ダプソンとアダパレンの組み合わせ
ざ瘡および他の皮膚症状の有効な治療のための、少なくとも2つの活性成分を含有し、これらのうちの1つはダプソンであり、1つはアダパレン、タザロテン、およびトレイニオンからなる群から選択される、局所適用に好適な組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2009年7月30日に出願された米国特許仮出願第61/229,903号の利益を主張し、その全体の開示が、この具体的な参照により、本明細書に組み込まれる。
発明の分野
【0002】
本発明は、尋常性ざ瘡および他の皮膚症状の治療のための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ざ瘡は、多数の青年および若年成人が思春期に達した後に冒される、最も一般的な皮膚疾患である。生命にかかわる疾患ではないが、患者に心理的な影響を及ぼす。また、慢性的な炎症性ざ瘡は、顔面への永久的瘢痕を生じさせる場合がある。
【0004】
ざ瘡の病変形成の一因となる複数の因子があり、これらには以下が含まれる:1.思春期のホルモン変化の結果としての、皮脂生成の活動過剰、2.毛嚢脂腺ユニット内でのプロピオニバクテリウム・アクネス(アクネ菌)のコロニー形成、3.毛嚢脂腺管の封鎖をもたらす上部濾胞の上皮(皮脂腺上方)の過角化または異常な落屑、4.皮脂腺脂質上のアクネ菌の活動の結果としての、炎症分子の形成。
【0005】
アクネ菌によって形成される炎症性代謝産物により生じる毛嚢脂腺管の閉塞および炎症が、面皰の形成をもたらす。思春期のホルモン変化の結果としての過剰な皮脂生成が、上部濾胞の上皮の代謝回転の増加と組み合わさって、微細面皰の形成に至り、これがざ瘡の炎症性丘疹および膿疱へと進行する。脂質が豊富な皮脂とタンパク質が豊富な落屑細胞とが組み合わさり、皮脂腺脂質を炎症性遊離脂肪酸分子へと変換するアクネ菌の成長および活動に理想的な環境が提供され、炎症性ざ瘡病変がもたらされる。患者は、非炎症性(開放面皰および閉鎖面皰)、炎症性(丘疹および膿疱)のいずれかを有するか、あるいはほとんどの場合がそうである、それらの組み合わせを有し得る。概して、ほとんどの患者において、ざ瘡病変の制御には局所治療で十分である。
【0006】
ざ瘡は多因子の症状であるため、その治療に際して、市販製品は、ざ瘡の一因となる基礎的因子のうちの1つまたはそれ以上に作用する。ざ瘡の治療に利用可能な多くの処方および店頭(OTC)製品があるが、それらは全て、所望の有効性もしくは耐容性、またはそれらの両方を欠く。現在利用可能な製品としては、抗生物質(局所および全身)、過酸化ベンゾイル、レチノイド類(局所および全身)、ダプソン、ならびにいくつかの他の化合物が挙げられる。
【0007】
抗ざ瘡分子であるダプソンは、市販品Aczone(登録商標)として市販されている。Aczone(登録商標)は、ダプソン薬の不溶性粒子のために、ざらざらした質感を持つ、5%のダプソンゲルである。ダプソンの不溶性によって、適用時および皮膚を通るその吸収時のダプソンの生物学的利用能が制限され、そのため1日2回投与される。生化学および分子レベルでは、ダプソンは、炎症性ざ瘡病変の治療におけるこの分子の作用の独特な機序を提供する、抗炎症活性を呈する。しかしながら、この作用の機序は、完全には理解されていない。炎症経路の複雑な組み合わせによって、ざ瘡で観察される臨床的炎症が生成される。好中球が、炎症性ざ瘡の顕著な一因となることが知られている。ダプソンは、好中球の動員および毒性生成物の局所生成を抑制することが知られており、それにより、好中球の走化性を阻害し、酸素遊離ラジカルの生成を減少させる。それはさらに、リソソーム酵素の放出を阻害し、放出を減少させ、プロスタグランジンおよびロイコトリエンの炎症効果を妨げる。これらの効果が、炎症性ざ瘡病変の減少をもたらす。その抗炎症活性に加えて、ダプソンは、アクネ菌に対しても有効である。アクネ菌に対するMIC90は8μg/mLである。
【0008】
アダパレンは、ビタミンAに関連する化合物である第3世代レチノイドであり、ざ瘡の治療用にFDAにより承認されている。アダパレンは、炎症過程を緩和することが知られているが、その作用の機序もまた、完全には理解されていない。アダパレン製品は、ゲルについては0.1%および0.3%w/vの濃度、ならびにクリームについては0.1%w/vの濃度で販売されている。アダパレンはレチノイド受容体に作用し、尋常性ざ瘡の病理学に関与する細胞分化、角質化、および炎症過程の修飾因子であると見られる。0.1%もしくは0.3%のゲルまたはクリームのいずれかからのアダパレンの吸収は低い。1つの薬物動態研究において、尋常性ざ瘡に罹患する16人の患者が、顔面、胸部、および背中に適用された、約2mg/cm2の薬用量である0.3%のアダパレンゲルを受けた。15人の患者が、治療の10日目に0.553±0.466ng/mLの平均Cmaxである、定量化可能な(LOQ=0.1ng/mL)アダパレンレベルを出した。10日目に16人の患者のうち15人で決定された平均AUC0−24hrは、8.37±8.46ng.h/mLであった。16人の患者のうち15人で決定された見かけの終末半減期は、7〜51時間の範囲であり、17.2±10.2時間の平均であった。アダパレンは血漿から迅速に除去され、1人を除く全ての対象について、最後の適用の72時間後には検出されなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
尋常性座瘡の治療に現在利用可能な製品は、所望の有効性を欠く、および/または対象に所望されない副作用もしくは耐容性の問題を有するため、尋常性ざ瘡の治療に有効な製品に対する、満たされていない消費者のニーズが存在する。
【0010】
組み合わせざ瘡製品は、ざ瘡の治療用の活性薬剤の作用の相乗的機序を利用することにより、単一活性薬剤を含有する製品と比較して、亢進した有効性の利益を提供するであろう。本発明は、少なくとも2つの活性化合物を含むざ瘡製品を対象とし、特に、尋常性ざ瘡、酒さ、アトピー性皮膚炎、慢性創傷の治療、褥瘡、毛孔性角化症(keratosis piralis)、乾癬、手術およびざ瘡瘢痕の美容上の改善、皮脂嚢胞、炎症性皮膚疾患、炎症後色素沈着、湿疹、乾燥症、掻痒症、扁平苔癬、結節性痒疹、湿疹、および汗疹、ならびに他の皮膚症状等の、皮膚症状の治療において使用するための、ダプソンとアダパレンとの組み合わせ製剤を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のいくつかの実施形態には、以下の項目が含まれる。
1)ダプソン、アダパレン、および水を含む、皮膚科用組成物。
2)前記組成物が、5%w/wのダプソンおよび0.1%もしくは0.3%w/wのアダパレンを含み、尋常性ざ瘡の治療に使用される、第1項に記載の皮膚科用組成物。
3)前記組成物が、0.5%w/wのダプソンおよび0.3%w/wのアダパレンである、第2項に記載の皮膚科用組成物。
4)前記組成物がゲルである、第1項に記載の皮膚科用組成物。
5)前記組成物が、0.5%w/wのダプソン、0.1%w/wのアダパレン、1.5%w/wのベンジルアルコール、Transcutol、5〜25%w/wのPEG400、0.01%w/wのEDTA、および0.03%w/wのクエン酸である、第1項および第4項に記載の組成物。
6)前記組成物が、1〜4%w/wのヒドロキシエチルセルロースをさらに含む、第1〜5項に記載の組成物。
7)0.5〜2%w/wのCarbopol980をさらに含む、第1〜5項に記載の組成物。
8)メチルパラベンをさらに含む、第1〜7項に記載の組成物。
9)乳酸をさらに含む、第1〜8項に記載の組成物。
10)グリセリンをさらに含む、第1〜9項に記載の組成物。
11)5〜15%w/wのジメチルイソソルビドをさらに含む、第5項に記載の組成物。
12)Transcutolが25%w/wの量で存在する、第1〜5項に記載の組成物。
