説明

ストロボ制御装置、ストロボ制御プログラム、ストロボ制御方法

【課題】 測光センサを用いることなく、ストロボ光の発光による違和感を与えない撮像をすることができるストロボ制御装置を提供する。
【解決手段】 ストロボ光を発光させ、撮像手段によって被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置であって、撮像手段によって撮像された撮像結果に基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいて、ストロボ光の発光量またはストロボ光の色温度を補正する。または、被写体のホワイトバランスゲインを検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいてストロボ光の発光量またはストロボ光の色温度を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロボ光を補正するストロボ制御装置、ストロボ制御プログラム、ストロボ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタルカメラにおいて、撮像する際に、撮影対象が暗い場合は、ストロボ光を発光することによって、明るさを補い、撮像することが行われている。ここで、単にストロボ光を発光して撮像すると、ストロボ光によって周囲の光源の雰囲気が生かされず、不自然な色になってしまうという問題がある。
そこで、デジタルカメラにおいて、ストロボ発光をした場合であっても、周囲の雰囲気を生かした撮影を行うストロボ装置が提案されている(例えば、先行技術文献1参照)。このストロボ装置においては、測光センサを用いて周囲の色温度を測定し、測定結果に基づいてストロボ光の色温度を補正することによって、ストロボ光による不自然な色を緩和するものである。
【特許文献1】特開平6―308586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した先行技術文献1のストロボ装置においては、測光センサを用いるようにしているので、部品数が増大してしまい、コストが増大してしまったり、ストロボ装置の重量が増大してしまったりしていた。デジタルカメラ等においては、持ち運びすることを考慮すると、軽量化することが望ましい。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、測光センサを用いることなく、ストロボ光の発光による違和感を与えない撮像をすることができるストロボ制御装置、ストロボ制御プログラム、ストロボ制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、ストロボ光を発光させ、撮像手段によって被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置であって、前記撮像手段によって撮像された撮像結果に基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいて、前記ストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正する補正手段を有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、上述のストロボ制御装置において、RとGの比およびBとGとの比に応じた光源の色温度情報と、当該色温度に応じたストロボ発光となるストロボ発光量データとを記憶する第1の記憶手段を有し、前記補正手段は、前記撮像手段によって撮像された撮像結果となるRGBデータに基づいて、R、G、Bの各積算値を算出する積算値生成手段と、前記積算値生成手段によって生成されたRGBデータの各積算値のうち、RとGとの比となる積算値データおよびBとGとの比となる積算値データとを演算する演算手段と、前記第1の記憶手段を参照し、前記演算手段が演算した、RとGとの比の積算値データおよびBとGとの比の積算値データに基づいて、ストロボ発光量データを読み出し、読み出したストロボ発光量データに基づいて、前記ストロボ装置に発光させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、ストロボ光を発光させ、被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置であって、前記被写体のホワイトバランスゲインを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいてストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正する補正手段を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述のストロボ制御装置において、ホワイトバランスゲインと前記ホワイトバランスゲインに対応する色温度に応じたストロボ発光量データとを対応付けて記憶する第2の記憶手段を有し、前記補正手段は、前記第2の記憶手段を参照し、前記ホワイトバランス検出手段のホワイトバランスゲインに対応するストロボ発光量データを読み出し、読み出したストロボ発光量データに基づいて、前記ストロボ装置に発光させる第2の制御手段を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述のストロボ制御装置において、前記ストロボ光の色を補正する複数の色フィルタを格納する色フィルタ部を有し、前記制御装置は、前記フィルタ部に格納された色フィルタのうち、前記検出される色温度に対応する色フィルタを前記ストロボ装置の発光経路に設定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、ストロボ光を発光させ、撮像手段によって被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置に用いられるストロボ制御プログラムであって、前記撮像手段によって撮像された撮像結果に基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいて、前記ストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正するステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、ストロボ光を発光させ、被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置に用いられるストロボ制御プログラムであって、前記被写体のホワイトバランスゲインを検出するステップと、検出されたホワイトバランスゲインに基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいてストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正するステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、ストロボ光を発光させ、撮像手段によって被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置に用いられるストロボ制御方法であって、前記撮像手段によって撮像された撮像結果に基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいて、前記ストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、ストロボ光を発光させ、被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置に用いられるストロボ制御方法であって、前記被写体のホワイトバランスゲインを検出し、検出されたホワイトバランスゲインに基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいてストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、この発明によれば、単に周囲の明るさを参照するのではなく、撮像手段の検出結果(例えば、RGBデータ)またはホワイトバランスゲインに基づいて色温度を特定し、その色温度に応じてストロボ発光量とストロボ発光の色を制御するようにしたので、測光センサを用いることなく、違和感を生じさせず、周囲光源の雰囲気にあった自然な色味を再現することができる。
【0015】
また、本発明によれば、ストロボ発光をする場合に、色温度に応じた色フィルタを切り替えるようにしたので、写真の色味がストロボ光の支配的色になってしまうことを防止し、ストロボ発光色に影響されることなく、ストロボ発光を感じさせないような自然の色身の写真に仕上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態によるストロボ制御装置を用いた撮像装置を図面を参照して説明する。本実施形態では、本発明に係る撮像装置の一例として、デジタルカメラを挙げて説明する。図1は、この発明の第1の実施形態によるデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。
【0017】
本実施形態のデジタルカメラは、被写体を撮像する撮像手段としての撮像素子(CCD)4、アンプ(AMP)回路9を有している。この撮像素子4の前段にはレンズが配置されており、このレンズを介された被写体像光が、撮像素子4の受光面に結像される。撮像素子4は、この受光面に結像された被写体像光を光電変換する。この撮像素子4としては、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子、CMOS(Complementary MOS)撮像素子などが用いられる。撮像素子4は、後述するCPU19からの指示に基づき駆動される。
【0018】
AMP回路9は、撮像手段の出力をなす撮像素子4の出力について、増幅度を可変するゲイン可変部を有する。このAMP回路9は、撮像手段における露出状態を変更する露出変更手段を構成している。
【0019】
また、本実施形態のデジタルカメラは、A/D変換器10、画像信号処理回路12、画像圧縮処理回路13、ビデオエンコーダ14、画像表示装置15、CPU19、AF検出回路20、AWB検出回路21、メモリ22、VRAM23、メディアコントローラ24、記録メディア25、AE検出回路26を有している。
