説明

スロットマシン

【課題】遊技者に有利な遊技が持続する可能性について、遊技者の緊張感および期待感をより高める演出を行うとともに、遊技者の射幸心を抑制するために、遊技の実行を制限する場合でも、当該遊技中に行う演出の興趣を損なわないスロットマシンを提供すること。
【解決手段】報知制御手段520は、ARTが開始されると遊技者に有利な遊技結果が得られるストップスイッチ37L,C,Rの操作順序に関する報知を行い、終了抽選手段521によって行われる終了抽選の当選回数が、終了条件記憶手段524に記憶された終了条件により指定される当選回数になるとARTを終了させる。終了抽選の当選確率は、終了条件によって指定される選択確率に応じて当選確率設定手段522が複数の当選確率の中から選択したものであり、報知制御手段520は終了条件により指定された当選回数と選択確率を画像表示装置70に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が遊技媒体を投入し、リールを回転させた後に停止させ、そのときに表示されているリールに描かれた図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技機の1つとして、スロットマシンが広く知られている。この種のスロットマシンは、遊技者によりメダルや遊技球などの遊技媒体が投入された後、スタートスイッチが操作されると、1回の遊技が回され、各々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させる。そして、各リールに対応して設けられたストップスイッチがそれぞれ操作されると、対応するリールを停止させ、全てのリールが停止したときに遊技者に示された図柄の組合せによって遊技結果が定まる。このとき、各リールに描かれた図柄を表示する領域に定められている有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せが、何らかの役に対応する図柄の組合せと一致した場合は、その図柄組合せに対応する役が成立したことになる。そして、何らかの役が成立した場合は、その役に対応する特典が遊技者に付与され、何ら役が成立しなかった場合は特典が付与されることなく1回の遊技が終了する。
【0003】
また、上述したスロットマシンは、遊技者によって複数のリールの回転を開始させられたことを契機として、予め定められた複数種類の役のうちいずれの役に当選したか否かを定める役抽選を行っている。そして、リールを停止させるべく遊技者によってストップスイッチが操作されると、上述した役抽選の結果に則した図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されるように、リールの停止制御を行う。上述した複数種類の役は、各々、成立時に遊技者に付与する特典の内容が異なっている。すなわち、一般的には、所定数の遊技媒体を払い出す小役、新たに遊技媒体を投入することなく次の遊技を一度だけ行うことができる再遊技役、次の遊技から所定の終了条件が成立するまでの間、役抽選における特定の役の当選確率が向上する特別遊技を行うことができる特別役などがある。
【0004】
さらに、上述したスロットマシンにおいて、特別遊技の終了時に役抽選とは別の乱数抽選を行い、当該乱数抽選に当選すると、次に特別役が成立するまで、「報知態様遊技」という遊技者に有利な状態へ移行するものが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載されたスロットマシンでは、特別遊技ではない遊技(以下、この遊技を一般遊技という)において、役抽選で特定役に当選すると、3つのリールに各々対応する3つのストップスイッチの操作順序(全6通り)のうち、いずれか1つを乱数抽選により決定している。そして、決定した操作順序でストップスイッチが操作されたときは、特定役に対応する図柄組合せを有効ライン上に揃えるリール停止制御を行い、それ以外の操作順序で操作されたときは、有効ライン上に揃えないリール停止制御を行っている。
【0005】
そして、上述した「報知態様遊技」へ移行すると、役抽選で特定役に当選した時に、遊技者に対して事前に操作順序に関する抽選結果が報知される。これにより、遊技者は、報知された操作順序に従ってストップスイッチを操作するだけで、特定役に対応する図柄組合せを有効ライン上に揃えることができる。また、各遊技が行われるごとに、過去1時間におけるメダルの投入枚数と払出枚数とをチェックし、払出枚数が投入枚数の3倍を超えた場合は、「報知態様遊技」を中断し、メダルの払出枚数が投入枚数の2.5倍を下回ったときに、「報知態様遊技」を再開する。これにより、過度に射幸心をそそらないような工夫が施されている。
【0006】
また、上述と同様のスロットマシンにおいて、特別遊技が終了すると、所定遊技回数(たとえば1000ゲーム)の間は、役抽選において再遊技役の当選確率が高くなる「RT作動状態」へ移行するものも提案されている(特許文献2参照)。この「RT作動状態」では、役抽選において再遊技役に当選する確率が高くなるとともに、その分だけ役抽選でハズレとなる確率が低くなることから、遊技者は有利に遊技を行うことができる。また、特許文献2に記載されているスロットマシンでは、「RT作動状態」になっているときに特定の役(例えばチェリー)が成立すると、「RT作動状態」が終了することになっている。
【0007】
そこで、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、役抽選において特定の役が当選した時に、そのことを事前に遊技者へ報知することで、ストップスイッチの操作タイミングを調整することによって特定の役の成立を回避できるようにしている。この報知回数は、抽選によって決定されるとともに、1回の報知が行われたときに現在の報知回数から減算する値(0〜5のいずれか)も抽選によって決定される。このように、報知回数を減少させる値を変動させることで、遊技に対する興趣を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−346028号公報
【特許文献2】特開2008−132134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1に記載されているスロットマシンでは、ランプ、スピーカ、画像表示装置などの演出出力装置を備え、「報知態様遊技」中はこれら演出出力装置を用いて、操作順序に関する報知およびメダルの投入枚数に対する獲得枚数の倍率の表示が行われているが、この間、遊技の興趣を向上させるような演出は行われていない。確かに、「報知態様遊技」中は、遊技者にとって有利な状態になっているといえるため、そのような演出を行わなくとも、遊技者の遊技意欲が低下することはないかもしれないが、一旦「報知態様遊技」が開始されると、次に特別役が成立するまで「報知態様遊技」が継続するため、ともすれば単純な遊技操作(メダルの投入操作、スタートスイッチおよびストップスイッチの操作など)の繰り返しとなり、やがて遊技者に飽きられてしまうおそれがある。
【0010】
また、特許文献2に記載されているスロットマシンでは、「RT作動状態」になると、ステージ(背景画像)が「特別」に固定され、役抽選で特定の役に当選した時に、報知回数が「1」以上であることを条件として、特定の役に当選したことを報知している。しかしながら、「RT作動状態」が持続する可能性について遊技者の緊張感を高める演出要素としては、残りの報知回数の表示のみにとどまっているため、「RT作動状態」を盛り上げるための演出としては十分とは言いがたい。
【0011】
さらに、特許文献1に記載されているスロットマシンでは、遊技者の射幸心を過度にそそらないように、メダルの投入枚数に対する獲得枚数の倍率が所定値を超えると「報知態様遊技」が中断させている。このため、仮に「報知態様遊技」中に、興趣を向上させるための演出を行ったとしても、連続性を持った演出を行いにくいという問題がある。たとえば、演出の連続性を持たせるために、「報知態様遊技」が中断しているときでも演出を続行させるとする。しかしながら、このときに遊技者が報知に依らず、たまたま特定役が成立させてしまったとすると、「報知態様遊技」が中断していることを遊技者に知られてしまうことになる。すなわち、「報知態様遊技」が中断しているにも関わらず、「報知態様遊技」中の演出を行っていることを遊技者に悟られてしまうため、遊技者を白けさせてしまうおそれがある。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、一般遊技よりも遊技者に有利な遊技が行われている間に、当該有利な遊技が持続する可能性について、遊技者の緊張感および期待感をより高める演出を行うことによって遊技の興趣を向上させることができるスロットマシンを提供することを目的としている。
【0013】
また、遊技者の射幸心を過度にそそることがないように、上述した有利な遊技の実行を制御する場合においても、当該有利な遊技の実行中に行われる演出の興趣が損なわれることのないスロットマシンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明は、所定数の遊技媒体が投入されると複数種類の図柄が複数表示された複数のリールが回転可能な状態となり、該複数のリールが回転した後、全てのリールが停止したときに入賞ラインに沿って表示された図柄組合せが所定の役に対応していた場合、所定数の前記遊技媒体を払い出すスロットマシンであって、
複数種類の役のうちいずれか1つまたは複数の役を、1回の役抽選によって決定する役抽選手段と、
前記複数のリールに各々対応して設けられ、外部からの操作に応じて対応するリールの停止指示を行う複数の停止指示手段と、
前記複数の停止指示手段のいずれかから前記停止指示がなされた時に、前記役抽選手段による抽選で当選した役に対応する図柄組合せが前記入賞ラインに沿って停止するように、前記停止指示がなされた停止指示手段に対応するリールを停止させるリール停止制御手段と、
前記役抽選において、前記所定の役が当選した場合、前記リール停止制御手段によって前記所定の役に対応する図柄組合せが前記入賞ラインに沿って停止させられることとなる、前記複数の停止指示手段の操作に関する報知を行う報知手段と、
所定の開始条件が成立してから所定の終了条件が成立するまでの間に、前記報知手段による報知を行わせる報知制御手段と、
前記報知制御手段により、前記報知手段による報知が行われている間、前記終了条件が成立する過程を表示する成立過程表示手段と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記所定の開始条件の成立後、前記役抽選において特定の役が当選するごとに、前記終了条件の成立要素となる終了抽選を行う終了抽選手段と、
複数種類の前記終了抽選の当選確率の中から所定の選択確率に従って選択した当選確率を、前記終了抽選手段によって行われる終了抽選の当選確率として設定する当選確率設定手段と、
前記終了抽選の当選回数を計数する当選回数計数手段と、
を備え、前記当選回数計数手段によって計数された当選回数が所定回数に達したときに、前記終了条件が成立したとみなし、
前記成立過程報知手段は、
前記選択確率に対応する選択確率情報、および、前記終了抽選に当選した回数を示す情報、または、そのいずれか一方の情報を報知するとともに、前記終了抽選が行われる毎に、該抽選結果を報知する
ことを特徴とするスロットマシン。
【0015】
ここで、「複数の停止指示手段」は、例えば、従来のスロットマシンにおけるストップスイッチに相当するものである。また、「複数の停止指示手段の操作に関する報知」とは、各ストップスイッチを操作すべき順序を示す報知や、所定の役に対応する図柄組合せを構成している図柄が、リール停止制御によって入賞ラインの位置に停止させることができるタイミングで、ストップスイッチを操作すべきことを示す報知などをいう。また、当該報知が開始されることとなる「所定の開始条件」とは、例えば、役抽選において予め定められた役に当選した時、予め定められた役が成立した時、役抽選で当選した所定の役が成立しなかった時、または、これらの事象が発生したことを契機として行われる乱数抽選により、報知を開始することが決定されたとき、などが挙げられる。さらに、「選択確率」は、たとえば、複数種類の当選確率の各々について選択する確率を定めたものであり、これら複数種類の当選確率のうち、選択の対象から除外する当選確率については、その選択確率を「0」に定めることができる。
【0016】
本発明に係るスロットマシンでは、所定の開始条件が成立すると、役抽選において所定の役が当選するごとに、当該所定の役に対応する図柄組合せが入賞ラインに沿って停止表示され、所定数の遊技媒体が払い出されることとなる、複数の停止指示手段の操作に関する報知が開始される。この報知が行われる期間は、終了抽選手段によって行われる終了抽選に所定回数だけ当選すると、所定の終了条件が成立したことになって終了する。すなわち、終了抽選は、所定の終了条件が成立するための要素(成立要素)になっている。また、終了抽選に当選する当選確率は、予め定められている複数種類の当選確率の中から、所定の選択確率に基づく選択抽選の結果に基づいて選択されたものに定められる。そして、上述した報知を行っている期間中、上記選択確率および終了抽選に当選した回数を遊技者に報知する。ここで、選択確率と終了抽選の当選回数のいずれか一方のみを報知するようにしてもよい。また、終了抽選が行われるごとにその抽選結果も報知される。
【0017】
このように、遊技者にとって有利な報知が行われる遊技期間の終了条件に関わる終了抽選の抽選結果および当選回数を報知して、遊技者に緊張感を与えるのみならず、終了抽選の当選確率を決定する際に行われる選択抽選の選択確率を表す情報を報知することによって、遊技者に、上述した遊技期間の持続性について期待感および緊張感をさらに与えることができる。すなわち、報知された選択確率が、低い当選確率を選択しやすいものであった場合は、遊技者に、上述した遊技期間がより長く持続することについて期待をもたせることができる。これに対して、報知された選択確率が、高い当選確率を選択しやすいものであった場合は、終了抽選が行われるたびに、当選してしまうかも知れないという緊張感を遊技者に持たせることができる。また、終了抽選の当選確率ではなく、複数種類の当選確率のいずれかを選択する確率についての情報を報知することにより、遊技者に、終了抽選に当選しにくい状態であることに対する期待を抱かせ易くなり、遊技者の遊技意欲を低下させにくくすることができる。
【0018】
また、本発明は、上述したスロットマシンにおいて、
前記報知制御手段は、
前記終了条件が成立することとなる前記終了抽選の当選回数と、前記開始条件成立時および前記終了抽選に当選するごとに前記終了抽選の当選確率を設定するための前記選択確率と、を定めた終了条件を記憶した終了条件記憶手段を備え、
前記当選確率設定手段は、
前記開始条件成立時および前記終了抽選当選時に、前記終了条件によって指定される前記選択確率に従って、前記終了抽選で用いられる当選確率を選択し、設定することを特徴とする。
【0019】
本発明に係るスロットマシンでは、所定の開始条件が成立して、役抽選において所定の役が当選するごとに、当該所定の役が成立することとなる複数の停止指示手段の操作に関する報知がなされる遊技が開始されると、終了条件として定められた選択確率に従って、終了抽選の当選確率が選択される。その後、終了抽選に当選するたびに、それぞれの当選時に対応して定められた選択確率に従って、終了抽選の当選確率を選択し直していく。これにより、上記遊技の開始時に定められた終了抽選の当選確率が、終了抽選に当選するごとに変化する可能性がある。また、当選確率の選択が行われる際の選択確率が、その都度報知されるため、遊技者における上述した遊技期間の持続性についての期待度が変化する可能性があり、これにより上述した遊技期間における興趣を向上させることができる。
【0020】
また、本発明は、上述したいずれかのスロットマシンにおいて、
前記報知制御手段は、
所定回数過去の遊技から今回の遊技までの間に投入された遊技媒体の総投入枚数および払い出された遊技媒体の総払出枚数を算出する遊技媒体算出手段と、
前記総払出枚数を前記総投入枚数で除した値が所定の数値を超えた場合に、前記当選確率設定手段によって設定された前記終了抽選の当選確率を上昇させる当選確率変動手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明に係るスロットマシンでは、所定回数過去の遊技から前回の遊技までの間に投入された遊技媒体の投入枚数の合計値に対する、払出枚数の合計値の比率が所定値を超えた場合、設定された終了抽選の当選確率を上昇させる。これにより、前述した遊技期間が短期間で終了する傾向となり、遊技者へ遊技媒体が払い出される機会を減少させることで、遊技者の射幸心をそそるおそれを低くすることができる。また、上記遊技を中断することなく遊技者の射幸心をそそるおそれを低くすることができるため、当該遊技が行われている間に実行される演出の興趣が損なわれることがない。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明のスロットマシンよれば、遊技者に有利な遊技が行われている間に、当該有利な遊技が持続する可能性について、遊技者の緊張感および期待感をより高める演出を行うことによって遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者の射幸心を過度にそそることがないように、上述した有利な遊技の実行を制御する場合において、当該有利な遊技の実行中における興趣が損なわれることなく演出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】同スロットマシンが備える各リールの図柄配列を説明するための説明図である。
【図3】同スロットマシンを制御する主制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】同スロットマシンを制御する副制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】同スロットマシンの制御の機能を示す機能ブロック図である。
【図6】同スロットマシンに予め定められている各種の役に対応する図柄組合せおよび配当の内容を説明するための説明図である。
【図7】同スロットマシンにおいて役抽選で参照される役抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。
【図8】同スロットマシンのストップスイッチの操作順序と、成立する役との関係を説明するための説明図である。
【図9】同スロットマシンにおけるRT状態の移行条件および移行先を示す遷移図である。
【図10】同スロットマシンのARTにおける終了抽選の各当選確率と、これら当選確率から1つを選択する際の選択確率を説明するための説明図である。
【図11】同スロットマシンにおいてARTへ移行するか否かを決定する移行抽選で用いられる移行抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。
【図12】同スロットマシンにおけるARTの各終了条件の内容と、各終了条件の選択率について説明するための説明図である。
