説明

シース管保持治具

【課題】シース管の位置合わせ作業が容易なシース管保持治具の提供。
【解決手段】アンカー部材を挿入するシース管3が所定位置に埋設された基礎1を形成するために、コンクリートが内部に打設される基礎形成用型枠5に取り付けられ、基礎形成用型枠5内の所定位置にシース管3を保持するシース管保持治具であって、建物のモジュール芯の位置を示す水糸101,110に対して位置合わせを行う部位を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカー部材を挿入するシース管が所定位置に埋設された基礎を形成するために、コンクリートが内部に打設される基礎形成用型枠に取り付けられ、この基礎形成用型枠内の所定位置に前記シース管を保持するシース管保持治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、工場で製造された建物ユニットを、建築現場で複数組み合わせて形成されるユニット式建物が利用されている。建物ユニットは、規定寸法(たとえば、910mm)を1モジュールとし、そのモジュールに基づく寸法で規定されるモジュール芯によって囲まれた平面空間内の四隅に配置された柱およびこれら柱を連結する梁を含んで平面矩形枠状の骨組みが構成され、この骨組みには、床面材、壁面材、その他必要な設備部材が予め工場で取り付けられる。なお、モジュール芯とは、建物ユニットにおける基準線であり、複数の建物ユニットを組み合わせた際に、その境界位置を示す線(仕切り線)である。このようなユニット式建物によれば、予め建物ユニットに床面材等が取り付けられているので、建築現場において、揚重機等により建物ユニットを所定位置に配置することにより、ユニット式建物が短期間で形成されるので、建築現場における工期を大幅に短縮することができるという利点がある。
【0003】
建物ユニットと基礎との固定は、基礎上面にアンカー植付孔を設けておき、このアンカー植付孔の内部にグラウト材を充填した後、当該アンカー植付孔に、建物ユニットの柱の下面から突出するアンカーを挿入し、前述のグラウト材を固化させることによって行われる。このアンカー植付孔は、基礎の形成時にアンカー植付孔成形治具であるシース管を埋め込んでおくことで形成される(特許文献1等参照)。
ここで、基礎へのシース管の埋設に当たっては、当該シース管をアンカーが挿入される所定の位置に固定配置しておかなければならない。そのため、まず初めにシース管の位置を正確に特定する作業から行われる。
【0004】
【特許文献1】特開2000−80661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シース管の位置を特定するためには、シース管の位置がモジュール芯の位置からずれているので、まずモジュール芯からの位置を図面と比較調整しながら割り出す必要があり、その位置合わせ作業が煩雑であるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、シース管の位置合わせ作業が容易となるシース管保持治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、アンカー部材を挿入するシース管が所定位置に埋設された基礎を形成するために、コンクリートが内部に打設される基礎形成用型枠に取り付けられ、前記基礎形成用型枠内の所定位置に前記シース管を保持するシース管保持治具であって、前記建物のモジュール芯の位置を示す水糸に対して位置合わせを行う部位を有することを特徴とするシース管保持治具。
ここで、前記位置合わせを行う部位は、交差配置された2本の水糸の各々に対して行うように設けられている構成が好ましい。
そして、前記基礎形成用型枠に装着されるベース部材と、このベース部材に着脱可能、かつ、前記シース管を保持可能なシース管取付部材と、を備え、前記ベース部材は、配置された前記基礎形成用型枠の平面形状に応じて用意された複数種類のパターンから選択されて用いられている構成が好ましい。
さらに、前記ベース部材は、コーナ部一本柱用、ユニットジョイント部2本柱用およびユニットジョイント部4本柱用の少なくとも3種類のパターンを備えている構成が好ましい。
また、前記シース管取付部材は、前記シース管の設置条件に応じて用意された複数種類のパターンから選択されて用いられている構成が好ましい。
本発明と関連するシース管保持治具は、図面を参照して説明すると、アンカー部材を挿入するシース管3が所定位置に埋設された基礎1を形成するために、コンクリート2が内部に打設される基礎形成用型枠5に取り付けられ、この基礎形成用型枠5内の所定位置にシース管3を保持するシース管保持治具10A〜10Cであって、この型枠に取り付ける際に、建物のモジュール芯101〜110に合わせる位置を示すマーカ21C〜21F,31C〜31F,41C〜41Fを備えていることを特徴とするものである。
【0008】
これによれば、シース管保持治具に備えられたマーカをモジュール芯の位置にあわせるようにしたので、シース管を直接位置合わせする場合のように、モジュール芯からの位置を図面等で割り出す必要がなく、モジュール芯を表わす水糸等の基準線に直接マーカを合わせるだけでよい。そして、シース管保持治具に対するシース管の取り付け位置は正確に設定されているため、シース管保持治具を位置合わせするだけでシース管を正確に位置合わせすることができる。従って、シース管の位置合わせ作業を簡単に行うことができる。その上、シース管保持治具には、複数のシース管を保持することもでき、この場合には各シース管毎に位置合わせ作業を行う必要がなく、シース管保持治具の位置合わせを行えば、複数のシース管の位置合わせも自動的に行われるため、シース管の位置合わせ作業をより効率よく行うことができる。
