説明

ケモカイン受容体拮抗薬としてのオクタヒドロペンタレン化合物

本発明は、式(I)の新規化合物、それの製薬上許容される塩、それのプロドラッグ、それの生理活性代謝物、それの異性体またはそれの立体異性体(可変要素は明細書中で定義の通りである)に関するものである。式(I)の化合物はケモカイン受容体拮抗薬として有用であることから、ある種の状態および疾患、特別には炎症性の状態および疾患ならびに増殖性の障害および状態、例えば関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症および喘息を治療する上で有用であると考えられる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2007年9月25日出願の米国暫定特許出願第60/995148号(その内容は本明細書に組み込まれる)に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
ケモカイン類は、非常に多様な細胞によって放出されて、炎症部位へのおよび炎症部位からの、またはリンパ節が例として挙げられる特異的コンパートメント内のマクロファージ、T細胞、B細胞、好酸球、好塩基球および好中球が例として挙げられる白血球を引きつける走化性サイトカイン類である(Schall, Cytokine, 3: 165−183 (1991)、Schall, et al., Curr. Opin. Immunol., 6:865−873 (1994)およびMurphy, Rev. Immun., 12:593−633 (1994)に総説がある。)。刺激性走化作用に加えて、白血球活性化に関連する細胞形状の変化、細胞内遊離カルシウムイオンの濃度([Ca2+])の一時的上昇、顆粒エキソサイトーシス、インテグリン上昇、生物活性脂質(例:ロイコトリエン類)の形成および呼吸バーストなどの他の変化が、応答性細胞においてケモカインによって選択的に誘発され得る。従って、ケモカイン類は、炎症介在物質放出、走化性および感染または炎症の部位への管外遊出を行う炎症応答の早期調節物質である。
【0003】
4種類のケモカイン、CXC(α)、CC(β)、C(γ)およびCXC(δ)があり、それらは最初の2種類のシステインが単一のアミノによって分離されているか(C−X−C)、隣接しているか(C−C)、失われたシステイン対を有するか(C)、3つのアミノ酸によって分離されているか(CXC)によって決まる。インターロイキン−8(IL−8)、メラノーマ増殖刺激活性タンパク質(MGSA)およびストロマ細胞由来因子1(SDF−I)などのα−ケモカイン類は、主として好中球およびリンパ球に対して走化性であるが、RANTES、MIP−1α、MIP−1β、単球走化性タンパク質−1(MCP−I)、MCP−2、MCP−3およびエオタキシンなどのβ−ケモカインは、マクロファージ、T細胞、好酸球および好塩基球に対して走化性である(Deng, et al., Nature, 381:661−666 (1996))。Cケモカインリンフォタクチンは、リンパ球に対して特異性を示すが(Kelner, et al., Science, 266:1395−1399 (1994))、CXCケモカインフラクタルカインはリンパ球および単球に対して特異性を示す(Bazan, et al., Nature, 385:640−644 (1997))。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Schall, Cytokine, 3: 165−183 (1991)
【非特許文献2】Schall, et al., Curr. Opin. Immunol., 6:865−873 (1994)
【非特許文献3】Murphy, Rev. Immun., 12:593−633 (1994)
【非特許文献4】Deng, et al., Nature, 381:661−666 (1996)
【非特許文献5】kelner, et al., science, 266:1395−1399 (1994)
【非特許文献6】Bazan, et al., Nature, 385:640−644 (1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ケモカイン類は、「ケモカイン受容体」と称されるGタンパク質結合7膜貫通領域タンパク質のファミリーに属する特異的細胞表面受容体(ホルクの報告(Horuk, Trends Pharm. Sci., 15:159−165 (1994))に総覧がある。)に結合する。同種リガンドに結合すると、ケモカイン受容体は関連するヘテロ三量体Gタンパク質を介して細胞内シグナルを伝達して、細胞内カルシウム濃度に急速な上昇を生じる。CCR1(または「CKR−1」または「CC−CKR−1」)MIP−1α、MIP−1β、MCP−3、RANTES(Ben−Barruch, et al., J. Biol. Chem., 270:22123−22128 (1995); Neote, et al., Cell, 72:415425 (1993));CCR2AおよびCCR2B(または「CKR−2AVCKR−2A」または「CC−CKR−2ATCC−CKR2A」)MCP−I、MCP−3、MCP−4; CCR3(または「CKR−3」または「CC−CKR−3」)エオタキシン、RANTES、MCP;(Ponath, et al., J. Exp. Med., 183:2437−2448 (1996));CCR4(または「CKR−4」または「CC−CKR−4」)TARC、MDC(Imai, et al., J. Biol. Chem., 273:1764−1768 (1998));CCR5(または「CKR−5」または「CC−CKR−5」)MIP−1α、RANTES、MIP−1β;(Sanson, et al., Biochemistry, 35:3362−3367 (1996));CCR6MIP−3α(Greaves, et al., J. Exp. Med., 186:837−844 (1997));CCR7MIP−3βおよび6Ckine(Campbell, et al., J. Cell. Biol., 141:1053−1059(1998));CCR8 I−309、HHV8 vMIP−I、HHV−8 vMEP−II、MCV vMCC−I(Dairaghi, et al., J. Biol Chem., 274:21569−21574 (1999));CCR9 TECK(Zabailos, et al., J. Immunol., 162:5671−5675 (1999))、D6 MIP−1β、RANTESおよびMCP−3(Nibbs, et al., J. Biol. Chem., 272:32078−32083 (1997))およびダディー血液型抗原RANTES、MCP−1(Chaudhun, et al., J. Biol. Chem., 269:7835−7838 (1994))の特徴的パターンを有するβ−ケモカインに結合または応答する少なくとも12種類のヒトケモカイン受容体がある。
【0006】
CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR1およびXCR1などのケモカイン受容体は、喘息およびアレルギー疾患などの炎症および免疫調節の障害および疾患ならびに関節リウマチおよびアテローム性動脈硬化症などの自己免疫の病気の重要な介在物質であることが示唆されている。
【0007】
CCR2ケモカイン受容体は主として単球および活性化Tリンパ球で発現され、それの機能活性は、細胞質カルシウム上昇および走化性によって測定することができる。CCR2は、二つのイソ型CCR2AおよびCCR2Bで存在する。これら二つのイソ型は、単一のMCP−1受容体遺伝子の選択的スプライスによる変異体であり、カルボキシル末端部のみにおいて異なる。CCR2遺伝子の染色体位置は、3p21に局在している。選択的かつ高アフィニティのものであると確認されているリガンドは、CCケモカイン類、MCP−1、MCP−2、MCP−3およびMCP−4である。
【0008】
CCR2の高度に選択的な発現により、それは不適切な単球およびT細胞輸送を妨害する介入における理想的な標的となる。そのような介入の臨床的適応症は、多発性硬化症、関節リウマチ、喘息、アレルギー、慢性閉塞性肺疾患、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、I型およびII型糖尿病、代謝症候群および神経因性疼痛などの炎症疾患およびT細胞介在自己免疫疾患におけるものである。ある種の腫瘍でのMCP−1およびCCR2の異所性発現は、CCR2の選択的拮抗薬が腫瘍免疫療法、特には転移の減弱において有用であることを示している。
【0009】
CCR2の臨床的重要性を考慮すると、CCR2機能を調節する化合物の確認は、新たな治療薬の開発への興味深い道筋を代表するものである。そのような化合物を本発明において提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の実施形態において本発明は、下記式(I)の化合物、それの製薬上許容される塩、それのプロドラッグ、それの生理活性代謝物またはそれの異性体を提供する。
【0011】
【化1】

式中、
は、Hまたは置換されていても良い(C−C)アルキルであり;
は、−(CH−アリール、−CH(CH)−アリール、−(CH−アリール−アリール、−(CH−アリール−ヘテロアリール、−(CH−(C−C)シクロアルキル、−(CH−ヘテロアリール、−(CH−複素環および−(C−C)シクロアルキル−アリールからなる置換されていても良い群から選択され;または
およびRが窒素とともに、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリル、デカヒドロイソキノリニル、置換されていても良いピペリジニルまたは置換されていても良いピロリジニルを形成してており;
Yは、5,6,7,8−テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニル、−NH−(CH−複素環(NHがカルボニルに結合している)および−複素環−アリール(複素環がカルボニルに結合している)からなる置換されていても良い群から選択され;
nは0、1または2である。
【0012】
第2の実施形態において本発明は、Yが5,6,7,8−テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニル、−NH−(CH−ピロリジニルおよび−ピペラジニル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される前記実施形態による化合物を提供する。
【0013】
第3の実施形態において本発明は、RがHまたはメチルである前記実施形態のいずれかによる化合物を提供する。
【0014】
第4の実施形態において本発明は、Rが−CH−フェニル、−CH−フェニル−フェニル、−(CH−フェニル、−CH(CH)−フェニル、−CHCH−フェニル−フェニル、−CH−フェニル−ピラゾリル、フェニル−ピラゾリル、インダニル、−(CH−インドリル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、−(CH)−ピラジニル、−(CH)−ピリジニル、−(CH−ピリジニル、−(CH−ピロリジニル、−(CH−チエニル、テトラヒドロチエニル−1,1−ジオキサイド、−(CH−ピペリジニル、テトラヒドロピラニルおよび−シクロヘキシル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される前記実施形態のいずれかによる化合物を提供する。
【0015】
第5の実施形態において本発明は、Rが−CH−フェニル、−(CH−フェニル、−CH−フェニル−ピラゾリル、インダニル、−(CH−インドリル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、−(CH−ピリジニルおよび−シクロヘキシル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される前記実施形態のいずれかによる化合物を提供する。
【0016】
第6の実施形態において本発明は、Yが5,6,7,8−テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニルおよび−ピペラジニル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される前記実施形態のいずれかによる化合物を提供する。
【0017】
第7の実施形態において本発明は、Rが−CH−フェニル、−(CH−フェニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、−CH−フェニル−ピラゾリル、インダニル、−(CH−ピリジニルおよび−シクロヘキシル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される前記実施形態のいずれかによる化合物を提供する。
【0018】
第8の実施形態において本発明は、Rが−CH−フェニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルおよび−シクロヘキシル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される前記実施形態のいずれかによる化合物を提供する。
【0019】
第9の実施形態において本発明は、Rがアルキル、アルコキシ、ハロゲン、CN、OH、CF、OCF、NH、NH(CH)およびN(CHからなる群から選択される1以上の置換基で置換されていても良い前記実施形態のいずれかによる化合物を提供する。
【0020】
第10の実施形態において本発明は、YがCFで置換されていても良い前記実施形態のいずれかによる化合物を提供する。
【0021】
第11の実施形態において本発明は、RおよびRが窒素とともに、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリル、5,6,7,8−テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニル、置換されていても良いピペリジニルまたは置換されていても良いピロリジニルを形成している前記実施形態のいずれかによる化合物を提供する。
【0022】
第12の実施形態において本発明は、前記置換されていても良いピペリジニルまたは置換されていても良いピロリジニルが、置換されていても良いシクロヘキシルおよび置換されていても良いフェニルからなる群から選択される置換基によって置換されていても良い第11の実施形態による化合物を提供する。
【0023】
第13の実施形態において本発明は、Yが置換されていても良い5,6,7,8テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニルである前記実施形態のいずれかによる化合物を提供する。
【0024】
第14の実施形態において本発明は、前記置換されていても良いピペリジニルが、置換されていても良いフェニルまたは置換されていても良いピロリジニルで置換されている第13の実施形態による化合物を提供する。
【0025】
第15の実施形態において本発明は、前記置換されていても良いピペリジニルが、置換されていても良いピロリジニルで置換されている第14の実施形態による化合物を提供する。
【0026】
第16の実施形態において本発明は、前記置換されていても良いピペリジニルが、置換されていても良いフェニルで置換されている第14の実施形態による化合物を提供する。
【0027】
第17の実施形態において本発明は、前記置換されていても良いピロリジニルが、置換されていても良いシクロヘキシルによって置換されている第12の実施形態による化合物を提供する。
【0028】
第18の実施形態において本発明は、状態が、ヒトでの関節リウマチ、骨関節炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、乾癬、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患、クローン病、狼瘡、多発性硬化症、若年性慢性関節炎、ライム関節炎、反応性関節炎、敗血症性関節炎、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、眼球状態、癌、固形腫瘍、線維肉腫、骨腫、メラノーマ、網膜芽腫、横紋筋肉腫、膠芽細胞腫、神経膠腫、奇形癌、癌(肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、結腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および直腸癌など)および造血系悪性腫瘍(白血病およびリンパ腫)、無βリポタンパク血症、肢端チアノーゼ、急性および慢性の寄生虫もしくは感染プロセス、急性白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性もしくは慢性の細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌類、心房異所性拍動、AIDS認知症複合、アルコール誘発肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性鼻炎、α−1抗トリプシン欠乏症、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗cd3療法、抗リン脂質症候群、抗受容体過敏反応、過敏反応、運動過剰障害、過敏性肺炎、高血圧、運動不全障害、大動脈瘤および末梢動脈瘤、視床下部・下垂体・副腎系軸評価、大動脈解離、動脈性高血圧、動脈硬化、動静脈瘻、運動失調、脊髄小脳変性症、ストレプトコッカス筋炎、小脳の構造的病変、亜急性硬化性全脳炎、失神、心血管系の梅毒、全身性アナフィラキシー、全身性炎症反応症候群、全身性発症若年性関節リウマチ、T細胞またはFAB ALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓性血管炎、移植、外傷/出血、III型過敏反応、IV過敏、不安定狭心症、尿毒症、尿路性敗血症、蕁麻疹、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈疾患、静脈血栓症、心室細動、ウィルスおよび真菌感染、ウィルス性脳炎/無菌性髄膜炎、ウィルス関連血球貪食症候群、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ウィルソン病、臓器もしくは組織の異種移植拒絶反応、心房細動(持続性もしくは発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植拒絶反応、骨髄移植(BMT)拒絶反応、小腸移植拒絶反応、脊髄性運動失調症、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心不整脈、心臓気絶症候群、心臓腫瘍、心筋症、人工心肺炎症応答、軟骨移植拒絶反応、小脳皮質変性症、小脳障害、無秩序性もしくは多源性心房頻拍、化学療法関連障害、慢性骨髄性白血病、慢性アルコール依存症、慢性炎症症状、慢性リンパ球性白血病、慢性サリチル酸塩中毒、結腸直腸癌、鬱血性心不全、結膜炎、肺性心、冠動脈疾患、クロイツフェルト・ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性線維症、サイトカイン療法関連障害、ボクサー認知症、脱髄疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚病変、糖尿病性アテローム性動脈硬化症、びまん性レビ小体疾患、拡張型鬱血性心筋症、基底核の障害、中年におけるダウン症候群、CNSドーパミン受容体を遮断する薬剤によって誘発される薬剤誘発運動障害、薬剤過敏症、皮膚炎、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌疾患、喉頭蓋炎、エプスタイン・バー・ウイルス感染、肢端紅痛症、錐体外路障害および小脳障害、家族性血球貪食性リンパ組織球増多症、致死性胸腺移植片拒絶、フリードライヒ失調症、機能性末梢動脈障害、真菌性敗血症、ガス壊疸、胃潰瘍、糸球体腎炎、グラム陰性菌敗血症、グラム陽性菌敗血症、細胞内生物による肉芽腫、ヘアリー細胞白血病、ハレルフォルデン−スパッツ病、花粉症、心移植拒絶反応、血色素症、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓溶解性血小板減少性紫斑病、出血、特発性肺線維症、抗体介在細胞毒性、無力症、乳児脊髄性筋萎縮症、大動脈の炎症、A型インフルエンザ、電離放射線曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、若年性関節リウマチ、若年性脊髄性筋萎縮症、腎臓移植拒絶、レジオネラ、レーシュマニア症、脂肪性浮腫、肝臓移植拒絶、リンパ浮腫、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性メラノーマ、髄膜炎菌血症、代謝性/特発性、片頭痛、ミトコンドリア性多系統障害、単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、多系統変性症(メンシェル、デジェリーヌ・トーマス、シャイ・ドレイガーおよびマシャド−ジョセフ)、重症筋無力症、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ、結核菌、骨髄異形成症候群、心筋虚血障害、上咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性病、神経原性筋萎縮症、好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹大動脈およびそれの血管枝の閉塞、閉塞性動脈障害、okt3療法、睾丸炎/副睾丸炎、睾丸炎/精管復元術、臓器肥大症、骨粗鬆症、膵臓移植拒絶反応、膵臓癌、悪性腫瘍の腫瘍随伴症候群/高カルシウム血症、副甲状腺移植拒絶反応、骨盤内炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、カポジ肉腫、ホジキン病、リンパ腫、骨髄腫、白血病、悪性腹水、造血系の癌、クロウ・深瀬(POEMS)症候群(多発神経障害、臓器肥大症、内分泌疾患、モノクローナル高ガンマグロブリン血症および皮膚変化症候群)、インシュリン依存型糖尿病性緑内障、糖尿病性網膜症または細小血管障害などの糖尿病状態、鎌状赤血球貧血、慢性炎症、滑膜炎、糸球体腎炎、移植片拒絶、ライム病、フォンリッペル・リンダウ病、類天疱瘡、ページェット病、線維症、類肉腫症、肝硬変、甲状腺炎、過粘稠度症候群、オスラー・ウィーバー・レンズ病、慢性閉塞性肺疾患、喘息もしくは火傷後の浮腫、外傷、放射線、卒中、低酸素症、虚血、卵巣過剰刺激症候群、潅流後症候群、ポンプ後症候群、MI心術後症候群、子癇前症、機能性子宮出血、子宮内膜症、肺高血圧、小児性血管腫または単純疱疹、帯状疱疹、ヒト免疫不全ウイルス、パラポックス・ウイルス、原虫もしくはトキソプラズマ症による感染、進行性核上麻痺、原発性肺高血圧、放射線療法、レイノー現象および疾患、レフサム病、規則的狭QRS頻脈、腎血管性高血圧、拘束型心筋症、肉腫、老年性舞踏病、レビ小体型の老年性認知症、ショック、皮膚同種移植片、皮膚変化症候群、眼球もしくは黄斑浮腫、眼球血管新生疾患、強膜炎、放射状角膜切除術、ブドウ膜炎、硝子体炎、近視、視窩、慢性網膜剥離、レーザー治療後合併症、結膜炎、スタルガルト病、イールズ病、網膜症、黄斑変性、再狭窄、虚血/再潅流損傷、虚血性脳卒中、血管閉塞、頸動脈閉塞疾患、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、糖尿病、真性糖尿病、インシュリン依存型糖尿病、アレルギー疾患、皮膚炎、強皮症、移植片対宿主病、臓器移植拒絶(骨髄および固形臓器拒絶など(それらに限定されるものではない))、臓器移植に関連する急性もしくは慢性免疫疾患、サルコイドーシス、播種性血管内凝固症候群、カワサキ病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ヴェグナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腎臓の微細脈管炎、慢性活動性肝炎、敗血症ショック、毒素性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染疾患、寄生虫疾患、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、卒中、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、アジソン病、特発性アジソン病、散発性疾患、I型多分泌腺機能低下およびII型多分泌腺機能低下、シュミット症候群、成人(急性)呼吸促進症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清陰性関節症、関節症、ライター病、乾癬性関節症、潰瘍性丘関節症、腸性滑膜炎、クラミジア、エルジニアおよびサルモネラに関連する関節症、アテローム性疾患/動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水泡性疾患、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA疾患、自己免疫性溶血性貧血、クーン陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、末梢血管障害、腹膜炎、悪性貧血、筋肉痛脳炎/ロイヤルフリー病、慢性粘膜皮膚カンジダ症、巨細胞性動脈炎、原発性硬化性肝炎、原因不明の自己免疫性肝炎、後天性免疫不全疾患症候群、後天性免疫不全に関連する疾病、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、ヒス束不整脈、HIV乾癬/HIV神経障害、分類不能型免疫不全(分類不能型低ガンマグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性の不妊症、卵巣不全、早発性卵巣不全、線維性肺疾患、慢性創傷治癒、原因不明の線維化肺胞炎、ポスト炎症性間隙性肺疾患、間隙性肺炎、ニューモシスティス・カリニ肺炎、肺炎、結合組織病に伴う間隙性肺疾患、混合結合組織病に伴う肺疾患、全身性硬化症に伴う間隙性肺疾患、関節リウマチに伴う間隙性肺疾患、全身性エリテマトーデスに伴う肺疾患、皮膚筋炎/多発性筋炎に伴う肺疾患、シェーグレン病に伴う肺疾患、強直性脊椎炎に伴う肺疾患、脈管性びまん性肺疾患、ヘモジデリン沈着症に伴う肺疾患、薬物誘発性の間隙性肺疾患、放射線線維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤性肺疾患、感染後間隙性肺疾患、通風性関節炎、自己免疫性肝炎、1型自己免疫性肝炎(古典的な自己免疫性またはルポイド肝炎)、2型自己免疫性肝炎(抗LKM抗体肝炎)、自己免疫媒介型低血糖症、黒色表皮症を伴うB型インスリン抵抗性、上皮小体低下症、臓器移植に伴う急性免疫疾患、臓器移植に伴う慢性免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、1型乾癬、2型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、腎疾患NOS、糸球体腎炎、腎臓の顕微鏡的脈管炎、ライム病、ジスコイドエリテマトーデス、特発性またはNOSの男性不妊症、精子自己免疫、多発性硬化症(全てのサブタイプ)、交感性眼炎、結合組織疾患に続発する肺高血症、急性および慢性疼痛(各種形態の疼痛)、グッドパスチャー症候群、結節性多発性動脈炎の肺発現、急性リウマチ熱、リウマチ様脊椎炎、スティル病、全身性硬化症、シェーグレン症候群、高安病/動脈炎、自己免疫性血小板減少症、毒性、移植、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状疾患、甲状腺機能亢進、甲状腺腫自己免疫性甲状腺機能亢進(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性脈管炎、白斑、急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘発肝臓損傷、胆汁鬱帯、特異体質性肝臓疾患、薬物誘発肝炎、非アルコール性脂肪肝炎、アレルギーおよび喘息、B群溶連菌感染、精神障害(例:抑鬱および統合失調症)、Th2型およびTh1型介在疾患、ならびに例えば、ヒトでの糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性による脈絡膜新血管形成および幼児性血管腫などの不適切な血管形成が関与する疾患からなる群から選択される、患者に対して治療上有効量の請求項1の化合物またはそれの生理的に許容される塩を投与する段階を有する、患者での状態の治療方法を提供する。さらにそのような化合物は、例えば、黄斑の浮腫、脳の浮腫、急性肺傷害および成人呼吸窮迫症候群を含む、腹水症、遊出および滲出などの障害、再狭窄などの増殖障害;肝硬変およびアテローム性動脈硬化などの線維性障害;糖尿病性腎症、悪性の腎硬化症、腎硬化症、血栓性細小血管症症候群および腎糸球体症などのメサンギウム細胞の増殖性障害;心筋血管形成、冠状動脈および脳の側副枝、虚血性四肢血管形成、虚血/再潅流傷害、消化性潰瘍、ヘリコバクター関連疾患、ウイルス誘導の血管形成性障害、子癇前症、月経性子宮出血、ネコひっかき熱、ルベオーシス、血管新生緑内障および網膜障害(例えば、糖尿病網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性に関連する網膜障害など)、急性特発性多発性神経炎、臓器移植関連の急性もしくは慢性免疫疾患、急性炎症性脱髄性多発神経障害、急性虚血、成人スティル病、アレルギー、アナフィラキシー、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫性皮膚炎、自己免疫性糖尿病、ストレプトコッカス感染関連の自己免疫障害、自己免疫性腸疾患、自己免疫性肝炎、自己免疫性聴覚損失、自己免疫性リンパ球増殖性症候群、自己免疫性心筋炎、自己免疫性好中球減少、自己免疫性早期閉経、自己免疫性血小板減少症、自己免疫性ブドウ膜炎、ベーチェット病、眼瞼炎、気管支拡張症、類天疱瘡、重篤な抗リン脂質症候群、セリアック病、頸部脊椎症、慢性虚血、瘢痕性類天疱瘡、多発性硬化症のリスクを有する臨床分離症候群、幼児期発症精神疾患、涙嚢炎、皮膚筋炎、椎間板ヘルニア、椎間板脱出、薬剤誘発免疫溶血性貧血
、眼内炎、上強膜炎、多形性紅斑、主要(major)多形性紅斑、妊娠類天疱瘡、ギラン・バレー症候群、心不全、ヒューズ症候群、特発性パーキンソン病、特発性間質性肺炎、IgE介在アレルギー、免疫性溶血性貧血、封入体筋炎、感染性眼球炎症性疾患、炎症性脱髄疾患、炎症性心疾患、炎症性腎臓疾患、IPF/UIP、虹彩炎、角膜炎、乾性角結膜炎、クスマウル(Kussmaul)病もしくはクスマウル−メイヤー(Kussmaul−Meier)病、ランドリー麻痺、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、網状皮斑、顕微鏡的多発性血管炎、ベヒテレフ病、運動ニューロン疾患、粘膜類天疱瘡、原発性進行性多発性硬化症、続発性進行性多発性硬化症、再発寛解型多発性硬化症、多臓器不全、骨髄異形成症候群、神経根障害、神経障害、非A非B肝炎、骨溶解、卵巣癌、小関節性JRA、末梢動脈閉塞疾患(PAOD)、末梢血管疾患(PVD)、末梢動脈障害、静脈炎、多発性軟骨炎、リウマチ性多発性筋痛、白毛症、多関節JRA、多内分泌腺機能低下症候群、多発性筋炎、ポンプ後症候群(postpump syndrome)、原発性パーキンソニズム、前立腺炎、乾癬性関節症、赤芽球癆、原発性副腎不全、ライター病、再発性視神経脊髄炎、リウマチ性心疾患、SAPHO(滑膜炎、座瘡、膿疱症、骨過形成および骨髄炎)、強皮症、続発性アミロイドーシス、ショック肺、坐骨神経痛、続発性副腎機能低下症、敗血症性関節炎、血清陰性関節症、シリコーン関連結合組織病、スネドン−ウィルキンソン皮膚疾患、強直性脊椎炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、全身性炎症反応症候群、側頭動脈炎、トキソプラズマ網膜炎、中毒性表皮剥離症、TRAPS(腫瘍壊死因子受容体)、I型アレルギー反応、II型糖尿病、蕁麻疹、通常型間質性肺炎、春季カタル、ウィルス性網膜炎、フォークト・小柳・原田症候群(VKH症候群)および滲出型黄斑変性の治療において有用となり得る。
【0029】
第19の実施形態において本発明は、前記状態が関節リウマチ、骨関節炎、喘息および多発性硬化症からなる群から選択される第19の実施形態による方法を提供する。
【0030】
第20の実施形態において本発明は、下記式(I)の化合物および製薬上許容される担体もしくは賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0031】
【化2】

