説明

コラーゲン合成促進用組成物

【課題】安全性が高く優れたコラーゲン合成促進剤の提供。
【解決手段】アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種と、低分子ベタインを併用することによって、コラーゲン合成促進作用が増強され、コラーゲン合成量が顕著に増加する。低分子ベタインが、トリメチルグリシン、トリエチルグリシン、トリプロピルグリシン、トリイソプロピルグリシン、トリメチル−γ−アミノ酪酸、N,N,N−トリメチルアラニン、N,N,N−トリエチルアラニン、N,N,N−トリイソプロピルアラニン、N,N,N−トリメチルメチルアラニン、カルニチン及びアセチルカルニチンからなる群から選択される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種(以下、本明細書においてこれらを総称して「アスコルビン酸類」ともいう。)と、低分子ベタインとからなるコラーゲン合成促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
コラーゲンは、動物の結合組織を構成する主要蛋白質であり、特にヒトの体の総蛋白質の30%近くをコラーゲンが占める。コラーゲンの主たる機能は、生体組織の骨格構造の形成にあるので、動物の組織形態の骨格構造を構成する主成分として皮膚、軟骨組織、角膜、心臓、肝臓等に広く分布する。コラーゲンは、各種細胞の接着、細胞の分化や増殖に対して特異的に作用し、細胞機能の調節因子としての役割も持っているため、コラーゲンの減少は、角膜潰瘍等の角膜障害、リューマチ、関節炎、変形性関節炎、骨関節炎等の関節障害、炎症性疾患等の様々な疾患を引き起こすことがある。
【0003】
皮膚真皮細胞外マトリックスでは、コラーゲン繊維が網目状の束を形成することにより組織形態を維持している。コラーゲン繊維は、成熟し増殖して架橋形成が進行すると太く直線的な繊維束となり、若い皮膚での適度なハリを与えている。しかし、老化した皮膚では繊維芽細胞の活性が低下するのに伴い、真皮細胞外マトリックスのコラーゲン繊維が著しく減少したり、異常な老化架橋が形成されるため硬直して、本来の弾力性に富むハリが失われてしまう。その結果、皮膚にはシワやタルミが形成される。光老化によるヘアレスマウス繊維束構造の変化が詳細に検討され(Fragrance Journal、4、p36-37、1998)、UVBを照射したヘアレスマウスには、シワが形成され、シワの形成と一致するようにコラーゲン繊維束構造が崩壊し皮膚弾力性が低下していくことが示されている。また、コラーゲンは水分保持機能に優れていることも知られている。
【0004】
コラーゲンの減少による状態を改善するために、種々のコラーゲン合成促進物質が見出されている。例えば、レチノイン酸(非特許文献1)、グリシン及びプロリン及びアラニンからなる3種アミノ酸(特許文献1)、カンゾウ、ソウハクヒ、アロエ、スギナ、キンギンカ、オウバク、ガイヨウ又はゲンチアナなどの植物抽出物(特許文献2)、TGF−β、アスコルビン酸類等が知られている。アスコルビン酸類にはコラーゲン等の生体成分の合成促進による細胞賦活効果がある。
【0005】
ところで、トリメチルグリシンに代表される低分子ベタインは、保湿剤として皮膚外用剤に広く用いられており、例えば、尿素と低分子ベタインとの併用により、格段に優れた肌荒れ改善効果が得られること(特許文献3)、美白成分、低分子ベタイン、シリコーン油を配合することにより、美白剤の経皮吸収性が向上すること(特許文献4)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−194375号公報
【特許文献2】特開2001−206835号公報
【特許文献3】特開平9−48720号公報
【特許文献4】特開2001−89321号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】R. Marks et al、 British Journal of Dermatology、122、91、1990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、安全性が高く優れたコラーゲン合成促進剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種と、低分子ベタインを配合することによって相乗的なコラーゲン合成促進作用を奏することを見い出し、発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は下記に掲げる発明である。
(1)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種並びに、低分子ベタインを有効成分として含有するコラーゲン合成促進剤、
(2)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種並びに、低分子ベタインを含有するコラーゲン合成促進用組成物、
(3)コラーゲン合成促進用組成物が、抗シワ用組成物、抗タルミ用組成物、関節障害の予防又は治療用組成物、炎症性疾患の予防又は治療用組成物である(2)に記載のコラーゲン合成促進用組成物、
(4)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種並びに、低分子ベタインをコラーゲン合成促進剤として含有する(2)に記載のコラーゲン合成促進用組成物、
(5)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種1重量部に対して低分子ベタインを0.001〜100重量部となるように含有することを特徴とする(2)に記載のコラーゲン合成促進用組成物、
(6)アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種と、低分子ベタインを併用することによって、細胞でのコラーゲン合成量を増加させる方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種と、低分子ベタインを有効成分として含有するコラーゲン合成促進剤を提供できる。また、アスコルビン酸類と、低分子ベタインを共に用いることによって、細胞でのコラーゲン合成量を顕著に増加させることができる。さらに、アスコルビン酸類並びに、低分子ベタインを含有するコラーゲン合成促進用組成物は、コラーゲン減少を防止し、抗シワ用組成物、抗タルミ用組成物、関節障害の予防又は治療用組成物、炎症性疾患の予防又は治療用組成物として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩は、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において用いられるものであれば特に限定されない。アスコルビン酸誘導体としては、具体的には、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸ジリン酸エステル及びL−アスコルビン酸トリリン酸エステル等のL−アスコルビン酸のリン酸エステル誘導体;パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル等の脂溶性アスコルビン酸誘導体;アスコルビン酸グルコシド等の糖誘導体;L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸−2−スルホン酸エステル等が例示できる。
【0013】
