説明

デュアルクラッチ式変速機の制御方法とデュアルクラッチ式変速機とそれを搭載した車両

【課題】発進段側のクラッチの負担を低減して、摩耗を抑制することができ、クラッチの交換期間を長くするデュアルクラッチ式変速機の変速装置とデュアルクラッチ式変速機とそれを搭載する車両を提供する。
【解決手段】第1クラッチC1と結合する第1入力軸11、第2クラッチC2と結合する第2入力軸12、第1入力軸11及び第2入力軸12と、出力軸3との間にそれぞれ奇数段G1、G3、G5と偶数段G2、G4、G6のギア段を一つおきに配置し、車両を発進するときに、発進段DG2を第2入力軸12に半結合させる間に、第2クラッチC2の吸収エネルギを算出し、吸収エネルギが予め定めた閾値である設定値を超えた場合に、発進段DG2よりも一つ以上高いギア比を有した補助段SG3を同期係合した第1入力軸11に第1クラッチC1を半結合(半クラッチ)させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2本の入力軸と2つのクラッチを備え、変速操作を円滑にしたデュアルクラッチ式変速機において、両クラッチの負担を低減すると共に、摩耗を抑制して、耐久性を高めたデュアルクラッチ式変速機の制御方法とデュアルクラッチ式変速機とそれを搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動変速マニュアルトランスミッション(以下、AMTという)の変速時間改善のため、クラッチを2系統もつデュアルクラッチトランスミッション(以下、DCTという)が存在する。DCTは通常、偶数段と奇数段それぞれにクラッチを持ち、両者を切り換えて変速していくため偶数段(奇数段)の使用中に奇数段(偶数段)の変速操作を行うことができる。このDCTは変速タイムラグの無い素早い変速を可能とすると共に、クラッチで動力を伝達するため、構造がシンプルで動力損失も少なく伝達効率に優れているため、燃費の向上にもつながる。
【0003】
ここで、従来のDCTについて図7及び図8を参照しながら説明する。図7に示すように、DCT1Xは、第1入力軸11、第2入力軸12、第1クラッチC1、第2クラッチC2、カウンターシャフト13、歯車段G1〜G6、歯車段GR、カップリングスリーブS1〜S3、及びカップリングスリーブSRを備える。
【0004】
クランクシャフト2からエンジン(内燃機関)の動力を第1クラッチC1又は第2クラッチC2を介して受け取り、各ギア段で変速して出力軸3へとその動力を伝達している。
【0005】
第2入力軸12を中空状に形成し、第1入力軸11を第2入力軸12内の同軸上になるように挿通する。ギア段G1、G3、G5、及びGRを第1入力軸11に配置し、ギア段G2、G4、及びG6を第2入力軸に配置する。第1クラッチC1を第1入力軸11に、又は第2クラッチC2を第2入力軸に結合すると共に、カウンターシャフト13に設けた各カップリングスリーブS1〜SRが各ギア段G1〜GRと同期係合することで、動力を伝達することができる。
【0006】
クラッチC1は、フライホイールC1a、クラッチカバーC1b、レリーズベアリングC1c、ダイヤフラムスプリングC1d、プレッシャープレートC1e、及びライニング、トーションダンパー、スラストなどからなるクラッチディスクC1fを備える。クラッチC2も同様の構成になる。
【0007】
また、上記のDCT1Xは、図8に示すように、ECU(制御装置)20、クラッチC1又はクラッチC2を動作させるクラッチ動作機構21、及びカップリングスリーブS1〜SRを動作させる同期係合機構22を備える。クラッチ動作機構21及び同期係合機構22には油圧ピストンなどを用いることができる。
【0008】
次に、このDCT1Xの発進動作を説明する。このDCT1Xはギア段G1を発進段DG1とする。車両が止まり、エンジンが停止すると、ECU20は、第1クラッチC1及び第2クラッチC2の結合を解除すると共に、カップリングスリーブS1を発進段DG1に同期係合する。車両を発進するときには、第1クラッチC1を第1入力軸11と結合する。図8の矢印がこのときの動力の伝達を示している。
【0009】
次に、加速を円滑に行うために、カップリングスリーブS2をギア段G2に同期係合しておく。これにより、発進段DG1からギア段G2へ変更する場合は、第1クラッチC1の結合を解除(以下、完断という)し、第2クラッチC2を第2入力軸12と結合(以下、完接という)する。このように、交互に切り換えることができるため、変速操作を円滑にすることができる。
【0010】
しかし、上記のように、DCTにおいては、通常、発進は1速もしくは2速といった、決まったギア段が使用されるため、発進に用いられるクラッチは奇数段用か偶数段用のどちらか一方となる。発進時の係合はクラッチにとって負荷が高く摩耗が進む状況である。従って奇数段又は偶数段のどちらか一方のクラッチのみ摩耗が進行してしまう。
【0011】
