説明

シート折り装置及びこれを備えた画像形成システム

【課題】シートをスキュー修正した後に折合わせて搬出口に送る際に、装置を小型コンパクトに構成出来るようにする。
【解決手段】ハウジングの対向する搬入口30と搬出口を設け、搬入口からのシートを折り処理することなく搬出口に案内する第1経路32と、搬入口からのシートを折り処理して搬出口に案内する第2経路と、この経路に折り処理手段を備える。折り処理手段はシートを一次折りする第1ニップ部と、この折りシートを二次折りする第2ニップ部を形成する複数の折りロール対41b、49、50と、第1第2ニップ部にシートの折目を案内する偏向部材53、54で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを所定の折り目で折り合わせるシート折り装置に係わり、装置を小型コンパクトに構成する装置レイアウトの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種のシート折り装置は、印刷機、プリンタ装置、複写機などの画像形成装置で画像形成されたシートを所定の折位置で折り合わせて仕上げ処理する装置として広く知られている。例えば特許文献1には、画像形成装置の排紙口に連設して画像形成されたシートをファイリング用に折り合わせて後続する綴じ処理装置に搬出する装置が提案されている。
【0003】
このようにシートを2分の1或いは3分の1に折り合わせて搬出するシート折り装置は、画像形成装置の後処理装置として構成されるか、或いは画像形成装置、綴じ処理装置に内蔵されるユニットとして構成されている。そして折仕様はファイリング用として例えば1/2折り、1/3Z折り、1/3レター折りなど使用目的に応じて種々の折仕様が知られている。
【0004】
画像形成装置、綴じ装置(フィニッシャ装置、製本装置)などに連設され、或いは内蔵される折り装置には、シートを折り処理することなく搬出口に搬出する経路(排紙経路)と、シートを折り処理した後に搬出口から搬出する経路(折り処理経路)が必要とされる。このため特許文献1には、装置ハウジングに形成した搬入口と搬出口の間に排紙経路を設け、この排紙経路の下方に折り処理経路を配置している。
【0005】
そして折り処理経路にはシートを1/2折り或いは1/3折りする為の折ロールと、この折ロールにシートを、その折目位置からニップさせるための経路が配置されている。つまり折位置を境にシートをウイング状に位置決めして、一対のローラ間に挿入して折り合わせている。
【0006】
そこで特許文献1の装置は、折り処理しない排紙経路を装置の水平方向に配置し、この経路に対して直交する垂直方向の下側に折り処理経路を配置している。これは装置ハウジングをシート排出方向にスリムに小型化して装置の占有面積を省スペース化するためである。
【0007】
同様に特許文献2及び特許文献3に開示されている装置も、画像形成装置から搬出されるシートを、水平方向に配置した排紙経路と、この経路に直交する経路下側に配置した折り処理経路で折り合わせる装置レイアウトが開示されている。
【0008】
このように、特許文献1、2、3いずれの装置も、シートを下流側に直送する排紙経路に対し、これと直交する方向に折り処理経路を配置し、この経路の中間位置に折機構を配置している。そしてこの折機構の前後にシートの折位置を一致させるように経路をウイング状に配置している。この折り処理経路は3分の1折りを考慮すると折機構の前方と後方にそれぞれ折りシートの2/3長さの経路長に構成している。
【0009】
一方、上述の特許文献には折り位置に給送するシートを先端揃えするレジスト機構は開示されていないが、一般的なシート給送装置で処理位置の上流側にシートを突当規制するゲートストッパ或いはローラ対を設けてレジスト修正する機構は広く知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−018494(図1)
【特許文献2】特許4144496(図1)
【特許文献3】特許4175642(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように搬入口からのシートを折り合わせて搬出口に移送する装置は、折り処理することなく搬出口に送る排紙経路と、折り処理して送る折り処理経路を備えた装置は広く知られている。この場合、従来は排紙経路に対して折り処理経路をその下方に配置しているため、装置が大型化する問題が知られている。
【0012】
これは折り位置にシートの折り目を一致させるために、その下流側と上流側にシート先端部と後端部を収容するウイング状の経路が必要となる。従って、この折り処理経路を排紙経路の下方に配置すると、排紙経路の上方側はデッドスペースとなり、装置の
大型化の 原因
となっている。
【0013】
そこで本発明者は、排紙経路に対して折り処理経路を交差するように配置するとの着想に至った。この場合、装置を横断する排紙方向の経路長が長くなり、装置が横幅方向に大型化する問題が新たに発生する。
【0014】
この装置横幅方向の大型化を解決するため本発明者は、所定の距離を隔てて配置した上流側の搬送手段と下流側の搬送手段の間に、排紙経路を挟んでその一方にレジスト機構を、他方に折りロールにシートの折り目を挿入する折り偏向機構を配置するとの着想に至った。
【0015】
本発明は 搬入口
からの シートを スキュー修正した後に 折り合わせて 搬出口 に送る際に、装置を小型コンパクトに構成することが可能なシート折り装置の提供をその課題としている。
更に本発明は、搬入口からのシートを折り処理することなく搬出口に送る経路と、折り処理して搬出する折り処理経路を備えた装置構成であって装置の上下縦方向と水平横方向の両方において小型化することが可能なシート折り装置の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を達成するため本発明は、搬入口からのシートを搬出口に直送する第1経路と、搬入口からのシートを折り処理して搬出口に移送する第2経路とを備え、この第1経路に距離を隔ててシートを下流側に搬送する第1、第2の搬送ローラ対を配置する。そしてこの第1、第2の搬送ローラ対の間の経路上方部と経路下方部の一方に、シートを湾曲変形させて先端揃えするレジストエリアを、他方に、シートを二次折りするためにニップ部にシートを挿入する折り偏向部材を配置することを特徴としている。
【0017】
更にその構成を詳述すると、装置ハウジング(29)の互いに対向する位置に配置された搬入口(30)及び搬出口(31)と、搬入口からのシートを折り処理することなく搬出口に案内する第1経路(32)と、搬入口からのシートを折り処理して搬出口に案内する第2経路(33)と、第2経路に配置され搬入口からのシートを折合わせる折り処理手段(48)とを備える。
【0018】
折り処理手段は、搬入口からのシートを一次折りする第1ニップ部(Np1)と、この一次折りされたシートを二次折りする第2ニップ部(Np2)を形成する互いに圧接した複数の折りロール対(41b、49、50)と、第1ニップ部にシートの折目を案内する一次折り偏向部材(53)と、第2ニップ部にシートの折目を案内する二次折り偏向部材(54)とで構成する。
【0019】
第1経路には搬入口からのシートを下流側に搬送する第1、第2の搬送ローラ対(40、41)を距離を隔てて配置し、この第1搬送ローラ対と第2搬送ローラ対との間には、シートを湾曲変形させて先端揃えするレジストエリア(Ar)を形成する。そしてこのレジストエリアと、第2折り偏向部材とは、第1経路の上方に一方が、第1経路の下方に他方が互いに対向するように配置する。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、搬入口からのシートを搬出口に直送する第1経路と、搬入口からのシートを折り処理して搬出口に移送する第2経路とを備え、この第1経路に第1、第2の搬送ローラ対を配置し、その間にシートを先端揃えするレジストエリアとシートを二次折りするための折り偏向部材を、第1経路の上方と下方に対向配置したものであるから以下の効果を奏する。
【0021】
