タンパク質分解障害の治療
本発明は、細胞増殖障害(例えば癌)およびタンパク質分解障害(例えば神経変性障害)のようなタンパク質分解障害を治療する方法に関する。本発明は、アグレソーム阻害剤、またはアグレソーム阻害剤とプロテアソーム阻害剤との組み合わせを用いてこれらの疾患を治療するための方法および薬学的組成物を提供する。本発明は、さらに、多発性骨髄腫を治療するための方法および薬学的組成物に関する。新しいHDAC/TDAC阻害剤およびアグレソーム阻害剤ならびにこれらの化合物を合成するための合成方法も提供される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質分解障害を患っている被験体またはタンパク質分解障害にかかりやすい被験体を治療する方法であって、治療を必要とする被験体に、治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤を投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記タンパク質分解障害は、細胞増殖障害またはタンパク質沈着障害である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記細胞増殖障害は癌である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記癌は、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫、乳癌、肺癌および肝癌の一つ以上である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記癌は多発性骨髄腫である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記タンパク質沈着障害は、ウィルソン病、脊髄小脳失調、プリオン病、パーキンソン病、ハンチントン病、家族性筋萎縮性側索硬化症、アミロイド沈着症、アルツハイマー病、アレグザンダー病、アルコール性肝臓疾患、嚢胞性線維症、ピック病またはレヴィー小体認知症である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記タンパク質分解阻害剤は、プロテアソーム阻害剤とアグレソーム阻害剤との組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ(VELCADE)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
タンパク質分解障害の症状を示している細胞を処理する方法であって、治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤を前記細胞に投与することを含む、方法。
【請求項10】
前記細胞は、被験体または培養細胞由来の細胞の一つ以上である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記被験体由来細胞は、骨髄間質細胞、(BMSC)、末梢血単核細胞(PBMC)、リンパ球、毛嚢、血液細胞、他の上皮細胞、骨髄形質細胞、原発性癌細胞、患者由来腫瘍細胞、正常造血幹細胞または癌性造血幹細胞、神経幹細胞、固形腫瘍細胞または星状細胞の一つ以上である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記培養細胞は、MM.1S、U266、RPMI8226、DOX40、MM.1R、INA‐6、LR5、原発性癌細胞株および株化癌細胞株、原発性正常細胞株および株化正常細胞株の一つ以上である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
多発性骨髄腫を患っている被験体または多発性骨髄腫にかかりやすい被験体を治療する方法であって、治療を必要とする被験体に、治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤を投与し、それによって多発性骨髄腫を患っている前記被験体または多発性骨髄腫にかかりやすい前記被験体を治療する、方法。
【請求項14】
被験体におけるタンパク質分解障害治療の効力を評価する方法であって、
一つ以上の治療前表現型を決定すること、
治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤を前記被験体に投与すること、および
前記タンパク質分解阻害剤による初期治療期間の後、前記一つ以上の表現型を決定すること
を含み、一つ以上の表現型の調節は、タンパク質分解阻害剤治療の効力を示す、方法。
【請求項15】
アグレソーム阻害剤による治療を受けている被験体の経過をモニタリングする方法であって、
一つ以上の治療前表現型を決定すること、
治療的に有効な量のアグレソーム阻害剤を前記被験体に投与すること、および
前記アグレソーム阻害剤による初期治療期間の後、一つ以上の表現型を決定すること、を含み、表現型の一つ以上の調整は、アグレソーム阻害治療の効力を示す、方法。
【請求項16】
タンパク質分解阻害剤による治療に適するタンパク質分解障害を有する被験体を選択する方法であって、
一つ以上の治療前表現型を決定すること、
治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤を前記被験体に投与すること、
前記タンパク質分解阻害剤による初期治療期間の後、前記一つ以上の表現型を決定すること、を含み、
一つ以上の表現型の調節は、前記障害がタンパク質分解阻害剤による治療に対して好ましい臨床応答を示す可能性があることを示す、方法。
【請求項17】
前記タンパク質分解阻害剤は、tubacin、ボルテゾミブ、SAHA、R115777 FTI、166ホルミウム‐DOTMP、三酸化ヒ素、17‐AAG、MG132、sapojargonおよびNPI‐0052からなる群から選択される、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記タンパク質分解阻害剤はHDAC6を阻害する、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記タンパク質分解阻害剤は、以下の式:
【化1】
のもの、およびその薬学的に受容可能な塩および誘導体であり、
ここで、
R1は、環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐脂肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORA;‐C(=O)RA;‐CO2RA;‐SRA;‐SORA;‐SO2RA;‐N(RA)2;‐NHC(O)RAまたは‐C(RA)3であり、各RBの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオ部分であり、
R2は、水素;ハロゲン;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORB;‐C(=O)RB;‐CO2RB;‐CN;‐SCN;‐SRB;‐SORB;‐SO2RB;‐NO2;‐N(RB)2;‐NHC(O)RBまたは‐C(RB)3であり、各RBの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオ部分であり、
R3は、水素;ハロゲン;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐脂肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORC;‐C(=O)RC;‐CO2RC;‐CN;‐SCN;‐SRC;‐SORC;‐SO2RC;‐NO2;‐N(RC)2;‐NHC(O)RCまたは‐C(RC)3であり、各RCの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオ部分である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記タンパク質分解阻害剤は、以下の式:
【化2】
のもの、およびその薬学的に受容可能な誘導体であり、
R1は、水素、あるいは脂肪族部分、脂環式部分、ヘテロ脂肪族部分、複素環部分、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分であり、
nは1〜5であり、
R2は、水素、保護基、あるいは脂肪族部分、脂環式部分、ヘテロ脂肪族部分、複素環部分、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分であり、
Xは‐O‐、‐C(R2A)2‐、‐S‐または‐NR2A‐であり、R2Aは、水素、保護基、あるいは脂肪族部分、脂環式部分、ヘテロ脂肪族部分、複素環部分、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分であり、
あるいは、R2およびR2Aの二つ以上の箇所は、一緒に、脂環式部分または複素環部分、あるいはアリール部分またはヘテロアリール部分を形成し、