式中、
は、Hまたは置換されていても良い(C−C)アルキルであり;
は、−(CH−アリール、−CH(CH)−アリール、−(CH−アリール−アリール、−(CH−アリール−ヘテロアリール、−(CH−(C−C)シクロアルキル、−(CH−ヘテロアリール、−(CH−複素環および−(C−C)シクロアルキル−アリールからなる置換されていても良い群から選択され;または
およびRが窒素とともに、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリル、デカヒドロイソキノリニル、置換されていても良いピペリジニルまたは置換されていても良いピロリジニルを形成しており;
Yは、5,6,7,8−テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニル、−NH−(CH−複素環(NHがカルボニルに結合している)および−複素環−アリール(複素環がカルボニルに結合している)からなる置換されていても良い群から選択され;
nは0、1または2である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
関係する態様において本発明は、ヒト被験者に対して下記式(I)の化合物を投与することで、ヒト被験者におけるCCR2活性を阻害し、治療を達成する段階を有する、CCR2活性が有害である障害を患うヒト患者におけるCCR2に拮抗する方法を提供する。
【0033】
【化3】

【0034】
多くの自己免疫疾患および慢性炎症に関連する疾患ならびに急性応答が、CCR2の活性化に関連づけられている。本発明の化合物は、関節リウマチ、骨関節炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症、乾癬、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患、クローン病、狼瘡、多発性硬化症、若年性慢性関節炎、ライム関節炎、反応性関節炎、敗血症性関節炎、脊椎関節症および全身性エリテマトーデスなど(これらに限定されるものではない)の炎症障害の治療において有用である。
【0035】
本発明の化合物は、急性心筋梗塞、急性冠症候群、慢性心不全、アテローム性動脈硬化、ウイルス性心筋炎、心臓同種移植拒絶反応および敗血症関連心臓機能異常などの心血管障害の治療においても有用である。さらに本発明の化合物は、髄膜炎菌性髄膜炎、アルツハイマー病およびパーキンソン病などの中枢神経系障害の治療においても有用である。
【0036】
式(I)の化合物もしくはそれの製薬上許容される塩または治療上有効量のそれを含む医薬組成物は、ヒトでのCNS系障害、関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、若年性慢性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎および敗血症性関節炎、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インシュリン依存性糖尿病、甲状腺炎、喘息、アレルギー疾患、乾癬、皮膚炎、強皮症、移植片対宿主病、臓器移植拒絶(骨髄および固形臓器拒絶などがあるが、それらに限定されるものではない)、臓器移植に関連する急性もしくは慢性免疫疾患、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化、播種性血管内凝固症候群、カワサキ病、グレーブス病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ヴェグナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腎臓の微細脈管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、敗血症ショック、毒素性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染疾患、寄生虫疾患、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、卒中、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、散発性疾患、I型多分泌腺機能低下およびII型多分泌腺機能低下、シュミット症候群、成人(急性)呼吸促進症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清陰性関節症、関節症、ライター病、乾癬性関節症、潰瘍性丘関節症、腸性滑膜炎、クラミジア、エルジニアおよびサルモネラに関連する関節症、アテローム性疾患/動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水泡性疾患、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA疾患、自己免疫性溶血性貧血、クーン陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋肉痛脳炎/ロイヤルフリー病、慢性粘膜皮膚カンジダ症、巨細胞性動脈炎、原発性硬化性肝炎、原因不明の自己免疫性肝炎、後天性免疫不全疾患症候群、後天性免疫不全に関連する疾病、B型肝炎、C型肝炎、分類不能型免疫不全(分類不能型低ガンマグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性の不妊症、卵巣不全、早発性卵巣不全、線維性肺疾患、慢性創傷治癒、原因不明の線維化肺胞炎、ポスト炎症性間隙性肺疾患、間隙性肺炎、結合組織病に伴う間隙性肺疾患、混合結合組織病に伴う肺疾患、全身性硬化症に伴う間隙性肺疾患、関節リウマチに伴う間隙性肺疾患、全身性エリテマトーデスに伴う肺疾患、皮膚筋炎/多発性筋炎に伴う肺疾患、シェーグレン病に伴う肺疾患、強直性脊椎炎に伴う肺疾患、脈管性びまん性肺疾患、ヘモジデリン沈着症に伴う肺疾患、薬物誘発性の間隙性肺疾患、放射線線維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤性肺疾患、感染後間隙性肺疾患、通風性関節炎、自己免疫性肝炎、1型自己免疫性肝炎(古典的な自己免疫性またはルポイド肝炎)、2型自己免疫性肝炎(抗LKM抗体肝炎)、自己免疫媒介型低血糖症、黒色表皮症を伴うB型インスリン抵抗性、上皮小体低下症、臓器移植に伴う急性免疫疾患、臓器移植に伴う慢性免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、1型乾癬、2型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、腎疾患NOS、糸球体腎炎、腎臓の顕微鏡的脈管炎、ライム病、ジスコイドエリテマトーデス、特発性またはNOSの男性不妊症、精子自己免疫、多発性硬化症(全てのサブタイプ)、交感性眼炎、結合組織疾患に続発する肺高血症、グッドパスチャー症候群、結節性多発性動脈炎の肺での発現、急性リウマチ熱、リウマチ様脊椎炎、スティル病、全身性硬化症、シェーグレン症候群、高安病/動脈炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状疾患、甲状腺機能亢進、甲状腺腫自己免疫性甲状腺機能亢進(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性脈管炎、白斑、急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘発肝臓損傷、胆汁鬱帯、特異体質性肝臓疾患、薬物誘発肝炎、非アルコール性脂肪肝炎、アレルギーおよび喘息、B群溶連菌(GBS)感染、精神障害(例:抑鬱および統合失調症)、Th2型およびTh1型介在疾患、急性および慢性疼痛(各種形態の疼痛)、および肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、結腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および直腸癌などの癌および造血系悪性腫瘍(白血病およびリンパ腫)および造血系悪性腫瘍(白血病およびリンパ腫)、無βリポタンパク血症、肢端チアノーゼ、急性および慢性の寄生虫もしくは感染プロセス、急性白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性もしくは慢性の細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌類、心房異所性拍動、AIDS認知症複合、アルコール誘発肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性鼻炎、同種移植拒絶反応、α−1抗トリプシン欠乏症、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗cd3療法、抗リン脂質症候群、抗受容体過敏反応、大動脈瘤および末梢動脈瘤、大動脈解離、動脈性高血圧、動脈硬化、動静脈瘻、運動失調、心房細動(持続性もしくは発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植拒絶反応、骨髄移植(BMT)拒絶反応、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心不整脈、心臓気絶症候群、心臓腫瘍、心筋症、人工心肺炎症応答、軟骨移植拒絶反応、小脳皮質変性症、小脳障害、無秩序性もしくは多源性心房頻拍、化学療法関連障害、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性アルコール依存症、慢性炎症症状、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性サリチル酸塩中毒、結腸直腸癌、鬱血性心不全、結膜炎、接触皮膚炎、肺性心、冠動脈疾患、クロイツフェルト・ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性線維症、サイトカイン療法関連障害、ボクサー認知症、脱髄疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚病変、糖尿病、真性糖尿病、糖尿病性アテローム性動脈硬化症、びまん性レビ小体疾患、拡張型鬱血性心筋症、基底核の障害、中年におけるダウン症候群、CNSドーパミン受容体を遮断する薬剤によって誘発される薬剤誘発運動障害、薬剤過敏症、皮膚炎、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌疾患、喉頭蓋炎、エプスタイン・バー・ウイルス感染、肢端紅痛症、錐体外路障害および小脳障害、家族性血球貪食性リンパ組織球増多症、致死性胸腺移植片拒絶、フリードライヒ失調症、機能性末梢動脈障害、真菌性敗血症、ガス壊疸、胃潰瘍、糸球体腎炎、あらゆる臓器もしくは組織の移植片拒絶、グラム陰性菌敗血症、グラム陽性菌敗血症、細胞内生物による肉芽腫、ヘアリー細胞白血病、ハレルフォルデン−スパッツ病、橋本甲状腺炎、花粉症、心移植拒絶反応、血色素症、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓溶解性血小板減少性紫斑病、出血、肝炎(A)、ヒス束不整脈、HIV感染/HIV神経障害、ホジキン病、多動性障害、過敏反応、過敏性肺炎、高血圧、運動不全障害、視床下部・下垂体・副腎系軸評価、特発性アジソン病、特発性肺線維症、抗体介在細胞毒性、無力症、乳児脊髄性筋萎縮症、大動脈の炎症、A型インフルエンザ、電離放射線曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、虚血/再潅流傷害、虚血性卒中、若年性関節リウマチ、若年性脊髄性筋萎縮症、カポジ肉腫、腎臓移植拒絶、レジオネラ、レーシュマニア症、ハンセン病、皮質脊髄系の病変、脂肪性浮腫、肝臓移植拒絶、リンパ浮腫、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性メラノーマ、髄膜炎、髄膜炎菌血症、代謝性/特発性、片頭痛、ミトコンドリア性多系統障害、混合結合組織病、単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、多系統変性症(メンシェル、デジェリーヌ・トーマス、シャイ・ドレイガーおよびマシャド−ジョセフ)、重症筋無力症、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ、結核菌、骨髄異形成症候群、心筋梗塞、心筋虚血障害、上咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性病、神経原性筋萎縮症、好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹大動脈およびそれの血管枝の閉塞、閉塞性動脈障害、okt3療法、睾丸炎/副睾丸炎、睾丸炎/精管復元術、臓器肥大症、骨粗鬆症,、膵臓移植拒絶反応、膵臓癌、悪性腫瘍の腫瘍随伴症候群/高カルシウム血症、副甲状腺移植拒絶反応、骨盤内炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、末梢性アテローム性動脈硬化症、末梢血管障害、腹膜炎、悪性貧血、カリニ肺炎、肺炎、POEMS症候群(多発神経障害、臓器肥大症、内分泌疾患、モノクローナル高ガンマグロブリン血症および皮膚変化症候群)、潅流後症候群、ポンプ後症候群、MI心術後症候群、子癇前症、進行性核上麻痺、原発性肺高血圧、放射線療法、レイノー現象および疾患、レイノー病、レフサム病、規則的狭QRS頻脈、腎血管性高血圧、再潅流損傷、拘束型心筋症、肉腫、強皮症、老年性舞踏病、レビ小体型の老年性認知症、血清反応陰性関節症、ショック、鎌状赤血球貧血、皮膚同種移植片、皮膚変化症候群、小腸移植拒絶反応、固形腫瘍、特異的不整脈、脊髄性運動失調症、脊髄小脳変性症、ストレプトコッカス筋炎、小脳の構造的病変、亜急性硬化性全脳炎、失神、心血管系の梅毒、全身性アナフィラキシー、全身性炎症反応症候群、全身性発症若年性関節リウマチ、T細胞またはFAB ALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓性血管炎、血小板減少症、毒性、移植、外傷/出血、III型過敏反応、IV過敏、不安定狭心症、尿毒症、尿路性敗血症、蕁麻疹、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈疾患、静脈血栓症、心室細動、ウィルスおよび真菌感染、ウィルス性脳炎/無菌性髄膜炎、ウィルス関連血球貪食症候群、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ウィルソン病、臓器もしくは組織の異種移植拒絶反応ならびに例えば糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性による脈絡膜血管新生および小児性血管腫などの不適切な血管新生が関与する疾患を含む群から選択される障害の治療において有用である。さらに、そのような化合物は、浮腫、腹水、滲出および浸出、例えば黄斑浮腫、脳浮腫、急性肺損傷、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)などの障害、再狭窄などの増殖障害、肝硬変およびアテローム性動脈硬化症などの線維障害、糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症症候群および糸球体症などのメサンギウム細胞増殖障害、心筋血管新生、冠動脈および脳側枝、虚血性四肢血管新生、虚血/再潅流損傷、消化性潰瘍ヘリコバクター関連疾患、ウィルス誘発血管新生障害、クロウ・深瀬症候群(POEMS)、子癇前症、機能性子宮出血、ネコひっかき熱、ルベオーシス、血管新生緑内障および糖尿病網膜症に関連するものなどの網膜障害、未熟児網膜症、年齢関連の黄斑変性または中枢神経系障害の治療において有用となり得る。さらにこれら化合物は、成長および/または転位に血管細胞の増殖を必要とする疾患であることから、固形腫瘍、悪性腹水、フォン・ヒッペル・リンドウ病、造血系癌ならびに甲状腺過形成(特にはグレーブス病)および嚢胞(多嚢胞性卵巣症候群(スタイン・レーベンタール症候群)および多発性嚢胞腎に特徴的な卵巣支質の血管過剰増生など)などの過剰増殖障害に対する活性薬剤として用いることができる。
【0037】
本発明の式(I)の化合物は、単独で、またはそのような疾患を治療するための別の治療薬との併用で使用することができ、前記他薬剤はその所期の目的のため当業者によって選択されるものである。例えば、他薬剤は、本発明の化合物により治療される疾患または状態を治療するのに有用であることが当技術分野で理解されている治療薬であることができる。他薬剤は、治療組成物に有益な性質を与える薬剤、例えば組成物に粘性をもたらす薬剤であってもよい。
【0038】
さらに理解すべき点として、本発明に含まれることになる組合せは、その所期の目的に有用な組合せのものである。以下に述べる薬剤は例示を目的とするものであり、これらに限定するものではない。本発明の一部であるその組合せは、本発明の化合物と、下記のリストから選択された少なくとも1種類の薬剤とすることができる。組合せは、複数の他薬剤を含むこともでき、例えば、形成される組成物がその所期の機能を発揮できるような組合せである場合には2種または3種の他薬剤を含むことができる。
【0039】
例えば、炎症の治療または予防において、本発明の化合物は、オピエート作働薬などの抗炎症薬または鎮痛薬、5−リポキシゲナーゼの阻害薬などのリポキシゲナーゼ阻害薬、シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬などのシクロオキシゲナーゼ阻害薬、インターロイキン−1阻害薬などのインターロイキン阻害薬、NMDA拮抗薬、一酸化窒素の阻害薬または一酸化窒素合成の阻害薬、非ステロイド系抗炎症剤、またはサイトカイン抑制性抗炎症剤と、例えばアセトアミノフェン、アスピリン、コデイン(codiene)、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド系鎮痛剤、スフェンタニル、スリンダク(sunlindac)、テニダップ(tenidap)などの化合物と併用または組み合わせて使用することができる。同様に、本発明の化合物は、鎮痛剤;カフェイン、H2−拮抗薬、シメチコン、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムなどの強化剤;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはれぼレボ−デスオキシ−エフェドリンなどの鬱血除去薬;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファンなどの鎮咳剤;利用剤;および鎮静性もしくは非鎮静性抗ヒスタミン剤とともに投与することができる。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患又は状態の治療/予防/抑制または改善において用いられる他の薬剤と組み合わせて用いることができる。そのような他の薬剤は、本発明の化合物と同時にまたは順次に、それについて一般的に用いられる経路および量で投与することができる。本発明の化合物を1以上の他薬剤と同時に使用する場合、本発明の化合物に加えてそのような他薬剤を含む医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて1以上の他の有効成分をも含むものなどがある。別個にまたは同じ医薬組成物で投与される、本発明の化合物を組み合わせることができる他の有効成分の例には、(a)VLA−4拮抗薬、(b)ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメタゾンおよびヒドロコルチゾンなどのステロイド類;(c)シクロスポリン(シクロスポリンA、サンディミュン(登録商標)、ネオーラル(登録商標))、タクロリムス(FK−506、プログラフ(登録商標)、ラパマイシン(シロリムス、ラパミューン(登録商標))および他のFK−506型免疫抑制剤、およびミコフェノール酸モフェチル(セルセプト(登録商標))のようなミコフェノール酸化合物などの免疫抑制剤;(d)ブロモフェニラミン、クロルフェニラミン、デクスクロフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン、ピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジンなどの抗ヒスタミン薬(H1−ヒスタミン拮抗薬);(e)β2−作働薬(テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロールおよびピルブテロール)、テオフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、アトロピン、臭化イプラトロピウム、ロイコトリエン拮抗薬(ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト、SKB−106203)、ロイコトリエン生合成阻害薬(ジレウトン、BAY−1005)などの非ステロイド系抗喘息薬;(f)プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロクス酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸およびチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナック、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸(fenclozic
acid)、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナク(oxpinac)、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシンおよびゾメピラク)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサル(flufenisal))、オキシカム類(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカン(tenoxican))、サリチル酸類(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)およびピラゾロン類(アパゾン、ベズピペリロン(bezpiperylon)、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)などの非ステロイド系抗炎症剤(NSAID類);(g)セレコキシブ(セレブレックス(登録商標))およびロフェコキシブ(ビオックス(登録商標))などのシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害薬;(h)ホスホジエステラーゼIV型(PDE−IV)の阻害薬;(i)オーラノフィンおよびアウロチオグルコースなどの金化合物、(j)ホスホジエステラーゼIV型IV(PDE−IV)の阻害薬;(k)ケモカイン受容体、特にはCCR1、CCR2、CCR3、CCR5、CCR6、CCR8およびCCR10の他の拮抗薬;(l)HMG−CoAレダクターゼ阻害薬(ロバスタチン、シンバスタチンおよびプラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチンおよび他のスタチン類)、金属イオン封鎖薬(コレスチラミンおよびコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレートおよびベンザフィブレート(benzafibrate))およびプロブコールなどのコレステロール降下薬;(m)インスリン、スルホニル尿素類、ビグアニド類(メトホルミン)、α−グルコシダーゼ阻害薬(アカルボース)及びグリタゾン類(トログリタゾンおよびピオグリタゾン)などの抗糖尿病薬;(n)インターフェロンβの調製物(インターフェロンβ−1α;インターフェロンβ−1b);(o)エタネルセプト(etanercept)(エンブレル(Enbrel;登録商標))、(p)オルソクローン(OKT3)、ダクリズマブ(ゼナパクス(Zenapax;登録商標))、インフリキシマブ(レミケード(Remicade;登録商標)、バシリキシマブ(シムレクト;登録商標)および抗CD40リガンド抗体(例:MRP−1)などの抗体療法;および(q)5−アミノサリチル酸およびそれのプロドラッグ、ヒドロキシクロロキン、D−ペニシラミン、アザチオプレンおよび6−メルカプトプリンなどの抗代謝薬および細胞傷害性癌化学療法薬などの他の化合物などがあるが、これらに限定されるものではない。本発明の化合物の第2の有効成分に対する重量比は変動し得るものであり、各成分の有効用量によって決まる。一般に、それぞれの有効用量を用いる。そこで、例えば、本発明の化合物をNSAIDと併用する場合、本発明の化合物のNSAIDに対する重量比は、約1000:1から約1:1000、好ましくは約200:1から約1:200の範囲である。本発明の化合物および他の有効成分の組み合わせも上記の範囲内であるが、各場合で、各有効成分の有効用量を用いるべきである。
