説明

スケジュール管理装置

【課題】行き先までの距離、経路、移動手段に応じて、適切な時間で使用者に経路案内を通知するとともに、当初通知した案内経路では移動していないと判断すると、予定時刻までに到着可能な経路が存在している限り、現在地からより高速な移動手段、移動経路での経路案内を通知するスケジュール管理装置を提供する。
【解決手段】経路検索手段が、複数の移動手段、移動経路に対応して複数の移動経費または/および所要時間を算出した場合、アラーム手段は、最も安価な経路案内情報を含むアラームを発出し、その後、所定時間が経過し、自動的に取得した現在位置と現在時刻、運行状況に基づいた移動ではもはや予定時刻に間に合わないと判断した場合、再度経路検索を行ない、予定時刻に間に合う経路案内情報がある限り、アラームを発出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケジュール管理装置に係り、特にユーザが希望する到着時刻までの残り時間で現在地から目的地までに到着可能な経路情報を検索するスケジュール管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スケジュール管理装置は、小型軽量化され、使用者に携帯されるようになってきた。この様なスケジュール管理装置は、携帯電話機、通信機能付きのPDA、モバイルコンピュータなどが含まれる。
【0003】
また、携帯電話機、通信機能付きのPDA、モバイルコンピュータにおいて、GPS衛星または近隣の無線基地局からの電波信号を使って自端末の位置情報を算出する位置情報検索機能を具備する携帯端末が普及している。これらの装置において、今後、スケジュール管理機能と位置検索機能とを連動させた新しいサービスが見込まれる。
【0004】
特許文献1のスケジュール管理装置は、ユーザのキー操作によって目的地と到着時刻のスケジュールが入力されると、GPS衛星から自端末の位置情報を取得する。スケジュール管理装置は、自装置位置から目的地までの所要時間を算出する。そして、スケジュール管理装置は、所要時間から出発予定時刻を算出し、出発予定時刻になると、出発を促す通知メッセージを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−094583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のスケジュール管理装置は、予定通り出発できなかった場合、手動で再度経路検索をやり直す必要が生じる。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、行き先までの距離、経路、移動手段に応じて、適切な時間で使用者に経路案内を通知するとともに、当初通知した案内経路では移動していないと判断すると、予定時刻までに到着可能な経路が存在している限り、現在地からより高速な移動手段、移動経路での経路案内を通知するスケジュール管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題は、登録されたスケジュールに従ってアラームを発出し、現在位置を取得する現在位置取得手段と、スケジュールに関わる予定位置を登録する予定位置登録手段と、スケジュールに関わる予定時刻を登録する予定時刻登録手段と、現在位置取得手段が現在位置を取得する都度、現在位置から予定位置まで1つ以上の移動手段、移動経路に対応した移動経費または/および所要時間を1つ以上算出する経路検索手段と、現在時刻が予定時刻より所要時間前になる都度、移動手段、移動経路、移動経費、所要時間の1つ以上を含む経路案内情報とともにアラームを発出するアラーム手段とを有し、経路検索手段が、複数の移動手段、移動経路に対応して複数の移動経費または/および所要時間を算出した場合、アラーム手段は、最も安価な経路案内情報を含むアラームを発出し、その後、所定時間が経過し、自動的に取得した現在位置と現在時刻、運行状況に基づいた移動ではもはや予定時刻に間に合わないと判断した場合、再度経路検索を行ない、予定時刻に間に合う経路案内情報がある限り、アラームを発出するスケジュール管理装置により、達成できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一度スケジュールを登録するだけで、案内経路通りに移動できなかった場合でも、到着時刻に間に合う経路がある限り、経路案内を受け取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】スケジュール管理システムのハードウェアブロック図である。