搬入口からのシートを第1第2搬送ローラ対で所定の折り位置に移送するスペース内にシートを先端揃えするレジスト機構と、シートを二次折りするための折偏向部材が配置されるため、装置を小型コンパクトに構成することが出来る。
【0022】
特にシートを折り処理することなく搬入口から搬出口に直送する経路をシート搬送方向に小型化することが可能となる。
【0023】
更に本発明は、第1経路に対してシート折り処理する第2経路を交差配置することによって、装置の上下縦方向の小型化と、装置水平横方向の小型化を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係わる画像形成システムの全体構成の説明図。
【図2】図1のシステムにおける後処理装置の要部拡大説明図。
【図3】図1のシステムにおけるシート折り装置の全体構成の説明図。
【図4】図3のシート折り装置における要部拡大説明図。
【図5】図3の折りロールのレイアウト構成の説明図。
【図6】図3のシート折り装置におけるレジスト機構と二次折り偏向手段のレイアウト構成の説明図。
【図7】図6のレジスト機構の作用を示す説明図であり(a)はゲートストッパが作動位置の状態、(b)はゲートストッパが退避位置に移動する途中の状態、(c)はゲートストッパが退避位置の状態を示す。
【図8】図3の装置におけるシート折り動作の状態説明図であり、(a)はシートをレジスト修正する状態を、(b)はシートを第1スイッチバック経路に搬入する状態を示す。
【図9】図3の装置におけるシート折り動作の状態説明図であり、(a)は、シートを第1ニップ部で一次折りする状態を、(b)は一次折りしたシートを第2スイッチバック経路に搬入する状態を示す。
【図10】図3の装置におけるシート折り動作の状態説明図であり、(a)はシートを第2スイッチバック経路から第2ニップ部で折り合わせる状態を、(b)は第2ニップ部で折り合わせたシートを排紙方向に搬出する状態を示す。
【図11】シート折り動作の状態説明図であり、(a)は二つ折りモード実行時に第2ニップ部にシート先端を案内する二次折偏向部材の作用を示す説明図であり、(b)は折り処理動作を示すフローチャート。
【図12】本発明のシート折り装置におけるシート折り仕様の説明図であり、(a)はシートを1/3位置で内三つ折りする態様を、(b)はシートを1/3位置でZ折りする態様を、(c)はシートを1/4位置でZ折りする態様を示す。
【図13】図3の装置における駆動機構の説明図。
【図14】折り偏向部材の図3とは異なる実施形態の説明図。
【図15】図1のシステムにおける制御構成の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下図示の実施形態に基づいて本発明を詳述する。図1は本発明に係わる画像形成システムを示す。このシステムは画像形成装置Aと後処理装置Cとで構成され、後処理装置Cにはシート折り装置Bがユニットとして付設されている。
【0026】
画像形成装置Aは順次シート上に画像形成するプリンタ、複写機、印刷機などとして構成される。図示のものは複写機機能とプリンタ機能を有する複合型複写機として画像形成部7と、原稿読取部20と、フィーダ部(原稿送り装置)25とで構成されている。また後処理装置Cは、画像形成装置Aの本体排紙口18に連設され、画像形成されたシートに、折り処理、パンチ孔開け、捺印処理、綴じ処理などの後処理を施すように構成されている。そしてこの後処理装置Cに画像形成されたシートを折り処理するための折り処理ユニット(シート折り装置)Bが一体的に設けられている。以下シート折り装置B、画像形成装置A、後処理装置Cの順に説明する。
【0027】
[シート折り装置]
シート折り装置Bは、画像形成装置A或いは後処理装置Cに内蔵されるか、これらとは別に独立した装置(スタンドアロン構成)として構成する。図示のものは画像形成装置Aと後処理装置Cの間に配置され画像形成システムを構成している。そしてシート折り装置Bを後処理装置Cにオプションユニットとして付設するようになっている(その構成は後述する)。
【0028】
そこでシート折り装置Bは、図3にその全体構成を示すが装置ハウジング29に搬入口30と搬出口31を設け、搬入口30は上流側の画像形成装置Aの本体排紙口18に連なる位置に、搬出口31は下流側の後処理装置Cのシート受入口69に連なる位置に配置している。図3に示すように搬入口30と搬出口31は装置ハウジング29を横断するように対向配置されている。
【0029】
そしてこの搬入口30と搬出口31との間には搬入口30からのシートを折り処理することなく搬出口31に搬出する第1搬送経路32と、搬入口30からのシートを折り処理して搬出口31に搬出する第2搬送経路33が配置されている。この経路には、シートを所定方向に移送する「搬送機構」と、シートを折り処理する「折り処理機構」が配置されている。
【0030】
[経路構成]
図3に示すように装置ハウジング29には第1搬送経路(以下「第1経路」という)32が搬入口30と搬出口31との間に配置されている。この経路は図示のように直線経路で水平方向に配置しても、或いは曲線経路で構成しても、垂直方向に配置することもいずれも可能である。この第1経路32は上述したように搬入口30からのシートを折り処理することなく搬出口31に案内する。
【0031】
また上記第2搬送経路(以下「第2経路」という)33は搬入口30からのシートを折り処理する経路として構成する。この第2経路33には折り位置Np1(Np2)に後述する折り処理手段48が配置され、その折り位置(後述の第1ニップ部)Np1に一次折りするためのシート先端を案内する第1スイッチバック経路34と、折り処理したシートを二次折りするための折りシート先端を折り位置(後述の第2ニップ部)Np2に案内する第2スイッチバック経路35とから構成される。そしてこの第2経路33には、第2ニップ部Np2からの折シートを搬出口31に向けて搬出する第3搬送経路(以下「第3経路」という)36が連設されている。
【0032】
上記第2経路33は、上記第1経路32と交差して、第1経路32の上方にシートを案内する経路端部と、第1経路32の下方にシートを案内する経路端部で構成する。図3の実施形態では、折り処理する第1ニップ部Np1にシート先端を案内する第1スイッチバック経路34が第1経路32の上方に、折り処理したシートを下流側に案内する第2スイッチバック経路35が第1経路32の下方に配置されている。
【0033】
このように第1経路32と第2経路33とは、交差するように配置するが、シートを一次折り位置(後述の第1ニップ部)Np1に案内する第1スイッチバック経路34を第1経路32の下方に、折り処理したシートを下流側に案内する第2スイッチバック経路35を経路32の上方に配置しても良い。
【0034】
また、第1経路32を鉛直方向に配置する場合には第1スイッチバック経路34を鉛直方向の第1経路32の右側(又は左側)に、第2スイッチバック経路35を経路の左側(又は右側)に配置する構成となる。なお、上記第2スイッチバック経路35は図3の実施形態ではシートを二次折りする為に第2ニップ部Np2に折シートを案内する関係でシートの送り方向を反転するように構成しているが、シートを二次折りしない場合には、直進する経路とすることも可能である。
【0035】
上記第2経路33には、折り処理されたシートを搬出口31に案内する第3経路36が連設されている。図示の第3経路36はシートを二次折りする第2ニップ部Np2と搬出口31との間に設けられている。この第3経路36には折シートを搬出口31とは異なる排紙口51から収納スタッカ65に案内する排紙経路37が配置されている。
【0036】
上述のように構成される第1スイッチバック経路34は、図3に示すように曲率R1を有する円弧状に湾曲した経路で構成され、上記第2スイッチバック経路35は図3に示す曲率R2を有する円弧状に湾曲した経路で構成されている。また上記第3経路36に連なる排紙経路37も曲率R3を有する円弧状に湾曲した経路で構成されている。
【0037】
そして第1経路32からのシートを一次折り位置(第1ニップ部)Np1に案内するための第1スイッチバック経路34の経路長(L1)と、一次折りされた折シートを二次折り位置(第2ニップ部)Np2に案内するための第2スイッチバック経路35の経路長(L2)とは、経路長L1>経路長L2となるように構成されている。
