ゲートによるジャンクションリーク電流を使用してフラッシュメモリをプログラミングする技術
メモリ素子をプログラムする方法と、ゲートによる接合リーク電流を利用してプログラムされたメモリ素子を提供する。本素子は、基板上のフローティングゲートと、基板内の活性領域と、フローティングゲートに隣接する第2ゲートを少なくとも含むことができる。本方法は、第1ゲートにバイアスをか印加することによってフローティングゲートの下の基板内に反転領域を生成する工程と、第2ゲートの付近に臨界電界を生成する工程を含むことができる。臨界電界を生成する工程は、活性領域に第1ポジティブバイアスを印加する工程と、第2ゲートに第1ポジティブバイアスより小さいバイアスを印加する工程を含むことができる。本素子は、活性領域に印加されるゼロボルトより大きい第1バイアスと、第2ゲートに印加される第1バイアスより大きい第2バイアスをさらに含む。第1バイアスと第3バイアスは、フローティングゲートと選択ゲートの間において基板内にリーク電流を生成するために選択される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶素子のためのプログラミング技術に関する。特に、不揮発性半導体メモリデバイスをプログラムすることに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーフォン、ディジタルカメラ、個人用ディジタル情報処理端末、モバイルコンピュータ装置、非モバイルコンピュータ装置、及びその他の装置を含む多くの用途のために不揮発性半導体メモリが普及している。EEPROM及びフラッシュメモリは、最も普及している不揮発性半導体メモリタイプである。
【0003】
EEPROMとフラッシュメモリは、記憶素子のアレイを利用する。素子毎に一又は複数のビットのデータが記憶される。通常、各素子は、チャネル領域と半導体基板の双方の上に配置されるとともに、それらから絶縁されているフローティングゲートを含む。フローティングゲートは、ソース領域とドレイン領域の間に配置される。制御ゲートは、フローティングゲート上に設けることができるとともに、フローティングゲートから絶縁することができる。
各メモリトランジスタの閾電圧は、フローティングゲート上の残留電荷量によって制御される。即ち、ソースとドレインの間を導通させるためにトランジスタがターンオンされる前に、制御ゲートに印加されなければならない最小電圧値は、フローティングゲートの電荷レベルによって制御される。多くのEEPROMやフラッシュメモリは、2つの範囲の電荷を蓄積するために使用されるフローティングゲートを有する。この場合、メモリセルは、2つの状態の間でプログラム/消去される。このメモリセルは、1ビットのデータを記憶する。他のEEPROMやフラッシュメモリセルは、複数の範囲の電荷を蓄積する。この場合、メモリセルは、複数の状態にプログラムされることができる。このメモリセルは、複数のビットのデータを記憶する。
【0004】
記憶素子をプログラム又は消去するためにフローティングゲートにエレクトロン又はホールを供給する処理は、多様な物理メカニズムを利用することによって実施されている。一般的に実施可能ないくつかのメカニズムは、薄い酸化膜を通過するファウラー・ノルドハイムトンネル現象(Fowler−Nordheim;F−N)、チャネルホットエレクトロン注入(channel hot−Electron;CHE)、ソース側注入(source side injection;SSI)を含む。
ファウラー・ノルドハイムトンネル現象は、酸化膜を通過してフローティングゲートに到達するエレクトロンの量子力学的なトンネル現象に基づく、電界アシストのエレクトロントンネル現象メカニズムである。ホットキャリヤとソース側注入は、基板とフローティングゲートの間の酸化膜のエネルギーバリアを超える大きな電界によって、エネルギーキャリヤを注入することに基づく。
【0005】
通常、ファウラー・ノルドハイムトンネル現象は、エレクトロンがシリコンからSiO2を越えてフローティングゲート中にトンネルできるように、シリコン/SiO2のエネルギーバリアを越えるために10MV/CM程度の電界を必要とする。
【0006】
ホットキャリヤ注入は、ホットエレクトロンを生成するために、大きなドレインバイアスを使用する。このような大きなドレインバイアスを使用する場合、MOSトランジスタのチャネルを流れるキャリヤがチャネルの大きな電界によって熱せられ、そのエネルギー分布はより高いところにシフトする。チャネル領域におけるインパクトイオン化(impact−ionization)によって、キャリヤは、基板とフローティングゲートの間のバリアを乗り越えることができる十分なエネルギーを得る。チャネルのホットエレクトロン注入の不利な点は、その高電力消費である。この結果、適度な電圧で大きな注入電界を達成するために薄い酸化膜が使用されている。
【0007】
ソース側注入(SSI)は、ホットキャリヤ注入よりも低電力な代替案として提案されている。この方法では、ソース領域とドレイン領域の間のチャネルは、異なるゲートによって制御される2つの領域に分割される。チャネルの一方側(ソース側)では、ホットエレクトロンを最大に生成できる状態にゲートにバイアスがかけられる(例えばチャネルの閾電圧に近い)。チャネルの他方側(ドレイン側)では、フローティングゲートに対するホットエレクトロン注入に好ましい垂直電界を確立するために、ゲートにドレイン電圧以上のバイアスがかけられる。その結果、ドレイン電位は、反転層によって両ゲート間の領域に広がる。反転層は、フローティングゲートの下(場合によってはソース側ゲートの下)に生成される。ソース領域と反転領域の間の有効なトランジスタチャネルは、ソース側のゲートの下の領域によって生成される。有効なチャネルと反転領域の間のピークのある水平電界内においてソースによってエレクトロンが加速され、ホットエレクトロンが生成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
不揮発性メモリデバイスに対して低電力及び低電流のプログラミングの利用を許容するメカニズムが一般的に望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、概述すると、ゲートによるジャンクションリーク電流を使用して記憶素子をプログラムする方法に関する。この素子は、基板上の第1ゲートと、基板内の活性領域と、第1ゲートに隣接する第2ゲートを少なくとも含むことができる。この態様の方法は、第1ゲートにバイアスを印加することによって第1ゲートの下であって基板内に反転領域を生成する工程と、反転領域のジャンクションにエレクトロン−ホールの対を生成するのに十分な臨界電解を第2ゲートの付近に生成する工程を含むことができる。
【0010】
さらに、第2ゲートの付近に臨界電界を生成する工程は、活性領域に第1ポジティブバイアスを印加する工程と、第2ゲートに第1ポジティブバイアスより小さいバイアスを印加する工程を含むことができる。
【0011】
別の態様では、第1ポジティブバイアスより小さいバイアスを印加する工程は、ゼロボルト以下のバイアスを印加する工程を含むことができる。また、第1ポジティブバイアスを印加する工程は、3ボルトより大きいバイアスを印加する工程を含むことができる。
【0012】
別の態様では、本発明は、実質的に第2不純物タイプを有する基板内に形成されているとともに第1不純物タイプを有する活性領域を含む記憶素子を備えることができる。この素子は、基板上のフローティングゲートと、基板上のフローティングゲートに隣接して配置されている選択ゲートを含む。この素子は、活性領域に印加される「3ボルトより大きい第1バイアス」と、フローティングゲートに印加される「第1バイアスより大きい第2バイアス」と、選択ゲートに印加される「ゼロ以下の第3バイアス」をさらに含んでいる。第1バイアスと第2バイアスは、フローティングゲートと選択ゲートの間において基板内にリーク電流を生成するために選択されている。
【0013】
別の態様では、第1ポジティブバイアスは3ボルトより大きくてもよく、第2バイアスは8ボルトより大きくてもよい。
【0014】
別の態様では、活性領域のバイアスは、第1ゲートのバイアスより大きく、第1ゲートの下であって基板内に空乏領域を生成する。
【0015】
さらに別の態様では、本発明は、基板に設けられている少なくとも1つのメモリ素子をプログラムする方法を含む。この素子は、フローティングゲートと、フローティングゲートに水平方向に隣接して配置されている選択ゲートと、活性領域を少なくとも含む。本方法は、活性領域に第1ポジティブバイアスを印加する工程と、選択ゲートにゼロ以下の第2バイアスを印加する工程と、フローティングゲートに第1バイアスより大きい第3バイアスを印加する工程を含む。
【0016】
別の態様では、第2バイアスを印加する工程は、0から−3ボルトの範囲のバイアスを印加することを含む。第1ポジティブバイアスを印加する工程は、3ボルトより大きいバイアスを印加することを含む。第3バイアスを印加する工程は、8ボルト以上のバイアスを印加することを含む。
【0017】
別の実施態様では、本発明は装置を含む。この装置は、記憶素子を含む。この素子は、基板上の第1ゲートと、基板内の活性領域と、第1ゲートに隣接している第2ゲートを含む。第1ゲートにバイアスを印加することによって第1ゲートの下であって基板内に反転領域を生成する手段と、第2ゲートの付近に臨界電界を生成する手段も設けられる。
【0018】
さらに別の実施態様では、本発明は記憶素子である。この素子は、実質的に第2不純物タイプを有する基板内に形成されているとともに第1不純物タイプを有する活性領域と、電荷蓄積誘電体と、基板上のフローティングゲートに隣接して配置されている選択ゲートを含む。この記憶素子では、活性領域にゼロボルトより大きい第1バイアスが印加され、フローティングゲートに第1バイアスより大きい第2バイアスが印加され、選択ゲートにゼロ以下の第3バイアスが印加される。第1バイアスと第3バイアスは、フローティングゲートと選択ゲートの間において基板内にリーク電流を生成するために選択されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の具体的な実施形態を説明する。本発明の他の目的、特徴、及び利点は、本明細書及び添付図面を参照することによって明白になる。
【0020】
図1は、本発明の原理を例示する理想的な不揮発性メモリセルの断面図である。図1は、基本的なセルの簡略化されたものを示しており、本発明をより明確にするために詳細が省略されていることに留意するべきである。例えば、基板とゲート要素は、セルに実際に存在する誘電体及び接続層の詳細がほぼ省略された状態で描写されている。しかしながら、適切な誘電体及び接続層が、本構造に含まれるべきことに留意するべきである。
【0021】
図1は、例えばp型不純物のような第1不純物タイプのバックグラウンドドーピング濃度を有する基板10を示す。基板10は、バルク基板(bulk substrate)であってもよいし、バルク基板内に形成されている不純物ウェルであってもよい。また、本発明は、一般的には、p型基板又はpウェルに形成されている装置に関するが、ここで開示される不純物濃度タイプは、そのタイプが逆であってもよい。p型として開示される領域がn型であってもよく、その逆でもよい。
【0022】
1つの実施態様では、基板10又はウェルの不純物濃度は、例えばホウ素が1016〜1018atm/cm3程度である。活性領域20は、基板10内に設けられており、第2不純物タイプを含むことができる。第2不純物タイプは、例えば、約1018〜1020atm/cm3の範囲の不純物濃度を有するヒ素又はリンがドープされたn型不純物領域である。フローティングゲートFGは、基板10の表面上に設けられている。このフローティングゲートFGは、フローティングゲート酸化膜25によって基板10から分離されている。また、選択ゲート酸化膜30によって基板10から分離されている選択ゲートSGが設けられている。
【0023】
上記の構造のゲートは、ポリシリコン材料を堆積することによって形成されることが好ましい。しかしながら、1つ又は複数のポリシリコン層の代わりに他の適当な導電材料を使用してもよい。