【0040】
本発明の範囲内の免疫抑制剤には、さらにレフルノミド、RAD001、ERL080、FTY720、CTLA−4;オルソクローン(OKT3)、ダクリズマブ(ゼナパクス(登録商標))およびバシリキシマブ(シムレクト;登録商標)などの抗体療法;およびサイモグロブリン類などの抗胸腺細胞グロブリン類などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
特に好ましい実施形態では本発明の方法は、本発明の化合物を、単独でまたはベタセロン、アボネックス、アザチオプレン(イムレク(Imurek;登録商標)、イムラン(Imuran;登録商標)、カポキソン(capoxone)、プレドニゾロンおよびシクロホスファミドから選択される第2の治療剤と組み合わせて用いる多発性硬化症の治療または予防に関するものである。併用を行う場合、担当医師は治療剤の組み合わせを投与することができるか、投与を順次行うことができる。
【0042】
さらに他の特に好ましい実施形態では本発明の方法は、本発明の化合物を、単独でまたはメトトレキセート、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、シクロスポリンA、D−ペニシラミン、インフリキシマブ(レミケード;登録商標)、エタネルセプト(エンブレル;登録商標)、アダリムマブ(ヒューミラ;登録商標)、オーラノフィンおよびアウロチオグルコースからなる群から選択される第2の治療剤との併用で投与する、関節リウマチの治療または予防に関するものである。
【0043】
さらに他の特に好ましい実施形態では本発明の方法は、本発明の化合物を、シクロスポリンA、FK−506、ラパマイシン、ミコフェノール酸類、プレドニゾロン、アザチオプレン、シクロホスファミドおよび抗リンパ球グロブリンからなる群から選択される第2の治療薬との併用で用いる、臓器移植状態の治療または予防に関するものである。
【0044】
好ましい組合せは、イブプロフェンのような薬剤を含むNSAIDSとも呼ばれる非ステロイド系抗炎症薬である。その他の好ましい組合せは、プレドニソロンを含むコルチコステロイドであり、本発明のCCR2拮抗薬と組み合せて患者を治療する場合、必要とされるステロイドの用量を徐々に減少させることによって、ステロイド使用による既知の副作用を低減することができ、または無くすことさえできる。関節リウマチ用治療薬であって、本発明の式(I)の化合物と組み合せることができるその治療薬の例には、以下のものなどがあるが、それに限定されるものではない。すなわち、サイトカイン抑制性抗炎症薬(CSAID)と、他のヒトサイトカインまたは成長因子に対する抗体または拮抗薬であって、例えばTNF、LT、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−12、IL−15、IL−16、IL−21、IL−23、インターフェロン類、EMAP−II、GM−CSF、FGFおよびPDGFである。本発明のS/Tキナーゼ阻害薬は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD90、CTLAまたはCD154を含むこれらのリガンド(gp39またはCD40L)などの細胞表面分子に対する抗体と組み合せることができる。
【0045】
治療薬の好ましい組合せは、自己免疫および後続の炎症カスケードの異なる点で干渉する可能性があり、好ましい例には、キメラ様のTNF拮抗薬、ヒト化またはヒトTNF抗体、D2E7(HUMIRA(登録商標))(米国特許US6090382号)、CA2(REMICADE(商標名))、CDP571、および可溶性p55またはp75 TNF受容体、その誘導体(p75TNFR1gG(ENBREL(商標名))またはp55TNFR1gG(Lenercept)、およびTNFα変換酵素(TACE)も含まれ、同様に、IL−1阻害剤(インターロイキン1変換酵素阻害剤、IL−1RAなど)を同様の理由で効果的に用いることができる。その他の好ましい組合せには、インターロイキン11が含まれる。さらに別の好ましい組合せは、IL−18の機能に並行して、依存して、または協働して作用することが可能な自己免疫応答のその他の主要な役割を果すものであり、特に好ましいものは、IL−12抗体または可溶性IL−12受容体を含むIL−12拮抗薬、またはIL−12結合タンパク質である。IL−12およびIL−18が一部重複するが明確に異なる機能を有し、その両者に対する拮抗薬の組合せが最も有効となり得ることが明らかになっている。さらに別の好ましい組合せは、非枯渇性抗CD4阻害剤である。さらに好ましい組合せには、抗体、可溶性受容体または拮抗性リガンドを含む同時刺激経路CD80(B7.1)またはCD86(B7.2)の拮抗薬などがある。
【0046】
本発明の式(I)の化合物は、メトトレキサート、6−MP、アザチオプリンスルファサラジン、メサラジン、オルサラジンクロロキニン/ヒドロキシクロロキン、ペンシルアミン、金チオマレート(筋肉内および経口)、アザチオプリン、コチシン、コルチコステロイド(経口、吸入、および局所注射)、β2アドレナリン作用性受容体作動薬(サルブタモール、テルブタリン、サルメテラル)、キサンチン(テオフィリン、アミノフィリン)、クロモグリケート、ネドクロミル、ケトチフェン、イプラトロピウムおよびオキシトロピウム、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、レフルノミド、例えばイブプロフェンなどのNSAID、プレドニゾロンなどのコルチコステロイド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシン作動薬、抗血栓薬、補体阻害剤、アドレナリン作用性の薬剤、TNFαやIL−1など、炎症誘発性サイトカインからのシグナルを妨げる薬剤(例えばIRAK、NIK、IKK、p38またはMAPキナーゼ阻害剤)、IL−1β変換酵素阻害剤、キナーゼ阻害剤などのT細胞シグナル阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体およびその誘導体(例えば可溶性p55またはp75 TNF受容体および誘導体p75TNFRIgG(Enbrel(商標名)およびp55TNFRIgG(Lenercept))、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R)、および抗炎症性サイトカイン(例えばIL−4、IL−10、IL−11、IL−13およびTGFβ)、セレコキシブ、葉酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、ロフェコキシブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、ナプロキセン、バルデコキシブ、スルファサラジン、メチルプレドニゾロン、メロキシカム、酢酸メチルプレドニゾロン、チオリンゴ酸金ナトリウム、アスピリン、トリアムシノロンアセトニド、プロポキシフェンナプシレート/apap、葉酸塩、ナブメトン、ジクロフェナク、ピロキシカム、エトドラク、ジクロフェナクナトリウム、オキサプロジン、オキシコドンHCl、酒石酸水素ヒドロコドン/apap、ジクロフェナクナトリウム/ミソプロストール、フェンタニル、アナキンラ、トラマドールHCl、サルサラート、スリンダク、シアノコバラミン/fa/ピリドキシン、アセトアミノフェン、アレンドロン酸ナトリウム、プレドニゾロン、硫酸モルヒネ、塩酸リドカイン、インドメタシン、硫酸グルコサミン/コンドロイチン、アミトリプチリンHCl、スルファジアジン、オキシコドンHCl/アセトアミノフェン、オロパタジンHCl、ミソプロストール、ナプロキセンナトリウム、オメプラゾール、シクロホスファミド、リツキシマブ、IL−1TRAP、MRA、CTLA4−IG、IL−18BP、抗−IL−12、抗−IL15、BIRB−796、SCIO−469、VX−702、AMG−548、VX−
740、ロフルミラスト、IC−485、CDC−801およびメソプラムなどの薬剤と組み合せることもできる。好ましい組合せには、メトトレキサートまたはレフルノミドなどがあり、中等度または重度の関節リウマチの場合にはシクロスポリンおよび上記の抗TNF抗体などがある。
【0047】
本発明の式(I)の化合物を組み合せることができる炎症性腸疾患用治療薬の例には、ブデソニド;表皮成長因子;コルチコステロイド;シクロスポリン、スルファサラジン;アミノサリチレート;6−メルカプトプリン;アザチオプリン;メトロニダゾール;リポキシゲナーゼ阻害剤;メサラミン;オルサラジン;バルサラジン;抗酸化薬;トロンボキサン阻害剤;IL−1受容体拮抗薬;抗IL−βモノクローナル抗体;抗IL−6モノクローナル抗体;成長因子;エラスターゼ阻害剤;ピリジニル−イミダゾール化合物;その他のヒトサイトカインまたは成長因子に対する抗体または拮抗薬、例えばTNF、LT、IL−1、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−12、IL−15、IL−16、EMAP−II、GM−CSF、FGFおよびPDGF;CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD90またはそれらのリガンドなどの細胞表面分子;メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、マイコフェノラートモフェチル、レフルノミド、NSAID(例えばイブプロフェン)、プレドニゾロンなどのコルチコステロイド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシン作動薬、抗血栓薬、補体阻害剤、アドレナリン作用性の薬剤、TNFαやIL−1など、炎症誘発性サイトカインからのシグナルを妨げる薬剤(例えばIRAK、NIK、IKKまたはMAPキナーゼ阻害剤)、IL−1β変換酵素阻害剤、TNFα変換酵素阻害剤、キナーゼ阻害剤などのT細胞シグナル阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体およびその誘導体(例えば可溶性p55またはp75 TNF受容体、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R)、および抗炎症性サイトカイン(例えばIL−4、IL−10、IL−11、IL−13およびTGFβ)などがあるが、これらに限定されるものではない。式(I)の化合物と組み合せることができるクローン病用治療薬好ましい例には、以下のものなどがある。すなわち、TNF拮抗薬、例えば、抗TNF抗体、D2F7(米国特許第6090382号;HUMIRA(登録商標))、CA2(レミケード(商標名))、CDP571、TNFR−Ig構造体、(p75TNFRIgG(エンブレル(商標名))またはp55TNFRIgG(レネルセプト(商標名)))阻害剤およびPDE4阻害剤である。式(I)の化合物は、コルチコステロイド、例えばブデソニドやデキサメタゾン;スルファサァジン、5−アミノサリチル酸;オルサラジン;IL−1などのプロ炎症性サイトカイン、例えばIL−1β変換酵素阻害剤、およびIL−1raの合成または作用を妨げる薬剤;T細胞シグナル阻害剤、例えばチロシンキナーゼ阻害剤6−メルカプトプリン類;IL−11;メサラミン、プレドニゾン、アザチオプリン、メルカプトプリン、インフリキシマブ、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、ジフェノキシレート/アトロプ硫酸塩、ロペラミド塩酸塩、メトトレキセート、オメプラゾール、葉酸塩、シプロフロキサシン/デキストロース−水、酒石酸水素ヒドロコドン/apap、テトラサイクリン塩酸塩、フルオシノニド、メトロニダゾール、チメロアール/ホウ酸、コレスチラミン/ショ糖、シプロフロキサシン塩酸塩、ヒヨスチアミン硫酸塩、メペリジン塩酸塩、ミダゾラム塩酸塩、オキシコドンHCl/アセトアミノフェン、プロメタジン塩酸塩、リン酸ナトリウム、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、セレコキシブ、ポリカルボフィル、ナプシル酸プロポキシフェン、ヒドロコルチゾン、総合ビタミン剤、バルサラジド・2ナトリウム、リン酸コデイン/apap、コレセベラムHCl、シアノコバラミン、葉酸、レボフロキサシン、メチルプレドニゾロン、ナタリズマブおよびインターフェロン−γと組み合わせることができる。
【0048】
式(I)の化合物と組み合せることができる多発性硬化症用治療薬の例には、コルチコステロイド;プレドニゾロン;メチルプレドニゾロン;アザチオプリン;シクロホスファミド;シクロスポリン;メトトレキサート;4−アミノピリジン;チザニジン;インターフェロンβ1a(アボネックス;Biogen
Idec);抗α4抗体(チサブリ(Tysabri(登録商標);Biogen Idec);インターフェロンβ1b(ベタセロン;Chiron/Berlex);インターフェロンβ1A−IF(Serono/Inhale
Therapeutics)、Pegインターフェロンα2b(Enzon/Schering−Plough)、コポリマー1(Cop−1;コパキソン(登録商標);Teva
Pharmaceutical Industries, Inc.);高圧酸素;静脈免疫グロブリン;クラブリビン;その他のヒトサイトカインまたは成長因子およびそれらの受容体に対する抗体または拮抗薬、例えばTNF、LT、IL−1、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−12、IL−23、IL−15、IL−16、EMAP−II、GM−CSF、FGFおよびPDGFなどがあるが、それらに限定されるものではない。式(I)の化合物は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80、CD86、CD90またはこれらのリガンドなどの細胞表面分子に対する抗体と組み合せることができる。式(I)の化合物は、メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、マイコフェノラートモフェチル、レフルノミド、NSAID(例えばイブプロフェン)、プレドニゾロンなどのコルチコステロイド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシン作動薬、抗血栓薬、補体阻害剤、アドレナリン作用性の薬剤、TNFαやIL−1など、炎症誘発性サイトカインからのシグナルを妨げる薬剤(例えばIRAK、NIK、IKK、p38またはMAPキナーゼ阻害剤)、IL−1β変換酵素阻害剤、TACE阻害剤、キナーゼ阻害剤などのT細胞シグナル阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体およびその誘導体(例えば可溶性p55またはp75 TNF受容体、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R)および抗炎症性サイトカイン(例えばIL−4、IL−10、IL−13およびTGFβ)などの薬剤と組み合せることもできる。
【0049】
式(I)の化合物を組み合わせることができる多発性硬化症用治療薬の好ましい例には、インターフェロンβ、例えばIFNβ1aおよびIFNβ1b;コパクソン、コルチコステロイド、カスパーゼ阻害薬(例えば、カスパーゼ−1阻害薬)、IL−1阻害剤、TNF阻害剤およびCD40リガンドおよびCD80に対する抗体などがある。
【0050】
式(I)の化合物は、アレムツヅマブ、ドロナビノール、ダクリツマブ、ミトキサントロン、キサリプロデン塩酸塩、ファムプリジン、酢酸グラチラマー、ナタリツマブ、シンナビドール(sinnabidol)、a−イムノカイン(a−immunokine)NNS03、ABR−215062、アレルギ(Anergi)X.MS、ケモカイン受容体拮抗薬、BBR−2778、カラグアリン(calagualine)、CPI−1189、LEM(リポソーム封入ミトキサントロン)、THC.CBD(カンナビノイド作働薬)MBP−8298、メソプラム(PDE4阻害薬)、MNA−715、抗−IL−6受容体抗体、ニューロバクス(neurovax)、パーフェミドン・アロトラップ(allotrap)1258(RDP−1258)、sTNF−R1、タラミパネル(talampanel)、テリフルノミド(teriflunomide)、TGF−β2、チプリモチド(tiplimotide)、VLA−4拮抗薬(例えば、TR−14035、VLA4ウルトラヘイラー(Ultrahaler)、アンテグラン(Antegran)−ELAN/バイオゲン(Biogen)、インターフェロンγ拮抗薬およびIL−4作働薬などの薬剤と組み合わせることもできる。
【0051】
本発明の式(I)の化合物を組み合わせることができる狭心症の治療薬の例としては、アスピリン、ニトログリセリン、1硝酸イソソルビド、コハク酸メトプロロール、アテノロール、酒石酸メトプロロール、ベシル酸アムロジピン、ジルチアゼム塩酸塩、2硝酸イソソルビド、重硫酸クロピドグレル、ニフェジピン、アトルバスタチンカルシウム、塩化カリウム、フロセミド、シンバスタチン、ベラパミルHCl、ジゴキシン、プロプラノロール塩酸塩、カルベジロール、リシノプリル、スピロノラクトン、ヒドロクロロチアジド、マレイン酸エナラプリル、ナドロール、ラミプリル、エノキサパリンナトリウム、ヘパリンナトリウム、バルサルタン、塩酸ソタロール、フェノフィブラート、エゼチミベ、ブメタニド、ロサルタンカリウム、リシノプリル/ヒドロクロロチアジド、フェロジピン、カプトプリルおよびフマル酸ビソプロロールなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
式(I)の化合物を組み合わせることができる強直性脊椎炎の治療薬の例としては、D2E7(米国特許第6090382号;HUMIRA(登録商標))、イブプロフェン、ジクロフェナク、ミソプロストール、ナプロキセン、メロキシカム、インドメタシン、ジクロフェナク、セレコキシブ、ロフェコキシブ、スルファサラジン、メトトレキセート、アザチオプリン、ミノサイクリン、プレドニゾン、エタネルセプトおよびインフリキシマブなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
式(I)の化合物を組み合わせることができる喘息の治療薬の例としては、アルブテロール、サルメテロール/フルチカゾン、モンテルカストナトリウム、プロピオン酸フルチカゾン、ブデゾニド、プレドニゾン、キシナホ酸サルメテロール、レボ−アルブテロールHCl、硫酸アルブテロール/イプラトロピウム、リン酸プレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、2プロピオン酸ベクロメタゾン、イプラトロピウムブロマイド、アジスロマイシン、酢酸ピルブテロール、プレドニゾロン、無水テオフィリン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、クラリスロマイシン、ザフィルルカスト、フマル酸フォルモテロール、インフルエンザウイルスワクチン、アモキシシリン・3水和物、フルニソリド、アレルギー注射、クロモリンナトリウム、塩酸フェキソフェナジン、フルニソリド/メントール、アモキシシリン/クラブラン酸塩、レボフロキサシン、吸入支援機器、グアイフェネシン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、モキシフロキサシンHCl、ドキシサイクリンヒクラート、グアイフェネシン/d−メトルファン、p−エフェドリン/cod/クロルフェニル、ガチフロキサシン、セチリジンHCl、フロ酸モメタゾン、キシナホ酸サルメテロール、ベンゾナテート、セファレキシン、pe/ヒドロコドン/クロルフェニル、セチリジン塩酸塩/プソイドエフェド(pseudoephed)、フェニレフリン/cod/プロメタジン、コデイン/プロメタジン、セフプロジル、デクサメタゾン、グアイフェネシン/プソイドエフェドリン、クロルフェニラミン/ヒドロコドン、ネドクロミルナトリウム、硫酸テルブタリン、エピネフリン、メチルプレドニゾロンおよび硫酸メタプロテレノールなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
式(I)の化合物を組み合わせることができるCOPDの治療薬の例としては、レタイリス(Letairs;商標名)(アンブリセンタン)、硫酸アルブテロール/イプラトロピウム、イプラトロピウムブロマイド、サルメテロール/フルチカゾン、アルブテロール、キシナホ酸サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、プレドニゾン、無水テオフィリン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、モンテルカストナトリウム、ブデゾニド、フマル酸フォルモテロール、トリアムシノロンアセトニド、レボフロキサシン、グアイフェネシン、アジスロマイシン、2プロピオン酸ベクロメタゾン、レボアルブテロールHCl、フルニソリド、セフトリアキソンナトリウム、アモキシシリン・3水和物、ガチフロキサシン、ザフィルルカスト、アモキシシリン/クラブラン酸塩、フルニソリド/メントール、クロルフェニラミン/ヒドロコドン、硫酸メタプロテレノール、メチルプレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、p−エフェドリン/cod/クロルフェニル、酢酸ピルブテロール、p−エフェドリン/ロラタジン、硫酸テルブタリン、チオトロピウムブロマイド、(R,R)−フォルモテロール、TgAAT、シロミラストおよびロフルミラストなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
式(I)の化合物を組み合わせることができるHCVの治療薬の例としては、インターフェロン−α−2a、インターフェロン−α−2b、インターフェロン−αcon1、インターフェロン−α−n1、PEG化インターフェロン−α−2a、PEG化インターフェロン−α−2b、リバビリン、PEGインターフェロンα−2b+リバビリン、ウルソデオキシコール酸、グリチルリジン酸、チマルファシン、マキサミン(Maxamine)、VX−497およびHCVポリメラーゼ、HCVプロテアーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV IRES(内部リボソーム侵入部位)という標的に介入することでHCVを治療するのに用いられる化合物などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
式(I)の化合物を組み合わせることができる特発性肺線維症の治療薬の例としては、プレドニゾン、アザチオプリン、アルブテロール、コルヒチン、硫酸アルブテロール、ジゴキシン、γ−インターフェロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、ロラゼパム、フロセミド、リシノプリル、ニトログリセリン、スピロノラクトン、シクロホスファミド、イプラトロピウムブロマイド、アクチノマイシンd、アルテプラーゼ、プロピオン酸フルチカゾン、レボフロキサシン、硫酸メタプロテレノール、硫酸モルヒネ、オキシコドン塩酸塩、塩化カリウム、トリアムシノロンアセトニド、無水タクロリムス、カルシウム、インターフェロン−α、メトトレキセート、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン−γ−1βなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
式(I)の化合物を組み合わせることができる心筋梗塞の治療薬の例としては、アスピリン、ニトログリセリン、酒石酸メトプロロール、エノキサパリンナトリウム、ヘパリンナトリウム、重硫酸クロピドグレル、カルベジロール、アテノロール、硫酸モルヒネ、コハク酸メトプロロール、ワーファリンナトリウム、リシノプリル、1硝酸イソソルビド、ジゴキシン、フロセミド、シンバスタチン、ラミプリル、テネクテプラーゼ、マレイン酸エナラプリル、トルセミド、レタバーゼ(retavase)、ロサルタンカリウム、キナプリル塩酸塩/マグカルブ(mag
carb)、ブメタニド、アルテプラーゼ、エナラプリラート、アミオダロン塩酸塩、チロフィバンHClm−水和物、ジルチアゼム塩酸塩、カプトプリル、イルベサルタン、バルサルタン、プロプラノロール塩酸塩、フォシノプリルナトリウム、リドカイン塩酸塩、エプチフィバチド、セファゾリンナトリウム、硫酸アトロピン、アミノカプロン酸、スピロノラクトン、インターフェロン、ソタロール塩酸塩、塩化カリウム、ドキュセートナトリウム、ドブタミンHCl、アルプラゾラム、プラバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム、ミダゾラム塩酸塩、メペリジン塩酸塩、2硝酸イソソルビド、エピネフリン、ドーパミン塩酸塩、ビバリルジン、ロスバスタチン,エゼチミベ/シンバスタチン、アバシミベ(avasimibe)およびカリポリドなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
