ゴム被覆コード部材の製造方法および装置
【課題】コード供給装置の切替え時に複数本のコードを均等に引っ張ることが容易にでき、作業を簡易化して作業労力を軽減し作業時間の短縮を図ることができるゴム被覆コード部材の製造方法および製造装置を供する。
【解決手段】 コード供給装置から引き出された複数本のコードを押出機のインシュレーションヘッド15に通し、突出した複数本のコード1を引き出して先端部分を割溝付きローラ30の割溝に係止し、押出機を稼動しながら割溝付きローラ30を回転して複数本のコード1にゴムを被覆し、ゴム被覆部の先端部分を切断し、切断した残りのゴム被覆コード部材2の先端を前回形成されたゴム被覆コード部材2の切断した後端に接合し、前回形成されたゴム被覆コード部材2の引き出しに従って押出機を稼動して複数本のコード2にゴムを連続的に被覆して1本のゴム被覆コード部材を製造するゴム被覆コード部材の製造方法。
【解決手段】 コード供給装置から引き出された複数本のコードを押出機のインシュレーションヘッド15に通し、突出した複数本のコード1を引き出して先端部分を割溝付きローラ30の割溝に係止し、押出機を稼動しながら割溝付きローラ30を回転して複数本のコード1にゴムを被覆し、ゴム被覆部の先端部分を切断し、切断した残りのゴム被覆コード部材2の先端を前回形成されたゴム被覆コード部材2の切断した後端に接合し、前回形成されたゴム被覆コード部材2の引き出しに従って押出機を稼動して複数本のコード2にゴムを連続的に被覆して1本のゴム被覆コード部材を製造するゴム被覆コード部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ構成部材を構成するゴム被覆コード部材の製造方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトやプライなどのタイヤ構成部材は、所定のピッチで平行に配列された複数本のコードにゴムを被覆させたゴム被覆コード部材を切断し接合して構成される。
このゴム被覆コード部材を製造するのに、配列された複数本のコードを一対のゴムシートが挟むようにして製造するカレンダ方式があるが、コードの配列が乱れて偏りを生じるおそれがある。
【0003】
そこで、押出機により配列された複数本のコードに直接ゴムを被覆していくインシュレーション方式が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−113793号公報
【0005】
特許文献1には、押出機のインシュレーションヘッド内に設けられたインサータに複数本のコードを通すことで、所要の相対姿勢で案内された複数本のコードに、押出機のシリンダから送給された未加硫ゴムをダイにより所要の形状で被覆することが開示されており、インサータにより整列された複数本のコードに直接未加硫ゴムが被覆されるので、コードの配列に乱れはなく偏りも生じ難い。
【0006】
しかし、複数本のコードをインシュレーションヘッドに供給する装置については、特許文献1には開示されていない。
通常、1本のコードを巻込んだリールを複数支持したクリール台車またはクリールスタンドなどのコード供給装置から複数本のコードが一斉にインシュレーションヘッドに供給される。
【0007】
1台のコード供給装置から供給されるコードの長さは限界があるので、ゴム被覆コード部材を製造途中で、コード供給装置のコードが全て供給し終えると、コード供給装置を新しいコード供給装置に切替える必要があるが、このときの作業についても前記特許文献1には開示されていない。
【0008】
特許文献1には開示されていないが、新たなコード供給装置から複数本のコードを巻き出して、インシュレーションヘッドに挿通させ、かつインシュレーションヘッドから突出した複数本のコードを引き出しながら押出機を稼動して複数本のコードにゴムを被覆してゴム被覆コード部材の先端部分を形成し、この先端部分を切断して、先に形成したゴム被覆コード部材の後端に接合し、以後続けてゴム被覆コード部材を連続的に形成していくことになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここに、連続的にゴム被覆コード部材を形成し始める前までは、殆ど作業員の手作業で行われ、特にインシュレーションヘッドから突出した複数本のコードを引き出しながらゴムを被覆する工程は、非常に力を要するとともに、複数本のコードを偏りなく均等に引っ張ることが容易ではなく、作業が困難で作業時間も多くを要していた。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、コード供給装置の切替え時に複数本のコードを均等に引っ張ることが容易にでき、作業を簡易化して作業労力を軽減し作業時間の短縮を図ることができるゴム被覆コード部材の製造方法および製造装置を供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、コード供給装置から引き出された複数本のコードを押出機のインシュレーションヘッドに通し、インシュレーションヘッドから突出した複数本のコードを引き出して先端部分を割溝付きローラの割溝に係止し、前記押出機を稼動しながら前記割溝付きローラを回転して複数本のコードにゴムを被覆し、ゴム被覆部の先端部分を切断し、切断したゴム被覆コード部材の先端を前回形成されたゴム被覆コード部材の切断した後端に接合し、前回形成されたゴム被覆コード部材の引き出しに従って前記押出機を稼動して複数本のコードにゴムを連続的に被覆して1本のゴム被覆コード部材を製造するゴム被覆コード部材の製造方法とした。