【0020】
CPU19は、本デジタルカメラ全体を制御するものである。AWB(Automatic White Balance)検出回路21は、ホワイトバランスを行うための画像信号レベルを検出する。AE(Automatic Exposure)検出回路26は、露光を行うための画像信号レベルを検出する。そして、このAWB検出回路21、AE検出回路26において露光制御信号及びホワイトバランス制御信号が形成され、この露光制御信号及びホワイトバランス制御信号がCPU19に供給される。これにより、CPU19とAWB検出回路21、AE検出回路26とは、撮像素子4の出力に基づいて露出変更手段(AMP回路9)の状態を可変制御する自動露出調節手段を構成している。
【0021】
撮像素子4の出力信号は、AMP回路9を介して、A/D変換器10に供給される。A/D変換器10は、AMP回路9から出力された画像信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器10の出力信号は、CPU19に取り込まれる。また、CPU19は、フォーカス制御(AF)をする。
【0022】
AF(Automatic Focus)検出回路20は、撮像素子4の出力に基づいてAFをするためのものである。AF検出回路20は、フォーカス制御を行うために、画像信号の高周波成分レベルを検出する。この検出された高周波成分レベルに基づいて、CPU19が、レンズを合焦点の位置になるように制御する。
【0023】
また、CPU19は、AE検出回路26が出力する露光制御信号に応じて、レンズに設けられる絞り機構に対し、CPU19が絞りの開度を制御するとともに、AWB検出回路21からのホワイトバランス制御信号に応じて、画像信号処理回路12で3原色信号のゲインを制御する。また、CPU19は、ゲイン制御信号をAMP回路9に供給し、所定の信号レベルとなるように、AMP回路9のゲインを制御する。
【0024】
シャッタースイッチ(図示せず)は、画像を撮影するときに押されるスイッチである。シャタースイッチが押されると、CPU19にシャッター信号が送られ、そのときの画像が撮像素子4に取り込まれる。そして、このときの1画面分の画像信号がメモリ22に蓄積される。
【0025】
メモリ22に取り込まれた1画面分の画像信号は、画像信号処理回路12で画像処理が行われた後に、画像圧縮回路13に供給される。画像圧縮回路13は、画像データを圧縮符号化する。画像データの圧縮方式としては、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)が用いられる。JPEGはDCT(Discrete Cosine Transform)を用いて画像圧縮するための規格である。なお、画像データの圧縮方式は、JPEGに限定されるものではない。
【0026】
圧縮符号化された画像信号は、メディアコントローラ24を介して、記録メディア25に供給され、記録メディア25に記録される。記録メディア25は、例えばフラッシュメモリを使ったカード型の着脱自在のメモリが用いられる。なお、記録メディア25としては、デジタルカメラ内蔵の不揮発メモリ、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスクなどを適用してもよい。
【0027】
次に、ストロボ制御部50について説明する。ストロボ制御部50は、ストロボ光を発光するストロボ発光部(図示せず)が発光するストロボ発光量またはストロボ光の色温度を補正する制御を行う。RGB積算値生成部31は、A/D変換器10から出力される、撮像素子4によって撮像された撮像結果となるRGBデータに基づいて、積算値を算出する。この積算値は、R、G、Bのそれぞれについて算出する。この積算は、全画素について積算してもよく、全画素を複数に分割し、分割された領域内の画素について積算するようにしてもよい。
【0028】
R/G・B/G積算値演算部33は、RGB積算値生成部によって生成されたRGBデータの各積算値のうち、RとGとの比(R/G)となる積算値データおよびBとGとの比(B/G)となる積算値データとを演算する。
色温度・光源データ記憶部34は、RとGの比およびBとGとの比に応じた光源と、その光源の色温度情報を記憶する。この色温度・光源データ記憶部34に記憶されるデータの一例を図2に示す。図2において、縦軸がBとGの積算値の比(B/G)、横軸がRとGの比(R/G)であり、これらに対応する光源および色温度が記憶される。例えば、ここでは、日陰・曇り(図2では、日陰/曇り(符号a))、太陽光(符号b)、蛍光灯(符号c)、白熱灯(符号d)、タングステン(符号e)の5種類の光源について分類されており、さらに、日陰・曇りが10000℃、太陽光が5000〜6000℃、蛍光灯が4000℃、白熱灯が3000℃、タングステンが2000℃のように色温度情報が記憶される。
この色温度・光源データ記憶部34に記憶されるデータは、例えば、各光源について中心座標と縦軸側、横軸側の座標の距離を座標値として予め記憶しておくことにより、どの光源の座標範囲に入るかを検出することが可能となる。なお、この光源は、5種類に分類した場合について例示したが、4種類以下であってもよく、また、6種類以上であってもよい。
