説明

トグル制御を有するサーマルセンサ

【課題】トグル制御を用いたサーマルセンサの節電のためのシステム、方法、および、装置を目的とする。
【解決手段】集積回路(メモリデバイスなど)は、オンダイサーマルセンサ、記憶素子(レジスタなど)、および、トグルロジックを含む。トグルロジックは、トグル表示に少なくとも一部応答し、サーマルセンサを第1の電力消費レベルから第2の電力消費レベルへと移行させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概ね集積回路の分野に関し、より詳しくは、節電を実現するトグル制御を有するサーマルセンサのためのシステム、方法、および、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリは、いくつかの類似した(または同一の)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)デバイスなどの集積回路を含むモジュールに、しばしば実装される。DRAMの温度は、主にそのアクティビティレベル(例えば、メモリセルへの読み取り/書き込み速度)により測定される。メモリの温度が高すぎると、メモリに格納されたデータは、変質するかまたは失われることがある。さらに、メモリは、極端に温度が高いと損傷する可能性がある。そして、メモリデバイスの温度制約は、メモリデバイスインターフェースがサポートできる最大データアクセス率を制限する可能性がある。
【0003】
オンダイサーマルセンサは、DRAM温度データを収集するために用いることもできる。いくつかのシステムでは、DRAMそれぞれが、温度データを収集し、かつ、収集した温度データを例えばメモリコントローラに提供するオンダイサーマルセンサを含むこともある。予めプログラムされた温度閾値に到達したとき、オンダイサーマルセンサは、イベントを起動させてよい。
【0004】
従来のシステムでは、システムの電源がオンになると、オンダイサーマルセンサもオンになる。オンダイサーマルセンサは常にオンになっているので、絶えず電力を消費している。一定の電力消費は、バッテリー供給電力を減少させ(例えばモバイルアプリケーションにおいて)、プラットフォームから離れて伝導される必要がある熱を生じ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明の実施形態は、概ね、特定の条件の下でオンダイサーマルセンサを高電力消費レベルから低電力消費レベルに切り替えることにより、センサの電力消費を減少させるためのシステム、方法、および、装置を目的とする。いくつかの実施形態では、集積回路(例えばDRAM)は、オンダイサーマルセンサ、および、トグルロジックを含む。トグルロジックの目的は、2つまたはそれ以上の電力消費レベルの間でセンサを切り替えることである。いくつかの実施形態では、トグルロジックは、特定の条件の下でセンサを低消費電力レベルに移行させることにより、センサの消費電力を減少させることができる。
【0006】
図1は、本発明の実施形態に従い実施されるコンピュータシステムの選択された態様を示すハイレベルブロック図である。システム100は、プロセッサ110、メモリモジュール120、および、メモリコントローラ130を含む。プロセッサ110は、例えば、中央処理装置、埋込み型プロセッサ、分割プロセッサ、マルチコアプロセッサなど、任意の演算処理装置であってよい。
【0007】
メモリモジュール120は、メモリデバイス122−128を含む。説明を簡単にするために4つのメモリデバイスが示されている。本発明の実施形態は、メモリデバイスをより多く、または、より少なく含み得ると理解されたい。メモリデバイス122−128は、例えばDRAMを含む多種多様なメモリデバイスのいずれであってもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、各メモリデバイス122−128は、対応するオンダイサーマルセンサ140−148を含む。用語「オンダイ」は、対応する集積回路と同じダイ(例えばDRAMと同じダイ)の上にサーマルセンサが配置していることを指す。オンダイサーマルセンサは、例えばサーマルダイオードを含む多種多様なオンダイサーマルセンサのいずれであってもよい。オンダイサーマルセンサ140−148は、メモリデバイス122−128の温度データを検知する。用語「温度データ」とは、デバイス温度の表示を提供するデジタル情報を広く指す。用語「温度データ」は、1つまたはそれ以上の温度閾値が越えられたかどうかを示すデジタル情報を含んでもよい。
【0009】
