説明

チャンバクリーニング処理を制御するための方法及び処理システム

【課題】処理チャンバ内の発熱チャンバクリーニング処理を制御する方法及びシステムである。
【解決手段】この方法は、システム部品から材料堆積物を除去するためにチャンバクリーニング処理においてクリーニングガスにシステム部品を晒すこと、チャンバクリーニング処理において少なくとも1つの温度関連システム部品パラメータをモニタリングすること、モニタリングによりシステム部品のクリーニング状態を決定すること、を含み、そして、決定された状態に基づいて、(a)晒すこと及びモニタリングの継続、(b)処理の停止、のうち一つを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、チャンバクリーニングに関し、より具体的には、発熱チャンバクリーニング処理の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの半導体作製処理は、プラズマエッチシステム、プラズマ堆積システム、熱処理システム、化学堆積システム、原子層堆積システム等といった、処理システム内で行われる。処理システムには、基板(例えば、ウエハ)を支持して基板を加熱しうる基板ホルダーを一般的に使用される。基板ホルダーは、多くの半導体の用途において好適な材料とされる、低い熱膨張、高い耐熱性、低い誘電率定数、高い熱放射率、化学的に“クリーンな”表面、剛性、寸法安定性、を備えるセラミック材料を含有しうる。セラミック基板ホルダーに使用される共通のセラミック材料には、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化ベリリウム(BaO)、及び、ランタンホウ化物(LaB)が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
処理システムにおける基板の処理によって、処理環境に晒される処理チャンバ中の基板ホルダー及び他のシステム部品上の材料堆積物の形成がもたらされうる。定期的なチャンバのクリーニングは、処理チャンバからの材料堆積物を除去するために実行される。有害な処理状態の後、又は貧弱な処理結果が観察された後、順に作動する互換性の無い処理の間に、材料堆積物を粒子問題の兆候の後、システム部品は一般に置き換えられ又はクリーニングされる。乾燥クリーニング処理は、システム部品の適切なクリーニングをもたらすことが証明される固定時間周期にクリーニング処理の長さを基盤にする手法を用いて実行されうる。しかしながら、クリーニング処理は実際にモニタされていないため、固定時間周期は不必要に長く、システム部品の望ましくないエッチング(腐食)をもたらす虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
方法及びシステムは、処理チャンバ内の発熱チャンバクリーニング処理を制御するために提供される。この方法は、システム部品から材料堆積物を除去するためにチャンバクリーニング処理においてクリーニングガスにシステム部品を晒すこと、チャンバクリーニング処理において少なくとも1つの温度関連システム部品パラメータをモニタリングすること、温度関連のパラメータのモニタリングによりシステム部品のクリーニング状態を決定すること、を含み、そして、決定された状態に基づいて、(a)晒すこと及びモニタリングの継続、(b)処理の停止、のうち一つを行う。この温度関連パラメータは、1又は2以上のシステム部品温度、加熱出力レベル、又は冷却出力レベルでありうる。
【0005】
この処理システムは、材料堆積物を含むシステム部品を有する処理チャンバ、前記システム部品からの材料堆積物を除去するためにチャンバ処理システム中のクリーニングガスに処理チャンバ中のシステム部品を晒すように構成されたガス注入システム、前記システム部品のクリーニング状態を決定するために、チャンバクリーニング処理中の少なくとも一つの温度関連システム部品パラメータをモニタリングするために構成されたコントローラー、を備える。コントローラーは、前記状態に応答する処理システムを制御するようにさらに構成される。
【0006】
この処理システムは、システム部品への加熱出力を印加するために構成された電力源、及び、システム部品への冷却出力を印加するために構成された熱交換システムをさらに有してもよい。システム部品は、基板ホルダー、シャワーヘッド、シールド、リング、バッフル、電極、又は、チャンバ壁を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の実施の形態による処理システムの概略線図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施の形態による処理システムの概略線図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施の形態による基板ホルダーの概略断面図である。
【図3B】図3Bは、本発明の実施の形態による基板ホルダーの概略断面図である。
【図4A】図4Aは、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理における時間の関数としてのシステム部品パラメータを概略的に示すグラフである。
【図4B】図4Bは、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理における時間の関数として調整されたシステム部品パラメータを概略的に示すグラフである。
【図5】図5は、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理における時間の関数としての基板ホルダーパラメータを示すグラフである。
【図6】図6は、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理における時間の関数としてのシステム部品パラメータを概略的に示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理におけるシステム部品のクリーニング状態のモニタリング方法を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理におけるシステム部品のクリーニング状態のモニタリング方法を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明を実行するために使用されうる全体的な汎用コンピュータの描写である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1Aは本発明の実施の形態による処理システムの概略線図である。
