説明

チタン酸化物を被覆する装置及びチタン酸化物の被覆物の生産方法

【課題】金属球などの金属物の表面に二酸化チタン等のチタン酸化物を、膜圧が均一になるように被覆する。
【解決手段】搬送回転ねじ42が回転すると、上記らせん溝46に掛った金属球7は、凹溝44、44に沿って搬送される。この搬送される金属球7は、搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43の回転によって、金属球7の進行方向とほぼ直交する方向に回転される。上記搬送回転ローラー43、43の外周面の長手方向に沿って延びる直線状の一本または複数本の長手溝47が形成され、長手溝47が金属球7を通過するたびに、金属球7の向きが変えられる。これにより、上記金属球7の回転の向きが変えられ、金属球7の向きが種々ランダムに変更され、スプレーガン48から金属球7の表面に噴霧あれ被覆される二酸化チタンの膜厚が、金属球7表面全体にわたってほぼ均一となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチタン酸化物を被覆する装置及びチタン酸化物の被覆物の生産方法に関し、特に金属球などの金属物の表面に二酸化チタン等のチタン酸化物を被覆する装置、方法及び生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属球などの金属物は通常電流を通す導電性がある。しかし、金属球などの金属物が使用される場所によっては、電流を通さず絶縁した方がよい場合がある。例えばボールベアリング内の金属球に電流を流さず絶縁をして、電気自動車度などの電気設備の漏電を防止する等である。また、チタン酸化物を被覆すると表面が滑り易くなるので、パチンコ球をより滑り易くして、パチンコ球の流れの詰まりを防止するなどである。
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3116965号公報
【特許文献2】特開平5−140475号公報
【特許文献3】特開2009−72753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本件発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、金属球などの金属物の表面に二酸化チタン等のチタン酸化物を速く大量に被覆することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のチタン酸化物を被覆する装置及びチタン酸化物の被覆物の生産方法は、 回転軸の周囲に沿って回転し、この回転軸に沿って長い複数の搬送回転体であって、この複数の搬送回転体の間の隙間は、チタン酸化物が被覆される多数の金属物の大きさより小さく、この隙間に沿って上記加熱された金属物が搬送回転体の一方から他方に向かって回転されながら搬送される搬送回転体と、 この搬送回転体に沿って搬送される上記金属物に向かってチタン酸化物を噴霧して、当該金属物の表面にチタン酸化物を被覆させる噴霧体とを備えた。
【発明の効果】
【0006】
これにより、金属球などの金属物の表面に二酸化チタン等のチタン酸化物を速く大量に被覆できる。また、金属物にチタン酸化物が噴霧される時、金属物が搬送されながら回転されるので、金属物表面にほぼ均一にチタン酸化物が塗布される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(1)チタン酸化物を被覆する装置の全体
図1はチタン酸化物を被覆する装置またはチタン酸化物の被覆物の生産方法を実行する装置の全体を示す。この装置は、貯蔵部(供給部)1、加熱部2、噴霧部(塗布部)3、冷却部4、駆動源などからなっており、これらは装置全体を支える枠体9の上に設けられている。
【0008】
チタン酸化物が被覆されるまたは被覆された多数の金属物は、パチンコ玉と同じ鉄製の金属球7であり、被覆されるのは二酸化チタンである。貯蔵部1には多数の金属球7が貯蔵されて、1つずつまたは2つずつ次の加熱部2に供給される。加熱部2で加熱された金属球7は、噴霧部3で二酸化チタンが噴霧塗布され、冷却部4で冷却される。
【0009】
(2)貯蔵部(供給部)1
図2、図3、図4及び図5は、上記貯蔵部(供給部)1を示す。貯蔵ケース11(貯蔵体)は直方体状であり、上方から多数の金属球7が入れられ、内部に多数の金属球7が貯められる。この貯蔵ケース11は傾斜板12の上に固定され、この傾斜板12の下の上記枠体9の上にはジャッキ13が設けられている。
【0010】
このジャッキ13を上下動させることによって、上記傾斜板12及び貯蔵部11の傾斜が変更され、金属球7が円滑に流れて供給されるのに、最適な傾斜が選択される。貯蔵ケース11内の金属球7が多い時は傾斜が緩やかにされ、金属球7が少ない時は傾斜が急にされる。これにより、金属球7の供給で不足供給/抜け又は過剰供給/滞留が生じない。
【0011】
上記貯蔵ケース11は手前及び奥に長く、貯蔵ケース11の底面は奥縁及び手前縁から中心線/中央に向かって傾斜している。この傾斜の底にある中心線付近/中央線付近は、逆に盛り上がって傾斜した屋根状の分離部14(分離体)が形成されている。この分離部14の上に金属球7が落ちて移動してくると、奥側及び手前側にほぼ均等に分散分離されて移動される。
【0012】
