説明

スペーサ塗布装置、スペーサ塗布方法

【課題】
処理対象物上に基準個数以上のスペーサを配置できる技術を提供する。
【解決手段】
印刷装置121〜12mで処理対象物の種類を読み取り、中央制御装置11に照合し、処理対象物の種類に応じた配置位置の位置情報を中央制御装置11から得る。位置情報に従って吐出液を吐出した後、修正装置131〜13nに移動させ、検査装置により、配置位置毎にスペーサの個数を計数し、不足位置に吐出液を吐出させる。処理対象物の一部領域を画像処理するだけで配置位置のスペーサ個数を計数することができるので、画像解析の負担が軽い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等にスペーサを配置するスペーサ塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶パネルの液晶を保持する基板間には、基板間の間隔を一定にするためにスペーサが挿入されている。
カラーTV用大型パネル対応では、現状ODF(液晶滴下)方式が採用されており、スペーサを従来のボールスペーサの散布により形成すると、液晶滴下時にボールスペーサが流されてしまうことから、フォトスペーサが現在主流となっている。
【0003】
フォトスペーサは、基板全面にフォトスペーサ材料をスピン塗布した後、フォトリソグラフィ工程により、カラム状のスペーサを各ピクセルの所定位置にのみ残し、溶剤処理によって有機材料を溶解除去することで、残った有機材料がフォトスペーサとなる。欠点は、材料の無駄、フォトリソグラフィと言う高価な工程が入る事がコスト上の問題点である。また基板の大型化に伴い、スピン塗布後のフォトスペーサ材料の基板内の膜厚の均一性を取るのも難しくなってきている。
【0004】
インクジェットプリンタは、インクの吐出量や配置位置の精密制御が可能であることから、インクに替え、スペーサが分散液中に分散された吐出液を吐出させ、乾燥すると基板等の処理対象物上にスペーサを配置することができる。乾燥及び熱処理によってスペーサが処理対象物の表面に固着され、また、無駄な材料が少ないことから、フォトスペーサ方式よりも有利である。
【0005】
しかしながら、処理対象物上に一定量の吐出液を吐出しても、その吐出液中に常に同じ個数のスペーサが含有されているとは限らない。スペーサが不足する配置位置があると、基板間の距離が不均一になり、色むら等の原因となる。
【0006】
スペーサの配置方法については、下記のような先行技術がある。
【特許文献1】特開平11−24083号公報
【特許文献2】特開2002−372717号公報
【特許文献3】特開2002−72218号公報
【特許文献4】特開2005−4094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するために創作されたものであり、その目的は、負担の重い検査をせずに、所望の位置にスペーサを配置できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、スペーサが配置されるべき処理対象物上の配置位置を示す位置情報が記憶された制御装置と、前記スペーサを含む吐出液を吐出する第一の印刷ヘッドが配置された印刷装置と、前記処理対象物上の表面を検査する検査装置と、前記吐出液を吐出する第二の印刷ヘッドとが配置された修正装置とを有し、前記第一の印刷ヘッドは前記位置情報に従い、前記配置位置に前記吐出液を吐出するように構成され、前記検査装置は、前記位置情報に従い、前記配置位置を検査し、前記第二の印刷ヘッドは、前記検査の結果から特定された前記スペーサの不足位置に前記吐出液を吐出するように構成されたスペーサ塗布装置である。
また、本発明は、前記印刷装置を複数有し、前記各印刷装置は前記位置情報が示す前記吐出位置に前記吐出液を吐出するように構成されたスペーサ塗布装置である。
また、本発明は、前記修正装置を複数有し、前記各修正装置は前記位置情報が示す前記吐出位置を検査するように構成されたスペーサ塗布装置である。