このクラッチの摩耗を防ぐために、十分な容量のクラッチを用いればよいが、狭いスペースに2組のクラッチを収めているDCTでは、十分な容量をとることが難しい。また、クラッチの摩耗状況や発進条件などにより発進段を使い分ける方法を採用した装置がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。これらの装置はクラッチの摩耗状況により発進段を適宜選択することで摩耗を均等化できる。しかし、一方で発進フィーリングの変化により運転しづらい車両となるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−132562号公報
【特許文献2】特開2008−309325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記の問題を解決するために、発明者は、発進の瞬間に両クラッチを半クラッチにして、発進段側のクラッチにかかる負担を低減し、摩耗を抑制したデュアルクラッチ式変速機の制御方法を発明した。この方法は、クラッチの容量を増やすために、発進段につながるクラッチとは反対のクラッチも接続させ、トルクの経路を複数にする方法である。
【0014】
この方法を用いることで、クラッチの負荷が分散するため発進段側のクラッチの耐久性の向上が望める。しかし、クラッチの反対側のクラッチは、比較的大きな回転数差で、半クラッチ状態で使用されるため摩耗増加も起こり得る。よって、単純にいつでも両クラッチを併用して発進するのがよいとはいえない。
【0015】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、追加構成部品を必要とせず、且つ発進フィーリングを変化させずに、一方のクラッチにかかる負担を低減して、一方のクラッチのみの摩耗を抑制することができ、クラッチの交換時期を長くすることができると共に、両クラッチを使用することで発生する他方のクラッチの摩擦の増加を低減することができるデュアルクラッチ式変速機の制御方法とデュアルクラッチ式変速機とそれを搭載する車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するためのデュアルクラッチ式変速機の制御方法は、少なくとも第1クラッチと結合する第1入力軸と第2クラッチと結合する第2入力軸とを備え、前記第1入力軸及び前記第2入力軸と、出力軸との間にそれぞれ奇数段と偶数段の歯車段を一段おきに配置し、動力源から前記出力軸への動力の伝達を開始するときに、発進用の歯車段である発進段を前記第2入力軸に同期係合させると共に、前記第2入力軸に前記第2クラッチを結合させて動力の伝達を開始するデュアルクラッチ式変速機の制御方法において、前記動力源から前記出力軸への動力の伝達を開始し、前記発進段を同期係合した前記第2入
力軸に前記第2クラッチを半結合させる間に、前記第2クラッチの吸収エネルギを算出し、前記吸収エネルギが予め定めた閾値を超えた場合に、前記発進段よりも一段以上低い、又は、前記発進段よりも一段以上高い歯車比を有した補助段を同期係合した前記第1入力軸に前記第1クラッチを半結合することを特徴とする方法である。
【0017】
車両の発進の瞬間に両クラッチを用いると、発進段のクラッチの摩耗を抑制することができるので、クラッチの交換期間を長くすることができる。一方、発進段とは反対側のクラッチは比較的大きな回転数で、半クラッチ状態で使用されるため摩耗が増加することもある。
【0018】
この方法によれば、発進段側のクラッチの吸収エネルギを算出し、その吸収エネルギを予め定めた閾値である設定値と比較する。閾値を超えた場合に補助段側のクラッチを使用するため、両クラッチ使用により発生する補助段側のクラッチの摩耗を抑制することができる。
【0019】
クラッチが吸収するエネルギは、発進段側のクラッチへ入力される回転数と、発進段側のクラッチから出力される回転数との差の値と、電力源(内燃機関)から伝達されるトルクから以下の数式1及び数式2により算出する。ここで、発進段側のクラッチへ入力される回転数をNin(rpm)、発進段側のクラッチから出力される回転数をNout、エンジンから伝達されるトルクをT(Nm)、吸収エネルギをEabs(J)、及び損失仕事率をL(W)とする。
【数1】



【数2】

【0020】
特に坂道や積載により、発進時に半クラッチを比較的長く使用する場合はクラッチの完接に時間がかかり、クラッチが吸収するエネルギも増加する場合には、もう一方のクラッチを半クラッチにして、エンジントルクの一部をもう一方に伝達することができる。そのため、両クラッチの摩耗を抑制することができ、両クラッチの耐久性を向上することができる。
【0021】
一方、上記の場合以外の場合には、発進段側のクラッチのみで発進し、補助段側のクラッチの摩耗を抑制することができる。このとき、発進段側のクラッチにかかる負担は比較的小さいため、両クラッチを用いる必要がない。