【0038】
更に折り処理されたシートを第2ニップ部Np2から収納スタッカ65に案内する排紙経路37の経路長L3は、L3<L2<L1となるように構成されている。これは、一次折り位置(第1ニップ部)Np1を第1経路32の近傍に配置すると、その結果として各経路長がL3<L2<L1となるため経路構成のコンパクト化をもたらす。
【0039】
そして、第1スイッチバック経路34は曲率R1、第2スイッチバック経路35は曲率R2、排紙経路37は曲率R3の円弧状経路で構成されている。その曲率は第1スイッチバック経路34の方が第2スイッチバック経路35より大きくなるように(曲率R1>曲率R2)設定されている。
【0040】
従って曲率の大きい第1スイッチバック経路34を通過するシートの摩擦抵抗は、曲率の小さい第2スイッチバック経路35を通過するシートの摩擦抵抗より小さいこととなる。更に折り処理されたシートを収納スタッカ65に案内する排紙経路37の曲率R3は、曲率R3<曲率R2<曲率R1に設定されている。従って、シートが各経路を通過するための摩擦抵抗は、第1スイッチバック経路34<第2スイッチバック経路35<排紙経路37となる。
【0041】
一方、シートの腰の強さは第1スイッチバック経路34を通過する1枚シートが最も低く、第2スイッチバック経路35を通過する一次折りシートが中間で、排紙経路37を通過する二次折りシートが最も高くなる。従って各経路の曲率を搬送するシートの腰の強さに応じて上記の条件に設定することがシートジャムを招くことなく経路の占めるスペースを最小化することとなる。
【0042】
上記第2経路33を構成する第1スイッチバック経路34と第2スイッチバック経路35とは、図3に示すようにS字カーブに形成されている。また第2スイッチバック経路35から収納スタッカ65に至る排紙経路37は逆S字カーブに形成されている。この第2スイッチバック経路35の下方に収納スタッカ65が配置され、排紙経路37で連結されている。
【0043】
従って経路長が最も長い第1スイッチバック経路34が第1経路32の上方に、経路長が短い第2スイッチバック経路35と排紙経路37が第1経路32の下方に配置され、更にその下方に収納スタッカ65が配置されている。このようなレイアウト構成によって装置ハウジング29の内部スペースの集密化が図られる。
【0044】
[折り処理手段]
上述の第2経路33にはシートを折り処理する折り処理手段48が配置される。この折り処理手段48は、シートを二つ折り、又は三つ折りする折りロール対41b、49、50と、そのニップ部Np1(Np2)にシートの折り目を案内する折り偏向手段53、54で構成する。そしてシートを二つ折りする折仕様のときには2つのロール対と1つの折り偏向手段で構成し、シートを三つ折りする折仕様のときには3つ又は4つのロール対と2つの折り偏向手段で構成する。
【0045】
図3の装置ではシートを一次折りした後に二次折りする三つ折り仕様の関係で、折ロール対は、第1ニップ部Np1と、第2ニップ部Np2を形成する第1ロール41bと第2ロール49と第3ロール50で構成されている。そして折り偏向手段は一次折り偏向部材53と二次折り偏向部材54で構成されている。以下この三つ折り仕様の折り処理機構について説明する。
【0046】
[経路切換手段]
上述したように第1経路32と第2経路33とは交差するように配置され、第1スイッチバック経路34が第1経路32の上方に、第2スイッチバック経路35が第1経路32の下方に配置され、この第2経路33には第2ニップ部Np2からの折シートを第1経路32に返送する第3経路36が連設されている。
【0047】
そしてこれらの経路は図3に示すように第1経路と第2経路がCp1で、第3経路と第1経路がCp2で交差する。そこで第1経路32から第1スイッチバック経路34にシートを案内する経路切換と、第1スイッチバック経路34から第2スイッチバック経路35にシートを案内する経路ガイドと、第2スイッチバック経路35からのシートを第1経路32に案内する経路ガイドが必要となる。
【0048】
図示の装置は、上述の3方向ガイドを次の1つの経路切換手段63で構成することを特徴としている。第1経路32には第2経路33との交差部に経路切換手段63が配置されている。この経路切換手段63は図3に示すように基端部63xを経路外の装置フレーム(図示のものは搬出ローラ62aの支軸62x)に揺動可能に軸支持され、その先端部には表ガイド面63aと裏ガイド面63bが形成されている。
【0049】
そして表ガイド面63aは図3実線姿勢で第1経路32に送られたシートを、この第1経路32から第2経路33の第1スイッチバック経路34に案内する。これと同時に裏ガイド面63bは第3経路36に送られた折シートを第1経路32に返送する。また、経路切換手段63は図3破線姿勢で第1経路32に送られたシートを第2経路33に搬入することなく搬出口31に直送する。
【0050】
以上要するに、第2搬送経路は、搬入口からのシートを搬入するように第1搬送経路に第1交差部Cp1で交差し、第3搬送経路は、折り処理シートを搬出口に向けて搬出するように第2交差部Cp2で交差し、この第1交差部Cp1と第2交差部Cp2にはシートの搬送方向を切換える経路切換手段63が配置されている。そしてこの経路切換手段63は第1経路内に進退する経路切換部材(板状ガイド片)63で構成され、その表ガイド面63aで第1経路32からのシートを第2経路33に案内し、その裏ガイド面63bで第3経路からのシートを第1経路32に案内するようになっている。
【0051】
上記経路切換部材63は搬入口30からのシートを第1経路32で搬出口31に直送する第1ガイド姿勢(図3破線)と、搬入口30から第1搬送経路に送られたシートを第2搬送経路に案内すると共に第3経路36から送られたシートを第1経路32に案内する第2ガイド姿勢(図3実線)との間で姿勢変更する駆動手段(作動ソレノイド;不図示)が設けられている。つまり図示の経路切換部材63は支軸62xを中心に揺動する板状片で構成され、その基端部に作動ソレノイドと復帰スプリングが連結されている。
【0052】
このように経路切換部材63は第2ガイド姿勢で第1経路32からシートを第1スイッチバック経路34に案内し、このスイッチバック経路からシートを第1ニップ部Np1に案内する。これと共に第2ガイド姿勢で第3経路36からの折りシートを第1経路32に返送することを特徴としている。
【0053】
[折ロールの構成]
第2経路33には第1ロール41bと第2ロール49と第3ロール50が互いに圧接するように配置されている。第1ロール41bと第2ロール49との圧接点にシートを一次折りする第1ニップ部(第1折り位置)Np1が形成され、第2ロール49と第3ロールル50との圧接点にシートを二次折りする第2ニップ部(第2折り位置)Np2が形成されている。
【0054】
特に図示の装置は、第1ロール41bの周面を第1経路32に臨む位置に配置し、そのロール周面にピンチローラ(遊動ローラ)41aが圧接されている。これによって第1経路32のシートを第1ロール41bとピンチローラ41aで搬送し、第1経路32に特別な搬送部材とその駆動機構を設ける必要がない。
【0055】
また、上記第1第2第3の各ロール径は、第2ロール径が最大で例えば30mm径、第1、第3ロール径が20mm径で、中央に位置する第2ロール49を最大径(例えば1.5倍)に構成しているがその理由は後述する。またこの第2ロール49には第3ロール50との圧接点の下流側に増し折りローラ(駆動ローラ)64が圧接されている。
【0056】
[折り偏向手段の構成]
上述のように3つのロール(41b、49,50)で構成される折ロールには、その第1ニップ部Np1に一次折り偏向部材53が、そして第2ニップ部Np2に二次折り偏向部材54が配置され、それぞれのニップ部(圧接点)にシートの折り目を案内する。図3の装置は一次折り偏向部材53と二次折り偏向部材54は同一構造であるので、一次折り偏向部材53についてその構造を説明する。この折り偏向部材53は、図4及び図5に示すように従動ローラ53aと、ガイド部材53bと、昇降部材53cで構成されている。
【0057】