【0009】
前記マーカは、前記モジュール芯の交差位置に合わせる位置を示すように形成されていることが好ましい。このような構成にすれば、前記モジュール芯の交差位置にマーカを直接合わせられるので、簡単にシース管保持治具の位置を特定することができる。また、交差位置を示すマーカであれば各シース管保持治具に一つ形成すればよいため、製造が簡単で、コストを低減できる。
【0010】
前記シース管保持治具は、前記基礎形成用型枠に装着される各ベース部材11A〜11Cと、これらのベース部材11A〜11Cに着脱可能、かつ、前記シース管3を保持可能なシース管取付部材12A,12Bと、を備えて構成されているとともに、ベース部材11A〜11Cの上面に前記マーカを備えていることが好ましい。このようにすれば、上面にマーカが備えられているので、上方からモジュール芯とマーカを比較調整しながら、位置あわせを容易に行うことができるので、基礎の形成が容易となる。
【0011】
前記ベース部材は、配置された前記基礎形成用型枠の平面形状に応じて用意された複数種類のパターンから選択されて用いられたり、前記シース管取付部材は、前記シース管の設置条件に応じて用意された複数種類のパターンから選択されて用いられることが好ましい。この際、ベース部材として用意された複数種類のパターンは、コーナ部1本柱用11A、ユニットジョイント部2本柱用11C、およびユニットジョイント部4本柱用11Bの少なくとも3種類を備えていることが好ましい。また、シース管取り付け部材として用意された複数種類のパターンは、基礎天端からベース部材までの距離に対応したパターンであることが好ましい。このようにすれば、保持治具を形成するベース部材およびシース管取付部材が別体であるため、ベース部材、シース管取付部材をそれぞれ想定する種類を複数用意しておき、基礎を形成する際に、これらを相互に組み合わせることで、あらゆる基礎の形状や、配置するシース管の本数等に対応することが可能となる。従って、基礎の各々の形状に対応した一体型のシース管保持治具を製造する場合に比べて、別体であるため、その種類を少なくすることができる。そのため、保持治具の製造コストや管理コストを下げることができる。
【0012】
前記ベース部材11A〜11Cは、前記基礎形成用型枠の上面を覆う平板状に形成され、シース管取付部材12Aは、ベース部材に接触する平板状の接触部26と、この接触部から当該ベース部材側とは反対側に突出し、シース管が接続されるシース管接続部27とを備え、ベース部材および接触部は、着脱可能に形成されていることが好ましい。この際、前記ベース部材および接触部は、螺合手段によって着脱可能に形成されていることが好ましい。このようにすれば、ベース部材および接触部が平板状に形成されているので、例えば、ベース部材および接触部にボルト挿通孔を設け、その孔同士を合わせながら対向する面を当接させ、当該ボルト挿通孔にボルトを挿通してナットに螺合することにより、ベース部材とシース管取付部材との接続を簡単に行えることが可能となる。これにより、保持治具の組立作業、ひいては、基礎の形成作業がより一層容易となる。
【0013】
また、前記シース管取付部材12Aは、シース管が接続されるシース管接続部を備え、ベース部材は、基礎形成用型枠の上面を覆う平板状に形成されているとともに、シース管接続部に着脱可能な装着孔60が形成されていることが好ましい。この際、ベース部材およびシース管接続部は、螺合手段によって着脱可能に形成されていることが好ましい。ここで、装着孔がボルト挿通孔であれば、シース管接続部にボルト挿通孔に応じた位置にねじ孔を形成しておくことで、ベース部材にシース管接続部を装着孔を介してボルトで簡単に取り付けることが可能となる。一方、装着孔がシース管接続部を嵌合可能な大きさに形成されていれば、装着孔にシース管接続部を嵌め込むだけでベース部材に当該シース管接続部を取り付けることが可能となる。従って、これらの点からも、ベース部材とシース管取付部材との接続を簡単に行うことができるので、基礎の形成作業がより一層容易となる。
【0014】
さらに、前記ベース部材は、基礎形成用型枠にクランプ手段(例えば、クランプ6)で固定されていることが好ましい。このようにすれば、ボルトで固定するよりも簡単なので、位置合わせ作業の作業性が向上する。なお、クランプ手段は、ベース部材に一体化していてもよいし、ベース部材とは別に用意されていてもよい。
【0015】
前記シース管保持治具の設置位置を特定するシース管保持治具の位置決め治具300は、本体310と、その本体に所定間隔で設置されたポインタ320A〜320Dと、によって形成されており、少なくとも一対のポインタの間隔は、前記基礎に矩形に配置される前記4つのシース管保持治具における、モジュール芯の交差位置の対角線距離L1,L2,L3に応じて、設定されていることを特徴とするものである。このようにすれば、希望の間隔のポインタを選択して、ポインタの一端をシース管保持治具におけるモジュール芯の交差位置に設定し、ポインタの他端をモジュール芯と交差する位置に設置することによって、対角に位置するシース管保持治具の位置を特定することができる。そのため、容易にシース管保持治具の位置を特定することができ、基礎の形成を容易に行うことができる。