13)NaOH、トロラミン、および塩酸からなる群から選択される緩衝液が、pHを調整するために添加される、第1〜12項に記載の組成物。
14)前記組成物のpHが5.5である、第1〜13項に記載の組成物。
15)2〜3%のヒドロキシエチルセルロースをさらに含む、第1〜5項に記載の組成物。
16)前記組成物が、ゲル、エマルジョン、クリーム、液体、ペースト、ローション、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、逆エマルジョン、およびリポソームクリームからなる群から選択される1つの形態である、第1〜15項に記載の組成物。
17)前記組成物が、尋常性ざ瘡、酒さ、アトピー性皮膚炎、慢性創傷の治療、褥瘡、毛孔性角化症、皮脂嚢胞、炎症性皮膚疾患、炎症後色素沈着、湿疹、乾燥症、掻痒症、扁平苔癬、結節性痒疹、皮膚炎、湿疹、および汗疹、ならびに他の皮膚症状からなる群から選択される1つの治療に使用することができる、第1〜16項に記載の組成物。
18)第1〜17項に記載の組成物の適用によって、尋常性ざ瘡を治療する方法。
19)前記適用が1日1回である、第17項に記載の治療の方法。
20)前記適用が1日2回である、第17項に記載の治療の方法。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】皮膚症状の治療のためのダプソンおよびアダパレン製剤を対象とする。
【図2】図1の式1の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図3A】図1の式2の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図3B】図1の式2の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図3C】図1の式2.1の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図3D】図1の式2.1の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図4A】図1の式4の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図4B】図1の式4の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図4C】図1の式4の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図4D】図1の式4の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図5】皮膚症状の治療のためのダプソンおよびアダパレン製剤を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、ざ瘡、および酒さ等の他の皮膚症状の有効な治療のための、少なくとも2つの活性成分を含有する、皮膚症状の治療のための局所用組成物を対象とし、これらのうちの1つはダプソンであり、もう1つ(もしくは複数)は以下の一覧から選択される。
【0014】
本発明のいくつかの広範な実施形態および可能性のある組み合わせは、以下に見出される。
ダプソン(2〜10%w/w)と組み合わせることができる好適な化合物には、以下が含まれる。
1.殺菌性および/または面皰溶解(comedolytic)性を有する薬剤:
a.過酸化ベンゾイル(2.5〜10%w/w)、および
b.アクネ菌に対して有効である他の抗菌活性物質。
2.毛嚢脂腺管の閉塞を減少させることにより面皰形成を阻害するか、または以下のもの等の角質溶解性を有する薬剤:
a.サリチル酸(0.5〜3%w/w)、
b.アゼライン酸(最大20%w/w)、
c.スルファセタミド−硫黄(5〜10%w/w)、および
d.他の角質溶解剤。
3.皮脂腺の分泌を減少させ、上皮の落屑を生じさせる薬剤:
a.レチノイド類:
i.トレチノインまたはトランスレチノイン酸(0.02〜0.1%w/w)、
ii.タザロテン(0.05〜0.1%w/w)、
iii.アダパレン(0.1〜0.3%w/w)、および
iv.追加のレチノイド類。
4.アクネ菌を直接死滅させるための局所用抗生物質:
a.エリスロマイシン(1〜3%w/w)、
b.クリンダマイシン(1〜2%w/w)、および
c.テトラサイクリン(1〜3%w/w)。
【0015】
使用することができる可能性のある組み合わせ:
1.ダプソン(0.01%〜10%w/w)+レチノイド(0.001%〜3%w/w)
例:
a.ダプソン5%w/w+アダパレン0.3%w/w、
b.ダプソン5%w/w+タザロテン0.1%w/w、および
c.ダプソン5%w/w+トレチノイン0.1%w/w。
2.ダプソン+過酸化ベンゾイル:
例:
a.ダプソン5%w/w+過酸化ベンゾイル5%w/w。
3.ダプソン+抗生物質:
例:
a.ダプソン5%w/w+クリンダマイシン1%w/w。
4.ダプソン+角質溶解剤
例:
a.ダプソン5%w/w+アゼライン酸20%w/w。
【0016】
丸括弧内の濃度値(w/w)は好ましい濃度を表すが、製剤特性ならびに有効性および耐容性の所望のレベルに依存して、他の濃度値(w/v)が使用されてもよい。
【0017】
最近の臨床実験で、アダパレンゲルと同時投与されたダプソンゲルの安全性および有効性が評価された。この研究設計は、患者に製品Aczone(登録商標)(5%w/wのダプソン)を1日2回、朝と夜適用させることからなった。Aczone(登録商標)の夜の適用の約10分後、患者は、0.1%w/wのアダパレンゲルの薄い層を適用した。2つの製品の適用の間の10分の間隔によって、Aczone(登録商標)製剤の皮膚への完全な吸収を保証し、アダパレンまたはダプソンの皮膚浸透への可能性のある負の影響を最小限に抑えた。Aczone(登録商標)適用直後の0.1%w/wのアダパレンゲルの適用は、アダパレンまたはダプソンが、2つの製剤媒体の混合のために、より低い皮膚浸透であったかもしれない状況をもたらしたかもしれない。さらに、組み合わされた製剤の追加的な厚みが、2つの活性物質の浸透距離を増加させ、活性物質の皮膚浸透の減少ももたらす可能性がある。
【0018】
この実験の結果は、アダパレンゲルと同時に(しかし一緒にではなく)投与されたダプソンゲルが、尋常性ざ瘡の治療に安全であり、耐溶性良好であることを示した。本発明の一態様は、2つの活性物質を1つの製剤に組み合わせる、組み合わせアダパレン/ダプソン局所製剤である。本発明の新規性は、一部分において、ダプソンを可溶化するためにジエチレングリコールモノエチルエーテル(「DGME」)と組み合わせた、追加的賦形剤(可溶化剤)の使用に起因する。共溶媒の追加により、製剤中のダプソンの完全な溶解、およびアダパレンの溶解性の増加が可能になった(アダパレンはこれらの製剤中で完全には可溶化されない)。同時に投与された市販製品の比較物質と対比して、溶解したダプソンおよびアダパレンの濃度の増加は、皮膚内への、および皮膚を通る両方の薬物の皮膚浸透率を増加させるだろう。
【0019】
本発明の局所剤形には、溶液、ゲル、クリーム、軟膏、泡、エマルジョン、膜、および顔面/皮膚剥離が含まれるが、これらに限定されない。本発明は、アダパレンおよびダプソンの経皮送達プロファイルを最適化して、ざ瘡および他の皮膚症状を効果的に治療し、皮膚に適用された薬学的製品の効率を改善するように製剤化される、局所用ダプソンおよびアダパレン製剤を対象とする。
【0020】
本発明に包含されるいくつかの製剤、賦形剤、および濃度範囲の例を、以下の表1に要約する。
【0021】
【表1−1】
【0022】
【表1−2】
【0023】
5%w/wのダプソンならびに0.1%w/wおよび0.3%w/wのアダパレン製剤の本発明のさらに具体的な組成には、以下が含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