図5に示すようにシートを一次折りする第1ニップ部Np1は第1ロール41bと第2ロール49で構成され、第1ロール41bが上流側に、第2ロール49が下流側に配置されている。そこで従動ローラ53aは、第2ロール49の周面と接する位置に配置されている。そしてガイド部材53bは上流側に位置する第1ロール41bの周面に沿った湾曲ガイド面を備えている。
【0058】
上記従動ローラ53aとガイド部材53bは昇降部材53cに支持されている。この昇降部材53cは、適宜形状のブラケット部材(フレーム部材)で構成され、この昇降部材53cに従動ローラ53aが回転可能に支持され、同時にガイド部材53bが固定されている。そして昇降部材53cは装置フレームに設けたガイドレールに支持され、従動ローラ53aが第2ロール49の周面と接する作動位置(図4破線位置)と、第2経路33の経路外に退避した待機位置(図4実線位置)との間で昇降するように構成されている。この昇降部材53cには後述するシフト手段56が連結され、従動ローラ53aとガイド部材53bを作動位置と待機位置との間で位置移動する。
【0059】
そこで上述の従動ローラ53a、54aとガイド部材53b、54bとは、図5に示す位置関係に設定してある。第1ニップ部Np1において、シートは搬入口30から第1ロール41bと、これに圧接したピンチローラ41aで繰り出される。このピンチローラ41aの圧接点を図5にp1で示す。
【0060】
上記従動ローラ53aは下流側に位置する第2ロール49と圧接し、その圧接点を図5にp2で示す。そこでシートの折り目位置を第1ニップ部Np1に案内する際に、シートの上流側は圧接点p1で搬送力を付与され第1ロール41bの周面に沿って第1ニップ部Np1に案内される。またシートの下流側は圧接点p2で搬送力を付与され第2ロール49の周面に沿って第1ニップ部Np1に案内される。
【0061】
このとき圧接点p1と第1ニップ部Np1間の搬送長さLxと、圧接点p2と第1ニップ部Np1間の搬送長さLyとをLx>Lyに設定する。このような搬送長さ関係に従動ローラ53aの位置を設定する。そして前述のカイド部材53bは、搬送長さの大きい第1ロール41bの周面に沿う湾曲形状の湾曲ガイド面を形成する。
【0062】
つまり従来はシートの折り目を折りニップ部(Np1、Np2)に案内するブレード部材をシート操出手段とは別に設けているため、シートに作用するタイミングズレで折り目に位置ズレ或いは皺が発生する原因となっていた。これを解決するために、図示の装置は第1ニップ部Np1に向かうシートの上流側の第1ロール41bの搬送長さLxと、下流側の第2ロール49の搬送長さLyを[Lx>Ly]に設定し、同時にガイド部材53bの湾曲ガイド面を搬送長さの長い第1ロール41bの周面にシートを沿わせる形状に構成し、この従動ローラ53aとガイド部材53bを同時に待機位置から作動位置に位置移動している。
【0063】
このように構成することによって、特別な折りブレード手段を用いることなくシートの折り目をニップ部Np1に正確に案内することが出来る。尚図5から明らかなように搬送長さを[Lx>Ly]に設定するためには従動ローラ53aのロール径を上流側に位置する第1ロール41bのロール径より小径に構成する必要がある。
【0064】
二次折り偏向部材54も同様に、上流側に位置する第2ロール49の第1ニップ部Np1でシートに搬送力を付与し、この点から第2ニップ部Np2迄の搬送長さLxに対して、従動ローラ54aと下流側に位置する第3ロール50との圧接点p3と第2ニップ部Np2間の搬送長さLyとを[Lx>Ly]に設定してある。
【0065】
そしてガイド部材54bの湾曲ガイド面を搬送長さの長い第2ロール49の周面にシートを沿わせる形状に構成してある。尚、この二次折り偏向部材54と、先の一次折り偏向部材53とは、一方が作動位置のとき他方は待機位置に位置するように相反的に移動する。これは昇降部材53cと昇降部材54cとを同一の駆動手段で昇降する(後述する)からである。
【0066】
[駆動機構]
次に、上述の第1経路32、第2経路33及び折り処理手段48の駆動機構について説明する。図4に示すように第1経路32には、搬入口30に搬入ローラ対40(第1搬送手段)と、その下流側にピンチローラ41a(第2搬送手段)が設けられ、搬出口31には排紙ローラ対62が設けられている。
【0067】
搬入ローラ対40は一対のローラ40a、40bで構成され、その一方のローラ40bに後述する搬送モータMfが連結してある。同様に搬出ローラ62もローラ対62a、62bで構成され、その一方のローラ62bに搬送モータMfが連結してある。また、ピンチローラ41aは第1ロール41bに従動回転するように配置され、このロール41bは搬送モータMfに連結されている。
【0068】
上記第2経路33は、図3に示す様にこの経路を構成する第1スイッチバック経路34及び第2スイッチバック経路35には、シートに搬送力を付与するローラ、ベルトなどの搬送手段は備えていない。そこで第1スイッチバック経路34には第1ロール41bと、これに圧接したピンチローラ41aでシートを経路内に搬入する搬入方向の搬送力を付与し、第2ロール49と圧接する従動ローラ53aでシートを経路から一次折り位置Np1に移送する搬送力を付与するように構成されている。
【0069】
また、第2スイッチバック経路35には第1ロール41bと第2ロール49のニップ部でシートを経路内に搬入する搬送力を付与し、この経路から二次折り位置Np2にシートを繰り出す搬送力は二次折り偏向部材54の従動ローラ54aで付与するように構成されている。この第2スイッチバック経路35に連なる第3経路36には、図4に示すように第2ロール49に圧接した増し折り用のローラ64が搬出ローラ62に向けて折シートを搬出する搬送力を付与している。従って第3経路36には、特別な駆動機構を備えた搬送手段は配置されていない。
【0070】
また上述の第3経路36には、三つ折りしたシートを搬出口31に移送することなく収納スタッカ65に案内する排紙経路37が配置され、この経路には排紙ローラ67が設けられている。
【0071】
そこで、図13に示すように、第1経路32の搬入ローラ対40と搬出ローラ62、及び折り処理手段48の第1ロール41b、第2ロール49、第3ロール50、並びに排紙経路37の排紙ローラ67には、搬送モータMfの駆動が伝達されている。つまり第1ロール41bに搬送モータMfの駆動がベルト伝動され、第1ロール41bと第2ロール49と第3ロール50は歯車などで周速度が同一となるように駆動伝達されている。
【0072】
また、一次折り偏向部材53の昇降部材53c及び二次折り偏向部材54の昇降部材54cは相反的に待機位置と作動位置との間で位置移動するようにシフトモータMsが連結されている。このモータMsは正逆転モータで構成され、第1の昇降部材53cと第2の昇降部材54cに形成したラック53r、54rにピニオン53p、54pが歯合されている。そしてシフトモータMsを正回転するときには、第1の昇降部材53cが待機位置から作動位置に移動し、逆回転するときには第2の昇降部材54cが待機位置から作動位置に移動するようになっている。従って上記シフトモータMsとラック53r、54rとピニオン53p、54pが昇降部材53c、54cを昇降するためのシフト手段56(図13参照)を構成している。
【0073】
[シート先端検知センサ]
上述したように第1経路32には、シートの端縁を検出する第1センサS1が配置され、第1スイッチバック経路34に搬入するシートの端縁(先端及び後端)を検出する。また第2スイッチバック経路35に搬入するシートの端縁を検出する第2センサS2が配置してある。このセンサS1とセンサS2はシートの折り目位置を割り出すためにシートの端縁を検出するが、その作用は後述する折り仕様と共に追って説明する。
【0074】
[レジスト機構]
一方、第1経路32には搬入ローラ対40a、40bとピンチローラ41aとの間にレジスト機構が配置されている。このレジスト機構は図6及び図7に示すように搬入ローラ対40a、40bで構成される第1搬送手段40と、ピンチローラ41aと第1ロール41bで構成される第2搬送手段41とが距離Lzを隔てて配置されている。この間隔Lzにシート先端を係止するゲートストッパ手段42と、シートを湾曲変形させるレジストエリアAr(空間)が形成してある。上記ピンチローラ41aはポリアセタール(POM)で、第1ロール41bはゴム素材で構成されている。