【0024】
図1のメモリ構造をプログラムするために必要な一般的なバイアス条件も、図1に示されている。バイアス条件は、活性領域20に印加されるゼロより大きい電圧と、選択ゲートSGに印加されるゼロ以下の電圧と、フローティングゲートFGに印加される「活性領域に印加されるものより大きい電圧」を含む。全ての電圧は、基板に印加されるゼロボルトに対するものである。これらのバイアス条件では、フローティングゲートFGの下に反転領域40が形成される。反転領域40は、活性領域20と同じ電位である。従って、選択ゲートSGに隣接する基板内領域に広がる仮想ジャンクションが形成される。
一般的に、p型領域との関係でn型領域20にポジティブバイアスが印加されることは、p−nジャンクションに逆バイアスが印加されることになる。このとき、選択ゲート領域は、逆バイアス電界を高めるために低電圧(あるいは負電圧)になっている。選択ゲートから反転領域までの電界が十分に大きい場合、ゲートによるジャンクションリーク電流が仮想ジャンクションで開始される。このバイアス条件は、活性領域20に向かう方向のエレクトロン(図では「e−」で表わされている)の流れをもたらす。通常、エレクトロンは、活性領域20に引き寄せられる。しかしながら、ゼロより大幅に大きな電圧がフローティングゲートFGに印加されると、反転領域40のエレクトロンの何パーセントかはフローティングゲートFGに引き寄せられる。
【0025】
一般的に、図1のバイアス条件は、ゲートによるジャンクションリーク電流として知られている公知の条件を促進する。近くのゲートから印加される高電界が、逆バイアスジャンクションをそのゲートの近くの位置でリークさせる場合に、この条件が発生する。この方法は、エレクトロンの生成がソース側活性領域とドレイン側活性領域の間でソースキャリヤの水平方向高電界加速によってもたらされるのではなく、基板と反転領域の間に臨界電界を生成するバイアス条件で動作する選択ゲートSGによるリークによってもたらされる点で、SSIと区別される。本発明のエレクトロンの生成は、臨界電界によって生成されたエレクトロン−ホールの対の形成によってもたらされる。図1の構造は、図3と図4のグラフに例示されるデータを得るためのシミュレーション測定を実施する際に利用された。
【0026】
図2は、制御ゲートCGを使用するメモリ構造の一実施態様の断面図を示す。制御ゲートCGは、制御ゲート酸化膜35によってフローティングゲートFGから分離されている。図2は、共通選択ゲートSGと第2フローティングゲートFG’と第2制御ゲートCG’と活性領域20を使用する第2メモリ構造を示す。活性領域20と制御ゲートCGと選択ゲートSGのそれぞれに印加されるバイアス条件が例示されている。図2に示される2つのメモリ素子のそれぞれは、別々にプログラムすることができる。図2に例示される条件によってフローティングゲートFGの素子をプログラムするために、活性領域20に3〜7.5(v)のバイアスが印加され、制御ゲートCGに8〜15(v)のバイアスが印加され、選択ゲートSGに−3〜0(v)のバイアスが印加される。
【0027】
図3は、シノプシス社(Synopsis,Inc.)のTaurus−Mediciデバイスシミュレーションツールによって提供されるシミュレーションである。図3は、図1のものと同様の装置の断面の一部を示す。このシミュレーションでは、ドレイン電位は7.5(v)に設定され、フローティングゲート電位は6(v)に設定され、選択ゲートは−3(v)に設定された。これらの条件は、エレクトロン−ホールの生成が発生している2つの領域100,102を創出する。領域100には、各領域で生成された対の数が対数的に増加する領域42,44,46を例示する。領域102は、領域42に近似するホール生成率を有する。このシミュレーションによって示されるように、大多数のキャリヤは、反転層と選択ゲートの間の高電界が印加される領域において生成される。図3では反転層は示されない。SSIとは対照的に、エレクトロン−ホール対の生成は、ソース側活性領域からではなくFGとSGの間の領域で起こり、これによりプログラミング電流のソースを提供する。
【0028】
図4は、ドレイン電流(Idrain)とドレイン電圧(Vdrain)のプロットを示す。いくつかの選択ゲート電圧(Vsg)の場合が示されている。フローティングゲート電圧は一定である。プロット60は、3(v)のVsgに対応する。プロット62は、0(v)のVsgに対応する。プロット64は、−3(v)のVsgに対応する。図に示されるように、選択ゲートバイアスが負になるにつれて、ドレイン電流は実質的に増加する。選択ゲートバイアスを制御することによって、このプログラミング技術の速度を増加させることができる。
【0029】
図5は、ドレイン電流とドレイン電圧のI−V曲線である。図5は、図2に示すようなセルに11(v)の制御ゲート電圧と、0(v)のVsgの選択ゲート電圧によって、バイアスがかけられた場合を示す。図に示されるように、ドレイン電流は、低いドレイン電圧レベルにおいても発生し、このバイアス条件では約5.3(v)でピークに達する。フローティングゲートがエレクトロンによってプログラムされるようになったために、I−V曲線がピークに達する。
【0030】
図6は、プログラミングタイムの2つのプロットを示す。符号68の線は、6.5(v)のドレインバイアスと、11(v)の制御ゲートバイアスと、−2(v)の選択ゲート電圧に対応する。符号79の線は、上記の条件において選択ゲート電圧が0(v)の場合に対応する。図に示されるように、選択ゲートの電圧が負になると、セル閾電圧の増加が加速する。
【0031】
フローティングゲート(制御ゲートを介する)と選択ゲートとドレインに関するバイアス制御のパラメータを使用することによって、本発明のプログラミング方法を最適化することができる。
【0032】
本発明の方法を最適化するために、他の要素を変化させてもよい。例えば、基板10と活性領域20のドーピング濃度は、本構造のバイアス電流の生成に影響を及ぼす。n型領域としての領域20のドーピング濃度は、ヒ素又はリンのようなn型不純物が1017〜1020atm/cm3程度でもよい。基板10のためのドーピング濃度は、フローティングゲートFGと選択ゲートSGの下に注入される領域に対して、ホウ素のような不純物が約1016〜1018atm/cm3程度でもよい。p型領域のドーピング濃度が高いと、エレクトロン−ホールの対の生成を増加させる。従って、領域100において、ゲートによる電流が増加する。
別の要素としては、選択ゲート酸化膜30とフローティングゲート酸化膜25の厚さの変化が挙げられる。通常、フローティングゲート酸化膜25の酸化膜厚さは、所与のセルに対するデータ保持特性によって支配される。一実施態様では、フローティングゲート酸化膜25の酸化膜厚さは、約80〜90オングストロームの範囲でよいが、アプリケーションによってはさらに厚くても薄くてもよい。選択ゲート酸化膜30は、フローティングゲート酸化膜と異なる厚さであってもよく、約20〜200オングストロームの範囲でもよい。選択ゲートの酸化膜が薄いと、基板における電界強度を増加させ、対の生成を増加させる。
電圧条件は、以下の範囲、即ち、選択ゲートSGに対して0〜−3(v)の範囲、制御ゲートCGに対して7〜15(v)の範囲、及び、活性領域20に対して3〜7.5(v)の範囲で印加することができる。
【0033】
本発明のプログラミング技術は、任意の数のアレイ構造タイプに利用することができることに留意しなければならないが、図7A〜図9Bに3つのセル構造を例示する。
【0034】
図7Aは、図7Bの断面図である。図7Bは、本発明のプログラミング技術を利用する第1のセルアレイの平面図を例示する。図に示されるように、セル構造は、基板又はpウェル領域140に形成された多くのトランジスタ(セル、メモリセル、又は記憶素子とも呼ばれる)を含む。
各メモリ素子は、制御ゲート(100CG、102CG、106CG、108CG)と、フローティングゲート(100FG、102FG、106FG、108FG)を有する積層ゲート構造を含んでいる。フローティングゲートは、pウェルの表面上のフローティングゲート酸化膜125a〜125dの上に形成されている。N型拡散層120,130は、近隣セル間で共有されている。これらのn型拡散層は、各セルのソース又はドレイン領域を有する。
図7Aは3つのメモリセルのみを示しているが、3つのセルの利用は単なる例であることに留意すべきである。各セルは、選択ゲート(104SG、110SG)も含む。例えば、メモリセル102は、制御ゲート102CGと、フローティングゲート102FGと、活性領域120と、選択ゲート104SGを含んでいる。メモリセル104は、選択ゲート104SGと、制御ゲート106CGと、フローティングゲート106FGと。活性領域130を含んでいる。メモリセル106は、活性領域130と、制御ゲート108CGと、フローティングゲート108FGと、選択ゲート110SGを含んでいる。メモリセル102,104,106の選択ゲート104SG,110SGは、ワード線150の中に形成される。
【0035】
セル102のためのプログラミングは、選択ゲート104SGと活性領域120と制御ゲート102CGによって制御される。同様に、セル104のためのプログラミング制御は、選択ゲート104SGと制御ゲート106CGと活性領域130によって行われる。
【0036】
図8Aと図8Bは、本発明のセルを使用する選択肢であるNANDストリングを示す。図に示されるように、一群のNANDゲートは、フローティングゲート群と選択ゲート群と制御ゲート群を含んでいる。セル構造は、基板又はpウェル領域140の上に形成されている多くのトランジスタ(セル、メモリセル、又は記憶素子とも呼ばれる)を含んでいる。
各メモリ素子は、制御ゲート(202CG,206CG,210CG,214CG,222CG)とフローティングゲート(202FG,206FG,210FG,214FG,222FG)を有する積層ゲート構造を含んでいる。フローティングゲートは、pウェルの表面上のフローティングゲート酸化膜225a〜225eの上に形成されている。選択ゲート204SG,208SG,212SG,220SGは、選択ゲート酸化膜230a〜230dの上に形成されている。N型拡散層128,126は、セル間で共有されている。
図8Aは3つのメモリセルのみを示しているが、3つのセルの使用は単なる例であることに留意すべきである。先のNAND構造は個々のメモリ素子間に導電性を与えるために拡散領域を使用する。しかしながら、本構造は、反転領域を生成するために選択ゲートに印加されるバイアスを使用することによって、拡散領域の使用を不要にする。
【0037】
例えばセル202をプログラムするために、制御ゲート202CGとフローティングゲート202FGと選択ゲート204SGと活性領域128に、本明細書によって教示されるバイアスを印加することができる。例えばセル206をプログラムするために、制御ゲート206CGと選択ゲート208SGと活性領域128に、本明細書によって教示されるバイアスを印加することができる。フローティングゲート206FGの下に形成されている反転領域と活性領域128を電気的に接続するチャネル領域を生成するために、制御ゲート202CGと選択ゲート204SGにバイアスが印加されなければならない。セル220をプログラムするために、制御ゲート222CGと選択ゲート220SGと活性領域126に、本明細書で教示されるバイアスを印加することができる。フローティングゲート202FG,206FG,210FG,214FGのそれぞれを本明細書に開示される技術によってプログラムするために、活性領域126,128と選択ゲートと制御ゲートとフローティングゲートの組合せが利用される。
【0038】
図7又は図8の実施態様の構造を作成するのに適切なプロセスを概略的に説明する。本発明の方法を使用するのに適切なメモリ構造を作成するにあたり、いくつかの適切なプロセスを利用することができることに留意するべきである。