【図13】同スロットマシンの主制御回路で実行される遊技の進行を制御するメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図14】同メインルーチン内で実行される役抽選処理サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図15】同メインルーチン内で実行されるリール変動、停止サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図16】同メインルーチン内で実行される入賞判定処理サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図17】同入賞判定処理サブルーチン内で実行される役当選時処理サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図18】本発明に係るスロットマシンの副制御回路において、ART中に行う報知を主に制御するART報知制御サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図19】同ART報知制御サブルーチンにおいて、ARTの終了条件を選択する際に実行する終了条件選択抽選処理サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図20】同副制御回路において、主にART中の画像演出に関する制御を行う演出画像制御サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図21】同演出画像制御サブルーチンにおいて、ART中における演出画像の表示を中断または再開するART演出中断処理サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図22】同演出画像制御サブルーチンにおいて、設定した終了抽選の当選確率を調整する当選確率調整処理サブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図23】本発明に係るスロットマシンのART中に表示する演出画像の内容を説明するための説明図である。
【図24】本発明に係るスロットマシンのART中に表示する演出画像の内容を説明するための説明図である。
【図25】本発明に係るスロットマシンのART中に表示する演出画像の内容を説明するための説明図である。
【図26】本発明に係るスロットマシンのART中に表示する演出画像の内容を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[スロットマシン本体の外観構成の説明]
本実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。図1は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの外周面に印刷された図柄を表示する、図柄表示領域である表示窓22が形成されている。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が、水平方向の同一直線上に並ぶように設けられ、各々リング状の形状を有し、その外周面には21個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓22からは、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された21個の図柄のうち、各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓22には、3(図柄)×3(リール)=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに連続して表示される3つの図柄のうち、最も上側の図柄表示位置を上段U、中央の図柄表示位置を中段M、最も下側の図柄表示位置を下段Lとする。
【0025】
また、表示窓22には、リール40L,40C及び40Rを横切る4本の入賞ラインが定められている。この4本の入賞ラインは、表示窓22内において、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段M、および、右リール40Rの上段Uを横切るV字形の入賞ラインL1と、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段M、および、右リール40Rの下段Dを横切る斜め右下がりの入賞ラインL2と、左リール40Lの下段D、中リール40Cの中段M、右リール40Rの上段Uを横切る斜め右上がり入賞ラインL3と、左リール40Lの下段D、中リール40Cの中段M、右リール40Rの下段Dを横切る山形の入賞ラインL4とによって構成されている。このように各入賞ラインは、リール40L,40C,40Rの、各々3つの図柄表示位置(上段U、中段M、下段D)のうち、いずれか1つを通過している。
【0026】
入賞ラインL1、L2、L3及びL4は、各々、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せを判定する際の基準となるラインであり、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、4本の入賞ラインのうち、有効とみなされた入賞ライン(以下、有効ラインという)が横切る図柄表示位置に停止表示された3つの図柄の組合せが、いずれかの役に対応していた場合に、その役が成立したことになる。すなわち、表示窓22内の図柄表示位置のうち、左リール40Lの上段Uおよび下段D、中リール40Cの中段M、並びに、右リール40Rの上段Uおよび下段Dは、それぞれ、いずれかの入賞ラインが通過する図柄表示位置(以下、入賞ラインの位置という)になっている。これに対して、左リール40Lの中段M、中リール40Cの上段Uおよび下段D、並びに、右リール40Rの中段Mは、入賞ラインが通過していない図柄表示位置であり、これらの図柄表示位置に停止表示された図柄は、上述した複数種類の役に対応する図柄組合せの判定には何ら関与しないことになる。
【0027】
フロントパネル20には、表示窓22の他に、遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるためのランプおよび表示器が設けられている。表示窓22の下側には、図1中、左から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ24a,24b,24c、クレジット数表示器26、および、獲得枚数表示器28が設けられている。ベット数表示ランプ24a,24b,24cは、1回の遊技に投入されるメダルの枚数を表示するものである。すなわち、1枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ24aのみが点灯し、2枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ24aおよび24bが点灯し、3枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ24a,24b,24cが点灯する。ここで、スロットマシン10は、3枚のメダルを投入すると1回の遊技が可能となり、入賞ラインL1〜L4が全て有効ラインとなる、いわゆる3枚賭専用機となっている。クレジット数表示器26は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述するRAM110に記憶されている)メダルの枚数を表示する。獲得枚数表示器28は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10において遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
【0028】
上述したフロントパネル20の下側には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入することができるメダル投入口32が設けられている。このメダル投入口32の内部には、メダルカウンタ(図示略)が設けられており、メダル投入口32から投入されたメダルを検出してその枚数をカウントする。また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へ投入することができる1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち3枚を遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。
【0029】
メダル投入口32から、または、各種ベットスイッチ34,35を操作することにより、スロットマシン10に3枚のメダルを投入すると、メダルが投入されるごとにベット数表示ランプ24a,24b,24cが順次点灯していき、入賞ラインL1〜L4が有効ラインとなる。また、各種ベットスイッチ34,35を操作してメダルを投入した場合は、後述するRAM110に記憶されているクレジット数から、投入されたメダルの枚数が減算され、これに伴って、クレジット数表示器26に表示されている値も減算される。規定枚数(3枚)のメダルが既に投入されている状態で、さらにメダル投入口32からメダルが投入されると、当該投入されたメダルの枚数が、RAM110に記憶されているクレジット数に加算されるとともに、クレジット数表示器26に表示されている値に加算される。
【0030】
操作パネル部30の前面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。遊技者がスロットマシン10に規定枚数(3枚)のメダルを投入した後、スタートスイッチ36を傾動操作すると、前述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、表示窓22において上から下へと移動表示される。操作パネル部30の前面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、左ストップスイッチ37Lは左リール40Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール40Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール40Rに対応している。ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達したときに、遊技者による操作が有効となる。そして、左ストップスイッチ37Lを遊技者が押動操作したときには、左リール40Lが停止し、中ストップスイッチ37Cを押動操作したときには、中リール40Cが停止し、右ストップスイッチ37Rを押動操作したときには、右リール40Rが停止する。このとき、3つのリール40L、40C及び40Rの各々は、各リールの外周面に描かれている図柄のうち、連続するいずれか3つの図柄の各中心位置が、表示窓22内の上段U、中段M、および、下段Dの各中央に位置付けられるように停止制御される。ここで、図柄の中心と、図柄表示位置の中央とが一致する位置を定位置という。スロットマシン10においては、遊技者がストップスイッチを操作したことによって対応するリールを停止させる際に、図柄が必ず定位置で停止するように、リール停止制御を行って図柄の停止位置を調整している。
【0031】
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。すなわち、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、有効ラインに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが、小役に対応していた場合、スロットマシン10の内部に設置されたホッパー(図示略)が作動してその小役に対応した枚数のメダルが払い出される。そして、払い出されたメダルは、メダル払出口60から排出されて受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
【0032】
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けられている。なお、画像表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この画像表示装置70は、遊技履歴を表示したり、特別遊技中における演出画像、後述する役抽選の結果に応じた演出画像、遊技の進行(メダル投入→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示したりすることができる。画像表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が成立した場合、成立した役に応じたパターンで点滅する上部効果ランプ72が設けられている。
【0033】
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。前述したように、リール40L、40C及び40Rの各外周面には21個の図柄が印刷されているが、これらは10種類の図柄からなっている。本実施形態では、図柄の種類として、動物のペレットをモチーフとした「ペレット」図柄、指輪をモチーフとした「リング」図柄、スイカをモチーフとした「スイカ」図柄、プラムをモチーフとした「プラム」図柄、互いに形状が異なるベルをモチーフとした「ベル1」図柄および「ベル2」図柄、互いに形状が異なる棒状の塊をモチーフとした「BAR1」図柄および「BAR2」図柄、並びに、数字の7を各々赤色および白色で表した「赤7」図柄および「白7」図柄がある。リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープには、これら10種類の図柄からなる21個の図柄が、図2に示す内容で等間隔に印刷されており、各図柄には、固有の番号(以下、図柄番号という)が予め付与されている。そして、これらリールテープを、各々対応するリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けると、図2に示す各図柄配列の図柄番号1と図柄番号21の図柄が連続することになる。
【0034】
また、リール40L、40C及び40Rが回転すると、表示窓22内に表示される各リールの3つの図柄は、連続する3つの図柄番号の値が増加する方向に移動表示されることになる。たとえば、リール表示窓22の下段Dから上段Uに向かって、図柄番号1,2,3の図柄が表示されていた場合、それ以降、表示される図柄は、図柄番号2,3,4→図柄番号3,4,5→図柄番号4,5,6→……と変化する。そして、図柄番号19,20,21が表示されると、引き続き、図柄番号20,21,1→図柄番号21,1,2→図柄番号1,2,3→……と変化していき、以下、リールが停止するまで図柄番号1から21のうち連続する3つの図柄が循環的にスクロール表示される。
【0035】
[制御回路の説明]
スロットマシン10を制御する制御回路は、主制御回路100と副制御回路200とで構成されている。ここで、主制御回路100のブロック図を図3に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を図4に示す。
≪主制御回路の説明≫
図1に示したスタートスイッチ36は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続され、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続されている。スタートスイッチ36から発せられたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。入出力バス104は、中央処理装置(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。上述したリール回転開始信号は、「操作信号」の1つを構成する。また、上述したインターフェイス回路102には、ストップスイッチ37L,37C及び37R、並びに1−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ35も接続されている。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。同様に、上述したストップスイッチ37L,37C又は37Rから発せられる信号も、リール停止信号として入出力バス104に供給される。
【0036】
上述した入出力バス104には、ROM(リード・オンリー・メモリ)108及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)110も接続されている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための各種データを記憶する。ROM108に記憶されているデータとしては、例えば、図2に示した各リールの図柄配列に関する情報、後述する図6に示す各種の役に対応する図柄組合せ、図7に示す各種役抽選テーブル、図8に示すストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じたリール停止制御情報などがある。また、ROM108に記憶される制御プログラムとしては、図13に示すメインルーチン、図14〜図17に示す各種サブルーチンの処理を実行するためのプログラムなどがある。RAM110は、上述した制御プログラムで使用する各種フラグ(たとえば、後述する各種役に対応した当選フラグ、再遊技成立フラグなど)や変数の値(表示窓22に表示されている図柄番号の値、後述する各種遊技の遊技回数など)を一時的に記憶することができる。
【0037】
また、RAM110には、スロットマシン10の状態を示す情報も記憶される。詳しくは後述するが、スロットマシン10の状態を示すものとしては、大別して遊技状態と、RT状態とがある。遊技状態には、一般遊技およびMB遊技1〜3の4種類の状態がある。RT状態は、遊技状態が一般遊技のときにおける、さらに詳細な状態を示すものであり、非RT、RT1、RT2の3種類の状態がある。そして、現在の遊技状態およびRT状態を示す情報が、RAM110に記憶される。
【0038】
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器112も接続されている。乱数発生器112は、一定の範囲の数値、例えば0〜65535(2の16乗)の範囲で乱数(整数)を発生させる。この乱数は、CPU106の演算処理によって発生させるように構成してもよい。さらに、入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続されている。モータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rの各々を回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続されている。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール40L、40C及び40Rの内周側に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトにリール40L、40C及び40Rの回転中心が取り付けられている。
【0039】
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行う。CPU106は、上述したように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rを制御することで、リール40L、40C及び40Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御を行う。リール40L、40C及び40Rの各々には、各リールの回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)が設けられており、回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続されている。リール40L、40C及び40Rの各々の回転角度位置を示す信号が回転角度位置センサから発せられたときには、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。そして、CPU106は、供給された回転角度位置から図柄番号を算出し、表示窓22に表示される各リールの3つの図柄を特定する。
インターフェイス回路102には、前述した各種スイッチの他に、接続線118も接続されており、この接続線118によって、主制御回路100は次に説明する副制御回路200と電気的に接続される。
【0040】
≪副制御回路の説明≫
次に、図4を参照して副制御回路200の構成について説明する。上述した接続線118は、副制御回路200の入出力バス204に接続されているインターフェイス回路202に接続される。主制御回路100から副制御回路200に送信された各種情報は、インターフェイス回路202において所定の信号に変換された後、入出力バス204に供給され、RAM210に格納される。入出力バス204は、CPU206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。この入出力バス204には、ROM208、RAM210、ランプ駆動回路218、表示駆動回路220、および、スピーカ駆動回路222も接続されている。