【0075】
ゲートストッパ手段42はシート先端を突き当て係止する規制面43sを備えたストッパ部材43と、この規制面43sを第1経路内の係止位置Psと、経路外部の待機位置Pwとの間で位置移動させるストッパ駆動手段44構成されている。
【0076】
図示のストッパ部材43はレバー部材で構成され、その基端部を支軸43xを中心に揺動するように装置フレームに軸支持し、その先端部に第1経路32を移動するシート先端を係止する規制面43sが形成されている。そしてこのストッパ部材43を待機位置側に付勢する付勢スプリング45と、このスプリングに抗してストッパ部材43を係止位置Psに移動するストッパ駆動手段(図示のものは作動ソレノイド)44が装備されている。また上記レジストエリアArは、第1経路32を構成するシートガイド板32gを図6のように湾曲させてシートをループ状に変形させる空間で構成する。
【0077】
そこで支軸43xを中心に揺動可能に軸支持した規制面43sは、図7(a)に示すようにシートの係止点が作動位置(係止位置;同図実線)Psから待機位置(同図鎖線)Pwに移動する軌跡が第2搬送手段41の圧接点p1を通過するか、若しくはその近傍を通過するように構成してある。
【0078】
従って規制面43sは、作動位置(係止位置)Psでシート先端を係止し、この状態から待機位置Pwに移動する際に、シート先端を圧接点p1に導く軌跡で移動することとなる。これと共にピンチローラ41aのローラ径に比して第1ロール41bのローラ径を大きく設定してある。そしてこの大径ローラ41bは重力の作用方向の下方に配置され、規制面43sは重力の作用方向の上方に配置されている。従って規制面43sは大径ローラ(第1ロール41b)の周面との間でシート先端を圧接点p1に導くこととなる。
【0079】
そこでこのゲートストッパ手段42の作用を説明すると図7に示す作動位置(係止位置)Psで規制面43sが第1経路32と略々直交する姿勢に設定され、この位置から待機位置Pwに移動する際にシート先端は規制面43sと大径のローラ周面との間で圧接点p1に導かれ、小径のローラ(ピンチローラ41a)周面には規制面43sに遮られて突き当たることはない。従って一対のローラ対41a、41bの圧接点p1にシートを案内する際にシート先端は規制面43sか、大径のローラ41bか、いずれかで案内されるため比較的安定した状態で圧接点p1に案内される。
【0080】
つまり、図7(a)の作動位置(係止位置)Psではストッパ部材43の規制面43sは第1経路32と略々直交する姿勢でシート先端を係止する。このため上流側の第1搬送手段40で送られたシートは先端を規制面43sに係止され、図示のようにループ状に湾曲する。このときシートはそのスキューが修正される。
【0081】
そして同図(b)に示すように規制面43sが待機位置側に移動するとその軌跡は第2搬送手段41の圧接点p1を過ぎるか、若しくはその近傍を過ぎるように図示鎖線x1〜x2方向の軌跡で移動する。すると規制面43sに係止されているシートは、この規制面に追随して移動する。従ってシート先端は係止位置Psでスキュー修正された姿勢を維持した状態で圧接点p1に導かれることとなる。
【0082】
そして規制面43sは圧接点p1にシート先端を案内した後、同図(c)に示すように待機位置Pwに待機する。尚ストッパ部材43の作動位置(係止位置)Psから待機位置Pwへの移動は、作動ソレノイド(ストッパ駆動手段)44への通電をOFFして、付勢スプリング45でストッパ部材43を待機位置Pwに復帰させる。
【0083】
[折り処理手段の第2実施形態]
上述の図3乃至図7に基づいて説明した折り処理手段48は、一次折り偏向手段53及び二次折り偏向手段54を、従動ローラ53a、54aと、ガイド部材53b、54bと、この両者をマウントする昇降部材53c、54cで構成し、この昇降部材をラック53r、54rとピニオン53p、54pでシフトモータMsに連結する場合を示した。この折り処理機構は図14に示すように構成することも可能である。
【0084】
図14に示す実施形態は、二次折り偏向部材86を、従動ローラ86aと、ガイド部材87を、それぞれ個別に装置フレームにマウントし、ガイド部材87を従動ローラ86aの昇降動作に連動して待機位置と作動位置との間を昇降するように構成してある。
【0085】
図14に示す二次折り偏向手段86は、昇降部材86bと、これにマウントした従動ローラ86aと、昇降部材86bとは別に配置したガイド部材87で構成されている。昇降部材86bは前述の実施形態と同様に装置フレームのガイドレール(不図示)に往復動可能に支持されている。そしてこの昇降部材86bに従動ローラ86aが回転自在に支持されている。
【0086】
一方、ガイド部材87は、第1ロール41bの駆動軸41bxにブラケット87bが揺動可能に軸支持され、その先端に第2ロール49の周面に沿う湾曲ガイド面87aが形成されている。そしてガイド部材87には、ブラケット87bの支軸を中心に湾曲ガイド面87aが第2スイッチバック経路35から退避した待機位置側に付勢する復帰スプリング88が設けてある。
【0087】
そこでガイド部材87は従動ローラ86aの待機位置から作動位置への移動に連動して、湾曲ガイド面87aが待機位置から作動位置に位置移動するように係合されている。従ってこのように構成された二次折り偏向手段86は前述のものと同様に待機位置と作動位置との間で往復動することとなる。
【0088】
また、図14の装置は、一次折り偏向手段85の昇降部材85bと、二次折り偏向手段86の昇降部材86bを、待機位置から作動位置に位置移動する際に、昇降レバー89、90で駆動するように駆動機構が構成されている。
つまり一次折り用の昇降レバー89と二次折り用の昇降レバー90とは、その基端部を回転軸で揺動するように支持され、この回転軸に図示しないシフトモータMsが連結してある。
【0089】
そして昇降レバー89、90の先端部は昇降部材85b、86bに係合するように配置されている。尚、昇降部材85b、86bには、図示しない付勢スプリングが配置してあり、常に従動ローラ85a、86aを作動位置側に付勢している。
【0090】
また、図14の装置は第1経路32に配置する第1センサS1を図示のようなレバーセンサで構成している。その他の構成は図3乃至図7の装置と同一であるので同一符号を付して説明を省略する。
【0091】
[折り処理仕様]
次に上述の折り処理手段48によるシート折り方法にいて図12に従って説明する。通常の画像形成されたシートは、ファイリング仕上げのために綴じ代を残して二つ折り又は三つ折りする場合と、レター仕上げのために二つ折り又は三つ折りする場合がある。また、三つ折りのときにはZ折りと内三つ折りする場合がある。図12には(a)に内三つ折り、(b)に1/3Z折り、(c)に1/4Z折りをそれぞれ示す。
【0092】
そして二つ折りの場合には、第2経路33に送ったシートを第1第2ロール41b、49でシートサイズの1/2位置或いはシート端部に綴じ代を残してその1/2位置を折り合わせる(一次折り)。
【0093】
また、三つ折りの場合には、第2経路33に送ったシートを第1第2ロール41b、49でシートサイズの1/3位置或いはシート端部に綴じ代を残してその1/3位置を折り合わせる(一次折り)。この折シートを第2第3ロール49、50で残りのシートを1/3位置で折り合わせて(二次折り)第3経路36に送る。
【0094】
また三つ折りの場合に、図12(a)に示すように内三つ折りする場合は第2経路33に送られたシートを第1第2ロール41b、49でシート後端側1/3位置を折り合わせ、次いでシート先端側1/3位置を折り合わせる。同様に1/3Z折りのときには、第2経路33に送られたシートを第1第2ロール41b、49でシート先端側1/3位置を折り合わせ、次いでシート後端側1/3位置を折り合わせる。
【0095】
更に三つ折りの場合に、図12(c)に示す1/4位置をZ折りするときには、第2経路33に送られたシートを第1第2ロール41b、49でシート後端側1/4位置を折り合わせ、次いでシートの1/2位置を折り合わせる。