一例では、例えばP型基板、又は、N型基板内のP型ウェル領域を有する基板が供給される。N+ソース領域とドレイン領域が形成されるべき領域を露出させるために、適切なマスキング層がパターン形成される。次に、例えば本明細書で示された範囲内の濃度までヒ素をイオン注入することによって、N+ソース領域とドレイン領域が形成される。あるいは、ソース領域とドレイン領域は、1つ又は複数の多結晶シリコン層が形成された後に従来の方式で形成される。マスキング層が除去される。フローティングゲート及び/又は選択ゲートによって形成されるチャネル領域に重なる第1ゲート酸化膜層が上記の厚さで形成される。異なるチャネルに異なる厚さの酸化膜が必要な場合、酸化膜形成は、異なる厚さを形成するための異なる工程において実行される。または、差分酸化膜成長(differential oxide growth)等の技術によって実行される。さらに、酸化膜成長をチャネル領域に限定することを保証するために、マスキング工程を使用することもできる。
第1多結晶シリコン層は、ウェーハ上に形成され、フローティングゲート領域を形成するためにパターン化される。第1多結晶シリコン層の形成に続いて、酸化膜層又は酸化/窒化誘電体層が、多結晶シリコン層の残りの部分の上に形成される。制御ゲートのための第2多結晶シリコン層と選択ゲートが形成され、所望の導電率にドープされる。次に、第2多結晶シリコン層が、(図7B又は図8Bの方位で)垂直に帯状にパターン化される。第1シリコン層の水平方向範囲がこれに先立って画定されなかった場合、このパターン工程は、第2多結晶シリコン層のパターン化と同時に、第1多結晶シリコン層がパターン化されるべき領域における第1多結晶シリコン層と第2多結晶シリコン層の間の誘電体層を除去するためにも使用される。
図7の実施態様では、第1層のパターン化に続いて、予め形成されていない場合は追加の誘電体層をウェーハ上に形成する。選択ゲートとシリコン基板の間にゲート誘電体が形成される。ゲート誘電体は、第3多結晶シリコン層が選択ゲートを形成するべきところに形成される。次いで、第3多結晶シリコン層が形成されて、適切な導電率までドープされる。第3多結晶シリコン層は、図7Bに示すように水平方向にパターン化される。
【0039】
図9Aと図9Bは、本発明のさらに別の実施態様を示す。図9Aと9Bの実施態様では、セルに制御ゲートが使用されておらず、フローティングゲートの下に空乏を形成することによって動作する。
【0040】
図9Bは、本発明の別のプログラミング技術を利用する第1の例示的なセルアレイの平面図を示す。図9Aは、図9Bの断面図である。図に示されるように、セル構造は、基板又はpウェル領域340の上に形成されている多くのトランジスタを含んでいる。
各メモリ素子302,304は、フローティングゲート(302FG,306FG)と選択ゲート(302SG,306SG)を有するゲート構造を含んでいる。フローティングゲートは、pウェルの表面上のフローティングゲート酸化膜325a〜325bの上に形成されている。前の実施態様と異なり、制御ゲートは設けられていない。ワード線308は、注入されたソース拡散領域345に接続されている。ソース拡散領域345は、ビア(via)又は他の適切な手段を介して隣接するセル間で共有される。拡散層320,330は、各セルのためのソース領域又はドレイン領域を有している。従って、例えばメモリセル302は、選択ゲート302SGと、フローティングゲート302FGと、活性領域320と、活性領域345を含んでいる。メモリセル304は、選択ゲート306SGと、フローティングゲート306FGと、活性領域330,345を含んでいる。
【0041】
セル302のためにプログラミングは、選択ゲート302SGと活性領域345によって制御される。同様に、セル304のためのプログラム制御は、選択ゲート306SGと活性領域345によって行われる。この実施態様では、図9Aのセル302に印加される電圧は、フローティングゲート302FGの下に空乏領域を生成するように選択される。1つの実施態様では、選択ゲート(302SG)に印加される電圧は約0〜−3(V)であり、拡散領域345(ソース)に印加される電圧は約5〜8(V)である。
【0042】
これらの条件によると、空乏領域336が、フローティングゲート302FGの下に形成される。拡散領域345に上記バイアスが与えられると、トランジスタは、ピンチオフされたトランジスタと同様に動作する。空乏領域は、選択ゲート302SGと拡散領域345の間に臨界電界によって形成される。エレクトロンは、拡散領域345に向かって流れ、フローティングゲート302FG内に流入する。
【0043】
本発明のプログラム技術は、さらに別の実施態様のセルで使用することができる。図10A〜10Cは、チャージトラッピング誘電体(charge trapping dielectric)の少なくとも一領域に電荷が蓄積されるセルが利用されている実施態様を示す。チャージトラッピング誘電体は、導電性ゲートと基板の間に配置されている。これらのメモリセルの例は、1ビットのデータが各電荷領域に記憶される2値モード、又は、2ビット以上のデータが各領域に記憶される多値モードで動作することができる。このタイプの記憶装置は、「Multi−State Non−Volatile Integrated Circuit Memory Systems That Employ Dielectric Storage Elements」というタイトルを持つ米国特許出願公開US2003/0080370号明細書に開示されている。この明細書の内容は、本明細書に組み込まれる。
【0044】
上記の図1〜図9Bを参照して述べた本プログラム方法は、図10A〜図10Cに示されるメモリセルをプログラムするために利用することができる。
【0045】
図10Bは、2次元配列のセル群の中のいくつかのセル412,422の平面図を例示する。図10Aは、図10BのA−A線断面図を示す。細長く平行に伸びているソース及びドレイン拡散領域410,420,430は、半導体基板(またはウェル)400の表面405の下に設けられており、y方向に伸びる長さを有するとともにx方向に離れて配置されている。電荷蓄積材料を含んでいる誘電体層440は、基板表面上に形成されている。細長く平行に伸びている導電性制御ゲート400CG,410G,420CGは、基板400の表面405上に形成されており、y方向に伸びる長さを有するとともにx方向に離れて配置されている。これらのゲートは、通常のようにドープされたポリシリコン材料によって形成することができ、それぞれが拡散領域410,420,430に隣接して配置されている。アレイのワード線を構成する別の一組の選択ゲート400SG,410SG,420SGは、x方向に伸びているとともにy方向に離れて配置されている。
【0046】
図10Cは、セル412の拡大図である。この構造の電荷蓄積素子は、ソース拡散領域とドレイン拡散領域410,420の間の誘電体層440の領域であり、制御ゲート410CGと基板400の間に挟まれている。これらの記憶素子領域471,473は、図10Cにおいてクロスハッチングによって示されている。チャージトラッピング材料は、操作可能なメモリセルを形成するために上記の領域にのみ配置されるべきである。しかしながら、本構造の他の好都合な任意の部分(メモリセルアレイ全体を含む)まで広げることができる。
【0047】
1つの実施態様では、単一の電荷蓄積領域471が設けられてもよい。ワード線400SGは、チャネルの長さのほぼ左半分の上方に存在する。制御ゲート410CGは、他方の上方に存在する。電荷蓄積誘電体440は、基板400とこれらのゲートの間に挟まれている。
図1〜図9Bに例示されるプログラミングのプログラム電圧をワード線400SGと拡散領域420と制御ゲート410CGに印加することによって、電荷蓄積領域471を確立することができる。他の実施態様では、個々のメモリセルのチャネル長さは複数部分に分割することができ、それらは拡散領域410,420の異なる部分に電解結合される。分割されたチャネルの実施態様では、電荷は、層440内において空間的に分離された2つの領域471,473内に蓄積することができる。これらの領域のそれぞれは、個々にプログラムすることができ、他方から独立して読み出すことができる。通常、本発明の方法のプログラミングでは、電荷蓄積領域471はゲート400SGの内縁に隣接して配置され、電荷蓄積領域473はゲート410CGの内縁に隣接して設置される。
【0048】
電荷を蓄積する誘電体は、2つの特定の誘電体の1つであり、2組のゲートの間の電位差を保持するために、250オングストロームの厚さの酸化膜のように比較的厚く構成される。1つのタイプは、酸化物−窒化物−酸化物の層(「ONO」として一般的に知られている)である。エレクトロンは、窒化膜内にトラップされて蓄積される。制御ゲートが形成される導電材料層は、ONO膜上に成膜される。第2の構造は、エレクトロンをトラップして蓄積するために、シリコンリッチな二酸化ケイ素によって構成される層440を使用する。このような材料は、以下の2つの論文、即ち、(1)ディマリア(DiMaria)らの「Electrically−alterable read−only−memory using Si−rich SiO2 injectors and a floating polycrystalline silicon storage layer」,J. Appl. Phys.52(7),July、1981年、4825〜4842頁、(2)ホリ(Hori)らの「A MOSFET with Si−implanted Gate−Si02 Insulator for Nonvolatile Memory Applications」,IEDM 92,April,1992年,469〜472頁、に記載されている。これらの内容は、本明細書に組み込まれる。
【0049】
本発明は、各フローティングゲート上にエレクトロンを提供することについて説明したが、同じ技術を使用してホール注入が達成されることに留意するべきである。本発明は、p基板又はpウェルデバイスについて説明したが、基板は、p型活性領域に対応するnウェルデバイス又はn基板でもよいことに留意するべきである。
【0050】
本発明に関する上記の詳細な説明は、例証と説明を目的として提示されたものである。開示した詳細な形態に本発明を限定する意図はない。上記の教示に鑑みると、多くの改良と変形を可能とする。上記の実施態様は、本発明の原理とその実際のアプリケーションについて最も良く説明するために選択されたものである。これにより、他の当業者が、考案された特定の用途に適合するように、様々な実施態様において様々な改良を加えることによって、本発明を最適に利用することが可能になる。本発明の技術的範囲は、本明細書に添付された請求の範囲によって定義されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に関連するメモリ構造をプログラムするための方法を例示するメモリ構造の断面図を簡単に示す。
【図2】本発明の方法を例示するメモリ構造の第2の断面図を簡単に示す。
【図3】装置シミュレーションツールによって生成された装置(例えば図1の装置)の断面図を示す。エレクトロン−ホールの生成が選択ゲートの付近で発生する領域を示す。
【図4】シミュレーションがなされた装置(例えば図1の装置)におけるドレイン電流とドレイン電圧がプロットされたグラフを示す。いくつかの選択ゲート電圧の場合のグラフを示す。
【図5】記憶素子(例えば図2のもの)のドレインにおける電流/電圧曲線を例示するグラフを示す。活性領域に印加される電圧を変化させた場合のグラフを示す。
【図6】プログラミング時間についての一組のバイアス条件に対して選択ゲート電圧を変化させた効果を示すプロットである。
【図7A−7B】本発明の方法を利用するセルアレイの第1実施態様を例示する。
【図8A−8B】本発明の方法を利用するセルアレイの第2実施態様を例示する。
【図9A−9B】本発明の方法を利用するセルアレイの第3実施態様を例示する。
【図10A−10C】本発明の方法を利用するセルアレイの第4実施態様を例示する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶素子のためのプログラミング技術に関する。特に、不揮発性半導体メモリデバイスをプログラムすることに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーフォン、ディジタルカメラ、個人用ディジタル情報処理端末、モバイルコンピュータ装置、非モバイルコンピュータ装置、及びその他の装置を含む多くの用途のために不揮発性半導体メモリが普及している。EEPROM及びフラッシュメモリは、最も普及している不揮発性半導体メモリタイプである。
