説明

タイヤ製造方法及びタイヤ製造用金型

【課題】簡単な製造工程でタイヤ骨格部材を製造できるタイヤ製造方法と、このタイヤ製造方法に適用可能なタイヤ製造用金型を得る。
【解決手段】タイヤ骨格部材を製造するためのタイヤ製造用金型52はタイヤ製造用金型部材54A、54Bで構成され、タイヤ製造用金型部材54A、54Bの間にキャビティ60A、60Bが構成される。一方のタイヤ製造用金型部材54Aは固定支持部材62Aにより固定されているが、他方のタイヤ製造用金型部材54Bは、タイヤ製造用金型部材54Aに対して平行状態を維持しつつ、スライド可能となるように、スライド支持部材62Bに支持されており、分割体をタイヤ製造用金型部材54A、54Bから取り出すことなく接合できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ製造方法及びタイヤ製造用金型に関し、さらに詳しくは、溶融した熱可塑性材料を金型内に注入してタイヤ骨格部材を成形するタイヤ製造方法と、このようなタイヤ製造方法に適用可能なタイヤ製造用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゴム、有機繊維材料、及びスチール部材で形成されているタイヤが知られている。近年、軽量化やリサイクルのし易さ等の観点から、熱可塑性エラストマー(TPE)や熱可塑性樹脂等の熱可塑性材料をタイヤ材料として用いることが求められている。たとえば特許文献1には、タイヤ赤道面近傍で2分された半環状部材からなるタイヤ基体が記載されている。半環状部材は、向き合う側に張出し片が突出しており、この張出し片を加熱して溶融接合するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−56204号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の方法では、半環状部材を接合するためには、半環状部材を成形した後、これらを、上金型と下金型とを具備する金型であらためて挟持させて溶融加圧する必要があるため、製造工程が複雑になる。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、簡単な製造工程でタイヤ骨格部材を製造できるタイヤ製造方法と、このタイヤ製造方法に適用可能なタイヤ製造用金型を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、タイヤ骨格部材をタイヤ赤道面に沿って分割した分割体を、タイヤ製造金型を構成する一対のタイヤ製造用金型部材の間のキャビティ内でそれぞれ成型する分割体成形工程と、前記タイヤ製造用金型部材で前記分割体を保持した状態で一対のタイヤ製造用金型部材を相対移動させてタイヤ骨格部材の形状となるように分割体を接触させる移動工程と、前記タイヤ骨格部材の形状とされた前記分割体を接触部分で接合してタイヤ骨格部材を構成する接合工程と、を有する。
【0007】
このタイヤ製造方法では、まず、分割体成形工程において、一対のタイヤ製造用金型部材のキャビティ内で、分割体がそれぞれ成形される。移動工程では、成形された分割体をタイヤ製造用金型部材で保持した状態で、一対のタイヤ製造用金型部材を相対移動させる。そして、タイヤ骨格部材の形状となるように分割体を接触させる。次に、接合工程では、分割体を接触部分で接合し、タイヤ骨格部材を構成する。
【0008】
このように、本発明のタイヤ製造方法では、キャビティ内で分割体を成形し、この分割体をタイヤ製造用金型部材から取り出すことなく一対のタイヤ製造用金型部材を相対移動させて、タイヤ骨格部材の形状となるように分割体を接触させている。分割体を金型から取り出し、さらに分割体を他の金型等を使用して位置あわせしたり接合させたりする必要がないので、製造工程が簡単になる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記移動工程において、前記一対のタイヤ製造用金型部材を相対的にスライドさせて前記分割体を接触させる。
【0010】
すなわち、請求項1に記載のタイヤ製造方法において、移動工程でタイヤ製造用金型部材を相対移動させる具体的方法は特に限定されないが、相対的にタイヤ製造用金型部材をスライドさせる(相対回転を伴わない)ことで、分割体を簡単に接触部分で接触させることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記分割体成形工程において、前記一対のタイヤ製造用金型部材の間に前記キャビティを構成する。
【0012】
このように、一対の金型部材同士の間にキャビティを構成することで、タイヤ製造用金型の構造を簡素化できる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記分割体成形工程において、前記タイヤ骨格部材に埋設される埋設部材を前記キャビティ内の所定位置に保持して前記分割体を構成する。
【0014】