【0022】
また、上記のデュアルクラッチ式変速機の制御方法において、前記動力源から前記出力軸への動力の伝達を停止したときに、前記発進段を前記第1入力軸に、前記補助段を前記
第2入力軸に、それぞれ同期係合する。この方法によれば、上記の作用効果を、発進後にクラッチの切換のみで得ることができる。
【0023】
上記の目的を達成するためのデュアルクラッチ式変速機は、少なくとも第1クラッチと結合する第1入力軸と第2クラッチと結合する第2入力軸とを備え、前記第1入力軸及び前記第2入力軸と、出力軸との間にそれぞれ奇数段と偶数段の歯車段を一段おきに配置し、動力源から前記出力軸への動力の伝達を開始するときに、発進用の歯車段である発進段を前記第2入力軸に同期係合させると共に、前記第2入力軸に前記第2クラッチを結合させて動力の伝達を開始するデュアルクラッチ式変速機において、前記発進段よりも一段以上高く、又は、一段以上低い歯車比を有している補助段と、制御装置とを備え、前記制御装置に、前記動力源から前記出力軸への動力の伝達を開始し、前記発進段を同期係合した前記第2入力軸に前記第2クラッチを半結合させる間に、前記第2クラッチの吸収エネルギを算出する手段と、前記吸収エネルギが予め定めた閾値を超えた場合に、前記補助段を同期係合した前記第1入力軸に前記第1クラッチを半結合させる手段とを備えて構成される。
【0024】
この構成によれば、従来のデュアルクラッチ変速機に部品を追加しなくとも、上記の効果を得ることができるため、コストを抑えることができる。
【0025】
また、上記のデュアルクラッチ式変速機において、前記第2クラッチへ入力される回転数を検出する入力回転数センサと、前記第2クラッチから出力される回転数を検出する出力回転数センサとを備え、前記制御装置に、前記動力源から伝達されるトルクを算出する手段と、前記第2クラッチへ入力される回転数と前記第2クラッチから出力される回転数の差の値と、前記トルクから前記吸収エネルギを算出する手段を備える。
【0026】
この構成によれば、エンジン(動力源)から伝達されるトルクを算出し、そのトルクと入力回転数センサで検出した入力回転数と出力回転センサで検出した出力回転数とを、上記の数式1及び数式2に代入して、吸収エネルギを算出することができる。これにより、両クラッチで発進するか、また、一方のクラッチのみで発進するかを判断することができる。
【0027】
加えて、上記のデュアルクラッチ式変速機において、前記制御装置に、前記動力源から前記出力軸への動力の伝達を停止したときに、前記発進段を前記第1入力軸に、前記補助段を前記第2入力軸に、それぞれ同期係合する手段を備える。この構成によれば、両クラッチの切換のみで上記の作用効果を得ることができる。
【0028】
上記の目的を達成するための車両は、上記に記載のデュアルクラッチ式変速機を搭載して構成される。この構成によれば、クラッチの摩耗を均等化すると共に、発進フィーリングが変化しないため、運転し易い車両を提供することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、追加構成部品を必要とせず、且つ発進フィーリングを変化させずに、一方のクラッチにかかる負担を低減して、一方のクラッチのみの摩耗を抑制することができ、クラッチの交換時期を長くすることができると共に、両クラッチを使用することで発生するもう一方のクラッチの摩擦の増加を低減することができる
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のデュアルクラッチ式変速機を示した概略図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態のデュアルクラッチ式変速機の発進動作を示し、(a)に発進前の状態を示し、(b)に発進した瞬間の状態を示し、(c)に回転数差が設定値よりも下回り、補助段側のクラッチを完断した状態を示し、(d)に加速時の状態を示した図である。
【図3】本発明に係る第1の実施の形態のデュアルクラッチ式変速機の制御方法を示したフローチャートである。
【図4】本発明に係る第1の実施の形態のデュアルクラッチ式変速機の各部動作を示した図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態のデュアルクラッチ式変速機を示した概略図である。
【図6】本発明に係る第2の実施の形態のデュアルクラッチ式変速機の制御方法を示したフローチャートである。
【図7】従来のデュアルクラッチ式変速機を示した図である。
【図8】従来のデュアルクラッチ式変速機を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る第1及び第2の実施の形態のデュアルクラッチ式変速機の制御方法とデュアルクラッチ式変速機とそれを搭載する車両について、図面を参照しながら説明する。なお、図7及び図8に示した従来のデュアルクラッチトランスミッション(DCT)1Xと同一の構成及び動作については同一の符号を用いて、その説明を省略する。また、本発明に係る第1及び第2の実施の形態では6速のDCTを例にして説明するが、本発明のDCTは、例えば8速などでもよく、変速段の段数は限定しない。