【0016】
前記ポインタは、基準ポインタ320Aと、複数の選択ポインタ320B〜320Dと、から形成されていることが好ましい。このようにすれば、基準となるように特定されたシース管保持治具におけるモジュール芯の交差する位置に基準ポインタを合わせたあと、複数の選択ポインタから適性なポインタを対角線位置にあるシース管保持治具に合わせることで、その位置を設定できるので、基準ポインタを移動させることなく、効率よく位置を特定することができ、基礎の形成を容易に行うことができる。また、各ポインタの役割が明確となるため、簡単に使用することができる。
【0017】
シース管保持治具の設置位置を特定するシース管保持治具の位置決め方法は、基礎に矩形に配置される前記4つのシース管保持治具における、モジュール芯の交差位置の対角線距離を測量することによって、4つのシース管保持治具の位置を特定することを特徴とするものである。この際、前述のポインタを各モジュール芯の交差位置に合致させて、シース管保持治具の位置を特定することが好ましい。このようにすれば、シース管保持治具同士の相対位置の精度が向上するため、位置合わせを容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の第1実施形態における建物の基礎1が示されている。基礎1は、箱状に形成された建物ユニットのモジュール芯を示す水糸101〜110を形成したあとに、その水糸101〜110を参照しながら、形成位置に応じて配置された基礎形成用型枠の内部にコンクリート2を打設することで形成される。この際、基礎1には、建物ユニットを当該基礎1に固定するにあたり、当該建物ユニットの下面から下方に突出するアンカー部材であるアンカーを挿入するアンカー植付孔を形成するためのシース管3が所定位置に埋設されている。また、各シース管3の近傍には、基礎1に固定される建物ユニットの高さレベル等を調整するためのレベル調整ボルト4が設けられている。
【0019】
これらシース管3およびレベル調整ボルト4のうち、図1中、円Aで囲まれた部分に配置されるシース管3およびレベル調整ボルト4の埋設に当たっては、図2および図3に示されるように、基礎1を形成する際に基礎形成用型枠5に取り付けられ、この基礎形成用型枠5内の所定位置にシース管3を保持するシース管保持治具10Aが利用される。このシース管保持治具10Aは、基礎形成用型枠5に装着されるコーナ部1本柱用ベース部材11Aと、このベース部材11Aに着脱可能、かつ、シース管3を保持可能なシース管取付部材12Aとを備えて構成されている。
【0020】
コーナ部1本柱用ベース部材11Aは、平面略L字形状に配置された基礎形成用型枠5の上面を覆う平板部21と、この平板部21の周縁から上方に突出する突出片22とを備えて構成されている。平板部21は、平面略正方形の平板状に形成され、その基礎形成用型枠5に当接する周縁部分、およびシース管取付部材12Aが取り付けられる略中央部分には、ボルトが挿通するボルト挿通孔21Aが形成されている。また、平板部21の略中央部分には、レベル調整ボルト4が挿通するレベル調整ボルト挿通孔21Bが形成されている。さらに、平板部21の周縁には、建物ユニットのモジュール芯を示す水糸101,110に合わせる位置を示すマーカである切欠き部21C〜21Fが形成されている。図3に示すように、このコーナ部1本柱用ベース部材11Aは、基礎形成用型枠5にボルト、ナットで接続されるとともに、クランプ手段であるクランプ6で当該基礎形成用型枠5に固定されるようになっている。
【0021】
シース管取付部材12Aは、コーナ部1本柱用ベース部材11Aの平板部21に接触する平面略正方形の平板状の接触部26と、この接触部26から当該ベース部材11A側とは反対側に突出し、シース管3が嵌合されて接続される円柱状のシース管接続部27と、前述のレベル調整ボルト4が挿入される円筒状のレベル調整ボルト挿入部28とを備えて構成されている。
【0022】
接触部26には、平板部21の略中央部分に形成されているボルト挿通孔21Aに応じた位置にボルトが挿通するボルト挿通孔26Aが形成されている。これにより、接触部26は、平板部21に螺合手段であるボルト、ナットによって着脱可能に取り付けられている。
【0023】
シース管接続部27は、保持するシース管3の外径寸法と略同じ外径寸法を有し、一端が接触部26に溶接等で接続されている円柱状の基部27Aと、この基部27Aの他端から下方に延びて、シース管3が嵌合される嵌合部27Bとを備えている。嵌合部27Bは、その長さ寸法がシース管3の長さ寸法と略同じとなっているとともに、その直径がシース管3の内径寸法と略同じとなっており、このため、シース管の厚みの分、基部27Aと嵌合部27Bとの間に段差が生じている。
【0024】
ここで、基部27Aの長さ寸法は、シース管3の鉛直方向配置位置に応じたものとなっており、通常約5cm程度である。つまり、基部27Aにシース管3を当接させることで、シース管3の鉛直方向における位置決めができるようになっている。
【0025】
また、レベル調整ボルト挿入部28には、内部にねじ孔を有し、レベル調整ボルト4が螺合するレベルボルト受部28Aが接続されるようになっている。
【0026】