したがって、このタイヤ製造方法では、埋設部材が埋設されたタイヤ骨格部材を容易に製造することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項1に記載のタイヤ製造方法に用いられるタイヤ製造用金型であって、タイヤ製造用金型部材を構成する一対のタイヤ製造用金型部材の間に、タイヤ骨格部材をタイヤ赤道面に沿って分割した分割体を成形するための一対のキャビティを構成するキャビティ構成部と、キャビティ内に前記分割体を構成する成形材料を注入するための第1注入部と、前記分割体がタイヤ骨格部材の形状となるように接触された状態で接触部分を接合する接合材料を注入するための第2注入部と、を有する。
【0016】
このタイヤ製造用金型部材を構成するタイヤ製造用金型部材を一対組み合わせると、その間に、キャビティが構成される。そして、キャビティ内に、第1注入部から成形材料を注入して、分割体を形成することができる。その後、キャビティ内で成形された分割体を保持した状態で、一対のタイヤ製造用金型部材を相対移動させて、タイヤ骨格部材の形状となるように分割体を接触させる。次に、第2注入部から、接合材料を注入して、分割体の接触部分を接合し、タイヤ骨格部材を構成できる。
【0017】
このように、本発明のタイヤ製造用金型では、キャビティ内で成形された分割体をタイヤ製造用金型部材から取り出すことなく、接合工程を行って接合できるようになる。
【0018】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の発明において、前記第1注入部が一対の前記キャビティに共通で設けられると共に前記第2注入部を兼ねている。
【0019】
このように、第1注入部を共通化し、さらに第2注入部を兼ねるようにすることで、タイヤ製造用金型の構造を簡素化できる。
【0020】
請求項7に記載の発明では、請求項5に記載の発明において、前記第1注入部が一対の前記キャビティのそれぞれに対応して前記成形材料を注入可能となるように複数設けられている。
【0021】
したがって、分割体のそれぞれに対し、第1注入部から成形材料を注入できるので、より短時間で分割体を精度良く成形することが可能になる。
【0022】
請求項8に記載の発明では、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の発明において、前記タイヤ骨格部材に埋設される埋設部材を前記キャビティ内の所定位置に保持するための保持部材、を有する。
【0023】
すなわち、保持部材によって埋設部材を保持することで、埋設部材が埋設された分割体を製造することが可能になる。
【0024】
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の発明において、前記保持部材が、タイヤ内側から前記埋設部材に当接して保持する。
【0025】
保持部材が配置された部分は、タイヤ骨格部材が成形された状態では、部分的に成形材料が存在しない領域となる。この領域がタイヤ内側に存在することになるので、タイヤ外側にある構造と比較して、タイヤをリムに組み付けたときのエア保持性を高く確保することが可能になる。
【0026】
請求項10に記載の発明では、請求項8又は請求項9に記載の発明において、前記保持部材が、前記埋設部材を部分的に収容して保持する保持凹部を有する。
【0027】
埋設部材を保持凹部に収容して保持できるので、このような保持凹部が形成されていない保持部材を備えたタイヤ製造用金型と比較して、埋設部材をより確実に保持できるようになる。
【0028】
請求項11に記載の発明では、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の発明において、前記保持部材が磁気を帯びている。
【0029】
したがって、埋設部材が磁性材料を少なくとも一部に含んでいる場合には、磁力により埋設部材を確実に保持できるようになる。
【0030】
なお、本発明における「タイヤ製造用金型」は、金属製とされているものに限定されず、他の材料製とされていてもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明は上記構成としたので、簡単な製造工程でタイヤ骨格部材を製造し、このタイヤ骨格部材により簡単にタイヤを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のタイヤ製造方法によって製造されるタイヤを示す概略構成図である。
【図2】本発明のタイヤ製造方法によって製造されるタイヤのビード部の近傍をリムへの取付状態で示す断面図である。
【図3】本発明のタイヤ製造方法によって製造されるタイヤのタイヤ骨格部材における接合面を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態のタイヤ製造方法に適用されるタイヤ製造用金型を示す断面図である。
【図5】本発明のタイヤ製造方法においてタイヤ骨格部材を製造する工程の一部を(A)〜(B)へと順に示す説明図である。
【図6】本発明のタイヤ製造方法においてタイヤ骨格部材を製造する工程の一部を(A)〜(B)へと順に示す説明図である。
