シクロペンタジエニル型ハフニウム及びジルコニウム前駆体並びに原子層堆積法におけるその使用
酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの化学気相成長法、特にALDに適切な前駆体は、一般式(I):(R1Cp)2MR2R3[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R1はH又はCpリガンドを置換しているアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、R2及びR3はアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
説明
本発明は、化学気相成長法、特に原子層堆積法(ALD)及びそのための前駆体に関する。
【0002】
ALDでは、メカニズムが純粋に成長表面での化学反応なので前駆体の熱分解は望ましくない。交互に前駆体を適用し、自己制御反応によって一時に一つの単層を極めて均一な様式で堆積させる。前駆体の何らかの熱分解は、自己制御成長が失われることを意味するので、形成された層は良好でない。
【0003】
ハフニウムベースの酸化物材料のALDの場合、テトラキス(エチルメチル)ハフニウム(IV)(ハフニウムメチルエチルアミド、Hf(NEtMe)4)が利用できる最良の前駆体と報告されているが、ALDで実際使用するには安定性が不十分である。
【0004】
代替のハフニウム前駆体、すなわちビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)ジメチル(Cp2HfMe2)が提案されている。しかしながら、この前駆体は低揮発性の固体なので送達の問題がある。
【0005】
本発明の目的は、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムの化学気相成長法、特にALDに適切な前駆体、及び酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの堆積法を提供することである。
【0006】
本発明の第一の側面に従って、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの原子層堆積法(ALD)における前駆体の使用を提供する。該前駆体は一般式:
(R1Cp)2MR2
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R1はCpリガンドを置換しているアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、R2はアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する。
【0007】
本発明の第二の側面において、一般式:
(R1Cp)2MR2R3
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R1はCpリガンドを置換しているアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、R2及びR3は、同一又は異なり、アルキル基、アルコキシ基及びアミド基から選ばれ、Mはハフニウム又はジルコニウムである]の前駆体を用いる原子層堆積法による酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの堆積法を提供する。
【0008】
好ましくは、R2及びR3リガンドは1〜4個の炭素原子、特に1又は2個の炭素原子を有する。一つの好適な態様において、本発明で使用される前駆体は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)ジメチル、(MeCp)2HfMe2である。この化合物は、前述の先行技術の前駆体よりもわずかに高い揮発性を有する低融点固体であることが見出されている。ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジメチル、(MeCp)2ZrMe2は、好適な酸化ジルコニウム前駆体の一例である。代替物はビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)メチルエチル、(MeCp)2HfMe(Et)である。
【0009】
本発明のさらに第三の側面に従って、式:
(Cp2MR4R5)
[式中、R4及びR5は、同一又は異なり、アルコキシ基及びアミド基から選ばれ、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの化学気相成長法、特にALDに適切な新規前駆体を提供する。
【0010】
好ましくは、該前駆体は少なくとも1個のアルコキシドリガンドを含有する。この式の好適な前駆体はR4及びR5が同一の場合で、特にビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、Cp2Hf(OMe)2[式中、Meはメチル基を表す]及びそのジルコニウム相応物、Cp2Zr(OMe)2である。
【0011】
本発明の第四の側面において、式:
(R6Cp2MR4OR5)
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R4はアルキル基及びアルコキシ基から選ばれ、R5はアルキル基であり、R6はH、Cpリガンドを置換しているアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの化学気相成長法、特にALDに適切な新規前駆体を提供する。
【0012】
好ましくは、R4及びR5リガンドは、1〜4個、特に1又は2個、理想的には1個の炭素原子を有する。R6は、好ましくはH又は1もしくは2個の炭素原子を有するアルキル基、特にMeである。