【表2A−1】
【0025】
【表2A−2】
【0026】
【表2B】
【0027】
本発明の製剤は、賦形剤に基づき以下の通り作製することができる。
製剤を含有する乳酸を作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、乳酸、ポリエチレングリコール400、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合し、
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にヒドロキシエチルセルロースをゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0028】
製剤を含有するDMI/ヒドロキシエチルセルロースを作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール400、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合する。
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にヒドロキシエチルセルロースをゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0029】
製剤を含有するDMI/Carbopolを作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール400、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合し、
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にCarbopol980をゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0030】
製剤を含有するPG/PEGを作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合し、
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にCarbopol980をゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0031】
製剤を含有するPG/DMI/Carbopolを作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合し、
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にCarbopol980をゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0032】
製剤を含有するPG/DMI/HECを作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合し、
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にヒドロキシエチルセルロースをゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0033】
最も有効なダプソンおよびアダパレン組成物を、臨床研究に基づき選択する。例えば、臨床研究を、12週の期間の間、皮膚のざ瘡部位に選択したダプソンおよびアダパレン製剤を毎日適用する1群と、同一の選択したダプソンおよびアダパレン製剤を1日2回局所適用する1群の2つの治療群を形成して行う。同一の賦形剤からなるが、活性成分を含まない媒体を毎日1回および2回適用する、2つの対照群を形成する。患者の炎症性および非炎症性ざ瘡の病変数を、治療開始前のベースラインで、およびその後研究を通して選択した間隔で記録するべきである。合計の非炎症性または炎症性病変数の減少により、製剤の有効性が決定される。確立された全体的ざ瘡評価スコア(Global Acne Assessment Score)(GAAS)を使用して、製品の有効性を評価するべきである。製品の耐容性は、治療の結果としての皮膚の乾燥、刺激、感受性、および発赤の評価によって決定することができる。製品は、これらのパラメータに関する効果が少ない場合、より良好な耐容性を有すると見なされる。
【0034】
適用方法:
1.好適な適用方法は、局所用クリーム、ゲル、ローション、軟膏、泡、液体、または半固体調製物である。局所用調製物は、審美的、ならびに保湿および抗炎症利益を皮膚に提供するための追加成分を含有してもよい。概して、
a.ゲルまたは液体調製物は、アルコールもしくは水性ベースであるか、あるいは2つの組み合わせであってもよく、
b.ナノエマルジョンまたはマイクロエマルジョン調製物を、活性物質の送達の向上のために使用することができ、
c.リポソームクリームまたはローション調製物を、活性物質の送達の向上のために使用することができ、
d.泡調製物は、追加の軟化薬成分を含む、迅速に砕ける泡(quick breaking foam)であることができる。
2.また、活性薬剤の持続放出または放出制御をもたらす局所用調製物を使用して、最適な有効性と耐容性との均衡を提供することもできる。
3.マイクロビーズ内に被包した、またはマイクロスポンジに吸着させた活性成分を、制御放出のために使用することができ、さらには製剤成分間のいずれかの不適合問題を解消することができる。
4.その適用は、所望の効果に依存して、好ましくは1日1回またはより頻繁である。
【0035】
本発明の製剤の適用:
実施例番号1―図5の式1の0.1%w/wアダパレンの適用
17歳の白人男性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号1による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この17歳の男性患者は、式1の0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、17歳の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の32%の減少を経験する。
【0036】
実施例番号2―図5の式1の0.3%w/wアダパレンの適用
16歳の白人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号1による0.3%w/wのアダパレン製剤を適用する。この16歳の女性患者は、式1の0.3%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、16歳の女性患者は、炎症性および非炎症性病変の41%の減少を経験する。
【0037】
実施例番号3―図5の式2の0.1%w/wアダパレンの適用
23歳のアフリカ系アメリカ人の女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号2による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この23歳の女性患者は、式2の0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、23歳の女性患者は、炎症性および非炎症性病変の24%の減少を経験する。
【0038】
実施例番号4―図5の式2の0.3%w/wアダパレンの適用
19歳の白人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号2による0.3%w/wのアダパレン製剤を適用する。この19歳の女性患者は、式2の0.3%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、この患者は、炎症性および非炎症性病変の248%の減少を経験する。