この分離部14の手前側と奥側には縦向きの板状の一対の上下板15、15が上下動可能に設けられている。この上下板15、15は、上記多数の金属球7を下方から押し分け、この一対の上下板15、15の上端全体は互いの間の上記分離部14に向かって傾斜した撹拌傾斜部17、17となっており、押し分けた金属球7…を一対の上下板15、15の間に向かって落下移動させる。
【0013】
この上下板15、15の上縁の撹拌傾斜部17、17前端は、金属球7一個の大きさ分凹状になって、持ち上げ部16、16が形成されている。この持ち上げ部16、16の凹部内には上記金属球7が一個のみ収納されて持ち上げられる。なお、撹拌傾斜部17、17の幅は、上下板15、15の厚さと同じでもよい。
【0014】
この一対の持ち上げ部16、16は、上記撹拌板15、15、斜面部17、17とともに上下動可能であり、上記貯蔵ケース11内の多数の金属球7の中から1個の金属球7が選択されて持ち上げられる。持ち上げ部16、16の内部は溝状で、底面は断面「U字状」または「V字状」で、このU字状またはV字状の上は垂直な壁となっていて、溝の前面から後面にかけて貫通している。
【0015】
上記分離部14によって、落下移動されてくる上記金属球7…は、これら上下板15、15及び持ち上げ部16、16に向かって、手前側及び奥側であって前側(図右方)に落下移動されてくる。これにより、金属球7の二列の供給ラインに均等に金属球7が割り振られる。これら上下板15、15、斜面部17、17及び持ち上げ部16、16は、エアーシリンダー18、18などによって上下動される。この上下動は一定時間ごとに周期的に実行される。
【0016】
(3)加熱部2
図6、図7及び図8は、上記加熱部2を示す。上記一対の持ち上げ部16、16によって持ち上げられた一対の金属球7、7は、連絡通路21、21に送り込まれ、さらに加熱経路22、22へと送り込まれる。連絡通路21、21はほぼ直線状で、加熱経路22、22は手前と奥との間をサインカーブ状にジグザグになっており、このジグザグはサインカーブ2周期分となっている。
【0017】
これら、連絡通路21及び加熱経路22は、上記傾斜板12にしては平行になっていて傾斜に沿っており、連絡通路21及び加熱経路22内の金属球7は傾斜に沿って、一列に並んで順次転動/回転して流れて送られる。
【0018】
これら連絡通路21及び加熱経路22の上及び下には複数の赤外線ヒーター23…が設けられている。この赤外線ヒーター23…から遠赤外線又は中赤外線が発せられ、加熱経路22を転動/回転して流れて送られる金属球7が、200℃以上、望ましくは250℃以上、より望ましくは350℃以上に加熱される。加熱経路22がジグザグになっているので、赤外線ヒーター23…を通過する金属球7の数が増え、また一つの金属球7が通過する時間も長くなって、効率的に加熱される。
【0019】
上記貯蔵部1側の連絡経路21、21の上には、金属球7の通過センサー24、24が設けられ、金属球7の通過間隔、繋がり、流れが計測される。この通過センサー24は、フォトカプラ、磁気センサー、ホール素子等である。この加熱経路22、22の下には、エアーシリンダー25、25(振動体)が設けられ、このエアーシリンダー25、25のピストン軸の上端は、上記加熱経路22、22の入り口の下面に当接して、加熱経路22、22の入り口を振動させることが可能となっている。
【0020】
上記連絡経路21、21の金属球7の通過間隔が短くなって、金属球7の間隔が詰まったり複数繋がったり流れが止まったりするなどの滞りがあると、この流れ/滞り等が上記通過センサー24、24によって検出され、上記エアーシリンダー25、25に空気が送り込まれたり引き出されたりして、加熱部2の方の連絡通路21、21の入り口に振動が付加され、詰まって滞った金属球7の間隔が開けられたり流されたりする。
【0021】
上記加熱経路22、22の出口には、手前から奥にかけて水平方向に回動軸26が回動可能に設けられている。この回動軸26には、加熱経路22、22の出口の位置に、送出キャップ27、27(送出体)が固定されており、この送出キャップ27、27内に上記加熱経路22の出口からの金属球7が収納されて、次の噴霧部3へ送り込まれる。
【0022】
この回動軸26にはロータリーアクチュエーターまたはモーター(図示せず)が連結されており、このロータリーアクチュエーターまたはモーターの駆動によって回動軸26が回動され、送出キャップ27が上向きから下向きまで回動さて向きが変えられ、また下向きから上向きまで復帰されて向きが復帰される。ロータリーアクチュエーターまたはモーターの駆動は一定時間ごとに実行される。
【0023】
この送出キャップ27の外面は回動方向に沿って円周面となっており、回動するとき、加熱経路22の出口からの次の金属球7が落下しない。この送出キャップ27の内部は大きい及び小さい直方体状または立方体状に凹んでおり、この2つの凹みは上下に並び、上には上収納部30が形成され、下には下収納部29が形成され、複数の収納部29、30が形成される。
【0024】
上収納部30には大きな径の金属球7が収納され、下収納部29には小さな径の金属球7が収納され、大きさの異なる金属球7を収納可能である。これら上収納部30と下収納部29との間には段差部28が形成され、上収納部30の大きな金属球7が下収納部29に落下しないし、下収納部29に大きな金属球7が入らない。
【0025】
この下収納部29の幅、深さまたは奥行きは上収納部30の幅、深さまたは奥行きの半分ほど、半分以下ほどであり、上収納部30には下収納部29の金属球7の1.2倍乃至2倍の径の金属球7が収納可能である。
【0026】