R3は、脂肪族部分、脂環式部分、ヘテロ脂肪族部分、複素環部分、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分であり、
Yは、水素、あるいは脂肪族部分、脂環式部分、ヘテロ脂肪族部分、複素環部分、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記タンパク質分解阻害剤は、以下の式:
【化3】
【化4】
の一つである、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記タンパク質分解阻害剤は、式
【化5】
の化合物である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記タンパク質分解阻害剤は、以下の式:
【化6】
のものである、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記タンパク質分解阻害剤は、式
【化7】
の化合物であり、
各Xは、独立に、O、S、CH2またはNR3であり、
Yは、O、S、CH2またはNR4であり、
Ar1およびAr2は、それぞれ独立にアリール基であり、
R1は、低級アルキル基またはアリール基であり、
R2は、水素、低級アルキル基またはアリール基であり、
R3は、水素、低級アルキル基、アリール基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはアミノカルボニル基である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、
両方の箇所のXはOであり、
YはSであり、
Ar1はフェニルまたは置換フェニルであり、
Ar2はヘテロアリールであり、より好ましくは、必要に応じて、置換オキサゾリルであり、
R1はフェニルまたは置換フェニルであり、より好ましくは4‐アミノ置換フェニルであり、
R2は水素である、方法。
【請求項26】
前記タンパク質分解阻害剤は、HDAC6酵素活性を阻害し、それによってアグレソーム媒介タンパク質分解を阻害する、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記タンパク質分解阻害剤は、HDAC6のC末端アセチル化活性を阻害し、それによってアグレソーム媒介タンパク質分解を阻害する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記タンパク質分解阻害剤は、アグレソーム阻害剤である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記タンパク質分解阻害剤は、プロテアソーム阻害剤である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記プロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ、MG132、sapojargonまたはNPI‐0052の一つ以上である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記タンパク質分解阻害剤は、HDAC6由来のペプチド、ダイニン、HDAC6のN末端ペプチドまたはHDAC6のC末端ペプチドである、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記C末端HDAC6ペプチドは、細胞の表現型を調節するのに十分である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記表現型は、特定の治療または化合物への応答としての生物学的後遺症または臨床的後遺症、貧血症、血小板減少症、好中球減少、溶骨性病変、骨痛、免疫不全、腎不全症、高カルシウム血症、成熟形質細胞の異数性、悪性細胞の百分率、チューブリンのアセチル化状態、成熟形質細胞のアポトーシス、成熟形質細胞中のアグレソームのレベル、成熟形質細胞中のHDAC6ユビキチン化、成熟形質細胞中のHDAC6とダイニンとの会合、成熟形質細胞中のユビキチン化タンパク質の細胞レベル、成熟形質細胞中のカスパーゼ‐8のレベル、成熟形質細胞中のPARPのレベル、成熟形質細胞中のチミジン取り込み、拡張ERシスターネ、成熟形質細胞の凝集、成熟形質細胞中の免疫グロブリンの沈着物、非ヒストンタンパク質のアセチル化状態、細胞タンパク質の全体的なユビキチン化、細胞周期調節の状態、壊死、アポトーシスの指標、アポトーシス状態、ラッセル小体形成、嚢胞性線維症膜貫通タンパク質受容体状態、および細胞タンパク質沈着物の変化、あるいは細胞タンパク質または細胞外タンパク質の全体的なアセチル化状態である、請求項14から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
アグレソームのレベル、血小板減少症、好中球減少症、溶骨性病変、骨痛、免疫不全、腎不全症、高カルシウム血症、成熟形質細胞の異数性、悪性細胞の百分率、成熟形質細胞中のチミジン取り込み、成熟形質細胞中の完全長カスパーゼ‐8のレベル、成熟形質細胞中の完全長PARPのレベル、または成熟形質細胞の凝集の一つ以上の減少は、前記治療が有効であることを示す、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
チューブリンのアセチル化状態、成熟形質細胞中のHDAC6ユビキチン化、カスパーゼ‐8の切断形のレベル、PARPの切断形のレベル、壊死、非ヒストンタンパク質のアセチル化状態、細胞ユビキチン化レベル、アポトーシス、アポトーシスの指標、細胞周期調節解除、または成熟形質細胞中の免疫グロブリンの沈着物の増加は、前記治療が有効であることを示す、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
生物学的試料を被験体から入手することをさらに含む、請求項1から16に記載の方法。
【請求項37】
前記タンパク質分解阻害剤による第二の治療期間の後、前記被験体の表現型を決定することをさらに含む、請求項1から16に記載の方法。
【請求項38】
第二の生物学的試料を前記被験体から入手することをさらに含む、請求項1から16に記載の方法。
【請求項39】
治療的に有効な量の一つ以上の追加のタンパク質分解阻害剤を前記被験体または細胞に投与することをさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも一つの追加のタンパク質分解阻害剤は、アグレソーム阻害剤である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも一つの追加のタンパク質分解阻害剤はプロテアソーム阻害剤である、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記追加のタンパク質分解阻害剤は、ボルテゾミブ、tubacin、MG132、sapojargonまたはNPI‐0052の一つ以上である、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記細胞または被験体の前記治療または経過をモニタリングすることをさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記タンパク質分解阻害剤を入手することをさらに含む、請求項1から16の任意のものに記載の方法。
【請求項45】
化学療法薬剤、放射線薬剤、ホルモン薬剤、生物薬剤または抗炎症薬剤の一つ以上を前記被験体に同時投与することをさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記化学療法薬剤は、タモキシフェン、トラスツザマブ、ラロキシフェン、ドキソルビシン、フルオロウラシル/5‐fu、パミドロネート二ナトリウム、アナストロゾール、エクセメスタン、シクロホスファミド、エピルビシン、レトロゾール、トレミフェン、フルベストラント、フルオキシメステロン、トラスツズマブ、メトトレキセート、メガストロールアセテート、ドセタキセル、パクリタキセル、テストラクトン、アジリジン、ビンブラスチン、カペシタビン、ゴセレリンアセテート、ゾレドロン酸、タキソール、ビンブラスチンまたはビンクリスチンである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記治療前表現型または治療後表現型の一つ以上を標準表現型と比較することをさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記標準表現型は、参照細胞または参照細胞集団における対応する表現型である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記参照細胞は、前記被験体由来細胞、培養細胞、前記被験体由来培養細胞、または治療前前記被験体由来細胞の一つ以上である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記被験体由来細胞は、骨髄間質細胞、(BMSC)、末梢血単核細胞(PBMC)、リンパ球、毛嚢、血球、他の上皮細胞、骨髄形質細胞、原発性癌細胞、患者由来腫瘍細胞、正常造血幹細胞または癌性造血幹細胞、神経幹細胞、固形腫瘍細胞または星状細胞である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