【0041】
ROM208は、ランプ駆動回路218、表示駆動回路220、および、スピーカ駆動回路222を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。また、ROM208は、画像表示装置70に表示するための種々の画像データ、スピーカ64L,64Rから発するための演奏音データ、上部効果ランプ72を点滅させるパターンデータなども記憶している。RAM210には、上述した制御プログラムを実行する過程で発生する各種データの他、主制御回路100から送信されてきた役抽選の結果、操作されたストップスイッチを示す情報、遊技の結果、および、前述した現在の遊技状態・RT状態などの各種情報も記憶される。
【0042】
ランプ駆動回路218は、主制御回路100から供給される各種情報信号に基づいてCPU206から出力される駆動指令に応じて上部効果ランプ72を点灯駆動する。表示駆動回路220は、主制御回路100から供給される情報信号に基づいてCPU206がROM208から読み出した画像データや文字データ等を、画像表示装置70に表示させる。これにより、画像表示装置70には、画像データが演出画面として表示され、もしくは、文字データがメッセージとして表示される。スピーカ駆動回路222は、主制御回路100から供給される情報信号に基づいてCPU206がROM208から読み出した音声データに応じてスピーカ64R,64Lを駆動し、図1に示した透音孔62R,62Lから音声を出力させる。
【0043】
[機能ブロック図の説明]
次に、スロットマシン10の制御回路の機能ブロック図を図5に示す。なお、以下の説明において、図1に示した各部と同じ構成については、同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。まず、制御回路として主制御回路100と副制御回路200とがあり、両者は電気的に接続されている。主制御回路100には、操作手段300と、リール40L、40C及び40Rの各々に設けられたモータ80L、80C及び80Rとが電気的に接続されている。副制御回路200には、スピーカ64L,64R、画像表示装置70、および、上部効果ランプ72を備える報知手段600が電気的に接続されている。操作手段300は、スタートスイッチ36からなる遊技開始指示手段310と、3つのストップスイッチ37L、37C及び37Rからなる停止指示手段320と、ベットスイッチ34及び35とから構成される。この操作手段300は、スイッチに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。また、報知手段600は、音や光など遊技者の聴覚的、視覚的に報知を行うものに限らず、たとえば、スロットマシン10の内部にバイブレータなどの振動発生装置を設けて特定の部位を振動させ、遊技者の触覚によって認知される報知を行うようにしても良い。
【0044】
≪主制御回路の説明≫
主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段420と、入賞判定手段430と、役抽選確率変動手段440と、入賞処理手段450とを含む。役抽選手段410は、役抽選処理によって、予め定められた役のうち、いずれか1つまたは複数の役に当選したか否かを定めるものである。上述した予め定められた役には、大別すると、小役、再遊技役、ボーナス役(特別役)の3種類がある。小役は、成立すると予め定められた枚数のメダルが遊技者に払い出されることとなる役であり、対応する図柄組合せに応じて複数種類の小役が定められている。再遊技役は、成立すると次の遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技を行うことができる役である。この再び行うことができる遊技を再遊技といい、再遊技における有効ラインは、再遊技役が成立した遊技における有効ラインと同一となる。ボーナス役は、成立すると、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまで、各遊技においてメダルを獲得できる可能性が高くなる特別遊技が開始されることとなる役である。本実施形態における特別遊技は、ミドルボーナスゲーム(以下、MB遊技という)といい、MB遊技中に払い出されたメダルの枚数が予め定められた枚数を超えると、終了条件が成立することになっている。また、本実施形態では、終了条件が異なる3種類のMB遊技が実行可能になっている。第1のMB遊技(以下、MB遊技1という)は、メダルの払出枚数が280枚を超えると終了し、第2のMB遊技(以下、MB遊技2という)は、メダルの払出枚数が140枚を超えると終了し、第3のMB遊技(以下、MB遊技3という)は、メダルの払出枚数が40枚を超えると終了する。なお、スロットマシン10では、いずれのMB遊技でない(特別遊技でない)遊技が一般遊技となる。
【0045】
<役抽選手段の説明>
役抽選手段410は、例えば、図3に示した乱数発生器112(ハード乱数等)と、この乱数発生器112が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段412と、乱数抽出手段412が抽出した乱数値を、ROM108に記憶された役抽選テーブルと照合することで、当選した役の有無及び当選した役を判定する乱数判定手段414とを備えている。この役抽選手段410による制御処理は、後述する役抽選処理サブルーチン(図14参照)のステップS44,S46に示される。ここで、図6を参照してスロットマシン10において成立し得る役の種類について説明する。図6は、各役の名称と、役が成立することとなる図柄組合せと、役が成立したときに遊技者へ払い出されるメダルの枚数とを対応付けた、配当情報の内容を示している。この配当情報は、図3に示した主制御回路100のROM108に記憶されている。
【0046】
図6に示すように、スロットマシン10で成立し得る役には、それぞれ左リール40L,中リール40C,右リール40Rに描かれた図柄からなる図柄組合せが対応付けられている。この図柄組合せは、有効ラインL1〜L4のいずれかに沿って停止表示された図柄組合せを意味しており、後述する入賞判定手段430が入賞判定を行う際に参照される。また、これらの図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されると、対応する役が成立したことになり、各々の役に対応した得点が遊技者に付与される。
【0047】
すなわち、MB役1が成立すると、次の遊技から前述したMB遊技1が開始され、MB役2が成立すると、次の遊技から前述したMB遊技2が開始される。また、MB役3aまたはMB役3bのいずれかが成立すると、次の遊技から前述したMB遊技3が開始される。小役が成立した場合は、成立した小役の種類に応じた枚数のメダルが遊技者へ払い出される。すなわち、小役1が成立した場合は2枚のメダルが払い出され、小役2a〜2j、小役3〜5のいずれかが成立した場合は10枚のメダルが払い出される。ここで、小役、すなわち、成立するとメダルの払い出しを伴う役が成立することを、入賞ともいう。また、図6において、小役1における右リールの図柄、小役4における左リールおよび右リールの図柄として「Any」と記載されているが、これは任意の図柄であることを示している。よって、たとえば小役4の場合、中リール40Cに関する有効ラインの位置(すなわち中段M)に、「BAR1」が停止すれば、その時点で小役4が入賞することになる。さらに、再遊技役a〜dのいずれかが成立した場合は、次の遊技が再遊技となる。
【0048】
また、詳しくは後述するが、小役2a〜2jについては、1回の役抽選において同時に複数の小役2が当選し得るようになっており、これら当選した複数の小役2のうちいずれの役が入賞し得るのかは、遊技者によるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序によって定まる(図6(b)参照)。同様に、再遊技役a〜dについても1回の役抽選で同時に複数の再遊技役が当選し得るようになっており、遊技者によるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて、再遊技役aまたは再遊技役bのいずれかが成立するようになっている。
【0049】
次に、ROM108に記憶されている役抽選テーブルの内容について図7を参照して説明する。図7に示す役抽選テーブルは、一般遊技中に使用される役抽選テーブルの内容を示しており、(a)はRT状態がRT2のときに使用される役抽選テーブルの内容、(b)はRT1のときに使用される役抽選テーブルの内容を示している。RT状態が非RTのときに使用される役抽選テーブルは、図7(a)とほぼ同じ内容であるが、抽選結果番号「14」(再遊技役a,b,d)と「15」(ハズレ)の当選数値範囲が若干異なっている。また、MB遊技1〜3の実行中は、抽選に依らずに全ての小役が当選したことにされるようになっているため、このときに参照される役抽選テーブルは存在しない。よって、図6に示した配当情報に示されていた小役5は、MB遊技中のみ入賞し得る役であるため、図7に示す役抽選テーブルでは抽選対象になっていない。
【0050】
役抽選テーブルは、乱数発生器112が発生し得る乱数値(0〜65535)と、抽選結果とを対応付けたものであり、乱数判定手段414は、乱数抽出手段412によって抽出された乱数値が、役抽選テーブルのどの当選数値範囲に属するかによって、1つの抽選結果(抽選結果番号)を導出する。1つの抽選結果番号に対応付けられている役の数は、1つまたは複数であり、例えば図7(a)に示す一般遊技中に使用される役抽選テーブルでは、抽選結果番号「1」〜「5」、「9」、「10」にはそれぞれ1つの役が対応付けられており、抽選結果番号「6」〜「8」、および「12」〜「14」には複数の役が対応付けられている。複数の役が対応付けられた抽選結果が導出された場合は、それら複数の役が同時に当選したものとして扱われる。たとえば、図7(a)に示す役抽選テーブルを使用して役抽選を行う場合、乱数抽出手段412によって抽出された乱数値が「2814」だったとすると、乱数判定手段414により抽選結果番号「6」が導出され、これに対応付けられた小役2a〜小役2hおよび小役2iが全て当選したことになる。
【0051】
また、非RT状態のときに使用される役抽選テーブルは、図7(a)において、抽選結果番号「14」の当選数値範囲が25385〜28198、抽選結果番号「15」の当選数値範囲が28199〜65535になっている。これにより、再遊技役の当選確率(合成確率)がRT2のときは1/7.2988になるのに対して、非RTのときは1/7.2980となり、ごく僅かながら再遊技役の当選確率が高くなっている。また、図7(b)に示すRT1のときに参照される役抽選テーブルは、抽選結果番号「1」〜「10」の各当選数値範囲(当選確率)については、図7(a)の役抽選テーブルと同じ内容であるが、抽選結果番号「11」〜「14」の各当選数値範囲が19219〜64218と大幅に拡大しており、これにより再遊技役の当選合成確率は、約1/1.46となる。これに対して、抽選結果番号「15」(ハズレ)の当選数値範囲は64218〜65535と縮小しており、ハズレとなる確率は、約1/49.76(非RT、RT2では約1/1.755)に低下する。
【0052】
<リール制御手段の説明>
リール制御手段420は、リール始動手段422、操作順序判断手段424、および、リール停止制御手段426を備え、リール40L、40C、40Rの作動に関する制御を行う。リール始動手段422は、スタートスイッチ36から発信されたリール回転開始信号を受信することによってモータ80L、80C、80Rを駆動し、リール40L、40C、40Rを回転させる。操作順序判断手段424は、ストップスイッチ37L,37C,37Rから出力されるリール停止信号に基づいて、最初、2番目、最後に各々操作されたストップスイッチの種類(左/中/右)を判断する。リール停止制御手段426は、ストップスイッチ37L、37C、37Rから発信されたリール停止信号に応じて、リール40L、40C、40Rを停止させる。リール始動手段422による制御処理は、後述するリール変動、停止サブルーチン(図15参照)のステップS74に示され、リール停止制御手段426による制御処理は、同サブルーチンのステップS78〜S84に示される。
【0053】
リール停止制御手段426は、遊技者によるストップスイッチ37L、37C、37Rの操作に応じて、対応するリール40L、40C、40Rを停止させる際に、予め定められた制約の範囲内で、役抽選の結果に則した図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示される制御を行う。たとえば、役抽選によって何らかの役が当選した状態で、あるストップスイッチが操作された場合、リール停止制御手段426は、その時点から対応するリールが所定の図柄数だけ移動(回転)する間に、上記当選した役に対応した図柄組合せを構成している図柄が、有効ラインが横切っている図柄停止位置(以下、有効ラインの位置という)に到達し得るときは、その図柄が有効ラインの位置に達したときにリールを停止させる。ここで、上述した所定の図柄数は、一般遊技中は全てのリールについて5図柄であるが、MB遊技中は、左リール40Lについては2図柄、中リール40Cおよび右リール40Rについては5図柄となる。
【0054】
これに対して、対応するリールを所定の図柄数だけ移動(回転)させたとしても、上記当選した役抽選の結果に対応した図柄組合せの構成図柄を、有効ラインの位置に到達させることができないときは、その間の適宜定められた図柄が有効ラインの位置で停止表示されるようにリールを停止させる。この場合、役抽選で何らかの役が当選していたとしても、その役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることがないため、その役は成立しない。以下では、このような状態を「取りこぼし」という。
【0055】
一方、役抽選の結果がハズレとなったときは、リール停止制御手段426は、いかなるタイミングでストップスイッチ37L、37C、37Rが操作されたとしても、何らかの役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることがないように、リール40L、40C、40Rを停止させる。
【0056】
さらに、リール停止制御手段426は、役抽選で複数の小役2または再遊技役が当選した場合、前述した操作順序判断手段424によって判断されたストップスイッチ37L、37C、37Rの操作順序に応じて、当選した複数の役のうち、予め定められた1つの役が成立するようにリール停止制御を行う。ここで、役抽選で複数の役が同時に当選した時に、成立させるべくリール停止制御が行われる図柄組合せ(役)と、ストップスイッチ37L、37C、37Rの操作順序との対応について、図8を参照して説明する。
【0057】
図8(a)は、役抽選で複数の小役2が同時に当選した(抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出された)場合の、操作順序とリール停止制御の対象となる役の種類との対応を示す図である。また、図8(b)は、役抽選で複数の再遊技役が同時に当選した(抽選結果番号「12」〜「14」のいずれかが導出された)場合の、操作順序とリール停止制御の対象となる役の種類との対応を示す図である。これらの図において「第1停止操作」とは、1回の遊技において、リール40L,40C,40Rが回転を開始してから最初にストップスイッチを操作することをいう。
【0058】
図8(a)に示すように、役抽選で抽選結果番号「6」が導出された場合、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lだったとすると(すなわち、結果として操作順序が左→中→右または左→右→中となる場合)、リール停止制御手段426は、その操作タイミングにおいて、小役2a〜2hのうち、入賞させることができる役に対応する図柄組合せが、有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。これに対して、第1停止操作が中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rに対して行われた場合は、小役2iに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。
【0059】
ここで、図1に示した入賞ラインL1〜L4の態様、図2に示した図柄配列、および、リール停止制御手段426によるリール停止制御の制御範囲(5図柄分)の関係により、いかなるタイミングでストップスイッチが操作されたとしても、小役2a〜2hに各々対応する図柄組合せのうちいずれかは、有効ラインに沿って停止表示させることができる。これに対して、小役2iに対応する図柄組合せは、図6に示したように左リール40Lにおいて「白7」図柄、中リール40Cにおいて「BAR2」図柄、右リール40Rにおいて「赤7」図柄となっている(以下、この図柄組合せについては、白7−BAR2−赤7と表記する。他の図柄組合せについても同様)。これらの図柄は、いずれも各リールにおいて1つずつしか配置されていないため、当該図柄が有効ラインの位置に停止し得るタイミングで各ストップスイッチを操作必要がある。言い換えると、これら図柄が有効ラインの位置に停止し得るタイミングで各ストップスイッチを操作しなかった場合は、取りこぼしが発生することになる。
【0060】
同様に、役抽選で抽選結果番号「7」が導出された場合、第1停止操作が中ストップスイッチ37Cだったとすると(すなわち、結果として操作順序が中→左→右または中→右→左となる場合)、リール停止制御手段426は、その操作タイミングにおいて、小役2a〜2hのうち、入賞させることができる役に対応する図柄組合せが、有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。これに対して、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lまたは右ストップスイッチ37Rに対して行われた場合は、小役2jに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。この小役2jに対応する図柄組合せも、小役2iの図柄組合せと同様、取りこぼしが起こり得る図柄組合せ(赤7−BAR2−白7)になっている。
【0061】
さらに、役抽選で抽選結果番号「8」が導出された場合、第1停止操作が右ストップスイッチ37Rだったとすると(すなわち、結果として操作順序が右→左→中または右→中→左となる場合)、リール停止制御手段426は、その操作タイミングにおいて、小役2a〜2hのうち、入賞させることができる役に対応する図柄組合せが、有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。これに対して、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lに対して行われた場合は、小役2iに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行い、中ストップスイッチ37Cに対して行われたとすると、小役2jに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。
【0062】
一方、役抽選で複数の再遊技役が同時に当選した(抽選結果番号「12」〜「14」のいずれかが導出された)場合は、図8(b)に示すようなリール停止制御が行われる。すなわち、役抽選で抽選結果番号「12」が導出された場合、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lだったとすると、リール停止制御手段426は再遊技役aに対応する図柄組合せ(プラム−プラム−プラム)が、有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。これに対して、第1停止操作が中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rに対して行われた場合は、再遊技役bに対応する図柄組合せ(プラム−リング−プラム)が有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。