【0013】
好適な前駆体は、R4がアルコキシド基であるもの、特にビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)2、及びその相応ジルコニウム成分である。あるいは、好適な前駆体は3種類の異なるリガンドを含有するもの、すなわち、式:
(R6Cp)2MR4OR5
[前記定義の通りであるが、R4はアルコキシド基でない]を有するもの、特にビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)Me[式中、Meはメチル基を表す]及びその相応ジルコニウム成分である。
【0014】
本発明の第三及び第四の側面による前駆体からの酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの堆積は、好ましくはALDの手段によるが、2種類の反応物源が制御された順序で基板に供給されるその他の成膜技術、例えば原子気相成長(atomic vapour deposition, AVD)及び原子層エピタキシー(ALE)を使用してもよい。典型的には、前駆体は、適切な酸素源、例えばH2O、O2又はオゾンのパルスと交互のパルスで基板に供給されうる。
【0015】
前駆体は基板にいずれかの適切な手段によって供給できる。その例としては、従来のキャリアガスのバブリング、ベーパードロー(vapour draw)又は純化合物を用いるその他の技術などが挙げられる。あるいは、化合物の溶液を調製してエバポレータに注入し、該溶液を気相にして成長チャンバに供給することもできる。
【0016】
この前駆体を用いるALDは、シリコンチップにメモリ及びロジックを適用するためのDRAM及びCMOSのような用途に適切であろうと考えている。
【0017】
本発明を添付の図面によってさらに説明する。
【0018】
次に、本発明を以下の実施例によってさらに説明する。
実施例1
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)ジメチル、(MeCp)2HfMe2の製造
【0019】
【化1】
【0020】
(MeCp)2HfMe2は次のようにワンポット法で製造した。2当量のメチルシクロペンタジエンを4当量のEt2O中MeLi溶液と反応させ、次いで1当量のHfCl4で処理することにより、褐色液体の粗生成物を87%の収率で得た。該生成物を、80〜120℃/0.3〜0.5トルでの粗生成物の減圧蒸留によって精製し、ワックス様化合物を得た(68%)。融点約30〜40℃。この化合物の元素分析は理論値と良く一致していた(%):C:45.40(計算値:45.80);H:5.40(計算値:5.45)。
【0021】
反応規模は100gの精製生成物を得ることを目標としたことに注意する。バッチサイズの増加は、量を比例して増やし、適当なサイズの装置を使用することによって達成できる。
【0022】
生成物の熱挙動は、熱重量分析器(TGA)を用い、20℃/分及び40℃/分の温度増加で試験した。グラフ(図1)は、精製(MeCp)2HfMe2が50℃で気化し始め、300℃で終了し、非揮発性残渣は4%未満であったことを示している。
【0023】
(MeCp)2HfMe2の蒸気圧を30℃〜70℃の温度範囲で試験し、そのプロットを以下の図2に示した。図2で(MeCp)2HfMe2を公知反応物源のCp2HfMe2と比較してあるが、新規化合物の揮発性に有益な改良が見られることを示している。
実施例2
(MeCp)2HfMe2に関するALD試験の報告
装置は標準的ALD反応器(Microchemistry F−120)を使用し、2〜3mbarの圧で運転した。(MeCp)2HfMe2前駆体はこれらの条件下で43〜44℃で融解するのが観察され、約60℃で適切に蒸発し、成長チャンバへの制御導入が可能となった。
【0024】
酸素源としてH2O及びO3を用い、数回の運転を実施してSi(100)上に成膜した。成膜温度に対する成長速度を図3及び3aに示す。
【0025】
350℃における成長速度は0.36Å/サイクルで、Cp2HfMe2/H2O法(Niinisto J.ら、J.Mater.Chem 2005)よりわずかに低い。膜は300℃でも成長できるが、成長速度は比較的低い。図4及び4aに示されているように、350℃及び400℃でALDタイプの飽和成長は支配的となるようである。
【0026】
均一性は、全試行とも基板全体にわたって(5×10cm2)良好(+−1nm)であった。
【0027】
図5は、Cp2HfMe2及び(MeCp)2HfMe2のALD性能のプロットである。Cp環へのメチル基付加は、ALDの自己制御成長プロセスが成立している温度範囲に対して顕著な効果を有することが明白である。先行技術化合物のCp2HfMe2の場合、自己制御レジームは、成長の急激な上昇によって示されるように、400℃付近で終わる。これに対し、(MeCp)2HfMe2は明らかに自己制御を500℃まで維持している。ALD用の新規前駆体に観察されるこの劇的な変化は予想外のことであった。
実施例3
ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、(Cp)2Hf(OMe)2の製造
【0028】
【化2】
【0029】
この化合物の合成は、以下に示すように、ハフニウムテトラアミドから出発し、最初にCp、次いでアルコキシド基を置換する二段階プロセスを含む。Hf(NMe2)4(58g、0.16mol)をトルエン(500ml)に溶解し、CpH(27ml、0.41mol)を加え、混合物を2時間加熱還流した。別の20mlのCpHを加え、混合物を再加熱してさらに2時間還流した。一部を取ってNMRにかけたところ、(Cp)2Hf(NMe2)2に適合する一致を示した。溶媒を除去して収量60g(94%)の黄色/褐色固体を得た。