図示の実施形態では、各メモリデバイス122−128は、対応するトグルロジック160−166、および、記憶素子170−176も含む。トグルロジック160−166は、対応するサーマルセンサを2つまたはそれ以上の電力消費レベルの間で移行させるロジックを含む。用語が示唆するように、「電力消費レベル」とは、サーマルセンサがどれくらい電力を消費するかを指す。いくつかの実施形態では、異なる電力消費レベルは、サーマルセンサの異なる状態に対応する。例えば、検知モードでのサーマルセンサの電力消費レベルは、電源オフモードでのサーマルセンサの電力消費レベルより大きい。サーマルセンサは、電力消費レベルをほとんど際限なくいくつも有していてよいし、電力消費レベルの細度は、微細でも、粗くても、あるいは、その間くらいでもよい。
【0010】
トグルロジック160−166は、複数の電力消費レベルの間でサーマルセンサを移行させるのに適するたいていの種類のロジックを用いて実施することができる。例えば、トグルロジック160−166は、ステートマシンを用いて実施されてよい。トグルロジック160−166の一例は、図3−5を参照して以下でさらに説明する。
【0011】
図1に示すように、各メモリデバイス122−128は、対応する記憶素子170−176を含んでよい。記憶素子170−176は、対応するサーマルセンサ140−148の温度データを格納してよい。いくつかの実施形態では、例えば、サーマルセンサ140−148は、温度データを検知した後、その温度データを記憶素子170−176に伝達してよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、記憶素子170−176は、サーマルセンサの機能および/またはそれに関連するトグルロジックを制御する情報も格納してよい。例えば、記憶素子170−176は、オンダイサーマルセンサが使用可能かまたは使用不可かを示す1つまたはそれ以上のビットを格納してよい。以下にさらに述べるように、記憶素子170−176は、サーマルセンサが1つまたはそれ以上のトグル表示をスキップするかどうかを特定するビットを格納してよい。記憶素子170−176は、例えばレジスタセットを含む、多数のビットを格納するのに適したいかなる記憶素子であってもよい。いくつかの実施形態では、記憶素子170−176は、モードレジスタセット(MRS)である。記憶素子170−176は、図2および5を参照して以下でさらに説明する。
【0013】
別の実施形態では、メモリデバイス122−128の1つの選択されたサブセットだけが、オンダイサーマルセンサ140−148、および/または、トグルロジック160−166を含む。例えば、いくつかの実施形態では、すべてのN番目(例えば、2、3、4番目など)のメモリデバイスがオンダイサーマルセンサおよび関連するトグルロジックを有してよい。あるいは、メモリモジュール120の各側の少なくとも1つのメモリデバイスが、オンダイサーマルセンサおよび関連するトグルロジックを含んでよい。さらに別の実施形態では、メモリモジュール120上の少なくとも1つのメモリデバイスが、オンダイサーマルセンサおよび関連するトグルロジックを含んでよい。
【0014】
メモリコントローラ130は、プロセッサ110とメモリモジュール120との間のインターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、メモリコントローラ130は、サーマルスロットルル132およびセンサ処理ロジック134を含む。センサ処理ロジック134は、記憶素子170−176から温度データを収集し、かつ、収集したデータを処理する。温度データの収集は、(例えば適切な信号をアサートすることにより)データのコマンドを発行すること、および/または、メモリデバイス122−128から出されたデータを受信することを含む。温度データの処理は、例えば、最高温度を決定すること、最低温度を決定すること、平均(および/または、ローリング平均)温度を決定すること、収集された温度データと様々なトリップ点とを比較することなどを含んでよい。いくつかの実施形態では、サーマルスロットル132は、モジュール120および/またはメモリデバイス122−128の温度制御機構を提供する。例えば、サーマルスロットル132は、メモリデバイス122−128への読み取りおよび書き込み速度を制限してよい。
【0015】
メモリ相互接続150は、メモリモジュール120とメモリコントローラ130とを結合させる。いくつかの実施形態では、メモリ相互接続150は、マルチドロップバスである。別の実施形態では、メモリ相互接続150は、直列相互接続である。
【0016】
図2は、本発明の実施形態に従い実施される集積回路(例えばメモリデバイス)の選択された態様を示すブロック図である。集積回路200は、サーマルセンサ210、トグルロジック220、記憶素子230、および、コアロジック240を含む。いくつかの実施形態では、集積回路200は、DRAMなどのメモリデバイスである。別の実施形態では、集積回路200は、オンダイサーマルセンサ210を有するたいていの集積回路であってよい。
【0017】