また、下収納部29の下端は、加熱経路22の下端とほぼ一致している。したがって、下収納部29及び上収納部30には小さい金属球7が2つ以上入らず、確実に小さい金属球7を一個ずつ送り出すことができる。また、送出キャップ27が回動している間は、送出キャップ27の周面が加熱経路22の出口をふさいでいるので、次の金属球7が加熱経路22の出口で止められ、誤って落下することがない。
【0027】
(4)噴霧部(塗布部)3
図9、図10、図11及び図12は、上記噴霧部(塗布部)3を示す。上記送出キャップ27、27から排出され送り出された金属球7、7は、傾斜した受け板41、41に落下される。この受け板41、41先端は細くなって、一本の搬送回転ねじ42とこれを挟む二本の搬送回転ローラー43、43との間の隙間の上に形成される凹溝44、44の上に位置する。受け板41、41からの金属球7、7は、この凹溝44、44内に落下される。
【0028】
受け板41、41の先端は細くなっているので、金属球7、7が凹溝44、44以外に落下しない。搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43の手前側と奥側には傾斜板45、45が固定され、この傾斜板45、45の先端縁は、搬送回転ローラー43、43の上まで達しており、金属球7、7が搬送回転ローラー43、43の手前側または奥側に落下しない。
【0029】
搬送回転ねじ42と搬送回転ローラー43、43との隙間は、金属球7、7の大きさより小さく、金属球7、7が落下しない。搬送回転ねじ42は台形ねじであり、搬送回転ねじ42の外周面には、らせん状のらせん溝46が形成されている。
【0030】
搬送回転ねじ42、搬送回転ローラー43、43は回転の軸に沿って長く、搬送回転ねじ42が回転すると、上記らせん溝46に掛った金属球7は、搬送回転ねじ42の後方/上流(図面では左)から前方/下流(図面では右)に向かって、凹溝44、44に沿って搬送される。なお、搬送回転ねじ42と搬送回転ローラー43、43には実際には回転軸は無いが、回転しているので、この回転の中心つまり仮想的な回転の軸は存在する。
【0031】
この搬送される金属球7、7は、搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43の回転によって、金属球7、7の進行方向とほぼ直交する方向に回転される。上記搬送回転ローラー43、43の外周面には長手方向に沿って延びる直線状の一本または複数本の長手溝47が形成され、当該搬送回転ローラー43、43の回転によって、当該長手溝47が金属球7、7を通過するたびに、上記金属球7、7の向きが変えられる。これにより、上記金属球7、7の回転の向きが変えられ、金属球7、7の向きが種々ランダムに変更される。
【0032】
上記搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43の上方には多数のスプレーガン48…(噴霧体)が設けられている。このスプレーガン48…からは、二酸化チタンの溶液が霧状に下方に噴霧され、この噴霧は上記回転/搬送される金属球7…に向かって行われる。この二酸化チタンの溶液は、図1のタンク6に貯蔵され、コンプレッサー(図示せず)等によって、スプレーガン48…に供給される。
【0033】
上記搬送回転ねじ42の真上であって、スプレーガン48…の下には、山形で断面が「逆V字状」の拡散板49(拡散体)が設けられている。この拡散板49の上に、上記スプレーガン48…からの霧状の二酸化チタンが直接噴霧されて当てられ、この当てられた二酸化チタンは、上記金属球7…に向かって拡散され、金属球7…には間接的に二酸化チタンが噴霧される。
【0034】
これにより、金属球7…に噴霧され被覆される二酸化チタンの被膜の厚さが偏らない。さらに、上述のように、金属球7…の向きが種々ランダムに変更されるので、金属球7…の表面に塗布され被覆される二酸化チタンの膜厚が、金属球7…表面全体にわたってほぼ均一となる。
【0035】
搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43は、回転速度を変えながら回転したり、回転と停止とを交互に繰り返して間欠的に回転したりする。これにより、金属球7…に噴霧され被覆される二酸化チタンの被膜の厚さが偏らないし、金属球7…表面全体にわたってほぼ均一となる。このような間欠的などの回転は、駆動源のモーターのインバータ制御によって実行される。
【0036】
上記搬送回転ローラー43、43の末端には凹状のくびれ部50、50が形成されており、このくびれ部50、50においては、搬送回転ねじ42との隙間が大きくなっており、回転されながら搬送されてきて二酸化チタンが被覆された金属球7…は、このくびれ部50、50から落下する。
【0037】
上記スプレーガン48…と搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43との間には噴霧シャッター51が設けられ一定時間ごとに間欠的に開閉する。この開閉の開くタイミングで、スプレーガン48…の噴霧が実行され間欠的に噴霧される。これにより、金属球7表面に被覆される二酸化チタンの膜圧が均一にされる。このような間欠駆動は、マイクロコンピュータによるプログラム制御またはシーケンス制御によって実行される。
【0038】
(5)搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43の内部構造