細胞におけるアグレソーム媒介タンパク質分解を阻害する方法であって、前記細胞をアグレソーム阻害剤と接触させることを含む、方法。
【請求項52】
前記アグレソームタンパク質分解は、HDAC6によって媒介される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記細胞におけるプロテアソームタンパク質分解を阻害することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記アグレソーム阻害剤は、tubacin、請求項16に記載の化合物、または請求項47に記載の方法によって同定される化合物である、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
細胞におけるタンパク質分解を阻害する候補化合物を同定する方法であって、
アグレソーム形成を示す細胞を候補化合物と接触させること、および
前記細胞の表現型を決定すること、
を含み、表現型の調節は前記化合物の前記効力を示している、方法。
【請求項56】
前記候補分子は、低分子、ペプチドまたは核酸の一つ以上である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記核酸は、RNA、mRNA、RNAi、siRNAまたはDNAである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記ペプチドは、HDAC6由来のペプチド、HDAC6のダイニン結合ドメイン、HDAC6のTDACドメイン、HDAC6のN末端またはHDAC6のC末端である、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記低分子は、多重チャネルアレイライブラリに含まれる、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
前記表現型を決定するステップは、画像ベースの多次元スクリーニングによる、請求項55に記載の方法。
【請求項61】
試験化合物を評価するための方法であって、
アグレソーム形成を示す細胞を試験化合物と接触させること、および
接触の後に前記細胞を評価することを含み、一つ以上の表現型の調節の基準値に対する相関は、前記試験化合物がタンパク質分解障害治療薬として有用であり得ることを示している、方法。
【請求項62】
前記タンパク質分解阻害剤による初期治療期間の後に前記細胞の表現型を決定することをさらに含む、請求項51から61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記表現型は、貧血症、血小板減少、好中球減少、溶骨性病変、骨痛、免疫不全、腎不全症、高カルシウム血症、成熟形質細胞の異数性、悪性細胞の百分率、チューブリンのアセチル化状態、成熟形質細胞のアポトーシス、アグレソームのレベル、成熟形質細胞中のアグレソームのレベル、HDAC6ユビキチン化、成熟形質細胞中のHDAC6ユビキチン化、成熟形質細胞中のHDAC6とダイニンとの会合、成熟形質細胞中のユビキチン化タンパク質の細胞レベル、成熟形質細胞中のカスパーゼ‐8のレベル、成熟形質細胞中のPARPのレベル、成熟形質細胞中のチミジン取り込み、拡張ERシスターネ、成熟形質細胞の凝集、成熟形質細胞中の免疫グロブリンの沈着物、非ヒストンタンパク質のアセチル化状態、細胞タンパク質の全体的なユビキチン化、細胞周期調節の状態、壊死、アポトーシスの指標、アポトーシス状態、ラッセル小体形成、嚢胞性線維症膜貫通タンパク質受容体状態、および細胞タンパク質沈着物の変化、または細胞タンパク質および細胞外タンパク質の全体的なアセチル化状態を含む、特定の治療または化合物への応答としての生物学的後遺症または臨床的後遺症である、請求項51から61に記載の方法。
【請求項64】
貧血症、アグレソームのレベル、血小板減少、好中球減少、溶骨性病変、骨痛、免疫不全症、腎不全症、高カルシウム血症、成熟形質細胞の異数性、悪性細胞の百分率、成熟形質細胞中のチミジン取り込み、成熟形質細胞中の完全長カスパーゼ‐8のレベル、成熟形質細胞中の完全長PARPのレベルまたは成熟形質細胞の凝集の一つ以上の減少は、前記治療が有効であることを示している、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
チューブリンのアセチル化状態、全体的なアセチル化状態、非ヒストンタンパク質上のアセチル化状態、成熟形質細胞中のHDAC6ユビキチン化、カスパーゼ‐8の切断形のレベル、PARPの切断形のレベル、壊死、非ヒストンタンパク質のアセチル化状態、細胞ユビキチン化レベル、アポトーシス、アポトーシスの指標、細胞周期調節解除、または成熟形質細胞中の免疫グロブリンの沈着物の増加は、前記治療が有効であることを示している、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記評価することは、画像ベースの多次元スクリーニングによる、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
前記試験化合物は、低分子、ペプチドまたは核酸の一つ以上である、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
前記被験体または前記細胞はヒトである、請求項1から61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
被験体におけるタンパク質分解障害を治療するためのキットであって、
請求項91に記載の化合物、あるいはその薬学的に受容可能なエステル、塩およびプロドラッグ、および
使用説明書
を含むキット。
【請求項70】
前記化合物は、治療的に有効な量の前記化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含む薬学的組成物として存在する、請求項69に記載のキット。
【請求項71】
治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤および薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む包装された組成物であって、前記組成物は、タンパク質分解障害を患っている被験体またはタンパク質分解障害にかかりやすい被験体を治療するために調合され、タンパク質分解障害を患っている被験体またはタンパク質分解障害にかかりやすい被験体を治療する説明書とともに包装される、組成物。
【請求項72】
HDAC6由来のポリペプチドをコードする単離された核酸分子であって、前記ポリペプチドは、アグレソームを示す細胞において発現されると、タンパク質分解の阻害を引き起こす、核酸分子。
【請求項73】
前記核酸は、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460をコードする核酸由来である、請求項72に記載の単離された核酸。
【請求項74】
HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460と少なくとも60%同一である、請求項72または73に記載の単離された核酸。
【請求項75】
HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460と少なくとも80%同一である、請求項72または73に記載の単離された核酸。
【請求項76】
HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460と少なくとも90%同一である、請求項72に記載の単離された核酸。
【請求項77】
HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460と少なくとも99.9%同一である、請求項72に記載の単離された核酸。
【請求項78】
前記ポリペプチドは、アグレソーム媒介タンパク質分解を阻害する、HDAC6由来の単離されたポリペプチド。
【請求項79】
請求項78に記載の単離されたポリペプチドであって、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460によって同定されるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
【請求項80】
前記ペプチドは、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460のいずれか一つ以上と少なくとも約60%同一である、請求項78に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項81】