【0003】
EEPROMとフラッシュメモリは、記憶素子のアレイを利用する。素子毎に一又は複数のビットのデータが記憶される。通常、各素子は、チャネル領域と半導体基板の双方の上に配置されるとともに、それらから絶縁されているフローティングゲートを含む。フローティングゲートは、ソース領域とドレイン領域の間に配置される。制御ゲートは、フローティングゲート上に設けることができるとともに、フローティングゲートから絶縁することができる。
各メモリトランジスタの閾電圧は、フローティングゲート上の残留電荷量によって制御される。即ち、ソースとドレインの間を導通させるためにトランジスタがターンオンされる前に、制御ゲートに印加されなければならない最小電圧値は、フローティングゲートの電荷レベルによって制御される。多くのEEPROMやフラッシュメモリは、2つの範囲の電荷を蓄積するために使用されるフローティングゲートを有する。この場合、メモリセルは、2つの状態の間でプログラム/消去される。このメモリセルは、1ビットのデータを記憶する。他のEEPROMやフラッシュメモリセルは、複数の範囲の電荷を蓄積する。この場合、メモリセルは、複数の状態にプログラムされることができる。このメモリセルは、複数のビットのデータを記憶する。
【0004】
記憶素子をプログラム又は消去するためにフローティングゲートにエレクトロン又はホールを供給する処理は、多様な物理メカニズムを利用することによって実施されている。一般的に実施可能ないくつかのメカニズムは、薄い酸化膜を通過するファウラー・ノルドハイムトンネル現象(Fowler−Nordheim;F−N)、チャネルホットエレクトロン注入(channel hot−Electron;CHE)、ソース側注入(source side injection;SSI)を含む。
ファウラー・ノルドハイムトンネル現象は、酸化膜を通過してフローティングゲートに到達するエレクトロンの量子力学的なトンネル現象に基づく、電界アシストのエレクトロントンネル現象メカニズムである。ホットキャリヤとソース側注入は、基板とフローティングゲートの間の酸化膜のエネルギーバリアを超える大きな電界によって、エネルギーキャリヤを注入することに基づく。
【0005】
通常、ファウラー・ノルドハイムトンネル現象は、エレクトロンがシリコンからSiO2を越えてフローティングゲート中にトンネルできるように、シリコン/SiO2のエネルギーバリアを越えるために10MV/CM程度の電界を必要とする。
【0006】
ホットキャリヤ注入は、ホットエレクトロンを生成するために、大きなドレインバイアスを使用する。このような大きなドレインバイアスを使用する場合、MOSトランジスタのチャネルを流れるキャリヤがチャネルの大きな電界によって熱せられ、そのエネルギー分布はより高いところにシフトする。チャネル領域におけるインパクトイオン化(impact−ionization)によって、キャリヤは、基板とフローティングゲートの間のバリアを乗り越えることができる十分なエネルギーを得る。チャネルのホットエレクトロン注入の不利な点は、その高電力消費である。この結果、適度な電圧で大きな注入電界を達成するために薄い酸化膜が使用されている。
【0007】
ソース側注入(SSI)は、ホットキャリヤ注入よりも低電力な代替案として提案されている。この方法では、ソース領域とドレイン領域の間のチャネルは、異なるゲートによって制御される2つの領域に分割される。チャネルの一方側(ソース側)では、ホットエレクトロンを最大に生成できる状態にゲートにバイアスがかけられる(例えばチャネルの閾電圧に近い)。チャネルの他方側(ドレイン側)では、フローティングゲートに対するホットエレクトロン注入に好ましい垂直電界を確立するために、ゲートにドレイン電圧以上のバイアスがかけられる。その結果、ドレイン電位は、反転層によって両ゲート間の領域に広がる。反転層は、フローティングゲートの下(場合によってはソース側ゲートの下)に生成される。ソース領域と反転領域の間の有効なトランジスタチャネルは、ソース側のゲートの下の領域によって生成される。有効なチャネルと反転領域の間のピークのある水平電界内においてソースによってエレクトロンが加速され、ホットエレクトロンが生成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
不揮発性メモリデバイスに対して低電力及び低電流のプログラミングの利用を許容するメカニズムが一般的に望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、概述すると、ゲートによるジャンクションリーク電流を使用して記憶素子をプログラムする方法に関する。この素子は、基板上の第1ゲートと、基板内の活性領域と、第1ゲートに隣接する第2ゲートを少なくとも含むことができる。この態様の方法は、第1ゲートにバイアスを印加することによって第1ゲートの下であって基板内に反転領域を生成する工程と、反転領域のジャンクションにエレクトロン−ホールの対を生成するのに十分な臨界電解を第2ゲートの付近に生成する工程を含むことができる。
【0010】
さらに、第2ゲートの付近に臨界電界を生成する工程は、活性領域に第1ポジティブバイアスを印加する工程と、第2ゲートに第1ポジティブバイアスより小さいバイアスを印加する工程を含むことができる。
【0011】
別の態様では、第1ポジティブバイアスより小さいバイアスを印加する工程は、ゼロボルト以下のバイアスを印加する工程を含むことができる。また、第1ポジティブバイアスを印加する工程は、3ボルトより大きいバイアスを印加する工程を含むことができる。
【0012】
別の態様では、本発明は、実質的に第2不純物タイプを有する基板内に形成されているとともに第1不純物タイプを有する活性領域を含む記憶素子を備えることができる。この素子は、基板上のフローティングゲートと、基板上のフローティングゲートに隣接して配置されている選択ゲートを含む。この素子は、活性領域に印加される「3ボルトより大きい第1バイアス」と、フローティングゲートに印加される「第1バイアスより大きい第2バイアス」と、選択ゲートに印加される「ゼロ以下の第3バイアス」をさらに含んでいる。第1バイアスと第2バイアスは、フローティングゲートと選択ゲートの間において基板内にリーク電流を生成するために選択されている。
【0013】
別の態様では、第1ポジティブバイアスは3ボルトより大きくてもよく、第2バイアスは8ボルトより大きくてもよい。
【0014】
別の態様では、活性領域のバイアスは、第1ゲートのバイアスより大きく、第1ゲートの下であって基板内に空乏領域を生成する。
【0015】
さらに別の態様では、本発明は、基板に設けられている少なくとも1つのメモリ素子をプログラムする方法を含む。この素子は、フローティングゲートと、フローティングゲートに水平方向に隣接して配置されている選択ゲートと、活性領域を少なくとも含む。本方法は、活性領域に第1ポジティブバイアスを印加する工程と、選択ゲートにゼロ以下の第2バイアスを印加する工程と、フローティングゲートに第1バイアスより大きい第3バイアスを印加する工程を含む。
【0016】
別の態様では、第2バイアスを印加する工程は、0から−3ボルトの範囲のバイアスを印加することを含む。第1ポジティブバイアスを印加する工程は、3ボルトより大きいバイアスを印加することを含む。第3バイアスを印加する工程は、8ボルト以上のバイアスを印加することを含む。
【0017】
別の実施態様では、本発明は装置を含む。この装置は、記憶素子を含む。この素子は、基板上の第1ゲートと、基板内の活性領域と、第1ゲートに隣接している第2ゲートを含む。第1ゲートにバイアスを印加することによって第1ゲートの下であって基板内に反転領域を生成する手段と、第2ゲートの付近に臨界電界を生成する手段も設けられる。
【0018】
さらに別の実施態様では、本発明は記憶素子である。この素子は、実質的に第2不純物タイプを有する基板内に形成されているとともに第1不純物タイプを有する活性領域と、電荷蓄積誘電体と、基板上のフローティングゲートに隣接して配置されている選択ゲートを含む。この記憶素子では、活性領域にゼロボルトより大きい第1バイアスが印加され、フローティングゲートに第1バイアスより大きい第2バイアスが印加され、選択ゲートにゼロ以下の第3バイアスが印加される。第1バイアスと第3バイアスは、フローティングゲートと選択ゲートの間において基板内にリーク電流を生成するために選択されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の具体的な実施形態を説明する。本発明の他の目的、特徴、及び利点は、本明細書及び添付図面を参照することによって明白になる。
【0020】
図1は、本発明の原理を例示する理想的な不揮発性メモリセルの断面図である。図1は、基本的なセルの簡略化されたものを示しており、本発明をより明確にするために詳細が省略されていることに留意するべきである。例えば、基板とゲート要素は、セルに実際に存在する誘電体及び接続層の詳細がほぼ省略された状態で描写されている。しかしながら、適切な誘電体及び接続層が、本構造に含まれるべきことに留意するべきである。
【0021】
図1は、例えばp型不純物のような第1不純物タイプのバックグラウンドドーピング濃度を有する基板10を示す。基板10は、バルク基板(bulk substrate)であってもよいし、バルク基板内に形成されている不純物ウェルであってもよい。また、本発明は、一般的には、p型基板又はpウェルに形成されている装置に関するが、ここで開示される不純物濃度タイプは、そのタイプが逆であってもよい。p型として開示される領域がn型であってもよく、その逆でもよい。
【0022】
1つの実施態様では、基板10又はウェルの不純物濃度は、例えばホウ素が1016〜1018atm/cm3程度である。活性領域20は、基板10内に設けられており、第2不純物タイプを含むことができる。第2不純物タイプは、例えば、約1018〜1020atm/cm3の範囲の不純物濃度を有するヒ素又はリンがドープされたn型不純物領域である。フローティングゲートFGは、基板10の表面上に設けられている。このフローティングゲートFGは、フローティングゲート酸化膜25によって基板10から分離されている。また、選択ゲート酸化膜30によって基板10から分離されている選択ゲートSGが設けられている。
【0023】
上記の構造のゲートは、ポリシリコン材料を堆積することによって形成されることが好ましい。しかしながら、1つ又は複数のポリシリコン層の代わりに他の適当な導電材料を使用してもよい。
【0024】
図1のメモリ構造をプログラムするために必要な一般的なバイアス条件も、図1に示されている。バイアス条件は、活性領域20に印加されるゼロより大きい電圧と、選択ゲートSGに印加されるゼロ以下の電圧と、フローティングゲートFGに印加される「活性領域に印加されるものより大きい電圧」を含む。全ての電圧は、基板に印加されるゼロボルトに対するものである。これらのバイアス条件では、フローティングゲートFGの下に反転領域40が形成される。反転領域40は、活性領域20と同じ電位である。従って、選択ゲートSGに隣接する基板内領域に広がる仮想ジャンクションが形成される。
一般的に、p型領域との関係でn型領域20にポジティブバイアスが印加されることは、p−nジャンクションに逆バイアスが印加されることになる。このとき、選択ゲート領域は、逆バイアス電界を高めるために低電圧(あるいは負電圧)になっている。選択ゲートから反転領域までの電界が十分に大きい場合、ゲートによるジャンクションリーク電流が仮想ジャンクションで開始される。このバイアス条件は、活性領域20に向かう方向のエレクトロン(図では「e−」で表わされている)の流れをもたらす。通常、エレクトロンは、活性領域20に引き寄せられる。しかしながら、ゼロより大幅に大きな電圧がフローティングゲートFGに印加されると、反転領域40のエレクトロンの何パーセントかはフローティングゲートFGに引き寄せられる。