処理システム1は、基板25の温度を保持及び制御する目的で基板ホルダー20を搭載するための台5を有する処理チャンバ10、処理ガス15を処理チャンバ10に注入するガス注入システム40、真空ポンプシステム50を備える。例えば、処理ガス15は、処理チャンバ10中のクリーニング処理(処理チャンバ10中における基板ホルダー20及び他のシステム部品からの材料堆積物の除去を含む)を行うためのクリーニングガスであってもよく、基板25を処理するための処理ガスであってもよい。ガス注入システム40は、実験施設内の供給源(図示せず)から処理チャンバ10への処理ガス15輸送に亘る独立制御を可能とする。ガスは、ガス注入システム40を介して処理チャンバ10から導入され得るし、処理圧力は調整される。コントローラー55は、真空ポンプシステム50及びガス注入システム40を制御するために用いられる。ガス注入システム40は、ガスを励起するためのリモートプラズマ供給源(図示せず)をさらに備えていてもよい。
【0009】
基板25は、スロットバルブ(図示せず)及びチャンバフィードスルー(図示せず)を介してロボット基板移送システム95を経てチャンバ10内にそして外に移送される。ロボット基板移送システム95は、基板ホルダー20内に搭載された基板リフトピン(図示せず)で基板を受けて、内部に搭載された装置によって機械的に移送する。基板25が基板移送システムから受けると、基板25は基板ホルダー20の上面まで下降される。一形態において、基板25は、静電クランプ(図示せず)を介して基板ホルダー20に貼付されてもよい(図示せず)。
【0010】
基板ホルダー20は、基板ホルダー20を加熱するための加熱エレメント30、及び基板ホルダー20を覆う基板25を備える。加熱エレメント30は、例えば、電源70から加熱出力(AC又はDC)を印加することで出力される抵抗性加熱エレメント30であってもよい。基板ホルダー20は、基板ホルダー温度を測定してモニタリングするためのサーモカップル35をさらに含んでいてもよい。あるいは、基板ホルダー温度は、パイロメーターを用いて測定されてもよい。
【0011】
さらに、図1における処理システム1は、基板ホルダー20への冷却出力を印加することによって、冷却するための手段をさらに備えてもよい。これは、熱交換システム80から基板ホルダー入口85へ、そして、基板ホルダー出口90から熱交換システム80に戻る、冷却流体を再循環することによって達成されうる。さらに、ガス(例えば、He)は、基板25と基板ホルダー20とのガス隙間の熱伝導を向上するために基板25の背面に移送してもよい。
【0012】
図1の参照を続けると、処理ガス15はガス注入システム40から処理領域60に導入されている。処理ガス15は、ガス注入プレナム(図示せず)、一連のバッフルプレート(図示せず)、及び、複数のオリフィスシャワーヘッドガス注入プレート65を介して、処理領域60に導入されてもよい。真空ポンプシステム50は、最大5,000リッター毎秒(又はそれ以上の)圧送可能なターボ分子ポンプ(TMP)、及びチャンバ圧を絞るゲートバルブを含んでもよい。
【0013】
コントローラー55は、処理システム1からの出力をモニタリングするとともに、処理システム1への入力を行い通信するのに十分な制御電圧を発生可能な、マイクロプロセッサ、メモリ、デジタルI/Oポート、を備えている。さらに、コントローラー55は、処理チャンバ10、ガス注入システム40、熱交換システム80、電源70、サーモカップル35、基板移送システム95、真空ポンプシステム50に連結されて情報の交換を行う。例えば、メモリに格納されたプログラムは、格納された処理レシピにより処理システム1の上述した部品を制御するために使用され得る。コントローラー55の一例は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、製品番号TMS320で、テキサス州ダラスのTexas Instrumentsから入手可能である。
【0014】
図2は、本発明の他の実施の形態による処理システムの概略線図である。図2に示された実施の形態において、処理ガス15はガス注入システム40から処理領域60に導入されている。そして、処理チャンバ10は、基板ホルダー20及び基板25を放射加熱するためのランプヒータ96を備える。ランプヒータは、コントローラー55によって制御される電源98で出力される。
【0015】
図1及び図2において、コントローラー55は、様々な温度関連システム部品パラメータを制御及びモニタリングするように構成されている。これらの温度関連パラメータは、システム部品がクリーニング処理によって生成された発熱に晒されるときに、前記システム部品を所望の温度で維持されることに全て関連している。基板ホルダーの場合、システム部品パラメータには、例えば、サーモカップル35で測定された基板ホルダー温度、電力70又は98から基板ホルダー20に印加される加熱出力、及び/又は、熱交換システム80から基板ホルダー20に印加される冷却出力が含まれていてもよい。コントローラー55は、加熱エレメント30又はランプヒータ96に印加される加熱出力(例えば、電流、電圧)のレベルをモニタするように構成されてもよい。さらに、コントローラー55は、例えば、電圧振幅及び位相といった出力特性をモニタするように構成されてもよい。加えて、コントローラー55は、熱交換システム80から基板ホルダー20への冷却流体流、又は、基板ホルダー入口85に入る冷却流体と基板ホルダー出口90から出る冷却流体との温度差、を測定することによって冷却出力をモニタするように構成されてもよい。
【0016】
本発明の一実施の形態において、基板25は、処理チャンバ10内のチャンバクリーニング処理中において基板ホルダー20上に位置していてもよい。本発明の他の実施の形態において、チャンバクリーニング処理は、基板ホルダー20上に位置する基板25無しで行われてもよい。
【0017】
図3A及び図3Bは、本発明の実施の形態による基板ホルダーの概略断面図である。基板ホルダー20は、台5によって支持される。基板ホルダー20は、例えば、Al、AlN、SiC、BeO、及び、LaBといったセラミック材料を含んでもよい。図3Aは、基板ホルダー20を部分的に覆っている材料堆積物45を示す。図3Aにおける材料堆積物45は、基板ホルダー20で支持される基板上で行われる製造処理中に基板ホルダー20上に形成されうる。この製造処理は、例えば、材料を基板上に堆積する堆積システム中で行われる堆積処理、又は、基板から材料を除去するエッチングシステム中で行われるエッチング処理を含んでいてもよい。さらに、基板を支持する基板ホルダー表面47は、基板処理中の処理環境から遮蔽され、実質的に材料堆積物45を無くしうる。
【0018】
材料堆積物45は、単一層であってもよく、又は、これに換えて、複数層を含んでいてもよい。材料堆積物45の厚さは、数オングストローム(Å)から数百オングストローム、又はこれより厚くてもよく、そして、例えば、シリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素(SiO)、又は、ドープされたSiなどのシリコン含有材料;HfO、HfSiO、ZrO、又は、ZrSiOなどの高誘電金属酸化物といった誘電体材料;Ta、Cu、又は、Ruといった金属;Ta、CuO、又はRuOといった金属酸化物;又は、TiN又はTaNといった金属窒化物、といった1又は2以上の種類の材料を含んでもよい。