前記ペプチドは、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460のいずれか一つ以上と少なくとも約80%同一である、請求項78に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項82】
前記ペプチドは、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460のいずれか一つ以上と少なくとも約90%同一である、請求項78に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項83】
前記ペプチドは、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460のいずれか一つ以上と少なくとも約99.9%同一である、請求項78に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項84】
HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460と少なくとも約80%の配列同一性を有するポリペプチドをコードすることができるポリヌクレオチドを含み、タンパク質分解を阻害する能力を特徴とする、ベクター。
【請求項85】
タンパク質分解障害または細胞増殖障害を治療する方法であって、治療を必要とする被験体に、HDAC6に特異的に結合し、不活性化するのに有効な量のRNAを投与することを含む、方法。
【請求項86】
前記RNAは、RNAi、siRNA、アンチセンスRNAまたはリボザイムである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
HDACまたはTDAC阻害剤を同定する方法であって、
細胞を提供するステップ、
試験薬剤を提供するステップ、
前記細胞を試験薬剤と接触させるステップ、
前記細胞をアセチル化チューブリンに特異的な第一の一次抗体で処理するステップ、
前記細胞をアセチル化リジンに特異的な第二の一次抗体で処理するステップ、
前記細胞を前記第一の一次抗体に特異的であり、固有のフルオロフォアで標識された第一の二次抗体で処理するステップ、
前記細胞を前記第二の一次抗体に特異的であり、固有のフルオロフォアで標識された第二の二次抗体で処理するステップであって、前記フルオロフォアは、前記第一の二次抗体の前記フルオロフォアと異なるステップ、
前記二つのフルオロフォアによって前記細胞を画像化するステップ、および
TDACとHDACとの両方の阻害の程度を定量するステップ、
を含む、方法。
【請求項88】
前記細胞は、ヒト癌細胞株由来である、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記細胞は、ヒト多発性骨髄腫細胞株由来である、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
請求項78に記載の方法を用いてHDAC阻害剤またはTDAC阻害剤として同定された化合物。
【請求項91】
以下の式:
【化8】
の化合物、およびその薬学的に受容可能な塩および誘導体であって、
ここで、
R1は、環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐脂肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORA;‐C(=O)RA;‐CO2RA;‐SRA;‐SORA;‐SO2RA;‐N(RA)2;‐NHC(O)RAまたは‐C(RA)3であり、各RBの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ;またはヘテロアリールチオ部分であり、
R2は、水素;ハロゲン;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORB;‐C(=O)RB;‐CO2RB;‐CN;‐SCN;‐SRB;‐SORB;‐SO2RB;‐NO2;‐N(RB)2;‐NHC(O)RBまたは‐C(RB)3であり、各RBの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ;またはヘテロアリールチオ部分であり、
R3は、水素;ハロゲン;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐脂肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORC;‐C(=O)RC;‐CO2RC;‐CN;‐SCN;‐SRC;‐SORC;‐SO2RC;‐NO2;‐N(RC)2;‐NHC(O)RCまたは‐C(RC)3であり、各RCの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオ部分である、化合物。
【請求項92】
R3は、
【化9】
である、請求項91に記載の化合物。
【請求項93】
以下の式:
【化10】
のものであり、
nは、1と5との間にあって1と5とを含む整数であり、
R3’の各箇所は、独立に、水素;ハロゲン;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐脂肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORC;‐C(=O)RC;‐CO2RC;‐CN;‐SCN;‐SRC;‐SORC;‐SO2RC;‐NO2;‐N(RC)2;‐NHC(O)RCまたは‐C(RC)3であり、RCの各箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ;またはヘテロアリールチオ部分である、請求項91に記載の化合物。
【請求項94】
式
【化11】
のものである、請求項91に記載の化合物。
【請求項95】
以下の式:
【化12】
の一つである、請求項94に記載の化合物。
【請求項96】
以下の式:
【化13】
の一つである、請求項95に記載の化合物。
【請求項97】
以下の式:
【化14】
の一つである、請求項94に記載の化合物。
【請求項98】
各R3’は、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アルコキシ、チオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、‐NO2、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、C1〜C6アルキニル、またはアシルである、請求項93、95、96または97に記載の化合物。
【請求項99】
R2は以下の式:
【化15】
のものであり、
mは0と8との間にあって0と8とを含み、好ましくは、1と6との間にあって1と6とを含む整数であり、
Xは、O、S、CH2、NHまたはNR2’であり、
R2’は、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アシル、置換または非置換アリール、あるいは置換または非置換ヘテロアリールである、請求項91に記載の化合物。
【請求項100】
XはOである、請求項99に記載の化合物。
【請求項101】
XはSである、請求項99に記載の化合物。
【請求項102】
mは1である、請求項99に記載の化合物。
【請求項103】
R2’は、置換または非置換ヘテロアリールである、請求項99に記載の化合物。
【請求項104】
R2は、以下:
【化16−1】
の一つから選択される、請求項99に記載の化合物。
【請求項105】
R2は、
【化16−2】
である、請求項91に記載の化合物。
【請求項106】
R1は、以下の式:
【化17】
のものであり、
R1’は
【化18】
であり、
Yは、NHまたはOであり、
Lは、リンカー部分であり、
Aは、ヒストンデアセチラーゼを阻害する官能基を含む、
請求項91に記載の化合物。
【請求項107】
R1’は、
【化19】
である、請求項106に記載の化合物。
【請求項108】
以下の式:
【化20】
【化21】
の一つである、請求項91に記載の化合物。
【請求項109】
以下の式:
【化22】
の一つである、請求項91に記載の化合物。
【請求項1】