図11及び図12は搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43の内部構造を示す。以下搬送回転ローラー43を例にとって説明する。搬送回転ローラー43の中心は長手方向に沿って円柱状に長く刳り抜かれ空洞部56が形成され、この空洞部51の後方(図左方)の内奥面/内面先端は円錐凹状/テーパー状に穿たれて円錐凹部57が形成されている。
【0039】
この空洞部56内には長手方向に沿って長い円柱状の棒状ヒーター58(加熱体)が配置されて固定され、この棒状ヒーター58の先端外面には円錐凸状の円錐キャップ59(円錐凸部)が固定され、この円錐キャップ59の先端は、上記円錐凹部57内に回転可能に嵌め込まれており、これら円錐凹部57の中心と円錐キャップ59の中心と搬送回転ローラー43の回転中心は一致している。
【0040】
これにより、搬送回転ローラー43が回転しても、棒状ヒーター58は回転せず、棒状ヒーター58による加熱が安定する。この棒状ヒーター58からの熱は搬送回転ローラー43に伝わって、搬送回転ローラー43が加熱される。
【0041】
したがって、上記加熱部2で加熱された金属球7は、噴霧部3でも加熱され冷却されず、金属球7表面に吹き付けられた二酸化チタンが均一に広がるまたは流動することが継続される。冷却されると二酸化チタンが流動または広がらなくなる。
【0042】
(6)冷却部4
図13、図14及び図15は上記冷却部4を示す。上記噴霧部3のくびれ部50、50から落下した金属球7、7は、受け路61、61に落下される。この受け路61、61は細長い樋状であり、断面が「V字状」となっており、この断面V字状を構成する二枚の斜面はほぼ45度に傾斜しており、受け路61、61の幅は金属球7の大きさのほぼ三倍となっている。
【0043】
この受け路61、61に金属球7、7が落下したとき、受け路61、61の中心に金属球7、7が落下すると、金属球7、7はほとんど跳ねない(撥ねない)。また、受け路61、61の中心からずれて金属球7、7が落下すると、受け路61、61の斜面はほぼ45度に傾斜しているので、金属球7、7はほぼ水平方向に跳ねる。
【0044】
しかし跳ねた金属球7、7は、反対側の斜面に当たり、さらに上方へ跳ね上がり、また落下して戻り、これらが繰り返され、この受け路61、61内での跳ねが繰り返されていくうちに、跳ねが減衰して、受け路61、61内の中心に金属球7、7が安定する。これにより、落下した金属球7、7が受け路61、61の外に跳び出さず、確実に金属球7、7を送り出すことができる。
【0045】
この受け路61の二枚の傾斜面の角度は、30度乃至60度であればよいが、45度が望ましい。受け路61、61の幅は、金属球7の大きさの二倍以上あればよく、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、5倍、…でもよく、金属球7が跳び出すことがより少なくなるが、配置スペースとのバランスから三倍ほどが望ましい。2倍未満であると、金属球7が跳び出すことが急激に増える。
【0046】
上記受け路61、61は若干傾斜いており、この受け路61、61の先端は、搬送回転ねじ62とこれを挟む二本の搬送回転ローラー63、63との間の隙間の上に形成される凹溝64、64の上に位置し、受け路61、61の先端からから落下した金属球7、7は、この凹溝64、64内に落下される。
【0047】
受け路61、61は断面がV字状になって、凹溝64、64の上に位置しているので、金属球7、7が凹溝64、64以外に落下しない。搬送回転ねじ62及び搬送回転ローラー63、63の手前側と奥側には傾斜板65、65が固定され、この傾斜板65、65の先端縁は、搬送回転ローラー63、63の上まで達しており、金属球7、7が搬送回転ローラー63、63の手前側または奥側に落下しない。
【0048】
搬送回転ねじ62と搬送回転ローラー63、63との隙間は、金属球7、7の大きさより小さく、金属球7、7が落下しない。搬送回転ねじ62は台形ねじであり、搬送回転ねじ62の外周面には、らせん状のらせん溝66が形成されている。
【0049】
搬送回転ねじ62、搬送回転ローラー63、63は回転の軸に沿って長く、搬送回転ねじ62が回転すると、上記らせん溝66の掛った金属球7…は、搬送回転ねじ62の後方/上流(図面では左)から前方/下流(図面では右)に向かって、凹溝64、64に沿って搬送される。なお、搬送回転ねじ62と搬送回転ローラー63、63には実際には回転軸は無いが、回転しているので、この回転の中心つまり仮想的な回転の軸は存在する。
【0050】
上記搬送回転ローラー63、63の末端には凹状のくびれ部67、67が形成されており、このくびれ部67、67においては、搬送回転ねじ62との隙間が大きくなっており、搬送されてきた金属球7…は、このくびれ部67、67から落下する。この落下した金属球7、7は、二酸化チタンが被覆された完成品として送り出し樋68、68に落下して完成品箱(図示せず)などに蓄積される。
【0051】
上記搬送回転ねじ62及び搬送回転ローラー63、63の上には、送風ブロア69が設けられ、この送風ブロア69から、搬送回転ねじ62及び搬送回転ローラー63、63の上を搬送される金属球7…に空気が当てられ冷却され乾燥される。
【0052】
搬送回転ねじ62及び搬送回転ローラー63、63の下には吸気口70が設けられ、上記送風ブロア69から金属球7…に当てられた空気が吸い込まれ、フィルタなどで空気が浄化され、再度送風ブロア69に送り込まれる。
【0053】
(7)駆動源他