【図2】スケジュール管理装置の機能ブロック図である。
【図3】スケジュール登録のGUI(Graphical User Interface)画面である。
【図4】経路検索情報を説明する図である。
【図5A】案内経路情報を説明する図である(その1)。
【図5B】案内経路情報を説明する図である(その2)。
【図5C】案内経路情報を説明する図である(その3)。
【図6A】案内経路上に遅延が発生した場合にその区間の時刻表に遅延時間を加算する、加算前と加算後の時刻表を説明する図である(その1)。
【図6B】案内経路上に遅延が発生した場合にその区間の時刻表に遅延時間を加算する、加算前と加算後の時刻表を説明する図である(その2)。
【図7】スケジュール表を説明する図である。
【図8】経路情報を説明する図である。
【図9】障害情報を説明する図である。
【図10】スケジュール登録処理の動作を説明するフローチャートである。
【図11】経路検索処理の動作を説明するフローチャートである。
【図12】案内経路上に障害が発生した際の経路変更処理の動作を説明するフローチャートである。
【図13】案内開始から目的地到着までの案内処理の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、実施例を用い図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質同一部位には、同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
【0012】
まず、図1を参照して、スケジュール管理システムを説明する。図1において、スケジュール管理システム200は、無線端末100、無線アクセスポイント2、経路検索サーバ3、運行情報管理サーバ4、GPS衛星5、IP網6で構成されている。図1において、無線端末100は、GPS機能を備えた携帯電話機、モバイルコンピュータ等である。無線端末100は、無線アクセスポイント2を介して経路検索サーバ3および運行情報管理サーバ4に接続する。無線端末100は、GPS衛星5を利用して、現在時刻と現在地を取得する。無線端末100は、IP網6を介して、運行情報管理サーバ4から、現在時刻における交通機関の運行情報および道路の混雑情報を取得する。
【0013】
経路検索サーバ3は、ユーザの入力による経路検索情報に応じて目的地までの移動経路、移動手段、出発時刻、到着時刻、所要時間、移動経費を検索し、無線端末100に通知する。ここで、目的地までの移動経路、移動手段、出発時刻、到着時刻、所要時間、移動経費等の情報を経路情報と呼ぶ。無線端末100は検索経路情報3から受信した経路情報をユーザーにメッセージまたはアラーム音などで通知する。
【0014】
図2を参照して、無線端末100の構成を説明する。図2において、無線端末100は、操作キー101、操作制御部102、端末制御部103、スケジュール制御部104、検索経路情報生成部105、GPS情報受信部106、GPS情報解析部107、検索経路情報送信部108、運行情報問合せ部109、無線通信部110、経路情報受信部111、運行情報受信部112、経路情報制御部113、障害情報記憶部114、案内経路記憶部115、案内制御部116、スケジュール記憶部117、出力制御部118、表示器119、スピーカ120から構成される。GPS情報解析部107は、現在時刻解析部1071と現在位置解析部1072から構成される。経路情報制御部113は、案内経路決定部1131と経路変更判定部1132から構成される。
【0015】
操作キー101は、ユーザがスケジュールを登録する時および設定を変更する時に操作される。操作制御部102は、ユーザのキー操作によって入力された情報を制御する。端末制御部103は、ユーザが入力した情報をスケジュール制御部104に渡す。端末制御部103は、またスケジュール制御部104で生成されたスケジュール表を出力制御部118に渡す。
【0016】
スケジュール制御部104は、ユーザ入力により取得した情報を基に、スケジュール表を生成し、スケジュール登録処理を行なう。スケジュール制御部104は、また、この情報を検索経路情報生成部105、スケジュール記憶部117、経路情報制御部113に渡す。検索経路情報生成部105は、スケジュール制御部104から受け取った情報と、GPS衛星5により取得した現在地と現在時刻を基に経路を検索する時に必要な情報を選択し、経路検索サーバ3に渡す情報を生成する。GPS情報受信部106は、GPS衛星5からの情報を受信する。