タンパク質分解障害を患っている被験体またはタンパク質分解障害にかかりやすい被験体を治療する方法であって、治療を必要とする被験体に、治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤を投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記タンパク質分解障害は、細胞増殖障害またはタンパク質沈着障害である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記細胞増殖障害は癌である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記癌は、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫、乳癌、肺癌および肝癌の一つ以上である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記癌は多発性骨髄腫である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記タンパク質沈着障害は、ウィルソン病、脊髄小脳失調、プリオン病、パーキンソン病、ハンチントン病、家族性筋萎縮性側索硬化症、アミロイド沈着症、アルツハイマー病、アレグザンダー病、アルコール性肝臓疾患、嚢胞性線維症、ピック病またはレヴィー小体認知症である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記タンパク質分解阻害剤は、プロテアソーム阻害剤とアグレソーム阻害剤との組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ(VELCADE)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
タンパク質分解障害の症状を示している細胞を処理する方法であって、治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤を前記細胞に投与することを含む、方法。
【請求項10】
前記細胞は、被験体または培養細胞由来の細胞の一つ以上である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記被験体由来細胞は、骨髄間質細胞、(BMSC)、末梢血単核細胞(PBMC)、リンパ球、毛嚢、血液細胞、他の上皮細胞、骨髄形質細胞、原発性癌細胞、患者由来腫瘍細胞、正常造血幹細胞または癌性造血幹細胞、神経幹細胞、固形腫瘍細胞または星状細胞の一つ以上である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記培養細胞は、MM.1S、U266、RPMI8226、DOX40、MM.1R、INA‐6、LR5、原発性癌細胞株および株化癌細胞株、原発性正常細胞株および株化正常細胞株の一つ以上である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
多発性骨髄腫を患っている被験体または多発性骨髄腫にかかりやすい被験体を治療する方法であって、治療を必要とする被験体に、治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤を投与し、それによって多発性骨髄腫を患っている前記被験体または多発性骨髄腫にかかりやすい前記被験体を治療する、方法。
【請求項14】
被験体におけるタンパク質分解障害治療の効力を評価する方法であって、
一つ以上の治療前表現型を決定すること、
治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤を前記被験体に投与すること、および
前記タンパク質分解阻害剤による初期治療期間の後、前記一つ以上の表現型を決定すること
を含み、一つ以上の表現型の調節は、タンパク質分解阻害剤治療の効力を示す、方法。
【請求項15】
アグレソーム阻害剤による治療を受けている被験体の経過をモニタリングする方法であって、
一つ以上の治療前表現型を決定すること、
治療的に有効な量のアグレソーム阻害剤を前記被験体に投与すること、および
前記アグレソーム阻害剤による初期治療期間の後、一つ以上の表現型を決定すること、を含み、表現型の一つ以上の調整は、アグレソーム阻害治療の効力を示す、方法。
【請求項16】
タンパク質分解阻害剤による治療に適するタンパク質分解障害を有する被験体を選択する方法であって、
一つ以上の治療前表現型を決定すること、
治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤を前記被験体に投与すること、
前記タンパク質分解阻害剤による初期治療期間の後、前記一つ以上の表現型を決定すること、を含み、
一つ以上の表現型の調節は、前記障害がタンパク質分解阻害剤による治療に対して好ましい臨床応答を示す可能性があることを示す、方法。
【請求項17】
前記タンパク質分解阻害剤は、tubacin、ボルテゾミブ、SAHA、R115777 FTI、166ホルミウム‐DOTMP、三酸化ヒ素、17‐AAG、MG132、sapojargonおよびNPI‐0052からなる群から選択される、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記タンパク質分解阻害剤はHDAC6を阻害する、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記タンパク質分解阻害剤は、以下の式:
【化1】
のもの、およびその薬学的に受容可能な塩および誘導体であり、
ここで、
R1は、環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐脂肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORA;‐C(=O)RA;‐CO2RA;‐SRA;‐SORA;‐SO2RA;‐N(RA)2;‐NHC(O)RAまたは‐C(RA)3であり、各RBの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオ部分であり、
R2は、水素;ハロゲン;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORB;‐C(=O)RB;‐CO2RB;‐CN;‐SCN;‐SRB;‐SORB;‐SO2RB;‐NO2;‐N(RB)2;‐NHC(O)RBまたは‐C(RB)3であり、各RBの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオ部分であり、
R3は、水素;ハロゲン;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐脂肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORC;‐C(=O)RC;‐CO2RC;‐CN;‐SCN;‐SRC;‐SORC;‐SO2RC;‐NO2;‐N(RC)2;‐NHC(O)RCまたは‐C(RC)3であり、各RCの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオ部分である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記タンパク質分解阻害剤は、以下の式:
【化2】
のもの、およびその薬学的に受容可能な誘導体であり、
R1は、水素、あるいは脂肪族部分、脂環式部分、ヘテロ脂肪族部分、複素環部分、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分であり、
nは1〜5であり、
R2は、水素、保護基、あるいは脂肪族部分、脂環式部分、ヘテロ脂肪族部分、複素環部分、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分であり、
Xは‐O‐、‐C(R2A)2‐、‐S‐または‐NR2A‐であり、R2Aは、水素、保護基、あるいは脂肪族部分、脂環式部分、ヘテロ脂肪族部分、複素環部分、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分であり、
あるいは、R2およびR2Aの二つ以上の箇所は、一緒に、脂環式部分または複素環部分、あるいはアリール部分またはヘテロアリール部分を形成し、
R3は、脂肪族部分、脂環式部分、ヘテロ脂肪族部分、複素環部分、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分であり、
Yは、水素、あるいは脂肪族部分、脂環式部分、ヘテロ脂肪族部分、複素環部分、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記タンパク質分解阻害剤は、以下の式:
【化3】
【化4】
の一つである、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記タンパク質分解阻害剤は、式
【化5】
の化合物である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記タンパク質分解阻害剤は、以下の式:
【化6】
のものである、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記タンパク質分解阻害剤は、式
【化7】
の化合物であり、
各Xは、独立に、O、S、CH2またはNR3であり、
Yは、O、S、CH2またはNR4であり、
Ar1およびAr2は、それぞれ独立にアリール基であり、
R1は、低級アルキル基またはアリール基であり、
R2は、水素、低級アルキル基またはアリール基であり、