【0096】
[制御手段]
上述のシート折りの為の制御手段は次のように構成する。前述のシート折り装置Bに制御CPUを搭載するか、或いは画像形成装置Aの制御部に折り処理制御部を設ける。そしてこの制御部を次の動作が可能なように構成する。
【0097】
まず第2経路33の第1スイッチバック経路34及び第2スイッチバック経路35にシート先端を位置規制するストッパ手段(不図示)か、或いはシート先端を位置検出するセンサ手段(図示のS1、S2)を設ける。図示の装置は、第1スイッチバック経路34にシートセンサS1が、第2スイッチバック経路35にシートセンサS2が配置してある。そして制御手段95は画像形成装置Aから送られたシートサイズ情報と、センサS1(S2)からの検出信号でシートの折り目位置が所定位置に到達したタイミングを算出するように構成されている。
【0098】
そこで図15に示す制御ブロック図に従って説明する。画像形成装置Aには、制御CPU91にコントロールパネル15と、モード設定手段92を設ける。この制御CPU91はコントロールパネル15で設定された画像形成条件に応じて給紙部3、画像形成部7を制御する。そして制御CPU91は後処理装置Cの制御部95に「後処理モード」「ジョブ終了信号」「シートサイズ情報」など後処理に必要とするデータとコマンドを転送する。
【0099】
後処理装置Cの制御部95は、制御CPUで、「折り処理制御部95a」と「後仕上げ処理制御部95b」とを備える。折り処理制御部95aは、折目位置算出手段97と搬送モータMfのドライバ回路と、シフトモータMsのドライバ回路とで構成される。そしてこの制御CPU95には第1センサS1、第2センサS2の検知信号が伝達されている。
また、制御CPU95はゲートストッパ手段42に備えられたストッパ駆動手段44と、経路切換手段63に「ON」「OFF」制御信号を伝達する。
【0100】
そして制御CPU95には、前述した折仕様を実行するように搬送モータMfとシフトモータMsとストッパ駆動手段44と経路切換手段63を制御する折り処理実行プログラムがROM96に記憶されている。また、RAM98には、折目位置算出手段97でシートの折り目を算出するためのデータと、シフトモータMsの作動タイミング時間がデータとして記憶されている。
【0101】
上記折目位置算出手段97は、「シートの長さサイズと」と「折り仕様」と「綴じ代寸法」とからシート先端(排紙方向先端)から折目位置(寸法)を算出する演算回路で構成されている。例えば二つ折りモードではシートを排紙方向1/2位置で折り合わせるか、予め設定された綴じ代を残して1/2位置で折り合わせる。その折り目位置の演算は、例えば、[{(シート長さサイズ)−(綴じ代)}/2]で算出する。
【0102】
また三つ折りモードでは、例えばレター折り(内三つ折り、1/3Z折り)、ファイリング折り(1/4Z折り、1/3Z折り)など折仕様に応じて折目位置を算出する。
【0103】
[折り処理動作]
上述のシート折り装置Bの構成における作用について説明する。図8(a)は搬入口30に進入したシートをレジスト修正する状態を、同図(b)はシートを一次折りするために第1スイッチバック経路34に搬入した状態を示す。図9(a)は一次折り位置Np1でシートを折り合わせる状態を、同図(b)は第2スイッチバック経路35に折シートを搬入した状態を、図10(a)は二次折り位置Np2でシートを折り合わせる状態を、同図(b)は折シートを搬出する状態を、それぞれ示す。また図11(a)は二つ折りモードのときの折り動作を示す動作状態図であり、同(b)はその制御動作のフロー図である。
【0104】
図8(a)において、シートは搬入口30に案内され、搬入ローラ対(第1搬送手段)40で下流側に送られる。このとき制御手段95aはストッパ駆動手段44をゲートストッパ手段42が作動位置(係止位置)Psに位置するように制御する。するとシート先端はストッパ部材43の規制面43sに係止されレジストエリア内でループ状に湾曲変形し、このときシートは規制面43sに倣って先端揃えされる。
【0105】
次いで制御手段95aはゲートストッパ手段42を作動位置(係止位置)Psから待機位置Pwに退避させる。このゲートストッパ手段42の退避動作で、その規制面43sが係止位置Psから経路外に退避する移動軌跡は、下流側の第2搬送手段41の圧接点p1の近傍を通過するように設定されている。
従ってシート先端は係止位置(作動位置)Psの規制面43sで先端揃えされ、この規制面43sの退避動作に追従してシートは先端揃えされた姿勢を維持しながら圧接点p1に案内される。
【0106】
図8(b)において、制御手段95aはゲートストッパ手段42を作動位置(係止位置)Psから待機位置Pwに移動する。すると第1搬送手段40の回転と同時に回転している第2搬送手段41でシートは第1経路32を下流側に送られる。そして制御手段95aは経路切換手段63を図示のようにシートを第1経路32から第1スイッチバック経路34に案内するように制御する。
【0107】
するとシートは第2搬送手段41によって第1スイッチバック経路34に搬入される。尚、第1経路32には、第2搬送手段41の下流側に第1シートセンサS1が配置され、第1スイッチバック経路34に搬入するシート先端を検知する。
【0108】
図9(a)において、制御手段95aは第1シートセンサS1でシート先端を検出した信号に基づいて、シートの折り目位置が所定の位置に移送されたタイミングで一次折り偏向部材53の昇降部材53cを待機位置から作動位置に移動する。すると第1経路32のシートは第1ニップ部Np1に向けてV字状に変形される。そして昇降部材53cに取付けられた従動ローラ53aが第2ロール49の周面に圧接するとシート先端側は反対方向(第2ロールの回転方向)に繰り出される。
【0109】
一方、シート後端側は第2搬送手段41の搬送力で第1ニップ部Np1に向けてシートを繰り出す。このとき第1ロール41bの周面に沿うようにガイド部材53bの湾曲ガイド面がシートをロール周面に沿うように規制する。
【0110】
従って一次折り位置Np1にシートは、その先端側は従動ローラ53aで、後端側は第2搬送手段41で第1ニップ部Np1に向けて繰り込まれ、昇降部材53cの昇降タイミングが折り目位置を割り出すこととなる。そこで制御手段95aは、シートを第2搬送手段41で移送する速度と、従動ローラ53aを待機位置から作動位置に移動するタイミング(特にローラが第2ロール49の周面と接するタイミング)を予め実験で最適値に設定しておく。
【0111】
そして、従動ローラ53aの待機位置から作動位置への移動と、同期してガイド部材53bの湾曲ガイド面が、対向する第1ロール41bの周面に沿うようにシートを案内するからシートの折り目位置が、その都度変化する恐れがない。
【0112】
図9(b)において、第1ニップ部Np1で1/2位置(二つ折り)、1/3位置(三つ折り)、1/4位置(三つ折り)を折り合わされたシートは、この第1ニップ部Np1で搬送力を付与されて下流側に送られる。そこで制御手段95aは二次折り偏向部材54の昇降部材54cを、二つ折りモードのときには作動位置に、三つ折りモードのときには待機位置に位置させる。同図は三つ折りモードの制御を示す。二つ折りのときには昇降部材54cを作動位置に位置させ、折シートを先端から第2ニップ部Np2に案内し、その下流側の搬出口31に送る。
【0113】
そこで三つ折りモードのときには、制御手段95aは二次折り偏向部材54の昇降部材54cを、図9(b)に示すように待機位置に位置させる。すると第1ニップ部Np1から送られたシートは先端から第2スイッチバック経路35に送られる。そしてシート先端(折り目位置)をシートセンサS2が検知する。
【0114】
図10(a)において、シートセンサS2の検知信号を基準に二次折りの折り目位置が所定位置に達した段階で制御手段95aは、二次折り偏向部材54の昇降部材54cを待機位置から作動位置に移動する。すると第2スイッチバック経路35内のシートは従動ローラ54aが第3ロール50の周面と当接した段階で反対方向にシートを繰り出す。
【0115】
これによってシートの先端側は従動ローラ54aで、後端側は第1ニップ部Np1で互いに反対方向にシートを送り出して第2ニップ部Np2に案内する。