【0017】
現在時刻解析部1071は、GPS情報からGPS時刻を取得して、現在時刻とする。現在位置解析部1072は、複数のGPS衛星から受信したGPS情報に基づいて、現在位置を演算する。検索経路情報送信部108は、検索経路情報生成部105で生成された情報を無線通信部110を介して経路検索サーバ5に送信する。運行情報問合わせ部109は、ユーザが利用する可能性のある経路の運行情報を無線通信部110を介して運行情報管理サーバ4に問合わせる。無線通信部110は、経路情報と運行情報の送受信を行なう。
【0018】
経路情報受信部111は、無線通信部110を介して経路検索サーバ3から経路情報を受信する。運行情報受信部112は、無線通信部110を介して運行情報管理サーバ4から運行情報を受信する。案内経路決定部1131は、スケジュール制御部104、経路情報受信部111、運行情報受信部112からの情報を基に案内経路を決定する。経路変更判定部1132は、ダイヤの乱れによる経路変更の要否を判定する。経路変更判定部1132は、また、取得した運行情報や案内経路決定部1131で決定した情報を基に、経路情報テーブルおよびスケジュールテーブルを生成する。
【0019】
障害情報記憶部114は、経路情報制御部113で生成された経路情報テーブルについて、ダイヤの乱れが発生している区間や状況などの障害情報テーブルを記憶する。案内経路記憶部115は、経路情報制御部113で生成された案内経路情報テーブルを記憶する。案内制御部116は、経路情報制御部113で決定または変更された案内経路情報をスケジュール記憶部117と出力制御部118に渡す。スケジュール記憶部117は、スケジュール制御部104から取得したスケジュール情報と、案内制御部116から取得した経路情報を関連付け、記憶する。出力制御部118は、端末制御部103から取得したスケジュール情報と、案内制御部116から取得した経路情報を基に、経路情報や経路変更、出発・到着などの表示画面を生成する。出力制御部118は、また、アラーム音を発出する時刻を制御する。表示器119は、出力制御部118で生成された画面を表示する。スピーカ120は、適切な時刻になると出発や経路変更などを知らせるアラーム音を発出する。
【0020】
図3を参照して、ユーザから受け付けるスケジュール情報のGUI画面を説明する。図3において、スケジュール情報のGUI画面は、件名31、開始時刻32、終了時刻33、行先34で構成される。件名31は、スケジュールの目的であってもよい。なお、行先34は、直接受け付けるほか、よく使う行先を予め設定しておくこともできる。さらに、学習機能を使って履歴からも設定できる。スケジュール記憶部117は、これらの入力情報を、スケジュール表(図7)にそれぞれ登録する。なお、入力が必須でないため図3には記載していないが、案内開始場所と案内開始時刻はそれぞれ、初期値ではGPS機能を利用した現在位置、案内経路の出発時刻の2時間前としている。しかし、これらは必要に応じて変更することができる。
【0021】
図4を参照して、ユーザから受け付ける経路検索情報のGUI画面を説明する。図4において、経路検索情報のGUI画面は、出発時刻41、到着時刻42、出発地43、目的地44から構成される。この画面に依って、無線端末100は、経路検索を行なう状況に応じて経路検索サーバ3に送信する情報を受け付ける。
【0022】
図5を参照して、表示器119に表示する経路情報のGUI画面を説明する。図5において、経路情報のGUI画面は、所要時間、タクシー代を含まない旅費、時刻ごとの所在地および移動手段である。さらに具体的には、図5Aにおいて、ユーザは、自宅からA社までの経路は、6:50に自宅からバス停Aに出発する。ユーザは、7:10〜7:30に○×線、△行きのバスでa駅に移動する。ユーザは、7:40〜9:22に△□線上りの電車でb駅に移動する。さらに、ユーザは、9:25〜9:45にタクシーでA社に移動する。
【0023】
図5Bは、A社から帰社する際、運休区間があって、c駅を迂回する経路情報である。また、図5Cは、自宅からA社に出張する際に、出発が遅れた場合の経路情報である。図5Cは、図5Aと比較して、所要時間が短いが交通費が高い。
【0024】