【0019】
図3Bは、本発明の実施の形態によるクリーン基板ホルダーの断面図を概略的に示す。クリーン基板ホルダー20は、チャンバクリーニング処理の結果、材料堆積物45が無くなり、又は実質的に無くなる。図3Aに概略的に示された材料堆積物45は、クリーニングガスに基板ホルダー20を晒すことで、基板ホルダー20から除去されている。
【0020】
チャンバ処理における当業者に理解されるように、本発明の実施の形態は、例えば、シャワーヘッド、シールド、バッフル、リング、電極、及び、処理チャンバ壁といった、処理システムにおける他のシステム部品が用いられうるように、基板ホルダーといったシステム部品に限定されない。
【0021】
図4Aは、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理における時間の関数としてのシステム部品パラメータを概略的に示すグラフである。チャンバクリーニング処理は、図1及び図2に示される典型的な処理システムにおいて行われうる。図4Aにおいて示されるシステム部品パラメータは、システム部品温度、及び、システム部品に印加される加熱出力である。図4Aにおいて示されたチャンバクリーニング処理は、反応して材料堆積物をシステム部品から除去するクリーニングガスに、材料堆積物を含有するシステム部品を晒すことで行われる発熱クリーニング処理であってもよい。時間420で、クリーニングガスは、加熱出力水準435を用いて予め選択された温度405に維持されるシステム部品に晒される。クリーニングガスは、例えば、ClF、F、NF、及び、HFといったハロゲン含有ガスを含んでいてもよく、そして、クリーニングは、Ar、He、Ne、Kr、Xe、及びNの少なくとも一つから選択される不活性ガスをさらに含んでいてもよい。図4Aにおいて示されるクリーニング処理において、システム部品上の材料堆積物とクリーニングガスとの間の発熱反応は、予め選択された温度405より上にシステム部品温度400を増大させる。システム部品温度が予め選択された温度405よりも増大するため、コントローラーは、システム部品に印加する加熱出力410を抑制するように構成される。図4Aにおいて示される典型的な実施の形態において、加熱出力410の抑制は、予め選択された温度405でシステム部品温度を維持するために十分ではない。
【0022】
システム部品におけるクリーニング状態は、チャンバクリーニング処理中のシステム部品表面上に残っている材料堆積物の相対量を示しうる。材料堆積物は、チャンバクリーニング処理中のシステム部品から除去される。材料堆積物がシステム部品から実質的に除去されているとき、発熱クリーニング処理からのシステム部品の加熱が抑制されるため、図4Aに示されているシステム部品温度は減少する。システム部品温度400の減少に応えて、コントローラー50は、予め選択された温度405からシステム部品温度が下降することを防止するために、システム部品に印加される加熱出力410を増大するように構成される。
【0023】
従って、図4Aに概略的に示されたように、システム部品温度400、加熱出力410、又は、その両方は、時間430でクリーニングエンドポイントを決定するために使用されてもよい。クリーニングエンドポイント430は、システム部品温度400及び加熱出力410が予め選択された温度405及び加熱出力基準435にそれぞれ接近又は到達する地点で、示される。全体的に、クリーニングエンドポイントを示すシステム部品パラメータ(例えば、システム部品温度400又は加熱出力410)の閾値強度は、例えば、予め選択されたシステム部品パラメータ強度値(例えば、温度405又は出力基準435)であってもよく、クリーニングエンドポイントの決定を助ける目的で適切なシステム部品パラメータを生成するために少なくとも2つのシステム部品パラメータを連結(リンク)するために数学演算が適用されてもよい。典型的な数学演算には、除算、乗算、加算、又は減算といった代数的演算が含まれる。
【0024】
図4Bは、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理における時間の関数として調整された温度関連のシステム部品パラメータを概略的に示すグラフである。図4Bにおける調整されたシステム部品パラメータ曲線440は、図4Aのシステム部品温度曲線400を加熱出力曲線410で除算することで、計算される。クリーニングエンドポイント430は、例えば、予め選択された温度405を図4Aの加熱出力基準435で除算することで計算されうる予め選択された閾値450で調整されたシステム部品パラメータ曲線400が接近又は到達する地点で示される。
【0025】
図4A及び図4Bにおいて、典型的なクリーニングエンドポイント430は、例えば、システム部品が所望のクリーニング処理に対して許容可能なクリーン基準であると判定されるときに、示されうる。許容可能なクリーン基準は、処理チャンバ中で行われる製造処理に基づいて変化しうることが理解される。許容可能なクリーン基準は、例えば、スペクトロスコピー法及び外観検査を含む、許容可能なクリーン基準を決定するための他の方法で、曲線400、曲線410、又は曲線440を補正することで決定してもよい。クリーニング処理は、システム部品からの材料堆積物の除去が処理チャンバの他のシステム部品よりも迅速であった場合には、より長く継続することが必要でありうる。図4Aの曲線400、410は信号強度において実質的な対称性を示すが、曲線400、410はクリーニング処理及び処理システムの特性に依存し、非対称でありうるということが理解される。全体的に、曲線400、410の正確な形状は、材料堆積物の量、種類、厚さ、部分的な表面被覆、クリーニング処理の特性に依存しうる。さらに、曲線400、410は、システム部品ヒータの出力要求及び応答時間、及び、処理システムの他の特性に依存しうる。
【0026】
図5は、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理における時間の関数としての温度関連の基板ホルダーパラメータを示すグラフである。図5に示された基板ホルダーパラメータは、基板ホルダー温度500、及び、基板ホルダーに印加される加熱出力510である。図5に示された発熱クリーニング処理において、三フッ化窒素(NF)クリーニングガスがリモートプラズマ源によって励起され、処理チャンバ中に流入して、基板ホルダーからそして処理チャンバ中の他のシステム部品からタングステン(W)金属堆積物を除去した。曲線500で示されるように、NFクリーニングガスは、基板ホルダーが約100秒の時間で約200℃に抵抗加熱された処理チャンバに流入した。
【0027】