【0029】
色温度・光源検出部35は、色温度・光源データ記憶部34を参照し、R/G・B/G積算値演算部33から出力されるR/Gの積算値、B/Gの積算値の組み合わせに対応する光源と色温度とを検出する。
記憶部37は、色温度に応じたストロボ発光を行う発光量をストロボ発光量データとして色温度に対応付けて記憶する。ここでは、色温度が低くなるにつれてストロボ発光量が低く、色温度が高くなるにつれてストロボ発光量が高くなるようにストロボ発光量データとして記憶される。なお、ストロボ発光量データは、色温度に対応付けて記憶していても、光源に対応付けて記憶してもよい。
ストロボ発光量調整部39は、記憶部37を参照し、色温度・光源検出部35が検出した色温度に対応するストロボ発光量データを読み出し、読み出したストロボ発光量データに基づいて、ストロボ発光部に対し、ストロボ発光をさせる光量を制御する。
【0030】
記憶部41は、RとGの比およびBとGとの比に応じた光源の色温度情報と、当該色温度に応じて用いる色フィルタを指定する色フィルタ情報とを記憶する。ストロボ発光色フィルタ切替部43は、撮影対象の色温度に応じた複数の色フィルタを格納する色フィルタ部を有しており、記憶部41を参照し、色フィルタ部に格納された複数の色フィルタのうち、色温度・光源検出部35が検出した色フィルタ情報に対応する色フィルタをストロボ装置の発光経路上に設定する。
【0031】
ここで、このストロボ発光色フィルタ切替部43について図3を用いてさらに説明する。色フィルタ200は、撮像装置のストロボ光を発光するストロボ発光部における、ストロボ光の光源に設けられる発光ガラス面100と光源の間(発光経路上)に設定される。ここで、色フィルタ200は、色フィルタ部内に複数枚格納されており、ストロボ発光色フィルタ切替部43が有する駆動手段によって、色フィルタ情報に対応する色フィルタを色フィルタ部から発光ガラス面100と光源の間に移動させることによって設定する。この色フィルタは、色フィルタ情報に基づいて、光源がタングステンの場合は、オレンジ色、光源が蛍光灯、白熱灯の場合は黄色フィルタ、日陰の場合は青色フィルタ、等が設定される。この色フィルタは、複数枚を重ね合わせて設定するようにしてもよい。
【0032】
次に、上述した実施形態におけるデジタルカメラの動作について、ストロボ制御部50の動作を中心として図面を用いて説明する。図4は、ストロボ制御部50を用いてストロボ発光させて撮像する場合におけるデジタルカメラの動作について説明するためのフローチャートである。ここでは、一例として、光源がタングステン光源である場合について説明する。まず、撮像するにあたり、ストロボ撮影モードであるか否かについて、スイッチ等を介して入力されるユーザの指示を参照して検出する(ステップS11)。ストロボ撮影モードではない場合、ストロボ発光を行わず、撮像をして終了する。
【0033】
一方、ストロボ撮影モードである場合、プリ測光時において、被写体像光が撮像素子4によって受光され、AMP回路9によって増幅され、A/D変換器10によってデジタル値に変換されたRGBデータが生成されると、RGB積算値生成部31は、このRGBデータを取得する。次いで、RGB積算値生成部31は、このRGBデータに基づいて、R、G、Bのそれぞれについて積算値を算出し、R/G・B/G積算値演算部33に出力する。R/G・B/G積算値演算部33は、RGB積算値生成部31から出力される積算値を取得すると(ステップS12)、R/G、B/Gの各積算値を演算し、演算結果を色温度・光源検出部35に出力する(ステップS13)。
【0034】
色温度・光源検出部35は、色温度・光源データ記憶部34を参照し、R/G、B/Gの各積算値に対応する色温度と光源とを検出する。ここでは、図2に示すデータが参照され、R/Gの積算値とB/Gの積算値との交点の座標がタングステン光源を示す領域内であることが検出されるので、光源がタングステン光源であることが検出され、タングステン光源に応じた色温度が色温度情報として検出される(ステップS14)。ストロボ発光量調整部39は、色温度・光源検出部35によって検出された色温度情報を取得し、取得した色温度情報に応じたストロボ発光量を記憶部37から読み出し、読み出したストロボ発光量に基づいたストロボ光の光量をストロボ発光部に指示する(ステップS15)。
【0035】
一方、ストロボ発光色フィルタ切替部43は、色温度・光源検出部35によって検出された色温度情報を取得し、取得した色温度情報に応じた色フィルタ情報を記憶部41から読み出し、読み出した色フィルタ情報に対応する色フィルタを色フィルタ部から光源と発光ガラス面との発光経路上に移動させることにより切り替えて装着する(ステップS16)。ここでは、光源がタングステン光源であるので、オレンジ色の色フィルタに切り替えられる。そして、半押しされたシャッターがさらに押し込まれると、ストロボ発光量調整部39の指示に従ったストロボ発光量であって、タングステン光源に応じたオレンジ色のストロボ光が発光され、撮像される(ステップS17)。
【0036】