次に、図1中、円Bで囲まれた部分に配置される4本のシース管3および4個のレベル調整ボルト4の埋設に当たっては、図4および図5に示されるように、基礎1を形成する際に基礎形成用型枠5に取り付けられ、この基礎形成用型枠5内の所定位置にシース管3を保持するシース管保持治具10Bが利用される。このシース管保持治具10Bは、基礎形成用型枠5に装着されるユニットジョイント部4本柱ベース部材11Bと、このユニットジョイント部4本柱ベース部材11Bに着脱可能、かつ、シース管3を保持可能な4個のシース管取付部材12Aとを備えて構成されている。
【0027】
シース管取付部材12Aは、前述のものと同じものであるので、ここでは、説明を省略する。ユニットジョイント部4本柱ベース部材11Bは、基礎を形成するために平行に配置された基礎形成用型枠5の上面を覆う平板部31と、この平板部31の周縁から上方に突出する突出片32とを備えて構成されている。なお、平板部31は、平面略正方形の平板状に形成されているとともに、シース管取付部材12Aを4個取付可能な大きさに形成されている。
【0028】
この平板部31は、前述の平板部21と同様に、基礎形成用型枠5に当接する周縁部分、およびシース管取付部材12Aが取り付けられる略中央部分にボルトが挿通するボルト挿通孔31Aが形成されているとともに、平板部31の略中央部分にレベル調整ボルト4が挿通するレベル調整ボルト挿通孔31Bが形成されている。さらに、平板部31の周縁には、建物ユニットのモジュール芯を示す水糸102、107に合わせる位置を示すマーカである切欠き部31C〜31Fが形成されている。そして、図5に示すように、ユニットジョイント部4本柱用ベース部材11Bは、基礎形成用型枠5にボルト、ナットで接続されるとともに、クランプ手段であるクランプ6で当該基礎形成用型枠5に固定されるようになっている。
【0029】
なお、このユニットジョイント部4本柱用ベース部材11Bは、基礎の形状に応じて、シース管を3本だけ取り付けて、ユニットジョイント部3本柱用として使用してもよい。また、その際には、ユニットジョイント部3本柱用のベース部材を作製し、使用してもよい。
【0030】
また、図1中、円Cおよび円Dで囲まれた部分にそれぞれ配置される2本のシース管3および2個のレベル調整ボルト4の埋設に当たっては、図6〜図8に示されるように、基礎1を形成する際に基礎形成用型枠5に取り付けられ、この基礎形成用型枠5内の所定位置にシース管3を保持するシース管保持治具10Cが利用される。このシース管保持治具10Cは、基礎形成用型枠5に装着されるユニットジョイント部2本柱用ベース部材11Cと、このユニットジョイント部2本柱用ベース部材11Cに着脱可能、かつ、シース管3を保持可能な2個のシース管取付部材12Aとを備えて構成されている。
【0031】
シース管取付部材12Aは、前述のものと同じものであるので、ここでは、説明を省略する。ユニットジョイント部2本柱用ベース部材11Cは、平行に配置された基礎形成用型枠5や、平面T字形状に配置された基礎形成用型枠5の上面を覆う平板部41と、この平板部41の周縁から上方に突出する突出片42とを備えて構成されている。なお、平板部41は、略正方形の平板状に形成されているとともに、シース管取付部材12Aを2個取付可能な大きさに形成されている。この平板部41は、前述の平板部21と同様に、基礎形成用型枠5に当接する周縁部分、およびシース管取付部材12Aが取り付けられる略中央部分にボルトが挿通するボルト挿通孔41Aが形成されているとともに、平板部41の略中央部分にレベル調整ボルト4が挿通するレベル調整ボルト挿通孔41Bが形成されている。さらに、平板部41の周縁には、建物ユニットのモジュール芯を示す水糸101,107または103,109に合わせる位置を示すマーカである切欠き部41C〜41Fが形成されている。そして、図7および図8に示すように、ユニットジョイント部2本柱用ベース部材11Cは、各基礎形成用型枠5にボルト、ナットで接続されるとともに、クランプ手段であるクランプ6で当該基礎形成用型枠5に固定されるようになっている。
【0032】
また、図1中、円Eで囲まれた部分に配置されるシース管3およびレベル調整ボルト4の埋設に当たっては、基礎1の高さレベル(基礎天端)が通常よりも低いので、図9に示されるように、シース管取付部材として、シース管取付部材12Aに調整部材51および調整板52が設けられたシース管取付部材12Bを用いる。詳しくは、シース管取付部材12Bは、接触部26のシース管接続部27が取り付けられる面とは反対側の面の四隅に断面L字形状の調整部材51が溶接等で接続されているとともに、この調整部材51の上端に接触部26と略同形状、かつ、ボルトが挿通するボルト挿通孔52Aが形成された調整板52が載置されて溶接されている。このシース管取付部材12Bと、基礎1の形状に応じたいずれかのベース部材11A〜11Cとを相互に組み合わせることで、基礎1の高さレベル(基礎天端)が通常よりも低くても、コンクリートの打設時にシース管3およびレベル調整ボルト4を所定位置に保持することが可能となっている。
【0033】
なお、円A〜円Eで囲まれた部分以外に配置されるシース管3およびレベル調整ボルト4の埋設に当たっては、前述の3種類のベース部材11A、11B、11Cのいずれかと、2種類のシース管取付部材12A、12Bのいずれかとを、その部分の基礎1の形状や配置するシース管3の本数等に応じて相互に組み合わせて保持治具を形成し、基礎成形用型枠5に装着することで、シース管3およびレベル調整ボルト4を所定位置に保持することが可能となっている。
【0034】