【0032】
本発明に係る第1の実施の形態のデュアルクラッチトランスミッション(デュアルクラッチ式変速機、以下DCTという)1は、図1に示すように、DCT1は、第1入力軸11、第2入力軸12、第1クラッチC1、第2クラッチC2、カウンターシャフト13、ギア段G1〜G6、ギア段GR、カップリングスリーブS1〜S3、カップリングスリーブSR、ECU(制御装置)20、クラッチ動作機構21、及び同期係合機構22を備え、図8に示す従来のDCT1Xと同様の構成を用いている。そして、図1に示すように、ギア段G2を発進段DG2、ギア段G3を補助段SG3とすること、クラッチ動作機構21が両クラッチC1及びC2を同時に動作させることができる構成にすること、及び第2クラッチ入力回転数センサ23と第2クラッチ出力回転数センサ24を追加することが、従来のDCT1Xと相違する構成である。
【0033】
このDCT1は、自動変速マニュアルトランスミッションであれば、上記の構成に限らず、両入力軸の配置や、入力軸とクラッチの搭載数、及びギア段の数などを限定しない。例えば、両入力軸を同軸上に配置せずに、平行に配置し、両入力軸の間にカウンターシャフトを配置する構成や、また、クラッチを3つ備えたトリプルクラッチトランスミッションにも適用することができる。従って、従来のDCTであれば、特に追加構成部品を追加しなくともよいため、コストを低く抑えることができる。
【0034】
上記の構成のギア段G2を発進段DG2とし、発進段DG2よりも一つ高いギア比(歯車比)で、第1入力軸11と同期係合するギア段G3を補助段SG3とする。この発進段は、ギア段G1(1速)以上であれば、どのギア段に設定してもよい。例えば、ギア段G1を発進段とする場合は、補助段をギア段G2に設定する。
【0035】
ECU20は、電気回路によってトランスミッションを含むパワープラント全体の制御を担当している。またエンジンもコントロールしており、電気的な制御を総合的に行うマイクロコントローラである。オートマチック車においては、ECU20にあらゆる運転状態における最適制御値を記憶させ、その時々の状態をセンサで検出し、センサからの入力信号により、記憶しているデータの中から最適値を選出し各機構を制御している。
【0036】
このECU20は、第1クラッチC1を第1入力軸11に、また、第2クラッチC2を第2入力軸12に係合させる制御を、独立、且つ同時に行う。また、第1クラッチC1及び第2クラッチC2をそれぞれ半クラッチ(半結合)に制御することもできる。半クラッチとは、クラッチを完全につないでいない状態のことであり、この状態ではエンジンからの駆動力をトランスミッション、トランスファー、及びデフギアなどの動力伝達系に加減して伝えることができる。そのため、車両の進行速度とエンジンの回転数が合致しない低速走行時や停車時にも駆動力を車輪に伝えることができる。
【0037】
加えて、ECU20は、各ギア段G1〜GRをそれぞれ第1入力軸11又は第2入力軸12に各カップリングスリーブS1〜SRを介して同期係合させる制御も行う。この制御は、円滑な変速動作となるように、例えば、偶数段G2、G4、及びG6の使用中に奇数段G1、G3、及びG5の同期係合を行うことができる。
【0038】
さらに、ECU20は、エンジントルクTを算出する。そして、そのエンジントルクTと、後述する第2クラッチ入力回転数センサ23と第2クラッチ出力回転数センサ24で検出される情報とを、前述の数式1及び数式2を用いて吸収エネルギEabsを算出する。算出された吸収エネルギEabsを予め定めた閾値である設定値Elimより大きいか否かを判断する。これらの算出方法は、以下のECU20に組み込まれた数式1、及び数式2をプログラムとして使用し、自動で必要な値を算出する。
【数1】



【数2】

【0039】
クラッチ動作機構21は、クラッチC1及びC2を動作させ、それぞれを第1入力軸11と第2入力軸12とに結合することができ、且つ同時に動作させることができればよく、例えば油圧ピストンや電磁アクチュエータなどで構成する。同期係合機構22は、各カップリングスリーブS1〜SRを揺動させるシフトフォークを含み、そのシフトフォークを動作させることができればよく、例えば油圧ピストンや電磁アクチュエータなどで構成する。クラッチ動作機構21と同期係合機構22は上記の構成に限らず、クラッチ動作機構21は各クラッチC1及びC2を、同期係合機構22はカップリングスリーブS3をそれぞれ動作することができればよい。
【0040】