【0039】
実施例番号5―図5の式3の0.1%w/wアダパレンの適用
18歳のアフリカ系アメリカ人の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号3による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この18歳の男性患者は、0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、18歳の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の29%の減少を経験する。
【0040】
実施例番号6―図5の式3の0.3%w/wアダパレンの適用
23歳のアジア人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号3による0.3%w/wのアダパレン製剤を適用する。この23歳の患者は、0.3%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、この患者は、炎症性および非炎症性病変の25%の減少を経験する。
【0041】
実施例番号7―図5の式4の0.1%w/wアダパレンの適用
18歳のアフリカ系アメリカ人の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号3による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この18歳の男性患者は、0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、18歳の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の29%の減少を経験する。
【0042】
実施例番号8―図5の式4の0.3%w/wアダパレンの適用
17歳の白人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号4による0.3%w/wのアダパレン製剤を適用する。この17歳の男性患者は、0.3%w/wのアダパレン組成物を12週間1日2回適用する。12週後、17歳の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の41%の減少を経験する。
【0043】
実施例番号9―図5の式5の0.1%w/wアダパレンの適用
16歳の白人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号5による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この16歳の女性患者は、0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、この患者は、炎症性および非炎症性病変の27%の減少を経験する。
【0044】
実施例番号10―実施例番号9―図5の式5の0.3%w/wアダパレンの適用
19歳の白人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号5による0.3%w/wのアダパレン製剤を適用する。この19歳の女性患者は、0.3%w/wのアダパレン組成物を12週間1日2回適用する。12週後、この患者は、炎症性および非炎症性病変の38%の減少を経験する。
【0045】
実施例番号11―図5の式1の0.1%w/wアダパレンの適用
37歳の白人男性患者は、酒さに罹患し、図5の製剤番号1による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この37歳の男性患者は、式1の0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、37歳の男性患者は、酒さの症状の減少を経験する。
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2009年7月30日に出願された米国特許仮出願第61/229,903号の利益を主張し、その全体の開示が、この具体的な参照により、本明細書に組み込まれる。
発明の分野
【0002】
本発明は、尋常性ざ瘡および他の皮膚症状の治療のための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ざ瘡は、多数の青年および若年成人が思春期に達した後に冒される、最も一般的な皮膚疾患である。生命にかかわる疾患ではないが、患者に心理的な影響を及ぼす。また、慢性的な炎症性ざ瘡は、顔面への永久的瘢痕を生じさせる場合がある。
【0004】
ざ瘡の病変形成の一因となる複数の因子があり、これらには以下が含まれる:1.思春期のホルモン変化の結果としての、皮脂生成の活動過剰、2.毛嚢脂腺ユニット内でのプロピオニバクテリウム・アクネス(アクネ菌)のコロニー形成、3.毛嚢脂腺管の封鎖をもたらす上部濾胞の上皮(皮脂腺上方)の過角化または異常な落屑、4.皮脂腺脂質上のアクネ菌の活動の結果としての、炎症分子の形成。
【0005】
アクネ菌によって形成される炎症性代謝産物により生じる毛嚢脂腺管の閉塞および炎症が、面皰の形成をもたらす。思春期のホルモン変化の結果としての過剰な皮脂生成が、上部濾胞の上皮の代謝回転の増加と組み合わさって、微細面皰の形成に至り、これがざ瘡の炎症性丘疹および膿疱へと進行する。脂質が豊富な皮脂とタンパク質が豊富な落屑細胞とが組み合わさり、皮脂腺脂質を炎症性遊離脂肪酸分子へと変換するアクネ菌の成長および活動に理想的な環境が提供され、炎症性ざ瘡病変がもたらされる。患者は、非炎症性(開放面皰および閉鎖面皰)、炎症性(丘疹および膿疱)のいずれかを有するか、あるいはほとんどの場合がそうである、それらの組み合わせを有し得る。概して、ほとんどの患者において、ざ瘡病変の制御には局所治療で十分である。
【0006】
ざ瘡は多因子の症状であるため、その治療に際して、市販製品は、ざ瘡の一因となる基礎的因子のうちの1つまたはそれ以上に作用する。ざ瘡の治療に利用可能な多くの処方および店頭(OTC)製品があるが、それらは全て、所望の有効性もしくは耐容性、またはそれらの両方を欠く。現在利用可能な製品としては、抗生物質(局所および全身)、過酸化ベンゾイル、レチノイド類(局所および全身)、ダプソン、ならびにいくつかの他の化合物が挙げられる。
【0007】
抗ざ瘡分子であるダプソンは、市販品Aczone(登録商標)として市販されている。Aczone(登録商標)は、ダプソン薬の不溶性粒子のために、ざらざらした質感を持つ、5%のダプソンゲルである。ダプソンの不溶性によって、適用時および皮膚を通るその吸収時のダプソンの生物学的利用能が制限され、そのため1日2回投与される。生化学および分子レベルでは、ダプソンは、炎症性ざ瘡病変の治療におけるこの分子の作用の独特な機序を提供する、抗炎症活性を呈する。しかしながら、この作用の機序は、完全には理解されていない。炎症経路の複雑な組み合わせによって、ざ瘡で観察される臨床的炎症が生成される。好中球が、炎症性ざ瘡の顕著な一因となることが知られている。ダプソンは、好中球の動員および毒性生成物の局所生成を抑制することが知られており、それにより、好中球の走化性を阻害し、酸素遊離ラジカルの生成を減少させる。それはさらに、リソソーム酵素の放出を阻害し、放出を減少させ、プロスタグランジンおよびロイコトリエンの炎症効果を妨げる。これらの効果が、炎症性ざ瘡病変の減少をもたらす。その抗炎症活性に加えて、ダプソンは、アクネ菌に対しても有効である。アクネ菌に対するMIC90は8μg/mLである。
【0008】