図6を参照して、時刻表のGUIを説明する。図6において、図6Aは遅延のない状態、図6Bは案内経路上に遅延が発生した状態である。図6Aにおいて、バス停Aの○×線、△行きのバスの時刻は、6:00の始発から7:40まで、20分おきに6本ある。一方、遅延が発生した図6Bにおいて、始発以降30分の遅れが反映されている。
【0025】
図7を参照して、スケジュール表を説明する。スケジュール表70は、スケジュール記憶部117に記憶されている。スケジュール表70は、件名71、日程/開始時刻〜終了時刻72、行先73、案内開始時刻/案内開始場所74、案内番号75から構成されている。
【0026】
スケジュール表70の最初のレコードには、件名71として開発日程打ち合わせが記載されている。日程/開始時刻〜終了時刻72は、200X年1月X日の8:00〜12:00に打ち合わせが実施されることを記載している。行先73は、開催場所であるA社が記載されている。案内開始時刻/場所74は、案内開始時刻である200X年1月X日の6:00と案内開始場所である自宅を記載している。案内番号75は、案内番号A−1を記載する。なお「‐」(ハイフン)は、何も記載されていないことを意味する。
【0027】
図8を参照して、図2の案内経路記憶部115に記憶される経路情報を説明する。図8において、経路情報80は、案内番号81、出発地82、目的地83、乗継地点84、区間所要時間85、交通手段86(路線がある交通手段には路線も)、運行情報管理サーバアドレス87がそれぞれ記憶される。区間所要時間85は、各交通手段の所要時間を表す。
【0028】
経路情報80の最初のレコードには、案内番号81として、案内番号A−1を記録する。出発地82は、自宅である。目的地83は、A社である。乗継地点84は、出発→バス停A、バス停A→a駅、a駅→b駅、b駅→到着を記録する。区間所要時間85は、出発→バス停A、バス停A→a駅、a駅→b駅、b駅→到着に対応付けて各交通手段の所要時間を記録する。交通手段86は、出発→バス停A、バス停A→a駅、a駅→b駅、b駅→到着に対応づけて、交通手段を記録する。運行情報管理サーバアドレス87は、出発→バス停A、バス停A→a駅、a駅→b駅、b駅→到着に対応づけて、運行情報管理サーバ4のIPアドレスを記載する。
【0029】
図9を参照して、図2の障害情報記憶部114に記憶される障害情報を説明する。図9において、障害情報は、路線91、状況92、区間93、更新時刻94がそれぞれ記憶される。路線91は、障害の発生している路線である。状況92は、障害の状況である。更新時刻94は、障害情報を取得・更新した更新時刻である。
【0030】
障害情報の最初のレコードの路線91は、電車(△□線上り)を記録する。状況92は、20分遅れを記録する。区間93は、全区間を記録する。更新時刻94は、200X/1/X日、10:00を記録する。
【0031】
図10を参照して、スケジュールを登録する無線端末100の処理フローを説明する。図10において、本フローは、無線端末100の電源が投入され、ユーザが操作キー101を操作して、スケジュール制御部104のスケジュール登録処理が開始されるとともに動作する。
【0032】
無線端末100は、スケジュール入力の完了を待つ(S201)。完了すると、無線端末100は、スケジュール表70を作成し、スケジュール記憶部117に記憶する(S202)。無線端末100は、案内開始場所の設定があるか判定する(S203)。スケジュール入力の際に経路案内の出発地となる案内開始場所を設定していなければ(NO)、無線端末100は、現在位置を取得・解析する(S204)。無線端末100は、案内開始場所に現在位置を記憶する(S205)。
【0033】
ステップ203でYESのときおよびステップ205のあと、無線端末100は、経路検索サーバ3に送信する検索経路情報を生成する(S206)。ここでは、無線端末100は、到着時刻、出発地、目的地として、スケジュール表70の日程/開始時刻〜終了時刻72の開始時刻、案内開始時刻/場所74の案内開始場所、行先73をそれぞれ抽出する。無線端末100は、経路検索処理を行なう(S207)。経路検索処理の詳細は、図11を参照して後述する。
【0034】
無線端末100は、案内開始時刻の設定があるか判定する(S208)。スケジュール入力の際に案内開始時刻の設定があれば(YES)、無線端末100は、スケジュール登録処理を終了する。ステップ208で設定がなければ(NO)、無線端末100は、ステップ207で取得した経路情報の出発時刻を取得する(S209)。無線端末100は、出発時刻の2時間前を案内開始時刻に設定し(S210)、スケジュール登録処理を終了する。