オンダイサーマルセンサ210は、集積回路200の温度を示す温度データを検知する。センサ210は、サーマルデータを記憶素子230に伝達してよい。いくつかの実施形態では、トグルロジック220は、2つまたはそれ以上の電力消費レベルの間でサーマルセンサ210を移行させる。2つまたはそれ以上の電力消費レベルは、センサ210の様々な状態に対応してよい。例えば、電源オンモード、検知モード、および、電源オフモードのそれぞれは、異なる電力消費レベルに対応する。いくつかの実施形態では、トグルロジック220は、ある状態から別の状態へ移行することにより、ある電力消費レベルから他の電力消費レベルへとセンサ210を移行させる。
【0018】
コアロジック240は、集積回路200のコアロジックである。集積回路200がメモリデバイスである一実施形態では、コアロジック240は、メモリアレイであってよい。別の実施形態では、コアロジック240は、例えば処理ロジックを含む他のいかなる種類のコアロジックであってよい。
【0019】
図3は、本発明の一実施形態に従うトグル制御を用いた節電の態様を示すタイミングチャートである。タイミングチャート300のライン302は、サーマルセンサの切り替えを示す。センサの検知動作は、ライン304に示されている。ライン306は、周期的に切り替わるトグルロジックを示す。
【0020】
いくつかの実施形態では、トグルロジックは、トグル表示に応答して切り替えを行う。トグル表示は、コントローラ(例えば図1に示すメモリコントローラ130)により提供されるたいていのコマンド(例えばアサート信号)であってよい。いくつかの実施形態では、トグル表示は、相互接続較正コマンドである。「相互接続較正コマンド」とは、相互接続(例えば、図1に示すメモリ相互接続150)を較正するコマンドを指す。既存のコマンドを使用するということは、新たなコマンドを追加する必要がないということを含む相互接続較正コマンドにトグルロジックをラッチする利点は数多くある。さらに、メモリ相互接続は、較正の間(比較的)安静であり、温度検知を妨げる可能性のある信号送信は、ごくわずかである。
【0021】
いくつかの実施形態では、相互接続較正コマンドは、ZQ較正(ZQ cal)コマンドである。ZQ cal較正コマンドは、例えば、ダブルデータ読み取り(DDR)3メモリシステムにおいてDQを周期的に較正するために用いられる較正コマンドを指す。ZQ calショート(ZQCS)コマンドおよびZQ calロング(ZQCL)コマンドを含む数多くの異なるZQ calコマンドがあり得る。ZQCSコマンドは、64クロックサイクルの長さであってよく、ZQCLは、512クロックサイクルの長さであってよい。ライン308は、トグル表示として用いられる周期ZQ cal コマンドを示す。別な実施形態では、トグル表示は、異なるコマンドにラッチされる。例えば、別な実施形態では、トグル表示は、メモリ読込み、メモリ書込み、あるいは、集積回路で使用される他のたいていのコマンドおよび/または信号であってよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、トグルロジックは、1つまたはそれ以上のトグル表示をスキップしてよい。用語トグル表示を「スキップする」は、集積回路の温度を検知せずに1つまたはそれ以上のトグル表示をスキップすることを指す。例えば、タイミングチャート300において、すべての第2のトグル表示がスキップされる。つまり、すべての第2のトグル表示(例えば312、314)の間、センサは、検知せずに、(316、318)電源をオフ(320、322)にする。別な実施形態では、ほとんどあらゆる番号のトグル表示がスキップされる(例えば、0、1、2...n)。いくつかの実施形態では、スキップされるトグル表示の番号は、プログラムで設定されてよい。例えば、ユーザは、いくつのトグル表示がスキップされるかを示す値をレジスタ(例えばMRS)に設定してよい。トグルロジックは、値にアクセスし、適切な番号のトグル表示をスキップしてよい。
【0023】
図4は、本発明の実施形態に従うトグルロジックの選択された態様を示す状態図である。ブロック410を参照すると、コントローラ(例えばメモリコントローラ)は、温度データを検索すべく、周期的に記憶素子(例えば170−176)を読み取ることができる。記憶素子に格納された温度データは、検知間隔と同程度新しくなるだけである。いくつかの実施形態では、検知間隔は、デバイスの熱散逸率に少なくとも一部基づく。つまり、熱的に良好に動作する(例えば効果的に冷却される)システムは、良好に熱的に動作するシステムより検知間隔が長くてよい。
【0024】