アダパレンは、ビタミンAに関連する化合物である第3世代レチノイドであり、ざ瘡の治療用にFDAにより承認されている。アダパレンは、炎症過程を緩和することが知られているが、その作用の機序もまた、完全には理解されていない。アダパレン製品は、ゲルについては0.1%および0.3%w/vの濃度、ならびにクリームについては0.1%w/vの濃度で販売されている。アダパレンはレチノイド受容体に作用し、尋常性ざ瘡の病理学に関与する細胞分化、角質化、および炎症過程の修飾因子であると見られる。0.1%もしくは0.3%のゲルまたはクリームのいずれかからのアダパレンの吸収は低い。1つの薬物動態研究において、尋常性ざ瘡に罹患する16人の患者が、顔面、胸部、および背中に適用された、約2mg/cm2の薬用量である0.3%のアダパレンゲルを受けた。15人の患者が、治療の10日目に0.553±0.466ng/mLの平均Cmaxである、定量化可能な(LOQ=0.1ng/mL)アダパレンレベルを出した。10日目に16人の患者のうち15人で決定された平均AUC0−24hrは、8.37±8.46ng.h/mLであった。16人の患者のうち15人で決定された見かけの終末半減期は、7〜51時間の範囲であり、17.2±10.2時間の平均であった。アダパレンは血漿から迅速に除去され、1人を除く全ての対象について、最後の適用の72時間後には検出されなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
尋常性座瘡の治療に現在利用可能な製品は、所望の有効性を欠く、および/または対象に所望されない副作用もしくは耐容性の問題を有するため、尋常性ざ瘡の治療に有効な製品に対する、満たされていない消費者のニーズが存在する。
【0010】
組み合わせざ瘡製品は、ざ瘡の治療用の活性薬剤の作用の相乗的機序を利用することにより、単一活性薬剤を含有する製品と比較して、亢進した有効性の利益を提供するであろう。本発明は、少なくとも2つの活性化合物を含むざ瘡製品を対象とし、特に、尋常性ざ瘡、酒さ、アトピー性皮膚炎、慢性創傷の治療、褥瘡、毛孔性角化症(keratosis piralis)、乾癬、手術およびざ瘡瘢痕の美容上の改善、皮脂嚢胞、炎症性皮膚疾患、炎症後色素沈着、湿疹、乾燥症、掻痒症、扁平苔癬、結節性痒疹、湿疹、および汗疹、ならびに他の皮膚症状等の、皮膚症状の治療において使用するための、ダプソンとアダパレンとの組み合わせ製剤を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のいくつかの実施形態には、以下の項目が含まれる。
1)ダプソン、アダパレン、および水を含む、皮膚科用組成物。
2)前記組成物が、5%w/wのダプソンおよび0.1%もしくは0.3%w/wのアダパレンを含み、尋常性ざ瘡の治療に使用される、第1項に記載の皮膚科用組成物。
3)前記組成物が、0.5%w/wのダプソンおよび0.3%w/wのアダパレンである、第2項に記載の皮膚科用組成物。
4)前記組成物がゲルである、第1項に記載の皮膚科用組成物。
5)前記組成物が、0.5%w/wのダプソン、0.1%w/wのアダパレン、1.5%w/wのベンジルアルコール、Transcutol、5〜25%w/wのPEG400、0.01%w/wのEDTA、および0.03%w/wのクエン酸である、第1項および第4項に記載の組成物。
6)前記組成物が、1〜4%w/wのヒドロキシエチルセルロースをさらに含む、第1〜5項に記載の組成物。
7)0.5〜2%w/wのCarbopol980をさらに含む、第1〜5項に記載の組成物。
8)メチルパラベンをさらに含む、第1〜7項に記載の組成物。
9)乳酸をさらに含む、第1〜8項に記載の組成物。
10)グリセリンをさらに含む、第1〜9項に記載の組成物。
11)5〜15%w/wのジメチルイソソルビドをさらに含む、第5項に記載の組成物。
12)Transcutolが25%w/wの量で存在する、第1〜5項に記載の組成物。
13)NaOH、トロラミン、および塩酸からなる群から選択される緩衝液が、pHを調整するために添加される、第1〜12項に記載の組成物。
14)前記組成物のpHが5.5である、第1〜13項に記載の組成物。
15)2〜3%のヒドロキシエチルセルロースをさらに含む、第1〜5項に記載の組成物。
16)前記組成物が、ゲル、エマルジョン、クリーム、液体、ペースト、ローション、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、逆エマルジョン、およびリポソームクリームからなる群から選択される1つの形態である、第1〜15項に記載の組成物。
17)前記組成物が、尋常性ざ瘡、酒さ、アトピー性皮膚炎、慢性創傷の治療、褥瘡、毛孔性角化症、皮脂嚢胞、炎症性皮膚疾患、炎症後色素沈着、湿疹、乾燥症、掻痒症、扁平苔癬、結節性痒疹、皮膚炎、湿疹、および汗疹、ならびに他の皮膚症状からなる群から選択される1つの治療に使用することができる、第1〜16項に記載の組成物。
18)第1〜17項に記載の組成物の適用によって、尋常性ざ瘡を治療する方法。
19)前記適用が1日1回である、第17項に記載の治療の方法。
20)前記適用が1日2回である、第17項に記載の治療の方法。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】皮膚症状の治療のためのダプソンおよびアダパレン製剤を対象とする。
【図2】図1の式1の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図3A】図1の式2の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図3B】図1の式2の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図3C】図1の式2.1の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図3D】図1の式2.1の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図4A】図1の式4の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図4B】図1の式4の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図4C】図1の式4の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図4D】図1の式4の皮膚症状の治療のための製剤の、変形形態を対象とする。
【図5】皮膚症状の治療のためのダプソンおよびアダパレン製剤を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、ざ瘡、および酒さ等の他の皮膚症状の有効な治療のための、少なくとも2つの活性成分を含有する、皮膚症状の治療のための局所用組成物を対象とし、これらのうちの1つはダプソンであり、もう1つ(もしくは複数)は以下の一覧から選択される。
【0014】
本発明のいくつかの広範な実施形態および可能性のある組み合わせは、以下に見出される。
ダプソン(2〜10%w/w)と組み合わせることができる好適な化合物には、以下が含まれる。
1.殺菌性および/または面皰溶解(comedolytic)性を有する薬剤:
a.過酸化ベンゾイル(2.5〜10%w/w)、および
b.アクネ菌に対して有効である他の抗菌活性物質。
2.毛嚢脂腺管の閉塞を減少させることにより面皰形成を阻害するか、または以下のもの等の角質溶解性を有する薬剤:
a.サリチル酸(0.5〜3%w/w)、
b.アゼライン酸(最大20%w/w)、
c.スルファセタミド−硫黄(5〜10%w/w)、および
d.他の角質溶解剤。
3.皮脂腺の分泌を減少させ、上皮の落屑を生じさせる薬剤:
a.レチノイド類:
i.トレチノインまたはトランスレチノイン酸(0.02〜0.1%w/w)、
ii.タザロテン(0.05〜0.1%w/w)、
iii.アダパレン(0.1〜0.3%w/w)、および