第2クラッチ入力回転数センサ23は、第2クラッチC2の入力回転数Ninを検出することができるセンサであり、第2クラッチ出力回転数センサ24は、第2クラッチC2の出力回転数Noutを検出することができるセンサである。入力回転数Ninは、クランクシャフト2の回転数のことであり、既存のクランク角センサを用いることができる。
また、出力回転数Noutは、第2クラッチC2を介すことで、入力回転数Ninより回転数が小さくなる第2入力軸12の回転数であり、既存の速度センサなどを用いることができる。この第2クラッチ出力回転数センサ24は、第2入力軸12に設ける以外に、補助段G3のギア比を考慮すれば、出力軸3に設けることもできる。
【0041】
次にDCT1の動作について、図2を参照しながら説明する。図2の(a)に示すように、シフトレバー(図示せず)をDレンジ状態に設定して、車両を停止させるときに、ECU20は、発進段DG2を第2入力軸12に、補助段SG3を第1入力軸11に、それぞれ同期係合する。Dレンジとは、ドライブレンジのことであり、通常走行時に使用され、自動変速機能が完全に作動し、発進時から高速巡航時、停止時に至るまで基本的にアクセルペダルとブレーキペダルの操作だけで走行できるモードである。この車両を発進させる前の動作は、発進段DG2と補助段SG3とが同期係合していればよく、上記のようにシフトレバーをDレンジに操作して、車両を停止することに限定しない。
【0042】
そして車両を発進するときに、図2の(b)に示すように、第2クラッチC2を第2入力軸12に、クラッチの切り離し状態から徐々に継ぎ合わせて、半クラッチ(半結合)にしていく。その際に、ECU20がエンジントルクTを算出する。合わせて、第2クラッチ入力回転数センサ23が入力回転数Ninを、第2クラッチ出力回転数センサ24が出力回転数Noutを算出する。これらを前述の数式1及び数式2に代入して、第2クラッチC2の吸収エネルギEabsを算出する。算出された吸収エネルギEabsが予め定めた値である設定値Elimを超えた否かを判別する。
【0043】
吸収エネルギEabsが設定値Elimを超えた場合は、図2の(c)に示すように、第1クラッチを半クラッチにする。これにより、発進の瞬間に、両クラッチC1及びC2でトルクを伝達して、発進段DG2側の第2クラッチC2のみではなく、補助段SG3側の第1クラッチに一部のトルク伝達を負担することができる。
【0044】
次に、第2クラッチ入力回転数センサ23と第2クラッチ出力回転数センサ24とが検出した入力回転数Ninと出力回転数NoutをECU20に送り、ECU20でそれらの回転数差ΔN(Nin−Nout)を算出する。この回転数差ΔNが予め定めた値である設定値Nlimを下回った場合に、図2の(d)に示すように、補助段SG3側の第1クラッチC1を第1入力軸11から切り離す(以下、完断という)。第1クラッチC1が完断してから、発進段DG2側の第2クラッチC2を第2入力軸12に完全に結合する(以下、完接という)。
【0045】
この動作によれば、発進時に両クラッチC1、C2を用いるため、発進段DG2側の第2クラッチC2の摩耗を抑制することができので、両クラッチC1及びC2の交換期間を長くすることができる。
【0046】
また、先に半クラッチになる第2クラッチC2の吸収エネルギEabsが設定値Elimより大きいか否か判断して、第1クラッチC1の使用の有無を決定しているため、両クラッチC1及びC2を用いることで発生する第1クラッチC1の摩耗の増加を抑制することができる。
【0047】
さらに、補助段SG3を第1入力軸11に同期係合したままであるため、発進段DG2から変速して、加速するときに、各クラッチC1及びC2の切り換えだけでスムースに加速することができる。
【0048】
次に、DCT1の制御方法について、図3を参照しながら説明する。まず、Dレンジ状態で車両が停止しているか否かを判断するステップS1を行う。Dレンジ状態で車両が停
止していると判断すると、次に、発進段DG2と補助段SG3とをそれぞれ第2入力軸12又は第1入力軸11に同期係合するステップS2を行う。このステップS2ではECU20は同期係合機構22を動作させて、カップリングスリーブS2とカップリングスリーブS3とを揺動して、発進段DG2と補助段SG3を同期係合する。
【0049】
次に、発進段DG2の吸収エネルギEabsの値をリセットするステップS3を行う。前回の発進時に使用した吸収エネルギEabsをリセットする。次に、車両の発進操作が行われたか否かを判断するステップS4を行う。車両の発進操作が行われたと判断すると、次に、第2クラッチC2を第2入力軸12に半クラッチ状態で結合するステップS5を行う。このステップS5では、第2入力軸12から完断していた第2クラッチC2を、半クラッチ状態になるまで、徐々に第2入力軸12に継合していく。現時点で、第1クラッチは完断、第2クラッチは半クラッチ、又は完断から半クラッチになる途中、発進段DG2は同期係合、及び補助段SG3は同期係合の状態である。
【0050】