【図7】本発明のタイヤ製造方法に適用されるタイヤ製造用金型を保持ジグの近傍で拡大して示す断面図である。
【図8】本発明のタイヤ製造方法で製造されるタイヤ骨格部材を示し(A)は正面図、(B)は(A)の部分拡大図である。
【図9】本発明のタイヤ製造方法で製造されるタイヤ骨格部材を空洞領域の近傍で拡大して示し、(A)はビードコアが配設された状態、(B)はビードコアを描かない状態である。
【図10】本発明のタイヤ製造方法に適用されるタイヤ製造用金型を保持ジグ及び補助ジグの近傍で拡大して示す断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態のタイヤ製造方法に適用されるタイヤ製造用金型を示す断面図である。
【図12】本発明のタイヤ製造方法によって製造される図1とは異なる構造のタイヤを示す概略断面図である。
【図13】図12に示すタイヤを構成するチューブを示す概略断面図である。
【図14】本発明のタイヤ製造方法によって製造される図1及び図12とは異なる構造のタイヤを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図4には、本発明の第1実施形態のタイヤ製造用金型52が示されている。また、図5〜図6には、このタイヤ製造用金型52を用いたタイヤ製造方法の一部工程が示されている。本実施形態のタイヤ製造方法で製造されるタイヤ12は、図1及び図2に示すように、ビードコア20が埋設されてリム18に接触されるタイヤビード部22から、タイヤ径方向外側に延びるタイヤサイド部24を経て、タイヤサイド部24どうしを連結するタイヤセンター(クラウン部26)を備え、これらが本体用熱可塑性材料で構成されたタイヤ骨格部材14を備えており、本実施形態のタイヤ製造方法では、特に、このタイヤ骨格部材14を製造する場合に適用可能とされている。そして、このタイヤ骨格部材14のタイヤ外周面側の位置、すなわちクラウン部26の外側に、ゴム製のトレッドゴム16が接着されて、車両のリム18に装着されるタイヤ12となる。なお、タイヤのトレッドとして求められる作用を奏することが可能であれば、トレッドゴム16に代えて樹脂製のトレッド部材を用いてもよい。
【0034】
ここで、本実施形態のタイヤ骨格部材14は、単一の熱可塑性材料で形成されているが、本発明はこの構成に限定されず、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと同様に、タイヤ骨格部材14の各部位毎(タイヤサイド部24、クラウン部26、タイヤビード部22など)に異なる特徴を有する熱可塑性材料を用いてもよい。
【0035】
また、本実施形態のタイヤ骨格部材14では、後述するように、タイヤ骨格部材14が2つの分割体14A、14Bを接合することで構成されており、接合面36が接合用熱可塑性材料38で接合されている。
【0036】
本体用熱可塑性材料及び接合用熱可塑性材料のいずれにおいても、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)等を用いることができるが、走行時に必要とされる弾性と製造時の成形性等を考慮すると熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。
【0037】
接合用熱可塑性材料38は、分割体14A、14Bを構成している熱可塑性材料と同種の熱可塑性材料であっても良いが、異種の熱可塑性材料であっても良い。同種の材料とすれば、タイヤ骨格部材14を全体として1つの熱可塑性材料で構成できるので、低コストとなる。また、異種材料とすれば、本体用熱可塑性材料と接合用熱可塑性材料との、それぞれ好ましい特性を有する材料とすることが可能である。
【0038】
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられ、特に、一部ゴム系の樹脂が混錬されているTPVが好ましい。
【0039】
また、熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
【0040】
これらの熱可塑性材料としては、たとえば、ISO75−2又はASTM D648に規定される荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)が78℃以上、JIS K7113に規定される引張降伏強さが10MPa以上、同じくJIS K7113に規定される引張降伏伸びが10%以上、同じくJIS K7113に規定される引張破壊伸び(JIS K7113)が50%以上、JIS K7206に規定されるビカット軟化温度(A法)が130℃以上であるものが用いられる。
【0041】
本実施形態のタイヤビード部22には、従来一般の空気入りタイヤと同様の、スチールコードからなる円環状のビードコア20が埋設されている。しかし、本発明はこの構成に限定されず、タイヤビード部22の剛性が確保され、リムとの嵌合に問題なければ、ビードコア20は省略してもよい。なお、ビードコア20は、スチールコード等の金属製のものに限定されず、有機繊維を単独で用いたものや、有機繊維が樹脂被覆されたもの(有機繊維コード)、あるいは、硬質樹脂で成形された樹脂コードであってもよいが、特に本実施形態では、金属(磁性体)を有する構成としている。