なお、ステップ210で設定する案内開始時刻は、ステップ209で取得した時刻の何時間前または何分前にするかを必要に応じて変更できる。
【0035】
また、S204で取得した現在位置が目的地と同一と判断された場合は、経路検索を行わず、アラーム音を発出する機能を有しても良いとする。
【0036】
図11を参照して、経路検索処理の処理フローを説明する。経路検索処理は、無線端末100から経路検索サーバ3に検索経路情報を送信し、経路検索サーバ3から受信した経路情報の中から最安価なものを案内経路として決定するまでの処理である。なお、本フローは、経路検索サーバ3に送信する検索経路情報の生成が完了したとき、動作を開始する。
【0037】
図11において、無線端末100は、まず検索経路情報を経路検索サーバに送信する(S301)。無線端末100は、S302では経路情報を受信し、受信した経路情報の出発時刻とGPS情報の現在時刻を比較し、利用可能な経路があるか、または受信した経路情報の到着時刻とスケジュールの開始時刻を比較し、間に合う経路があるか解析を行なう(S302)。無線端末100は、S303では障害情報記憶部114の障害情報に運休経路が記憶されていれば、その経路を利用する経路情報を除外する(S303)。無線端末100は、到着時刻に間に合う経路があるか判定する(S304)。YESのとき、無線端末100は、間に合う経路情報の中から最安価で所要時間の短いものを案内経路として決定し、記憶して(S305)、終了する。
【0038】
尚、本実施例では経路選択情報は、最安価の経路選択情報を無線端末100が自動的に選択する説明をしているが、本願はこれに限定しない。ユーザの操作検出によるのユーザ選択、時間優先、距離優先、いずれであってもよい。さらに、検索された複数の案内経路情報を同時に監視し、GPS情報(現在位置、現在時刻)から各案内経路情報の位置を監視し、開始時刻または、予定時間になるとそれぞれアラームを通知するようにしてもよい。
【0039】
ステップ304でNOのとき、無線端末100は、到着時刻に間に合う経路がないことを知らせるアラーム音を発出する(S306)。無線端末100は、到着時刻には間に合わないが、目的地までの案内を必要とする場合の操作を受け付けたか判定する(S307)。NOのとき、無線端末100は、そのまま終了する。
【0040】
ステップ307で目的地までの案内が必要であると操作された場合(YES)、無線端末100は、GPS情報を取得する(S308)。無線端末100は、現在位置と現在時刻とスケジュール表70の行先73を用いて検索経路情報を生成する(S309)。無線端末100は、生成した検索経路情報を経路検索サーバ3に送信する(S310)。無線端末100は、経路情報を受信する(S311)。無線端末100は、受信した経路情報の中から、最安価で所要時間の短いものを案内経路として決定し、記憶して(S312)、終了する。
【0041】
図12を参照して、案内経路上に障害が発生し、経路を変更しなければならなくなった場合の処理フローを説明する。本フローは、運行情報管理サーバ4にアクセスし、案内経路上に障害があると判断された場合に開始される。
【0042】
無線端末100は、障害情報と案内経路の一致する区間を特定する(S501)。無線端末100は、障害情報が遅延か運休かの判断を行なう(S502)。遅延のとき(YES)、無線端末100は、遅延区間にある駅やバス停などの時刻表を入手し、それぞれの時刻表に遅延時間を加算したものを記憶する(S503)。無線端末100は、現在位置を出発地とし、スケジュールの目的地と開始時刻をそれぞれ目的地と到着時刻に設定した検索経路情報を生成する(S504)。無線端末100は、生成した検索経路情報を経路検索サーバ3に送信する(S505)。無線端末100は、ステップ505の検索経路情報の応答として、経路検索サーバ3から経路情報を受信し、解析する(S506)。無線端末100は、受信した経路情報の中に到着時刻に間に合う経路があるかを判断する(S507)。間に合う経路があれば(YES)、無線端末100は、最安価で所要時間の短いものを案内経路として決定、記憶して(S508)、終了する。
【0043】