【0030】
(Cp)2Hf(NMe2)2(30g、0.075mol)をトルエン(250ml)に溶解し、MeOH(6ml、4.8g、0.15mol)を徐々に加えた。該溶液を2時間加熱還流した後、溶媒を真空下で除去して暗褐色油を得た。この油を真空下で乾燥させたところ、非常に粘稠な不動性の油となった。該生成物をトルエン中に抽出して昇華フラスコに移した。溶媒を真空下で除去し、生成物をコールドフィンガー上に昇華させた。
【0031】
白色結晶固体を60〜70℃@0.5トルで回収した。結晶の1H NMR分析によれば、(Cp)2Hf(OMe)2に期待される2つの主要ピークのみが示された(図6)。
実施例4
ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)Meの製造
【0032】
【化3】
【0033】
9.3g(0.025mol)の(Me−Cp)2HfMe2を60mlのトルエンに溶解した。2.2ml(0.052mol)の無水メタノールを加えた。反応を一晩撹拌し、揮発性物質を真空下で除去した。
【0034】
収量:9.6g(96%)黄色液体
元素分析:計算値 C、43.93 H、5.27;実測値 C、43.53 H、5.24。NMR 図7参照。観察されたピークは生成物に期待されるとおりである。
【0035】
メタノールをさらに加えても生成物に変化はなく、アルキル基をアルコキシドで完全置換することはこの方法では達成できなかったことに注意すべきである。
【0036】
この前駆体の液体性の結果、該前駆体は従来技術の前駆体よりもALDで通常使用される蒸気供給法にはるかに適している。
【0037】
図9及び10に、この前駆体の成膜温度(℃)及びパルス時間(秒)に対する成長データをそれぞれ示す。
実施例5
TGAデータの比較
分子調整(molecular tailoring)によって達成された改良を際立たせるために、いくつかの化合物のTGAデータの比較を図8に示す。MeCp誘導体は非置換Cp化合物よりも明らかに優れている。残渣がかなり削減されているということは、高い熱安定性と分解することなく気化する能力を意味している。
【0038】
異なるアルコキシド及びアルキル基と組み合わせたその他の置換Cp誘導体も類似の性質を有することが期待されるので、関与する的確な基を注意深く選択することによって、それぞれの成膜法にとって最適化された前駆体を単離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】精製(MeCp)2HfMe2のTGAデータを示す図である。
【図2】ジメチルハフノセン誘導体類の蒸気圧をプロットした図である。
【図3】O3及びH2Oと(CpMe)2HfMe2からの成膜に関する成長速度を成膜温度の関数としてプロットした図である。
【図3a】O3と(CpMe)2HfMe2からの成膜に関する成長速度を成膜温度の関数としてプロットした図である。
【図4】水を酸素源として用い、成膜温度350℃(及び400℃)における成長速度を(CpMe)2HfMe2パルス長の関数としてプロットした図である。
【図4a】オゾンを酸素源として用い、成膜温度400℃における成長速度を(CpMe)2HfMe2パルス長の関数としてプロットした図である。
【図5】HfCp2Me2及び(MeCp)2HfMe2を用いた原子層堆積法の成長速度(mm/サイクル)対成長温度(℃)をプロットした図である。
【図6】Cp2Hf(OMe)2のプロトンNMRを示す図である。
【図7】(MeCp)2Hf(OMe)MeのプロトンNMRを示す図である。
【図8】様々なHf前駆体のTGAデータの比較を示す図である。
【図9】オゾンを酸素源として用い、(MeCp)2Hf(OMe)Meを用いた成長速度を成膜温度(℃)の関数としてプロットした図である。
【図10】オゾンを酸素源として用い、(MeCp)2Hf(OMe)Meを用いた成長速度をパルス長(秒)の関数としてプロットした図である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
説明
本発明は、化学気相成長法、特に原子層堆積法(ALD)及びそのための前駆体に関する。
【0002】
ALDでは、メカニズムが純粋に成長表面での化学反応なので前駆体の熱分解は望ましくない。交互に前駆体を適用し、自己制御反応によって一時に一つの単層を極めて均一な様式で堆積させる。前駆体の何らかの熱分解は、自己制御成長が失われることを意味するので、形成された層は良好でない。
【0003】
ハフニウムベースの酸化物材料のALDの場合、テトラキス(エチルメチル)ハフニウム(IV)(ハフニウムメチルエチルアミド、Hf(NEtMe)4)が利用できる最良の前駆体と報告されているが、ALDで実際使用するには安定性が不十分である。
【0004】
代替のハフニウム前駆体、すなわちビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)ジメチル(Cp2HfMe2)が提案されている。しかしながら、この前駆体は低揮発性の固体なので送達の問題がある。
【0005】
本発明の目的は、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムの化学気相成長法、特にALDに適切な前駆体、及び酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの堆積法を提供することである。
【0006】
本発明の第一の側面に従って、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの原子層堆積法(ALD)における前駆体の使用を提供する。該前駆体は一般式:
(R1Cp)2MR2