【0042】
また、図2に示すように、本実施形態では、タイヤビード部22のリム18との接触部分、少なくともリム18のリムフランジ18Fと接触する部分に、タイヤ骨格部材14を形成する熱可塑性材料よりもシール性に優れた材料、例えば、ゴムあるいは樹脂からなる円環状のシール層28が形成されている。このシール層28はビードシート30と接触する部分にも形成されていてもよい。
【0043】
シール層28を形成するゴムとしては、従来一般のゴム製の空気入りタイヤのビード部外面に用いられているゴムと同種のゴムを用いることが好ましい。なお、熱可塑性材料のみでリム18との間のシール性が確保できれば、ゴムのシール層28を省略してもよく、また、タイヤ骨格部材14を形成する熱可塑性材料よりもシール性に優れる他の種類の熱可塑性材料を用いてもよい。
【0044】
図1に示すように、クラウン部26には、タイヤ骨格部材14を形成する熱可塑性材料よりも剛性が高い補強コード34が、タイヤ骨格部材14の軸方向に沿った断面視で、少なくとも一部が埋設された状態で螺旋状に巻回されて補強コード層32が形成されている。また、補強コード34は、埋設された部分が熱可塑性材料と密着した状態となっている。この補強コード34としては、金属繊維や有機繊維等のモノフィラメント(単線)、又はこれらの繊維を撚ったマルチフィラメント(撚り線)などを用いるとよい。なお、本実施形態では、補強コード34として、スチール繊維を撚ったスチールコードを用いている。なお、補強コード層32は、補強コード34を螺旋状に巻回して形成することが製造上容易であるが、タイヤ幅方向で補強コード34を不連続としても良い。さらには、たとえばタイヤビード部22やタイヤサイド部24にも、補強材(高分子材料や金属製の繊維、コード、不織布、織布等)を埋設配置し、この補強材でタイヤ骨格部材14を補強しても良い。
【0045】
クラウン部26のタイヤ径方向外周側には、タイヤ骨格部材14を形成している熱可塑性材料よりも耐摩耗性に優れた材料、例えばゴムからなるトレッドゴム16が配置されている。このトレッドゴム16に用いるゴムは、従来のゴム製の空気入りタイヤに用いられているゴムと同種のゴムを用いることが好ましい。なお、トレッドゴム16の代わりに、タイヤ骨格部材14を形成する熱可塑性材料よりも耐摩耗性に優れる他の種類の熱可塑性材料で形成したトレッドを用いてもよい。また、トレッドゴム16には、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様に、路面との接地面に複数の溝からなるトレッドパターンが形成されている。
【0046】
タイヤ骨格部材14は、図1から分かるように、タイヤ赤道面またはその近傍面において2つに分割された分割体14A、14Bで構成されている。すなわち、分割体14A、14Bの突合せ部分が接合面36とされ、この接合面36が接合用熱可塑性材料38によって接合されて、全体として所定形状のタイヤ骨格部材14となる。
【0047】
図3に示すように、分割体14A、14Bのそれぞれには、接合面36におけるタイヤ径方向外側の位置に、断面形状が中心角90度の扇形とされた接合材料用凹部40が形成されている。分割体14A、14Bを接合面36で全周にわたって接触させると、対向する接合材料用凹部40が、断面半円状になる。図1に示すように、この断面半円状の接合材料用凹部40に接合用熱可塑性材料38を注入し、分割体14A、14Bを接合する。
【0048】
図4に示すように、本発明のタイヤ製造方法では、タイヤ製造用金型52を構成する部材として、タイヤ製造用金型部材54A、54Bが一対用意される。それぞれのタイヤ製造用金型部材54A、54Bは、キャビティ構成凹部56と、このキャビティ構成凹部56に隣接されたキャビティ構成凸部58と、を有している。2つのタイヤ製造用金型部材54Aを向かい合わせると、2つのキャビティ構成凹部56にキャビティ構成凸部58がそれぞれ嵌合されると共に、これらの間に、2つのキャビティ60A、60Bが構成される。これらのキャビティ60A、60Bは、分割体14A、14Bを成形するためのものである。それぞれのタイヤ製造用金型部材54A、54Bには、接合材料用凹部40を形成するための環状の凸部55が形成されている。
【0049】
一方のタイヤ製造用金型部材54Aは固定支持部材62Aにより固定されているが、他方のタイヤ製造用金型部材54Bは、タイヤ製造用金型部材54Aに対して平行状態を維持しつつ、接近及び離間する方向(図5(B)に示す矢印M1方向及び図6(A)に示す矢印M3方向)と、これと直交する横方向(矢印M2方向)にスライド可能となるように、スライド支持部材62Bに支持されている。
【0050】