iv.追加のレチノイド類。
4.アクネ菌を直接死滅させるための局所用抗生物質:
a.エリスロマイシン(1〜3%w/w)、
b.クリンダマイシン(1〜2%w/w)、および
c.テトラサイクリン(1〜3%w/w)。
【0015】
使用することができる可能性のある組み合わせ:
1.ダプソン(0.01%〜10%w/w)+レチノイド(0.001%〜3%w/w)
例:
a.ダプソン5%w/w+アダパレン0.3%w/w、
b.ダプソン5%w/w+タザロテン0.1%w/w、および
c.ダプソン5%w/w+トレチノイン0.1%w/w。
2.ダプソン+過酸化ベンゾイル:
例:
a.ダプソン5%w/w+過酸化ベンゾイル5%w/w。
3.ダプソン+抗生物質:
例:
a.ダプソン5%w/w+クリンダマイシン1%w/w。
4.ダプソン+角質溶解剤
例:
a.ダプソン5%w/w+アゼライン酸20%w/w。
【0016】
丸括弧内の濃度値(w/w)は好ましい濃度を表すが、製剤特性ならびに有効性および耐容性の所望のレベルに依存して、他の濃度値(w/v)が使用されてもよい。
【0017】
最近の臨床実験で、アダパレンゲルと同時投与されたダプソンゲルの安全性および有効性が評価された。この研究設計は、患者に製品Aczone(登録商標)(5%w/wのダプソン)を1日2回、朝と夜適用させることからなった。Aczone(登録商標)の夜の適用の約10分後、患者は、0.1%w/wのアダパレンゲルの薄い層を適用した。2つの製品の適用の間の10分の間隔によって、Aczone(登録商標)製剤の皮膚への完全な吸収を保証し、アダパレンまたはダプソンの皮膚浸透への可能性のある負の影響を最小限に抑えた。Aczone(登録商標)適用直後の0.1%w/wのアダパレンゲルの適用は、アダパレンまたはダプソンが、2つの製剤媒体の混合のために、より低い皮膚浸透であったかもしれない状況をもたらしたかもしれない。さらに、組み合わされた製剤の追加的な厚みが、2つの活性物質の浸透距離を増加させ、活性物質の皮膚浸透の減少ももたらす可能性がある。
【0018】
この実験の結果は、アダパレンゲルと同時に(しかし一緒にではなく)投与されたダプソンゲルが、尋常性ざ瘡の治療に安全であり、耐溶性良好であることを示した。本発明の一態様は、2つの活性物質を1つの製剤に組み合わせる、組み合わせアダパレン/ダプソン局所製剤である。本発明の新規性は、一部分において、ダプソンを可溶化するためにジエチレングリコールモノエチルエーテル(「DGME」)と組み合わせた、追加的賦形剤(可溶化剤)の使用に起因する。共溶媒の追加により、製剤中のダプソンの完全な溶解、およびアダパレンの溶解性の増加が可能になった(アダパレンはこれらの製剤中で完全には可溶化されない)。同時に投与された市販製品の比較物質と対比して、溶解したダプソンおよびアダパレンの濃度の増加は、皮膚内への、および皮膚を通る両方の薬物の皮膚浸透率を増加させるだろう。
【0019】
本発明の局所剤形には、溶液、ゲル、クリーム、軟膏、泡、エマルジョン、膜、および顔面/皮膚剥離が含まれるが、これらに限定されない。本発明は、アダパレンおよびダプソンの経皮送達プロファイルを最適化して、ざ瘡および他の皮膚症状を効果的に治療し、皮膚に適用された薬学的製品の効率を改善するように製剤化される、局所用ダプソンおよびアダパレン製剤を対象とする。
【0020】
本発明に包含されるいくつかの製剤、賦形剤、および濃度範囲の例を、以下の表1に要約する。
【0021】
【表1−1】
【0022】
【表1−2】
【0023】
5%w/wのダプソンならびに0.1%w/wおよび0.3%w/wのアダパレン製剤の本発明のさらに具体的な組成には、以下が含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
【表2A−1】
【0025】
【表2A−2】
【0026】
【表2B】
【0027】
本発明の製剤は、賦形剤に基づき以下の通り作製することができる。
製剤を含有する乳酸を作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、乳酸、ポリエチレングリコール400、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合し、
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にヒドロキシエチルセルロースをゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0028】
製剤を含有するDMI/ヒドロキシエチルセルロースを作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール400、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合する。
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にヒドロキシエチルセルロースをゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0029】
製剤を含有するDMI/Carbopolを作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール400、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合し、
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にCarbopol980をゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0030】
製剤を含有するPG/PEGを作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合し、
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にCarbopol980をゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0031】
製剤を含有するPG/DMI/Carbopolを作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合し、
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にCarbopol980をゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0032】
製剤を含有するPG/DMI/HECを作製するための過程:
組み合わせアダパレン/ダプソンゲルは、以下の通り調製された。
a.Transcutolをケトル内に量る。ダプソン、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、ベンジルアルコールを添加する。プロペラミキサーを用いて室温で撹拌する。溶解するまで混合し、
b.水、EDTA、およびクエン酸を、ステップaの混合物に添加する。溶解するまで混合し、
c.アダパレンをステップbの混合物に添加し、
d.混合を継続しながら、凝集を避けて、ステップcの混合物にヒドロキシエチルセルロースをゆっくり添加する。均一な塊のない分散液が得られるまで、室温で勢いよく混合し、
e.混合しながら、5.3〜5.7のpHが得られるように、十分な水酸化ナトリウムを添加する。均一になるまで混合する。
【0033】