式(I)の化合物を組み合わせることができる乾癬の治療薬の例としては、カルシポトリエン、プロピオン酸クロベタゾール、トリアムシノロンアセトニド、プロピオン酸ハロベタゾール、タザロテン、メトトレキセート、フルオシノニド、ベタメタゾン・2プロピオン酸塩増量(augmented)、フルオシノロンアセトニド、アシトレチン、タールシャンプー、吉草酸ベタメタゾン、フロ酸モメタゾン、ケトコナゾール、プラモキシン/フルオシノロン、吉草酸ヒドロコルチゾン、フルランドレノリド、尿素、ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール/エモル(emoll)、プロピオン酸フルチカゾン、アジスロマイシン、ヒドロコルチゾン、保湿製剤、葉酸、デソニド(desonide)、ピメクロリムス、コールタール、2酢酸ジフロラゾン、葉酸エタネルセプト、乳酸、メトキサレン、hc/次没食子酸ビスマス/znox/resor、酢酸メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、日焼け止め、ハルシノニド、サリチル酸、アントラリン、ピバリン酸クロコルトロン、石炭抽出物、コールタール/サリチル酸、コールタール/サリチル酸/硫黄、デソキシメタゾン、ジアゼパム、緩和薬、フルオシノニド/緩和薬、鉱油/ヒマシ油/乳酸ナトリウム(nalact)、鉱油/落花生油、石油/ミリスチン酸イソプロピル、ソラレン、サリチル酸、石鹸/トリブロンサラン、チメロサール/ホウ酸、セレコキシブ、インフリキシマブ、シクロスポリン、アレファセプト、エファリズマブ、タクロリムス、ピメクロリムス、PUVA、WBおよびスルファサラジンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
式(I)の化合物を組み合わせることができる乾癬性関節炎の治療薬の例としては、D2E7(米国特許第6090382号;HUMIRA(登録商標))、メトトレキセート、エタネルセプト、ロフェコキシブ、セレコキシブ、葉酸、スルファサラジン、ナプロキセン、レフルノミド、酢酸メチルプレドニゾロン、インドメタシン、硫酸ヒドロキシクロロキン、プレドニゾン、スリンダク、ベタメタゾン・2プロピオン酸塩増量(augmented)、インフリキシマブ、メトトレキセート、葉酸塩、トリアムシノロンアセトニド、ジクロフェナク、ジメチルスルホキシド、ピロキシカム、ジクロフェナクナトリウム、ケトプロフェン、メロキシカム、メチルプレドニゾロン、ナブメトン、トルメチンナトリウム、カルシポトリエン、シクロスポリン、ジクロフェナクナトリウム/ミソプロストール、フルオシノニド、硫酸グルコサミン、チオリンゴ酸金ナトリウム、酒石酸水素ヒドロコドン/apap、イブプロフェン、リセドロン酸ナトリウム、スルファジアジン、チオグアニン、バルデコキシブ、アレファセプトおよびエファリズマブなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
式(I)の化合物を組み合わせることができる再狭窄の治療薬の例としては、シロリムス、パクリタキセル、エベロリムス、タクロリムス、ABT−578およびアセトアミノフェンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
式(I)の化合物を組み合わせることができる坐骨神経痛の治療薬の例としては、酒石酸水素ヒドロコドン/apap、ロフェコキシブ、シクロベンザプリンHCl、メチルプレドニゾロン、ナプロキセン、イブプロフェン、オキシコドンHCl/アセトアミノフェン、セレコキシブ、バルデコキシブ、酢酸メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、リン酸コデイン/apap、トラマドールHCl/アセトアミノフェン、メタキサロン、メロキシカム、メトカルバモール、リドカイン塩酸塩、ジクロフェナクナトリウム、ガバペンチン、デクサメタゾン、カリソプロドール、ケトロラクトロメタミン、インドメタシン、アセトアミノフェン、ジアゼパム、ナブメトン、オキシコドンHCl、チザニジンHCl、ジクロフェナクナトリウム/ミソプロストール、ナプシル酸プロポキシフェン/apap、asa/オキシコドン/オキシコドンter、イブプロフェン/ヒドロコドンbit、トラマドールHCl、エトドラク、プロポキシフェンHCl、アミトリプチリンHCl、カリソプロドール/リン酸コデイン/asa、硫酸モルヒネ、総合ビタミン剤、ナプロキセンナトリウム、クエン酸オルフェナドリンおよびテマゼパムなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
式(I)の化合物と組み合わせることができるSLE(狼瘡)の治療薬の好ましい例としては、ジクロフェナク、ナプロキセン、イブプロフェン、ピロキシカム、インドメタシンなどのNSAID類;セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブなどのCOX2阻害薬;ヒドロキシクロロキンなどの抗マラリア剤;プレドニゾン、プレドニゾロン、ブデソニド(budenoside)、デクサメタゾンなどのステロイド類;アザチオプリン、シクロホスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、メトトレキセートなどの細胞傷害剤;セルセプト(登録商標)などのPDE4の阻害薬またはプリン合成阻害薬などがある。式(I)の化合物は、スルファサラジン、5−アミノサリチル酸、オルサラジン、イムラン(登録商標)およびIL−1などの炎症誘発性サイトカインの合成、産生または作用を妨害する薬剤(例えば、IL−1β変換酵素阻害薬およびIL−1raなどのカスパーゼ阻害薬)のような薬剤と組み合わせることもできる。式(I)の化合物は、例えばチロシンキナーゼ阻害薬などのT細胞信号伝達阻害薬;あるいは例えばCTLA−4−IgGまたは抗B7ファミリー抗体、抗PD−1ファミリー抗体などのT細胞活性化分子を標的とする分子とともに用いることもできる。式(I)の化合物は、hIL−11または例えばフォノトリズマブ(fonotolizumab)(抗IFNg抗体)などの抗サイトカイン抗体、または例えば抗IL−6受容体抗体およびB細胞表面分子に対する抗体などの抗−受容体受容体抗体と組み合わせることができる。式(I)の化合物は、LJP394(アベチムス(abetimus))、例えばリツキシマブ(抗CD20抗体)、リンフォスタット(lymphostat)−B(抗BlyS抗体)などのB細胞を枯渇または失活させる薬剤、例えば抗TNF抗体、D2E7(米国特許第6090382号;フミラ(HUMIRA;登録商標))、CA2(レミケード(商標名))、CDP571、TNFR−Ig構造体、(p75TNFRIgG(エンブレル(商標名))またはp55TNFRIgG(レネルセプト(商標名)))などのTNF拮抗薬とともに用いることもできる。
【0063】
本発明において、以下の定義を適用することができる。
【0064】
「治療上有効量」とは、前記状態の進行を完全または部分的に阻害するか、あるいは、前記状態の1以上の症状を少なくとも部分的に緩和する、式(I)の化合物の量または2種類以上のそのような化合物の組合せの量である。治療上有効量はまた、予防的に有効である量であり得る。治療的に有効である量は、患者の大きさおよび性別、処置される状態、状態の重度、ならびに求められている結果によって決まる。所定の患者について、治療上有効量は、当業者に知られている方法によって決定することができる。
【0065】
「生理的に許容される塩」は、遊離塩基の生物学的有効性および生物学的性質を保持し、かつ、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、または、スルホン酸、カルボン酸、有機リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸、乳酸、酒石酸(例えば、(+)または(−)−酒石酸、またはそれらの混合物)、アミノ酸(例:および、(+)または(−)−アミノ酸またはそれらの混合物)などの有機酸との反応によって得られる塩を指す。これらの塩は、当業者に公知の方法によって製造することができる。
【0066】
酸性置換基を有する式(I)のある種の化合物は、製薬上許容される塩基との塩として存在する場合がある。本発明はそのような塩を包含する。そのような塩の例には、ナトリウム塩、カリウム塩、リシン塩およびアルギニン塩が含まれる。これらの塩は、当業者に知られている方法によって製造することができる。
【0067】
式(I)のある種の化合物およびその塩は2以上の結晶形で存在する場合がある。本発明はそれぞれの結晶形およびその混合物を包含する。
【0068】
式(I)のある種の化合物およびその塩はまた、溶媒和物(例えば、水和物)の形態で存在する場合がある。本発明はそれぞれの溶媒和物およびその混合物を包含する。
【0069】
式(I)のある種の化合物は2以上のキラル中心を含有する場合があり、従って、異なる光学活性形態で存在する場合がある。式(I)の化合物が1個のキラル中心を含有するとき、化合物は2種類のエナンチオマー形態で存在する。本発明は両方のエナンチオマーおよびエナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ混合物など)を包含する。エナンチオマーは、当業者に知られている方法によって、例えば、ジアステレオマー塩の形成、例えば、結晶化によって分離され得るジアステレオマー塩の形成によって;ジアステレオマーの誘導体または複合体の形成、例えば、結晶化、ガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーによって分離され得るジアステレオマーの誘導体または錯体の形成によって;一方のエナンチオマーをエナンチオマー特異的な試薬と選択的に反応すること(例えば、酵素によるエステル化)によって;あるいは、キラルな環境でのガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィー、例えば、キラルな担体(例えば、キラル配位子を結合させたシリカ)またはキラルな溶媒の存在下でのガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーによって分割することができる。所望するエナンチオマーは、上記に記載された分離手順のいずれかによって別の化学成分に変換される場合、さらなる工程が、所望するエナンチオマー形態を遊離させるために必要とされることが理解される。あるいは、特定のエナンチオマーを、光学活性な試薬、基質、触媒もしくは溶媒を使用する不斉合成によって、または、一方のエナンチオマーを不斉変換によりもう一方のエナンチオマーに変換することによって合成することができる。
【0070】
式(I)の化合物が2以上のキラル中心を含有するとき、化合物はジアステレオマー形態で存在する場合がある。ジアステレオマー化合物は、当業者に知られている方法によって、例えば、クロマトグラフィーまたは結晶化によって分離することができ、そして個々のエナンチオマーを上記に記載されたように分離することができる。本発明は、式(I)の化合物のそれぞれのジアステレオマー、およびその混合物を包含する。
【0071】
式Iのある種の化合物は、異なる互変異型で、または、異なる幾何異性体として存在する場合がある。本発明は、式(I)の化合物のそれぞれの互変異体および/または幾何異性体、ならびにそれらの混合物を包含する。
【0072】
式(I)のある種の化合物は、分離可能であり得る異なる安定な立体配座形態で存在する場合がある。非対称な単結合の周りでの回転が、例えば、立体障害または環の変形のために制限されたことによる回転非対称性は、異なる配座異性体の分離を可能にし得る。本発明は、式(I)の化合物のそれぞれの立体配座異性体、およびその混合物を包含する。
【0073】
式(I)のある種の化合物は両性イオン形態で存在する場合がある。本発明は、式(I)の化合物のそれぞれの両性イオン形態、およびその混合物を包含する。
【0074】
本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、何らかの生理的化学プロセスによってイン・ビボで親薬剤に変換される薬剤を指す(例えば、プロドラッグは、生理的pHにされると、所望の薬剤型に変換される。)。プロドラッグは、状況によっては、親薬剤より投与が容易である場合があることから有用であることが多い。それらは例えば、経口投与によって生理的に利用可能である場合があり、親薬剤はそうではない場合がある。プロドラッグは、親薬剤より薬理組成物での溶解度が改善されている場合もある。限定されるものではないが、プロドラッグの例としては、水溶解性が有利ではない細胞膜を通過しての送達を促進するためのエステル(「プロドラッグ」)として投与される本発明の化合物があると考えられるが、それは水溶解性が有利である細胞内に入ると代謝的に加水分解されてカルボン酸となる。
【0075】
プロドラッグは多くの有用な特性を有する。例えば、プロドラッグは、最終的な薬剤より水溶性が高いものとすることで、薬剤の静脈投与を容易にすることができる。プロドラッグは、最終的な薬剤より経口での生物学的利用能レベルが高いものとすることもできる。投与後、プロドラッグは酵素的または化学的に開裂されて、血液または組織中で最終薬剤を送達する。
【0076】
開裂時に本発明の化合物の相当する遊離酸およびそのような加水分解可能なエステル形成残基を放出するプロドラッグの例には、遊離水素が(C−C)アルキル、(C−C12)アルカノイルオキシメチル、(C−C)1−(アルカノイルオキシ)エチル、5から10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4から7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5から8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3から9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4から10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(β−ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル−(C−C)アルキル、N,N−ジ(C−C)−アルキルカルバモイル−(C−C)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C−C)アルキルによって置き換わっているカルボン酸置換基(例:−(CH)C(O)Hまたはカルボン酸を含む部分)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
他のプロドラッグの例は、ヒドロキシル置換基の遊離水素(例えば、Rがヒドロキシルを含む。)が(C−C)アルカノイルオキシメチル、1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C−C)アルコキシカルボニルアミノ−メチル、スクシノイル、(C−C)アルカノイル、α−アミノ(C−C)アルカノイル、アリールアシルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシルによって置き換わっており;前記α−アミノアシル部分が独立に、タンパク質で認められる天然L−アミノ酸、P(O)(OH)、−P(O)(O(C−C)アルキル)またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタールのヒドロキシルの脱離によって生じる基)のいずれかである式Iのアルコールを放出する。
【0078】
本明細書で使用される「複素環式」または「複素環」という用語は、完全に飽和しているか、1以上の不飽和単位を有することができ(誤解を避けるため、不飽和度は芳香族環系を生じないものである)、窒素、酸素もしくは硫黄などの少なくとも1個のヘテロ原子を含む3から12個の原子を有する単環式、二環式および三環式の環など(これらに限定されるものではない)の非芳香族環系を含むものである。例(本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない)を挙げると、アゼピニル、アゼチジニル、モルホリニル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、キヌクリジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニル、デカヒドロイソキノリニルおよび2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリルが複素環の例としてある。
【0079】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、単環式、二環式および三環式の環(これらに限定されるものではない)などの芳香族環系を含み、窒素、酸素もしくは硫黄などの少なくとも1個のヘテロ原子を含む3から12個の原子を有する。例を挙げると(本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない)、アザインドリル、ベンゾ(b)チエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、フラニル、イミダゾリル、イミダゾピリジル、インドリル、インドリニル、インダゾリル、イソインドリニル、イソオキサゾール、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピロロ[2,3−d]ピリミジニル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、キノリニル、キナゾリニル、トリアゾリル、チアゾリル、チオフェニル、テトラヒドロインドリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チエニル、チオモルホリニルまたはトリアゾリルである。
【0080】
「置換複素環式」(または複素環)または「置換ヘテロアリール」という用語を用いる場合、その複素環基が、当業者によって製造可能であって、CCR拮抗薬である分子を生じ得る1以上の置換基で置換されていることを意味する。例(本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない)を挙げると、本発明の複素環に好ましい置換基はそれぞれ独立に、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニル複素環アルコキシ、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルエステル、アルキル−O−C(O)−、アルキル−複素環、アルキル−シクロアルキル、アルキル−ニトリル、アルキニル、アミド基、アミノ、アミノアルキル、アミノカルボニル、カルボニトリル、カルボニルアルコキシ、カルボキサミド、CF、CN、−C(O)OH、−C(O)H、−C(O)−)(CH、−OH、−C(O)O−アルキル、−C(O)O−シクロアルキル、−C(O)O−複素環、−C(O)−アルキル、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−複素環、シクロアルキル、ジアルキルアミノアルコキシ、ジアルキルアミノカルボニルアルコキシ、ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、複素環、複素環アルキル基、複素環オキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、NO、OCF、オキソ、フェニル、−SOCH、−SOCR、テトラゾリル、チエニルアルコキシ、トリフルオロメチルカルボニルアミノ、トリフルオロメチルスルホンアミド、複素環アルコキシ、複素環−S(O)、シクロアルキル−S(O)、アルキル−S−、複素環−S、複素環アルキル、シクロアルキルアルキル、複素環チオ、シクロアルキルチオ、−Z105−C(O)N(R)、−Z105−N(R)−C(O)−Z200、−Z105−N(R)−S(O)−Z200、−Z105−N(R)−C(O)−N(R)−Z200、−N(R)−C(O)R、−N(R)−C(O)OR、OR−C(O)−複素環−OR、Rおよび−CHORからなる置換されていても良い基から選択され;
は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキルまたはフェニルであり;
pは0、1または2であり;
は各場合で独立に、水素、置換されていても良いアルキル、置換されていても良いアリール、−(C−C)−NR、−W−(CH−NR、−W−(CH−O−アルキル、−W−(CH−S−アルキルまたは−W−(CH−OHであり;
tは約1から約6の整数であり;
105は各場合で独立に、共有結合、アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;
200は各場合で独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、アルキル−フェニル、アルケニル−フェニルまたはアルキニル−フェニルからなる群から選択される置換されていても良い基から選択され;
Eは、直接結合、O、S、S(O)、S(O)もしくはNRであり;Rは、Hもしくはアルキルであり、RおよびRは独立にH、アルキル、アルカノイルもしくはSO−アルキルであり;またはR、Rおよびそれらが結合している窒素原子が一緒に、5員もしくは6員の複素環を形成している。
【0081】
本明細書で使用される「複素環アルキル」基は、1から約8個の炭素原子を有する脂肪族基によって化合物に連結された複素環基である。例えば、複素環アルキル基はモルホリノメチル基である。
【0082】
本明細書で使用される場合「アルキル」とはC−Cを意味し、完全に飽和した直鎖もしくは分岐の炭化水素を含むものである。好ましいアルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびそれの異性体である。本明細書で使用される場合、「アルケニル」および「アルキニル」とはC−Cを意味し、1以上の不飽和単位、すなわちアルケニルでは1以上の二重結合およびアルキニルでは1以上の三重結合を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素を含むものである。
【0083】
本明細書で使用される場合、芳香族基(もしくはアリール基)には、芳香族炭素環系(例:フェニルおよびシクロペンチルジエニル)および縮合多環芳香族環系(例:ナフチル、ビフェニレニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフチル)などがある。
【0084】
本明細書で使用される場合、シクロアルキルは、完全に飽和しているか、1以上の不飽和結合を有するが芳香族までにはならないC−C12単環式もしくは多環式(例:二環式、三環式など)の炭化水素を意味する。シクロアルキル基の好ましい例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルがある。
【0085】
本明細書で使用される場合、多くの部分または置換基が、「置換された」または「置換されていても良い」と表現されている。ある部分がこれらの用語の一方で修飾されている場合、別段の断りがない限りそれは、置換に使用可能であることが当業者には公知であるその部分のいずれかの箇所が置換されていることが可能であることを示すものであり、それは1以上の置換基を含むものであって、複数の置換基がある場合は各置換基は独立に選択される。置換に関するそのような意味は、当業界においては公知であるか、ないしは本開示によって示されるものである。例(本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。)に関して、置換基である基の例をいくつか挙げると、アルケニル基、アルコキシ基(それ自体が置換されていても良く、例えば−O−C−C−アルキル−OR、−O−C−C−アルキル−N(R)およびOCFがある。)、アルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルピペリジニルアルコキシ、アルキル基(それ自体も置換されていても良く、例えば−C−C−アルキル−OR、−C−C−アルキル−N(R)および−CFがある)、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルエステル、アルキルニトリル、アルキルスルホニル、アミノ、アミノアルコキシ、CF、COH、COOH、CN、シクロアルキル、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノアルコキシ、ジアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルアルコキシ、ジアルキルアミノスルホニル、エステル類(−C(O)−OR;Rは、アルキル、複素環アルキル(置換されていても良い)、複素環などの基であり、それは置換されていても良い。)、ハロゲンもしくはハロ基(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ、モルホリノアルコキシ、モルホリノアルキル、ニトロ、オキソ、OCF、置換されていても良いフェニル、S(O)CH、S(O)CFおよびスルホニル、N−アルキルアミノまたはN,N−ジアルキルアミノ(そのアルキル基も置換されていても良い。)がある。