本発明において、上記のアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。本発明の上記のアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩のうち好ましくは、L−アスコルビン酸,L−アスコルビン酸のリン酸エステル誘導体,パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸グルコシド、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、アスコルビン酸−2−グルコシド及びそれらの塩であり、皮膚や粘膜に対する安全性の高さと作用効果の高さから、特に好ましくは、L−アスコルビン酸,L−アスコルビン酸モノリン酸エステルまたはそれらの塩、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸−2−グルコシドである。なお、本発明には、アスコルビン酸類のd体、l体、dl体をいずれも用いることができる。
【0014】
本発明で用いられるアスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体の塩としては、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム,カルシウム及びバリウム等のアルカリ土類金属塩、並びにアルミニウム等の多価金属塩などの各種の金属塩:アンモニウムやトリシクロヘキシルアンモニウム等のアンモニウム塩、モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,モノイソプロパノールアミン,ジイソプロパノールアミン,及びトリイソプロパノールアミン等の各種のアルカノールアミン塩を挙げることができる。
【0015】
本発明のコラーゲン合成促進用組成物に配合するアスコルビン酸類の配合量は、特に制限されないが、本発明の効果を得るため、組成物全体に対して通常0.00001重量%以上、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは、0.01重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは1重量%以上であり、配合上限は安定性の観点から好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%以下である。
【0016】
本発明の低分子ベタインとは、分子量200以下であって、分子内で両性イオンを形成する化合物をいう。中でも好ましくは、下記式(1)
【0017】
【化2】

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表し、nは1〜6を表す。)で表されるN,N,N−トリアルキルアミノ酸が挙げられる。
【0018】
〜Rとしては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を広く用いることができる。すなわち、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基又は2,3−ジメチルブチル基等がそれぞれ例示される。なおR〜Rは同一であっても異なっていてもよい。
具体的には、n=1のトリメチルグリシン、トリエチルグリシン、トリプロピルグリシン、トリイソプロピルグリシン、n=2のトリメチル−β−アラニン、n=3のトリメチル−γ−アミノ酪酸等が挙げられ、好ましくはトリメチルグリシンである。
また、これらの低分子ベタインは置換されていてもよく、具体的には、n=1のN,N,N−トリメチルアラニン、N,N,N−トリエチルアラニン、N,N,N−トリイソプロピルアラニン、N,N,N−トリメチルメチルアラニン、カルニチン、アセチルカルニチン等が挙げられ、好ましくはカルニチンである。
【0019】
本発明のコラーゲン合成促進用組成物において低分子ベタインの配合量は、好ましくは0.000001〜10重量%であり、より好ましくは0.0001〜10重量%、さらに好ましくは0.01〜8重量%、特に好ましくは0.1〜7重量%の範囲である。0.000001重量%未満では効果が発揮できない場合があり、また10重量%を超えると使用感が悪くなる場合がある。
【0020】
また、本発明においてアスコルビン酸類と低分子ベタインとを併用する割合は重量比で、通常アスコルビン酸類1重量部に対して低分子ベタインが、0.001〜100重量部の範囲、好ましくは0.01〜30重量部、より好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは0.1〜20重量部の範囲である。
【0021】
本発明のコラーゲン合成促進用組成物には、前述するアスコルビン酸類及び低分子ベタインに加えて、アスコルビン酸類又は低分子ベタイン各種の作用を増強または補足する目的で、あるいはコラーゲン合成促進用組成物に他の有用な作用を付加するため美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、コラーゲン等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分、老化防止成分等の各種成分を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。好ましくは美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分または保湿成分の1種または2種以上の成分である。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、または化粧品分野において従来より使用され、また将来使用されるものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
【0022】
例えば、美白成分としては、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。このうち、好ましいものとしては、パントテン酸又はその誘導体、エラグ酸、フィチン酸、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体を挙げることができる。これらの美白成分は1種または2種以上を用いてもよい。
【0023】
美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ニンニク、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、アメジスト、アセンヤク、アセビワラビ、イヌマキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、サルサ、サヤインゲン、ショクマ、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、マルバハギ、チョウジ、カンゾウ等の植物に由来する成分が挙げられる。好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、サルサ、サヤインゲン、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、チョウジ、カンゾウ及びトウキの植物由来成分であり、より好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、クチナシ、クジン、コメ、コメヌカ、サイシン、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ホップ、カンゾウ及びヨクイニンの植物由来成分である。