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R1はCpリガンドを置換しているアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、R2はアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する。
【0007】
本発明の第二の側面において、一般式:
(R1Cp)2MR2R3
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R1はCpリガンドを置換しているアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、R2及びR3は、同一又は異なり、アルキル基、アルコキシ基及びアミド基から選ばれ、Mはハフニウム又はジルコニウムである]の前駆体を用いる原子層堆積法による酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの堆積法を提供する。
【0008】
好ましくは、R2及びR3リガンドは1〜4個の炭素原子、特に1又は2個の炭素原子を有する。一つの好適な態様において、本発明で使用される前駆体は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)ジメチル、(MeCp)2HfMe2である。この化合物は、前述の先行技術の前駆体よりもわずかに高い揮発性を有する低融点固体であることが見出されている。ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジメチル、(MeCp)2ZrMe2は、好適な酸化ジルコニウム前駆体の一例である。代替物はビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)メチルエチル、(MeCp)2HfMe(Et)である。
【0009】
本発明のさらに第三の側面に従って、式:
(Cp2MR4R5)
[式中、R4及びR5は、同一又は異なり、アルコキシ基及びアミド基から選ばれ、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの化学気相成長法、特にALDに適切な新規前駆体を提供する。
【0010】
好ましくは、該前駆体は少なくとも1個のアルコキシドリガンドを含有する。この式の好適な前駆体はR4及びR5が同一の場合で、特にビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、Cp2Hf(OMe)2[式中、Meはメチル基を表す]及びそのジルコニウム相応物、Cp2Zr(OMe)2である。
【0011】
本発明の第四の側面において、式:
(R6Cp2MR4OR5)
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R4はアルキル基及びアルコキシ基から選ばれ、R5はアルキル基であり、R6はH、Cpリガンドを置換しているアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの化学気相成長法、特にALDに適切な新規前駆体を提供する。
【0012】
好ましくは、R4及びR5リガンドは、1〜4個、特に1又は2個、理想的には1個の炭素原子を有する。R6は、好ましくはH又は1もしくは2個の炭素原子を有するアルキル基、特にMeである。
【0013】
好適な前駆体は、R4がアルコキシド基であるもの、特にビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)2、及びその相応ジルコニウム成分である。あるいは、好適な前駆体は3種類の異なるリガンドを含有するもの、すなわち、式:
(R6Cp)2MR4OR5
[前記定義の通りであるが、R4はアルコキシド基でない]を有するもの、特にビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)Me[式中、Meはメチル基を表す]及びその相応ジルコニウム成分である。
【0014】
本発明の第三及び第四の側面による前駆体からの酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの堆積は、好ましくはALDの手段によるが、2種類の反応物源が制御された順序で基板に供給されるその他の成膜技術、例えば原子気相成長(atomic vapour deposition, AVD)及び原子層エピタキシー(ALE)を使用してもよい。典型的には、前駆体は、適切な酸素源、例えばH2O、O2又はオゾンのパルスと交互のパルスで基板に供給されうる。
【0015】
前駆体は基板にいずれかの適切な手段によって供給できる。その例としては、従来のキャリアガスのバブリング、ベーパードロー(vapour draw)又は純化合物を用いるその他の技術などが挙げられる。あるいは、化合物の溶液を調製してエバポレータに注入し、該溶液を気相にして成長チャンバに供給することもできる。
【0016】
この前駆体を用いるALDは、シリコンチップにメモリ及びロジックを適用するためのDRAM及びCMOSのような用途に適切であろうと考えている。
【0017】
本発明を添付の図面によってさらに説明する。
【0018】
次に、本発明を以下の実施例によってさらに説明する。
実施例1
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)ジメチル、(MeCp)2HfMe2の製造
【0019】
【化1】
【0020】
(MeCp)2HfMe2は次のようにワンポット法で製造した。2当量のメチルシクロペンタジエンを4当量のEt2O中MeLi溶液と反応させ、次いで1当量のHfCl4で処理することにより、褐色液体の粗生成物を87%の収率で得た。該生成物を、80〜120℃/0.3〜0.5トルでの粗生成物の減圧蒸留によって精製し、ワックス様化合物を得た(68%)。融点約30〜40℃。この化合物の元素分析は理論値と良く一致していた(%):C:45.40(計算値:45.80);H:5.40(計算値:5.45)。