また、本発明は、スペーサを含む吐出液を吐出する第一、第二の印刷ヘッドと、処理対象物上の表面を検査する検査装置とが配置されたスペーサ塗布装置により、前記処理対象物の所定の配置位置に前記スペーサを配置するスペーサ塗布方法であって、制御装置に予め処理対象物に応じた配置位置を示す位置情報を記憶させておき、前記第一の印刷ヘッドに配置された前記処理対象物の種類から前記処理対象物の前記配置位置を判別し、前記位置情報に基いて、前記第一の印刷ヘッドから前記吐出液を吐出させ、前記処理対象物を前記検査装置に移動させ、前記処理対象物の種類から前記配置位置を判別し、前記位置情報に基いて、前記配置位置を検査して、前記配置位置毎にスペーサ個数を計数して前記スペーサが不足する不足位置を特定し、前記不足位置に、前記第二の印刷ヘッドから前記吐出液を吐出させるスペーサ塗布方法である。
また、本発明は、前記スペーサ個数は、前記配置位置毎に表面を撮影し、画像解析によって前記スペーサを判別して計数するスペーサ塗布方法である。
【0009】
本発明は上記のように構成されており、印刷装置と修正装置がそれぞれ処理しようとする処理対象物の吐出位置が分かるため、配置位置毎に画像処理を行うことができる。従って、配置位置以外の領域を画像処理しなくて済み、画像処理の負担が軽い。
配置位置が並んだ列毎に画像処理することもできる。この場合、配置位置が並んだ列の間の領域は、画像処理しなくて済む。
【0010】
本発明では、位置情報を種類と対応付けて記憶している制御装置が、印刷装置と修正装置の動作を制御してもよいし、位置情報を中央制御装置に記憶させ、各印刷装置及び各修正装置に配置した個別制御装置で動作を制御してもよい。また、動作を制御する個別制御装置に位置情報を記憶させても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、印刷装置と修正装置を分離したので、処理能力の比率に応じ、印刷装置の台数と修正装置の台数の比率を変えることができる。
処理対象物の種類に応じた配置位置の位置情報が与えられるので、処理対象物の一部領域を画像処理するだけで配置位置のスペーサ個数を計数することができる。処理対象物の全表面を撮影する場合に比べ、画像解析の負担が軽くなる。特に、吐出位置だけを撮影すると画像解析の負担を大幅に軽減させることができる。
印刷装置と修正装置で処理対象物の種類を確認し、種類に応じた配置位置の位置情報を得ているから、異なる種類の処理対象物を混在させても、配置位置を誤ることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1の符号1は、本発明のスペーサ塗布装置を示している。
このスペーサ塗布装置1は、中央制御装置11と、一又は二以上の印刷装置121〜12mと、一又は二以上の修正装置131〜13nを有している。添字m、nは二以上の整数を表す。
各印刷装置121〜12mは同じ構成であり、それらを代表し、図3、図4の印刷装置12aを用いて説明する。
【0013】
図3は、印刷装置12aを横方向から見た側面図であり、図4は上方から見た平面図である。
印刷装置12aは印刷台21を有しており、印刷台21上には処理対象物6が配置されている。
【0014】
処理対象物6は、液晶装置の基板や、液晶装置に取りつけられるカラーフィルタ等であり、カラーフィルタである場合のスペーサ塗布の手順について説明する。但し、本発明の処理対象物6はカラーフィルタに限定されるものではない。
【0015】
図14は、本スペーサ塗布装置1によって処理する前の処理対象物6の表面を説明するための平面図である。カラーフィルタの場合、その表面には、R、G、Bの各色に対応した赤、緑、青の窓部55R、55G、55Bが規則正しく配置されており、各色の窓部55R、55G、55Bは、BM(ブラックマトリクス)線56によって区分けされている。
BM線56は縦横に伸び、格子状に形成されており、横方向Xと縦方向Yの交差位置Ax、yが、スペーサを固定するために適した配置位置Ax、yになっている。
【0016】
図14及び後述する図15、図16では、配置位置Ax、yの処理対象物6〜8上の位置を示す添字のxは1〜4の範囲であり、yは1,2の範囲である。図14〜図16には、A1,1からA4,2の8個の配置位置が示されている。
【0017】