【0063】
また、役抽選で抽選結果番号「13」が導出された場合、第1停止操作が中ストップスイッチ37Cだったとすると、リール停止制御手段426は再遊技役aに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。これに対して、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lまたは右ストップスイッチ37Rに対して行われた場合は、再遊技役bに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。
【0064】
さらに、役抽選で抽選結果番号「14」が導出された場合、第1停止操作が右ストップスイッチ37Rだったとすると、リール停止制御手段426は再遊技役aに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。これに対して、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lまたは中ストップスイッチ37Cに対して行われた場合は、再遊技役bに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されるようにリール停止制御を行う。
【0065】
ここで、図2に示したように、左リール40Lおよび右リール40Rにおける「プラム」図柄は、いかなるタイミングでストップスイッチが操作されたとしても、リール停止制御によって有効ラインの位置(上段Uまたは下段L)に停止させることができる配置になっている。また、中リール40Cにおける「プラム」図柄および「リング」図柄も、ストップスイッチの操作タイミングに関わらず、リール停止制御によって有効ラインの位置(中段M)に停止させることができる配置になっている。したがって、抽選結果番号「12」〜「14」のいずれかが導出された場合は、再遊技役aまたは再遊技役bのいずれかが必ず成立することになる。なお、抽選結果番号「11」が導出された場合は、再遊技役aが単独で当選したことになり、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関わらず、再遊技役aを成立させるリール停止制御が行われる。
【0066】
<主制御回路におけるその他の手段の説明>
図5に戻り、入賞判定手段430は、リール制御手段420により、リール40L,40C,40Rがすべて停止制御されると、図6に示した各図柄組合せを参照して有効ラインの位置に何らかの役に対応する図柄組合せが停止表示されたか否かの入賞判定を行う。また、入賞判定手段430は、入賞判定の結果、成立した役などに基づいて、前述した遊技状態(一般遊技,MB遊技1〜3)、および、RT状態(非RT,RT1,RT2)の移行について制御する。現在の遊技状態およびRT状態を示す情報は、図3に示したRAM110に記憶されており、これら情報は状態が移行するごとに更新される。入賞判定手段430は、後述する入賞判定処理サブルーチン(図16参照)に示される。
【0067】
遊技状態は、一般遊技中にMB役が成立すると、一般遊技から成立したMB遊技の遊技状態へ移行する。そして、各MB遊技中に払い出されたメダルの枚数が各々予め定められた枚数になると、MB遊技の終了条件が成立して遊技状態がMB遊技から一般遊技へ移行する。また、RT状態は、一般遊技中における遊技結果に応じて移行する。ここで、図9を参照して各RT状態間の移行条件について説明する。スロットマシン10の電源投入直後、および、MB遊技1〜3の終了時は、遊技状態が一般遊技になるとともに、RT状態は非RTとなる。
【0068】
非RTになっているときに、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが当選したが、いずれの小役2も入賞させることができなかった場合は、RT状態が非RTからRT1へ移行する。一方、非RTにおいて、役抽選で抽選結果番号「12」〜「14」のいずれかが当選したときに、再遊技役bが成立した場合はRT状態が非RTからRT2へ移行する。同様に、RT状態がRT1になっているときに、役抽選で抽選結果番号「12」〜「14」のいずれかが当選し、その遊技の結果、再遊技役bが成立した場合はRT状態がRT1からRT2へ移行する。そして、一旦RT2へ移行してしまうと、RT2のRT状態で500回の遊技が行われるまで他のRT状態へ移行することはなく、500回の遊技が行われると、非RTのRT状態へ移行する。なお、いずれのRT状態においても、MB役1〜3bのいずれかが成立した場合は、成立したMB役に対応するMB遊技へ移行する。
【0069】
RT状態が非RTとRT1とを比較すると、RT1のときは、役抽選における各MB役および小役の当選確率は非RTと同じであるが、再遊技役の当選確率は上昇している。よって、非RTに比べて少ないメダル枚数で多くの遊技を行うことができ、その分、役抽選の機会が増えるため、遊技者に有利な状態になっているといえる。また、非RTとRT2とを比較すると、非RTでは小役2を取りこぼせば、RT1へ移行することができるが、RT2では非RTを経由しなければRT1へ移行することができず、かつ、500回の遊技を行わなければ非RTへ移行することができない。このため、RT2は非RTに比べて有利者に不利な状態といえる。
【0070】
役抽選確率変動手段440は、RAM110に記憶されているRT状態情報を参照し、図7に示した役抽選テーブルのうち、現在のRT状態に対応する役抽選テーブルを選択する。この役抽選確率変動手段440は、図14に示す役抽選処理サブルーチンのステップS42に示される。入賞処理手段450は、入賞判定手段430によりいずれかの小役が成立したと判定された場合、スロットマシン10の内部に設けられているホッパー(図示略)を駆動して、成立した小役に対応する枚数のメダルを払い出すための制御を行う。この入賞処理手段450は、後述するメインルーチン(図13参照)のステップS38に示される。
【0071】
≪副制御回路の説明≫
副制御回路200は、主に演出制御手段510と、報知制御手段520とからなる。演出制御手段510は、演出データ記憶手段512および演出抽選手段514を有しており、主制御回路100から送信される各種制御情報に基づいて、報知手段600で実行する演出内容を決定する。演出データ記憶手段512は、画像表示装置70に表示する画像(動画または静止画)データ、スピーカ64L,64Rから発する効果音または楽音データ、上部効果ランプ72の点滅パターンを示すデータなどの各種データを記憶している。演出抽選手段514は、主制御回路100から役抽選の結果に関する情報を受信すると、演出データ記憶手段512から乱数抽選に基づいて役抽選の結果に応じた各種データを選択する。そして、演出制御手段510は、演出抽選手段514によって選択された各種データに基づく演出を、演出手段600に実行させる。演出手段600に実行させる演出としては、例えば、役抽選手段410による役抽選で当選した役の種類を遊技者に示唆するようなものが考えられる。
【0072】
報知制御手段520は、終了抽選手段521、当選確率設定手段522、終了条件選択手段523、終了条件記憶手段524、当選回数計数手段525、遊技媒体算出手段526、および、当選確率変動手段527を有している。そして、一般遊技中において遊技者に有利な遊技結果となる報知が行われることとなる特別一般遊技に関する制御を行う。ここで、特別一般遊技では、遊技者に有利な遊技結果となる報知として、以下の内容を報知する。
【0073】
(1)RT状態がRT1のときに、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出された場合に、小役2a〜2hのいずれかが入賞することになるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(図8(a)参照)を、第1停止操作が行われる前に報知する。
(2)RT状態が非RTまたはRT1のときに、役抽選で抽選結果番号「12」〜「14」のいずれかに当選したときに、再遊技役aが成立することになるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(図8(b)参照)を、第1停止操作が行われる前に報知する。
【0074】
上述した(1)の報知は、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作した場合は、小役2a〜2hのいずれかが入賞し、取りこぼすことがないため、遊技者にとって有利な遊技結果となる報知といえる。また、(2)の報知は、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作した場合は、再遊技役bが成立せず再遊技役aが成立する。よって、遊技者にとって不利な状態であるRT2への移行を回避することができるため(図9参照)、やはり遊技者にとって有利な遊技結果となる報知といえる。具体的な報知の態様としては、例えば、第1停止操作を行うべきストップスイッチの種類(右・中・左のいずれか)に対応した画像を画像表示装置70に表示する、対応する音声をスピーカ64Lおよび64Rから出力する、または、対応する点滅パターンによって上部効果ランプ72を点滅させる、ことなどが挙げられる。
【0075】
上述した特別一般遊技が行われる期間をアシストリプレイタイム(ART)という。ARTへの移行は、役抽選でMB役1、2、3a、3bのいずれかに当選したとき、または、遊技の結果、小役4が入賞したときに実行される移行抽選に当選したときに行われる。また、後述する終了抽選に当選した回数が所定回数になると、ARTが終了することになる。スロットマシン10では、終了抽選に関わる種々の条件を変化させ、ARTの持続性に影響を与えることで、遊技に関する興趣の向上を図っている。
【0076】
図5において、終了抽選手段521は、ART中において、役抽選手段410による役抽選の結果、抽選結果番号「11」が導出される(再遊技役aが単独で当選。図7参照)と、当選確率設定手段522によって設定された当選確率に基づいて終了抽選を行い、当該終了抽選に当選したか否かを決定する。この終了抽選手段521による制御処理は、後述するART報知制御サブルーチン(図18参照)のステップS232,S234に示される。当選確率設定手段522は、予め定められている6通りの終了抽選の当選確率の中からいずれか1つを、後述する選択確率に基づく乱数抽選(以下、選択抽選という)によって選択する。そして、選択した当選確率を、終了抽選に用いる当選確率として設定する。この当選確率設定手段522による制御処理は、後述する演出画像制御サブルーチン(図20参照)のステップS314,S340,S330に示される。
【0077】
終了抽選の当選確率は、図10に示すように、1/1,1/15,1/23,1/53,1/107,1/213の6通りが設定されている。また、終了条件によって指定され得る選択確率は、図10に示すように、選択確率A〜Eの5通りがあり、このうち終了条件によって指定されるのは選択確率B〜Eのいずれかとなる。選択確率Aに従って当選確率が選択される状態については後述する。選択確率Aに基づいて当選確率を選択する場合は、必ず1/1の当選確率が選択されることになる。選択確率Bに基づいて当選確率を選択する場合は、92%の確率で1/15の当選確率を選択し、5%の確率で1/23の当選確率を選択し、各々1%ずつの確率で、1/53、1/107、1/213のいずれかを選択する。
【0078】
選択確率Cに基づいて当選確率を選択する場合は、40%の確率で1/15の当選確率を選択し、50%の確率で1/23の当選確率を選択し、6%の確率で1/53の当選確率を選択し、3%の確率で1/107の当選確率を選択し、1%の確率で1/213の当選確率を選択する。また、選択確率Dに基づいて当選確率を選択する場合は、40%の確率で1/23の当選確率を選択し、50%の確率で1/53の当選確率を選択し、6%の確率で1/107の当選確率を選択し、4%の確率で1/213の当選確率を選択する。さらに、選択確率Eに基づいて当選確率を選択する場合は、1/107および1/213の当選確率を、各々50%ずつの確率で選択する。
【0079】
終了条件選択手段523は、役抽選でMB役1〜3bのいずれかに当選したとき、または、小役4が入賞すると、図11に示す抽選テーブルに基づいてARTへ移行するか否かの抽選(以下、移行抽選という)を行う。図11の抽選テーブルに示すように、ARTへ移行する確率は、役抽選で当選または遊技の結果入賞した役の種類と、そのときの遊技状態とによって異なっている。すなわち、役抽選でMB役1〜3bのうち、MB役1が当選した時は、必ずARTへ移行することになるが、MB役2が当選した時は、50%の確率でARTへ移行することになる。また、MB役3aまたは3bが当選した場合、その時の遊技状態が一般遊技中だった場合は30%の確率でARTへ移行し、ART中に当選した場合は、20%の確率でARTへ移行することになる。なお、ART中に、ARTへの移行抽選に当選したときの処理については後に詳しく説明する。一方、小役4が入賞した場合は、遊技状態に関わらず、必ずARTへ移行することになる。
【0080】
上述した移行抽選でARTへ移行することが決定されると、終了条件選択手段523は、終了条件記憶手段524に記憶されている複数種類の終了条件の中からいずれか1つを選択する。この終了条件記憶手段524は、図4に示したRAM210に相当する。ここで、図12を参照して終了条件の内容について説明する。終了条件は、ARTが終了することとなる終了抽選の当選回数と、終了抽選に当選するまでの間における当選確率を設定する際に参照された選択確率を示す情報と、からなっている。図12は、No.1から14までの終了条件からなる終了条件群を示している。そして、1つの終了条件につき最大で3つの選択確率が定められており、この選択確率の数が当選回数を示している。また、「終了条件」欄の「1」欄、「2」欄、「3」欄に各々記載されている「B」から「E」のアルファベットは、図10に示した選択確率B〜Eに対応している。ここで、以下では、「1」欄に記載された選択確率を第1の選択確率、「2」欄に記載された選択確率を第2の選択確率、「3」欄に記載された選択確率を第3の選択確率という。
【0081】
上述した終了条件に基づいてARTを開始するときには、まず、図10に示した当選確率選択テーブルに記載された各選択確率のうち、第1の選択確率に基づいて終了抽選の当選確率を選択する。そして、以下、終了抽選に当選するごとに、第2,第3の選択確率に順次基づいて当選確率を選択する。なお、最後の選択確率に基づいて当選確率を選択した後に、終了抽選に当選したときは、No.1からNo.14のいずれの終了条件においても、必ず選択確率Aに基づいて当選確率の選択を行う。図10に示したように、選択確率Aに基づいて当選確率の選択を行った場合は、100%の確率で1/1の当選確率が選択される。そして、1/1の当選確率で終了抽選が行われて、当該終了抽選で当選したときに、ARTが終了することになる。
【0082】
例えば、図12に示すNo.1の終了条件に基づいてARTを開始する場合は、まず、開始時に第1の選択確率(選択確率B)に基づいて終了抽選の当選確率が選択される。その後、終了抽選が行われるときは、ARTの開始時に選択された当選確率に従って終了抽選が行われる。そして、終了抽選で当選すると、次に選択確率Aに基づいて当選確率が選択され、この状態で終了抽選に当選すると、ARTが終了する。
【0083】
また、例えば終了条件No.12が選択された場合、当選確率設定手段522は、ARTの開始時に第1の選択確率(選択確率D)に基づいて当選確率を選択し、この状態で終了抽選に最初に当選すると、次に第2の選択確率(選択確率C)に基づいて当選確率を選択する。そして、さらに終了抽選に当選すると、第3の選択確率(選択確率B)に基づいて当選確率を選択する。この状態で終了抽選に最後に当選したときは、当選確率設定手段522は選択確率Aに基づいて当選確率を選択する。これにより、終了抽選の当選確率は100%となり、この状態で役抽選で抽選結果番号「11」が導出されると、必ず終了抽選に当選する。そして、この当選によって、報知制御手段520はARTを終了させる。
【0084】
終了条件記憶手段524に記憶された終了条件群(図12参照)は、No.1〜14の終了条件からなっており、各終了条件には各種遊技状態に応じた選択率が定められている。そして、終了条件選択手段523は、図11に示した抽選テーブルに基づいて移行抽選を行った結果、ARTへの移行が決定されると、そのときの遊技状態に応じた選択率に従って終了条件を選択する。図12において、「一般遊技中」欄に示される選択率は、一般遊技中に役抽選でMB役1〜3bのいずれかに当選するか、小役4に入賞した場合に参照される選択率を示している。「ART中A」欄に示される選択率は、ART中に小役4に入賞した場合に参照される選択率を示している。「ART中B」欄に示される選択率は、ART中に役抽選でMB役1〜3bのいずれかに当選した場合に参照される選択率を示している。「MB遊技中」欄に示される選択率は、MB遊技1〜3のいずれかを行っているときに、小役4に入賞した場合に参照される選択率を示している。
【0085】
図12に示す各選択率のうち、例えば「一般遊技中」欄に示される選択率の場合、No.1〜No.6の終了条件が選択されることはなく、No.7,10,12のいずれかの終了条件が選択される可能性が高いことを示している。また、No.9,11,13,14の終了条件のように、終了抽選における当選確率の設定に当たり、低い当選確率が選択されることとなる選択確率E(図10参照)を含む終了条件も、低い確率(1%)ながら選択され得る。
【0086】
また、「第1天井」欄および「第2天井」欄に示される各選択率は、各々所定の条件を満たしたときに、移行抽選を行わずに、終了条件の選択が行われるときに参照されるものである。「第1天井」欄に示される選択率は、RT状態がRT2の状態でMB遊技が行われることなく500回の遊技が行われたときに、参照されるものである。すなわち、非RTまたはRT1からRT2へ移行後、500回の遊技が行われると、非RTへ移行することになる(図9参照)。このとき、移行抽選を行うことなく「第1天井」欄に示される選択率に基づいて終了条件が選択され、ARTへ移行する。
【0087】
「第2天井」欄に示される選択率は、図11に示した移行抽選テーブルに基づく移行抽選に当選しなかった回数が、連続して7回になったときに参照されるものである。これにより、移行抽選に7回連続して当選しなかった場合、「第2天井」欄に示される選択率に基づいて終了条件が選択され、ARTへ移行する。以上の終了条件選択手段523による制御処理は、後述する終了条件選択抽選処理サブルーチン(図19参照)に示される。
【0088】
図5に戻り、当選回数計数手段525は、終了抽選手段521による終了抽選に当選した回数を計数する。この当選回数計数手段525による制御処理は、後述する演出画像制御サブルーチン(図20参照)のステップS326,S328に示される。遊技媒体算出手段526は、現在から過去17500回までの各遊技について、スロットマシン10に投入されたメダルの枚数と、払い出されたメダルの枚数とを記憶する。そして、現在から過去400回、6000回、および、17500回の各遊技で、投入されたメダル枚数の合計値および払い出されたメダル枚数の合計値を、各々算出する。この遊技媒体算出手段526による制御処理は、後述するART報知制御サブルーチン(図18参照)のステップS202、演出画像制御サブルーチン(図20参照)のステップS292、および、当選確率調整処理サブルーチン(図22参照)のステップS380,S386,S390に示される。
【0089】
当選確率変動手段527は、当選確率設定手段522によって終了抽選の当選確率が設定されたときに、遊技媒体算出手段526によって算出された、現在から所定遊技回数(400回、6000回、17500回)過去に払い出されたメダル枚数の合計値を、投入されたメダル枚数の合計値で除した値を算出する。そして、この値が所定値を超えていたときは、当選確率設定手段522によって設定された当選確率を上昇させる。この当選確率変動手段527による制御処理は、後述する当選確率調整処理サブルーチン(図22参照)のステップS382,S384,S388,S392に示される。