【0086】
1以上の本発明の化合物は、単独で、または、本発明の化合物が、本明細書に記載の疾患または状態を処置または改善するための用量で生理的に好適な担体もしくは賦形剤と混合されている医薬組成物でヒト患者に投与することができる。本発明の化合物の混合物もまた、単純な混合物として、または好適な製剤された医薬組成物において患者に投与することができる。治療有効用量はさらに、本明細書に記載の疾患または状態の予防または軽減をもたらす上で十分な化合物(1つまたは複数)の量を示す。本出願の化合物の製剤および投与に関する様々な技術は、レミングトンの著作(Remington′s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA、最新版)に記載されている。
【0087】
好適な投与経路には、例えば、経口投与、点眼投与、直腸投与、経粘膜投与、局所投与または経腸投与;筋肉注射、皮下注射、髄内注射、ならびに、くも膜下注射、直接的な脳室(心室)内注射、静脈注射、腹腔内注射、鼻腔注射または眼内注射を含む非経口投与などがあり得る。
【0088】
あるいは、本発明の化合物は、全身的様式ではなく、むしろ局所的様式で、例えば、デポ製剤または持続放出製剤においてであることが多いが、化合物を浮腫部位内に直接注入することによって投与することができる。
【0089】
さらに、薬物を、標的化された薬物送達系で、例えば、内皮細胞特異的抗体で被覆されたリポソームで投与することができる。
【0090】
本発明の医薬組成物は、それ自体が知られている様式で、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、包括化または凍結乾燥の従来のプロセスによって製造することができる。
【0091】
従って、本発明に従って使用される医薬組成物は、活性化合物を、製薬上使用され得る製剤に加工することを容易にする賦形剤および補助剤を含む1以上の生理的に許容され得る担体を使用して従来の様式で製剤することができる。適正な製剤は、選ばれた投与経路によって決まる。
【0092】
注射の場合、本発明の薬剤は、水溶液剤において、好ましくは、生理的に適合し得る緩衝液(例えば、ハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理的な生理的食塩水緩衝液など)において製剤され得る。経粘膜投与の場合、透過させられるバリアに対して適切な浸透剤が製剤において使用される。そのような浸透剤はこの分野では一般に知られている。
【0093】
経口投与の場合、本発明の化合物は、活性化合物を、この分野で広く知られている製薬上許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤され得る。そのような担体は、本発明の化合物が、処置される患者によって経口摂取される錠剤、丸薬、糖衣剤、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして製剤されることを可能にする。経口使用される医薬製剤は、活性化合物を固体の賦形剤と一緒にし、得られた混合物を場合により粉砕し、その後、錠剤または糖衣剤コアを得るために、所望する場合には好適な補助剤を加えた後、顆粒の混合物を加工することによって得ることができる。好適な賦形剤は、具体的には、ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖;セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボメチルセルロースなど;および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などの充填剤である。所望する場合、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤を加えることができる。
【0094】
糖衣剤コアには、好適なコーティングが施される。この目的のために、高濃度の糖溶液を使用することができ、この場合、糖溶液は、場合により、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有し得る。色素または顔料が、活性化合物の量を明らかにするために、または活性化合物の量の種々の組合せの特徴を示すために、錠剤または糖衣剤コーティングに添加され得る。
【0095】
経口使用され得る医薬製剤には、ゼラチンから作製されたプッシュ・フィット型カプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤(グリセロールまたはソルビトールなど)から作製された柔らかい密閉カプセルが含まれる。プッシュ・フィット型カプセルは、充填剤(ラクトースなど)、結合剤(デンプンなど)、および/または滑剤(タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)、ならびに場合により安定化剤との混合で有効成分を含有し得る。軟カプセルでは、活性化合物を好適な液体(脂肪油、流動パラフィンまたは液状のポリエチレングリコールなど)に溶解または懸濁させることができる。さらに、安定化剤を加えることができる。経口投与される製剤はすべて、そのような投与のために好適な投薬形態でなければならない。
【0096】
口内投与の場合、組成物は、従来の様式で製剤された錠剤またはトローチの形態を取ることができる。
【0097】
吸入による投与の場合、本発明に従って使用される化合物は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスの使用により加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレーの形態で簡便に送達される。加圧されたエアロゾルの場合、用量単位は、計量された量を送達するためのバルブを備えることによって決定することができる。吸入器または通気装置において使用される、例えば、ゼラチン製のカプセルおよびカートリッジで、本発明の化合物および好適な粉末基剤(ラクトースまたはデンプンなど)の粉末混合物を含有するカプセルおよびカートリッジを製剤することができる。
【0098】
本発明の化合物は、注射による非経口投与のために、例えば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与のために製剤することができる。注射用製剤は、保存剤が添加された、例えば、アンプルまたは複数用量容器における単位投薬形態で提供され得る。組成物は、油性媒体または水性媒体における懸濁液または溶液または乳濁液のような形態を取ることができ、そして懸濁剤、安定剤および/または分散剤などの製剤を含有することができる。
【0099】
非経口投与される医薬製剤には、水溶性形態での活性化合物の水溶液が含まれる。さらに、活性化合物の懸濁液を適切な油性の注射用懸濁液として調製することができる。好適な親油性の溶媒または媒体には、脂肪油(ゴマ油など)、または合成脂肪酸エステル(オレイン酸エチルなど)、またはトリグリセリド、またはリポソームが含まれる。水性の注射用懸濁液は、懸濁液の粘度を増大させる物質、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールまたはデキストランなどを含有することができる。場合により、懸濁液はまた、高濃度溶液の調製を可能にするために化合物の溶解性を増大させる好適な安定化剤または薬剤を含有することができる。
【0100】
あるいは、有効成分は、使用前に好適な媒体(例えば、滅菌された発熱物質を含まない水)を用いて構成される粉末形態にすることができる。
【0101】
本発明の化合物はまた、例えば、従来の坐薬基剤(カカオ脂または他のグリセリドなど)を含有する坐薬または停留浣腸剤などの直腸用組成物に製剤することができる。
【0102】
前記に記載された製剤に加えて、本発明の化合物はまた、デポ剤調製物として製剤することができる。そのような長期間作用する製剤は、(例えば、皮下または筋肉内に、あるいは筋肉注射による)埋め込みによって投与することができる。従って、例えば、本発明の化合物は、好適なポリマー物質または疎水性物質(例えば、許容され得るオイルにおける乳濁液として)またはイオン交換樹脂とともに、あるいは難溶性の誘導体として、例えば、難溶性の塩として製剤することができる。
【0103】
本発明の疎水性化合物に対する医薬担体の例には、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマーおよび水相を含む共溶媒系がある。この共溶媒系はVPD共溶媒系であり得る。VPDは、無水エタノールにおいて所定体積にされた、3%(w/v)のベンジルアルコール、8%(w/v)の非極性界面活性剤ポリソルベート80、および65%(w/v)のポリエチレングリコール300からなる溶液である。このVPD共溶媒系(VPD:5W)は、5%デキストロース水溶液で1:1希釈されたVPDからなる。この共溶媒系は疎水性化合物を十分に溶解し、自身は、全身投与時に低い毒性をもたらす。当然のことではあるが、共溶媒系の割合は、その溶解性特性および毒性特性を消失させない限りにおいて、かなりの範囲で変動させることができる。さらに、共溶媒の構成成分を変化させることができる。例えば、他の低毒性の非極性界面活性剤をポリソルベート80の代わりに使用することができる;ポリエチレングリコールの分画サイズを変化させることができる;他の生体適合性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)がポリエチレングリコールの代わりになり得る;また、他の糖または多糖類がデキストロースの代用になり得る。
【0104】
あるいは、疎水性の医薬化合物に対する他の送達システムを用いることができる。リポソームおよび乳濁液が、疎水性薬物に対する送達媒体または送達担体の広く知られている例である。毒性がより大きいという代償を通常の場合には払うが、ある種の有機溶媒(例えば、ジメチルスルホキシドなど)もまた用いることができる。さらに、本発明の化合物は、治療剤を含有する固体の疎水性ポリマーの半透過性マトリックスなどの持続放出システムを使用して送達することができる。様々な持続放出物質が当業者によって明らかにされ、かつ広く知られている。持続放出カプセルは、その化学的性質に応じて、100日超までの数週間にわたって化合物を放出することができる。治療試薬の化学的性質および生物学的安定性に応じて、タンパク質安定化のためのさらなる方法を用いることができる。
【0105】
医薬組成物はまた、好適な固相またはゲル相の担体または賦形剤を含むことができる。そのような担体または賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチンおよびポリマー(ポリエチレングリコールなど)が含まれるが、これらに限定されない。
【0106】
本発明の化合物の多くは、製薬上適合し得る対イオンとの塩として提供され得る。製薬上適合し得る塩は、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸など(これらに限定されない)を含む多くの酸を用いて形成され得る。塩は、その対応する遊離塩基形態よりも、水性溶媒または他のプロトン性溶媒において大きな溶解性を有する傾向がある。
【0107】
本発明での使用に好適な医薬組成物には、有効成分が、その所期の目的を達成するための効果的な量で含有される組成物が含まれる。より詳細には、治療有効量は、処置されている対象者にある症状の進行を予防するために、またはそのような症状を緩和するために効果的である量を意味する。有効量の決定は十分に当業者の能力の範囲内である。
【0108】
本発明の方法において使用される化合物について、治療有効用量は、最初に、細胞アッセイから推算することができる。例えば、用量は、細胞アッセイで決定されるようなIC50(すなわち、ある種のCCR2活性の半最大阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環濃度範囲を達成するために、細胞モデルおよび動物モデルにおいて定めることができる。場合により、3%から5%の血清アルブミンの存在下でIC50を決定することは適切である。これは、そのような測定により、化合物に対する血漿タンパク質の結合効果が近似されるからである。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用することができる。さらに、全身投与される最も好ましい化合物は、血漿中で安全に達成され得るレベルで無傷な細胞におけるCCR2のシグナル変換を効果的に阻害する。
【0109】
治療有効用量は、患者における症状の改善をもたらす化合物のそのような量を示す。そのような化合物の毒性および治療効力は、例えば、最大耐容量(MTD)およびED50(50%最大応答のための有効用量)を決定するための細胞培養または実験動物における標準的な製薬手順によって求めることができる。毒性作用と治療効果との間の用量比が治療指数であり、これはMTDとED50との間の比として表すことができる。大きい治療指数を示す化合物が好ましい。これらの細胞アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおいて使用される用量の範囲を定める際に使用することができる。そのような化合物の用量は、好ましくは、毒性をほとんど伴わないED50を含む循環濃度の範囲内にある。用量は、用いられる投薬形態および使用される投与経路に応じてこの範囲内で変動し得る。正確な製剤、投与経路および用量は、患者の状態を考慮して個々の医師が選ぶことができる(例えば、Fingl et al., 1975, ″The Pharmacological Basis of Therapeutics″, Ch.1pl参照)。危機的状況の処置では、MTDに近い急激なボーラス剤または注入剤の投与が、迅速な応答を得るために要求される場合がある。
【0110】
用量および投薬間隔は、CCR2調節作用または最小有効濃度(MEC)を維持するだけの血漿レベルの活性成分を提供するために個々に調節することができる。MECは、それぞれの化合物について変化するが、インビトロデータから、例えば、本明細書中に記載されるアッセイを使用して50%から90%のCCR2阻害を達成するために必要な濃度から推定することができる。MECを達成するために必要な用量は個々の特性および投与経路によって決まる。しかしながら、HPLCアッセイまたはバイオアッセイを使用して、血漿濃度を測定することができる。
【0111】
投薬間隔もまた、MEC値を使用して決定することができる。化合物は、症状の所望される改善が達成されるまで、時間の10%から90%について、好ましくは30%から90%の間について、最も好ましくは50%から90%の間についてMECを超える血漿レベルを維持する療法を使用して投与されなければならない。局所投与または選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は血漿濃度と関連づけられなくてもよい。
【0112】
組成物の投与量は、当然のことではあるが、処置されている被験者、被験者の体重、病気の重度、投与様式、および処方医の判断によって決まる。
【0113】
組成物は、所望される場合、有効成分を含有する単位投薬形態物を1以上含有するパックまたは投薬装置において提供され得る。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属ホイルまたはプラスチックホイルを含むことができる。パックまたは投薬装置には、投与のための説明書が添付されていても良い。適合し得る医薬担体に製剤された本発明の化合物を含む組成物はまた、製剤され、適切な容器に入れ、適応状態の処置に関してラベル表示することができる。
【0114】
一部の製剤では、例えば、流体エネルギー粉砕によって得られるような非常に小さい粒径の粒子の形態で本発明の化合物を使用することが有益であり得る。
【0115】
医薬組成物を製造する際の本発明の化合物の使用が下記の説明によって例示される。この説明において、用語「活性化合物」は、本発明の化合物を表しているが、具体的には、前記の実施例のいずれかの最終生成物である化合物を表している。
【0116】
a)カプセル剤
カプセル剤の調製において、10重量部の活性化合物および240重量部のラクトースを粉砕し、混合することができる。混合物は、活性化合物の単位用量または単位用量の一部を各カプセルが含有する硬ゼラチンカプセルに充填することができる。
【0117】
b)錠剤
錠剤を、下記の成分から調製することができる。
活性化合物:10重量部
ラクトース:190重量部
トウモロコシデンプン:22重量部
ポリビニルピロリドン:10重量部
ステアリン酸マグネシウム:3重量部。
【0118】
活性化合物、ラクトース、およびデンプンの一部を粉砕し、混合することができる。得られた混合物をポリビニルピロリドンのエタノール溶液とともに造粒することができる。乾燥顆粒を、ステアリン酸マグネシウムおよび残りのデンプンと混合することができる。次いで、混合物を打錠機で圧縮成形して、活性化合物の単位用量または単位用量の一部をそれぞれが含有する錠剤を得る。
【0119】
c)腸溶コーティング錠
錠剤は、上記の(b)に記載される方法によって調製することができる。錠剤は、20%酢酸フタル酸セルロースおよび3%フタル酸ジエチルをエタノール:ジクロロメタン(1:1)に含む溶液を使用して従来の様式で腸溶コーティングすることができる。
【0120】
d)坐薬
坐薬の調製において、100重量部の活性化合物を1300重量部のトリグリセリド坐薬基剤に組み込むことができる。この混合物は、治療有効量の活性化合物をそれぞれが含有する坐薬に成形することができる。
【0121】
本発明の組成物において、活性化合物は、所望される場合、他の適合し得る薬理活性成分と組み合わせることができる。例えば、本発明の化合物は、本明細書に記載の疾患または状態を治療することが知られている別の治療薬との併用で投与することができる。例えば、VEGFまたはアンギオポイエチン類の産生を阻害または防止するか、あるいは、VEGFまたはアンギオポイエチン類に対する細胞内応答を弱めるか、あるいは、細胞内のシグナル伝達を阻止するか、あるいは、血管の過透過性を阻害するか、あるいは、炎症を軽減させるか、あるいは、浮腫または血管新生の形成を阻害または防止する1以上の別の医薬との併用である。本発明の化合物は、どの投与経過が適切であるとしても、別の医薬の前に、または別の医薬に続いて、または別の医薬と同時に投与することができる。さらなる医薬には、抗浮腫性ステロイド、NSAIDS、ras阻害剤、抗TNF剤、抗IL−1剤、抗ヒスタミン剤、PAF拮抗剤、COX−1阻害剤、COX−2阻害剤、NO合成酵素阻害剤、Akt/PTB阻害剤、IGF−1R阻害剤、PKC阻害剤、PI3阻害剤、カルシノイリン阻害剤および免疫抑制剤などがあるが、これらに限定されない。本発明の化合物および別の医薬は相加的または相乗的のいずれかで作用する。従って、血管形成、血管過透過性を阻害し、および/または浮腫の形成を阻害する物質のそのような組合せを投与することにより、いずれかの物質を単独で投与するよりも大きな軽減が、過増殖性障害、血管形成、血管過透過性または浮腫の有害な作用からもたらされ得る。悪性障害の処置では、抗増殖性もしくは細胞傷害性の化学療法剤または放射線との組合せが、本発明の範囲に含まれる。
【0122】
本発明はまた、医薬品としての式(I)の化合物の使用を含む。
【0123】
本発明のさらに別の態様により、哺乳動物(特にヒト)における血管過透過性、血管形成に依存した障害、増殖性疾患および/または免疫系の障害を処置するための医薬品を製造する際の式(I)の化合物またはその塩の使用が提供される。
【0124】
本発明はまた、式(I)の化合物の治療有効量を哺乳動物(特にヒト)に投与することを含む、血管過透過性、不適切な血管新生、増殖性疾患および/または免疫系の障害を処置する方法を提供する。
【0125】
雑誌論文、特許および公開特許出願などの全ての参考文献の記載内容は、参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0126】
酵素アッセイ
式(I)の化合物のスクリーニングのためのアッセイ
本明細書で議論し、当業界で報告されているCCR2の拮抗における化合物のイン・ビトロでの効力は、下記に詳細に記載の手順によって求めることができる。
【0127】
ヒトCCR2bまたはマウスCCR2のいずれかを発現するCHO細胞を、以下のように得た。ヒトCCR2b(ヒト血液からクローニング)およびマウスCCR2(マウス脳またはPECからクローニング)のcDNAを、プラスミドpcDNA3.1(インビトロゲン(Invitrogen)から)にクローニングした。得られたプラスミドを別個に、ヒトGal6を発現するCHO細胞にトランスフェクションした(Molecular Devicesから)。得られた細胞系におけるトランスフェクションCCR2読み取り枠の配列は、それぞれヒトCCR2b(NM_000648)およびマウスCCR2(NM_00915.1)と同一であった。
【0128】
hCCR2またはmCCR2へのMCP−1結合の阻害
ヒトCCR2BおよびGα16共役タンパク質またはマウスCCR2およびGα16共役タンパク質のいずれかを発現するCHO細胞で、放射性リガンド結合アッセイを行った。いずれの化合物もDMSOに溶かし、最終DMSO濃度1%(体積比)でアッセイを行った。[125I]標識したヒトおよびマウスMCP−1は、パーキン・エルマー(Perkin Elmer)から購入した。未標識のヒトおよびマウスMCP−1は、ペプロテク(Peprotech)から購入した。ヒトMCP−1についてはヒトCCR2Bを発現する細胞を用いたアッセイを行い、マウスMCP−1についてはマウスCCR2を発現する細胞を用いたアッセイを行った。
【0129】
化合物をDMSOで連続希釈してから、ヒトCCR2BおよびGα16共役タンパク質またはマウスCCR2およびGα16共役タンパク質(50×10/ウェル)のいずれかを発現する凍結保存CHO細胞および[125I]−MCP−1(ヒトCCR2については50pM、マウスCCR2については100pM)を含むアッセイ緩衝液(25mM HEPES、pH7.4、5mM MgCl、1mM CaCl、0.5%BSA)で希釈する。反応液を室温で90分間インキュベートしてから、0.3%ポリエチレンイミンで前処理したGF/Cフィルタープレート(パーキン・エルマー)に移し入れて4℃で2時間経過させた。フィルタープレートを氷冷した洗浄緩衝液(25mM HEPES、pH7.4、5mM MgCl、1mM CaCl、500mM NaCl)で6回洗浄し、乾燥させてから、各ウェルに50μL/ウェルのマイクロシンチ(Microscint)を加える。バックグラウンド結合を100nM MCP−1で測定し、対照総結合を被験化合物に代えてDMSOを加えることで求めて、パッカード・トップカウント(Packard Topcount)シンチレーションカウンタでプレートをカウントする。放射能値(cpm)を用いて、所定の化合物濃度での阻害パーセントを計算し、データを半対数プロットでS字曲線に適合させて、IC50値を求めた。
【0130】
hCCR2またはmCCR2を発現する細胞でのMCI−1誘発細胞内カルシウム放出の阻害
ヒトCCR2BおよびGα16共役タンパク質またはマウスCCR2およびGα16共役タンパク質のいずれかを発現するCHO細胞で、カルシウムフラックスアッセイを行った。いずれの化合物もDMSOに溶かし、最終DMSO濃度1%(体積比)でアッセイを行った。ヒトおよびマウスMCP−1は、ペプロテク(Peprotech)から購入し、最終アッセイ濃度10nMで用いた。ヒトMCP−1についてはヒトCCR2Bを発現する細胞を用いたアッセイを行い、マウスMCP−1についてはマウスCCR2を発現する細胞を用いたアッセイを行った。
【0131】
すなわち、40000/ウェルでマイクロタイタープレートで細胞を終夜培養した。翌日、得られた付着細胞を、5μg/mLμM Fluo−4色素(Molecular Probes)を含むアッセイ緩衝液(20mM HEPES pH7.4、0.1%ウシ血清アルブミンおよび2.5mM プロベネシド(Probenocid)のハンクス緩衝生理食塩溶液)中、室温で60分間インキュベートした。色素を含むアッセイ緩衝液を除去し、色素を含まないアッセイ緩衝液に置き換えた。細胞に化合物を加え、次にMCP−1を加え、時間の関数として蛍光の変化を測定することで、FLIPRテトラ(FLIPR Tetra)装置(Molecular Devices)でカルシウムフラックスアッセイを行った。蛍光の最大値および最小値を、それぞれ100nM MCP−1および緩衝液添加を用いて求めた。蛍光値を用いて、所定化合物濃度での阻害パーセントを計算し、データを半対数プロットでS字曲線に適合させて、IC50値を求めた。
【0132】
本発明の化合物は、図式Aに示した合成図式を用いて製造することができる。原料は市販されているか、本明細書に記載の手順または有機化学の当業者には公知の手順によって製造することができる。図式で用いている可変要素は、本明細書で定義の通りであるか、特許請求の範囲での通りである。一般的手順は括弧で示してある。
【0133】
【化4】