【0025】
一般的に、図1のバイアス条件は、ゲートによるジャンクションリーク電流として知られている公知の条件を促進する。近くのゲートから印加される高電界が、逆バイアスジャンクションをそのゲートの近くの位置でリークさせる場合に、この条件が発生する。この方法は、エレクトロンの生成がソース側活性領域とドレイン側活性領域の間でソースキャリヤの水平方向高電界加速によってもたらされるのではなく、基板と反転領域の間に臨界電界を生成するバイアス条件で動作する選択ゲートSGによるリークによってもたらされる点で、SSIと区別される。本発明のエレクトロンの生成は、臨界電界によって生成されたエレクトロン−ホールの対の形成によってもたらされる。図1の構造は、図3と図4のグラフに例示されるデータを得るためのシミュレーション測定を実施する際に利用された。
【0026】
図2は、制御ゲートCGを使用するメモリ構造の一実施態様の断面図を示す。制御ゲートCGは、制御ゲート酸化膜35によってフローティングゲートFGから分離されている。図2は、共通選択ゲートSGと第2フローティングゲートFG’と第2制御ゲートCG’と活性領域20を使用する第2メモリ構造を示す。活性領域20と制御ゲートCGと選択ゲートSGのそれぞれに印加されるバイアス条件が例示されている。図2に示される2つのメモリ素子のそれぞれは、別々にプログラムすることができる。図2に例示される条件によってフローティングゲートFGの素子をプログラムするために、活性領域20に3〜7.5(v)のバイアスが印加され、制御ゲートCGに8〜15(v)のバイアスが印加され、選択ゲートSGに−3〜0(v)のバイアスが印加される。
【0027】
図3は、シノプシス社(Synopsis,Inc.)のTaurus−Mediciデバイスシミュレーションツールによって提供されるシミュレーションである。図3は、図1のものと同様の装置の断面の一部を示す。このシミュレーションでは、ドレイン電位は7.5(v)に設定され、フローティングゲート電位は6(v)に設定され、選択ゲートは−3(v)に設定された。これらの条件は、エレクトロン−ホールの生成が発生している2つの領域100,102を創出する。領域100には、各領域で生成された対の数が対数的に増加する領域42,44,46を例示する。領域102は、領域42に近似するホール生成率を有する。このシミュレーションによって示されるように、大多数のキャリヤは、反転層と選択ゲートの間の高電界が印加される領域において生成される。図3では反転層は示されない。SSIとは対照的に、エレクトロン−ホール対の生成は、ソース側活性領域からではなくFGとSGの間の領域で起こり、これによりプログラミング電流のソースを提供する。
【0028】
図4は、ドレイン電流(Idrain)とドレイン電圧(Vdrain)のプロットを示す。いくつかの選択ゲート電圧(Vsg)の場合が示されている。フローティングゲート電圧は一定である。プロット60は、3(v)のVsgに対応する。プロット62は、0(v)のVsgに対応する。プロット64は、−3(v)のVsgに対応する。図に示されるように、選択ゲートバイアスが負になるにつれて、ドレイン電流は実質的に増加する。選択ゲートバイアスを制御することによって、このプログラミング技術の速度を増加させることができる。
【0029】
図5は、ドレイン電流とドレイン電圧のI−V曲線である。図5は、図2に示すようなセルに11(v)の制御ゲート電圧と、0(v)のVsgの選択ゲート電圧によって、バイアスがかけられた場合を示す。図に示されるように、ドレイン電流は、低いドレイン電圧レベルにおいても発生し、このバイアス条件では約5.3(v)でピークに達する。フローティングゲートがエレクトロンによってプログラムされるようになったために、I−V曲線がピークに達する。
【0030】
図6は、プログラミングタイムの2つのプロットを示す。符号68の線は、6.5(v)のドレインバイアスと、11(v)の制御ゲートバイアスと、−2(v)の選択ゲート電圧に対応する。符号79の線は、上記の条件において選択ゲート電圧が0(v)の場合に対応する。図に示されるように、選択ゲートの電圧が負になると、セル閾電圧の増加が加速する。
【0031】
フローティングゲート(制御ゲートを介する)と選択ゲートとドレインに関するバイアス制御のパラメータを使用することによって、本発明のプログラミング方法を最適化することができる。
【0032】
本発明の方法を最適化するために、他の要素を変化させてもよい。例えば、基板10と活性領域20のドーピング濃度は、本構造のバイアス電流の生成に影響を及ぼす。n型領域としての領域20のドーピング濃度は、ヒ素又はリンのようなn型不純物が1017〜1020atm/cm3程度でもよい。基板10のためのドーピング濃度は、フローティングゲートFGと選択ゲートSGの下に注入される領域に対して、ホウ素のような不純物が約1016〜1018atm/cm3程度でもよい。p型領域のドーピング濃度が高いと、エレクトロン−ホールの対の生成を増加させる。従って、領域100において、ゲートによる電流が増加する。
別の要素としては、選択ゲート酸化膜30とフローティングゲート酸化膜25の厚さの変化が挙げられる。通常、フローティングゲート酸化膜25の酸化膜厚さは、所与のセルに対するデータ保持特性によって支配される。一実施態様では、フローティングゲート酸化膜25の酸化膜厚さは、約80〜90オングストロームの範囲でよいが、アプリケーションによってはさらに厚くても薄くてもよい。選択ゲート酸化膜30は、フローティングゲート酸化膜と異なる厚さであってもよく、約20〜200オングストロームの範囲でもよい。選択ゲートの酸化膜が薄いと、基板における電界強度を増加させ、対の生成を増加させる。
電圧条件は、以下の範囲、即ち、選択ゲートSGに対して0〜−3(v)の範囲、制御ゲートCGに対して7〜15(v)の範囲、及び、活性領域20に対して3〜7.5(v)の範囲で印加することができる。
【0033】
本発明のプログラミング技術は、任意の数のアレイ構造タイプに利用することができることに留意しなければならないが、図7A〜図9Bに3つのセル構造を例示する。
【0034】
図7Aは、図7Bの断面図である。図7Bは、本発明のプログラミング技術を利用する第1のセルアレイの平面図を例示する。図に示されるように、セル構造は、基板又はpウェル領域140に形成された多くのトランジスタ(セル、メモリセル、又は記憶素子とも呼ばれる)を含む。
各メモリ素子は、制御ゲート(100CG、102CG、106CG、108CG)と、フローティングゲート(100FG、102FG、106FG、108FG)を有する積層ゲート構造を含んでいる。フローティングゲートは、pウェルの表面上のフローティングゲート酸化膜125a〜125dの上に形成されている。N型拡散層120,130は、近隣セル間で共有されている。これらのn型拡散層は、各セルのソース又はドレイン領域を有する。
図7Aは3つのメモリセルのみを示しているが、3つのセルの利用は単なる例であることに留意すべきである。各セルは、選択ゲート(104SG、110SG)も含む。例えば、メモリセル102は、制御ゲート102CGと、フローティングゲート102FGと、活性領域120と、選択ゲート104SGを含んでいる。メモリセル104は、選択ゲート104SGと、制御ゲート106CGと、フローティングゲート106FGと。活性領域130を含んでいる。メモリセル106は、活性領域130と、制御ゲート108CGと、フローティングゲート108FGと、選択ゲート110SGを含んでいる。メモリセル102,104,106の選択ゲート104SG,110SGは、ワード線150の中に形成される。
【0035】
セル102のためのプログラミングは、選択ゲート104SGと活性領域120と制御ゲート102CGによって制御される。同様に、セル104のためのプログラミング制御は、選択ゲート104SGと制御ゲート106CGと活性領域130によって行われる。
【0036】
図8Aと図8Bは、本発明のセルを使用する選択肢であるNANDストリングを示す。図に示されるように、一群のNANDゲートは、フローティングゲート群と選択ゲート群と制御ゲート群を含んでいる。セル構造は、基板又はpウェル領域140の上に形成されている多くのトランジスタ(セル、メモリセル、又は記憶素子とも呼ばれる)を含んでいる。
各メモリ素子は、制御ゲート(202CG,206CG,210CG,214CG,222CG)とフローティングゲート(202FG,206FG,210FG,214FG,222FG)を有する積層ゲート構造を含んでいる。フローティングゲートは、pウェルの表面上のフローティングゲート酸化膜225a〜225eの上に形成されている。選択ゲート204SG,208SG,212SG,220SGは、選択ゲート酸化膜230a〜230dの上に形成されている。N型拡散層128,126は、セル間で共有されている。
図8Aは3つのメモリセルのみを示しているが、3つのセルの使用は単なる例であることに留意すべきである。先のNAND構造は個々のメモリ素子間に導電性を与えるために拡散領域を使用する。しかしながら、本構造は、反転領域を生成するために選択ゲートに印加されるバイアスを使用することによって、拡散領域の使用を不要にする。
【0037】
例えばセル202をプログラムするために、制御ゲート202CGとフローティングゲート202FGと選択ゲート204SGと活性領域128に、本明細書によって教示されるバイアスを印加することができる。例えばセル206をプログラムするために、制御ゲート206CGと選択ゲート208SGと活性領域128に、本明細書によって教示されるバイアスを印加することができる。フローティングゲート206FGの下に形成されている反転領域と活性領域128を電気的に接続するチャネル領域を生成するために、制御ゲート202CGと選択ゲート204SGにバイアスが印加されなければならない。セル220をプログラムするために、制御ゲート222CGと選択ゲート220SGと活性領域126に、本明細書で教示されるバイアスを印加することができる。フローティングゲート202FG,206FG,210FG,214FGのそれぞれを本明細書に開示される技術によってプログラムするために、活性領域126,128と選択ゲートと制御ゲートとフローティングゲートの組合せが利用される。
【0038】
図7又は図8の実施態様の構造を作成するのに適切なプロセスを概略的に説明する。本発明の方法を使用するのに適切なメモリ構造を作成するにあたり、いくつかの適切なプロセスを利用することができることに留意するべきである。
一例では、例えばP型基板、又は、N型基板内のP型ウェル領域を有する基板が供給される。N+ソース領域とドレイン領域が形成されるべき領域を露出させるために、適切なマスキング層がパターン形成される。次に、例えば本明細書で示された範囲内の濃度までヒ素をイオン注入することによって、N+ソース領域とドレイン領域が形成される。あるいは、ソース領域とドレイン領域は、1つ又は複数の多結晶シリコン層が形成された後に従来の方式で形成される。マスキング層が除去される。フローティングゲート及び/又は選択ゲートによって形成されるチャネル領域に重なる第1ゲート酸化膜層が上記の厚さで形成される。異なるチャネルに異なる厚さの酸化膜が必要な場合、酸化膜形成は、異なる厚さを形成するための異なる工程において実行される。または、差分酸化膜成長(differential oxide growth)等の技術によって実行される。さらに、酸化膜成長をチャネル領域に限定することを保証するために、マスキング工程を使用することもできる。
第1多結晶シリコン層は、ウェーハ上に形成され、フローティングゲート領域を形成するためにパターン化される。第1多結晶シリコン層の形成に続いて、酸化膜層又は酸化/窒化誘電体層が、多結晶シリコン層の残りの部分の上に形成される。制御ゲートのための第2多結晶シリコン層と選択ゲートが形成され、所望の導電率にドープされる。次に、第2多結晶シリコン層が、(図7B又は図8Bの方位で)垂直に帯状にパターン化される。第1シリコン層の水平方向範囲がこれに先立って画定されなかった場合、このパターン工程は、第2多結晶シリコン層のパターン化と同時に、第1多結晶シリコン層がパターン化されるべき領域における第1多結晶シリコン層と第2多結晶シリコン層の間の誘電体層を除去するためにも使用される。