図5に示されたクリーニング処理は、基板ホルダー温度500を約200℃の予め選択された温度を超えるほど十分に発熱し、これにより、コントローラーは基板ホルダーに印加する加熱出力510の量を減少した。図5に示されるように、加熱出力510は、約100秒の時間での最大利用可能出力の約14%から、約400秒の時間での約0%に減少した。クリーニング処理において、基板ホルダー温度500は、約1100秒の時間での約203℃の最大値に達した。約1100秒の時間後、基板ホルダー温度500は減少を開始し、予め選択された200℃の温度に到達したときに、基板ホルダー温度500を約200℃に保つためにコントローラーは加熱出力510を増大した。図5に示されるように、基板ホルダー温度500は、比較的長時間一定の基板ホルダーの抵抗加熱にある程度起因して、予め選択された200℃の温度に約2℃達しなかった。クリーニング処理エンドポイント530は、加熱出力510及び基板ホルダー温度500から決定されるときの、約1,450秒から約1,600秒の時間で観察された。クリーニングエンドポイント
30は、基板ホルダー温度500及び加熱出力510が予め選択された200℃の温度及び約14%の加熱出力基準にそれぞれ接近又は到達する地点で示される。図5は、基
ホルダー温度500を加熱出力510で除算することで算出された、調整された温関連
基板ホルダーパラメータ540も示す。調整された基板ホルダーパラメータ540は、100秒毎に算出された。処理の開始時での調整値、すなわち100秒での値は、約1600秒で再度到達し、これによって発熱クリーニング処理の終わりを示すことが理解されうる。従って、本質的に同じエンドポイント530は、個別に予め選択されたパラメータとともに調整されたパラメータを示した。
【0028】
図4Aに対して上述したように、許容可能なクリーン基準は、処理チャンバ中で行われる製造処理に基づいて変化可能であり、許容可能なクリーン基準は、例えば、曲線500、510、又は双方を補正することで決定されうるし、数値演算は、クリーニングエンドポイントを決定するために調整されたシステム部品パラメータ540を演算するための曲線500、510で行われうる。
【0029】
図6は、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理における時間の関数としてのシステム部品パラメータを概略的に示すグラフである。図6に示された実施の形態において、システム部品は、システム部品への加熱出力基準635及び冷却出力基準645に印加することによって、予め選択された温度605で保持される。時間630で、発熱クリーニング処理は、クリーニングガスへのシステム部品を晒すことによって開始される。続いて、予め選択された温度605でのシステム部品温度600を維持するために、加熱出力610は減少されて冷却出力650は増大される。チャンバクリーニング処理のエンドポイントは時間640で接近すると、予め選択された温度405でシステム部品温度600を維持するために、加熱出力610は増大されて冷却出力650は減少される。加熱出力610及び/又は冷却出力650を初期の加熱出力基準635及び冷却出力基準645のそれぞれへの復帰することは、発熱クリーニング処理の終端を示す。
【0030】
従って、図6に示される本発明の実施の形態によって、チャンバクリーニング処理中の予め選択された温度605でシステム部品温度600を維持するための、システム部品の加熱及び冷却出力の印加が可能となり、システム部品のクリーニング状態の決定方法、及び、チャンバクリーニング処理のエンドポイントを決定方法が提供される。図6において、加熱出力610、冷却出力650、又はその両方は、時間640でのクリーニングエンドポイントを決定するために使用されうる。さらに、上述した数的演算は、クリーニングエンドポイントを決定するために、調整されたシステム部品パラメータを演算する目的で、例えば、2つの異なるシステム部品パラメータ(すなわち、加熱出力及び冷却出力)で行われうる。
【0031】
上述したシステム部品に加えて、他のシステム部品が、チャンバクリーニング処理を明確にモニタリングするため、処理チャンバ中に、設計され、製造され、搭載されてもよい。図1及び図2の基板ホルダー20と同様に、加熱出力及び冷却出力は、例えば、サーモカップルを用いて、補助的なシステム部品に印加され、そして、その温度をモニタしうる。システム部品は、良好なエンドポイントを検出できるように迅速な温度応答時間を有するように製造されうる。迅速な応答時間は、高熱伝導性材料を用いてシステム部品を製造し、良好なエンドポイント検出を可能とするシステム部品温度を選択することによって達成しうる。
【0032】
さらに、チャンバ処理における当業者に理解されるように、本発明の実施の形態は、システム部品の温度をモニタリングするための手段を含む、そして、システム部品を加熱又は冷却するための手段を選択的に含む、システム部品を用いて実行されうる。一実施例において、チャンバクリーニング処理は、クリーニングガスへシャワーヘッドを晒す間、サーモカップルを含むシャワーヘッドの温度をモニタリングすることによって、制御されうる。
【0033】
図7は、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理におけるシステム部品のクリーニング状態のモニタリング方法を示すフローチャートである。処理700は、段階702で、開始される。段階704で、システム部品は、システム部品から材料堆積物を除去するために、チャンバクリーニング処理においてチャンバ内でクリーニングガスに晒される。段階706で、少なくとも1つの温度関連システム部品パラメータは、チャンバクリーニング処理においてモニタされる。温度関連システム部品パラメータには、システム部品温度、システム部品に印加される加熱出力、又は、システム部品に印加される冷却出力、が含まれる。段階708で、システム部品のクリーニング状態が前記モニタリングから決定される。段階710で、前記モニタリングから決定されたクリーニング状態に基づいて、(a)前記ガスに晒す処理及びモニタリングを継続すること、又は、(b)段階712で処理を停止することのいずれか一つが行われる。
【0034】
図8は、本発明の実施の形態によるチャンバクリーニング処理におけるシステム部品のクリーニング状態のモニタリング方法を示すフローチャートである。処理800は、段階802で、開始される。段階804で、システム部品は、チャンバクリーニング処理においてモニタされる。段階806で、温度関連システム部品パラメータ(例えば、システム部品温度、加熱出力、又は、冷却出力)の検出値が閾値に達していない場合には、モニタリングが継続される。段階806で、材料堆積物の除去が完了しているか完了間近であることを示す閾値に達している場合には、段階808で、クリーニング処理及びモニタリングを継続するか又は段階810でクリーニング処理を停止するかが決定される。
【0035】