これらの植物成分を本発明のコラーゲン合成促進用組成物に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。なお、上記植物成分中に記載の()内は、その植物の種類、別名または生薬名である。
【0024】
上記美白成分を用いる場合、コラーゲン合成促進用組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、美白成分はコラーゲン合成促進用組成物に含まれるアスコルビン酸類100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
美白成分として美白作用のある植物成分を用いる場合は、目的に応じて1種もしくは2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。上記植物成分を美白成分として用いる場合、コラーゲン合成促進用組成物への配合割合は、エキスや精油などの抽出物換算で、通常0.00001〜20重量%、好ましくは0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。また、植物成分はアスコルビン酸類100重量部に対して0.0001〜100重量部、好ましくは0.001〜50重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0025】
抗炎症成分としては、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイアズレン、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。好ましくはアラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、グアイアズレン、メントールである。
【0026】
上記抗炎症成分を用いる場合、コラーゲン合成促進用組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、抗炎症成分はコラーゲン合成促進用組成物中に含まれるアスコルビン酸類100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0027】
抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。好ましくは、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸及びその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。さらに好ましくは、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸及びその誘導体、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノールである。
【0028】
上記抗菌成分を用いる場合、コラーゲン合成促進用組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、抗菌成分はコラーゲン合成促進用組成物中に含まれるアスコルビン酸類100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0029】
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類:グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類:タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。好ましくは、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類である。
【0030】
上記細胞賦活化成分を用いる場合、コラーゲン合成促進用組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、細胞賦活成分はコラーゲン合成促進用組成物中に含まれるアスコルビン酸類100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0031】
収斂成分としては、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸を挙げることができる。好ましくは、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸アルミニウムカリウム、タンニン酸である。
【0032】
収斂成分を用いる場合、そのコラーゲン合成促進用組成物に配合する割合は、通常0.0003〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、収斂成分はコラーゲン合成促進用組成物中に含まれるアスコルビン酸類100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0033】
抗酸化成分としては、トコフェロール及びその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。好ましくは、トコフェロール及びその誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、チオレドキシン、フラボノイドである。
【0034】
抗酸化成分を用いる場合、コラーゲン合成促進用組成物に配合する割合は、通常0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。またコラーゲン合成促進用組成物中に含まれるアスコルビン酸類100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0035】
老化防止成分としては、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。好ましくは、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、カイネチンである。
【0036】
上記老化防止成分を用いる場合、コラーゲン合成促進用組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、老化防止成分はコラーゲン合成促進用組成物中に含まれるアスコルビン酸類100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0037】
保湿成分としては、アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンなどのアミノ酸及びその誘導体;コラーゲン、コラーゲンペプチド、ゼラチン等のペプチド;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヘパリン、コンドロイチン等のムコ多糖;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分などがあげられる。好ましいものは、アラニン、セリン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、コラーゲン、コラーゲンペプチド、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、水素添加レシチン、ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヘパリン、コンドロイチン、乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウである。