最も有効なダプソンおよびアダパレン組成物を、臨床研究に基づき選択する。例えば、臨床研究を、12週の期間の間、皮膚のざ瘡部位に選択したダプソンおよびアダパレン製剤を毎日適用する1群と、同一の選択したダプソンおよびアダパレン製剤を1日2回局所適用する1群の2つの治療群を形成して行う。同一の賦形剤からなるが、活性成分を含まない媒体を毎日1回および2回適用する、2つの対照群を形成する。患者の炎症性および非炎症性ざ瘡の病変数を、治療開始前のベースラインで、およびその後研究を通して選択した間隔で記録するべきである。合計の非炎症性または炎症性病変数の減少により、製剤の有効性が決定される。確立された全体的ざ瘡評価スコア(Global Acne Assessment Score)(GAAS)を使用して、製品の有効性を評価するべきである。製品の耐容性は、治療の結果としての皮膚の乾燥、刺激、感受性、および発赤の評価によって決定することができる。製品は、これらのパラメータに関する効果が少ない場合、より良好な耐容性を有すると見なされる。
【0034】
適用方法:
1.好適な適用方法は、局所用クリーム、ゲル、ローション、軟膏、泡、液体、または半固体調製物である。局所用調製物は、審美的、ならびに保湿および抗炎症利益を皮膚に提供するための追加成分を含有してもよい。概して、
a.ゲルまたは液体調製物は、アルコールもしくは水性ベースであるか、あるいは2つの組み合わせであってもよく、
b.ナノエマルジョンまたはマイクロエマルジョン調製物を、活性物質の送達の向上のために使用することができ、
c.リポソームクリームまたはローション調製物を、活性物質の送達の向上のために使用することができ、
d.泡調製物は、追加の軟化薬成分を含む、迅速に砕ける泡(quick breaking foam)であることができる。
2.また、活性薬剤の持続放出または放出制御をもたらす局所用調製物を使用して、最適な有効性と耐容性との均衡を提供することもできる。
3.マイクロビーズ内に被包した、またはマイクロスポンジに吸着させた活性成分を、制御放出のために使用することができ、さらには製剤成分間のいずれかの不適合問題を解消することができる。
4.その適用は、所望の効果に依存して、好ましくは1日1回またはより頻繁である。
【0035】
本発明の製剤の適用:
実施例番号1―図5の式1の0.1%w/wアダパレンの適用
17歳の白人男性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号1による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この17歳の男性患者は、式1の0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、17歳の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の32%の減少を経験する。
【0036】
実施例番号2―図5の式1の0.3%w/wアダパレンの適用
16歳の白人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号1による0.3%w/wのアダパレン製剤を適用する。この16歳の女性患者は、式1の0.3%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、16歳の女性患者は、炎症性および非炎症性病変の41%の減少を経験する。
【0037】
実施例番号3―図5の式2の0.1%w/wアダパレンの適用
23歳のアフリカ系アメリカ人の女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号2による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この23歳の女性患者は、式2の0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、23歳の女性患者は、炎症性および非炎症性病変の24%の減少を経験する。
【0038】
実施例番号4―図5の式2の0.3%w/wアダパレンの適用
19歳の白人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号2による0.3%w/wのアダパレン製剤を適用する。この19歳の女性患者は、式2の0.3%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、この患者は、炎症性および非炎症性病変の248%の減少を経験する。
【0039】
実施例番号5―図5の式3の0.1%w/wアダパレンの適用
18歳のアフリカ系アメリカ人の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号3による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この18歳の男性患者は、0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、18歳の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の29%の減少を経験する。
【0040】
実施例番号6―図5の式3の0.3%w/wアダパレンの適用
23歳のアジア人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号3による0.3%w/wのアダパレン製剤を適用する。この23歳の患者は、0.3%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、この患者は、炎症性および非炎症性病変の25%の減少を経験する。
【0041】
実施例番号7―図5の式4の0.1%w/wアダパレンの適用
18歳のアフリカ系アメリカ人の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号3による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この18歳の男性患者は、0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、18歳の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の29%の減少を経験する。
【0042】
実施例番号8―図5の式4の0.3%w/wアダパレンの適用
17歳の白人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号4による0.3%w/wのアダパレン製剤を適用する。この17歳の男性患者は、0.3%w/wのアダパレン組成物を12週間1日2回適用する。12週後、17歳の男性患者は、炎症性および非炎症性病変の41%の減少を経験する。
【0043】
実施例番号9―図5の式5の0.1%w/wアダパレンの適用
16歳の白人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号5による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この16歳の女性患者は、0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、この患者は、炎症性および非炎症性病変の27%の減少を経験する。
【0044】
実施例番号10―実施例番号9―図5の式5の0.3%w/wアダパレンの適用
19歳の白人女性患者は、炎症性および非炎症性病変の組み合わせを有する尋常性ざ瘡に罹患し、図5の製剤番号5による0.3%w/wのアダパレン製剤を適用する。この19歳の女性患者は、0.3%w/wのアダパレン組成物を12週間1日2回適用する。12週後、この患者は、炎症性および非炎症性病変の38%の減少を経験する。
【0045】
実施例番号11―図5の式1の0.1%w/wアダパレンの適用