図7の実施態様では、第1層のパターン化に続いて、予め形成されていない場合は追加の誘電体層をウェーハ上に形成する。選択ゲートとシリコン基板の間にゲート誘電体が形成される。ゲート誘電体は、第3多結晶シリコン層が選択ゲートを形成するべきところに形成される。次いで、第3多結晶シリコン層が形成されて、適切な導電率までドープされる。第3多結晶シリコン層は、図7Bに示すように水平方向にパターン化される。
【0039】
図9Aと図9Bは、本発明のさらに別の実施態様を示す。図9Aと9Bの実施態様では、セルに制御ゲートが使用されておらず、フローティングゲートの下に空乏を形成することによって動作する。
【0040】
図9Bは、本発明の別のプログラミング技術を利用する第1の例示的なセルアレイの平面図を示す。図9Aは、図9Bの断面図である。図に示されるように、セル構造は、基板又はpウェル領域340の上に形成されている多くのトランジスタを含んでいる。
各メモリ素子302,304は、フローティングゲート(302FG,306FG)と選択ゲート(302SG,306SG)を有するゲート構造を含んでいる。フローティングゲートは、pウェルの表面上のフローティングゲート酸化膜325a〜325bの上に形成されている。前の実施態様と異なり、制御ゲートは設けられていない。ワード線308は、注入されたソース拡散領域345に接続されている。ソース拡散領域345は、ビア(via)又は他の適切な手段を介して隣接するセル間で共有される。拡散層320,330は、各セルのためのソース領域又はドレイン領域を有している。従って、例えばメモリセル302は、選択ゲート302SGと、フローティングゲート302FGと、活性領域320と、活性領域345を含んでいる。メモリセル304は、選択ゲート306SGと、フローティングゲート306FGと、活性領域330,345を含んでいる。
【0041】
セル302のためにプログラミングは、選択ゲート302SGと活性領域345によって制御される。同様に、セル304のためのプログラム制御は、選択ゲート306SGと活性領域345によって行われる。この実施態様では、図9Aのセル302に印加される電圧は、フローティングゲート302FGの下に空乏領域を生成するように選択される。1つの実施態様では、選択ゲート(302SG)に印加される電圧は約0〜−3(V)であり、拡散領域345(ソース)に印加される電圧は約5〜8(V)である。
【0042】
これらの条件によると、空乏領域336が、フローティングゲート302FGの下に形成される。拡散領域345に上記バイアスが与えられると、トランジスタは、ピンチオフされたトランジスタと同様に動作する。空乏領域は、選択ゲート302SGと拡散領域345の間に臨界電界によって形成される。エレクトロンは、拡散領域345に向かって流れ、フローティングゲート302FG内に流入する。
【0043】
本発明のプログラム技術は、さらに別の実施態様のセルで使用することができる。図10A〜10Cは、チャージトラッピング誘電体(charge trapping dielectric)の少なくとも一領域に電荷が蓄積されるセルが利用されている実施態様を示す。チャージトラッピング誘電体は、導電性ゲートと基板の間に配置されている。これらのメモリセルの例は、1ビットのデータが各電荷領域に記憶される2値モード、又は、2ビット以上のデータが各領域に記憶される多値モードで動作することができる。このタイプの記憶装置は、「Multi−State Non−Volatile Integrated Circuit Memory Systems That Employ Dielectric Storage Elements」というタイトルを持つ米国特許出願公開US2003/0080370号明細書に開示されている。この明細書の内容は、本明細書に組み込まれる。
【0044】
上記の図1〜図9Bを参照して述べた本プログラム方法は、図10A〜図10Cに示されるメモリセルをプログラムするために利用することができる。
【0045】
図10Bは、2次元配列のセル群の中のいくつかのセル412,422の平面図を例示する。図10Aは、図10BのA−A線断面図を示す。細長く平行に伸びているソース及びドレイン拡散領域410,420,430は、半導体基板(またはウェル)400の表面405の下に設けられており、y方向に伸びる長さを有するとともにx方向に離れて配置されている。電荷蓄積材料を含んでいる誘電体層440は、基板表面上に形成されている。細長く平行に伸びている導電性制御ゲート400CG,410G,420CGは、基板400の表面405上に形成されており、y方向に伸びる長さを有するとともにx方向に離れて配置されている。これらのゲートは、通常のようにドープされたポリシリコン材料によって形成することができ、それぞれが拡散領域410,420,430に隣接して配置されている。アレイのワード線を構成する別の一組の選択ゲート400SG,410SG,420SGは、x方向に伸びているとともにy方向に離れて配置されている。
【0046】
図10Cは、セル412の拡大図である。この構造の電荷蓄積素子は、ソース拡散領域とドレイン拡散領域410,420の間の誘電体層440の領域であり、制御ゲート410CGと基板400の間に挟まれている。これらの記憶素子領域471,473は、図10Cにおいてクロスハッチングによって示されている。チャージトラッピング材料は、操作可能なメモリセルを形成するために上記の領域にのみ配置されるべきである。しかしながら、本構造の他の好都合な任意の部分(メモリセルアレイ全体を含む)まで広げることができる。
【0047】
1つの実施態様では、単一の電荷蓄積領域471が設けられてもよい。ワード線400SGは、チャネルの長さのほぼ左半分の上方に存在する。制御ゲート410CGは、他方の上方に存在する。電荷蓄積誘電体440は、基板400とこれらのゲートの間に挟まれている。
図1〜図9Bに例示されるプログラミングのプログラム電圧をワード線400SGと拡散領域420と制御ゲート410CGに印加することによって、電荷蓄積領域471を確立することができる。他の実施態様では、個々のメモリセルのチャネル長さは複数部分に分割することができ、それらは拡散領域410,420の異なる部分に電解結合される。分割されたチャネルの実施態様では、電荷は、層440内において空間的に分離された2つの領域471,473内に蓄積することができる。これらの領域のそれぞれは、個々にプログラムすることができ、他方から独立して読み出すことができる。通常、本発明の方法のプログラミングでは、電荷蓄積領域471はゲート400SGの内縁に隣接して配置され、電荷蓄積領域473はゲート410CGの内縁に隣接して設置される。
【0048】
電荷を蓄積する誘電体は、2つの特定の誘電体の1つであり、2組のゲートの間の電位差を保持するために、250オングストロームの厚さの酸化膜のように比較的厚く構成される。1つのタイプは、酸化物−窒化物−酸化物の層(「ONO」として一般的に知られている)である。エレクトロンは、窒化膜内にトラップされて蓄積される。制御ゲートが形成される導電材料層は、ONO膜上に成膜される。第2の構造は、エレクトロンをトラップして蓄積するために、シリコンリッチな二酸化ケイ素によって構成される層440を使用する。このような材料は、以下の2つの論文、即ち、(1)ディマリア(DiMaria)らの「Electrically−alterable read−only−memory using Si−rich SiO2 injectors and a floating polycrystalline silicon storage layer」,J. Appl. Phys.52(7),July、1981年、4825〜4842頁、(2)ホリ(Hori)らの「A MOSFET with Si−implanted Gate−Si02 Insulator for Nonvolatile Memory Applications」,IEDM 92,April,1992年,469〜472頁、に記載されている。これらの内容は、本明細書に組み込まれる。
【0049】
本発明は、各フローティングゲート上にエレクトロンを提供することについて説明したが、同じ技術を使用してホール注入が達成されることに留意するべきである。本発明は、p基板又はpウェルデバイスについて説明したが、基板は、p型活性領域に対応するnウェルデバイス又はn基板でもよいことに留意するべきである。
【0050】
本発明に関する上記の詳細な説明は、例証と説明を目的として提示されたものである。開示した詳細な形態に本発明を限定する意図はない。上記の教示に鑑みると、多くの改良と変形を可能とする。上記の実施態様は、本発明の原理とその実際のアプリケーションについて最も良く説明するために選択されたものである。これにより、他の当業者が、考案された特定の用途に適合するように、様々な実施態様において様々な改良を加えることによって、本発明を最適に利用することが可能になる。本発明の技術的範囲は、本明細書に添付された請求の範囲によって定義されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に関連するメモリ構造をプログラムするための方法を例示するメモリ構造の断面図を簡単に示す。
【図2】本発明の方法を例示するメモリ構造の第2の断面図を簡単に示す。
【図3】装置シミュレーションツールによって生成された装置(例えば図1の装置)の断面図を示す。エレクトロン−ホールの生成が選択ゲートの付近で発生する領域を示す。
【図4】シミュレーションがなされた装置(例えば図1の装置)におけるドレイン電流とドレイン電圧がプロットされたグラフを示す。いくつかの選択ゲート電圧の場合のグラフを示す。
【図5】記憶素子(例えば図2のもの)のドレインにおける電流/電圧曲線を例示するグラフを示す。活性領域に印加される電圧を変化させた場合のグラフを示す。
【図6】プログラミング時間についての一組のバイアス条件に対して選択ゲート電圧を変化させた効果を示すプロットである。
【図7A−7B】本発明の方法を利用するセルアレイの第1実施態様を例示する。
【図8A−8B】本発明の方法を利用するセルアレイの第2実施態様を例示する。
【図9A−9B】本発明の方法を利用するセルアレイの第3実施態様を例示する。
【図10A−10C】本発明の方法を利用するセルアレイの第4実施態様を例示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の第1ゲートと、基板内の活性領域と、第1ゲートに隣接する第2ゲートを少なくとも含む記憶素子をプログラムするための方法であり、
第1ゲートにバイアスを印加することによって、第1ゲートの下であって基板内に反転領域を生成する工程と、
反転領域のジャンクションにエレクトロン−ホールの対を生成するのに十分な臨界電界を第2ゲートの付近に生成する工程を有する方法。
【請求項2】
臨界電界を生成する工程は、活性領域に第1ポジティブバイアスを印加する工程と、第2ゲートに第1ポジティブバイアスより小さいバイアスを印加する工程を含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】
第1ポジティブバイアスより小さいバイアスを印加する工程は、ゼロボルト以下のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項4】
第1ポジティブバイアスより小さいバイアスを印加する工程は、ゼロから−3ボルトの範囲のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項5】
第1ポジティブバイアスを印加する工程は、3ボルトより大きいバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項6】
反転領域を生成する工程は、第1ゲートに第1ポジティブ電圧より大きい第2ポジティブ電圧を印加することを含むことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項7】