【0021】
反応規模は100gの精製生成物を得ることを目標としたことに注意する。バッチサイズの増加は、量を比例して増やし、適当なサイズの装置を使用することによって達成できる。
【0022】
生成物の熱挙動は、熱重量分析器(TGA)を用い、20℃/分及び40℃/分の温度増加で試験した。グラフ(図1)は、精製(MeCp)2HfMe2が50℃で気化し始め、300℃で終了し、非揮発性残渣は4%未満であったことを示している。
【0023】
(MeCp)2HfMe2の蒸気圧を30℃〜70℃の温度範囲で試験し、そのプロットを以下の図2に示した。図2で(MeCp)2HfMe2を公知反応物源のCp2HfMe2と比較してあるが、新規化合物の揮発性に有益な改良が見られることを示している。
実施例2
(MeCp)2HfMe2に関するALD試験の報告
装置は標準的ALD反応器(Microchemistry F−120)を使用し、2〜3mbarの圧で運転した。(MeCp)2HfMe2前駆体はこれらの条件下で43〜44℃で融解するのが観察され、約60℃で適切に蒸発し、成長チャンバへの制御導入が可能となった。
【0024】
酸素源としてH2O及びO3を用い、数回の運転を実施してSi(100)上に成膜した。成膜温度に対する成長速度を図3及び3aに示す。
【0025】
350℃における成長速度は0.36Å/サイクルで、Cp2HfMe2/H2O法(Niinisto J.ら、J.Mater.Chem 2005)よりわずかに低い。膜は300℃でも成長できるが、成長速度は比較的低い。図4及び4aに示されているように、350℃及び400℃でALDタイプの飽和成長は支配的となるようである。
【0026】
均一性は、全試行とも基板全体にわたって(5×10cm2)良好(+−1nm)であった。
【0027】
図5は、Cp2HfMe2及び(MeCp)2HfMe2のALD性能のプロットである。Cp環へのメチル基付加は、ALDの自己制御成長プロセスが成立している温度範囲に対して顕著な効果を有することが明白である。先行技術化合物のCp2HfMe2の場合、自己制御レジームは、成長の急激な上昇によって示されるように、400℃付近で終わる。これに対し、(MeCp)2HfMe2は明らかに自己制御を500℃まで維持している。ALD用の新規前駆体に観察されるこの劇的な変化は予想外のことであった。
実施例3
ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、(Cp)2Hf(OMe)2の製造
【0028】
【化2】
【0029】
この化合物の合成は、以下に示すように、ハフニウムテトラアミドから出発し、最初にCp、次いでアルコキシド基を置換する二段階プロセスを含む。Hf(NMe2)4(58g、0.16mol)をトルエン(500ml)に溶解し、CpH(27ml、0.41mol)を加え、混合物を2時間加熱還流した。別の20mlのCpHを加え、混合物を再加熱してさらに2時間還流した。一部を取ってNMRにかけたところ、(Cp)2Hf(NMe2)2に適合する一致を示した。溶媒を除去して収量60g(94%)の黄色/褐色固体を得た。
【0030】
(Cp)2Hf(NMe2)2(30g、0.075mol)をトルエン(250ml)に溶解し、MeOH(6ml、4.8g、0.15mol)を徐々に加えた。該溶液を2時間加熱還流した後、溶媒を真空下で除去して暗褐色油を得た。この油を真空下で乾燥させたところ、非常に粘稠な不動性の油となった。該生成物をトルエン中に抽出して昇華フラスコに移した。溶媒を真空下で除去し、生成物をコールドフィンガー上に昇華させた。
【0031】
白色結晶固体を60〜70℃@0.5トルで回収した。結晶の1H NMR分析によれば、(Cp)2Hf(OMe)2に期待される2つの主要ピークのみが示された(図6)。
実施例4
ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)Meの製造
【0032】
【化3】
【0033】
9.3g(0.025mol)の(Me−Cp)2HfMe2を60mlのトルエンに溶解した。2.2ml(0.052mol)の無水メタノールを加えた。反応を一晩撹拌し、揮発性物質を真空下で除去した。
【0034】
収量:9.6g(96%)黄色液体
元素分析:計算値 C、43.93 H、5.27;実測値 C、43.53 H、5.24。NMR 図7参照。観察されたピークは生成物に期待されるとおりである。
【0035】
メタノールをさらに加えても生成物に変化はなく、アルキル基をアルコキシドで完全置換することはこの方法では達成できなかったことに注意すべきである。
【0036】
この前駆体の液体性の結果、該前駆体は従来技術の前駆体よりもALDで通常使用される蒸気供給法にはるかに適している。
【0037】
図9及び10に、この前駆体の成膜温度(℃)及びパルス時間(秒)に対する成長データをそれぞれ示す。
実施例5
TGAデータの比較
分子調整(molecular tailoring)によって達成された改良を際立たせるために、いくつかの化合物のTGAデータの比較を図8に示す。MeCp誘導体は非置換Cp化合物よりも明らかに優れている。残渣がかなり削減されているということは、高い熱安定性と分解することなく気化する能力を意味している。
【0038】
異なるアルコキシド及びアルキル基と組み合わせたその他の置換Cp誘導体も類似の性質を有することが期待されるので、関与する的確な基を注意深く選択することによって、それぞれの成膜法にとって最適化された前駆体を単離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】精製(MeCp)2HfMe2のTGAデータを示す図である。
【図2】ジメチルハフノセン誘導体類の蒸気圧をプロットした図である。
【図3】O3及びH2Oと(CpMe)2HfMe2からの成膜に関する成長速度を成膜温度の関数としてプロットした図である。
【図3a】O3と(CpMe)2HfMe2からの成膜に関する成長速度を成膜温度の関数としてプロットした図である。
【図4】水を酸素源として用い、成膜温度350℃(及び400℃)における成長速度を(CpMe)2HfMe2パルス長の関数としてプロットした図である。
【図4a】オゾンを酸素源として用い、成膜温度400℃における成長速度を(CpMe)2HfMe2パルス長の関数としてプロットした図である。
【図5】HfCp2Me2及び(MeCp)2HfMe2を用いた原子層堆積法の成長速度(mm/サイクル)対成長温度(℃)をプロットした図である。
【図6】Cp2Hf(OMe)2のプロトンNMRを示す図である。
【図7】(MeCp)2Hf(OMe)MeのプロトンNMRを示す図である。
【図8】様々なHf前駆体のTGAデータの比較を示す図である。
【図9】オゾンを酸素源として用い、(MeCp)2Hf(OMe)Meを用いた成長速度を成膜温度(℃)の関数としてプロットした図である。
【図10】オゾンを酸素源として用い、(MeCp)2Hf(OMe)Meを用いた成長速度をパルス長(秒)の関数としてプロットした図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの原子層堆積法における前駆体の使用であって、前駆体は一般式:
(R1Cp)2MR2
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R1はCpリガンドを置換しているアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、R2はアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する前駆体の使用。
【請求項2】
前駆体がビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)ジメチル、(MeCp)2HfMe2である、請求項1に記載の前駆体の使用。
【請求項3】
前駆体がビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジメチル、(MeCp)2ZrMe2である、請求項1に記載の前駆体の使用。
【請求項4】
前駆体がビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムメチルエチル、(MeCp)2HfMe(Et)である、請求項1に記載の前駆体の使用。
【請求項5】
前駆体がビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)メチルエチル、(MeCp)2ZrMe(Et)である、請求項1に記載の前駆体の使用。
【請求項6】
新規前駆体ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)メチルエチル、(MeCp)2HfMe(Et)。
【請求項7】
新規前駆体ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)メチルエチル、(MeCp)2ZrMe(Et)。
【請求項8】
式:
(Cp2MR4R5)
[式中、R4及びR5は、同一又は異なり、アルコキシ基及びアミド基から選ばれ、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの化学気相成長法、特にALDに適切な前駆体。
【請求項9】
R4及びR5が1〜4個の炭素原子を有する、請求項8に記載の前駆体。
【請求項10】
前駆体が少なくとも1個のアルコキシド基を含有する、請求項8又は9に記載の前駆体。
【請求項11】
R4及びR5が同一である、請求項8、9又は10に記載の前駆体。
【請求項12】
前駆体ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、Cp2Hf(OMe)2[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項13】
前駆体ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、Cp2Zr(OMe)2[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項14】
式:
(R6Cp)2MR4R5
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R4及びR5は、同一又は異なり、アルキル基及びアルコキシ基から選ばれ、R6はCpリガンドを置換しているアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの原子層堆積法における前駆体の使用。
【請求項15】
R4及びR5が1〜4個の炭素原子を有する、請求項14に記載の前駆体の使用。
【請求項16】
R6がH又は1〜2個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項14又は15に記載の前駆体の使用。
【請求項17】
R4がアルコキシド基である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の前駆体の使用。
【請求項18】
一般式:
(R6Cp)2MR4OR5