つまり、本実施形態の基礎1を形成する場合、配置された基礎成形用型枠5の平面形状に応じた3種類のパターンから形成されているベース部材11A〜11C、およびシース管3の設置条件に応じた2種類のパターンから形成されているシース管取付部材12A、12Bを複数形成しておき、これらを相互に組み合わせた保持治具を利用することで、シース管3およびレベル調整ボルト4を所定位置に埋設することが可能となっている。
【0035】
次に、図10に示すように、このようなシース管保持治具10A〜10Cの設置位置を特定するシース管保持治具の位置決め治具300について説明する。シース管保持治具の位置決め治具300は、本体である紐310と、位置を特定するポインタ320とで構成されている。
【0036】
ポインタ320は、先端の尖った金属製の棒状部材であり、その基端には本体である紐310を固定するリング部321を備えている。また、図11(a),(b),(c)を参照すると、ポインタ320には、基準を表す基準ポインタ320Aと、基準から建物ユニットの長辺が4モジュールの対角距離L1に対応する位置に設定された4モジュール選択ポインタ320Bと、基準から建物ユニットの長辺が5モジュールの対角距離L2に対応する位置に設定された5モジュール選択ポインタ320Cと、基準から建物ユニットの長辺6モジュールの対角距離L3に対応する位置に設定された6モジュール選択ポインタ320Dとから構成され、各ポインタ320A〜320Dのリング部321A〜321Dが紐310に固定された構造となっている。
【0037】
次に、このようなシース管保持治具10A〜10Cの基礎形成用型枠5への取付手順、対角に位置するシース管保持治具の位置決め手順、およびシース管3とレベル調整ボルト4の埋設手順を以下に説明する。
【0038】
まず、各ベース部材11A〜11Cに接触部26をボルト、ナットで接続して各シース管保持治具10A〜10Cを形成する。そして、シース管接続部27の嵌合部27Bにシース管3を嵌合する。この際、シース管3が嵌合部27Bから外れやすそうであれば、その端部と基部27Aとに跨ってガムテープ等を貼り付け、シース管3を固定する。また、レベル調整ボルト挿入部28に下方からレベルボルト受部28Aを当接しておき、上方からレベル調整ボルト4を、レベル調整ボルト挿通孔21Bおよびレベル調整ボルト挿入部28を介して、レベルボルト受部28Aに螺合する。
【0039】
例えば、図1に示すように、モジュール芯を示す水糸101〜110が全て設定されている場合には、前述のように組み立てたシース管保持治具10A〜10Cを、各位置の基礎形成用型枠5の上に、各ベース部材11A〜11Cに設けられたマーカである切欠き部21C〜21F,31C〜31F,41C〜41Fを、交差する2本の水糸101〜110に正確に合致させて載置する。
【0040】
一方、図12に示すように、例えば、水糸111〜113が設定されているものの、一部の水糸114(仮想線で示す)が設定されていない場合には、まず、前述の方法によって図中(A)の位置にシース管保持治具10Aを特定し、続いて図中(B)の位置にシース管保持治具10Aを特定する。その後、図中(A)の位置に設置されたシース管保持治具10Aにおける水糸111、113の交差位置にあたる位置に基準ポインタ320Aの先端を合致させる。そして、図中(C)の位置の付近で、水糸112にシース管保持治具10Bにおける切欠き部31C,31D(または31E,31F)を合致させるとともに、シース管保持治具10Bにおける切欠き部31A,31Bを結ぶ線と切欠き部31C,31Dとを結ぶ線とが交差する位置(モジュール芯の交差位置)に長辺4モジュールに対応する選択ポインタ321Bが合うようにシース管保持治具10Aを調整して、シース管保持治具10Bの正確な位置を特定し、基礎形成用型枠5の上に載置する。また、図中(D)の位置にシース管保持治具10Cを載置する場合も、前記とほぼ同様の手順によって、図中(B)の位置のシース管保持治具10Aを基準に位置が決められるので、ここでは省略する。
【0041】
なお、使用する選択ポインタ320B〜320Dは、建物ユニットのモジュールにあわせて、その都度適当に選択されたものによって行われる。
【0042】
このようにシース管保持治具10A〜10Cが載置されたあと、クランプ6で基礎形成用型枠5および各ベース部材11A〜11Cを挟持するとともに、基礎形成用型枠5にボルト、ナットで接続し、当該ベース部材11A〜11Cを固定する。このようにして、シース管保持治具10A〜10Cを基礎形成用型枠5に取り付ける。
【0043】
続いて、基礎形成用型枠5内にコンクリート2を打設し、当該コンクリート2が固化したら、クランプ6、基礎形成用型枠6およびベース部材11A〜11Cを接続するボルト、ナットを外し、レベル調整ボルト4を外して各シース管保持治具10A〜10Cを基礎形成用型枠5から取り外す。すると、基礎1にシース管3およびレベルボルト受部28Aが埋設される。そして、レベルボルト受部28Aにレベル調整ボルト4を螺合することで、シース管3およびレベル調整ボルト4の埋設が完了する。
【0044】
なお、ベース部材11A〜11C、およびシース管取付部材12A,12Bの他の組み合わせによるシース管保持治具については、シース管保持治具10A〜10Cと同様の、基礎形成用型枠5への取付手順、対角に位置するシース管保持治具の位置決め手順、およびシース管3とレベル調整ボルト4の埋設手順であるので、ここでは、省略する。
【0045】