次に、第2クラッチC2が完接しているか否かを判断するステップS6を行う。第2クラッチC2は半クラッチ、又は完断から半クラッチになる途中であるため、次のステップへと進む。次に、第2クラッチC2の入力回転数Ninと、出力回転数Noutとの回転数差ΔNを算出するステップS7を行う。次に、回転数差ΔNが予め定めた閾値である設定値Nlimよりも小さいか否かを判断するステップS8を行う。
【0051】
この回転数差ΔNが、設定値Nlimよりも大きければ、第2クラッチC2を半クラッチにする時間も短く、直ぐに第2入力軸12と完接するため、第2クラッチC2の摩耗は比較的小さい。よって、そのような場合は、後述するステップS11へと進む。ここで、設定値Nlimを、好ましくは「設定値Nlim=回転数差ΔN>0」となるような値に設定する。
【0052】
次に、回転数差ΔNが設定値Nlimよりも小さいと判断されると、第2クラッチC2の吸収エネルギEabsの計算を更新するステップS9を行う。回転数差ΔNが設定値Nlimよりも小さい場合は、第2クラッチC2の吸収エネルギEabsが大きく、完接するまでに時間がかかる場合が多く、その場合は第2クラッチC2の摩耗が激しくなる。このステップS9で、ECU20は、前述の算出方法から第2クラッチC2の吸収エネルギEabsを算出する。次に、吸収エネルギEabsが設定値Elimを超えたか否かを判断するステップS10を行う。このステップS10で、吸収エネルギが設定値Elim以下の場合は、ステップS6へと戻る。
【0053】
次に、吸収エネルギEabsが設定値Elimを超えた場合は、補助段SG3側の第1クラッチC1を半クラッチにするステップS11を行う。吸収エネルギEabsが設定値Elimを超える場合は、例えば、坂道での発進や、車両への積載量が多い場合である。その場合は、第2クラッチC2の半クラッチ状態が比較的長くなり、つまり第2クラッチC2の完接に時間がかかり、摩耗が激しい。そこで、そのような場合に両クラッチC1及びC2を用いて、車両を発進させることで、第2クラッチC2の摩耗を低減することができる。
【0054】
ステップS11が完了すると、次にステップS6へと戻る。現時点では、第1クラッチは半クラッチ、第2クラッチは半クラッチ、発進段DG2は同期係合、及び補助段SG3は同期係合の状態である。この状態から第2クラッチC2の回転数差ΔNは、次第に小さくなっていく。そして、再度ステップS7で回転数差ΔNが算出され、ステップS8で回転数差ΔNが予め定めた閾値である設定値Nlimよりも小さいか否かを判断する。
【0055】
回転数差回転数差ΔNが設定値Nlimよりも小さいと判断されると、次に、第1クラ
ッチC1が完断しているか否かを判断するステップS12を行う。第1クラッチC1は半クラッチであるから、次に、第1クラッチC1を完断するステップS13を行う。このステップS13が完了するとステップS6へと戻る。現時点では、第1クラッチC1は完断、第2クラッチC2は半クラッチ、発進段DG2は同期結合、補助段SG3は同期係合の状態である。
【0056】
ステップS6からステップS12へ進み、今度は第1クラッチC2が完断している判断して、次の第2クラッチを完接するステップS14を行う。そして、ステップS6へと戻り、第2クラッチが完接しているため、この制御方法は終了する。最終的に、第1クラッチは完断、第2クラッチは完接、発進段DG2は同期係合、補助段SG3は同期係合の状態である。この後、発進段DG2から補助段SG3へ変速して加速する場合は、第1クラッチC1と第2クラッチC2とを切り換えるだけで、スムースに行うことができる。
【0057】
坂道での発進や、車両への積載量が多い場合など、半クラッチ状態が比較的長くなる場合以外では、吸収エネルギEabsが大きくならないため、ステップS10からステップS6へ戻り、第1クラッチC1が完断しているため、次のステップS14を行い終了する。第2クラッチC2の完接に時間がかからない場合は、両クラッチC1及びC2を用いて車両を発進すると、第1クラッチは比較的大きな回転数差で、半クラッチ状態で使用されることになり、摩耗が増加してしまう。よって、そのような第2クラッチC2の完接に時間がかからない場合は、第1クラッチC1を用いずに第2クラッチC2のみで発進することができる。
【0058】
この方法によれば、発進段DG2側の第2クラッチC2の半クラッチを使用する時間が長く、完接までに時間がかかり、摩耗が増加する場合に、両クラッチC1及びC2を用いて、発進段DG2側の第2クラッチC2にかかる負担を低減して、第2クラッチC2の摩耗を抑制することができる。そのため、第2クラッチC2の交換時期を長くすることができる。また、第2クラッチC2が直ぐに完接し、比較的摩耗が少ない場合は、第1クラッチC1を用いないため、第1クラッチC1の摩耗が余計に増加することを抑制することができる。加えて、両クラッチC1及びC2を独立して、且つ同時に操作することができれば、上記の作用効果を得ることができるため、従来のDCTに追加構成部品などを必要としないため、コストを抑えることができる。さらに、発進段DG2が発進の度に変わらないため、発進フィーリングを変化させずに、両クラッチC1及びC2の摩耗を抑制することができる。