【0038】
保湿成分を用いる場合、コラーゲン合成促進用組成物に配合する割合としては、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは0.5〜5重量%を挙げることができる。
【0039】
本発明のコラーゲン合成促進用組成物は、上記各成分に加えて組成物の用途あるいは剤形に応じて、食品、医薬部外品、医薬品に通常使用される成分を適宜配合しても良い。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、アミノ酸類、アルコール類、多価アルコール類、糖類、ガム質、多糖類などの高分子化合物、界面活性剤、可溶化成分、油脂類、経皮吸収促進成分、防腐・抗菌・殺菌剤、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤、酵素成分、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、清涼化剤の他、ミネラル類、細胞賦活剤、滋養強壮剤、賦形剤、増粘剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、分散剤、吸着剤、崩壊補助剤、湿潤剤または湿潤調節剤、防湿剤、着色料、着香剤または香料、芳香剤、還元剤、可溶化剤、溶解補助剤、発泡剤、粘稠剤または粘稠化剤、溶剤、基剤、乳化剤、可塑剤、緩衝剤、光沢化剤などをあげることができる。特に界面活性剤、可溶化成分または油脂類を配合することによって、水性溶媒中におけるアスコルビン酸類の安定性、有効性、使用感をより向上させることができる。また、本発明の組成物が外用組成物である場合には、界面活性剤、可溶化成分、油脂類または経皮吸収促進成分を配合するのが好ましい。
【0040】
ここで用いられる界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)−オクチルドデシルアルコールやPOE−2−デシルテトラデシルアルコール等のPOE−分岐アルキルエーテル;POE−オレイルアルコールエーテルやPOE−セチルアルコールエーテル等のPOE−アルキルエーテル;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート及びソルビタンモノラウレート等のソルビタンエステル;POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノイソステアレート、及びPOE−ソルビタンモノラウレート等のPOE−ソルビタンエステル;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、及びグリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;POE−グリセリンモノオレエート、POE−グリセリンモノステアレート、及びPOE−グリセリンモノミリステート等のPOE−グリセリン脂肪酸エステル;POE−ジヒドロコレステロールエステル、POE−硬化ヒマシ油、及びPOE−硬化ヒマシ油イソステアレート等のPOE−硬化ヒマシ油脂肪酸エステル;POE−オクチルフェニルエーテル等のPOE−アルキルアリールエーテル;モノイソステアリルグリセリルエーテルやモノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;POE−モノステアリルグリセリルエーテル、POE−モノミリスチルグリセリルエーテル等のPOE−グリセリンアルキルエーテル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、及びジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、等の各種非イオン界面活性剤::あるいはレシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等を例示することができる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもまた2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0041】
界面活性剤を使用する場合、コラーゲン合成促進用組成物への配合割合としては、副作用がなく皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、コラーゲン合成促進用組成物中に0.01〜30重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができる。コラーゲン合成促進用組成物中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点からは、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%の範囲を挙げることができる。
【0042】
可溶化成分としては、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において用いられるものであれば特に限定されない。例えば、エタノール等の低級アルコール、グリセリン,エチレングリコール等の多価アルコール、水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を挙げることができる。好ましくは、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであり、より好ましくは、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水素添加大豆リン脂質である。これらの可溶化成分は、1種単独で使用しても、または2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0043】
これらの可溶化成分を使用する場合、コラーゲン合成促進用組成物への配合割合としては、副作用がなく皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、コラーゲン合成促進用組成物中に0.01〜70重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができるが、コラーゲン合成促進用組成物中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点からは、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%の範囲を挙げることができる。
【0044】
油脂類としては、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の合成油脂;大豆油、米油、菜種油、綿実油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヒマワリ油、パーム油、アマ油、シソ油、シア油、サル油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、及びアボガド油等の植物油脂;ミンク油、卵黄油、牛脂、乳脂、及び豚脂等の動物油脂;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステルやエーテル類;シリコーン油等が挙げられる。これらの油脂類は、1種単独で使用しても、または2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0045】