タイヤ製造用金型部材54Aのキャビティ構成凹部56とキャビティ構成凸部58の間には、材料注入ゲート64が形成されている。図5(A)からも分かるように、この材料注入ゲート64を通してキャビティ60A、60B内に、分割体14A、14Bを成形するための本体用熱可塑性材料を注入することができる。また、本実施形態では、図6(B)に示すように、タイヤ製造用金型52内において、分割体14A、14Bが接合面36で接合された状態では、材料注入ゲート64を通じて、接合用熱可塑性材料38を注入することができる。したがって、第1実施形態の材料注入ゲート64は、本発明における第1注入部と第2注入部とを兼ねている。
【0051】
図7(A)に詳細に示すように、タイヤ製造用金型部材54A、54Bにおけるキャビティ構成凸部58には、ビードコア保持用の保持ジグ66が、あらかじめ設定された位置に設けられている。保持ジグ66は略直方体のブロック状に形成されており、キャビティ構成凸部58の突出方向に向かう面(図4の上側の保持ジグ66では右側面、下側の保持ジグ66では左側面)に、断面略半円状の保持凹部68が形成されている。保持凹部68は、ビードコア20の直径と同様の内径を有しており、ビードコア20を部分的に収容して保持できるようになっている。
【0052】
特に本実施形態では、図8(A)及び(B)に示すように、タイヤ骨格部材14を全体で見たときに、タイヤ内側からビードコア20に当接して保持する位置に保持ジグ66が配置されている。タイヤ骨格部材14が成形されたときには、保持ジグ66により、熱可塑性材料が存在していない領域が生じるが、このような空洞領域70がタイヤ内側に生じることになる。
【0053】
保持ジグ66は、タイヤ周方向に沿って所定の長さLを有しており、保持ジグ66が存在している部分に生じる空洞領域70の長さも、保持ジグ66の長さLに等しい長さとなる。空洞領域70を少なくする観点からは、長さLはたとえば20mm以下とすることが好ましい。そして、このように長さLの条件を満たした保持ジグ66が、タイヤ周方向に沿って一定間隔で複数(本実施形態では、図8(A)に示すタイヤ骨格部材の空洞領域70から分かるように12)配置される。
【0054】
さらに、この長さLを長くすると、タイヤ骨格部材14の空洞領域70が長くなるため応力集中が生じやすくなる。このような応力集中を抑制する観点からは、長さLを15mm以下とすることが好ましく、5mm以下とすることがより好ましい。ただし、長さLをあまりに短くすると、保持ジグ66自体の強度が低下する。したがって、保持ジグ66の強度を確保するためには、長さLを1mm以上とすることが好ましい。
【0055】
本実施形態では、保持ジグ66はマグネット材で形成されており、磁性を帯びている。ビードコア20は一般に金属(磁性体)を含んで構成されることが多く、このように金属を含むビードコア20を磁力で吸着することができる。
【0056】
なお、ビードコア20をより確実に保持するために、図10(A)に示す補助ジグ92を用いてもよい。この補助ジグ92は、ビードコア20を挟んで保持ジグ66の反対側(タイヤ外側)に配置されている。また、この補助ジグ92は、たとえば細径の円柱状の部材を用いることができる。補助ジグ92を用いると、図10(B)に示すように、タイヤ外側に熱可塑性材料が存在していない空洞領域94が生じるが、この空洞領域94は、補助ジグ92を細径とすることで小さくできるので、リム組み時におけるエア保持性の低下は抑制できる。特に、図1及び図2に示したシール層28や、これに代わるシール部材を、少なくとも空洞領域94を覆うようにタイヤ骨格部材14に貼り付けることで、エア保持性を高く維持できるようになる。
【0057】
補助ジグ92の位置は、タイヤ骨格部材14の周方向で保持ジグ66と一致する位置とされていれば、保持ジグ66と補助ジグ92とで、ビードコア20を挟持して、より確実の保持することができる。もちろん、補助ジグ92がタイヤ骨格部材14の周方向で保持ジグ66と異なる位置に配置されていてもよい。
【0058】
次に、本実施形態のタイヤ製造用金型52を用いてタイヤ骨格部材14を製造するタイヤ製造方法を説明する。
【0059】
図7(A)に示すように、保持ジグ66の保持凹部68にビードコア20を保持させた状態(このとき、ビードコア20は環状になっている)とし、図4に示すように、タイヤ製造用金型部材54A、54Bを一次合わせした状態で閉型する。このとき、キャビティ構成凹部56内にキャビティ構成凸部58が嵌合されており、タイヤ製造用金型部材54A、54Bとでキャビティ60A、60Bが構成されている。
【0060】
ここで、図5(A)に示すように、材料注入ゲート64から、タイヤ骨格部材14を構成するための本体用熱可塑性材料を溶融状態でキャビティ60A、60Bに注入する。これにより、キャビティ60A、60B内で分割体14A、14Bがほぼ同時に形成される。もちろん、分割体14A、14Bが時間差をもって成形されてもよい。
【0061】