【0134】
本発明の2−アミノオクタヒドロペンタレン−3a−カルボキサミド化合物の製造方法を図式Aに示してある。図式A段階iにおいて、好適に置換された4,5,6,6a−テトラヒドロペンタレン−2(1H)−オン1を、代表的には水素および金属触媒(Pd/Cなど)の存在下に有機溶媒(EtOH)中にて水素化する。THFなどの有機溶媒中で実施される水酸化ナトリウム水溶液での処理によるエステル加水分解と、次に好適なアミンによるアミドカップリング(段階ii)によって中間体3を得る。そのケトンの好適に置換されたアミンとのアミドカップリング反応を、代表的には、室温で塩基(EtNなど)および活性化剤(HOBTなど)およびカップリング試薬(PS−カルボジイミドなど)の存在下に有機溶媒(DMAなど)中で行う。還元的アミノ化反応(段階iiiまたはiv)を代表的には、有機溶媒(1,2−ジクロロエタンなど)中室温で、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウムおよび酢酸を用いて実施する。段階(ii)で前述したものと同様の化学を用いてエステル4を官能化して、生成物5を得る。次に、標準的な技術(結晶化、フラッシュカラムクロマトグラフィーまたは逆相液体クロマトグラフィーなど)を用いて、生成物5を単離および精製することができる。
【0135】
略称
DCE:ジクロロエタン
DCM:ジクロロメタン
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EtN:トリエチルアミン
EtO:ジエチルエーテル
HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
MeCN:アセトニトリル
MeOH:メタノール
MgSO:硫酸マグネシウム
i−PrOH:2−プロパノール
n−PrOH:1−プロパノール
PS−カルボジイミド:N−シクロヘキシルカルボジイミド−N′−プロピルオキシメチルポリスチレン
RP:逆相
:保持時間
THF:テトラヒドロフラン。
【0136】
合成の詳細
分析データが、一般手順内または実施例の表中に含まれる。別段の断りがない限り、Hまたは13C NMRデータはいずれも、バリアン・マーキュリー・プラス(Varian Mercury Plus)400MHz装置で得たものであり、化学シフトは百万分率(ppm)で示してある。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析データは、実験内で詳細に記載しているか、表A中の小文字の方法文字を用いてHPLC条件の表を参照している。
【0137】
【表1】