第2ポジティブ電圧は、8ボルトより大きいことを特徴とする請求項6の方法。
【請求項8】
基板はp型基板であり、活性領域はn型不純物領域であることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項9】
p型基板は、約1016〜1018atm/cm3の範囲の不純物濃度を有することを特徴とする請求項8の方法。
【請求項10】
基板はn型基板であり、活性領域はp型不純物領域であることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項11】
活性領域は、約1017〜1020atm/cm3のドーピング濃度を有することを特徴とする請求項10の方法。
【請求項12】
第1ゲートは、基板上の第1ゲート絶縁体上に配置されており、
第2ゲートは、基板上の第2ゲート絶縁体上に配置されていることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項13】
第1ゲート絶縁体は、約60〜100Åの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項12の方法。
【請求項14】
第2ゲート絶縁体は、約20〜200Åの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項13の方法。
【請求項15】
記憶素子は、少なくとも部分的に第1ゲート上に配置されるとともに第3絶縁膜によって第1ゲートから分離されている制御ゲートをさらに含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項16】
反転領域を生成する工程は、制御ゲートにバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項15の方法。
【請求項17】
記憶素子は、電荷蓄積誘電体をさらに含んでおり、
前記方法は、電荷蓄積誘電体の少なくとも一部の下に前記臨界電界を生成することを含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項18】
記憶素子をプログラムするための方法であり、
基板上のフローティングゲートと、基板内の活性領域と、フローティングゲートに隣接する選択ゲートを少なくとも含む記憶素子を準備する工程と、
フローティングゲートの下に反転領域を生成するために、フローティングゲートにバイアスを印加する工程と、
フローティングゲートの下であって基板内に活性領域に対する臨界電界を生成するために、活性領域に第1バイアスを印加するとともに選択ゲートに第2バイアスを印加する工程を有する方法。
【請求項19】
準備する工程は、マルチ状態記憶素子を準備することを含むことを特徴とする請求項18の方法。
【請求項20】
準備する工程は、EEPROM記憶素子を準備することを含むことを特徴とする請求項18の方法。
【請求項21】
準備する工程は、FLASH EEPROM記憶素子を準備することを含むことを特徴とする請求項18の方法。
【請求項22】
EEPROM記憶素子は、NAND素子であることを特徴とする請求項21の方法。
【請求項23】
記憶素子は、NOR記憶素子であることを特徴とする請求項21の方法。
【請求項24】
印加する工程とバイアスを印加する工程は、ディジタル情報の記憶をコンプリートすることを特徴とする請求項18の方法。
【請求項25】
印加する工程とバイアスを印加する工程は、アナログ情報の記憶をコンプリートすることを特徴とする請求項18の方法。
【請求項26】
フローティングゲートにバイアスを印加する工程は、8ボルトより大きいバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項18の方法。
【請求項27】
第2バイアスは、ゼロボルト以下であることを特徴とする請求項18の方法。
【請求項28】
第1バイアスは、3ボルトより大きいことを特徴とする請求項18の方法。
【請求項29】
記憶素子であり、
実質的に第2不純物タイプを有する基板内に形成されているとともに第1不純物タイプを有する活性領域と、
基板上のフローティングゲートと、
基板上のフローティングゲートに隣接して配置されている選択ゲートと、
活性領域に印加される「ゼロボルトより大きい第1バイアス」と、
フローティングゲートに印加される「第1バイアスより大きい第2バイアス」と、
選択ゲートに印加される「ゼロ以下の第3バイアス」を備え、
第1バイアスと第3バイアスは、フローティングゲートと選択ゲートの間において基板内にリーク電流を生成するために選択されていることを特徴とする記憶素子。
【請求項30】
第1ポジティブバイアスは、3ボルトより大きいことを特徴とする請求項29の素子。
【請求項31】
第2バイアスは、8ボルトより大きいことを特徴とする請求項29の素子。
【請求項32】
基板はp型基板であり、活性領域はn型不純物領域であることを特徴とする請求項29の素子。
【請求項33】
p型基板は、約1016〜1018atm/cm3の範囲の不純物濃度を有することを特徴とする請求項32の素子。
【請求項34】
活性領域は、約1017〜1020atm/cm3のドーピング濃度を有することを特徴とする請求項33の素子。
【請求項35】
基板はn型基板であり、活性領域はp型不純物領域であることを特徴とする請求項29の素子。
【請求項36】
フローティングゲートは、基板上のフローティングゲート酸化膜上に配置されており、
選択ゲートは、基板上の選択ゲート酸化膜上に配置されていることを特徴とする請求項29の素子。
【請求項37】
フローティングゲート酸化膜は、約60〜100Åの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項29の素子。
【請求項38】
第2ゲート酸化膜は、約20〜200Åの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項29の素子。
【請求項39】
記憶素子は、NANDセルであることを特徴とする請求項29の素子。
【請求項40】
記憶素子は、NORセルであることを特徴とする請求項29の素子。
【請求項41】
フローティングゲートとフローティングゲートに水平方向に隣接して配置されている選択ゲートと活性領域を少なくとも含むとともに、基板に設けられている記憶素子をプログラムする方法であり、
活性領域に第1ポジティブバイアスを印加する工程と、
選択ゲートにゼロ以下の第2バイアスを印加する工程と、
フローティングゲートに第1バイアスより大きい第3バイアスを印加する工程を含む方法。
【請求項42】
第2バイアスを印加する工程は、0〜−3ボルトの範囲のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項41の方法。
【請求項43】
第1ポジティブバイアスを印加する工程は、約3〜7.5ボルトの範囲のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項41の方法。
【請求項44】
第3バイアスを印加する工程は、8〜15ボルト以上のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項43の方法。
【請求項45】
基板上の第1ゲートと、基板内の活性領域と、第1ゲートに隣接する第2ゲートを少なくとも含む記憶素子と、
第1ゲートにバイアスを印加することによって、第1ゲートの下であって基板内に反転領域を生成する手段と、
第2ゲートの付近にエレクトロン−ホールの対を生成するために、臨界電界を生成する手段を備える装置。
【請求項46】
臨界電界を生成する手段は、活性領域にポジティブバイアスを印加する手段と、第2ゲートにゼロ以下のバイアスを印加する手段を含むことを特徴とする請求項45の装置。
【請求項47】
反転領域を生成する手段は、第1ゲートに第1ポジティブバイアスより大きい第2ポジティブバイアスを印加する手段を含むことを特徴とする請求項45の装置。
【請求項48】
記憶素子であり、
実質的に第2不純物タイプを有する基板内に形成されているとともに第1不純物タイプを有する活性領域と、
電荷蓄積誘電体と、
基板上にフローティングゲートに隣接して配置されている選択ゲートと、
活性領域に印加される「ゼロボルトより大きい第1バイアス」と、
フローティングゲートに印加される「第1バイアスより大きい第2バイアス」と、
選択ゲートに印加される「ゼロ以下の第3バイアス」を備え、
第1バイアスと第3バイアスは、フローティングゲートと選択ゲートの間において基板内にリーク電流を生成するために選択されていることを特徴とする記憶素子。
【請求項49】
第1ポジティブバイアスは、3ボルトより大きいことを特徴とする請求項48の素子。
【請求項50】
第2バイアスは、8ボルトより大きいことを特徴とする請求項48の素子。
【請求項51】
誘電体は、酸化物−窒化物−酸化物の層であることを特徴とする請求項48の素子。
【請求項52】
誘電体は、シリコンリッチの二酸化ケイ素の層であることを特徴とする請求項48の素子。
【請求項53】
誘電体は、第1電荷トラッピング領域と第2電荷トラッピング領域を含むことを特徴とする請求項48の素子。
【請求項54】
誘電体は、約250オングストロームの厚さを有することを特徴とする請求項48の素子。
【請求項55】
基板上の第1ゲートと、第1活性領域と、第2ゲートと、電荷蓄積領域を少なくとも含む記憶素子をプログラムするための方法であり、
エレクトロン−ホールの対を生成するのに十分な臨界電界を生成するために、第1活性領域と第2ゲートのそれぞれに第1電圧と第2電圧のバイアスを印加する工程と、
電荷蓄積領域にエレクトロンの一部を引き寄せるのに十分な第3電圧のバイアスを第1ゲートに印加する工程を有する方法。
【請求項56】
電荷蓄積領域は、誘電体であることを特徴とする請求項55の方法。
【請求項57】
電荷蓄積領域は、基板上の第1ゲートであることを特徴とする請求項55の方法。
【請求項58】
第2ゲートにバイアスを印加する工程は、ゼロボルト以下のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項55の方法。
【請求項59】
第2ゲートにバイアスを印加する工程は、0〜−3ボルトのバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項58の方法。
【請求項60】
第1活性領域にバイアスを印加する工程は、5〜8ボルトの範囲のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項55の方法。
【請求項1】
基板上の第1ゲートと、基板内の活性領域と、第1ゲートに隣接する第2ゲートを少なくとも含む記憶素子をプログラムするための方法であり、
第1ゲートにバイアスを印加することによって、第1ゲートの下であって基板内に反転領域を生成する工程と、
反転領域のジャンクションにエレクトロン−ホールの対を生成するのに十分な臨界電界を第2ゲートの付近に生成する工程を有する方法。
【請求項2】
臨界電界を生成する工程は、活性領域に第1ポジティブバイアスを印加する工程と、第2ゲートに第1ポジティブバイアスより小さいバイアスを印加する工程を含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】
第1ポジティブバイアスより小さいバイアスを印加する工程は、ゼロボルト以下のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項4】
第1ポジティブバイアスより小さいバイアスを印加する工程は、ゼロから−3ボルトの範囲のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項5】
第1ポジティブバイアスを印加する工程は、3ボルトより大きいバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項6】