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のゴム被覆コード部材の製造方法において、前記コード供給装置から引き出される複数本のコードが引き出し終えると、コードのゴム被覆部の後端部分を切断し、空のコード供給装置を新たなコード供給装置に切替えることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、複数本のコードがそれぞれ引き出されるコード供給装置と、前記コード供給装置から引き出された複数本のコードにゴムを被覆する押出機と、コードにゴムが被覆されたゴム被覆コード部材の端部を切断する切断手段と、切断したゴム被覆コード部材の端部を互いに接合する接合手段とを備えたゴム被覆コード部材の製造装置において、前記押出機のインシュレーションヘッドから引き出された複数本のコードを割溝に係止して巻込む割溝付きローラと、前記割溝付きローラを回転駆動する駆動手段とを備えたゴム被覆コード部材の製造装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載のゴム被覆コード部材の製造方法によれば、コード供給装置の切替え時に新たなコード供給装置から引き出されインシュレーションヘッドから突出した複数本のコードを引き出し、その先端部分を割溝付きローラの割溝に係止し、押出機を稼動しながら割溝付きローラを回転して複数本のコードにゴムを被覆するので、複数本のコードの先端部分を係止した割溝付きローラを回転すれば、複数本のコードを偏りなく均等に引っ張ることが容易にでき、労力は軽減され、作業を簡易化して作業時間の短縮を図ることができる。
【0015】
請求項2記載のゴム被覆コード部材の製造方法によれば、コード供給装置の複数のクリールから引き出される複数本のコードが引き出し終えると、コードのゴム被覆部の後端部分を切断し、新たなゴム被覆コード部材の先端との接合に備え、空のコード供給装置を新たなコード供給装置に切替えることで、新たにゴム被覆コード部材を形成し、その先端部分を切断して前回のゴム被覆コード部材の切断した後端に接合し、前回のゴム被覆コード部材に今回のゴム被覆コード部材を効率良く連続することができる。
【0016】
請求項3記載のゴム被覆コード部材の製造装置によれば、押出機のインシュレーションヘッドから引き出された複数本のコードを割溝に係止して巻込む割溝付きローラと、同割溝付きローラを回転駆動する駆動手段とを備えているので、割溝付きローラは回動するだけで、複数本のコードを偏りなく均等に引っ張ることが容易にでき、作業を簡易化して作業時間の短縮を図ることができる。
割溝付きローラを回転駆動する駆動手段に減速機構を備えたり、電動機を駆動にすることで、作業者の労力を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図6に基づいて説明する。
本実施の形態のゴム被覆コード部材製造装置10の要部のみの概略平面図を図1に、概略側面図を図2に図示する。
【0018】
押出機11は、ゴム材料が投入されるホッパ12の下方から延出するシリンダ13の内部にスクリュー14が回動自在に軸支され、シリンダ13の先端にインシュレーションヘッド15が設けられている。
スクリュー14がモータにより回転駆動されることで、ホッパ12に投入されたゴム材料が熱入れされて練られながら、シリンダ13の先端のインシュレーションヘッド15に移送される。
【0019】
インシュレーションヘッド15には、スクリュー14により移送されたゴム材料を帯状に成形して押し出すダイ16と、ダイの背後にあって複数のコード1を所定の相対位置関係に配列してダイ16に供給するインサータ17を備えている。
【0020】
このインシュレーションヘッド15にコード1を供給するクリール台車21が、インサータの後方所定位置に停止している。
車輪22を備えるクリール台車21は、移動可能で、架台23には複数のボビン・リール24が左右前後および上下に軸支されており、この各ボビン・リール24にそれぞれスチールコード1が巻き付けられている。
【0021】
クリール台車21の前方でインシュレーションヘッド15のインサータ17の後方にコード整列ガイド25が配置されている。
コード整列ガイド25は、板状部材であり、スチールコード1を通す小孔が複数所定位置に穿設されており、クリール台車21の各ボビン・リール24から巻き出されたスチールコード1を各小孔に通すことによりインシュレーションヘッド15のインサータの後方対向した位置に複数本のスチールコード1をまとめて大まかに整列させることができる。
【0022】
コード整列ガイド25で大まかに整列された複数本のスチールコード1は、インシュレーションヘッド15のインサータ17に通すことにより、所要のピッチで1列に配列されてダイの開口より前方に突出され、前方に引っ張られながら未加硫ゴムが被覆されてダイにより帯状に成形されゴム被覆コード部材2が形成される。
【0023】
インシュレーションヘッド15のダイより前方に、ゴム被覆コード部材2を受けながら搬送するパスローラ26が配設され、さらにパスローラ26より前方下流側に作業台27が設置されている。
作業台27より下流側には、図示されないが、ゴム被覆コード部材2をモータ駆動により巻き取る巻取装置等が設置されている。