【0059】
次に、上記の制御方法によって、各部がどのように動作しているかを、図4を参照しながら説明する。時間t0を発進操作が行われた時間、時間t1を回転数差ΔNが設定値Nlimよりも大きく、且つ吸収エネルギEabsが設定値Elimを超えた時間、及び時間t2を回転数差ΔNが設定値Nlimより小さくなった時間とする。
【0060】
時間t0に発進操作が行われ、その発進操作を判断して、第2クラッチC2が半クラッチになる。発進段DG2の入力回転数Ninはしばらくすると一定になるが、出力回転数Noutは徐々に増加していく。よって、回転数差ΔNは設定値Nlimよりも大きい値から、徐々に小さくなる。一方、吸収エネルギEabsは徐々に大きくなっていく。時間t1で、回転数差ΔNが設定値Nlimよりも大きく、吸収エネルギEabsが設定値Elimを超えたところで、補助段SG3側の第1クラッチC1を半クラッチにする。時間t2で、回転数差ΔNが設定値Nlimを下回るところで、補助段SG3を完断し、発進段DG2側の第2クラッチC2の完接を開始する。
【0061】
上記の動作からわかるように、従来のDCTに、本発明の制御方法を適用すると、両クラッチC1及びC2の負担を低減し、摩耗を抑制することができる。
【0062】
次に、本発明に係る第2の実施の形態のデュアルクラッチ式変速機について、図5を参照しながら説明する。図5に示すように、前述の図1の補助段に換えて、補助段SG1と加速段AG3を設ける。また、第1クラッチ出力回転数センサ25を追加する。この補助段SG1は、発進段DG2よりも一段低いギア比で、第1入力軸11と同期係合するギア段G1である。また、加速段AG3は、発進段DG2よりも一段高いギア比で、第1入力軸11と同期係合するギア段G3である。この発進段は、ギア段G2(2速)以上であれば、どのギア段に設定してもよい。また、補助段は、発進段よりも一段以上低いギア比で、且つ発進段とは別の入力軸と同期係合すればよい。例えば、ギア段G3を発進段とする場合は、補助段をギア段G2に、また、加速段をギア段G4に設定する。
【0063】
次に、本発明に係る第2の実施の形態のデュアルクラッチ式変速機1の制御方法について、図6を参照しながら説明する。この制御方法はステップS21〜S32までは、前述の第1の実施の形態の制御方法のステップS1〜S12と同じである。ただし、ステップS27とステップS28が第1クラッチC1の入力回転数と出力回転数を検出していることが相違する。これは、補助段SG1が発進段DG2に比べて、ギア比が低いためである。この時点では、第1クラッチは半クラッチ、第2クラッチは半クラッチ、発進段DG2は同期係合、及び補助段SG1は同期係合の状態である。
【0064】
ステップS32で第1クラッチC1が完断していないと判断すると、次に、補助段SG1の同期係合が外れているか否かを判断するステップS33を行う。補助段SG1の同期係合は外れていないため、次の補助段SG1の同期係合を外すステップS34を行う。ステップS34が完了するとステップS26に戻る。現時点では、第1クラッチC1は半クラッチ、第2クラッチC2は半クラッチ、発進段DG2は同期係合、補助段SG1は同期係合が解除の状態である。
【0065】
次に、ステップS26から、順に進み、ステップS33で、補助段SG1の同期係合が外れていると判断されると、次に、第1クラッチC1を完断するステップS35を行う。次に、加速段AG3を同期係合するステップS36を行う。ステップ36が完了するとステップS26へと戻る。現時点では、第1クラッチC1は完断、第2クラッチC2は半クラッチ、発進段DG2は同期係合、補助段SG1は同期係合が解除、加速段AG2は同期係合の状態である。
【0066】
次に、ステップS32で第1クラッチC1が完断していると判断し、第2クラッチC2を完接するステップS37を行う。そして、ステップS26へ戻り、ステップS6で第2クラッチC2が完接していると判断されるとこの制御方法は終了する。この方法によれば、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0067】
上記に記載のDCT1を搭載する車両は、両クラッチC1及びC2の摩耗を均等化して、両クラッチC1及びC2の交換期間を従来よりも長くすることができる。また、発進フィーリングが変化させずに上記の作用効果を得ることができるため、運転し易い車両を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のデュアルクラッチ式変速機の制御方法は、追加構成部品を必要とせずに、且つ発進フィーリングを変化させることなく、発進段側のクラッチの負担を低減して、摩耗を抑制することができるので、クラッチの交換期間を長くすることができる。また、発進段側のクラッチの吸収エネルギを算出して、両クラッチを使用するか否かを判断するため、補助段側のクラッチの摩耗も抑制することができる。加えて、発進してからの変速操作も円滑にすることができる。そのため、スムースな変速操作によって低燃費を実現するため