上述の駆動源として複数のモーター(図示せず)が設置され、このモーターの動力はチェーン(図示せず)、歯車機構(図示せず)などで、上記搬送回転ねじ62、搬送回転ローラー63、63、搬送回転ねじ42、搬送回転ローラー43、43等に伝えられる。
【0054】
上記モーターのほか、撹拌板15及び持ち上げ部16を上下動させるエアーシリンダーなど、エアーシリンダー25、送出キャップ27、スプレーガン48、送風ブロア69、棒状ヒーター58、59、赤外線ヒーター23の駆動、通電は、マイクロコンピュータ、シーケンス、または手作業によって、順次時系列に実行されていく。
【0055】
貯蔵部1(供給部)、加熱部2、噴霧部3(塗布部)、冷却部4、駆動源、タンク6、金属球7、枠体9、貯蔵ケース11(貯蔵体)、傾斜板12、ジャッキ13、分離部14(分離体)、撹拌板15(撹拌体)、持ち上げ部16(持ち上げ体)、連絡通路21、加熱経路22(経路体)、赤外線ヒーター23(加熱体)、通過センサー24(検出体)、エアーシリンダー25(振動体)、回動軸26、送出キャップ27(送出体)、段差部28(段差部)、下収納部29(収納部)、上収納部30(収納部)、受け板41、搬送回転ねじ42(搬送回転体)、搬送回転ローラー43(搬送回転体)、凹溝44、傾斜板45、らせん溝46、長手溝47、スプレーガン48(噴霧体)、拡散板49(拡散体)、くびれ部50、空洞部56、円錐凹部57、棒状ヒーター58(加熱体)、円錐キャップ59(円錐凸部)、受け路61(受け部)、搬送回転ねじ62(搬送回転体)、搬送回転ローラー63(搬送回転体)、凹溝64、傾斜板65、らせん溝66、くびれ部67、送り出し樋68、送風ブロア69、吸気口70は、アルミ、ステンレスなどの金属製であるが、一部又は全部は、樹脂製、ゴム製、木製、カーボン製、セラミック製、ガラス製、布製、これらの合成物製/混合物製/多層積層物製等でもよい。
【0056】
(8)他の実施の形態
本発明は、上記実施例に限定されず、種々変更可能である。例えば、搬送回転ねじ42と搬送回転ローラー43、43とは、さらに多く設けられてもよく、搬送回転ローラー43は一本でもよく、搬送回転ねじ42と搬送回転ローラー43、43とは入れ替わっても良い。
【0057】
搬送回転ねじ42表面のらせん溝46は一本ではなく複数本形成されてもよいし、搬送回転ローラー43、43の長手溝47は一本ではなく複数本形成されてもよい。らせん溝46の傾斜はもっと急で、らせん溝46の間隔が大きくてもよい。長手溝47は長手方向にそって直線状であったが、多少らせん傾斜していてもよい。
【0058】
搬送回転ねじ42のらせん溝46は無くてもよい。この場合、搬送回転ねじ42と搬送回転ローラー43、43とが、金属球7の送られる方向に沿って傾斜される。また、長手溝47は無くてもよい。
【0059】
搬送回転ねじ42と搬送回転ローラー43、43との表面は、種々の凹凸が形成されてもよい。搬送回転ねじ42と搬送回転ローラー43、43とは、円筒状・円柱状のほか、円錐状、円錐台状、側面の数が多い角錐状、角錐台状等でもよい。これにより、金属球7の回転がさらにランダムとなり、回転方向の種々変化し、二酸化チタンの被膜が均一に形成される。
【0060】
搬送回転ねじ42と搬送回転ローラー43、43との表面は凹凸のある波形、台形、三角形または矩形形で、一方の山が他方の谷に入ってもよい。これにより、金属球7はジグザグ状に送られて行き、金属球7の回転がさらにランダムとなり、回転方向の種々変化し、二酸化チタンの被膜が均一に形成される。
【0061】
回転速度を変えたり回転と停止とを交互に繰り返して間欠的に回転したりするのは、搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43の全部ではなく、これらの一部でもよい。内部にヒーターが設けられ加熱されるのは、搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43の全部ではなく、これらの一部でもよい。
【0062】
拡散板49は平坦な2つの斜面からなる山形のほか、表面に大きなまたは小さな凹凸があっても良いし、凸状のほか、凹状、水平面、羽根状、螺旋状に配列された多数の羽根、螺旋棒状、波板状などでもよく、これらは複数並列または積層されても良く、これらは固定されるほか、回転したり、往復動したり、動いたりしてもよい。
【0063】
上記空洞部56の先端奥面は円錐凸状に突出し、棒状ヒーター58の先端には円錐凹状のキャップが取り付けられ、これらが互いに嵌め込まれてもてもよい。また、搬送回転ローラー43(搬送回転ねじ42)の両端に穴が開けられ、この中心を棒状ヒーター58が貫通されて、棒状ヒーター58の周囲に搬送回転ローラー43(搬送回転ねじ42)が回転されても良く、棒状ヒーター58が回転せず、搬送回転ローラー43(搬送回転ねじ42)が回転できればどのような構造でもよい。
【0064】
二酸化チタンの噴霧は、スプレーガンのほか、ノズルスプレー、二酸化チタンの貯蔵プールへの浸し、回転する刷毛ブラシによる塗布等でもよい。塗布されるのは二酸化チタンのほか、一酸化チタン、その他のチタン酸化物でもよい。このようなチタン酸化物を金属球7に塗布すれば、絶縁性、耐久性、摩擦低減、反光沢性等の効果が得られる。
【0065】
金属球7は、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、クロム、すず、亜鉛、ニッケル、銀、プラチナ、金、ステンレス、タングステン、これらの合金、これらの混合物/多層積層物でもよいし、他に樹脂製、ゴム製、木製、カーボン製、セラミック製、ガラス製、布製、これらの合成物製/混合物製/多層積層物製等でもよい。