【0024】
巻取装置によって引っ張られながらインシュレーションヘッド15において帯状に成形されて押し出されたゴム被覆コード部材2は作業台27上を通過するとともに、作業台27ではゴム被覆コード部材2の切断や接合などの作業がなされる。
【0025】
本ゴム被覆コード部材製造装置10は、作業台27の下方に割溝付きローラ30が軸中心に回転可能に設けられている。
図3に示すように、割溝付きローラ30は、円柱状をして先端面に十字形に溝口を有して4本の割溝31が軸方向に所定深さまで切削形成されている。
【0026】
割溝付きローラ30は、減速歯車機構35の出力軸として減速歯車機構35から突出しており、同減速歯車機構35の入力軸は、手動ハンドル36のハンドル軸となっている(図1参照)。
したがって、作業者が手動ハンドル36を廻すと、減速歯車機構35を介して割溝付きローラ30が減速回転するので、作業者は小さな力で割溝付きローラ30を大きな力で回転駆動させることができる。
【0027】
複数本のスチールコード1の先端部分を一列に並べた状態で所要箇所を一斉に直角に折り曲げ、その折り曲げ部分を割溝付きローラ30の先端面の十字形の溝口のうち互いに直交する2本の割溝31の溝口に順次差し込むようにしてすべてのスチールコード1を割溝31に挿入して引っ掛けるように係止することができる(図4参照)。
なお、図11に図示する割溝付きローラ60のように、割溝61の溝口の開口縁を切り欠いてテーパ面61aを形成して溝口をテーパ状に拡げるようにしてもよく、このようなテーパ面61aを形成することで、一度に複数本のコードを割溝61に挿入することができる。
【0028】
複数本のスチールコード1の先端部分を割溝31に係止した状態で、割溝付きローラ30を回転すると、複数本のスチールコード1を割溝付きローラ30の外周面に巻き付けて一斉に引っ張ることができる。
複数本のスチールコード1は偏りなく均等に引っ張られる。
【0029】
このような割溝付きローラ30を備えたゴム被覆コード部材製造装置10におけるクリール台車21の切替え時の作業手順を、図5および図6に経時的に図示した概略側面図に従って説明する。
【0030】
まず、図5の(1)は、クリール台車21からのスチールコード1の供給を終え、インシュレーション方式によりインシュレーションヘッド15から押し出されて形成されたゴム被覆コード部材2の後端部が作業台27に載っている状態を示している。
次に、作業台27上で、ゴム被覆コード部材2の後端部分をハンドシャー,金切りバサミ,カッタ等の切断具28により切断し(図5の(2)参照)、切断した後端部分を取り除く(図5の(3)参照)。
【0031】
この間に、スチールコード1の供給を終えた空のクリール台車21を移動し、スチールコード1をボビン・リール24に巻込んだ新たなクリール台車21に切替える(図5の(3)参照)。
【0032】
そして、図5の(4)に示すように、新たなクリール台車21の各ボビン・リール24からスチールコード1を引き出し、コード整列ガイド25に通して大まかにまとめ整列させた後、インシュレーションヘッド15のインサータ17に挿通して複数のスチールコード1を1列に整列させ、ダイ16から先端を引き出し、さらにパスローラ26に部分的に巻き掛けて斜め下方に方向を変えて引き出し、一列に並んだ複数のスチールコード1の先端部分を直角に折り曲げ、その折り曲げ部分を割溝付きローラ30の先端面の十字形の溝口のうち互いに直交する溝口に順次差し込むようにしてすべてのスチールコード1を割溝31に挿入して引っ掛けるように係止する(図4参照)。
【0033】
以上のスチールコード1のセッティングは、作業者が手作業で行うが、クリール台車21からスチールコード1を引き出しセットするだけなので、それ程労力を要するものではなく、特にインシュレーションヘッド15からのスチールコード1の引き出しは、ゴム被覆がなされないので、強い力で引っ張る必要はない。
【0034】
こうして複数のスチールコード1の先端部分を割溝付きローラ30の割溝31に係止した後、押出機11を稼動するとともに、手動ハンドル36を回転操作し減速歯車機構35を介して割溝付きローラ30を回転駆動することで複数のスチールコード1を一度に巻込み、複数のスチールコード1を偏りなく均等な力で引き出すことが簡単にできる。
【0035】
すると、図6の(5)に示すように、割溝付きローラ30の巻込みによる複数のスチールコード1の引き出しに従ってインシュレーションヘッド15によりゴムがスチールコード1を被覆しながら帯状に成形されて押し出されていく。
【0036】
このときのスチールコード1の引き出しに要する力は、ゴムが被覆されるので、大きいが、減速歯車機構35により作業者の手動ハンドル36の回転操作は弱い力でよく、労力が大幅に軽減されている。
【0037】
このようにして今回形成されるゴム被覆コード部材2が所定長さ形成され、ゴム被覆コード部材2の先端が割溝付きローラ30に近づいたところで、図6の(5)に示すように、ゴム被覆コード部材2の先端部分をハンドシャー,金切りバサミ,カッタ等の切断具29で切断する。
【0038】
そして、今回形成されるゴム被覆コード部材2の切断した先端を、作業台27上に待機していた前回形成されたゴム被覆コード部材2の切断した後端に、作業台27上で接合することで(図6の(6)参照)、前回形成されたゴム被覆コード部材2に今回形成されるゴム被覆コード部材2を効率良く連続することができる。