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R4はアルキル又はアルコキシド基であり、R5はアルキル基であり、R6はH、Cpリガンドを置換しているアルキル基又はアミド基であり、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの化学気相成長法、特にALDに適切な前駆体。
【請求項19】
R4がアルコキシド基である、請求項18に記載の前駆体。
【請求項20】
前駆体ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)2[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項21】
前駆体ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、(MeCp)2Zr(OMe)2[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項22】
R4がアルキル基である、請求項18に記載の前駆体。
【請求項23】
前駆体ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)Me[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項24】
ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)Me[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項25】
請求項6〜13及び18〜24のいずれか1項に記載の前駆体を用いる、化学気相成長法、特にALDによる酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの堆積法。
【請求項26】
前駆体が、酸素源のパルスと交互のパルスで基板に供給される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
酸素源が、H2O、O2又はオゾンから選ばれる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前駆体が、キャリアガスのバブリング、ベーパードロー又は純化合物を用いるその他の技術によって基板に供給される、請求項25、26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前駆体化合物の溶液を調製してエバポレータに注入し、該溶液を気相にして成長チャンバに供給する、請求項25、26又は27に記載の方法。
【請求項30】
シリコンチップにメモリ及びロジックを適用するためのDRAM及びCMOSを含む用途のためのALD技術における請求項6〜13及び18〜24のいずれか1項に記載の前駆体の使用。
【請求項1】
酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの原子層堆積法における前駆体の使用であって、前駆体は一般式:
(R1Cp)2MR2
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R1はCpリガンドを置換しているアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、R2はアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する前駆体の使用。
【請求項2】
前駆体がビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)ジメチル、(MeCp)2HfMe2である、請求項1に記載の前駆体の使用。
【請求項3】
前駆体がビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジメチル、(MeCp)2ZrMe2である、請求項1に記載の前駆体の使用。
【請求項4】
前駆体がビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムメチルエチル、(MeCp)2HfMe(Et)である、請求項1に記載の前駆体の使用。
【請求項5】
前駆体がビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)メチルエチル、(MeCp)2ZrMe(Et)である、請求項1に記載の前駆体の使用。
【請求項6】
新規前駆体ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)メチルエチル、(MeCp)2HfMe(Et)。
【請求項7】
新規前駆体ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)メチルエチル、(MeCp)2ZrMe(Et)。
【請求項8】
式:
(Cp2MR4R5)
[式中、R4及びR5は、同一又は異なり、アルコキシ基及びアミド基から選ばれ、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの化学気相成長法、特にALDに適切な前駆体。
【請求項9】
R4及びR5が1〜4個の炭素原子を有する、請求項8に記載の前駆体。
【請求項10】
前駆体が少なくとも1個のアルコキシド基を含有する、請求項8又は9に記載の前駆体。
【請求項11】
R4及びR5が同一である、請求項8、9又は10に記載の前駆体。
【請求項12】
前駆体ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、Cp2Hf(OMe)2[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項13】