キャビティ60A、60B内で分割体14A、14Bが形成されると、次に、図5(B)に示すように、タイヤ製造用金型部材54Bをタイヤ製造用金型部材54Aから離間する方向(矢印M1方向)に移動させて、タイヤ製造用金型部材54A、54Bを開型する。このとき、材料注入ゲート64に残った材料は不要部分72として除去しておくが、キャビティ60A、60Bで成形された分割体14A、14Bは、それぞれのタイヤ製造用金型部材54A、54Bのキャビティ構成凹部56に保持された状態に維持されている。なお、不要部分72の除去は、手動(手作業)で行ってもよいが、除去用の可動ピン等をあらかじめ備える構成としておき、この可動ピンにより行ってもよい。
【0062】
また、タイヤ製造用金型部材54A、54Bを開型したときに、不要部分72が所定位置で切断されるような薄肉部を形成しておく構成でもよく、タイヤ製造用金型部材54A、54Bとしては、このような薄肉部が形成されるように、その形状をあらかじめ決めておけばよい。薄肉部が開型時に切断されない場合でも、不要部分72の除去を薄肉部で行うことができるので、除去作業が容易になる。
【0063】
さらに、タイヤ製造用金型部材54Bを矢印M2方向にスライドさせ、図6(A)に示すように、2つのキャビティ構成凹部56を対向させる。キャビティ構成凹部56には保持された分割体14A、14Bも対向する。次に、図6(B)に示すように、タイヤ製造用金型部材54Bを矢印M3方向に移動させて、タイヤ製造用金型部材54Aに接近させ、タイヤ製造用金型部材54A、54Bを二次合わせした状態で閉型する。図3に示すように、分割体14A、14Bの接合面36が環状に接触し、接合面36のタイヤ周方向外側には、接合材料用凹部40が構成されている。
【0064】
ここで、材料注入ゲート64から、分割体14A、14Bを接合する接合用熱可塑性材料38を溶融状態で注入する。この接合用熱可塑性材料38は、接合材料用凹部40に入り込み、接合面36において分割体14A、14Bを全周にわたって接合するので、所望の形状のタイヤ骨格部材14が形成される。そして、タイヤ製造用金型部材54A、54Bを再度開き、タイヤ骨格部材14を取り出す。ここでも、材料注入ゲート64内の材料は不要部分72として除去しておく。
【0065】
その後、タイヤ骨格部材14のクラウン部26に、補強のための補強コード34を螺旋状に埋設し(必要に応じて、タイヤビード部22やタイヤサイド部24にも補強材を埋設し)、さらにクラウン部26の外周に、全周に渡ってトレッドゴム16を接着することで、図1に示すタイヤ12が得られる。
【0066】
なお、図8及び図9にも示すように、タイヤ骨格部材14には、保持ジグ66が配置されていた部分に空洞領域70が生じているが、この空洞領域70はタイヤ内側であり、タイヤ骨格部材14のタイヤ外側では、リムフランジが当接する部位の全体に渡って熱可塑性材料が存在している。したがって、リム組み時のエア保持性が高く維持される。また、タイヤ内側では、空洞領域70が比較的大きくても、リム組み時のエア保持性に与える影響は小さい。このため、タイヤ製造用金型部材54A、54Bから分割体14A、14Bを抜き出すときにおける熱可塑性材料の破壊を防止できる保持ジグ66の寸法及び形状とすることができる。そしてこれにより、分割体14A、14B成形時のビードコア20の位置ズレを効果的に抑制でき、さらに、分割体14A、14B成形時の圧力付加によるビードコア20の変形も抑制できるようになる。
【0067】
しかも、空洞領域70はタイヤ内側において周方向に点在しており、しかも、それぞれの長さLも、上記したように20mm以下(好ましくは15mm、より好ましくは5mm以下)とされる。したがって、空洞領域70が生じていることに起因するタイヤ骨格部材14への応力集中も抑制できる。
【0068】
特に、本実施形態では、保持ジグ66がマグネット材で形成されて磁力を帯びているので、磁性体を含んだビードコア20を用いた場合には、磁力によって、ビードコア20をより確実に保持できる。
【0069】
上記説明から分かるように、本実施形態のタイヤ製造方法では、分割体14A、14Bをタイヤ製造用金型52で成形した後、これら分割体14A、14Bをタイヤ製造用金型部材54A、54Bから取り出すことなく保持された状態を維持し、タイヤ製造用金型部材54A、54Bの相対移動により、分割体14A、14Bを互いの接合面36で接合させている。したがって、分割体14A、14Bを金型で成形した後、金型から一旦分割体14A、14Bを取り出し、あらためて他の金型や保持具等で保持させて接合する方法と比較して、製造工程が簡単になる。すなわち、分割体14A、14Bを金型から取り出してしまうと、これら分割体14A、14Bの接合時に位置あわせを行ったり、上記した保持部材に保持させたりする作業が必要になるが、本実施形態では、これらの作業が不要となる。
【0070】
また、本実施形態では、タイヤ製造用金型部材54A、54Bで分割体14A、14Bを保持した状態のままで接合するので、接合精度を高く維持できる。すなわち、金型から分割体14A、14Bを取り出してしまうと、接合面36の位置精度が低下し、平坦性を確保するのが難しくなることが考えられる。しかし、本実施形態のタイヤ製造方法では、接合面を平坦にすることが可能であり、接合精度も高くなる。たとえば、タイヤ骨格部材14のクラウン部26へのトレッドゴム16の接着強度を高く維持できると共に、クラウン部26とトレッドゴム16の間への不用意な空気の侵入を抑制できる。