【0090】
以上の各種手段を有する報知制御手段520は、ART中において、終了条件選択手段523が選択した終了条件によって指示される終了抽選の当選回数と、現在までに終了抽選に当選した回数と、現在行われているART中における終了抽選の当選確率を、当選確率設定手段522が設定する際に用いた選択確率とを、画像表示装置70に表示する。
【0091】
[制御処理の説明]
次に、上述した制御回路において行われる各種の制御について、フローチャートを参照して詳細に説明する。
図13は、主制御回路100で行われる制御処理を示すメインルーチンのフローチャートである。図14から図17は、このメインルーチンで実行される各サブルーチンのフローチャートである。これらサブルーチンのうち、図14は、図5に示した役抽選手段410による役抽選と、役抽選確率変動手段440による役抽選テーブルの切替制御とを行う役抽選処理サブルーチンのフローチャートである。図15は、リール制御手段420により、リール40L,40C,40Rの回転、停止のための制御を行うリール変動、停止サブルーチンのフローチャートである。図16は、入賞判定手段430により、成立した役の有無、および、成立した役の種類を判定し、成立した役に応じた特典を遊技者に与えるために行う賞判定処理サブルーチンのフローチャートである。図17は、図16の入賞判定処理サブルーチンの一部をなす、役当選時処理サブルーチンのフローチャートである。また、図18〜図22は、副制御回路200において、主制御回路100から受信した制御情報に基づいて、ARTに関する各種制御の処理を示すフローチャートである。
【0092】
[主制御回路における制御処理の説明]
≪メインルーチンの説明≫
まず、主制御回路100のCPU106によって実行されるメインルーチンの制御処理の説明を、図13のフローチャートを用いながら説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、リール40L,40C,40Rを回転させて停止させるまでの1工程を1回とする遊技を行うときの制御処理を示す。
【0093】
スロットマシン10の電源を投入すると、CPU106は、所定のセルフチェックを行い、RAM110に記憶される各種フラグや制御データの初期値を設定する(ステップS10)。次に、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技成立フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS12)。この再遊技成立フラグは、前回の遊技で再遊技役が成立した場合、後述する図17に示す役当選時処理サブルーチンのステップS146でオンにされる。再遊技成立フラグがオフ(NO)と判断した場合、CPU106は、ベットスイッチ34または35が操作されたことによって送信されたベット操作信号を、受信したか否かを判断する(ステップS14)。ベット操作信号を受信した(YES)と判断した場合、CPU106は、操作されたベットスイッチに対応する枚数のメダルが、クレジットされているか否かを判断する(ステップS16)。
【0094】
RAM110に記憶されているクレジット数の値が、操作されたベットスイッチに対応するメダル枚数(以下、投入枚数という)の値未満であった場合は、クレジットされたメダルがない(NO)と判断し、再びステップS14へ戻る。これに対して、RAM110に記憶されているクレジット数の値が、投入枚数の値以上であった場合は、ステップS16において、クレジットされたメダルが有る(YES)と判断する。この場合、CPU106は、RAM110に記憶されているクレジット数の値から、投入枚数の値を減算する(ステップS18)。そして、CPU106は、投入枚数の値を、RAM110に記憶されているベット数の値に加算し、加算後のベット数の値に応じて、図1に示したベット数表示ランプ24a,24b,24cの点灯状態を更新する(ステップS20)。次にCPU106は、RAM110に記憶されているベット数の値が規定数(3枚)になったか否かを判断し(ステップS22)、規定数に達していない(NO)と判断した場合は、ステップS14へ戻り、達した(YES)と判断した場合は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS28)。
【0095】
一方、ステップS14で、ベット操作信号を受信していない(NO)と判断した場合、CPU106は、メダルが投入されたか否かを判断する(ステップS24)。すなわち、メダル投入口32の内部に設置されたメダルセンサによりメダルが検出された場合は、メダルが投入された(YES)と判断して、ステップS20へ進み、RAM110に記憶されているベット数の値に「1」を加算する。そして、ステップS22へ進み、投入されたメダルの枚数が規定数に達したか否かを判断する。これに対して、ステップS24で、メダルセンサによりメダルが検出されなかった場合は、メダルが投入されなかった(NO)と判断してステップS14へ戻る。
【0096】
なお、前述したステップS12において、再遊技成立フラグがオンになっている(YES)と判断した場合は、CPU106は、再遊技成立フラグをオフ(ステップS13)にした後、ステップS28へ進み、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する。これにより、再遊技役が成立した次の遊技では、メダルを新たに投入し、または、クレジットしたメダルを消費することなく、再び遊技を行うことができる。また、再遊技におけるベット数は、RAM110に記憶されている前回の遊技で投入されたベット数が用いられる。
【0097】
ステップS28において、CPU106は、スタートスイッチ36からリール回転開始信号を受信したか否かを判断する(ステップS28)。リール回転開始信号を受信していないことから、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されていない(NO)と判断した場合は、再度ステップS28の判断を行う。そして、リール回転開始信号を受信するまで、CPU106はステップS28の処理を繰り返し行う。なお、この間にメダル投入口32からメダルが投入された場合は、RAM110に記憶されているクレジット数の値に投入されたメダルの枚数を加算するようにしてもよい。ステップS28において、CPU106がリール回転開始信号を受信したことにより、遊技者によってスタートスイッチ36が操作された(YES)と判断すると、図14に示す役抽選処理サブルーチンを実行する(ステップS30)。当該サブルーチンを実行した結果、何らかの役に当選した場合は、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、当選した役の当選フラグをオンにする。
【0098】
次にCPU106は、ステップS30の処理によって得られた役抽選の結果に基づいて、リール40L,40C,40Rを回転させてから停止させるリールの動きを制御するためのリール変動、停止サブルーチンを実行する(ステップS32)。このリール変動、停止サブルーチンの詳細については、図15のフローチャートを用いて後述する。ステップS32のリール変動、停止サブルーチンを実行したことにより、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、次にCPU106は、何らかの役が成立したか否かを判定し、その判定結果に応じて遊技状態の移行処理を行う入賞判定処理サブルーチンを実行する(ステップS34)。このサブルーチンの詳細については、図16〜図17のフローチャートを用いて後述する。
【0099】
そして、CPU106は、ステップS30で入賞判定処理サブルーチンを実行した後、小役が入賞した場合は、その小役に対応する枚数のメダルを払い出す払い出し処理(ステップS38)を行う。この払い出し処理は、実際にメダルをメダル払出口60から払い出すことも可能であるし、払い出すメダルの枚数をRAM110に記憶されているクレジット数に加算して、クレジットすることも可能である。以上の制御処理によって1回分の遊技が終了し、CPU106は再びステップS12の処理へ戻る。このように、メインルーチンに示される制御処理を繰り返すことにより、遊技者は継続して遊技を行うことができる。
【0100】
<役抽選処理サブルーチンの説明>
次に、メインルーチンのステップS30で行われる役抽選処理サブルーチンについて、図14に示すフローチャートを用いながら詳細に説明する。
【0101】
まず、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を参照し、現在の遊技状態が一般遊技であるか否かを判断する(ステップS40)。現在の遊技状態が一般遊技である(YES)と判断した場合は、RAM110に記憶されている現在のRT状態を参照して、現在のRT状態に対応する役抽選テーブルを読み出す(ステップS42)。すなわち、現在のRT状態が非RTまたはRT2であれば、図7(a)に示した役抽選テーブル(前述したように、厳密には再遊技役の当選確率が僅かに異なる別々の役抽選テーブル)を読み出し、RT1であれば、図7(b)に示した役抽選テーブルを読み出す。
【0102】
次にCPU106は、乱数発生器112で発生した乱数を取得し、ステップS42で読み出した役抽選テーブルと照らし合わせて何れかの役に当選したか、または、ハズレたかの判定を行う(ステップS44)。すなわち、取得した乱数と、役抽選テーブルの各抽選結果番号に対応する当選数値範囲とを順次比較し、取得した乱数が含まれる当選数値範囲に対応した抽選結果番号が、役抽選の結果として導出される。このステップS44の処理は、図5に示した乱数抽出手段412および乱数判定手段414に相当する。また、ステップS42の処理によって、現在のRT状態に応じてROM108から読み出した、役抽選テーブルに基づいて役抽選が行われ、各RT状態に応じて役抽選における再遊技役の当選確率が変動することから、ステップS42の処理は、図5に示した役抽選確率変動手段440に相当するといえる。
【0103】
CPU106は、導出された抽選結果番号に対応する役を、役抽選で当選した役(以下、単に当選役という)とみなし、RAM110に予め設定されている各役(図6参照)に対応する当選フラグのうち、当選役とみなされた役に対応する当選フラグをオンにする(ステップS46)。ここで、役抽選テーブルにおいて、複数の役が対応付けられた抽選結果番号(「6」〜「8」、「12」〜「14」)が導出された場合、それら複数の役に対応するすべての当選フラグをオンにする。また、詳しくは後述するが、各当選フラグのオン/オフ状態は、図15に示すリール変動、停止サブルーチンの処理によって、リール停止制御を行う際に参照される。
【0104】
次にCPU106は、小役2が同時に当選したか否かを判断する(ステップS48)。そして、複数の小役2が同時当選した(YES)と判断した場合は、抽選結果番号(「6」〜「8」のいずれか)に対応するリール停止制御情報(図8(a)参照)を、ROM108から読み出してRAM110に記憶する(ステップS50)。これに対して、ステップS48で複数の小役2が同時当選しなかった(NO)と判断した場合は、CPU106は、複数の再遊技役が同時に当選したか否かを判断する(ステップS52)。そして、複数の再遊技役が同時当選した(YES)と判断した場合は、抽選結果番号(「12」〜「14」のいずれか)に対応するリール停止制御情報(図8(b)参照)を、ROM108から読み出してRAM110に記憶する(ステップS54)。
【0105】
CPU106は、ステップS50もしくはS54の処理を終えると、または、複数の小役2もしくは再遊技役に同時当選しなかった(ステップS52,NO)と判断した場合は直ちに、導出された抽選結果番号と、制御対象図柄データとを、ROM108から読み出してRAM110の所定記憶領域に記憶する(ステップS56)。制御対象図柄データは、次に説明するリール変動、停止サブルーチンの処理において、リール停止制御を行う際に、有効ラインの位置に停止表示させるべき図柄を示すデータである。言い換えると、制御対象図柄データは、導出された抽選結果番号に対応する役の図柄組合せ(図6参照)の内容を示すデータであるともいえる。
【0106】
そして、CPU106は、少なくとも現在の遊技状態およびRT状態、メダルの投入枚数(再遊技のときは「0」となる)、並びに、導出された抽選結果番号を含む役抽選情報を、副制御回路200へ送信する(ステップS58)。そして、役抽選処理サブルーチンを終了して、図13に示したメインルーチンのステップS32の処理へ進む。
【0107】
なお、ステップS40の判断処理において、現在の遊技状態が一般遊技ではない、すなわち、MB遊技1〜3のいずれかである(NO)と判断した場合は、RAM110内の当選フラグのうち、小役5を含む全ての小役に対応する当選フラグをオンにする(ステップS60)。その後、ステップS58へ進み、役抽選情報を副制御回路200へ送信し、役抽選処理サブルーチンを終了する。
【0108】
<リール変動、停止サブルーチンの説明>
図13に示したメインルーチンにおいて、上述の役抽選処理サブルーチン(ステップS30)が終了すると、次にCPU106は、リール変動、停止サブルーチン(ステップS32)の処理を行う。以下、図15に示すリール変動、停止サブルーチンのフローチャートを用いて詳細な説明を行う。
【0109】
まず、CPU106は、図14のステップS56で記憶した抽選結果番号および制御対象図柄データをRAM110から読み出す(ステップS70)。そして、前回の遊技でリール40L,40C,40Rが回転を開始してから、予め定められた最短時間(たとえば4.1秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS72)。もし、最短時間が経過していない(NO)と判断したときには、このステップS72の判断処理を繰り返し実行する。つまり、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転開始が行われないようになっている。これより、一定時間内に行われる遊技によって消費されるメダルが、所定枚数を越えないような制御を行っている。最短時間が経過した(YES)と判断した場合、CPU106は、リール回転開始信号を図3に示したモータ駆動回路114へ送信する(ステップS74)。この信号に基づいて、モータ駆動回路114は、モータ80L、80C、80Rの駆動を開始し、リール40L、40C、40Rが回転を始める。
【0110】
次に、CPU106は、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS76)。リールの回転がまだ定速回転になっていない(NO)と判断したときには、このステップS76の判断処理を繰り返す。つまり、リールの回転が定速回転に達するまでは、次の工程であるリールの停止制御が行われないようになっている。CPU106が、リールの回転が定速回転になっている(YES)と判断した場合、次に、ストップスイッチ37L,37C,37Rから、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS78)。このリール停止信号は、ストップスイッチ37L、37C、37Rの各々から、遊技者によって押動操作されたときに発信される。また、CPU106は、リール停止信号を発信したストップスイッチに対応するリールの停止制御を行う。すなわち、左ストップスイッチ37Lからリール停止信号が発信された場合には、左リール40Lを回転させるモータ80Lの停止制御が行われる。同様に、中ストップスイッチ37Cからリール停止信号が発信された場合には、中リール40Cを回転させるモータ80Cの停止制御が行われ、右ストップスイッチ37Rからリール停止信号が発信された場合には、右リール40Rを回転させるモータ80Rの停止制御が行われる。
【0111】
CPU106は、リール停止信号を受信した(YES)と判断した場合、CPU106は、リール停止信号を発信したストップスイッチを示す停止操作情報を、副制御回路200へ送信する(ステップS80)。次いでCPU106は、ステップS70でRAM110から読み出した各種情報に基づいて、図柄組合せ制御を行う(ステップS82)。図柄組合せ制御においては、リール停止信号を受信したときに表示窓22に表示されていた図柄の位置から、最大4図柄分、リールが回動するまで停止位置をずらすことが可能である。そして、RAM110に記憶されている各役の当選フラグをチェックし、オンになっている当選フラグに対応した役の図柄組合せが、1つの有効ラインに沿って停止表示されるように、リールの停止制御を行う。
【0112】
ここで、現在の遊技状態がMB遊技1〜3のいずれかであった場合、CPU106は、中リール40Cおよび右リール40Rについては、4図柄分の範囲内でリールの停止制御を行うが、左リール40Lについては、最大で2図柄分の範囲内でリールの停止位置を行う。また、一般遊技中において、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」および「12」〜「14」のいずれかが導出された場合は、図8に示したように、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて成立させる役が異なる。すなわち、有効ラインに沿って停止表示させるべく、リール停止制御の対象となる図柄組合せが、操作順序に応じて異なってくる。
【0113】
次にCPU106は、すべてのリールを停止させたか否かを判断する(ステップS84)。すべてのリールが停止していない(NO)と判断した場合は、ステップS78へ戻り、再びリール停止信号に応じた図柄組合せ制御を行う。なお、ステップS78において、リール停止信号を受信していない(NO)と判断した場合は、直接ステップS84へ進み、すべてのリールを停止させたか否かを判断する。このように、すべてのリールを停止させるまで、ステップS78〜S84の処理を繰り返し行い、ステップS84で、CPU106がすべてのリールが停止した(YES)と判断すると、リール変動、停止処理を終了して、図13に示したメインルーチンのステップS34へ進む。
【0114】
<入賞判定処理サブルーチンの説明>
図13のメインルーチンにおいて、上述したリール変動、停止サブルーチン(ステップS32)が終了すると、次に、CPU106は、入賞判定処理サブルーチン(ステップS34)を行う。以下、図16に示す入賞判定処理サブルーチンのフローチャートを用いての詳細な説明を行う。
【0115】
まず、CPU106は、表示窓22に停止表示された9つの図柄の種類を識別し、有効ラインL1〜L4の各々に沿って停止表示された図柄組合せを認識する(ステップS90)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を参照し、現在の遊技状態がMB遊技中であるか否かを判断する(ステップS91)。MB遊技中である(YES)と判断した場合、CPU106は、有効ラインL1〜L4の各々に沿って停止表示された図柄組合せのうち、何らかの小役に対応する図柄組合せがあるか否かを判断する(ステップS94)。何らかの小役に対応する図柄組合せがある(YES)と判断した場合、CPU106は、その小役が入賞したものとして、メダルを払い出すための準備を行う。
【0116】
すなわち、図6に示した配当情報から、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数を読み出し、RAM110に記憶された払出枚数カウントの値を、読み出した払出枚数の値に更新する(ステップS96)。これにより、図13に示したメインルーチンにのステップS38において、更新された払出枚数カウントの値が読み込まれ、その値と同数のメダルが払い出されるまで、スロットマシン10内のホッパーが駆動される。次にCPU106は、RAM110に記憶された払出総数カウントの値に、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数の値を加算する(ステップS98)。そして、ステップS98の処理によって更新された払出総数カウントの値に基づいて、現在行っているMB遊技の終了条件が満たされたか否かを判断する(ステップS100〜S108)。