【0138】
一般手順および実施例
本願で開示の大半の化合物を構築するのに用いた一般合成図式を、下記にて図式1から2で説明する。
【0139】
図式1:オクタヒドロペンタレン−3a−カルボキサミド類の一般合成経路(一般手順A、B)
【0140】
【化5】

【0141】
図式2:2−アミノオクタヒドロペンタレン類の一般合成経路(一般手順C)
【0142】
【化6】

【0143】
一般手順のリスト
一般手順A:エステルのカルボン酸への加水分解
一般手順B:ペプチドカップリングによるアミドの形成
一般手順C:還元的アミノ化によるアミンの形成。
【0144】
中間体
【0145】
【化7】

5−オキソ−1,2,3,3a,4,5−ヘキサヒドロペンタレン−3a−カルボン酸メチルを、J. Org. Chem. 1981, 46, 2816−2818に詳細に記載の経路によって製造した。
【0146】
【化8】

3−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,6]ナフチリジンを、WO2005/044264に詳細に記載の経路によって製造した。
【0147】
【化9】

1−オキソオクタヒドロペンタレン−3a−カルボン酸メチル:エタノール(25mL)中の5−オキソ−1,2,3,3a,4,5−ヘキサヒドロペンタレン−3a−カルボン酸メチル(2.5g、12.8mmol)を、撹拌しながら窒素で約10分間パージした。パラジウム/炭素(0.043g、20モル%)を加え、反応容器を窒素で約10分間パージした。窒素気流を停止し、フラスコを水素で流した。反応混合物を水素雰囲気下に終夜撹拌した。フラスコを窒素で約20分間流した。反応混合物をセライト(登録商標)層に通し、濾液を減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘプタンで溶離)によって精製して、2−オキソオクタヒドロペンタレン−3a−カルボン酸エチルを得た(2.04g、10.4mmol、81%)。
【0148】
一般手順の文字コードは、最終生成物への合成経路を構成するものである。その経路を決定する方法についての作業例を、製造番号3の合成を用いて以下に示すが、本発明はそれに限定されるものではない。製造番号3([2−(2,4−ジメチル−ベンジルアミノ)−ヘキサヒドロ−ペンタレン−3a−イル]−(3−トリフルオロメチル−7,8−ジヒドロ−5H−[1,6]ナフチリジン−6−イル)−メタノン)を、下記の合成図式に示した方法に従い、一般手順Bを用いて2−(2,4−ジメチルベンジルアミノ)オクタヒドロペンタレン−3a−カルボン酸および3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジンから製造した。
【0149】
【化10】

前記酸は、経路(C、A)を用いて製造した。これは、下記の順序を意味し、その場合に一般手順Bで用いる酸原料は下記の手順CおよびAのその順序での生成物である。
【0150】
【化11】

【0151】
一般手順A:エステルのカルボン酸への加水分解
エステル(1当量)の有機溶媒(好ましくはTHF)中混合物に、無機水酸化物(1から30当量、好ましくは約10当量)(好ましくは水酸化ナトリウム)の水溶液に加える。反応混合物を約20から50℃(好ましくは約25℃)で約1から24時間(好ましくは約18時間)撹拌する。溶媒を減圧下に除去し、残留物を有機溶媒(好ましくはDCM)と水との間で分配し、分離し、脱水剤(好ましくは硫酸マグネシウム)で脱水し、濃縮する。粗生成物はさらに、クロマトグラフィーまたは結晶化によって精製することができるか、それ以上精製せずに用いることができる。
【0152】
【化12】

【0153】
一般手順Aの説明
製造番号1:2−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−ヘキサヒドロ−ペンタレン−3a−カルボン酸
2−(4−フェニルピペリジン−1−イル)オクタヒドロペンタレン−3a−カルボン酸エチル(1.85g、5.42mmol)のTHF(35mL)中溶液に、水酸化ナトリウム(2.16g、54.2mmol)の水(35mL)中溶液を加えた。反応混合物を室温で約18時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、粗生成物をDCMで抽出した(20mLで3回)。合わせた有機相を水で洗浄し(50mLで3回)、MgSOで脱水した。減圧下に濃縮して、2−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−ヘキサヒドロ−ペンタレン−3a−カルボン酸(1.70g)を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0154】
一般手順B:ペプチドカップリングによるアミドの形成
酸(1当量)、好適に置換されたアミン(1から5当量、好ましくは1当量)、カップリング試薬(1から10当量、好ましくは1.5当量、好ましくはPS−カルボジイミド)、活性化試薬(1から3当量、好ましくは1当量、好ましくはHOBT)および塩基(1から10当量、好ましくは1当量、好ましくはEtN)の有機溶媒(好ましくはDMA)中混合物を、約20から50℃(好ましくは約25℃)で約1から72時間(好ましくは約48時間)撹拌する。樹脂を濾過によって除去し、溶媒を減圧下に除去する。粗生成物はさらに、クロマトグラフィーまたは結晶化によって精製することができる。
【0155】
【化13】

【0156】
一般手順Bの説明
製造番号2
{2−[(2,4−ジメチル−ベンジル)−アミノ]−ヘキサヒドロ−ペンタレン−3a−イル}−(3−トリフルオロ−メチル−7,8−ジヒドロ−5H−[1,6]ナフチリジン−6−イル)−メタノン
2−((2,4−ジメチルベンジル)(メチル)アミノ)オクタヒドロペンタレン−3a−カルボン酸(0.075g、0.25mmol)、3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン(0.050g、0.25mmol)、N−((3−(4−メチルベンジルオキシ)プロピルイミノ)メチレン)シクロヘキサンアミン(樹脂結合、1.42mmol/g、0.262g、0.373mmol)、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(0.034g、0.25mmol)およびトリエチルアミン(0.025g、0.25mmol)のDMA(3.1mL)中混合物を室温で約48時間撹拌した。その樹脂を濾過によって除去し、溶媒を減圧下に除去した。粗取得物をRP−HPLCによって精製して、{2−[(2,4−ジメチル−ベンジル)−メチル−アミノ]−ヘキサヒドロ−ペンタレン−3a−イル}−(3−トリフルオロ−メチル−7,8−ジヒドロ−5H−[1,6]ナフチリジン−6−イル)−メタノン(0.026g)を得た。RP−HPLC(表A、方法b)R1.78分;m/z:(M+H)472。
【0157】
一般手順C:還元的アミノ化によるアミンの形成
ケトン(1当量)の有機溶媒(好ましくはDCE)中溶液にアミン(1から5当量、好ましくは1当量)を加え、混合物を約20から50℃(好ましくは約25℃)で約1から72時間(好ましくは約2時間)撹拌し、酸添加剤(約1から5当量、好ましくは約1.5当量、好ましくは酢酸)とともにまたはそれを含まずに還元剤(1から10当量、好ましくは約1.5当量、好ましくは水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム)を加える。混合物を約20から50℃(好ましくは約25℃)で約1から72時間(好ましくは約18時間)撹拌する。塩基水溶液(好ましくは重炭酸ナトリウム水溶液)を加えることで反応停止し、反応液を有機溶媒(好ましくはDCM)で分配する。溶媒を減圧下に除去する。粗生成物をさらに、クロマトグラフィーまたは結晶化によって精製することができる。
【0158】
【化14】

【0159】
一般手順Cの説明
製造番号3
[2−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−ヘキサヒドロ−ペンタレン−3a−イル]−(3−トリフルオロメチル−7,8−ジヒドロ−5H−[1,6]ナフチリジン−6−イル)−メタノン
3a−(3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−6−カルボニル)ヘキサヒドロペンタレン−2(1H)−オン(0.175g、0.497mmol)のDCE(4.3mL)中溶液に、4−フェニルピペリジン(0.080g、0.50mmol)を加えた。反応混合物を室温で約2時間撹拌し、次に水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム(0.158g、0.745mmol)および酢酸(0.043mL、0.74mmol)を加えた。反応混合物を室温で約18時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を反応混合物に加え、生成物をDCMで抽出した(10mLで3回)。溶媒を減圧下に除去し、粗取得物をRP−HPLCによって精製して、[2−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−ヘキサヒドロ−ペンタレン−3a−イル]−(3−トリフルオロメチル−7,8−ジヒドロ−5H−[1,6]ナフチリジン−6−イル)−メタノンを4つのジアステレオマーの混合物として得た(0.075g)。RP−HPLC(表A、方法c)R、2.05分;m/z:(M+H)498。さらに、2段階キラルHPLC法(段階1:ジアステレオマー分離:35℃および流量12mL/分(モニタリングUV波長=265nm)でダイセル(Daicel)OD−Hカラム(20×250mm)での0.2%ジエチルアミン含有85%ヘプタン、7.5%メタノール、7.5%エタノールを用いる定組成。段階2:エナンチオマー分離:35℃および流量16mL/分(モニタリングUV波長=265nm)でダイセルAD−Hカラム(20×250mm)での19分間かけての0.2%ジエチルアミン含有イソプロパノール/ヘプタンの10%から70%勾配)を用いてジアステレオマーを分離して、4つのエナンチオマーを得た。各化合物の絶対配置は確認しなかった。異性体1:RP−HPLC(表A、方法d)R、12.66分。異性体2:RP−HPLC(表A、方法d)R、13.57分。異性体3:RP−HPLC(表A、方法d)R、8.46分。異性体4:RP−HPLC(表A、方法d)R、11.76分。
【0160】
【表2】

【0161】
【表3】













【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物、製薬上許容される塩、それのプロドラッグ、それの生理活性代謝物、それの異性体またはそれの立体異性体。
【化1】