段階808において処理を継続すべきか否かを決定することは、チャンバ中で行われている製造処理に基づいてなされうる。クリーニング処理のエンドポイントへのシステム部品パラメータの補正は、少なくとも一つのシステム部品パラメータ及びシステム部品のクリーニング状態をモニタリングする間に行われる試験処理によって行われうる。システム部品のクリーニング状態は、例えば、試験処理中においてシステム部品を検査して、クリーニング処理における所望のエンドポイントが観察されたときに記録された検出閾値強度に、検査した結果を補正することによって評価されうる。この閾値強度は、例えば、固定されたシステム部品パラメータ強度値、又は、図4B及び図5に示されたような、調整されたシステム部品パラメータを生成するための、少なくとも2つのシステム部品パラメータに用いられた数的演算であってもよい。
【0036】
図9は、本発明の実施の形態を実行しうるコンピュータシステム1201を示す。このコンピュータシステム1201は、図1及び図2におけるコントローラー55として用いてもよく、又は、上述した機能のいずれか又はいずれをも行うために使用されうる同様のコントローラーを用いてもよい。コンピュータシステム1201は、バス1202、又は通信情報用の他の通信メカニズム、及び、上方を処理するためにバス1202と接続したプロセッサ1203を含む。コンピュータシステム1201は、プロセッサ1203によって実行される情報及び指令を貯蔵するためにバス1201に接続された、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又は、他の動的貯蔵機器(例えば、動的RAM(DRAM)、静的RAM(SRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM))といったメインメモリ1204をも含む。加えて、メインメモリ1204は、プロセッサ1203によって指令を実行する間の、一時的数値変数、又は、他の中間情報を格納するために使用されうる。コンピュータシステム1201は、プロセッサ1203に対する静的情報及び指令を貯蔵するためにバス1202に接続された、リードオンリーメモリ(ROM)1205、又は、他の静的記憶機器(例えば、プログラマブルROM(PROM)、消去可能なPROM(EPROM)、及び、電気的に消去可能なPROM(EEPROM))をさらに含む。
【0037】
コンピュータシステム1201は、磁気ハードディスク1207、及びリムーバブルメディアドライブ1208(例えば、フレキシブルディスクドライブ、リードオンリーコンパクトディスクドライブ、リード/ライトコンパクトディスクドライブ、テープドライブ、及び、リムーバブル磁気光学ドライブ)といった、情報及び指令を貯蔵するための1又は2以上の貯蔵装置を制御するためにバス1202に接続されたディスクコントローラー1206をも含む。この貯蔵装置は、適切なドライブインターフェース(例えば、小型コンピュータ用周辺機器インターフェース(SCSI)、インテグレーテッドドライブエレクトロニクス(IDE)、拡張IDE(E−IDE)、ダイレクトメモリアクセス(DMA)、又は、ウルトラDMA)を用いてコントローラーシステム1201に追加されてもよい。
【0038】
コンピュータシステム1201は、特定の目的の論理回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASICs)、又は、設定可能な論理回路(例えば、シンプルプログラマブル論理回路(SPLDs)、コンプレックスプログラマブル論理回路(CPLDs)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs))をも含んでもよい。コンピュータシステムは、Texas Instruments製の集積回路のTMS320シリーズ、Motorola製の集積回路のDSP56000,DSP56100,DSP56300,DSP56600,そして、DSP96000シリーズ、Lucent technologies製のDSP1600及びDSP3200シリーズ、Analog Devices製のADSP2100及びADSP21000シリーズ、といった、1又は2以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSPs)をも含んでもよい。デジタルドメインに変換されたアナログ信号を処理するために特に設計された他のプロセッサをも使用してもよい。コンピュータシステムは、Texas Instruments製の集積回路のTMS320シリーズ、Motorola製の集積回路のDSP56000,DSP56100,DSP56300,DSP56600,そして、DSP96000シリーズ、Lucent technologies製のDSP1600及びDSP3200シリーズ、Analog Devices製のADSP2100及びADSP21000シリーズ、といった、1又は2以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSPs)を含んでもよい。デジタルドメインに変換されたアナログ信号を処理するために特に設計された他のプロセッサをも使用してもよい。
【0039】
コンピュータシステム1201は、コンピュータユーザーへの情報を表示するための冷陰極線管(CRT)といった、ディスプレイ1210を制御するためにバス1202に接続されたディスプレイコントローラー1209をも含んでいてもよい。コンピュータシステムは、コンピュータユーザーと交信して、プロセッサ1203に情報を提供するための、キーボード1211といった入力装置、位置決め装置1212、を含む。位置決め装置1212は、例えば、方向情報及び指令選択をプロセッサ1203に通信してディスプレイ1210上のカーソル動作を制御するための、マウス、トラックボール、又は、ポインティングスティックであってもよい。加えて、プリンタが、コンピュータシステム1201によって貯蔵及び/又は生成されたデータの印刷リストを提供しうる。
【0040】
コンピュータシステム1201は、メインメモリ1204といった、メモリに貯蔵されている1又は2以上のシーケンス又は指令を実行するプロセッサ1203に応答して本発明の処理段階の一部又は全部を行う。このような指令は、ハードディスク1207又はリムーバブルディスク1208といった他のコンピュータ読込可能媒体からメインメモリ1204に読み込まれうる。多重処理配列における1又は2以上のプロセッサもまた、メインメモリ1204中に含まれた一連の指令を実行するために用いられ得る。代換の実施の形態において、配線回路はスフとウエア指令の代わりに、又はこれと組み合わせて、用いられ得る。従って、実施の形態は、ハードウエア回路及びソフトウエアの任意の特定な組合せに限定されない。
【0041】
上述したように、コンピュータシステム1201は、本発明の教示によってプログラムされた指令を保持するため、そして、データ構造、テーブル、レコード、又は本明細書で説明した他のデータを貯蔵するため、少なくとも1つのコンピュータ読込可能媒体又はメモリを有する。コンピュータ読込可能媒体の例には、コンパクトディスク、ハードディスク、フレキシブルディスク、テープ、磁気光学ディスク、PROMs(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM、又は、任意の他の磁気媒体、コンパクトディスク(例えば、CD−ROM)、又は、任意の他の光学媒体、パンチカード、ペーパーテープ、又は、ホールパターンを有する他の物理媒体、搬送波(後述する)、又は、コンピュータが読込可能な任意の他の媒体、がある。