【0071】
なお、第1実施形態に係るタイヤ製造用金型52は、本発明の第1注入孔と第2注入孔とを兼ねた材料注入ゲート64が設けられており、しかも、2つのキャビティ60A、60Bに共通で設けられている。したがって、タイヤ製造用金型52の構造が簡素になる。
【0072】
図11には、本発明の第2実施形態のタイヤ製造用金型82が示されている。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0073】
第2実施形態のタイヤ製造用金型82を構成するタイヤ製造用金型部材84A、84Bでは、それぞれのキャビティ構成凹部56の中心、すなわち、キャビティ60A、60Bの中心に、本体用熱可塑性材料を注入するための中心ゲート88が形成されている。さらに、中心ゲート88の先端からは、放射状に分岐して先端がキャビティ60A、60Bに達する複数の放射ゲート90が形成されている。中心ゲート88と放射ゲート90とで、本発明の第1注入部を構成している。
【0074】
また、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、材料注入ゲート64が形成されている。第2実施形態では、この材料注入ゲート64が本発明に係る第2注入孔を構成しており、接合用熱可塑性材料を注入するために用いられる。換言すれば、第2実施形態では、本発明の第1注入部と第2注入部とが分離されており、しかも、第1注入部としては、キャビティ60A、60Bのそれぞれに対して、短時間での本体用熱可塑性材料の注入が可能な形状とされている。
【0075】
このようなタイヤ製造用金型部材54A、54Bを用いた第2実施形態においても、タイヤ製造方法としては、第1実施形態と同一の工程でタイヤを製造できるが、特に、キャビティ60A、60Bに溶融状態の本体用熱可塑性材料を注入するときに、それぞれのキャビティ60A、60Bごとに設けられた第1注入孔(中心ゲート88及び放射ゲート90)から注入できるので、より短時間でキャビティ60A、60Bの全体に精度良く熱可塑性材料を行き渡らせることができる。また、中心ゲート88から放射ゲート90へと放射状に熱可塑性樹脂が流れるので、キャビティ60A、60B内でより均等に樹脂を行き渡らせることも可能になる。
【0076】
上記第1実施形態及び第2実施形態の双方において、要するにキャビティ60A、60Bで形成された分割体14A、14Bを、タイヤ製造用金型部材54A、54B、又はタイヤ製造用金型部材84A、84Bから取り出すことなく、タイヤ骨格部材14の形状となるように接触させて接合できればよい。したがって、分割体14A、14Bを接触させるためには、タイヤ製造用金型部材54A、54B、又はタイヤ製造用金型部材84A、84Bを相対的にスライドさせればよいが、スライド以外の相対移動を伴っていてもよい。ただし、タイヤ製造用金型部材54A、54B、又はタイヤ製造用金型部材84A、84Bを相対回転させると、分割体14A、14Bを、タイヤ骨格部材14の形状となるように接触させるときに、接触部分を一致させる作業が難しくなることがある。これに対し、スライドの場合は、相対回転を伴わないので、容易に分割体14A、14Bを接触部分で一致させて接触させることが可能になる。
【0077】
なお、上記では、タイヤ製造用金型部材54A、54Bのみによって、又はタイヤ製造用金型部材84A、84Bのみによって、キャビティ60A、60Bが構成されるようになっており、キャビティ60A、60Bを構成するために、他の部材が不要で構造の簡素化を図ることが可能になっている。
【0078】
また、上記では、リムに組みつけられると共にビードコア20が埋設されたタイヤ骨格部材14を用いたタイヤ12を例に挙げているが、本発明の埋設部材としては、ビードコア20に限定されない。たとえば、タイヤ骨格部材の補強等の目的のために、ビードコア20以外の部材を埋設した構造や、その他の特定の目的のための部材を埋設した構造において、本発明のタイヤ製造用金型を用いることで、これら埋設部材が埋設されたタイヤ骨格部材を容易に製造することが可能になる。
【0079】
さらに、本発明に係るタイヤとしては、これらのような埋設部材が埋設されたタイヤ骨格部材を有するタイヤに限定されず、図12に示す構造のタイヤ102であってもよい。
【0080】
このタイヤ102は、熱可塑性材料によって円環状とされた中空のチューブ120をタイヤ幅方向に複数本(図12では3本)配置してタイヤ骨格部材104とし、それらの外周部分に、ベルト122を埋設したトレッドゴム106を接着した構成であり、チューブ120に係合する凹部を備えたリム18に装着されるものである。なお、このタイヤ102にはビードコアは設けられていない。
【0081】
なお、チューブ120は、図13に示すように、断面半円形状のチューブ半体120A、120Bを互いに向き合わせて接合用熱可塑性材料38で接合したり、図示しない溶着シートで接合したりすることもできる。
【0082】