以上説明した実施形態によれば、光源に応じたストロボ発光量およびストロボ光の色温度でストロボ発光を行うことができる。例えば、タングステン光源の場合は、雰囲気重視にする設定で全体的に暗めにしてストロボ光を抑えて発光することができ、これにより、測光センサを用いることなく、タングステン光源の重厚感などの雰囲気を損なうことなく撮像することができる。なお、光源が蛍光灯、態様などの場合は、暗いという雰囲気は重視されないので、ストロボ発光量はタングステン光源に比べて増大されて発光される。
また、光源の色温度に応じた色フィルタに切り替えることにより、通常ならばストロボ光によってかき消されてしまう光源の雰囲気を維持して撮像することができ、これにより、ストロボ光と周囲光の色温度のギャップを軽減でき、ストロボ発光をしてもストロボ発光を感じさせない雰囲気のある画像を生成することができる。
【0037】
次に、第2の実施形態について説明する。上述の実施形態においては、ストロボ発光の制御をする際に、撮像素子4から取得した情報に基づいてRGBの積算値を算出した値を用いる場合について説明したが、この実施形態においては、撮像素子4から得られる情報ではなく、ホワイトバランス値を用いる場合について説明する。
【0038】
この第2の実施形態における構成は、図1の構成と同様であるが、その機能が異なる。以下、その相違点について述べる。AWB検出回路21は、ホワイトバランスゲインを検出し、検出結果を色温度・光源検出部35に出力する。色温度・光源データ記憶部34は、ホワイトバランスゲインとホワイトバランスゲインに対応する色温度を対応づけてテーブル情報として記憶する。また、色温度・光源データ記憶部34は、色温度と、色温度に応じた光源とを対応付けてテーブル情報として記憶する。
【0039】
そして、この構成において、撮像が行われる場合、プリ測光時において、AWB検出回路21によってホワイトバランスゲインが検出されると、検出結果が色温度・光源検出部35に出力される。色温度・光源検出部35は、AWB検出回路21から出力されたホワイトバランスゲインに対応する色温度を色温度・光源データ記憶部34のテーブル情報を参照して取得する。この色温度が検出されることにより、テーブル情報を参照し、色温度に対応する光源も特定される。
そして、色温度・光源検出部35によって、色温度と光源が特定され、これにより、ストロボ発光量調整部39によってストロボ発光量が制御され、ストロボ発光色フィルタ切替部43によって、色フィルタの切り替えが行われる。
【0040】
この実施形態によれば、ホワイトバランスゲインの値に応じて色温度を特定するようにしたので、第1の実施形態にくらべて、色温度の特定を直接的に特定することができ、色温度特定の精度を向上させることも可能となる。
【0041】
なお、上述した実施形態に置いて、検出した色温度に応じて、露出を暗めまたは明るめに補正して撮像するようにしてもよい。
【0042】
また、図1におけるRGB積算値生成部31、R/G・B/G積算値演算部33、色温度・光源検出部35、ストロボ発光量調整部39。AWB検出回路21の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムを撮像装置に読み込ませ、実行することによりストロボ発光の制御を行ってもよい。ここでいう記録媒体とは、カメラが読み取り可能なメモリカードや磁気ディスク、光ディスク、カメラ内に内蔵されるメモリなどである。このプログラムは、記録媒体を介して行う以外に、インターネット上からダウンロードするようにしてもよい。
なお、この場合、色フィルタの切り替えに関しては、色フィルタ部を別途購入して撮像装置に取り付け、プログラムを撮像装置に読み込ませて実現しても良い。
【0043】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明の第1の実施形態によるデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】色温度・光源データ記憶部34に記憶されるデータの一例を示す図面である。
【図3】ストロボ発光色フィルタ切替部43について説明するための図面である。
【図4】ストロボ制御部50を用いてストロボ発光させて撮像する場合におけるデジタルカメラの動作について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
21 AWB検出回路 31 RGB積算値生成部
33 R/G・B/G積算値演算部 34 色温度・光源データ記憶部
35 色温度・光源検出部 37、41 記憶部
39 ストロボ発光量調整部 43 ストロボ発光色フィルタ切替部
50 ストロボ制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロボ光を発光させ、撮像手段によって被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置であって、
前記撮像手段によって撮像された撮像結果に基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいて、前記ストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正する補正手段