R3は、水素、低級アルキル基、アリール基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基またはアミノカルボニル基である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、
両方の箇所のXはOであり、
YはSであり、
Ar1はフェニルまたは置換フェニルであり、
Ar2はヘテロアリールであり、より好ましくは、必要に応じて、置換オキサゾリルであり、
R1はフェニルまたは置換フェニルであり、より好ましくは4‐アミノ置換フェニルであり、
R2は水素である、方法。
【請求項26】
前記タンパク質分解阻害剤は、HDAC6酵素活性を阻害し、それによってアグレソーム媒介タンパク質分解を阻害する、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記タンパク質分解阻害剤は、HDAC6のC末端アセチル化活性を阻害し、それによってアグレソーム媒介タンパク質分解を阻害する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記タンパク質分解阻害剤は、アグレソーム阻害剤である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記タンパク質分解阻害剤は、プロテアソーム阻害剤である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記プロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ、MG132、sapojargonまたはNPI‐0052の一つ以上である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記タンパク質分解阻害剤は、HDAC6由来のペプチド、ダイニン、HDAC6のN末端ペプチドまたはHDAC6のC末端ペプチドである、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記C末端HDAC6ペプチドは、細胞の表現型を調節するのに十分である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記表現型は、特定の治療または化合物への応答としての生物学的後遺症または臨床的後遺症、貧血症、血小板減少症、好中球減少、溶骨性病変、骨痛、免疫不全、腎不全症、高カルシウム血症、成熟形質細胞の異数性、悪性細胞の百分率、チューブリンのアセチル化状態、成熟形質細胞のアポトーシス、成熟形質細胞中のアグレソームのレベル、成熟形質細胞中のHDAC6ユビキチン化、成熟形質細胞中のHDAC6とダイニンとの会合、成熟形質細胞中のユビキチン化タンパク質の細胞レベル、成熟形質細胞中のカスパーゼ‐8のレベル、成熟形質細胞中のPARPのレベル、成熟形質細胞中のチミジン取り込み、拡張ERシスターネ、成熟形質細胞の凝集、成熟形質細胞中の免疫グロブリンの沈着物、非ヒストンタンパク質のアセチル化状態、細胞タンパク質の全体的なユビキチン化、細胞周期調節の状態、壊死、アポトーシスの指標、アポトーシス状態、ラッセル小体形成、嚢胞性線維症膜貫通タンパク質受容体状態、および細胞タンパク質沈着物の変化、あるいは細胞タンパク質または細胞外タンパク質の全体的なアセチル化状態である、請求項14から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
アグレソームのレベル、血小板減少症、好中球減少症、溶骨性病変、骨痛、免疫不全、腎不全症、高カルシウム血症、成熟形質細胞の異数性、悪性細胞の百分率、成熟形質細胞中のチミジン取り込み、成熟形質細胞中の完全長カスパーゼ‐8のレベル、成熟形質細胞中の完全長PARPのレベル、または成熟形質細胞の凝集の一つ以上の減少は、前記治療が有効であることを示す、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
チューブリンのアセチル化状態、成熟形質細胞中のHDAC6ユビキチン化、カスパーゼ‐8の切断形のレベル、PARPの切断形のレベル、壊死、非ヒストンタンパク質のアセチル化状態、細胞ユビキチン化レベル、アポトーシス、アポトーシスの指標、細胞周期調節解除、または成熟形質細胞中の免疫グロブリンの沈着物の増加は、前記治療が有効であることを示す、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
生物学的試料を被験体から入手することをさらに含む、請求項1から16に記載の方法。
【請求項37】
前記タンパク質分解阻害剤による第二の治療期間の後、前記被験体の表現型を決定することをさらに含む、請求項1から16に記載の方法。
【請求項38】
第二の生物学的試料を前記被験体から入手することをさらに含む、請求項1から16に記載の方法。
【請求項39】
治療的に有効な量の一つ以上の追加のタンパク質分解阻害剤を前記被験体または細胞に投与することをさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも一つの追加のタンパク質分解阻害剤は、アグレソーム阻害剤である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも一つの追加のタンパク質分解阻害剤はプロテアソーム阻害剤である、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記追加のタンパク質分解阻害剤は、ボルテゾミブ、tubacin、MG132、sapojargonまたはNPI‐0052の一つ以上である、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記細胞または被験体の前記治療または経過をモニタリングすることをさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記タンパク質分解阻害剤を入手することをさらに含む、請求項1から16の任意のものに記載の方法。
【請求項45】
化学療法薬剤、放射線薬剤、ホルモン薬剤、生物薬剤または抗炎症薬剤の一つ以上を前記被験体に同時投与することをさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記化学療法薬剤は、タモキシフェン、トラスツザマブ、ラロキシフェン、ドキソルビシン、フルオロウラシル/5‐fu、パミドロネート二ナトリウム、アナストロゾール、エクセメスタン、シクロホスファミド、エピルビシン、レトロゾール、トレミフェン、フルベストラント、フルオキシメステロン、トラスツズマブ、メトトレキセート、メガストロールアセテート、ドセタキセル、パクリタキセル、テストラクトン、アジリジン、ビンブラスチン、カペシタビン、ゴセレリンアセテート、ゾレドロン酸、タキソール、ビンブラスチンまたはビンクリスチンである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記治療前表現型または治療後表現型の一つ以上を標準表現型と比較することをさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記標準表現型は、参照細胞または参照細胞集団における対応する表現型である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記参照細胞は、前記被験体由来細胞、培養細胞、前記被験体由来培養細胞、または治療前前記被験体由来細胞の一つ以上である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記被験体由来細胞は、骨髄間質細胞、(BMSC)、末梢血単核細胞(PBMC)、リンパ球、毛嚢、血球、他の上皮細胞、骨髄形質細胞、原発性癌細胞、患者由来腫瘍細胞、正常造血幹細胞または癌性造血幹細胞、神経幹細胞、固形腫瘍細胞または星状細胞である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
細胞におけるアグレソーム媒介タンパク質分解を阻害する方法であって、前記細胞をアグレソーム阻害剤と接触させることを含む、方法。
【請求項52】
前記アグレソームタンパク質分解は、HDAC6によって媒介される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記細胞におけるプロテアソームタンパク質分解を阻害することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記アグレソーム阻害剤は、tubacin、請求項16に記載の化合物、または請求項47に記載の方法によって同定される化合物である、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
細胞におけるタンパク質分解を阻害する候補化合物を同定する方法であって、
アグレソーム形成を示す細胞を候補化合物と接触させること、および
前記細胞の表現型を決定すること、
を含み、表現型の調節は前記化合物の前記効力を示している、方法。
【請求項56】