この接合は、前回形成されたゴム被覆コード部材2の後端に、今回形成されるゴム被覆コード部材2の先端を重ね合わせてステッチャ等の接合手段で圧着して接合する。
【0039】
こうして前回形成されたゴム被覆コード部材2に今回形成途中のゴム被覆コード部材2が接合されると、モータ駆動による巻取装置により前回形成されたゴム被覆コード部材2が巻取られるに従って今回の形成途中のゴム被覆コード部材2が巻取装置の駆動により引き出され、同時に複数のスチールコード1にゴムが被覆されてゴム被覆コード部材2が形成されていく(図6の(7)参照)。
【0040】
そして、今回のクリール台車21からのスチールコード1の供給を終え、今回のゴム被覆コード部材2の形成を終えた状態が、図6の(8)に示す状態であり、図5の(1)と同じ状態となり、以上の工程を繰り返すことにより、長尺の1本のゴム被覆コード部材2が巻取装置に巻き取られた状態で製造される。
【0041】
以上のように、クリール台車21の切替え時に、新たなクリール台車21から引き出された複数本のスチールコード1を、割溝付きローラ30の割溝31に係止することで、複数本のコードを偏りなく均等に引っ張ることが容易にでき、労力は軽減され、ゴム被覆コード部材2の製造作業を簡易化して作業時間の短縮を図ることができる。
【0042】
ゴム被覆コード部材2にはスチールコード1が使用されていたが、スチールコードに限らずテキスタイルコード等のコードが使用されることもあり、本押出機11のインシュレーションヘッド15は、コードの種類に関係なく、ゴムを被覆することができる。
【0043】
本ゴム被覆コード部材製造装置10は、割溝付きローラ30を回転駆動するのに、作業者の手動ハンドル36の回転操作によっていたが、割溝付きローラ30をモータ等の駆動源により回転駆動するようにしてもよく、作業者の負担が益々軽減される。
【0044】
次に、割溝付きローラの変形例を、図7および図8に示し説明する。
図7に示す割溝付きローラ40は、円柱状をして先端面に中心から放射方向に溝口を有して3本の割溝41が互いに120度の間隔を存して軸方向に所定深さまで切削形成されている。
このうち2本の割溝41に複数本のコードの先端部分が挿入して引っ掛けるように係止することができ、複数本のコードを一斉に巻き込み、偏りなく均等な力で引き出すことが簡単にできる。
【0045】
また、割溝付きローラの別の変形例を図9および図10に示す。
円柱状をして先端面に直径方向に溝口を有して1本の割溝51が軸方向に所定深さまで切削形成されている。
この割溝51に複数本のコードの先端部分が挿入して引っ掛けるように係止することができ、複数本のコードを一斉に巻き込み、偏りなく均等な力で引き出すことが簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施の形態に係るゴム被覆コード部材製造装置の要部のみの概略平面図である。
【図2】同概略側面図である。
【図3】割溝付きローラの斜視図である。
【図4】同割溝付きローラにスチールコードを係止した状態を示す側面図である。
【図5】クリール台車の切替え時の作業手順を経時的に図示した概略側面図である。
【図6】図5の続きの概略側面図である。
【図7】割溝付きローラの変形例を示す斜視図である。
【図8】同割溝付きローラにスチールコードを係止した状態を示す側面図である。
【図9】割溝付きローラの別の変形例を示す斜視図である。
【図10】同割溝付きローラにスチールコードを係止した状態を示す側面図である。
【図11】割溝付きローラの変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1…スチールコード、2…ゴム被覆コード部材、
10…ゴム被覆コード部材製造装置、11…押出機、12…ホッパ、13…シリンダ、14…スクリュー、15…インシュレーションヘッド、16…ダイ、17…インサータ、21…クリール台車、22…車輪、23…架台、24…ボビン・リール、25…コード整列ガイド、26…パスローラ、27…作業台、28,29…切断具、
30…割溝付きローラ、31…割溝、35…減速歯車機構、36…手動ハンドル。
40…割溝付きローラ、41…割溝、
50…割溝付きローラ、51…割溝、
60…割溝付きローラ、61…割溝。
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ構成部材を構成するゴム被覆コード部材の製造方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトやプライなどのタイヤ構成部材は、所定のピッチで平行に配列された複数本のコードにゴムを被覆させたゴム被覆コード部材を切断し接合して構成される。
このゴム被覆コード部材を製造するのに、配列された複数本のコードを一対のゴムシートが挟むようにして製造するカレンダ方式があるが、コードの配列が乱れて偏りを生じるおそれがある。
【0003】
そこで、押出機により配列された複数本のコードに直接ゴムを被覆していくインシュレーション方式が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−113793号公報
【0005】
特許文献1には、押出機のインシュレーションヘッド内に設けられたインサータに複数本のコードを通すことで、所要の相対姿勢で案内された複数本のコードに、押出機のシリンダから送給された未加硫ゴムをダイにより所要の形状で被覆することが開示されており、インサータにより整列された複数本のコードに直接未加硫ゴムが被覆されるので、コードの配列に乱れはなく偏りも生じ難い。