印刷装置12aには、個別制御装置20が設けられている。
処理対象物6上には、処理対象物6の種類を示す記号が配置されている。印刷台21には、その記号を読み取る読取装置28が設けられている。読取り装置28は、個別制御装置20を介して中央制御装置11に接続されており、処理対象物6上の記号が読取り装置28によって読み取られると、その結果は中央制御装置11に送信される。
【0018】
中央制御装置11には、スペーサを配置すべき配置位置が処理対象物6の種類と対応付けて位置情報として記憶されており、印刷装置12aから送信された読み取り結果を記憶内容と照合し、その読み取り結果が示す種類に対応する位置情報を、読み取り結果を送信してきた印刷装置12aに返信する。従って、各印刷装置121〜12mに異なる種類の処理対象物6が配置された場合であっても、それらに対応する配置位置Ax,yの位置情報が各印刷装置121〜12mにそれぞれ返信される。
【0019】
受信した位置情報は、各121〜12mの個別制御装置20に記憶される。
印刷台21には不図示の搬送装置及び基板位置合わせ装置が設けられており、個別制御装置20はその搬送装置を制御し、処理対象物6を移動させる。
図3、図4の符号24は、処理対象物6の移動方向を示している。
【0020】
印刷台21上には、第一の印刷ヘッド23aが配置されている。第一の印刷ヘッド23は、移動装置22aに取りつけられており、処理対象物6の表面と平行な平面内で、処理対象物6の移動方向24とは垂直な方向に移動できるように構成されている。符号29aは、第一の印刷ヘッド23aの移動経路方向を示している。
【0021】
処理対象物6は、配置位置Ax,yのx方向、又はy方向の列が第一の印刷ヘッド23aの移動方向と平行に配置されている。
例えば、処理対象物6には位置情報の基準となる基点が設けられている場合、印刷装置21に配置されたセンサによって基点が検出され、個別制御装置20が配置位置Ax,yの座標と処理対象物6の移動量とから、配置位置Ax,yの最初の一乃至数列が第一の印刷ヘッド23aの移動範囲の下方位置に到達したことを検出すると、処理対象物6は静止される。
第一の印刷ヘッド23aは、図13に示すように、それぞれ複数のノズルN1〜Nnを有している。
【0022】
第一の印刷ヘッド23aには、液供給系25が接続されている。液供給系25には、スペーサが分散液中に分散された吐出液が蓄液されており、個別制御装置20から入力される吐出信号により、各ノズルN1〜Nnの一個乃至全部から吐出液を吐出できるように構成されている。第一の印刷ヘッド23の移動と吐出は個別制御装置20によって制御される。
【0023】
ノズルN1〜Nnは等間隔に一列に配置されているが、配置位置Ax、yの間隔は製品によって異なるため、一般的に配置位置Ax、yの間隔とノズルN1〜Nnの間隔は等しくない。
【0024】
第一の印刷ヘッド23aは印刷台21に対する角度が調節可能であり、ノズルN1〜Nnの列が、配置位置Ax、yに対して成す角度を調整することで、第一の印刷ヘッド23aがその移動方向29aに沿って移動したときに、各ノズルN1〜Nnが配置位置Ax,yの真上を通過するようにされている。
【0025】
個別制御装置20は、ノズルN1〜Nnが配置位置Ax,y上を通過するとき、各ノズルN1〜Nnから吐出液を吐出させる。
ノズルN1〜Nnの数Mと同数の列に位置する配置位置Ax,yに着弾されると、処理対象物6は、隣接するM個の列分だけ下流側に移動し、第一の印刷ヘッド23aの移動範囲の下方に、未吐出の配置位置Ax,yがM列配置され、それらの配置位置Ax,yに吐出液が吐出される。
【0026】
以上のように、処理対象物6の移動と、吐出が繰り返されると、処理対象物6上の各配置位置Ax,yに吐出液が吐出され、着弾する。
【0027】
図15の符号7は、印刷装置12aによって吐出液が吐出された後の処理対象物を示しており、符号51は着弾した吐出液、符号53はその吐出液51に含まれているスペーサを示している。スペーサ53は、直径4μm〜5μmの樹脂粒子や無機粒子である。
印刷装置12aで処理された後の処理対象物7は、各印刷装置121〜12mから取り出され、所望の修正装置131〜13nに移動される。