【0117】
まず、CPU106はステップS100へ進み、現在のMB遊技がMB遊技1であるか否かを判断する。現在のMB遊技がMB遊技1であった(YES)ときは、払出総数カウントの値が280を超えているか否かを判断する(ステップS102)。そして、払出総数カウントの値が280を超えていた(YES)ときは、MB遊技1の終了条件を満たしたと判断し、超えていなければ終了条件を満たしていない(NO)と判断する。また、ステップS100において、現在のMB遊技がMB遊技1でなかった(NO)と判断した場合は、次にCPU106は、現在のMB遊技がMB遊技2であるか否かを判断する(ステップS104)。現在のMB遊技がMB遊技2であった(YES)ときは、払出総数カウントの値が140を超えているか否かを判断する(ステップS106)。そして、払出総数カウントの値が140を超えていた(YES)ときは、MB遊技2の終了条件を満たしたと判断し、超えていなければ終了条件を満たしていない(NO)と判断する。さらに、ステップS104の判断処理において、現在のMB遊技がMB遊技2ではない(NO)と判断した場合、CPU106は、現在のMB遊技はMB遊技3であるとみなし、払出総数カウントの値が40を超えているか否かを判断する(ステップS108)。そして、払出総数カウントの値が40を超えていた(YES)ときは、MB遊技3の終了条件を満たしたと判断し、超えていなければ終了条件を満たしていない(NO)と判断する。
【0118】
以上のステップS100〜S108の処理を行うことにより、CPU106が、現在のMB遊技の終了条件を満たした(ステップS102,S106,S108→YES)と判断した場合は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を、「一般遊技」に更新する(ステップS110)。さらに、RAM110に記憶されている現在のRT状態を「非RT」に更新する(ステップS112)。そして、RAM110に記憶されている各役の当選フラグを全てオフにして(ステップS114)、成立した役の有無、成立した役の種類および払い出されるメダル枚数の情報を含んだ遊技結果情報を、副制御回路200へ送信する(ステップS116)。そして、入賞判定処理サブルーチンを終了して、図13のメインルーチンにおけるステップS38の払い出し処理を行う。
【0119】
これに対して、CPU106が、現在のMB遊技の終了条件を満たしていない(ステップS102,S106,S108→NO)と判断した場合は、ステップS110およびS112の処理は行わずにステップS114へ進み、各役の当選フラグを全てオフにする。そして、ステップS116へ進み、上述した遊技結果情報を副制御回路200へ送信する。さらに、MB遊技中において(ステップS92,YES)、小役が入賞しなかった場合(ステップS94,NO)、CPU106は、RAM110に記憶されている払出枚数カウントの値を「0」にする(ステップS118)。そして、ステップS116へ進み、遊技結果情報を副制御回路200へ送信した後、入賞判定処理サブルーチンを終了して、図13のメインルーチンにおけるステップS38の払い出し処理を行う。
【0120】
さて、ステップS92において、現在の遊技状態がMB遊技中でない(NO)と判断すると、CPU106は、現在の遊技状態が一般遊技であるとみなして、RAM110に記憶されている各役の当選フラグを参照し、当選役があるか否かを判断する(ステップS120)。当選役があった場合(YES)、CPU106は、次に図17を参照して説明する役当選時処理サブルーチンを実行する(ステップS122)。そして、役当選時処理サブルーチンの処理を終えると、ステップS116へ進み、遊技結果情報を遊技結果情報を副制御回路200へ送信する。これに対して、ステップS120で当選役がないと判断すると、直ちにステップS116へ進み、遊技結果情報を遊技結果情報を副制御回路200へ送信する。そして、入賞判定処理サブルーチンを終了して、図13のメインルーチンにおけるステップS38の払い出し処理を行う。
【0121】
<役当選時処理サブルーチンの説明>
次に、図16に示した入賞判定処理サブルーチンのステップS122で実行される役当選時処理サブルーチンの内容について、図17に示すフローチャートを用いて説明する。まず、CPU106は、ROM108に記憶されている図6に示した配当情報を参照し、各有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せの中に、MB役1の図柄組合せ(赤7−赤7−赤7)があるか否かを判断する(ステップS130)。MB役1の図柄組合せがあったとき(YES)は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を「MB遊技1」に更新する(ステップS132)。
【0122】
ステップS130において、CPU106が、MB役1の図柄組合せがない(NO)と判断したときは、各有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せの中に、MB役2の図柄組合せ(白7−白7−白7)があるか否かを判断する(ステップS134)。MB役2の図柄組合せがあったとき(YES)は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を「MB遊技2」に更新する(ステップS136)。また、ステップS134において、CPU106が、MB役2の図柄組合せがない(NO)と判断したときは、各有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せの中に、MB役3aまたはMB役3bの図柄組合せ(赤7−赤7−白7または白7−白7−赤7)があるか否かを判断する(ステップS138)。MB役3aまたはMB役3bの図柄組合せがあったとき(YES)は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を「MB遊技3」に更新する(ステップS140)。
【0123】
ステップS132,S136,S140の処理により、現在の遊技状態を、各々成立したMB役に対応するMB遊技に更新すると、CPU106は、RAM110に記憶されている払出枚数カウントおよび払出総数カウントの値を、共に「0」にする(ステップS142)。そして、RAM110に記憶されているすべての当選フラグをオフにして(ステップS144)、図17に示す役当選時処理サブルーチンを終了する。
【0124】
各種MB役以外の役が当選していた場合(ステップS138,NO)、CPU106は、各有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せの中に、再遊技役aまたは再遊技役bの図柄組合せ(プラム−プラム−プラムまたはプラム−リング−プラム)があるか否かを判断する(ステップS146)。再遊技役aまたは再遊技役bの図柄組合せがあった(YES)ときは、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技役成立フラグをオンにする(ステップS148)。そして、RAM110に記憶されている払出枚数カウントの値を「0」にして(ステップS150)、現在のRT状態をRAM110から読み取る(ステップS152)。
【0125】
また、ステップS146において、CPU106が再遊技役aまたは再遊技役bの図柄組合せはなかった(NO)と判断すると、次に、小役1〜小役5のいずれかに対応する図柄組合せがあるか否かを判断する(ステップS154)。CPU106が、小役1〜小役5のいずれの小役にも対応する図柄組合せがなかった(NO)と判断した場合は、ステップS150へ進み、RAM110に記憶されている払出枚数カウントの値を「0」にする。この場合、当選役が存在し(図16のステップS118,YES)、取りこぼしが起こり得ない再遊技役aまたは再遊技役bが成立しておらず(ステップS146,NO)、かつ、いずれの小役にも入賞していないことから、いずれかの小役またはMB役を取りこぼしたことになる。
【0126】
これに対して、ステップS154で、小役1〜小役5のいずれかに対応する図柄組合せがあった(YES)ときは、図6に示した配当情報から、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数を読み出し、RAM110に記憶されている払出枚数カウントの値を、読み出した払出枚数の値に更新する(ステップS156)。そして、ステップS150またはS156の処理を終えると、CPU106は、ステップS152へ進み、RAM110から現在のRT状態を読み取る。
【0127】
次に、CPU106は、ステップS158〜S176の処理により、RT状態の移行制御を行う。まず、CPU106は、現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する(ステップS158)。「非RT」であった(YES)場合、CPU106は、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されていたにも関わらず、小役2a〜2jのいずれも入賞しなかったか否かを判断する(ステップS160)。いずれの小役2も入賞していなかったとき(YES)は、CPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態を「RT1」にする(ステップS162)。
【0128】
これに対して、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれも導出されていない、または、導出されたが小役2a〜2jのいずれかが入賞した場合は、ステップS160の判断結果がNOとなる。この場合、CPU106は、再遊技役bが成立したか否かを判断する(ステップS164)。そして、CPU106は、再遊技役bが成立していた場合(YES)、現在のRT状態を「非RT」から「RT2」へ更新する(ステップS166)。これに対して、再遊技役bが成立していなかった場合(NO)は、現在のRT状態として「非RT」を維持する。
【0129】
ステップS158で、CPU106が現在のRT状態は「非RT」でない(NO)と判断すると、次に、現在のRT状態が「RT1」であるか否かを判断する(ステップS)。現在のRT状態が「RT1」だった(YES)ときは、CPU106は、ステップS164へ進み、再遊技役bが成立したか否かを判断する。そして、再遊技役bが成立していた場合(YES)、CPU106は、ステップS166へ進み、現在のRT状態を「RT1」から「RT2」へ更新する。これに対して、再遊技役bが成立していなかった場合(NO)は、現在のRT状態として「RT1」を維持する。
【0130】
ステップS168で、CPU106が現在のRT状態は「RT2」でない(NO)と判断すると、現在のRT状態を「RT2」とみなし、変数RTの値に「1」を加算する(ステップS170)。変数RTは、RT状態が「RT2」のときに行われた遊技の回数を計数するための変数であり、その値はRAM110に記憶されている。そして、CPU106は、変数RTの値が500を超えたか否かを判断する(ステップS172)。そして、変数RTの値が500を超えると(YES)、CPU106は、現在のRT状態を「RT2」から「非RT」に更新し(ステップS174)、変数RTの値を「0」にする(ステップS176)。また、変数RTの値が500を超えていなければ(ステップS172,NO)、CPU106は、現在のRT状態を「RT2」のまま維持する。
【0131】
ステップS158〜S176の処理によってRT状態の移行制御を行うと、CPU106は、RAM110に記憶されている各役の当選フラグのうち、オンになっている小役または再遊技役の当選フラグをオフにする(ステップS178)。ここで、CPU106は、MB役1〜3bのいずれかの当選フラグがオンになっていたときは、そのMB役の当選フラグの状態をオンのまま維持する。すなわち、小役および再遊技役の当選フラグは、1回の遊技が終了するとオフにされるが、MB役の当選フラグは、そのMB役が成立するまでオンの状態が維持される。このように、役抽選で当選したMB役に対応する当選フラグのオン状態が維持されているときの状態を、ボーナスフラグの持越し中という。
【0132】
そして、前述したように、図15に示したリール変動、停止サブルーチンのステップS82で行われる図柄組合せ制御では、当選フラグがオンになっている役に対応する図柄組合せが、リール停止制御の対象になっている。よって、ボーナスフラグの持越し中は、遊技者が、持ち越されている当選フラグに対応するMB役を成立させることができる状態になっている。
【0133】
ステップS178の処理を終えると、CPU106は、図17の役当選時処理サブルーチンを終了し、図16に示した入賞判定処理サブルーチンのステップS116の処理を行う。
【0134】
以上の処理を行うことにより、主制御回路100は、スロットマシンとしての遊技の制御を行っている。また、主制御回路100は、1回の遊技の中で、役抽選情報(図14,ステップS60)、停止操作情報(図15,ステップS80)、遊技結果情報(図16,ステップS116)の順で、各情報を副制御回路200に対して送信する。
【0135】
[副制御回路における制御処理の説明]
次に、副制御回路200のCPU206(図4参照)によって行われる、ARTに関する制御、および、ART中に行われる演出制御の内容について、図18〜図22に示すフローチャートを参照して説明する。図18は、ART中に、遊技者に有利な遊技結果となる報知を行うART報知制御サブルーチンのフローチャートである。図19は、ARTの終了条件を選択する終了条件選択抽選処理サブルーチンのフローチャートである。図20は、ART中に実行する画像演出を制御する演出画像制御サブルーチンのフローチャートである。図21は、ART中にMB遊技1〜3のいずれかに移行したときに、ART中における画像演出を中断させるART演出中断処理サブルーチンのフローチャートである。図22は、ARTの終了条件の成立要素である終了抽選の当選確率を調整する当選確率調整処理サブルーチンのフローチャートである。
【0136】
<ART報知制御サブルーチンの説明>
図18において、まず、CPU206は、主制御回路100から役抽選情報を受信したか否かを判断する(ステップS200)。役抽選情報を受信していない(NO)と判断した場合は、CPU206は、ART報知制御サブルーチンを終了し、他の処理を行う。これに対して、役抽選情報を受信した(YES)と判断した場合は、受信した役抽選情報に含まれている今回の遊技で投入されたメダル枚数の情報に基づいて、RAM210に記憶されている投入枚数履歴を更新する(ステップS202)。投入枚数履歴は、現在の遊技から過去17500回までの各遊技において、スロットマシン10に投入されたメダルの枚数を記録するものである。投入枚数履歴の更新は、最も古い投入枚数の記録を消去し、最新の投入枚数を新たに記録することによって行われる。
【0137】
次にCPU206は、受信した役抽選情報に含まれている現在の遊技状態を示す情報に基づいて、現在の遊技状態が一般遊技であるか否かを判断する(ステップS204)。CPU206が、現在の遊技状態は一般遊技である(YES)と判断した場合、CPU206は、受信した役抽選情報に含まれている抽選結果番号の情報に基づいて、役抽選でMB役1〜3bのいずれかに当選したか否かを判断する(ステップS206)。MB役1〜3bのいずれかに当選した(YES)と判断したときは、CPU206は、ARTの開始条件が満たされたとして、図19に示す終了条件選択抽選処理を行う(ステップS208)。そして、終了条件選択抽選処理が終了すると、CPU206は、受信した役抽選情報に含まれている現在のRT状態を示す情報に基づいて、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS210)。
【0138】
現在のRT状態が「RT2」である(YES)と判断したときは、CPU206は、RAM110に記憶されている変数RT2の値に「1」を加算し(ステップS212)、「RT2」でない(NO)と判断したときは、変数RT2の値を「0」にする(ステップS214)。この変数RT2は、RT状態が「RT2」になっているときに行われた遊技回数を計数するための変数であり、その値はRAM210に記憶されている。
【0139】
ステップS208で中断フラグをオンにするか、または、ステップS212もしくはS214で変数RT2の値を更新すると、CPU206は、RAM210に記憶されているARTフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS216)。ARTフラグがオフになっていた(NO)と判断したときは、CPU206は、ART報知制御サブルーチンを終了し、他の処理を行う。一方、ARTフラグがオンになっていた(YES)と判断した場合、CPU206は、次にRAM210に記憶されている中断フラグの状態がオフになっているか否かを判断する(ステップS218)。この中断フラグは、ART中にMB遊技1〜3のいずれかへ移行した場合にオンになるフラグであり、MB遊技が終了するとオフになってARTが継続することになる。この中断フラグのオン/オフ制御は、後述するART演出中断処理によって行われる。中断フラグがオンになっていた(NO)と判断したときは、CPU206は、ART報知制御サブルーチンを終了し、他の処理を行う。一方、中断フラグがオフになっていた(YES)と判断した場合、CPU206は、遊技者に有利な遊技結果となる報知を行うための処理行う。
【0140】
すなわち、まずCPU206は、受信した役抽選情報に含まれている抽選結果番号の情報に基づいて、役抽選で抽選結果番号「12」〜「14」(複数の再遊技役の同時当選)のいずれかが導出されたか否かを判断する(ステップS220)。抽選結果番号「12」〜「14」のいずれかが導出された(YES)と判断したときは、次にCPU206は、受信した役抽選情報に基づいて現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS222)。現在のRT状態が「RT2」ではない、すなわち「非RT」または「RT1」である(NO)と判断したときは、導出された抽選結果番号において、再遊技役aが成立することとなる第1停止操作のストップスイッチを報知する(ステップS224)。
【0141】
すなわち、図8(b)に示すように、抽選結果番号「12」が導出された場合は、左ストップスイッチ37Lを第1停止操作すべきであることを報知する。また、抽選結果番号「13」が導出された場合は中ストップスイッチ37Cを、抽選結果番号「14」が導出された場合は右ストップスイッチ37Rを、各々第1停止操作すべきであることを報知する。これにより、遊技者が報知されたストップスイッチを、遊技が開始してから最初に操作すると再遊技役aが成立することになり、現在のRT状態から「RT2」への移行を回避することができる。
【0142】
ステップS224の処理による報知を行うと、CPU206は、RAM210に記憶されている防御フラグおよび被弾フラグの状態をともにオフにして(ステップS226)、報知制御サブルーチンを終了し、他の処理を行う。なお、防御フラグおよび被弾フラグについては、詳しくは後述するが、CPU206は、これらのフラグの状態に基づいて画像による演出の制御を行っている。また、ステップS222において、CPU206が、現在のRT状態は「RT2」である(YES)と判断したときは、ステップS224の処理を行わずに、ステップS226の処理へ移行する。
【0143】
ステップS220において、CPU206が、役抽選で抽選結果番号「12」〜「14」のいずれも導出されなかった(NO)と判断すると、次にCPU206は、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたか否かを判断する(ステップS228)。抽選結果番号「6」〜「8」(複数の小役2の同時当選)のいずれかが導出された(YES)と判断した場合、CPU206は、ステップS224へ進み、小役2a〜2hのいずれが成立することとなる第1停止操作のストップスイッチを報知する。すなわち、図8(a)に示すように、抽選結果番号「6」が導出された場合は、左ストップスイッチ37Lを、抽選結果番号「7」が導出された場合は中ストップスイッチ37Cを、抽選結果番号「8」が導出された場合は右ストップスイッチ37Rを、各々第1停止操作すべきであることを報知する。そして、CPU206はステップS226へ進み、RAM210に記憶されている防御フラグおよび被弾フラグの状態をともにオフにした後、ART報知制御サブルーチンを終了し、他の処理を行う。