【0006】
しかし、複数本のコードをインシュレーションヘッドに供給する装置については、特許文献1には開示されていない。
通常、1本のコードを巻込んだリールを複数支持したクリール台車またはクリールスタンドなどのコード供給装置から複数本のコードが一斉にインシュレーションヘッドに供給される。
【0007】
1台のコード供給装置から供給されるコードの長さは限界があるので、ゴム被覆コード部材を製造途中で、コード供給装置のコードが全て供給し終えると、コード供給装置を新しいコード供給装置に切替える必要があるが、このときの作業についても前記特許文献1には開示されていない。
【0008】
特許文献1には開示されていないが、新たなコード供給装置から複数本のコードを巻き出して、インシュレーションヘッドに挿通させ、かつインシュレーションヘッドから突出した複数本のコードを引き出しながら押出機を稼動して複数本のコードにゴムを被覆してゴム被覆コード部材の先端部分を形成し、この先端部分を切断して、先に形成したゴム被覆コード部材の後端に接合し、以後続けてゴム被覆コード部材を連続的に形成していくことになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここに、連続的にゴム被覆コード部材を形成し始める前までは、殆ど作業員の手作業で行われ、特にインシュレーションヘッドから突出した複数本のコードを引き出しながらゴムを被覆する工程は、非常に力を要するとともに、複数本のコードを偏りなく均等に引っ張ることが容易ではなく、作業が困難で作業時間も多くを要していた。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、コード供給装置の切替え時に複数本のコードを均等に引っ張ることが容易にでき、作業を簡易化して作業労力を軽減し作業時間の短縮を図ることができるゴム被覆コード部材の製造方法および製造装置を供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、コード供給装置から引き出された複数本のコードを押出機のインシュレーションヘッドに通し、インシュレーションヘッドから突出した複数本のコードを引き出して先端部分を割溝付きローラの割溝に係止し、前記押出機を稼動しながら前記割溝付きローラを回転して複数本のコードにゴムを被覆し、ゴム被覆部の先端部分を切断し、切断したゴム被覆コード部材の先端を前回形成されたゴム被覆コード部材の切断した後端に接合し、前回形成されたゴム被覆コード部材の引き出しに従って前記押出機を稼動して複数本のコードにゴムを連続的に被覆して1本のゴム被覆コード部材を製造するゴム被覆コード部材の製造方法とした。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のゴム被覆コード部材の製造方法において、前記コード供給装置から引き出される複数本のコードが引き出し終えると、コードのゴム被覆部の後端部分を切断し、空のコード供給装置を新たなコード供給装置に切替えることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、複数本のコードがそれぞれ引き出されるコード供給装置と、前記コード供給装置から引き出された複数本のコードにゴムを被覆する押出機と、コードにゴムが被覆されたゴム被覆コード部材の端部を切断する切断手段と、切断したゴム被覆コード部材の端部を互いに接合する接合手段とを備えたゴム被覆コード部材の製造装置において、前記押出機のインシュレーションヘッドから引き出された複数本のコードを割溝に係止して巻込む割溝付きローラと、前記割溝付きローラを回転駆動する駆動手段とを備えたゴム被覆コード部材の製造装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載のゴム被覆コード部材の製造方法によれば、コード供給装置の切替え時に新たなコード供給装置から引き出されインシュレーションヘッドから突出した複数本のコードを引き出し、その先端部分を割溝付きローラの割溝に係止し、押出機を稼動しながら割溝付きローラを回転して複数本のコードにゴムを被覆するので、複数本のコードの先端部分を係止した割溝付きローラを回転すれば、複数本のコードを偏りなく均等に引っ張ることが容易にでき、労力は軽減され、作業を簡易化して作業時間の短縮を図ることができる。
【0015】
請求項2記載のゴム被覆コード部材の製造方法によれば、コード供給装置の複数のクリールから引き出される複数本のコードが引き出し終えると、コードのゴム被覆部の後端部分を切断し、新たなゴム被覆コード部材の先端との接合に備え、空のコード供給装置を新たなコード供給装置に切替えることで、新たにゴム被覆コード部材を形成し、その先端部分を切断して前回のゴム被覆コード部材の切断した後端に接合し、前回のゴム被覆コード部材に今回のゴム被覆コード部材を効率良く連続することができる。
【0016】
請求項3記載のゴム被覆コード部材の製造装置によれば、押出機のインシュレーションヘッドから引き出された複数本のコードを割溝に係止して巻込む割溝付きローラと、同割溝付きローラを回転駆動する駆動手段とを備えているので、割溝付きローラは回動するだけで、複数本のコードを偏りなく均等に引っ張ることが容易にでき、作業を簡易化して作業時間の短縮を図ることができる。