【0042】
コンピュータ読込可能媒体の任意の一つ又はその組合せに貯蔵された場合、本発明は、本発明を実行するための単数又は複数の装置を駆動するため、そして、コンピュータシステム1201を人のユーザー(例えば、印刷物制作要員)と交信可能とするために、コンピュータシステム1201を制御するためのソフトウエアを含む。このようなソフトウエハは、デバイスドライバー、オペレーティングシステム、開発ツール、そして、アプリケーションソフトウエア、を含むがこれらに限定されない。このようなコンピュータ読込可能媒体は、本発明の実行中に行われる処理の全部又は一部(処理が分散されている場合)を行うために、本発明のコンピュータプログラム製品をさらに含む。
【0043】
本発明のコンピュータコード装置は、任意の解釈可能又は実行可能なコードメカニズムであってもよく、スクリプト、解釈可能なプログラム、動的リンクライブラリ(DLLs)、ジャバクラス、及び、完全実行可能プログラムを含むがこれに限定されない。さらに、本発明の処理の一部は、より良好な性能、現実性、及び/又はコストのために、分散されてもよい。
【0044】
本明細書において使用される「コンピュータ読込可能媒体」の語は、実行用のプロセッサ1203に対する指令の提供に関与する任意の媒体を示す。コンピュータ読込可能媒体は、非揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含むがこれらに限定されない、多くの形態をとりうる。非揮発性媒体は、例えば、ハードディスク1207、又はリムーバブルメディアディスク1208といった、光学ディスク、磁気ディスク、及び磁気光学ディスク、を含む。揮発性媒体は、メインメモリ1204といったダイナミックメモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線、及び、バス1202を構成するワイヤを有するファイバー光学を含む。伝送媒体はまた、ラジオ波及び赤外線データ通信間に生成されるような、音波又は光波の形態をとってもよい。
【0045】
コンピュータ読込可能媒体の様々な形態は、実行用のプロセッサ1203への1又は2以上の指令の1又は2以上のシーケンスの実行において含まれうる。例えば、指令は、リモートコンピュータの磁気ディスクにおいて初期に実行されうる。リモートコンピュータは、本発明の全部又は一部を実行するための指令を離れた動的メモリ中にロードしてもよく、モデムを用いて電話線で指令を送信してもよい。コンピュータシステム1201へのモデムローカルは、電話線上のデータを受信して、データを赤外線に変換するために赤外線トランスミッターを用いる。バス1202に接続された赤外線検出器は、赤外線信号に保有されるデータを受信して、バス1202に前記データを乗せる。バス1202は、前記データをメインメモリ1204に運び、このメインメモリ1204からプロセッサ1203は指令を取り出して実行する。メインメモリ1204によって受信された指令は、プロセッサ1203による実行前又は実行後のいずれかにおいて貯蔵装置1207又は1208に選択的に貯蔵されうる。
【0046】
コンピュータシステム1201はまた、バス1202に接続された通信インターフェース1213を含む。通信インターフェース1213は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)1215、又は、インターネットといった他の通信ネットワーク1216に接続されたネットワークリンク1214に連結された双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース1213は、任意のパケット交換LANに装着されるネットワークインターフェースカードであってもよい。他の実施例として、通信インターフェース1213は、非対称型デジタル加入者回線(ADSL)カード、総合デジタル通信網(ISDN)カード、又は、対応する種類の通信ラインへのデータ通信接続を提供するためのモデムであってもよい。無線リンクもまた、実施されうる。任意のこのような実施において、通信インターフェース1213は、様々な種類の情報を現すデジタルデータストリームを運ぶ電気的、電磁気的、又は光学的信号を受信及び送信する。
【0047】
ネットワークリンク1214は、1又は2以上のネットワークを介して他のデータ装置に典型的に提供する。例えば、ネットワークリンク1214は、ローカルネットワーク1215(例えば、LAN)を介して、又は、サービスプロバイダにより操作される設備を介して、他のコンピュータへの接続を提供しうる。サービスプロバイダは、通信ネットワーク1216を介して通信サービスを提供する。ローカルネットワーク1214及び通信ネットワーク1216は、例えば、デジタルデータストリームを運ぶ電気的、電磁気的、又は光学的信号、及び、関連する物理層(例えば、CAT5ケーブル、同軸ケーブル、光学ファイバー、等)を用いる。様々なネットワークを介する信号、及びネットワークリンク1214上及び通信インターフェース1213を介した信号は、デジタルデータをコンピュータシステム1201に運び、そして、コンピュータシステム1201からデジタルデータを運ぶが、ベースバンド信号、又は搬送波ベース信号において実施されうる。ベースバンド信号は、デジタルデータビットのストリームを示す非変調電気パルスとして、デジタルデータを運ぶ。ここで、「ビット」の語は、シンボル(標識記号)を意味するため幅広く解釈され、各シンボルは少なくとも1又は2以上の情報ビットを運ぶ。デジタルデータは、振幅、位相、及び/又は、伝導媒体に亘って伝搬し、又は、伝搬媒体を介して電磁波として送信された、周波数偏移符号化信号、といった、搬送波を変調するために使用されうる。従って、デジタルデータは、「有線」通信チャネルを介して非変調ベースバンドデータとして送信されてもよく、及び/又は、搬送波によって変調されることによってベースバンドとは異なる予め選択された振動数バンド内で送信されてもよい。コンピュータシステム1201は、単数及び複数のネットワーク1205、1206、ネットワークリンク1214、及び通信インターフェース1213を介して、プログラムコードを含むデータを通信及び受信しうる。さらに、ネットワークリンク1214は、個人用デジタル補助装置(PDA)、ラップトップコンピュータ、又は、携帯電話といったモバイル機器1217へのLAN1215を介した接続を提供しうる。
【0048】
コンピュータシステム1201は、チャンバクリーニング処理におけるシステム部品パラメータをモニタリングすることによってチャンバクリーニング処理を制御するための本発明の方法を行うように構成されうる。本発明によれば、コンピュータシステム1201は、チャンバクリーニングシステム処理におけるシステム部品パラメータをモニタリングして、前記モニタリングからシステム部品のクリーニング状態を決定し、前記決定に応答してチャンバクリーニング処理を制御するように構成されうる。