【0144】
ステップS228において、CPU206が、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれも導出されなかった(NO)と判断すると、次にCPU206は、抽選結果番号「11」(再遊技役aの単独当選)が導出されたか否かを判断する(ステップS230)。抽選結果番号「11」が導出されなかった(NO)と判断した場合、CPU206は、ステップS226へ進み、RAM210に記憶されている防御フラグおよび被弾フラグの状態をともにオフにする。そして、ART報知制御サブルーチンを終了し、他の処理を行う。
【0145】
一方、ステップS230でCPU206が、役抽選で抽選結果番号「11」が導出された(YES)と判断すると、CPU206は終了抽選を行う(ステップS232)。この終了抽選は、当選/非当選のいずれかを決定するものであり、当選となる確率(当選確率)は、後述する図20の演出画像制御サブルーチンにおいて決定される。この終了抽選の結果、当選した否かを判断し(ステップS234)、当選しなかった(NO)と判断すると、CPU206は、終了抽選が行われたことおよび終了抽選の結果を遊技者に報知するか否かを決定するための報知抽選を行う(ステップS238)。この報知抽選において、報知することが決定される確率は、終了抽選が行われる確率(すなわち抽選結果番号「11」が導出される確率)と、終了抽選の当選確率とを勘案し、遊技者に対して終了抽選の結果を報知する際に、当選したことを示す報知と、当選しなかったことを示す報知とが、バランスよく行われるように適宜定めておくとよい。
【0146】
CPU206は、上述した報知抽選の結果、報知することが決定されたか否かを判断し(ステップS238)、報知することが決定された(YES)場合は、RAM210に記憶されている防御フラグの状態をオンにし、被弾フラグの状態をオフにする(ステップS240)。そして、CPU206は、画像表示装置70に終了抽選が行われたことを示す画像を表示して(ステップS242)、ART報知制御サブルーチンを終了する。ここで、詳しくは後述するが、ART中は、2つのキャラクタ画像が対戦する演出が行われており、報知抽選によって終了抽選が行われたこと報知すると決定された場合、そのことを示す画像として、敵方キャラクタが味方キャラクタに対して攻撃を行う画像(後述する図24参照)を表示する。
【0147】
これに対して、ステップS238で、終了抽選の実行を報知しないことが決定された(NO)と判断したときは、CPU206は、ステップS226へ進み、RAM210に記憶されている防御フラグおよび被弾フラグの状態をともにオフにする。そして、ART報知制御サブルーチンを終了し、他の処理を行う。なお、CPU206が、ステップS234において終了抽選に当選した(YES)と判断した場合は、RAM210に記憶されている防御フラグの状態をオフにし、被弾フラグの状態をオンにする(ステップS244)。そして、ステップS242へ進み、画像表示装置70に終了抽選が行われたことを示す画像を表示した後、ART報知制御サブルーチンを終了し、他の処理を行う。
【0148】
<終了条件選択抽選処理サブルーチンの説明>
次に、図18に示したART報知制御サブルーチンのステップS208で実行される終了条件選択抽選処理の内容について、図19に示す終了条件選択抽選処理サブルーチンのフローチャートを参照して説明する。
【0149】
CPU206は、図12に示したNo.1〜No.14の終了条件の中からどの終了条件を選択するのかを、乱数に基づく抽選によって決定するが、この抽選(以下、終了条件選択抽選という)で参照する各終了条件の選択確率を決定する。すなわち、図12の表に示される「一般遊技中」欄、「ART中A」欄、「ART中B」欄、「MB遊技中」欄、「第1天井」欄、および、「第2天井」欄に記載された各選択確率のうち、いずれを用いて終了条件選択抽選を行うかを決定する。以下、図12に示す表の各欄ごとに記載された選択確率群を、終了条件選択テーブルという。
【0150】
まず、CPU206は、RAM210に記憶されている、前述した変数RT2の値が500を超えているか否かを判断する(ステップS260)。変数RT2の値が「500」を超えていた(YES)ときは、CPU206は、第1天井に達したとみなして、図12の表の「第1天井」欄に示された終了条件選択テーブルを終了条件の選択抽選で用いることを決定する(ステップS260)。ステップS260で、変数RT2の値が「500」を超えていない(NO)と判断すると、CPU206は、RAM110に記憶されている変数CNTの値が「6」を超えているか否かを判断する(ステップS264)。ここで、変数CNTの値は、後述する移行抽選において、ARTを開始しないという抽選結果が連続して何回得られたのかを示している。変数CNTの値が「6」を超えていた(YES)ときは、CPU206は、第2天井に達したとみなして、変数CNTの値を「0」にして(ステップS266)、図12の表の「第2天井」欄に示された終了条件選択テーブルを、終了条件選択抽選で用いることを決定する(ステップS268)。
【0151】
ステップS264で、CPU206が、変数CNTの値が「6」を超えていない(NO)と判断すると、次に図11に示した抽選テーブルを参照し、ARTを開始するか否かを決定する移行抽選を行う(ステップS270)。すなわち、図11の抽選テーブルにおいて、移行抽選の契機となった役(MB役1〜3a、小役4のいずれか)の種類と、現在の遊技状態(一般遊技中、ART中、MB遊技)に応じて定まる確率に従って、ARTの開始が決定される。
【0152】
次に、CPU206は、移行抽選の結果、ARTを開始することが決定された(すなわち、移行抽選に当選した)か否かを判断する(ステップS272)。移行抽選に当選しなかった(NO)場合は、CPU206は、RAM210に記憶されている変数CNTの値に「1」を加算して(ステップS274)、終了条件選択抽選処理サブルーチンを終了する。これに対して、移行抽選に当選した(YES)場合、CPU206は、図12に示す表において、「一般遊技中」欄、「ART中A」欄、「ART中B」欄、および、「MB遊技中」欄に示された各終了条件選択テーブルから、移行抽選が行われた時の状態に応じて1つを選択して、終了条件選択抽選で用いることを決定する(ステップS276)。
【0153】
以上のように、ステップS262、S268またはS276の処理により、終了条件選択テーブルを決定すると、CPU206は、決定した終了条件選択テーブルに基づいて終了条件抽選を行い(ステップS278)、図12に示す表のNo.1〜No.14の終了条件のうち1つを選択する。そして、選択した終了条件をRAM210の所定記憶領域に記憶し(ステップS280)、終了条件選択抽選処理サブルーチンを終了する。ここで、ART中に複数回の終了条件抽選が行われ、その結果、複数の終了条件が選択されたとする。この場合、CPU206は、各終了条件について、抽選によって選択された順番が識別可能となるように、RAM210に記憶する。そして、図19の終了条件選択抽選処理を開始する直前に行っていた処理を引き続き行う。
【0154】
<演出画像制御サブルーチンの説明>
次に、ARTの開始および終了を制御するとともに、ART中に実行される演出を制御するための演出画像制御サブルーチンの内容について、図20に示フローチャートを参照して説明する。
【0155】
図20において、まず、CPU206は、主制御回路100から遊技結果情報を受信したか否かを判断する(ステップS290)。遊技結果情報を受信していない(NO)と判断した場合は、CPU206は、演出画像制御サブルーチンを終了し、他の処理を行う。これに対して、遊技結果情報を受信した(YES)と判断した場合は、受信した遊技結果情報に含まれている今回の遊技で払い出されるメダル枚数の情報に基づいて、RAM210に記憶されている払出枚数履歴を更新する(ステップS292)。払出枚数履歴は、現在の遊技から過去17500回までの各遊技において、スロットマシン10から払い出されたメダルの枚数を記録するものである。払出枚数履歴の更新は、最も古い払出枚数の記録を消去し、最新の払出枚数を新たに記録することによって行われる。
【0156】
次にCPU206は、受信した遊技結果情報に含まれている成立した役の種類を示す情報に基づいて、今回の遊技で成立した役が小役4であるか否かを判断する(ステップS294)。小役4が成立(入賞)していた(YES)と判断したときは、CPU206は、ARTの開始条件が満たされたものとして、図19に示した終了条件選択抽選処理を行う(ステップS296)。そして、終了条件選択抽選処理を終えると、CPU206は、RAM210に記憶されているARTフラグの状態がオンであるか否かを判断する(ステップS298)。なお、ステップS294で小役4が入賞していない(NO)と判断したときは、直ちにステップS298の処理を行う。
【0157】
ステップS298で、ARTフラグの状態がオフになっていた(NO)ときは、次にCPU206は、現在の遊技状態が一般遊技中であるか否かを判断する(ステップS300)。一般遊技中でなかった(NO)と判断したときは、CPU206は図20の演出画像制御サブルーチンを終了し、他の処理を行う。一方、一般遊技中である(YES)と判断したときは、次にRAM210に、図19に示した終了条件選択抽選処理のステップS280の処理により、RAM210の所定記憶領域に終了条件が記憶されているか否かを判断する(ステップS302)。終了条件が記憶されていない(NO)と判断したときは、CPU206は、図20の演出画像制御サブルーチンを終了し、他の処理を行う。これに対して、終了条件が記憶されていた(YES)と判断したときは、CPU206は、ARTを開始すべく、RAM210に記憶されているARTフラグの状態をオンにする(ステップS304)。
【0158】
次に、CPU206は、RAM210に記憶されている終了条件のうち、図19に示した終了条件選択抽選処理によって最先に決定された終了条件に基づいて終了抽選の当選確率を決定する(ステップS306)。具体的には、まず、図12に示した「終了条件」欄のうち、「1」と示された箇所に定められた選択確率がA〜Eのいずれであるかを認識する。そして、認識した選択確率に対応する終了確率選択テーブル(図10参照)に基づいて、6通りの当選確率のうちいずれか1つを乱数抽選によって選択する。
【0159】
そして、CPU206は、画像表示装置70に、ART中の演出画像を表示させる(ステップS308)。ここで、ART中の演出画像の一例を図23に示す。前述したように、ART中は、2つのキャラクタ画像が対戦する演出を行っており、ARTの開始時には、図23(a)に示すように、画像表示装置70に味方キャラクタFCと、敵方キャラクタECとが表示される。そして、終了抽選の実施および終了抽選の結果などを、両者の対戦状況を通して遊技者に報知している。たとえば、図18のステップS242の処理によって表示される、終了抽選が行われたことを示す画像として、図24に示すように、敵方キャラクタECが味方キャラクタFCに対して攻撃を行う様を表す画像(具体的には、攻撃を繰り出す動画)が表示される。
【0160】
また、画像表示装置70の画面左上には、ARTが終了条件を満たすまでの過程を表示するためのゲージGが表示される。ゲージGは、図23(b)に示すように、現在の終了抽選における当選確率を選択する際に用いられた選択確率を表示する選択確率表示領域(以下、中心ゲージという)CAと、現在の終了条件における終了抽選の当選回数を表示するための当選回数表示領域(以下、ストックという)SA1〜SA3を含んでいる。中心ゲージCAには、基本的には選択確率に対応する色が表示され、選択確率Bの場合は青、選択確率Cの場合は黄、選択確率Dの場合は赤が各々単色で表示され、選択確率Eの場合は虹を構成する7色が同心円で表示される。以下では、選択確率Eに対応する色を「虹色」という。選択確率Aについては、黒地に白抜きの文字で「ALERT」と表示する。
【0161】
ストックSA1〜SA3には、終了条件によって示される終了抽選の当選回数が表示される。たとえば、現在のARTの終了条件が図12に示すNo.1または2だった場合は、ストックSA1のみが点灯表示される。また、終了条件No.3〜6のいずれかであった場合は、ストックSA1およびSA2が点灯表示される。さらに、終了条件No.7〜14のいずれかであった場合は、ストックSA1からSA3が点灯表示される。そして、ART中に終了抽選に当選するごとに、点灯表示されているストックが消灯表示される。これにより、ストックSA1〜SA3は、終了条件によって示される当選回数を表示するとともに、ARTの経過に伴って残りの当選回数を表示している。よって、ゲージGおよびその表示制御は、成立過程報知手段に相当する。
【0162】
CPU206は、ステップS314でART中の演出画像を表示すると、次に、現在の終了条件によって示される終了抽選の当選回数に合わせて、ストックSA1〜SA3を点灯表示する(ステップS310)。そして、CPU206は、点灯表示したストックのうち1つを消灯表示させた後、最初の選択確率に対応する色を中心ゲージCAに表示する(ステップS312)。ここで、消灯表示させるストックは、ストックSA1〜SA3が点灯表示されていた場合はストックSA3、ストックSA1およびSA2が点灯表示されていた場合はストックSA2、ストックSA1のみが点灯表示されていた場合はストックSA1となる。また、中心ゲージCAに表示される色は、図12中、「終了条件」欄の「1」欄に示されている選択確率に対応する色となる。次にCPU206は、図18のステップS202で更新された投入枚数履歴と、前述したステップS292で更新された払出枚数履歴とに基づいて、ステップS306で選択した当選確率を調整する(ステップS314)。この当選確率調整処理については、図22のフローチャートを参照して後に詳しく説明する。以上により、ARTの開始時の処理を終えると、CPU206は、演出画像制御サブルーチンを終了して他の処理を行う。
【0163】
前述したステップS298の判断処理において、CPU206がRAM210に記憶されているARTフラグの状態がオンになっている(YES)と判断した場合は、前回の遊技と今回の遊技の遊技状態に基づいて、ART中における画像演出の中断および再開を制御するART演出中断処理を行う(ステップS316)。このART演出中断処理については、後に図21に示すフローチャートを参照して説明する。次にCPU206は、RAM210に記憶されている被弾フラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS318)。被弾フラグの状態がオフになっている(NO)と判断したときは、次にCPU206は、RAM210に記憶されている防御フラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS320)。CPU206が防御フラグはオンになっている(YES)と判断した場合、図25(a)に示すように、味方キャラクタFCが敵方キャラクタECの攻撃を防御している様を示す防御画像を画像表示装置70に表示する(ステップS322)。そして、前述したステップS314へ進んで当選確率調整処理を行い、終了抽選における現在の当選確率を調整した後、演出画像制御サブルーチンを終了する。これに対して、CPU206が、防御フラグはオフになっている(NO)と判断した場合は、そのままステップS314へ進んで当選確率調整処理を行った後、演出画像制御サブルーチンを終了する。
【0164】
また、ステップS318で、CPU206が被弾フラグの状態をオンと判断した(YES)ときは、図25(b)に示すように、味方キャラクタFCが敵方キャラクタECの攻撃を受けた様を示す被弾画像を画像表示装置70に表示する(ステップS324)。このように、図18に示したART報知制御サブルーチンのステップS232で終了抽選が行われたことにより、敵攻撃画像(図24参照)が表示されると(図18,ステップS242)、終了抽選の結果に応じて防御画像(終了抽選に非当選)または被弾画像(終了抽選に当選)が表示される。CPU206は、ステップS324で被弾画像を表示すると、次にゲージGにおけるストックSA1〜SA3のうち、点灯表示されているものがあるか否かを判断する(ステップS326)。点灯表示されているストックがある(YES)ときは、CPU206は、点灯表示されているストックのうち1つを消灯表示する(ステップS328)。すなわち、ストックSA1およびSA2が点灯表示されていた場合は、ストックSA2を消灯表示し、ストックSA1のみが点灯表示されていた場合は、ストックSA1を消灯表示する。
【0165】
次にCPU206は、現在の終了条件において、終了抽選に当選した時に次の当選確率を選択するための選択確率に基づいて、終了抽選の当選確率を選択する(ステップS330)。例えば、図12に示す終了条件のうち、No.6の終了条件によりARTが行われており、「終了条件」欄の「1」欄に示される選択確率Dによって選択された終了抽選の当選確率が用いられていたとする。この場合、終了抽選に当選すると、次に「2」欄に示されている選択確率Eに基づいて、次なる終了抽選の当選確率を選択する。すなわち、ART開示時に、図12に示した「終了条件」欄の「1」欄に示される選択確率に基づいて終了抽選の当選確率を選択し、以下、終了抽選に当選するごとに、「2」欄、「3」欄の順で、各々の欄に示される選択確率を用いて終了抽選の当選確率を選択し直す。
【0166】
次にCPU206は、ステップS330の処理によって次の当選確率を選択する際に用いた選択確率に対応する色を、中心ゲージCAに表示する(ステップS332)。そして、CPU206は、前述したステップS314へ進んで当選確率調整処理を行い、ステップS330で設定した当選確率を調整した後、演出画像制御サブルーチンを終了する。ここで、仮にステップS330で設定された当選確率が、ステップS314の当選確率調整処理によって調整されたとしても中心ゲージCAに表示される色は、ステップS330で当選確率を選択する際に参照された選択確率に対応したものとなる。ステップS314の処理を終えると、CPU206は、演出画像制御サブルーチンを終了して他の処理を行う。
【0167】
ステップS326において、CPU206が、ゲージGにおけるストックSA1〜SA3がいずれも点灯表示されていない(NO)と判断した場合、次にCPU206は、中心ゲージCAに「ALERT」を表示しているか否かを判断する(ステップS334)。「ALERT」を表示していない(NO)と判断したときは、CPU206は、中心ゲージCAに「ALERT」を表示した後(ステップS336)、選択確率Aに基づいて終了抽選の当選確率を選択する(ステップS338)。ここで、選択確率Aは、図10に示したように1/1の当選確率を100%の確率で選択するように定められている。そして、CPU206は、演出画像制御サブルーチンを終了して他の処理を行う。
【0168】
一方、ステップS334において、CPU206が「ALERT」を表示している(YES)と判断した場合、すなわち、「ALERT」表示中に終了抽選に当選したときは、CPU206は、現在の終了条件が成立したことを示す終了条件成立画像を画像表示装置70に表示する(ステップS340)。この画像は、例えばステップS324で表示した被弾画像に引き続き、敵方キャラクタECの攻撃を受けて味方キャラクタFCが地面に倒れる画像(図示略)とする。次いでCPU206は、RAM210に次の終了条件が記憶されているか否かを判断する(ステップS342)。ここで、「次の終了条件」とは、RAM210に1つの終了条件しか記憶されていないときは、その終了条件が該当し、複数の終了条件が記憶されている場合は、最先に選択された終了条件が該当する。
【0169】