【0066】
貯蔵部1(供給部)、加熱部2、噴霧部3(塗布部)、冷却部4、駆動源、タンク6、金属球7、枠体9、貯蔵ケース11(貯蔵体)、傾斜板12、ジャッキ13、分離部14(分離体)、撹拌板15(撹拌体)、持ち上げ部16(持ち上げ体)、連絡通路21、加熱経路22(経路体)、赤外線ヒーター23(加熱体)、通過センサー24(検出体)、エアーシリンダー25(振動体)、回動軸26、送出キャップ27(送出体)、段差部28(段差部)、下収納部29(収納部)、上収納部30(収納部)、受け板41、搬送回転ねじ42(搬送回転体)、搬送回転ローラー43(搬送回転体)、凹溝44、傾斜板45、らせん溝46、長手溝47、スプレーガン48(噴霧体)、拡散板49(拡散体)、くびれ部50、空洞部56、円錐凹部57、棒状ヒーター58(加熱体)、円錐キャップ59(円錐凸部)、受け路61(受け部)、搬送回転ねじ62(搬送回転体)、搬送回転ローラー63(搬送回転体)、凹溝64、傾斜板65、らせん溝66、くびれ部67、送り出し樋68、送風ブロア69、吸気口70の一部または全体は省略されてもよいし、均等の他の物に置き換えられてもよいし、これらの2つまたは3つ以上が合体されて兼用されてもよい。
【0067】
(9)他の発明の効果
[1]チタン酸化物が被覆される金属物を加熱する工程と、 回転の軸に沿って長い複数の搬送回転体であって、この複数の搬送回転体の間の隙間は、チタン酸化物が被覆される多数の金属物の大きさより小さく、当該搬送回転体によって、この隙間の上の形成される溝に沿って上記加熱された金属物を搬送回転体の一方から他方に向かって回転させながら搬送させる工程と、 この搬送回転体の溝に沿って搬送される上記金属物に向かってチタン酸化物を噴霧して、当該金属物の表面にチタン酸化物を被覆させる工程と、 このチタン酸化物が被覆された金属物を冷却する工程とを備えたことを特徴とするチタン酸化物の被覆物の生産方法。
【0068】
[2]チタン酸化物が被覆される金属物を加熱する加熱体と、 回転の軸に沿って長い複数の搬送回転体であって、この複数の搬送回転体の間の隙間は、チタン酸化物が被覆される多数の金属物の大きさより小さく、この隙間の上に形成される溝に沿って上記加熱された金属物を搬送回転体の一方から他方に向かって回転させながら搬送させる搬送回転体と、 この搬送回転体の溝に沿って搬送される上記金属物に向かってチタン酸化物を噴霧して、当該金属物の表面にチタン酸化物を被覆させる噴霧体と、 このチタン酸化物が被覆された金属物を冷却する冷却体とを備えたことを特徴とするチタン酸化物を被覆する装置。
【0069】
[3]上記搬送回転体の上には、噴霧体から噴霧されたチタン酸化物が直接当てられ、この当てられたチタン酸化物を上記金属物に向かって拡散させる拡散体が設けられていることを特徴とする請求項2記載のチタン酸化物を被覆する装置。 これにより、金属物にチタン酸化物が直接当たらないので、金属物に噴霧され被覆されるチタン酸化物の被膜の厚さが偏らない。
【0070】
[4]上記搬送回転体の外周面にはらせん状のらせん溝が形成され、このらせん溝に掛った上記金属物が、当該搬送回転体の回転によって搬送されることを特徴とする請求項3記載のチタン酸化物を被覆する装置。 これにより、金属物へのチタン酸化物の塗布が、金属物の緩やかな回転速度と緩やかな搬送緩速度で実行され、被覆されるチタン酸化物の膜厚に偏りが無くなる。
【0071】
[5]上記搬送回転体の外周面には長手方向に沿って延びる長手溝が形成され、当該搬送回転体の回転によって、当該長手溝が上記金属物を通過するたびに、当該金属物の向きが変えられることを特徴とする請求項4記載のチタン酸化物を被覆する装置。 これにより、金属物に被覆されるチタン酸化物の膜厚が金属物の表面全体が均一にされる。
【0072】
[6]上記搬送回転体の一部または全部、上記らせん溝が形成された搬送回転体または上記長手溝が形成された搬送回転体は、回転速度を変えながら回転する、または間欠的に回転することを特徴とする請求項5記載のチタン酸化物を被覆する装置。 これにより、金属物に噴霧され被覆されるチタン酸化物の被膜の厚さが偏らないし、金属物表面全体にわたってほぼ均一となる。
【0073】
[7]上記搬送回転体の一部または全部、上記らせん溝が形成された搬送回転体または上記長手溝が形成された搬送回転体は、加熱されていることを特徴とする請求項6記載のチタン酸化物を被覆する装置。 これにより、チタン酸化物の噴霧においても金属物は加熱されて冷却され、金属物の表目に塗布されたチタン酸化物が均一なるように流動して広がる。
【0074】
[8]上記搬送回転体の一部または全部、上記らせん溝が形成された搬送回転体または上記長手溝が形成された搬送回転体の内部の中心に、搬送回転体の長手方向に沿って長い加熱体が設けられ、この加熱体の先端外面またはこの先端に位置する搬送回転体の内面のうち一方は、ほぼ円錐凸状に形成され、他方は円錐凹状に形成され、この円錐凸部または円錐凹部の中心は当該搬送回転体の回転中心に一致し、上記加熱体は回転せず、上記搬送回転体は回転することを特徴とする請求項7記載のチタン酸化物を被覆する装置。 これにより、加熱体が回転せず加熱体による加熱が安定する。
【0075】