前記候補分子は、低分子、ペプチドまたは核酸の一つ以上である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記核酸は、RNA、mRNA、RNAi、siRNAまたはDNAである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記ペプチドは、HDAC6由来のペプチド、HDAC6のダイニン結合ドメイン、HDAC6のTDACドメイン、HDAC6のN末端またはHDAC6のC末端である、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記低分子は、多重チャネルアレイライブラリに含まれる、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
前記表現型を決定するステップは、画像ベースの多次元スクリーニングによる、請求項55に記載の方法。
【請求項61】
試験化合物を評価するための方法であって、
アグレソーム形成を示す細胞を試験化合物と接触させること、および
接触の後に前記細胞を評価することを含み、一つ以上の表現型の調節の基準値に対する相関は、前記試験化合物がタンパク質分解障害治療薬として有用であり得ることを示している、方法。
【請求項62】
前記タンパク質分解阻害剤による初期治療期間の後に前記細胞の表現型を決定することをさらに含む、請求項51から61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記表現型は、貧血症、血小板減少、好中球減少、溶骨性病変、骨痛、免疫不全、腎不全症、高カルシウム血症、成熟形質細胞の異数性、悪性細胞の百分率、チューブリンのアセチル化状態、成熟形質細胞のアポトーシス、アグレソームのレベル、成熟形質細胞中のアグレソームのレベル、HDAC6ユビキチン化、成熟形質細胞中のHDAC6ユビキチン化、成熟形質細胞中のHDAC6とダイニンとの会合、成熟形質細胞中のユビキチン化タンパク質の細胞レベル、成熟形質細胞中のカスパーゼ‐8のレベル、成熟形質細胞中のPARPのレベル、成熟形質細胞中のチミジン取り込み、拡張ERシスターネ、成熟形質細胞の凝集、成熟形質細胞中の免疫グロブリンの沈着物、非ヒストンタンパク質のアセチル化状態、細胞タンパク質の全体的なユビキチン化、細胞周期調節の状態、壊死、アポトーシスの指標、アポトーシス状態、ラッセル小体形成、嚢胞性線維症膜貫通タンパク質受容体状態、および細胞タンパク質沈着物の変化、または細胞タンパク質および細胞外タンパク質の全体的なアセチル化状態を含む、特定の治療または化合物への応答としての生物学的後遺症または臨床的後遺症である、請求項51から61に記載の方法。
【請求項64】
貧血症、アグレソームのレベル、血小板減少、好中球減少、溶骨性病変、骨痛、免疫不全症、腎不全症、高カルシウム血症、成熟形質細胞の異数性、悪性細胞の百分率、成熟形質細胞中のチミジン取り込み、成熟形質細胞中の完全長カスパーゼ‐8のレベル、成熟形質細胞中の完全長PARPのレベルまたは成熟形質細胞の凝集の一つ以上の減少は、前記治療が有効であることを示している、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
チューブリンのアセチル化状態、全体的なアセチル化状態、非ヒストンタンパク質上のアセチル化状態、成熟形質細胞中のHDAC6ユビキチン化、カスパーゼ‐8の切断形のレベル、PARPの切断形のレベル、壊死、非ヒストンタンパク質のアセチル化状態、細胞ユビキチン化レベル、アポトーシス、アポトーシスの指標、細胞周期調節解除、または成熟形質細胞中の免疫グロブリンの沈着物の増加は、前記治療が有効であることを示している、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記評価することは、画像ベースの多次元スクリーニングによる、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
前記試験化合物は、低分子、ペプチドまたは核酸の一つ以上である、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
前記被験体または前記細胞はヒトである、請求項1から61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
被験体におけるタンパク質分解障害を治療するためのキットであって、
請求項91に記載の化合物、あるいはその薬学的に受容可能なエステル、塩およびプロドラッグ、および
使用説明書
を含むキット。
【請求項70】
前記化合物は、治療的に有効な量の前記化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含む薬学的組成物として存在する、請求項69に記載のキット。
【請求項71】
治療的に有効な量のタンパク質分解阻害剤および薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む包装された組成物であって、前記組成物は、タンパク質分解障害を患っている被験体またはタンパク質分解障害にかかりやすい被験体を治療するために調合され、タンパク質分解障害を患っている被験体またはタンパク質分解障害にかかりやすい被験体を治療する説明書とともに包装される、組成物。
【請求項72】
HDAC6由来のポリペプチドをコードする単離された核酸分子であって、前記ポリペプチドは、アグレソームを示す細胞において発現されると、タンパク質分解の阻害を引き起こす、核酸分子。
【請求項73】
前記核酸は、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460をコードする核酸由来である、請求項72に記載の単離された核酸。
【請求項74】
HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460と少なくとも60%同一である、請求項72または73に記載の単離された核酸。
【請求項75】
HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460と少なくとも80%同一である、請求項72または73に記載の単離された核酸。
【請求項76】
HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460と少なくとも90%同一である、請求項72に記載の単離された核酸。
【請求項77】
HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460と少なくとも99.9%同一である、請求項72に記載の単離された核酸。
【請求項78】
前記ポリペプチドは、アグレソーム媒介タンパク質分解を阻害する、HDAC6由来の単離されたポリペプチド。
【請求項79】
請求項78に記載の単離されたポリペプチドであって、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460によって同定されるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
【請求項80】
前記ペプチドは、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460のいずれか一つ以上と少なくとも約60%同一である、請求項78に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項81】
前記ペプチドは、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460のいずれか一つ以上と少なくとも約80%同一である、請求項78に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項82】
前記ペプチドは、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460のいずれか一つ以上と少なくとも約90%同一である、請求項78に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項83】
前記ペプチドは、HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460のいずれか一つ以上と少なくとも約99.9%同一である、請求項78に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項84】
HDAC6のC末端、HDAC6のアミノ酸439〜503、HDAC6のアミノ酸500〜790、HDAC6のアミノ酸781〜931またはアミノ酸1〜460と少なくとも約80%の配列同一性を有するポリペプチドをコードすることができるポリヌクレオチドを含み、タンパク質分解を阻害する能力を特徴とする、ベクター。
【請求項85】
タンパク質分解障害または細胞増殖障害を治療する方法であって、治療を必要とする被験体に、HDAC6に特異的に結合し、不活性化するのに有効な量のRNAを投与することを含む、方法。
【請求項86】