尚この場合に、昇降部材54cの待機位置から作動位置への移動タイミングは前述の一次折り偏向部材53の場合と同様であり、ガイド部材54bの作用もまた同様である。
【0116】
図10(b)において、二次折り位置(第2ニップ部)Np2に送られた折シートは、第2ロール49に圧接した増し折りローラ64で、その折り目を確実に折り畳まれ、第3経路36に移送される。そこで制御手段95aは予め設定されている仕分け仕様でこの折シートを排紙経路37に送るか、或いは第1経路32に返送する。図示の装置は、後処理装置Cで綴じ合わせる必要のない、レター折り仕様の内三つ折り、1/3Z折りのときには、経路切換フラッパ66を制御して排紙経路37から収納スタッカ65に案内する。
【0117】
また、ファイリング用或いは製本綴じ処理などの後処理を必要とする二つ折り、1/4Z折などの三つ折りモードのときには第3経路36から第1経路32に移送し、搬出口31から後処理装置Cに送出する。
【0118】
[二つ折りモードの折り動作]
上述の折り動作において、シートを二つ折りするモードでは、図11(b)に示すように画像形成装置Aから排紙指示信号と同時に折り処理するか否かのモード指示信号を受ける。すると制御手段95aは、折り目位置を折り目位置算出手段97で算出する(St01)。そこで制御手段95aは、二つ折りモード(St02)のときには、センサS1がシート先端を検知(St03)する。この検知信号から折り目位置算出手段97で算出されたシートの長さに相当するシートの送り時間の経過(St04)後に一次折り偏向部材53を待機位置から作動位置に移動する(St05)。この移動はシフトモータMsの回転で制御する。
【0119】
一次折り偏向部材53の昇降部材53cが作動位置に移動する過程で、第1経路32のシートは図9(a)で説明したように、折り目位置を基準に第1ニップ部Np1に向けて歪曲される。そして一次折り偏向部材53の従動ローラ53aが第2ロール49の周面に当接するとシートはたぐり寄せられて折り目位置から第1ニップ部Np1に挿入される。
【0120】
このとき制御手段95aは、二つ折りモードではセンサS1からの検知信号を基準にシートの折り目が第1ニップ部Np1に挿入された見込み時間の後(St06)二次折り偏向部材54を作動位置に移動する(St07)。この見込み時間はシートの折り目位置が第1ニップ部Np1に挿入され、その折りシート先端がガイド部材54bに到達する前の時間に設定されている。従って折りシート先端は図11(a)の状態で、ガイド部材54bの湾曲ガイド面に案内されて第2ロール周面に沿うこととなる。
【0121】
これと同時に、作動位置に位置する従動ローラ54aは第3ロール50の回転に従動して図11(a)矢視方向に回転するため、折りシートの先端が第2ニップ部Np2から逸れる方向にカールしていても、従動ローラ54aと第3ロール50の回転で確実に第2ニップ部Np2に案内されることとなる。
【0122】
そこで制御手段95aは、第2ニップ部Np2から第3経路36に搬出された折シートを、第3経路36から第1経路32に搬出する。そして制御手段95aは二次折り偏向部材54を作動位置に位置させた状態で後続するシートの処理に備える(St08)。図示のものは一次折り偏向部材53を待機位置に位置させる関係で、これと相反的に位置移動する二次折り偏向部材54を作動位置に位置させているが、第3経路36に配置した排紙センサS3の検出信号で二次折り偏向部材54を待機位置に移動するように構成することも可能である。
【0123】
[三つ折りモードの折り動作]
シートを三つ折りするモードでは、図8乃至図10で説明したように画像形成装置Aから排紙指示信号と同時に折り処理するか否かのモード指示信号を受ける。すると制御手段95aは、折り目位置を折り目位置算出手段97で算出する(St01)。そこで制御手段95aは、三つ折りモード(St09)のときには、センサS1がシート先端を検知(St10)する。
【0124】
この検知信号から折り目位置算出手段97で算出されたシートの長さに相当するシートの送り時間の経過(St11)後に一次折り偏向部材53を待機位置から作動位置に移動する(St12)。この移動はシフトモータMsの回転で制御する。
【0125】
一次折り偏向部材53の昇降部材53cが作動位置に移動する過程で、第1経路32のシートは図9(a)で説明したように、折り目位置を基準に第1ニップ部Np1に向けて歪曲される。そして一次折り偏向部材53の従動ローラ53aが第2ロール49の周面に当接するとシートはたぐり寄せられて折り目位置から第1ニップ部Np1に挿入される。このとき制御手段95aは、三つ折りモードではシート先端を第2センサS2が検出する(St13)のを待つ。
【0126】
第2センサS2がシート先端を検出した信号を基準に制御手段95aはシートの二次折り目位置が所定位置に到達する見込み時間の後(St14)、二次折り偏向部材54を作動位置に移動する(St15)。この見込み時間は折り目位置算出手段97の算出値で設定する。そこでシートは従動ローラ54aから搬送力を付与されて第2ニップ部Np2に挿入される。このシート先端を排紙センサS3が検知し、折仕様に応じて第3経路36から第1経路32に搬出するか、或いは排紙経路37から収納スタッカ65に搬出する。
【0127】
尚、本発明にあって前述のモード設定手段92でシート折り処理しない後処理モードが設定されたときには、第1経路32に搬入されたシートを搬出口31に直送することは説明するまでもない。
【0128】
[排紙経路の構成]
上述のように二つ折り、三つ折りされた折シートは第3経路36に第2第3ロール49、50の圧接点から送られる。そして第2ローラ49に圧接するローラ64で増し折りされ第3経路に案内される。この第3経路36は前述したように第1経路32に合流する。この第3経路36から分岐して排紙経路37が経路切換フラッパ66を介して連設され、この排紙経路37は第2経路33の下方に配置されている収納スタッカ65に折りシートを案内する。この排紙経路は曲率R3で前述のように構成されている。図示67は排紙経路37に配置された排紙ローラである。
【0129】
従って、後処理装置Cに移送する必要のない例えば内三つ折り或いは1/3Z折りなどレター仕様に折り合わされたシートは搬出口31に移送されることなく収納スタッカ65に収容される。
【0130】
そして第3経路36に送られた折シートの内、後処理装置Cに移送して後処理するシートは、搬出ローラ62で搬出口31に向けて移送される。尚この場合に、後処理するか否かの判断は、例えば前述のコントロールパネルで画像形成条件と同時に後処理条件を設定するように構成する。そして設定された仕上げ条件に応じて収納スタッカ65に搬出するか後処理装置Cに移送するように構成する。
【0131】
[画像形成装置]
画像形成装置Aは図1に示すように次の構成を備えている。この装置は、給紙部3からシートを画像形成部7に送り、画像形成部7でシートに印刷した後、本体排紙口18らシートを搬出する。給紙部3は複数サイズのシートが給紙カセット4a、4bに収納してあり、指定されたシートを1枚ずつ分離して画像形成部7に給送する。画像形成部7は例えば静電ドラム8と、その周囲に配置された印字ヘッド(レーザ発光器)9と現像器10と、転写チャージャ11と定着器12が配置され、静電ドラム8上にレーザ発光器9で静電潜像を形成し、これに現像器10でトナーを付着し、転写チャージャ11でシート上に画像を転写し、定着器12で加熱定着する。
【0132】
このように画像形成されたシートは本体排紙口18から順次搬出される。図示13は循環経路であり、定着器12から表面側に印刷したシートを、本体スイッチバック経路14を介して表裏反転した後、再び画像形成部7に給送してシートの裏面側に印刷する両面印刷の経路である。このように両面印刷されたシートは本体スイッチバック経路14で表裏反転された後本体排紙口18から搬出される。
【0133】
図示20は画像読取部であり、プラテン21上にセットした原稿シートをスキャンユニット22で走査し、図示しない光電変換素子で電気的に読み取る。この画像データは画像処理部で例えばデジタル処理された後、データ記憶部16に転送され、前記レーザ発光器9に画像信号を送る。また、図示25はフィーダ装置であり、スタッカ26に収容した原稿シートをプラテン21に給送する。