図示の実施形態では、状態図である400は、2つの状態(420および430)を有する。トグルロジックは、ZQ calコマンドのようなトグル表示に応答して状態420に移行する。いくつかの実施形態では、トグルロジックの第1の状態は、サーマルセンサの電源オンに対応する。次のトグル表示に応答し、トグルロジックは、状態430に移行する。状態430は、センサを検知モードに進め、温度データを検知し、温度データを記憶素子に伝達し、検知間隔の後にサーマルセンサの電源を自動的にオフすることに対応する。図示の実施形態では、センサパワーアップモードは、センサモードとは区別される。これらのモードを区別する理由は、パワーアップモードと検知モードとの間に一定量の較正時間を必要とするセンサもあるからである。状態図である400は、センサモードとは異なる状態のパワーアップモードを含むので、トグル表示の間の時間間隔においてセンサはそれ自身を較正できる。
【0025】
いくつかの実施形態では、ブロック440は、メモリ相互接続較正安静時間において、トグルロジックがある状態から他の状態へ移行することを示す。例えば、いくつかの実施形態では、トグルロジックは、ZQ cal コマンドに応答して状態を移行させる。別の実施形態では、トグルロジックは、異なるトグル表示(例えばメモリ読込み、メモリ書込み、など)に応答して移行させてよい。
【0026】
図5は、本発明の一実施形態に従う記憶素子(例えばMRSにおけるモードレジスタ)の選択された態様を示す表である。記憶素子500は、なかでも、センサおよび/または該センサに関連するトグルロジックの設定を格納する。例えば、行502および504を参照すると、記憶素子500は、オンダイサーマルセンサを使用可能かまたは使用不可にできる値を格納する。行506および508は、スキップされる多数のトグル表示を決定する値を格納する。例えば、行506は、すべての第2のトグル表示をスキップするための設定を示す。同様に、行508は、各検知イベント間で2つのトグル表示をスキップするための設定を示す。別の実施形態では、トグルロジック500は、さらに多くの設定、より少ない設定、および、異なる設定を有してよい。
【0027】
図6は、本発明の一実施形態に従う、トグル制御を用いた節電方法の選択された態様を示すフローチャートである。プロセスブロック602を参照すると、サーマルセンサの電力消費レベルを制御するトグルロジックは、トグル表示を受信する。いくつかの実施形態では、トグル表示は、ZQ calコマンドのような相互接続較正コマンドである。別の実施形態では、異なるトグル表示が用いられてよい。
【0028】
プロセスブロック604を参照すると、トグルロジックは、トグル表示の受信に少なくとも一部応答し、オンダイサーマルセンサ(ODTS)を第1の電力消費レベルに移行させる。いくつかの実施形態では、第1の電力消費レベルは、電源オンモードに対応する。別の実施形態では、第1の電力消費レベルは、電源オンモードと検知モードとの組み合わせに対応する。さらに別な実施形態では、第1の電力消費レベルは、サーマルセンサのモードおよび/または状態のたいていのものに対応してよい。
【0029】
プロセスブロック606を参照すると、サーマルセンサは、温度データを検知する。検知された温度データは、608で記憶素子(例えば、図2に示す記憶素子230)に伝達される。いくつかの実施形態では、トグルロジック以外のロジックが、温度データを記憶素子に伝達する。別の実施形態では、トグルロジックが温度データを記憶素子に伝達する。
【0030】
プロセスブロック610を参照すると、トグルロジックは、次のトグル表示に少なくとも一部応答し、ODTSを第2の電力消費レベルに移行させる。次のトグル表示は、必ずしも第1のトグル表示のすぐ後ろに続くトグル表示でなくてもよい。つまり、いくつかの実施形態では、トグルロジックは、異なる電力消費レベルに移行する前に多数の段階を有してよい。これらの段階は、例えば、デバイスの温度を検知せずに1つまたはそれ以上のトグル表示をスキップすることに対応してもよい。
【0031】
第2の電力消費レベルは、多種多様なサーマルセンサモードおよび/または状態のいずれかに対応してよい。いくつかの実施形態では、第2の電力消費レベルは、第1の電力消費レベルより低い。例えば、第1の電力消費レベルは、電源オンモードに対応してよく、第2の電力消費レベルは、電源オフモードに対応してよい。いくつかの実施形態では、ODTSは、第2の電力消費レベルを達成すべく、自動的に電源オフする。
【0032】
図7は、本発明の実施形態に従う電子システムの選択された態様を示すブロック図である。電子システム700は、プロセッサ710、メモリコントローラ720、メモリ730、入出力(I/O)コントローラ740、無線周波(RF)回路750、および、アンテナ760を含む。動作中、システム700は、アンテナ760を用いて信号を送受信し、それらの信号は、図7に示す様々な構成要素により処理される。アンテナ760は、指向性アンテナまたは全方向性アンテナであってよい。ここで使用している用語「全方向性アンテナ」とは、少なくとも1つの平面において実質的に均一のパターンを有するあらゆるアンテナを指す。例えば、いくつかの実施形態では、アンテナ760は、ダイポールアンテナ、または、四分の一波長アンテナなどの全方向性アンテナであってよい。同じく、例えば、いくつかの実施形態では、アンテナ760は、パラボラディッシュアンテナ、パッチアンテナ、または、八木アンテナなどの指向性アンテナであってよい。いくつかの実施形態では、アンテナ760は、多数の物理的アンテナを含んでよい。