37歳の白人男性患者は、酒さに罹患し、図5の製剤番号1による0.1%w/wのアダパレン製剤を適用する。この37歳の男性患者は、式1の0.1%w/wのアダパレン組成物を12週間1日1回適用する。12週後、37歳の男性患者は、酒さの症状の減少を経験する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダプソン、アダパレン、および水を含む、皮膚科用組成物。
【請求項2】
5%w/wのダプソンおよび0.1%w/wのアダパレンを含み、尋常性ざ瘡の治療に使用される、請求項1に記載の皮膚科用組成物。
【請求項3】
0.5%w/wのダプソンおよび0.3%w/wのアダパレンである、請求項2に記載の皮膚科用組成物。
【請求項4】
ゲルである、請求項1に記載の皮膚科用組成物。
【請求項5】
0.5%w/wのダプソン、0.1%w/wのアダパレン、1.5%w/wのベンジルアルコール、Transcutol、5〜25%w/wのPEG400、0.01%w/wのEDTA、および0.03%w/wのクエン酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
1〜4%w/wのヒドロキシエチルセルロースをさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
0.5〜2%w/wのCarbopol980をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
メチルパラベンをさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
乳酸をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
グリセリンをさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項11】
5〜15%w/wのジメチルイソソルビドをさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項12】
Transcutolが25%w/wの量で存在する、請求項5に記載の組成物。
【請求項13】
NaOH、トロラミン、および塩酸からなる群から選択される緩衝剤が、pHを調整するために添加される、請求項5に記載の組成物。
【請求項14】
組成物のpHが5.5である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
2〜3%のヒドロキシエチルセルロースをさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項16】
ゲル、エマルジョン、クリーム、液体、ペースト、ローション、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、逆エマルジョン、およびリポソームクリームからなる群から選択される1つの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
尋常性ざ瘡、酒さ、アトピー性皮膚炎、慢性創傷の治療、褥瘡、毛孔性角化症(keratosis piralis)、皮脂嚢胞、炎症性皮膚疾患、炎症後色素沈着、湿疹、乾燥症、掻痒症、扁平苔癬、結節性痒疹、皮膚炎、湿疹、および汗疹、ならびに他の皮膚症状からなる群から選択される1つの症状の治療に使用することができる、請求項5に記載の組成物。
【請求項18】
請求項1に記載の組成物の適用によって、尋常性ざ瘡を治療する方法。
【請求項19】
前記適用が1日1回である、請求項17に記載の治療方法。
【請求項20】
前記適用が1日2回である、請求項17に記載の治療の方法。
【請求項1】
ダプソン、アダパレン、および水を含む、皮膚科用組成物。
【請求項2】
5%w/wのダプソンおよび0.1%w/wのアダパレンを含み、尋常性ざ瘡の治療に使用される、請求項1に記載の皮膚科用組成物。
【請求項3】
0.5%w/wのダプソンおよび0.3%w/wのアダパレンである、請求項2に記載の皮膚科用組成物。
【請求項4】
ゲルである、請求項1に記載の皮膚科用組成物。
【請求項5】
0.5%w/wのダプソン、0.1%w/wのアダパレン、1.5%w/wのベンジルアルコール、Transcutol、5〜25%w/wのPEG400、0.01%w/wのEDTA、および0.03%w/wのクエン酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
1〜4%w/wのヒドロキシエチルセルロースをさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
0.5〜2%w/wのCarbopol980をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
メチルパラベンをさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
乳酸をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
グリセリンをさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項11】
5〜15%w/wのジメチルイソソルビドをさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項12】
Transcutolが25%w/wの量で存在する、請求項5に記載の組成物。
【請求項13】
NaOH、トロラミン、および塩酸からなる群から選択される緩衝剤が、pHを調整するために添加される、請求項5に記載の組成物。
【請求項14】
組成物のpHが5.5である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
2〜3%のヒドロキシエチルセルロースをさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項16】
ゲル、エマルジョン、クリーム、液体、ペースト、ローション、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、逆エマルジョン、およびリポソームクリームからなる群から選択される1つの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
尋常性ざ瘡、酒さ、アトピー性皮膚炎、慢性創傷の治療、褥瘡、毛孔性角化症(keratosis piralis)、皮脂嚢胞、炎症性皮膚疾患、炎症後色素沈着、湿疹、乾燥症、掻痒症、扁平苔癬、結節性痒疹、皮膚炎、湿疹、および汗疹、ならびに他の皮膚症状からなる群から選択される1つの症状の治療に使用することができる、請求項5に記載の組成物。
【請求項18】
請求項1に記載の組成物の適用によって、尋常性ざ瘡を治療する方法。
【請求項19】
前記適用が1日1回である、請求項17に記載の治療方法。
【請求項20】
前記適用が1日2回である、請求項17に記載の治療の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【公表番号】特表2013−500984(P2013−500984A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523029(P2012−523029)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/043671
【国際公開番号】WO2011/014627
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/043671
【国際公開番号】WO2011/014627
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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