割溝付きローラを回転駆動する駆動手段に減速機構を備えたり、電動機を駆動にすることで、作業者の労力を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図6に基づいて説明する。
本実施の形態のゴム被覆コード部材製造装置10の要部のみの概略平面図を図1に、概略側面図を図2に図示する。
【0018】
押出機11は、ゴム材料が投入されるホッパ12の下方から延出するシリンダ13の内部にスクリュー14が回動自在に軸支され、シリンダ13の先端にインシュレーションヘッド15が設けられている。
スクリュー14がモータにより回転駆動されることで、ホッパ12に投入されたゴム材料が熱入れされて練られながら、シリンダ13の先端のインシュレーションヘッド15に移送される。
【0019】
インシュレーションヘッド15には、スクリュー14により移送されたゴム材料を帯状に成形して押し出すダイ16と、ダイの背後にあって複数のコード1を所定の相対位置関係に配列してダイ16に供給するインサータ17を備えている。
【0020】
このインシュレーションヘッド15にコード1を供給するクリール台車21が、インサータの後方所定位置に停止している。
車輪22を備えるクリール台車21は、移動可能で、架台23には複数のボビン・リール24が左右前後および上下に軸支されており、この各ボビン・リール24にそれぞれスチールコード1が巻き付けられている。
【0021】
クリール台車21の前方でインシュレーションヘッド15のインサータ17の後方にコード整列ガイド25が配置されている。
コード整列ガイド25は、板状部材であり、スチールコード1を通す小孔が複数所定位置に穿設されており、クリール台車21の各ボビン・リール24から巻き出されたスチールコード1を各小孔に通すことによりインシュレーションヘッド15のインサータの後方対向した位置に複数本のスチールコード1をまとめて大まかに整列させることができる。
【0022】
コード整列ガイド25で大まかに整列された複数本のスチールコード1は、インシュレーションヘッド15のインサータ17に通すことにより、所要のピッチで1列に配列されてダイの開口より前方に突出され、前方に引っ張られながら未加硫ゴムが被覆されてダイにより帯状に成形されゴム被覆コード部材2が形成される。
【0023】
インシュレーションヘッド15のダイより前方に、ゴム被覆コード部材2を受けながら搬送するパスローラ26が配設され、さらにパスローラ26より前方下流側に作業台27が設置されている。
作業台27より下流側には、図示されないが、ゴム被覆コード部材2をモータ駆動により巻き取る巻取装置等が設置されている。
【0024】
巻取装置によって引っ張られながらインシュレーションヘッド15において帯状に成形されて押し出されたゴム被覆コード部材2は作業台27上を通過するとともに、作業台27ではゴム被覆コード部材2の切断や接合などの作業がなされる。
【0025】
本ゴム被覆コード部材製造装置10は、作業台27の下方に割溝付きローラ30が軸中心に回転可能に設けられている。
図3に示すように、割溝付きローラ30は、円柱状をして先端面に十字形に溝口を有して4本の割溝31が軸方向に所定深さまで切削形成されている。
【0026】
割溝付きローラ30は、減速歯車機構35の出力軸として減速歯車機構35から突出しており、同減速歯車機構35の入力軸は、手動ハンドル36のハンドル軸となっている(図1参照)。
したがって、作業者が手動ハンドル36を廻すと、減速歯車機構35を介して割溝付きローラ30が減速回転するので、作業者は小さな力で割溝付きローラ30を大きな力で回転駆動させることができる。
【0027】
複数本のスチールコード1の先端部分を一列に並べた状態で所要箇所を一斉に直角に折り曲げ、その折り曲げ部分を割溝付きローラ30の先端面の十字形の溝口のうち互いに直交する2本の割溝31の溝口に順次差し込むようにしてすべてのスチールコード1を割溝31に挿入して引っ掛けるように係止することができる(図4参照)。
なお、図11に図示する割溝付きローラ60のように、割溝61の溝口の開口縁を切り欠いてテーパ面61aを形成して溝口をテーパ状に拡げるようにしてもよく、このようなテーパ面61aを形成することで、一度に複数本のコードを割溝61に挿入することができる。
【0028】
複数本のスチールコード1の先端部分を割溝31に係止した状態で、割溝付きローラ30を回転すると、複数本のスチールコード1を割溝付きローラ30の外周面に巻き付けて一斉に引っ張ることができる。
複数本のスチールコード1は偏りなく均等に引っ張られる。
【0029】
このような割溝付きローラ30を備えたゴム被覆コード部材製造装置10におけるクリール台車21の切替え時の作業手順を、図5および図6に経時的に図示した概略側面図に従って説明する。
【0030】
まず、図5の(1)は、クリール台車21からのスチールコード1の供給を終え、インシュレーション方式によりインシュレーションヘッド15から押し出されて形成されたゴム被覆コード部材2の後端部が作業台27に載っている状態を示している。
次に、作業台27上で、ゴム被覆コード部材2の後端部分をハンドシャー,金切りバサミ,カッタ等の切断具28により切断し(図5の(2)参照)、切断した後端部分を取り除く(図5の(3)参照)。
【0031】