[9]上記チタン酸化物が被覆されるまたは被覆された多数の金属物が貯められた傾斜した貯蔵体と、 上記傾斜の末端にて上下動可能に設けられ、上記貯蔵体内の多数の金属物の中から少なくとも1つの金属物を持ち上げる複数の持ち上げ体と、 この複数の持ち上げ体とともに上下動可能に持ち上がり、上記多数の金属物を下方から押し分ける少なくとも一対の撹拌体であって、この一対の撹拌体の上端は傾斜して、押し分けた金属物を一対の撹拌体の間に向かって移動させる撹拌体と、 この一対の撹拌体のほぼ中央に傾斜して形成され、上記撹拌体から移動される金属物を上記一対の撹拌体及び上記持ち上げ体に向かってほぼ均等に移動させる分離体とを備えたことを特徴とする請求項2記載のチタン酸化物を被覆する装置。 これにより、金属物を持ち上げる一対の持ち上げ体に均等に金属物が割り振られる。
【0076】
[10]上記チタン酸化物が被覆されるまたは被覆された多数の金属物が落下する個所に設けられ、落下してきた上記金属物を送り出す、樋状で、断面がV字状で、このV字状の斜面の傾斜がほぼ30度乃至60度であり、幅が金属物の大きさの2倍以上の受け部を備えたことを特徴とする請求項2記載のチタン酸化物を被覆する装置。 これにより、落下した金属物が受け部の外に跳び出さず、確実に金属物を送り出すことができる。
【0077】
[11]送られてきたチタン酸化物が被覆されるまたは被覆された多数の金属物を収納し、ほぼ一定時間ごとに向きを変えてさらに送り出す送出体と、この送出体の中に形成された複数の段差部と、この複数の段差部を挟んで+形成され、大きさの異なる金属物を収納可能な複数の収納部とをさらに備えたことを特徴とする請求項2記載のチタン酸化物を被覆する装置。 これにより、送り出し金属物の送り出し時間間隔を一定にでき、これを大きさの異なる金属物に対して実行できる。
【0078】
[12]送られてきたチタン酸化物が被覆されるまたは被覆された多数の金属物を一列にして送り出す経路体と、この経路体における金属物の流れを検出する検出体と、この検出体の流れが滞っている検出結果に基づいて、この経路体を振動させる振動体とを備えたことを特徴とする請求項1記載のチタン酸化物を被覆する装置。 これにより、金属物の間隔が詰まって滞りがあると、振動が加えられて金属物の間隔が開けられ円滑に流される。
【産業上の利用可能性】
【0079】
金属球などの金属物の表面に二酸化チタン等のチタン酸化物を、膜圧が均一になるように被覆する。搬送回転ねじ42が回転すると、上記らせん溝46に掛った金属球7は、凹溝44、44に沿って搬送される。この搬送される金属球7は、搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43の回転によって、金属球7の進行方向にほぼ直交する方向に回転される。
【0080】
上記搬送回転ローラー43、43の外周面の長手方向に沿って延びる直線状の一本または複数本の長手溝47が形成され、長手溝47が金属球7を通過するたびに、金属球7の向きが変えられる。これにより、上記金属球7の回転の向きが変えられ、金属球7の向きが種々ランダムに変更され、スプレーガン48から金属球7の表面に噴霧あれ被覆される二酸化チタンの膜厚が、金属球7表面全体にわたってほぼ均一となる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】チタン酸化物を被覆する装置またはチタン酸化物の被覆物の生産方法を実行する装置の全体の正面を示す。
【図2】貯蔵部(供給部)1及び加熱部2の正面を示す。
【図3】貯蔵部(供給部)1の側面を示す。
【図4】貯蔵部(供給部)1の平面を示す。
【図5】貯蔵部(供給部)1の中央付近を示す。
【図6】加熱部2の正面を示す。
【図7】加熱部2の平面を示す。
【図8】加熱部2内の送出キャップ27(送出体)を示す。
【図9】噴霧部(塗布部)3の正面を示す。
【図10】噴霧部(塗布部)3の平面を示す。
【図11】噴霧部(塗布部)3の中の搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43付近の側面方向からの内部構造を示す。
【図12】噴霧部(塗布部)3の中の搬送回転ねじ42及び搬送回転ローラー43、43の正面方向からの内部構造を示す。
【図13】冷却部4の正面を示す。
【図14】冷却部4の平面を示す。
【図15】冷却部4の受け路61(受け部)付近を示す。
【符号の説明】
【0082】
1…貯蔵部(供給部)、2…加熱部、3…噴霧部(塗布部)、
4…冷却部、6…タンク、7…金属球、9…枠体、
11…貯蔵ケース(貯蔵体)、12…傾斜板、
13…ジャッキ、14…分離部(分離体)、
15…上下板(撹拌体、持ち上げ体)、16…持ち上げ部(持ち上げ体)、
17…撹拌斜面部(撹拌体)、18…エアーシリンダー(撹拌体、持ち上げ体)
21…連絡通路、22…加熱経路(経路体)、
23…赤外線ヒーター(加熱体)、24…通過センサー(検出体)、
25…エアーシリンダー(振動体)、26…回動軸、
27…送出キャップ(送出体)、28…段差部(段差部)、
29…下収納部(収納部)、30…上収納部(収納部)、
41…受け板、42…搬送回転ねじ(搬送回転体)、
43…搬送回転ローラー(搬送回転体)、44…凹溝、
45…傾斜板、46…らせん溝、
47…長手溝、48…スプレーガン(噴霧体)、
49…拡散板(拡散体)、50…くびれ部、
51…噴霧シャッター、
56…空洞部、57…円錐凹部、
58…棒状ヒーター(加熱体)、59…円錐キャップ(円錐凸部)、
61…受け路(受け部)、62…搬送回転ねじ(搬送回転体)、
63…搬送回転ローラー(搬送回転体)、64…凹溝、
65…傾斜板、66…らせん溝、
67…くびれ部、68…送り出し樋、
69…送風ブロア、70…吸気口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン酸化物が被覆される金属物を加熱する工程と、