[式中、
は、Hまたは置換されていても良い(C−C)アルキルであり;
は、−(CH−アリール、−CH(CH)−アリール、−(CH−アリール−アリール、−(CH−アリール−ヘテロアリール、−(CH−(C−C)シクロアルキル、−(CH−ヘテロアリール、−(CH−複素環および−(C−C)シクロアルキル−アリールからなる置換されていても良い群から選択され;または
およびRが窒素とともに、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリル、デカヒドロイソキノリニル、置換されていても良いピペリジニルまたは置換されていても良いピロリジニルを形成してており;
Yは、5,6,7,8−テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニル、−NH−(CH−複素環(NHがカルボニルに結合している)および−複素環−アリール(複素環がカルボニルに結合している)からなる置換されていても良い群から選択され;
nは0、1または2である。]
【請求項2】
Yが5,6,7,8−テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニル、−NH−(CH−ピロリジニルおよび−ピペラジニル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がHまたはメチルである請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が−CH−フェニル、−CH−フェニル−フェニル、−(CH−フェニル、−CH(CH)−フェニル、−CHCH−フェニル−フェニル、−CH−フェニル−ピラゾリル、フェニル−ピラゾリル、インダニル、−(CH−インドリル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、−(CH)−ピラジニル、−(CH)−ピリジニル、−(CH−ピリジニル、−(CH−ピロリジニル、−(CH−チエニル、テトラヒドロチエニル−1,1−ジオキサイド、−(CH−ピペリジニル、テトラヒドロピラニルおよび−シクロヘキシル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が−CH−フェニル、−(CH−フェニル、−CH−フェニル−ピラゾリル、インダニル、−(CH−インドリル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、−(CH−ピリジニルおよび−シクロヘキシル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Yが5,6,7,8−テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニルおよび−ピペラジニル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が−CH−フェニル、−(CH−フェニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、−CH−フェニル−ピラゾリル、インダニル、−(CH−ピリジニルおよび−シクロヘキシル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
が−CH−フェニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルおよび−シクロヘキシル−フェニルからなる置換されていても良い群から選択される請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
がアルキル、アルコキシ、ハロゲン、CN、OH、CF、OCF、NH、NH(CH)およびN(CHからなる群から選択される1以上の置換基で置換されていても良い請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
YがCFで置換されていても良い請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
およびRが窒素とともに、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリル、5,6,7,8−テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニル、置換されていても良いピペリジニルまたは置換されていても良いピロリジニルを形成している請求項2に記載の化合物。
【請求項12】
前記置換されていても良いピペリジニルまたは置換されていても良いピロリジニルが、置換されていても良いシクロヘキシルおよび置換されていても良いフェニルからなる群から選択される置換基によって置換されていても良い請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Yが置換されていても良い5,6,7,8テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニルである請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記置換されていても良いピペリジニルが、置換されていても良いフェニルまたは置換されていても良いピロリジニルで置換されている請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記置換されていても良いピペリジニルが、置換されていても良いピロリジニルで置換されている請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
前記置換されていても良いピペリジニルが、置換されていても良いフェニルで置換されている請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
前記置換されていても良いピロリジニルが、置換されていても良いシクロヘキシルによって置換されている請求項12に記載の化合物。
【請求項18】
状態が、ヒトでの関節リウマチ、骨関節炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、敗血症、乾癬、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患、クローン病、狼瘡、多発性硬化症、若年性慢性関節炎、ライム関節炎、反応性関節炎、敗血症性関節炎、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、眼球状態、癌、固形腫瘍、線維肉腫、骨腫、メラノーマ、網膜芽腫、横紋筋肉腫、膠芽細胞腫、神経膠腫、奇形癌、癌(肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、結腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および直腸癌など)および造血系悪性腫瘍(白血病およびリンパ腫)、無βリポタンパク血症、肢端チアノーゼ、急性および慢性の寄生虫もしくは感染プロセス、急性白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性もしくは慢性の細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌類、心房異所性拍動、AIDS認知症複合、アルコール誘発肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性鼻炎、α−1抗トリプシン欠乏症、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗cd3療法、抗リン脂質症候群、抗受容体過敏反応、過敏反応、運動過剰障害、過敏性肺炎、高血圧、運動不全障害、大動脈瘤および末梢動脈瘤、視床下部・下垂体・副腎系軸評価、大動脈解離、動脈性高血圧、動脈硬化、動静脈瘻、運動失調、脊髄小脳変性症、ストレプトコッカス筋炎、小脳の構造的病変、亜急性硬化性全脳炎、失神、心血管系の梅毒、全身性アナフィラキシー、全身性炎症反応症候群、全身性発症若年性関節リウマチ、T細胞またはFAB ALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓性血管炎、移植、外傷/出血、III型過敏反応、IV過敏、不安定狭心症、尿毒症、尿路性敗血症、蕁麻疹、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈疾患、静脈血栓症、心室細動、ウィルスおよび真菌感染、ウィルス性脳炎/無菌性髄膜炎、ウィルス関連血球貪食症候群、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ウィルソン病、臓器もしくは組織の異種移植拒絶反応、心房細動(持続性もしくは発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植拒絶反応、骨髄移植(BMT)拒絶反応、小腸移植拒絶反応、脊髄性運動失調症、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心不整脈、心臓気絶症候群、心臓腫瘍、心筋症、人工心肺炎症応答、軟骨移植拒絶反応、小脳皮質変性症、小脳障害、無秩序性もしくは多源性心房頻拍、化学療法関連障害、慢性骨髄性白血病、慢性アルコール依存症、慢性炎症症状、慢性リンパ球性白血病、慢性サリチル酸塩中毒、結腸直腸癌、鬱血性心不全、結膜炎、肺性心、冠動脈疾患、クロイツフェルト・ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性線維症、サイトカイン療法関連障害、ボクサー認知症、脱髄疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚病変、糖尿病性アテローム性動脈硬化症、びまん性レビ小体疾患、拡張型鬱血性心筋症、基底核の障害、中年におけるダウン症候群、CNSドーパミン受容体を遮断する薬剤によって誘発される薬剤誘発運動障害、薬剤過敏症、皮膚炎、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌疾患、喉頭蓋炎、エプスタイン・バー・ウイルス感染、肢端紅痛症、錐体外路障害および小脳障害、家族性血球貪食性リンパ組織球増多症、致死性胸腺移植片拒絶、フリードライヒ失調症、機能性末梢動脈障害、真菌性敗血症、ガス壊疸、胃潰瘍、糸球体腎炎、グラム陰性菌敗血症、グラム陽性菌敗血症、細胞内生物による肉芽腫、ヘアリー細胞白血病、ハレルフォルデン−スパッツ病、花粉症、心移植拒絶反応、血色素症、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓溶解性血小板減少性紫斑病、出血、特発性肺線維症、抗体介在細胞毒性、無力症、乳児脊髄性筋萎縮症、大動脈の炎症、A型インフルエンザ、電離放射線曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、若年性関節リウマチ、若年性脊髄性筋萎縮症、腎臓移植拒絶、レジオネラ、レーシュマニア症、脂肪性浮腫、肝臓移植拒絶、リンパ浮腫、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性メラノーマ、髄膜炎菌血症、代謝性/特発性、片頭痛、ミトコンドリア性多系統障害、単クローン性免疫グロブリン血症、多発性骨髄腫、多系統変性症(メンシェル、デジェリーヌ・トーマス、シャイ・ドレイガーおよびマシャド−ジョセフ)、重症筋無力症、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ、結核菌、骨髄異形成症候群、心筋虚血障害、上咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性病、神経原性筋萎縮症、好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹大動脈およびそれの血管枝の閉塞、閉塞性動脈障害、okt3療法、睾丸炎/副睾丸炎、睾丸炎/精管復元術、臓器肥大症、骨粗鬆症、膵臓移植拒絶反応、膵臓癌、悪性腫瘍の腫瘍随伴症候群/高カルシウム血症、副甲状腺移植拒絶反応、骨盤内炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、カポジ肉腫、ホジキン病、リンパ腫、骨髄腫、白血病、悪性腹水、造血系の癌、クロウ・深瀬(POEMS)症候群(多発神経障害、臓器肥大症、内分泌疾患、モノクローナル高ガンマグロブリン血症および皮膚変化症候群)、インシュリン依存型糖尿病性緑内障、糖尿病性網膜症または細小血管障害などの糖尿病状態、鎌状赤血球貧血、慢性炎症、滑膜炎、糸球体腎炎、移植片拒絶、ライム病、フォンリッペル・リンダウ病、類天疱瘡、ページェット病、線維症、類肉腫症、肝硬変、甲状腺炎、過粘稠度症候群、オスラー・ウィーバー・レンズ病、慢性閉塞性肺疾患、喘息もしくは火傷後の浮腫、外傷、放射線、卒中、低酸素症、虚血、卵巣過剰刺激症候群、潅流後症候群、ポンプ後症候群、MI心術後症候群、子癇前症、機能性子宮出血、子宮内膜症、肺高血圧、小児性血管腫または単純疱疹、帯状疱疹、ヒト免疫不全ウイルス、パラポックス・ウイルス、原虫もしくはトキソプラズマ症による感染、進行性核上麻痺、原発性肺高血圧、放射線療法、レイノー現象および疾患、レフサム病、規則的狭QRS頻脈、腎血管性高血圧、拘束型心筋症、肉腫、老年性舞踏病、レビ小体型の老年性認知症、ショック、皮膚同種移植片、皮膚変化症候群、眼球もしくは黄斑浮腫、眼球血管新生疾患、強膜炎、放射状角膜切除術、ブドウ膜炎、硝子体炎、近視、視窩、慢性網膜剥離、レーザー治療後合併症、結膜炎、スタルガルト病、イールズ病、網膜症、黄斑変性、再狭窄、虚血/再潅流損傷、虚血性脳卒中、血管閉塞、頸動脈閉塞疾患、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、糖尿病、真性糖尿病、インシュリン依存型糖尿病、アレルギー疾患、皮膚炎、強皮症、移植片対宿主病、臓器移植拒絶(骨髄および固形臓器拒絶など(それらに限定されるものではない))、臓器移植に関連する急性もしくは慢性免疫疾患、サルコイドーシス、播種性血管内凝固症候群、カワサキ病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ヴェグナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腎臓の微細脈管炎、慢性活動性肝炎、敗血症ショック、毒素性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染疾患、寄生虫疾患、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、卒中、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、アジソン病、特発性アジソン病、散発性疾患、I型多分泌腺機能低下およびII型多分泌腺機能低下、シュミット症候群、成人(急性)呼吸促進症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清陰性関節症、関節症、ライター病、乾癬性関節症、潰瘍性丘関節症、腸性滑膜炎、クラミジア、エルジニアおよびサルモネラに関連する関節症、アテローム性疾患/動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水泡性疾患、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA疾患、自己免疫性溶血性貧血、クーン陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、末梢血管障害、腹膜炎、悪性貧血、筋肉痛脳炎/ロイヤルフリー病、慢性粘膜皮膚カンジダ症、巨細胞性動脈炎、原発性硬化性肝炎、原因不明の自己免疫性肝炎、後天性免疫不全疾患症候群、後天性免疫不全に関連する疾病、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、ヒス束不整脈、HIV乾癬/HIV神経障害、分類不能型免疫不全(分類不能型低ガンマグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性の不妊症、卵巣不全、早発性卵巣不全、線維性肺疾患、慢性創傷治癒、原因不明の線維化肺胞炎、ポスト炎症性間隙性肺疾患、間隙性肺炎、ニューモシスティス・カリニ肺炎、肺炎、結合組織病に伴う間隙性肺疾患、混合結合組織病に伴う肺疾患、全身性硬化症に伴う間隙性肺疾患、関節リウマチに伴う間隙性肺疾患、全身性エリテマトーデスに伴う肺疾患、皮膚筋炎/多発性筋炎に伴う肺疾患、シェーグレン病に伴う肺疾患、強直性脊椎炎に伴う肺疾患、脈管性びまん性肺疾患、ヘモジデリン沈着症に伴う肺疾患、薬物誘発性の間隙性肺疾患、放射線線維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤性肺疾患、感染後間隙性肺疾患、通風性関節炎、自己免疫性肝炎、1型自己免疫性肝炎(古典的な自己免疫性またはルポイド肝炎)、2型自己免疫性肝炎(抗LKM抗体肝炎)、自己免疫媒介型低血糖症、黒色表皮症を伴うB型インスリン抵抗性、上皮小体低下症、臓器移植に伴う急性免疫疾患、臓器移植に伴う慢性免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、1型乾癬、2型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、腎疾患NOS、糸球体腎炎、腎臓の顕微鏡的脈管炎、ライム病、ジスコイドエリテマトーデス、特発性またはNOSの男性不妊症、精子自己免疫、多発性硬化症(全てのサブタイプ)、交感性眼炎、結合組織疾患に続発する肺高血症、急性および慢性疼痛(各種形態の疼痛)、グッドパスチャー症候群、結節性多発性動脈炎の肺発現、急性リウマチ熱、リウマチ様脊椎炎、スティル病、全身性硬化症、シェーグレン症候群、高安病/動脈炎、自己免疫性血小板減少症、毒性、移植、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状疾患、甲状腺機能亢進、甲状腺腫自己免疫性甲状腺機能亢進(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性脈管炎、白斑、急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘発肝臓損傷、胆汁鬱帯、特異体質性肝臓疾患、薬物誘発肝炎、非アルコール性脂肪肝炎、アレルギーおよび喘息、B群溶連菌感染、精神障害(例:抑鬱および統合失調症)、Th2型およびTh1型介在疾患、ならびに例えば、ヒトでの糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性による脈絡膜新血管形成および幼児性血管腫などの不適切な血管形成が関与する疾患[さらにそのような化合物は、例えば、黄斑の浮腫、脳の浮腫、急性肺傷害および成人呼吸窮迫症候群を含む、腹水症、遊出および滲出などの障害、再狭窄などの増殖障害;肝硬変およびアテローム性動脈硬化などの線維性障害;糖尿病性腎症、悪性の腎硬化症、腎硬化症、血栓性細小血管症症候群および腎糸球体症などのメサンギウム細胞の増殖性障害;心筋血管形成、冠状動脈および脳の側副枝、虚血性四肢血管形成、虚血/再潅流傷害、消化性潰瘍、ヘリコバクター関連疾患、ウイルス誘導の血管形成性障害、子癇前症、月経性子宮出血、ネコひっかき熱、ルベオーシス、血管新生緑内障および網膜障害(例えば、糖尿病網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性に関連する網膜障害など)、急性特発性多発性神経炎、臓器移植関連の急性もしくは慢性免疫疾患、急性炎症性脱髄性多発神経障害、急性虚血、成人スティル病、アレルギー、アナフィラキシー、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫性皮膚炎、自己免疫性糖尿病、ストレプトコッカス感染関連の自己免疫障害、自己免疫性腸疾患、自己免疫性肝炎、自己免疫性聴覚損失、自己免疫性リンパ球増殖性症候群、自己免疫性心筋炎、自己免疫性好中球減少、自己免疫性早期閉経、自己免疫性血小板減少症、自己免疫性ブドウ膜炎、ベーチェット病、眼瞼炎、気管支拡張症、類天疱瘡、重篤な抗リン脂質症候群、セリアック病、頸部脊椎症、慢性虚血、瘢痕性類天疱瘡、多発性硬化症のリスクを有する臨床分離症候群、幼児期発症精神疾患、涙嚢炎、皮膚筋炎、椎間板ヘルニア、椎間板脱出、薬剤誘発免疫溶血性貧血、眼内炎、上強膜炎、多形性紅斑、主要(major)多形性紅斑、妊娠類天疱瘡、ギラン・バレー症候群、心不全、ヒューズ症候群、特発性パーキンソン病、特発性間質性肺炎、IgE介在アレルギー、免疫性
溶血性貧血、封入体筋炎、感染性眼球炎症性疾患、炎症性脱髄疾患、炎症性心疾患、炎症性腎臓疾患、IPF/UIP、虹彩炎、角膜炎、乾性角結膜炎、クスマウル病もしくはクスマウル−メイヤー病、ランドリー麻痺、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、網状皮斑、顕微鏡的多発性血管炎、ベヒテレフ病、運動ニューロン疾患、粘膜類天疱瘡、原発性進行性多発性硬化症、続発性進行性多発性硬化症、再発寛解型多発性硬化症、多臓器不全、骨髄異形成症候群、神経根障害、神経障害、非A非B肝炎、骨溶解、卵巣癌、小関節性JRA、末梢動脈閉塞疾患(PAOD)、末梢血管疾患(PVD)、末梢動脈障害、静脈炎、多発性軟骨炎、リウマチ性多発性筋痛、白毛症、多関節JRA、多内分泌腺機能低下症候群、多発性筋炎、ポンプ後症候群、原発性パーキンソニズム、前立腺炎、乾癬性関節症、赤芽球癆、原発性副腎不全、ライター病、再発性視神経脊髄炎、リウマチ性心疾患、SAPHO(滑膜炎、座瘡、膿疱症、骨過形成および骨髄炎)、強皮症、続発性アミロイドーシス、ショック肺、坐骨神経痛、続発性副腎機能低下症、敗血症性関節炎、血清陰性関節症、シリコーン関連結合組織病、スネドン−ウィルキンソン皮膚疾患、強直性脊椎炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、全身性炎症反応症候群、側頭動脈炎、トキソプラズマ網膜炎、中毒性表皮剥離症、TRAPS(腫瘍壊死因子受容体)、I型アレルギー反応、II型糖尿病、蕁麻疹、通常型間質性肺炎、春季カタル、ウィルス性網膜炎、フォークト・小柳・原田症候群(VKH症候群)および滲出型黄斑変性の治療において有用となり得る。]からなる群から選択される、治療上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の生理的に許容される塩を投与する段階を有する、患者における状態の治療方法。
【請求項19】
前記状態が関節リウマチ、骨関節炎、喘息および多発性硬化症からなる群から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
下記式(I)の化合物および製薬上許容される担体もしくは賦形剤を含む医薬組成物。
【化2】

[式中、
は、Hまたは置換されていても良い(C−C)アルキルであり;
は、−(CH−アリール、−CH(CH)−アリール、−(CH−アリール−アリール、−(CH−アリール−ヘテロアリール、−(CH−(C−C)シクロアルキル、−(CH−ヘテロアリール、−(CH−複素環および−(C−C)シクロアルキル−アリールからなる置換されていても良い群から選択され;または
およびRが窒素とともに、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリル、デカヒドロイソキノリニル、置換されていても良いピペリジニルまたは置換されていても良いピロリジニルを形成しており;
Yは、5,6,7,8−テトラヒドロ[1,6]ナフチリジニル、−NH−(CH−複素環(NHがカルボニルに結合している)および−複素環−アリール(複素環がカルボニルに結合している)からなる置換されていても良い群から選択され;
nは0、1または2である。]

【公表番号】特表2010−540527(P2010−540527A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526951(P2010−526951)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/011146
【国際公開番号】WO2009/042193
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】