【0033】
無線周波数回路750は、アンテナ760およびI/Oコントローラ740と通信する。いくつかの実施形態では、RF回路750は、通信プロトコルに対応する物理インターフェース(PHY)を含む。例えば、PF回路750は、モジュレータ、デモジュレータ、ミキサ、周波数シンセサイザ、ローノイズアンプ、パワーアンプ、などを含んでよい。いくつかの実施形態では、RF回路750は、ヘテロダイン受信機を含んでよく、他の実施形態では、RF回路750は、直接変換レシーバを含んでよい。例えば、多数のアンテナ760を有する実施形態では、各アンテナは、対応するレシーバに結合されてよい。動作中、RF回路750は、アンテナ760から通信信号を受信し、アナログまたはデジタル信号をI/Oコントローラ740に提供する。さらに、I/Oコントローラ740は、信号をRF回路750に提供する。RF回路750は、信号に働きかけ、それら信号をアンテナ760に伝送する。
【0034】
プロセッサ710は、いかなるタイプの処理デバイスであってもよい。例えば、プロセッサ710は、マイクロプロセッサ、または、マイクロコントローラなどであってよい。さらに、プロセッサ710は、いかなる数の処理コアを含んでよく、いかなる数の個別のプロセッサを含んでよい。
【0035】
メモリコントローラ720は、図7に示すプロセッサ710と他の構成要素との間の通信経路を提供する。いくつかの実施形態では、メモリコントローラ720は、他の機能も提供するハブ装置の一部である。図7に示すように、メモリコントローラ720は、プロセッサ710、I/Oコントローラ740、および、メモリ730に結合される。
【0036】
メモリ730は、多数のメモリデバイスを含んでよい。これらのメモリデバイスは、あらゆるタイプの記憶装置技術に基づいてよい。例えば、メモリ730は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、または、他のいかなるタイプのメモリであってよい。
【0037】
メモリ730は、1つまたはそれ以上のモジュールにおける単一のメモリデバイスまたは多数のメモリデバイスを表わしてよい。いくつかの実施形態では、メモリデバイスの少なくとも1つは、オンダイサーマルセンサおよびそれに関連するトグルロジックを含む。トグルロジックは、2つまたはそれ以上の電力消費レベル間でセンサを切り替えてよい。トグルロジックは、特定の条件の下でセンサを低電力消費レベルに移行させることにより、センサの消費電力を減少させることができる。
【0038】
メモリコントローラ720は、相互接続722を介し、メモリ730にデータを提供し、かつ、読み取り要求に応じてメモリ730からデータを受信する。コマンドおよび/またはアドレスは、相互接続722または異なる相互接続(図示せず)を介し、メモリ730に提供されてよい。メモリコントローラ730は、プロセッサ710または他のソースからメモリ730内に格納されるべきデータを受信してよい。メモリコントローラ720は、メモリ730から受信したデータをプロセッサ710または他の宛先に提供してよい。相互接続722は、双方向相互接続、または、一方向相互接続であってよい。相互接続722は、多数の並列導体を含んでよい。信号は、差動またはシングルエンド信号であってよい。いくつかの実施形態では、相互接続722は、転送されるマルチフェーズクロックスキームを用いて動作してよい。
【0039】
メモリコントローラ720は、また、I/Oコントローラ740に結合され、プロセッサ710とI/Oコントローラ740との間の通信経路を提供する。I/Oコントローラ740は、シリアルポート、パラレルポート、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートなどのI/O回路と通信するための回路構成を含む。図7に示すように、I/Oコントローラ740は、RF回路750への通信経路を提供する。
【0040】
図8は、本発明の他の実施形態に従う電子システムの選択された態様を示すブロック図である。電子システム800は、メモリ730、I/Oコントローラ740、RF回路750、および、アンテナ760を含み、それらのすべては図7を参照して前述されている。電子システム800は、プロセッサ810およびメモリコントローラ820も含む。図8に示すように、メモリコントローラ820は、プロセッサ810と同じダイ上にあってよい。プロセッサ810は、プロセッサ710を参照して前述したようないかなるタイプのプロセッサであってもよい。図7および8により示される例示システムは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバ、携帯電話、パーソナル携帯情報機器(PDA)、デジタルホームシステムなどを含む。