このような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、シース管保持治具10A〜10Cを構成するベース部材11A〜11Cの上面には、水糸101〜114に合わせる位置を示す切欠き部(マーカ)21C〜21F,31C〜31F,41C〜41Fを設けているので、シース管3を直接位置合わせする場合のように、水糸101〜114からの位置を図面等で割り出す必要がなく、ベース部材11A〜11Cの上方から眺めながら、水糸101〜114に直接切欠き部21C〜21F,31C〜31F,41C〜41Fを合わせるだけでよいので、シース管保持治具つまりシース管の位置合わせ作業を簡単に行うことができる。その上、シース管保持治具10Bには、4本のシース管3を保持でき、またシース管保持治具10Cには2本のシース管3を保持できるため、各シース管毎に位置合わせ作業を行う必要がなく、シース管保持治具の位置合わせを行えば、一度に2本または4本のシース管3の位置合わせを自動的に行えるため、シース管3の位置合わせ作業をより効率よく行うことができる。
【0046】
また、シース管保持治具10A〜10Cを構成するベース部材11A〜11Cおよびシース管取付部材12A,12Bを別体としたので、ベース部材11A〜11C、シース管取付部材12A,12Bをそれぞれ想定する種類のみ複数形成しておき、基礎1を形成する際に、これらを相互に組み合わせることで、あらゆる部分の基礎1の形状や、配置するシース管3の本数等に対応することができる。従って、基礎1の各々の形状に対応した一体型のシース管保持治具を製造する場合に比べて、別体であるため、その種類を少なくすることができる。そのため、シース管保持治具10A〜10Cの製造作業のコストを下げることができる。
【0047】
また、ベース部材11A〜11Cおよび接触部26を、ボルト、ナットなどで着脱可能に取り付けるようにしたので、当該ベース部材11A〜11Cとシース管取付部材12A,12Bとの接続を簡単に行うことができる。これにより、シース管保持治具10A〜10C等の組立作業、ひいては、基礎1の形成作業を容易に行うことができる。
【0048】
さらに、ベース部材11A〜11Cを基礎形成用型枠5にクランプ6で固定したので、ボルトだけで固定するよりも、ベース部材11A〜11Cの固定をより一層強固に行うことができ、基礎形成用型枠5内にコンクリートを打設した際に、ベース部材11A〜11Cの位置ずれをより確実に防止することができる。なお、ボルトの代わりにクランプ6で固定すれば、ボルトよりも手軽に固定できるため、シース管保持治具10A〜10Cの位置決め作業の作業性を向上できる。
【0049】
図13および図14には、本発明の第2実施形態に係る保持治具10D、10Eが示されている。なお、前記第1実施形態と同一または相当構成品には同じ符号を付し、説明を省略または簡略する。本第2実施形態は、前記第1実施形態のシース管接続部27を、ベース部材11D、11Eに直接接続したものである。また、そのベース部材11D、11Eの周縁には、建物ユニットのモジュール芯を示す水糸101〜114に合わせる位置を示すマーカである切欠き部81A,81B,91A〜91Dが形成され、ベース部材11D,11Eの上面には、その水糸101〜114の交差位置に合わせる位置を示すマーカとしての十字型の印(+)82,92が形成されている。また、ベース部材11D,11Eには、シース管取付部材12Eを構成するシース管接続部27が嵌合可能、かつ、着脱可能な装着孔60が形成されている。
【0050】
このような本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるうえ、十字型の印(+)82,92に、前記シース管保持治具の位置決め治具300のポインタ320A〜320Dの先端を合致させて、簡単に位置あわせを行うことができる。また、装着孔60にシース管接続部27を嵌め込むだけでベース部材11D、11Eに当該シース管接続部27を取り付けることができるので、ベース部材11D、11Eとシース管取付部材12Cとの接続を簡単に行うことができ、基礎の形成作業をより簡単に行うことができる。
【0051】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0052】
前記実施形態では、ベース部材にマーカとして切欠き部を設けていたが、これに限らず、図15(a),(b),(c)に示すように、各ベース部材11F〜11Gに設けられた三角型の印(△)21G〜21J,31G〜31,41G〜41Jをマーカとしてもよい。
【0053】
また、各モジュール芯の交差位置を示すマーカとしては、前記第2実施形態のような十字型の印(+)に限らず、例えばポインタが挿通しないような孔や凹部であってもよい。
【0054】
前記実施形態では、ベース部材を固定するのにクランプを用いていたが、これに限らず、例えば、ベース部材がボルト、ナットで基礎形成用型枠に強固に接続されていれば、なくてもよい。
【0055】
また、前記第2実施形態では、装着孔は、シース管接続部が嵌合可能、かつ、着脱可能な大きさのものであったが、これに限らず、例えば、装着孔がボルト挿通孔であってもよい。このようにすれば、シース管接続部にボルト挿通孔に応じた位置にねじ孔を形成しておくことで、ベース部材にシース管接続部を装着孔を介してボルトで簡単に取り付けることができる。
【0056】
また、シース管取付部材としては、接触部が平面四角形状であるものに限らず、例えば、図16および図17に示されるように、平面Y字形状に形成された接触部71を有するシース管取付部材12C,12Dが採用できる。
【0057】