【0028】
各修正装置131〜13nは同じ構成であり、それらの一例の修正装置を図5、図6の符号13aで示して説明する。
図5は、修正装置13を横方向から見た側面図であり、図6は上方から見た平面図である。
【0029】
この修正装置13aは修正台31を有しており、修正台31上には吐出液が吐出された処理対象物7が配置されている。
上記印刷台21と同様に、修正台31には不図示の搬送装置及び基板位置合わせ装置が設けられており、その搬送装置によって処理対象物7は印刷台31上を移動される。
図5、図6の符号34aは、処理対象物7の移動方向を示している。
【0030】
修正台31上には、検査装置33aと、第二の印刷ヘッド43aとが配置されている。処理対象物7の移動方向に対し、検査装置33aが上流側、第二の印刷ヘッド43aが下流側である。
【0031】
検査装置33aと、第二の印刷ヘッド33aは、それぞれ移動装置32a、42aに取りつけられており、処理対象物7の表面と平行な平面内で、処理対象物7の移動方向34aとは垂直な方向にそれぞれ往復移動できるように構成されている。
【0032】
符号39a、49aは、検査装置33aと第二の印刷ヘッド43aの移動経路方向をそれぞれ示している。
この第二の印刷ヘッド43a、及び後述する他の第二の印刷ヘッド43b、43cは、図13に示すように、第一の印刷ヘッド23aと同様の複数のノズルN1〜Nnをそれぞれ有している。ここでは各ノズルN1〜Nnは一列に配置されており、処理対象物7の配置位置Ax、yに対する角度は調節され、各ノズルN1〜Nnが配置位置Ax,yの真上を通過するようになっている。
【0033】
修正台31には、処理対象物7上の記号を読み取る読取装置38が取りつけられている。
修正装置13aには、個別制御装置30が設けられている。
【0034】
読取装置38は、個別制御装置30を介して中央制御装置11に接続されており、記号を読み取り、中央制御装置11に送信すると、中央制御装置11から処理対象物7の配置位置Ax,yの位置情報が送信される。
【0035】
処理対象物7が移動し、最初の一乃至複数個の配置位置Ax,yが検査装置33aの移動範囲の下方位置に到達したところで、処理対象物7は一旦静止される。
検査装置33aは高精細のカメラであり、検査装置33aは移動経路39a上を移動しながら、配置位置Ax,y毎に表面を撮影し、撮影結果を個別制御装置30に出力する。
【0036】
個別制御装置30では、撮影結果と配置位置Ax,yは対応づけられており、撮影結果を画像解析し、スペーサ個数を計数し、配置位置Ax,y毎に基準個数と比較し、基準個数未満の配置位置を不足位置特定する。図15の処理対象物7では、一カ所の配置位置A2,1のスペーサ個数が不足しており、画像解析により、この配置位置A2,1が不足位置として特定され、記憶される。
【0037】
処理対象物7が移動され、不足位置A2,1が第二の印刷ヘッド43aのノズルN1〜Nnの移動経路のいずれかの真下に位置したところで処理対象物7は一旦静止され、第二の印刷ヘッド42aが移動し、不足位置A2,1に対して吐出液を吐出する。このとき、スペーサが基準個数以上配置されている配置位置Ax,yには吐出液は吐出されない。
【0038】
処理対象物7上の一乃至複数個の不足位置Am,nに第二の印刷ヘッド43aから吐出液が吐出された後、乾燥されると、各配置位置Ax,yに基準個数以上の個数のスペーサが配置された処理基板が得られる。
図16の符号8は、そのような処理基板を示しており、不足位置A2,1にスペーサが追加され、スペーサ不足が解消されている。
【0039】
以上は、中央制御装置11を設け、中央制御装置11に配置位置Ax,yの位置情報を処理対象物6、7の種類に対応付けて記憶させていたが、各印刷装置121〜12m及び修正装置131〜13nの個別制御装置20、30に、配置位置Ax,yの位置情報を処理対象物6、7の種類に対応付けて記憶させてもよい。
【0040】
その場合、図2のスペーサ塗布装置2のように、各印刷装置121〜12m及び修正装置131〜13nの個別制御装置20、30同士を接続し、互いに通信可能に構成することができる。例えば、一台の印刷装置12xに種類と配置位置の位置情報を入力するだけで、各個別制御装置20、30に、その位置情報を共有させることもできる。