【0049】
明らかに、本発明における多数の修正及び変形が上述の技術を考慮することで可能である。それ故、添付の請求項の範囲内において、本発明は本明細書に特に記載されたもの以外にも実行され得ることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0050】
10 処理チャンバ
20 基板ホルダー
25 基板
95 ロボット基板移送システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱チャンバクリーニング処理の制御方法であって、
前記システム部品から材料堆積物を除去するために発熱チャンバクリーニング処理においてクリーニングガスにシステム部品を晒すこと、
前記チャンバクリーニング処理において少なくとも1つの温度関連システム部品パラメータをモニタリングすること、
前記モニタリングから前記システム部品のクリーニング状態を決定すること、を含み、
前記決定された状態に基づいて、
(a)前記晒すこと及び前記モニタリングの継続、(b)前記チャンバクリーニング処理の停止、のうち1つを行う、方法。
【請求項2】
前記モニタリングすることには、前記システム部品の温度をモニタリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記システム部品への加熱出力、又は、冷却出力、又はこれらいずれもの出力、を印加することをさらに含み、
前記モニタリングすることには、前記加熱出力、又は、前記冷却出力、又は前記いずれもの出力、をモニタリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記加熱出力を印加することには、抵抗ヒータ又はランプヒータを出力することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記冷却出力を印加することには、前記システム部品を冷却媒体に接触することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記晒すことには、ClF、F、NF、又は、HF、又はこれらの少なくとも2以上の混合物を含むクリーニングガスに、前記システム部品を晒すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記クリーニングガスは、Ar、He、Ne、Kr、Xe、及びN、又はこれらの少なくとも2以上の混合物を含む不活性ガスをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記モニタリングすることには、少なくとも1つの温度関連システム部品パラメータにおける変化を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記決定することには、少なくとも1つの温度関連システム部品パラメータを閾値と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記閾値は、予め選択されたシステム部品パラメータ値を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記閾値は、予め選択されたシステム部品温度値を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記決定することには、モニタされた加熱出力、又は、モニタされた冷却出力、又は、これらのいずれをも、閾値と比較することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記閾値は、
予め選択されたシステム部品温度を保持するために前記クリーニングガスに前記システム部品を晒すことの前に前記システム部品に印加された、加熱出力、又は、冷却出力、又は、これらいずれもの出力、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記(b)を行うことには、閾値に到達した後に前記チャンバクリーニング処理を停止することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記モニタリングすることには、2つ又はそれ以上の温度関連システム部品パラメータに対するモニタされた値を連結することによって、調整されたシステム部品パラメータを演算すること、及び、2つ又はそれ以上の温度関連システム部品パラメータに対して予め選択された値を連結することによって演算された調整された閾値と前記調整されたシステム部品パラメータとを比較すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記システム部品は、基板ホルダー、シャワーヘッド、シールド、バッフル、リング、電極、又は、処理チャンバ壁を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
発熱チャンバクリーニング処理の制御方法であって、
予め選択された基板ホルダー温度を達成するために材料堆積物を上部に有する基板ホルダーに予め選択された基準で加熱出力を印加すること、
基板ホルダー上の材料堆積物とクリーニングガスとを反応させて材料堆積物を除去するために、予め選択された基板ホルダー温度で前記基板ホルダーをチャンバクリーニング処理中にクリーニングガスに晒すこと、を含み、前記反応中に熱が発生して、予め選択された基板ホルダー温度よりも上に基板ホルダーの温度が上昇し、
前記反応中に発生した熱を補償するために加熱出力を調整すること、
チャンバクリーニング処理中における少なくとも1つの基板ホルダー温度、又は、加熱出力をモニタリングすること、
前記基板ホルダーのモニタされた温度の少なくとも1つを前記予め選択された基板ホルダー温度と比較することによって、又は、モニタされた加熱出力を前記加熱出力における前記予め選択された基準と比較することによって、前記モニタリングから基板ホルダーのクリーニング処理を決定すること、
前記決定された状態に基づいて、
(a)前記晒すこと及び前記モニタリングの継続、(b)前記処理の停止、のうち1つを行う、方法。
【請求項18】
前記モニタリングすることには、前記加熱出力及び前記基板ホルダーの温度のいずれをもモニタリングすることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記処理を停止することは、前記モニタされた加熱出力が前記加熱出力の前記予め選択された基準に等しいことが前記決定によって示されるときに行う、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
予め選択された基板ホルダー温度を得るために予め選択された基準で前記基板ホルダーに冷却出力を印加すること、
