直前の消火後の経過時間に応じて前記バーナに点火する処理を繰り返す間欠加熱運転を実行する加熱制御手段とを備えたことを特徴とするグリル装置。
【請求項2】
前記バーナの火力を調節する火力調節手段を備え、
前記加熱制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の点火時からの前記バーナの所定時間毎の火力の積分値が所定の火力積分完了レベルを超えたときに、前記バーナを消火することを特徴とする請求項1記載のグリル装置。
【請求項3】
前記グリル庫内の温度を検出する庫内温度検出手段を備え、
前記加熱制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の点火時からの前記庫内温度検出手段による所定時間毎の検出温度の積分値が所定の温度積分完了レベルを超えたときに、前記バーナを消火することを特徴とする請求項1記載のグリル装置。
【請求項4】
前記グリル庫内の温度を検出する庫内温度検出手段を備え、
前記加熱制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の点火後、前記庫内温度検出手段の検出温度が所定の上限温度以上である状態が所定の上限温度制限時間以上継続したときに、前記バーナを消火することを特徴とする請求項1記載のグリル装置。
【請求項5】
前記バーナの火力を調節する火力調節手段を備え、
前記加熱制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の消火後、前記バーナの直前の点火時から直前の消火時までの間における所定時間毎の前記バーナの火力レベルの積分値から、前記バーナの直前の消火時からの経過時間に応じた前記遠赤外線放射手段の蓄熱量の減少分に対応した値を減算し、減算結果が所定の下限蓄熱レベル以下となったときに、前記バーナに点火することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載のグリル装置。
【請求項6】
前記グリル庫内の温度を検出する庫内温度検出手段を備え、
前記加熱制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の消火後、前記バーナの直前の点火時から直前の消火時までの間における所定時間毎の前記庫内温度検出手段の検出温度の積分値から、前記バーナの直前の消火時からの経過時間に応じた前記遠赤外線放射手段の蓄熱量の減少分に対応した値を減算し、減算結果が所定の下限蓄熱レベル以下となったときに、前記バーナに点火することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載のグリル装置。
【請求項7】
前記グリル庫内の温度を検出する庫内温度検出手段を備え、
前記加熱制御手段は、前記間欠加熱運転において、前記バーナの直前の消火後、前記庫内温度検出手段の検出温度が所定の下限温度以下である状態が所定の下限温度制限時間以上継続したときに、前記バーナに点火することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載のグリル装置。
【請求項8】
前記加熱制御手段は、調理物の加熱を開始してから所定の初期加熱時間が経過するまでは、前記バーナを燃焼状態に維持し、該初期加熱時間が経過した後に前記間欠加熱運転を実行することを特徴とする請求項1から請求項7記載のグリル装置。
【請求項9】
前記グリル庫内の温度を検出する庫内温度検出手段を備え、
前記加熱制御手段は、調理物の加熱を開始してから前記庫内温度検出手段の検出温度が所定の初期加熱温度以上となるまでは、前記バーナを燃焼状態に維持し、前記庫内温度検出手段の検出温度が該初期加熱温度以上となった後に前記間欠加熱運転を実行することを特徴とする請求項8記載のグリル装置。
【請求項10】
前回の調理物の加熱の終了時からの経過時間が短いほど、前記初期加熱時間を短く設定する初期加熱時間設定手段を備えたことを特徴とする請求項8又は請求項9記載のグリル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−111273(P2007−111273A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306242(P2005−306242)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】