さらに、前記第1実施形態では、接触部、調整部材および調整板は、それぞれ、別体であったが、これに限らず、例えば、図17に示されるように、平面Y字形状に形成された接触部71と、この接触部71に配置されて当該接触部71に対向する平面Y字形状の水平部72と、接触部71および水平部72の対応する端部を連結する垂直部73とを備えて一体的に形成してもよい。
【0058】
また、ベース部材およびシース管取付部材の種類としては、それぞれ3種類および2種類に限らず、例えば、5種類ずつでもよいし、1種類ずつでもよく、形成する基礎に応じて適宜用意すればよい。
【0059】
本実施形態では、シース管保持治具の位置決め治具の本体は紐であったが、これに限らず、例えば、棒状部材や板などでもよく、長さが特定できるものであればよい。
【0060】
また、シース管保持治具の位置決め治具の本体、例えば、紐が巻き取れたり、板が折り畳めたりするなどして、携帯に便利なように小型にして収納できるように形成してもよい。
【0061】
シース管保持治具の位置決め治具のポインタは、基準ポインタと選択ポインタに分けなくてもよい。例えば、図18に示すように、ポインタ320Aとポインタ320Cの間の距離をL1に設定し、ポインタ320Bとポインタ320Dの間の距離をL2に設定し、またポインタ320Aとポインタ320Dとの間の距離をL3に設定すれば、基準ポインタと選択ポインタに区別することなく目的を達成することができる。
【0062】
また、ポインタは、長辺4モジュール用、長辺5モジュール用、長辺6モジュール用の3タイプに限定されるものではなく、その他のモジュールに合わせて設定できるように構成してもよい。
【0063】
本実施形態では、モジュール芯を示すのに水糸を使用していたが、レーザ等の他の方法によって、示されていてもよい。
【0064】
以上に述べたように、本実施形態のシース管保持治具によれば、次のような効果がある。
すなわち、シース管保持治具によれば、シース管保持治具に備えられたマーカをモジュール芯の位置にあわせるようにしたので、シース管を直接位置合わせする場合のように、モジュール芯からの位置を図面等で割り出す必要がなく、モジュール芯を表わす水糸等の基準線に直接マーカを合わせるだけでよいので、シース管保持治具つまりシース管の位置合わせ作業を簡単に行うことができる。その上、シース管保持治具には、複数のシース管を保持することもでき、この場合には各シース管毎に位置合わせ作業を行う必要がなく、シース管保持治具の位置合わせを行えば、複数のシース管の位置合わせも自動的に行われるため、シース管の位置合わせ作業をより効率よく行うことができる。
【0065】
シース管保持治具によれば、モジュール芯の交差位置に直接合わせられるので、簡単にシース管保持治具の位置を特定することができる。
【0066】
シース管保持治具によれば、ベース部材の上面にマーカが備えられているので、上方からモジュール芯とマーカを比較調整しながら、位置あわせを容易に行うことができるので、基礎の形成が容易となる。
【0067】
シース管保持治具によれば、保持治具を形成するベース部材およびシース管取付部材が別体であるため、ベース部材、シース管取付部材をそれぞれ想定する種類を複数用意しておき、基礎を形成する際に、これらを相互に組み合わせることで、あらゆる基礎の形状や、配置するシース管の本数等に対応することが可能となる。従って、基礎の各々の形状に対応した一体型のシース管保持治具を製造する場合に比べて、別体であるため、その種類を少なくすることができる。そのため、保持治具の製造作業のコストを下げることができる。
【0068】
シース管保持治具によれば、ベース部材および接触部が平板状に形成されているので、例えば、ベース部材および接触部にボルト挿通孔を設け、その孔同士を合わせながら対向する面を当接させ、当該ボルト挿通孔にボルトを挿通してナットに螺合することにより、ベース部材とシース管取付部材との接続を簡単に行えることが可能となる。これにより、保持治具の組立作業、ひいては、基礎の形成作業が容易となる。
【0069】
シース管保持治具によれば、装着孔がボルト挿通孔であれば、シース管接続部にボルト挿通孔に応じた位置にねじ孔を形成しておくことで、ベース部材にシース管接続部を装着孔を介してボルトで簡単に取り付けることが可能となる。一方、装着孔がシース管接続部を嵌合可能な大きさに形成されていれば、装着孔にシース管接続部を嵌め込むだけでベース部材に当該シース管接続部を取り付けることができる。従って、これらの点からも、ベース部材とシース管取付部材との接続を簡単に行うことができるので、基礎の形成作業が容易となる。
【0070】
シース管保持治具によれば、ボルトで固定するよりも簡単なので、位置合わせ作業の作業性が向上する。
【0071】
シース管保持治具の位置決め治具によれば、希望の間隔のポインタを選択して、ポインタの一端をシース管保持治具におけるモジュール芯の交差する位置に合わせる位置に設定し、ポインタの他端をモジュール芯と交差する位置に設置することによって、対角に位置するシース管保持治具の位置を特定することができる。そのため、容易にシース管保持治具の位置を特定することができ、基礎の形成を容易に行うことができる。
【0072】
シース管保持治具の位置決め治具によれば、特定されたシース管保持治具におけるモジュール芯の交差する位置に基準ポインタを合わせたあと、複数の選択ポインタをそれぞれ所望する位置に同時に設定できるので、基準ポインタを移動させることなく、効率よく位置を特定することができ、基礎の形成を容易に行うことができる。また、各ポインタの役割が明確となるため、簡単に使用することができる。