ステップ507で間に合う経路がない場合(NO)と、ステップ502で障害が運休であると判断された場合(NO)、無線端末100は、障害のある区間を運休区間として記憶する(S509)。無線端末100は、現在位置、現在時刻、スケジュールの目的地を用いて検索経路情報を生成する(S510)。無線端末100は、生成した検索経路情報を用いて経路検索処理を行い(S511)、終了する。
【0044】
図13を参照して、無線端末100の案内処理フローを説明する。本フローは、スケジュールの設定後に開始する。
【0045】
無線端末100は、案内開始時刻を待つ(S401)。案内時刻のとき(YES)、無線端末100は、案内経路記憶部115から案内経路を抽出する(S402)。無線端末100は、運行情報を取得し、案内経路と比較をする(S403)。無線端末100は、案内経路上にダイヤの乱れや渋滞などの障害があるか判定する(S404)。障害発生していると判断された場合(YES)、無線端末100は、障害のある交通手段と障害の状況(遅延、運休など)を特定し、障害情報記憶部114に記憶する(S405)。無線端末100は、経路変更処理を行なう(S406)。無線端末100は、案内経路があるかの判断を行なう(S407)。ある場合(YES)およびステップ404で障害がない場合(NO)、無線端末100は、アラーム音(出発案内)を発出する(S408)。ステップ407で案内経路がないとき(NO)、障害により到着時刻に間に合う経路がないので、無線端末100は、終了する。なお、障害により到着時刻に間に合う経路がない場合のアラーム通知処理は、ステップ406に含まれる。
【0046】
ステップ408のあと、無線端末100は、GPS情報を取得し、現在位置、現在時刻を解析する(S409)。取得した現在時刻について、無線端末100は、乗継地点出発の5分前であるかを判断する(S410)。ステップ410でYESのとき、無線端末100は、運行情報を取得し、案内経路と比較する(S411)。なお、ステップ410の5分という時間は必要に応じて変更できる。
【0047】
無線端末100は、案内経路上に障害があるか判定する(S412)。ないと判断された場合(NO)、無線端末100は、出発を知らせるアラーム音を発出する(S413)。ステップ412で障害があると判断された場合(YES)、無線端末100は、障害情報の特定・更新を行なう(S414)。無線端末100は、経路変更処理を行なう(S415)。無線端末100は、案内経路があるか判定する(S416)。YESのとき、無線端末100は、案内経路変更について、アラーム音発出でユーザに知らせる(S417)。ステップ416で案内経路がない場合(NO)、障害により到着時刻に間に合う経路がなく、無線端末100は、終了する。なお、障害により到着時刻に間に合う経路がない場合のアラーム通知処理は、ステップ415に含まれる。
【0048】
ステップ410でNOのとき、ステップ413またはステップ417のあと無線端末100は、ステップ418で現在位置と案内経路を比較してユーザが案内経路上を移動しているかの判断を行なう。案内経路から外れていると判断された場合(NO)、無線端末100は、スケジュールの開始時刻、現在位置、スケジュールの目的地をそれぞれスケジュール表70の到着時刻、GPS情報の現在位置、スケジュール表70の行先73に設定した検索経路情報を生成する(S419)。無線端末100は、経路検索処理を行なう(S420)。無線端末100は、案内経路があるかの判断を行なう(S421)。ある場合(YES)、無線端末100は、アラーム音で変更案内を発出する(S422)。ステップ421でない場合(NO)、障害により到着時刻に間に合う経路がない場合なので、無線端末100は、終了する。なお、障害により到着時刻に間に合う経路がない場合のアラーム通知処理は、ステップ422に含まれる。
【0049】
ステップ418で案内経路上を移動しているとき(YES)またはステップ422のあと、無線端末100は、現在位置が目的地かどうかの判断を行なう(S423)。目的地であると判断された場合(YES)、無線端末100は、目的地到着を知らせるアラーム音を発出する(S424)。無線端末100は、記憶している障害情報を削除する(S425)。無線端末100は、帰路の経路案内の確認を表示する(S426)。無線端末100は、ユーザの操作を一定期間待つ(S427)。ユーザの操作により、必要と操作された場合(YES)、無線端末100は、スケジュール表70の日程/開始時刻〜終了時刻72の終了時刻を出発時刻に、スケジュール表7の行先73を出発地とした検索経路情報を生成する(S428)。なお、帰路の目的地は経路情報80の出発地82とは異なる場合があるので、手動で設定する他、経路情報の出発地82や目的地83などによって帰路の目的地を自動的に設定するようにしても良い。