を有することを特徴とするストロボ制御装置。
【請求項2】
RとGの比およびBとGとの比に応じた光源の色温度情報と、当該色温度に応じたストロボ発光となるストロボ発光量データとを記憶する第1の記憶手段を有し、
前記補正手段は、
前記撮像手段によって撮像された撮像結果となるRGBデータに基づいて、R、G、Bの各積算値を算出する積算値生成手段と、
前記積算値生成手段によって生成されたRGBデータの各積算値のうち、RとGとの比となる積算値データおよびBとGとの比となる積算値データとを演算する演算手段と、
前記第1の記憶手段を参照し、前記演算手段が演算した、RとGとの比の積算値データおよびBとGとの比の積算値データに基づいて、ストロボ発光量データを読み出し、読み出したストロボ発光量データに基づいて、前記ストロボ装置に発光させる制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載のストロボ制御装置。
【請求項3】
ストロボ光を発光させ、被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置であって、
前記被写体のホワイトバランスゲインを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいてストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正する補正手段
を有することを特徴とするストロボ制御装置。
【請求項4】
ホワイトバランスゲインと前記ホワイトバランスゲインに対応する色温度に応じたストロボ発光量データとを対応付けて記憶する第2の記憶手段を有し、
前記補正手段は、
前記第2の記憶手段を参照し、前記ホワイトバランス検出手段のホワイトバランスゲインに対応するストロボ発光量データを読み出し、読み出したストロボ発光量データに基づいて、前記ストロボ装置に発光させる第2の制御手段
を有することを特徴とする請求項3記載のストロボ制御装置。
【請求項5】
前記ストロボ光の色を補正する複数の色フィルタを格納する色フィルタ部を有し、
前記制御装置は、前記フィルタ部に格納された色フィルタのうち、前記検出される色温度に対応する色フィルタを前記ストロボ装置の発光経路に設定する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれかに記載のストロボ制御装置。
【請求項6】
ストロボ光を発光させ、撮像手段によって被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置に用いられるストロボ制御プログラムであって、
前記撮像手段によって撮像された撮像結果に基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいて、前記ストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正するステップ
をコンピュータに実行させるストロボ制御プログラム。
【請求項7】
ストロボ光を発光させ、被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置に用いられるストロボ制御プログラムであって、
前記被写体のホワイトバランスゲインを検出するステップと、
検出されたホワイトバランスゲインに基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいてストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正するステップ
をコンピュータに実行させることを特徴とするストロボ制御プログラム。
【請求項8】
ストロボ光を発光させ、撮像手段によって被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置に用いられるストロボ制御方法であって、
前記撮像手段によって撮像された撮像結果に基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいて、前記ストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正する
ことを特徴とするストロボ制御方法。
【請求項9】
ストロボ光を発光させ、被写体を撮像する撮像装置に用いられるストロボ制御装置に用いられるストロボ制御方法であって、
前記被写体のホワイトバランスゲインを検出し、
検出されたホワイトバランスゲインに基づいて色温度を検出し、検出した色温度に基づいてストロボ光の発光量または前記ストロボ光の色温度を補正する
ことを特徴とするストロボ制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−171315(P2006−171315A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363149(P2004−363149)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(500548884)三星テクウィン株式会社 (156)
【Fターム(参考)】