前記RNAは、RNAi、siRNA、アンチセンスRNAまたはリボザイムである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
HDACまたはTDAC阻害剤を同定する方法であって、
細胞を提供するステップ、
試験薬剤を提供するステップ、
前記細胞を試験薬剤と接触させるステップ、
前記細胞をアセチル化チューブリンに特異的な第一の一次抗体で処理するステップ、
前記細胞をアセチル化リジンに特異的な第二の一次抗体で処理するステップ、
前記細胞を前記第一の一次抗体に特異的であり、固有のフルオロフォアで標識された第一の二次抗体で処理するステップ、
前記細胞を前記第二の一次抗体に特異的であり、固有のフルオロフォアで標識された第二の二次抗体で処理するステップであって、前記フルオロフォアは、前記第一の二次抗体の前記フルオロフォアと異なるステップ、
前記二つのフルオロフォアによって前記細胞を画像化するステップ、および
TDACとHDACとの両方の阻害の程度を定量するステップ、
を含む、方法。
【請求項88】
前記細胞は、ヒト癌細胞株由来である、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記細胞は、ヒト多発性骨髄腫細胞株由来である、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
請求項78に記載の方法を用いてHDAC阻害剤またはTDAC阻害剤として同定された化合物。
【請求項91】
以下の式:
【化8】
の化合物、およびその薬学的に受容可能な塩および誘導体であって、
ここで、
R1は、環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐脂肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORA;‐C(=O)RA;‐CO2RA;‐SRA;‐SORA;‐SO2RA;‐N(RA)2;‐NHC(O)RAまたは‐C(RA)3であり、各RBの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ;またはヘテロアリールチオ部分であり、
R2は、水素;ハロゲン;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORB;‐C(=O)RB;‐CO2RB;‐CN;‐SCN;‐SRB;‐SORB;‐SO2RB;‐NO2;‐N(RB)2;‐NHC(O)RBまたは‐C(RB)3であり、各RBの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ;またはヘテロアリールチオ部分であり、
R3は、水素;ハロゲン;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐脂肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORC;‐C(=O)RC;‐CO2RC;‐CN;‐SCN;‐SRC;‐SORC;‐SO2RC;‐NO2;‐N(RC)2;‐NHC(O)RCまたは‐C(RC)3であり、各RCの箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオ部分である、化合物。
【請求項92】
R3は、
【化9】
である、請求項91に記載の化合物。
【請求項93】
以下の式:
【化10】
のものであり、
nは、1と5との間にあって1と5とを含む整数であり、
R3’の各箇所は、独立に、水素;ハロゲン;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐脂肪族;環式または非環式、置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロ脂肪族;置換または非置換、分岐または非分岐アシル;置換または非置換、分岐または非分岐アリール;置換または非置換、分岐または非分岐ヘテロアリール;‐ORC;‐C(=O)RC;‐CO2RC;‐CN;‐SCN;‐SRC;‐SORC;‐SO2RC;‐NO2;‐N(RC)2;‐NHC(O)RCまたは‐C(RC)3であり、RCの各箇所は、独立に、水素、保護基、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アシル部分;アリール部分;ヘテロアリール部分;アルコキシ;アリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ;またはヘテロアリールチオ部分である、請求項91に記載の化合物。
【請求項94】
式
【化11】
のものである、請求項91に記載の化合物。
【請求項95】
以下の式:
【化12】
の一つである、請求項94に記載の化合物。
【請求項96】
以下の式:
【化13】
の一つである、請求項95に記載の化合物。
【請求項97】
以下の式:
【化14】
の一つである、請求項94に記載の化合物。
【請求項98】
各R3’は、独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アルコキシ、チオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、‐NO2、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、C1〜C6アルキニル、またはアシルである、請求項93、95、96または97に記載の化合物。
【請求項99】
R2は以下の式:
【化15】
のものであり、
mは0と8との間にあって0と8とを含み、好ましくは、1と6との間にあって1と6とを含む整数であり、
Xは、O、S、CH2、NHまたはNR2’であり、
R2’は、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アシル、置換または非置換アリール、あるいは置換または非置換ヘテロアリールである、請求項91に記載の化合物。
【請求項100】
XはOである、請求項99に記載の化合物。
【請求項101】
XはSである、請求項99に記載の化合物。
【請求項102】
mは1である、請求項99に記載の化合物。
【請求項103】
R2’は、置換または非置換ヘテロアリールである、請求項99に記載の化合物。
【請求項104】
R2は、以下:
【化16−1】
の一つから選択される、請求項99に記載の化合物。
【請求項105】
R2は、
【化16−2】
である、請求項91に記載の化合物。
【請求項106】
R1は、以下の式:
【化17】
のものであり、
R1’は
【化18】
であり、
Yは、NHまたはOであり、
Lは、リンカー部分であり、
Aは、ヒストンデアセチラーゼを阻害する官能基を含む、
請求項91に記載の化合物。
【請求項107】
R1’は、
【化19】
である、請求項106に記載の化合物。
【請求項108】
以下の式:
【化20】
【化21】
の一つである、請求項91に記載の化合物。
【請求項109】
以下の式:
【化22】
の一つである、請求項91に記載の化合物。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53A】
【図53B】
【図54】
【図55A】
【図55B】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53A】
【図53B】
【図54】
【図55A】
【図55B】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【公表番号】特表2009−509910(P2009−509910A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503207(P2008−503207)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/010676
【国際公開番号】WO2006/102557
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(505061964)プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ (11)
【出願人】(502206795)ダナ−ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/010676
【国際公開番号】WO2006/102557
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(505061964)プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ (11)
【出願人】(502206795)ダナ−ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】
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