【0073】
シース管保持治具の設置位置を特定するシース管保持治具の位置決め方法によれば、シース管保持治具同士の相対位置の精度が向上するため、位置合わせを容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、アンカー部材を挿入するシース管が所定位置に埋設された基礎を形成するために、コンクリートが内部に打設される基礎形成用型枠に取り付けられるシース管保持具に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1実施形態における基礎を示す平面図である。
【図2】前記実施形態におけるシース管保持治具を示す分解斜視図である。
【図3】前記実施形態におけるシース管保持治具の基礎形成用型枠への取付構造を示す斜視図である。
【図4】前記実施形態におけるシース管保持治具を示す分解斜視図である。
【図5】前記実施形態におけるシース管保持治具の基礎形成用型枠への取付構造を示す斜視図である。
【図6】前記実施形態におけるシース管保持治具を示す分解斜視図である。
【図7】前記実施形態におけるシース管保持治具の基礎形成用型枠への取付構造を示す斜視図である。
【図8】前記実施形態におけるシース管保持治具の基礎形成用型枠への取付構造を示す斜視図である。
【図9】前記実施形態におけるシース管取付部材を示す斜視図である。
【図10】前記実施形態におけるシース管保持治具の位置決め治具を示す図である。
【図11】前記実施形態における建物ユニットの長辺のモジュールに対する対角線の距離を示す平面図である。
【図12】前記実施形態における基礎形成用型枠に取り付けられたシース管保持治具を示す平面図である。
【図13】本発明の第2実施形態におけるシース管保持治具を示す分解斜視図である。
【図14】前記実施形態におけるシース管保持治具を示す分解斜視図である。
【図15】本発明の変形例であって、シース管保持治具を示す平面図である。
【図16】本発明の変形例であって、シース管取付部材を示す分解斜視図である。
【図17】本発明の他の変形例であって、シース管取付部材を示す斜視図である。
【図18】本発明の他の変形例であって、シース管保持治具の位置決め治具を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 基礎、
2 コンクリート
3 シース管
5 基礎形成用型枠
6 クランプ
10A〜10C シース管保持治具
12A、12B シース管取付部材
21C〜21F,31C〜31F,41C〜41F 切欠き部
26 接触部
27 シース管接続部
101〜110 水糸
300 シース管保持治具の位置決め治具
310 紐
320A〜320D ポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカー部材を挿入するシース管が所定位置に埋設された基礎を形成するために、コンクリートが内部に打設される基礎形成用型枠に取り付けられ、前記基礎形成用型枠内の所定位置に前記シース管を保持するシース管保持治具であって、
前記建物のモジュール芯の位置を示す水糸に対して位置合わせを行う部位を有することを特徴とするシース管保持治具。
【請求項2】
請求項1に記載のシース管保持治具において、
前記位置合わせを行う部位は、交差配置された2本の水糸の各々に対して行うように設けられていることを特徴とするシース管保持治具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のシース管保持治具において、
前記基礎形成用型枠に装着されるベース部材と、このベース部材に着脱可能、かつ、前記シース管を保持可能なシース管取付部材と、を備え、前記ベース部材は、配置された前記基礎形成用型枠の平面形状に応じて用意された複数種類のパターンから選択されて用いられていることを特徴とするシース管保持治具。
【請求項4】
請求項3に記載のシース管保持治具において、
前記ベース部材は、コーナ部一本柱用、ユニットジョイント部2本柱用およびユニットジョイント部4本柱用の少なくとも3種類のパターンを備えていることを特徴とするシース管保持治具。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のシース管保持治具において、
前記シース管取付部材は、前記シース管の設置条件に応じて用意された複数種類のパターンから選択されて用いられていることを特徴とするシース管保持治具。
【請求項6】
請求項5に記載のシース管保持治具において、
前記シース管の設置条件は、前記基礎の上端面から前記ベース部材までの距離であることを特徴とするシース管保持治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−248681(P2008−248681A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115555(P2008−115555)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【分割の表示】特願2000−274755(P2000−274755)の分割
【原出願日】平成12年9月11日(2000.9.11)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】