回転の軸に沿って長い複数の搬送回転体であって、この複数の搬送回転体の間の隙間は、チタン酸化物が被覆される多数の金属物の大きさより小さく、当該搬送回転体によって、この隙間の上の形成される溝に沿って上記加熱された金属物を搬送回転体の一方から他方に向かって回転させながら搬送させる工程と、
この搬送回転体の溝に沿って搬送される上記金属物に向かってチタン酸化物を噴霧して、当該金属物の表面にチタン酸化物を被覆させる工程と、
このチタン酸化物が被覆された金属物を冷却する工程とを備えたことを特徴とするチタン酸化物の被覆物の生産方法。
【請求項2】
チタン酸化物が被覆される金属物を加熱する加熱体と、
回転の軸に沿って長い複数の搬送回転体であって、この複数の搬送回転体の間の隙間は、チタン酸化物が被覆される多数の金属物の大きさより小さく、この隙間の上に形成される溝に沿って上記加熱された金属物を搬送回転体の一方から他方に向かって回転させながら搬送させる搬送回転体と、
この搬送回転体の溝に沿って搬送される上記金属物に向かってチタン酸化物を噴霧して、当該金属物の表面にチタン酸化物を被覆させる噴霧体と、
このチタン酸化物が被覆された金属物を冷却する冷却体とを備えたことを特徴とするチタン酸化物を被覆する装置。
【請求項3】
上記搬送回転体の上には、噴霧体から噴霧されたチタン酸化物が直接当てられ、この当てられたチタン酸化物を上記金属物に向かって拡散させる拡散体が設けられていることを特徴とする請求項2記載のチタン酸化物を被覆する装置。
【請求項4】
上記搬送回転体の外周面にはらせん状のらせん溝が形成され、このらせん溝に掛った上記金属物が、当該搬送回転体の回転によって搬送されることを特徴とする請求項3記載のチタン酸化物を被覆する装置。
【請求項5】
上記搬送回転体の外周面には長手方向に沿って延びる長手溝が形成され、当該搬送回転体の回転によって、当該長手溝が上記金属物を通過するたびに、当該金属物の向きが変えられることを特徴とする請求項4記載のチタン酸化物を被覆する装置。
【請求項6】
上記搬送回転体の一部または全部、上記らせん溝が形成された搬送回転体または上記長手溝が形成された搬送回転体は、回転速度を変えながら回転する、または間欠的に回転することを特徴とする請求項5記載のチタン酸化物を被覆する装置。
【請求項7】
上記搬送回転体の一部または全部、上記らせん溝が形成された搬送回転体または上記長手溝が形成された搬送回転体は、加熱されていることを特徴とする請求項6記載のチタン酸化物を被覆する装置。
【請求項8】
上記搬送回転体の一部または全部、上記らせん溝が形成された搬送回転体または上記長手溝が形成された搬送回転体の内部の中心に、搬送回転体の長手方向に沿って長い加熱体が設けられ、この加熱体の先端外面またはこの先端に位置する搬送回転体の内面のうち一方は、ほぼ円錐凸状に形成され、他方は円錐凹状に形成され、この円錐凸部または円錐凹部の中心は当該搬送回転体の回転中心に一致し、上記加熱体は回転せず、上記搬送回転体は回転することを特徴とする請求項7記載のチタン酸化物を被覆する装置。
【請求項9】
上記チタン酸化物が被覆されるまたは被覆された多数の金属物が貯められた傾斜した貯蔵体と、
上記傾斜の末端にて上下動可能に設けられ、上記貯蔵体内の多数の金属物の中から少なくとも1つの金属物を持ち上げる複数の持ち上げ体と、
この複数の持ち上げ体とともに上下動可能に持ち上がり、上記多数の金属物を下方から押し分ける少なくとも一対の撹拌体であって、この一対の撹拌体の上端は傾斜して、押し分けた金属物を一対の撹拌体の間に向かって移動させる撹拌体と、
この一対の撹拌体のほぼ中央に傾斜して形成され、上記撹拌体から移動される金属物を上記一対の撹拌体及び上記持ち上げ体に向かってほぼ均等に移動させる分離体とを備えたことを特徴とする請求項2記載のチタン酸化物を被覆する装置。
【請求項10】
上記チタン酸化物が被覆されるまたは被覆された多数の金属物が落下する個所に設けられ、落下してきた上記金属物を送り出す、樋状で、断面がV字状で、このV字状の斜面の傾斜がほぼ30度乃至60度であり、幅が金属物の大きさの2倍以上の受け部を備えたことを特徴とする請求項2記載のチタン酸化物を被覆する装置。
【請求項11】
送られてきたチタン酸化物が被覆されるまたは被覆された多数の金属物を収納し、ほぼ一定時間ごとに向きを変えてさらに送り出す送出体と、この送出体の中に形成された複数の段差部と、この複数の段差部を挟んで形成され、大きさの異なる金属物を収納可能な複数の収納部とをさらに備えたことを特徴とする請求項2記載のチタン酸化物を被覆する装置。
【請求項12】
送られてきたチタン酸化物が被覆されるまたは被覆された多数の金属物を一列にして送り出す経路体と、この経路体における金属物の流れを検出する検出体と、この検出体の流れが滞っている検出結果に基づいて、この経路体を振動させる振動体とを備えたことを特徴とする請求項1記載のチタン酸化物を被覆する装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−251225(P2011−251225A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125418(P2010−125418)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(310014919)中野はがね株式会社 (1)
【Fターム(参考)】