この間に、スチールコード1の供給を終えた空のクリール台車21を移動し、スチールコード1をボビン・リール24に巻込んだ新たなクリール台車21に切替える(図5の(3)参照)。
【0032】
そして、図5の(4)に示すように、新たなクリール台車21の各ボビン・リール24からスチールコード1を引き出し、コード整列ガイド25に通して大まかにまとめ整列させた後、インシュレーションヘッド15のインサータ17に挿通して複数のスチールコード1を1列に整列させ、ダイ16から先端を引き出し、さらにパスローラ26に部分的に巻き掛けて斜め下方に方向を変えて引き出し、一列に並んだ複数のスチールコード1の先端部分を直角に折り曲げ、その折り曲げ部分を割溝付きローラ30の先端面の十字形の溝口のうち互いに直交する溝口に順次差し込むようにしてすべてのスチールコード1を割溝31に挿入して引っ掛けるように係止する(図4参照)。
【0033】
以上のスチールコード1のセッティングは、作業者が手作業で行うが、クリール台車21からスチールコード1を引き出しセットするだけなので、それ程労力を要するものではなく、特にインシュレーションヘッド15からのスチールコード1の引き出しは、ゴム被覆がなされないので、強い力で引っ張る必要はない。
【0034】
こうして複数のスチールコード1の先端部分を割溝付きローラ30の割溝31に係止した後、押出機11を稼動するとともに、手動ハンドル36を回転操作し減速歯車機構35を介して割溝付きローラ30を回転駆動することで複数のスチールコード1を一度に巻込み、複数のスチールコード1を偏りなく均等な力で引き出すことが簡単にできる。
【0035】
すると、図6の(5)に示すように、割溝付きローラ30の巻込みによる複数のスチールコード1の引き出しに従ってインシュレーションヘッド15によりゴムがスチールコード1を被覆しながら帯状に成形されて押し出されていく。
【0036】
このときのスチールコード1の引き出しに要する力は、ゴムが被覆されるので、大きいが、減速歯車機構35により作業者の手動ハンドル36の回転操作は弱い力でよく、労力が大幅に軽減されている。
【0037】
このようにして今回形成されるゴム被覆コード部材2が所定長さ形成され、ゴム被覆コード部材2の先端が割溝付きローラ30に近づいたところで、図6の(5)に示すように、ゴム被覆コード部材2の先端部分をハンドシャー,金切りバサミ,カッタ等の切断具29で切断する。
【0038】
そして、今回形成されるゴム被覆コード部材2の切断した先端を、作業台27上に待機していた前回形成されたゴム被覆コード部材2の切断した後端に、作業台27上で接合することで(図6の(6)参照)、前回形成されたゴム被覆コード部材2に今回形成されるゴム被覆コード部材2を効率良く連続することができる。
この接合は、前回形成されたゴム被覆コード部材2の後端に、今回形成されるゴム被覆コード部材2の先端を重ね合わせてステッチャ等の接合手段で圧着して接合する。
【0039】
こうして前回形成されたゴム被覆コード部材2に今回形成途中のゴム被覆コード部材2が接合されると、モータ駆動による巻取装置により前回形成されたゴム被覆コード部材2が巻取られるに従って今回の形成途中のゴム被覆コード部材2が巻取装置の駆動により引き出され、同時に複数のスチールコード1にゴムが被覆されてゴム被覆コード部材2が形成されていく(図6の(7)参照)。
【0040】
そして、今回のクリール台車21からのスチールコード1の供給を終え、今回のゴム被覆コード部材2の形成を終えた状態が、図6の(8)に示す状態であり、図5の(1)と同じ状態となり、以上の工程を繰り返すことにより、長尺の1本のゴム被覆コード部材2が巻取装置に巻き取られた状態で製造される。
【0041】
以上のように、クリール台車21の切替え時に、新たなクリール台車21から引き出された複数本のスチールコード1を、割溝付きローラ30の割溝31に係止することで、複数本のコードを偏りなく均等に引っ張ることが容易にでき、労力は軽減され、ゴム被覆コード部材2の製造作業を簡易化して作業時間の短縮を図ることができる。
【0042】
ゴム被覆コード部材2にはスチールコード1が使用されていたが、スチールコードに限らずテキスタイルコード等のコードが使用されることもあり、本押出機11のインシュレーションヘッド15は、コードの種類に関係なく、ゴムを被覆することができる。
【0043】
本ゴム被覆コード部材製造装置10は、割溝付きローラ30を回転駆動するのに、作業者の手動ハンドル36の回転操作によっていたが、割溝付きローラ30をモータ等の駆動源により回転駆動するようにしてもよく、作業者の負担が益々軽減される。
【0044】
次に、割溝付きローラの変形例を、図7および図8に示し説明する。
図7に示す割溝付きローラ40は、円柱状をして先端面に中心から放射方向に溝口を有して3本の割溝41が互いに120度の間隔を存して軸方向に所定深さまで切削形成されている。
このうち2本の割溝41に複数本のコードの先端部分が挿入して引っ掛けるように係止することができ、複数本のコードを一斉に巻き込み、偏りなく均等な力で引き出すことが簡単にできる。
【0045】
また、割溝付きローラの別の変形例を図9および図10に示す。
円柱状をして先端面に直径方向に溝口を有して1本の割溝51が軸方向に所定深さまで切削形成されている。
この割溝51に複数本のコードの先端部分が挿入して引っ掛けるように係止することができ、複数本のコードを一斉に巻き込み、偏りなく均等な力で引き出すことが簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施の形態に係るゴム被覆コード部材製造装置の要部のみの概略平面図である。