【0050】
無線端末100は、経路検索処理を実行して(S429)、終了する。ステップ427でNOのとき、無線端末100は、そのまま終了する。ステップ423で目的地と判断されなかった場合(NO)、無線端末100は、ステップ409に戻り、目的地に到着するまでステップ409からステップ423の処理を繰り返す。
【0051】
1月X日の8:00から12:00にA社で開発日程打ち合わせがあり、ユーザは、当日自宅から出発し、1月X日の6:00から案内を受けたいとする。このような場合、ユーザは、操作キー101を用いてスケジュールの予定、開始時刻、終了時刻、行先を入力する。案内開始時刻と案内開始場所の入力は、必須ではない。入力しなかった場合、無線端末100は、GPS情報から取得した現在位置を案内開始場所に、案内経路の出発時刻の2時間前を案内開始時刻にそれぞれ自動で設定する。案内開始時刻を自動で設定する際の2時間前という時間は必要に応じて変更できる。入力・設定されたスケジュール情報について、無線端末100は、記憶する。次にスケジュールの開始時刻を到着時刻に、無線端末100は、スケジュールの案内開始場所を出発地に、スケジュールの行先を目的地にそれぞれ自動で設定した検索経路情報を経路検索サーバ3に送信し、経路情報を受信する。無線端末100は、受信した経路情報の中から、最安価で所要時間の短いものを案内経路として記憶する。ここでは図5Aのような経路が案内経路として決定したとする。
【0052】
無線端末100は、案内開始時刻になると運行情報を受信し、案内経路上に遅延や運休などの障害がないか調べる。このとき得られた障害情報は、図9のように記憶される。この表を見ると、初めに取得した案内経路の出発時刻である6:50までは案内経路上に障害はなく、6:50になると、無線端末100は、出発を促すアラーム音を発出する。無線端末100は、移動中、常にGPS情報を取得し、現在位置が案内経路上か、目的地に到着したか判定する。乗り継ぎ地点出発の5分前になると、無線端末100は、各交通手段の運行情報を取得し、案内経路上に障害が発生していないか調査する。ここではバス停Aの出発時刻5分前である7:05になると運行情報を取得し、図9にあるように○×線△行きのバスに30分の遅れが発生していることが判明したとする。遅延が発生すると、無線端末100は、利用区間(ここではバス停Aからa駅)にある全ての駅やバス停の時刻表を入手し、遅延時間分加算する。この場合はバス停Aからa駅までのバス停の時刻表を入手し、それぞれに30分を加算する。この30分加算された時刻表を用いて、無線端末100は、経路検索を行い、到着時刻に間に合う経路があればその中から最安価の経路を案内経路とする。間に合う経路がなければその経路を運休扱いにし、無線端末100は、改めて経路検索を行った際に運休経路を含む経路情報を除外して、間に合う経路があるか調べる。ここではバスが30分遅れにはなったが、図6Aに示すバス停Aの時刻表に遅延時間を加算した図6Bの時刻表が作成され、6:40に来るはずだったバスが遅延によって7:10にバス停Aに到着し、また、その後は障害も発生せず当初の予定通りA社に到着できた。
【0053】
目的地に到着すると、無線端末100は、帰りの経路案内の要否を問う画面を表示する。ここで経路案内を必要と操作した場合、無線端末100は、スケジュールの終了時刻である12:00を出発時刻に、スケジュールの目的地であるA社を出発地に自動で設定し、行先を自社に設定した検索経路情報を生成し、経路検索を行なう。なお、帰路の行先は予め初期値として設定しておくこともできる。また帰路の経路案内を必要とした場合は、案内開始時刻になっていなくとも常に運行情報を取得し続ける。帰路の案内経路は当初、地下鉄の○×線上りを利用するものが決定していたが、9:00に運行情報を取得した際にB駅からD駅の区間で運転見合わせの状況であることが検出されたとする。この区間は案内経路上であり、帰路の案内開始時刻である12:00になっても復旧しなかったとする。このような場合、無線端末100は、B駅からD駅を運休区間として障害情報記憶部114に記憶する。無線端末100は、GPS情報を取得して現在位置と現在時刻、目的地を検索条件にして経路検索を行なう。無線端末100は、取得した経路情報の中から運休区間を含む経路を除外し、残った経路の中から最安価で所要時間の短いものを案内経路として決定する。ここでは図5Bに示すC駅を経由して迂回する経路が案内経路として決定する。この結果、図8の案内経路記憶部の経路情報が更新される。自社に到着すると障害情報記憶部114から障害情報を削除し、このスケジュールに対する経路案内を終了する。