【0041】
次に、本発明の他の例について説明する。
上記修正装置13aでは、検査装置33aと第二の印刷ヘッド43aとが独立に往復移動可能に構成されていたが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0042】
図7、図8の符号13bは、その一例の修正装置を示している。
この修正装置13b及び後述する修正装置13c、13dでは、上記修正装置13aと同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0043】
該修正装置13bは、検査装置33bと第二の印刷ヘッド43bとが一台の移動装置32bに取りつけられており、処理対象物7の移動方向34とは垂直な方向39b、49bに一緒に往復移動するように構成されている。
【0044】
不足位置が検査装置33bによって見つけられると、第二の印刷ヘッド43bによって、不足位置にだけ吐出液が吐出され、スペーサが追加される。これにより、スペーサ不足が解消される。
また、修正装置には第二の印刷ヘッド又は検査装置を複数設けることができる。
【0045】
図9、図10の符号13cは、第二の印刷ヘッド43cの両脇に検査装置33c1、33c2がそれぞれ配置された修正装置を示している。検査装置33c1、33c2は第二の印刷装置43cの移動経路と同じ移動経路上を、第二の印刷ヘッド43cと一緒に往復移動するように構成されており、第二の印刷ヘッド43cが往復移動するときに、いずれか一方の検査装置33c1、33c2が先頭になり、先頭の方で処理対象物7の配置位置Ax,yを撮影し、不足位置を特定し、後続する第二の印刷ヘッド43cによって、不足位置に吐出液を吐出してスペーサ不足を解消することができる。
【0046】
それとは逆に、一台の検査装置の両脇に第二の印刷ヘッドを配置すると、いずれか一方の第二の印刷ヘッドが検査装置の後尾となるから、検査装置で不足位置を特定し、後続する後尾の印刷ヘッドによって不足位置に吐出液を吐出し、スペーサ不足を解消することができる。
【0047】
以上の例では処理対象物6、7と第一、第二の印刷ヘッド及び検査装置とが移動していたが、処理対象物11を静止させ、第一、第二の印刷ヘッドと検査装置を、処理対象物6、7の表面に沿ってX軸方向、Y軸方向の二方向に移動させてもよい。
【0048】
図11の印刷装置12bと図12の修正装置13dは、第一の印刷ヘッド23bが取りつけられた移動装置22bはレール上27上に配置されている。また、検査装置33dが取りつけられた移動装置32dと第二の印刷ヘッド43bが取りつけられた移動装置42dは、同じレール37上に配置されている。
【0049】
レール27、37には、モータ等が内蔵されており、移動装置22b、32d、42dをレール27、37に沿って個別に往復移動させるように構成されている。図11、図12の符号24b、34dは、移動装置22b、32d、42dの往復移動の方向を示している。
【0050】
第一の印刷ヘッド23bと、検査装置33dと、第二の印刷ヘッド43bは、処理対象物6、7の表面と平行な平面内で、移動装置22b、32d、42dの移動方向とは垂直な方向29b、39d、49dに移動できるように構成されている。
【0051】
移動装置22b、32d、42dの位置や、第一、第二の印刷ヘッド23b、43d、検査装置33dの位置及び動作は個別制御装置20、30によって制御されており、上記各例と同様に、読取り装置28、38の読取結果から得られた配置位置Ax,yの位置情報に従い、吐出液の吐出と検査とスペーサの追加が行われる。
【0052】
なお、上記処理対象物6〜8では、その種類を示す記号が処理対象物6〜8上に配置されていたが、種類を記載したタグや、種類を入力したICタグなどを取りつけても良い。
【0053】
また、上記検査装置33a、33b、33c1、33c2、33dでは、配置位置Ax,y毎に撮影していたが、検査装置が移動しながら配置位置Ax,yが並ぶ列を撮影し、画像解析を列毎に行い、配置位置Ax,y毎にスペーサ個数を計数してもよい。