反転領域を生成する工程は、第1ゲートに第1ポジティブ電圧より大きい第2ポジティブ電圧を印加することを含むことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項7】
第2ポジティブ電圧は、8ボルトより大きいことを特徴とする請求項6の方法。
【請求項8】
基板はp型基板であり、活性領域はn型不純物領域であることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項9】
p型基板は、約1016〜1018atm/cm3の範囲の不純物濃度を有することを特徴とする請求項8の方法。
【請求項10】
基板はn型基板であり、活性領域はp型不純物領域であることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項11】
活性領域は、約1017〜1020atm/cm3のドーピング濃度を有することを特徴とする請求項10の方法。
【請求項12】
第1ゲートは、基板上の第1ゲート絶縁体上に配置されており、
第2ゲートは、基板上の第2ゲート絶縁体上に配置されていることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項13】
第1ゲート絶縁体は、約60〜100Åの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項12の方法。
【請求項14】
第2ゲート絶縁体は、約20〜200Åの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項13の方法。
【請求項15】
記憶素子は、少なくとも部分的に第1ゲート上に配置されるとともに第3絶縁膜によって第1ゲートから分離されている制御ゲートをさらに含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項16】
反転領域を生成する工程は、制御ゲートにバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項15の方法。
【請求項17】
記憶素子は、電荷蓄積誘電体をさらに含んでおり、
前記方法は、電荷蓄積誘電体の少なくとも一部の下に前記臨界電界を生成することを含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項18】
記憶素子をプログラムするための方法であり、
基板上のフローティングゲートと、基板内の活性領域と、フローティングゲートに隣接する選択ゲートを少なくとも含む記憶素子を準備する工程と、
フローティングゲートの下に反転領域を生成するために、フローティングゲートにバイアスを印加する工程と、
フローティングゲートの下であって基板内に活性領域に対する臨界電界を生成するために、活性領域に第1バイアスを印加するとともに選択ゲートに第2バイアスを印加する工程を有する方法。
【請求項19】
準備する工程は、マルチ状態記憶素子を準備することを含むことを特徴とする請求項18の方法。
【請求項20】
準備する工程は、EEPROM記憶素子を準備することを含むことを特徴とする請求項18の方法。
【請求項21】
準備する工程は、FLASH EEPROM記憶素子を準備することを含むことを特徴とする請求項18の方法。
【請求項22】
EEPROM記憶素子は、NAND素子であることを特徴とする請求項21の方法。
【請求項23】
記憶素子は、NOR記憶素子であることを特徴とする請求項21の方法。
【請求項24】
印加する工程とバイアスを印加する工程は、ディジタル情報の記憶をコンプリートすることを特徴とする請求項18の方法。
【請求項25】
印加する工程とバイアスを印加する工程は、アナログ情報の記憶をコンプリートすることを特徴とする請求項18の方法。
【請求項26】
フローティングゲートにバイアスを印加する工程は、8ボルトより大きいバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項18の方法。
【請求項27】
第2バイアスは、ゼロボルト以下であることを特徴とする請求項18の方法。
【請求項28】
第1バイアスは、3ボルトより大きいことを特徴とする請求項18の方法。
【請求項29】
記憶素子であり、
実質的に第2不純物タイプを有する基板内に形成されているとともに第1不純物タイプを有する活性領域と、
基板上のフローティングゲートと、
基板上のフローティングゲートに隣接して配置されている選択ゲートと、
活性領域に印加される「ゼロボルトより大きい第1バイアス」と、
フローティングゲートに印加される「第1バイアスより大きい第2バイアス」と、
選択ゲートに印加される「ゼロ以下の第3バイアス」を備え、
第1バイアスと第3バイアスは、フローティングゲートと選択ゲートの間において基板内にリーク電流を生成するために選択されていることを特徴とする記憶素子。
【請求項30】
第1ポジティブバイアスは、3ボルトより大きいことを特徴とする請求項29の素子。
【請求項31】
第2バイアスは、8ボルトより大きいことを特徴とする請求項29の素子。
【請求項32】
基板はp型基板であり、活性領域はn型不純物領域であることを特徴とする請求項29の素子。
【請求項33】
p型基板は、約1016〜1018atm/cm3の範囲の不純物濃度を有することを特徴とする請求項32の素子。
【請求項34】
活性領域は、約1017〜1020atm/cm3のドーピング濃度を有することを特徴とする請求項33の素子。
【請求項35】
基板はn型基板であり、活性領域はp型不純物領域であることを特徴とする請求項29の素子。
【請求項36】
フローティングゲートは、基板上のフローティングゲート酸化膜上に配置されており、
選択ゲートは、基板上の選択ゲート酸化膜上に配置されていることを特徴とする請求項29の素子。
【請求項37】
フローティングゲート酸化膜は、約60〜100Åの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項29の素子。
【請求項38】
第2ゲート酸化膜は、約20〜200Åの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項29の素子。
【請求項39】
記憶素子は、NANDセルであることを特徴とする請求項29の素子。
【請求項40】
記憶素子は、NORセルであることを特徴とする請求項29の素子。
【請求項41】
フローティングゲートとフローティングゲートに水平方向に隣接して配置されている選択ゲートと活性領域を少なくとも含むとともに、基板に設けられている記憶素子をプログラムする方法であり、
活性領域に第1ポジティブバイアスを印加する工程と、
選択ゲートにゼロ以下の第2バイアスを印加する工程と、
フローティングゲートに第1バイアスより大きい第3バイアスを印加する工程を含む方法。
【請求項42】
第2バイアスを印加する工程は、0〜−3ボルトの範囲のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項41の方法。
【請求項43】
第1ポジティブバイアスを印加する工程は、約3〜7.5ボルトの範囲のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項41の方法。
【請求項44】
第3バイアスを印加する工程は、8〜15ボルト以上のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項43の方法。
【請求項45】
基板上の第1ゲートと、基板内の活性領域と、第1ゲートに隣接する第2ゲートを少なくとも含む記憶素子と、
第1ゲートにバイアスを印加することによって、第1ゲートの下であって基板内に反転領域を生成する手段と、
第2ゲートの付近にエレクトロン−ホールの対を生成するために、臨界電界を生成する手段を備える装置。
【請求項46】
臨界電界を生成する手段は、活性領域にポジティブバイアスを印加する手段と、第2ゲートにゼロ以下のバイアスを印加する手段を含むことを特徴とする請求項45の装置。
【請求項47】
反転領域を生成する手段は、第1ゲートに第1ポジティブバイアスより大きい第2ポジティブバイアスを印加する手段を含むことを特徴とする請求項45の装置。
【請求項48】
記憶素子であり、
実質的に第2不純物タイプを有する基板内に形成されているとともに第1不純物タイプを有する活性領域と、
電荷蓄積誘電体と、
基板上にフローティングゲートに隣接して配置されている選択ゲートと、
活性領域に印加される「ゼロボルトより大きい第1バイアス」と、
フローティングゲートに印加される「第1バイアスより大きい第2バイアス」と、
選択ゲートに印加される「ゼロ以下の第3バイアス」を備え、
第1バイアスと第3バイアスは、フローティングゲートと選択ゲートの間において基板内にリーク電流を生成するために選択されていることを特徴とする記憶素子。
【請求項49】
第1ポジティブバイアスは、3ボルトより大きいことを特徴とする請求項48の素子。
【請求項50】
第2バイアスは、8ボルトより大きいことを特徴とする請求項48の素子。
【請求項51】
誘電体は、酸化物−窒化物−酸化物の層であることを特徴とする請求項48の素子。
【請求項52】
誘電体は、シリコンリッチの二酸化ケイ素の層であることを特徴とする請求項48の素子。
【請求項53】
誘電体は、第1電荷トラッピング領域と第2電荷トラッピング領域を含むことを特徴とする請求項48の素子。
【請求項54】
誘電体は、約250オングストロームの厚さを有することを特徴とする請求項48の素子。
【請求項55】
基板上の第1ゲートと、第1活性領域と、第2ゲートと、電荷蓄積領域を少なくとも含む記憶素子をプログラムするための方法であり、
エレクトロン−ホールの対を生成するのに十分な臨界電界を生成するために、第1活性領域と第2ゲートのそれぞれに第1電圧と第2電圧のバイアスを印加する工程と、
電荷蓄積領域にエレクトロンの一部を引き寄せるのに十分な第3電圧のバイアスを第1ゲートに印加する工程を有する方法。
【請求項56】
電荷蓄積領域は、誘電体であることを特徴とする請求項55の方法。
【請求項57】
電荷蓄積領域は、基板上の第1ゲートであることを特徴とする請求項55の方法。
【請求項58】
第2ゲートにバイアスを印加する工程は、ゼロボルト以下のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項55の方法。
【請求項59】
第2ゲートにバイアスを印加する工程は、0〜−3ボルトのバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項58の方法。
【請求項60】
第1活性領域にバイアスを印加する工程は、5〜8ボルトの範囲のバイアスを印加することを含むことを特徴とする請求項55の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【公表番号】特表2007−511076(P2007−511076A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538505(P2006−538505)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/036924
【国際公開番号】WO2005/048269
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(592012513)サンディスク コーポレイション (173)
【氏名又は名称原語表記】SanDisk Corporation
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/036924
【国際公開番号】WO2005/048269
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(592012513)サンディスク コーポレイション (173)
【氏名又は名称原語表記】SanDisk Corporation
【Fターム(参考)】
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