【0054】
次に、ユーザが何かの理由で6:50に自宅を出発できなかった場合、無線端末100は、GPS情報により現在位置が案内経路上でないと判断する。無線端末100は、スケジュールの開始時刻を到着時刻に、現在位置を出発地に、スケジュールの行先を目的地にそれぞれ設定した検索経路情報を生成し、経路検索を行なう。無線端末100は、図5Cの案内経路を決定し、経路変更を知らせるアラーム音が発出する。ここで決定した案内経路は図5Aの案内経路より所要時間は短いが、費用が多くかかっている。このように出発時間に遅れたり、案内経路上から外れたりしても、無線端末100は、その位置・時刻からスケジュールの開始時刻に間に合う経路がある限りはその情報を更新し続ける。この場合も出発時間の7:00になるとアラーム音が発出される。なお、スケジュールの開始時刻に間に合う経路がなくなった場合、無線端末100は、案内経路がなくなったことを知らせるアラーム音(スケジュールエラー)を発出する。ユーザは、到着時刻には間に合わないが、必要であれば目的地までの運行情報を加味した経路案内を受けることができる。
【符号の説明】
【0055】
2…無線アクセスポイント、3…経路検索サーバ、4…運行情報権利サーバ、5…GPS衛星、6…IP網、100…無線端末、101…操作キー、102…操作制御部、103…端末制御部、104…スケジュール制御部、105…検索経路情報生成部、106…GPS情報受信部、107…GPS情報解析部、108…検索経路情報送信部、109…運行情報問合せ部、110…無線通信部、111…経路情報受信部、112…運行情報受信部、113…経路情報制御部、114…障害情報記憶部、115…案内経路記憶部、116…案内制御部、117…スケジュール記憶部、118…出力制御部、119…表示部、120…スピーカ、200…スケジュール管理システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯可能なスケジュール管理装置であって、
現在位置情報を取得する現在位置取得手段と、
スケジュールに関わる予定位置情報を登録する予定位置登録手段と、
スケジュールに関わる予定時刻を登録する予定時刻登録手段と、
現在位置から前記予定位置への移動に関わる移動経路、移動手段および所要時間を検索し前記予定時刻に間に合う経路案内情報を1つ以上提示する経路案内手段と、
前記予定時刻から前記1つ以上提示した経路案内情報の所要時間を減算して出発すべき出発時刻を1つ以上算出する出発時刻算出手段と、
前記出発時刻の所定時間前に出発すべき時刻が到来した旨のアラームを発出するアラーム発出手段と、
定期的または不定期に現在位置情報を取得して自装置が前記提示した経路案内情報に沿って移動しているか否かを判定する移動判定手段と、を有し、
前記アラーム発出手段がアラームを発出した後に、前記移動判定手段は自装置が前記提示した経路案内情報に沿って移動しているか否かを定期的または不定期に判定し、自装置が前記経路案内情報に沿って移動していないと判定したならば、前記経路案内手段は現在位置から前記予定位置への移動に関わる移動経路または移動手段または所要時間を再検索し前記予定時刻に間に合う1つ以上の経路案内情報を再提示することを特徴とするスケジュール管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスケジュール管理装置であって、
前記経路案内手段は、
現在位置から前記予定位置への移動に関わる移動経費をさらに検索し、前記予定時刻に間に合う最安価な移動経費の経路案内情報を1つ以上提示することを特徴とするスケジュール管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−106866(P2011−106866A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259968(P2009−259968)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】