また、図14に示すタイヤ132のように、1本のチューブ120(2つのチューブ半体120A、120Bからなる)を用いてタイヤ骨格部材とし、チューブ120のサイド部から延長されたセンター部(チューブ外周部分)にトレッドゴム106を接着したチューブタイプの構成とすることも出来る。
【0083】
いずれの構造のタイヤ102、132においても、図4に示すタイヤ製造用金型部材54A、54Bを用いて、チューブ120を製造することができる。すなわち、タイヤ製造用金型部材54A、54Bの間に構成されるキャビティのそれぞれを、チューブ半体120A、120Bを成形することが可能な形状とすればよい。なお、タイヤ12を製造する一連の工程では、本発明を逸脱しない範囲で、各工程の順序を適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0084】
12 タイヤ
14 タイヤ骨格部材
14A、14B 分割体
16 トレッドゴム
18 リム
20 ビードコア(埋設部材)
26 クラウン部
30 ビードシート
32 補強コード層
36 接合面
40 接合材料用凹部
52 タイヤ製造用金型
54A、54B タイヤ製造用金型部材
56 キャビティ構成凹部(キャビティ構成部)
58 キャビティ構成凸部(キャビティ構成部)
60A、60B キャビティ
64 材料注入ゲート(第1注入部、第2注入部)
66 保持ジグ(保持部材)
68 保持凹部
70 空洞領域
82 タイヤ製造用金型
84A、84B タイヤ製造用金型部材
88 中心ゲート(第1注入部)
90 放射ゲート(第1注入部)
92 保持ジグ
102 タイヤ
104 タイヤ骨格部材
106 トレッドゴム
120 チューブ
120A、120B チューブ半体
122 ベルト
132 タイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ骨格部材をタイヤ赤道面に沿って分割した分割体を、タイヤ製造金型を構成する一対のタイヤ製造用金型部材の間のキャビティ内でそれぞれ成型する分割体成形工程と、
前記タイヤ製造用金型部材で前記分割体を保持した状態で一対のタイヤ製造用金型部材を相対移動させてタイヤ骨格部材の形状となるように分割体を接触させる移動工程と、
前記タイヤ骨格部材の形状とされた前記分割体を接触部分で接合してタイヤ骨格部材を構成する接合工程と、
を有するタイヤ製造方法。
【請求項2】
前記移動工程において、前記一対のタイヤ製造用金型部材を相対的にスライドさせて前記分割体を接触させる請求項1に記載にタイヤ製造方法。
【請求項3】
前記分割体成形工程において、前記一対のタイヤ製造用金型部材の間に前記キャビティを構成する請求項1又は請求項2に記載のタイヤ製造方法。
【請求項4】
前記分割体成形工程において、前記タイヤ骨格部材に埋設される埋設部材を前記キャビティ内の所定位置に保持して前記分割体を構成する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載のタイヤ製造方法に用いられるタイヤ製造用金型であって、
タイヤ製造用金型部材を構成する一対のタイヤ製造用金型部材の間に、タイヤ骨格部材をタイヤ赤道面に沿って分割した分割体を成形するための一対のキャビティを構成するキャビティ構成部と、
キャビティ内に前記分割体を構成する成形材料を注入するための第1注入部と、
前記分割体がタイヤ骨格部材の形状となるように接触された状態で接触部分を接合する接合材料を注入するための第2注入部と、
を有するタイヤ製造用金型。
【請求項6】
前記第1注入部が一対の前記キャビティに共通で設けられると共に前記第2注入部を兼ねている請求項5に記載のタイヤ製造用金型。
【請求項7】
前記第1注入部が一対の前記キャビティのそれぞれに対応して前記成形材料を注入可能となるように複数設けられている請求項5に記載のタイヤ製造用金型。
【請求項8】
前記タイヤ骨格部材に埋設される埋設部材を前記キャビティ内の所定位置に保持するための保持部材、を有する請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のタイヤ製造用金型。
【請求項9】
前記保持部材が、タイヤ内側から前記埋設部材に当接して保持する請求項8に記載のタイヤ製造用金型。
【請求項10】
前記保持部材が、前記埋設部材を部分的に収容して保持する保持凹部を有する請求項8又は請求項9に記載のタイヤ製造用金型。
【請求項11】
前記保持部材が磁気を帯びている請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載のタイヤ製造用金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−42092(P2011−42092A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191228(P2009−191228)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】