前駆体ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、Cp2Zr(OMe)2[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項14】
式:
(R6Cp)2MR4R5
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R4及びR5は、同一又は異なり、アルキル基及びアルコキシ基から選ばれ、R6はCpリガンドを置換しているアルキル基、アルコキシ基又はアミド基であり、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの原子層堆積法における前駆体の使用。
【請求項15】
R4及びR5が1〜4個の炭素原子を有する、請求項14に記載の前駆体の使用。
【請求項16】
R6がH又は1〜2個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項14又は15に記載の前駆体の使用。
【請求項17】
R4がアルコキシド基である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の前駆体の使用。
【請求項18】
一般式:
(R6Cp)2MR4OR5
[式中、Cpはシクロペンタジエニルリガンドを表し、R4はアルキル又はアルコキシド基であり、R5はアルキル基であり、R6はH、Cpリガンドを置換しているアルキル基又はアミド基であり、Mはハフニウム又はジルコニウムである]を有する、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの化学気相成長法、特にALDに適切な前駆体。
【請求項19】
R4がアルコキシド基である、請求項18に記載の前駆体。
【請求項20】
前駆体ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)2[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項21】
前駆体ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、(MeCp)2Zr(OMe)2[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項22】
R4がアルキル基である、請求項18に記載の前駆体。
【請求項23】
前駆体ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)Me[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項24】
ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)、(MeCp)2Hf(OMe)Me[式中、Meはメチル基を表す]。
【請求項25】
請求項6〜13及び18〜24のいずれか1項に記載の前駆体を用いる、化学気相成長法、特にALDによる酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムの堆積法。
【請求項26】
前駆体が、酸素源のパルスと交互のパルスで基板に供給される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
酸素源が、H2O、O2又はオゾンから選ばれる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前駆体が、キャリアガスのバブリング、ベーパードロー又は純化合物を用いるその他の技術によって基板に供給される、請求項25、26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前駆体化合物の溶液を調製してエバポレータに注入し、該溶液を気相にして成長チャンバに供給する、請求項25、26又は27に記載の方法。
【請求項30】
シリコンチップにメモリ及びロジックを適用するためのDRAM及びCMOSを含む用途のためのALD技術における請求項6〜13及び18〜24のいずれか1項に記載の前駆体の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3a】
【図4】
【図4a】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図3a】
【図4】
【図4a】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2009−516078(P2009−516078A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540670(P2008−540670)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002119
【国際公開番号】WO2006/131751
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(598169572)シグマ−アルドリッチ・カンパニー (31)
【氏名又は名称原語表記】Sigma−Aldrich Co.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002119
【国際公開番号】WO2006/131751
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(598169572)シグマ−アルドリッチ・カンパニー (31)
【氏名又は名称原語表記】Sigma−Aldrich Co.
【Fターム(参考)】
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