にデュアルクラッチ式変速機を搭載したトラックなどの大型車両に利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 DCT(デュアルクラッチ式変速機)
11 第1入力軸
12 第2入力軸
13 カウンターシャフト
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
DG2 発進段
SG1、SG3 補助段
G1、G4〜G6、GR ギア段
S1〜S3 カップリングスリーブ
20 ECU(制御装置)
21 クラッチ動作機構
22 同期係合動作機構
23 第2クラッチ入力回転数センサ
24 第2クラッチ出力回転数センサ
25 第1クラッチ出力回転数センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1クラッチと結合する第1入力軸と第2クラッチと結合する第2入力軸とを備え、前記第1入力軸及び前記第2入力軸と、出力軸との間にそれぞれ奇数段と偶数段の歯車段を一段おきに配置し、
動力源から前記出力軸への動力の伝達を開始するときに、発進用の歯車段である発進段を前記第2入力軸に同期係合させると共に、前記第2入力軸に前記第2クラッチを結合させて動力の伝達を開始するデュアルクラッチ式変速機の制御方法において、
前記動力源から前記出力軸への動力の伝達を開始し、前記発進段を同期係合した前記第2入力軸に前記第2クラッチを半結合させる間に、前記第2クラッチの吸収エネルギを算出し、前記吸収エネルギが予め定めた閾値を超えた場合に、前記発進段よりも一段以上低い、又は、前記発進段よりも一段以上高い歯車比を有した補助段を同期係合した前記第1入力軸に前記第1クラッチを半結合することを特徴とするデュアルクラッチ式変速機の制御方法。
【請求項2】
前記動力源から前記出力軸への動力の伝達を停止したときに、前記発進段を前記第1入力軸に、前記補助段を前記第2入力軸に、それぞれ同期係合することを特徴とする請求項1に記載のデュアルクラッチ式変速機の制御方法。
【請求項3】
少なくとも第1クラッチと結合する第1入力軸と第2クラッチと結合する第2入力軸とを備え、前記第1入力軸及び前記第2入力軸と、出力軸との間にそれぞれ奇数段と偶数段の歯車段を一段おきに配置し、
動力源から前記出力軸への動力の伝達を開始するときに、発進用の歯車段である発進段を前記第2入力軸に同期係合させると共に、前記第2入力軸に前記第2クラッチを結合させて動力の伝達を開始するデュアルクラッチ式変速機において、
前記発進段よりも一段以上高く、又は、一段以上低い歯車比を有している補助段と、制御装置とを備え、
前記制御装置に、前記動力源から前記出力軸への動力の伝達を開始し、前記発進段を同期係合した前記第2入力軸に前記第2クラッチを半結合させる間に、前記第2クラッチの吸収エネルギを算出する手段と、前記吸収エネルギが予め定めた閾値を超えた場合に、前記補助段を同期係合した前記第1入力軸に前記第1クラッチを半結合させる手段とを備えたことを特徴とするデュアルクラッチ式変速機。
【請求項4】
前記第2クラッチへ入力される回転数を検出する入力回転数センサと、前記第2クラッチから出力される回転数を検出する出力回転数センサとを備え、
前記制御装置に、前記動力源から伝達されるトルクを算出する手段と、前記第2クラッチへ入力される回転数と前記第2クラッチから出力される回転数の差の値と、前記トルクから前記吸収エネルギを算出する手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のデュアルクラッチ式変速機。
【請求項5】
前記制御装置に、前記動力源から前記出力軸への動力の伝達を停止したときに、前記発進段を前記第1入力軸に、前記補助段を前記第2入力軸に、それぞれ同期係合する手段を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載のデュアルクラッチ式変速機。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか1項に記載のデュアルクラッチ式変速機を搭載した車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−15185(P2013−15185A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148159(P2011−148159)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】