ステップS342で、次の終了条件が記憶されていなかった(NO)と判断した場合は、RAM210に記憶されているARTフラグの状態をオフにして(ステップS344)、ARTが終了したことを示す演出終了画像を表示する(ステップS346)。この演出終了画像は、例えば、ステップS340で表示した終了条件成立画像に、「END」の文字を重ね合わせた画像とする。そして、CPU206は、演出画像制御サブルーチンを終了して他の処理を行う。これに対して、ステップS342で、RAM210に次の終了条件が記憶されていた(YES)と判断した場合は、CPU206は、当該次の終了条件に基づいてARTを引き続き行うことを示す報知を行う。具体的には、図26に示すように、地面に倒れた味方キャラクタFCが立ち上がる様を示す継続画像を画像表示装置70に表示する(ステップS348)。そして、CPU206は、次の終了条件に基づいてゲージGのストックSA1〜SA3を改めて点灯表示する(ステップS350)。
【0170】
次いでCPU206は、ステップS330へ進み、次の終了条件に定められている第1の選択確率に基づいて終了抽選の当選確率を選択した後、ステップS332で第1の選択確率に対応する色を中心ゲージCAに表示する。そして、ステップS314へ進み、後述する当選確率調整処理を行ってステップS330で選択した当選確率を調整した後、演出画像制御サブルーチンを終了する。
【0171】
<ART演出中断処理サブルーチンの説明>
次に、図20に示した演出画像制御サブルーチンのステップS316で実行されるART演出中断処理の詳細な内容について、図21に示すフローチャートを参照して説明する。図20のフローチャートに示したように、この処理は、ARTフラグがオン(図20,ステップS298,YES)のときに実行される。
【0172】
まず、CPU206は、前回の遊技と今回の遊技とで受信した遊技結果情報に含まれていた各々の遊技状態を示す情報に基づいて、遊技状態が一般遊技からMB遊技1〜3のいずれかに移行したか否かを判断する(ステップS360)。遊技状態が一般遊技からMB遊技へ移行した(YES)と判断したときは、CPU206は、RAM210に記憶されている中断フラグの状態をオンにする(ステップS362)。次にCPU206は、現在表示しているART中に表示するART演出画像を、MB遊技中に表示する演出画像に切り替える(ステップS364)。そして、ART演出中断処理サブルーチンを終了して、図20に示した演出画像制御サブルーチンのステップS318の処理へ移行する。
【0173】
ステップS360の判断処理において、CPU206が、遊技状態は一般遊技からMB遊技へ移行していない(NO)と判断した場合は、前回の遊技と今回の遊技とで受信した遊技結果情報に含まれていた各々の遊技状態を示す情報に基づいて、遊技状態がMB遊技1〜3のいずれかから一般遊技に移行したか否かを判断する(ステップS366)。CPU206が、遊技状態はMB遊技から一般遊技へ移行していない(NO)と判断した場合は、ART演出中断処理サブルーチンを終了して、図20に示した演出画像制御サブルーチンのステップS318の処理へ移行する。
【0174】
これに対して、CPU206が、遊技状態がMB遊技から一般遊技へ移行した(YES)と判断した場合は、RAM210に記憶されている中断フラグの状態をオフにする(ステップS368)。次にCPU206は、図20のステップS314と同様に、図18のステップS202で更新された投入枚数履歴と、図20のステップS292で更新された払出枚数履歴とに基づいて、現在の当選確率を調整する(ステップS370)。そして、CPU206は、ART中に表示する演出画像を、MB遊技が開始される直前に表示していた状態から再び表示した後(ステップS372)、ART演出中断処理サブルーチンを終了して、図20に示した演出画像制御サブルーチンのステップS318の処理へ移行する。
【0175】
<当選確率調整処理サブルーチンの説明>
次に、図20に示した演出画像制御サブルーチンのステップS314および、図21に示したART演出中断処理サブルーチンのステップS370で実行される当選確率調整処理の詳細な内容について、図22に示すフローチャートを参照して説明する。
【0176】
まず、CPU206は、図18に示したART報知制御サブルーチンのステップS202、および、図20に示した演出画像制御サブルーチンのステップS292の処理によって各々更新された投入枚数履歴、および、払出枚数履歴を参照し、現在の遊技から過去400ゲームまでの累積投入枚数および累積払出枚数履歴を算出する(ステップS380)。そして、累積払出枚数を、累積投入枚数で除した値(以下、期待値という)が、「3」以上であるか否かを判断する(ステップS382)。期待値が「3」以上である(YES)と判断した場合は、現在設定されている終了抽選の当選確率を1/2に設定し(ステップS384)、当選確率調整処理サブルーチンを終了して、次の処理へ進む。
【0177】
これに対して、CPU206が、ステップS382で算出した期待値が「3」未満である(NO)と判断したときは、再び投入枚数履歴および払出枚数履歴を参照し、現在の遊技から過去6000ゲームまでの累積投入枚数および累積払出枚数履歴を算出する(ステップS386)。そして、累積払出枚数を、累積投入枚数で除して算出した期待値が、「1.5」以上であるか否かを判断する(ステップS388)。期待値が「1.5」以上である(YES)と判断した場合は、ステップS384へ進み、現在設定されている終了抽選の当選確率を1/2に設定する。そして当選確率調整処理サブルーチンを終了して、次の処理へ進む。
【0178】
さらに、CPU206が、ステップS386で算出した期待値が「1.5」を超えていなかった(NO)と判断したときは、再度、投入枚数履歴および払出枚数履歴を参照し、現在の遊技から過去17500ゲームまでの累積投入枚数および累積払出枚数履歴を算出する(ステップS390)。そして、累積払出枚数を、累積投入枚数で除して算出した期待値が、「1.2」を超えているか否かを判断する(ステップS392)。期待値が「1.2」を超えている(YES)と判断した場合は、ステップS384へ進み、現在設定されている終了抽選の当選確率を1/2に設定する。そして、図22に示した当選確率調整処理サブルーチンを終了して、次の処理へ進む。一方、ステップS380において、ステップS390で算出した期待値が「1.2」を超えていなかった(NO)と判断したときは、CPU206は、そのまま当選確率調整処理サブルーチンを終了する。
【0179】
<スロットマシンの動作についての説明>
一般遊技中に、役抽選においてMB役1〜3bのいずれかが当選し、その旨が主制御回路100から副制御回路200へ送信されると(図14のステップS58)、CPU206はこれを受信して(図18のステップS200,YES)、MB役が当選したことを認識する(図18,ステップS206,YES)。このとき、第1天井または第2天井に達していなかった場合は(図19,ステップS260,S264,NO)、図11に示す移行抽選テーブルに基づいてARTへの移行抽選が行われる(図19,ステップS270)。また、遊技の結果、小役4が入賞し、そのことをCPU206が認識した場合も(図20,ステップS296,YES)、ARTへの移行抽選が行われる(同図,ステップS298)。そして、移行抽選に当選すると(図19,ステップS272,YES)、図12に示した選択テーブルに基づいて終了条件が選択されて(同図,ステップS278)、RAM210に記憶される(同図,ステップS280)。
【0180】
また、CPU206は、ART中でなく(図20,ステップS298,NO)、かつ、一般遊技中(同図,ステップS300,YES)のときは、RAM210に終了条件が記憶されているか否かを毎遊技チェックし(同図,ステップS302)、終了条件が記憶されていた場合はARTが開始される(同図,ステップS304)。ARTの開始に際して、当該終了条件に基づいて終了抽選の当選確率を設定し(同図,ステップS314)、このとき、所定回過去の遊技から現在の遊技までに投入されたメダルの総枚数と払い出されたメダルの総枚数とに基づいて、払出枚数が多すぎると判断した場合は、一旦設定した終了抽選の当選確率を上昇させる(図22参照)。このように、メダルの払出枚数が多すぎると判断された場合は、終了抽選の当選確率を上昇させて、ARTの終了条件が短期間で成立し易くし、ARTを早期に終了させることで、遊技者に払い出されるメダル枚数をできるだけ少なくしている。
【0181】
ART中は、役抽選で小役2のいずれかに当選すると(図18,ステップS228,YES)、小役2a〜2hのいずれかが入賞することになる第1停止操作のストップスイッチ(図8(a)参照)が遊技者に報知される(図18,ステップS224)。また、RT状態が「非RT」または「RT1」になっているときに役抽選で再遊技役(再遊技役aの単独当選時を除く)が当選すると(図18,ステップS220,YES)、「RT2」への移行を回避できる第1停止操作のストップスイッチ(図8(b)参照)が遊技者に報知される(図18,ステップS224)。
【0182】
ARTが開始されると、画像表示装置70に味方キャラクタFCと敵方キャラクタECとが対戦する演出画像(図23(a)参照)が表示される(図20,ステップS308)。また、この演出画像には、ARTの終了条件の成立過程を表示するためのゲージG(図23(b)参照)も合わせて表示されている。そして、ART中に終了抽選が行われると(図18,ステップS230,YES→S232)、敵方キャラクタECが味方キャラクタFCを攻撃する画像(図24参照)が表示された後(図18,ステップS242)、終了抽選に当選しなかった場合は(図20,ステップS320,YES)、味方キャラクタFCが敵の攻撃を防御する画像(図25(a)参照)が表示され(図20,ステップS322)、終了抽選に当選した場合は(図20,ステップS318,YES)、味方キャラクタFCが敵の攻撃を受けてしまう画像(図25(b)参照)が表示される(図20,ステップS324)。このように、終了抽選が行われた場合は、その旨を示す画像が表示された後に、終了抽選の結果を示す画像が表示される。
【0183】
また、終了抽選に当選した場合は、ゲージGのストックSA1〜SA3において、点灯表示されているもののうち1つが消灯表示されるとともに(図20,ステップS328)、改めて終了抽選の当選確率を選択する際の選択確率に対応する色が、中心ゲージCAに表示される(図20,ステップS332)。このように、終了抽選に当選するごとに、ストックSA1〜SA3が1つずつ消灯表示することで、あと何回、終了抽選に当選するとARTが終了してしまうのかを示し、遊技者に緊張感をもたせることで遊技の興趣を向上させることが可能となる。また、終了抽選の当選確率を選択する際に用いた選択確率を遊技者に報知することで、終了抽選の当選確率の高低について期待をもたせることができ、遊技者の遊技意欲を低下させてしまう恐れを少なくすることができる。また、終了抽選に当選するごとに、終了条件に定められている選択確率に応じて中心ゲージの色が変化するため、ARTの持続性に対する遊技者の期待度を変化させることができる可能性があり、これによりART中の興趣を向上させることができる。
【0184】
そして、図12に示す終了条件において、最後の選択確率に基づいて選択された終了抽選の当選確率の下(このとき、ストックSA1〜SA3は全て消灯表示されている)、ARTが継続しているときに終了抽選に当選すると(図20,ステップS318,YES、S326およびS334,NO)、中心ゲージCAに「ALERT」の文字が表示される(図20,ステップS336)。このとき、終了抽選の当選確率は1/1となるため(図20,ステップS338)、以後の遊技で終了抽選が行われると必ず当選し、画像表示装置70には、味方キャラクタFCが敵の攻撃を受けて(図20,ステップS324)、地面に倒れる画像(終了条件成立画像)が表示される(図20,ステップS340)。
【0185】
RAM210に次の終了条件が記憶されていなかった場合は(図20,ステップS342,NO)、そのままARTが終了したことを示す演出終了画像が表示される(図20,ステップS346)が、次の終了条件が記憶されていた場合は(図20,ステップS342,YES)、味方キャラクタFCが立ち上がる画像(図26参照)が表示される(図20,ステップS348)。また、このときゲージGのストックSA1〜SA3は、次の終了条件に定められている当選回数(選択確率の数ともいえる)に応じて点灯表示される(図20,ステップS350)。そして、点灯表示されているストックの1つが消灯表示され、次の終了条件に定められている最初の選択確率に従って、終了抽選の当選確率が設定される(図20,ステップS330)。その後、中心ゲージCAに、上述した最初の選択確率に対応する色が表示され(図20,ステップS332)、次の終了条件に基づくARTが開始される。
【0186】
このように、RAM210に次の終了条件が記憶されている場合であっても、換言すると、ARTの継続が予定されている場合であっても、一旦は、演出終了画像に至る過程で表示される終了条件成立画像が表示される。これにより、終了条件成立画像が表示されたときに、遊技者に、このまま演出終了画像が表示されてARTが終了してしまうかも知れないといった不安や、継続画像が表示されてARTが継続するかもしれないといった期待をもたせることで、ART中における興趣を向上させることができる。
【0187】
なお、スロットマシン10においては、終了抽選の当選確率を選択する際の選択確率と、終了抽選の当選回数とを、中心ゲージCAの色と、ストックSA1〜SA3の点灯表示数によって報知していたが、いずれか一方のみを報知するようにしてもよい。また、終了抽選が行われたときに敵方キャラクタECが攻撃する画像を表示し、終了抽選に当選したときは味方キャラクタFCが敵の攻撃を受ける画像、当選しなかったときは敵の攻撃を防御する画像を表示していた。これに対して、終了抽選が行われたときに味方キャラクタFCが敵方キャラクタECを攻撃する画像を表示して、終了抽選に当選したときは敵方キャラクタFCが攻撃を防御する画像を表示し、当選しなかったときは敵方キャラクタECがダメージを受けている画像を表示するようにしてもよい。また、敵方キャラクタECが攻撃するパターンと、味方キャラクタFCが攻撃するパターンの、どちらのパターンによって、終了抽選の実行とその結果を報知するのかを、乱数抽選によって決定してもよい。
【0188】
また、上述したスロットマシン10は、以下の構成を備えているともいえる。すなわち、
(1)成立過程報知手段は、
当選確率変動手段522によってARTの終了抽選の当選確率が上昇させられた場合でも、当選確率設定手段522が終了抽選の当選確率を選択する際に用いた選択確率に対応する選択確率情報を報知する。
【0189】
(2)終了条件記憶手段524は、
終了抽選の当選回数および前記選択確率が異なる複数種類の終了条件を記憶し(図12参照)、
当選確率設定手段528は、
開始条件成立時に、終了条件記憶手段に記憶された複数種類の終了条件のうち、いずれかを抽選により選択し、該選択した終了条件に従って、前記終了抽選で用いられる当選確率を選択、設定し、
報知制御手段520によって報知手段600による報知が行われている期間中に、さらに開始条件が成立したときは、再度、終了条件記憶手段に記憶された複数種類の終了条件のうち、いずれかを抽選により新たに選択し、現在の終了条件が成立した後に、新たな終了条件に従って、終了抽選で用いられる当選確率を選択、設定する。
【0190】
(3)成立過程報知手段(ゲージG)は、
ARTの終了条件が成立したときに、その旨を表す報知終了情報(終了条件成立画像)を報知し、
ART期間中に、さらに前記開始条件が成立していたときは、該報知終了情報の報知後、新たな終了条件に従って、選択確率に対応する選択確率情報、および、終了抽選の当選回数を示す当選回数情報の報知を行い、終了抽選が行われる毎に、該抽選結果を報知すると共に、終了抽選に当選したときは、報知している終了抽選の当選回数に関する情報を更新する。
【符号の説明】
【0191】
10 スロットマシン
36 スタートスイッチ
37L、37C、37R ストップスイッチ
40L、40C、40R リール
64L、64R スピーカ
70 画像表示装置
100 主制御回路
106、206 CPU
108、208 ROM
110、210 RAM
200 副制御回路
300 操作手段
310 遊技開始指示手段
320 停止指示手段
410 役抽選手段
420 リール制御手段
426 リール停止制御手段
430 入賞判定手段
440 役抽選確率変動手段
520 報知制御手段
521 終了抽選手段
522 当選確率選択手段
523 終了条件選択手段
524 終了条件記憶手段
525 当選回数計数手段
526 遊技媒体算出手段
527 当選確率変動手段
600 報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定数の遊技媒体が投入されると複数種類の図柄が複数表示された複数のリールが回転可能な状態となり、該複数のリールが回転した後、全てのリールが停止したときに入賞ラインに沿って表示された図柄組合せが所定の役に対応していた場合、所定数の前記遊技媒体を払い出すスロットマシンであって、
複数種類の役のうちいずれか1つまたは複数の役を、1回の役抽選によって決定する役抽選手段と、
前記複数のリールに各々対応して設けられ、外部からの操作に応じて対応するリールの停止指示を行う複数の停止指示手段と、
前記複数の停止指示手段のいずれかから前記停止指示がなされた時に、前記役抽選手段による抽選で当選した役に対応する図柄組合せが前記入賞ラインに沿って停止するように、前記停止指示がなされた停止指示手段に対応するリールを停止させるリール停止制御手段と、
前記役抽選において、前記所定の役が当選した場合、前記リール停止制御手段によって前記所定の役に対応する図柄組合せが前記入賞ラインに沿って停止させられることとなる、前記複数の停止指示手段の操作に関する報知を行う報知手段と、
所定の開始条件が成立してから所定の終了条件が成立するまでの間に、前記報知手段による報知を行わせる報知制御手段と、
前記報知制御手段により、前記報知手段による報知が行われている間、前記終了条件が成立する過程を表示する成立過程表示手段と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記所定の開始条件の成立後、前記役抽選において特定の役が当選するごとに、前記終了条件の成立要素となる終了抽選を行う終了抽選手段と、
複数種類の前記終了抽選の当選確率の中から所定の選択確率に従って選択した当選確率を、前記終了抽選手段によって行われる終了抽選の当選確率として設定する当選確率設定手段と、
前記終了抽選の当選回数を計数する当選回数計数手段と、
を備え、前記当選回数計数手段によって計数された当選回数が所定回数に達したときに、前記終了条件が成立したとみなし、
前記成立過程報知手段は、
前記選択確率に対応する選択確率情報、および、前記終了抽選に当選した回数を示す当選回数情報、または、そのいずれか一方を報知するとともに、前記終了抽選が行われる毎に、該抽選結果を報知する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記報知制御手段は、
前記終了条件が成立することとなる前記終了抽選の当選回数と、前記開始条件成立時および前記終了抽選に当選するごとに前記終了抽選の当選確率を設定するための前記選択確率と、を定めた終了条件を記憶した終了条件記憶手段を備え、
前記当選確率設定手段は、
前記開始条件成立時および前記終了抽選当選時に、前記終了条件によって指定される前記選択確率に従って、前記終了抽選で用いられる当選確率を選択し、設定する
ことを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記報知制御手段は、
所定回数過去の遊技から今回の遊技までの間に投入された遊技媒体の総投入枚数および払い出された遊技媒体の総払出枚数を算出する遊技媒体算出手段と、
前記総払出枚数を前記総投入枚数で除した値が所定の数値を超えた場合に、前記当選確率設定手段によって設定された前記終了抽選の当選確率を上昇させる当選確率変動手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−15719(P2011−15719A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160610(P2009−160610)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】