【0041】
本発明の実施形態の構成要素は、機械により実行可能な命令を格納する機械可読媒体として提供されることもできる。機械可読媒体は、これらに限定されないが、フラッシュメモリ、光ディスク、コンパクトディスク−リードオンリーメモリ(CD−ROM)、デジタル多用途/ビデオディスク(DVD)ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、磁気または光カード、伝播媒体、または、電子命令を格納するのに適した他のタイプの機械可読媒体を含んでよい。例えば、本発明の実施形態は、通信リンク(例えばモデムまたは他のネットワーク接続)を介し、搬送波に含まれるデータ信号、または、他の伝播媒体によりリモートコンピュータ(例えばサーバ)から要求コンピュータ(例えばクライアント)へと転送されることができるコンピュータプログラムとしてダウンロードされてもよい。
【0042】
本発明の実施形態の構成要素は、機械により実行可能な命令を格納するための機械可読媒体として提供されてもよい。機械可読媒体は、これらに限定されないが、フラッシュメモリ、光ディスク、コンパクトディスク−リードオンリーメモリ(CD−ROM)、デジタル多用途/ビデオディスク(DVD)ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、磁気または光カード、伝播媒体、または、電子命令を格納するのに適した他のタイプの機械可読媒体を含んでよい。例えば、本発明の実施形態は、通信リンク(例えばモデムまたは他のネットワーク接続)を介し、搬送波に含まれるデータ信号、または、他の伝播媒体によりリモートコンピュータ(例えばサーバ)から要求コンピュータ(例えばクライアント)へと転送されることができるコンピュータプログラムとしてダウンロードされてもよい。
【0043】
本願明細書全体を通じての「一実施形態(one embodiment またはan embodiment)への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または、特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解されたい。したがって、本願明細書中における一実施形態または他の実施形態に対する2つまたはそれ以上の言及が必ずしもすべて同じ実施形態を言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または、特性は、本発明の1つまたはそれ以上の実施形態に適切なように組み合わされてよい。
【0044】
同様に、前述の本発明の実施形態の説明において、さまざまな発明の態様の1つまたはそれ以上を理解するのに役立つ開示を合理化する目的で、単一の実施形態、図またはその説明においてさまざまな特徴がしばしば一緒にされていることを理解されたい。この開示方法は、しかしながら、請求された内容が各々の請求項において明確に記載されることより多くの特徴を要求するという意図を反映していると解釈されるべきでない。むしろ、添付の請求項が反映するように、発明の態様が、単一の前述した開示例の全てに存在するわけではない。このように、詳細な説明に続く請求項は、この詳細な説明に明確に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明の実施形態を示すが、これに限定されない。添付の図面において類似する参照符号は、類似の構成要素を示す。
【図1】本発明の一実施形態に従い実施される、コンピュータシステムの選択された態様を示すハイレベルブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に従い実施される集積回路の選択された態様を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に従う、トグル制御を用いた節電の選択された態様を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に従うトグルロジックの選択された態様を示す状態図である。
【図5】本発明の一実施形態に従う記憶素子の選択された態様(例えばモードレジスタセットの態様)を示す表である。
【図6】本発明の一実施形態に従う、トグル制御を用いた節電方法の選択された態様を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に従う電子システムの選択された態様を示すブロック図である。