【0134】
上記構成の画像形成装置Aには図示しない制御部(コントローラ)が設けられ、コントロールパネル15から画像形成条件、例えばシートサイズ指定、カラー・モノクロ印刷指定、プリント部数指定、片面・両面印刷指定、拡大・縮小印刷指定などのプリントアウト条件が設定される。
【0135】
一方、画像形成装置Aには上記スキャンユニット22で読み取った画像データ或いは外部のネットワークから転送された画像データがデータ記憶部16に蓄積され、このデータ記憶部16から画像データはバッファメモリ17に転送され、このバッファメモリ17から順次印字ヘッド9にデータ信号が移送されるように構成されている。
【0136】
上記コントロールパネル15からは画像形成条件と同時に後処理条件も入力指定される。この後処理条件は例えば「プリントアウトモード」「ステープル綴じモード」「シート束折りモード」などが選定される。この後処理条件には前述したシート折り装置Bにおける折仕様が設定される
【0137】
[後処理装置]
後処理装置Cは図2に示すように次の構成を備えている。この装置は装置ハウジング68にシート受入口69と、排紙スタッカ70と、後処理経路71を備えている。シート受入口69は前述のシート折り装置Bの搬出口31に連結され、第1搬送経路32又は第3搬送経路36からのシートを受け入れるように構成されている。
【0138】
後処理経路71はシート受入口69からのシートを排紙スタッカ70に案内するように構成され、この経路中に処理トレイ72が設けられている。図示73は排紙口であり、後処理経路71からのシートを下流側に配置された処理トレイ72に集積する。図示74はパンチユニットであり、後処理経路71に配置されている。排紙口73には排紙ローラ75が配置され、シート受入口69からのシートを処理トレイ72に集積する。
【0139】
処理トレイ72は、後処理経路71からのシートをスイッチバック(搬送方向反転)搬送させてトレイ上に設けられた後端規制部材(不図示)に部揃え集積する。このためトレイ上方には排紙口73からのシートをスイッチバックさせる正逆転ローラ75が設けられている。また上記処理トレイ72は排紙スタッカ70に連なり、排紙口73からのシートを先端側は排紙スタッカ70で、後端側は処理トレイ72で支持する(ブリッジ支持)ようになっている。
【0140】
上記処理トレイ72には後端規制部材に位置決めされたシート束を綴じ合わせるステップラユニット77が配置されている。図示78は整合手段であり、処理トレイ上に搬出されたシートを搬送直交方向に幅寄せ整合する。図示79はパドル回転体であり、排紙ローラ75からのシートを後端規制部材に向けて移送するように排紙ローラ75の回転軸に駆動連結されている。
【0141】
図示80はシート束搬出手段であり、ステップラユニット77で綴じ合わされたシート束を下流側の排紙スタッカ70に移送する。このため図示のシート束搬出手段80は基端部を揺動自在に軸支持されたレバー部材81と、シート端係合部材82とで構成されている。
【0142】
そしてシート端係合部材82は処理トレイ72に沿って排紙方向に往復動するように処理トレイに装備され、レバー部材81に連結されている。図示Mmはレバー部材81を揺動運動させる駆動モータである。尚排紙スタッカ70には図示しないがシートの積載量に応じて昇降するエレベータ機構が備えられている。
【符号の説明】
【0143】
A 画像形成装置
B シート折り装置(折り処理ユニット)
C 後処理装置
Np1 第1ニップ部(一次折り位置)
Np2 第2ニップ部(二次折り位置)
30 搬入口
31 搬出口
32 第1搬送経路(第1経路)
33 第2搬送経路(第2経路)
34 第1スイッチバック経路
35 第2スイッチバック経路
36 第3搬送経路(第3経路)
37 排紙経路
40 搬入ローラ対(第1搬送手段)
41a ピンチローラ
41b 第1ロール
42 ゲートストッパ手段
43 ストッパ部材
43s 規制面
48 折り処理手段
49 第2ロール
50 第3ロール
53 一次折り偏向部材
53a 従動ローラ
53b ガイド部材
54 二次折り偏向部材
54a 従動ローラ
54b ガイド部材
62a 搬出ローラ
63 経路切換部材(経路切換手段)
63a 表ガイド面
63b 裏ガイド面
65 収納スタッカ
Cp1 第1交差部
Cp2 第2交差部




















【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置ハウジングの互いに対向する位置に配置された搬入口及び搬出口と、
前記搬入口からのシートを折り処理することなく前記搬出口に案内する第1経路と、
前記搬入口からのシートを折り処理して前記搬出口に案内する第2経路と、
前記第2経路に配置され前記搬入口からのシートを折合わせる折り処理手段と、
を備え、
前記折り処理手段は、
前記搬入口からのシートを一次折りする第1ニップ部と、この一次折りされたシートを二次折りする第2ニップ部を形成する互いに圧接した複数の折りロール対と、
前記第1ニップ部にシートの折目を案内する一次折り偏向部材と、
前記第2ニップ部にシートの折目を案内する二次折り偏向部材と、
で構成され、
前記第1経路には前記搬入口からのシートを下流側に搬送する第1、第2の搬送ローラ対が距離を隔てて配置され、
この第1搬送ローラ対と第2搬送ローラ対との間には、シートを湾曲変形させて先端揃えするレジストエリアが形成され、
このレジストエリアと、前記二次折り偏向部材とは、前記第1経路の上方に一方が、前記第1経路の下方に他方が互いに対向するように配置されていることを特徴とするシート折り装置。
【請求項2】
前記第1、第2の搬送ローラ対のシート搬送方向下流側に位置する搬送ローラ対は、
前記折りロール対を構成する1つの折りロールと、
この折りロールに圧接されたピンチローラと、
で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート折り装置。
【請求項3】
前記レジストエリアには、シート先端を突当て規制するゲートストッパ手段が前記第2搬送ローラ対の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシート折り装置。
【請求項4】
前記二次折り偏向部材は、シートから退避した退避位置と、シートを前記第2ニップ部に案内する作動位置との間で位置移動するシフト手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート折り装置。
【請求項5】
前記第1経路と前記第2経路とは互いに交差するように配置され、
この第2経路には、前記第1経路から送られたシートをスイッチバックさせてこの第1経路の下方に配置された折り処理手段にシートを案内するように構成され、
前記レジストエリアは前記第1経路の上方に、前記二次折り偏向部材は前記第1経路の下方に、配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシート折り装置。
【請求項6】
前記搬出口の下流側には、前記第1経路及び前記第2経路からのシートを部揃え集積して綴合わせる後処理ユニットが連設されていることを特徴とする請求項1乃至5に記載のシート折り装置。
【請求項7】
順次シート上に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置からのシートを折り合わせるシート折り装置と、
から構成され、
前記シート折り装置は請求項1乃至6のいずれか1項に記載の構成を備えていることを特徴とする画像形成システム。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−93688(P2011−93688A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251003(P2009−251003)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】