反応中に生成された熱を補償するために冷却出力を調整すること、
チャンバクリーニング処理中に冷却出力をモニタリングすること、をさらに含み、
前記決定することには、前記モニタされた冷却出力を前記冷却出力の予め選択された基準と比較することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記処理を停止することは、前記モニタされた冷却出力が前記冷却出力の予め選択された基準に等しいことが前記決定により示されるときに行う、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
プロセッサによって実行するときに請求項1に記載の方法を処理システムに行わせる、プロセッサ上で実行するためのプログラム指令を含む、コンピュータ読込可能媒体。
【請求項23】
処理チャンバを有する処理システムであって、
材料堆積物を上部に有するシステム部品と、
前記システム部品からの材料堆積物を除去するために発熱チャンバクリーニング処理中のクリーニングガスに処理チャンバ中のシステム部品を晒すように構成されたガス注入システム、
前記システム部品のクリーニング状態を決定するために、チャンバクリーニング処理中の少なくとも1つの温度関連システム部品パラメータをモニタリングするために構成されたコントローラー、を備え、
前記コントローラーは、前記状態に応答する処理システムを制御するようにさらに構成される、処理システム。
【請求項24】
前記システム部品への予め選択された値で加熱出力を印加して、チャンバクリーニング処理中に加熱出力を調整するために構成された電力源をさらに備え、
前記コントローラーは、前記調整された加熱出力をモニタするように構成される、請求項23に記載の処理システム。
【請求項25】
前記電力源は、抵抗ヒータ又はランプヒータに出力するように構成される、請求項24に記載の処理システム。
【請求項26】
予め選択された値で前記システム部品への冷却出力を印加して、前記チャンバクリーニング処理中に前記冷却出力を調整するように構成された熱交換システムをさらに含み、
前記コントローラーは、前記調整された冷却出力をモニタするように構成される、請求項24に記載の処理システム。
【請求項27】
予め選択された値で前記システム部品への冷却出力を印加して、前記チャンバクリーニング処理中に前記冷却出力を調整するように構成された熱交換システムをさらに含み、
前記コントローラーは、前記調整された冷却出力をモニタするように構成される、請求項23記載の処理システム。
【請求項28】
前記ガス注入システムは、ClF、F、NF、又は、HF、又はこれらの少なくとも2以上の混合物を含むクリーニングガスに、前記システム部品を晒すように構成される、請求項23記載の処理システム。
【請求項29】
前記ガス注入システムは、Ar、He、Ne、Kr、Xe、及びN、又はこれらの少なくとも2以上の混合物を有する不活性ガスを含むクリーニングガスに、前記システム部品を晒すように構成される、請求項28記載の処理システム。
【請求項30】
前記コントローラーは、前記少なくとも1つの温度関連システム部品パラメータにおける変化を検出することによって、前記少なくとも1つの温度関連システム部品パラメータをモニタリングするように構成される、請求項23記載の処理システム。
【請求項31】
前記コントローラーは、前記少なくとも1つのモニタされた温度関連システム部品パラメータを閾値と比較することによって、前記システム部品のクリーニング状態を決定するように構成される、請求項23記載の処理システム。
【請求項32】
前記閾値は、予め選択されたシステム部品温度値を含む、請求項31記載の処理システム。
【請求項33】
前記コントローラーは、前記モニタされた調整された加熱出力、調整された冷却出力、又は、これらいずれもの出力を、前記クリーニングガスに前記システム部品を晒すことの前に前記システム部品に印加される、それぞれの予め選択された値と比較することによって、前記システム部品のクリーニング状態を決定するように構成される、請求項26記載の処理システム。
【請求項34】
前記コントローラーは、前記閾値に到達した後にチャンバクリーニング処理を停止することによって前記処理システムを制御するように構成される、請求項31記載の処理システム。
【請求項35】
前記コントローラーは、2つ又はそれ以上の温度関連システム部品パラメータに対するモニタされた値を連結することで調整されたシステム部品パラメータを演算することによって、そして、2つ又はそれ以上の温度関連システム部品パラメータに対する予め選択された値を連結することで演算された調整された閾値と前記調整されたシステム部品パラメータとを比較することによって、クリーニング状態を決定するようにさらに構成される、請求項23記載の処理システム。
【請求項36】
前記システム部品は、基板ホルダー、シャワーヘッド、シールド、バッフル、リング、電極、又は、チャンバ壁を含む、請求項23記載の処理システム。
【請求項37】
前記システム部品は、Al、AlN、SiC、BaO、又は、LaB、又は、これらの混合物、の少なくとも1つを含む、セラミック基板ホルダーを備える、請求項23記載の処理システム。
【請求項38】
前記材料堆積物は、シリコン含有堆積物、高誘電体堆積物、金属堆積物、金属酸化堆積物、金属窒化堆積物、の少なくとも1つを含む、請求項23記載の処理システム。
【請求項39】
処理チャンバを有する処理システムであって、
材料堆積物を上部に有するシステム部品と、
前記システム部品からの材料堆積物を除去するために発熱チャンバクリーニング処理中のクリーニングガスに処理チャンバ中のシステム部品を晒すための手段と、
チャンバクリーニング処理中の少なくとも1つの温度関連システム部品パラメータをモニタリングし、
前記モニタリングからシステム部品のクリーニング状態を決定し、
前記状態に応答して処理システムを制御するための、処理手段と、
を備える、処理システム。
【請求項40】
前記システム部品への加熱出力を印加するための手段をさらに備える、請求項39記載の処理システム。
【請求項41】
前記システム部品への冷却出力を印加するための手段をさらに備える、請求項39記載の処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−64970(P2012−64970A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−264748(P2011−264748)
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【分割の表示】特願2007−516472(P2007−516472)の分割
【原出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【出願人】(505390680)ト−キョ−・エレクトロン・アメリカ・インコーポレーテッド (64)
【Fターム(参考)】