これらの油脂類を使用する場合、コラーゲン合成促進用組成物への配合割合としては、副作用がなく皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、コラーゲン合成促進用組成物中に0.01〜70重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができるが、コラーゲン合成促進用組成物中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点から、好ましくは0.1〜60重量%、より好ましくは0.1〜50重量%の範囲を挙げることができる。
【0046】
本発明のコラーゲン合成促進用組成物は、組成物の用途に応じて、食品、医薬部外品、化粧品に通常使用される剤形をとることができ、通常、固形剤、半固形剤または液剤である。具体的には、錠剤(口腔内側崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤などを含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(ドリンク剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゲル剤、リポソーム剤、エキス剤、チンキ剤、レモネード剤、軟膏剤、ゼリー剤などの公知の形態をとることができる。また、必要に応じてその他の溶媒や通常使用される基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。
【0047】
これらの剤形は当業界の通常の方法にて製造することができる。例えば、半固形剤であれば、アスコルビン酸類、低分子ベタイン並びに必要に応じて上記各任意成分を配合混合し、さらに必要に応じてその他の溶媒や通常使用される外用剤の基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。
【0048】
本発明のコラーゲン合成促進用組成物は、通常pH1〜8の液性を備えていればよいが、半固形剤又は液剤にする場合、アスコルビン酸類の安定性、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH2〜7、より好ましくはpH2〜6の酸性領域であることが望ましい。
【0049】
本発明のコラーゲン合成促進用組成物は、本発明の効果を奏すれば特に限定されないが、例えば医薬品、医薬部外品、食品[菓子、健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメントなど)を含む)、栄養機能食品、特定保健用食品を含む]、化粧品ではファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;乳液、クリーム、ローション、オイル及びパックなどの基礎化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料、入浴剤などとすることができる。
【0050】
本発明のコラーゲン合成促進用組成物は内服用組成物として用いても外用組成物として用いてもよいが、本発明は外用組成物として使用されることが好ましい。本発明の組成物はコラーゲン合成量が顕著に増大しているのでコラーゲン減少に伴う各種障害(角膜潰瘍などの角膜障害、リューマチ,関節炎,変形性関節炎,骨関節炎などの関節障害、炎症性障害等)の治療又は予防用組成物、美容上の問題を予防又は治療するための組成物(抗シワ用組成物、抗タルミ用組成物等)として用いることができる。
【実施例】
【0051】
以下に本発明を実施例及び試験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。なお、下記の各処方において%とは、特に言及しない限り、重量(W/W)%を意味するものとする。
【0052】
試験例1 皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン合成量
24ウェル培養プレート上に、正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF;クラボウ社製)を1×10個/ウェルで播種し(1群を6とした)、培養液として皮膚線維芽細胞増殖用培地(クラボウ社製)を使用し、37℃、5%CO条件下で培養した。96時間培養後、各ウェルから培養液を除去した後、L−アスコルビン酸又は/及びトリメチルグリシンを表1に示す濃度で含む上記培養液、又はL−アスコルビン酸及びトリメチルグリシンを含まない上記培養液(対照)を各ウェルに1ml加え、さらに48時間培養した。
培養終了後、培養上清中のI型プロコラーゲン量をELISA(Procollagen typeI C-peptide EIA Kit;宝酒造社製)にて測定した。I型プロコラーゲンは、I型コラーゲンの前駆体であることから、コラーゲン合成量の生化学的指標としてI型プロコラーゲン量を測定した。
次に、MTT試薬(ドータイトMTT凍結乾燥品;株式会社同仁化学研究所)を用いて各ウェルの細胞数を測定し、I型プロコラーゲン量を細胞数で除して、ウェル間の細胞数によるばらつきを排除するとともに、細胞あたりのコラーゲン合成量とした。
結果を表1に示す。表中のコラーゲン合成倍率は、対照培養液における細胞あたりのコラーゲン合成量(1群6の平均値)に対する試験培養液における細胞あたりのコラーゲン合成量(1群6の平均値)の倍率とする。
【0053】
【表1】

【0054】
L−アスコルビン酸添加培養液で培養した細胞では、L−アスコルビン酸濃度に依存してコラーゲン合成量が増加していた。一方、トリメチルグリシン添加培養液で培養した細胞では、コラーゲン合成量の増加が認められなかった。L−アスコルビン酸とトリメチルグリシンの両者を併用した培養液で培養した細胞では、コラーゲン合成量が顕著に増加したことから、トリメチルグリシンとL−アスコルビン酸の併用によってコラーゲン合成促進効果が顕著に増強されることが認められた。
【0055】
実施例1(日焼け止め)
トリメチルグリシン 1.0(%)
テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル 0.1
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 10.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
パルミチン酸オクチル 10.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 3.0
メチルハイドロジェンポリシロキサン処理低温焼成酸化亜鉛 15.0
ポリアクリル酸アルキル 5.0
濃グリセリン 5.0
無水エタノール 5.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
パンテノール 0.1
香料 0.1
フィチン酸 0.05
精製水 残 量
合 計 100.0%。
【0056】
実施例2(日焼け止め)
トリメチルグリシン 3.0(%)
テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル 1.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 10.0
ベンジリデンマロネートポリシロキサン(PARSOL SLX) 5.0
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
(ユビナール APlus) 5.0
ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル
3.0
2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3
,5−トリアジン 3.0
ジオクタン酸イソルバイド(ソルエスター208) 10.0
ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(KF6105) 3.0
フェルラ酸 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
パラオキシ安息香酸プロピル 0.05
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 3.0
トリエタノールアミン 1.5
シアノコバラミン 0.05
精製水 残 量
合 計 100.0%。
【0057】
実施例3(日焼け止め)
トリメチルグリシン 5.0(%)
テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル 5.0
アスコルビン酸ナトリウム 1.0
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 3.0
フェルラ酸 3.0
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 3.0
トリエタノールアミン 1.5
ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸 1.0
ラウリルジメチコンポリグリセリン−3クロスポリマー/トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(KSG−830) 5.0
濃グリセリン 10.0
シアノコバラミン 0.05
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 10.0
4−tert−ブチル−4−メトキシジベンゾイルメタン 2.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
パラオキシ安息香酸プロピル 0.05
デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
精製水 残 量
合 計 100.0%。
【0058】
実施例4(シワ・タルミ予防クリーム)
トリメチルグリシン 0.5(%)
テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル 5.0
ラウリルジメチコンポリグリセリン−3クロスポリマー/トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(KSG−830) 5.0
架橋型メチルポリシロキサン/メチルポリシロキサン(KSG16) 5.0
架橋型アルキル変性シリコン/トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル
(KGG−43) 3.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
ポリメチルシルセスキオキサン 3.0
(ジメチコン/ビニルジメチコン/メチコン)クロスポリマー 1.0
ポリアクリル酸アルキル 5.0
濃グリセリン 10.0
硫酸マグネシウム 0.1
エデト酸ナトリウム 0.05
シアノコバラミン 0.01
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
パラオキシ安息香酸プロピル 0.05
精製水 残 量
合 計 100.0%。
【0059】
実施例5(シワ・タルミ予防クリーム)
トリメチルグリシン 0.1(%)
テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル 3.0
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 5.0
白色ワセリン 2.0
ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
セタノール 0.5
濃グリセリン 5.0
シアノコバラミン 0.01
L−アルギニン 0.1
キサンタンガム 0.1
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
アルギン酸ナトリウム 0.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
パラオキシ安息香酸プロピル 0.05
精製水 残 量
合 計 100.0%。
【0060】
実施例6(シワ・タルミ予防化粧水)
トリメチルグリシン 3.0(%)
アスコルビン酸ナトリウム 10.0
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 5.0
ヒアルロン酸 0.05
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−80) 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
精製水 残 量
合 計 100.0%。
【0061】
実施例7(シワ・タルミ予防スティック)
トリメチルグリシン 3.0(%)
テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル 5.0
パラフィンワックス 10.0
白色ワセリン 15.0
オレイン酸フィトステリル 19.0
セリシン 5.0
カルナバロウ 5.0
サラシミツロウ 5.0
ホホバ油 10.0
l−メントール 0.1
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 22.9
合 計 100.0%。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種並びに、低分子ベタインを有効成分として含有するコラーゲン合成促進剤。
【請求項2】
アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種並びに、低分子ベタインをコラーゲン合成促進剤として含有するコラーゲン合成促進用組成物。
【請求項3】
低分子ベタインが、下記式(1)
【化1】

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表し、nは1〜6を表す。)で表される化合物である請求項1に記載のコラーゲン合成促進剤。
【請求項4】
低分子ベタインが、トリメチルグリシン、トリエチルグリシン、トリプロピルグリシン、トリイソプロピルグリシン、トリメチル−γ−アミノ酪酸、N,N,N−トリメチルアラニン、N,N,N−トリエチルアラニン、N,N,N−トリイソプロピルアラニン、N,N,N−トリメチルメチルアラニン、カルニチン及びアセチルカルニチンからなる群から選択される化合物から選択される少なくとも一種である請求項1又は3に記載のコラーゲン合成促進剤。

【公開番号】特開2010−248211(P2010−248211A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133404(P2010−133404)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【分割の表示】特願2004−52661(P2004−52661)の分割
【原出願日】平成16年2月27日(2004.2.27)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】