【図2】同概略側面図である。
【図3】割溝付きローラの斜視図である。
【図4】同割溝付きローラにスチールコードを係止した状態を示す側面図である。
【図5】クリール台車の切替え時の作業手順を経時的に図示した概略側面図である。
【図6】図5の続きの概略側面図である。
【図7】割溝付きローラの変形例を示す斜視図である。
【図8】同割溝付きローラにスチールコードを係止した状態を示す側面図である。
【図9】割溝付きローラの別の変形例を示す斜視図である。
【図10】同割溝付きローラにスチールコードを係止した状態を示す側面図である。
【図11】割溝付きローラの変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1…スチールコード、2…ゴム被覆コード部材、
10…ゴム被覆コード部材製造装置、11…押出機、12…ホッパ、13…シリンダ、14…スクリュー、15…インシュレーションヘッド、16…ダイ、17…インサータ、21…クリール台車、22…車輪、23…架台、24…ボビン・リール、25…コード整列ガイド、26…パスローラ、27…作業台、28,29…切断具、
30…割溝付きローラ、31…割溝、35…減速歯車機構、36…手動ハンドル。
40…割溝付きローラ、41…割溝、
50…割溝付きローラ、51…割溝、
60…割溝付きローラ、61…割溝。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード供給装置から引き出された複数本のコードを押出機のインシュレーションヘッドに通し、
インシュレーションヘッドから突出した複数本のコードを引き出して先端部分を割溝付きローラの割溝に係止し、
前記押出機を稼動しながら前記割溝付きローラを回転して複数本のコードにゴムを被覆し、
ゴム被覆部の先端部分を切断し、
切断したゴム被覆コード部材の先端を前回形成されたゴム被覆コード部材の切断した後端に接合し、
前回形成されたゴム被覆コード部材の引き出しに従って前記押出機を稼動して複数本のコードにゴムを連続的に被覆して1本のゴム被覆コード部材を製造することを特徴とするゴム被覆コード部材の製造方法。
【請求項2】
前記コード供給装置から引き出される複数本のコードが引き出し終えると、コードのゴム被覆部の後端部分を切断し、
空のコード供給装置を新たなコード供給装置に切替えることを特徴とする請求項1記載のゴム被覆コード部材の製造方法。
【請求項3】
複数本のコードがそれぞれ引き出されるコード供給装置と、
前記コード供給装置から引き出された複数本のコードにゴムを被覆する押出機と、
コードにゴムが被覆されたゴム被覆コード部材の端部を切断する切断手段と、
切断したゴム被覆コード部材の端部を互いに接合する接合手段とを備えたゴム被覆コード部材の製造装置において、
前記押出機のインシュレーションヘッドから引き出された複数本のコードを割溝に係止して巻込む割溝付きローラと、
前記割溝付きローラを回転駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とするゴム被覆コード部材の製造装置。
【請求項1】
コード供給装置から引き出された複数本のコードを押出機のインシュレーションヘッドに通し、
インシュレーションヘッドから突出した複数本のコードを引き出して先端部分を割溝付きローラの割溝に係止し、
前記押出機を稼動しながら前記割溝付きローラを回転して複数本のコードにゴムを被覆し、
ゴム被覆部の先端部分を切断し、
切断したゴム被覆コード部材の先端を前回形成されたゴム被覆コード部材の切断した後端に接合し、
前回形成されたゴム被覆コード部材の引き出しに従って前記押出機を稼動して複数本のコードにゴムを連続的に被覆して1本のゴム被覆コード部材を製造することを特徴とするゴム被覆コード部材の製造方法。
【請求項2】
前記コード供給装置から引き出される複数本のコードが引き出し終えると、コードのゴム被覆部の後端部分を切断し、
空のコード供給装置を新たなコード供給装置に切替えることを特徴とする請求項1記載のゴム被覆コード部材の製造方法。
【請求項3】
複数本のコードがそれぞれ引き出されるコード供給装置と、
前記コード供給装置から引き出された複数本のコードにゴムを被覆する押出機と、
コードにゴムが被覆されたゴム被覆コード部材の端部を切断する切断手段と、
切断したゴム被覆コード部材の端部を互いに接合する接合手段とを備えたゴム被覆コード部材の製造装置において、
前記押出機のインシュレーションヘッドから引き出された複数本のコードを割溝に係止して巻込む割溝付きローラと、
前記割溝付きローラを回転駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とするゴム被覆コード部材の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−272966(P2008−272966A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116734(P2007−116734)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
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