また、複数の配置位置Ax,yを含む範囲を一括して撮影し、画像を各配置位置Ax,yを一個ずつ含む狭い範囲に区分けし、その範囲毎に画像解析を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明のスペーサ塗布装置の一例
【図2】本発明のスペーサ塗布装置の他の例
【図3】印刷装置の第一例を説明するための側面図
【図4】その平面図
【図5】修正装置の第一例を説明するための側面図
【図6】その平面図
【図7】修正装置の第二例を説明するための側面図
【図8】その平面図
【図9】修正装置の第三例を説明するための側面図
【図10】その平面図
【図11】印刷装置の第二例を説明するための平面図
【図12】修正装置の第四例を説明するための平面図
【図13】ノズルの配置を説明するための図
【図14】処理対象物の構造を説明するための平面図
【図15】処理対象物表面に吐出液が着弾した状態を説明するための平面図
【図16】処理対象物の不足位置にスペーサが追加された状態を説明するための平面図
【符号の説明】
【0055】
1、2……スペーサ塗布装置
6〜8……処理対象物
12、121〜12m、12a、12b……印刷装置
13、131〜13n、13a〜13d……修正装置
51……吐出液
52、53……スペーサ
23a、23b……第一の印刷ヘッド
33a、33b、33c1、33c2、33d……検査装置
43a〜43d……第二の印刷ヘッド
x,y……吐出位置
1〜Nn……吐出孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペーサが配置されるべき処理対象物上の配置位置を示す位置情報が記憶された制御装置と、
前記スペーサを含む吐出液を吐出する第一の印刷ヘッドが配置された印刷装置と、
前記処理対象物上の表面を検査する検査装置と、前記吐出液を吐出する第二の印刷ヘッドとが配置された修正装置とを有し、
前記第一の印刷ヘッドは前記位置情報に従い、前記配置位置に前記吐出液を吐出するように構成され、
前記検査装置は、前記位置情報に従い、前記配置位置を検査し、前記第二の印刷ヘッドは、前記検査の結果から特定された前記スペーサの不足位置に前記吐出液を吐出するように構成されたスペーサ塗布装置。
【請求項2】
前記印刷装置を複数有し、前記各印刷装置は前記位置情報が示す前記吐出位置に前記吐出液を吐出するように構成された請求項1記載のスペーサ塗布装置。
【請求項3】
前記修正装置を複数有し、前記各修正装置は前記位置情報が示す前記吐出位置を検査するように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のスペーサ塗布装置。
【請求項4】
スペーサを含む吐出液を吐出する第一、第二の印刷ヘッドと、
処理対象物上の表面を検査する検査装置とが配置されたスペーサ塗布装置により、前記処理対象物の所定の配置位置に前記スペーサを配置するスペーサ塗布方法であって、
制御装置に予め処理対象物に応じた配置位置を示す位置情報を記憶させておき、
前記第一の印刷ヘッドに配置された前記処理対象物の種類から前記処理対象物の前記配置位置を判別し、前記位置情報に基いて、前記第一の印刷ヘッドから前記吐出液を吐出させ、
前記処理対象物を前記検査装置に移動させ、
前記処理対象物の種類から前記配置位置を判別し、前記位置情報に基いて、前記配置位置を検査して、前記配置位置毎にスペーサ個数を計数して前記スペーサが不足する不足位置を特定し、
前記不足位置に、前記第二の印刷ヘッドから前記吐出液を吐出させるスペーサ塗布方法。
【請求項5】
前記スペーサ個数は、前記配置位置毎に表面を撮影し、画像解析によって前記スペーサを判別して計数する請求項4記載のスペーサ塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−322993(P2006−322993A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−144117(P2005−144117)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】