【図8】本発明の別の実施形態に従う電子システムの選択された態様を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路であって、
サーマルセンサと、
前記サーマルセンサに結合されて該サーマルセンサに関連するデータを格納する記憶素子と、
トグル表示に少なくとも一部応答し、前記サーマルセンサを第1の電力消費レベルから第2の電力消費レベルへと移行させることが可能なトグルロジックと、
を備える集積回路。
【請求項2】
前記トグルロジックは、前記第1の電力消費レベルに対応する第1の状態、および、前記第2の電力消費レベルに対応する第2の状態を有するステートマシンを含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記第1の状態は、サーマルセンサパワーアップモードに関連する、請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記第2の状態は、サーマルセンサ検知モードに関連する、請求項3に記載の集積回路。
【請求項5】
前記ステートマシンは、対応するN追加トグル表示をスキップするN追加状態を含む、請求項3に記載の集積回路。
【請求項6】
前記トグル表示は、相互接続較正コマンドである、請求項1に記載の集積回路。
【請求項7】
前記相互接続較正コマンドは、ZQ較正コマンドである、請求項6に記載の集積回路。
【請求項8】
前記集積回路は、揮発性メモリデバイスを含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項9】
前記揮発性メモリデバイスは、ダイナミックランダムアクセスメモリデバイスである、請求項8に記載の集積回路。
【請求項10】
前記記憶素子は、レジスタセットを含む、請求項9に記載の集積回路。
【請求項11】
前記レジスタセットは、モードレジスタセット(MRS)である、請求項10に記載の集積回路。
【請求項12】
方法であって、
集積回路のトグルロジックでトグル表示を受信する工程と、
前記トグル表示の受信に少なくとも一部応答し、オンダイサーマルセンサを第1の電力消費レベルに移行させる工程と、
温度データを検知する工程と、
前記オンダイサーマルセンサを第2の電力消費レベルに移行させる工程と、
を含む方法。
【請求項13】
前記オンダイサーマルセンサを前記第2の電力消費レベルに移行させる工程は、
前記温度データの検知する工程の後に、前記オンダイサーマルセンサを前記第2の電力消費レベルに自動的に移行させる工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
次のトグル表示を受信する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記オンダイサーマルセンサを前記第2の電力消費レベルに移行させる工程は、前記次のトグル表示を受信する工程に少なくとも一部応答し、前記オンダイサーマルセンサを前記第2の電力消費レベルに移行させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記次のトグル表示をスキップする工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の電力消費レベルは、前記第2の電力消費レベルより大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
システムであって、
サーマルセンサ、
前記サーマルセンサに結合されて該サーマルセンサに関連するデータを格納するレジスタ、および、
トグル表示に少なくとも一部応答し、前記サーマルセンサを第1の電力消費レベルから第2の電力消費レベルへと移行させることが可能なトグルロジック、
を備えるダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイスと、
前記メモリデバイスに結合されて、前記サーマルセンサからの温度情報を収集するサーマルセンサ処理ロジックを含むメモリコントローラと、
を備えるシステム。
【請求項19】
前記トグル表示は、相互接続較正コマンドを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記トグルロジックは、前記第1の電力消費レベルに対応する第1の状態と、前記第2の電力消費レベルに対応する第2の状態とを有するステートマシンを含む、請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−48384(P2008−48384A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−158204(P2007−158204)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】